JP2018085291A - 硫黄系活物質、電極およびリチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

硫黄系活物質、電極およびリチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の充放電容量とサイクル特性を向上できる、新規な硫黄系活物質、当該活物質を含んでなる電極、すなわち、正極または負極、および、当該電極を含んでなるリチウムイオン二次電池を提供すること。【解決手段】ゴムおよびヘテロ原子含有部位を有するモノマー単位からなる重合体からなる群から選択される少なくとも1種の高分子化合物と硫黄と超促進性加硫促進剤とを含む原料を、非酸化性雰囲気下に熱処理する工程を含んでなるものであり、熱処理における昇温速度が450〜1200℃/hであり、熱処理の温度が250〜550℃である製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に用いることができる、新規な硫黄系活物質、当該硫黄系活物質を含んでなる電極、および、当該電極を含んでなるリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池は充放電容量が大きいため、主として携帯電子機器用の電池として用いられている。またリチウムイオン二次電池は、電気自動車用の電池としても使用量が増加しており、性能の向上が期待されている。
リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、コバルトやニッケル等のレアメタルを含むものが一般的に用いられる。しかし、レアメタルは、流通量が少なく入手が必ずしも容易でない上、高価であるため、近年、レアメタルに代わる物質を用いた正極活物質が求められている。また、酸化化合物系の正極活物質では、過充電などにより、正極活物質中の酸素が放出され、その結果、有機電解液や集電体が酸化、燃焼されることにより、発火、爆発などに至る危険性がある。
他方、正極活物質として、硫黄を用いる技術が知られている。正極活物質として硫黄を用いると、当該硫黄はレアメタルに比べて入手が容易で、かつ安価であるだけでなく、リチウムイオン二次電池の充放電容量を大きくできるという利点もある。例えば、正極活物質として硫黄を用いたリチウムイオン二次電池は、一般的な正極材料であるコバルト酸リチウムを用いたリチウムイオン二次電池の、約6倍の充放電容量を達成できることが知られている。また、硫黄は、酸素に比べて反応性が低く、過充電などによる発火、爆発などの危険性が低い。しかし、正極活物質として単体の硫黄を用いたリチウムイオン二次電池は、充放電を繰り返した際に電池容量が低下するという問題がある。すなわち硫黄は、放電時にリチウムと化合物を生成しやすく、生成した化合物はリチウムイオン二次電池の非水系電解液(例えば、エチレンカーボネートやジメチルカーボネート等)に可溶であるため、充放電を繰り返すと、電解液への硫黄の溶出によって充放電容量が徐々に低下してしまう。そこで、電解液への硫黄の溶出を抑制して、サイクル特性(充放電の繰り返しにも拘わらず、充放電容量が維持される特性)を向上するために、硫黄に硫黄以外の材料(例えば、炭素材料等)を配合した正極活物質が提案されている。例えば、特許文献1には、炭素と硫黄を主な構成元素とする所定のポリ硫化カーボンを用いる技術が開示されている。また、特許文献2には、ポリイソプレンと硫黄粉末の混合物を熱処理して得られる硫黄系正極活物質について開示がある。しかし、リチウムイオン二次電池のサイクル特性には、未だ向上の余地がある。
一方、負極活物質としては、ケイ素(Si)、スズ(Sn)などのより多くのリチウムイオンを吸蔵および放出可能な材料を用いることで、リチウムイオン二次電池の電池容量を増加させることが提案されている。しかし、このような材料は、リチウムイオンの吸蔵および放出に伴う体積変化が大きいため、充放電を繰り返した際のサイクル特性が良好ではなかった。また、グラファイトやハードカーボンといった炭素材料も用いられるが、既に理論容量に達しつつあり、大幅な容量向上は見込めない状況である。
特開2002−154815号公報 特開2012−150933号公報
本発明は、リチウムイオン二次電池の充放電容量とサイクル特性を向上できる、新規な硫黄系活物質、当該活物質を含んでなる電極、すなわち、正極または負極、および、当該電極を含んでなるリチウムイオン二次電池の製造方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記課題解決のため、鋭意検討した結果、所定の高分子化合物と硫黄と超促進性加硫促進剤とを、非酸化性雰囲気下、所定の昇温速度の下到達した所定温度で熱処理すれば、優れた特性を示す硫黄系活物質を製造できることを見出し、さらに検討を重ねて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]硫黄系活物質の製造方法であって、
ゴムおよびヘテロ原子含有部位を有するモノマー単位からなる重合体からなる群から選択される少なくとも1種の高分子化合物と硫黄と超促進性加硫促進剤とを含む原料を、非酸化性雰囲気下に熱処理する工程を含んでなるものであって、
ヘテロ原子含有部位が、O、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する一価の官能基、O、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する複素環式基および−Sa−(但し、aは2〜4の整数)で示される基からなる群から選択される基を有する部位であり、
熱処理における昇温速度が450〜1200℃/h、好ましくは450〜1150℃/h、より好ましくは500〜1100℃/hであり、
熱処理の温度が250〜550℃、好ましくは300℃〜450℃である製造方法、
[2]ヘテロ原子含有部位を有するモノマー単位からなる重合体が、下記式(1)または式(2)で示されるものである、上記[1]記載の製造方法、
Figure 2018085291
(式中、R1は水素原子またはアルキル基を表し、該アルキル基は好ましくは炭素数1〜4のもの、より好ましくはメチル基であり、X1はO、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する一価の官能基を有する基またはO、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する複素環式基を有する基を表し、nは整数を表す。)
Figure 2018085291
(式中、R2はアルキル基を表し、該アルキル基は好ましくは炭素数5〜12のもの、より好ましくは炭素数6〜10のもの、さらに好ましくは炭素数7〜9のもの、最も好ましくは炭素数8のものであり、aは2〜4の整数、mは2〜12の整数を表す。)
[3]前記複素環式基が、O、S、PおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子を1〜3個含有する5〜14員の複素環式基である上記[1]または[2]記載の製造方法、
[4]前記一価の官能基が、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基およびアンモニウム基からなる群から選択される少なくとも一つであり、
前記複素環式基が、ピロリジン、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピロリドン、テトラヒドロフラン、トリアジン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、ホスホール、インドール、ベンゾイミダゾール、キノリン、カルバゾール、チアントレン、フェノキサジン、フェノチアジン、キサンテン、チエノ[3,2−b]チオフェン、ベンゾチオフェンおよびホスフィンドールからなる群から選択されるものである上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法、
[5]前記重合体が、ポリビニルピリジン、ホスホリルコリン重合体、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物およびポリスチレンスルホン酸からなる群から選択される少なくとも一つである上記[1]記載の製造方法、
[6]前記高分子化合物の重量平均分子量が、2000〜1500000、好ましくは2000〜1300000、より好ましくは2000〜1200000、さらに好ましくは2000〜1100000、さらに好ましくは2000〜1000000である上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製造方法、
[7]熱処理の原料が、導電性炭素材料をさらに含むものである上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の製造方法、
[8]導電性炭素材料がグラファイト構造を有する炭素材料である上記[7]記載の製造方法、
[9]硫黄系活物質中の総硫黄量が50.0質量%以上、好ましくは51.0質量%以上、より好ましくは52.0質量%以上、さらに好ましくは53.0質量%以上、さらに好ましくは54.0質量%以上、さらに好ましくは54.5質量%以上である上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の製造方法、
[10]リチウムイオン二次電池の電極の製造方法であって、
上記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の製造方法により得られる硫黄系活物質を用いてリチウムイオン二次電池の電極を作製する工程を含んでなる製造方法、
[11]リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
上記[10]の製造方法により得られる電極を用いてリチウムイオン二次電池を作製する工程を含んでなる製造方法、
[12]硫黄系活物質が硫黄系正極活物質である上記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の製造方法、
[13]リチウムイオン二次電池の正極の製造方法であって、
上記[12]の製造方法により得られる硫黄系正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池の正極を作製する工程を含んでなる製造方法、
[14]リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
上記[13]の製造方法により得られる正極を用いてリチウムイオン二次電池を作製する工程を含んでなる製造方法、
に関する。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の充放電容量とサイクル特性を向上できる、新規な硫黄系活物質、当該活物質を含んでなる電極、すなわち、正極または負極、および、当該電極を含んでなるリチウムイオン二次電池を製造することができる。
本明細書において、「サイクル特性」とは、充放電の繰り返しにも拘わらず、二次電池の充放電容量が維持される特性をいう。したがって、充放電の繰り返しに伴い、充放電容量の低下の度合いが大きく、容量維持率が低い二次電池はサイクル特性が劣っているのに対し、逆に、充放電容量の低下の度合いが小さく、容量維持率が高い二次電池はサイクル特性が優れている。
本発明の実施例において、硫黄系活物質の製造に使用した反応装置を模式的に示す断面図である。 実施例2および比較例1についてのサイクル充放電の結果を示すグラフである。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明の硫黄系活物質の製造方法は、ゴムおよびヘテロ原子含有部位を有するモノマー単位からなる重合体からなる群から選択される少なくとも1種の高分子化合物と硫黄と超促進性加硫促進剤とを含む原料を、非酸化性雰囲気下に熱処理する工程を含んでなるものであって、
ヘテロ原子含有部位が、O、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する一価の官能基、O、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する複素環式基および−Sa−(但し、aは2〜4の整数)で示される基からなる群から選択される基を有する部位であり、
熱処理における昇温速度が450〜1200℃/hであり、
熱処理の温度が250〜550℃である製造方法である。
<高分子化合物>
本発明における高分子化合物は、ゴムおよびヘテロ原子含有部位を有するモノマー単位からなる重合体からなる群から選択される少なくとも1種の高分子化合物である。
(ゴム)
ゴムとしては、好ましくは、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴムは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、天然ゴムやハイシスポリブタジエンゴムが特に好ましい。両ゴムは、分子鎖が折れ曲がった不規則な構造をとりやすく、隣り合う分子鎖間の分子間力を比較的小さくして結晶化を生じにくくできるので、硫黄系活物質の柔軟性、加工性を向上できる。特に、ハイシスポリブタジエンゴム等のブタジエンゴムを用いるのが好ましい。ここで、ハイシスポリブタジエンゴムとは、シス1,4結合含量が95質量%以上のポリブタジエンゴムである。また、シス1,4結合含量は、赤外吸収スペクトル分析により算出される。
なお、本発明において、ゴムは、未加硫の状態で、硫黄系活物質の原料として供される。
(ヘテロ原子含有部位を有するモノマー単位からなる重合体)
本発明において、「ヘテロ原子含有部位」とは、O、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する一価の官能基、O、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する複素環式基および−Sa−(但し、aは2〜4の整数)で示される基からなる群から選択される基を有する部位である。
「O、S、PおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子を含有する一価の官能基」の例としては、例えば、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基およびアンモニウム基からなる群から選択される少なくとも一つが挙げられる。該一価の官能基は、置換基を有していてもよい。
この場合の置換基としては、上述の官能基が挙げられる。すなわち、これら一価の官能基は、別のまたは同じ上述の一価の官能基によってさらに置換されていてもよく、該置換は複数回なされ得る。その際、該一価の官能基同士の間に、アルキレン基などのスペーサーが介在してもよい。該アルキレン基としては、例えば、炭素数1〜4のものが挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基などである。
「O、S、PおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子を含有する複素環式基」としては、例えば、O、S、PおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子を1〜3個含有する5〜14員の複素環式基が挙げられる。ここで、該複素環式基を構成する複素環としては、例えば、ピロリジン、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピロリドン、テトラヒドロフラン、トリアジン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、ホスホールの如き単環でもよく、インドール、ベンゾイミダゾール、キノリン、カルバゾール、チアントレン、フェノキサジン、フェノチアジン、キサンテン、チエノ[3,2−b]チオフェン、ベンゾチオフェンおよびホスフィンドールの如き複環でもよく、これらからなる群から選択されるものが挙げられる。これらの複素環式基は置換基を有していてもよく、非置換のものでもよい。置換基を有する場合の置換基としては、例えば、上述の一価の官能基が挙げられる。
「ヘテロ原子含有部位を有するモノマー単位からなる重合体」の好ましい例としては、下記式(1)または式(2)で示されるものが挙げられる。
Figure 2018085291
(式中、R1は水素原子またはアルキル基を表し、X1はO、S、PおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子を含有する一価の官能基を有する基またはO、S、PおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子を含有する複素環式基を有する基を表し、nは整数を表す。)
Figure 2018085291
(式中、R2はアルキル基を表し、aは2〜4の整数、mは2〜12の整数を表す。)
式(1)において、R1のアルキル基としては、炭素数1〜4のものが好ましく、このうち、メチル基が好ましい。式(2)において、R2のアルキル基としては、炭素数5〜12のものが好ましく、より好ましくは炭素数6〜10のもの、さらに好ましくは炭素数7〜9のもの、最も好ましくは炭素数8のものである。
本明細書において、アルキル基は、直鎖または分岐鎖のいずれのものも含むが、このうち、直鎖のものが好ましい。
ヘテロ原子含有部位を有するモノマー単位からなる重合体のより好ましい具体例としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルピリジン、ホスホリルコリン重合体、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物およびポリスチレンスルホン酸からなる群から選択される少なくとも一つが挙げられる。また、該重合体としては、重合体の側鎖にヘテロ原子含有部位を有するものが好ましい。
ポリビニルピリジンは、下記式(3)で示される化合物である。
Figure 2018085291
(式中、q1は整数を表す。)
上記ポリビニルピリジンには、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(3−ビニルピリジン)、およびポリ(4−ビニルピリジン)の3種の異性体が存在するが、このうち、ポリ(4−ビニルピリジン)が好ましい。
ホスホリルコリン重合体としては、下記式(4)で示される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体)が挙げられる。
Figure 2018085291
(式中、q2は整数を表す。)
アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物としては、下記式(5)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2018085291
(式中、R3は炭素数5〜12のアルキル基を表し、q3は整数を表す。)
3のアルキル基としては、炭素数6〜10のものが好ましく、より好ましくは炭素数7〜9のもの、さらに好ましくは炭素数8のものである。
式(5)で示される化合物としては、オクチルフェノールと塩化硫黄の縮合体(田岡化学工業(株)製:商品名タッキロール(Tackirol) V200)が好ましい。
ポリスチレンスルホン酸としては、下記式(6)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2018085291
(式中、q4は整数を表す。)
上記ポリスチレンスルホン酸には、ポリ(o−スチレンスルホン酸)、ポリ(m−スチレンスルホン酸)、およびポリ(p−スチレンスルホン酸)の3種の異性体が存在するが、このうち、ポリ(p−スチレンスルホン酸)が好ましい。
(高分子化合物の重量平均分子量(Mw))
高分子化合物のMwは2000〜1500000であることが好ましい。2000以上であることで、熱処理を通して高分子化合物に由来する炭素骨格に取り込まれる硫黄の量が増える傾向にあり、一方、1500000を超えても該硫黄の量は向上しにくく、1500000以下であることで好適な硫黄含有量を達成することができる傾向にある。また、高分子化合物のMwが1500000以下であることで、硫黄との混合がより容易であるなどプロセス的に有利となる。高分子化合物のMwのより好ましい範囲は2000〜1300000、より好ましくは2000〜1200000、さらに好ましくは2000〜1100000、さらに好ましくは2000〜1000000である。Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される値(ポリスチレンにより較正)である。
(高分子化合物の入手または製造)
高分子化合物は、商業的に入手可能であるか、あるいは、当業者の知識の範囲内である、常法により、製造することができる。
<硫黄>
硫黄としては粉末硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄等の種々の形態のものをいずれも使用できるが、このうち、沈降硫黄、コロイド硫黄が好ましい。硫黄の配合量は、高分子化合物100質量部に対して、250質量部以上が好ましく、より好ましくは300質量部以上である。250質量部以上であることで充放電容量やサイクル特性を向上できる傾向がある。一方、硫黄の配合量について、上限は特にないが、通常は、1500質量部以下、好ましくは1250質量部以下である。1500質量部を超えても充放電容量やサイクル特性はさらに向上しにくく、1500質量部以下であることがコスト的に有利な傾向がある。
<超促進性加硫促進剤>
本発明において、超促進性加硫促進剤とは、高速加硫が可能な加硫促進剤をいい、いわゆる「超加硫促進剤」として、商業的に流通しているものを含む概念である。超促進性加硫促進剤とは、これを用いて例えばゴムを加硫する場合において、キュラスト曲線における加硫時間の進行に伴うトルクの上昇が早く現れるものをいう。このような超促進性加硫促進剤としては、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤およびキサントゲン酸塩系加硫促進剤、あるいはこれらと同等の高速性を示す加硫促進剤を用いることができる。チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが挙げられ、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、ピペリジニウムペンタメチレンジチオカルバマート、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルルなどが挙げられ、キサントゲン酸塩系加硫促進剤としては、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛などが挙げられる。このうち、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤が好ましく、中でも、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛などが好ましい。超促進性加硫促進剤としては、1種または2種以上を使用することができる。
超促進性加硫促進剤の配合量は、高分子化合物100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上である。配合量が3質量部以上であることで、充放電容量やサイクル特性を一層向上させるという目的を達成し易い傾向がある。一方、該配合量は、250質量部以下が好ましく、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。配合量が250質量部を超えても充放電容量やサイクル特性はそれ以上向上せず、コスト的に不利となる傾向がある。
<導電性炭素材料>
本発明においては、得られる硫黄系活物質の導電性を向上させる目的で、熱処理の原料に、導電性を有する炭素材料をさらに添加してもよい。このような導電性炭素材料としては、グラファイト構造を有する炭素材料が好ましい。炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンファイバー(CF)、グラフェン、フラーレンなどの縮合芳香環構造を有するものが使用できる。導電性炭素材料としては1種または2種以上を使用することができる。
中でも安価で分散性に優れることから、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラックが好ましい。また、アセチレンブラックやカーボンブラックやケッチェンブラックに、CNTやグラフェンなどを少量併用してもよい。かかる併用系により、コストを大幅に上昇させることなく、リチウムイオン二次電池のサイクル特性をさらに向上させることが可能となる。なお、CNTやグラフェンの併用量は、導電性炭素材料の総量の8質量%以上、12質量%以下であるのが好ましい。
該導電性炭素材料の配合量は、高分子化合物100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、より好ましくは10質量部以上である。配合量が5質量部以上であることで、充放電容量やサイクル特性を一層向上させるという目的を達成し易い傾向がある。一方、該配合量は、50質量部以下が好ましく、より好ましくは40質量部以下である。50質量部以下であることで、硫黄系活物質における硫黄を含む構造の割合が相対的に低下せず、充放電容量やサイクル特性を一層向上させるという目的を達成し易い傾向がある。
<その他の材料>
熱処理の原料には、この分野で通常使用されるその他の材料を、所望により、添加することができる。
<硫黄系活物質の製造>
本発明において、硫黄系活物質は、高分子化合物、硫黄および超促進性加硫促進剤を含む原料を非酸化性雰囲気下に熱処理する工程を含んでなる製造方法により製造することができる。該熱処理工程においては、所定の昇温速度、かつ、所定の熱処理温度が採用される。
(熱処理工程)
[原料の混練・微細化]
熱処理にあたり、原料を構成する材料は、予め混練しておくことが望ましい。また、こうして得た混練物は、微細化しておくことが望ましい。微細化は、原料を粉砕したり、あるいは、はさみを用いて細かく刻むことなどをいう。混練および微細化は、熱処理における反応性を高める上で有効な手段である。
[非酸化性雰囲気]
非酸化性雰囲気とは、酸素を実質的に含まない雰囲気をいい、構成成分の酸化劣化や過剰な熱分解を抑制するために採用されるものである。具体的には、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気をいう。したがって、熱処理は、例えば、不活性ガス雰囲気下の石英管中で実施される。
[昇温速度]
昇温速度とは、熱処理工程において原料を加熱していく際の、温度の上昇速度である。本発明において、該昇温速度は所定の範囲、すなわち、450〜1200℃/hの範囲内であることが好ましく、より好ましくは450〜1150℃/h、さらに好ましくは500〜1100℃/hである。昇温速度がこのような範囲内にあることで、充放電容量やサイクル特性を向上させるという目的を達成し易い傾向がある。
[熱処理の温度・時間]
熱処理の温度とは、原料の昇温完了後の到達温度であって、原料の熱処理のために一定時間維持される温度をいう。熱処理の温度は、250〜550℃の範囲が好ましい。250℃以上であることで、硫化反応が不十分となることを避け、目的物の充放電容量の低下を防止できる傾向がある。一方、550℃以下とすることで、原料の分解を防ぎ、収率の低下や、充放電容量の低下を防止できる傾向がある。熱処理の温度は、300℃以上がより好ましく、450℃以下がより好ましい。熱処理の時間は、原料の種類、熱処理温度等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、1〜6時間であることが好ましい。1時間以上であることで、熱処理を十分に進行させることができる傾向があり、6時間以下であることで、構成成分の過剰な熱分解を防止できる傾向がある。
[装置]
熱処理工程は、例えば、二軸押出機等の連続式の装置を用いて実施することもできる。この場合、該装置内で、原料を混練して粉砕・混合しながら、熱処理も施すなど、硫黄系活物質を一連の操作により連続して製造できるというメリットがある。
(残留物除去工程)
熱処理後に得られる処理物中には、熱処理時に昇華した硫黄が冷えて析出した未反応硫黄などが残留している。これら残留物はサイクル特性を低下させる要因となるため、できるだけ除去することが望ましい。残留物の除去は、例えば、減圧加熱乾燥、温風乾燥、溶媒洗浄などの常法に従い、実施することができる。
(粉砕、分級)
得られた硫黄系活物質は、所定の粒度となるように粉砕し、分級して、電極の製造に適したサイズの粒子とすることができる。粒子の好ましい粒度分布としては、メジアン径で5〜25μm程度である。なお、先に説明した二軸押出機を用いた熱処理方法では、混練時のせん断によって、硫黄系活物質の製造と同時に、製造した硫黄系活物質の粉砕も行うことができる。
<硫黄系活物質>
こうして得られる硫黄系活物質は、炭素と硫黄を主たる成分とするものであり、硫黄量が多い方が充放電容量やサイクル特性が向上する傾向にある。そのため、硫黄の含有量は多い程好ましい。一般に、硫黄量の好ましい範囲としては、硫黄系活物質中、50.0質量%以上であり、より好ましくは51.0質量%以上、さらに好ましくは52.0質量%以上さらに好ましくは53.0質量%以上、さらに好ましくは54.0質量%以上、さらに好ましくは54.5質量%以上である。ただし、導電性炭素材料を配合する場合には、当該導電性炭素材料を構成する炭素の影響で、硫黄の含有量が多少下回っても、充放電容量やサイクル特性の向上効果を期待できる場合がある。そのような場合の硫黄の含有量は、上述の硫黄量を約5.0質量%下回るものであってもよい。
また、熱処理により高分子化合物中の水素(H)は、硫黄と反応し、硫化水素となり、硫化物中から減っていく。硫黄系活物質の水素含有量は、1.6質量%以下であることが好ましい。1.6質量%以下である場合には、熱処理(硫化反応)が十分であるという傾向がある。したがって、この場合、充放電容量が向上する傾向にある。水素含有量は、より好ましくは1.0質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
本明細書において、元素の含有量は、常法に従い、元素分析により測定される。
<リチウムイオン二次電池>
本発明の硫黄系活物質は、リチウムイオン二次電池の活物質として、すなわち、正極活物質または負極活物質として、使用することができる。すなわち、該硫黄系活物質を用いること以外は一般的なリチウムイオン二次電池用電極を作製する場合と同様にして、リチウム二次電池用電極を作製することができ、さらに該リチウムイオン二次電池用電極を用いること以外は一般的なリチウムイオン二次電池を作製する場合と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製することができる。こうして作製したリチウムイオン二次電池は、充放電容量が大きくサイクル特性に優れる。
1.硫黄系活物質を正極活物質として用いる場合
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記硫黄系活物質(正極活物質)を含む正極に、負極および電解質、さらには、所望により、セパレータ等の部材を使用して、常法に従い、作製することができる。
(正極)
リチウムイオン二次電池用正極は、正極活物質として上記硫黄系活物質を用いること以外は、一般的なリチウムイオン二次電池用正極と同様にして、作製することができる。例えば、該正極は、粒子状にした硫黄系活物質を、導電助剤、バインダ、および溶媒と混合してペースト状の正極材料を調製し、当該正極材料を集電体に塗布した後、乾燥させることによって作製することができる。また、その他の方法として、該正極は、例えば、硫黄系活物質を、導電助剤、バインダ、および少量の溶媒とともに、乳鉢などを用いて混練し、かつフィルム状にしたのち、プレス機等を用いて集電体に圧着して、作製することもできる。
[導電助剤]
導電助剤としては、例えば、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、炭素粉末、カーボンブラック(CB)、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、黒鉛、あるいは、アルミニウムやチタンなどの正極電位において安定な金属の微粉末等が例示される。これらの導電助剤は、1種または2種以上を使用することができる。
[バインダ]
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride:PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、メタクリル樹脂(PMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が例示される。これらのバインダは、1種または2種以上を使用することができる。
[溶媒]
溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、アルコール、ヘキサン、水等が例示される。これら溶媒は、1種または2種以上を使用することができる。
[配合量]
これら正極を構成する材料の配合量は、特に問わないが、例えば、硫黄系活物質100質量部に対して、導電助剤2〜100質量部、バインダ2〜50質量部、および適量の溶媒を配合するのが好ましい。
[集電体]
集電体としては、リチウムイオン二次電池用正極に一般に用いられるものを使用すればよい。例えば、集電体としては、アルミニウム箔、アルミニウムメッシュ、パンチングアルミニウムシート、アルミニウムエキスパンドシート、ステンレススチール箔、ステンレススチールメッシュ、パンチングステンレススチールシート、ステンレススチールエキスパンドシート、発泡ニッケル、ニッケル不織布、銅箔、銅メッシュ、パンチング銅シート、銅エキスパンドシート、チタン箔、チタンメッシュ、カーボン不織布、カーボン織布等からなるものが例示される。このうち、黒鉛化度の高いカーボンで構成されたカーボン不織布やカーボン織布からなる集電体は、水素を含まず、硫黄との反応性が低いために、本発明の硫黄系活物質を正極活物質とする場合の集電体として好適である。黒鉛化度の高い炭素繊維の原料としては、カーボン繊維の材料となる各種のピッチ(すなわち、石油、石炭、コールタールなどの副生成物)やポリアクリロニトリル繊維(PAN)等を用いることができる。
(負極)
負極材料としては、公知の金属リチウム、黒鉛などの炭素系材料、シリコン薄膜などのシリコン系材料、銅−錫やコバルト−錫などの合金系材料を使用できる。負極材料として、リチウムを含まない材料、例えば、上記した負極材料の内で、炭素系材料、シリコン系材料、合金系材料等を用いる場合には、デンドライトの発生による正負極間の短絡を生じ難い点で有利である。ただし、これらのリチウムを含まない負極材料を本発明の正極と組み合わせて用いる場合には、正極および負極が何れもリチウムを含まない。このため、負極および正極の何れか一方、または両方にあらかじめリチウムを挿入するリチウムプリドープ処理が必要となる。リチウムのプリドープ法としては公知の方法に従えばよい。例えば、負極にリチウムをドープする場合には、対極に金属リチウムを用いて半電池を組み、電気化学的にリチウムをドープする電解ドープ法によってリチウムを挿入する方法や、金属リチウム箔を電極に貼り付けたあと電解液の中に放置し電極へのリチウムの拡散を利用してドープする貼り付けプリドープ法によりリチウムを挿入する方法が挙げられる。また、正極にリチウムをプリドープする場合にも、上記した電解ドープ法を利用することができる。リチウムを含まない負極材料としては、特に、高容量の負極材料であるシリコン系材料が好ましく、その中でも電極厚さが薄くて体積当りの容量で有利となる薄膜シリコンがより好ましい。
(電解質)
リチウムイオン二次電池に用いる電解質としては、有機溶媒に電解質であるアルカリ金属塩を溶解させたものを用いることができる。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル等の非水系溶媒から選ばれる少なくとも一種を用いるのが好ましい。電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiI、LiClO4等を用いることができる。電解質の濃度は、0.5mol/L〜1.7mol/L程度であればよい。なお、電解質は液状に限定されない。例えば、リチウムイオン二次電池がリチウムポリマー二次電池である場合、電解質は固体状(例えば、高分子ゲル状)をなす。
(セパレータ)
リチウムイオン二次電池は、上述した負極、正極、電解質以外にも、セパレータ等の部材を備えてもよい。セパレータは、正極と負極との間に介在し、正極と負極との間のイオンの移動を許容するとともに、正極と負極との内部短絡を防止する。リチウムイオン二次電池が密閉型であれば、セパレータには電解液を保持する機能も求められる。セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、アラミド、ポリイミド、セルロース、ガラス等を材料とする薄肉かつ微多孔性または不織布状の膜を用いるのが好ましい。
(形状)
リチウムイオン二次電池の形状は特に限定されず、円筒型、積層型、コイン型、ボタン型等の種々の形状にできる。
2.硫黄系活物質を負極活物質として用いる場合
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記硫黄系活物質(負極活物質)を含む負極に、正極および電解質、さらには、所望により、セパレータ等の部材を使用して、常法に従い、作製することができる。
(負極)
リチウムイオン二次電池用負極は、負極活物質として上記硫黄系活物質を用いること以外は、一般的なリチウムイオン二次電池用負極と同様にして、作製することができる。例えば、該負極は、粒子状にした硫黄系活物質を、導電助剤、バインダ、および溶媒と混合してペースト状の負極材料を調製し、当該負極材料を集電体に塗布した後、乾燥させることによって作製することができる。また、その他の方法として、該負極は、例えば、硫黄系活物質を、導電助剤、バインダ、および少量の溶媒とともに、乳鉢などを用いて混練し、かつフィルム状にしたのち、プレス機等を用いて集電体に圧着して、作製することもできる。
導電助剤、バインダおよび溶媒は、硫黄系活物質を正極活物質として使用する上記の場合と同様のものを同様に使用することができ、集電体も、同じく、同様のものを同様に使用することができる。
(正極)
正極材料としては、例えば、リチウムを含む遷移金属酸化物もしくは固溶体酸化物、または電気化学的にリチウムイオンを吸蔵および放出することができる物質であれば特に制限されない。リチウムを含む遷移金属酸化物としては、例えば、LiCoO2等のLi・Co系複合酸化物、LiNixCoyMnz2等のLi・Ni・Co・Mn系複合酸化物、LiNiO2等のLi・Ni系複合酸化物、またはLiMn24等のLi・Mn系複合酸化物等を例示することができる。固溶体酸化物としては、例えば、LiaMnxCoyNiz2(1.150≦a≦1.430、0.450≦x≦0.600、0.100≦y≦0.150、0.200≦z≦0.280)、LiMnxCoyNiz2(0.300≦x≦0.850、0.100≦y≦0.300、0.100≦z≦0.300)、LiMn1.5Ni0.54等を例示することができる。これらの化合物を単独または複数種、混合して用いてもよい。
電解質、セパレータおよびリチウムイオン二次電池の形状についても、硫黄系活物質を正極活物質として使用する上記の場合と同様のものを同様に使用することができる。
<その他>
なお、理論に拘束されることは意図しないが、本発明において、硫黄系活物質は、高分子化合物と硫黄との反応による硫化物の生成過程と、固体硫黄(S8)のアモルファス化や蒸気化(硫黄の変性)による活物質への取り込み過程とが、協奏反応的に進行することにより作製されると考える。硫黄のアモルファス化や蒸気化には昇温速度が影響し、硫化物の形成やその構造には熱処理時の昇温速度と加硫促進剤の種類が影響すると考える。硫化物の形成が硫黄の変性より早すぎても遅すぎても、取り込まれる硫黄が少なくなり、充放電容量が小さくなるが、本発明は、熱処理時の昇温速度を所定の範囲に調整することと超促進性加硫促進剤を使用することを組み合わせて、これまでにない効果を達成したものである。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例にのみ限定されるものではない。
以下に、実施例および比較例において使用した各種薬品をまとめて示す。各種薬品は必要に応じて常法に従い精製を行った。
<試験に使用した材料>
高分子化合物1:ハイシスブタジエンゴム(宇部興産(株)製のBR150L:Cis1,4結合含量=98質量%)
高分子化合物2:オクチルフェノールと塩化硫黄の縮合体(田岡化学工業(株)製のタッキロール(Tackirol)V200)(硫黄含量:24質量%、重量平均分子量:9千、前記式(5)中、R1〜R3=−C817、q3=0〜100の整数)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の沈降硫黄
超促進性加硫促進剤:テトラメチルチウラムモノスルフィド(大内新興化学工業(株)製のノクセラーTS)
導電性炭素材料:アセチレンブラック(電気化学工業(株)製のデンカブラック(登録商標))
実施例1
<原料の作製>
表1の配合に従い、材料を混練機(混練試験装置ミックスラボ、(株)モリヤマ製)で混練することにより、原料を得た。こうして得た原料は、はさみで3mm以下となるように細かく刻み、熱処理工程に供した。
(反応装置)
原料の熱処理には、図1に示す反応装置1を用いた。反応装置1は、原料2を収容して熱処理するための、有底筒状をなす石英ガラス製の、外径60mm、内径50mm、高さ300mmの反応容器3、当該反応容器3の上部開口を閉じるシリコーン製の蓋4、当該蓋4を貫通する1本のアルミナ保護管5((株)ニッカトー製の「アルミナSSA−S」、外径4mm、内径2mm、長さ250mm)と、2本のガス導入管6とガス排出管7(いずれも、(株)ニッカトー製の「アルミナSSA−S」、外径6mm、内径4mm、長さ150mm)、および反応容器3を底部側から加熱する電気炉8(ルツボ炉、開口幅φ80mm、加熱高さ100mm)を備えている。
アルミナ保護管5は、蓋4から下方が、反応容器3の底に収容した原料2に達する長さに形成され、内部に熱電対9が挿通されている。アルミナ保護管5は、熱電対9の保護管として用いられる。熱電対9の先端は、アルミナ保護管5の閉じられた先端で保護された状態で、原料2に挿入されて、当該原料2の温度を測定するために機能する。熱電対9の出力は、図中に実線の矢印で示すように、電気炉8の温度コントローラ10に入力され、温度コントローラ10は、この熱電対9からの入力に基づいて、電気炉8の加熱温度をコントロールするために機能する。
ガス導入管6とガス排出管7は、その下端が、蓋4から下方へ3mm突出するように形成されている。また反応容器3の上部は、電気炉8から突出して外気に露出されている。そのため、反応容器3の加熱によって原料から発生する硫黄の蒸気は、図中に一点鎖線の矢印に示すように反応容器3の上方へ上昇するものの、途中で冷却され、液滴となって、図中に破線の矢印で示すように滴下して還流される。そのため、反応系中の硫黄が、ガス排出管7を通って外部に漏れだすことはない。
ガス導入管6には、図示しないガスの供給系から、Arガスが継続的に供給される。またガス排出管7は、水酸化ナトリウム水溶液11を収容したトラップ槽12に接続されている。反応容器3からガス排出管7を通って外部へ出ようとする排気は、一旦、トラップ槽12内の水酸化ナトリウム水溶液11を通ったのちに外部へ放出される。そのため排気中に、加硫反応によって発生する硫化水素ガスが含まれていても、水酸化ナトリウム水溶液と中和されて排気からは除去される。
(熱処理工程)
まず原料2を反応容器3の底に収容した状態で、ガスの供給系から、80ml/分の流量でAr(アルゴン)ガスを継続的に供給しながら、供給開始30分後に、電気炉8による加熱を開始した。昇温速度は表1に記載のとおり800℃/hで実施した。そして原料化合物の温度が450℃に達した時点で、450℃を維持しながら2時間熱処理をした。次いでArガスの流量を調整しながら、Arガス雰囲気下、反応生成物の温度を25℃まで自然冷却させたのち、生成物を反応容器3から取り出した。
(未反応硫黄の除去)
熱処理工程後の生成物に残存する未反応硫黄(遊離した状態の単体硫黄)を除去するために、以下の工程をおこなった。すなわち、該生成物を乳鉢で粉砕し、粉砕物2gをガラスチューブオーブンに収容して、真空吸引しながら250℃で3時間加熱して、未反応硫黄が除去された(または、微量の未反応硫黄しか含まない)硫黄系活物質Aを得た。昇温速度は10℃/分とした。
<リチウムイオン二次電池の作製>
対極に金属リチウムを用いたリチウムイオン二次電池を作製した。
(電極)
上記で得た硫黄系活物質A3mgに、導電助剤としてのアセチレンブラック2.7mg、バインダとしてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)0.3mg、および適量のヘキサンを加えてメノウ製の乳鉢でフィルム状になるまで混練した。次いで乳鉢内のフィルム状の混練物の全量を、集電体としての、直径14mmの円形に打ち抜いたアルミニウムメッシュ(メッシュ粗さ#100)にプレス機で圧着し、80℃で一晩乾燥させて、電極を得た。
(対極)
対極としては、金属リチウム箔(直径14mm、厚さ500μmの円盤状、本城金属(株)製)を用いた。
(電解液)
電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒に、LiPF6を溶解した非水電解質を用いた。エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとは体積比1:1で混合した。電解液中のLiPF6の濃度は、1.0mol/Lであった。
(リチウムイオン二次電池)
上記電極、対極および電解液を用いて、コイン型のリチウムイオン二次電池を作製した。詳しくは、ドライルーム内で、セパレータ〔セルガード(Celgard)社製のCelgard(登録商標)2400、厚さ25μmのポリプロピレン微孔質膜〕と、ガラス不織布フィルタ(厚さ440μm、ADVANTEC社製、GA−100)を、上記電極と対極との間に挟装して電極体電池を形成した。
この電極体電池を、ステンレス容器からなる電池ケース(CR2032型コイン電池用部材、宝泉(株)製)に収容した。電池ケースには電解液を注入した。電池ケースをカシメ機で密閉して、コイン型のリチウムイオン二次電池を得た。
実施例2〜5並びに比較例1〜4
表1の配合・条件に従って適宜変更を加えた以外は、実施例1と同様に処理して、それぞれの原料、硫黄系活物質、および、リチウムイオン二次電池を作製した。
<放電容量、および容量維持率の測定>
各実施例、比較例で作製したコイン型のリチウムイオン二次電池について、試験温度30℃の条件下で、硫黄系活物質1gあたり33.3mAに相当する電流値の充放電をさせた。
放電終止電圧は1.0V、充電終止電圧は3.0Vとした。また充放電を繰り返し、各回の放電容量(mAh/g)を測定するとともに、2回目の放電容量(mAh/g)を初期容量とした。初期容量が大きいほど、リチウムイオン二次電池は充放電容量が大きく好ましいと評価できる。また10回目の放電容量DC10(mAh/g)と20回目の放電容量DC20(mAh/g)から、式(a):

容量維持率(%)=(DC20/DC10)×100 (a)

により、容量維持率(%)を求めた。先に説明したように容量維持率が高いほど、リチウムイオン二次電池はサイクル特性に優れていると言える。
<元素分析>
実施例、比較例で製造した硫黄系活物質の元素分析をした。
炭素、水素、および窒素については、エレメンタール社(Elementar)製の全自動元素分析装置 vario MICRO cubeを用いて測定した質量から、硫黄系活物質の総量中に占める質量比(%)を算出した。また硫黄は、ダイオネクス(Dionex)社製のイオンクロマトグラフ装置DX−320に、同社製のカラム(IonPac AS12A)を用いて測定した質量から、硫黄系活物質の総量中に占める質量比(%)を算出した。
Figure 2018085291
表1より、実施例では、比較例に比べて、高い初期容量(mAh/g)を示し、かつ、容量維持率(%)も高い水準で維持されていることがわかる。
実施例2および比較例1のサイクル充放電での電気容量の変化を図2に示す。実施例は、比較例と比べて、初期容量が高く、容量維持率も良好であることがわかる。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の充放電容量とサイクル特性を向上できる、新規な硫黄系活物質、当該活物質を含んでなる電極、すなわち、正極または負極、および、当該電極を含んでなるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
1 反応装置
2 原料
3 反応容器
4 シリコーン製の蓋
5 アルミナ保護管
6 ガス導入管
7 ガス排出管
8 電気炉
9 熱電対
10 温度コントローラ
11 水酸化ナトリウム水溶液
12 トラップ槽

Claims (14)

  1. 硫黄系活物質の製造方法であって、
    ゴムおよびヘテロ原子含有部位を有するモノマー単位からなる重合体からなる群から選択される少なくとも1種の高分子化合物と硫黄と超促進性加硫促進剤とを含む原料を、非酸化性雰囲気下に熱処理する工程を含んでなるものであって、
    ヘテロ原子含有部位が、O、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する一価の官能基、O、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する複素環式基および−Sa−(但し、aは2〜4の整数)で示される基からなる群から選択される基を有する部位であり、
    熱処理における昇温速度が450〜1200℃/hであり、
    熱処理の温度が250〜550℃である製造方法。
  2. ヘテロ原子含有部位を有するモノマー単位からなる重合体が、下記式(1)または式(2)で示されるものである、請求項1記載の製造方法。
    Figure 2018085291
    (式中、R1は水素原子またはアルキル基を表し、X1はO、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する一価の官能基を有する基またはO、S、PおよびNからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する複素環式基を有する基を表し、nは整数を表す。)
    Figure 2018085291
    (式中、R2はアルキル基を表し、aは2〜4の整数、mは2〜12の整数を表す。)
  3. 前記複素環式基が、O、S、PおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子を1〜3個含有する5〜14員の複素環式基である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記一価の官能基が、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基およびアンモニウム基からなる群から選択される少なくとも一つであり、
    前記複素環式基が、ピロリジン、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピロリドン、テトラヒドロフラン、トリアジン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、ホスホール、インドール、ベンゾイミダゾール、キノリン、カルバゾール、チアントレン、フェノキサジン、フェノチアジン、キサンテン、チエノ[3,2−b]チオフェン、ベンゾチオフェンおよびホスフィンドールからなる群から選択されるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記重合体が、ポリビニルピリジン、ホスホリルコリン重合体、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物およびポリスチレンスルホン酸からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1記載の製造方法。
  6. 前記高分子化合物の重量平均分子量が、2000〜1500000である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 熱処理の原料が、導電性炭素材料をさらに含むものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 導電性炭素材料がグラファイト構造を有する炭素材料である請求項7記載の製造方法。
  9. 硫黄系活物質中の総硫黄量が50.0質量%以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. リチウムイオン二次電池の電極の製造方法であって、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法により得られる硫黄系活物質を用いてリチウムイオン二次電池の電極を作製する工程を含んでなる製造方法。
  11. リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    請求項10の製造方法により得られる電極を用いてリチウムイオン二次電池を作製する工程を含んでなる製造方法。
  12. 硫黄系活物質が硫黄系正極活物質である請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. リチウムイオン二次電池の正極の製造方法であって、
    請求項12の製造方法により得られる硫黄系正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池の正極を作製する工程を含んでなる製造方法。
  14. リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    請求項13の製造方法により得られる正極を用いてリチウムイオン二次電池を作製する工程を含んでなる製造方法。
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