JP2018087165A - 油中水エマルション組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】相対的に多量の水を含み、組成物が活性成分を含む場合に活性成分の経皮吸収性を改善させる又は強化することができるW/Oエマルションの形態の組成物を提供すること。【解決手段】W/Oエマルションの形態の組成物であって、(a)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマーと、(b)少なくとも1種の両親媒性ポリマーと、(c)少なくとも1種の極性油と、(d)水とを含み、組成物中の(d)水の量が、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である組成物を提供する。本発明による組成物は、安定であり、その均質な乳化状態を長期間にわたって維持することができる。更に、本発明による組成物が活性成分を含むとき、活性成分の経皮吸収性は改善されうる又は強化されうる。【選択図】なし

Description

本発明は、油中水(W/O)エマルションの形態の組成物、より詳細には皮膚をメイクアップする及び/又はケアするための化粧用組成物に関する。
化粧料又は皮膚科学の分野において、W/Oエマルションを使用することは既知の実践法である。脂肪相中に分散された水性相からなるこれらのエマルションは、外部脂肪相を有し、したがって、W/Oエマルションベースの化粧料/皮膚科用製品は、快適な触感をもたらすことができる。
相対的に多量の水を含むW/Oエマルションは、高内部相W/Oエマルションと呼ばれている。一般に、高内部相W/Oエマルションは、エマルションの外部脂肪相に起因する良好な耐水性又は耐汗性に加えて、相対的に多量の水に起因する、よりみずみずしい感覚をもたらすことができる。
しかしながら、W/Oエマルション中の水の量が相対的に多くなると、W/Oエマルションを得ることが難しくなることがある。
他方、化粧料は、美白剤、抗老化剤、及び肌荒れ改善剤等の活性成分を含むことが多い。そのため、W/Oエマルションの形態の化粧用組成物はまた、こうした活性成分も含んでもよい。
活性成分を含む化粧料について、活性成分に起因する有効な化粧効果をもたらすためには、活性成分の経皮吸収性を改善する又は強化することが重要である。
活性成分の経皮吸収性を改善する又は強化するために、化粧料中の活性成分の量又は濃度を改善することは可能でありうる。しかしながら、活性成分は沈殿する又は結晶化することがあり、そのために安定性の問題を引き起こしうる。
米国特許第5236986号 米国特許第5412004号 米国特許第5837793号 米国特許第5811487号 WO-A-2004/024798 仏国特許第0853634号 EP-A-0955039 米国特許第2004-175338号 WO2012/079938 独国特許第4424530号 独国特許第4424533号 独国特許第4402929号 独国特許第4420736号 WO95/23807 WO94/07844 EP-A-0646572 WO95/16665 仏国特許第2673179号 EP-A-0227994 WO94/24097 WO94/10131 仏国特許第2673179号 EP-A-0227994 EP-A-0647617 EP-A-0736522 EP0542669 EP0787730 EP0787731 WO96/08537
R. F. Fedorsによる記事、Polym. Eng. Sci.、14[2]、147〜154頁(1974) Downing社、Journal of Lipid Research、35巻、2060〜2068頁、1994年
本発明の第1の目的は、相対的に多量の水を含むW/Oエマルションの形態の組成物を提供することである。
本発明の第2の目的は、相対的に多量の水を含み、組成物が活性成分を含む場合に活性成分の経皮吸収性を改善させる又は強化することができるW/Oエマルションの形態の組成物を提供することである。
上記の第1及び第2の目的は、W/Oエマルションの形態の組成物であって、
(a)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマーと、
(b)少なくとも1種の両親媒性ポリマーと、
(c)少なくとも1種の極性油と、
(d)水と
を含み、
組成物中の(d)水の量が、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である、
組成物によって達成することができる。
(a)乳化性シリコーンエラストマーは、少なくとも1つの親水性部分を有する少なくとも1種の架橋シリコーンポリマーを含んでもよい。親水性部分は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン鎖及び/又は少なくとも1つのポリグリセリル鎖を含んでもよい。
本発明による組成物中の(a)乳化性シリコーンエラストマーの量は、活性物質として、組成物の総質量に対して0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.25〜3質量%とすることができる。
(b)両親媒性ポリマーは、式(I):
Figure 2018087165
(式中、
A及びA'は、それぞれ独立に、疎水性有機基を示し、
aは、1以上、例えば1〜100、好ましくは2以上、例えば2〜70、より好ましくは3以上、例えば3〜40の整数を示し、
Xは、独立に、単結合又は-CH(OR3)-基を示し、
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、但しR1とR2との双方は同時にメチル基ではなく、
R3は、独立に、水素原子、又は直鎖状若しくは分枝状のC1〜C20アルキル基若しくはC1〜C20アシル基を示す)
で表すことができる。
上記の式(I)中の疎水性有機基は、式(II):
Figure 2018087165
(式中、
R'は、独立に、直鎖状又は分枝状のC1〜C20アルキル基を示し、
R''は、独立に、直鎖状又は分枝状のC1〜C20アルキレン基を示し、
bは、0〜200、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜50の整数を示す)
で表すことができる。
(b)両親媒性ポリマーは、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジステアリン酸PEG-8、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の(b)両親媒性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、0.01〜15質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%とすることができる。
(c)極性油は、溶解度パラメータが、15.0(J/cm3)0.5以上であってよい。
(c)極性油は、アミノ酸の親油性誘導体、エステル油及び脂肪アルコールから選択することができる。
本発明による組成物中の(c)極性油の量は、組成物の総質量に対して、0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%とすることができる。
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種の活性成分を含んでもよい。
(e)活性成分は、テトラヒドロピラニルレゾルシノール、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール、カプリロイルサリチル酸、フェニルエチルレゾルシノール、トコフェロール、ヒドロキシプロピルテトラヒドロピラントリオール、アスコルビン酸、及びコガネバナ(Scutellaria baicalensis)の根の抽出物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の(e)活性成分の量は、組成物の総質量に対して、0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%とすることができる。
本発明はまた、ケラチン物質、好ましくは皮膚のための化粧方法にも関し、ケラチン物質へ、本発明による組成物を塗布する工程を含む。
鋭意検討の結果、本発明者らは、相対的に多量の水を含むW/Oエマルションの形態の組成物を提供することが可能であることを発見した。
本発明らはまた、相対的に多量の水を含み、組成物が活性成分を含む場合に活性成分の経皮吸収性を改善させる又は強化することができるW/Oエマルションの形態の組成物を提供することが可能であることも発見した。
そのため、本発明による組成物は、W/Oエマルションの形態にあり、
(a)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマーと、
(b)少なくとも1種の両親媒性ポリマーと、
(c)少なくとも1種の極性油と、
(d)水と
を含み、
組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
用語「W/Oエマルション」又は「油中水エマルション」は、連続的脂肪相又は油相、及び前記脂肪相又は油相中に分散された液滴形態の水性相又は水相を含む、任意の巨視的に均質な組成物を意味する。
本発明による組成物中の水の量が相対的に多量になるときでさえ、本発明による組成物は、多量の内部水性相を有するW/Oエマルションの形態を維持することができる。そのため、本発明による組成物は、安定であり、その均質な乳化状態を長期間にわたって維持することができる。
更に、本発明による組成物が活性成分を含むとき、活性成分の経皮吸収性は改善されうる又は強化されうる。したがって、活性成分を含む本発明による組成物は、活性成分に起因して有効な又は効率的な化粧効果をもたらすことができる。活性成分の量又は濃度を増加することは必要でないので、活性成分は、沈殿されない又は結晶化されないことがあり、したがって、本発明による組成物は、安定性の問題を引き起こしがちではない。
本発明が、活性成分の経皮吸収性を改善する又は強化するために脂肪相又は油相を微粒子化させる必要がないことが留意されるべきである。更に、活性成分の経皮吸収性を改善する又は強化するために特別の浸透強化剤を使用する必要もない。したがって、本発明は、活性成分の経皮吸収性を改善する又は強化するために、ホモジナイザーによる微粒子化等の、エネルギーを消費するプロセスを一切必要とせず、且つ特別の浸透強化剤の添加も必要としない。
本発明による組成物がW/Oエマルションの形態にあるので、本発明による組成物はまた、良好な耐水性又は耐汗性を、快適な触感及び良好な延展性とともに提供することができる。
加えて、本発明による組成物中の水の量が増すときに、組成物は、相対的に多量の水に起因して、よりみずみずしい感覚をもたらすことができる。
以下では、本発明による組成物を詳細に説明する。
[組成物]
(乳化性シリコーンエラストマー)
本発明による組成物は、少なくとも1種の(a)乳化性シリコーンエラストマーを含む。2種以上の(a)乳化性シリコーンエラストマーが使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
用語「シリコーンエラストマー」は、粘弾性を有する柔軟で変形可能な物質である、部分的に又は完全に架橋されたオルガノポリシロキサンを意味することが意図される。その弾性係数は、この物質を、変形に耐えるものとし、限定的な伸長及び収縮能力を有するものとする。この物質は、伸縮後にその原形に戻ることができる。
「乳化性シリコーンエラストマー」の用語「乳化性」は、シリコーンエラストマーが乳化可能であること、又は乳化剤として機能することを意味する。
(a)乳化性シリコーンエラストマーは、一般に、本発明による組成物の脂肪相中に導入されて、この脂肪相の一部となりうる。
本発明による(e)乳化シリコーンエラストマーは、少なくとも1つの親水性鎖を含む架橋エラストマーオルガノポリシロキサンであってよく、この鎖が、特にオキシアルキレン化又はグリセリル化されることが可能である。したがって、(a)乳化性シリコーンエラストマーは、少なくとも1つのオキシアルキレン化鎖及び/又は1つのグリセリル化鎖を含むシリコーンエラストマーから選ぶことができる。
(a)乳化性シリコーンエラストマーが、少なくとも1つの親水性部分を有する少なくとも1種の架橋シリコーンポリマーを含むことが好ましい。親水性部分は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン鎖及び/又は少なくとも1つのポリグリセリル鎖を含んでもよい。
少なくとも1つのオキシアルキレン化鎖を含むシリコーンエラストマーは、例えば米国特許第5236986号及び米国特許第5412004号に記載のとおり、具体的には、ケイ素にそれぞれ結合された少なくとも2つの水素を含有するジオルガノポリシロキサン(A1)と、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するポリオキシアルキレン(B1)との、特に触媒(C1)、特定すると白金触媒の存在下での付加反応及び架橋によって得ることができる。
化合物(A1)は、エラストマーオルガノポリシロキサンの形成のためのベース化合物であり、架橋は、化合物(A1)と化合物(B1)との、触媒(C1)の存在下での付加反応を介して生じる。
化合物(B1)は、有利には、化合物(A1)のSi-H結合と反応する、少なくとも2つのビニル基をシリコーン鎖のα〜ω位に含有するオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化化合物である。化合物(B1)は、特に、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するポリオキシアルキレン(特にポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン)とすることができる。
化合物(A1)のケイ素原子に結合される有機基は、1〜18個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(又はラウリル)、ミリスチル、セチル又はステアリル;置換アルキル基、例えば2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリフルオロプロピル;アリール基、例えばフェニル、トリル又はキシリル;置換アリール基、例えばフェニルエチル;及び置換一価炭化水素系基、例えばエポキシ基、カルボン酸エステル基又はメルカプト基とすることができる。
そのため、化合物(A1)は、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、環状ジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、及びトリメチルシロキシ末端基を含有するジ-メチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンラウリルメチル-シロキサンコポリマーから選ぶことができる。
化合物(C1)は架橋反応触媒であり、且つそれは、具体的には、担体上の、クロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、白金黒及び白金から選ばれる。
触媒(C1)は、好ましくは、清浄白金金属として、化合物(A1)と(B1)との総量1000質量部当たり、0.1〜1000質量部、なおもより良好には1〜100質量部の量で添加される。
詳細には、少なくとも1つのオキシアルキレン化鎖を含むシリコーンエラストマーは、白金触媒の存在下で、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するポリオキシアルキレン(特にポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン)と、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサンとの反応により得ることができる。
本発明に従って使用される少なくとも1つのオキシアルキレン化鎖を含むシリコーンエラストマーは、好ましくは少なくとも1つのオキシエチレン化鎖を含むシリコーンエラストマーである。
加えて、少なくとも1つのオキシアルキレン化鎖を含むシリコーンエラストマーは、好ましくは、少なくとも1種の炭化水素系油及び/又は少なくとも1種のシリコーン油中のゲルの形態で担持される。そのため、(a)乳化性シリコーンゲルは、ゲルの形態にあることができる。これらのゲル中で、少なくとも1つのオキシアルキレン化鎖を含むエラストマーは、通常、非球状粒子の形態にある。
ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、詳細には米国特許第5236986号、米国特許第5412004号、米国特許第5837793号及び米国特許第5811487号に記載されており、これらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
少なくとも1つのオキシエチレン化鎖を含むシリコーンエラストマーとして、信越化学工業株式会社によって以下の名称で販売されているものを特に使用することができ:
ジメチコン/PEG-10ジメチコンビニルジメチコンクロスポリマー、例えば名称KSG-21で販売されているもの(活性物質が27%)、
PEG-10ジメチコンクロスポリマー、例えば名称KSG-20で販売されているもの(活性物質が100%)、
ジメチコン/PEG-10/15クロスポリマー、例えば名称KSG-210で販売されているもの(シリコーン油中、シリコーンエラストマーの活性物質が25%)、
シクロペンタシロキサン(及び)ジメチコン/PEG-10/15クロスポリマー、例えば名称KSG-240で販売されているもの、
鉱油(及び)PEG-15/ラウリルジメチコンクロスポリマー、例えば名称KSG-310で販売されているもの、
イソドデカン(及び)PEG-15/ラウリルジメチコンクロスポリマー、例えば名称KSG-320で販売されているもの(活性物質が25%)、
イソドデカン(及び)PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマー、例えば名称KSG-320Zで販売されているもの(活性物質が20〜30%)、
シクロペンタシロキサン(及び)PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマー、例えば名称KSG-350Zで販売されているもの(活性物質が20〜30%)、
ジメチコン(及び)PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマー、例えば名称KSG-360Z及びKSG-380Zで販売されているもの(シリコーン油中、シリコーンエラストマーの活性物質が25〜45%)、
又は
Dow Corning社によって以下の名称で販売されているものを特に使用することができる:
PEG-12ジメチコンクロスポリマー、例えば名称DC9010で販売されているもの(活性物質が11%)、並びに
シクロペンタシロキサン(及び)PEG-12ジメチコンクロスポリマー、例えば名称DC9011で販売されているもの(活性物質が91%)。
これらの製品は、一般に、シリコーンエラストマーの粒子を含有する油性ゲルの形態にある。
好ましくは使用されるのは、ジメチコン/PEG-10/15クロスポリマー、例えば名称KSG-210で販売されているもの、PEG/15/ラウリルジメチコンクロスポリマー、例えば名称KSG-320で販売されているもの、及びPEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマー、例えば名称KSG-380Zで販売されているものである。
(a)乳化性シリコーンエラストマーはまた、少なくとも1つのグリセリル化鎖を含むシリコーンエラストマーからも選ぶことができる。
少なくとも1つのグリセリル化鎖を含むシリコーンエラストマーは、具体的には、ケイ素に結合された少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサン(A2)と、エチレン性不飽和基を有するポリグリセリル化化合物(B2)との、特に触媒(C2)、特定すると白金触媒の存在下での付加反応及び架橋により得ることができる。
詳細には、オルガノポリシロキサンは、白金触媒の存在下で、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するポリグリセリル化化合物と、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサンとの反応により得ることができる。
化合物(A2)は、エラストマーオルガノポリシロキサンの形成のためのベース化合物であり、架橋は、化合物(A)と化合物(B2)との、触媒(C2)の存在下での付加反応を介して生じる。
化合物(A2)は、特に、各分子の別個のケイ素原子に結合している少なくとも2個の水素原子を有するオルガノポリシロキサンである。化合物(A2)は、特に化合物(B2)と容易に相溶性であるため、25℃で1〜50000センチストークの範囲の粘度を有してよい。
化合物(A2)のケイ素原子に結合される有機基は、1〜18個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(又はラウリル)、ミリスチル、セチル又はステアリル;置換アルキル基、例えば2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリフルオロプロピル;アリール基、例えばフェニル、トリル又はキシリル;置換アリール基、例えばフェニルエチル;及び置換一価炭化水素系基、例えばエポキシ基、カルボン酸エステル基又はメルカプト基とすることができる。好ましくは、前記有機基は、メチル、フェニル及びラウリルの各基から選ぶことができる。
そのため、化合物(A2)は、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、環状ジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、及びトリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサン-ラウリルメチル-シロキサンコポリマーから選ぶことができる。
化合物(B2)は、下の式(B'2):
CmH2m-1-O-[Gly]n-CmH2m-1 (B'2)
[式中、mは、2〜6の範囲の整数であり、nは、2〜200、好ましくは2〜100、優先的には2〜50、なおもより良好には2〜20、なおも更により良好には2〜10、なおも更に一層より良好には2〜5の範囲の整数であり、特にnは3に等しく、
Glyは、
CH2-CH(OH)-CH2-O-又は-CH2-CH(CH2OH)-O-
を示す]
に相当するポリグリセリル化化合物とすることができる。
有利には、化合物(B2)の1分子当たりのエチレン性基の数と、化合物(A2)の1分子当たりのケイ素原子に結合された水素原子の数との和は、少なくとも4である。
化合物(A2)におけるケイ素原子に結合された水素原子の総量の、化合物(B2)における全てのエチレン性不飽和基の総量に対する分子比が、1/1〜20/1の範囲内であるような量で、化合物(A2)を添加するのが有利である。
化合物(C2)は、架橋反応触媒であり、具体的には、担体上の、クロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、白金黒及び白金から選ばれる。
触媒(C2)は、好ましくは、清浄白金金属として、化合物(A2)と(B2)との総量1000質量部当たり、0.1〜1000質量部、なおもより良好には1〜100質量部の量で添加される。
本発明による、少なくとも1つのグリセリル化鎖を含むシリコーンエラストマーは、一般に、少なくとも1種の炭化水素系油及び/又は少なくとも1種のシリコーン油との混合物としてのゲルの形態にある。これらのゲル中で、少なくとも1つのグリセリル化鎖を含むエラストマーは、通常、非球状粒子の形態にある。
こうしたエラストマーは、詳細には、文献WO-A-2004/024798に記載されている。
少なくとも1つのグリセリル化鎖を含むシリコーンエラストマーとして、使用されてよいのは、信越化学工業株式会社によって以下の名称で販売されているものである:
ジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマー、例えば名称KSG-710で販売されているもの(25%の活性物質を含有)、
鉱油(及び)ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマー、例えば名称KSG-810で販売されているもの、
イソドデカン(及び)ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマー、例えば名称KSG-820で販売されているもの、
トリエチルヘキサノイン(及び)ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマー、例えば名称KSG-830で販売されているもの、並びに
スクアラン(及び)ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマー、例えば名称KSG-840で販売されているもの。
本発明による組成物中の(a)乳化性シリコーンエラストマーの量は、活性物質として、組成物の総質量に対して0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上とすることができる。
他方、本発明による組成物中の(a)乳化性シリコーンエラストマーの量は、活性物質として、組成物の総質量に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下とすることができる。
本発明による組成物中の(a)乳化性シリコーンエラストマーの量は、活性物質として、組成物の総質量に対して0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.25〜3質量%とすることができる。
(両親媒性ポリマー)
本発明による組成物は、少なくとも1種の(b)両親媒性ポリマーを含む。2種以上の(b)両親媒性ポリマーが使用される場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。
(b)両親媒性ポリマーは、少なくとも1つの親水性ブロック、及び少なくとも1つの親油性ブロックを有する化合物であり、ここで、親水性ブロック若しくは親油性ブロックのいずれかが高分子構造を含み、又は親水性ブロックと親油性ブロックとの双方が高分子構造を含む。そのため、(b)両親媒性ポリマーは、両親媒性ブロックコポリマーとすることができる。
本発明による両親媒性ポリマーは、水溶性若しくは水分散性の両親媒性ポリマー、又は脂溶性若しくは脂肪分散性の両親媒性ポリマーとすることができる。
「水溶性又は水分散性の両親媒性ポリマー」は、0.05%(質量で)にて水溶液へ添加されたとき、25℃での水の表面張力を、50mN/m未満の値へと、好ましくは40mN/m未満の値へと、減少させることができるポリマーを意味する。
「脂溶性又は脂肪分散性の両親媒性ポリマー」は、0.05%(質量で)にて油へ添加されたとき、25℃でのその表面張力を、少なくとも5mN/m未満、好ましくは少なくとも10mN/m未満、減少させることができるポリマーを意味する。
水溶性又は水分散性の両親媒性ポリマーは、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)から誘導されるポリマー、アクリル酸から誘導されるポリマー、ポリエーテル誘導体、天然のポリマーから得られる両親媒性ポリマー、並びにこれらの混合物から選択することができる。
脂溶性又は脂肪分散性の両親媒性ポリマーは、ポリオレフィンの誘導体、ジメチコンコポリオール、乳化性オルガノポリシロキサンの架橋エラストマー、ポリエーテルの誘導体、ポリヒドロキシステアレートの誘導体、並びにこれらの混合物から選択することができる。
一実施形態では、本発明による両親媒性ポリマーは、マルチブロックタイプの構造を保有するポリヒドロキシステアレートから誘導されるポリマーから選択することができる。好ましくは、これらのポリマーは、3つのブロックB-A-Bから作製され、ここで、Bは、ポリヒドロキシステアレートであり、Aは、ポリエーテルである。Uniqema社によって商品名Arlacel P135(登録商標)で販売されている、ポリエチレングリコール(30 OE)と12-ヒドロキシステアリン酸(INCI名:ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30)とのコポリマーを挙げることができる。
(b)両親媒性ポリマーは、式(I):
Figure 2018087165
(式中、
A及びA'は、それぞれ独立に、疎水性有機基を示し、
aは、1以上、例えば1〜100、好ましくは2以上、例えば2〜70、より好ましくは3以上、例えば3〜40の整数を示し、
Xは、独立に、単結合又は-CH(OR3)-基を示し、
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、但しR1とR2との双方は同時にメチル基ではなく、
R3は、独立に、水素原子、又は直鎖状若しくは分枝状のC1〜C20アルキル基若しくはC1〜C20アシル基を示す)
で表すことができる。
aが2以上である場合、それぞれの丸括弧内のR1、R2、X及びR3の各基は、同一であっても同一でなくてもよい。
疎水性有機基は、直鎖状又は分枝状のC10〜C30アルキル基、C10〜C30アシル基、C10〜C30ヒドロキシアルキル基又はC10〜C30ヒドロキシアシル基、より好ましくは直鎖状又は分枝状のC10〜C30ヒドロキシアシル基とすることができる。
或いは、上記の式(I)中の疎水性有機基は、式(II):
Figure 2018087165
(式中、
R'は、独立に、直鎖状又は分枝状のC1〜C20アルキル基を示し、
R''は、独立に、直鎖状又は分枝状のC1〜C20アルキレン基を示し、
bは、0〜200、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜50の整数を示す)
で表すことができる。
(b)両親媒性ポリマーは、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジステアリン酸PEG-8、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の(b)両親媒性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上とすることができる。本発明による組成物中の(b)両親媒性ポリマーの量が、組成物の総質量に対して0.3質量%以上であることが、更により好ましいことがある。
他方、本発明による組成物中の(b)両親媒性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とすることができる。本発明による組成物中の(b)両親媒性ポリマーの量が、組成物の総質量に対して3質量%以下であることが、更により好ましいことがある。
本発明による組成物中の(b)両親媒性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、0.01〜15質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%とすることができる。本発明による組成物中の(b)両親媒性ポリマーの量が、組成物の総質量に対して0.3〜3質量%であることが、更により好ましいことがある。
(極性油)
本発明による組成物は、少なくとも1種の(c)極性油を含む。2種以上の(c)極性油が使用される場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。
本発明による組成物がW/Oエマルションの形態にあるため、本発明による組成物中の(c)極性油は、W/Oエマルション中の連続的外部相でありうる。
本明細書では、「油」という表現は、大気圧(760mmHg)下の室温(25℃)で、液体又はペースト(非固体)の形態の脂肪化合物又は脂肪物質を意味する。極性油として、化粧料中で一般に使用されるものを、単独で又はそれらの組合せで使用することができる。それらの極性油は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
(c)極性油は、極性を有する油である。
溶解度パラメータの定義及び計算は、R. F. Fedorsによる記事、Polym. Eng. Sci.、14[2]、147〜154頁(1974)に記載されている。
(c)極性油は、溶解度パラメータ(SP=(Δei/Δvi)0.5)が、15.0(J/cm3)0.5以上であってもよい。
(c)極性油は、揮発性又は不揮発性の炭化水素系油とすることができる。
これらの油は、植物、鉱物又は合成起源のものとすることができる。
用語「炭化水素系極性油」は、炭素原子及び水素原子、並びに任意選択で酸素原子及び窒素原子から基本的に形成され、又は更にこれらによって構成され、ケイ素原子又はフッ素原子を一切含有しない油を意味する。これは、アルコール、エステル、エーテル、カルボン酸、アミン及び/又はアミドの各基を含有することができる。
優先的には、本発明による(c)極性油は、表面張力が、25℃の大気圧下で10mN/m超である。
表面活性は、デュヌイ(Du Nouy)リング法を用いて、静的な張力測定法によって測定される。
測定の原理は、以下のとおりである(25℃の大気圧下で行う測定)。
リングの質量を、容器の重量によって中立化させる。リングを、評価前の液体に完全に浸漬させ、次いで力が最大になるまで非常にゆっくりと引き出す。この最大力Fmaxから、表面張力を、下式に従って計算する:
σ=Fmax/4πRfcorr(r,R,ρ)
(式中、fcorrは、リングと密度ρのジオメトリに依存するリングの補正計数である)。
パラメータr及びRは、それぞれ、リングの内部半径及び外部半径を示す。
第1の実施形態によれば、極性油は、不揮発性油であってよい。具体的には、不揮発性の極性油は、以下の油の列挙、及びこれらの混合物から選ぶことができる:
- 炭化水素系の極性油、例えばフィトステアリルエステル、例えばオレイン酸フィトステアリル、イソステアリン酸フィトステアリル及びラウロイル/オクチルドデシル/グルタミン酸フィトステアリル(味の素株式会社、Eldew PS203)、グリセロールの脂肪酸エステルからなるトリグリセリドであって、特にこの脂肪酸は、C4〜C36、とりわけC18〜C36の範囲の鎖長を有することができ、これらの油は、場合により直鎖状又は分枝状であり、飽和又は不飽和であり、これらの油は、とりわけヘプタン酸若しくはオクタン酸トリグリセリド、小麦胚種油、ひまわり油、ブドウ種子油、ゴマ種子油(820.6g/mol)、コーン油、アプリコット油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、甘扁桃油、パーム油、菜種油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、マロー油、クロフサスグリ油、月見草油、きび油(millet oil)、大麦油、キノア油、ライ麦油(rye oil)、サフラワー油、ククイナッツ油、パッションフラワー油若しくはジャコウバラ油;シア脂;又は代替的にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例としてはStearineries Dubois社によって販売されているもの、又はDynamit Nobel社によって名称Miglyol 810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)で販売されているものであってよい、
- 10〜40個の炭素原子を含有する合成エーテル、例えばジカプリリルエーテル、
- 式RCOOR'の炭化水素系エステルで、式中、RCOOは、2〜40個の炭素原子を含むカルボン酸残基を表し、R'は1〜40個の炭素原子を含む炭化水素系鎖を表し、例えばオクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸若しくはイソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピル、ヘプタノエート、特にヘプタン酸イソステアリル、オクタン酸、デカン酸若しくはリシノール酸アルコール又はポリアルコール、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、4-ジヘプタン酸2-エチルヘキシル及びパルミテート、安息香酸アルキル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、2-ジエチルヘキサン酸プロピレングリコール、及びこれらの混合物、C12〜C15安息香酸アルコール、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステル、例としてはネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル及びネオペンタン酸2-オクチルドデシル、イソノナン酸エステル、例えばイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル及びイソノナン酸オクチル、エルカ酸オレイル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、ステアリン酸イソセチル、ネオペンタン酸イソデシル、ベヘン酸イソステアリル及びミリスチン酸ミリスチルを表す、
- 不飽和脂肪酸ダイマー及び/又はトリマーとジオールとの縮合により得られるポリエステル、例えば仏国特許第0853634号に記載のもの、具体的には例えばジリノール酸と1,4-ブタンジオールとの縮合により得られるポリエステル。このポリマーに関して特に挙げることができるのは、Biosynthis社によって名称Viscoplast 14436H(INCI名:ジリノール酸/ブタンジオールコポリマー)で販売されているポリマー、又は他にポリオールと二量体化二酸とのコポリマー及びそれらのエステル、例えばHailuscent ISDA、
- ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、例としてはテトラヒドロキシステアリン酸/テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、
- 12〜26個の炭素原子を含有する脂肪アルコール、例としてはオクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール及びオレイルアルコール、
- C12〜C22高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸及びリノレン酸、並びにこれらの混合物、
- 任意選択で一部が炭化水素系及び/又はシリコーン系のフッ素化油、
- 12〜26個の炭素原子を含有する脂肪酸、例としてはオレイン酸、
- 2つのアルキル鎖が場合により同一である又は異なる炭酸ジアルキル、例えばCognis社によって名称Cetiol CC(登録商標)で販売されている炭酸ジカプリリル、
並びに
- 高分子量の、例えば400から10000g/molの間の、特定すると650から10000g/molの間の不揮発性油、例としては以下があり、
i)ビニルピロリドンコポリマー、例えばビニルピロリドン/1-ヘキサデセンコポリマー、ISP社によって販売され又は製造されているAntaron V-216(MW=7300g/mol)、
ii)エステル、例えば以下があり、
a)合計炭素数が35〜70個の範囲である直鎖状脂肪酸エステル、例としてはテトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル(MW=697.05g/mol)
b)ヒドロキシル化エステル、例えばトリイソステアリン酸ポリグリセロール-2(MW=965.58g/mol)
c)芳香族エステル、例えばトリメリト酸トリデシル(MW=757.19g/mol)、C12〜C15安息香酸アルコール、安息香酸2-フェニルエチル及びサリチル酸ブチルオクチル
d)C24〜C28分枝状脂肪酸又は脂肪アルコールのエステル、例えば、特許出願EP-A-0955039に記載のエステル、特にクエン酸トリイソアラキジル(MW=1033.76g/mol)、テトライソノナン酸ペンタエリスリチル(MW=697.05g/mol)、トリイソステアリン酸グリセリル(MW=891.51g/mol)、トリス(2-デシル)テトラデカン酸グリセリル(MW=1143.98g/mol)、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル(MW=1202.02g/mol)、テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2(MW=1232.04g/mol)、又は他にテトラキス(2-デシル)テトラデカン酸ペンタエリスリチル(MW=1538.66g/mol)
e)二量体ジオールとモノカルボン酸若しくはジカルボン酸とのエステル及びポリエステル、例えば二量体ジオールと脂肪酸とのエステル、及び二量体ジオールと二量体ジカルボン酸とのエステル、例えば日本精化株式会社により販売され、参照によりその内容が本出願に組み込まれる米国特許第2004-175338号に記載のLusplan DD-DA5(登録商標)及びLusplan DD-DA7(登録商標)
- アミノ酸の親油性誘導体、例えば味の素株式会社によって名称Eldew SL 205で販売されているラウロイルサルコシン酸イソプロピル、
- 並びにこれらの混合物。
(c)極性油は、エステル油及び脂肪アルコールから選択することができる。
好ましくは、(c)極性油は、C12〜C15安息香酸アルコール、セバシン酸ジイソプロピル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、安息香酸2-フェニルエチル、サリチル酸ブチルオクチル、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、ジカプリリルエーテル、ステアリン酸イソセチル、ネオペンタン酸イソデシル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ベヘン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、トリメリト酸トリデシル、オクチルドデカノール、2-ヘキシルデカン-1-オール及びオレイルアルコールから選ぶことができる。
本発明による組成物中の(c)極性油の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上とすることができる。本発明による組成物中の(c)極性油の量が、組成物の総質量に対して5質量%以上であることが、更により好ましいことがある。
他方、本発明による組成物中の(c)極性油の量は、組成物の総質量に対して、30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下とすることができる。本発明による組成物中の(c)極性油の量が、組成物の総質量に対して10質量%以下であることが、更により好ましいことがある。
本発明による組成物中の(c)極性油の量は、組成物の総質量に対して、0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%とすることができる。本発明による組成物中の(c)極性油の量が、組成物の総質量に対して5質量%〜10質量%であることが、更により好ましいことがある。
(水)
本発明による組成物は、(d)水を含む。
(d)水は、本発明による組成物の水性相中にある。
本発明による組成物がW/Oエマルションの形態にあるので、本発明による組成物の水性相は、W/Oエマルション中の内部相として分散されうる。
本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50〜95質量%、好ましくは60〜90質量%、より好ましくは70〜80質量%とすることができる。
(活性成分)
本発明による組成物は、少なくとも1種の(e)活性成分を含んでもよい。2種以上の(e)活性成分が使用される場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。
活性成分は、水溶性であっても油溶性であってもよい。
用語「活性成分」は、本明細書では、皮膚等のケラチン物質に対して化粧上又は皮膚科上の任意の効果を及ぼす有機化合物を意味する。詳細には、活性成分は、好ましくは、それらがケラチン物質に浸透した後、皮膚等のケラチン物質に対して化粧上又は皮膚科上の効果を示す。好ましくは、活性成分は、皮膚美白成分、抗老化成分又は抗酸化成分であり、より好ましくは、活性成分は、皮膚美白成分又は抗老化成分である。
皮膚美白成分として挙げることができるのは、例えば、L-アスコルビン酸及びそれらの誘導体、サリチル酸及びそれらの誘導体、ヒドロキノングリコシド及びそれらの誘導体、トラネキサム酸及びそれらの誘導体、レゾルシノール誘導体、コウジ酸及びそれらの誘導体、シンナムアルデヒド又はその誘導体、並びにエラグ酸である。
本発明において使用されるL-アスコルビン酸及びその誘導体としては、L-アスコルビン酸、モノステアリン酸L-アスコルビン酸、モノパルミチン酸L-アスコルビン酸、モノオレイン酸L-アスコルビン酸、ジステアリン酸L-アスコルビン酸、ジパルミチン酸L-アスコルビン酸及びジオレイン酸L-アスコルビン酸を含むL-アスコルビン酸アルキルエステル、リン酸L-アスコルビン酸マグネシウム塩及びL-アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩を含むリン酸L-アスコルビン酸及びその塩、硫酸L-アスコルビン酸及びその塩、並びにL-アスコルビン酸2-グルコシド及びそのアシル誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において使用されるサリチル酸及びその誘導体としては、サリチル酸、そこでC-3位及び/又はC-4位及び/又はC-5位での任意の水素原子が少なくとも1つのアシル基で置換されているアシルサリチル酸、例えばカプリロイルサリチル酸、そこでC-3位及び/又はC-4位及び/又はC-5位での任意の水素原子が少なくとも1つのアルコキシル基で置換されているアルコキシサリチル酸が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において使用されるヒドロキノングリコシド及びその誘導体としては、6-炭素の糖のグリコシド、例えばヒドロキノン-α-D-グルコシド、ヒドロキノン-β-D-グルコシド、ヒドロキノン-α-L-グルコシド及びヒドロキノン-β-L-グルコシド、5-炭素の糖のグリコシド、例えばヒドロキノン-α-L-リボシド、ヒドロキノン-β-L-リボシド、ヒドロキノン-α-D-アラビノシド及びヒドロキノン-β-D-アラビノシド、アミノ糖のグリコシド、例えばヒドロキノン-α-D-グルコサミニド、ヒドロキノン-β-D-グルコサミニド、ヒドロキノン-α-L-グルコサミニド及びヒドロキノン-β-L-グルコサミニド、並びにウロン酸のグリコシド、例えばヒドロキノン-α-D-グルクロニド、ヒドロキノン-β-D-グルクロニド、ヒドロキノン-α-L-グルクロニド、及びヒドロキノン-β-L-グルクロニド、並びにこれらのエステル誘導体又はエーテル誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において使用されるトラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸のダイマー、トラネキサム酸とヒドロキノンとのエステル、トラネキサム酸とゲンチジン酸とのエステル、及びトラネキサム酸のアミドが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において使用されるレゾルシノール誘導体としては、式(I)で表される化合物、又はそれらの塩、溶媒和物、光学異性体、若しくはそれらのラセミ体が挙げられる
Figure 2018087165
[式中、
R1は、独立に、-A-B(式中、Aは、単結合、C1〜C6アルキレン基、C6〜12アリーレン基、又はC1〜6アルキレン-C6〜12アリーレン基を表し、Bは、ハロゲン原子、-OH、-COH、-COOH、-CONH2、-NH2、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アシル基、炭素環基、好ましくはアリール基、又は複素環基、好ましくは非芳香族の複素環基を表し、これらのそれぞれは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルキレン-OH、アミノ基、-CONH2、-CONH-C1〜C6アルキル基及びC1〜C6アルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されてもよい)を示し;
xは、1〜4の、好ましくは1〜3の、より好ましくは1又は2の、更により好ましくは1の整数であり;
且つ
R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、C1〜C6アルキル基又はC1〜C6アシル基を示す]。
C1〜C6アルキレン基は、直鎖状又は分枝状の二価基であってもよい。
C1〜C6アルキレン-C6〜C12アリーレン基はまた、直鎖状又は分枝状の二価基でもあってもよい。C1〜C6アルキレン部分又はC6〜C12アリーレン部分のいずれかは、式(I)に示されるジヒドロキシベンゼン環に結合してもよい。
「B」であるアリール基は、フェニル基、トリル基及びキシリル基、又はナフチル基等のC6〜C12アリール基であってもよい。
「B」である複素環基中のヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子であってもよい。1個のヘテロ原子又は複数のヘテロ原子が、複素環基中に包含されてもよい。複素環基の例として挙げることができるのは、フラニル基、ピロール基、オキサゾール基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラニル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、キノリニル基、イソキノリニル基及びインダゾリル基である。
非芳香族の複素環基の例として挙げることができるのは、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基及びテトラヒドロピラニル基である。
式(I)による化合物の例として挙げることができるのは、以下である:2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、4-メチルレゾルシノール、2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、4-エチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、4,5-ジメチルレゾルシノール、2,4-ジメチル-1,3-ベンゼンジオール、3,5-ジヒドロキシベンジルアミン、5-メトキシレゾルシノール、3,5-ジヒドロキシベンジルアルコール、2-メトキシレゾルシノール、4-メトキシレゾルシノール、3,5-ジヒドロキシトルエン一水和物、4-クロロレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、2',4'-ジヒドロキシアセトフェノン、3',5'-ジヒドロキシアセトフェノン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルベンズアルデヒド、4-プロピルレゾルシノール、2,4-ジヒドロキシ-1,3,5-トリメチルベンゼン、3,5-ジヒドロキシベンズアミド、2,6-ジヒドロキシベンズアミド、2,4-ジヒドロキシベンズアミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルベンジルアルコール、3,5-ジヒドロキシアニソール水和物、4-アミノレゾルシノール塩酸塩、2-アミノレゾルシノール塩酸塩、5-アミノベンゼン-1,3-ジオール塩酸塩、2',4'-ジヒドロキシプロピオフェノン、2',4'-ジヒドロキシ-3'-メチルアセトフェノン、(2,4-ジヒドロキシフェニル)アセトン、(3,5-ジヒドロキシフェニル)アセトン、2,6-ジヒドロキシ-4'-メチルアセトフェノン、4-n-ブチルレゾルシノール、2,4-ジエチル-1,3-ベンゼンジオール、3,5-ジヒドロキシ-4-メチル安息香酸、2,6-ジヒドロキシ-4-メチル安息香酸、2,4-ジヒドロキシ-6-メチル安息香酸、3,5-ジヒドロキシフェニル酢酸、2-エチル-5-メトキシベンゼン-1,3-ジオール、4-アミノ-3,5-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシアセトフェノン一水和物、3,5-ジヒドロキシベンジルアミン塩酸塩、4,6-ジクロロレゾルシノール、2',4'-ジヒドロキシ-3'-メチルプロピオフェノン、1-(3-エチル-2,6-ジヒドロキシフェニル)エタン-1-オン、2',6'-ジヒドロキシ-4'-メトキシアセトフェノン、1-(2,6-ジヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エタン-1-オン、3(2,4-ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸及び2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸。
一実施形態では、レゾルシノール誘導体は、式(Ia)で表される化合物、又はそれらの塩、溶媒和物、光学異性体、若しくはそれらのラセミ体とすることができる
Figure 2018087165
(式中、
R1、R2及びR3は、上と同じ意味を有する)。
上の式(Ia)中、
R1が、-A-B(式中、Aは、単結合、又はC1〜C6アルキレン基を表し、Bは、フェニル基又はテトラヒドロピラニル基を表す)を示し;且つ
R2及びR3のそれぞれが水素原子を示すことが、好ましい。
レゾルシノール誘導体が、フェニルエチルレゾルシノール及び4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ベンゼン-1,3-ジオールであることが、更により好ましい。
一実施形態では、レゾルシノール誘導体は、式(II)で表される化合物、又はそれらの塩、溶媒和物、光学異性体、若しくはそれらのラセミ体とすることができる
Figure 2018087165
[式中、
R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又はアセチル基を示し;
Aは、以下から選択される基を示し
a)-H;
b)C3〜C8環状又はC3〜C20分枝状又はC2〜C20不飽和直鎖状若しくはC1〜C20飽和直鎖状のアルキル基であって、N、O及び-CO-から選択される1つ若しくは複数のヘテロ原子若しくは部分、又はそれらの組合せ、例えば-NHCO-、-NHCONH-によって任意選択で割り込まれており、並びに/或いは以下から選択される1つ又は複数の同一又は異なる基で任意選択で置換されているアルキル基、
i)-OR5
ii)-SR5
iii)-NR6R7
iv)-CONHR6
v)-CONR6R7
vi)-COOR6
vii)-NHCONHR6
viii)-C(O)C1〜C4アルキル
ix)O、N及びSから選択される1個又は複数のヘテロ原子を任意選択で含有し、且つ1つ若しくは複数のヒドロキシル及び/又は1つ若しくは複数のC1〜C8アルコキシ基で任意選択で置換されているC5〜C12(ヘテロ)アリール基;
x)5〜8員を有し、O、N及びSから選択される1個又は複数のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の非芳香族複素環であって、1つ若しくは複数のヒドロキシル及び/又は1つ若しくは複数のC1〜C8アルコキシ基若しくはC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されており、前記員のうちの1つがカルボニル基であることが可能である複素環;
c)O、N及びSから選択される1個又は複数のヘテロ原子を任意選択で含有し、1つ若しくは複数のヒドロキシル及び/又はC1〜C8アルコキシ基若しくはC1〜C8アルキル基から選択される1つ若しくは複数の基で任意選択で置換されているC5〜C12(ヘテロ)アリール基;
d)-NR8R9;
e)-OR4;
f)-C(O)NHR4;
g)C(O)C1〜C10アルキル、
R8及びR9が、同一であり又は異なり、以下から選択される基を示し
a)-H
b)C3〜C8環状又はC3〜C10分枝状又はC2〜C10不飽和若しくはC1〜C10直鎖状飽和アルキル基であって、N、O及び-CO-から選択される1つ若しくは複数のヘテロ原子若しくは部分又はそれらの組合せ、例えば-NHCO-、-NHCONH-により任意選択で割り込まれており、並びに/或いは-OR5から選択される1つ又は複数の同一又は異なる基で任意選択で置換されているアルキル基;
c)O、N及びSから選択される1個又は複数のヘテロ原子を任意選択で含有し、1つ若しくは複数のヒドロキシル及び/又は1つ若しくは複数のC1〜C8アルコキシ基で任意選択で置換されているC5〜C12(ヘテロ)アリール基;
R8及びR9が、それらを担持している窒素と共に、複素環を形成することが可能であり、この複素環は、5〜8員を有し、N、O及び-CO-から選択される1つ若しくは複数のヘテロ原子若しくは部分を含有してもよく、及び/又はヒドロキシル若しくはC1〜C4アルコキシから選択される1つ若しくは複数の基を任意選択で含有するC1〜C10炭化水素鎖で任意選択で置換されており;
R4は、以下から選択される基を示し
a)-H
b)C3〜C8環状の又はC3〜C10分枝状の又はC1〜C10直鎖状の飽和のアルキル基であって、以下から選択される1つ又は複数の同一の又は異なる基で任意選択で置換されているアルキル基
i)-COOR6
ii)O、N及びSから選択される1個又は複数のヘテロ原子を任意選択で含有し、1つ若しくは複数のヒドロキシル及び/又は1つ若しくは複数のC1〜C8アルコキシ基で任意選択で置換されているC5〜C12(ヘテロ)アリール基
c)O、N及びSから選択される1個又は複数のヘテロ原子を任意選択で含有し、1つ若しくは複数のヒドロキシル及び/又は1つ若しくは複数のC1〜C8アルコキシ基で任意選択で置換されているC5〜C12(ヘテロ)アリール基;
R5は、H、及びC3〜C8環状の若しくはC2〜C10不飽和の、又はC3〜C10分枝状の若しくはC1〜C10直鎖状の飽和のアルキル炭化水素基から選択され;
R6及びR7は、同一であり又は異なり、H、C3〜C8環状の若しくはC2〜C10不飽和の、又はC3〜C10分枝状の若しくはC1〜C10直鎖状の飽和のアルキル炭化水素基;窒素原子を任意選択で含有する(C1〜C4)アルキル-C6(ヘテロ)アリール基、より特定するとベンジル基から選択され;
R6及びR7は、それらを担持している窒素と共に、複素環を形成してもよく、この複素環は、5〜8員を有し、N、O及び-CO-から選択される1つ又は複数のヘテロ原子又は部分を含有してもよく、並びに/或いはC1〜C10炭化水素鎖で任意選択で置換されており;
h)式(III)の基
Figure 2018087165
{式中、
Xは、C3〜C8環状の若しくはC3〜C10分枝状の若しくはC1〜C10直鎖状の飽和の炭化水素鎖、又はC6〜C12アリーレン基、例えばフェニレン、又はC1〜C4アルキレン-C6〜C8シクロアルキレン-C1〜C4アルキレン基若しくはC1〜C4アルキレン-フェニレン-C1〜C4アルキレン基を示し、これは、-OH、-COOR6(式中、R6は、H、又はC3〜C8環状又はC2〜C10不飽和又はC3〜C10分枝状又はC1〜C20直鎖状飽和のアルキル炭化水素基を示す)から選択される1つ又は複数の同一又は異なる基で任意選択で置換されており;
R2及びR3は、上と同じ意味を有する};
且つ
Aが式(III)の基を示すとき、式(II)の化合物中のR2基及びR3基の全ては、同一である]。
式(I)及び(II)の化合物の塩には、前記化合物の従来型の非毒性塩、例えば酸から又は塩基から形成されるものが挙げられる。
式(I)及び(II)の化合物(それが四級化可能な窒素原子を含むとき)の塩としては、以下が挙げられる:
a)化合物(I)又は(II)に、鉱酸、より特定すれば、塩酸、ホウ酸、臭化水素酸、ヒドロン酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸及びテトラフルオロホウ酸から選択される鉱酸を付加することによって得られる塩、又は
b)化合物(I)又は(II)に、有機酸、より特定すれば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸、グルコン酸、サリチル酸、酒石酸、テレフタル酸、メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸及びトリフル酸から選択される有機酸を付加することによって得られる塩。
更に挙げられるのは、式(I)又は(II)の化合物(それが酸性基を含むとき)に、無機塩基を付加することによって得られる塩であり、例えば、水性の、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム、及び例えば炭酸若しくは炭酸水素の、ナトリウム、カリウム若しくはカルシウム;又は有機塩基、例えば第一級、第二級若しくは第三級アルキルアミン、例えばトリエチルアミン若しくはブチルアミンを付加することによって得られる塩である。この第一級、第二級又は第三級アルキルアミンは、1つ又は複数の窒素原子及び/又は酸素原子を含んでもよく、したがって、例えば1つ又は複数のアルコール官能基を含んでもよく;より特定して挙げることができるのは、2-アミノ-2-メチルプロパノール、エタノールアミン、トリエタノールアミン、2-ジメチルアミノプロパノール、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール及び3-(ジメチルアミノ)プロピルアミンである。
更に挙げられるのは、例えばリジン、アルギニン、グアニジン、グルタミン酸及びアスパラギン酸等のアミノ酸の塩である。
式(I)及び(II)の化合物(それが酸性基を含むとき)の塩は、有利には、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩から、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩、並びにアンモニウム塩から選択することができる。
式(I)及び(II)の化合物(それが四級化可能な窒素原子を含むとき)の塩は、有利には、ハロゲン化物から、例えば塩化物及び臭化物から;並びにクエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、乳酸塩及び酒石酸塩から選択することができる。
本発明において記載される化合物の、許容される溶媒和物は、溶媒の存在の結果として前記化合物の調製中に形成されるもの等の従来型の溶媒和物を含む。例としては、水の存在から、又はエタノール若しくはイソプロパノール等の直鎖状若しくは分枝状のアルコールの存在から得られる溶媒和物が挙げられる。
光学異性体は、より特定すると、エナンチオマー及びジアステレオ異性体である。
直鎖状又は分枝状の基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシルから選択することができる。
飽和の直鎖状又は分枝状のアルキル基は、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル及びオクチルから選択することができる。
C1〜C4アルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシから、より好ましくはメトキシから選択することができる。
式(II)の化合物は、好ましくは以下の意味を有する:
R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又はアセチル基を示し;
Aは、以下から選択される基を示し、
a)-H;
b)C3〜C8環状又はC3〜C16分枝状又はC2〜C16不飽和若しくはC1〜C16直鎖状飽和のアルキル基であって、N、O、-CO-及び-NHC(O)-から選択される1つ又は複数のヘテロ原子又は部分により任意選択で割り込まれており、並びに/或いは以下から選択される1つ又は複数の同一又は異なる基で任意選択で置換されているアルキル基、
i)-OH
ii)C1〜C4アルコキシ
iii)-COOR6
iv)-CONR6R7(式中、R6及びR7は、同一であり又は異なり、H、又はC3〜C8環状の若しくはC2〜C8不飽和の、又はC3〜C8分枝状の若しくはC1〜C8直鎖状の飽和のアルキル基を示す)
v)1つ若しくは複数のヒドロキシル及び/又は1つ若しくは複数のC1〜C4アルコキシ基で任意選択で置換されているフェニル基
vi)5〜8員を有し、O、N及びSから選択される1個又は複数のヘテロ原子を含み、環員のうちの1つがカルボニル基であることが可能である、非芳香族の飽和又は不飽和の複素環;
c)OH、C1〜C4アルコキシ及びC1〜C4アルキルから選択される1つ又は複数の同一の又は異なる基で任意選択で置換されているC5〜C12アリール基、例えばフェニル;
d)-NR8R9[式中、R8及びR9は、同一であり又は異なり、以下を示し、
i)H
ii)C3〜C8環状又はC2〜C8不飽和又はC3〜C8分枝状又はC1〜C8直鎖状飽和のアルキル基であって、酸素原子に任意選択で割り込まれており、並びに/或いはヒドロキシル基又はC1〜C4アルコキシ基、例えばメトキシで任意選択で置換されているアルキル基;
iii)1つ若しくは複数のヒドロキシル及び/又は1つ若しくは複数のC1〜C4アルコキシ基で任意選択で置換されているC5〜C12アリール基;
R8及びR9は、それらを担持している窒素と共に、5〜8員を有する複素環を形成することが可能であり、前記複素環は、1個又は複数の酸素原子を含有することができ、及び/又はヒドロキシル若しくはC1〜C4アルコキシから選択される1つ若しくは複数の基を任意選択で含有するC1〜C6炭化水素鎖で任意選択で置換されており;
e)-OR4;
f)-C(O)NHR4;
[式中、R4は、-H、C3〜C8分枝状又はC1〜C8直鎖状飽和のアルキル基から選択される基を示し、これは、以下から選択される1つ又は複数の同一の又は異なる基で任意選択で置換されている
i)-COOR6(式中、R6は、上に定義した通りである)
ii)C5〜C12アリール基];
g)式(III)の基
Figure 2018087165
(式中、Xは、C3〜C8環状若しくはC3〜C6分枝状若しくはC1〜C6直鎖状飽和の炭化水素鎖、又はC6〜C12アリーレン基、例えばフェニレンを示し、これは、OH又はC1〜C6アルキル基から選択される1つ又は複数の同一の又は異なる基で任意選択で置換されており、
R2及びR3は、上と同じ意味を有する);
且つ
Aが式(III)の基を示すとき、式(II)の化合物中のR2基及びR3基の全ては同一である。
式(I)の化合物は、より好ましくは以下の意味を有する:
R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又はアセチル基を示し;
Aは、以下から選択される基を示し
a)H
b)C3〜C8環状又はC3〜C16分枝状又はC2〜C16不飽和若しくはC1〜C16直鎖状飽和のアルキル基であって、N及びOから選択される1個又は複数のヘテロ原子に任意選択で割り込まれており、並びに/或いは以下から選択される1つ又は複数の同一又は異なる基で任意選択で置換されているアルキル基、
i)-OH
ii)C1〜C4アルコキシ
iii)-CONH2
iv)-COOR6(式中、R6は、H、又はC3〜C4環状又はC2〜C4不飽和又はC3〜C4分枝状又はC1〜C4直鎖状飽和のアルキル基を示す)
v)1つ若しくは複数のヒドロキシル及び/又は1つ若しくは複数のC1〜C4アルコキシ基で任意選択で置換されているフェニル基
vi)5〜8員を有し、1つ又は複数の窒素原子を含み、環員のうちの1つがカルボニル部分であることが可能である、飽和の又は不飽和の、非芳香族の複素環;
c)C5〜C12アリール基、例えばフェニル;
d)-NR8R9(式中、R8及びR9は、同一又は異なり、H、又はC3〜C8環状又はC2〜C6不飽和又はC3〜C6分枝状又はC1〜C6直鎖状飽和のアルキル基;又はC5〜C12アリール基、例えばフェニルを示し;
R8及びR9が、それらを担持している窒素と共に、5〜8員を有する複素環を形成することが可能であり、前記複素環が、酸素原子を含有することができ、及び/又はヒドロキシル若しくはC1〜C4アルコキシから選択される1つ若しくは複数の基を任意選択で含有するC1〜C6炭化水素鎖で任意選択で置換されている);
e)-OR4[式中、R4は、H、又はC3〜C6分枝状又はC1〜C6直鎖状の飽和アルキル基であって、以下から選択される1つ又は複数の同一又は異なる基で任意選択で置換されているアルキル基
i)-COOH
ii)C5〜C12アリール基、例えばフェニル];
f)式(III)の基
Figure 2018087165
(式中、Xは、C3〜C8環状若しくはC3〜C6分枝状若しくはC1〜C6直鎖状の飽和炭化水素鎖、又はC6〜C12アリーレン基、例えばフェニレンを示し、これは、1つ又は複数のヒドロキシル基で任意選択で置換されており;
R2及びR3は、上と同じ意味を有する);
且つ
Aが式(III)の基を示すとき、式(II)の化合物中のR2基及びR3基の全ては、同一である]。
優先的には、式(II)の化合物について、R2及びR3=Hである。
式(II)の化合物の数多くの実施形態を、以下に説明する:
R2及びR3=Hであり、A=Hである。
R2及びR3=Hであり、A=C3〜C16分枝状又はC1〜C16飽和直鎖状のアルキル基である。
R2及びR3=Hであり、A=C3〜C8分枝状又はC1〜C8飽和直鎖状のアルキル基であり、このアルキル基は、1つ又は2つのヒドロキシル基で置換されており、且つ-SR5基(式中、R5=H又はC1〜C4アルキルである)で任意選択で置換されている。
R2及びR3=Hであり、A=フェニル基又はベンジル基である。
R2及びR3=Hであり、A=C3〜C8分枝状の又はC1〜C8アルキル基であり、このアルキル基は、フェニル基で置換されており、このフェニル基は、1つ又は複数のヒドロキシル基及び/又はC1〜C4アルコキシ基で任意選択で置換されている。
R2及びR3=Hであり、A=C3〜C8分枝状又はC1〜C8飽和直鎖状のアルキル基であり、このアルキル基は、-COOH基で置換されており、この-COOH基は、SR5基(式中、R5=H又はC1〜C4アルキルである)で任意選択で置換されている。
R2及びR3=Hであり、A=C3〜C8分枝状又はC1〜C8飽和直鎖状のアルキル基であり、このアルキル基は、-COOR6基(式中、R6はC1〜C6アルキル基を示す)で置換されており、且つヒドロキシル基及び/又は-SR5基(式中、R5=H又はC1〜C4アルキル及び/又はフェニルであり、これは、1つ若しくは複数のヒドロキシルで任意選択で置換されている)、又はイミダゾール基で任意選択で置換されている。
R2及びR3=Hであり、A=C3〜C8分枝状又はC1〜C8飽和直鎖状のアルキル基であり、このアルキル基は、-CONH2基で置換されており、この-CONH2基は、ヒドロキシル基又はフェニル基で任意選択で置換されており、このヒドロキシル基又はフェニル基は、1つ若しくは複数のヒドロキシル、又は-COOR6基(式中、R6はC1〜C6アルキル基を示す)で任意選択で置換されている。
R2及びR3=Hであり、A=-OR4基(式中、R4は、H、C3〜C6分枝状又はC1〜C6直鎖状の飽和アルキル基を示し、このアルキル基は、-COOH基又はフェニル基で任意選択で置換されている)である。
R2及びR3=Hであり、A=-NR8R9(式中、R8及びR9は、同一であり又は異なり、H、又は、C3〜C6分枝状若しくはC1〜C6直鎖状の飽和アルキル基、又はフェニル基を示し、
R8及びR9が、それらを担持している窒素と共に、5員又は6員を有する複素環を形成することが可能であり、且つ酸素原子を含有してもよく、前記複素環が、ヒドロキシル又はC1〜C4アルコキシから選択される1つ又は複数の基を任意選択で含有するC1〜C6炭化水素鎖で任意選択で置換されている)である。
R2及びR3=Hであり、A=C3〜C6分枝状又はC2〜C6直鎖状のアルキル基であり、このアルキル基は、-CONH-基で割り込まれており、且つCOOH基で置換されている。
R2及びR3=Hであり、A=C5〜C6環状のアルキル基であり、このアルキル基は、-CONH-基で割り込まれている。
R2及びR3=Hであり、A=C5〜C6環状のアルキル基であり、このアルキル基は、酸素原子で割り込まれている。
R2及びR3=Hであり、A=上に記載した式(II)(式中、Xは、C5〜C8環状の若しくはC3〜C6分枝状若しくはC1〜C6直鎖状の飽和炭化水素鎖、又はフェニレン基を示し、これは、1つ又は複数のヒドロキシル基で任意選択で置換されている)の基である。
これらの化合物の中で、以下の化合物、更にそれらの塩、それらの溶媒和物、それらの光学異性体及びそれらのラセミ体が、より特に好ましい。
Figure 2018087165
Figure 2018087165
上記の化合物は、例えばWO2012/079938に記載されている方法に従って調製することができ、その全体を参照により本明細書に組み入れている。
本発明において使用されるレゾルシノール誘導体としては、好ましくは4-アルキルレゾルシノール、特定すると4-n-ブチルレゾルシノール、フェニルエチルレゾルシノール、及び4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ベンゼン-1,3-ジオールが挙げられる。
本発明において使用されるコウジ酸誘導体としては、コウジ酸アルキルエステル等のコウジ酸エステル、コウジ酸アルキルエーテル等のコウジ酸エーテル、及びコウジ酸グルコシドが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において使用されるシンナムアルデヒド誘導体としては、トランスフェルラ酸、p-クマル酸、及びコニフェリルアルデヒドが挙げられるがこれらに限定されない。
抗老化成分として挙げることができるのは、例えばレチノール、及びサポニン、及びアラントイン等のビタミンである。
抗酸化成分として挙げることができるのは、例えば、β-クリプトキサンチン等のカロテノイド、並びにトコフェロール及びその誘導体、並びにフラボノイドである。
活性成分として、植物由来の精油等の抽出物もまた、使用することができる。
活性成分として、セラミド化合物を使用することができる。
本発明によれば、用語「セラミド化合物」は、天然又は合成のセラミド及び/又はグリコセラミド及び/又は疑似セラミド及び/又は新セラミドを意味することが理解される。
セラミド化合物は、例えば、その教示が参照により本明細書に含まれる、独国特許第4424530号、独国特許第4424533号、独国特許第4402929号、独国特許第4420736号、WO95/23807、WO94/07844、EP-A-0646572、WO95/16665、仏国特許第2673179号、EP-A-0227994、WO94/07844、WO94/24097及びWO94/10131に開示されている。
本発明に従って使用されてもよいセラミド化合物は、一般式(IV)を含み、実際に好ましくは一般式(IV)に相当する:
Figure 2018087165
[式中、
R1は、
- 飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C50、好ましくはC5〜C50炭化水素基で、この基は、酸R7COOHによって任意選択でエステル化される、1個又は複数のヒドロキシル基によって置換されることが可能であり、R7は、任意選択でモノ又はポリヒドロキシル化された、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C35炭化水素基であり、R7基の1個又は複数のヒドロキシルは、任意選択でモノ又はポリヒドロキシル化された、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C35脂肪酸によってエステル化されることが可能である、
又は
- R''-(NR-CO)-R'基で、式中、Rは、水素原子、又はモノ若しくはポリヒドロキシル化、好ましくはモノヒドロキシル化C1〜C20炭化水素基を示し、R'及びR''は、炭化水素基であり、それらの炭素原子の和は9個から30個の間であり、R'は二価の基である、
又は
- R8-O-CO-(CH2)p基で、式中、R8は、C1〜C20炭化水素基を示し、pは、1〜12で変動する整数である
のいずれかを示し、
R2は、水素原子、糖類タイプの基、具体的には(グリコシル)n、(ガラクトシル)m又はスルホガラクトシルの各基、スルフェート又はホスフェート残基、フォスホリルエチルアミン基及びフォスホリルエチルアンモニウム基から選ばれ、nは、1〜4で変動する整数であり、mは、1〜8で変動する整数であり、
R3は、水素原子、又はヒドロキシル化若しくは非ヒドロキシル化された、飽和若しくは不飽和のC1〜C33炭化水素基を示し、1個又は複数のヒドロキシルは、無機酸又は酸R7COOHによってエステル化されることが可能であり、R7は、上記と同じ意味を有し、1個又は複数のヒドロキシルは、(グリコシル)n、(ガラクトシル)m、スルホガラクトシル、ホスホリルエチルアミン又はホスホリルエチルアンモニウム基によってエーテル化されることが可能であり、nは、1〜4で変動する整数であり、mは、1〜8で変動する整数であり、R3が1個又は複数のC1〜C14アルキル基によって置換されることもまた可能であり、
R4は、水素原子、メチル基若しくはエチル基、任意選択でヒドロキシル化された、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状のC3〜C50炭化水素基、又は-CH2-CHOH-CH2-O-R6基を示し、R6は、C10〜C26炭化水素基、又はR8-O-CO-(CH2)p基を示し、R8は、C1〜C20炭化水素基を示し、pは、1〜12で変動する整数であり、
R5は、水素原子、又は任意選択でモノ若しくはポリヒドロキシル化された、飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝状のC1〜C30炭化水素基を示し、1個又は複数のヒドロキシルは、(グリコシル)n、(ガラクトシル)m、スルホガラクトシル、ホスホリルエチルアミン又はホスホリルエチルアンモニウム基によってエーテル化されることが可能であり、nは、1〜4で変動する整数であり、mは、1〜8で変動する整数であり、但しR3及びR5が水素を示すとき、又はR3が水素を示してR5がメチルを示すとき、R4は水素原子もメチル基もエチル基も示さない]。
式(IV)の化合物のうち、優先されるのは、その教示が参照により本明細書に組み込まれる、Downing社によるJournal of Lipid Research、35巻、2060〜2068頁、1994年に記載されている、又は仏国特許第2673179号に開示されている構造を有するセラミド及び/又はグリコセラミドである。
上式(IV)中、R3は、C15〜C26α-ヒドロキシアルキル基を示し、ヒドロキシル基が任意選択でC16〜C30α-ヒドロキシ酸によってエステル化されることが好ましい。
本発明による、より特に好ましいセラミド化合物は、式(IV)の化合物であり、式中、R1は、C14〜C22脂肪酸から誘導された、任意選択でヒドロキシル化された飽和又は不飽和のアルキルを示し、R2は、水素原子を示し、R3は、任意選択でヒドロキシル化された直鎖状のC11〜C17基、好ましくはC13〜C15基を示す。R3は、好ましくは、α-ヒドロキシセチル基を示し、R2、R4及びR5は、水素原子を示す。
セラミド化合物が、2-N-リノレオイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-オレオイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-パルミトイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ベヘノイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-[2-ヒドロキシパルミトイル]アミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3,4-トリオール、2-N-パルミトイルアミノヘキサデカン-1,3-ジオール、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
セラミド化合物が、ビス(N-ヒドロキシエチル-N-セチル)マロンアミド、セチル酸のN-(2-ヒドロキシエチル)-N-(3-セチルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)アミド及びN-ドコサノイル-N-メチル-D-グルカミンから選ばれることもまた好ましい。
更に使用されてよいのは、例えば、Downing分類法(Downing classification)によるセラミド2及びセラミド5の混合物等のセラミド化合物の混合物である。
更に特に使用されてよいのはまた、式(IV)の化合物であり、式中、R1は、C12〜C22脂肪酸から誘導される飽和又は不飽和のアルキル基を示し、R2は、ガラクトシル基又はスルホガラクトシル基を示し、R3は、飽和又は不飽和のC12〜C22炭化水素系基、好ましくは-CH=CH-(CH2)12-CH3基を示す。
挙げることができるのは、例えば、Waitaki International Biosciences社によって商標名Glycocerで販売されているグリコセラミドの混合物で構成される製品である。
更に使用されてよいのは、特許出願EP-A-0227994、EP-A-0647617、EP-A-0736522及びWO94/07844に開示されている式(IV)の化合物である。
こうした化合物には、例えば、Quest社によって販売されているQuestamide H(ビス(N-ヒドロキシエチル-N-セチル)マロンアミド)、又はセチル酸のN-(2-ヒドロキシエチル)-N-(3-セチルオキシ-2-ヒドロキシ-プロピル)アミドが挙げられる。
更に使用されてよいのは、特許出願WO94/24097に開示されているN-ドコサノイル-N-メチル-D-グルカミンである。
当然ながら、本発明の組成物中の種々のセラミド化合物の混合物を使用することが、可能である。
好ましくは、活性成分は、レゾルシノール又はその誘導体、シンナムアルデヒド誘導体、又はこれらの任意の組合せであり、特定するとフェニルエチルレゾルシノール、4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、又はこれらの組合せである。
本発明の一実施形態では、活性成分の溶解度は、室温(25oC)及び大気圧(760mmHg)下で、油100gに対して、少なくとも0.01g、好ましくは0.05g、より好ましくは0.1gである。活性成分の最大油溶解度は限定されないが、例えば活性成分の溶解度は、室温及び大気圧下で、油100gに対して、50g未満、好ましくは40g未満、より好ましくは30g未満である。
本発明の別の実施形態では、活性成分の溶解度は、室温及び大気圧下で、水100gに対して、1g未満、好ましくは0.5g未満、より好ましくは0.1g未満、特定すると0.01g未満である。
本発明では、油相中の活性成分の飽和度は、好ましくは0.90超、より好ましくは0.92超、更により好ましくは0.95超、特定すると0.97超である。本発明では、該飽和度は、室温及び大気圧下で測定される、油相中の活性成分の濃度と、油相中の活性成分の最大溶解度との比であると定義される。
油相中の活性成分の最大溶解度は、当技術分野で既知である任意の方法で測定することができる。例えば、過剰量の活性成分を油中に溶解し、昇温にて勢いよく混合し、次いでこのサンプルを室温まで冷却して数時間から数日まで維持する。この混合物を遠心分離して油相を分離し、分離した油相中の活性成分の濃度を、UV分光法を用いて測定する。
本発明による組成物中の油相中の活性成分の濃度は、当技術分野で既知である任意の方法で測定することができる。例えば、本発明による組成物を調製した後、油相を、14,000rpmで20分間、遠心分離することによって分離し、次いで分離した油相を回収し、油相中の活性成分の濃度をUV分光法によって測定する。
本発明の活性成分の代表例において、室温及び大気圧下で測定した、種々の油中のフェニルエチルレゾルシノール及び4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(テトラヒドロピラニルレゾルシノール)の最大溶解度を以下に示す。
Figure 2018087165
(e)活性成分は、テトラヒドロピラニルレゾルシノール、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール、カプリロイルサリチル酸、フェニルエチルレゾルシノール、トコフェロール、ヒドロキシプロピルテトラヒドロピラントリオール、アスコルビン酸、及びコガネバナの根の抽出物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の(e)活性成分の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上とすることができる。本発明による組成物中の(e)活性成分の量が、組成物の総質量に対して0.5質量%以上であることが、更により好ましいことがある。
他方、本発明による組成物中の(e)活性成分の量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とすることができる。本発明による組成物中の(e)活性成分の量が、組成物の総質量に対して2質量%以下であることが、更により好ましいことがある。
本発明による組成物中の(e)活性成分の量は、組成物の総質量に対して、0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%とすることができる。本発明による組成物中の(e)活性成分の量が、組成物の総質量に対して0.5質量%〜2質量%であることが、更により好ましいことがある。
(染料)
本発明による化粧用組成物はまた、少なくとも1種の染料を含んでもよい。
本発明による化粧用組成物は、化粧用組成物中で従来使用されている無機又は有機顔料、脂溶性又は水溶性染料、特殊な光学効果を有する物質、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の染料を組み込んでもよい。
用語「顔料」は、水溶液に不溶性であり、且つ得られた膜を着色する及び/又は不透明にすることが意図された、白色又は有色の無機又は有機の粒子を意味すると理解されるべきである。
本発明で使用されてもよい無機顔料として挙げることができるのは、酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、更には酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、フェリックブルー、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー及びクロム水和物である。本発明の特定の一態様によれば、無機顔料は、酸化鉄及び酸化チタン、並びにこれらの混合物から選択されることになる。
それはまた、例えばセリサイト/ブラウン酸化鉄/二酸化チタン/シリカタイプであってよい構造を有する顔料とすることができる。こうした顔料は例えば、Chemicals and Catalysts社によって参照名Coverleaf NS又はJSで販売されており、30の領域にコントラスト比を有する。
着色剤はまた、例えば酸化鉄を含有するシリカミクロスフェア等のタイプのものでありうる構造を有する顔料を含むこともできる。この構造を有する顔料の例は、三好化成株式会社によって参照名PC Ball PC-LL-100 Pで販売されている製品であり、この顔料は、黄色酸化鉄を含有するシリカミクロスフェアから構成されている。
本発明において使用されてもよい有機顔料の中で挙げることができるのは、カーボンブラック、D&C型顔料、コチニールカルミンベース又はバリウム、ストロンチウム、カルシウム若しくはアルミニウムベースのレーキ、或いは文献EP0542669、EP0787730、EP0787731及びWO96/08537に記載のジケトピロロピロール(DPP)である。
本発明による化粧用組成物はまた、水溶性又は脂溶性染料を含んでもよい。脂溶性染料は、例えば、スーダン赤色、DC赤色17号、DC緑色6号、β-カロテン、ダイズ油、スーダン茶色、DC黄色11号、DC紫色2号、DC橙色5号、及びキノリンイエローである。水溶性染料は、例えばビートルートジュース及びカラメルである。
(フィラー)
本発明による化粧用組成物はまた、有機性又は無機性の、少なくとも1種のフィラーを含んでもよく、とりわけ追加のマット効果若しくは被覆特性、並びに/又は滲出に関する改善した安定性及び適用後の耐移り特性を付与することを可能にすることができる。
用語「フィラー」は、化粧用組成物の媒体中で不溶性であり且つ分散している形態にある、任意の形状の無色又は白色の固体粒子を意味すると理解されるべきである。無機性又は有機性のこれらの粒子は、化粧用組成物に量感又は剛性を付与し、且つ/又はメイクアップに柔らかさ及び均一性を付与することができる。
本発明による化粧用組成物中で使用されるフィラーは、ラメラ状、球形、又は球状形態、繊維の形態、又はこれらの規定された形態の間の任意の他の中間形態にあってもよい。
本発明によるフィラーは、表面被覆されていてもされていなくてもよく、特に、それらは、シリコーン、アミノ酸、フルオロ誘導体、又は化粧用組成物中でのフィラーの分散性及び相溶性を促進させる任意の他の物質で表面処理されていてもよい。
挙げることができる無機フィラーの例としては、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、ガラス又はセラミックマイクロカプセルが挙げられる。
挙げることができる有機フィラーの例としては、ポリエチレン粉末又はポリメチルメタクリレート粉末、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))粉末、ラウロイルリジン、ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンコポリマー粉末(東色ピグメント株式会社からのPlastic Powder)、シリコーン樹脂ミクロビーズ(例えばGE東芝シリコーン株式会社からのTospearl)、天然又は合成微粉化ワックス、8〜22個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有する有機カルボン酸に由来する金属石鹸、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛又はミリスチン酸マグネシウム、及びポリウレタン粉末、特にトリメチロールヘキシルラクトンを含むコポリマーを含む架橋ポリウレタン粉末がある。コポリマーは、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンポリマーであってよい。こうした粒子は、とりわけ、例えば東色ピグメント株式会社から名称Plastic Powder D-400(登録商標)又はPlastic Powder D-800(登録商標)で市販されており、且つこれらの混合物も挙げることができる。
(他の成分)
本発明による組成物はまた、少なくとも1種の任意選択又は追加の成分も含んでもよい。
任意選択又は追加の成分の量は、限定されないが、本発明による組成物の総質量に対して、0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%とすることができる。
任意選択又は追加の成分は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性のポリマー;アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性の界面活性剤;UV遮蔽剤;ペプチド及びそれらの誘導体;タンパク質加水分解物;膨潤剤及び浸透剤;脱毛に有効な薬剤;ふけ防止剤;天然又は合成の油又は水のための増粘剤;懸濁剤;金属イオン封鎖剤;日焼け止め剤;ビタミン又はプロビタミン;香料;保存剤、安定剤;並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物の水性相としては、水に加えて、1種又は幾つかの化粧料として許容される有機溶媒が挙げられ、これはアルコールであってもよく、具体的には一価アルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール;ジオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール及びブチレングリコール;他のポリオール、例えばグリセロール、糖及び糖アルコール;並びにエーテル、例えばエチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、並びにブチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテルが挙げられる。
このとき、有機溶媒は、組成物の総質量に対して、0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%の濃度で存在することができる。
[調製]
本発明による組成物は、上記の必須及び任意選択の成分を、従来の方法で混合することによって調製することができる。
例えば、本発明による組成物は、
(a)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマーと、
(b)少なくとも1種の両親媒性ポリマーと、
(e)少なくとも1種の極性油と、
(d)水と
を混合する工程を含む方法によって調製することができ、
組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
任意選択の成分のうちの任意のものを、組成物中へ更に混合することが可能である。
[方法及び使用]
本発明による組成物は、好ましくは、化粧用組成物として使用することができる。詳細には、本発明による組成物は、皮膚、頭皮及び/又は唇、好ましくは皮膚等のケラチン物質への塗布を意図することができる。そのため、本発明による組成物は、皮膚のための化粧方法で使用することができる。
本発明による、皮膚等のケラチン物質のための化粧方法又は化粧上の使用は、少なくとも、ケラチン物質へ本発明による組成物を塗布する工程を含む。
本発明はまた、
活性成分を、W/Oエマルションの形態の組成物へ添加する工程と、
組成物を、ケラチン物質へ塗布する工程と
を含む、
活性成分の経皮吸収性を改善する又は強化するための方法にも関し、
組成物は、
(a)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマーと、
(b)少なくとも1種の両親媒性ポリマーと、
(c)少なくとも1種の極性油と、
(d)水と
を含み、
組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
そのため、本発明の態様のうちの1つはまた、
(a)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマーと、
(b)少なくとも1種の両親媒性ポリマーと、
(c)少なくとも1種の極性油と、
(d)水と
を含む、W/Oエマルションの形態の組成物の使用にも関し、
組成物中の(d)水の量は、活性成分の経皮吸収性を改善する又は強化するために、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明する。しかしながら、これら実施例が本発明の範囲を限定するものとは解釈すべきでない。以下の実施例は、本発明の技術分野における非限定的な例示として提示される。
(実施例1及び比較例1〜2)
表1に示した実施例1並びに比較例1及び2による、以下のW/Oエマルションの形態の組成物を、表1に示した成分を混合することによって調製した。表1に示す成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
Figure 2018087165
[評価]
(乳化)
実施例1並びに比較例1及び2による組成物の態様を、以下の基準に従って目視で評価した。
良好:エマルションは均質であった
良好でない:相分離を観察した又は乳化が不完全であった(例えばエマルションの表面上に少量の水を認めた)
結果を、表1中の「乳化」と標識した行に示す。
実施例1は、PEG-15/ラウリルジメチコンクロスポリマーとジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30との双方を使用して、多量の内部水性相を有するW/Oエマルションを調製したことを明示している。
比較例1及び2は、PEG-15/ラウリルジメチコンクロスポリマー又はジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30を使用しないときに、多量の内部水性相を有するW/Oエマルションは調製できなかったことを明示している。
(実施例2並びに比較例3及び4)
表2に示した実施例2並びに比較例3及び4による、以下のW/Oエマルションの形態の組成物を、表2に示した成分を混合することによって調製した。表2に示した成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
Figure 2018087165
[評価]
(インビトロ経皮吸収性)
実施例2並びに比較例3及び4による組成物のそれぞれにおける活性成分(テトラヒドロピラニルレゾルシノール)の浸透量を、Strat-M membrane(商標登録。米国のEMD Millipore Corporation社により販売)を用いて求め、これを更なる修正なしで使用した。実験の手順を以下に詳細に説明する。
実験の手順:
- レセプター流体(RF)を、ビーカー中で、Tween 80 0.25gとリン酸緩衝食塩水10gと水89.75gとを混合して、それが等方性になるまで撹拌することによって用意した。得られたRFは、pH値が7.4であった。
- 撹拌機をFrantz cell中へ入れ、セルの温度を、恒温槽を用いて32℃に調整した。
- RF 5mLをFrantz cell中へ導入し、温度が32℃に達するまで待った。
- 表面積1.5cm2のStrat Mメンブレンを、セルの下部区画上に置いた。セルの下部区画と上部区画とを、クランプを用いて堅くセットアップした。
- サンプルを、Strat Mメンブレン上に5mg/cm2の量で置き、メンブレンの表面上に均等に広げた。
- 32℃にて5時間後、RF 200μLをシリンジで取り出し、メンブレンを通った活性成分の量を、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)システム(Waters社)を用いて求めた。
メンブレンを通った活性成分の量の平均値(メンブレンcm2当たりのμg)を表2に示す。
実施例2は、極性油を使用する、多量の内部水性相を有する実施例2によるW/Oエマルションが、活性成分の良好な経皮吸収性をもたらすことができたことを明示している。
比較例3は、無極性油を使用するとき、活性成分は無極性油中に溶解することができず、したがって、多量の内部水性相を有する比較例3によるW/Oエマルションは良好な経皮吸収性をもたらすことができなかったことを明示している。
比較例4は、極性油を使用したときでさえ、少量の内部水性相を有する比較例4によるW/Oエマルションは活性成分の良好な経皮吸収性をもたらすことができなかったことを明示している。
(実施例3〜10)
表3に示した実施例3〜10による、以下のW/Oエマルションの形態の組成物を、表3に示した成分を混合することによって調製した。表3に示した成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
Figure 2018087165
Figure 2018087165
[評価]
(乳化)
実施例3〜10による組成物の態様を、以下の基準に従って目視で評価した。
良好:エマルションは均質であった
良好でない:相分離を観察した又は乳化が不完全であった(例えばエマルションの表面上に少量の水を認めた)。
結果を、表3中の「乳化」と標識した行に示す。
表3は、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール、カプリロイルサリチル酸、フェニルエチルレゾルシノール、トコフェロール、ヒドロキシプロピルテトラヒドロピラントリオール、アスコルビン酸、及びコガネバナの根の抽出物等の種々の活性成分を、多量の内部水性相を有する本発明によるW/Oエマルション中へ組み込むことが可能であったことを明示している。
多量の内部水性相を有する実施例3〜10によるW/Oエマルションは、活性成分の良好な経皮吸収性をもたらすことができる。

Claims (15)

  1. W/Oエマルションの形態の組成物であって、
    (a)少なくとも1種の乳化性シリコーンエラストマーと、
    (b)少なくとも1種の両親媒性ポリマーと、
    (c)少なくとも1種の極性油と、
    (d)水と
    を含み、
    前記組成物中の前記(d)水の量が、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である、組成物。
  2. 前記(a)乳化性シリコーンエラストマーが、少なくとも1つの親水性部分を有する少なくとも1種の架橋シリコーンポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記親水性部分が、少なくとも1つのポリオキシアルキレン鎖及び/又は少なくとも1つのポリグリセリル鎖を含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 組成物中の前記(a)乳化性シリコーンエラストマーの量が、活性物質として、組成物の総質量に対して0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.25〜3質量%である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記(b)両親媒性ポリマーが、式(I):
    Figure 2018087165
    (式中、
    A及びA'は、それぞれ独立に、疎水性有機基を示し、
    aは、1以上、例えば1〜100、好ましくは2以上、例えば2〜70、より好ましくは3以上、例えば3〜40の整数を示し、
    Xは、独立に、単結合又は-CH(OR3)-基を示し、
    R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、但しR1とR2との双方は同時にメチル基ではなく、
    R3は、独立に、水素原子、又は直鎖状若しくは分枝状のC1〜C20アルキル基若しくはC1〜C20アシル基を示す)
    で表される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記疎水性有機基が、式(II):
    Figure 2018087165
    (式中、
    R'は、独立に、直鎖状又は分枝状のC1〜C20アルキル基を示し、
    R''は、独立に、直鎖状又は分枝状のC1〜C20アルキレン基を示し、
    bは、0〜200、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜50の整数を示す)
    で表される、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記(b)両親媒性ポリマーが、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジステアリン酸PEG-8、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 組成物中の前記(b)両親媒性ポリマーの量が、組成物の総質量に対して、0.01〜15質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記(c)極性油は、溶解度パラメータが15.0(J/cm3)0.5以上である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記(c)極性油が、アミノ酸の親油性誘導体、エステル油及び脂肪アルコールから選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 組成物中の前記(c)極性油の量が、組成物の総質量に対して、0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%である、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. (e)少なくとも1種の活性成分を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記(e)活性成分が、テトラヒドロピラニルレゾルシノール、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール、カプリロイルサリチル酸、フェニルエチルレゾルシノール、トコフェロール、ヒドロキシプロピルテトラヒドロピラントリオール、アスコルビン酸、及びコガネバナの根の抽出物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
  14. 組成物中の前記(e)活性成分の量が、組成物の総質量に対して、0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である、請求項12又は13に記載の組成物。
  15. ケラチン物質へ、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物を塗布する工程を含む、ケラチン物質、好ましくは皮膚のための化粧方法。
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