JP2018092715A - リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】Ni組成比が高いリチウムイオン二次電池用正極活物質粒子において、充放電サイクルに伴う抵抗上昇を抑制すること。【解決手段】リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子は、粒子全体の平均組成が式:LiyNia1M1(1-a1)O2(ただし式中、y、a1は、1.0≦y≦1.2、0.8≦a1≦0.9を満たし、M1は、Mn、CoおよびAlからなる群より選択される少なくとも1種である)で表される。粒子の最表面の組成が式:LixNia2Mnb2Coc2O2(ただし式中、x、a2、b2、c2は、1.1≦x≦1.4、0.2≦a2≦0.4、0.4≦b2≦0.6、0.2≦c2≦0.4、a2+b2+c2=1を満たす)で表される。【選択図】図1

Description

本開示は、リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子に関する。
特開2016−051504号公報(特許文献1)は、Ni組成比が高い正極活物質粒子と、Mn組成比が高い正極活物質粒子とを混合して使用することを開示している。
特開2016−051504号公報
リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子(以下「正極活物質粒子」と略記される場合がある)として、層状岩塩型酸化物(たとえば、LiCoO2等)が知られている。層状岩塩型酸化物の理論容量は274mAh/g程度とされている。しかし、不可逆的な相転移を起こさずに充放電できる容量(可逆容量)は、理論容量よりもずっと少ない。たとえば、LiCoO2の可逆容量は、理論容量の半分程度とされている。
2種以上の遷移金属により構成される層状岩塩型酸化物(たとえば、LiNi1/3Mn1/3Co1/32等)も知られている。とりわけNi組成比が高い層状岩塩型酸化物は、可逆容量が大きく、高出力電池用として期待されている。しかしながら、Ni組成比が高い層状岩塩型酸化物は、充放電サイクルに伴う抵抗上昇が顕著である。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、本開示の範囲が限定されるべきではない。
本開示のリチウムイオン二次電池用正極活物質粒子は、
粒子全体の平均組成が下記式(I):
LiyNia11 (1-a1)2 (I)
(ただし式中、y、a1は、
1.0≦y≦1.2、
0.8≦a1≦0.9を満たし、
1は、Mn、CoおよびAlからなる群より選択される少なくとも1種である)
で表される。
粒子の最表面の組成が下記式(II):
LixNia2Mnb2Coc22 (II)
(ただし式中、x、a2、b2、c2は、
1.1≦x≦1.4、
0.2≦a2≦0.4、
0.4≦b2≦0.6、
0.2≦c2≦0.4、
a2+b2+c2=1を満たす)
で表される。
Ni組成比が高い層状岩塩型酸化物の抵抗上昇は、粒子の最表面における局所的な相転移に起因すると考えられる。すなわち粒子の最表面において、抵抗が高い岩塩型のNiOが生成されることにより、抵抗上昇が引き起こされていると考えられる。
上記式(I)に示されるように、本開示の正極活物質粒子は、粒子全体としては高いNi組成比(a1)を有する。したがって、本開示の正極活物質粒子は、高容量および高出力を示すことが期待される。本開示の正極活物質粒子は、粒子の最表面で局所的に組成が変化している。すなわち、上記式(II)に示されるように、最表面では、局所的にNi組成比(a2)が低くなっており、かつMn組成比(b2)がNi組成比(a2)以上になっている。これにより岩塩型のNiOの生成が抑制されると考えられる。すなわち、充放電サイクルに伴う抵抗上昇が抑制されると考えられる。
図1は、本開示の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極活物質粒子を示す断面概念図である。 図2は、最表面のMn組成比(b2)と、サイクル後の抵抗との関係を示すグラフである。 図3は、最表面のLi組成比(x)と、サイクル後の抵抗との関係を示すグラフである。 図4は、粒子全体の平均組成におけるNi組成比(a1)と、サイクル後の出力との関係を示すグラフである。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし以下の説明は、本開示の範囲を限定するものではない。
<リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子>
図1は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極活物質粒子を示す断面概念図である。正極活物質粒子10は、典型的には一次粒子が凝集した二次粒子である。正極活物質粒子10は、たとえば1〜20μm(典型的には5〜15μm)の平均粒径を有してもよい。平均粒径は、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において微粒側から累積50%の粒径を示すものとする。正極活物質粒子10は、層状岩塩型の結晶構造を有してもよい。正極活物質粒子10は、その一部に、層状岩塩型に分類されない結晶構造を含んでいてもよい。
正極活物質粒子10では、粒子全体の平均組成と、粒子の最表面の組成とが異なる。すなわち、粒子全体の平均組成が上記式(I)により表され、かつ最表面の組成が上記式(II)により表される。この関係が満たされる限り、正極活物質粒子10は、たとえば、Ni組成比が高いコア11と、Mn組成比が高いシェル12とを含むコアシェル構造を有してもよい。コア11は、粒子状である。コア11は、たとえば、5〜10μmの直径を有してもよい。シェル12は、コア11の表面を被覆している。シェル12は、たとえば、10nm〜1μmの厚さを有してもよい。あるいは正極活物質粒子は、その中心から最表面に向かって、Ni組成比が低くなり、Mn組成比が高くなる組成傾斜を有していてもよい。
《粒子全体の平均組成》
粒子全体の平均組成は、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析法)により測定され得る。測定は3回以上実施される。3回以上の算術平均が測定結果として採用される。
粒子全体の平均組成は、上記式(I)で表される。上記式(I)において、Li(リチウム)組成比(y)は、1.0≦y≦1.2となる関係を満たす。Li組成比(y)が1.0未満になると、Liの不足により、容量が低下する可能性がある。Li組成比(y)が1.2を超えると、余分なLi化合物がガス発生の原因となる可能性がある。Li組成比(y)は、1.05≦y≦1.15となる関係を満たしてもよい。
Ni(ニッケル)組成比(a1)は、0.8≦a1≦0.9となる関係を満たす。Ni組成比(a1)が0.8未満であると、容量および出力が低い傾向がある。Ni組成比(a1)が0.9を超えると、最表面のMn組成比が高くても、岩塩型のNiOが生成される可能性がある。Ni組成比(a1)は、0.8≦a1≦0.84となる関係を満たしてもよいし、0.84≦a1≦0.9となる関係を満たしてもよい。
1は、Mn(マンガン)、Co(コバルト)およびAl(アルミニウム)からなる群より選択される少なくとも1種である。M1が2種以上の元素を含む場合、M1組成比(1−a1)は、各元素組成比の合計を示すものとする。
粒子全体の平均組成は、たとえば、Li1.05Ni0.8Co0.202、Li1.05Ni0.80Mn0.202、Li1.1Ni0.8Co0.15Al0.052、Li1.1Ni0.82Co0.13Al0.052、Li1.15Ni0.8Mn0.1Co0.12、Li1.2Ni0.9Mn0.05Co0.052、Li1.0Ni0.85Mn0.05Co0.12等であり得る。
《最表面の組成》
粒子の最表面の組成は、XPS(X線光電子分光法)により測定され得る。XPS測定は、粒子の表面から粒子の中心に向かって100nmまでの範囲で、3回以上実施される。3回以上の算術平均が測定結果として採用される。粒子表面のエッチングには、アルゴンクラスターイオンが好適である。
最表面の組成は、上記式(II)で表される。上記式(II)において、Li組成比(x)は、1.1≦x≦1.4となる関係を満たす。Li組成比(x)が1.1未満であると、Liの不足により、最表面の結晶構造が不安定になり、局所的な相転移が起こり易くなる可能性もある。Li組成比(x)が1.4を超えると、余分なLi化合物がガス発生の原因となる可能性がある。Li組成比(x)は、1.1≦x≦1.3となる関係を満たしてもよいし、1.3≦x≦1.4となる関係を満たしてもよい。
最表面では、局所的にNi組成比(a2)が低い。さらに最表面ではMn組成比(b2)がNi組成比(a2)以上である。すなわちNi組成比(a2)は、0.2≦a2≦0.4となる関係を満たし、かつMn組成比(b2)は、0.4≦b2≦0.6となる関係を満たす。これにより岩塩型のNiOの生成が抑制されると考えられる。
Ni組成比(a2)が0.2未満になると、抵抗上昇の抑制効果が小さくなる可能性がある。Ni組成比(a2)は、0.2≦a2≦0.3となる関係を満たしてもよいし、0.3≦a2≦0.4となる関係を満たしてもよい。
Mn組成比(b2)が0.6を超えると、抵抗上昇の抑制効果が小さくなる可能性がある。Mn組成比(b2)は、0.4≦b2≦0.5となる関係を満たしてもよいし、0.5≦b2≦0.6となる関係を満たしてもよい。
最表面にはCoも必須成分として存在する。すなわち、最表面のCo組成比(c2)は、0.2≦c2≦0.4となる関係を満たす。Coは、最表面の結晶構造を安定化させていると予想される。Co組成比(c2)は、0.2≦c2≦0.3となる関係を満たしてもよい。ただし、いずれの場合も、a2+b2+c2=1となる関係が満たされる必要がある。
最表面では、Ni、MnおよびCoの一部が、これら以外の元素で置換されていてもよい。すなわち、最表面の組成は、下記式(III):
Lix(Nia2Mnb2Coc2(1-z)2 z2 (III)
(ただし式中、x、a2、b2、c2、zは、
1.1≦x≦1.4、
0.2≦a2≦0.4、
0.4≦b2≦0.6、
0.2≦c2≦0.4、
a2+b2+c2=1、
0.005≦z≦0.01を満たし、
2は、Zr(ジルコニウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Ce(セリウム)、Eu(ユウロピウム)、Sm(サマリウム)、Yb(イッテルビウム)およびHf(ハフニウム)からなる群より選択される少なくとも1種である)
で表されてもよい。
2は、LixNia2Mnb2Coc22に固溶していてもよい。M2は、酸化物の形態で粒子表面または粒界に付着していてもよい。M2の存在により、たとえば出力の向上等が期待される。M2が2種以上の元素を含む場合、M2組成比(z)は、各元素組成比の合計を示すものとする。
最表面の組成は、たとえば、Li1.1Ni0.2Mn0.5Co0.32、Li1.4Ni0.2Mn0.5Co0.32、Li1.3(Ni0.4Mn0.4Co0.20.990.012、Li1.2(Ni0.3Mn0.4Co0.30.995Zr0.0052等であり得る。
《製造方法》
本実施形態に係る正極活物質粒子の製造方法は、特に限定されるべきではない。たとえば、以下の(1)〜(3)の製造方法等により、正極活物質粒子が製造され得る。
(1)たとえば、第1正極活物質粒子および第2正極活物質粒子がそれぞれ準備されてもよい。第1正極活物質粒子は、目的とする正極活物質粒子の粒子全体の平均組成を有するか、または当該平均組成に近い組成を有する。第2正極活物質粒子は、目的とする正極活物質粒子の最表面の組成を有する。第1正極活物質粒子および第2正極活物質粒子は、共に一次粒子が凝集した二次粒子である。
第2正極活物質粒子が一次粒子のレベルまで粉砕される。たとえば、メカノケミカル処理により、第1正極活物質粒子の表面が、粉砕後の第2正極活物質粒子で被覆される。これにより複合粒子が得られる。複合粒子が、たとえば、大気中500〜800℃で1〜24時間熱処理される。これにより、上記式(I)および(II)を満たす正極活物質粒子が製造されてもよい。
(2)たとえば、共沈法により、組成傾斜を有する前駆体(ニッケルマンガンコバルト複合水酸化物)が合成されてもよい。前駆体がLi化合物(たとえばLi2CO3等)と混合される。混合物が大気中で熱処理される。これにより上記式(I)および(II)を満たす正極活物質粒子が製造されてもよい。熱処理は、二段階とされてもよい。一段目の熱処理(「仮焼成」とも称される)は、たとえば、500〜700℃で実施されてもよい。二段目の熱処理(「本焼成」とも称される)は、たとえば、700〜1000℃で実施されてもよい。
(3)たとえば、共沈法により、互いに組成が異なる第1前駆体および第2前駆体がそれぞれ合成されてもよい。第2前駆体は、第1前駆体よりも小さい粒径を有するように合成される。第1前駆体が第2前駆体により被覆される。これにより第3前駆体が調製される。第3前駆体がLi化合物と混合される。混合物が大気中で熱処理される。これにより上記式(I)および(II)を満たす正極活物質粒子が製造されてもよい。熱処理は、上記(2)の製造方法と同様に実施され得る。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は本開示の範囲を限定するものではない。
<正極活物質粒子の製造>
《比較例1》
以下の材料が準備された。
第1正極活物質粒子:Li1.1Ni0.84Mn0.08Co0.082(平均粒径10μm)
第2正極活物質粒子:Li1.3(Ni0.6Mn0.2Co0.20.990.012(平均粒径5μm)
遊星型ボールミルにより第2正極活物質粒子が一次粒子のレベルまで粉砕された。これにより第2正極活物質粒子の粒径は、およそ100nm以下に調整されたと考えられる。メカノケミカル処理により、第1正極活物質粒子の表面が、粉砕後の第2正極活物質粒子で被覆された。これにより複合粒子が調製された。メカノケミカル処理には、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)が使用された。複合粒子が大気中600℃で6時間熱処理された。これにより、比較例1に係る正極活物質粒子が製造された。
《実施例1〜5、比較例2〜4》
下記表1の「粒子の最表面の組成」の欄に示される組成を有する第2正極活物質粒子が使用されることを除いては、比較例1と同じ製造方法により、正極活物質粒子がそれぞれ製造された。
《実施例6、7、比較例5、6》
下記表1の「粒子全体の平均組成」の欄に示される組成を有する第1正極活物質粒子が使用されることを除いては、実施例2と同じ製造方法により、正極活物質粒子がそれぞれ製造された。
《比較例7〜9》
下記表1の「粒子全体の平均組成」の欄に示される組成を有する第1正極活物質粒子が使用されることを除いては、比較例1と同じ製造方法により、正極活物質粒子がそれぞれ製造された。
<評価>
《組成分析》
ICP−AESにより粒子全体の平均組成が測定された。XPSにより最表面の組成が測定された。結果は下記表1に示されている。
《リチウムイオン二次電池の製造》
正極活物質粒子、導電材(アセチレンブラック)、バインダ(ポリフッ化ビニリデン)、および溶媒(N−メチル−2−ピロリドン)が混合されることにより、正極塗料が調製された。正極塗料が集電体(アルミニウム箔)の表面に塗着されることにより、正極が製造された。正極が圧延され、帯状に裁断された。
上記で得られた正極を備えるリチウムイオン二次電池(以下「電池」と略記される)が製造された。電池は、円筒形(直径18mm、高さ65mm)である。電池は、3.0〜4.1Vの電圧範囲で1.5Ahの容量を有するように設計されている。その他の電池構成は以下のとおりである。
負極:黒鉛系材料
セパレータ:ポリエチレン多孔質膜
電解液溶媒:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
支持電解質:LiPF6(1.1mоl/l)
なお「EC」はエチレンカーボネートを示す。「DMC」はジメチルカーボネートを示す。「EMC」はエチルメチルカーボネートを示す。
《充放電サイクル試験》
60℃に設定された恒温槽内に電池が配置された。3Aの電流により、3.0〜4.1Vの電圧範囲で、充放電が1000回繰り返された。
サイクル後、電池のSOCが50%に調整された。25℃に設定された恒温槽内において、7.5Aの電流により、10秒間のパルス放電が実施された。放電時の電圧降下量が測定された。電圧降下量(単位:V)が電流(単位:I)で除されることにより、直流抵抗(単位:Ω)が算出された。結果は下記表1の「抵抗」の欄に示されている。ここに示される値は、各例の直流抵抗が比較例1の直流抵抗で除された値である。値が小さい程、充放電サイクルに伴う抵抗上昇が抑制されていることを示している。
サイクル後、電池のSOCが100%に調整された。25℃に設定された恒温槽内において、7.5Aの電流により、電圧が3.0Vに達するまで電池が放電された。放電により得られた電力量(単位:Wh)が、電池内の正極活物質粒子の質量(単位:kg)で除されることにより、正極活物質粒子1kgあたりの出力(単位:Wh/kg)が算出された。結果は下記表1の「出力」の欄に示されている。ここに示される値は、各例の出力が比較例5の出力で除された値である。値が大きい程、サイクル後の出力が高いことを示している。
上記表1に示されるように、粒子全体の平均組成が上記式(I)で表され、かつ粒子の最表面の組成が上記式(II)で表される実施例は、同条件を満たさない比較例に比して、充放電サイクルに伴う抵抗上昇が抑制されており、充放電サイクル後の出力が高い。粒子の最表面において、岩塩型のNiOの生成が抑制されたためと考えられる。
図2は、最表面のMn組成比(b2)と、サイクル後の抵抗との関係を示すグラフである。図2には、実施例1〜3、比較例1および2の結果が示されている。図2に示されるように、0.4≦b2≦0.6の範囲内において、充放電サイクルに伴う抵抗上昇が顕著に抑制されている。
図3は、最表面のLi組成比(x)と、サイクル後の抵抗との関係を示すグラフである。図3には、実施例2、4および5、ならびに比較例3および4の結果が示されている。図3に示されるように、1.1≦x≦1.4の範囲内において、充放電サイクルに伴う抵抗上昇が顕著に抑制されている。
図4は、粒子全体の平均組成におけるNi組成比(a1)と、サイクル後の出力との関係を示すグラフである。図4には、実施例2、6および7、ならびに比較例5〜9の結果が示されている。図4に示されるように、0.8≦a1≦0.9の範囲内であり、かつNi組成比(a2)≦Mn組成比(b2)の関係が満たされる場合に、サイクル後の出力が顕著に高くなっている。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 正極活物質粒子、11 コア、12 シェル。

Claims (1)

  1. リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子であって、
    粒子全体の平均組成が下記式(I):
    LiyNia11 (1-a1)2 (I)
    (ただし式中、y、a1は、
    1.0≦y≦1.2、
    0.8≦a1≦0.9を満たし、
    1は、Mn、CoおよびAlからなる群より選択される少なくとも1種である)
    で表され、
    粒子の最表面の組成が下記式(II):
    LixNia2Mnb2Coc22 (II)
    (ただし式中、x、a2、b2、c2は、
    1.1≦x≦1.4、
    0.2≦a2≦0.4、
    0.4≦b2≦0.6、
    0.2≦c2≦0.4、
    a2+b2+c2=1を満たす)
    で表される、
    リチウムイオン二次電池用正極活物質粒子。
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