JP2018091977A - フォーカス制御装置、撮像装置、フォーカス制御方法およびフォーカス制御プログラム - Google Patents

フォーカス制御装置、撮像装置、フォーカス制御方法およびフォーカス制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】位相差検出方式を用いたAFにおいて、動きのある被写体を撮像する場合でも、遠近競合の発生を抑制して良好なAFを行う。【解決手段】フォーカス制御装置は、撮像光学系の焦点状態を位相差検出方式により検出する焦点検出手段204と、焦点状態に応じてフォーカス制御を行う制御手段212と、撮像画面内において焦点状態を検出する焦点検出領域を設定する設定手段212,213,216とを有する。設定手段は、撮像により生成された撮像信号を用いて撮像画面内に含まれる被写体を検出するとともに該被写体の移動量を検出し、該移動量に応じて位置が異なる焦点検出領域を設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、位相差検出方式によるフォーカス制御(AF)を行う技術に関する。
動画撮像により生成されているライブビュー画像を見ながら静止画撮像を行う場合において高速かつ高精度にフォーカシングを行うことが可能なAF方式として、撮像面位相差検出方式がある。撮像面位相差検出方式では、例えば撮像素子の各画素に2つの受光素子と1つのマイクロレンズを設け、該マイクロレンズを通して2つの受光素子により撮像光学系の射出瞳のうち互いに異なる領域からの光を受光することで瞳分割を行う。そして、複数の画素における一方および他方の受光素子のそれぞれからの出力により生成した一対の位相差像信号のずれ量(位相差)を算出することでデフォーカス量を取得し、該デフォーカス量に基づいてフォーカスレンズの位置を制御することで合焦状態を得る。このような撮像面位相差検出方式は、特許文献1に開示されている。
一方、AFにより合焦状態が得られにくい場合として、撮像画面内の焦点検出領域内に互いに被写体距離の異なる複数の被写体が含まれる、いわゆる遠近競合が生じている場合がある。撮像面位相差検出方式を含む位相差検出方式において遠近競合が生じている状態でAFを行う場合に、図12(a),(b)に示すように、近側の被写体と遠側の被写体のいずれにもピントが合わないままAFが完了してしまうことある。特許文献2には、焦点検出領域における位相差の算出結果に基づいて遠近競合が生じていると判定した場合には、該遠近競合が生じている領域(以下、遠近競合領域という)を除いた焦点検出領域を再設定して位相差の算出を再度行う方法が開示されている。
特開2001−083407号公報 特開2011−242677号公報
しかしながら、特許文献2にて開示された方法では、焦点検出領域における位相差の算出結果から遠近競合が生じていると判定した場合に再設定された焦点検出領域において位相差の算出を再度行うため、AFが完了するまでに要する時間が長くなる。また、動きのある被写体を撮像する際に、遠近競合領域を含まないように再設定された焦点検出領域が位相差の再算出時点において遠近競合領域を含むように変化する場合がある。この場合、AF完了がさらに遅れたりAFを実行できなくなったりするおそれがある。
本発明は、位相差検出方式を用いたAFにおいて、動きのある被写体を撮像する場合でも、遠近競合の発生を抑制して良好なAFを行えるようにしたフォーカス制御装置等を提供する。
本発明の一側面としてのフォーカス制御装置は、撮像光学系の焦点状態を位相差検出方式により検出する焦点検出手段と、焦点状態に応じてフォーカス制御を行う制御手段と、撮像画面内において焦点状態を検出する焦点検出領域を設定する設定手段とを有する。そして、設定手段は、撮像により生成された撮像信号を用いて撮像画面内に含まれる被写体を検出するとともに該被写体の移動量を検出し、該移動量に応じて位置が異なる焦点検出領域を設定することを特徴とする。
なお、撮像光学系により形成された被写体像を撮像する撮像素子と上記フォーカス制御装置とを有する撮像装置も、本発明の他の一側面を構成する。
また、本発明の他の一側面としてのフォーカス制御方法は、撮像光学系の焦点状態を位相差検出方式により検出するステップと、焦点状態に応じてフォーカス制御を行うステップと、撮像画面内において前記焦点状態を検出する焦点検出領域を設定する設定ステップとを有する。そして、設定ステップにおいて、撮像により生成された撮像信号を用いて撮像画面内に含まれる被写体を検出するとともに該被写体の移動量を検出し、該移動量に応じて位置が異なる焦点検出領域を設定することを特徴とする。
さらに、撮像装置のコンピュータに上記フォーカス制御方法に従うフォーカス制御処理を実行させるコンピュータプログラムであるフォーカス制御プログラムも、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、位相差検出方式を用いたフォーカス制御(AF)において、動きのある被写体を撮像する場合でも、遠近競合の発生を抑制して良好なAFを行うことができる。
本発明の実施例1であるレンズ交換式カメラシステムの構成を示すブロック図。 撮像面位相差AFに非対応の画素配列と撮像面位相差AFに対応する画素配列とを示す図。 実施例1(および本発明の実施例2〜4)における撮像処理を示すフローチャート。 実施例1(および実施例2〜4)における静止画撮像処理を示すフローチャート。 実施例1および実施例2における焦点検出処理を示すフローチャート。 実施例1におけるAF領域設定処理を示すフローチャート。 焦点検出処理で用いられるAF領域を示す図。 図7に示したAF領域から得られる位相差像信号を示す図。 図8に示す位相差像信号のシフト量と相関量との関係を示す図。 図8に示す位相差像信号のシフト量と相関変化量との関係を示す図。 実施例1、実施例3および実施例4におけるAF処理を示すフローチャート。 遠近競合で発生する偽合焦状態の例を示す図。 主被写体が移動している場合にAF領域が現フレームの主被写体とずれる例を示す図と、実施例1および実施例2における被写体の移動量が大きい場合に設定するAF領域の例を示す図。 実施例2におけるAF領域設定処理を示すフローチャート。 実施例2におけるAF処理を示すフローチャート。 実施例3および実施例4における焦点検出処理を示すフローチャート。 実施例3および実施例4におけるAF領域設定処理を示すフローチャート。 実施例3および実施例4における第1のAF領域と第2のAF領域の例を示す図。 実施例3における使用AF領域選択処理を示すフローチャート。 実施例4における使用AF領域選択処理を示すフローチャート。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である撮像装置としてのレンズ交換式カメラシステムの構成を示す。本実施例のカメラシステムは、カメラ本体20と、該カメラ本体20に対して取り外し(交換)可能に装着されるレンズユニット10とにより構成されている。レンズユニット10には、該レンズユニット10の動作全体を制御するレンズ制御部106が設けられている。また、カメラ本体20には、レンズユニット10を含むカメラシステムの動作全体の制御を司るカメラ制御部212が設けられている。カメラ制御部212とレンズ制御部106とは、両者を機械的および電気的に接続するマウントに設けられた通信端子を介して相互に通信が可能である。
まず、レンズユニット10の構成について説明する。レンズユニット10は、固定レンズ101、絞り102およびフォーカスレンズ103を含む撮像光学系を有する。絞り102は、絞り駆動部104によって駆動され、後述する撮像素子201への入射光量を制御する。フォーカスレンズ103は、フォーカスレンズ駆動部105によって駆動され、その位置に応じて撮像光学系の焦点調節を行う。絞り駆動部104およびフォーカスレンズ駆動部105はレンズ制御部106によって制御される。
レンズ操作部107は、AF(オートフォーカス)/MF(マニュアルフォーカス)モードの切り替え、MFによるフォーカスレンズの位置調整、手振れ補正モードの設定等、ユーザがレンズユニット10の動作に関する設定を行うための入力デバイス群を含む。レンズ操作部107が操作されることに応じて、レンズ制御部106が該操作に対応する制御を行う。
レンズ制御部106は、カメラ制御部212から受信した制御命令や制御情報に応じて絞り駆動部104やフォーカスレンズ駆動部105を制御し、また、レンズ制御情報をカメラ制御部212に送信する。
次に、カメラ本体20の構成について説明する。カメラ本体20は、撮像光学系により形成された被写体像を撮像(光電変換)する撮像素子201を有する。撮像素子201は、CCDセンサやCMOSセンサにより構成される。撮像素子201は、複数の画素を有し、各画素に設けられたフォトダイオード(受光素子)は入射光をその光量に応じた電荷に変換して蓄積する。各フォトダイオードに蓄積された電荷は、カメラ制御部212からの指令に応じてタイミングジェネレータ215が出力する駆動パルスより、電荷量に応じた電圧信号として撮像素子201から順次読み出される。
本実施例で用いられる撮像素子201の各画素は、2つ(一対)のフォトダイオードA,Bとこれら一対のフォトダイオードA,Bに対して設けられた1つのマイクロレンズとより構成されている。各画素は、入射する光をマイクロレンズで分割して一対のフォトダイオードA,B上に一対の光学像を形成し、該一対のフォトダイオードA,Bから後述するAF用信号として用いられる一対の信号(A信号およびB信号)を出力する。また、一対のフォトダイオードA,Bからの信号を加算することで、撮像用画素信号(A+B信号)を得ることができる。
複数の画素から出力された複数のA信号と複数のB信号をそれぞれ合成することで、撮像面位相差検出方式によるAF(以下、撮像面位相差AFという)に用いられるAF用信号(言い換えれば、焦点検出用信号)としての一対の位相差像信号が得られる。後述するAF信号処理部204は、一対の位相差像信号に対する相関演算を行って、これら一対の位相差像信号のずれ量である位相差(以下、像ずれ量という)を算出する。そして、該像ずれ量から撮像光学系の焦点状態を示すデフォーカス量(およびデフォーカス方向)を算出(検出)する。
図2(a)には、撮像面位相差AFに対応していない画素構成を、図2(b)は撮像面位相差AFに対応した画素構成をそれぞれ示している。いずれの図においても、ベイヤー配列が用いられており、Rは赤のカラーフィルタを、Bは青のカラーフィルタを、Gr,Gbは緑のカラーフィルタを示している。撮像面位相差AFに対応する図2(b)に示す画素構成では、図2(a)に示した撮像面位相AFに非対応の画素構成における1画素(実線で囲んで示す)に相当する画素内に、図の水平方向に2分割された2つのフォトダイオードA,Bが設けられている。なお、図2(b)に示した画素の分割方法は例に過ぎず、図の垂直方向に分割したり、水平および垂直方向に2分割ずつ(計4分割)したりしてもよい。また、同じ撮像素子内において互いに異なる分割方法で分割された複数種類の画素が含まれてもよい。
CDS/AGC/ADコンバータ202は、撮像素子201の複数の画素から出力された一対の位相差像信号と複数の画素のそれぞれから出力された撮像用画素信号により形成される撮像信号に対して、相関二重サンプリング、ゲイン調節およびAD変換を行う。該コンバータ202は、これらの処理を行った撮像信号(映像信号)および一対の位相差像信号をそれぞれ、画像入力コントローラ203およびAF信号処理部204に出力する。
画像入力コントローラ203は、コンバータ202から出力された撮像信号をバス21を介してSDRAM209に格納する。SDRAM209に格納された撮像信号は、バス21を介して表示制御部205によって読み出され、表示部206に表示される。また、映像記録を行う録画モードでは、SDRAM209に格納された撮像信号は記録媒体制御部207によって半導体メモリ等の記録媒体208に記録される。
ROM210には、カメラ制御部212が実行する制御プログラムや処理プログラムおよびこれらの実行に必要な各種データ等が格納されている。フラッシュROM211には、ユーザにより設定されたカメラ20の動作に関する各種設定情報等が格納されている。
被写体検出/追従処理部216は、画像入力コントローラ203から入力された撮像信号を用いて撮像画面内に含まれる特定被写体を検出し、撮像画面内での特定被写体の位置をカメラ制御部212に伝える。また、被写体検出/追従処理部216は、画像入力コントローラ203から連続的に撮像信号を受け取り、検出した特定被写体が変化した(つまりは特定被写体が移動した)場合には移動先の位置を判定してカメラ制御部212に伝える。これにより、移動する特定被写体(移動被写体)の位置に対する追従を可能とする。
特定被写体とは、例えば顔やカメラ操作部214を通じてユーザによって撮像画面内で指定された位置に存在する被写体である。後述するように、検出した特定被写体の位置や大きさに関する情報は、主にAFを行う領域であるAF領域(焦点検出領域)の設定に用いる。
AF信号処理部204は、コンバータ202から出力されたAF用信号である一対の位相差像信号に対して相関演算を行い、これら一対の位相差像信号の像ずれ量や信頼性を算出する。信頼性は、後述する2像一致度と相関変化量の急峻度を用いて算出される。また、AF信号処理部204は、撮像画面内で焦点検出およびAFを行うAF領域の位置および大きさを設定する。さらにAF信号処理部204は、AF領域で算出した像ずれ量(検出量)および信頼性の情報をカメラ制御部212に出力する。AF信号処理部204は焦点検出手段として機能する。
カメラ制御部212は、AF信号処理部204が求めた像ずれ量、信頼性およびレンズユニット10とカメラ本体20の状態を示す情報に基づいて、必要に応じてAF信号処理部204に対する設定を変更する。例えば、像ずれ量が所定量以上である場合にはAF領域を広げたり、一対の位相差像信号のコントラストに応じてバンドパスフィルタの種類を変更したりする。また、カメラ制御部212は、被写体検出/追従処理部216で検出された特定被写体やカメラ操作部214でユーザによって撮像画面内で指定された位置の情報に基づいて、AF領域の位置および大きさを設定する。カメラ制御部212は、被写体検出/追従処理部216とともに設定手段として機能する。
なお、本実施例では撮像用画素信号とAF用信号である一対の位相差像信号の計3つの信号を撮像素子201から取得する。ただし、撮像素子201の負荷を考慮して、例えば撮像用画素信号と1つのAF用信号の計2つの信号を取り出し、取り出した撮像用画素信号とAF用像信号の差分をもう1つのAF用信号として用いてもよい。
カメラ制御部212は、カメラ本体20内の各部と情報をやり取りしながらこれらを制御する。また、カメラ制御部212は、ユーザ操作に基づくカメラ操作部214からの入力に応じて、電源のON/OFF、各種設定の変更、撮像処理、AF処理、記録画像の再生処理等、ユーザ操作に対応する様々な処理を実行する。さらに、カメラ制御部212は、レンズユニット10(レンズ制御部106)に対する制御命令やカメラ本体20の情報をレンズ制御部106に送信したり、レンズユニット10の情報をレンズ制御部106から取得したりする。カメラ制御部212は、マイクロコンピュータにより構成され、ROM210に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで、交換レンズ10を含むカメラシステム全体の制御を司る。
カメラ制御部212は、AF信号処理部204にて算出されたデフォーカス量に基づいてレンズ制御部106を通じてフォーカスレンズ103の駆動を制御する。すなわち、フォーカス制御としてのAFを行う。カメラ制御部212は、制御手段として機能する。
また、カメラ制御部212は、被写体移動判定部213を有する。被写体移動判定部213は、被写体検出/追従処理部216にて被写体の検出を行っている場合に、その被写体が撮像信号内(つまりは撮像画面内)での移動量が大きいか否か、すなわち撮像画面内に捉えている被写体の動きが大きいか否かを判定する。被写体移動判定部213での判定結果に応じて、カメラ制御部212はAF信号処理部204に対して設定するAF領域の位置や大きさを変更する。この処理によって、ユーザが撮像したい主被写体とは異なる距離および異なる位置に存在する他の被写体をAF領域に含んでしまうことで発生する遠近競合を抑制し、より主被写体に対して正確にAF領域を設定する。
AF信号処理部204、カメラ制御部212(被写体移動判定部213)および被写体検出/追従処理部216によりフォーカス制御装置が構成される。
図12(a),(b)を用いて被写体の遠近競合について説明する。位相差AFでは、捉えている被写体に遠近競合が発生していると、近側の被写体と遠側の被写体のどちらにも合焦していない状態であるにもかかわらず、合焦した状態であると誤判定してAFを完了する場合がある。これは、相関演算を行う際に、近側と遠側の被写体の距離のどちらかに対応する相関量ではなく、それらの間の距離(以下、中間距離という)に対応する相関量が最も大きくなるためである。さらに、中間距離に対応する位置にフォーカスレンズが位置するとき、その中間距離よりも近側と遠側にそれぞれデフォーカス方向が異なる被写体が存在することによって相関量の均衡がとれてデフォーカス量が小さくなり、合焦状態と誤判定するためである。
遠近競合が発生し易いケースの1つとして、特に検出した被写体の動きが大きい場合がある。図13(a)に示すように主被写体の動きが大きい場合は、撮像信号および一対の位相差像信号を生成するフレーム間での主被写体の移動距離が大きい。このとき、被写体検出/追従処理部216によって検出した主被写体の位置をカメラ制御部212を介してAF信号処理部204に通知するが、この処理を行っている間にすでに撮像素子201は次のフレームの信号を出力している。このため、検出した主被写体の位置をAF信号処理部204に反映するのは、被写体検出/追従処理部216で位置を検出したフレームより後のフレームでのAF用信号になる。すなわち、主被写体の移動距離が大きいほど、実際の主被写体位置とAF領域の位置のずれが大きくなり、遠近競合が発生し易くなる。
この問題を解決するために、本実施例では、前述した被写体移動判定部213により撮像信号内での主被写体の移動量が大きいか否かを判定する。主被写体の移動量が大きい場合には、主被写体の移動に対応するようにAF領域の位置や大きさを補正することによって遠近競合の発生を防ぎ、検出した主被写体をより捉えた位置に対して適切なAF領域を設定する。この処理によって、AFを行った際に間違った方向にフォーカスレンズ駆動を行ったり間違った位置で合焦状態と誤判定したりすることを防ぎ、主被写体に対してより高速かつ高精度にピントを合わせることができる。この被写体移動判定部213およびAF信号処理部204が行う処理の詳細については後述する。
次に、カメラ制御部212が行う処理について図3に示すフローチャートを用いて説明する。カメラ制御部212は、コンピュータプログラムである撮像処理プログラムに従って本処理を行う。Sはステップを意味する。
S301では、カメラ制御部212は、各種設定の初期化処理を行い、S302に進む。
S302では、カメラ制御部212は、カメラ本体20の撮像モードが動画撮像モードか静止画撮像モードかを判定し、動画撮像モードである場合はS303に、静止画撮像モードである場合はS304に進む。
S303では、カメラ制御部212は、動画撮像処理を行ってS305に進む。また、S304では、カメラ制御部212は、静止画撮像処理を行ってS305に進む。移動被写体に対応したAF領域設定処理は、動画撮像モードと静止画撮像モードのいずれでも行うことが可能であるが、本実施例では静止画撮像モードにおける移動被写体に対応したAF領域設定処理について説明する。また、本実施例では、動画撮像処理についての説明は省略する。
S305では、カメラ制御部212は、静止画または動画撮像処理が停止されたか否かを判定し、停止されていない場合はS306に進み、停止された場合は該撮像処理を終了する。撮像処理は、ユーザがカメラ操作部214を通じてカメラ本体20の電源を切断したり、各種設定のための操作を行ったり、撮像画像を確認するための再生処理を指示したりした場合等に停止する。
S306では、カメラ制御部212は、撮像モードが変更されたか否かを判定する。撮像モードが変更された場合は、カメラ制御部212はS301に戻り、初期化処理を行った上で変更された撮像モードでの撮像処理を行う。一方、撮像モードが変更されていない場合は、カメラ制御部212はS302に戻り、現在の撮像モードでの処理を継続する。
次に、図3におけるS304で行われる静止画撮像処理について、図4のフローチャートを用いて詳しく説明する。
S401では、カメラ制御部212は、被写体検出/追従処理部216による被写体の検出結果や被写体移動判定部213による処理内容に基づいて、AF信号処理部204に焦点検出処理を行わせる。焦点検出処理は、撮像面位相差AFを行うためのデフォーカス量と信頼性の情報を取得する処理である。また、焦点検出処理において、カメラ制御部212は、AFに関する情報を取得する撮像画面内の領域(焦点検出領域:以下、AF領域という)についてもカメラ本体20の状態に応じて設定するが、その詳細については後述する。
次にS402では、カメラ制御部212は、カメラ操作部214からAF処理の開始指示(以下、AF指示という)が入力されたか否かを判定する。AF指示は、ユーザがシャッターボタンを半押し操作したり、AFを実行させるAFONボタンを押したりすることに応じてカメラ操作部214から出力される。カメラ制御部212は、AF指示が入力された場合はS403に進み、AF指示が入力されていない場合はS404に進む。
S403では、カメラ制御部212は、AF処理(フォーカス制御処理)を行う。このAF処理については後述する。
S404では、カメラ制御部212は、カメラ操作部214から撮像処理の開始指示(以下、撮像指示という)が入力されたか否かを判定する。撮像指示は、ユーザがシャッターボタンを全押し操作することに応じてカメラ操作部214から出力される。カメラ制御部212は、撮像指示が入力された場合はS405に進み、撮像指示が入力されていない場合はS407に進む。
S405では、カメラ制御部212は、S403でのAF処理が、現在、合焦停止状態にあるか否かを判定する。合焦停止状態とは、撮像光学系が合焦状態となってフォーカスレンズ103が停止した状態である。合焦停止状態でない場合は、カメラ制御部212はS403に進み、AF処理を開始または継続することで合焦状態を得る。合焦停止状態である場合は、カメラ制御部212はS406に進み、撮像処理を行い、記録媒体制御部207を介して記録媒体208に撮像画像(記録画像)を保存してS407に進む。
S407では、カメラ制御部212は、合焦停止状態を解除して静止画撮像処理を終了する。
次に、図5のフローチャートを用いて、図4のS401にてカメラ制御部212、被写体移動判定部213およびAF信号処理部204が行う焦点検出処理について説明する。AF信号処理部204は、マイクロコンピュータにより構成され、コンピュータプログラムとしてのフォーカス制御プログラム(撮像処理プログラムの一部であってもよい)に従って焦点検出処理を行う。
まず、S501では、カメラ制御部212は、撮像画面(つまりは撮像素子201)上においてAFを行うAF領域を設定する。AF領域は、ユーザによるカメラ操作部214を通じた指示や被写体検出/追従処理部216による被写体検出状態に基づいて設定される。また、被写体検出/追従処理部216が被写体を検出している場合は、さらに被写体移動判定部213からの被写体移動情報に応じてAF領域を設定する。このAF領域設定処理については後に詳しく説明する。
S501でAF領域の設定を行ったカメラ制御部212は、AF信号処理部204に対してAF領域の情報を送り、該情報を受け取ったAF信号処理部204はS502以降のステップで焦点検出処理を行う。
次にS502では、AF信号処理部204は、撮像素子201におけるAF領域に含まれる複数の画素からAF用信号としての一対の位相差像信号を取得する。
次にS503では、AF信号処理部204は、取得した一対の位相差像信号を1画素(1ビット)ずつ相対的にシフトさせながらこれら一対の位相差像信号の相関量を算出する。相関量は、AF領域内に設けられた複数の画素ライン(以下、走査ラインという)のそれぞれにおいて後述するように算出される。本実施例では、各走査ラインの相関量が算出されると、それぞれの相関量が加算平均されて1つの相関量が算出される。また、本実施例では、相関量の算出において一対の位相差像信号を1画素ずつ相対的にシフトさせるが、2画素ずつ等、より多くの画素単位でシフトさせてもよい。また、本実施例では、各走査ラインの相関量を加算平均することで1つの相関量を算出するが、例えば各走査ラインの一対の位相差像信号に対して加算平均を行い、その後、加算平均した一対の位相差像信号に対して相関量の算出を行ってもよい。
次にS504では、AF信号処理部204は、S503で算出した相関量から相関変化量を求める。相関変化量の算出方法についても後述する。
そして、S505では、AF信号処理部204は、S504で算出した相関変化量を用いて像ずれ量(位相差)を算出する。像ずれ量の算出方法については後述する。
さらに、S506では、AF信号処理部204は、S505で算出した像ずれ量の信頼性を算出する。信頼性の算出方法についても後述する。
次に、S507では、AF信号処理部204は、S505で算出した像ずれ量を用いてAF領域におけるデフォーカス量を算出し、焦点検出処理を終了する。
次に、焦点検出処理について詳細に説明する。図7には、焦点検出処理において撮像素子201における画素アレイ701上に設定されるAF領域702の例を示している。AF領域702の両側のシフト領域703は、相関演算に必要な領域である。このため、AF域702とシフト領域703とを合わせた領域704が相関演算に必要な画素領域である。図中のp,q,s,tはそれぞれ、水平方向(x軸方向)での座標を表し、pとqはそれぞれ画素領域704の始点と終点のx座標を、sとtはそれぞれAF領域702の始点と終点のx座標を示している。
図8(a)には、図7に示したAF領域702に含まれる複数の画素から取得したAF用の一対の位相差像信号の例を示す。実線801が一方の位相差像信号A(以下、A像信号という)であり、破線802が他方の位相差像信号B(以下、B像信号という)である。図8(a)はシフト前のA像信号801およびB像信号802を示している。図8(b),(c)はそれぞれ、A像およびB像信号801,802を図8(a)の状態からプラス方向およびマイナス方向にシフトした状態を示している。A像およびB像信号801,802の相関量を算出する際には、A像およびB像信号801,802の両方を矢印の方向に1ビットずつシフトする。
次に、相関量の算出方法について説明する。まず、図8(b),(c)に示すようにA像およびB像信号801,802をそれぞれ1ビットずつシフトして、A像およびB像信号801,802の差の絶対値の和を算出する。シフト量をiとし、最小シフト量をp−sとし、最大シフト量をq−tとし、xをAF領域702の開始座標とし、yをAF領域702の終了座標とするとき、相関量CORは以下の式(1)によって算出することができる。
図9(a)には、シフト量と相関量CORとの関係の例を示している。横軸はシフト量を示し、縦軸は相関量CORを示す。シフト量とともに変化する相関量901における極値付近902,903のうち、より小さい相関量に対応するシフト量においてA像およびB像信号の一致度が最も高くなる。
次に、相関変化量の算出方法について説明する。図9(a)に示した相関量901の波形における1シフトおきの相関量の差を相関変化量として算出する。シフト量をiとし、最小シフト量をp−sとし、最大シフト量をq−tとすると、相関変化量ΔCORは以下の式(2)によって算出することができる。
図10(a)には、シフト量と相関変化量ΔCORとの関係の例を示している。横軸はシフト量を示し、縦軸は相関変化量ΔCORを示す。シフト量とともに変化する相関変化量1001は、1002,1003の部分でプラスからマイナスになる。相関変化量が0となる状態をゼロクロスと呼び、A像およびB像信号の一致度が最も高くなる。したがって、ゼロクロスを与えるシフト量が像ずれ量となる。
図10(b)には、図10(a)中の1002で示した部分を拡大して示す。1004は相関変化量1001の一部分である。この図10(b)を用いて像ずれ量PRDの算出方法について説明する。
ゼロクロスを与えるシフト量(k−1+α)は、整数部分β(=k−1)と小数部分αとに分けられる。小数部分αは、図中の三角形ABCと三角形ADEとの相似の関係から、以下の式(3)によって算出することができる。
整数部分βは、図10(b)から以下の式(4)によって算出することができる。
そして、αとβの和から像ずれ量PRDを算出することができる。
図10(a)に示したように相関変化量ΔCORのゼロクロスが複数存在する場合は、その付近での相関変化量ΔCORの変化の急峻性がより大きい方を第1のゼロクロスとする。この急峻性はAFの行い易さを示す指標であり、値が大きいほど精度良いAFを行い易い点であることを示す。急峻性maxderは、以下の式(5)によって算出することができる。
このように、本実施例では、相関変化量のゼロクロスが複数存在する場合は、その急峻性によって第1のゼロクロスを決定し、この第1のゼロクロスを与えるシフト量を像ずれ量とする。
次に、像ずれ量の信頼性の算出方法について説明する。像ずれ量の信頼性は、A像およびB像信号の一致度(以下、2像一致度という)fnclvlと上述した相関変化量の急峻性によって定義することができる。2像一致度は、像ずれ量の精度を表す指標であり、本実施例における相関演算手法ではその値が小さいほど精度が良いことを示す。
図9(b)には、図9(a)中の902で示した部分を拡大したもので、904が相関量901の一部分である。2像一致度fnclvlは、以下の式(6)によって算出することができる。
次に、図6のフローチャートを用いて、図5のS501でカメラ制御部212(被写体移動判定部213)が行うAF領域設定処理について説明する。カメラ制御部212は、上述したフォーカス制御プログラムに従って本処理を実行する。
S601では、カメラ制御部212は、被写体検出/追従処理部216が被写体を検出している(被写体検出状態にある)か否かを判定する。カメラ制御部212は、被写体検出状態にあればS601に進み、被写体検出状態になければS608に進む。被写体検出状態では、検出被写体移動判定部213は以下の処理で撮像画面内において検出した被写体(以下、検出被写体という)の移動が大きいか否かを判定する。
まずS602では、検出被写体移動判定部213は、被写体検出状態が2フレーム以上継続されているか否かを判定する。被写体検出状態が2フレーム以上継続されている場合には、その2フレームである前回フレームと今回フレームとの間における検出被写体の位置(以下、被写体検出位置という)の差を用いて検出被写体の移動量を算出する。被写体検出状態が2フレーム以上継続されている場合はS603に進み、被写体検出状態が1フレームであればS606に進む。
S603では、被写体移動判定部213は、前回フレームと今回フレーム間での被写体検出位置の差が所定値(閾値)より大きいか否か、言い換えれば前回および今回フレーム間での検出被写体の移動量が所定移動量より大きいか否かを判定する。被写体検出位置の差が所定値より大きい場合は、図13(a)に示したように撮像画面内における検出被写体の動き量が大きいために、検出被写体とAF領域とがずれる場合がある。この結果、検出被写体と該検出被写体とは距離が異なる被写体とがAF領域に含まれる遠近競合が生じた状態となってAF精度が低下するおそれがある。被写体移動判定部213は、被写体検出位置の差が所定値より大きい場合はS604に進み、そうでない場合はS606に進む。
S602で被写体検出状態が2フレーム以上継続され、かつS603で被写体検出位置の差が所定値より大きい場合は、被写体移動判定部213は検出被写体の移動量が大きいと判定して、その判定結果をカメラ制御部212に通知する。それ以外の場合は、被写体移動判定部213は検出被写体の移動量が大きくないと判定して、その判定結果をカメラ制御部212に通知する。
なお、被写体検出位置の差に対する閾値は、検出被写体の移動によってAF領域が検出被写体から外れてしまう範囲の大きさが所定量より広くなるか否かの観点で設定される。AF領域が検出被写体から外れてしまう範囲がないことが望ましいが、検出可能な被写体の大きさによってはそれが困難な場合もあるため、AF領域が検出被写体を少し外れてしまうことも許容した閾値に設定してもよい。なお、カメラ本体20の被写体検出/追従処理部216の被写体検出性能に応じてこの閾値を変更することが望ましい。
S604では、カメラ制御部212は、AF領域の中心(または重心)の位置を、今回のフレームの被写体検出位置と前回および今回フレーム間での被写体検出位置の差とに応じて設定する。具体的には、前回および今回フレーム間での被写体検出位置の差から撮像画面内における検出被写体の移動方向を算出し、今回フレームの被写体検出位置から検出被写体の移動方向にシフトした位置を中心として新たなAF領域を設定する。AF領域を単純に被写体検出位置を中心として設定すると、検出被写体の移動によってAF領域が検出被写体以外の被写体を含むおそれがある。このため、AF領域(の中心)を検出被写体の被写体検出位置から検出被写体の移動方向にシフトした位置に設定することで、AF領域にできるだけ検出被写体のみが含まれるようにする。これにより、AF領域に互いに異なる距離の複数の被写体が存在する遠近競合の発生を抑え、検出被写体に対してより精度の高いAFを行うことができる。
なお、AF領域を被写体検出位置から検出被写体の移動方向へのシフト量については、予め設定した固定値であってもよいし、前回および今回フレーム間での被写体検出位置の差に応じて可変設定してもよい。AF領域の中心を、本来の検出被写体の中心に近づけるシフト量を設定すればよい。
S605では、カメラ制御部212は、AF領域の横幅をαに設定してAF領域設定処理を終了する。横幅αとしては、後述するS607およびS609で設定する横幅βよりも小さな値とする。
一方、S606では、カメラ制御部212は、今回フレームの被写体検出位置を中心としてAF領域を設定する。すなわち、被写体移動判定部213が検出被写体の移動量が大きくないと判定した場合は、今回フレームの被写体検出位置に対してAF領域を設定する。そして、S607に進む。
S607では、カメラ制御部212は、AF領域の横幅をβに設定してAF領域設定処理を終了する。
前述したように被写体移動判定部213が検出被写体の移動量が大きいと判定した場合にはS605でAF領域の横幅をαに設定し、検出被写体の移動量が大きくないと判定した場合にはS607でAF領域の横幅をβに設定する。αとβは以下の関係がある。
α<β
検出被写体の移動量が大きくない場合には、検出被写体に対してできるだけコントラスト部分を含んで精度の高いAFができるように、より広い横幅βのAF領域を設定するように制御する。しかし、検出被写体の移動量が大きい場合にAF領域の横幅をβに設定すると、AF領域が検出被写体からはみ出して遠近競合が発生する可能性が高い。このため、被写体の移動量が大きい場合には、横幅βよりも狭い横幅αのAF領域を設定して、遠近競合が発生する可能性を低減する。
S604およびS605の処理の例を図13(b)に示す。検出被写体の移動量が大きい場合には、図13(a)に示した検出被写体の移動量が大きくない場合に対して、AF領域の位置を被写体検出位置から検出被写体の移動方向にシフトさせるとともに、AF領域の横幅をβより狭いαに設定する。なお、AF領域の中心が検出被写体の移動方向にシフトしていれば、そのAF領域の位置は検出被写体の移動方向にシフトしているとみなす。よって、例えば、図13(b)に示した検出被写体移動判定未対策時のAF領域のうち、左半分をAF領域とする場合も、AF領域の位置が移動方向にシフトしているとみなす。
また、本実施例では、AF領域の横幅(焦点検出方向における幅)をα<βとしたが、AF領域の位置を検出被写体の移動方向にシフトさせれば、AF領域の大きさは変えなくてもよい。また、AF領域の位置をシフトさせずに、AF領域の大きさ(焦点検出方向における幅)を小さくしても、他の被写体がAF領域に含まれにくくなるため、遠近競合を抑制する効果を得ることができる。
一方、S608では、カメラ制御部212は、ユーザが任意に撮像画面内に設定した位置を中心としてAF領域を設定し、S609に進む。
S609では、カメラ制御部212は、AF領域の横幅をβに設定してAF領域設定処理を終了する。
なお、本実施例では、検出被写体の移動量が大きくない場合にS607で設定するAF領域の横幅と被写体が検出されていない場合にS609で設定する横幅とを同じβとしたが、これらを互いに異ならせてもよい。また、本実施例では、被写体検出位置やユーザが設定した位置が中心となるようにAF領域を設定したが、被写体検出位置やユーザが設定した位置が中心以外、例えば左上となるようにAF領域を設定してもよい。
次に、図11のフローチャートを用いて、図4のS403にてカメラ制御部212が行うAF処理について説明する。カメラ制御部212は、上述したフォーカス制御プログラムに従って本処理を実行する。
S1101では、カメラ制御部212は、現在AFが完了して合焦停止状態にあるか否かを判定し、合焦停止状態でない場合はS1102に進み、合焦停止状態の場合はS1109に進む。
S1102では、カメラ制御部212は、図4のS401(図5のS507)で算出されたデフォーカス量の信頼性が所定信頼性より高いか否かを判定する。ここにいう信頼性は、前述した2像一致度や像ずれ量の急峻性により求められるものであり、算出されたデフォーカス量だけでなくデフォーカス方向も信頼できない信頼性範囲の最高値を所定信頼性と設定するのが望ましい。なお、信頼性は、2像一致度と像ずれ量の急峻性の両方を用いて求めてもよいし、一方のみを用いて求めてもよい。また、2像の信号レベル等の他の指標を用いてもよい。デフォーカス量の所定信頼性より高い場合はS1103に進み、そうでない場合はS1107に進む。
S1103では、カメラ制御部212は、信頼性が高いデフォーカス量を用いてAFを行うため、まずデフォーカス量が焦点深度内か否かを判定し、焦点深度内である場合はS1104に進み、焦点深度内でない場合はS1105に進む。
S1104では、カメラ制御部212は、デフォーカス量が焦点深度内にある合焦状態とであるとみなして合焦停止状態に移行し、AF処理を終了する。
一方、S1105では、カメラ制御部212は、まだ合焦状態が得られていないとみなして、デフォーカス量に基づいてフォーカスレンズ103を駆動するためのレンズ駆動設定を行い、S1106に進む。レンズ駆動設定とは、フォーカスレンズ103の駆動速度や、デフォーカス量の誤差を考慮したデフォーカス量に適用するゲイン等の設定である。
S1106では、カメラ制御部212は、デフォーカス量およびS1105で設定したレンズ駆動設定の情報に基づいて、レンズ制御部106に対してフォーカスレンズ103の制御命令を送信する。すなわち、フォーカス制御を行う。これにより、AF処理を終了する。
一方、S1107では、S507で算出したデフォーカス量を使用することができない。このため、カメラ制御部212は、信頼性が高いデフォーカス量が得られるフォーカスレンズ103の位置を検出するためにフォーカスレンズ103をその可動端に向けて移動させながらデフォーカス量を算出するサーチ駆動を行う。具体的には、カメラ制御部212は、まずサーチ駆動用のレンズ駆動設定を行う。サーチ駆動用のレンズ駆動設定とは、フォーカスレンズ103の駆動速度や駆動を開始する方向等の設定である。
続いてS1108では、カメラ制御部212は、S1107で設定したサーチ駆動用のレンズ駆動設定に基づいて、レンズ制御部106に対してフォーカスレンズ103の制御命令を送信する。そして、AF処理を終了する。
なお、本実施例では、撮像素子201の出力信号を用いる撮像面位相差AFのみを行えるカメラ本体20について説明した。しかし、撮像素子201の出力信号を用いてコントラストAFを行える場合には、S1102でデフォーカス量の信頼性が低いと判定した場合にコントラストAFを行うようにしてもよい。
S1109では、カメラ制御部212は、合焦停止状態を保持し、AF処理を終了する。
以上説明したように、本実施例では、検出被写体の移動量が大きい場合には、被写体検出位置から検出被写体の移動方向にシフトした位置に、該移動量が大きくない場合よりも狭いAF領域を設定する。このような制御により、検出被写体の移動量が大きくても、検出被写体に対してAF領域がずれて他の被写体を含むことによる遠近競合の発生を抑制することができ、検出被写体に対してより高精度にAFを行うことができる。
本実施例では、図2(b)に示すように水平方向において相関演算を行う場合について説明したが、垂直方向や斜め方向において相関演算を行ってもよい。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例では、実施例1で説明したAF領域設定処理において、さらに検出したデフォーカス量の信頼性、絞りの状態および手振れの検出状況に応じてAF領域の設定方法を変更する。本実施例におけるカメラ本体およびレンズユニットの構成は実施例1と同じであり、共通する構成要素には実施例1と同符号を付す。また、カメラ本体20で行われる撮像処理、静止画撮像処理および焦点検出処理は、実施例1において図3、図4および図5を用いて説明した処理と同じである。
図14のフローチャートを用いて、図5のS501でカメラ制御部212および被写体移動判定部213が行うAF領域設定処理について説明する。図14におけるS1501からS1503までの処理は、図6におけるS601からS603までの処理と同じである。また、図14におけるS1506からS1511までの処理は、図6におけるS604からS609までの処理と同じである。
S1504では、被写体移動判定部213は、前回フレームにて検出したデフォーカス量の信頼性が所定信頼性より高いか否かを判定する。信頼性が所定信頼性より高い場合はS1505に進み、信頼性が所定信頼性より低い場合はS1508に進む。ここにいう信頼性も、実施例1で説明したように、2像一致度や像ずれ量の急峻性により求められるものであり、算出されたデフォーカス量だけでなくデフォーカス方向も信頼できない信頼性範囲の最高値を所定信頼性と設定するのが望ましい。
前回フレームにて検出したデフォーカス量の信頼性が所定信頼性より低い場合としては、S1507でAF領域の横幅をβより狭いαに設定したためにAF領域にコントラストのある被写体が含まれなかった場合等がある。より具体的には、AF領域が検出した顔の頬のようにコントラストが低い部分のみを含む場合である。AF領域を狭くすることで遠近競合の発生を抑制することができるが、逆にAF領域が狭くなることで像ずれ量を検出し易いコントラストの高い被写体を含まなくなる可能性が高くなり、デフォーカス量の信頼性が低下するおそれがある。そこで、前回フレームで検出されたデフォーカス量の信頼性が低い場合は、AF領域の横幅をαに設定せず、S1509で横幅をβに設定することで一時的に像ずれ量の検出のし易さを優先する。
S1505では、被写体移動判定部213は、絞りを所定絞り値より開けているか否かを判定し、所定絞り値より開けている場合はS1506に進み、そうでない場合はS1508に進む。撮像面位相差検出方式のAFでは、絞りを絞るほど像ずれ量からデフォーカス量を算出する為の換算係数が大きくなりAF精度が出にくくなる特性がある。ここで設定する絞りの閾値は、例えばAFの精度規格を基に、AF精度がある程度より良くなる絞りを設定する。
先述したように、撮像面位相差AFでは、絞りを絞るほど像ずれ量からデフォーカス量を算出するための換算係数が大きくなり、AF精度を上げにくくなる。このため、AF領域内に像ずれ量の検出がし易いコントラストの高い被写体が含まれない場合には、特にデフォーカス量のばらつきが大きく、フォーカスレンズ103が合焦状態が得られる位置付近で移動し続けるおそれがある。また、絞りを絞ってと被写界深度を深くすると、遠近競合が発生していてもそれぞれにピントが合うようになる傾向があるため、遠近競合によるピントのぼけが発生し難くなる。これらの理由から、絞りが所定絞り値より絞り込まれているためにAF精度が低下し易い状況では、AF領域を狭くすることによる遠近競合の抑制よりもAF領域を広くしてコントラストの高い被写体がAF領域に含まれ易くする。
次に、図15のフローチャートを用いて、図4のS403にてカメラ制御部212が行うAF処理について説明する。図15におけるS1601からS1606までの処理は、図11におけるS1101からS1106までの処理と同じである。また、図15におけるS1608からS1610までの処理は、図11におけるS1107からS1109までの処理と同じである。
S1607では、カメラ制御部212は、前回フレームにて検出したデフォーカス量の信頼性が所定信頼性より高いか否かを判断する。デフォーカス量の信頼性が所定信頼性より高ければAF処理を終了し、所定信頼性より低ければS1608に進む。ここにいう信頼性も、S1504で説明したものと同じである。
実施例1では、S1102でデフォーカス量の信頼性が低い場合には、S1107およびS1108でサーチ駆動によるレンズ駆動処理を行った。これに対して、本実施例では、S1602でデフォーカス量の信頼性が所定信頼性より低いには、さらに前回フレームのデフォーカス量の信頼性が所定信頼性より低くなければS1608およびS1609でサーチ駆動によるレンズ駆動処理を行わない。これは、図14におけるS1504の判定結果によってS1507でより狭いAF領域の横幅αが設定されたことで信頼性が低くなってしまったときに不用意なサーチ駆動を行わないためである。
このように本実施例でも、検出被写体の移動量が大きい場合に被写体検出位置から検出被写体の移動方向にシフトした位置に、該移動量が大きくない場合よりも狭いAF領域を設定するが、その際に本実施例ではデフォーカス量の信頼性や絞りの情報を考慮する。すなわち、狭い横幅のAF領域を設定したためにデフォーカス量の信頼性が低下する場合には、広い横幅のAF領域を設定する。また、絞りを絞っている場合には、AF精度と被写界深度の深さを考慮して、広い横幅のAF領域を設定する。このような制御により、遠近競合を抑制しつつ、AF精度の低下を回避することができる。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例では、実施例1で説明したAF領域設定処理において、さらに検出被写体の移動量が大きい場合に狭い横幅のAF領域と広い横幅のAF領域を設定する。そして、それぞれのAF領域で算出したデフォーカス量の信頼性に応じてどちらのAF領域をAF処理に使用するかを選択する。本実施例におけるカメラ本体およびレンズユニットの構成は実施例1と同じであり、共通する構成要素には実施例1と同符号を付す。また、カメラ本体20で行われる撮像処理、静止画撮像処理およびAF処理は、図3、図4および図11を用いて説明した処理と同じである。
図16のフローチャートを用いて、図4のS401にてカメラ制御部212、被写体移動判定部213およびAF信号処理部204が行う焦点検出処理について説明する。図16におけるS1702からS1707までの処理は、図5におけるS502からS507までの処理と同じである。ただし、後述するようにS1703からS1707までの処理は、S1701の処理にてAF領域が複数設定されている場合は、複数のAF領域のそれぞれについて実行される。
S1701では、カメラ制御部212は、撮像画面(つまりは撮像素子201)上においてAFを行うAF領域を設定する。AF領域は、ユーザによるカメラ操作部214を通じた指示や被写体検出/追従処理部216による被写体検出状態に基づいて設定される。また、被写体検出/追従処理部216が被写体を検出している場合は、さらに被写体移動判定部213からの被写体移動情報に応じてAF領域を設定する。また、本実施例では、後述するように複数のAF領域を設定する場合がある。
S1708では、カメラ制御部212は、S1701で設定した複数のAF領域のうちどのAF領域を図4のS403で行うAF処理に使用するかを選択して、焦点検出処理を終了する。
次に、図17のフローチャートを用いて、図16のS1701でカメラ制御部212および被写体移動判定部213が行うAF領域設定処理について説明する。図17におけるS1801の処理は、図6におけるS601の処理と同じである。また、図17におけるS1804およびS1805の処理は、図6におけるS602およびS603の処理と同じである。
S1802では、カメラ制御部212は、被写体検出位置を中心として第1のAF領域(第1の焦点検出領域)を設定し、S1803に進む。
S1803では、カメラ制御部212は、第1のAF領域の横幅をβに設定し、S1804に進む。このように本実施例では、S1801で被写体検出状態にあると判定した場合には、常に被写体検出位置を中心として横幅がβである第1のAF領域を設定する。
S1806では、カメラ制御部212は、第2のAF領域(第2の焦点検出領域)の中心を、今回フレームの被写体検出位置と前回および今回フレーム間での被写体検出位置の差とに応じて設定する。具体的には、前回および今回フレーム間での被写体検出位置の差から撮像画面内における検出被写体の移動方向を算出し、今回フレームの被写体検出位置から検出被写体の移動方向に実施例1で説明したシフト量だけシフトした位置を第2のAF領域の中心に設定する。
S1807では、カメラ制御部212は、第2のAF領域の横幅をαに設定し、S1808に進む。
S1808では、カメラ制御部212は、第1のAF領域の中心の位置を第2のAF領域の中心と同じ位置に設定し直す。第1のAF領域の中心はS1802で設定したが、被写体移動判定部213により検出被写体の移動量が大きいと判定された場合は、今回フレームの被写体検出位置から検出被写体の移動方向に上記シフト量だけシフトした位置を中心とするように再設定する。ただし、第1のAF領域の横幅はS1803で設定したβのままとし、第2のAF領域の横幅αよりも広くする。そして、AF領域設定処理を終了する。第1のAF領域と第2のAF領域の例を図18に示す。
実施例1では、被写体移動判定部213の判定結果に応じて設定するAF領域の位置を変更するが、本実施例では検出被写体の移動量が大きいと判定された場合において第1および第2のAF領域(すなわち複数のAF領域)を設定する。これにより、後述する使用AF領域選択処理により実施例1に比べてより適切な位置や大きさのAF領域を設定することができる。一方、S1809では、カメラ制御部212は、ユーザが任意に撮像画面内に設定した位置を中心として第1のAF領域を設定し、S1810に進む。
S1810では、カメラ制御部212は、第1のAF領域の横幅をβに設定してAF領域設定処理を終了する。
図19のフローチャートを用いて、図16のS1708でカメラ制御部212が行う使用AF領域選択処理について説明する。S1901では、カメラ制御部212は、S1701のAF領域設定処理で設定されたAF領域が2つ以上であるか否かを判定し、設定されたAF領域が2つ以上であればS1902に進み、1つであればS1904に進む。S1902では、カメラ制御部212は、第2のAF領域で算出されたデフォーカス量の信頼性が所定信頼性より高いか否かを判定し、信頼性が所定信頼性より高い場合はS1903に進み、所定信頼性より低い場合はS1904に進む。ここでいう信頼性および所定信頼性については、実施例1,2で説明したものと同じである。S1903では、カメラ制御部212は、第2のAF領域を使用AF領域として選択し、使用AF領域選択処理を終了する。S1904では、カメラ制御部212は、第1のAF領域を使用AF領域として選択し、使用AF領域選択処理を終了する。
本実施例では、第1および第2のAF領域を設定した場合において、第2のAF領域で得られたデフォーカス量の信頼性が高い場合には第2のAF領域をAF処理に使用するが、信頼性が低い場合には第1のAF領域をAF処理に使用する。前述した実施例2では、設定したAF領域で得られたデフォーカス量の信頼性が低い場合は、前回フレームにて検出したデフォーカス量の信頼性の判定結果に応じてAF領域の位置と大きさ(横幅)を変更した。この実施例2では複数のAF領域についてのデータを保持する必要がないため、ROM210の使用容量が少なくなるというメリットがある。ただし、実施例2では1フレーム分、余分な時間を要する。これに対して本実施例では、ROM210の使用容量は増えるが、AF領域の変更を同一フレーム内で行うことができるため、AFに要する時間を短縮することができる。
このように本実施例では、検出被写体の移動量が大きい場合には、被写体検出位置と該被写体検出位置から検出被写体の移動方向にシフトした位置のそれぞれに第1のAF領域と第2のAF領域を設定する。そして、第2のAF領域にて得られたデフォーカス量の信頼性が高い場合にのみこの第2のAF領域をAF処理に使用する。このような制御により、検出被写体の移動量が大きくても、検出被写体に対してAF領域がずれて他の被写体を含むことで遠近競合が発生することを抑制することができる。この結果、移動する検出被写体に対してより高精度なAFを行うことができる。
さらに、本実施例では、検出被写体をより正確に含むように設定した第2のAF領域が低コントラストな被写体領域しか含んでいないためにデフォーカス量の信頼性が低い場合には、より広い大きさを有する第1のAF領域を同一フレーム内で設定し直す。これにより、第2のAF領域では信頼性が高いデフォーカス量を算出できなかった場合でも、高精度かつ高速にAFを行うことができる。
次に、本発明の実施例4について説明する。本実施例では、実施例3で説明したAF領域設定処理および使用AF領域選択処理に加えて、絞りの状態に応じて使用するAF領域を変更する。本実施例におけるカメラ本体およびレンズユニットの構成は実施例1と同じであり、共通する構成要素には実施例1と同符号を付す。また、カメラ本体20で行われる撮像処理、静止画撮像処理およびAF処理は、実施例1において図3、図4および図11を用いて説明した処理と同じである。また、本実施例における焦点検出処理およびAF領域設定処理は、実施例3において図16および図17を用いて説明した処理と同じである。
図20のフローチャートを用いて、図16のS1708でカメラ制御部212が行う使用AF領域選択処理について説明する。図20におけるS2101、S2102、S2104およびS2105の処理は、図19におけるS1901、S190、S1903およびS1904の処理と同じである。
S2103では、カメラ制御部212は、絞りを所定絞り値より開けているか否かを判定する。絞りを所定絞り値より開けている場合はS2104に進み、所定絞り値より絞っている場合はS2105に進む。このように絞りの状態に応じて使用するAF領域を変更する理由は、実施例2で図14のS1505を説明した処理と同様の理由によるため、説明を省略する。
本実施例でも、実施例3と同様に、検出被写体の移動量が大きい場合には、被写体検出位置と該被写体検出位置から検出被写体の移動方向にシフトした位置のそれぞれに第1のAF領域と第2のAF領域を設定する。そして、第2のAF領域にて得られたデフォーカス量の信頼性が高く、かつ絞りを所定絞り値より開いている場合にのみこの第2のAF領域をAF処理に使用する。このような制御により、絞りを絞っているためにAF精度が低下し易い状況では、AF領域を狭くすることで遠近競合を抑制することよりもAF領域を広くしてコントラストの高い被写体をAF領域に含ませ易くすることで、AFの安定性を向上させることができる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
10 レンズユニット
20 カメラ本体
103 フォーカスレンズ
201 撮像素子
204 AF信号処理部
212 カメラ制御部
213 被写体移動判定部
216 被写体検出/追従処理部

Claims (16)

  1. 撮像光学系の焦点状態を位相差検出方式により検出する焦点検出手段と、
    前記焦点状態に応じてフォーカス制御を行う制御手段と、
    撮像画面内において前記焦点状態を検出する焦点検出領域を設定する設定手段とを有し、
    前記設定手段は、撮像により生成された撮像信号を用いて前記撮像画面内に含まれる被写体を検出するとともに該被写体の移動量を検出し、前記移動量に応じて位置が異なる前記焦点検出領域を設定することを特徴とするフォーカス制御装置。
  2. 前記設定手段は、
    前記移動量が所定移動量より小さい場合は、前記撮像画面内における前記被写体の検出位置に対応する前記焦点検出領域を設定し、
    前記移動量が所定移動量より大きい場合は、前記撮像画面内における前記検出位置から前記被写体の移動方向にシフトした前記焦点検出領域を設定することを特徴とする請求項1に記載のフォーカス制御装置。
  3. 前記設定手段は、前記検出位置または該検出位置から前記移動方向にシフトした位置が中心または重心となるように前記焦点検出領域を設定することを特徴とする請求項2に記載のフォーカス制御装置。
  4. 前記設定手段は、前記移動量に応じて大きさが異なる前記焦点検出領域を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のフォーカス制御装置。
  5. 前記設定手段は、前記移動量が前記所定移動量より大きい場合は、該移動量が前記所定移動量より小さい場合に比べて前記焦点検出領域の大きさを小さくすることを特徴とする請求項4に記載のフォーカス制御装置。
  6. 前記設定手段は、前記移動量が前記所定移動量より大きい場合において、検出された前記焦点状態の信頼性が所定信頼性より高いときに、前記移動量が前記所定移動量より小さい場合に比べて前記焦点検出領域の大きさを小さくすることを特徴とする請求項5に記載のフォーカス制御装置。
  7. 前記設定手段は、前記移動量が前記所定移動量より大きい場合において、前記撮像光学系に含まれる絞りが所定絞り値より開けられているときに、前記移動量が前記所定移動量より小さい場合に比べて前記焦点検出領域の大きさを小さくすることを特徴とする請求項5または6に記載のフォーカス制御装置。
  8. 前記設定手段は、前記移動量が前記所定移動量より大きい場合に、互いに大きさが異なる複数の前記焦点検出領域を設定し、該複数の焦点検出領域のうちいずれかを前記フォーカス制御に用いる焦点検出領域として選択することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のフォーカス制御装置。
  9. 前記複数の焦点検出領域は、第1の焦点検出領域と該第1の焦点検出領域よりも大きさが小さい第2の焦点検出領域とを含み、
    前記設定手段は、前記第2の焦点検出領域で検出された前記焦点状態の信頼性が所定信頼性より低いときに前記第1の焦点検出領域を前記フォーカス制御に用いる焦点検出領域として選択することを特徴とする請求項8に記載のフォーカス制御装置。
  10. 前記複数の焦点検出領域は、第1の焦点検出領域と該第1の焦点検出領域よりも大きさが小さい第2の焦点検出領域とを含み、
    前記設定手段は、前記撮像光学系に含まれる絞りが所定絞り値より絞られているときは前記第1の焦点検出領域を前記フォーカス制御に用いる焦点検出領域として選択し、前記絞りが前記所定絞り値より開けられているときは前記第2の焦点検出領域を前記フォーカス制御に用いる焦点検出領域として選択することを特徴とする請求項8または9に記載のフォーカス制御装置。
  11. 撮像光学系の焦点状態を位相差検出方式により検出する焦点検出手段と、
    前記焦点状態に応じてフォーカス制御を行う制御手段と、
    撮像画面内において前記焦点状態を検出する焦点検出領域を設定する設定手段とを有し、
    前記設定手段は、撮像により生成された撮像信号を用いて前記撮像画面内に含まれる被写体を検出するとともに該被写体の移動量を検出し、前記移動量に応じて大きさが異なる前記焦点検出領域を設定することを特徴とするフォーカス制御装置。
  12. 撮像光学系により形成された被写体像を撮像する撮像素子と、
    請求項1から10のいずれか一項に記載のフォーカス制御装置とを有することを特徴とする撮像装置。
  13. 撮像光学系の焦点状態を位相差検出方式により検出するステップと、
    前記焦点状態に応じてフォーカス制御を行うステップと、
    撮像画面内において前記焦点状態を検出する焦点検出領域を設定する設定ステップとを有し、
    前記設定ステップにおいて、撮像により生成された撮像信号を用いて前記撮像画面内に含まれる被写体を検出するとともに該被写体の移動量を検出し、前記移動量に応じて位置が異なる前記焦点検出領域を設定することを特徴とするフォーカス制御方法。
  14. 撮像光学系の焦点状態を位相差検出方式により検出するステップと、
    前記焦点状態に応じてフォーカス制御を行うステップと、
    撮像画面内において前記焦点状態を検出する焦点検出領域を設定する設定ステップとを有し、
    前記設定ステップにおいて、撮像により生成された撮像信号を用いて前記撮像画面内に含まれる被写体を検出するとともに該被写体の移動量を検出し、前記移動量に応じて大きさが異なる前記焦点検出領域を設定することを特徴とするフォーカス制御方法。
  15. 撮像装置のコンピュータにフォーカス制御処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
    前記フォーカス制御処理は、
    撮像光学系の焦点状態を位相差検出方式により検出する処理と、
    前記焦点状態に応じてフォーカス制御を行う処理と、
    撮像画面内において前記焦点状態を検出する焦点検出領域を設定する設定処理とを含み、
    前記設定処理において、前記コンピュータに、撮像により生成された撮像信号を用いて前記撮像画面内に含まれる被写体を検出するとともに該被写体の移動量を検出させ、前記移動量に応じて位置が異なる前記焦点検出領域を設定させることを特徴とするフォーカス制御プログラム。
  16. 撮像装置のコンピュータにフォーカス制御処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
    前記フォーカス制御処理は、
    撮像光学系の焦点状態を位相差検出方式により検出する処理と、
    前記焦点状態に応じてフォーカス制御を行う処理と、
    撮像画面内において前記焦点状態を検出する焦点検出領域を設定する設定処理とを含み、
    前記設定処理において、前記コンピュータに、撮像により生成された撮像信号を用いて前記撮像画面内に含まれる被写体を検出するとともに該被写体の移動量を検出させ、前記移動量に応じて大きさが異なる前記焦点検出領域を設定させることを特徴とするフォーカス制御プログラム。
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