JP2018088950A - 油性固形化粧料の製造方法 - Google Patents
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例えば、特許文献1に記載された固形口紅(油性固形化粧料)の製造方法は、口紅の形状と同一の形状の収容部を有する原型を分割して複数の原型片とし、板材を介して対向するように各原型片を合わせる。そして、板材にて仕切られた一方の領域に口紅原液(化粧料)を充填し、これを凝固させる。次に、板材を抜き取って各原型片を合わせ、先に充填した口紅原液と異なる色の口紅原液を他方の領域に充填し、これを凝固させることによって、固形口紅を得ることができる。その後、この固形口紅を容器に収容することによって、固形口紅を製造している。
これに対して、例えば、特許文献2に記載された油性固形化粧料の製造方法は、繰出容器の収容部に充填装置のノズルを挿入し、流動状化粧液(化粧料)を充填することによって、油性固形化粧料を製造している。
本発明によれば、油性固形化粧料の製造方法は、第1の化粧料の表面を再加熱する第1の再加熱ステップを備えているので、第1の化粧料の表面を均すことができ、第2の化粧料の表面を再加熱する第2の再加熱ステップを備えているので、第2の化粧料の表面を均すことができる。したがって、油性固形化粧料の製造方法は、複数色の化粧料の外観を良好にすることができる。
油性固形化粧料1は、図1に示すように、有底筒状に形成された繰り出し容器2に収容されている。
繰り出し容器2は、油性固形化粧料1を収容する収容部21Aを有し、楕円筒状に形成された本体部21と、本体部21の内部に収納されるとともに、油性固形化粧料1を載置する載置部22(図2参照)と、本体部21の中心軸回りに回動自在に本体部21の底面に取り付けられた回動部(図示略)と、本体部21の収容部21Aを閉塞すべく本体部21の開口21Bに取り付けるキャップ23とを備えている。この繰り出し容器2は、回動部を回動させることによって、本体部21の中心軸方向に沿って載置部22を昇降させることができるようになっている。
油性固形化粧料1の使用者は、順方向に回動部を回動させることによって、本体部21から露出させて油性固形化粧料1を使用することができ(図1参照)、逆方向に回動部を回動させることによって、本体部21に油性固形化粧料1を収納することができる。
油性固形化粧料1を製造するには、まず、図2(A)に示すように、繰り出し容器2の開口21Bを介して仕切り部材3を繰り出し容器2の収容部21Aに挿入し、収容部21Aを仕切ることによって、収容部21Aの一部の領域21A1を区分けする(仕切りステップ)。
仕切り部材3は、茶色の化粧料12と同一の形状を有する基部31と、繰り出し容器2の開口21Bに当接すべく繰り出し容器2の外側に張り出したフランジ部32とを備えている。この仕切り部材3は、シリコンゴム製の部材である。
なお、本実施形態では、仕切り部材3は、シリコンゴム製の部材であったが、例えば、ステンレスや、アルミなどの金属の部材であってもよく、合成樹脂などの部材であってもよく、これら以外の材質の部材であってもよい。要するに、仕切り部材は、容器の収容部に挿入し、収容部を仕切ることができればよく、化粧料の処方などに応じて適宜選択すればよい。
第1の充填ステップを実行した後、図2(C)に示すように、第1の充填ステップにて充填された乳白色の化粧料11を冷却して固化させる(第1の冷却ステップ)。ここで、乳白色の化粧料11は、第1の冷却ステップを実行したときに、収縮してしまうので、乳白色の化粧料11の表面は、窪みを生じてしまうことになる。
第1の冷却ステップを実行した後、図3(A)に示すように、乳白色の化粧料11の表面を近傍に設置されたヒーターHにて再加熱する(第1の再加熱ステップ)。これによって、乳白色の化粧料11の表面に生じた窪みを均すことができる。
そして、抜去ステップにて仕切り部材3を抜去することによって、図3(C)に示すように、茶色の化粧料12と同一の形状を有する領域21A2を収容部21Aに形成することができる。
抜去ステップを実行した後、油性成分を含有する茶色の化粧料12を加熱することによって溶融して流動性を生じさせた状態とし、図4(A)に示すように、抜去ステップにて仕切り部材3を抜去することによって、収容部21Aに形成された領域21A2にノズルN2を介して茶色の化粧料12を充填する(第2の充填ステップ)。
第2の充填ステップを実行した後、図4(B)に示すように、第2の充填ステップにて充填された茶色の化粧料12を冷却して固化させる(第2の冷却ステップ)。ここで、茶色の化粧料12は、第2の冷却ステップを実行したときに、収縮してしまうので、茶色の化粧料12の表面は、窪みを生じてしまうことになる。
なお、本実施形態では、断熱部材5は、乳白色の化粧料11および茶色の化粧料12の境界を跨ぐように乳白色の化粧料11の表面を覆い隠しているが、乳白色の化粧料11のみを覆い隠してもよい。
乳白色の化粧料11の表面を断熱部材5にて覆い隠した後、図5(A)に示すように、茶色の化粧料12の表面を近傍に設置されたヒーターHにて再加熱する(第2の再加熱ステップ)。これによって、茶色の化粧料12の表面に生じた窪みを均すことができる。
なお、本実施形態では、第2の再加熱ステップは、乳白色の化粧料11の表面を断熱部材5にて覆い隠して茶色の化粧料12の表面を再加熱しているが、乳白色の化粧料11の表面を断熱部材5にて覆い隠すことなく茶色の化粧料12の表面を再加熱してもよい。この場合には、乳白色の化粧料11の表面を再加熱することなく茶色の化粧料12の表面のみを再加熱するように、例えば、ヒーターHの位置などを調整することが好ましい。
(1)油性固形化粧料1の製造方法は、仕切りステップにて区分けされた収容部21Aの一部の領域21A1に流動性を有する乳白色の化粧料11を充填する第1の充填ステップと、抜去ステップにて仕切り部材3を抜去することによって、収容部21Aに形成された領域21A2に乳白色の化粧料11と異なる色の流動性を有する茶色の化粧料12を充填する第2の充填ステップとを備えているので、複数色の化粧料11,12を繰り出し容器2に移し替えることなく、繰り出し容器2に直接的に充填することができる。
(4)第2の再加熱ステップは、乳白色の化粧料11の表面を断熱部材5にて覆い隠しているので、第2の再加熱ステップにて茶色の化粧料12の表面を再加熱する熱は、乳白色の化粧料11の表面を再加熱することはない。したがって、油性固形化粧料1の製造方法は、複数色の化粧料11,12の外観を更に良好にすることができる。
(7)仕切りステップは、シリコンゴム製の仕切り部材3を繰り出し容器2の収容部21Aに挿入する。したがって、仕切り部材3は、その形状を変化させつつ繰り出し容器2に挿入することができるので、容易に挿入することができる。また、仕切り部材3は、繰り出し容器2の収容部21Aに密着するので、隙間なく確実に収容部21Aの一部の領域を区分けすることができる。
例えば、前記実施形態では、複数色の化粧料として乳白色の化粧料11および茶色の化粧料12の2色の化粧料を採用していたが、これら以外の色の化粧料を採用してもよく、3色以上の複数の化粧料を採用してもよい。
例えば、3色の化粧料を繰り出し容器2に収容した油性固形化粧料を製造するには、図6に示すように、繰り出し容器2の開口21Bを介して第1の仕切り部材6を繰り出し容器2の収容部21Aに挿入した後、第2の仕切り部材7を繰り出し容器2の収容部21Aに第1の仕切り部材6と重ねて挿入し、収容部21Aを仕切ることによって、収容部21Aの一部の領域を区分けする。
2 繰り出し容器(容器)
3 仕切り部材
4 押さえ部材
5 断熱部材
11 乳白色の化粧料(第1の化粧料)
12 茶色の化粧料(第2の化粧料)
21 本体部
21A 収容部
21B 開口
22 載置部
23 キャップ
31 基部
32 フランジ部
Claims (5)
- 油性成分を含有する複数色の化粧料を容器に収容した油性固形化粧料の製造方法であって、
前記容器の開口を介して仕切り部材を前記容器の収容部に挿入し、前記収容部を仕切ることによって、前記収容部の一部の領域を区分けする仕切りステップと、
前記仕切りステップにて区分けされた前記収容部の一部の領域に流動性を有する第1の化粧料を充填する第1の充填ステップと、
前記第1の充填ステップにて充填された前記第1の化粧料を冷却して固化させる第1の冷却ステップと、
前記仕切りステップにて前記収容部に挿入した前記仕切り部材を抜去する抜去ステップと、
前記抜去ステップにて前記仕切り部材を抜去することによって、前記収容部に形成された領域に前記第1の化粧料と異なる色の流動性を有する第2の化粧料を充填する第2の充填ステップと、
前記第2の充填ステップにて充填された前記第2の化粧料を冷却して固化させる第2の冷却ステップとを備えることを特徴とする油性固形化粧料の製造方法。 - 請求項1に記載された油性固形化粧料の製造方法において、
前記第1の充填ステップにて前記第1の化粧料を充填した後、前記抜去ステップにて前記仕切り部材を抜去する前に、前記第1の化粧料の表面を再加熱する第1の再加熱ステップと、
前記第2の充填ステップにて前記第2の化粧料を充填した後、前記第2の化粧料の表面を再加熱する第2の再加熱ステップとを備えることを特徴とする油性固形化粧料の製造方法。 - 請求項2に記載された油性固形化粧料の製造方法において、
前記第2の再加熱ステップは、前記第1の化粧料の表面を断熱部材にて覆い隠して前記第2の化粧料の表面を再加熱することを特徴とする油性固形化粧料の製造方法。 - 請求項3に記載された油性固形化粧料の製造方法において、
前記第2の再加熱ステップは、前記第1の化粧料および前記第2の化粧料の境界を跨ぐように前記第1の化粧料の表面を前記断熱部材にて覆い隠して前記第2の化粧料の表面を再加熱することを特徴とする油性固形化粧料の製造方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載された油性固形化粧料の製造方法において、
前記抜去ステップは、前記冷却ステップにて固化した前記第1の化粧料の移動を規制しながら前記仕切り部材を抜去することを特徴とする油性固形化粧料の製造方法。
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