JP2018088228A - 交点検出装置、カメラ校正システム、交点検出方法、カメラ校正方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

交点検出装置、カメラ校正システム、交点検出方法、カメラ校正方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】チェッカーパタンの交点の検出精度を向上することができる交点検出装置を提供する。【解決手段】交点検出装置101は、メモリ103と、撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を矩形画像としてメモリ103から読み出し、その矩形画像に映し出された、チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出する交点検出部106とを備え、交点検出部106は、2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、矩形画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、関数モデルの複数のパラメータを決定し、決定された複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、交点をサブピクセル精度で検出し、上述の関数モデルは、黒領域と白領域との境界にある2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表す。【選択図】図1

Description

本開示は、チェッカーパタンが映し出された撮影画像から、そのチェッカーパタンの交点を検出する交点検出装置およびカメラ校正方法などに関する。
車載カメラなどのカメラのキャリブレーションを行うために、3次元空間中の位置、すなわち3次元座標系における位置と、カメラによる撮影によって得られた撮影画像中の画素位置とを対応づける必要がある。この目的のために、従来、交点検出装置は、形状が既知のチェッカーパタンをカメラで撮影する。そして、交点検出装置は、撮影画像に映し出されたチェッカーパタンの交点を検出することで、3次元座標系における位置と、撮影画像中の画素位置とを対応付けている(例えば、特許文献1〜7および非特許文献1参照)。
特開2011−188083号公報 特開2015−007866号公報 特開2014−230215号公報 特開2014−035196号公報 特開平10−155091号公報 特許第5432835号公報 特許第4825980号公報
Roger Y. Tsai. A versatile camera calibration technique for high-accuracy 3D machine vision metrology using off-the-shelf TV cameras and lenses. IEEE Journal of Robotics and Automation. Vol. 3, pp.323-344, 1987
しかしながら、上記特許文献1〜7および非特許文献1の技術では、チェッカーパタンの交点の検出精度が低いという問題がある。
そこで、本開示の非限定的で例示的な一態様は、チェッカーパタンの交点の検出精度を向上することができる交点検出装置を提供する。
本開示の一態様に係る交点検出装置は、チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持するメモリと、前記撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として前記メモリから読み出し、前記処理対象画像に映し出された、前記チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出するプロセッサとを備え、前記2つの境界線はそれぞれ、前記処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線であり、前記プロセッサは、2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記関数モデルの複数のパラメータを決定し、決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出し、前記関数モデルは、2次元座標系上において前記第1の領域と前記第2の領域とを表し、かつ、前記第1の領域と前記第2の領域との境界にある前記2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表す。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)などの不揮発性の記録媒体を含む。
本開示によれば、チェッカーパタンの交点の検出精度を向上することができる。本開示の一態様の付加的な恩恵及び有利な点は本明細書及び図面から明らかとなる。この恩恵及び/又は有利な点は、本明細書及び図面に開示した様々な態様及び特徴により個別に提供され得るものであり、その1以上を得るために全てが必要ではない。
図1は、実施の形態1における交点検出装置のブロック図である。 図2は、実施の形態1におけるチェッカーパタンの撮影画像の一例を示す図である。 図3は、実施の形態1における交点検出部の動作を示すフローチャートである。 図4は、実施の形態1における関数モデルの概形を示す図である。 図5は、CGデータによって構成される撮影画像の一例を示す図である。 図6は、オペレータのマニュアルによるピクセル精度での交点の検出精度を示す図である。 図7は、実施の形態1における関数モデルを用いた交点検出装置による交点の検出精度を示す図である。 図8は、オペレータのマニュアルによるピクセル精度で検出された交点の位置と、実際の交点の位置との誤差を示す誤差分布図である。 図9は、実施の形態1における関数モデルを用いた交点検出装置によって検出された交点の位置と、実際の交点の位置との誤差を示す誤差分布図である。 図10Aは、本開示の第1の態様に係る交点検出装置の構成を示すブロック図である。 図10Bは、本開示の第1の態様に係る交点検出方法のフローチャートである。 図11は、画素の積分効果の例を示す図である。 図12は、関数モデルの誤差の原因を説明するための図である。 図13は、実施の形態2における交点検出装置のブロック図である。 図14は、実施の形態2における交点検出部の動作を示すフローチャートである。 図15は、実施の形態2における数値モデルの概形を示す図である。 図16は、図14のステップS1203における評価値の算出の詳細を示すフローチャートである。 図17は、矩形画像における各領域のサブピクセル値を示す図である。 図18は、数値モデルの画素値M(xk,yk)の一例を示す図である。 図19は、数値モデルの画素値M(xk,yk)の他の例を示す図である。 図20は、実施の形態2における数値モデルを用いた交点検出装置による交点の検出精度を示す図である。 図21は、実施の形態2における数値モデルを用いた交点検出装置によって検出された交点の位置と、実際の交点の位置との誤差を示す誤差分布図である。 図22Aは、本開示の第2の態様に係る交点検出装置の構成を示すブロック図である。 図22Bは、本開示の第2の態様に係る交点検出方法のフローチャートである。 図23は、実施の形態3における交点検出部の動作を示すフローチャートである。 図24は、実施の形態4における交点検出装置のブロック図である。 図25は、実施の形態5におけるカメラ校正システムのブロック図である。 図26Aは、関数モデルの一例を示す図である。 図26Bは、関数モデルの他の例を示す図である。 図26Cは、関数モデルのさらに他の例を示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した特許文献1〜7に関し、以下の問題が生じることを見出した。
例えば、オペレータは、撮影画像に映し出されているチェッカーパタンの交点の位置、すなわち、その撮影画像の左上を原点とした画像座標系における交点の位置を読み取る。そして、オペレータは、その交点に対応する3次元座標系における位置を、撮影に使用したチェッカーパタンから得る。ここで、チェッカーパタンは、箱状の物体の内側に描画されている。チェッカーパタンには、例えば黒色の正方形の領域(以下、黒領域という)と、例えば白色の正方形の領域(以下、白領域という)とが、水平方向および垂直方向に沿って、交互に配列されている。このようなチェッカーパタンには、黒領域と白領域との境界線が複数あり、それらの境界線のうちの2つの境界線は交点で交わっている。ここで、特定の位置に、世界座標系(すなわち3次元座標系)の原点と、X軸、Y軸およびZ軸の3軸とを定める。これにより、着目している交点が、原点から何番目の交点になっているかによって、その着目している交点の3次元座標系における位置を同定することができる。
しかし、オペレータによって読み取られる交点の位置の精度は低いため、特許文献1〜7では、その精度を高めるための交点検出装置が提案されている。
特許文献1の交点検出装置では、正弦波状の曲面を表す関数を用いて、チェッカーパタンの交点の高精度検出を試みている。しかし、チェッカーパタンの撮影画像上での周期(黒領域と白領域とが交互に配置されている格子パタンの周期)が既知である必要がある。また、関数形状と格子パタンとの差異、および、周期の誤差の両方が交点の検出精度に影響する。また、水平方向および垂直方向以外の方向に沿うエッジ(すなわち境界線)を含むチェッカーパタンに対し、特許文献1の交点検出装置を適用することができない。
特許文献2の交点検出装置では、グレイコードパターンのポジ画像およびネガ画像を撮影し、撮影画像から2つの空間コード画像を作成し、ポジ画像およびネガ画像において輝度プロファイルの交差点を境界座標として取得する。しかし、この交点検出装置は、チェッカーパタンの撮影画像中の輝度勾配ベクトルから交点を算出するため、エッジの画素に生じるエイリアシングの影響を受ける。
特許文献3の交点検出装置では、市松模様の直線の傾きに応じた二値テンプレートを用いて交点を検出する。しかし、二値テンプレートによる交点の検出は、ノイズおよびエイリアシングの影響を受ける。また、サブピクセル精度で交点の検出を行うには大量のテンプレートが必要になる。
特許文献4と特許文献5の交点検出装置では、Hоugh変換による直線の検出結果を用いてチェッカーパタンの交点を検出する。しかし、Hоugh変換による交点の検出は、チェッカーパタンの境界線が斜めであるときには、エイリアシングの影響を受ける。
特許文献6の交点検出装置では、ハリスのコーナーディテクタによるチェッカーパタンの交点の検出結果に基づいてカメラキャリブレーションを行う。このハリスのコーナーディテクタは、微分(数値差分)オペレータにより交点を検出するため、ノイズの影響を受け、エイリアシングの影響に弱い。
特許文献7の交点検出装置では、LKオペレータがチェッカーパタンから交点を検出し、ステレオ魚眼カメラのキャリブレーションを行っている。しかし、微分(数値差分)オペレータの交点の検出はノイズの影響を受け、エイリアシングの影響に弱い。
一方、測距に用いられるステレオカメラまたは多眼カメラを、車またはドローン等の移動体に搭載するには、その多眼カメラなどの装置全体を小型化することが望まれる。その小型化には、多眼カメラに含まれる互いに隣り合う2つのカメラのレンズの中心を結ぶ線分である基線の長さ、またはその隣り合う2つのカメラの間隔を短くする必要がある。しかし、基線の長さまたはカメラの間隔を短くすることは、測距精度の低下につながるため、キャリブレーションを高精度化する必要がある。
また、これらのステレオカメラまたは多眼カメラでは、魚眼レンズ等により広視野角の撮影画像を取得する。その結果、キャリブレーションに用いられるその撮影画像に映し出されている、3次元座標系の位置が既知のチェッカーパタンが、視野周辺(すなわち撮影画像の周辺)で斜めに傾く。したがって、水平方向および垂直方向以外の方向に沿うエッジを含むチェッカーパタンからも、エイリアシング等のノイズの影響を極力受けずに、その交点を正確に検出する必要がある。
しかしながら、上記特許文献1〜7の何れの交点検出装置であっても、このようなエイリアシングの影響によって、チェッカーパタンの交点を高精度に検出することができないという課題がある。したがって、このように検出された交点を上記非特許文献1のカメラ校正方法に用いても、カメラパラメータを高精度に校正することができないという課題がある。
このような課題を解決するために、本開示の一態様に係る交点検出装置は、キャリブレーションの高精度化のために、水平方向および垂直方向以外の方向に沿うエッジを含むチェッカーパタンからも交点を高精度に検出することを目的とする。
すなわち、本開示の一態様に係る交点検出装置は、チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持するメモリと、前記撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として前記メモリから読み出し、前記処理対象画像に映し出された、前記チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出するプロセッサとを備え、前記2つの境界線はそれぞれ、前記処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線であり、前記プロセッサは、2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記関数モデルの複数のパラメータを決定し、決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出し、前記関数モデルは、2次元座標系上において前記第1の領域と前記第2の領域とを表し、かつ、前記第1の領域と前記第2の領域との境界にある前記2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表す。
これにより、2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、関数モデルの複数のパラメータが決定され、その複数のパラメータに基づいて交点が算出される。したがって、評価値の最適化によって、2次元画像座標を変数とする関数モデルを、処理対象画像に映し出されているパタンにマッチングすることができる。その結果、チェッカーパタンが回転していても、すなわち、処理対象画像に映し出されているチェッカーパタンの境界線が傾斜しても、その傾斜された境界線を適切に表す関数モデルを生成することができる。このように生成される関数モデルの複数のパラメータによってその境界線が適切に表されるため、2つの境界線の交点を高精度に検出することができる。
また、関数モデルは、例えば黒領域である第1の領域と、例えば白領域である第2の領域との境界にある2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表すため、エイリアシングを適切に表現することができる。したがって、水平方向および垂直方向以外の方向に沿うエッジを含むチェッカーパタンからも交点を高精度に検出することができる。
さらに、少なくとも1回微分可能な曲面によって画素値が表現されるため、勾配法を用いて評価値を簡単に最適化することができ、計算コストの低減を図ることができる。
さらに、チェッカーパタンの交点を高精度に検出することができるため、3次元座標系におけるチェッカーパタンの交点の位置と、撮影画像におけるその交点の位置とを対応付けるキャリブレーションの高精度化を図ることができる。
例えば、前記関数モデルは、2次元に拡張されたロジスティック関数からなっていてもよい。具体的には、前記関数モデルの複数のパラメータは、角度θおよびφと、画素値aおよびdと、距離bおよびcと、像のぼけ具合σとからなり、前記関数モデルは、x軸およびy軸からなる前記2次元座標系上の前記2つの直線である、(xcosθ+ysinθ+b)=0および(xsinφ−ycosφ+c)=0を用いて、前記2次元座標系上の位置(x,y)における画素値M(x,y)を、
によって表してもよい。
これにより、ロジスティック関数は、上述の曲面に含まれる、第1の領域と第2の領域との境界を横切る方向に沿う曲線を、点対称の曲線として表すため、エイリアシングをより適切に表現することができる。したがって、水平方向および垂直方向以外の方向に沿うエッジを含むチェッカーパタンからも交点をより高精度に検出することができる。
また、本開示の一態様に係る交点検出装置は、チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持するメモリと、前記撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として前記メモリから読み出し、前記処理対象画像に映し出された、前記チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出するプロセッサとを備え、前記2つの境界線はそれぞれ、前記処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線であり、前記プロセッサは、数値モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記数値モデルの複数のパラメータを決定し、決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出し、前記数値モデルは、直線によって分割される画素内の各領域に画素値を与え、前記画素全体の画素値を決定することによって、ステップエッジ撮影時の画素の積分効果を模擬的に表すモデルである。例えば、前記プロセッサは、前記数値モデルの複数のパラメータの決定では、画素に対してオーバーサンプリングを行うことによって複数のサブピクセルを生成し、前記複数のパラメータによって表現される直線によって前記画素を複数の領域に分割し、前記複数の領域のそれぞれに含まれる各サブピクセルに対して、前記複数のパラメータによって表現されるサブピクセル値を与え、前記画素の範囲でサブピクセル値の数値積分を行うことによって、前記数値モデルによって表現される画素値を算出してもよい。
これにより、数値モデルによって表現される各画素値と、処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、数値モデルの複数のパラメータが決定され、その複数のパラメータに基づいて交点が算出される。したがって、評価値の最適化によって、数値モデルを、処理対象画像に映し出されているパタンにマッチングすることができる。その結果、チェッカーパタンが回転していても、すなわち、処理対象画像に映し出されているチェッカーパタンの境界線が傾斜しても、その傾斜された境界線を適切に表す数値モデルを生成することができる。このように生成される数値モデルの複数のパラメータによってその境界線が適切に表されるため、2つの境界線の交点を高精度に検出することができる。
また、数値モデルは、直線によって分割される画素内の各領域に画素値を与え、前記画素全体の画素値を決定することによって、ステップエッジ撮影時の画素の積分効果を模擬的に表すモデルであるため、エイリアシングをより適切に再現することができる。したがって、水平方向および垂直方向以外の方向に沿うエッジを含むチェッカーパタンからも交点をより高精度に検出することができる。
さらに、チェッカーパタンの交点をより高精度に検出することができるため、3次元座標系におけるチェッカーパタンの交点の位置と、撮影画像におけるその交点の位置とを対応付けるキャリブレーションのさらなる高精度化を図ることができる。
また、前記プロセッサは、さらに、2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記関数モデルの複数のパラメータを決定し、決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を第1の初期位置として算出し、前記関数モデルは、2次元座標系上において前記第1の領域と前記第2の領域とを表し、かつ、前記第1の領域と前記第2の領域との境界にある前記2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表し、前記プロセッサは、前記数値モデルの複数のパラメータの決定では、前記数値モデルの複数のパラメータによって表現される前記2つ直線の交点の位置を、前記第1の初期位置から変更しながら前記評価値を最適化してもよい。
これにより、チェッカーパタンの交点の粗密探索を行うことができる。つまり、関数モデルを用いて交点の大まかな位置を第1の初期位置として検出し、さらに、その第1の初期位置から、数値モデルを用いて交点を探索することによって、チェッカーパタンの交点を検出することができる。関数モデルを用いた交点の検出では、計算コストは小さいが、交点の検出精度は、数値モデルを用いた交点の検出よりも低い。一方、数値モデルを用いた交点の検出では、計算コストは大きいが、交点の検出精度は、関数モデルを用いた交点の検出よりも高い。したがって、上述の粗密探索を行うことによって、計算コストの低減と検出精度の向上とをバランスよく実現することができる。
また、前記交点検出装置は、さらに、前記撮影画像を表示する表示部を備え、前記プロセッサは、オペレータによる操作に応じて、表示されている前記撮影画像中の位置を第2の初期位置として取得し、前記撮影画像のうち、前記第2の初期位置を含む領域を前記処理対象画像として前記メモリから読み出してもよい。
これにより、オペレータによる操作によって、そのオペレータによって読み取られた交点の位置が第2の初期位置として取得される場合には、その第2の初期位置を含む処理対象画像には、交点が含まれている。したがって、処理対象画像に交点がないにもかかわらず、誤って交点を検出してしまうという誤検出の発生を抑えることができる。
また、前記プロセッサは、さらに、予め定められた複数の初期交点を生成し、前記複数の初期交点のうちの1つの初期交点を選択初期交点として順次選択し、前記処理対象画像の読み出しでは、前記選択初期交点が選択されるごとに、当該選択初期交点の位置を含む処理対象画像を読み出し、前記交点のサブピクセル精度での検出では、最適化された前記評価値が閾値よりも小さい場合に、前記複数のパラメータに基づいて、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出してもよい。
これにより、オペレータによる操作を必要とせず、自動的に、処理対象画像を順次読み出して、その処理対象画像に交点があれば、その交点を高精度に検出することができる。
また、本開示の一態様に係るカメラ校正システムは、上述の交点検出装置と、前記交点検出装置によって検出された交点を用いて、前記チェッカーパタンの撮影に用いられたカメラのカメラパラメータを算出する算出部とを備える。
これにより、カメラパラメータを高精度に算出して校正することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態1)
[関数モデル]
図1は、実施の形態1における交点検出装置のブロック図である。図1に示すように、本実施の形態における交点検出装置101は、カメラ102、メモリ103、モニター104、初期交点入力部105、交点検出部106、および交点座標格納部107を備える。なお、本実施の形態では、交点検出装置101は、カメラ102、モニター104、初期交点入力部105および交点座標格納部107を備えるが、これらの構成要素を備えていなくてもよい。また、本実施の形態における交点検出部106は、例えば少なくとも1つのプロセッサからなる。
以下、交点検出装置101に含まれる各構成要素の動作について説明する。
カメラ102は、チェッカーパタンを有する被写体を撮影する。
メモリ103は、そのチェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持する。つまり、メモリ103は、カメラ102によって撮影された画像を記憶する。
モニター104は、撮影によって得られた撮影画像を表示する表示部である。撮影画像が表示されているときに、オペレータは、その撮影画像中の交点の座標をピクセル精度で読み取る。この交点は、撮影画像に映し出されたチェッカーパタンにおける2つの境界線の交点である。
初期交点入力部105は、オペレータによる操作に応じて、そのオペレータによって読み取られた交点の座標を初期交点の座標として受け付けて、交点検出部106に出力する。
交点検出部106は、撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像としてメモリ103から読み出し、その処理対象画像に映し出された、チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出する。なお、2つの境界線はそれぞれ、処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線である。第1の領域は、例えば黒色の領域であり、第2の領域は、例えば白色の領域である。
具体的には、交点検出部106は、2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、その関数モデルの複数のパラメータを決定する。そして、交点検出部106は、その決定された複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、処理対象画像内にある2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出する。ここで、上述の関数モデルは、2次元座標系上において第1の領域と第2の領域とを表し、かつ、第1の領域と第2の領域との境界にある2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表す。また、関数モデルは、例えば、2次元に拡張されたロジスティック関数からなる。なお、本実施の形態では、処理対象画像は、例えば矩形画像である。
すなわち、交点検出部106は、メモリ103から読み出した処理対象画像である矩形画像に映し出されているチェッカーパタンに、関数モデルをあてはめる。この関数モデルのあてはめによって、水平方向および垂直方向以外の方向に沿うエッジを含むチェッカーパタンからもサブピクセル精度で交点の位置を検出することができる。なお、関数モデルをあてはめるとは、上述の評価値を最適化するための関数モデルの複数のパラメータを決定することである。交点検出部106は、関数モデルの複数のパラメータを変更しながら、すなわち、上述の2つの直線の交点の位置を、初期交点の位置(すなわち座標)から変更しながら、評価値を最適化するための関数モデルの複数のパラメータを決定する。
また、交点検出部106は、メモリ103から矩形画像を読み出すときには、まず、初期交点入力部105から出力された初期交点の座標(すなわち第2の初期位置)を取得する。つまり、交点検出部106は、オペレータによる操作に応じて、表示されている撮影画像中の位置を第2の初期位置として取得する。そして、交点検出部106は、撮影画像のうち、第2の初期位置を含む領域を矩形画像(すなわち処理対象画像)としてメモリ103から読み出す。具体的には、交点検出部106は、初期交点の位置を中心とする矩形画像をメモリ103から読み出す。
交点座標格納部107は、交点検出部106によって検出された交点の位置(xn,yn)を、その検出された交点に対応する、3次元座標系におけるチェッカーパタンの既知の交点の位置(Xn,Yn,Zn)に関連付けて格納する。
図2は、チェッカーパタンの撮影画像の一例を示す図である。
カメラ102は、魚眼レンズによってチェッカーパタンを撮影する。モニター104は、その撮影によって得られた撮影画像を、図2に示すように表示する。チェッカーパタンは、箱状の物体の内側に描画されたパタンである。このチェッカーパタンでは、それぞれ同じ大きさの黒色の正方形の領域(すなわち黒領域)と白色の正方形の領域(すなわち白領域)とが、水平方向および垂直方向に沿って、交互に配列されている。したがって、チェッカーパタンには、黒領域と白領域との境界線が複数あり、これらの境界線のうちの2つは交点で交わる。そこで、空間上の特定の位置に世界座標系の原点を定め、X軸、Y軸およびZ軸の3軸を定めることにより、その交点の世界座標系(すなわち3次元座標系)における位置を同定することができる。
オペレータは、表示されている撮影画像中の交点の位置を、左上を原点とした画像座標系(2次元座標系ともいう)における座標として読み取る。そして、初期交点入力部105は、オペレータによる操作に応じて、その読み取られた交点の位置を初期交点の位置として受け付ける。つまり、オペレータは、初期交点入力部105を介して交点検出装置101に対して初期交点の位置を与える。さらに、初期交点入力部105は、オペレータによる操作に応じて、その読み取られた交点に対応する、3次元座標系におけるチェッカーパタンの既知の交点の位置を受け付ける。そして、初期交点入力部105は、その読み取られた交点の位置と、3次元座標系における既知の交点の位置とを交点検出部106に出力する。
図3は、本実施の形態における交点検出部106の動作を示すフローチャートである。
交点検出部106は、オペレータが与える初期交点の位置を中心とする矩形画像を取得する(ステップS101)。次に、交点検出部106は、その初期交点の位置に基づいて、交点の検出に必要な関数モデルの複数のパラメータ(a,b,c,d,θ,φ,σ)の初期値を設定する(ステップS102)。次に、交点検出部106は、矩形画像をオーバーサンプリングし、ガウシアンフィルタを適用する(ステップS103)。例えば、交点検出部106は、矩形画像における画像座標系の位置(x,y)の画素値I(x,y)にガウシアンフィルタを適用する。これにより、交点検出部106は、以下の(式1)に示すように、その画素値I(x,y)を、ガウシアンフィルタ適用後の画素値I’(x,y)に変換する。なお、図3に示す例では、オーバーサンプリングおよびガウシアンフィルタを適用するが、これらの適用は任意であって、適用しなくてもよい。
ここで、上記(式1)のガウシアンフィルタにおいて、*はコンボリューション(畳み込み積分)を表し、σは像のぼけ具合を表す。
次に、交点検出部106は、矩形画像と関数モデルとのマッチングを評価する(ステップS104)。すなわち、交点検出部106は上述の評価値を算出する。この関数モデルは、例えば、以下の(式2)に示すように、2次元画像座標(x,y)を変数とする関数モデルであって、ロジスティック関数の指数部を2次元拡張した関数M(x,y)である。
ここで、(a+d)は白レベルを表し、dは黒レベルを表す。xcosθ+ysinθ+b(=0)とxsinφ−ycosφ+c(=0)は2本の直線を表し、σは像のぼけ具合をそれぞれ表す。
つまり、本実施の形態では、関数モデルの複数のパラメータは、角度θおよびφと、画素値aおよびdと、距離bおよびcと、像のぼけ具合σとからなる。そして、関数モデルは、x軸およびy軸からなる前記2次元座標系上の前記2つの直線である、(xcosθ+ysinθ+b)=0および(xsinφ−ycosφ+c)=0を用いて、2次元座標系上の位置(x,y)における画素値M(x,y)を、上記(式2)によって表す。
図4は、関数M(x,y)の概形を示す図である。
関数M(x,y)は、図4に示すように、2次元座標系上において黒レベルを示す第1の領域と白レベルを示す第2の領域とを表し、かつ、その第1の領域と第2の領域との境界にある2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表す。
交点検出部106は、矩形画像の画素値と、関数M(x,y)の画素値とを比較し、矩形画像のチェッカーパタンに対する関数モデルのあてはめ具合(マッチング)を二乗残差の総和で評価する。すなわち、交点検出部106は、以下の(式3)に示す評価値Jによって、関数モデルのあてはめ具合を評価する。
ここで、上記(式3)において、Nは、比較される画素の数を表し、I(xk,yk)は、矩形画像におけるk番目の画素(すなわち座標(xk,yk)にある画素)の画素値を表す。ガウシアンフィルタを適用した場合、画素値I(xk,yk)の代わりに、ガウシアンフィルタ適用後の画素値I’(xk,yk)が使用される。また、これらの画素値は、例えばRGB値または輝度値である。
交点検出部106は、評価値が算出されると、その算出の終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS105)。例えば、交点検出部106は、算出された評価値Jが閾値より小さい場合に、終了条件が満たされたと判定し(ステップS105の終了)、評価値Jが閾値以上の場合に、終了条件が満たされていないと判定する(ステップS105の継続)。なお、このような閾値は、画像のノイズに応じて経験的に決定される。あるいは、交点検出部106は、評価値Jの算出の繰り返し回数が閾値より大きい場合に、終了条件が満たされたと判定し(ステップS105の終了)、繰り返し回数が閾値以下の場合に、終了条件が満たされていないと判定する(ステップS105の継続)。なお、このような繰り返し回数の閾値は、例えば100回などである。
ここで、交点検出部106は、終了条件が満たされていないとステップS105で判定した場合(ステップS105の継続)、関数M(x,y)の複数のパラメータb、c、θ、φ、およびσのうちの少なくとも1つの値を変更する(ステップS106)。このとき、交点検出部106は、それらのパラメータによって表される2つの直線の交点の位置を変更してもよい。なお、この交点の位置の初期値は、上述の初期交点の位置(すなわち第2の初期位置)である。そして、交点検出部106は、変更された複数のパラメータに基づく関数M(x,y)の評価値Jを繰り返し算出する(ステップS104)。
また、パラメータb、c、θ、φおよびσが与えられた場合、評価値Jを最小化するaとdは、以下の(式4)の連立方程式の解として解析的に求められる。
また、ステップS105において、終了条件が満たされたと判定された場合、評価値Jは最適化された状態となる。この最適化された評価値Jは、実質的に最小化されているとも言える。つまり、交点検出部106は、ステップS104〜S106の処理によって、最適化された評価値J、すなわち実質的に最小の評価値Jが得られる、関数モデルの複数のパラメータを探索している。
ステップS104の反復計算において、矩形画像の横方向(水平方向)と縦方向(垂直方向)のそれぞれの画素数をWxとWyとする場合、bとcの初期値は、それぞれ−Wx/2とWy/2である。また、2直線xcosθ+ysinθ+b=0によって表される直線と、xsinφ−ycosφ+c=0によって表される直線とは、θ=φの場合に直交する。このため、θとφの初期値は、θ=φ=0°である。そして、ぼけを表すσの初期値は1程度の正の値とすれば良い。つまり、交点検出部106は、ステップS102において、パラメータ(b,c,θ,φ,σ)の初期値として、(−Wx/2,Wy/2,0,0,1)を設定する。そして、ステップS104の反復計算において、交点検出部106は、θとφともに±45°の範囲で、最小の評価値Jを探索する。
また、交点検出部106は、ステップS104では、上記複数のパラメータの予め定められた数値範囲において、公知技術である最急降下法等の勾配法により、最小の評価値Jを求めてもよい。この場合、ステップS106では、交点検出部106は、複数のパラメータの数値範囲を変更する。
交点検出部106は、評価値Jが最小となる各パラメータを用いて、上記2つの直線の交点の座標P(x、y)を、以下の(式5)によって算出する(ステップS107)。これにより、矩形画像に映し出されたチェッカーパタンの交点がサブピクセル精度で検出される。
[交点の検出精度]
本実施の形態における関数モデルを用いた、CG(computer graphics)データに対す
る交点の検出精度について、以下に説明する。
図5は、CGデータによって構成される撮影画像の一例を示す図である。
例えば、視野角水平垂直180°の魚眼カメラで世界座標系上にあるチェッカーパタンを撮影することによって得られる、水平方向および垂直方向以外の方向に沿うエッジを含む撮影画像を、CGによって生成する。以下、CGによって生成された撮影画像であるCGデータをCG撮影画像という。なお、チェッカーパタンが描かれた物体は、世界座標系において水平方向の幅および垂直方向の高さがともに100cmであって、奥行きが40cmの直方体からなる。そして、その直方体の内部に、それぞれ一辺10cmの複数の白色の正方形(上述の白領域)と、一辺10cmの複数の黒色の正方形(上述の黒領域)とからなるチェッカーパタンが描かれている。このCG撮影画像中には、画像端部の交点および直方体の辺上の交点を除き、169点の交点がある。
CG撮影画像における交点の位置は、小数精度で既知であり、この既知の位置と、本実施の形態における交点検出装置101によって検出された交点の位置との間の画像上での距離を誤差と定義する。
まず、オペレータは、CG撮影画像上の交点の位置を読み取る。初期交点入力部105は、オペレータによる操作によって、その読み取られた位置を受け付け、その位置を交点検出部106に出力する。交点検出部106は、その位置を、関数モデルに使用する初期交点の位置として取得する。さらに、交点検出部106は、この初期交点の位置を中心とする一辺が所定の画素数の矩形画像(すなわち正方形領域)をCG撮影画像から抽出し、上述の関数モデルを用いてその矩形画像に含まれる交点を検出する。交点検出部106は、CG撮影画像に含まれる上述の169点の全ての交点の位置を上述の関数モデルを用いて検出する。このとき、交点検出部106は、水平方向および垂直方向に所定倍(例えば、10倍)のオーバーサンプリングとガウシアンフィルタを矩形画像に適用する。
図6は、オペレータのマニュアルによるピクセル精度での交点の検出精度を示す図である。図7は、本実施の形態における関数モデルを用いた交点検出装置101による交点の検出精度を示す図である。また、図8は、オペレータのマニュアルによるピクセル精度で検出された交点の位置と、実際の交点の位置との誤差を高さとして示す等高線図である。図9は、本実施の形態における関数モデルを用いた交点検出装置101によって検出された交点の位置と、実際の交点の位置との誤差を高さとして示す等高線図である。つまり、これらの等高線図は、交点の位置の誤差分布を示す。
図6および図8に示すように、オペレータによって読み取られた交点の位置は整数値となるため、その位置の量子化誤差は0.5画素ある。また、オペレータは、それぞれ水平方向および垂直方向以外の方向に沿う2つのエッジの交点の位置を正確に選ぶことができない。したがって、根二乗平均誤差は、量子化誤差より大きい0.81画素となっている。
一方、本実施の形態における関数モデルを用いた交点検出装置101では、サブピクセル精度で交点を検出することが可能である。したがって、図7および図9に示すように、本実施の形態では、根二乗平均誤差は0.10画素であり、上記量子化誤差である0.5画素よりもさらに小さく、高精度に交点を検出することができる。
[実施の形態1のまとめ]
以上、実施の形態1における交点検出装置101および交点検出方法について説明したが、これらを纏めると、交点検出装置101は、図10Aに示す構成を有し、交点検出方法は、図10Bに示すフローによって表される。
図10Aは、本開示の第1の態様に係る交点検出装置101の構成を示すブロック図である。
交点検出装置101は、メモリ103とプロセッサ106とを備える。メモリ103は、チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持する。プロセッサ106は、その撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像としてメモリ103から読み出す。そして、プロセッサ106は、その処理対象画像に映し出された、チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出する。
ここで、2つの境界線はそれぞれ、処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線である。この境界線は、エッジまたはステップエッジである。
また、プロセッサ106は、2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、その関数モデルの複数のパラメータを決定する。そして、プロセッサ106は、決定された複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、処理対象画像内にある2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出する。
ここで、関数モデルは、2次元座標系上において第1の領域と第2の領域とを表し、かつ、第1の領域と第2の領域との境界にある2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表す。
図10Bは、本開示の第1の態様に係る交点検出方法を示すフローチャートである。
まず、プロセッサ106は、チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持しているメモリ103から、その撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として読み出す(ステップS11)。そして、プロセッサ106は、その処理対象画像に映し出された、チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出する(ステップS12)。
ステップS12では、プロセッサ106は、まず、2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、その関数モデルの複数のパラメータを決定する(ステップS12a)。そして、プロセッサ106は、決定された複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、処理対象画像内にある2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出する(ステップS12b)。
これにより、2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、関数モデルの複数のパラメータが決定され、その複数のパラメータに基づいて交点が算出される。したがって、評価値の最適化によって、2次元画像座標を変数とする関数モデルを、処理対象画像に映し出されているパタンにマッチングすることができる。その結果、チェッカーパタンが回転していても、すなわち、処理対象画像に映し出されているチェッカーパタンの境界線(すなわちエッジ)が傾斜しても、その傾斜された境界線を適切に表す関数モデルを生成することができる。このように生成される関数モデルの複数のパラメータによってその境界線が適切に表されるため、2つの境界線の交点を高精度に検出することができる。
また、関数モデルは、図4に示すように、例えば黒領域である第1の領域と、白領域である第2の領域との境界にある2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表すため、エイリアシングを適切に表現することができる。したがって、水平方向および垂直方向以外の方向に沿うエッジを含むチェッカーパタンからも交点を高精度に検出することができる。
さらに、少なくとも1回微分可能な曲面によって画素値が表現されるため、勾配法を用いて評価値を簡単に最適化することができ、計算コストの低減を図ることができる。
さらに、チェッカーパタンの交点を高精度に検出することができるため、3次元座標系におけるチェッカーパタンの交点の位置と、撮影画像におけるその交点の位置とを対応付けるキャリブレーションの高精度化を図ることができる。
(実施の形態2)
ここで、上記実施の形態1における関数モデルで生じる0.10画素の根二乗平均誤差は、関数モデルと実際の画素値の空間分布との違いによって生じている。この誤差の原因を以下に説明する。
矩形画像における黒領域と白領域との境界であるステップエッジがカメラ102によって撮影されるときには、画素の積分効果によって、画素値が決まる。
図11は、画素の積分効果の一例を示す図であり、図12は、関数モデルの誤差の原因を説明するための図である。
例えば、図11に示すように、イメージセンサの画素がそれぞれ等面積の2つの領域に分けられ、一方の領域に、単位面積あたり画素値a+dに相当する光が入射し、他方の領域に、単位面積あたり画素値dに相当する光が入射する。この場合、その画素から出力される画素値は、a/2+dとなる。一方、図12に示すように、ロジスティック関数のサブピクセル位置の画素値(サブピクセル値)は、画素の積分効果によって決まる画素値と異なる。図12において、画素値200を有する画素の座標は、ロジスティック関数では0.13画素に対し、画素の積分効果では0.28画素となる。したがって、実施の形態1における関数モデルを用いた交点検出装置101では、高精度に交点を検出することができるが、さらなる高精度化の余地がある。
[数値モデル]
実施の形態2における交点検出装置は、関数モデルではなく、数値モデルを用いることによって、実施の形態1の交点検出装置よりも高精度に交点を検出する。
図13は、実施の形態2における交点検出装置のブロック図である。図13に示すように、本実施の形態における交点検出装置1101は、カメラ102、メモリ103、モニター104、初期交点入力部105、交点検出部1102、および交点座標格納部107を備える。なお、本実施の形態では、交点検出装置1101は、カメラ102、モニター104、初期交点入力部105および交点座標格納部107を備えるが、これらの構成要素を備えていなくてもよい。また、本実施の形態における交点検出部1102は、例えば少なくとも1つのプロセッサからなる。また、本実施の形態において、実施の形態1と同一の構成要素には、実施の形態1と同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
以下に、数値モデルによって交点を検出する交点検出部1102の動作について説明する。
交点検出部1102は、撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像としてメモリ103から読み出し、処理対象画像に映し出された、チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出する。なお、2つの境界線はそれぞれ、処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線である。
具体的には、交点検出部1102は、数値モデルによって表現される各画素値と、処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、数値モデルの複数のパラメータを決定する。そして、交点検出部1102は、その決定された複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、処理対象画像内にある2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出する。ここで、数値モデルは、直線によって分割される画素内の各領域に画素値を与え、その画素全体の画素値を決定することによって、ステップエッジ撮影時の画素の積分効果を模擬的に表すモデルである。具体的には、交点検出部1102は、数値モデルの複数のパラメータの決定では、まず、画素に対してオーバーサンプリングを行うことによって複数のサブピクセルを生成し、複数のパラメータによって表現される直線によってその画素を複数の領域に分割する。次に、交点検出部1102は、その複数の領域のそれぞれに含まれる各サブピクセルに対して、複数のパラメータによって表現されるサブピクセル値を与える。そして、交点検出部1102は、その画素の範囲でサブピクセル値の数値積分を行うことによって、数値モデルによって表現される画素値を算出する。
すなわち、交点検出部1102は、メモリ103から読み出した処理対象画像である矩形画像に映し出されているチェッカーパタンに、数値モデルをあてはめる。この数値モデルのあてはめによって、水平方向および垂直方向以外の方向に沿うエッジを含むチェッカーパタンからもサブピクセル精度で交点の位置を検出することができる。なお、数値モデルをあてはめるとは、上述の評価値を最適化するための数値モデルの複数のパラメータを決定することである。交点検出部1102は、数値モデルの複数のパラメータを変更しながら、すなわち、上述の2つの直線の交点の位置を、初期交点の位置(すなわち座標)から変更しながら、評価値を最適化するための数値モデルの複数のパラメータを決定する。
また、数値モデルでは、撮影画像におけるステップエッジ撮影時の画素の積分効果がモデル化されているため、検出精度を向上することができる。つまり、数値モデルでは、画素に対するオーバーサンプリングによって得られる複数のサブピクセルにサブピクセル値が与えられ、もとの1画素の範囲内でそれらのサブピクセル値が数値積分または平均化される。これにより、エイリアシングの発生を高精度にモデル化できる。このような画素の積分効果は、サブピクセル精度でチェッカーパタンの交点をより高精度に検出する場合に必要である。
なお、交点検出部1102は、実施の形態1と同様、メモリ103から矩形画像を読み出すときには、まず、初期交点入力部105から出力された初期交点の座標(すなわち第2の初期位置)を取得する。つまり、交点検出部1102は、オペレータによる操作に応じて、表示されている撮影画像中の位置を第2の初期位置として取得する。そして、交点検出部1102は、撮影画像のうち、第2の初期位置を含む領域を矩形画像(すなわち処理対象画像)としてメモリ103から読み出す。具体的には、交点検出部1102は、初期交点の位置を中心とする矩形画像をメモリ103から読み出す。
図14は、本実施の形態における交点検出部1102の動作を示すフローチャートである。なお、図14に示すフローチャートにおいて、実施の形態1の図3に示すフローチャートと同一のステップには、図3に示すフローチャートと同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
交点検出部1102は、オペレータが与える初期交点の位置を中心とする矩形画像を取得する(ステップS101)。次に、交点検出部106は、その初期交点の位置に基づいて、交点の検出に必要な数値モデルの複数のパラメータ(a,b,c,d,θ,φ)の初期値を設定する(ステップS1201)。
さらに、交点検出部1102は、矩形画像の各画素に対して、x軸方向にNx倍とy軸方向にNy倍のオーバーサンプリングを行う(ステップS1202)。これにより、1画素はNx×Ny個のサブピクセルに分割される。2倍以上のオーバーサンプリングを行った場合、数値モデルによってエイリアシングを再現することができる。
次に、交点検出部1102は、数値モデルによる評価値を算出する(ステップS1203)。そして、交点検出部1102は、実施の形態1の交点検出部106と同様、ステップS105〜S107の処理を実行することによって、交点の位置を検出する。
図15は、数値モデルの概形を示す図である。
交点検出部1102は、図15に示す数値モデルが、矩形画像のチェッカーパタンにあてはまるように、評価値を最適化(実質的には最小化)するための、その数値モデルの複数のパラメータを決定する。この数値モデルでは、画素値に相当するz値が変化する領域において、x軸方向またはy軸方向に沿う位置の変化に対してz値が直線的に変化する。つまり、この数値モデルは、画素の積分効果を数値的に表す。
図16は、図14のステップS1203における評価値の算出の詳細を示すフローチャートである。交点検出部1102は、この図16に示すように数値モデルを作成し、矩形画像とのあてはまりを評価する。
まず、交点検出部1102は、矩形画像内に、2本の直線(xcosθ+ysinθ+b=0)と(xsinφ−ycosφ+c=0)を引く(ステップS1401)。次に、交点検出部1102は、矩形画像内の画素(xk,yk)に対するオーバーサンプリングにより生じたサブピクセルに対し、サブピクセル値Sk(xi,yi)を算出(ステップS1402)。
図17は、矩形画像における各領域のサブピクセル値を示す図である。
交点検出部1102は、ステップS1402では、2本の直線によって区分けされた矩形画像内の各領域に対して、以下の(式6)に示すように、サブピクセル値dまたは(a+d)を与える。
ここで、上記(式6)において、iは、Nx×Ny個のサブピクセルのインデックスを示し、(a+d)は白レベルを表し、dは黒レベルを表す。
次に、交点検出部1102は、ぼけの程度を表すパラメータσを用いたガウシアンフィルタを、矩形画像内の全てのサブピクセルに適用する(ステップS1403)。つまり、交点検出部1102は、(式1)の画素値I(x,y)をサブピクセル値Sk(xi,yi)に置き換えることにより、サブピクセル値Sk(xi,yi)に対し、ガウシアンフィルタ適用後のサブピクセル値S’k(xi,yi)を得る。なお、本実施の形態では、サブピクセル値に対してガウシアンフィルタを適用するが、その適用は必須ではなく、ガウシアンフィルタを適用しなくてもよい。
次に、交点検出部1102は、以下の(式7)に示すように、数値モデルの画素値M(xk,yk)を、ガウシアンフィルタ適用後のサブピクセル値S’k(xi,yi)の平均値として算出する(ステップS1404)。
図18は、数値モデルの画素値M(xk,yk)の一例を示す図である。図19は、数値モデルの画素値M(xk,yk)の他の例を示す図である。具体的には、図18および図19は、Nx倍およびNy倍のそれぞれが3倍であるオーバーサンプリングによって得られた9つのサブピクセルから画素値M(xk,yk)を算出する場合の例を示す。
図18に示すように、1つの直線(xcosθ+ysinθ+b=0)が画素を横切る場合、交点検出部1102は、上記(式6)にしたがって、画素に含まれる9個のサブピクセルに対して、サブピクセル値(a+d)またはaを与える。そして、交点検出部1102は、上記(式7)にしたがって、それらのサブピクセル値の平均値を数値モデルの画素値M(xk,yk)として算出する。
図19に示すように、2つの直線(xcosθ+ysinθ+b=0)および(xcosφ+ysinφ+c=0)が画素を横切る場合も、交点検出部1102は、サブピクセル値を算出する。つまり、交点検出部1102は、上記(式6)にしたがって、画素に含まれる9個のサブピクセルに対して、サブピクセル値(a+d)またはaを与える。そして、交点検出部1102は、上記(式7)にしたがって、それらのサブピクセル値の平均値を数値モデルの画素値M(xk,yk)として算出する。
このように、本実施の形態における交点検出部1102は、オーバーサンプリングによって得られた複数のサブピクセルのそれぞれのサブピクセル値を、上記(式7)で示すように、オーバーサンプリングが行われる前の1画素の範囲内で数値積分または平均化する。これにより、ステップエッジ撮影時に各画素で生じるエイリアシングを精度良く再現することができ、その結果、交点の位置の検出精度を高めることが可能となる。
交点検出部1102は、矩形画像のチェッカーパタンに対する数値モデルのあてはめの状態を評価値Jとして算出し、その評価値Jを図14に示す処理に返す(ステップS1405)。つまり、交点検出部1102は、以下の(式8)に示すように、数値モデルの画素値M(xk,yk)と矩形画像の画素値I(xk,yk)との二乗残差の総和を、評価値Jとして算出する。
数値モデルでは微分ができないため、図14に示すステップS1203、S105およびS106からなる反復計算では、関数モデルにおける反復計算とは異なり、最急降下法などの勾配法が使用できない。そのため、交点検出部1102は、数値モデルの複数のパラメータのそれぞれを初期値から特定の範囲内で変化させ、評価値Jが実質的に最小となる複数のパラメータを求める。これにより、評価値Jを最適化するための、数値モデルの複数のパラメータが決定される。
図20は、本実施の形態における数値モデルを用いた交点検出装置1101による交点の検出精度を示す図である。この検出精度は、実施の形態1における関数モデルの検出精度と同様、CG撮影画像に対する数値モデルの検出精度である。根二乗平均誤差は、実施の形態1における関数モデルより小さい0.04画素である。したがって、本実施の形態では、より精度の高い交点の位置を検出することができる。
図21は、本実施の形態における数値モデルを用いた交点検出装置1101によって検出された交点の位置と、実際の交点の位置との誤差を高さとして示す等高線図である。図21に示すように、本実施の形態では、CG撮影画像のあるチェッカーパタンの歪みが大きい領域であっても、交点の位置をより高い精度で検出することができる。
[実施の形態2のまとめ]
以上、実施の形態2における交点検出装置1101および交点検出方法について説明したが、これらを纏めると、交点検出装置1101は、図22Aに示す構成を有し、交点検出方法は、図22Bに示すフローによって表される。
図22Aは、本開示の第2の態様に係る交点検出装置1101の構成を示すブロック図である。
交点検出装置101は、メモリ103とプロセッサ1102とを備える。メモリ103は、チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持する。プロセッサ1102は、その撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像としてメモリ103から読み出す。そして、プロセッサ1102は、その処理対象画像に映し出された、チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出する。
ここで、2つの境界線はそれぞれ、処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線である。
また、プロセッサ1102は、数値モデルによって表現される各画素値と、処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、その数値モデルの複数のパラメータを決定する。そして、プロセッサ1102は、決定された複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、処理対象画像内にある2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出する。
ここで、数値モデルは、直線によって分割される画素内の各領域に画素値を与え、その画素全体の画素値を決定することによって、ステップエッジ撮影時の画素の積分効果を模擬的に表すモデルである。
図22Bは、本開示の第2の態様に係る交点検出方法を示すフローチャートである。
まず、プロセッサ1102は、チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持しているメモリ103から、その撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として読み出す(ステップS21)。そして、プロセッサ1102は、その処理対象画像に映し出された、チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出する(ステップS22)。
ステップS22では、プロセッサ1102は、まず、数値モデルによって表現される各画素値と、処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、その数値モデルの複数のパラメータを決定する(ステップS22a)。そして、プロセッサ1102は、決定された複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、処理対象画像内にある2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出する(ステップS22b)。
これにより、数値モデルによって表現される各画素値と、処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、数値モデルの複数のパラメータが決定され、その複数のパラメータに基づいて交点が算出される。したがって、評価値の最適化によって、数値モデルを、処理対象画像に映し出されているパタンにマッチングすることができる。その結果、チェッカーパタンが回転していても、すなわち、処理対象画像に映し出されているチェッカーパタンの境界線(すなわちエッジ)が傾斜しても、その傾斜された境界線を適切に表す数値モデルを生成することができる。このように生成される数値モデルの複数のパラメータによってその境界線が適切に表されるため、2つの境界線の交点を高精度に検出することができる。
また、数値モデルは、直線によって分割される画素内の各領域に画素値を与え、その画素全体の画素値を決定することによって、ステップエッジ撮影時の画素の積分効果を模擬的に表すモデルであるため、エイリアシングをより適切に再現することができる。したがって、水平方向および垂直方向以外の方向に沿うエッジを含むチェッカーパタンからも交点をより高精度に検出することができる。
さらに、チェッカーパタンの交点をより高精度に検出することができるため、3次元座標系におけるチェッカーパタンの交点の位置と、撮影画像におけるその交点の位置とを対応付けるキャリブレーションのさらなる高精度化を図ることができる。
(実施の形態3)
[交点検出の粗密探索]
上述のように、関数モデルによって交点を検出する場合には、勾配法が使えるため、計算コストが小さい。一方、数値モデルによって交点を検出する場合には、勾配法が使えないため、計算コストが大きいが、より高精度に交点を検出することができる。
そこで、本実施の形態における交点検出装置1101は、実施の形態2における交点検出装置1101と同様の構成を有するが、本実施の形態における交点検出部1102は、実施の形態1の交点検出部106の機能も兼ね備える。つまり、本実施の形態における交点検出部1102は、実施の形態1と同様に、関数モデルによって交点の位置を第1の初期位置として算出する。次に、交点検出部1102は、数値モデルの複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を、その第1の初期位置から変更しながら、評価値Jを最適化する。これによって、交点の粗密探索を行うことができ、計算コストを抑えて高精度に交点を検出することができる。
図23は、本実施の形態における交点検出部1102の動作を示すフローチャートである。なお、この図23に示すフローチャートは、チェッカーパタンの交点を効率的に計算するための粗密探索手順である。
まず、交点検出部1102は、オペレータが与える初期交点の位置を中心とする矩形画像を取得する(ステップS1901)。そして、交点検出部1102は、関数モデルに必要なパラメータの初期値を設定する(ステップS1902)。
次に、交点検出部1102は、この初期値を使用し、実施の形態1と同様、関数モデルによって交点の位置を第1の初期位置として検出する(ステップS1903)。そして、交点検出部1102は、この関数モデルによって検出された第1の初期位置を、初期交点の位置(上述の第2の初期位置)として用いる。すなわち、交点検出部1102は、数値モデルの複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を、その第1の初期位置から変更しながら、上記(式8)に示す評価値Jを最適化する。これにより、数値モデルによって最終的な交点が検出される(ステップS1904)。
ここで、上述のように、関数モデルによる交点の検出では勾配法が使えるため、関数モデルによる交点の検出にかかる計算コストは、数値モデルによる交点の検出にかかる計算コストよりも小さい。具体的には、関数モデルによる検出の計算コストは、数値モデルによる検出の計算コストの1/100程度である。一方、数値モデルによる交点の検出では、画素の積分効果とエイリアシングを再現することができるため、数値モデルによる交点の位置の検出精度は、関数モデルによる交点の位置の検出精度よりも高い。このため、関数モデルによる交点の検出を粗探索とて用い、数値モデルによる交点の検出を密探索として用いる、本実施の形態における粗密探索手法は、低計算コストで高精度に交点を検出することができる。
つまり、本実施の形態における交点検出部1102は、実施の形態2に対して、さらに、2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、関数モデルの複数のパラメータを決定する。そして、交点検出部1102は、決定された複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を第1の初期位置として算出する。交点検出部1102は、数値モデルの複数のパラメータの決定では、その数値モデルの複数のパラメータによって表現される2つ直線の交点の位置を、第1の初期位置から変更しながら上記(式8に示す)評価値Jを最適化する。この最適化によって、数値モデルの複数のパラメータが決定される。したがって、交点検出部1102は、決定されたその複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、処理対象画像内にある2つの境界線の交点をサブピクセル精度で最終的に検出する。
これにより、チェッカーパタンの交点の粗密探索を行うことができる。つまり、関数モデルを用いて交点の大まかな位置を第1の初期位置として検出し、さらに、その第1の初期位置から、数値モデルを用いて交点を探索することによって、チェッカーパタンの交点を検出することができる。関数モデルを用いた交点の検出では、計算コストは小さいが、交点の検出精度は、数値モデルを用いた交点の検出よりも低い。一方、数値モデルを用いた交点の検出では、計算コストは大きいが、交点の検出精度は、関数モデルを用いた交点の検出よりも高い。したがって、上述の粗密探索を行うことによって、計算コストの低減と検出精度の向上とをバランスよく実現することができる。
(実施の形態4)
上記実施の形態1〜3では、オペレータによる操作によって初期交点を受け付け、その初期交点の近傍に対し、関数モデルおよび数値モデルのうちの少なくとも一方を使用することにより、半自動的に交点を検出した。一方、本実施の形態では、オペレータによる操作を受け付けることなく、自動的に初期交点を生成して交点を検出する。
図24は、本実施の形態における交点検出装置のブロック図である。図24に示すように、本実施の形態における交点検出装置2001は、カメラ102、メモリ103、初期交点生成部2002、交点検出部2003、交点判定部2004、および交点座標格納部107を備える。なお、本実施の形態では、交点検出装置2001は、カメラ102および交点座標格納部107を備えるが、これらの構成要素を備えていなくてもよい。また、本実施の形態における初期交点生成部2002、交点検出部2003および交点判定部2004を含む構成要素群は、例えば少なくとも1つのプロセッサからなる。また、実施の形態において、実施の形態1または実施の形態2と同一の構成要素には、実施の形態1または実施の形態2と同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
以下に、初期交点生成部2002、交点検出部2003および交点判定部2004のそれぞれについて説明する。
初期交点生成部2002は、水平方向および垂直方向のそれぞれに沿って配列する複数の初期交点を生成する。これらの初期交点は、矩形画像内に格子状に配列され、隣の初期交点とは予め定められた間隔だけ離れている。
交点検出部2003は、実施の形態1〜3の交点検出部と同様、撮影画像のうちの一部の画像であって、初期交点を中心とする処理対象画像(具体的には、矩形画像)をメモリ103から読み出す。そして、交点検出部2003は、関数モデルまたは数値モデルに用いられる交点の位置を変更しながら、評価値Jを最適化するためのチェッカーパタンの交点をその矩形画像から探索する。
ここで、本実施の形態では、初期交点生成部2002によって複数の初期交点が生成される。そこで、交点検出部2003は、初期交点生成部2002によって生成された複数の初期交点から1つの初期交点を選択初期交点として順に選択する。そして、交点検出部2003は、選択初期交点を選択するごとに、その選択初期交点を中心とする矩形画像をメモリ103から読み出す。さらに、交点検出部2003は、その選択初期交点の位置から、上記各モデルに用いられる交点の位置を変更しながら、チェッカーパタンの交点を矩形画像から探索する。
しかし、選択初期交点を中心とする矩形画像には、交点が映し出されていない場合がある。実施の形態の1〜3では、オペレータが初期交点を選択している。したがって、その初期交点を中心とする矩形画像には、チェッカーパタンの交点が映し出されている。ところが、本実施の形態では、矩形画像の内容に関わらず複数の初期交点が生成されるため、それらの初期交点を中心とする矩形画像には、チェッカーパタンの交点が映し出されていない場合がある。
したがって、交点検出部2003は、矩形画像に対して交点でない位置を、交点の位置として検出してしまうことがある。そこで、交点検出部2003は、検出された交点の位置とともに、最適化された評価値Jを交点判定部2004に出力する。
交点判定部2004は、交点検出部2003によって検出された交点の信頼性を評価するために、評価値Jが閾値よりも小さいか否かを判定する。つまり、評価値Jが閾値よりも小さい場合には、交点判定部2004は、矩形画像に映し出されているチェッカーパタンの交点が適切に検出されていると判定する。例えば、交点判定部2004は、評価値Jが0に近い値の場合に、交点が適切に検出されていると判定する。そして、交点判定部2004は、検出された交点の位置(xk,yk)を交点座標格納部107に格納する。一方、評価値Jが閾値以上の場合には、交点判定部2004は、矩形画像に交点が映し出されていないにもかかわらず、交点でない位置が交点の位置として検出されていると判定する。例えば、矩形画像が256階調で表されている場合、交点判定部2004は、評価値Jが128以上の場合に、交点でない位置が交点の位置として検出されていると判定する。その結果、交点判定部2004は、その検出された交点の位置を交点座標格納部107に格納することなく破棄する。
なお、本実施の形態では、図3に示すステップS105および図14に示すステップS105の終了条件が、反復計算の繰り返し回数によって判定される場合に、検出された交点の信頼性を評価値Jによって評価することができる。
このように、本実施の形態におけるプロセッサは、予め定められた複数の初期交点を生成し、それらの複数の初期交点のうちの1つの初期交点を選択初期交点として順次選択する。そして、プロセッサは、処理対象画像の読み出しでは、選択初期交点が選択されるごとに、その選択初期交点の位置を含む処理対象画像を読み出す。また、交点のサブピクセル精度の検出では、プロセッサは、最適化された評価値Jが閾値よりも小さい場合に、複数のパラメータに基づいて、処理対象画像内にある2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出する。
これにより、オペレータによる操作を必要とせず、自動的に、処理対象画像を順次読み出して、その処理対象画像に交点があれば、その交点を高精度に検出することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態におけるカメラ校正システムは、実施の形態1〜4の何れかの交点検出装置によって検出された交点を用いて、チェッカーパタンの撮影に用いられたカメラのカメラパラメータを算出することによって、そのカメラパラメータを校正する。
図25は、本実施の形態におけるカメラ校正システムのブロック図である。図25に示すように、本実施の形態におけるカメラ校正システム300は、交点検出装置301と、3次元座標取得部302と、カメラパラメータ算出部303と、カメラパラメータ出力部304とを備える。なお、本実施の形態における交点検出装置301、3次元座標取得部302、カメラパラメータ算出部303、およびカメラパラメータ出力部304を含む構成要素群は、例えば少なくとも1つのプロセッサからなる。
交点検出装置301は、実施の形態1〜4の何れかの交点検出装置である。
3次元座標取得部302は、実施の形態1〜4における交点座標格納部107に格納される3次元座標系における位置(Xn,Yn,Zn)を取得する。この3次元座標系における位置は、カメラ102によって撮影されるチェッカーパタンの交点の世界座標系での位置である。チェッカーパタンは、図2に示す箱状の物体の内側に描画されたパタンである。このような3次元座標取得部302は、空間上の特定の位置に世界座標系の原点を定め、X軸、Y軸およびZ軸の3軸を定めることにより、その交点の世界座標系(すなわち3次元座標系)における位置を同定する。3次元座標取得部302は、例えばレンジファインダである。
カメラパラメータ算出部303は、交点検出装置301で検出された交点の画像座標系における位置と、3次元座標取得部302で取得した3次元座標系における位置とに基づき、交点検出装置301のカメラ102のカメラパラメータを算出する。
カメラパラメータの算出方法の一例として、Tsaiの方式(非特許文献1参照)がある。このTsaiの方式では、再投影誤差の総和を最小化することによってカメラパラメータが算出される。再投影誤差は、3次元座標系における点を、カメラパラメータによって画像上に投影することによって得られる点(以下、再投影点ともいう)と、その3次元座標系における点に対応する画像上の点との距離である。なお、3次元座標系における点は、3次元座標取得部302によって取得された位置にある点である。また、3次元座標系における点に対応する画像上の点は、交点検出装置301によって検出される交点である。Tsaiの方式では、それぞれ再投影点と交点とからなる複数の組の再投影誤差の総和が最小化されるようにカメラパラメータを算出する。
例えば、ピンホールカメラを用いるモデルでは、カメラパラメータを用いた3次元座標から画像座標への投影式は、以下の数式によって表される。このような投影式によって、上述の再投影点の位置を算出することができる。
このピンホールカメラのモデルのカメラパラメータは、カメラ画像の中心のx座標成分Cx及びy座標成分Cyと、焦点距離fと、カメラの撮像素子の1画素におけるx軸方向長さd’x及びy軸方向長さd’yと、3次元座標の基準に対するカメラの回転を示す3行3列の回転行列Rの成分Rijと、3次元座標の基準に対するカメラの並進距離を示す並進ベクトルのX座標成分T、Y座標成分T及び、Z座標成分Tと、自由度のない媒介変数hとを、要素として含む。回転行列Rの要素Rijにおいて、添え字iは回転行列Rの行番号を表し、添え字jは回転行列Rの列番号を表す。例えば、カメラの内部パラメータであるCx、Cy、f、d’x及びd’yは、設計値を有し設計値通りに規定され得る。カメラの外部パラメータである回転行列R及び並進ベクトルTは、カメラの姿勢及び位置に関するパラメータであり、設計値を有しても設計値通りに規定できない場合がある。このため、カメラの内部パラメータには設計値が使用され、カメラの外部パラメータが算出されてもよい。
カメラパラメータ出力部304は、カメラパラメータ算出部303によって算出されたカメラパラメータを出力する。例えば、カメラパラメータ出力部304は、そのカメラパラメータを示す信号を、カメラ校正システム300の外部の装置に出力してもよく、そのカメラパラメータを表示してもよい。
なお、カメラ校正システム300の各構成要素間は、通信回線またはネットワークで接続されていてもよい。例えば、交点検出装置301とカメラパラメータ算出部303との間のデータの受け渡しと、3次元座標取得部302とカメラパラメータ算出部303との間のデータの受け渡しとは、通信回線またはネットワークを介して行われもよい。
このような本実施の形態におけるカメラ校正システム300では、交点検出装置301によって得られた高精度な交点座標を用いることによって、カメラパラメータを高精度に校正することができる。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の幾つかの態様に係る交点検出装置および交点検出方法について、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記各実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれてもよい。
例えば、実施の形態1では、関数モデルとして、2次元に拡張されたロジスティック関数を用いたが、このロジスティック関数以外の関数を用いてもよい。具体的には、逆正接関数であってもよい。
図26Aは、関数モデルに用いられる逆正接関数を示す図である。
実施の形態1における交点検出部106は、この図26Aに示す逆正接関数を2次元に拡張した関数モデルによって表現される各画素値と、矩形画像の各画素値との差分に基づく評価値Jを最適化するための、関数モデルの複数のパラメータを決定してもよい。
図26Bは、関数モデルに用いられる正規分布N(μ,σ)の累積分布関数を示す図である。なお、μは平均であり、σは分散である。
実施の形態1における交点検出部106は、この図26Bに示す正規分布N(μ,σ)の累積分布関数を2次元に拡張した関数モデルによって表現される各画素値と、矩形画像の各画素値との差分に基づく評価値Jを最適化するための、関数モデルの複数のパラメータを決定してもよい。
図26Cは、関数モデルに用いられるk次アーラン分布の累積分布関数を示す図である。
実施の形態1における交点検出部106は、この図26Cに示すk次アーラン分布の累積分布関数を2次元に拡張した関数モデルによって表現される各画素値と、矩形画像の各画素値との差分に基づく評価値Jを最適化するための、関数モデルの複数のパラメータを決定してもよい。
また、実施の形態1における交点検出部106は、以下の(式9)に示す多項式関数を2次元に拡張した関数モデルによって表現される各画素値と、矩形画像の各画素値との差分に基づく評価値Jを最適化するための、関数モデルの複数のパラメータを決定してもよい。なお、(式9)において、変域は[−∞,∞]であり、値域は[0,1]である。
また、本開示において、ユニット、デバイスの全部又は一部、又は図1、図10A、図13、図22A、図24および図25に示されるブロック図の機能ブロックの全部又は一部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は一つ以上の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、一つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIまたはICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるかもしれない。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、ユニット、装置、又は装置の一部の、全部又は一部の機能又は操作は、ソフトウエア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウエアは一つ又は一つ以上のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブ、などの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウエアが、処理装置(processor)によって実行された場合に、ソフトウエ
アは、ソフトウエア内の特定の機能を、処理装置(processor)と周辺のデバイスに実行
させる。システム又は装置は、ソフトウエアが記録されている一つ又は一つ以上の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、及び必要とされるハードウエアデバイス、例えば
インターフェース、を備えていても良い。
つまり、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の交点検出装置などを実現するソフトウエアは、例えば、図3、図10B、図14、図16、図22Bまたは図23に示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
本開示は、チェッカーパタンの交点の検出精度を向上することができるという効果を奏し、例えば、車載カメラまたは魚眼レンズ等の広視野角のレンズを備えたカメラにおけるキャリブレーションの高精度化を行うための交点検出装置として有用である。
101、301、1101、2001 交点検出装置
102 カメラ
103 メモリ
104 モニター
105 初期交点入力部
106、1102、2003 交点検出部
107 交点座標格納部
300 カメラ校正システム
302 3次元座標取得部
303 カメラパラメータ算出部
304 カメラパラメータ出力部
2002 初期交点生成部
2004 交点判定部

Claims (24)

  1. チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持するメモリと、
    前記撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として前記メモリから読み出し、前記処理対象画像に映し出された、前記チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出するプロセッサとを備え、
    前記2つの境界線はそれぞれ、前記処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線であり、
    前記プロセッサは、
    2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記関数モデルの複数のパラメータを決定し、
    決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出し、
    前記関数モデルは、
    2次元座標系上において前記第1の領域と前記第2の領域とを表し、かつ、前記第1の領域と前記第2の領域との境界にある前記2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表す
    交点検出装置。
  2. 前記関数モデルは、2次元に拡張されたロジスティック関数からなる
    請求項1に記載の交点検出装置。
  3. 前記関数モデルの複数のパラメータは、
    角度θおよびφと、画素値aおよびdと、距離bおよびcと、像のぼけ具合σとからなり、
    前記関数モデルは、
    x軸およびy軸からなる前記2次元座標系上の前記2つの直線である、(xcosθ+ysinθ+b)=0および(xsinφ−ycosφ+c)=0を用いて、
    前記2次元座標系上の位置(x,y)における画素値M(x,y)を、
    によって表す
    請求項2に記載の交点検出装置。
  4. チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持するメモリと、
    前記撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として前記メモリから読み出し、前記処理対象画像に映し出された、前記チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出するプロセッサとを備え、
    前記2つの境界線はそれぞれ、前記処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線であり、
    前記プロセッサは、
    数値モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記数値モデルの複数のパラメータを決定し、
    決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出し、
    前記数値モデルは、
    直線によって分割される画素内の各領域に画素値を与え、前記画素全体の画素値を決定することによって、ステップエッジ撮影時の画素の積分効果を模擬的に表すモデルである
    交点検出装置。
  5. 前記プロセッサは、
    前記数値モデルの複数のパラメータの決定では、
    画素に対してオーバーサンプリングを行うことによって複数のサブピクセルを生成し、
    前記複数のパラメータによって表現される直線によって前記画素を複数の領域に分割し、
    前記複数の領域のそれぞれに含まれる各サブピクセルに対して、前記複数のパラメータによって表現されるサブピクセル値を与え、
    前記画素の範囲でサブピクセル値の数値積分を行うことによって、前記数値モデルによって表現される画素値を算出する
    請求項4に記載の交点検出装置。
  6. 前記プロセッサは、さらに、
    2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記関数モデルの複数のパラメータを決定し、
    決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を第1の初期位置として算出し、
    前記関数モデルは、
    2次元座標系上において前記第1の領域と前記第2の領域とを表し、かつ、前記第1の領域と前記第2の領域との境界にある前記2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表し、
    前記プロセッサは、
    前記数値モデルの複数のパラメータの決定では、
    前記数値モデルの複数のパラメータによって表現される前記2つ直線の交点の位置を、前記第1の初期位置から変更しながら前記評価値を最適化する
    請求項4または5に記載の交点検出装置。
  7. 前記交点検出装置は、さらに、
    前記撮影画像を表示する表示部を備え、
    前記プロセッサは、
    オペレータによる操作に応じて、表示されている前記撮影画像中の位置を第2の初期位置として取得し、
    前記撮影画像のうち、前記第2の初期位置を含む領域を前記処理対象画像として前記メモリから読み出す
    請求項1〜6の何れか1項に記載の交点検出装置。
  8. 前記プロセッサは、さらに、
    予め定められた複数の初期交点を生成し、
    前記複数の初期交点のうちの1つの初期交点を選択初期交点として順次選択し、
    前記処理対象画像の読み出しでは、
    前記選択初期交点が選択されるごとに、当該選択初期交点の位置を含む処理対象画像を読み出し、
    前記交点のサブピクセル精度での検出では、
    最適化された前記評価値が閾値よりも小さい場合に、前記複数のパラメータに基づいて、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出する
    請求項1〜6の何れか1項に記載の交点検出装置。
  9. 請求項1または4に記載の交点検出装置と、
    前記交点検出装置によって検出された交点を用いて、前記チェッカーパタンの撮影に用いられたカメラのカメラパラメータを算出する算出部とを備える
    カメラ校正システム。
  10. チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持しているメモリから、前記撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として読み出し、
    前記処理対象画像に映し出された、前記チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出し、
    前記2つの境界線はそれぞれ、前記処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線であり、
    前記交点の検出では、
    2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記関数モデルの複数のパラメータを決定し、
    決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出し、
    前記関数モデルは、
    2次元座標系上において前記第1の領域と前記第2の領域とを表し、かつ、前記第1の領域と前記第2の領域との境界にある前記2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表す
    交点検出方法。
  11. 前記関数モデルは、2次元に拡張されたロジスティック関数からなる
    請求項10に記載の交点検出方法。
  12. 前記関数モデルの複数のパラメータは、
    角度θおよびφと、画素値aおよびdと、距離bおよびcと、像のぼけ具合σとからなり、
    前記関数モデルは、
    x軸およびy軸からなる前記2次元座標系上の前記2つの直線である、(xcosθ+ysinθ+b)=0および(xsinφ−ycosφ+c)=0を用いて、
    前記2次元座標系上の位置(x,y)における画素値M(x,y)を、
    によって表す
    請求項11に記載の交点検出方法。
  13. チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持するメモリから、前記撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として読み出し、
    前記処理対象画像に映し出された、前記チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出し、
    前記2つの境界線はそれぞれ、前記処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線であり、
    前記交点の検出では、
    数値モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記数値モデルの複数のパラメータを決定し、
    決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出し、
    前記数値モデルは、
    直線によって分割される画素内の各領域に画素値を与え、前記画素全体の画素値を決定することによって、ステップエッジ撮影時の画素の積分効果を模擬的に表すモデルである
    交点検出方法。
  14. 前記数値モデルの複数のパラメータの決定では、
    画素に対してオーバーサンプリングを行うことによって複数のサブピクセルを生成し、
    前記複数のパラメータによって表現される直線によって前記画素を複数の領域に分割し、
    前記複数の領域のそれぞれに含まれる各サブピクセルに対して、前記複数のパラメータによって表現されるサブピクセル値を与え、
    前記画素の範囲でサブピクセル値の数値積分を行うことによって、前記数値モデルによって表現される画素値を算出する
    請求項13に記載の交点検出方法。
  15. 前記交点検出方法では、さらに、
    2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記関数モデルの複数のパラメータを決定し、
    決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を第1の初期位置として算出し、
    前記関数モデルは、
    2次元座標系上において前記第1の領域と前記第2の領域とを表し、かつ、前記第1の領域と前記第2の領域との境界にある前記2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表し、
    前記数値モデルの複数のパラメータの決定では、
    前記数値モデルの複数のパラメータによって表現される前記2つ直線の交点の位置を、前記第1の初期位置から変更しながら前記評価値を最適化する
    請求項13または14に記載の交点検出方法。
  16. 前記交点検出方法では、さらに、
    前記撮影画像を表示し、
    オペレータによる操作に応じて、表示されている前記撮影画像中の位置を第2の初期位置として取得し、
    前記撮影画像のうち、前記第2の初期位置を含む領域を前記処理対象画像として前記メモリから読み出す
    請求項10〜15の何れか1項に記載の交点検出方法。
  17. 前記交点検出方法では、さらに、
    予め定められた複数の初期交点を生成し、
    前記複数の初期交点のうちの1つの初期交点を選択初期交点として順次選択し、
    前記処理対象画像の読み出しでは、
    前記選択初期交点が選択されるごとに、当該選択初期交点の位置を含む処理対象画像を読み出し、
    前記交点のサブピクセル精度での検出では、
    最適化された前記評価値が閾値よりも小さい場合に、前記複数のパラメータに基づいて、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出する
    請求項10〜15の何れか1項に記載の交点検出方法。
  18. 請求項10または13に記載の交点検出方法によって交点を検出し、
    前記交点検出方法によって検出された交点を用いて、前記チェッカーパタンの撮影に用いられたカメラのカメラパラメータを算出する
    カメラ校正方法。
  19. チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持しているメモリから、前記撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として読み出し、
    前記処理対象画像に映し出された、前記チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出することを、コンピュータに実行させ、
    前記2つの境界線はそれぞれ、前記処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線であり、
    前記交点の検出では、
    2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記関数モデルの複数のパラメータを決定し、
    決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出し、
    前記関数モデルは、
    2次元座標系上において前記第1の領域と前記第2の領域とを表し、かつ、前記第1の領域と前記第2の領域との境界にある前記2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表す
    プログラム。
  20. チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持するメモリから、前記撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として読み出し、
    前記処理対象画像に映し出された、前記チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出することを、コンピュータに実行させ、
    前記2つの境界線はそれぞれ、前記処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線であり、
    前記交点の検出では、
    数値モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記数値モデルの複数のパラメータを決定し、
    決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出し、
    前記数値モデルは、
    直線によって分割される画素内の各領域に画素値を与え、前記画素全体の画素値を決定することによって、ステップエッジ撮影時の画素の積分効果を模擬的に表すモデルである
    プログラム。
  21. 前記プログラムは、さらに、
    検出された前記交点を用いて、前記チェッカーパタンの撮影に用いられたカメラのカメラパラメータを算出することを、前記コンピュータに実行させる
    請求項19または20に記載のプログラム。
  22. プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であって、
    前記プログラムは、
    チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持しているメモリから、前記撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として読み出し、
    前記処理対象画像に映し出された、前記チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出することを、コンピュータに実行させ、
    前記2つの境界線はそれぞれ、前記処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線であり、
    前記交点の検出では、
    2次元画像座標を変数とする関数モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記関数モデルの複数のパラメータを決定し、
    決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出し、
    前記関数モデルは、
    2次元座標系上において前記第1の領域と前記第2の領域とを表し、かつ、前記第1の領域と前記第2の領域との境界にある前記2次元座標系上の各位置の画素値を、少なくとも1回微分可能な曲面で表す
    記録媒体。
  23. プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であって、
    前記プログラムは、
    チェッカーパタンの撮影によって得られた撮影画像を保持するメモリから、前記撮影画像のうちの少なくとも一部の画像を処理対象画像として読み出し、
    前記処理対象画像に映し出された、前記チェッカーパタンにおける2つの境界線の交点を検出することを、コンピュータに実行させ、
    前記2つの境界線はそれぞれ、前記処理対象画像における、第1の画素値を有する複数の画素からなる第1の領域と、前記第1の画素値よりも大きい第2の画素値を有する複数の画素からなる第2の領域との境界線であり、
    前記交点の検出では、
    数値モデルによって表現される各画素値と、前記処理対象画像の各画素値との差分に基づく評価値を最適化するための、前記数値モデルの複数のパラメータを決定し、
    決定された前記複数のパラメータによって表現される2つの直線の交点の位置を算出することによって、前記処理対象画像内にある前記2つの境界線の交点をサブピクセル精度で検出し、
    前記数値モデルは、
    直線によって分割される画素内の各領域に画素値を与え、前記画素全体の画素値を決定することによって、ステップエッジ撮影時の画素の積分効果を模擬的に表すモデルである
    記録媒体。
  24. 前記プログラムは、さらに、
    検出された前記交点を用いて、前記チェッカーパタンの撮影に用いられたカメラのカメラパラメータを算出することを、前記コンピュータに実行させる
    請求項22または23に記載の記録媒体。
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