JP2018087259A - 樹脂組成物およびそれを用いたヒートシンク - Google Patents

樹脂組成物およびそれを用いたヒートシンク Download PDF

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Abstract

【課題】機械的特性に優れ、放熱性能が良い樹脂組成物およびそれを用いたヒートシンクを提供する。【解決手段】樹脂組成物21は、車両に用いられ、樹脂22、フィラー23および炭素繊維24を含む。フィラー23は、樹脂22に充填され、ペロブスカイト構造を有する。樹脂組成物21は、フィラー23によって、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、樹脂22であっても放熱性能が向上する。また、フィラー23が充填されることによって、樹脂組成物21の曲げ弾性率σbまたは衝撃強度σs等の機械的特性が向上する。さらに、フィラー23が熱エネルギーを電気エネルギーに変換したとき、炭素繊維24が含まれることによって、樹脂組成物内の電荷が移動しやすくなる。このため、電気エネルギーへの変換する効率が向上する。また、炭素繊維24によって、樹脂組成物21が異方性を有し、樹脂組成物21の機械的特性が向上する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両に用いられる樹脂組成物およびそれを用いたヒートシンクに関する。
従来、特許文献1に記載のように、樹脂にフィラーを用いて、樹脂の剛性、線膨張係数、異方性に優れた樹脂組成物が知られている。
特開2011−190358号公報
特許文献1に記載のように、フィラーを用いることによって、樹脂の機械的特性を高くすることができる。これにより、機械的特性が求められる車両に、樹脂を用いることができる。
ところで、軽量化が求められる車両に、金属より比重が小さい樹脂を用いられることがある。しかし、一般的に、樹脂は、熱伝導率や輻射率が小さく、車両のヒートシンク等に用いる場合、放熱性能が悪い。そこで、現状では、アルミニウム等の金属がヒートシンクに用いられ、車両が比較的重量になっている。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、機械的特性に優れ、放熱性能が良い樹脂組成物およびそれを用いたヒートシンクを提供することにある。
本発明の樹脂組成物は、車両(1)に用いられる。
樹脂組成物は、樹脂(22)およびフィラー(23)を含む。
フィラーは、樹脂に充填され、ペロブスカイト構造を有する。
樹脂組成物は、ペロブスカイト構造を有するフィラーによって、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、樹脂であっても放熱性能が向上する。
また、フィラーが充填されることによって、樹脂組成物において曲げ弾性率または衝撃強度等の機械的特性が向上する。
炭素繊維(24)をさらに含むことがより好ましい。
フィラーが熱エネルギーを電気エネルギーに変換したとき、炭素繊維が含まれることによって、樹脂組成物内で電荷が移動しやすくなり、電気エネルギーを樹脂組成物の外部に伝えやすくなる。このため、電気エネルギーへ変換する効率が向上する。
さらに、炭素繊維によって、樹脂組成物が異方性を有し、樹脂組成物の機械的特性が向上する。
また、本発明は、上記樹脂組成物を用いたヒートシンクとして、提供される。本発明のヒートシンクは、上記樹脂組成物と同様の効果を奏する。
本発明の一実施形態による樹脂組成物を用いたヒートシンクが設けられている車両の構成図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物を用いたヒートシンクの断面図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物の構成図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物のフィラーの構造を説明するための模式図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物において、(a)初期状態での樹脂組成物の電荷を説明するための模式図、(b)樹脂組成物が圧力エネルギーを外部へ放出したときの樹脂組成物の電荷を説明するための模式図、(c)樹脂組成物が外部から圧力を受けたときの樹脂組成物の電荷を説明するための模式図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物において、(a)初期状態での樹脂組成物の電荷を説明するための模式図、(b)樹脂組成物が外部から熱を吸熱または光を受けたときの樹脂組成物の電荷を説明するための模式図、(c)樹脂組成物が外部へ熱を放熱または光を放出したときの樹脂組成物の電荷を説明するための模式図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物が電気エネルギーを放電したときの模式図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物のフィラー質量比および電気エネルギー変換量の関係図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物のフィラー質量比および曲げ弾性率の関係図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物のフィラー質量比および衝撃強度の関係図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物の炭素繊維質量比および電気抵抗の関係図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物の炭素繊維質量比および曲げ弾性率の関係図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物の炭素繊維質量比および衝撃強度の関係図。 本発明の一実施形態による樹脂組成物を製造する製造装置の構成図。
以下、本発明の実施形態による樹脂組成物およびそれを用いたヒートシンクを図面に基づいて説明する。
本実施形態の樹脂組成物は、車両に用いられる。樹脂組成物は、例えば、車両に搭載されるヒートシンクに用いられる。
まず、本実施形態の樹脂組成物で構成されるヒートシンク10を搭載する車両1について説明する。
車両1の前進方向を「前」とし、車両1の後退方向を「後」とする。また、前進方向から見て上側を「上」とし、前進方向から見て下側を「下」とし、上下方向と車両の高さ方向である車高方向は同一である。さらに、前進方向から見て右側を「右」とし、前進方向から見て左側を「左」とし、左右方向は、車幅方向と同一である。
図1に示すように、車両1は、エンジン2およびラジエータ3を備える。
ボディ4の側部と、ボンネット5と、バンパー6と、でエンジンルーム7が区画形成されている。
車両1は、エンジンルーム7内に内燃機関であるエンジン2が搭載されている。
ラジエータ3は、エンジン2の前方に搭載され、アッパーホース8とロアーホース9とによって、エンジン2に接続されており、冷却ファンが設けられている。冷却ファンは、図示を省略する。
アッパーホース8は、エンジン2からラジエータ3に冷却液が入る配管である。
ロアーホース9は、ラジエータ3からエンジン2に冷却液が入る配管である。
冷却液は水に不凍液が混合されており、不凍液として防錆防腐効果もあるロングライフクーラントが用いられている。
アッパーホース8およびロアーホース9は、ラジエータ3のラジエータフレーム12に接続されている。
ラジエータ3は、エンジン2内の冷却液の経路であるウオータジャケットとアッパーホース8とを経由して、高温になった冷却液が送られ、車両1の走行風で冷却液を冷却する。
また、ラジエータ3は、高温になった冷却液を冷却し、ロアーホース9を経由して、冷却されて冷却液をエンジン2に戻す。
ラジエータ3にヒートシンク10が用いられる。
図2に示すように、ヒートシンク10は、複数の放熱板であるフィン11が設けられ、ラジエータフレーム12に収容されている。なお、ヒートシンク10は、所在を明確にするため、誇張して記載している。
複数のフィン11は、ヒートシンク10のベース14から延びている。
ヒートシンク10は、ラジエータ3の高温になった冷却液を冷却するのに用いられる。
また、ヒートシンク10は、2つの電極13を備える。
電極13は、導体で形成され、通電可能に、ベース14に設けられている。電極13は、フィン11に設けられてもよい。
電極13の機能については、後述する。
従来、車両に搭載されるヒートシンクは、放熱性能がよく、金属の中でも比重が小さいアルミニウム等が用いられている。車両をさらに軽量化するためには、金属ではなく、金属より比重が小さい樹脂を用いる必要がある。
しかし、一般的に、樹脂は、熱伝導率や輻射率が小さく、車両のヒートシンク等に用いる場合、放熱性能が悪い。
そこで、本実施形態の樹脂組成物およびそれを用いたヒートシンクは、機械的特性および放熱性能が良くすることを可能にする。
(一実施形態)
ヒートシンク10は、樹脂組成物21で構成されている。ベース14およびフィン11は、樹脂組成物21を用いて形成されている。
図3に示すように、樹脂組成物21は、樹脂22、フィラー23および炭素繊維24を含む。図中において、フィラー23および炭素繊維24は、所在を明確にするため、大きさもしくは形状を誇張して記載している。フィラー23は、白色で示し、炭素繊維24は、黒色で示す。
樹脂22は、例えば、アクリルニトリル、ブタジエンおよびスチレンからなる共重合体であるABS樹脂である。樹脂22は、下記化学式(1)で表される。
Figure 2018087259
アクリルニトリルは、分子式がC33Nで表され、示性式がCH2=CH−C≡Nで表される有機化合物である。
ブタジエンは、分子式がC46で表され、示性式がCH2=CH−CH=CH2で表され、二重結合を2つ持つ不飽和炭化水素である。
スチレンは、分子式がC88で表され、示性式がC65−CH=CH2で表される芳香族炭化水素である。なお、Cは、炭素原子を表す。Hは、水素原子を表す。「−」は、単結合を表す。「=」は、二重結合を表す。「≡」は、三重結合を表す。
フィラー23は、樹脂22に充填される粉末である。フィラー23が充填されることによって、樹脂組成物21内の空間を占める割合が小さくなり、樹脂組成物21の強度または靭性等の機械的特性が向上する。
図4に示すように、フィラー23は、ペロブスカイト構造を有し、例えば、ランタンガレート(LaGaO3)である。
フィラー23のペロブスカイト構造は、立方晶系の単位格子をもち、立方晶の各頂点に第1金属原子M1が配置されている構造である。また、体心に第2金属原子M2が配置されており、立方晶の各面心31−36に酸素原子Oが配置されている。図4において、所在を明確にするため、第1金属原子M1および酸素原子Oを白色で示し、第2金属原子M2を黒色で示す。
一実施形態のフィラー23では、第1金属原子M1は、ランタン(La)であり、第2金属原子M2は、ガリウム(Ga)である。
フィラー23の構造解析には、例えば、X線回折または中性子回折が用いられる。また、フィラー23の元素分析には、例えば、XPS分析、EDX分析またはEPMA分析が用いられる。
フィラー23は、圧力エネルギー、熱エネルギーまたは光エネルギーが与えられたとき、ペロブスカイト構造により、フィラー23の原子から電子が飛び出し、正の電荷を帯びた電子空孔が形成される。これにより、フィラー23は、圧力エネルギー、熱エネルギーまたは光エネルギーを電気エネルギーに変換可能である。
炭素繊維24は、アクリル繊維またはピッチを原料に高温で炭化して形成された繊維である。ピッチは、石油、石炭、コールタールなどの副産物である。
炭素繊維24は、質量比で90%以上が炭素で形成されており、導電性を有する。
また、炭素繊維24は、フィラー23によって変換された電気エネルギーを樹脂組成物21内で通電しやすくする。
炭素繊維24は、炭素繊維24の長さ方向が一方向に並列されるように、樹脂組成物21内に充填されている。炭素繊維24により、樹脂組成物21が異方性を有し、樹脂組成物21の機械的特性が高くなる。
樹脂組成物21の作用について説明する。
図5(a)に示すように、樹脂組成物21は、初期状態では、正の電荷および負の電荷が混在している。
図5(b)に示すように、樹脂組成物21が外部から引っ張りによる圧力を受けたとき、フィラー23が充填されていることにより、樹脂組成物21は、電荷の偏りが発生する。このとき、樹脂組成物21は、圧力エネルギーを電気エネルギーに変換する。
図5(c)に示すように、樹脂組成物21が外部から圧縮による圧力を受けたとき、同様に、樹脂組成物21は、電荷の偏りが発生する。このとき、樹脂組成物21は、圧力エネルギーを電気エネルギーに変換する。図中において、+は、正の電荷を示し、−は、負の電荷を示す。
図6(a)に示すように、樹脂組成物21は、初期状態では、正の電荷および負の電荷が混在している。
図6(b)に示すように、樹脂組成物21が外部から熱を吸熱または光を受けたとき、フィラー23が充填されていることにより、樹脂組成物21は、電荷の偏りが発生する。樹脂組成物21は、熱エネルギーまたは光エネルギーを電気エネルギーに変換する。
図6(c)に示すように、樹脂組成物21が外部へ熱を放熱または光を放出したとき、同様に、樹脂組成物21は、電荷の偏りが発生する。樹脂組成物21は、熱エネルギーまたは光エネルギーを電気エネルギーに変換する。
図7に示すように、変換された電気エネルギーは、炭素繊維24を通じ樹脂組成物21から放電される。
これにより、樹脂組成物21で構成されるヒートシンク10に用いられる場合、ヒートシンク10は、高温になった冷却液からの熱エネルギーを電気エネルギーに変換して放熱する。電気エネルギーは、電極13から外部に放出される。
(効果)
[1]本実施形態の樹脂組成物21は、ペロブスカイト構造を有するフィラー23によって、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、樹脂であっても放熱性能が向上する。
樹脂組成物21の質量M_allに対するフィラー23の質量パーセントをフィラー質量比Mf[wt%]とする。なお、樹脂組成物21の質量M_allは、樹脂組成物21の全質量で、樹脂22の質量とフィラー23の質量と炭素繊維24の質量との合計を含む。
図8は、フィラー質量比Mfと電気エネルギー変換量Ce[W]との関係を示す図である。
電気エネルギー変換量Ceは、一定の圧力、熱または光エネルギーを樹脂組成物21に与えたときに、流れる電流および電圧を測定して、算出される。
フィラー質量比Mfがゼロであるとき、樹脂組成物21は電気エネルギーに変換できないため、電気エネルギー変換量Ceもゼロである。フィラー質量比Mfが大きくなるに伴い、電気エネルギー変換量Ceは大きくなる。
本実施形態に用いられる樹脂組成物21の電気エネルギー変換量Ceに関する特性に基づいて検討すると、フィラー質量比Mfが25%以上であることによって、電気エネルギー変換量Ceが許容値以上になる。フィラー質量比Mfが25%以上であることによって、車両1に用いられる樹脂組成物21の放熱性能が許容される。
また、フィラー23によって、樹脂組成物21の機械的特性が向上する。
図9は、フィラー質量比Mfと樹脂組成物21の曲げ弾性率σb[MPa]との関係を示す図である。曲げ弾性率σbは、どれぐらいの曲げ応力に耐えられるかを示す値である。例えば、試験において、2つの支点に試験片を水平に乗せ、中央上部よりくさびで曲げ荷重を与える。試験片が破断したときの最大荷重で表される。なお、JIS_K6911、ASTM_D790、ISO_178またはJIS_K7171等に試験方法は準拠する。
フィラー質量比Mfが大きくなるに伴い、樹脂組成物21内の空間の占める割合が小さくなり、曲げ弾性率σbが向上する。
本実施形態に用いられる樹脂組成物21の曲げ弾性率σbに関する特性に基づいて検討すると、フィラー質量比Mfが25%以上で、曲げ弾性率σbが許容値以上になる。
図10は、フィラー質量比Mfと樹脂組成物21の衝撃強度σs[KJ/m2]との関係を示す図である。衝撃強度σsは、衝撃に対する強さである靭性を示す数値である。衝撃強度σsは、アイゾット衝撃試験、シャルピー衝撃試験、引張衝撃試験、落球衝撃試験、デュポン衝撃試験またはダートインパクト衝撃試験で測定される。
アイゾット衝撃試験は、JIS_K7110、ISO_180またはASTM_D256に準拠する。
シャルピー衝撃試験は、JIS_K7111−1、ISO_179−1またはASTM_D6110に準拠する。
フィラー質量比Mfがゼロから大きくなるに伴い、樹脂組成物21内の空間の占める割合が小さくなり、衝撃強度σsが向上する。フィラー質量比Mfが25%以上のとき、樹脂組成物21内をフィラー23が占有する割合が増え、異種材料間の界面数が小さくなり、エネルギー吸収能が小さくなる。これにより、衝撃エネルギーが吸収しにくくなり、衝撃強度σsが低下する。
本実施形態に用いられる樹脂組成物21の衝撃強度σsに関する特性に基づいて検討すると、フィラー質量比Mfが20%以上40%以下の範囲で、衝撃強度σsが許容値以上になる。
[2]炭素繊維24が樹脂組成物21に充填されることによって、樹脂組成物21内が通電しやすくなる。これにより、樹脂組成物21は、電気エネルギーを樹脂組成物21の外部に伝えやすくなる。
図11は、樹脂組成物21の質量M_allに対する炭素繊維24の質量パーセントである炭素繊維質量比Mc[wt%]と樹脂組成物21の電気抵抗R[Ω]との関係を示す図である。
電気抵抗Rは、一定の圧力、熱または光エネルギーを樹脂組成物21に与えたときに、流れる電流および電圧を測定して、算出される。
炭素繊維質量比Mcがゼロから徐々に電気抵抗Rが小さくなり、炭素繊維質量比Mcが40%以上となるとき、急激に電気抵抗Rが小さくなる。
本実施形態に用いられる樹脂組成物21の電気抵抗Rに関する特性に基づいて検討すると、炭素繊維質量比Mcが40%以上であるとき、電気抵抗Rが許容値以下になる。
なお、樹脂組成物21に炭素繊維24を充填する場合、樹脂22およびフィラー23の質量比を考慮すると、炭素繊維質量比Mcは50%が上限である。
また、炭素繊維24が樹脂組成物21に充填されることによって、機械的特性が向上する。
図12は、炭素繊維質量比Mcと曲げ弾性率σbとの関係を示す図である。
炭素繊維質量比Mcが大きくなるに伴い、樹脂組成物21の異方性を有し、曲げ弾性率σbが大きくなる。
本実施形態に用いられる樹脂組成物21の曲げ弾性率σbに関する特性に基づいて検討すると、炭素繊維質量比Mcが40%以上であるとき、曲げ弾性率σbが許容値以上になる。
図13は、炭素繊維質量比Mcと衝撃強度σsとの関係を示す図である。
炭素繊維質量比Mcが大きくなるに伴い、樹脂組成物21の異方性を有し、衝撃強度σsが大きくなる。
本実施形態に用いられる樹脂組成物21の衝撃強度σsに関する特性に基づいて検討すると、炭素繊維質量比Mcが40%以上であるとき、衝撃強度σsが許容値以上になる。
ペレットとしての樹脂組成物21の素材を製造する製造装置90について説明する。
図14に示すように、製造装置90は、樹脂22、フィラー23、炭素繊維24、着色剤および安定剤等を混ぜ合わせ、粒状にするコンパウンド法を用いて、樹脂組成物21の素材を製造する。また、製造装置90には、原料および添加材料を押出機95へ直接混入するサイドフィード法も用いられている。
製造装置90は、第1−第3原料貯蔵庫91−93、混合機94、押出機95、切断機96、ブレンダー97および包装機98を備える。
第1原料貯蔵庫91は、樹脂22の原料を貯蔵している。
第2原料貯蔵庫92は、フィラー23の原料を貯蔵している。
第3原料貯蔵庫93は、炭素繊維24の原料を貯蔵している。
第1−第3原料貯蔵庫91−93から各原料が混合機94に投入される。
混合機94は、攪拌羽根941が設けられ、樹脂22、フィラー23および炭素繊維24を混合分散可能にする。攪拌羽根941が高速回転することによって、樹脂22、フィラー23および炭素繊維24が流動運動し、混合分散される。
押出機95は、加熱しながらスクリューを回転させ、混合および分散された樹脂22、フィラー23および炭素繊維24を送る。樹脂22、フィラー23および炭素繊維24は、送られながら練られ、溶融して口金951から押し出される。樹脂組成物21の素材が成形され、冷却水槽952を通過して、冷却される。
切断機96は、ペレタイザーであり、樹脂組成物21の素材を加工しやすいように、切断する。切断された素材は、振動しながら篩いにかける振動フィルター961を介して、
ブレンダー97に投入される。
ブレンダー97は、切断された素材を混合し、包装機98に投入される。
包装機98は、樹脂組成物21の素材を包装し、成形機等へ運搬または出荷する。
一実施形態の樹脂組成物で構成されるヒートシンク等の成形品は、射出成形、中空成形、押出成形または真空成形によって、成形される。
(その他の実施形態)
(i)一実施形態のフィラーは、ジルコニア、3mol%イットリア安定化ジルコニア、15mol%カルシア、酸化セリウム、ランタンスカンデート、カルシウムジルコネート、バリウムインデート、ランタンシリケートであってもよい。
また、一実施形態のフィラーは、12.5mol%ストロンチウムドープランタンマンガナイト、プラセオジムニッケレイト、15mol%ストロンチウムドープランタンクロマイト、ニッケル等の固体酸化物系燃料電池(SOFC)の関連材料であってもよい。
(ii)一実施形態のフィラーは、ゲルマン酸リチウム亜鉛(リシコン)、チタン酸リチウムランタン、ジルコン酸リチウムランタン、ジルコン酸リチウムランタン等であってもよい。
また、一実施形態のフィラーは、リチウムゲルマニウムリン硫化物、コバルト酸リチウム、リン酸リチウム鉄、リン酸リチウムコバルト等のリチウム電池の関連材料であってもよい。
(iii)一実施形態のフィラーは、15mol%ストロンチウムドープランタンキュプレイト、正方晶系のイットリウムバリウムキュプレイト、斜方晶系のイットリウムバリウムキュプレイト、タリウムバリウムカルシウムキュプレイト等であってもよい。
また、一実施形態のフィラーは、ホウ化マグネシウム、リン化酸化ランタン鉄、ヒ化酸化ランタン鉄等の超伝導材料であってもよい。
(iv)一実施形態のフィラーは、ガーネット、アメジスト、アクアマリン、ダイヤモンド、エメラルド、ムーンストーン、ルビー、ベリドット、サファイヤ、オパール、トパーズ、トルコ石等の誕生石または宝石であってもよい。
(v)一実施形態のフィラーは、金、銀、銅、鉄、白金、アルミニウム、マグネシウム、グラファイト、フラーレン、酸化バラジウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化マグネシウムであってもよい。
一実施形態のフィラーは、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化ニッケル、塩化ナトリウム、塩化セシウム、α−酸化鉛、β−酸化鉛、六方晶窒化ホウ素、ウルツ鉱型窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素であってもよい。
一実施形態のフィラーは、α−石英、β−石英、β2−トリジマイト、α−クリストバライト、β−クリストバライト、スティショバイト、コランダム、氷もしくは水であってもよい。
一実施形態のフィラーは、ε−水酸化亜鉛、β−水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム重水素化物、水酸化ストロンチウム八水和物であってもよい。
一実施形態のフィラーは、バイヤライト(α−水酸化アルミニウム)重水素化物、ギブサイト(γ−水酸化アルミニウム)、ドイライト(水酸化アルミニウム)、ダイアスポア(α−酸化水酸化アルミニウム)であってもよい。
一実施形態のフィラーは、ベーマイト(γ−酸化水酸化アルミニウム)重水素化物、針ニッケル鉱、閃亜鉛鉱、ウルツ鉱、辰砂、氷晶石、ホタル石、酸化ランタン、酸化サマリウム、酸化イットリウム、酸化レニウム、ペロブスキー石であってもよい。
一実施形態のフィラーは、塩化カルシウム、ルチル(金紅石)、アナターゼ(鋭錐石)、ブルッカイト(板チタン石)、酸化マンガン(II)、α−三酸化マンガン、二酸化マンガンであってもよい。
一実施形態のフィラーは、スピネル(尖晶石)、シーライト(灰重石)、マグネサイト(菱苦土石)、ドロマイト(苦灰石)、カルサイト(方解石)、アラゴナイト(霰石)、ストロンチアナイトであってもよい。
一実施形態のフィラーは、ウィザライト(毒重石)、トルマリン、ひすい輝石、アレキサンドライト、黄鉄鉱、孔雀石、オリビン(かんらん石)、白雲母、黒雲母、リチア雲母、カリ長石(正長石)、パイロープ(苦ばんざくろ石)であってもよい。
一実施形態のフィラーは、アンドラダイト(灰鉄ざくろ石)、グロッシュラー(灰ばんざくろ石)、スペサルチン(満ばんざくろ石)、ウバロバイト(灰クロムざくろ石)等の元素、化合物または鉱物であってもよい。
(vi)一実施形態の樹脂は、ポリプロピレンまたはポリアミドであってもよい。また、ABS、ポリプロピレンまたはポリアミドの複合材料であってもよい。
(vii)本実施形態の樹脂組成物は、車両に用いられるモータの放熱板、ヘッドランプの放熱板またはダッシュボードのパネルライトの放熱板に用いられてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
1 ・・・車両、
21 ・・・樹脂組成物、
22 ・・・樹脂、
23 ・・・フィラー、
24 ・・・炭素繊維。

Claims (6)

  1. 車両(1)に用いられる樹脂組成物(21)であって、
    樹脂(22)と、
    前記樹脂に充填され、ペロブスカイト構造を有するフィラー(23)と、
    を含む樹脂組成物。
  2. 前記フィラーは、圧力エネルギー、熱エネルギーまたは光エネルギーを電気エネルギーに変換可能である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 炭素繊維(24)をさらに含む請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記樹脂と前記フィラーと前記炭素繊維との全質量に対する前記フィラーの質量パーセントは、25%以上40%以下の範囲である請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記樹脂と前記フィラーと前記炭素繊維との全質量に対する前記炭素繊維の質量パーセントは、40%以上50%以下の範囲である請求項3または4に記載の樹脂組成物。
  6. ベース(14)と、
    前記ベースから延びている複数のフィン(11)と、
    通電可能な電極(13)と、
    を備え、
    前記ベースおよび前記フィンは、請求項1から5のいずれか一項に記載の樹脂組成物で形成されているヒートシンク。
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