JP2018088007A - 屈折矯正のためのコンタクトレンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】眼の屈折異常を矯正するための眼用レンズの提供。【解決手段】眼用レンズは変形可能な内寄り部分および変形可能な周辺部分を含む。眼の光学領域の上に配置された場合、内寄り部分は、眼に対する後面の係合が該後面を変形させて、該後面が、眼用レンズを通して眼で見るとき、上皮の屈折形状とは相違した形状を有するように構成されている。内寄り部分の剛性は周辺部分の剛性よりも高く、眼用レンズは、眼の瞬き時の眼に対して動くことを許容するように、および眼の瞬きののち角膜の光学領域上に実質的にセンタリングするように構成されている。また、眼用レンズを使用して、乱視または球面収差のような眼の屈折異常を矯正する方法も開示する。【選択図】図7

Description

本出願は、35U.S.C.§119(e)の下、参照より全体として本明細書に組み入れられる、2012年4月20日に出願された米国特許仮出願第61/636,404号の恩典を主張する。
分野
本開示は、眼の屈折異常を矯正するための眼用レンズに関する。眼用レンズは変形可能な内寄り部分および変形可能な周辺部分を含む。眼の光学領域の上に配置された場合、内寄り部分は、眼に対する後面の係合が該後面を変形させて、該後面が、眼用レンズを通して眼で見るとき、上皮の屈折形状とは相違した形状を有するように構成されている。内寄り部分の剛性は周辺部分の剛性よりも高く、眼用レンズは、眼の瞬き時に眼に対して動くことを許容するように、および眼の瞬きののち角膜の光学領域上に実質的にセンタリングするように構成されている。開示はさらに、眼用レンズを使用して、乱視または球面収差のような眼の屈折異常を矯正する方法に関する。
発明の背景
眼は、患者が物を見ることを可能にするいくつかの組織を含む。眼の角膜は、健康な眼において明澄であり、光を屈折させて網膜上に像を形成させる眼の前側組織である。網膜は、その上に形成された像からの光を感知し、像からの信号を脳に伝達する眼の後側組織である。角膜は、下にある角膜組織、例えばボーマン膜、支質、ならびに支質およびボーマン膜の中に延在する神経線維を保護する組織の外層、すなわち上皮を含む。健康な眼は、上皮上に位置している涙膜を含む。涙膜は、上皮の小さな凹凸を平滑化して、光学的に滑らかな面を提供しかつ眼の健康を維持することができる。涙膜は、存在するならば、下にある上皮、支質およびボーマン膜の形状によって実質的に形が決まる。涙膜は、大部分は水であり、ならびにさらなる成分、例えばムコイドおよび脂質を含む液体を含む。角膜の多くの神経線維は、角膜を涙膜で被覆することができる瞬きを促進するための感覚を提供する。また、神経線維は痛みを感知し、そのため、人は、正常に、角膜への外傷を回避させ、かつまた角膜への物体の直接的接触を回避させて、この重要な組織を保護する。
本発明の態様に関する研究は、従来のコンタクトレンズおよび治療用被覆物の少なくともいくつかが、少なくともいくつかの場合、理想的とは言えないこともあり得ることを示唆する。患者がコンタクトレンズまたは治療用被覆物を取り出しそして交換することがいくぶん面倒になる可能性があり、かつ少なくともいくつかの場合において、患者がコンタクトレンズまたは治療用被覆物を理想的であろうよりも長い期間であり得る期間、眼の中に残す場合があるので、多くのコンタクトレンズおよび治療用被覆物は、理想的な期間には満たない期間しか眼の中に残すことができない。連続装用レンズは、いくぶん長めの期間、眼の中に残すことができるが、そのようなレンズを眼の中に残すことができる期間でさえ、理想的な時間に満たない可能性がある。本発明の態様に関する研究はまた、従来のコンタクトレンズの涙液流量が理想的な量よりも少なくなることがあること、および理想的な量よりも少ない涙液流量が、潜在的な合併症に関連する場合があり、そのようなレンズを眼の中に残すことができる期間は制限され得ることを示唆する。
健康な角膜においては、角膜が明澄なままであるような、角膜の脱水(dehydration)とも呼ばれる角膜の適切な水分補給(hydration)量が維持される。角膜は、水を角膜から隣接する前眼房へとポンピングする後側内皮層を含む。上皮は、涙液から角膜の中への水の流れを阻止して、角膜支質が内皮ポンピングによって適切な水分補給量を維持することができるようにする。適切な水分補給および眼の厚さを維持するための角膜からの水の内皮ポンピングは、デタージェセンス(deturgescence)と呼ばれる。角膜上皮が治癒するとき、欠損の上に形成する細胞層は、少なくともいくつかの場合、少なくともいくぶん不規則になって、その患者の視力は理想的というには足りないものになることがある。
角膜手術、例えば屈折矯正的角膜切除術の後、切除後の角膜は複雑な形状を有し得、従来の市販品レンズの多くは、切除された角膜にはフィットし得ず、および理想的でもあり得ず、かつ少なくともいくつかの場合において、レンズのフィッティングは時間を要し、不都合である可能性がある。硬質ガス透過性(RGP)中央部分および軟質周辺スカート部を有する市販品コンタクトレンズは、切除された角膜にフィットさせることが困難であったり、および/または時間を要したりする可能性があり、かつ少なくともいくつかの場合、あまり良好にはフィットし得ない。切除された角膜は、切除部の縁の近くに曲率の急激な変化を含む場合があり、かつ少なくともいくつかの場合、切除部の縁の近くでそのようなレンズをフィットさせることは困難である可能性がある。また、市販品コンタクトレンズの少なくともいくつかは、連続装用に適さない場合があり、および毎日取り外される場合があり、それが、患者にとっていくぶん不都合である可能性があり、コンプライアンスの欠如および、少なくともいくつかの場合、レンズが理想的な期間よりも長く眼の中にとどまる結果を招く可能性がある。
また、乱視のような眼の屈折異常を矯正するためには、ハイブリッドコンタクトレンズ、すなわち、硬質の中心部分および軟質のスカート部を有するレンズが使用される。屈折異常を矯正するためのRGPおよびソフトトーリックレンズのような現行の製品は、任意の球面矯正成分に加えて円柱成分を含み、これは、最適な視力矯正を維持するためには患者ごとに決定し、かつ角膜の光学領域に対して向きを決めなければならない。装用中に眼の上のレンズのセンタリングおよび半径方向の向きを維持するための特徴がレンズに組み込まれる。円柱矯正成分をフィットさせ、かつ向きを決める必要性のため、数多くのレンズを在庫に維持し、患者ごとに個別にフィットさせ、選択しなければならない。
上記を考慮して、視力矯正のための改善されたコンタクトレンズおよび角膜の上皮欠損、例えばPRK後の上皮欠損に関連する治療のための被覆物を提供することが望ましい。理想的には、これらのコンタクトレンズおよび被覆物は、改善された患者への快適さおよび/または視力を提供しながらも、涙液の流れを改善し、公知の技術の欠点の少なくともいくつかを回避させる治療を提供する。また、球面フィットしか必要としない屈折異常を矯正するための改善されたコンタクトレンズを提供すること、ならびに現行のトーリックレンズ製品と同程度に優れたまたはそれよりも優れた快適さおよび視力矯正を提供することが望ましい。
発明の簡単な概要
本発明の態様は、改善された視力を長期にわたり提供し、かつ正常な眼またはPRKのような屈折矯正手術後の上皮欠損のような上皮欠損を有する眼を治療するために使用することができる、改善された眼用装置を提供する。装置は、コンタクトレンズを含んでもよく、かつ改善された涙流を提供することができ、そのため、長期にわたり視力を矯正するために眼の上に残すことができる。装置は、水阻止層と、装置の水阻止層の下に涙液をポンピングするための1つまたは複数の構造とを含んでもよく、そのため装置は、眼の中にとどまり、かつ長期にわたり視力を矯正することができる。代替的に、または組み合わせて、装置は、水分補給および患者への快適さを提供するために、レンズ孔に結合された、装置の後面に沿って延在するシリコーンまたはハイドロゲル層を含んでもよい。シリコーンまたはハイドロゲル層は、涙液および治療剤を装置の前面からレンズ孔およびシリコーンまたはハイドロゲルに通して角膜に送るために、角膜をレンズ孔に流体的に結合してもよい。特定の態様において、装置は、レンズ孔と、眼が瞬きするとき結膜と接触して涙液をポンピングするように成形された外寄り部分とを有する材料を含む。装置は、装置が眼の上に配置され、そしてまぶたが分かれて眼が開いているときチャンバが形成されるような、耐撓み性を有する可撓性の外寄り部分を含んでもよい。レンズ孔に結合されたシリコーンまたはハイドロゲル層は、装置の下面に沿って、少なくともチャンバの一部分まで延在してもよい。可撓性の外寄り部分の耐撓み性は、まぶたが閉じて涙液をポンピングするとき外寄り部分が角膜の方へと内向きに撓むように構成され得る。レンズ孔は、眼が開き、そしてチャンバが拡張することができるとき、装置の下に位置するチャンバの中に涙液を引き込むことができる。レンズ孔は、シリコーンまたはハイドロゲル層の中を貫通して延在してポンピングを提供してもよい。代替的に、または組み合わせて、シリコーンまたはハイドロゲル層はレンズ孔の後端を被覆してもよく、そして外寄り部分の撓みが、シリコーンまたはハイドロゲルに沿う液体および薬剤の移動を促進することができる。装置の外寄り部分は、装置が眼の上に配置されたとき結膜に接触してチャンバを画定するように形状決定された強膜結合部分を含む。装置のレンズ孔および強膜結合部分は、眼が閉じ、そして1つまたは複数のまぶたの圧力が装置を角膜に向けて付勢して、そのため、チャンバ容積が減るとき、涙液をチャンバから離れさせることができる。特定の態様において、まぶたを分けるための開眼は装置の外寄り部分への圧力を減らし、そのため、角膜の外寄り部分上の装置の外寄り部分は角膜の外寄り部分から離れて、液体をレンズ孔に通し、装置の下に位置するチャンバの中に引き込むことができる。眼が開き、そして涙液がレンズ孔を通して引き込まれるとき、装置の強膜結合部分が結膜に接触して、例えば装置が結膜に接触するところにおけるシールの形成により、強膜結合部分の下の涙液の流れを阻止してもよい。その後、眼が瞬きするとき、1つまたは複数のまぶたの圧力が装置を角膜に向けて付勢することができ、そのため、涙液はレンズ孔を通過することができ、そして強膜結合部分は結膜からわずかに離れて、涙液を強膜結合部分の下に通過させて、角膜、角膜輪部、結膜および装置の下面をポンピングされた涙液で洗浄してもよい。装置は、シリコーンのような高い酸素透過性を有する材料を含んでもよく、そのため、装置は、改善された涙流および高い酸素透過性を提供し得る。この改善された涙液の流れが、コンタクトレンズのような装置を少なくとも約1週間、例えば30日間もしくは60日間またはそれを超える長期にわたって装用することを許容することができる。改善された涙流は、上皮欠損、例えばPRK後の上皮欠損を有する眼の治癒および視力を改善することができる。改善された涙流はまた、眼の健康を維持し、より長い装用を容易にし得る。
特定の態様において、装置は、視力のための内寄り光学コンポーネント、例えばレンズ、および視力を改善するために内寄りコンポーネントを瞳孔に対して保持するための外寄り結合コンポーネントを含む。結合コンポーネントは、材料を通しての涙液の通過を阻止する可撓性材料を含んでもよく、そのため、眼が瞬きし、そしてまぶたが光学コンポーネントに対して圧力を加えるとき、涙液はレンズ孔を通過する。外寄り結合コンポーネントは、涙液を通過させるためのレンズ孔および結膜に接触するための外寄り強膜部分を含んでもよい。光学コンポーネントは、第一の剛性に対応する第一の材料および第一の厚さを含んでもよい。結合コンポーネントは、第二の剛性に対応する第二の材料および第二の厚さを含んでもよい。第二の材料は第一の材料よりも軟質であり得、かつ第二の厚さは第一の厚さ未満であり得、そのため、まぶたが閉じて第一のコンポーネントおよび第二のコンポーネントを被覆するとき、まぶたによって結合コンポーネントを撓ませることができ、かつそのため、光学コンポーネントよりも大きな量だけ結合コンポーネントを撓ませることができる。光学コンポーネントは結合コンポーネントよりも硬質であり得、そのため、外寄り部分が1つまたは複数のまぶたによって撓むとき、光学コンポーネントは視力を提供することができる。
結膜および下にある強膜への結合によって提供される瞳孔への光学コンポーネントの整合は、視力にとって有益であり得る。特定の態様において、光学コンポーネントは、瞳孔に対して実質的に固定された位置に保持されて、改善された視力、例えば老視矯正ならびに瞳孔の位置に依存し得る収差、例えば計測された波面収差、球面収差、コマ収差および矢状収差の視力矯正を提供することができる。
光学コンポーネントおよび結合コンポーネントは、上皮欠損を有する眼における視力および上皮再生を改善するのに役立つことができる。光学コンポーネントは角膜を平滑化することができ、上皮および切除された支質の凹凸を平滑化してもよい。結合コンポーネントは、光学コンポーネントを支持して光学コンポーネントの滑動に抵抗し、かつ上皮再生を促進するための環境を提供することができる。涙液のポンピングは、上皮欠損の近くの再生中の上皮への涙流を改善して、欠損にわたって上皮の再生を促進し得る。涙液のポンピングはまた、切除領域への薬物、例えばステロイド剤の送達を促進して、角膜浸潤および混濁を阻止することもできる。
第一の局面において、眼の光学領域にわたって延在する屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を有する眼の屈折異常を矯正するための眼用レンズが提供され、該眼用レンズは、角膜の光学領域の上に配置されるように構成された内寄り光学部分;内寄り部分が光学領域の上に配置されたとき眼に隣接して内寄り部分に沿って延在する後面であって、眼に対する該後面の係合が該後面を変形させるように、および該後面が、眼用レンズを通して眼で見るとき、上皮の屈折形状とは相違した形状を有するように、内寄り部分が構成されている、該後面;内寄り部分の外側に半径方向に配置された眼用レンズの周辺部分;および眼用レンズを通して眼で見ることが屈折異常を緩和するように後面とは反対側で内寄り部分に沿って延在する眼用レンズの前面を含む。
第二の局面において、屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を有する患者の眼の屈折異常を矯正するための眼用レンズを選択する方法が提供され、該方法は、屈折異常の任意の球面成分を緩和するように所望の球面度数を決定する段階;および異なる球面度数を有する複数の代替眼用レンズの中から、所望の球面度数に対応する前面であって、眼用レンズの内寄り部分に沿って延在する該前面を提供するように選択眼用レンズを特定する段階を含み、ここで、眼用レンズの内寄り部分は約100μm〜約900μmの厚さを特徴とし、かつ眼用レンズの周辺部分は内寄り部分の剛性よりも低い剛性を有し;ここで、眼用レンズは、眼の瞬き時に眼に対して動くことを許容するように、および眼の瞬きののち角膜の光学領域上に実質的にセンタリングするように構成されている。
第三の局面において、角膜の光学領域にわたって延在する屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を有する眼の屈折異常を矯正する方法が提供され、該方法は、眼用レンズの内寄り部分が角膜の光学領域の上に配置されるように眼用レンズを眼の上に配置する段階であって、配置された眼用レンズの後面が、眼に隣接して延在し、かつ眼の上皮によって変形される、段階;および眼用レンズが屈折異常を緩和するように、後面の形状が上皮の屈折形状とは相違しているとき眼用レンズの前面を通して眼で見る段階を含む。
第四の局面において、屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を各眼に有する患者集団の眼の屈折異常を矯正するための、代替的に選択可能な眼用レンズのセットが提供され、該セットは、異なる球面度数を有する複数の代替眼用レンズを含み、各眼用レンズは、関連する所望の球面度数に対応する前面であって、眼用レンズの変形可能な内寄り部分に沿って延在する該前面と;内寄り部分から外側へと半径方向に延在する眼用レンズの周辺部分であって、内寄り部分の剛性よりも低い剛性を特徴とし、かつ内寄り部分を光学領域と整合した状態に支持するように眼の光学領域の外側の組織と係合するために構成された該周辺部分とを含む。
第五の局面において、眼の光学領域にわたって延在する屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を有する眼の屈折異常を矯正するための眼用レンズが提供され、該眼用レンズは、角膜の光学領域の上に配置されるように構成された内寄り光学部分;内寄り部分が光学領域の上に配置されたとき眼に隣接して内寄り部分に沿って延在する後面であって、眼に対する該後面の係合が該後面を変形させるように、および該後面が、眼用レンズを通して眼で見るとき、上皮の屈折形状とは相違した形状を有するように、内寄り部分が構成されている、該後面;内寄り部分の外側に半径方向に配置された眼用レンズの周辺部分;および眼用レンズを通して眼で見ることが屈折異常を緩和するように後面とは反対側で内寄り部分に沿って延在する眼用レンズの前面を含み;ここで、内寄り光学部分は、100μm〜900μmの厚さ、約10MPa〜約1,000MPaの弾性率、および約4E8MPa-μm3〜約1.2E10MPaの剛性を特徴としており;かつここで、前面は、円柱成分なしの球面状のプロファイルを特徴としている。
第六の局面において、本発明の態様は、患者の眼を治療するための装置を提供する。眼は、涙液、瞳孔、角膜、および結膜を有する。装置は、眼の視力を矯正するための光学コンポーネントおよび結合コンポーネントを含む。光学コンポーネントは、眼の上に配置されているとき変形に抵抗するのに十分な第一の剛性を含む。結合コンポーネントは、角膜および結膜と接触し、かつ光学コンポーネントを瞳孔に対して支持する。結合コンポーネントは、結膜と接触するようにサイズ決定された外寄り部分、光学コンポーネントに結合するための内寄り部分、および内寄り部分と外寄り部分との間に延在する中間部分を含む。光学コンポーネントまたは結合コンポーネントの1つまたは複数は、眼が瞬きするとき涙液をポンピングするための複数のレンズ孔を含む。
特定の態様において、装置は、光学コンポーネントを含む内寄り部分と、結合コンポーネントを含む外寄り部分とを含む。装置の外寄り部分は、結合コンポーネントの中間部分および結合コンポーネントの外寄り部分を含んでもよい。
[本発明1001]
眼の光学領域にわたって延在する屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を有する眼の屈折異常を矯正するための眼用レンズであって、
該角膜の該光学領域の上に配置されるように構成された内寄り光学部分;
該内寄り部分が該光学領域の上に配置されたとき該眼に隣接して該内寄り部分に沿って延在する後面であって、該眼に対する該後面の係合が該後面を変形させるように、および該後面が、該眼用レンズを通して該眼で見るとき、該上皮の該屈折形状とは相違した形状を有するように、該内寄り部分が構成されている、該後面;
該内寄り部分の外側に半径方向に配置された眼用レンズの周辺部分;および
該眼用レンズを通して該眼で見ることが該屈折異常を緩和するように該後面とは反対側で該内寄り部分に沿って延在する眼用レンズの前面
を含む前記眼用レンズ。
[本発明1002]
内寄り部分の剛性が周辺部分の剛性よりも高い、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1003]
内寄り部分の剛性が約2.0E10 MPa-μm3〜約8.0E9 MPa-μm3である、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1004]
内寄り部分が約100μm〜約900μmの厚さを特徴としている、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1005]
内寄り部分を1%撓ませるのに要する力が約0.5gm〜約50gmである、本発明1004の眼用レンズ。
[本発明1006]
内寄り部分が、約10MPa〜約100MPaの弾性率を有する材料を含み、かつ周辺部分が、約0.01MPa〜約10MPaの弾性率を有する材料を含む、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1007]
内寄り光学部分が、100μm〜900μmの厚さ、約10MPa〜約1,000MPaの弾性率、および少なくとも約4E8 MPa-μm3の剛性を特徴としている、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1008]
内寄り部分および外寄り部分が、シリコーン、シリコーンハイドロゲル、ハイドロゲル、または前記のいずれかの組み合わせから選択される材料を含む、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1009]
内寄り部分が、約100μm〜約900μmの厚さを特徴としており、かつ約20MPa〜約100MPaの弾性率を特徴とする材料から形成されている、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1010]
内寄り部分の前面が、実質的に球面状のプロファイルを特徴としている、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1011]
眼の屈折異常が円柱誤差(cylindrical error)を含み;かつ
レンズによる該円柱誤差の矯正が、主として、眼用レンズを通して該眼で見るとき上皮の形状に対する後面の形状の相違によって実施されるように、内寄り部分の前面が、実質的に球面状の面を特徴としている、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1012]
内寄り部分が、球面状の前面を特徴としている、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1013]
内寄り部分および周辺部分が、眼の瞬きに応答して眼に対して動くことを許容するように構成されている、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1014]
内寄り部分および周辺部分が、眼用レンズの周辺部分と上皮との間に涙液を提供するように構成されている、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1015]
眼の屈折異常が乱視を含み、内寄り部分の前面および該内寄り部分の後面が半径方向に対称である、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1016]
周辺領域に配置されている複数のレンズ孔をさらに含む、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1017]
複数のレンズ孔が、眼用レンズの中心光軸から一定の半径位置に配置されている、本発明1016の眼用レンズ。
[本発明1018]
複数のレンズ孔が、眼が瞬きするとき周辺部分と上皮との間に涙液をポンピングするように構成されている、本発明1016の眼用レンズ。
[本発明1019]
複数のレンズ孔が、眼からのレンズの取り出しを容易にする、気泡がレンズの下に捕らえられた場合には空気の放散を容易にする、またはそれらの組み合わせを容易にするように構成されている、本発明1016の眼用レンズ。
[本発明1020]
複数のレンズ孔が、レンズ孔を有しない匹敵するレンズを装用する患者集団における視力結果に比べて、レンズを装用する患者集団における視力結果の再現精度を改善する、本発明1016の眼用レンズ。
[本発明1021]
内寄り部分が、視力を矯正するように構成されており、かつ周辺部分が、快適さを高めるように構成されている、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1022]
内寄り部分と周辺部分との間の界面の近くに配置された補強リングを含む、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1023]
補強リングが内寄り部分内に埋め込まれている、本発明1022の眼用レンズ。
[本発明1024]
補強リングが、内寄り部分内の、角膜の光学領域と一致しない位置に配置されている、本発明1022の眼用レンズ。
[本発明1025]
補強リングが、内寄り部分を形成する材料の弾性率よりも高い弾性率を有する材料から形成されている、本発明1022の眼用レンズ。
[本発明1026]
補強リングがポリメチルメタクリレートから形成されている、本発明1022の眼用レンズ。
[本発明1027]
眼の瞬きののち角膜の光学領域上にセンタリングするように構成されている、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1028]
内寄り部分が5mm〜10mmの直径を特徴としており、かつ周辺部分が12mm〜16mmの外径を特徴としている、本発明1001の眼用レンズ。
[本発明1029]
屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を有する患者の眼の屈折異常を矯正するための眼用レンズを選択するための方法であって、該方法が、
該屈折異常の任意の球面成分を緩和するように所望の球面度数を決定する段階;および
異なる球面度数を有する複数の代替眼用レンズの中から、該所望の球面度数に対応する前面であって、該眼用レンズの内寄り部分に沿って延在する該前面を提供するように選択眼用レンズを特定する段階
を含み、
該眼用レンズの該内寄り部分が約100μm〜約900μmの厚さを特徴とし、かつ該眼用レンズの周辺部分が該内寄り部分の剛性よりも低い剛性を有し;該眼用レンズが、眼の瞬き時に眼に対して動くことを許容するように、および眼の瞬きののち角膜の光学領域上に実質的にセンタリングするように構成されている、
前記方法。
[本発明1030]
角膜の光学領域にわたって延在する屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を有する眼の屈折異常を矯正するための方法であって、
眼用レンズの内寄り部分が該角膜の該光学領域の上に配置されるように該眼用レンズを該眼の上に配置する段階であって、配置された該眼用レンズの後面が、該眼に隣接して延在し、かつ該眼の該上皮によって変形される、段階;および
該眼用レンズが該屈折異常を緩和するように、該後面の形状が該上皮の該屈折形状とは相違しているとき該眼用レンズの前面を通して該眼で見る段階
を含む前記方法。
[本発明1031]
眼用レンズが、
角膜の光学領域の上に配置されるように構成され、かつ100μm〜900μmの厚さを特徴とする内寄り光学部分
を含み;
後面が、該内寄り部分が該光学領域の上に配置されたとき該眼に隣接して該内寄り部分に沿って延在し、かつ該上皮の該屈折形状とは相違した形状を有し;
該眼用レンズの周辺部分が該内寄り部分の外側に半径方向に配置され;かつ
該眼用レンズの前面が、該眼で見ることが屈折異常を緩和するように該後面とは反対側で該内寄り部分に沿って延在する、本発明1030の方法。
[本発明1032]
レンズを少なくとも30分間装用したのち、患者集団における平均快適さスコアが少なくとも6.5である、本発明1030の方法。
[本発明1033]
レンズを配置したのち、2.25DC〜3.00DCの円柱誤差を有する患者集団の平均矯正視力が0.1±0.15LogMARであるかまたはそれよりよい、本発明1030の方法。
[本発明1034]
レンズを配置したのち、1.25DC〜2.00DCの円柱誤差を有する患者集団の平均矯正視力が0.0±0.15LogMARであるかまたはそれよりよい、本発明1030の方法。
[本発明1035]
眼の屈折異常が、乱視、球面収差、またはそれらの組み合わせを含み、
前面と後面との間に複数のレンズ孔が延在し、該複数のレンズ孔が光学領域の外側に配置され;
眼用レンズの内寄り部分が変形可能であり、かつ周辺部分が該内寄り部分の剛性よりも低い剛性を特徴とし;
該前面を通して該眼で見るときの屈折異常の緩和が、少なくとも約1.5Dの乱視異常の範囲全体にわたって該周辺部分の形状とは実質的に無関係であり、かつ該眼の視軸を中心とする該眼用レンズの回転方向の向きとは無関係である、本発明1030の方法。
[本発明1036]
屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を各眼に有する患者集団の眼の屈折異常を矯正するための、代替的に選択可能な眼用レンズのセットであって、
関連する所望の球面度数に対応する前面であって、該眼用レンズの変形可能な内寄り部分に沿って延在する該前面;および
該内寄り部分から外側へと半径方向に延在する周辺部分であって、該内寄り部分の剛性よりも低い剛性を特徴とし、かつ該内寄り部分を該光学領域と整合した状態に支持するように該眼の光学領域の外側の組織と係合するために構成された該周辺部分
をそれぞれ有する、異なる球面度数を有する複数の代替眼用レンズ
を含む前記セット。
[本発明1037]
眼の光学領域にわたって延在する屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を有する眼の屈折異常を矯正するための眼用レンズであって、該眼用レンズが、
該角膜の該光学領域の上に配置されるように構成された内寄り光学部分;
該内寄り部分が該光学領域の上に配置されたとき該眼に隣接して該内寄り部分に沿って延在する後面であって、該眼に対する該後面の係合が該後面を変形させるように、および該後面が、該眼用レンズを通して該眼で見るとき、該上皮の該屈折形状とは相違した形状を有するように、該内寄り部分が構成されている、該後面;
該内寄り部分の外側に半径方向に配置された眼用レンズの周辺部分;および
該眼用レンズを通して該眼で見ることが該屈折異常を緩和するように該後面とは反対側で該内寄り部分に沿って延在する眼用レンズの前面
を含み、
該内寄り光学部分が、100μm〜900μmの厚さ、約10MPa〜約1,000MPaの弾性率、および約4E8 MPa-μm3〜約1.2E10MPaの剛性を特徴としており;かつ
該前面が、円柱成分なしの球面状のプロファイルを特徴としている、
前記眼用レンズ。
[本発明1038]
弾性率が約10MPa〜約100MPaである、本発明1037の眼用レンズ。
本発明の態様に従う、本明細書に記載される眼用装置による使用に適した眼を示す。 本発明の態様に従う、治療に適した、屈折矯正手術直後の、角膜欠損を生じさせた切除された眼を示す。 本発明の態様に従う、眼の上に配置された装置および眼の瞬きを示す。 本発明の態様に従う、装置の下に涙液をポンピングすることができる図1A1の装置を示す。 本発明の態様に従う、眼が閉じるとき涙液をポンピングする図1A1および1A2の装置の模式図を示す。 本発明の態様に従う、眼が開くとき涙液をポンピングする図1A1および1A2の装置の模式図を示す。 本発明の態様に従う、眼の強膜にフィットするための三段カーブプロファイルを有する装置であって、切除された角膜にフィットするために使用され得る、装置を示す。 本発明の態様に従う、カーブした部分の境界における隆起を阻止するために整合したカーブしたプロファイルの傾きで眼の強膜にフィットするための三段カーブプロファイルを有する装置を示す。 本発明の態様に従う、角膜輪部への圧力が実質的に減るような、角膜接触部分の下面の傾きと強膜結合部分の下面の傾きとの整合を示す。 本発明の態様に従う、図1B1の装置のテーパ状エッジを示す。 本発明の態様に従う、カーブした部分の境界における隆起を阻止するために整合したカーブしたプロファイルの傾きで、角膜、角膜輪部および強膜にフィットするための三段カーブプロファイルを有する装置の平面図を示す。 本発明の態様に従う、図1B4の装置ならびに角膜、角膜輪部、および強膜に結合するための対応するカーブした部分の断面図を示す。 本発明の態様に従う、図1B4の装置および上面の対応するカーブした部分の断面図を示す。 本発明の態様に従う、図1B4の装置のテーパ状エッジを示す。 本発明の態様に従う、外寄り厚さを上回る内寄り厚さを有する材料の単一片を含む装置を示す。 本発明の態様に従う、内寄り厚さおよび内寄り材料を含む内寄り部分ならびに外寄り厚さおよび外寄り材料を含む外寄り部分を有する図1-2A〜1B2におけるような装置であって、内寄り厚さが外寄り厚さを上回る、装置を示す。 本発明の態様に従う、内寄り厚さおよび内寄り材料を含む内寄り部分ならびに外寄り厚さおよび外寄り材料を含む外寄り部分を有する図1-2A〜1B2におけるような装置であって、内寄り厚さが外寄り厚さを上回り、かつ外寄り材料が内寄り材料の周囲に延在する、装置を示す。 本発明の態様に従う、シリコーンまたはハイドロゲル材料の層を装置の後面に有する図1-2A〜1B7のうちの1つまたは複数におけるような装置を示す。 本発明の態様に従う、装置の最大距離未満に延在するシリコーンまたはハイドロゲル材料の層を装置の後面に有する図1-2A〜1B7のうちの1つまたは複数におけるような装置であって、そのため、眼の上に配置されたとき、装置の端部分が、シリコーンまたはハイドロゲル層から離れたところで眼の上皮と係合しかつ装置の動きを阻止するように構成されている、装置を示す。 本発明の態様に従う、シリコーンまたはハイドロゲル材料の環状層を装置の後面に有する図1-2A〜1B7のうちの1つまたは複数におけるような装置であって、そのため、眼の上に配置されたとき、装置の内寄り部分が、シリコーンまたはハイドロゲル層から離れたところで角膜に接触し、および装置の外寄り部分が、装置から離れたところで角膜に接触する、装置を示す。 本発明の態様に従う、図1B2におけるようなカーブした部分の境界における隆起を阻止するために整合したカーブしたプロファイルの傾きで強膜にフィットするための三段カーブプロファイルを有し、かつシリコーンまたはハイドロゲル材料の層を下面に有する装置を示す。 本発明の態様に従う、図1B4におけるようなカーブした部分の境界における隆起を阻止するために整合したカーブしたプロファイルの傾きで角膜、角膜輪部および強膜にフィットするための三段カーブプロファイルを有し、かつ装置の最大距離未満に延在するシリコーンまたはハイドロゲル材料を下面に有して、シリコーンまたはハイドロゲル材料から離れたところで結膜を装置と係合させる装置の平面図を示す。 本発明の態様に従う、装置の後面に沿って延在するシリコーンまたはハイドロゲルの層で被覆された後端を有するレンズ孔を示す。 本発明の態様に従う、装置の後面に沿って延在するシリコーンまたはハイドロゲルの層を貫通して延在するレンズ孔を示す。 態様に従う、装置の下面に沿って外側へと半径方向に延在するチャネルを含む装置を示す。 態様に従う、装置の下面または後面に沿って内側へと半径方向に延在するチャネルを含む装置を示す。 態様に従う、荷重に応答するレンズの部分の撓みを計測するための試験機器を示す。 態様に従う、まぶたが分かれた状態で眼の上に配置されたコンタクトレンズを含む装置を示す。 態様に従う、まぶたが閉じるときの図2Aの装置の断面図を示す。 本発明の態様に従う、まぶたが閉じるときの図2Aの装置の正面図を示す。 態様に従う、まぶたが開くときの図2Aの装置の断面図を示す。 態様に従う、眼の上に配置されたコンタクトレンズを含む装置であって、まぶたが分かれているとき、装置が角膜の内寄り部分および結膜で支持され、装置が角膜の外寄り部分から離れてチャンバを画定するような、装置を示す。 態様に従う、まぶたが閉じるときの図2Eの装置の断面図を示す。 態様に従う、まぶたが閉じるとき眼が回動し、そのため、涙液がポンピングされるとき上皮沿いの装置の滑動が阻止される、図2Fの装置の断面図を示す。 態様に従う、まぶたが開くときの図2Eの装置の断面図を示す。 態様に従う、まぶたが中間位置に位置し、そのため、チャンバが中間容積を含むときの図2Eの装置の断面図を示す。 態様に従う、シリコーンまたはハイドロゲルが眼に接触する状態で眼の上に配置された図1C4の装置の断面図を示す。 態様に従う、上皮欠損を有する眼の角膜上に配置された装置を示す。 態様に従う、上皮欠損を有する眼の角膜上に配置される前の第一の形状にある装置を示す。 態様に従う、眼の上に配置された、第二の形状を有する図3Bの装置を示す。 装置の光学コンポーネントを形成するのに適した型を示す。 図4Aの光学コンポーネントを含む装置を形成するのに適した型を示す。 図4Aの光学コンポーネントを含む装置を形成するのに適した型および装置の軟質材料の層を示す。 本発明の態様に従う、流動性材料の注入の前の、硬質材料を含む固い内寄りコンポーネントが中に配置されている、装置を形成するための型を示す。 本発明の態様に従う、エネルギーによる装置中のレンズ孔の形成を示す。 本発明の態様に従う、装置の後面上のシリコーンまたはハイドロゲル材料のスピンコーティングを示す。 本発明の態様に従う、シリコーンまたはハイドロゲル材料がその上に形成されている装置に対する化学蒸着を示す。 本発明の態様に従う、容器の中に包装されたシリコーンまたはハイドロゲル材料を含む装置を示す。 特定の態様に従う装置を示す。 図6Aは、乱視の眼の上に配置されたハードレンズの例のラジアルの図を示す。図6Bは、乱視の眼の上に配置されたソフトレンズの例のラジアルの図を示す。図6Cは、乱視の眼の上に配置された、本発明の特定の態様に従う装置の例のラジアルの図を示す。 本開示の特定の態様に従う眼用装置の断面図を示す。 図8Aは、1.25DC〜2.00DCの未矯正円柱誤差(cylindrical error)を有する眼を有し、かつ本開示によって提供される、内寄り光学領域の異なる厚さを特徴とする眼用レンズを装用する患者集団の平均球面レンズ矯正視力(LogMAR)を示す。図8Bは、患者が1.25DC〜2.00DCの未矯正円柱誤差の眼を有する場合、本開示によって提供される、異なる厚さを有する眼用レンズを装用するとき、患者集団中の、20/25未満または20/20未満の視力を有する患者の割合を示す。 図9Aは、2.25DC〜3.00DCの未矯正円柱誤差を有する眼を有し、かつ本開示によって提供される、内寄り光学領域の異なる厚さを特徴とする眼用レンズを装用する患者集団の平均球面レンズ矯正視力(LogMAR)を示す。図9Bは、患者が2.25DC〜3.00DCの未矯正円柱誤差の眼を有する場合、本開示によって提供される、異なる厚さを有する眼用レンズを装用するとき、患者集団中の、20/25未満または20/20未満の視力を有する患者の割合を示す。 図10Aは、本開示によって提供される、内寄り光学部分の異なる厚さを有する眼用レンズを装用する患者の快適さスコアと、乱視矯正のための市販のトーリックコンタクトレンズを装用する患者の快適さスコアとの比較を示す。図10Bは、本開示によって提供される、異なる内寄り光学領域厚さを有する眼用レンズを30分間装用したのち、8以上の快適さスコアおよび9以上の快適さスコアを有する患者の割合のヒストグラムを示す。 眼用レンズの内寄り部分の撓みをISO 18369-4に従って計測するための実験構造を示す。 本開示によって提供される、異なる断面厚さを有する眼用レンズの内寄り部分の特定の態様を撓ませるのに要する力(gm)を示すグラフである。 本開示によって提供される眼用レンズの内寄り部分を1%撓ませるのに要する力(gm)を、屈折異常を矯正するために使用される2つの市販レンズと比較するヒストグラムである。 図14A〜14Cは、本開示によって提供される眼用レンズの3つの例の断面プロファイルを示す。 図15Aおよび15Bは、特定の態様に従って屈折異常を矯正するための眼用レンズのそれぞれ斜視図および断面図を示す。
以下、本開示によって提供される態様を詳細に参照する。開示される態様は、特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。
発明の詳細な説明
本明細書に記載される本発明の態様は、2009年4月6日に出願された米国特許出願第12/384,659号に記載されている痛み管理および視力のための治療用装置と組み合わせることができる。この明細書の開示内容全体は、参照により本明細書に組み入れられ、かつ本明細書に記載される発明のいくつかの態様に従って組み合わせるのに適している。
眼用装置は、眼用被覆物および眼用レンズの両方を包含する。本明細書において使用される被覆物とは、患者の眼を覆うが、それ自体は屈折視力矯正を提供しない眼用装置をいう。屈折矯正を提供する眼用装置は本明細書においてコンタクトレンズまたは眼用レンズと呼ばれる。レンズは、被覆物に関して本明細書に開示されるような特定の特徴を含み得、被覆物は、レンズに関して本明細書に開示されるような特定の特徴を含み得る。
本明細書に記載される態様は、コンタクトレンズのような装置を用いて多くの方法で眼を治療するために使用することができる。本明細書に記載される装置は、装置が長期にわたり眼の上に配置されるときの角膜膨潤を抑制する連続装用コンタクトレンズを用いる長期的視力矯正のために使用することができ、かつまた、角膜表層切除術のような多くの形態の眼の手術と組み合わされてもよい。
本明細書において使用されるように、例えば多くの市販のスプレッドシート、例えばMicrosoftから市販されているExcel(商標)において使用されている表記に従ってデータを表すために、当業者によって理解される多くの方法で値を特定すべく数式および科学的記号を使用することができる。本明細書において使用される記号「E」は、基数10におけるべき指数を表すために使用することができ、そのため、1E1は約10に等しく、2E1は約20に等しく、4E2は約400に等しい。本明細書において使用される記号「^」は、べき指数を表すために使用することができ、そのため、A^BはABに等しい。単位は多くの方法で表すことができ、そして当業者によって理解されるように、例えば「m」はメートルであり、「Pa」は圧力のパスカル単位であり、および「MPa」はメガパスカルである。
本明細書において使用されるように、シロキサン結合は、例えばシリコーンエラストマーの-Si-O-Si-共有結合を包含する。
本明細書において使用される、コンタクトレンズのような装置のオンKフィットは、コンタクトレンズを角膜の弱主経線にフィットさせることを包含し、かつオンKフィットは、弱主経線よりも約1.5Dの範囲内でフラットであり得る。例えば、約44D軸90および43D軸180のケラトメータ値(本明細書中、以下「K」)を有する角膜の場合、オンKフィットは、計測される眼の領域に関して約43D〜約41.5Dの範囲内で屈折力に対応する曲率を有する装置を提供すると考えられる。本明細書に記載されるオンKフィットは、本明細書に記載される態様に従って涙液をポンピングすることができるよう、涙液が装置の下で形成することを許容することができる。
ジオプトリー(「D」)単位の角膜の屈折力は、式D=(1.3375−1)/Rによって角膜の曲率半径Rと関連させることができる(式中、1.3375は眼房水の屈折率に対応する)。角膜の曲率は、曲率半径Rと逆比例的に関連し、そのため、曲率半径が増大すると角膜の曲率が減少し、および曲率半径が減少すると角膜の曲率が増大する。
本明細書において使用されるレンズの外寄り部分およびレンズの周辺部分は互換可能に使用される。外寄りまたは周辺部分は被覆物またはレンズの内寄り部分の周囲に半径方向に配置され、かつそれに接続されている。概して、外寄りまたは周辺部分は、内寄り部分との界面における厚さから被覆物またはレンズの外縁または周縁に向かってテーパ状である。外寄りまたは周辺部分はさらに、例えば異なる曲率半径、厚さ、剛性および材料を特徴とする下位部分を特徴とし得る。さらに、外寄りまたは周辺部分は一般に、被覆物またはレンズが眼の角膜上でセンタリングされている状態で、角膜の光学領域の外側に配置される。内寄り部分はまた、本明細書において内寄りまたは光学成分またはボタンとも呼ばれる。外寄り部分はまた、本明細書において外寄りまたは結合成分とも呼ばれる。
図1は、本明細書に記載されるような装置100(示していない)による使用に適した眼2を示す。特定の態様において、装置100はコンタクトレンズを含む。眼は、角膜10と、網膜5上に像を形成するように構成された水晶体4とを有し、像は、高い視力に対応する中心窩5F上に形成することができる。角膜は、眼の角膜輪部6まで延在することができ、そして角膜輪部は眼の強膜Sに接続することができる。眼2は、角膜輪部6の近くに位置する扁平部PPを有する。眼の結膜Cは強膜の上に位置することができる。水晶体は、患者が見ている物体に合焦するように遠近調節することができる。眼は、光に応答して拡大縮小し得る瞳孔9を画定する虹彩8を有する。眼はまた、強膜7と網膜5との間に位置する脈絡膜CHを含む。眼は、水晶体と網膜との間に延在する硝子体液VHを有する。網膜5は像の光を感知し、そしてその光像を神経パルスに変換し、その神経パルスが処理され、そして視神経ONに沿って患者の脳に伝達される。
図1-1Aは、上皮欠損を生じさせる屈折矯正手術、例えばPRK手術の直後の切除された眼を示す。本明細書に記載されるようなコンタクトレンズを含む装置は、切除された角膜の上に配置され、そして結膜に結合されて視力の改善を提供することができる。眼2は、瞳孔9を画定する虹彩8を含み、この瞳孔を通って光が通過し、それにより、患者は物を見ることができる。角膜10は、支質16上に位置している上皮12を含む。上皮12は、約50μmであり得る厚さ12Tを含む。涙液が上皮12の前面を被覆する。少なくともヒト、霊長類および一部の鳥類においては、ボーマン膜14が上皮12と支質16との間に位置している。ボーマン膜14は、厚さ約5〜10μmの無細胞性で実質的にコラーゲン性の組織を含む。支質16は、角膜実質細胞が中に位置している実質的にコラーゲン性の組織を含む。一部の動物においては、ボーマン膜は存在しない場合があり、および上皮は支質層に隣接して位置している場合がある。内皮18が支質16の下に位置している。内皮18は、角膜10から虹彩8に向けて水をポンピングする細胞の層を含む。また、涙液が、上皮欠損によって露出する角膜面、例えばボーマン膜の露出面および支質の露出面を被覆する。
屈折矯正手術、例えばPRKにより、上皮を除去してボーマン膜14および/または支質16の中へと屈折矯正を切除することができる。支質および/またはボーマン膜の前面の初期プロファイルが切除プロファイル20へと切除されて患者の視力を矯正する。視力を矯正するために除去される組織のプロファイルは、「Photorefractive Keratectomy」と題する米国特許第5,163,934号明細書に記載されており、この明細書の開示は、本明細書に記載される発明のいくつかの態様に従って組み合わせるのに適する場合がある。切除プロファイル20は一般に、角膜にわたって延在して眼の屈折異常を矯正し、そして眼の収差、例えば波面収差を矯正し得る光学ゾーンを含む。切除プロファイル20は、切除プロファイルを囲み得る境界20Bと接している。切除プロファイル20は、例えば直径20Dに及ぶ最大寸法を含む。
上皮は、矢印30によって示されるように求心的に内方に動く内寄り境界を含んでもよい。
本明細書に記載される特定の態様において、上皮が再生するとき、角膜の凹凸は減少して、改善された視力または快適さの1つまたは複数を提供する。本明細書に記載されるような装置は、角膜凹凸が視力に与える影響を減らすように構成され得る。
図1A1は、瞬きする眼の上に配置された装置100を示す。上まぶたおよび下まぶたが眼の上で瞬きすることができる。態様に関する研究は、眼の上で、上まぶたが下向き動22Aを加えることができ、および下まぶたが上向き動22Bを加えることができることを示唆する。下向き動22Aは上向き動22Bよりも大きいことがある。本明細書に記載されるような湿潤性コーティング材料は、まぶたから装置に伝達される力および運動を減らして、装置の動きを阻止することができる。
図1A2は、装置の下に涙液をポンピングすることができる図1A1の装置を示す。装置100は、内寄り部分110および外寄り部分120、ならびに薬物を含み得る涙液TLを装置に通して移動させるために外寄り部分において装置の厚さを貫通して延在するレンズ孔100Fを有する。薬物は、例えば麻酔薬、鎮痛薬または他の薬物を含んでもよい。
装置100は光学コンポーネント100Aおよび結合コンポーネント100Bを含む。光学コンポーネント100Aは装置100の内寄り部分110を含んでもよく、および結合コンポーネント100Bは装置100の外寄り部分120を含んでもよい。光学コンポーネント100Aは、光学コンポーネント100が眼の視力を矯正することができるように変形に抵抗するのに十分な剛性を含む。光学コンポーネント100Aは、材料の単一層を含んでもよいし、または材料の複数の層を含んでもよい。結合コンポーネント100Bは、結合コンポーネントが、まぶたで被覆されたとき、1つまたは複数の撓みまたは弾性変形により角膜に適合することができるように光学コンポーネント100Aよりも低い剛性を含んでもよい。結合コンポーネント100Bは、光学コンポーネントに結合するための内寄りコンポーネント100B1、強膜に結合するための外寄り部分100B3および中間部分100B2を含んでもよい。中間部分100B2は、眼の上に配置されたとき、内寄りコンポーネント100B1と外寄りコンポーネント100B3との間に延在してチャンバを画定することができる。
光学コンポーネント100Aおよび結合コンポーネント100Bは、眼が閉じそして開くとき、例えば眼が瞬きするとき、角膜へと涙液をポンピングすることができる。外寄り部分120を含む外寄りコンポーネント100Bはレンズ孔100Fを含んでもよい。例えば、中間部分100B2はレンズ孔100Fを含んでもよい。外寄り部分120は、強膜および周辺部分120Pの上で結膜に接触するための強膜結合部分130を含む外寄り部分100B3を含んでもよい。強膜結合部分130は、周辺部分120Pまで延在する薄いフランジ部分を含んでもよい。強膜結合部分は、眼が瞬きするとき弾性変形して、光学コンポーネントが下へと動くことを許容することができる薄い弾性部分を含んでもよい。代替的に、または組み合わせて、外寄り部分120は、眼が瞬きするとき撓むのに十分な剛性を含んでもよい。
図1A3は、本発明の特定の態様に従う、眼が閉じるとき涙液をポンピングする図1A1および1A2の装置の略図を示す。
眼の上に配置されると、装置100は、装置の下面が角膜、角膜輪部および強膜上の結膜に沿って延在する状態でチャンバを画定することができる。まぶたが分かれると、装置100は、装置の外寄り部分の下方に延在するまぶたからのわずかな圧力によって眼の上に緩く保持される。眼が瞬きすると、まぶたは装置の外寄り部分120および内寄り部分110の上に延在して装置に圧力を加え、そのため、装置は角膜に向けて下へ付勢され、そして装置の下のチャンバの容積が減る。装置100の内寄り部分110の光学コンポーネント100Aの下への動きは、装置を下へと動かして、ポンピングされた涙液100TLをレンズ孔に通過させることができ、そして特定の態様において、ポンピングされた涙液100TLは周辺部分120Pの下に通過することができる。
図1A4は、本発明の態様に従う、眼が開くとき涙液をポンピングする図1A1および1A2の装置の略図を示す。
まぶたが開くとき、装置への圧力は減少し、そのため、装置は角膜から離れ、かつチャンバの容積を増すことができる。角膜から離れる光学部分100Aの動きは、ポンピングされた涙液100TLをレンズ孔に通して装置の中に引き込むことができ、そして周辺部分120Pおよび強膜結合部分130と結膜との接触が、周辺部分120Pの下の涙液の流れを阻止することができる。特定の態様において、まぶたが開き、そして光学部分100Aが角膜から離れるとき、周辺部分120Pおよび強膜結合部分130は結膜に接触してシールを形成することができる。
レンズ孔100Fは、レンズ孔100Fの光学アーチファクトを減らすために、光学コンポーネントから離れて、例えば光学コンポーネントの中心から約3.5mm〜約4.5mm離れて位置することができる。しかし、レンズ孔は、知覚可能な視覚的アーチファクトを生み出さないほど十分に小さい直径であり十分に少ない場合、光学コンポーネント内に位置してもよい。レンズ孔は、角膜上の装置100の向きを示すためのパターンを含んでもよい。例えば、上レンズ孔および下レンズ孔が患者における90°軸を示してもよく、および水平レンズ孔が、患者の眼における180°軸の位置を示すために提供され得る。レンズ孔は、装置が患者において180°反転していない、例えば上下逆ではないことを示すための、下方に位置するさらなるレンズ孔を含んでもよい。さらなる下レンズ孔はまた、涙液のポンピングを促進するために、下まぶたの近くに形成する涙液を含む細流に結合してもよい。例えば、眼が瞬きするとき、下まぶたは下レンズ孔の上に延在してもよく、および上まぶたは下向きに延在して下細流に結合してもよい。眼が開き、まぶたが分かれるとき、上まぶたは、細流の涙液を上レンズ孔の上に引き寄せることができ、および下まぶたは下方に動いて、細流を下細流の上に通すことができる。
装置は、数多くの光学的に明澄な材料、例えば、米国特許出願公開公報第US2010/0036488号に記載されているような合成材料または天然材料、例えばコラーゲン系材料およびそれらの組み合わせの1つまたは複数を含み得る。例えば、装置は、天然由来の材料、例えばコラーゲン系材料を含み得る。代替的に、または組み合わせて、装置は、公知の合成材料、例えばヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)ハイドロゲル、ハイドロゲル、シリコーンハイドロゲル、シリコーン、例えば水和シリコーンおよびそれらの誘導体を含み得る。例えば、光学的に明澄な材料は、シリコーン、シリコーンハイドロゲル、樹脂を含むシリコーン、シリケートを含むシリコーン、アクリレート、コラーゲン、または前記のいずれかの組み合わせの1つまたは複数を含み得る。硬化シリコーンは、二液性、熱硬化性およびRTV(室温加硫)であるシリコーンを含み得る。例えば、装置を通過する酸素拡散を高めるために、ポリジメチルシロキサン、例えばNuSilまたはポリ(ジメチル)(ジフェニル)シロキサンを使用して、例えば含水率10%未満の装置を成形し得る。装置はペルフルオロポリエーテル類またはフルオロフォカールを含み得る。材料は、装置が150を超える、特定の態様においては300を超える非常に高いDkを有するように、例えば、その中に配置された光学的に明澄なシリケート有するシリコーンエラストマーおよび約10%以下、例えば約5%以下または約1%以下の含水率を含み得、シリケートを含むシリコーンレンズは、湿潤面を提供するように処理され得る。装置は、角膜の前面に少なくとも部分的に適合するように、ハイドロゲル、例えばシリコーンハイドロゲルまたはシリコーンを含み得、約5%〜約35%の範囲内の含水率および約0.1MPa〜約40MPaの範囲または範囲の組み合わせ内の弾性率を有するように形成することができる。特定の態様において、本開示によって提供される装置は、水を含有せず、装置を通過する流体の流れに対してバリヤを提供する。例えば、角膜に適用されたとき、装置は、角膜からの流体の流れおよび装置の外面から角膜への流体、例えば涙液の流れを最小限にする、または阻止する。装置は流体シールを提供し、装置を形成する材料は、装置の厚さを横切る水分輸送を最小限にする、または阻止するように選択される。
特定の態様において、本開示によって提供される装置を形成する材料は、高い酸度透過度(Dk、cm2・mL O2/sec・mL・mmHg)、例えば100〜500、200〜500、250〜450、300〜400および特定の態様においては約350の酸素透過度を特徴とする。特定の態様において、本開示によって提供される装置は、高い酸度透過度(Dk)、例えば少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350および特定の態様においては少なくとも約400の酸素透過度を特徴とする。
装置は、低いイオノポロシティ(ionoporosity)を有するシリコーンまたはシリコーンハイドロゲルを含み得る。例えば、装置は、低いイオン透過性を含むシリコーンハイドロゲルまたはシリコーンを含み得、水の範囲は約5%〜約35%であり得、そのため、Dkは100以上である。特定の態様において、低いイオン透過性は、約0.25×10-3cm2/sec以下、例えば約0.08×10-3cm2/sec以下のイオノトンイオン透過係数を含み得る。特定の態様において、低いイオン透過性は、約2.6×10-6mm2/min以下、例えば約1.5×10-6mm2/min以下のイオノトンイオン透過係数を含む。
装置100は、装置の少なくとも表て面(前面)に配置された湿潤性表面コーティング134を含んでもよく、そのため、患者の涙膜が装置上で滑らかになり、そして患者が物を見ることができる。湿潤性表面コーティングは、患者の快適さのための潤滑コーティングを含んで、例えば、患者が瞬きするとき眼を潤してもよい。湿潤性コーティングは、約80°以下の接触角を含んでもよい。例えば、コーティングは、約70°以下の接触角を含んでもよく、そして接触角は、視力のための滑らかな涙層を有する表面を提供するために、約55〜65°の範囲内であり得る。例えば、湿潤性コーティングは、装置の上面および下面の両方に配置され得る。上面は、少なくとも内寄り部分110の上に延在する湿潤性コーティングを含んでもよい。
湿潤性コーティング134は、多くの材料の1つまたは複数を含んでもよい。例えば、湿潤性コーティング134はポリエチレングリコール(PEG)を含んでもよく、PEGコーティングはParylene(商標)上に配置され得る。または、湿潤性コーティング134はプラズマコーティングを含んでもよく、そしてプラズマコーティングはルミナス(luminous)化学蒸着(LCVD)膜を含んでもよい。例えば、プラズマコーティングは、炭化水素、例えばCH4、O2またはフッ素含有炭化水素、例えばCF4コーティングの少なくとも1つを含む。代替的に、または組み合わせて、湿潤性コーティングは、ポリエチレングリコール(PEG)コーティングまたは2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を含んでもよい。例えば、湿潤性コーティングは、Parylene(商標)コーティング上に配置されたHEMAを含んでもよいし、または湿潤性コーティングは、Parylene(商標)コーティング上に配置されたN-ビニルピロリドン(NVP)を含んでもよい。
装置100は、角膜の中央部分の曲率に対応するベース曲率半径R1を含んでもよい。装置100は、角膜上に配置され、かつまぶたが離間しているときの第一の形状100C1、および角膜上に配置され、かつまぶたが瞬きするときの第二の形状100C2を含む。第一の形状100C1および第二の形状100C2は涙液を装置100の下にポンピングする。
装置100は、装置を角膜、例えば生来の未切除の角膜またはPRKのような屈折矯正手術後の切除された角膜にフィットさせるための多くの適切な形状の1つまたは複数に対応する下面を含んでもよい。装置100の内寄り部分110の下面はベース曲率半径に対応してもよい。切除後の角膜の場合、装置は、変形に抵抗し、かつ約3mmにわたって上皮を平滑化することができ、そして6mmのようなより広い寸法にわたって切除された角膜に実質的に適合するように撓んでもよい。装置は、第一のカーブと組み合わせた第二のカーブを含んでもよく、そのため、下面は二段カーブ面を含む。または、下面は非球面に対応してもよい。例えば、非球面は、PRK後の眼にフィットするための偏球形および円錐定数を含んでもよい。本明細書に記載されるようなカーブした非球面は、未切除の眼にフィットすることができ、そして装置は、角膜の未切除中央領域の曲率に基づいて選択することができる。また、例えば複数のサイズから1つの装置を選択することにより、角膜にフィットする装置を識別することに役立ち得る。
装置100は、光学コンポーネント1 100Aを有する内寄り部分110を含んでもよい。光学コンポーネント100Aは装置100の内寄り部分110を含んでもよい。光学コンポーネントは、中央部分が変形に抵抗し、かつ凹凸を平滑化し、かつ視力を矯正するのに十分な剛性を有することができるように、約5MPa〜約40MPaの範囲内の弾性率および約100μm〜約300μmの範囲内の厚さを有してもよい。装置は、例えば装置が伸張して角膜にフィットすることができるように、伸縮性エラストマー材料を含んでもよい。約4MPa〜約40MPaの範囲内の弾性率を有する装置は、本明細書に記載されるような多くの方法で形成することができる。例えば、装置は、角膜にわたって延在する非均一な厚さを有する材料の単一片を含んでもよい。装置は、多くの方法で形状決定することができ、そして1つ材料の単一片を含んでもよいし、または2つの類似材料で構成された材料の単一片を含んでもよいし、または接合された複数の材料を含んでもよい。
図1B1は、強膜および角膜にフィットするための三段カーブプロファイルを有する装置100を示す。三段カーブプロファイルは、未切除の生来の眼にフィットするために使用することができ、その中で、ベース曲率R1は、角膜の光学的に使用される中央部分に対応する。切除された角膜の場合、ベース曲率R1は、切除された角膜に対応してもよい。三段カーブ装置は、曲率半径R1を有する内寄り下面を有する内寄り部分および曲率半径R1Bを有する外寄り下面を含む外寄り部分を含んでもよい。外寄り部分130は、内寄り部分110の滑動を阻止するために強膜の上に位置する結膜にフィットし、かつ結膜に接触するようにサイズ決定された第三の曲率半径R1Cを有する強膜結合部分130を含んでもよい。態様に関する研究は、強膜への結合が角膜上のレンズの位置合わせを改善し得ることを示唆する。
三段カーブプロファイルを有する装置100は、眼2の角膜および強膜にフィットするようにサイズ決定された寸法を含んでもよい。少なくとも三段カーブプロファイルを有する装置100は、本明細書に記載されるような内寄り部分110および外寄り部分120を含んでもよい。外寄り部分120は、眼の強膜にフィットするように形状決定された、例えば眼の結膜に接触するように形状決定された曲率R1Cを有する第三の強膜結合部分130を含んでもよく、そのため、結膜は強膜と強膜結合部分130との間に位置する。本明細書に記載されるように、内寄り部分110は寸法102を含んでもよく、および外寄り部分120は寸法104を含んでもよい。装置100は、内寄り部分110の上位置と、角膜にフィットするように形状決定された外寄り部分120の外寄り境界との間に延在するサグ高105を含んでもよい。強膜結合部分130は横断寸法103を含んでもよい。
寸法102、寸法104、寸法103、寸法105および寸法105Sは、眼の計測値に基づいて眼に対してサイズ決定することができる。寸法103は、角膜輪部から強膜結合部分の外寄り境界まで約1〜4mmの範囲内、例えば約1.5〜2mmの範囲内の距離にわたって延在する強膜の環状領域に対応してもよい。眼の角膜輪部のサイズは、例えば寸法104に対応するように計測することができ、かつ約11〜13mmの範囲内であり得る。寸法105は、角膜の頂点部から角膜輪部までの眼の高さに対応してもよく、および寸法105Sはサグ高に対応してもよく、装置の外寄り位置が、強膜を被覆する結膜に結合する。
寸法102は、生来の角膜の内寄り領域または切除部の横断寸法に対応してもよい。寸法102はより硬質の内寄り部分に対応してもよく、110は切除ゾーンの横断寸法よりも約0.5〜約2mm小さくサイズ決定することができ、そのため、軟質でかつより剛性が低い外寄り部分120が切除部および上皮デブリドマンのエッジの近くで眼に接触する。
部分130の曲率半径R1Cは、眼にフィットするように決定することができ、かつ約12mm±3mmの範囲内であり得る。外寄り部分の半径R1Bは、約±0.5mmの範囲内、例えば約±0.25mmの範囲内でフィットさせることができる。
装置100の寸法は、多くの方法で、例えば角膜および強膜のトポグラフィー計測によって決定することができる。角膜および強膜トポグラフィーは、多くの計器によって、例えば、Bausch and Lombから市販されているOrbscan(商標)トポグラフィーシステムおよびOculusから市販されているPentacam(商標)Scheimpflugカメラシステム、ならびに市販の光干渉断層撮影法(OCT)によって計測することができる。切除プロファイルをトポグラフィーと組み合わせて、眼の形状を決定することができる。
装置100の寸法は、臨床的に決定し得る許容差に基づいて、角膜および強膜の1つまたは複数に対してサイズ決定することができる。
外寄り部分120および強膜結合部分130はシリコーンまたはハイドロゲル材料、例えばシリコーンまたはシリコーンハイドロゲル材料を含んでもよく、そして内寄り部分110は、本明細書に記載されるような、硬質材料110M、例えば第一の材料110M1の第一の層110L1と第三の材料110M3の第三の層110L3との間の第二の層110L2および第二の材料110M2を含んでもよい。
本明細書に記載されるような装置の部分、例えば内寄り部分および外寄り部分は、第一の部分が第二の部分と接続する接合部を含んでもよく、そして接合部は、本明細書に記載されるような弾性率を有してもよい。装置は、少なくとも約5psi-mm2のレンチキュラー接合部剛性を有する外寄りレンチキュラー接合部分に結合した少なくとも約2psi-mm2の中央剛性を有する中央レンズ部分を有するコンタクトレンズを含んでもよい。
図1B2は、本発明の態様に従う、カーブした部分の境界における隆起を阻止するために整合したカーブしたプロファイルの傾きで強膜にフィットするための三段カーブプロファイルを有する装置100を示す。内寄り部分110は光学コンポーネント100Aを含み、および外寄り部分120は結合コンポーネント100Bを含む。結合コンポーネント100Bは、改善された快適さおよび光学コンポーネントの支持のために光学コンポーネント100Aの下に延在する材料120Mの薄い層を含んでもよい。結合コンポーネント100Bを含む外寄り部分120は、本明細書に記載されるようなレンズ孔100Fを含んでもよい。内寄り部分120は、下面に沿って第一の半径R1を含み、および上面に沿って第一の前半径R1Aを含む。外寄り部分120は、寸法102に対応する境界において第一の半径R1Aと整合した第二の半径R1Bを有する内寄り部分に結合する。外寄り部分120は、前面に沿って延在する第二の前半径R1BAを有する。角膜に接触するための、下面に沿って第二の半径R1Bを含む外寄り部分120は、眼の角膜輪部に対応する位置において、例えば寸法104に対応する境界に沿って、強膜結合部分130に結合してもよい。態様に関する研究は、角膜接触部分および強膜結合部分の境界の近くの隆起の形成が、上皮細胞移動を理想的であるよりもいくらか低下させ得、そして隆起形成を阻止するためのカーブしたプロファイルの整合が、角膜輪部上で滑らかな移行を提供することができ、かつ角膜輪部への機械的圧力を減らし得るということを示唆する。強膜接触部分130は、前曲率半径R1CAを有する上面を含む。
内寄り部分110は、切除された眼または未切除の眼にフィットするようにカーブ決定することができる。強膜結合部分の弾性率および厚さは、多くの眼に快適にフィットし、そして内寄り部分120の動きに抵抗するように、多くの方法で構成され得る。快適さのために実質的に伸張し、かつ強膜上に配置されたときの内寄り部分の動きに抵抗するために、強膜結合部分130の弾性率は約5MPa以下であってもよく、および厚さは約200μm以下、例えば100μm以下であってもよい。
強膜結合部分130の寸法103は、角膜輪部から強膜結合部分の外寄り境界まで約1〜4mmの範囲内の距離にわたって延在する強膜の環状領域に対応してもよく、そのため、寸法103は、約12mm〜約16mm、例えば約14mm〜約16mmであり得る。
部分130の曲率半径R1C、厚さおよび弾性率は、眼にフィットして内寄り部分110の動きに抵抗し、かつ快適であるように構成され得る。曲率半径R1Cは、強膜および結膜の曲率半径よりも小さくサイズ決定することができる。例えば、眼の強膜部分の曲率が例えば少なくとも約12mmであるとき、曲率半径R1Cは約10mm以下、例えば約9mm以下であり得る。第三の相対剛性は、快適さのために実質的に伸張し、かつ外寄り部分が強膜上に配置されたときの内寄り部分の動きに抵抗するために、約4E-5Pa-m3以下を含んでもよい。
曲率半径R1Cを有する強膜結合部分の厚さは、例えば約100μmの厚さからテーパ状エッジまで変化することができる。
図1B2-1は、角膜輪部への圧力が実質的に減るような、第二の半径R1Bを含む角膜接触部分の下面の傾きと、半径R1Cを含む強膜結合部分130の下面の傾きとの整合を示す。第二の半径R1Bに対応する第二の傾きは、高さR1BYおよび長さR1BXによって与えられ、ならびに第三の半径R1Cに対応する第三の傾きは、高さR1CYおよび幅R1CXによって与えられる。第二の傾きは第三の傾きと整合し、そのため、角膜輪部に対応する位置に実質的な隆起は形成されていない。例えば、第一の傾きは第二の傾きに実質的に等しいことができる。内寄り部分110の傾きは、寸法102に対応する位置においても同様なやり方で、第二の部分120の傾きと整合することができる。
図1B3は、強膜および角膜にフィットするための三段カーブプロファイルを有する図1B1の装置のテーパ状エッジを示す。強膜結合部分130は、喰付き部120FEまで距離120FWを延在する先細りするテーパを有するフランジ120Fを含んでもよい。喰付き部120FEは、第一の凸状にカーブした下面が第二の凸状にカーブした上面に接合する外縁に沿って画定され得る。外縁沿いの凸面は、装置が結膜に沿って滑動することを可能にし、および先細りするテーパは、装置の強膜結合部分が実質的に伸張し、かつ抵抗を減らしながら快適に強膜および結膜に結合することを可能にする。
装置100の寸法は、多くの方法で、例えば角膜および強膜の1つまたは複数のトポグラフィー計測またはトモグラフィー計測によって決定することができる。角膜および強膜トポグラフィーは、多くの計器によって、例えば、Bausch and Lombから市販されているOrbscan(商標)トポグラフィーシステムおよびOculusから市販されているPentacam(商標)Scheimpflugカメラシステムによって計測することができる。トモグラフィーは、角膜輪部および結膜のサグ高を決定するために、光干渉断層撮影法(以下「OCT」)によって、例えばZeiss/Humphreyから市販されているOCT計測システムを用いて計測することができる。切除プロファイルをトポグラフィーと組み合わせて、眼の形状を決定することができる。
図1B4は、本発明の態様に従う、カーブした部分の境界における隆起を阻止するために整合したカーブしたプロファイルの傾きで角膜、角膜輪部および強膜にフィットするための多段カーブプロファイルを有する装置100の平面図を示す。装置100は、レンズ孔100Fおよび視力矯正のための光学コンポーネント100A、および本明細書に記載されるように涙液をポンピングし得る外寄り結合コンポーネント100Bを含む。
図1B5は、本発明の態様に従う、図1B4の装置ならびに角膜、角膜輪部、および強膜に結合するための対応するカーブした部分の断面図を示す。
内寄り部分110は、材料110Mを含み得る光学コンポーネント100Aを含む。外寄り部分120は、外寄り材料120Mを含み得る結合コンポーネント100Bを含む。内寄り部分110は、寸法102に対応する境界に沿って外寄り部分に結合されている。内寄り部分110の下面は、第一の半径R1に対応する形状プロファイルを有する。外寄り部分120は、第一の外寄り曲率半径R1B1によって内寄り部分に結合し、そのため、寸法102に対応する位置において、本明細書に記載されるように傾きが整合する。外寄り部分120は、第一の外寄り曲率半径R1B1に結合された第二の外寄り曲率半径R1B2を含む。第一の外寄り曲率半径R1B1は、寸法104Aに対応する位置において、本明細書に記載されるように傾きが整合した状態で、第二の外寄り曲率半径R1B2に結合されている。外寄り部分120は、第二の外寄り曲率半径R1B2に結合された第三の外寄り曲率半径R1B3を含む。第二の外寄り曲率半径R1B2は、寸法104Bに対応する位置において、本明細書に記載されるように傾きが整合した状態で、第三の外寄り曲率半径R1B3に結合されている。
第一の外寄り曲率半径R1B1、第二の外寄り曲率半径R1B2および第三の外寄り曲率半径R1B3は、患者集団から決定された値を含んでもよい。第一の曲率半径R1は、患者集団に基づいて決定された値を含んでもよい。代替的に、または組み合わせて、第一の曲率半径R1は切除後プロファイルに対応してもよい。
第一の外寄り曲率半径R1B1、第二の外寄り曲率半径R1B2および第三の外寄り曲率半径R1B3を、円錐面のような非球面と組み合わせる、または交換することができる。円錐面は、円錐面が患者集団から決定される値に対応するように、第一の外寄り曲率半径R1B1、第二の外寄り曲率半径R1B2および第三の外寄り曲率半径R1B3に従って決定することができる。
強膜結合部分130は、第一の強膜結合曲率半径R1C1を含む下面および第二の強膜結合曲率半径R1C2を有する第二の強膜結合部分を有してもよい。半径R1C1を含む第一の強膜結合部分は、寸法104に対応する位置において、第三の半径R1B3に整合することができる。半径R1C2を含む第二の強膜結合部分は、テーパ状フランジ120Fの内寄り境界に対応する寸法120FWに対応する位置において、半径R1C1を有する第一の強膜結合部分に整合することができる。
図1B6は、本発明の態様に従う、図1B4の装置および上面の対応するカーブした部分の断面図を示す。上面は、内寄り前曲率半径R1Aと、第一の外寄り前曲率半径R1B1Aと、第二の外寄り前曲率半径R1B2Aを含んでもよい。強膜結合部分130は、第一の前曲率半径R1C1Aおよび第二の前結合曲率半径R1C2Aを含んでもよい。
図1B7は、本発明の態様に従う、図1B4の装置のテーパ状エッジを示す。
図1Cは、外寄り部分が、角膜の表面と適合するように構成された厚さを含み、および内寄り部分110が、上皮および角膜を平滑化するように構成された厚さを含む、均質な材料で成形された装置を含む、装置100を示す。内寄り部分110は光学コンポーネント100Aを含み、外寄り部分120は結合コンポーネント100Bを含む。内寄り部分110は、約300μm以下、例えば約200μm以下の厚さを含んでもよい。本明細書に記載されるような多くの材料を使用することができ、そして装置は1つまたは複数の材料を含んでもよい。例えば、装置は、約0.1%〜約10%の範囲内、例えば約1%以下の含水率および約5〜約90の範囲内、例えば約40〜約85の範囲内の硬さショアAデュロメータパラメータを有するシリコーンのような材料の単一片を含んでもよい。
図1C1は、内寄り厚さおよび内寄り材料110Mを含む内寄り部分110ならびに外寄り厚さおよび外寄り材料120Mを含む外寄り部分120を有し、内寄り厚さが外寄り厚さを上回る装置100を示す。内寄り材料110Mは、多くの材料を含んでもよく、かつ光学的に明澄なシリコーン、例えば樹脂とのシリコーンを含んでもよい。内寄り材料は、外寄り部分120が内寄り部分の周囲に形成された状態で型の中に配置されたシリコーンを含んでもよい。内寄り部分は、外寄り部分に類似した硬さを含んでもよい。外寄り部分120の外寄り材料120Mは、内寄り部分に類似した材料を含んでもよい。例えば、外寄り材料120Mはシリコーンを含んでもよく、および内寄り材料110Mはシリコーンを含んでもよい。内寄りおよび外寄り部分における類似した材料のこの使用は、外寄り部分への内寄り部分の接着を改善することができる。外寄り材料120Mは、内寄り部分110に沿って、例えば内寄り部分110の下面に沿って延在して、内寄り材料110Mが外寄り材料120Mのポケットの中に保持されるようにしてもよい。または、内寄り材料110Mは、内寄り部分110の厚さに実質的にわたって延在して、外寄り材料120Mが実質的に環形を含み、円板形の部分を含む内寄り材料110Mがその環の中に配置され、かつコーティングが存在する場合、実質的に上面コーティングから下面コーティングまで延在するようにしてもよい。
図1C2は、内寄り厚さおよび内寄り材料110Mを含む内寄り部分110ならびに外寄り厚さおよび外寄り材料120Mを含む外寄り部分120を有し、内寄り厚さが外寄り厚さを上回ることができ、そして外寄り材料120Mが内寄り材料110Mの周囲に延在する、装置100を示す。内寄り部分110は光学コンポーネント100Aを含み、外寄り部分120は結合コンポーネント100Bを含む。装置100は、少なくとも第二の半径R1Bを有する、少なくとも二段カーブ装置を含んでもよい。内寄り部分110Mは、材料の3つの層、すなわち、第一の材料110M1の第一の層110L1、第二の材料110M2の第二の層110L2および第三の材料110M3の第三の層110L3を含んでもよい。第二の材料110M2は、硬質材料、例えば硬質ガス透過性材料、硬質シリコーンまたは硬質シリコーンアクリレートの1つまたは複数を含んでもよい。第一の材料110M1および第三の材料110M3は、軟質材料、例えば軟質エラストマー、軟質ハイドロゲル、または軟質シリコーン、例えば光学的に明澄な軟質シリコーンまたは軟質シリコーンハイドロゲルの1つまたは複数を含んでもよい。第一の材料、第三の材料および外寄り材料120Mは類似した材料を含んでもよく、そのため、硬質材料110M2の第二の層は、第一の軟質材料110M1、第三の軟質材料110M3および、外周において、外寄りの軟質材料120Mによって封じ込められる。特定の態様において、第二の硬質材料110M2は、第一の材料110M1、第三の材料110M3および外寄り材料120Mそれぞれに類似した材料を含み、例えば、それぞれがシリコーンを含んでもよく、そのため、装置100の対応する部分を例えばシリコーンエラストマー材料に類似したシリコーンによって接合することができる。特定の態様において、装置100は、硬質の第二の材料110M2を型に入れ、第一の材料110M1、第三の材料110M3および外寄り材料120Mを含む材料の単一片の中に封じ込めることにより、型の中で形成することができ、そのため、第一の材料110M1、第三の材料110M3および外寄り材料120Mは実質的に同じ材料、例えばシリコーンエラストマーを含む。硬質の第二の材料110M2は、例えば硬化によって第一の材料110M1、第三の材料110M3および外寄り材料120Mそれぞれに接合したシリコーンを含んでもよく、そのため、第一の材料110M1、第三の材料110M3および外寄り材料120Mは、硬質シリコーンを含む第二の材料110M2に接合した同じ軟質シリコーン材料を含む。
軟質材料120Mで構成された軟質の外寄り部分120、軟質材料110M1で構成された第一の層100L1および軟質材料120M3で構成された第三の層110L3を含む軟質材料は、患者のための改善された快適さおよび治癒を提供することができ、かつ本明細書に記載されるようにレンズ孔100Fおよび強膜結合コンポーネント130および周辺部分120Pおよびフランジ120Fと組み合わさると、装置を眼の中に装用することができる時間を延ばすことができる。硬質材料110M2を含む硬質部分が患者の視力を矯正するとき、軟質材料は、眼の組織に少なくとも部分的に適合するために、撓む、曲がる、または凹むことができる。内寄り部分110の横断寸法102は、眼の入射瞳孔または切除ゾーンの1つまたは複数を実質的に被覆するようにサイズ決定することができる。切除された眼の場合、寸法102は、切除寸法、例えば切除直径20Dよりもわずかに小さくサイズ決定することができ、そのため、内寄り部分110Mが硬質材料110M2の層によって視力を矯正するとき、上皮が内向きに成長し、かつ硬質材料120M2から実質的に途切れることなく軟質の第一の材料110M1の層110L1と接触することができる。まぶたもまた、改善された快適さのために第三の層110M3の上で動くことができる。軟質の第一の材料110M1および軟質の第三の材料110M3は、例えば軟質エラストマー、軟質ハイドロゲル、または軟質シリコーンを含んでもよく、かつそれぞれ、硬質の第二の材料110M2の第二の層110L2を封じ込めるために同じ材料を含んでもよい。
軟質材料120Mで構成された軟質の外寄り部分120、軟質材料110M1で構成された第一の層110L1および軟質材料120M3で構成された第三の層110L3を含む軟質材料は、約1〜20MPaの範囲内、例えば約1〜5MPaの範囲内の弾性率を有することができる。
第二の層120L2の内寄り材料120Mおよび120M2は、例えば以下の表Aに示されるような約5MPa〜約35MPa以上の範囲内の弾性率を有することができる。例えば、材料120Mがシリコーンエラストマーを含む、または材料120M2の層110L2がシリコーンエラストマーを含む場合、弾性率は、約5MPa〜約35MPaの範囲内、例えば約20MPa〜約35MPaの範囲内であり得る。
装置100の層は、眼2の上に配置されたとき治療的恩恵を提供するための寸法を含むことができる。層110L1の厚さは、約5μm〜約50μm、例えば約10μm〜30μmの範囲内であって、層110L1が、レンズを受けるための軟質で少なくとも部分的に適合性の材料を提供することができるようにすることができる。中間層110L2は、例えば約20μm〜約150μmであり得、そして材料M2は、中間層が撓むとき眼の上皮を撓ませるために第一の層110L1の第一の材料110M1よりも高い弾性率を有することができる。第三の層110L3は、約5μm〜50μmの範囲内、例えば約10μm〜約30μmの範囲内であり得、そして第二の層110L2を被覆して第二の層を装置100の内寄り部分110中に保持することができる。
治療用装置100は、第一の内寄り材料110Mおよび第二の外寄り材料120Mを含んでいてよく、外寄り部分120は、弾力的に伸張して結膜または角膜の上皮の1つまたは複数と適合するように構成された硬さを含み、および内寄り部分110は、光学的な恩恵を提供するために角膜に適合するように構成された第二の硬さを含む。外寄り材料120Mは、本明細書におけるような多くの材料を含んでもよい。内寄り部分および外寄り部分それぞれのショアA硬さは、約5〜約90の範囲内であり得る。例えば、外寄り材料120Mは、約20〜約50、例えば約20〜約40の硬さショアAデュロメータを有するシリコーンを含んでもよく、および内寄り材料110Mは、約40〜約90、例えば約50〜約90のショアA硬さを有するシリコーンを含んでもよい。外寄り部分は外周120Pを含み、そして外周は、例えば装置のベース半径が角膜よりも小さいとき上皮に当接して上皮とシールを形成するための周辺および周方向エッジ構造を含んでもよい。周辺および周方向エッジ構造は、外周の周囲に延在して上皮に当接するエッジ、例えば、外周まで延在するエッジ部分のテーパ、外周まで延在するエッジ部分のベベルまたは外周まで延在するエッジ部分の喰付き部の1つまたは複数を画定するように多くの方法で形状決定することができる。内寄り部分110は内寄り厚さおよび内寄り材料110Mを含んでもよく、および外寄り部分120は外寄り厚さおよび外寄り材料120Mを含んでもよく、内寄り厚さは外寄り厚さと実質的にほぼ同じである。
上皮に当接するための周辺エッジ構造は、本明細書に記載されるような内寄り部分の多くの形状とともに使用することができる。例えば、内寄り部分は、角膜に接触し、それを平滑化するための低剛性面と、高剛性光学面を有するRGPレンズ材料を含んでもよい。または、内寄り部分は、本明細書に記載されるように角膜に適合してもよい。外寄り部分はスカートを含んでもよく、そしてスカートは、角膜に当接し、かつそれをシールするための周辺エッジ構造、例えば喰付き部を含んでもよい。エッジ構造を含む外寄り部分の剛性は、本明細書に記載されるように、硬さおよび厚さの1つまたは複数で角膜をシールするように決定することができる。
図1C2Aは、装置の後面にシリコーンまたはハイドロゲル材料の層を有する図1-2A〜1B7のうちの1つまたは複数におけるような装置を示す。装置100は、本明細書に記載されるように装置の少なくとも表て面に配置された湿潤性表面コーティング134を含んでもよい。シリコーンまたはハイドロゲル材料の層は、シリコーンまたはハイドロゲル材料110MHGの層の内寄り部分およびシリコーンまたはハイドロゲル材料120MHGの層の外寄り部分を含んでもよい。シリコーンまたはハイドロゲル材料の層は、レンズ孔まで延在してシリコーンまたはハイドロゲル材料をレンズ孔に結合している。シリコーンまたはハイドロゲル材料は、多くの方法でレンズ孔に結合することができる。例えば、シリコーンまたはハイドロゲル材料の層がレンズ孔を被覆してもよいし、またはレンズ孔100Fがシリコーンまたはハイドロゲル材料を貫通してもよい。シリコーンまたはハイドロゲル材料の層を貫通するレンズ孔100Fは、本明細書に記載されるような、涙液のポンピングを促進することができる。代替的に、または組み合わせて、レンズ孔100Fの後面を被覆してレンズ孔100Fをシリコーンまたはハイドロゲル層に結合するシリコーンまたはハイドロゲル材料の層は、例えばシリコーンまたはハイドロゲル層に沿って角膜の中央部分に向かう治療剤の移動を促進してもよい。シリコーンまたはハイドロゲルは、装置の可撓性部分に沿って延在して、例えば患者が瞬きするとき少なくともいくらかの圧力をシリコーンまたはハイドロゲル層に加えて、シリコーンまたはハイドロゲル層に沿う涙液または治療剤の1つまたは複数の移動を促進してもよい。
本明細書に記載されるようなシリコーンまたはハイドロゲル層は、上皮の再生を促進してもよく、かつ本明細書に記載されるように、切除部の上に再生する上皮に接触して、光学コンポーネント下での上皮再生を促進するための軟らかな表面を提供してもよく、そして光学コンポーネントは、変形に抵抗して上皮を保護し、かつ上皮の再生を促進するための環境を提供することができる。
シリコーンまたはハイドロゲル材料は、本明細書に記載されるようなシリコーンまたはハイドロゲル材料の1つまたは複数を含んでもよい。下面に沿って延在するシリコーンまたはハイドロゲル材料は、眼の上に配置されたときの装置の快適さを増すことができる。シリコーンまたはハイドロゲル材料は、約1μm〜約100μm、例えば約2μm〜約50μmの範囲内、および特定の態様においては約5μm〜約20μmの範囲内の実質的に均一な厚さを含んでもよい。後面に沿って延在するシリコーンまたはハイドロゲル材料は、本明細書に記載されるようなシリコーンまたはハイドロゲル材料の1つまたは複数を、本明細書に記載されるような材料110M、110M1、110M2、110M3または120Mの1つまたは複数と組み合わせて含んでもよい。例えば、材料110M、110M1、110M2、110M3または120Mの1つまたは複数は、シリコーン、例えばシロキサンを含むシリコーンエラストマーを含んでもよく、およびシリコーンまたはハイドロゲルは、本明細書に記載されるようなシリコーンまたはハイドロゲル材料のようなシリコーンまたはハイドロゲルを含んでもよい。
図1C2Bは、装置の最大距離未満に延在するハイドロゲル材料の層を装置の後面に有して、眼の上に配置されたとき装置の端部分がハイドロゲル層から離れたところで眼の上皮と係合し、かつ装置の動きを阻止するように構成されている、図1-2A〜1B7のうちの1つまたは複数におけるような装置を示す。特定の態様において、材料120Mは、眼の表面、例えば上皮に結合して、装置の動きを阻止することができる。材料120Mは、上皮と係合して動きを阻止するためのシリコーンのような粘着性の疎水性材料を含んでもよく、かつ材料120Mは、本明細書に記載されるような1つまたは複数のコーティングで、例えば蒸着によってコートされてもよい。シリコーンまたはハイドロゲル材料は、多くの方法でレンズ孔に結合することができる。例えば、シリコーンまたはハイドロゲル材料の層がレンズ孔を被覆してもよいし、またはレンズ孔100Fがシリコーンまたはハイドロゲル材料を貫通してもよい。
図1C2Cは、シリコーンまたはハイドロゲル材料120MHGの環状層を装置の後面に有して、眼の上に配置されたとき装置の内寄り部分がシリコーンまたはハイドロゲル層から離れたところで角膜に接触し、そして装置の外寄り部分が装置から離れたところで角膜に接触するようにした、図1-2A〜1B7のうちの1つまたは複数におけるような装置100を示す。態様に関する研究は、環状のシリコーンまたはハイドロゲル層が、本明細書に記載されるような内寄り材料110M1の後面に沿って上皮の成長を促進するための環境を提供することができ、および材料110M1の下面が、例えばシリコーンまたはハイドロゲルよりも小さい厚さを有する材料でコートされ得ることを示唆する。
図1C3は、強膜にフィットするために三段カーブプロファイルを有し、そのカーブしたプロファイルの傾きどうしが整合して、図1B2におけるようなカーブした部分の境界における隆起を阻止し、かつシリコーンまたはハイドロゲル材料120MHGの層を下面に有する装置を示す。シリコーンまたはハイドロゲル材料120Mは、装置の後面に実質的にわたって延在してもよい。シリコーンまたはハイドロゲル材料は、下面に沿って、装置にわたる距離よりも小さい距離だけ延在して、眼、例えば角膜上皮または結膜上皮の1つまたは複数を含んでもよい眼の上皮と係合するシリコーンまたはハイドロゲルのない装置の部分を提供してもよい。または、シリコーンまたはハイドロゲル材料は、装置にわたる距離に対応する装置の後面に沿って実質的に延在して、眼と係合する装置の外寄り部分の上にシリコーンまたはハイドロゲル材料を有する装置の部分を提供してもよい。
図1C4は、角膜、角膜輪部および強膜にフィットするための三段カーブプロファイルを有し、そのカーブしたプロファイルの傾きどうしが整合して、図1B4におけるようなカーブした部分の境界における隆起を阻止し、かつ装置にわたる最大距離よりも小さい距離だけ延在して、シリコーンまたはハイドロゲル材料から離れたところで結膜を装置と係合させるシリコーンまたはハイドロゲル材料を下面に有する装置の平面図を示す。または、シリコーンまたはハイドロゲル材料は、装置にわたる距離に対応する装置の後面に沿って実質的に延在して、眼と係合する装置の外寄り部分の上にシリコーンまたはハイドロゲル材料を提供してもよい。シリコーンまたはハイドロゲル装置は、本明細書に記載されるように、下面に沿って延在する環形を含んでもよい。
図1C5は、本発明の態様に従う、装置100の後面に沿って延在するシリコーンまたはハイドロゲル材料29MHGの層で被覆された後端100FPEを有するレンズ孔100Fを示す。
図1C6は、本発明の態様に従う、装置100の後面に沿って延在するシリコーンまたはハイドロゲル材料120MHGの層を貫通して延在するレンズ孔100Fを示す。
図1Dは、態様に従う、装置の下面に沿ってレンズ孔100Fから外側へと半径方向に延在するチャネル100FCを含む装置を示す。
図1Eは、態様に従う、装置の下面に沿ってレンズ孔100Fから内側へと半径方向に延在するチャネル100FCを含む装置を示す。
図1Fは、加重に応答するレンズの部分の撓みを計測するための試験機器190を示す。本明細書に記載されるような装置および複合層の加重撓みを使用して、装置の撓みおよび対応するポンピングを決定することができる。態様に関する研究は、上皮と接触する内寄り装置または外寄り装置の1つまたは複数が、本明細書に記載されるように、涙液を装置の下から付勢するために、眼の瞬きが装置を弾性変形によって十分に撓ませるような剛性を含んでもよいことを示唆する。例えば、本明細書に記載されるように、切除された角膜を被覆し、かつポンピングを提供するのに適した装置の内寄り部分120はまた、生来の未切除の角膜を被覆して、涙液のポンピングとともに視力矯正を提供するのにも十分に適している。外寄り部分120は、眼が瞬きするとき撓み、かつコンタクトレンズのような装置の下に涙液をポンピングし得る弾性変形を提供するのに十分な、本明細書に記載されるような剛性を含んでもよい。
試験機器190は、開口部192を有する硬質の支持体を含んでもよく、そのため、その開口部192を通して装置100の撓みを計測することができる。開口部192は、荷重196に応答する内寄り部分110の撓み110Dを計測するために、内寄り部分110の横断寸法よりも小さくサイズ決定することができる横断寸法194を有する。撓み110Dは、ピーク撓み、例えば距離を含んでもよい。荷重196は、点荷重または直径104に対応する面積に分散した荷重、例えば装置の下側に加わる気体または液体からの圧力を含んでもよい。装置は、眼の上に配置される前の装置の形状に対応する第一の形状C1を含んでもよく、および装置は、眼の上に配置されたときの第二の形状C2を含んでもよく、そして視力を実質的に低下させることなく装置100を撓ませることができ、上皮を平滑化するような、装置100を撓ませるための力および/または圧力の量を決定することができる。例えば、装置は、約1または2ライン分以下しか視力を低下させず、装置が上皮を平滑化し、かつ本明細書に記載されるような環境100Eを提供することができるように、わずかに撓んでもよい。
装置の弾性率および厚さを使用して、装置100の相対剛性の量、一定距離にかけて装置100を撓ませるための対応する力の量および本明細書に記載されるように撓んだ装置によって上皮を平滑化するための対応する圧力の量を決定することができる。
相対剛性の量は、弾性率×厚さの3乗に基づいて決定することができる。撓みの量は、装置上の撓みスパンの6乗、弾性率および厚さの3乗に対応する。撓みに対するスパンのほぼ四次の関係が、本明細書に記載されるような装置を約4mm〜6mmの範囲内の切除プロファイルに少なくとも部分的に適合させることを可能にし、例えば約3mm以下の直径を有する凹凸を実質的に阻止することができる。
撓みは、以下の式によって近似することができる。
撓み≒(定数)×(加重×スパン4)/(弾性率×厚さ3
上記近似は、例えば内寄り部分の実質的に均一な厚さを有する装置100の性質を理解するために役立つことができる。実質的に均一な厚さは、約±25%の範囲内、例えば約±10%の範囲内に均一である厚さを含んでもよく、そのため、装置は、切除ゾーンの表面積の少なくとも大半に実質的に適合し、かつ切除部の表面積のほんの僅かな部分に相当する切除ゾーンのより小さな部分の上の凹凸を阻止することができる。特定の態様において、装置は、少なくとも約4mmの直径を有する区域の上に適合し、かつ直径約4mm以下の区域上の凹凸を阻止し、例えば約3mm以下の区域の上の凹凸をより少なく阻止する。例えば、上記式に基づいて、撓みは、スパンの4乗に関連し、そのため、匹敵する荷重の場合、2mmスパンは4mmスパンの約1/16hの撓みを有する。同様に、3mmスパンは6mmスパンの約1/16hである撓みを有する。撓みは厚さの3乗に関連するため、厚さの倍増は、撓みを約8の因数だけ減らすことができる。上記近似を治験と組み合わせて、本明細書に記載されるような態様に従って組み込むのに適した厚さおよび弾性率を決定することができる。
実質的に均一な厚さを有する材料の独立円形スパンの撓みの式は以下のとおりである。
Figure 2018088007
式中、
W=表面上に均等に分散した荷重、すなわち圧力(Pa);
R=独立材料のスパン(m);
E=ヤング率(Pa);
t=厚さ(m);
v=ポアソン比(無単位、材料の間で一定とみなす);および
y=撓み(m)である。
撓みの式は、Theory and analysis of elastic plates, Junuthula Narasimha Reddy, p. 201 equation 5.3.43 (1999)に記載されている。
上記式は、実質的に平坦な面の場合の相対剛性を表すが、式は曲面を近似することもでき、そして当業者は、本明細書に記載された教示に基づいて、例えば有限要素モデリングによって、撓み荷重および相対剛性を経験的に決定することができる。
(表A1)本明細書に記載されるような装置の内寄り部分の材料、弾性率、厚さ、相対剛性Dk/および撓み荷重
Figure 2018088007
表A1に示されるように、約50μmの厚さを有する、エンフルフォコン(enflufocon)またはヘキサフォコン(hexafocon)のようなRGP材料は、切除された支質に少なくとも部分的に適合するための、上皮平滑化に適した相対剛性を有することができる。約20MPaの弾性率および約250μmの厚さを有する硬質シリコーンは、相対剛性3E-4ならびに約50μmの厚さおよび約1900MPaの弾性率を有するRGP材料に類似した荷重撓みを提供して、約2.4E-4の相対剛性を提供する。表A1に示されるような市販のRGPレンズ材料を、本明細書に記載されるような態様に従って組み合わせて、装置100を提供することができる。本明細書に記載される教示に基づき、当業者は、弾性率および所期の相対剛性に基づいて装置の厚さを決定することができる。
本明細書に記載されるような治験に従う態様に関する研究は、約3E-4(3×10-4Pa-m3)の相対剛性を有する装置100の内寄り部分110が、視力を改善し、かつ眼に少なくとも部分的に適合して、少なくともいくらかの快適さを提供し、かつフィッティングを改善するのに有効であり得ることを示した。多くの眼が多くの装置と計測され、態様に関する研究は、約1E-4〜約5E-4(Pa-m3)の範囲内の相対剛性を有する内寄り部分110が、本明細書に記載されるように装置が切除部に適合し、かつ上皮を平滑化することを可能にすることを示す。例えば、内寄り部分110は、約2E-4〜約4E-4の範囲内の相対剛性を有してもよく、そして眼は、装置100の撓みに基づいて相応にフィットさせることができる。
相対剛性は、眼の上の装置100の撓みの量に関連することができる。態様に関する研究は、約2mmまたは3mmの内寄り直径が平滑化されるとき、約3E-4の内寄り部分110の相対剛性が、眼の上に配置されたとき、約±2D撓んで、約5mmまたは6mmの切除直径にかけて約±2Dの範囲内で切除部に適合することができることを示す。約2mmまたは3mmの内寄り直径が平滑化されるとき、約1.5E-4の相対剛性を有する装置100は、眼の上に配置されたとき、約±4D撓んで、約5mmまたは6mmの直径にかけて約±4Dの範囲内で切除部に適合することができる。
o-n、例えば複数の材料を有する複数の層を有する被覆物に関する。
(表A3)層状装置の相対剛性
Figure 2018088007
2つ以上の材料が組み合わされて2つ以上の層を提供するとき、各層の相対剛性を合わせて全複合剛性を決定することができる。例えば、第一の材料の第一の層110L1、第二の材料M2の第二の層110L2および第三の材料110L3の第三の層110L3を有し、第一および第三の材料が同じ材料であり得る装置に関して、複合剛性を決定することができる。
重み付き平均システムを使用して2つの層を1つの材料として扱うことができる。各材料の相対量および2つの材料の弾性率を合わせて、各層の厚さの重量平均に基づいて、複合弾性率を決定することができる。例えば、20MPa材料層90μmと5MPa材料層10μmとを合わせて、以下のように複合弾性率を決定することができる。
20MPa×0.9+5MPa×0.1=18.5MPa
本明細書に記載される式は、異なる材料および厚さの多くの層を受け入れる。
複合弾性率に基づいて、複合弾性率を全厚さの3乗で掛けることができ、この例においては、18.5MPa×1003。これらの計算は近似値に基づくことができるが、当業者は、シミュレーション、例えば有限要素モデリングシミュレーションを実施して、本明細書に記載されるように相対剛性、圧力ならびに撓み力および圧力の量を決定することができる。
装置100の1つまたは複数の層の屈折率は角膜の屈折率に実質的に対応してもよい。
材料110M1、110M2または110M3の1つまたは複数は、角膜の屈折率を約±0.05の範囲内に一致させるために、約1.38〜約1.43の範囲内の屈折率を含んでもよい。例えば、材料110M1および110M3は、約1.41の屈折率を有する光学的に透明な軟質シリコーンエラストマーを含んでもよく、ならびに材料M2は、例えばNuSilから市販されている、約1.43の屈折率を有する光学的に透明な硬質シリコーンエラストマーを含んでもよい。または、例えば、材料110M1および材料110M3はシリコーンまたはハイドロゲルを含んでもよく、ならびに材料110M2はシリコーンを含んでもよい。
装置は、類似した材料、例えばより硬質のシリコーンをより軟質のシリコーンと合わせた材料を含んでもよいが、装置は、異なる材料を含んでもよい。例えば、本明細書に記載されるような二段カーブまたは三段カーブ態様のように、RGP材料をシリコーンまたはハイドロゲルと合わせることができる。装置は、安定性のために少なくとも角膜輪部まで延在することができる。RGP材料は、例えば表A1に従って、第二の材料110M2の第二の層110L2を含んでもよく、ならびにハイドロゲルは、第一の材料110M1の第一の層110L1および第三の材料110M3の第三の層110L3を含んでもよい。ハイドロゲルは、約1.377の角膜の屈折率に約0.05の範囲内で一致するために、約1.38〜約1.42の屈折率を有してもよく、そして例えばVista Optics, UKから市販されているHEMA、NVP、GMA、MMA、SiH、TRS、HEMA/NVP、MMA/NVP、HEMA/GMAまたはSiH/TRSの1つまたは複数を含んでもよい。HEMA/NVP、MMA/NVPまたはHEMA/GMAを含むハイドロゲルは、約1.38〜約1.43の範囲内の屈折率を提供するように、約40%〜約70%の範囲内の含水率を有してもよい。約40%の含水率が約1.43の屈折率に対応し、および約70%の含水率が約1.38の屈折率に対応する。SiH/TRSを含むハイドロゲルは、約1.38〜約1.43の範囲内の屈折率を提供するように、約20%〜約70%の範囲内の含水率を含んでもよい。これらのSiHハイドロゲルを用いる場合、約20%の含水率が約1.43の屈折率に対応し、および約70%の含水率が約1.38の屈折率に対応する。
図2Aは、特定の態様に従う、まぶたが分かれた状態で眼の上に配置されたコンタクトレンズを含む装置100を示す。装置100は、涙液TLが装置と角膜との間で装置の少なくとも一部分の下に延在してチャンバ100Cを提供するように眼の上に配置されている。装置100は、オンKか、または角膜よりもわずかにフラットにフィットさせて、チャンバ100Cを提供することができる。代替的に、または組み合わせて、外寄り部分120のフランジ120Fおよび強膜結合部分120Sが結膜よりもスティープな角度を含んでもよく、そのため、装置が内寄り部分110の近くで角膜から離れるように付勢されてチャンバ100Cを提供する。装置100は、装置の中心から強膜結合部分130の外周120Pまでの高さ距離に対応するサグ高105S1を含む。患者が物を見るためにまぶたが分かれることができる。
図2Bは、まぶたが閉じるときの図2Aの装置の断面図を示す。
図2Cは、態様に従う、まぶたが閉じるときの図2Aの装置の正面図を示す。まぶたは、上まぶたの下向き動22Aおよび下まぶたの上向き動22Bによって閉じることができる。まぶたの閉止が装置100に圧力を加え、そのため、装置100は第二の形状100C2を含む。第二の形状100C2は、第二のサグ高105S2まで低下したサグ高105を含み、そのため、チャンバ100Cの容積は減り、かつポンピングされる涙液100TLを装置の下から付勢する。ポンピングされる涙液100TLは、外寄り部分120Pの下から外側へと半径方向に流れ、そしてレンズ孔100F、例えばまぶたによって被覆されていないレンズ孔を通過する。まぶたの圧力は、装置100を角膜100に向けて付勢して、チャンバ100Cの容積を減らすことができる。フランジ120Fを含む外寄り部分120が弾性変形によって撓むとき、チャンバ100Cの容積は実質的に減ることができる。代替的に、または組み合わせて、角膜に対応する外寄り部分120が撓んでチャンバ100Cの容積を減らすこともできる。特定の態様において、光学コンポーネント100Aを含む内寄り部分110がまぶたの圧力によって撓んで、チャンバ100の容積を減らしてもよい。
図2Dは、態様に従う、まぶたが開くときの図2Aの装置の側面プロファイルを示す。上まぶたの上向き動22Cおよび下まぶたの下向き動22Dによってまぶたが引っ込むとき、装置100は、第一のサグ高105S1を有する第一の形状100C1に戻ることができ、そのため、チャンバの容積は増す。フランジ120Fを含む外寄り部分120および強膜結合部分130の周辺部分120Fが結膜に接触して、結膜と接触シールを形成してもよい。結膜との接触シールは、レンズ孔100Fを通過してチャンバ100Cに入る涙液TLの流れを促進し、そのため、ポンピングされる涙液100TLは角膜と装置100との間に位置することができる。
眼が閉じるとき、下まぶたの涙液細流は上方に動いて、眼の表面に涙液を提供することができ、およびまぶたが互いに接触するとき、細流の少なくとも一部分は上まぶたに結合することができる。動き22Cによって上まぶたが上方に動き、および動き22Dによって下まぶたが下方に動くとき、上まぶたは涙液TLを上レンズ孔の近くに提供して上レンズ孔に通過させ、および下まぶたは涙液TLを下レンズ孔の近くに提供して下レンズ孔に通過させる。
繰り返される眼の瞬きが自然に起こって、涙液を被覆物の下にポンピングし、そして装置の下の角膜および結膜を洗浄してもよい。装置によって提供されるこのポンピングおよび洗浄は、患者、例えば正常な未切除の眼を有する患者が装置を装用することができる期間を延ばすことができ、そして例えばPRK後の眼の上皮再生を促進し得る。
図2Eは、態様に従う、まぶたが分かれているとき、チャンバを画定するために装置が角膜の外寄り部分から離れた状態で、装置が角膜の内寄り部分および結膜によって支持されているような、眼の上に配置されたコンタクトレンズを含む装置を示す。装置100は、角膜の内寄り部分、例えば中央位置で角膜に接触してもよい。内寄り部分110は、本明細書に記載されるように、例えばオンKフィッティングにより、中央で角膜にフィットするようにサイズ決定することができる。フランジ120Fおよび強膜結合部分130を含む装置120の外寄り部分は、内寄り部分110が中央で強膜に接触するとき、結膜に接触するようにサイズ決定することができ、そのため、角膜の外寄り部分の上にチャンバ100Cが形成され、角膜の外寄り部分と装置との間にギャップが延在する。角膜の外寄り部分の上に延在する装置の外寄り部分120は角膜よりも小さい曲率を有してもよく、そのため、内寄り部分110が角膜によって支持され、かつフランジ120Fを含む外寄り部分120が結膜に結合されるとき、角膜の外寄り部分の上の外寄り部分120はチャンバ100Cを形成することができる。レンズ孔100Fは、装置上、まぶたが開いているときのチャンバ100Cおよびギャップの位置に対応するように位置することができる。外寄り部分120は、まぶたが開いているときには、チャンバ100Cを形成するのに十分な耐撓み性を含み、およびまぶたが外寄り部分の上に動くときには、不十分な耐撓み性を含み、そのため、まぶたが閉じるとき、外寄り部分は角膜に近づき、かつギャップを減らす。
装置100は、チャンバ100Cの形成を促進するために、装置100が、下にチャンバ100Cが形成される初期形状100C1を含むように、角膜にフィットさせることができる。角膜は、角膜の頂点部から角膜輪部まで延在する高さ距離に対応する角膜輪部サグ高105Lを含んでもよい。角膜輪部は、眼の計測軸から半径方向距離105RLに位置してもよい。眼は、眼の軸から半径方向距離105RCにおける結膜サグ高105Cを含んでもよい。装置は、角膜輪部までの半径方向距離RLに対応する位置における角膜輪部サグ高105LCを含んでもよい。装置は、例えばフランジ120Fに沿って結膜の半径方向距離105RCに対応する結膜接触位置における結膜サグ高105CCを含んでもよい。特定の態様において、角膜輪部に対応する位置における装置のサグ高105LCは角膜輪部サグ高105L以下であり、および結膜に対応する位置における装置のサグ高105CCは結膜サグ高105C以下であり、そのため、角膜輪部への圧力は減る。装置が眼の上に配置されると、フランジ部分120Fを含む結膜結合部分130は撓むことができ、そのため、結膜接触部分のサグ高が結膜のサグ高105CCから結膜のサグ高105Cに減り、そのため、装置のサグ高はサグ撓みサグ高105S2を含む。
図2Fは、まぶたが閉じ、そのため、装置100が、チャンバ100Cの容積が減少した形状100C2を含む、図2Eの装置の断面図を示す。まぶたが閉じるとき、上下のまぶたは装置に圧力を加え、そのため、装置は角膜の外寄り部分および結膜に向けて付勢される。角膜の外寄り部分の上の装置の外寄り部分は十分な耐撓み性を有しなくてもよく、そのため、装置の外寄り部分は角膜の外寄り部分の方へと下へ撓む。角膜の外寄り部分の上の装置の外寄り部分の間に延在するギャップの距離が減少し、そのため、チャンバ100Cの容積が減り、そしてポンピングされる涙液100TLは、チャンバ100Cからレンズ孔100Fを通過して、フランジ部分120Fを含む結膜接触部分130の下に流れる。上まぶたは瞳孔にわたって延在して、上および下レンズ孔100Fを被覆することができる。上まぶたが下まぶたに接触して、眼が開くとき細流の涙液を上方に引き寄せることができ、そのため、細流の涙液は、上および下レンズ孔を通ってチャンバの中に引き込まれ得る。
角膜の外寄り部分の上での装置の外寄り部分の撓みは、約1.0E-6Pa-m3〜約6E-4Pa-m3、例えば約2.5E-6Pa-m3〜約5E-4Pa-m3の範囲内の相対剛性を有する装置によって提供することができる。表A2は、まぶたが装置の部分から離れたときには耐撓み性を提供し、かつギャップのあるチャンバを形成するための、および、まぶたが装置の部分を被覆するときには角膜の方に撓み、かつギャップおよび対応するチャンバ容積を減らすための、装置の外寄り部分の相対剛性を決定するために、本明細書に記載される教示に基づいて決定することができる、角膜の外寄り部分に対応する外寄り部分120の相対剛性の適切な値および対応する範囲を示す。
結膜に結合するための強膜接触部分130の撓みは、約2E-4Pa-m3以下、例えば約1E-4Pa-m3以下、特定の態様においては約2E-5Pa-m3以下の相対剛性を含む強膜接触部分130によって提供することができる。表A2は、まぶたが装置の部分から離れたときには耐撓み性を提供し、かつギャップのあるチャンバを形成するための、および、まぶたが角膜の外寄り部分の上の装置の外寄り部分を被覆するときには角膜の方に撓み、かつギャップおよび対応するチャンバ容積を減らすための、装置の強膜結合部分の相対剛性を決定するために、本明細書に記載される教示に基づいて決定することができる、強膜結合部分130の相対剛性の適切な値および対応する範囲を示す。
結膜に結合するためのフランジ部分120Fの撓みは、約1E-4Pa-m3以下、例えば約2E-5Pa-m3以下、特定の態様においては約2.5E-6Pa-m3以下の相対剛性を含むフランジ部分130によって提供することができる。表A2は、まぶたが装置の部分から離れたときには耐撓み性を提供し、かつギャップのあるチャンバを形成するための、および、まぶたが角膜の外寄り部分の上の装置の外寄り部分を被覆するときには角膜の方に撓み、かつギャップおよび対応するチャンバ容積を減らすための、装置のフランジ部分120Fの相対剛性を決定するために本明細書に記載される教示に基づいて決定することができる、外寄りフランジ部分120Fの相対剛性の適切な値および対応する範囲を示す。
図2F1は、特定の態様に従う、まぶたが閉じるとき眼が回動して、涙液がポンピングされるとき上皮に沿った装置の滑動が阻止されるような、図2Fの装置の断面図を示す。眼の軸は上方に回転することができ、そのため、装置は上まぶたおよび下まぶたに沿って滑動する。眼の軸は、1つまたは複数の公知の眼の軸を含んでもよく、および当業者によって多くの方法で決定することができる。
図2Gは、態様に従う、まぶたが開くときの図2Eの装置の断面図を示す。まぶたの開放は圧力を減らし、そして角膜の外寄り部分の上の装置の外寄り部分が角膜から離れることを可能にする。涙液TLがレンズ孔100Fを通過してチャンバ100Cに入ってもよい。部分130およびフランジ120Fを含む装置の外寄り部分は結膜に接触して涙液の流れを阻止することができ、および装置をシールしてもよい。
図2Hは、態様に従う、まぶたが中間位置に位置し、そのため、チャンバが中間配置100C12容積を含むときの、図2Eの装置の断面図を示す。内寄り部分110を含む光学コンポーネント100Aは、装置が、チャンバ100Cの容積を減らすように撓んだ外寄り部分120を有する中間部分100C12を含むとき、患者に視力を提供するのに十分な剛性および耐撓み性を含んでもよい。例えば、患者は、まぶたを瞳孔の縁まで閉じて外寄り部分を撓ませることができ、ならびに光学コンポーネント100Bおよび内寄り部分110は、実質的に撓みのない状態にとどまることができ、そのため、患者は、1つまたは複数のまぶたの一部分が内寄り部分110に接触する状態で、20/20以上(メートル法で6/6以上)の視力を有することができる。まぶたの開放はチャンバ容積を増し、涙液をポンピングすることができ、まぶたの閉止はチャンバ容積を減らし、涙液をポンピングすることができる。
図2Iは、シリコーンまたはハイドロゲルが眼に接触する状態で眼の上に配置された図1C4の装置の断面図を示す。装置100は、装置の後面に沿って延在して眼をシリコーンまたはハイドロゲル層の少なくとも一部分に接触させるシリコーンまたはハイドロゲル材料120MHGの層を含む。装置100は、少なくとも部分的にシリコーンまたはハイドロゲル材料の層で画定されるチャンバ100Cを形成するように寸法決定することができる。本明細書に記載されるようなポンピングを提供するために、レンズ孔がシリコーンまたはハイドロゲル層を貫通して延在してもよい。代替的に、または組み合わせて、レンズ孔の後端をシリコーンまたはハイドロゲル材料で被覆して、シリコーンまたはハイドロゲル材料の層によって角膜をレンズ孔に結合することもできる。シリコーンまたはハイドロゲル材料120MHGの層で被覆されたレンズ孔は、装置の可撓性部分に沿って位置して、例えば眼が瞬きするとき、シリコーンまたはハイドロゲル材料に沿う水および治療剤の移動を促進することができる。シリコーンまたはハイドロゲル層は、例えば、角膜の中央位置への液体および治療剤の吸い上げによって液体および治療剤をレンズ孔から角膜の所望の位置に通すための媒体を含んでもよい。本明細書に記載されるように下面に沿って延在するシリコーンまたはハイドロゲル層を含む装置は、未切除の眼にフィットさせて屈折矯正を提供することもできるし、または本明細書に記載されるように、切除された眼にフィットさせることもできる。
態様に従う治験は、装置のカーブした部分を、患者集団の角膜曲率ならびにサグ高および角膜輪部サグ高および結膜サグ高に従ってオンK値でフィットさせることができることを示した。
本明細書中の以下に示す付録Iは、本明細書に記載されるような態様および教示に従う装置100の寸法およびフィットパラメータを提供する。装置は、例えば本明細書に示すシリーズA表中の材料の1つまたは複数を含んでもよい。装置の寸法およびフィットパラメータは、本明細書に記載される態様に従って角膜上に配置されたとき涙液のポンピングを提供することができる。付録Iの表は、例えば、スティープなKの角膜、中間Kの角膜およびフラットなKの角膜と使用するための装置を識別する。記載されたK値は、装置が眼の上に配置されたとき、本明細書に記載されるようにポンピングを提供するような集団ノルムに基づくことができる。装置は、未切除の眼と使用することもできるし、または切除された眼と使用することもでき、および装置は、少なくとも部分的には第一の内寄り曲率R1に基づいて識別することができる。
表B1は、約14mmの直径を有し、そして例えば本明細書に記載されるようにオンKまたはよりフラットにフィットさせることができる装置100を示す。表は、角膜の中央切除部分に対応するR1を記載している。光学コンポーネント100Aおよび内寄り結合コンポーネント100B1を含む内寄り部分110は、寸法R1を有し、横断方向に約5mm延在し、および切除ゾーンはより大きい、例えば約6mmであり得る。半径R1B1に対応する部分は横断方向に約5〜7mmの寸法を有し、および曲率は、ジオプトリー(D)単位の眼の屈折力に対応する角膜曲率測定値(K値)で表すことができる。半径R1B2に対応する部分は横断方向に約7〜9mmの寸法を有する。半径R1B3に対応する部分は横断方向に約9〜11mmの寸法を有する。R1C1に対応する部分は、横断方向に約11〜13.5mm延在することができ、かつ部分R1B3と部分R1C2との間の1つまたは複数の値を有する曲率、例えば約8mm〜約12mm、例えば約10mmの曲率半径を含んでもよい。R1C2に対応する部分は横断方向に約13.5〜14mm延在することができる。部分R1C2のサグ高は、例えば約3.1〜約3.4mmであり得る。R1C1に対応する部分は、本明細書に記載されるような多くの方法で、例えば、本明細書に記載されるように隆起形成を阻止するために内寄り境界上のR1B3および外寄り境界沿いのR1C2と整合した部分R1C1の正接によって角膜にフィットさせることができる。
表B2は、約14mmの直径を有し、そして例えば本明細書に記載されるようにオンKまたはよりフラットにフィットさせることができる装置100を示す。表は、角膜の中央切除部分に対応するR1を記載している。光学コンポーネント100Aおよび内寄り結合コンポーネント100B1を含む内寄り部分110は、寸法R1を有し、横断方向に約5mm延在し、そして切除ゾーンはより大きく、例えば約6mmであり得る。半径R1B1に対応する部分は横断方向に約5〜7mmの寸法を有し、および曲率は、ジオプトリー(D)単位の眼の屈折力に対応する角膜曲率測定値(K値)で表すことができる。半径R1B2に対応する部分は横断方向に約7〜9mmの寸法を有する。半径R1B3に対応する部分は横断方向に約9〜11mmの寸法を有し、そしてこれらの値は約35.75〜約40の範囲であり、そのため、各値は、表B1の対応する値よりも周辺部分においていくぶんフラットである。例えば、表B1は、約36.75〜約41Dの範囲を有するものとしてR1B3の値を記載している。R1C1に対応する部分は横断方向に約11〜13.5mm延在することができる。R1C2に対応する部分は横断方向に約13.5〜14mm延在することができる。部分R1C2のサグ高は例えば約3.1〜約3.4mmであり得る。R1C1に対応する部分は、本明細書に記載されるような多くの方法で、例えば、本明細書に記載されるように隆起形成を阻止するために内寄り境界上のR1B3および外寄り境界沿いのR1C2と整合した部分R1C1の正接によって角膜にフィットさせることができる。
表B3は、約16mmの直径を有し、そして例えば本明細書に記載されるようにオンKまたはよりフラットにフィットさせることができる装置100を示す。表は、角膜の中央切除部分に対応するR1を記載している。光学コンポーネント100Aおよび内寄り結合コンポーネント100B1を含む内寄り部分110は、寸法R1を有し、横断方向に約5mm延在し、そして切除ゾーンはより大きく、例えば約6mmであり得る。半径R1B1に対応する部分は横断方向に約5〜7mmの寸法を有し、および曲率は、ジオプトリー(D)単位の眼の屈折力に対応する角膜曲率測定値(K値)で表すことができる。半径R1B2に対応する部分は横断方向に約7〜9mmの寸法を有する。半径R1B3に対応する部分は横断方向に約9〜10.5mmの寸法を有し、そしてこれらの値は約36.75〜約41の範囲である。R1Cに対応する部分は横断方向に約13〜約16mm延在することができる。部分R1C2のサグ高は例えば約3.6mm未満であり得、そのため、部分R1C2は、眼の上に配置されたとき、撓むことができる。R1C1に対応する部分は、本明細書に記載されるような多くの方法で、角膜にフィットさせることができる。
表B4は、本明細書に記載されるように、例えば連続装用コンタクトレンズによって涙液をポンピングするために、未切除の眼と使用するための曲率を有する装置100を示す。装置100は、約14mmの直径を有し、そして例えば本明細書に記載されるようにオンKまたはよりフラットにフィットさせることができる。表は、角膜の中央切除部分に対応するR1を記載している。光学コンポーネント100Aおよび内寄り結合コンポーネント100B1を含む内寄り部分110は、寸法R1を有し、横断方向に約5mm延在する。R1に対応する内寄り部分の曲率は、約39D〜約48Dの屈折力に対応する曲率値を有し、それは、未切除の眼の集団データに基づくことができ、かつ例えば部分R1B1〜R1B3ならびにR1C1およびR1C2の曲率と合わせることができる。半径R1B1に対応する部分は横断方向に約5〜7mmの寸法を有し、および曲率は、ジオプトリー(D)単位の眼の屈折力に対応する角膜曲率測定値(K値)で表すことができる。半径R1B2に対応する部分は横断方向に約7〜9mmの寸法を有する。半径R1B3に対応する部分は横断方向に約9mm〜11mmの寸法を有する。R1C1に対応する部分は横断方向に約11mm〜約13.5mm延在することができる。R1C2に対応する部分は横断方向に約13.5mm〜14mm延在することができる。部分R1C2のサグ高は例えば約3.1mm〜約3.4mmであり得る。R1C1に対応する部分は、本明細書に記載されるような多くの方法で、例えば、本明細書に記載されるように隆起形成を阻止するために内寄り境界上のR1B3および外寄り境界沿いのR1C2と整合した部分R1C1の正接によって角膜にフィットさせることができる。
表B1〜B4は、具体的な曲率値を例として記載するが、当業者は、本明細書に記載される教示および態様に基づいて多くの曲率値を決定することができ、曲率半径の1つまたは複数を非球面、例えば円錐定数を有する非球面と組み合わせることができる。
図3Aは、上皮欠損11を有する眼2の角膜10上に配置される装置100を示す。装置は、カーブしたボディ、例えば角膜にフィットするように形状決定されたカーブしたコンタクトレンズボディを含んでもよい。
装置100は、切除プロファイルおよび上皮欠損を被覆するようにサイズ決定することができる。内寄り部分110は、切除部の大部分にわたって延在するようにサイズ決定することができる横断寸法102を含み、および外寄り部分120は、少なくとも上皮欠損にわたって延在し、欠損の両側で上皮に接触するようにサイズ決定された横断寸法104を含む。
切除部の大部分にわたって延在する寸法102は、例えば約6〜8mm延在してもよく、そして切除部よりも大きくサイズ決定されてもよい。寸法104は、例えば角膜輪部まで延在するように横断方向に約12mm〜14mmを含んでもよく、例えば患者の角膜輪部に合わせてサイズ決定することができる。態様に関する研究は、角膜輪部まで延在し、そして角膜輪部を包囲するようにサイズ決定された装置を角膜の中心に配置することができることを示唆する。装置は、装置の外縁が、例えば、角膜輪部の周辺にある強膜上に位置している結膜に接触し、そのような構成が、例えば角膜上でレンズを中心に配置し得るように延在してもよい。
装置の厚さは、多くの方法でサイズ決定され、形状決定され得る。装置の内寄り部分110は厚さ106を含み、および装置の外寄り部分120は厚さ108を含む。内寄り部分の厚さ106は、内寄り部分が、眼の上に配置される前、例えば眼の前に保持され、かつ角膜から一定距離だけ離れているとき、約±1D以下の屈折力を含むような実質的に均一な厚さを含んでもよい。または、内寄り部分の厚さは、屈折力、例えば患者の視力を矯正するための屈折力を含むように変化してもよい。
再生した上皮12Rの滑らかな層12Sは、切除プロファイルを実質的に被覆することができる。環境100Eは、上皮再生を誘導し、かつ再生した上皮を平滑化するように構成されている。再生中の上皮は厚さプロファイル12RPを含む。
上皮は、矢印30によって示されるように、包囲する境界12Eから切除プロファイル20の中心に向けて求心的に成長して、露出した支質を被覆する。
装置100は内寄り部分110および外寄り部分120を含んでもよい。外寄り部分110は、切除部および上皮欠損の縁の近くで角膜とシール100Sを形成するように、例えばシリコーンエラストマーまたはシリコーンハイドロゲルのような軟質の適合性材料で構成され得る。内寄り部分120は瞳孔上に配置され、かつ患者が物を見るように構成され、そして角膜が治癒するとき上皮の凹凸を平滑化するために、外寄り部分よりも大きい剛性を含んでもよい。または、内寄り部分は、外寄り部分の剛性以下の剛性を含んでもよい。例えば、内寄り部分はシリコーンを含んでもよく、および外寄り部分はシリコーンを含んでもよく、そして内寄り部分は、上皮を平滑化するために内寄り部分が外寄り部分よりも剛性であり得るように、より硬質のシリコーンまたはより大きな厚さの1つまたは複数を含んでもよい。内寄り部分は外寄り部分よりも剛性であり得るが、内寄り部分は、支質中の切除プロファイル20に少なくとも部分的に適合するのに十分なほど軟らかく、可撓性かつ適合性であり得、そのため、患者は、患者が内寄り部分を通して物を見、そして内寄り部分が上皮を平滑化するとき、患者は切除プロファイル20による視力矯正の恩恵を受ける。本発明の態様に関する研究は、再生中の上皮が、切除プロファイル20の下にある支質よりも軟らかく、そのため、内寄り部分は、内寄り部分が内寄り部分の下に位置している上皮を、例えば、本明細書に記載の撓み圧によって平滑化するとき、切除プロファイル20の形状に適合するように構成され得ることを示唆する。
図3Bは、上皮欠損を有する眼、例えばPRK切除を有する眼の角膜上に配置される前の第一の形状にある装置100を示す。装置100はレンズ孔100Fを含む。レンズ孔100Fは、本明細書に記載されるように、装置の下に涙液をポンピングするためにレンズ孔が上皮欠損から離れて位置するように装置上に位置することができる。装置100は、ベース曲率半径R1を有する内寄り部分110を含んでもよく、そしてベース曲率半径は、切除された角膜よりもわずかに長くてもよく、そのため、装置は、角膜上に配置される前、角膜よりもフラットであり得る。強膜結合部分130を含む外寄り部分120は、角膜輪部に対する圧力を減らすために、角膜よりもスティープな部分を含んでもよい。例えば、フランジ部分120Fは、角膜輪部に対する装置の圧力を減らすために、結膜および強膜の対応する部分よりもスティープであり得る。
ベース半径R1は、多くの方法で、角膜に対してサイズ決定することができる。例えば、ベース半径R1は、切除後の眼に対応する半径を有してもよい。
装置100は、約4MPa〜約35MPaの範囲内の弾性率を含んでもよく、そのため、中央部分は切除された支質に少なくとも部分的に適合することができ、そして装置は、切除された角膜の角膜凹凸および支質凹凸を平滑化することができる。装置は、例えば装置が伸張して角膜にフィットすることができるように、伸縮性エラストマー材料を含んでもよい。約4MPa〜約35MPaの範囲内の弾性率を有する装置は、本明細書に記載されるような多くの方法で形成することができる。例えば、装置は、切除された角膜および未切除の角膜の少なくとも一部分にわたって延在する実質的に均一な厚さを有する材料の単一片を含んでもよく、そして材料の単一片は、シリコーンエラストマーまたはハイドロゲルのような弾性材料を含んでもよい。または、装置は、切除された角膜および未切除の角膜の少なくとも一部分にわたって延在する不均一な厚さを有する材料の単一片を含んでもよい。装置は、多くの方法で形状決定することができ、および1つの材料の単一片を含んでもよいし、または2つの類似材料で構成された単一片を含んでもよいし、または接合された複数の材料を含んでもよい。
装置100は、本明細書に記載されるように、内寄り部分の外側に延在する1つまたは複数の外寄り部分を含んでもよい。
図3Cは、本明細書に記載されるように装置が涙液をポンピングすることができるよう、切除された支質組織に適合し、かつ切除された支質の上で上皮を平滑化する、眼の上に配置された、第二の形状100C2を有する図3Bの装置を示す。角膜は、視力を矯正するための、対応する曲率半径、例えば半径R2を有してもよい切除面20を含む。切除プロファイル20は、半径R2に対応する形状とともに、さらなる、代替のまたは組み合わせの形状、例えば眼の収差を矯正するために角膜中に切除された収差および角膜中に切除された非点収差を含んでもよく、そして装置100の内寄り部分110は、角膜のこれらの切除部分に適合することができ、そのため、患者は、装置が角膜上に配置されたとき、切除的視力矯正の恩恵を受けることができる。例えば、角膜切除プロファイル20は曲率半径R2に対応してもよく、そして内寄り部分110は、配置前の曲率半径R1に対応する形状100C1から、切除プロファイル20に実質的に対応する第二の形状100C2へと扁平化することができ、そのため、患者は、切除プロファイル20の恩恵により、物を見ることができる。例えば、第二の形状100C2は、曲率半径R2に実質的に対応する、適合する曲率半径R12を含むことができる。装置100の第一の形状100C1に対応するプロファイルは、角膜10上に配置された状態で示されて、配置前の形状100C1から、角膜上に配置されたときの装置100の適合する形状100C2への装置のプロファイルの変化を示す。
適合性装置100は、装置100が切除プロファイル20の上で角膜上に配置されたとき上皮を平滑化するのに十分な剛性を含む。上皮は、角膜を切除するための上皮のデブリドマンの前の上皮の厚さに実質的に対応し得る周辺厚さ12Tを含む。上皮はまた、切除プロファイル20上に位置している再生中の上皮12Rを含む。装置100は、第二の形状12C2において角膜に適合するとき、上皮12Rを平滑化することができる。例えば、上皮が装置100の内寄り部分に沿って再生するとき、切除部上に位置している再生中の上皮12Rの凹凸12Iを平滑化することができ、そのため、再生中の上皮12Rの凹凸12Iは、周辺上皮の厚さ12Tよりも薄くなる。
本明細書に記載されるような態様に関する研究は、約4MPa〜約35MPaの範囲内の弾性率を有する少なくとも部分的に適合性の装置が、切除された支質に少なくとも部分的に適合し、上皮および支質の凹凸を平滑化して、本明細書に記載されるように視力を改善することができることを示す。約4MPa〜約35MPaの範囲内の弾性率を有する装置は、本明細書に記載されるような多くの方法で形成することができる。
図4A〜4Hは、本明細書に記載されるような装置100を製造する方法400および装置を製造するための機器を示す。
図4Aは、本明細書に記載されるような材料110Mを含む装置100の光学コンポーネント100Aを形成するための型600Aを示す。光学コンポーネント100Aは、例えば、シリコーンのような光学的透明な材料を含んでもよい。光学コンポーネントは、視力および角膜の平滑化を提供するために、本明細書に記載されるような弾性率および厚さならびに対応する剛性を含んでもよい。型600Aは、例えば、一つの面に光学矯正を含み、反対側面にベース曲率を含んでもよい。ステップ410で、光学コンポーネント100Aを型600Aの中で形成することができる。
図4Bは、図4Aの光学コンポーネントおよび結合コンポーネント100Bを含む装置を形成するための型600Bを示す。光学コンポーネント100Aを型に入れ、そして結合コンポーネントの流動性材料120Mを型に注入して、装置を形成することができる。流動性材料の注入の前にその中に、剛性材料を含む固い内寄りコンポーネントを配置した。型600Bは、固い材料片として型の中に配置された内寄り材料110M、および型600Bに注入され、内寄り材料120Mを含む予備形成部片の周囲で硬化される流動性材料を含む、外寄り材料120Mを含んでもよい。流動性材料は、多くの方法で内寄り材料100Mの周囲に注入することができる。例えば、内寄り材料110Mは、本明細書に記載されるような内寄り部分110の硬質材料110M2の第二の層110L2を含んでもよく、そして流動性材料を第二の材料110M2の上下面の周囲に注入して、その流動性材料で第一の材料110M1の第一の層110L1および第三の材料110M3の第三の層110L3を形成することができ、そのため、硬化されると、第一の材料110M1、第三の材料110M3および外寄り材料120Mがそれぞれ実質的に同じ軟質材料を含む。ステップ420で、光学コンポーネント100Aおよび結合コンポーネント100Bを含む装置を形成することができる。
図4Cは、光学コンポーネントが結合コンポーネントの二つの層の間に位置することができるような、図4Aの光学コンポーネントを含む装置を形成するための型600Cおよび装置の軟質材料の層を示す。光学コンポーネント100Mを、図4Aに示すような型から取り出し、そして型600Cに入れることができる。層110L3に対応する流動性材料M3を型に注入し、かつ硬化させることができる。層110L2および層110L3を含む部分的に形成された内寄りコンポーネントを型600Cから取り出すことができる。ステップ430で、二つの層を含む装置の部分を形成することができる。
図4Dは、本発明の態様に従う、流動性材料の注入のために配置された硬質材料を含む固い内寄りコンポーネントを有する、装置を形成するための型600Dを示す。型600は、固い材料片として型の中に配置された内寄り材料110M、および型600に注入され、かつ内寄り材料600を含む予備形成部片の周囲で硬化される流動性材料を含む外寄り材料120Mを、含んでもよい。型は上部分および下部分を含んでもよい。特定の態様において、装置100は、型の中で、硬質の第二の材料110M2が型の中に配置され、第一の材料110M1、第三の材料110M3および外寄り材料120Mを含む1つの材料片の中に封じ込められ、そのため、第一の材料110M1、第三の材料110M3および外寄り材料120Mが同じ材料、例えばシリコーンを含む状態で形成され得る。硬質の第二の材料110M2は、第一の材料110M1、第三の材料110M3および外寄り材料120Mそれぞれに例えば硬化によって接着されたシリコーンを含んでもよく、そのため、第一の材料110M1、第三の材料110M3および外寄り材料120Mは、硬質シリコーンを含む第二の材料110M2に接着された同じ軟質のシリコーン材料を含む。ステップ440で、第一の材料110M1と第三の材料110M3との間に固い内寄りコンポーネントを含む装置を形成することができる。
図4Eは、エネルギーによる装置中のレンズ孔の形成を示す。ステップ450で、図4Bまたは4Dに記載されたような装置を、エネルギー650、例えば機械的エネルギーまたは光エネルギーのような電磁エネルギーで処理して、装置を貫通して延在するレンズ孔を形成することができる。例えば、レンズ孔を型からなくし、機械的に穿孔して、またはレーザ光エネルギーで切除してレンズ孔を形成することもできる。
図4Fは、装置の後面上のシリコーンまたはハイドロゲル材料のスピンコーティングを示す。本明細書に記載されるような硬化性シリコーンまたはハイドロゲル形成材料660の一定量を装置の後面に付着させ、かつコーティングが装置の中心からシリコーンまたはハイドロゲル材料の外寄り境界に向けて移動するような速度での回転662によってスピニングすることができる。シリコーンまたはハイドロゲル材料の外寄り境界は、硬化性材料660の量およびスピン速度に基づいて決定することができ、そして硬化性シリコーンまたはハイドロゲル材料は、本明細書に記載されるような所望の厚さ、例えば完全に水和するときで約1μm〜約100μmの範囲内の実質的に均一な厚さを提供するように調合することができる。ステップ460で、硬化性シリコーンまたはハイドロゲル形成材料660を硬化させて、装置100の下面にシリコーンまたはハイドロゲル材料の層を提供することができる。
図4Gは、シリコーンまたはハイドロゲル材料がその上に形成されている装置に対する化学蒸着を示す。装置100を化学蒸着チャンバ670に入れ、そして本明細書に記載されるような1つまたは複数の形態の化学蒸着で処理することができる。ステップ460で、装置100をCVDでコートして、装置の表面に湿潤性材料を提供することができる。
図4Hは、容器680の中に包装された、シリコーンまたはハイドロゲル材料120HGを含む装置100を示す。装置は、滅菌処理することができ、かつウェットまたはドライまたはそれらの組み合わせの状態で容器680の中に包装することができる。例えば、装置は、食塩水を含む流体とともに容器に入れることができる。または、装置100は、例えば、容器680の中にドライパッケージングすることもできる。ステップ480で、装置100を容器680に入れ、そして容器を密封することができる。
方法400において示された特定のステップが本発明の態様に従って装置を製造する特定の方法を提供するということが理解されよう。また、代替態様に従ってステップが他の順序で実施されてもよい。例えば、本発明の代替態様は、上述したステップを異なる順序で実施してもよい。そのうえ、示された個々のステップは、個々のステップに適切な様々な順序で実施され得る多数のサブステップを含んでもよい。さらには、特定の用途に依存して、さらなるステップが加えられてもよいし、または除かれてもよい。当業者は、多くの変更、修飾および代替を理解するであろう。
涙液をポンピングするためのコンタクトレンズを含む装置100を製造する方法500は以下のステップのうちの1つまたは複数を含んでもよい。
505 - 光学コンポーネントのための第一の型を提供する。
510 - 第一の流動性材料を第一の型に注入する。
515 - 第一の流動性材料を硬化させて第一の光学コンポーネントを形成する。
520 - 第一の光学コンポーネントを第一の型から取り出す。
525 - 第一の光学コンポーネントを第二の型に入れる。
530 - 第二の硬化性材料を第二の型に注入する。
535 - 第二の流動性材料を硬化させて第二のコンポーネントを形成する。
540 - 第二のコンポーネントを第二の型から取り出す。
545 - 第二のコンポーネントを第三の型に入れる。
550 - 第三の流動性材料を第三の型に注入する。
555 - 第三の流動性材料を硬化させて装置を形成する。
560 - 装置を取り出す。
565 - レンズ孔を穿孔する。
570 - 湿潤性材料でコートする。
成形された装置の剛性および硬さは、材料硬さ、弾性率または厚さの1つまたは複数によって決定することができる。成形された装置は、内寄り中央が外寄り周辺よりも剛性である装置を含んでもよく、例えば、中央がエッジよりも厚みを有することができる。例えば、装置は、内寄り部分が外寄り部分よりも厚く、そのため、内寄り部分が外寄り部分よりも剛性であるシングルピース装置を含んでもよい。代替的に、または組み合わせて、光学的に明澄な内寄り部分を成形し、その内寄り部分を型に入れ、装置を成形して内寄り部分の周囲に外寄り部分を形成することもできる。例えば、成形された内寄り部分は、本明細書に記載されるような材料110M2の層110L2と、層110L2の周囲に成形された層110L1または110L3の1つまたは複数とを含む。
方法500において示された特定のステップが本発明の態様に従って装置を製造する特定の方法を提供するということが理解されよう。代替態様に従ってステップが他の順序で実施されてもよい。例えば、本発明の代替態様は、上述したステップを異なる順序で実施してもよい。そのうえ、示された個々のステップは、個々のステップに適切な様々な順序で実施され得る多数のサブステップを含んでもよい。さらには、特定の用途に依存して、さらなるステップが加えられてもよいし、または除かれてもよい。当業者は、多くの変形、修飾および代替を理解するであろう。
治験が企画され、かつ本明細書に記載される態様に従う眼の瞬きによるレンズの下への涙のポンピングを示すと考えられている。当業者は、視力を改善し、上皮再生を促進するためにPRK後の角膜上に配置するための連続装用コンタクトレンズまたは装置の1つまたは複数を提供するために、装置の下への涙液のポンピングを提供するために、本明細書に記載されるような装置100の性質を経験的に決定することができる。
本明細書において使用されるように、同様な参照文字は、本明細書に記載される教示および態様に従って組み合わせることができる同様な構造を示す。
特定の態様においては、眼用レンズを選択する方法が提供される。方法は、屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を有する患者の眼の屈折異常を矯正するために使用されてもよい。特定の態様において、眼用レンズを選択する方法は、患者の眼の屈折異常の任意の球面成分を緩和するために所望の球面屈折力を決定する段階と、異なる球面屈折力を有する複数の代替眼用レンズの中から、所望の球面屈折力に対応する眼用レンズを識別する段階とを含む。そして、識別された眼用レンズを選択し、そして患者の眼に適用して、球面屈折異常を矯正してもよい。識別された眼用レンズは、所望の屈折力に対応する前面を有し、その前面は眼用レンズの内寄り部分に沿って延在する。
眼用レンズは、球面屈折異常を矯正するための内寄り部分および光学組織と接触するための周辺部分を有する。眼用レンズの内寄り部分は変形可能であり、および眼用レンズの周辺部分は変形可能である。眼用レンズの内寄り部分は、周辺部分の弾性率および剛性よりも高い弾性率および剛性を有する。眼用レンズの周辺部分は、内寄り部分を眼の光学領域と整合した状態に支持するように、光学領域の外で眼と係合するのに適した形状を有する。特定の態様において、周辺部分は、上皮のような眼の組織と係合し、かつ眼の光学領域に対する眼用デバイスの動きを阻止する、または最小限にするように構成されている。特定の態様において、内寄り部分、周辺部分または内寄りおよび周辺の両部分は、眼の瞬きと同時に変形したり撓んだりしてもよい。
特定の態様において、上皮の屈折形状は眼の光学領域にわたって延在し、そのため、屈折異常は乱視および/または高次光学収差を含む。そのような態様において、光学領域にわたって眼に隣接して延在する後面は、乱視および/または高次収差を緩和するために、屈折形状を含んでもよいし、または含まなくてもよい。所望の眼用レンズの選択は、眼用レンズの周辺部分が眼用デバイスの後面と眼の表面、例えば上皮との間にレンズ状容積を維持するのに適した形状を有するように実施される。眼用デバイスを眼の上に配置する前、配置する最中および/または配置したのち、レンズ状容積は涙液で満たされ、そのため、眼用レンズの前面形状が屈折異常を矯正する。したがって、特定の方法において、眼用レンズの選択は、周辺部分が、涙液が後面と眼の屈折形状との間のレンズ状容積を満たして乱視および/または高次収差を緩和するような適切な形状を有するように実施される。涙液がコンタクトレンズと眼との間に配置される場合およびレンズが涙液の屈折率に十分に近い屈折率を有する場合、眼の屈折は、少なくとも後面がはじめにレンズと接触するとき、および/またはコンタクトレンズが眼の上に配置されたままであるとき、後面の形状および/またはレンズ状容積とはたいてい無関係であってもよい。特定の方法において、眼用レンズの識別は、乱視の屈折力、および眼の光軸を中心とする乱視の向き、および/または高次収差の強度および/または高次収差のタイプの群の少なくとも1つのメンバーとは無関係である。眼の後面および屈折形状によって画定されるようなレンズ状容積が涙液で満たされる結果として、眼用デバイスの軸または位置を眼で正しい方向に向けることは不要である。
本開示によって提供される眼用レンズはまた、老視を治療するために使用されてもよい。老視を治療する方法は、例えば、眼用レンズを、眼用レンズの内寄り部分が眼の角膜の光学領域上に位置するように眼の上に配置する段階と、眼用レンズの周辺部分と光学領域の外の眼の組織との間の係合によって眼用レンズの内寄り部分を支持する段階とを含む。眼用レンズの内寄り部分および眼用レンズの周辺部分は、内寄り部分が周辺部分の弾性率および剛性よりも高い弾性率および剛性を有するように変形可能であり得る。老視を矯正するために、内寄り部分は老視緩和性屈折形状を含む。特定の態様において、老視緩和性形状は、付加領域、多焦点形状、非球面形状および前記のいずれかの組み合わせから選択される。特定の態様において、周辺部分は、角膜の光学領域に対する内寄り部分の動きを阻止する、または最小限にするために、上皮のような眼の組織と係合するように構成された1つまたは複数の曲率半径を含む。眼用レンズの前面部分および眼の後面が、涙液で満たされるように構成されているレンズ状容積を画定する。涙液の充填および/または流れを促進するために、周辺領域の厚さを通して延在する複数のレンズ孔が周辺領域に配置されてもよい。レンズ孔は、眼用レンズの動きと連係して、レンズ状容積を通過する涙液の移送を促進するために配置される。本開示によって提供される眼用レンズを使用して老視を治療するこのような方法は、眼に対する眼用レンズの正確な整合を要しなくてもよい。
同様に、眼が、眼の光学領域にわたって延在する屈折形状をもたらす上皮を有する角膜を有する眼の屈折異常、例えば乱視および/または球面収差を矯正する方法が提供される。屈折異常を矯正する方法は、眼用レンズの内寄り部分が角膜の光学領域上に配置されるように眼用レンズを眼の上に配置することを含み、ここで、配置された眼用レンズの後面は、眼に隣接して延在し、かつ後面と上皮との間にレンズ状容積が配置されるように上皮の屈折形状とは相違した形状を有する。眼用レンズの周辺部分は、周辺部分の厚さを通して延在し、かつレンズ状容積と眼用レンズの後(外)面との間の涙液の通過を許容する複数のレンズ孔を含んでもよい。そのような態様において、配置された眼用レンズの内寄り部分は、眼用レンズの周辺部分と眼の組織、例えば光学領域の外の上皮との係合によって支持される。周辺部分は、眼用レンズの内寄り部分を支持し、眼の光学領域に対する内寄り部分の動きを阻止し、または最小限にし、かつ涙液によるレンズ状容積の充填を容易にするように構成されている。
レンズ孔は、眼用レンズの光学領域の外かつ眼用レンズの周辺部分と眼の組織との間の係合の領域よりも内に配置されてもよい。眼用レンズの内寄り部分および周辺部分は、痛みを抑えるために変形可能、例えば、まぶたの動きと同時におよび/または局所的に突出する上皮領域の上で変形可能であり、そのため、内寄り部分は、周辺部分の弾性率および剛性よりも高い弾性率および剛性を有する。特定の態様において、眼用レンズの内寄り部分および外寄り部分の変形性は、眼の瞬きが、レンズ孔を通過してレンズ状容積に出入りする涙液の流れを誘発し、眼が瞬きしていないとき、内寄り部分が、眼の屈折異常を矯正する形状を保持するように構成されている。
特定の態様において、周辺部分は、眼の表面と係合し、それによって眼の光学領域に対する内寄り部分の動きに抵抗するように構成された1つまたは複数の曲率半径を含む。例えば、特定の態様において、周辺部分は、眼用レンズの中心から周辺に向けて小さくなる複数の曲率半径を含む。特定の態様において、係合領域に沿う周辺部分と眼の組織表面との間の係合は、瞬き中、角膜に対する内寄り部分の側方運動を抑制する。
特定の態様において、本開示によって提供される屈折異常を矯正する方法は、例えば、前面を通して眼で見るとき、レンズ状容積の形状とは実質的に無関係に、少なくとも約0.5D、少なくとも約1.0D、および特定の態様においては少なくとも約1.5Dの乱視異常の範囲の屈折異常を緩和することができ、かつ眼の視軸を中心とする眼用レンズの回転方向の向きとは無関係である。
本開示によって提供される方法はさらに、眼の上皮の形状をリモデリングする方法を含む。特定の態様において、上皮の相対的形状を光学的にリモデリングする方法は、眼用レンズの内寄り部分が角膜の光学領域上に位置するように眼用レンズを眼の上に配置する段階であって、ここで、配置された眼用レンズの後面は、眼に隣接して延在し、かつ上皮の屈折形状とは相違した形状を有してそれとの間にレンズ状容積が配置されるようになっている、該段階と;流体がレンズ状容積を満たし、かつ眼用レンズの前面を通して眼で見ることによって屈折異常が緩和されるように、眼用レンズの周辺部分と光学領域の外の眼との間の係合によって眼用レンズの内寄り部分を支持する段階とを含む。上皮の形状をリモデリングして眼の屈折異常を矯正する方法において、眼用レンズは、(常にではないが)レンズ孔を含まなくてもよい。眼用レンズの後面は、球面屈折力を矯正するための屈折形状を画定し、かつ眼の上に配置されているとき、眼の表面でレンズ状容積を画定する。時間とともに、眼の上皮および/または下にある組織は、光学領域上に配置されたレンズ状容積のいくらか、大部分または全部を満たし、または他のやり方で占有してもよい。特定の他の態様と同様に、上皮の形状をリモデリングする際に使用するための眼用レンズは、変形可能な内寄り部分および変形可能な周辺部分を含み、内寄り部分は、周辺部分の弾性率および剛性よりも高い弾性率および剛性を有し、そして周辺部分は、眼の組織表面と係合し、かつ角膜の光学領域に対する内寄り部分の側方運動を阻止するように構成されている。
特定の態様において、上皮の屈折形状をリモデリングする方法は、前面を通して眼で見るとき、レンズ状容積の形状とは実質的に無関係に、少なくとも約0.5D、少なくとも約1.0D、特定の態様においては少なくとも約1.5Dの乱視異常の範囲の屈折異常を緩和し、かつ眼の視軸を中心とする眼用レンズの回転方向の向きとは無関係である。
さらに、眼用レンズが眼から取り出されると、上皮の光学リモデリングは、眼からの眼用レンズの取り出しののち少なくとも約8時間、少なくとも約24時間、および特定の態様においては少なくとも約48時間、眼の屈折異常を少なくとも約11/2D緩和する。
本開示によって提供される特定の態様は、患者集団の眼の屈折異常を矯正するための代替的に選択可能な眼用レンズのセットを含む。そのような眼用レンズのセットは、本明細書に開示される方法において使用されてもよい。複数の代替眼用レンズは、異なる屈折矯正を表す異なる球面屈折力を有する。複数の代替眼用レンズそれぞれは、関連する所望の球面屈折力に対応し、かつ眼用レンズの変形可能な内寄り部分に沿って延在する前面、および内寄り部分から外側へと半径方向に延在し、内寄り部分の剛性よりも低い剛性を有し、かつ内寄り部分を光学領域と整合した状態に支持するように光学領域の外で組織と係合するために構成された眼用レンズの周辺部分を含む。
特定の態様において、本開示によって提供される方法における使用に適した眼用レンズは、眼の角膜の光学領域上に配置されるように構成された内寄り部分、および、光学領域の外に位置している眼の組織、例えば上皮の周辺部分との間の係合によって眼用レンズの内寄り部分を支持するように構成された周辺部分を含む。内寄り部分および周辺部分は変形可能であり、内寄り部分の弾性率および剛性は周辺部分の弾性率および剛性よりも高い。特定の態様において、周辺部分は1つまたは複数の曲率半径を含み、それにより、周辺部分は眼の表面組織と係合して、瞬き中、角膜の光学領域に対する内寄り部分の動きを阻止または緩和する。
老視の治療の場合、眼用レンズの内寄り部分は、老視緩和性屈折形状を含む内寄り部分に沿って延在する面を含む。
球面屈折異常の治療の場合、眼用レンズの内寄り部分に沿って延在する面は、球面屈折異常を矯正するように構成された形状を含む。
特定の態様において、内寄り部分は、非球面屈折異常、例えば乱視異常、多焦点異常、高次収差およびカスタム光学矯正機能、例えばピンホールを矯正するように構成されてもよい。
本開示によって提供される特定の態様は、光学コンポーネントおよび結合コンポーネントを含む装置を含み、光学コンポーネントは、第一の弾性率を有する第一の材料を含み、および結合コンポーネントは、第二の弾性率を有する第二の材料を含み、第一の弾性率は第二の弾性率よりも高い。図5は、光学コンポーネント501および結合コンポーネント502を含む装置500を示す。
特定の態様において、装置500は、約9mm〜約16mm、特定の態様においては約10mm〜約15mm、および特定の態様においては約12mm〜約14mmの直径510を有する。
特定の態様において、光学コンポーネント501は、約150μm〜約500μm、約200μm〜約400μm、および特定の態様においては約250μm〜約350μmの中心厚さを含む。
特定の態様において、光学コンポーネント501は、第一の厚さ505を有する第一の材料および第二の厚さ503を有する第二の材料を含む。そのような態様において、第二の材料は、光学コンポーネント501の内面、例えば角膜に面する面上に配置されてもよく、かつ結合コンポーネント502を形成する材料と同じ材料であってもよい。第二の材料は、約5μm〜約60μm、約10μm〜約50μm、および特定の態様においては約20μm〜約40μmの厚さ503を有してもよい。光学コンポーネント501が二つの材料を含むような態様において、光学コンポーネントの全厚さは、約100μm〜約550μm、約200μm〜約450μm、および特定の態様においては約250μm〜約350μmであってもよい。
特定の態様において、光学コンポーネント501は、約10MPa〜約70MPa、約20MPa〜約60MPa、約20MPa〜約50MPa、および特定の態様においては約30MPa〜約40MPaの弾性率を有する光学的に明澄な材料を含む。
光学コンポーネント501は、視力を矯正するように構成されてもよいし、または視力を矯正するように構成されなくてもよい。
特定の態様において、光学コンポーネント501は、シリコーン、シリコーンハイドロゲルおよびそれらの組み合わせから選択される材料を含む。特定の態様において、光学コンポーネント501は、シリコーン、特定の態様においてはシリコーンハイドロゲル、および特定の態様においてはシリコーンとシリコーンハイドロゲルとの組み合わせを含む。
特定の態様において、光学コンポーネント501は、約150μm〜約500μmの中心厚さ、約3mm〜約9mmの直径、約7mm〜約12mmの曲率半径および約20MPa〜約50MPaの弾性率を含む。
特定の態様において、結合コンポーネント502は、光学コンポーネント501から、光学コンポーネント501との接合部における厚さが光学コンポーネント502の厚さと同じまたは同様である外周504まで延在し、そして周辺における結合コンポーネントの厚さが約5μm〜約60μm、約10μm〜約50μm、いくつかの態様においては約20μm〜約40μmである外周504に向けて徐々に先細りする。
特定の態様において、結合コンポーネント502は少なくとも1つの曲率半径512を含む。例えば、特定の態様において、結合コンポーネント502は単一の曲率半径を含み、および特定の態様において、結合コンポーネント502は、1よりも多い曲率半径、例えば2、3、4、5、6または6よりも多い曲率半径を含む。少なくとも1つの曲率半径は、例えば、約5mm〜約15mm、約6mm〜約13mm、約7mm〜約12mm、およびいくつかの態様においては約6mm〜約10mmであり得る。結合コンポーネント502を特徴づける1つまたは複数の曲率半径512は光学コンポーネント501の曲率半径よりも小さい。
特定の態様において、結合コンポーネント502は、約0.05MPa〜約4MPa、約0.1MPa〜約3MPa、約0.1MPa〜約2MPa、および特定の態様においては約0.2MPa〜約1.5MPaの弾性率を有する材料を含む。
特定の態様において、結合コンポーネント502は、シリコーン、シリコーンハイドロゲルおよびそれらの組み合わせから選択される材料を含む。特定の態様において、結合コンポーネントは、シリコーン、特定の態様においてはシリコーンハイドロゲル、および特定の態様においてはシリコーンとシリコーンハイドロゲルとの組み合わせを含む。
特定の態様において、結合コンポーネント502は、結合コンポーネントの厚さを通して延在する複数のレンズ孔509を含む。結合コンポーネント502は、例えば、1〜約30のレンズ孔、1〜約20のレンズ孔、および特定の態様においては約1〜約10のレンズ孔を含んでもよい。レンズ孔509は、涙液の放出を提供するための任意の適切な形状を有してもよい。適切な形状は、例えば、円形、楕円形、長円形、長方形、正方形、スロットまたは前記のいずれかの組み合わせを含む。複数のレンズ孔509それぞれが同じ形状を有してもよいし、またはレンズ孔の少なくともいくつかが異なる形状を有してもよい。特定の態様において、レンズ孔は、約50μm〜約700μm、約100μm〜約500μm、および特定の態様においては約200μm〜約400μmの最大寸法(ホールサイズ)を有する。各レンズ孔が同じ最大寸法を有してもよいし、またはレンズ孔の少なくとも1つが異なる寸法を有してもよい。
特定の態様において、結合コンポーネント502はレンズ孔を含まない。
特定の態様において、結合コンポーネント502は、光学コンポーネント501の厚さから結合コンポーネントの周辺504における約30μmの厚さまで先細りする厚さ、約7mm〜約12mmの複数の曲率半径を含み、かつ約0.1MPa〜約2MPaの弾性率を有する材料を含む。結合コンポーネント502が複数の曲率半径512を含む態様において、曲率半径は光学コンポーネントから周辺に向けて減少する。
光学コンポーネント501および結合コンポーネント502を含む装置は、上皮のような眼の組織に対してシールを提供して、それにより、眼の上での光学コンポーネントの動きに抵抗するように構成されている。
図6A〜6Cは、乱視の眼の上に配置された様々なレンズを示す。図6A〜6Cそれぞれに関して、左の画は、第一のラジアルの形状を示し、および右の画は、非球面投射608に対応する第二のラジアルの形状を示す。図6Aにおいて、第一のラジアルに対応する形状は、眼の光学面601および軟質の屈折レンズ603を含み、それが焦点を網膜605上に提供する。図6Aの右の画において、第二のラジアル方向は、網膜上に合焦しない異なる屈折形状602に対応する。軟質な適合性の眼用レンズ604は形状602に適合し、それにより、非球面収差を矯正することはできない。図6Bは、硬質の非適合性の眼用レンズ606を使用する非球面矯正を示す。ここでもまた、第一のラジアルおよび第二のラジアルは異なる光学形状601および602にそれぞれ対応する。硬質の眼用レンズ606は視力を矯正するが、レンズは、眼の非対称プロファイルを矯正するためには、向きを決められなければならない。図6Cは、本開示によって提供される眼用レンズおよび方法を使用する非球面収差の矯正を模式的に示す(簡潔に示すために、光学領域の外の眼およびレンズの周辺部分は省略されている)。本開示によって提供される眼用レンズは、眼の光学面602と眼用レンズ607との間にレンズ状容積を提供するように構成されている弾性率および剛性を有する。老視の矯正の場合、眼用レンズは、レンズ状容積が涙液で満たされるように構成されている。理解することができるように、非球面光学収差を矯正するために、眼用レンズ607の向きを決める必要はない。
本開示によって提供される装置は、例えば上皮治癒、乱視の球面矯正、老視の解決、上皮再成形およびドライアイを含む多数の眼科用途においてプラットフォームとして使用されてもよい。
特定の態様において、装置は、上皮治癒を促進するために使用されてもよい。上皮欠損は、例えば、PRK、糸状角膜炎、涙液蒸発亢進型ドライアイまたは眼に対する物理的損傷の結果として起こることがある。これらおよび他の用途には、視力が矯正される用途が含まれる。
患者の眼の上に配置されているとき、装置の内面ならびに例えば角膜、ボーマン膜および/または上皮を含み得る眼の外面が、上皮の治癒および/または成長を促進するチャンバを画定することができる。そのような用途においては、連続装用を容易にするために、装置が水分含量を制御し、かつ高いDkを示すことが望ましい。本開示によって提供される装置および方法を使用すると、PRK手術後の完全な上皮再成長が、PRK後、約48時間以内、約72時間以内、96時間以内、および特定の患者の場合には約1週間以内に起こり得る。
角膜乱視の球面矯正に使用される場合、本開示によって提供される装置および方法は、気体透過性レンズに比べて改善された快適さ、ソフトコンタクトレンズに比べて高められた視力ならびにトーリックおよびGPレンズに比較して減少したフィッティング時間の利点を示す。装置および方法は、特定の態様において、乱視異常、外傷またはRKによって誘発されるような不正乱視および早期円錐角膜の95%超を矯正することができる。
特定の態様において、装置は、視力を矯正する光学コンポーネントを含む。したがって、球面矯正に加えて、光学コンポーネントは、多焦点高次収差またはカスタム光学設計、例えばピンホールを支持するように構成され得る。
上皮再成形用途において、本開示によって提供される装置および方法は、装用中に上皮を再成形し、かつ装置が眼から取り出されたのちの一定期間にわたり視力を矯正するために使用することができる。例えば、近視を矯正する場合、装置は、上皮を眼の周辺に向けて誘導し、かつよりフラットな中心カーブを形成するために使用することができる。遠視を矯正する場合、装置は、上皮を眼の中心に向けて誘導し、かつよりスティープな中心カーブを作るために使用されてもよい。特定の態様において、装置は、非球面光学素子を用いて成形することによって上皮を角膜上の所望の位置に向けて誘導することによって視力矯正のための多焦点性を誘発するために使用することができる。上皮再成形による多焦点性の誘発は、老視および近視において視力を矯正するのに役立つことができる。
特定の態様において、本開示によって提供される眼用レンズは、乱視のような屈折異常を矯正するように構成されている。レンズは、滑らかな球面状の前面を提供し、かつ、内寄り光学部分の撓みを減らすこと、および装用中のレンズセンタリングを維持することによってレンズ誘発ゆがみを最小限にする。内寄り光学部分の撓みの減少は、一部には、内寄り部分の剛性を高め、涙レンズを創製することによって達成することができる。内寄り光学部分のセンタリングが、光学系の傾きによって生じる乱視およびプリズム効果を最小限にし、またエッジゆがみを最小限にする。
本開示によって提供される眼用レンズは、ソフトトーリックコンタクトレンズの視力矯正と少なくとも同等な視力矯正を達成することができ、ソフトトーリックコンタクトレンズに比べて優れた快適さレベルを達成することができる。さらに、本開示によって提供される眼用レンズは半径方向に対称であるため、患者の眼へのフィットは、球面矯正を調節することのみを含み、円柱誤差を矯正するためのレンズの在庫が必要とされない。
本開示によって提供される眼用レンズは、角膜の光学領域の上に配置されるように構成された内寄り光学部分および内寄り部分の外側に半径方向に配置された周辺または外寄り部分を含む。眼用レンズは、患者の眼に適用されたとき、レンズの内寄り部分に沿って延在し、かつ眼に隣接する後面を含む。眼用レンズはまた、後面とは反対側でレンズの外面に沿って延在する前面を含む。概して、レンズの内寄り部分は、視力を改善するように構成され、周辺部分は、快適さを改善するように構成されている。しかし、内寄り部分の構成は、患者の快適さを決定するのに役割を演じることができ、周辺部分は、装用中、角膜の光学部分上で内寄り光学部分のセンタリングを維持することにより、少なくとも部分的に視力結果を改善する。
レンズの内寄り光学部分は、眼に対する後面の係合が該後面を変形させて、内寄り部分の該後面が、角膜の上皮および光学部分の屈折形状とは相違した形状を有するように構成されている。眼用レンズの内寄り部分の前面は、患者の視力を矯正するための球面を提供する。
特定の態様において、レンズの内寄り光学部分は、約5mm〜約10mm、約7mm〜約9mm、約7.5mm〜約8.5mm、約7.8mm〜約8.2mmおよび特定の態様においては約8mmの直径を特徴とする。レンズの前面内寄り部分は、円柱成分なしの実質的に球面状のプロファイルを特徴とする。特定の態様において、内寄り部分は、約100μm〜約900μm、約200μm〜約900μm、約300μm〜約700μm、500μm〜900μm、550μm〜850μm、600μm〜750μm、600μm〜800μm、600μm〜725μmおよび特定の態様においては600μm〜700μmの厚さを特徴とする。比較として、屈折異常を矯正するための市販のトーリックコンタクトレンズは約150μm〜約250μmの厚さを特徴とする。
特定の態様において、内寄り部分は、レンズの後面を形成する材料の第一の層およびレンズの前面を形成する材料の第二の層を含む。第一の層は薄く、かつ周辺部分の材料と同じ材料から形成され得る。特定の態様において、第一の層は厚さ10μm〜60μm、20μm〜50μmおよび特定の態様においては約25〜約35μmである。第一の層は内寄り部分を保持する。特定の態様において、内寄り部分は、第二の層の前面にかぶさる第三の層を含む。ここでもまた、第一の層と同様に、第三の層は薄く、例えば第一の層の厚さと同様な厚さを有し、かつ周辺領域を形成する材料と同じ材料から形成され得、かつボタンとも呼ばれる第二の層を保持する。第二の層またはボタンはレンズの内寄り部分の厚さの大部分を提供する。
レンズの内寄り光学部分は、内寄り部分の剛性がレンズの周辺部分の剛性よりも高い剛性を特徴とする。特定の態様において、内寄り部分は、約8E8 MPa-μm3〜約2E10 MPa-μm3の剛性を特徴とする。本明細書に開示されるように、剛性は材料の厚さおよび弾性率の関数である。本開示によって提供される眼用レンズは、内寄り部分のために軟質の低弾性率材料を用い、断面厚さを増すことによって増大した剛性を達成する。例えば、特定の態様において、内寄り光学部分を形成する材料の弾性率は約10MPa〜約100MPaである。軟質の低弾性率材料が患者の快適さを改善すると考えられる。
特定の態様において、装置の内寄り部分の剛性は外寄り部分の剛性よりも高い。例えば、特定の態様において、装置は、約1.2E-6Pa-m3〜約3.1E-3Pa-m3、約1E-5Pa-m3〜約1E-3Pa-m3および特定の態様においては約1E-4Pa-m3〜約1E-3Pa-m3の内寄り剛性を有することができる。
特定の態様において、装置は、5.4E-9Pa-m3〜約1.5E-4Pa-m3、約1E-8Pa-m3〜約1E-4Pa-m3、約1E-7Pa-m3〜約1E-5Pa-m3および特定の態様においては約1E-6Pa-m3〜約1E-5Pa-m3の外寄り剛性を有することができる。
装置の部分の剛性は、単一の材料の厚さを増すことにより、同じ厚さでより高い弾性率を有する材料を使用することにより、または異なる弾性率および厚さを有する材料を組み合わせることにより、高めることができる。
装置の部分の剛性は、その部分を構成する材料の弾性率×厚さの3乗によって近似される。ある部分が一つより多い材料を含む場合、剛性は、その部分の平均弾性率×その部分の厚さの3乗に基づいて近似することができる。例えば、20MPaの弾性率および90μmの厚さの第一の材料を含む部分ならびに5MPaの弾性率および10μmの厚さの第二の材料は18.5MPaの平均弾性率を有する。そして、その平均弾性率に厚さの3乗を掛けることによってその部分の剛性を近似することができ、本例の場合、18.5E-6Pa-m3であると決定される。これらの計算は近似に基づくことができるが、当業者は、相対剛性をより正確に推定するためにシミュレーション、例えば有限要素モデリングシミュレーションを実施することもできるし、および/または装置の様々な部分の剛性を測定するために圧力および撓み力を計測することができる。
特定の態様において、装置の内寄り部分はさらに、角膜の屈折率に実質的に一致し得る屈折率を特徴とし、例えば、屈折率は、角膜の屈折率と約±0.05の範囲内で合致するために、約1.38〜約1.43の範囲内であり得る。特定の態様において、内寄り部分および外寄り部分は、角膜の屈折率と約±0.05の範囲内で合致するために、約1.38〜約1.43の屈折率を特徴とする。
特定の態様において、例えば、装置が視力矯正を提供する場合、内寄り部分は、角膜の屈折率とは異なる屈折率を特徴とし得る。
特定の態様において、内寄り部分は、約10MPa〜約100MPa、10MPa〜約70MPa、約20MPa〜約60MPa、約20MPa〜約50MPaおよび特定の態様においては約30MPa〜約40MPaの弾性率を有する光学的に明澄な材料を含む。特定の態様において、内寄り部分は、約20MPa〜約30MPa、約22MPa〜約28MPaおよび特定の態様においては約25MPaの弾性率を特徴とする材料を含む。
特定の態様において、装置の内寄り部分は、約1.2MPa〜約25MPaの弾性率、約100μm〜約500μmの厚さおよび約1.2E-6Pa-m3〜約3.1E-3Pa-m3の剛性を有する単一の材料を含む。特定の態様において、装置の外寄り部分は、約0.2MPa〜約1.4MPaの弾性率、約30μm〜約500μmの厚さ(例えば、内寄り部分の厚さからテーパ状に変化)および約5.4E-9Pa-m3〜約1.5E-4Pa-m3の剛性を有する単一の材料を含む。特定の態様において、装置の内寄り部分は、約1.2MPa〜約25MPaの弾性率、約100μm〜約500μmの厚さおよび約1.2E-6Pa-m3〜約3.1E-3Pa-m3の剛性を有する単一の材料を含み、装置の外寄り部分は、約0.2MPa〜約1.4MPaの弾性率、約30μm〜約500μmの厚さ(例えば、内寄り部分の厚さからテーパ状に変化)および約5.4E-9Pa-m3〜約1.5E-4Pa-m3の剛性を有する単一の材料を含む。
特定の態様において、内寄り部分は、シリコーン、シリコーンハイドロゲル、ハイドロゲルおよび前記のいずれかの組み合わせから選択される材料を含む。特定の態様において、内寄り部分は、シリコーン、特定の態様においてはシリコーンハイドロゲル、特定の態様においてはハイドロゲルおよび特定の態様においてはシリコーンとシリコーンハイドロゲルとの組み合わせを含む。
図7は、本発明の特定の態様に従う装置の断面図を示す。図7に示す装置は、少なくとも、中心曲率、中間周辺曲率および周辺曲率を含む三曲線プロファイルを有する。中心曲率とは、装置中心の約3mm直径領域に及ぶ装置の内寄り部分の曲率をいう。中間周辺曲率とは、装置中心から約5mmの半径方向領域における曲率をいう。周辺曲率とは、装置のエッジ近くの曲率をいう。特定の態様において、例えば図7に示すように、周辺曲率領域から装置の他の部分への移行は滑らかであり得ず、角を特徴とし得る。図7は、本開示によって提供される装置700の中心線701を示し、中心領域702および中心領域702の両側の中間周辺領域704を有する。特定の態様において、中心領域702の直径703は、約5mm〜約7mm、約5.5mm〜約6.5mmおよび特定の態様においては約6mmである。特定の態様において、中間周辺領域704は、中心領域702のエッジ直径から中心線701から約5mmのところまで延在する。したがって、中間周辺領域の直径は、約7mm〜約11mm、約7mm〜約10mm、約6.5mm〜約11mm、約6.5mm〜約10mmおよび特定の態様においては約6mm〜約10mmであり得る。特定の態様において、装置の周辺直径707は、約11mm〜約16mm、約12mm〜約15mmおよび特定の態様においては約14mmであり得る。本明細書において参照される外寄り部分は、中間部分とも呼ばれる中間周辺領域および周辺部分を含む。
特定の態様において、外寄り部分は、約0.05MPa〜約4MPa、約0.1MPa〜約3MPa、約0.1MPa〜約2MPaおよび特定の態様においては約0.2MPa〜約1.5MPaの弾性率を有する材料を含む。特定の態様において、外寄り部分は、約0.9MPa〜約1.5MPa、約1MPa〜約1.4MPaおよび特定の態様においては約1.2MPaの弾性率を特徴とする材料を含む。特定の態様において、周辺部分を形成する材料は、約0.01MPa〜約10MPa、約0.01MPa〜約8MPa、約0.01MPa〜約5MPaおよび特定の態様においては約0.01MPa〜約2MPaの弾性率を特徴とする。特定の態様において、装置は、約25MPaの弾性率を特徴とする、シリコーンポリマー、シリコーンハイドロゲルまたはハイドロゲルのような材料から形成された内寄り部分および約1.2MPaの弾性率を特徴とする、シリコーンポリマーまたはシリコーンハイドロゲルのような材料から形成された外寄り部分を含む。
特定の態様において、外寄り部分は、シリコーン、シリコーンハイドロゲル、ハイドロゲルおよび前記のいずれかの組み合わせから選択される材料を含む。特定の態様において、結合成分は、シリコーン、特定の態様においてはシリコーンハイドロゲル、ハイドロゲルおよび特定の態様においてはシリコーン、シリコーンハイドロゲルおよび/またはハイドロゲルの組み合わせを含む。
特定の態様において、内寄り部分および外寄り部分の両方を含む装置を形成する材料は、低い含水率を有し、低い水分またはイオン透過性を特徴とする。特定の態様において、含水率は、約5%未満、約4%未満および特定の態様においては約3%未満である。特定の態様において、装置を形成する材料は、約1%未満、約0.6%未満および特定の態様においては約0.3%未満の含水率を有する。特定の態様において、材料は、約0.4×10-6cm2/sec未満、約0.2×10-6cm2/sec未満および特定の態様においては約0.1×10-6cm2/sec未満である。
特定の態様において、内寄り部分は、外寄り部分とは異なる材料を含む。特定の態様において、内寄り部分と外寄り部分とは同じ材料を含む。内寄り部分と外寄り部分とが同じ材料を含む態様において、異なる弾性率は、異なる架橋密度を特徴とするような、使用されるポリマーの詳細な化学的性質によって実現され得る。
特定の態様において、装置の内寄り部分および装置の外寄り部分は、第一の弾性率を特徴とし、かつ装置の下面に沿って延在する第一の材料を含み;内寄り部分は、第一の弾性率よりも高い第二の弾性率を特徴とし、かつ第一の材料よりも前に配置された第二の材料を含む。そのような態様において、第一の材料は、角膜に適用されたとき、角膜の前面と第一の材料の層との間でクッションとして働くことによって装置の快適さを促進するように構成されている薄い層である。第二の材料は、眼の上に適用される装置の前面の有益な光学形状を促進するように構成されている。
内寄り部分の剛性を反映する尺度として、ISO 18369-4撓み試験法を使用して、内寄り部分の撓みを測定することができる。約25MPaの弾性率を有する様々な厚さのシリコーン材料に関して内寄り部分またはボタンの撓みを測定した。
周辺部分は、眼用レンズの内寄り部分の外側に半径方向に位置する。概して、周辺部分は、内寄り部分を保持し、かつ内寄り部分と周辺部分との間の界面における内寄り部分と概ね同じ厚さを特徴とし、周辺部分の厚さは周縁に向けてテーパ状に減少する。特定の態様において、周縁の直径は、約12mm〜16mm、13mm〜約16mm、約13.5mm〜約15.5mm、約14mm〜約15mmおよび特定の態様においては約14.2mm〜約14.8mmである。
周辺部分は、内寄り部分よりも低い剛性を特徴とし、かつ内寄り部分の弾性率よりも低い弾性率を有する材料から形成することができる。特定の態様において、周辺部分を形成する材料は、約0.5MPa〜約2.0MPa、約0.8MPa〜約1.7MPa、約1.0MPa〜約1.4MPaおよび特定の態様においては約1.2MPaの弾性率を特徴とする。
周辺部分は、装置の前面と上皮との間に涙流を提供するように構成されている。特定の態様において、周辺部分は、周辺部分の前面から後面まで延在する複数のレンズ孔を含む。特定の態様において、複数のレンズ孔は、眼用レンズの中心光軸から半径方向の位置、例えば内寄り部分と周辺部分との間の界面に近い半径方向の位置に配置されている。複数のレンズ孔は、対称に配置されてもよいし、または非対称に配置されてもよい。レンズ孔は、瞬きするとき周辺部分と上皮との間に涙液をポンピングして、レンズの後面と上皮との間および/またはレンズの前面全体に涙液層を維持するように構成され得る。特定の態様において、複数のレンズ孔は、眼からのレンズの取り出しを容易にするように構成され得る。特定の態様において、複数のレンズ孔は、気泡がレンズの下に捕らえられたとき空気の放散を容易にするように構成され得る。特定の態様において、複数のレンズ孔は、レンズを患者の眼に適用したのち任意のレンズ状容積内に閉じ込められた気泡の取り出しを容易にする。複数のレンズ孔は、眼からのレンズの取り出しおよび気泡の放散の両方を容易にし得る。特定の態様において、複数のレンズ孔は、レンズ孔を有しない匹敵するレンズを装用する患者集団における視力の結果に比べて、レンズを装用する患者集団における視力結果の再現精度を改善する。
特定の態様において、本開示によって提供される眼用レンズの内寄り部分、周辺部分または内寄り部分および周辺部分の両方は半径方向に対称である。特定の態様において、内寄り部分の前面および内寄り部分の後面は半径方向に対称である。
本開示によって提供される眼用レンズの特定の態様において、内寄り部分および周辺部分は、眼の瞬きに応答して、眼に対するレンズの動きを許容するように構成されている。そのような態様において、眼用レンズは、瞬きののち、内寄り光学部分が角膜の光学部分上にセンタリングするように構成されている。瞬き時、内寄り部分、周辺部分または内寄り部分および周辺部分の両方は、変形し得る、および/または角膜の中心光軸に対して動き得る。眼用レンズが患者によって装用されるとき、少なくとも部分的に患者の眼の形状およびレンズの構造に依存して、眼用レンズは、瞬き時に動き得る、またはわずかに微動を示し得る。しかし、特定の態様において、レンズは、動きに抵抗するように構成されておらず、例えば、レンズの周縁は、内寄り部分が角膜に対する動きに抵抗するように上皮または強膜と固定的に係合するようには構成されていない。
本開示によって提供される眼用レンズの特定の態様において、内寄り部分および周辺部分は、眼用レンズの周辺部分と上皮との間に涙液流を提供するように構成されている。
特定の態様において、本開示によって提供される眼用レンズは、内寄り部分と周辺部分との間の界面の近くに配置された補強リングを含む。図15Aおよび15Bは、補強リングを組み込んだ、本開示によって提供される眼用装置の斜視図および断面図を示す。図15Aおよび15Bは、中心光学部分1501と、内寄り部分の後面に沿って配置された薄い層1706によって部分的に、内寄り部分1501に機械的に結合された周辺部分またはスカート部1502とを有する眼用レンズを示す。内寄り部分1501は、実質的に均一な厚さ1507および周辺部分1702の剛性よりも高い剛性を特徴とする。周辺部分1502はヒール1505および周縁1504を含む。補強リング1503が中心光学部分1501と周辺部分1502との間の界面の近くに配置され、図15Aおよび15Bに示す態様においては、補強リング1503は中心光学部分1701内に埋め込まれている。図15Aにおいて、中心光学部分および周辺部分の様々な高さは、これらの部分が一つまたは複数の曲率半径を有し得ることを示すためのものである。補強リングは、内寄り部分内に配置または埋め込みされてもよいし、周辺部分内に配置または埋め込みされてもよいし、あるいは内寄り部分と周辺部分との間の界面に配置されてもよい。補強リングは、瞬き時などの眼に対する力および/またはまぶたの力による内寄り光学部分の撓みを防ぐ、または最小限にするように構成されている。補強リングは、視力を妨げないような半径方向位置に配置される。補強リングは、半径方向に対称なリングであり得、かつ装用中に角膜の光学領域への眼用レンズのセンタリングを容易にするように構成され得る。特定の態様において、補強リングは、レンズの内寄り部分および周辺部分を形成する材料の弾性率よりも高い弾性率を有する材料から作製され得る。特定の態様において、補強リングは、硬質で光学的に不透明または半透明な材料、例えばポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスルホンまたは前記のいずれかの組み合わせから作製され得る。特定の態様において、補強リングは、透明な硬質のガス透過性ポリマー、例えばポリメチルメタクリレート、フルオロシリコーンアクリレート、シリコーンアクリレート類または前記のいずれかの組み合わせで作製され得る。特定の態様において、補強リングは、金属、例えばチタン、ステンレス鋼、コバルト鋼または前記のいずれかの組み合わせから作製され得る。特定の態様において、補強リングを形成する材料は、内寄り部分を形成する材料の屈折率と同じ屈折率を有する。特定の態様において、補強リングは、例えば、約4mm〜約12mm、約6mm〜約12mm、約8mm〜約12および特定の態様においては約8mm〜約10mmの内径を有し得る。特定の態様において、補強リングは、例えば、約0.1mm〜約5mm、約1mm〜約4mm、約2mm〜約3mmおよび特定の態様においては約0.5mm〜約2mmの幅を有し得る。特定の態様において、補強リングは、例えば、約0.05mm〜約0.5mm、約0.1mm〜約0.4mm、約0.2mm〜約0.3mmおよび特定の態様においては約0.2mm〜約0.4mmの厚さを有し得る。補強リングは、レンズの中心光学部分を形成する材料および/またはレンズの周辺部分を形成する材料へのリングの接着を高めるための特徴を含んでもよいし、または含まなくてもよい。例えば、補強リングは、凹および/または凸面、くぼみ、部分的な通し孔、完全な通し孔、穿孔、鋸歯状または不規則な縁または前記のいずれかの組み合わせを含み得る。
レンズの周辺部分は、周縁に向かってテーパ状であり得る。テーパは、連続的であってもよいし不連続であってもよい。周辺部分は、周縁に向かって外方にフレア状であってもよく、かつ変形ヒール構造と呼ばれる。レンズの断面プロファイルは、実質的に一定の厚さを特徴とする内寄り部分および周辺部分のテーパの形状によって決まる。断面レンズプロファイルの例が図14A〜14Cに示されている。概して、眼用レンズの断面形状は、任意の眼の屈折異常を矯正し、レンズを角膜の光学部分上にセンタリングし、眼に対するレンズの動きを容易にし、レンズの後面と上皮との間に涙液の流れを提供し、レンズを装用する患者に快適さを提供するように構成されている。動き、流体層を提供し、涙液を交換するレンズの能力が眼の健康を促進し、かつ長期装用のための快適さを改善する。
本開示によって提供されるレンズの内寄り部分の撓みが表1に提示される。表1は、厚さ200μm〜850μmの内寄り部分を非撓み直径の一定の割合だけ撓ませるのに要する力(gm)を提示する。200μm、325μmおよび550μmの厚さの場合、内寄り部分を1%変位させるのに要する力は、計器によって正確に計測するには小さすぎた。また、屈折異常を矯正するために使用される、標準的なRGPトーリックレンズの厚さ150μmの内寄り部分および厚さ250μmのハイブリッドトーリックレンズの場合の結果が表1に提示される。表1に提示される結果によって示されるように、トーリックレンズを撓ませるためには、本開示によって提供される、同様な厚さを有する眼用レンズを撓ませる場合よりも有意に多くの力が必要である。これは、少なくとも部分的に、トーリックレンズが本設計の材料よりもずっと高い弾性率を有する材料でできている結果である。
(表1)
Figure 2018088007
特定の態様において、ISO 18369-4撓み試験法を使用して内寄り部分を1%撓ませるのに要する力は、約0.5gm〜約50gm、約1gm〜約40grmおよび特定の態様においては約5gm〜約25gmである。
特定の態様において、内寄り部分は、約5.0E10 Pa-μm3〜約5.0E8 Pa-μm3、2.0E10 MPa-μm3〜約8E9 MPa-μm3、約1.8E10 MPa-μm3〜約8.5E9 MPa-μm3、約1.6E10 MPa-μm3〜約8.8E9 MPa-μm3および特定の態様においては約1.5E10 MPa-μm3〜約9E9 MPa-μm3の剛性を特徴とする。そのような態様のいくつかにおいて、内寄り部分の厚さは、約650μm〜約850μm、特定の態様においては200μm〜800μmおよび特定の態様においては400μm〜800μmである。さらに、そのような態様のいくつかにおいて、内寄り部分を形成する材料の弾性率は、約20 MPa〜約30 MPa、約23 MPa〜約27 MPaおよび特定の態様においては約25 MPaである。これを、約70μmの中心光学厚さ、1.7 MPaの弾性率、および約5.8E5 MPa-μm3の剛性を有するソフトトーリックレンズに比較することができる。また、これを、150umの中心光学厚さ、1,200 MPaの弾性率、および4E9 MPa-μm3の剛性を有するRGPレンズに比較することができる。ソフトトーリックレンズに比べると、特定の態様において、本開示によって提供される眼用レンズは、ソフトトーリックレンズの中心部分の剛性の約10,000〜30,000倍の大きさである中心光学部分の相対剛性を有する。
特定の態様において、内寄り部分は、4E8 MPa-μm3〜1E10 MPa-μm3、6E8 MPa-μm3〜1E10 MPa-μm3、8E8 MPa-μm3〜1E10 MPa-μm3、1E9 MPa-μm3〜1E10 MPa-μm3、2E9 MPa-μm3〜1E10 MPa-μm3、4E9 MPa-μm3〜1E10 MPa-μm3および特定の態様においては6E9 MPa-μm3〜1E10 MPa-μm3の剛性を特徴とする。そのような態様のいくつかにおいて、内寄り部分の厚さは、約100μm〜900μm、特定の態様においては200μm〜800μmおよび特定の態様においては400μm〜800μmである。さらに、そのような態様のいくつかにおいて、内寄り部分を形成する材料の弾性率は、約20MPa〜約30MPa、約23MPa〜約27MPaおよび特定の態様においては約25MPaである。
特定の態様において、本開示によって提供される眼用レンズは、少なくとも約6E9 MPa-μm3、少なくとも約8E9 MPa-μm3、少なくとも約1E10、少なくとも約1.2E10 MPa-μm3および特定の態様においては少なくとも約1.4E10 MPa-μm3の中心剛性を特徴とする。中心剛性は、レンズの中心光学部分を形成するために使用される材料の弾性率および厚さに基づいて選択することができる。概して、レンズの中心部分の剛性は、使用中に球面状の前面を維持するように選択される。特定の態様において、光学部分の中心の厚さは、少なくとも200μm、少なくとも300μm、少なくとも400μm、少なくとも500μm、少なくとも600μm、少なくとも700μmおよび特定の態様においては少なくとも800μmである。特定の態様において、光学部分の中心の厚さは、100μm〜900μm、200μm〜900μm、300μm〜900μm、400μm〜900μm、500μm〜900μm、600μm〜700μm、700μm〜800μmおよび特定の態様においては少なくとも300μm〜600μmである。概して、薄めの中心厚さを有するレンズは、装用がより快適である。特定の態様において、眼用レンズの内寄り部分は、1,000MPa未満、750MPa未満、500MPa未満、250MPa未満、200MPa未満、100MPa未満、50MPa未満、30MPa未満、20MPa未満および特定の態様においては10MPa未満の弾性率を特徴とする材料から形成される。特定の態様において、眼用レンズは、少なくとも約6E9 MPa-μm3の中心剛性、200μm〜900μmの厚さおよび10MPa〜1,000MPaの弾性率および特定の態様においては10MPa〜200MPaの弾性率を特徴とする。
特定の態様において、内寄り光学部分は、100μm〜900μmの厚さ、約10MPa〜約1,000MPaの弾性率、および少なくとも約4E8 MPa-μm3の剛性を特徴とする。特定の態様において、内寄り光学部分は、100μm〜900μmの厚さ、約10MPa〜約600MPaの弾性率、および少なくとも約4E8 MPa-μm3の剛性を特徴とする。特定の態様において、内寄り光学部分は、100μm〜900μmの厚さ、約10MPa〜約300MPaの弾性率、および少なくとも約4E8 MPa-μm3の剛性を特徴とする。特定の態様において、内寄り光学部分は、100μm〜900μmの厚さ、約10MPa〜約100MPaの弾性率、および少なくとも約4E8 MPa-μm3の剛性を特徴とする。
特定の態様において、眼用レンズの内寄り部分は、少なくとも約1E9 MPa-μm3の中心剛性、100μm〜800μmの厚さおよび10MPa〜800MPaの弾性率および特定の態様においては10MPa〜200MPaの弾性率を特徴とする。特定の態様において、眼用レンズは、少なくとも約5E8 MPa-μm3の中心剛性、100μm〜800μmの厚さおよび10MPa〜800MPaの弾性率および特定の態様においては10MPa〜200MPaの弾性率を特徴とする。
いくつかの態様においては、少なくとも部分的に患者の角膜の形状に依存するが、眼用レンズの後面は、装用中、上皮の表面に完全には適合し得ない。したがって、内寄り部分、周辺部分または内寄り部分および周辺部分の両方の少なくとも一部は、下に位置する上皮の少なくとも特定の部分の上に円蓋を形成して、一つまたは複数のレンズ状容積を形成する。レンズ状容積は涙液で満たされ得る。瞬き中にレンズが眼の上で動く能力および存在するならば任意のレンズ孔が、涙液をレンズ状容積に循環させ、涙液を眼の他の部分と交換することができる。
特定の態様において、内寄り部分および周辺部分は、シリコーン、シリコーンハイドロゲル、ハイドロゲル、または前記のいずれかの組み合わせから形成される。
図8Aは、未矯正で1.25DC〜2.00DCの円柱誤差(軽〜中等度乱視)を有する患者集団の、本開示の眼用レンズを装用したときの平均球面レンズ矯正視力(LogMAR)を示す。レンズの厚さごとの平均球面レンズ矯正視力(LogMAR)が最小値および最大値の上に示されている。また、試験を受けた患者の数が図に示されている。軽〜中等度乱視を矯正するのに適したソフトトーリックコンタクトレンズは20/20の視力(トーリックSCL)0.00LogMARを±0.15の標準偏差(±1SD)で提供する。内寄り部分の厚さが600μm〜800μmであり、弾性率が25MPaである、本開示によって提供されるレンズを用いて同様な矯正視力が得られる。本開示によって提供されるレンズの最小値および最大値によって反映されるように、矯正視力の偏差は、試験したトーリックソフトコンタクトレンズ製品の偏差よりも小さい。
本開示によって提供される、600μm、725μmまたは850μmの中心厚さを有するレンズを装用したとき20/25以上または20/20以上の視力を有する患者の割合を示すために、図8Aに提示した結果を異なるフォーマットで図8Bに表す。レンズを装用する前、患者は1.25DC〜2.00DCの未矯正円柱誤差を有していた。図8Bに示すように、試験した厚さごとに、患者の100%が20/25以上の視力を示した。また、レンズの内寄り部分の厚さの増加とともに20/20以上を見える患者の割合が増加した。
特定の態様において、約1.25DC〜約2.00DCの未矯正円柱誤差に対応する軽〜中等度乱視を有する患者の屈折異常を矯正するための装置は、患者によって装用されたとき、少なくとも20/25の視力または20/20の視力を提供する。
図9Aおよび図9Bは、中等〜強度乱視に対応する2.25DC〜3.00DCの未矯正円柱誤差を有する患者に関する、図8Aおよび図8Bに提供された結果と同様な結果を示す。レンズの厚さごとの平均球面レンズ視力(LogMAR)が計測値の最小値および最大値の上に示されている。また、試験を受けた患者の数が図に示されている。中等〜強度乱視の患者の場合、ソフトトーリックレンズは、0.15±0.15(±1SD)の平均球面レンズ矯正視力(LogMAR)を提供する。図9Aに示すように、本開示によって提供される、600μm〜850μmの中心厚さおよび25MPaの弾性率を有する眼用レンズは、試験したトーリックソフトコンタクトレンズの平均球面レンズ矯正視力以上の平均球面レンズ矯正視力を提供する。図9Bのヒストグラムは、中等〜重度乱視を有する患者の場合、レンズの内寄り部分の厚さの増加とともに20/25以上および20/20を見える患者の割合が増加することを示す。
特定の態様において、約2.25DC〜約3.00DCの未矯正円柱誤差に対応する中等〜強度乱視を有する患者の屈折異常を矯正するための装置は、患者によって装用されたとき、少なくとも20/25の視力または20/20の視力を提供する。
特定の態様において、本開示によって提供される眼用レンズを装用したとき、2.25DC〜3.00DCの円柱誤差を有する患者集団の平均矯正視力は0.1±0.15LogMARであるかまたはそれよりよい。
特定の態様において、本開示によって提供される眼用レンズを装用したとき、1.25DC〜2.00DCの円柱誤差を有する患者集団の平均矯正視力は0.0±0.15LogMARであるかまたはそれよりよい。
本開示によって提供される眼用レンズは、RGPおよびソフトトーリックレンズ以上の屈折矯正を提供し、かつ、高められた快適さを提供するように構成されている。図10Aにおいて、本開示によって提供されるレンズの快適さが市販のソフトトーリックコンタクトレンズの快適さに比較されている。特定のレンズを装用しているときに体感する快適さのレベルを患者に1〜10のスケールで格付けしてもらうことにより、快適さスコアを判定した(10のスコアが最高の快適さを反映)。レンズの厚さごとの平均快適さスコアが±1SDの誤差バーの上に示されている。また、試験を受けた患者の数が図に示されている。275μm〜850μmの内寄り厚さを有する本開示のレンズを装用する患者の平均(±1SD)快適さスコアが、5種類の異なるソフトトーリックコンタクトレンズ設計A〜Eの快適さスコアと比較されている。本レンズの結果は、レンズを眼に適用してから30分以内に得られた。また、厚さ275μmのレンズに関して、1日の終わりに快適さを判定した。ソフトトーリックコンタクトレンズの結果は、眼に適用してから1週間または1日の終わりに判定した。最良のソフトトーリックコンタクトレンズは、1週間の装用後、8.3(±1.12)の平均快適さスコアを出した。本開示によって提供されるレンズは、より薄いレンズで高められた快適さスコアを出して、より高い快適さを示した。
特定の態様において、屈折異常を矯正するための装置は、患者集団において、装置を少なくとも1日または少なくとも1週間装用したのち、少なくとも6.5、少なくとも7.5、少なくとも8または少なくとも9の平均快適さレベルを示す。特定の態様において、屈折異常を矯正するための装置は、患者集団において、装置を少なくとも30分間装用したのち、少なくとも6.5、少なくとも7.5、少なくとも8または少なくとも9の平均快適さレベルを示す。
600μm、725μmおよび850μmの内寄り領域厚さの場合で8以上の快適さレベルまたは9以上の快適さレベルを体感する患者の割合が図10Bに提示されている。結果は、概して、約725μm以下の厚さを有するレンズの場合、高い快適さを体感する患者の割合が増加することを実証する。
特定の態様において、本開示によって提供される眼用レンズは、コンタクトレンズ関連の有害事象、例えば角膜潰瘍、細菌性結膜炎および虹彩炎の危険を増大させない。
図11は、ISO 18369-4に従ってコンタクトレンズの内寄り部分またはボタンの撓みを試験するための計器の略図である。
図12は、本開示によって提供される特定の眼用レンズの厚さと撓みとの関係を示すグラフである。200μm〜800μmの厚さを有するレンズの中心部分またはボタンを10%撓ませるのに要する力(gm)が図12に示されている。
図13は、レンズの内寄り部分またはボタンを1%撓ませるのに要する力(gm)を示すヒストグラムである。本開示によって提供される、600μm〜850μmの中心厚さを有するレンズの撓み(NXV)が、乱視異常を治療するために使用される硬質ガス透過性(RGP)レンズおよびソフトトーリックコンタクトレンズ(A)の撓みに比較されている。
また、本開示によって提供される装置および方法は、ドライアイに対処するために使用することもできる。そのような用途において、装置は、低い水分含量および低い水分吸収率を有するシリコーンのような材料を含み、眼からの水分蒸発を調整することができ、そして涙または潤滑液の貯蔵を維持することができる。
本開示によって提供される特定の眼用装置の使用を記載する以下の実施例を参照することにより、本開示によって提供される態様をさらに説明する。本開示の範囲を逸脱することなく、材料および方法の両方に対する多くの変更を実施し得るということが当業者には明らかであろう。
実施例1
近視を有する対象に特徴的な-2.63ジオプトリー(OD)および-2.13ジオプトリー(OS)の光学矯正を要する対象が眼用レンズを両眼に(非常におおまかに)約40時間装用した。眼用デバイスの内寄りおよび周辺曲率半径を表1に示す。約40時間後、眼用レンズを取り出し、視力を矯正するために必要とされる光学矯正の量(ジオプトリー)を様々な時間で決定した。眼用レンズを対象から取り出したのち必要とされた光学矯正の量(ジオプトリー)を表2に示す。
(表2)眼用レンズを装用したのち必要とされた光学矯正の量(ジオプトリー)
Figure 2018088007
* NM=計測せず
実施例2
遠視を有する対象に特徴的な+0.13ジオプトリー(OD)および+0.25ジオプトリー(OS)の光学矯正を要する対象が、眼用レンズを右眼に(非常におおまかに)約35時間、および左目に(非常におおまかに)約17時間装用した。眼用デバイスの内寄りおよび周辺曲率半径を表2に示す。指定されたおおよその時間数ののち、眼用レンズを取り出し、視力を矯正するために必要とされる光学矯正の量(ジオプトリー)を様々な時間で決定した。眼用レンズを対象から取り出したのち必要とされた光学矯正の量(ジオプトリー)を表3に示す。
(表3)眼用レンズを装用したのち必要とされた光学矯正の量(ジオプトリー)
Figure 2018088007
* NM=計測せず
理解しやすくするために例示的な態様を例としていくぶん詳細に説明したが、当業者は、多様な改変、適応および変形を用い得るということを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲のみによって限定されるべきである。
付録1
(表B1)
Figure 2018088007
(表B2)よりフラットな周辺設計
Figure 2018088007
(表B3)
Figure 2018088007
* 前のカーブと正接しないことがある(広げるのを助ける外寄りカーブが挿入されている場合)
(表B4)
Figure 2018088007

Claims (16)

  1. 眼の光学領域にわたって延在する屈折形状をもたらす角膜を有する眼の屈折異常を矯正するための眼用レンズであって、
    該角膜の該光学領域の上に配置されるように構成された内寄り部分;
    該内寄り部分が該光学領域の上に配置されたとき該眼に隣接して該内寄り部分に沿って延在する後面であって、該後面が、該眼用レンズを通して該眼で見るとき、該角膜の該屈折形状とは相違した形状を有するように、該内寄り部分が構成されている、該後面;
    該内寄り部分の外側に半径方向に配置された眼用レンズの周辺部分;および
    該眼用レンズを通して該眼で見ることが該屈折異常を緩和するように該後面とは反対側で該内寄り部分に沿って延在する眼用レンズの前面
    を含み、
    内寄り部分が、400 μm〜900 μmの厚さ、ならびに10 MPa〜200 MPaの弾性率および5E8 MPa・μm3〜5E10 MPa・μm3の剛性を特徴とする
    前記眼用レンズ。
  2. 内寄り部分の剛性が周辺部分の剛性よりも高い、請求項1に記載の眼用レンズ。
  3. 内寄り部分の剛性が8.0E9 MPa・μm3〜2E10 MPa・μm3である、請求項1に記載の眼用レンズ。
  4. 内寄り部分が、10MPa〜100MPaの弾性率を特徴とする材料を含み、かつ周辺部分が、0.01MPa〜10MPaの弾性率を特徴とする材料を含む、請求項1に記載の眼用レンズ。
  5. 内寄り部分および周辺部分が、シリコーン、シリコーンハイドロゲル、ハイドロゲル、または前記のいずれかの組み合わせから選択される材料を含む、請求項1に記載の眼用レンズ。
  6. 内寄り部分が、20MPa〜100MPaの弾性率を特徴とする材料から形成されている、請求項1に記載の眼用レンズ。
  7. 内寄り部分の前面が、球面状のプロファイルを特徴としている、請求項1に記載の眼用レンズ。
  8. 前面が、円柱成分なしの球面状のプロファイルを特徴としている、請求項1に記載の眼用レンズ。
  9. レンズによる円柱誤差(cylindrical error)の矯正が、主として、眼用レンズを通して該眼で見るとき角膜の形状に対する後面の形状の相違によって実施されるように、内寄り部分の前面が、球面状の面を特徴としている、請求項1に記載の眼用レンズ。
  10. 内寄り部分の前面および該内寄り部分の後面が半径方向に対称である、請求項1に記載の眼用レンズ。
  11. 周辺領域に配置されている複数のレンズ孔をさらに含む、請求項1に記載の眼用レンズ。
  12. 複数のレンズ孔が、眼が瞬きするとき周辺部分と角膜との間に涙液をポンピングするように構成されている、請求項11に記載の眼用レンズ。
  13. 内寄り部分と周辺部分との間の界面の近くに配置された補強リングを含み、該補強リングが、内寄り部分を形成する材料の弾性率よりも高い弾性率を有する材料から形成されている、請求項1に記載の眼用レンズ。
  14. 角膜の光学領域にわたって延在する屈折形状をもたらす角膜を有する眼の屈折異常を矯正するための方法であって、
    請求項1の眼用レンズを患者の眼の上に配置する段階を含む前記方法。
  15. 眼の屈折異常が、乱視、球面収差、またはそれらの組み合わせを含み、
    眼用レンズが、前面と後面との間に延在する複数のレンズ孔を含み、該複数のレンズ孔が光学領域の外側に配置され;
    該眼用レンズの内寄り部分が変形可能であり、かつ周辺部分が該内寄り部分の剛性よりも低い剛性を特徴とし;
    該前面を通して該眼で見るときの屈折異常の緩和が、少なくとも1.5Dの乱視異常の範囲全体にわたって該周辺部分の形状とは無関係であり、かつ該眼の視軸を中心とする該眼用レンズの回転方向の向きとは無関係である、請求項14に記載の方法。
  16. 屈折形状をもたらす角膜を各眼に有する患者集団の眼の屈折異常を矯正するための、代替的に選択可能な眼用レンズのセットであって、
    関連する所望の球面度数に対応する前面であって、該眼用レンズの変形可能な内寄り部分に沿って延在する該前面;および
    該内寄り部分から外側へと半径方向に延在する眼用レンズの周辺部分であって、該内寄り部分の剛性よりも低い剛性を特徴とし、かつ該内寄り部分を眼の光学領域と整合した状態に支持するように該光学領域の外側の組織と係合するために構成された該周辺部分
    をそれぞれ含む、異なる球面度数を有する複数の代替眼用レンズ
    を含み、
    該内寄り部分が、400 μm〜900 μmの厚さ、ならびに10 MPa〜200 MPaの弾性率および5E8 MPa・μm3〜5E10 MPa・μm3の剛性を特徴とする、
    前記セット。
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