JP2018091381A - 無段変速機 - Google Patents

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Aya Nakamura
亜矢 中村
徳行 江南
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Abstract

【課題】無段変速装置の駆動抵抗を容易に低減できる無段変速機を提供すること。
【解決手段】無段変速機1の変速機ケース2は、変速機ケース2の内部を、ファイナルドリブンギヤ14が収容される第1の収容室52と、遊星歯車機構15および無段変速機構21が収容される第2の収容室53とに仕切る隔壁51を有する。隔壁51は、第2の入力軸7が貫通する壁部54と、オイル貯留部56に貯留されるオイルOの油面よりも上方において壁部54から第1の入力軸6および第2の入力軸7の軸線方向に沿って延び、遊星歯車機構15および無段変速機構21の下部15a、21aおよび側部15b、21bを覆う覆い部59を有し、覆い部59は、第1の収容室52と第2の収容室53とを連通する連通孔59aから59eを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、無段変速機に関する。
変速比を無段階で変速する無段変速機構を備えた無段変速機としては、例えば、特許文献1に記載される車両用動力伝達装置が知られている。この動力伝達装置は、ミッションケースの内部を、トロイダル変速機構を収納する第1室と、動力伝達用の第1ギヤおよび第2ギヤを収納する第2室とに仕切っている。
第1室内のトロイダル変速機構は、第1オイルで潤滑され、第2室内の第1ギヤおよび第2ギヤは、第1オイルと独立した第2オイルで潤滑されることで、トロイダル変速機構と動力伝達用の第1ギヤおよび第2ギヤとを最適なオイルで潤滑することができる。
特開2015−1301号公報
このような従来の無段変速機の潤滑機構にあっては、トロイダル変速機構を潤滑した第1オイルは、トロイダル変速機構の径方向内方からトロイダル変速機構に導入され、トロイダル変速機構を潤滑した後に、トロイダル変速機構の遠心力によってトロイダル変速機構の径方向外方に排出される。
これにより、トロイダル変速機構から排出されるオイルがトランスミッションケースで跳ね返ってトロイダル変速機構に衝突してしまい、トロイダル変速機構の駆動抵抗が増大してしまうおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、無段変速装置の駆動抵抗を容易に低減できる無段変速機を提供することを目的とするものである。
本発明は、オイルが貯留されるオイル貯留部を有する変速機ケースを有し、前記変速機ケースに、駆動源から動力が伝達される入力軸と、前記入力軸と平行に設置されるカウンタ軸と、前記入力軸と平行に設置される出力軸とが収容されており、前記入力軸の回転を無段階に変速して出力する無段変速機構と、複数の回転要素を有し、前記入力軸および前記無段変速機構から出力される回転が入力される遊星歯車機構とを備えた無段変速装置が前記入力軸の軸線上に設置されており、動力を選択的に伝達する複数のギヤ列によって前記無段変速装置と前記カウンタ軸とが接続されており、前記カウンタ軸に設けられたファイナルドライブギヤおよび前記出力軸に設けられたファイナルドリブンギヤが、前記カウンタ軸の軸線方向において前記無段変速装置から離隔して設置されており、前記ファイナルドリブンギヤが前記オイルに浸かるように前記出力軸に設けられており、前記無段変速装置が、前記無段変速装置の径方向内方から導入されるオイルによって前記無段変速機構および回転要素を潤滑した後に前記無段変速装置の径方向外方にオイルを排出するように構成された無段変速機であって、前記変速機ケースは、前記変速機ケースの内部を、前記ファイナルドリブンギヤが収容される第1の収容室と、前記無段変速装置が収容される第2の収容室とに仕切る隔壁を有し、前記隔壁は、前記入力軸の軸線方向において前記無段変速装置に対向し、前記入力軸が貫通する壁部と、前記オイル貯留部に貯留されるオイルの油面よりも上方において前記壁部から前記入力軸の軸線方向に沿って延び、少なくとも前記無段変速装置の下部を覆う覆い部とを有し、前記覆い部は、前記第1の収容室と前記第2の収容室とを連通する連通部を有することを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、無段変速機の無段変速装置の駆動抵抗を容易に低減できる。
図1は、本発明の一実施例に係る無段変速機を示す図であり、第2のケースおよび第3のケースを取り外した状態の無段変速機の側面図である。 図2は、図1のII−II方向矢視断面図である。 図3は、図1のIII−III方向矢視断面図である。 図4は、本発明の一実施例に係る無段変速機のスケルトン図である。 図5は、本発明の一実施例に係る無段変速機を示す図であり、第2のケースの側面図である。 図6は、本発明の一実施例に係る無段変速機を示す図であり、第2のケースの斜視図である。 図7は、図3のVII−VII方向矢視断面図である。 図8は、図5のVIII−VIII方向矢視断面図である。 図9は、図5のIX−IX方向矢視断面図である。 図10は、本発明の一実施例に係る無段変速機の他の形状の覆い部の下部を示す図である。
本発明の一実施の形態に係る無段変速機は、オイルが貯留されるオイル貯留部を有する変速機ケースを有し、変速機ケースに、駆動源から動力が伝達される入力軸と、入力軸と平行に設置されるカウンタ軸と、入力軸と平行に設置される出力軸とが収容されており、入力軸の回転を無段階に変速して出力する無段変速機構と、複数の回転要素を有し、入力軸および無段変速機構から出力される回転が入力される遊星歯車機構とを備えた無段変速装置が入力軸の軸線上に設置されており、動力を選択的に伝達する複数のギヤ列によって無段変速装置とカウンタ軸とが接続されており、カウンタ軸に設けられたファイナルドライブギヤおよび出力軸に設けられたファイナルドリブンギヤが、カウンタ軸の軸線方向において無段変速装置から離隔して設置されており、ファイナルドリブンギヤがオイルに浸かるように出力軸に設けられており、無段変速装置が、無段変速装置の径方向内方から導入されるオイルによって無段変速機構および回転要素を潤滑した後に無段変速装置の径方向外方にオイルを排出するように構成された無段変速機であって、変速機ケースは、変速機ケースの内部を、ファイナルドリブンギヤが収容される第1の収容室と、無段変速装置が収容される第2の収容室とに仕切る隔壁を有し、隔壁は、入力軸の軸線方向において無段変速装置に対向し、入力軸が貫通する壁部と、オイル貯留部に貯留されるオイルの油面よりも上方において壁部から入力軸の軸線方向に沿って延び、少なくとも無段変速装置の下部を覆う覆い部とを有し、覆い部は、第1の収容室と第2の収容室とを連通する連通部を有する。
これにより、無段変速機の無段変速装置の駆動抵抗を容易に低減できる。
以下、本発明に係る無段変速機の実施例について、図面を用いて説明する。
図1から図10は、本発明に係る一実施例の無段変速機を示す図である。なお、図1から図10において、上下左右方向は、車両に搭乗した運転者から見た方向を表わしている。
まず、構成を説明する。
図1において、四輪自動車等の車両には無段変速機1が搭載されている。図2、図3において、無段変速機1は、変速機ケース2を備えており、変速機ケース2は、第1のケース部3、第2のケース部4および第3のケース部5を備えている。
変速機ケース2には第1の入力軸6および第2の入力軸7が設けられており、第1の入力軸6および第2の入力軸7は、同一軸線上に設置されている。図2において、変速機ケース2には第1の中間軸8、第2の中間軸9、第3の中間軸10が設けられている。
第1の中間軸8は、第2の入力軸7の外方において第2の入力軸7と同軸上に設けられており、第2の入力軸7と相対回転自在となっている。第2の中間軸9は、第1の入力軸6および第2の入力軸7と同一軸線上に設けられている。第3の中間軸10は、第1の入力軸6、第2の入力軸7および第2の中間軸9と平行に設置されている。
変速機ケース2にはカウンタ軸11および差動装置12が設けられている。カウンタ軸11は、第1の入力軸6および第2の入力軸7と平行で、かつ第3の中間軸10と同一軸線上に設置されている。差動装置12は、デフケース13を有し、デフケース13は、その軸線13Aが第1の入力軸6および第2の入力軸7と平行になるように設置されている。
本実施例の第1の入力軸6および第2の入力軸7は、本発明の入力軸を構成し、カウンタ軸11は、本発明のカウンタ軸を構成する。デフケース13は、本発明の出力軸を構成する。
図4において、無段変速機1の第1の入力軸6は、エンジン100のクランク軸100Aに発進デバイス101を介して接続されている。発進デバイス101は、第1のケース部3に収容されている(図2参照)。
発進デバイス101は、乾式クラッチまたはトルクコンバータからなり、エンジン100と無段変速機1との間で動力の伝達または遮断を行う。エンジン100の出力は、クランク軸100Aから発進デバイス101を介して第1の入力軸6に伝達される。
差動装置12は、差動機構を収納するデフケース13と、デフケース13の外周部に設けられたファイナルドリブンギヤ14とを有する。デフケース13の内部の差動機構には、デフケース13を通して左右のドライブシャフト102L、102Rが連結されている。
図2に示すようにドライブシャフト102L、102Rは、デフケース13を介して第1のケース部3および第2のケース部4に回転自在に支持されており、ドライブシャフト102L、102Rの軸線とデフケース13の軸線13Aとは同一の軸線である。
差動装置12は、ファイナルドリブンギヤ14の動力を左右のドライブシャフト102L、102Rを介して、左右の駆動輪103L、103Rに差動回転可能に伝達する。
図4において、無段変速機1は、遊星歯車機構15を備えており、遊星歯車機構15は、インターナルギヤ16が内周面に形成されたケーシング17と、インターナルギヤ16と噛合うピニオンギヤ18と、ピニオンギヤ18と噛合うサンギヤ19と、ピニオンギヤ18を回転自在に支持し、第2の入力軸7に対して同軸で一体回転するように連結されたキャリア20とを有する。本実施例のインターナルギヤ16、サンギヤ19およびキャリア20は、本発明の回転要素を構成する。
第1の中間軸8は、中空形状に形成されており、内部に第2の入力軸7が挿入されている。第1の中間軸8は、ケーシング17と同軸で一体回転するようにケーシング17と一体に設けられている。第2の中間軸9は、サンギヤ19に対してエンジン100と反対側に設置されており、サンギヤ19と同軸で一体回転するようにサンギヤ19に一体に設けられている。
図2、図3において、無段変速機1は、無段変速機構21を備えている。図4において、無段変速機構21は、ケーシング17に対して同軸で一体回転するように連結された第1のディスク22と、第1のディスク22に対向し、サンギヤ19に対して同軸で一体回転するように連結された第2のディスク23と、第1のディスク22と第2のディスク23との間で動力を伝達する球状のローラ24とを有する。
第2のディスク23は、第2の中間軸9に連結されており、第2の中間軸9を介してサンギヤ19と一体回転する。ローラ24は、図示しないアクチュエータによってその回転軸の傾斜角度が変更される。第1のディスク22と第2のディスク23とは同方向に回転する。
このように構成された無段変速機構21は、ローラ24の回転軸の傾斜角度を変化させることによって、第1のディスク22の回転数に対する第2のディスク23の回転数の比、すなわち変速比を変化させて、第1のディスク22の回転に対して第2のディスク23の回転が減速する状態から、第1のディスク22の回転に対して第2のディスク23の回転が増速する状態に無段階に変速する。このように、無段変速機構21は、トロイダル型無段変速機構として構成されている。
遊星歯車機構15および無段変速機構21は、第1の入力軸6および第2の入力軸7と同軸上に設けられており、本発明の無段変速装置を構成する。
第1の入力軸6の外方にはリバース駆動ギヤ31が設けられており、リバース駆動ギヤ31は、第1の入力軸6と相対回転自在となっている。無段変速機1は、リバースアイドラ軸32を備えている。リバースアイドラ軸32にはリバースアイドラギヤ33、34が固定されており、リバースアイドラギヤ33、34は、リバースアイドラ軸32と一体で回転する。
リバースアイドラギヤ33は、リバース駆動ギヤ31に噛み合っており、リバースアイドラギヤ34は、モード1従動ギヤ37に噛み合っている。モード1従動ギヤ37は、カウンタ軸11に固定されており、カウンタ軸11と一体で回転する。
第1の中間軸8にはモード1駆動ギヤ35が設けられており、モード1駆動ギヤ35は、モード1従動ギヤ37に噛み合っている。第1の中間軸8にはモード3駆動ギヤ38が固定されており、モード3駆動ギヤ38は、ワンウェイクラッチ36を介してモード駆動ギヤ35に連結されて第1の中間軸8と一体で回転する。
モード3駆動ギヤ38は、モード3従動ギヤ39に噛み合っており、モード3従動ギヤ39は、カウンタ軸11に相対回転自在に設けられている。第2の中間軸9にはモード2駆動ギヤ40が固定されており、モード2駆動ギヤ40は、第2の中間軸9と一体で回転する。
モード2駆動ギヤ40は、モード2従動ギヤ41に噛み合っており、モード2従動ギヤ41は、第3の中間軸10に固定されて第3の中間軸10と一体で回転する。
無段変速機1は、前後進切替スリーブ42およびモード切替スリーブ43を備えている。前後進切替スリーブ42は、車両の後進時にリバース駆動ギヤ31を第1の入力軸6に連結する後進時連結状態と、車両の前進時に第1の入力軸6を第2の入力軸7に連結する前進時連結状態と、リバース駆動ギヤ31および第2の入力軸7を第1の入力軸6に連結しない中立状態とに切替える。
モード切替スリーブ43は、第3の中間軸10をカウンタ軸11に連結する第2のモードと、モード3従動ギヤ39をカウンタ軸11に連結する第3のモードと、第3の中間軸10およびモード3従動ギヤ39をカウンタ軸11に連結しない第1のモード(中立状態)とに切替える。
カウンタ軸11にはファイナルドライブギヤ44が固定されており、ファイナルドライブギヤ44は、カウンタ軸11と一体で回転する。ファイナルドライブギヤ44は、ファイナルドリブンギヤ14に噛み合っており、ファイナルドリブンギヤ14は、ファイナルドライブギヤ44の回転を減速する。本実施例のファイナルドライブギヤ44およびファイナルドリブンギヤ14は、本発明の終減速機構を構成する。
このように構成された無段変速機1において、車両の前進時に前後進切替スリーブ42が第1の入力軸6と第2の入力軸7とを連結した状態で、エンジン100から発進デバイス101を介して第1の入力軸6に動力が伝達される。
この動力は、第1の入力軸6および第2の入力軸7と同軸上に配置された遊星歯車機構15のキャリア20に伝達され、キャリア20を回転させる。キャリア20が回転すると、キャリア20に支持されたピニオンギヤ18からインターナルギヤ16とサンギヤ19とに動力が分割して伝達される。
インターナルギヤ16に伝達された動力は、ケーシング17を介して無段変速機構21の第1のディスク22に伝達される。サンギヤ19に伝達された動力は、第2の中間軸9を介して無段変速機構21の第2のディスク23に伝達される。このように、遊星歯車機構15は、エンジン100から入力された動力をインターナルギヤ16側とサンギヤ19側とに分割する(パワースプリットを行う)。
この動力分割(パワースプリット)が行われることで、第1のディスク22およびケーシング17と一体で回転する第1の中間軸8を経て駆動輪103L、103Rに動力が伝達される奇数段の動力伝達経路と、第2のディスク23と一体で回転する第2の中間軸9を経て駆動輪103L、103Rに動力が伝達される偶数段の動力伝達経路とが形成される。
奇数段の動力伝達経路を用いて変速を行う場合、サンギヤ19から第2のディスク23に伝達された動力は、第1のディスク22およびケーシング17を介して第1の中間軸8に合流する。
偶数段の動力伝達経路を用いて変速を行う場合、インターナルギヤ16からケーシング17および第1のディスク22に伝達された動力は、第2のディスク23を介して第2の中間軸9に合流する。
この動力分割(パワースプリット)型の無段変速機1では、第1の入力軸6および第2の入力軸7の回転数が一定で無段変速機構21の変速比が変化した場合、サンギヤ19の回転数が増加するとインターナルギヤ16の回転数が減少し、サンギヤ19の回転数が減少するとインターナルギヤ16の回転数が増加する。
無段変速機1は、モード1、モード3からなる奇数段の走行モードと、モード2の偶数段の走行モードとを備えている。
モード1では、モード1駆動ギヤ35とモード1従動ギヤ37との噛み合いにより変速を行い、モード2では、モード2駆動ギヤ40とモード2従動ギヤ41との噛み合いにより変速を行う。モード3では、モード3駆動ギヤ38とモード3従動ギヤ39との噛み合いにより変速を行う。
モード1からモード3の走行モードにおいて、モード1の変速比が最も大きく、モード2、モード3の順に変速比が小さくなるように、各駆動ギヤと各従動ギヤのギヤ比が設定されている。換言すれば、モード1からモード3の走行モードは、ギヤ対を切替えて段階的に変速比を変更する自動変速装置(ステップAT)における変速段に類似する。
無段変速機1は、車両前進時において、走行モードをモード1からモード3の間で切替えるとともに、各走行モードで無段変速機構21の変速比を変更することで、無段変速機1の全体としての変速比を変更する。
このように本実施例の無段変速機1の無段変速装置は、第1の入力軸6および第2の入力軸7の回転を無段階に変速して出力する無段変速機構21と、インターナルギヤ16、サンギヤ19およびキャリア20からなる回転要素を有し、第1の入力軸6および第2の入力軸7および無段変速機構21から出力される回転が入力される遊星歯車機構15とを備えている。
本実施例の無段変速機1は、動力を選択的に伝達するモード1駆動ギヤ35およびモード1従動ギヤ37と、モード3駆動ギヤ38およびモード3従動ギヤ39と、モード2駆動ギヤ40およびモード2従動ギヤ41とからなるギヤ列によって遊星歯車機構15および無段変速機構21とカウンタ軸11とが接続されている。
本実施例のモード1駆動ギヤ35およびモード1従動ギヤ37と、モード3駆動ギヤ38およびモード3従動ギヤ39と、モード2駆動ギヤ40およびモード2従動ギヤ41とは、それぞれ本発明のギヤ列を構成する。
図1において、無段変速機構21の上方にはシフトアーム45、46が設置されている。シフトアーム46は、前後進切替スリーブ42を第1の入力軸6および第2の入力軸7の軸線方向に移動させる。シフトアーム45は、モード切替スリーブ43をカウンタ軸11の軸線方向に移動させる。
無段変速機構21の上方にはシフトドラム47が設置されており、シフトドラム47は、円周方向および軸線方向に延びる溝を有し、この溝にシフトアーム45、46の軸線方向の一端部に設けられた図示しない突起が摺動自在に嵌合されている。
シフトドラム47が回転すると、シフトアーム45、46の突起がシフトドラム47の溝に沿って摺動することで、シフトアーム45、46の軸線方向の他端部がそれぞれ前後進切替スリーブ42やモード切替スリーブ43を移動させる。
これにより、前後進切替スリーブ42やモード切替スリーブ43が第1の入力軸6、第2の入力軸7およびカウンタ軸11の軸線方向に移動し、ギヤ列を選択的に切り替える。
本実施例の前後進切替スリーブ42、モード切替スリーブ43およびシフトアーム45、46は、本発明のシフト装置を構成し、シフトアーム45、46は、本発明のシフト装置の一部を構成する。
図2において、第2のケース部4には隔壁51(図3参照)が設けられている。隔壁51は、第2のケース部4および第3のケース部5の内部を、第2の入力軸7、第1の中間軸8、カウンタ軸11、ファイナルドリブンギヤ14、モード1駆動ギヤ35、モード1従動ギヤ37、モード3従動ギヤ39、前後進切替スリーブ42等を収容する第1の収容室52と、遊星歯車機構15、無段変速機構21、モード2駆動ギヤ40、モード2従動ギヤ41、第2の中間軸9、第3の中間軸10等が収容される第2の収容室53とに仕切っている。
隔壁51は、第2のケース部4の内周面から径方向内方に延びる壁部54を備えている。壁部54は、第2のケース部4の内周部から径方向内方に延び(図6参照)、第1の入力軸6および第2の入力軸7の軸線方向において遊星歯車機構15および無段変速機構21に対向している。
壁部54の径方向内方には第2の入力軸7および第1の中間軸8が貫通する開口部54A(図5、図6参照)が形成されている。壁部54の開口部54Aは、軸受部を構成しており、開口部54Aには軸受55を介してモード3駆動ギヤ38が回転自在に支持されている。
図1、図3において、第2のケース部4および第3のケース部5の底部にはオイル貯留部56が設けられており、オイル貯留部56にはオイルOが貯留されている。なお、オイル貯留部56は、第2のケース部4および第3のケース部5の底面および側壁によって囲まれるオイルが貯留される空間である。
図2において、ファイナルドライブギヤ44およびファイナルドリブンギヤ14は、カウンタ軸11の軸線方向において遊星歯車機構15および無段変速機構21から離隔して設置されている。
図7において、デフケース13は、軸線13Aが第1の入力軸6およびカウンタ軸11よりも下方に位置するように設置されており、ファイナルドリブンギヤ14は、オイルOに浸かるようにデフケース13に設けられている。なお、図7に示すように、オイルOの油面は、車両の走行時の油面よりも車両の停止時の油面が低くなる。
図1、図3において、オイル貯留部56にはオイルストレーナ57が浸かっており、オイルストレーナ57は、図示しないフィルタエレメントによりオイルから鉄粉等の異物を除去する。
オイルストレーナ57の上方にはオイルポンプ58が設けられており、オイルポンプ58は、オイルストレーナ57を通してオイル貯留部56のオイルOを吸い上げる。オイルポンプ58によって吸い上げられたオイルは、図示しないオイル通路を通して潤滑部や油圧回路に供給される。
オイル通路は、例えば、第1のケース部3または第2のケース部4に形成された図示しないケース側オイル通路等から構成されている。オイルポンプ58から吐出されるオイルは、ケース側オイル通路等を通して第2の入力軸7やカウンタ軸11に供給される。
図2において、第2の入力軸7にはオイル通路7Aが形成されており、オイル通路7Aは、第2の入力軸7の軸線方向に沿って延びている。第2の中間軸9にはオイル通路9Aが形成されており、オイル通路9Aは、第2の中間軸9の軸線方向に沿って延び、オイル通路7Aに連通している。
オイルポンプ58からケース側オイル通路を経てオイル通路7Aに導入されるオイルは、第2入力軸7の回転時の遠心力によってモード3駆動ギヤ38と第2の入力軸7との間等に供給されることにより、モード3駆動ギヤ38と第2の入力軸7との間等が潤滑される。
さらに、オイル通路7Aから吐出されるオイルは、遊星歯車機構15の径方向内方から遊星歯車機構15に導入されることにより、サンギヤ19、キャリア20、ピニオンギヤ18およびインターナルギヤ16が潤滑される。潤滑後のオイルは、遊星歯車機構15の径方向外方に排出される。
オイル通路7Aのオイルは、オイル通路9Aに導入され、第2の中間軸9の回転時の遠心力によってオイル通路9Aから吐出される。このオイルは、無段変速機構21の径方向内方から無段変速機構21の内部に導入されることにより、第1のディスク22および第2のディスク23とローラ24との接触面が潤滑される。潤滑後のオイルは、無段変速機構21の径方向外方に排出される。
第3の中間軸10およびカウンタ軸11の軸線方向にはオイル通路10A、11Aが形成されており、オイル通路10A、11Aにはオイルポンプ58からケース側オイル通路を経てオイルが導入される。オイル通路10A、11Aに導入されるオイルは、第3の中間軸10およびカウンタ軸11の回転時の遠心力によって径方向外方に吐出される。
図2、図3において、隔壁51は、覆い部59を備えている。覆い部59は、オイル貯留部56に貯留されるオイルOの油面(油面は、オイルOで示す位置)よりも上方において壁部54から第1の入力軸6および第2の入力軸7の軸線方向に沿って延びている。
図5において、覆い部59を車幅方向側方から見た場合、すなわち、第1の入力軸6および第2の入力軸7の軸線方向から見た場合に、覆い部59は、仮想線で示す遊星歯車機構15の下部15aおよび側部15bと、仮想線で示す無段変速機構21の下部21aおよび側部21bとを覆い、上部には上方に開口する開口端59tを有する。
遊星歯車機構15の外周部、すなわち、ケーシング17の外周部よりも無段変速機構21の外周部は、外方に突出している。覆い部59は、遊星歯車機構15の外周部を覆う第1の覆い部59Aと、第1の覆い部59Aよりも大径に形成され、無段変速機構21の外周部を覆う第2の覆い部59Bとから形成されている。
図5、図6において、覆い部59の底面には複数の連通孔59aから59eが形成されており、連通孔59aから59eは、第1の収容室52と第2の収容室53とを連通している(図3参照)。連通孔59aから59eは、少なくとも車両の走行時のオイルの油面(図3、図5に示すオイルOの油面)よりも上方に形成されている。
図5、図6において、覆い部59の突出方向の先端側に形成された第2の覆い部59Bの外周部と第2のケース部4の内周部とはリブ63によって連結されており、覆い部59は、リブ63によって径方向の剛性が向上される。
リブ63には複数の連通孔63Aから63Cが形成されており、連通孔63Aから63Cは、第1の収容室52と第2の収容室53とを連通している。図5において、壁部54の上方には連通孔59hが形成されており、連通孔59hは、第1の収容室52と第2の収容室53とを連通している。本実施例のリブ63は、本発明の連結部を構成し、連通孔63Aから63Cは、本発明の連結部側連通孔および連通部を構成する。
図3において、オイル貯留部56は、隔壁51によって第1の収容室52側の第1のオイル貯留部56Aと、第2の収容室53側の第2のオイル貯留部56Bとに区画されている。
図7において、第1のケース部3には仕切壁60が形成されており、仕切壁60は、第1のケース部3の底部からファイナルドリブンギヤ14の周方向に沿って上方に立ち上がっている。図1において、仕切壁60の端部にはバッフルプレート61が設けられている。
図1において、第1のオイル貯留部56Aは、仕切壁60およびバッフルプレート61によってファイナルドライブギヤ44側のギヤ側オイル貯留部56aとギヤ側オイル貯留部56aに対して前側に隣接するギヤ外側オイル貯留部56bとに区画されている。
これにより、ファイナルドライブギヤ44の回転時の攪拌抵抗が低減される。本実施例の仕切壁60およびバッフルプレート61は、本発明の仕切部を構成する。なお、図1は、隔壁51がバッフルプレート61によって覆われた状態を示している。
バッフルプレート61には連通孔61Aが形成されており、連通孔61Aは、連通孔59aから59eおよび連通孔63Aから63Cの開口面積よりも小さい開口面積に形成されている。
連通孔61Aは、ギヤ側オイル貯留部56aとギヤ外側オイル貯留部56bとを連通しており、オイルは、連通孔61Aを通してギヤ側オイル貯留部56aとギヤ外側オイル貯留部56bとに流通可能である。本実施例の連通孔61Aは、本発明の仕切部側連通孔を構成する。
オイルポンプ58は、ギヤ外側オイル貯留部56bの上方に位置するように変速機ケース2に収容されており、オイルポンプ58は、ギヤ外側オイル貯留部56bのオイルを吸い上げて遊星歯車機構15および無段変速機構21に供給する。
図3、図5、図6おいて、第2のケース部4には樋状のオイル受け部62が設けられている。オイル受け部62は、壁部54から第1の入力軸6および第2の入力軸7の軸線方向に沿って無段変速機構21の上方に突出しており、上面が開口する断面半円形状に形成されている。
オイル受け部62は、覆い部59の開口端59tの付近において遊星歯車機構15および無段変速機構21から排出されるオイルを捕捉する。壁部54には開口部54Cが形成されており(図8参照)、開口部54Cは、オイル受け部62の突出基端部において第1の収容室52に連通している。
これにより、第2の収容室53は、オイル受け部62および開口部54Cを介して第1の収容室52に連通している。
オイル受け部62は、遊星歯車機構15および無段変速機構21から排出されるオイルを捕捉する。オイル受け部62によって捕捉されたオイルは、開口部54Cを通して第1の収容室52に排出される。
図3において、オイル受け部62にはシフトドラム47が設置されている。隔壁3Aと壁部54との間にはシフトアクチュエータ48が設置されている。シフトドラム47は、シフトアクチュエータ48に接続されており、シフトアクチュエータ48によって回転駆動される。図8において、開口部54Cにはシフトドラム47の基端部側が回転自在に支持されている。本実施例のシフトドラム47は、本発明のアクチュエータを構成する。
図7において、カウンタ軸11は、第1の入力軸6の中心軸に対して後斜め上方に設置されている。図2において、カウンタ軸11の軸線方向の一端部は、軸受25を介して第1のケース部3の隔壁3Aに形成された軸受部3Bに回転自在に支持されている。
カウンタ軸11の軸線方向の他端部は、軸受26を介して第2のケース部4に形成された軸受部4Aに回転自在に支持されている。軸受26は、本発明の軸受を構成し、軸受部4Aは、本発明の軸受部を構成する。
図5、図6において、軸受部4Aの下部は、覆い部59の一方側の開口端59tに連結されており、軸受部4Aの一部は、覆い部59に形成されている。
壁部54には貫通孔54Dが形成されており、カウンタ軸11は、貫通孔54Dを通して第1のケース部3から第2のケース部4に亙って設置されている。
図5、図6において、覆い部59には第1の切り欠き部59fが形成されており、第1の切り欠き部59fは、覆い部59の周方向においてカウンタ軸11(図5に斜線で示す)に隣接している。
切り欠き部59fは、覆い部59の第1の覆い部59Aの一部を覆い部59の周方向に切り欠いて形成されたものであり、第1の収容室52と第2の収容室53とは切り欠き部59fを介して連通されている。
軸受部4Aの円周方向の一部には第2の切り欠き部59gが形成されており、第2の切り欠き部59gは、第1の収容室52と第2の収容室53とを連通している。本実施例の連通孔59aから59e、第1の切り欠き部59fおよび第2の切り欠き部59gは、本発明の連通部を構成する。第1の切り欠き部59fは、本発明の第1の切り欠き部および連通部を構成し、第2の切り欠き部59gは、本発明の第2の切り欠き部および連通部を構成する。
次に、作用を説明する。
第1の収容室52において、第1のオイル貯留部56Aのギヤ側オイル貯留部56aに貯留されるオイルOは、図7のオイルO1で示すように、ファイナルドリブンギヤ14が反時計回転方向Rに回転することによって掻き上げられる。
このオイルは、第1のケース部3の隔壁3Aと第2のケース部4の壁部54との間に設置されるモード3駆動ギヤ38とモード3従動ギヤ39との噛み合い部や前後進切替スリーブ42、リバース駆動ギヤ31とリバースアイドラギヤ33との噛み合い部等に供給される。これにより、噛み合い部や前後進切替スリーブ42等が潤滑される。潤滑後のオイルは、第1のオイル貯留部56Aに戻される。
第1の収容室52にはオイルポンプ58が収容されており、オイルポンプ58によって第1のオイル貯留部56Aのギヤ外側オイル貯留部56bから吸い上げられたオイルは、第2の入力軸7のオイル通路7Aから遊星歯車機構15の径方向内方に導入される。
このオイルは、サンギヤ19、キャリア20、ピニオンギヤ18およびインターナルギヤ16を潤滑した後、図3においてオイルO2で示すように、遊星歯車機構15の径方向外方に排出される。
さらに、ファイナルドリブンギヤ14によって掻き上げられたオイルが、図5のオイルO3で示すように、連通孔59hから遊星歯車機構15の上方に滴下され、遊星歯車機構15は、このオイルによっても潤滑される。
オイル通路7Aに連通する第2の中間軸9のオイル通路9Aに導入されたオイルは、無段変速機構21の径方向内方から無段変速機構21の内部に導入されることにより、第1のディスク22および第2のディスク23とローラ24との接触面が潤滑される。潤滑後のオイルは、図3のオイルO4で示すように、無段変速機構21の径方向外方に排出される。
遊星歯車機構15および無段変速機構21から排出されるオイルO2、O4は、図5に示すように、遊星歯車機構15および無段変速機構21がR1方向に回転するのに伴って覆い部59の周方向に流れる。
覆い部59の周方向に流れるオイルO2、O4は、図3のオイルO5で示すように覆い部59の連通孔59aから59eを通って第1の収容室52のギヤ外側オイル貯留部56bに排出される。
覆い部59から第2の収容室53の下方(覆い部59の底部より下方)に排出されるオイルは、図3のオイルO6で示すようにリブ63の連通孔63Aから63Cを通って第1の収容室52に排出される。さらに、第1の収容室52に排出されるオイルは、第1のオイル貯留部56Aのギヤ外側オイル貯留部56bに貯留される。
遊星歯車機構15および無段変速機構21から排出されるオイルの一部は、図5のオイルO7で示すように、オイル受け部62に捕捉される。このオイルO7は、シフトドラム47の凹部とシフトアーム45、46のピンとの接触部やシフトドラム47を回転自在に支持する軸受部を潤滑した後、開口部54Cを通って第1の収容室52に排出される。
覆い部59の周方向に流れるオイルは、図5のオイルO8で示すように、覆い部59の第1の切り欠き部59fを通って第1の収容室52に排出される。覆い部59の周方向に流れるオイルは、オイルO9で示すように第2の切り欠き部59gを通って第1の収容室52に排出される。
第2の切り欠き部59gを流れるオイルは、カウンタ軸11の他端部を回転自在に支持する軸受26を潤滑する。第1の収容室52に排出されたオイルは、第1のオイル貯留部56Aのギヤ外側オイル貯留部56bに貯留される。
本実施例の無段変速機1によれば、変速機ケース2は、変速機ケース2の内部を、ファイナルドリブンギヤ14が収容される第1の収容室52と、遊星歯車機構15および無段変速機構21が収容される第2の収容室53とに仕切る隔壁51を有する。
隔壁51は、第2の入力軸7が貫通する壁部54と、オイル貯留部56に貯留されるオイルOの油面よりも上方において壁部54から第1の入力軸6および第2の入力軸7の軸線方向に沿って延び、遊星歯車機構15および無段変速機構21の下部15a、21aおよび側部15b、21bを覆う覆い部59を有し、覆い部59は、第1の収容室52と第2の収容室53とを連通する連通孔59aから59eを有する。
これにより、ファイナルドリブンギヤ14によって掻き上げられたオイルを隔壁51によって遮ることができる。このため、オイルが第1の収容室52から遊星歯車機構15および無段変速機構21が設置される第2の収容室53側に飛散して遊星歯車機構15および無段変速機構21に衝突することを防止できる。このため、遊星歯車機構15および無段変速機構21の駆動抵抗を低減できる。
また、遊星歯車機構15および無段変速機構21から排出されるオイルを覆い部59で捕捉し、連通孔59aから59eから第1の収容室52に排出できる。これにより、遊星歯車機構15および無段変速機構21から飛散したオイルが第2のケース部4および第3のケース部5の内周面に衝突した後、遊星歯車機構15および無段変速機構21に跳ね返ることを防止できる。このため、遊星歯車機構15および無段変速機構21の駆動抵抗を低減できる。
さらに、オイルを覆い部59で捕捉し、連通孔59aから59eから第1の収容室52に排出できるので、覆い部59の内部において、遊星歯車機構15および無段変速機構21がオイルによる駆動抵抗を受けることを防止できる。
以上の結果、その径方向内方から導入されるオイルを、その径方向外方に排出するように構成された遊星歯車機構15および無段変速機構21の駆動抵抗を容易に低減することができ、結果的に無段変速機1の駆動抵抗を容易に低減できる。
また、本実施例の無段変速機1によれば、隔壁51は、変速機ケース2の内周部と覆い部59との外周部とを連結し、連通孔63Aから63Cが形成されるリブ63を有する。
オイル貯留部56は、壁部54によって第1の収容室52側の第1のオイル貯留部56Aと、第2の収容室53側の第2のオイル貯留部56Bとに区画されている。
第1のオイル貯留部56Aは、変速機ケース2に設けられた仕切壁60およびバッフルプレート61によってファイナルドリブンギヤ14側のギヤ側オイル貯留部56aとギヤ側オイル貯留部56aに隣接するギヤ外側オイル貯留部56bとに区画されている。
バッフルプレート61にはギヤ側オイル貯留部56aとギヤ外側オイル貯留部56bとを連通する連通孔61Aが形成されており、連通孔63Aから63Cは、連通孔61Aよりも大きい開口面積に形成されている。
これに加えて、変速機ケース2にはオイルポンプ58が収容されており、ギヤ外側オイル貯留部56bのオイルをオイルポンプ58によって遊星歯車機構15および無段変速機構21に供給する。
これにより、遊星歯車機構15および無段変速機構21から排出された後、連通孔63Aから63Cを通ってギヤ外側オイル貯留部56bに排出されたオイルをオイルポンプ58によって吸い上げることができ、潤滑に利用できる。
また、ギヤ外側オイル貯留部56bに排出されたオイルの一部をギヤ外側オイル貯留部56bからバッフルプレート61の連通孔61Aを通してギヤ側オイル貯留部56aに排出することができ、このオイルをファイナルドリブンギヤ14によって掻き上げて潤滑に利用できる。
また、連通孔63Aから63Cの開口面積を連通孔61Aよりも大きい開口面積に形成しているので、連通孔63Aから63Cからギヤ外側オイル貯留部56bに排出されるオイルの量に対してギヤ外側オイル貯留部56bからギヤ側オイル貯留部56aに流れるオイル量を少なくできる。
これにより、無段変速機1による動力伝達時にはギヤ外側オイル貯留部56bのオイルの油面に対してギヤ側オイル貯留部56aのオイルの油面を低くできる。このため、ファイナルドリブンギヤ14が浸かるオイルの量を少なくすることができ、ファイナルドリブンギヤ14の駆動抵抗を低減できる。
また、ギヤ外側オイル貯留部56bのオイルをオイルポンプ58によって遊星歯車機構15および無段変速機構21に供給しているので、ギヤ外側オイル貯留部56bのオイルの油面が高くなることを防止できる。
このため、無段変速機1による動力伝達時において、遊星歯車機構15および無段変速機構21の下部がギヤ外側オイル貯留部56bに貯留されるオイルに浸からないようにオイルの油面を維持して、遊星歯車機構15および無段変速機構21の駆動抵抗をより効果的に低減できる。
また、本実施例の無段変速機1によれば、第1の入力軸6および第2の入力軸7の軸線方向から見た場合に、覆い部59は、遊星歯車機構15および無段変速機構21の下部15a、21aおよび側部15b、21bを覆うとともに、上部が開口する開口端59tを有する。変速機ケース2には覆い部59の開口端59t付近においてオイルを捕捉する樋状のオイル受け部62および開口部54Cが設けられている。
オイル受け部62は、壁部54から遊星歯車機構15および無段変速機構21の上方に突出している。開口部54Cは、オイル受け部62の突出基端部において第1の収容室52に連通するように壁部54に形成されており、オイル受け部62で捕捉したオイルが開口部54Cを通して第1の収容室52に排出される。
ここで、覆い部59の上部に開口端59tが形成され、覆い部59の上方にシフトドラム47のような潤滑の必要な部材が設置されている場合に、遊星歯車機構15および無段変速機構21から開口端59tを通して上方に排出されるオイルが変速機ケース2の内周部に衝突して跳ね返るおそれがある。
これに対して、本実施例の無段変速機1は、開口端59tの付近にオイル受け部62が形成されているので、遊星歯車機構15および無段変速機構21から排出されたオイルをオイル受け部62で捕捉し、開口部54Cを通して第1の収容室52に排出することができる。
これにより、遊星歯車機構15および無段変速機構21から上方に排出されるオイルが変速機ケース2の内周部に衝突して跳ね返ることを抑制でき、遊星歯車機構15および無段変速機構21の駆動抵抗をより効果的に低減できる。
また、本実施例の無段変速機1によれば、遊星歯車機構15および無段変速機構21の上方に、ギヤ列を選択的に切換えるシフトアーム45、46が設置されており、オイル受け部62にはシフトアーム45、46を作動させるシフトドラム47が設置されている。
これにより、変速機ケース2の内部の空間を有効活用できるとともに、オイル受け部62で積極的に捕捉されたオイルによってシフトドラム47を効率よく潤滑できる。
また、本実施例の無段変速機1によれば、カウンタ軸11は、第1の入力軸6および第2の入力軸7の中心軸に対して斜め上方において壁部54を貫通して設置されており、覆い部59には覆い部59の周方向においてカウンタ軸11に隣接する第1の切り欠き部59fが形成されている。
これにより、遊星歯車機構15および無段変速機構21から斜め上方に排出されるオイルを第1の切り欠き部59fを通して第1の収容室52に排出することができ、オイルが遊星歯車機構15および無段変速機構21に跳ね返ることをより効果的に防止できる。
また、本実施例の無段変速機1によれば、変速機ケース2には軸受26を介してカウンタ軸11を回転自在に支持する軸受部4Aが形成されている。軸受部4Aの一部は、覆い部59に形成されており、軸受部4Aの一部に、第1の収容室52と第2の収容室53とを連通する第2の切り欠き部59gが形成されている。
これにより、遊星歯車機構15および無段変速機構21から斜め上方に排出されるオイルを第1の切り欠き部59fに加えて、第2の切り欠き部59gを通して第1の収容室52に排出することができる。このため、オイルが遊星歯車機構15および無段変速機構21に跳ね返ることをより効果的に防止できる。
なお、本実施例の覆い部59に円弧壁を設け、連通孔59cから59eに代えて別構造の連通孔を設けてもよい。図10において、覆い部59の下方には円弧壁71が形成されており、円弧壁71は、無段変速機構21の回転方向R2に沿って延びている。
円弧壁71は、延長壁71Aを有する。延長壁71Aは、円弧壁71の周方向の複数箇所において円弧壁71から無段変速機構21の回転方向R2に沿って外方に突出している。延長壁71Aの突出方向の先端71aと円弧壁71との間には開口穴59iが形成されており、開口穴59iは、第1の収容室52と第2の収容室53とを連通している。開口穴59iは、本発明の連通部を構成する。
この無段変速機1によれば、遊星歯車機構15および無段変速機構21から覆い部59に排出されたオイルO10が、無段変速機構21の回転方向R2に沿うようにして延長壁71Aから開口穴59iに案内され、開口穴59iから速やかに第1の収容室52に排出される。
このため、遊星歯車機構15および無段変速機構21が覆い部59の内部でオイルによる駆動抵抗を受けることをより効果的に防止できる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...無段変速機、2...変速機ケース、4A...軸受部、6...第1の入力軸(入力軸)、7...第2の入力軸(入力軸)、11...カウンタ軸、13...デフケース(出力軸)、14...ファイナルドリブンギヤ(出力軸、終減速機構)、15...遊星歯車機構(無段変速装置)、15a,21a...下部(無段変速装置の下部)、15b,21b...側部(無段変速装置の側部)、16...インターナルギヤ(回転要素)、19...サンギヤ(回転要素)、20...キャリア(回転要素)、21...無段変速機構(無段変速装置)、26...軸受、35...モード1駆動ギヤ(ギヤ列)、37...モード1従動ギヤ(ギヤ列)、38...モード3駆動ギヤ(ギヤ列)、39...モード3従動ギヤ(ギヤ列)、40...モード2駆動ギヤ(ギヤ列)、41...モード2従動ギヤ、44...ファイナルドライブギヤ(終減速機構)、45,46...シフトアーム(シフト装置の一部)、47...シフトドラム(アクチュエータ)、51...隔壁、52...第1の収容室、53...第2の収容室、54...壁部、54C...開口部、56...オイル貯留部、56A...第1のオイル貯留部、56B...第2のオイル貯留部、56a...ギヤ側オイル貯留部、56b...ギヤ外側オイル貯留部、58...オイルポンプ、59...覆い部、59a,59b,59c,59d,59e...連通孔(連通部)、59f...第1の切り欠き部(切り欠き部、連通孔)、59g...第2の切り欠き部(連通部)、59i...開口穴、60...仕切壁(仕切部)、61...バッフルプレート(仕切部)、61A...仕切部側連通孔、62...オイル受け部、63...リブ(連結部)、63A,63B,63C...連通孔(連結部側連通孔)、71...円弧壁、71A...延長壁、71a...先端(延長壁の突出方向の先端)

Claims (7)

  1. オイルが貯留されるオイル貯留部を有する変速機ケースを有し、
    前記変速機ケースに、駆動源から動力が伝達される入力軸と、前記入力軸と平行に設置されるカウンタ軸と、前記入力軸と平行に設置される出力軸とが収容されており、
    前記入力軸の回転を無段階に変速して出力する無段変速機構と、複数の回転要素を有し、前記入力軸および前記無段変速機構から出力される回転が入力される遊星歯車機構とを備えた無段変速装置が前記入力軸の軸線上に設置されており、
    動力を選択的に伝達する複数のギヤ列によって前記無段変速装置と前記カウンタ軸とが接続されており、
    前記カウンタ軸に設けられたファイナルドライブギヤおよび前記出力軸に設けられたファイナルドリブンギヤからなる終減速機構が、前記カウンタ軸の軸線方向において前記無段変速装置から離隔して設置されており、
    前記ファイナルドリブンギヤが前記オイルに浸かるように前記出力軸に設けられており、
    前記無段変速装置が、前記無段変速装置の径方向内方から導入されるオイルによって前記無段変速機構および回転要素を潤滑した後に、前記無段変速装置の径方向外方にオイルを排出するように構成された無段変速機であって、
    前記変速機ケースは、前記変速機ケースの内部を、前記ファイナルドリブンギヤが収容される第1の収容室と、前記無段変速装置が収容される第2の収容室とに仕切る隔壁を有し、
    前記隔壁は、前記入力軸の軸線方向において前記無段変速装置に対向し、前記入力軸が貫通する壁部と、前記オイル貯留部に貯留されるオイルの油面よりも上方において前記壁部から前記入力軸の軸線方向に沿って延び、少なくとも前記無段変速装置の下部を覆う覆い部とを有し、
    前記覆い部は、前記第1の収容室と前記第2の収容室とを連通する連通部を有することを特徴とする無段変速機。
  2. 前記隔壁は、前記変速機ケースの内周部と前記覆い部との外周部とを連結する連結部を有し、前記連通部は、前記連結部に形成される連結部側連通孔を含んで構成されており、
    前記オイル貯留部は、前記壁部によって前記第1の収容室側の第1のオイル貯留部と、前記第2の収容室側の第2のオイル貯留部とに区画されており、
    前記第1のオイル貯留部は、前記変速機ケースに設けられた仕切部によって前記ファイナルドリブンギヤ側のギヤ側オイル貯留部と前記ギヤ側オイル貯留部に隣接するギヤ外側オイル貯留部とに区画されており、
    前記仕切部には前記ギヤ側オイル貯留部と前記ギヤ外側オイル貯留部とを連通する仕切部側連通孔が形成されており、
    前記連結部側連通孔は、前記仕切部側連通孔よりも大きい開口面積に形成されており、
    前記変速機ケースにオイルポンプが収容されており、前記ギヤ外側オイル貯留部のオイルを前記オイルポンプによって前記無段変速装置に供給するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記入力軸の軸線方向から見た場合に、前記覆い部は、前記無段変速装置の下部および側部を覆うとともに、上部が開口しており、
    前記変速機ケースには前記覆い部の開口付近においてオイルを捕捉する樋状のオイル受け部および開口部が設けられており、
    前記オイル受け部は、前記壁部から前記無段変速装置の上方に突出しており、前記開口部は、オイル受け部の突出基端部において前記第1の収容室に連通するように前記壁部に形成されており、
    前記オイル受け部で捕捉したオイルを、前記開口部を通して前記第1の収容室に排出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無段変速機。
  4. 前記無段変速装置の上方に、ギヤ列を選択的に切換えるシフト装置の一部が設置されており、
    前記オイル受け部には前記シフト装置を作動させるアクチュエータが設置されていることを特徴とする請求項3に記載の無段変速機。
  5. 前記カウンタ軸は、前記入力軸の中心軸に対して斜め上方において前記壁部を貫通して設置されており、
    前記連通部は、前記覆い部の周方向において前記カウンタ軸に隣接して形成される切り欠き部を含んで構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無段変速機。
  6. 前記変速機ケースには軸受を介して前記カウンタ軸を回転自在に支持する軸受部が形成されており、
    前記軸受部の一部は、前記覆い部に形成されており、前記切り欠き部を第1の切り欠き部とした場合に、前記連通部は、前記軸受部の一部を切り欠いて形成される第2の切り欠き部を含んで構成されることを特徴とする請求項5に記載の無段変速機。
  7. 前記覆い部の下方には前記無段変速装置の回転方向に沿って延びる円弧壁が形成されており、
    前記円弧壁は、延長壁を有し、前記延長壁は、前記円弧壁の周方向の複数箇所において前記円弧壁から前記無段変速装置の回転方向に沿って外方に突出し、
    前記連通部は、前記延長壁の突出方向の先端と前記円弧壁との間に形成される開口穴を含んで構成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無段変速機。
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