JP2018084508A - 照明環境計測システムおよび照明システム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的は、人手を掛けることなく、3次元空間における照明環境が計測できる照明環境計測システムおよび照明システムを提供することである。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る照明環境計測システムを概略的に説明するための図である。
照明環境計測システムは、競技場などの施設における照明環境を計測するシステムである。照明環境計測システムは、飛行体1および制御装置2を有する。飛行体1と制御装置2とは、無線による通信機能を有する。
図2(a)は、複数の照明柱3(3a、3b、3c、3d、3e、3f)が設置された競技場における照明環境の計測位置の例を示す平面図である。図2(b)は、図2(a)に示す複数の照明柱3が設置された競技場における照明環境の計測位置の例を示す側面図である。
図3は、飛行体1の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、飛行体1は、バッテリ10、プロセッサ11、制御用メモリ12、データメモリ13、通信部14、センサ群15、推進ユニット16、プロペラ17、照度センサ18、および輝度カメラ19などを有する。これらの構成要素は、飛行体1の機体に搭載され、バッテリ10から電力供給を受けて動作する。
図4は、制御装置2の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、制御装置2は、電源部20、プロセッサ21、制御用メモリ22、データメモリ23、通信部24、表示部25、および操作部26などを有する。電源部20は、各部に電力を供給する。電源部20は、バッテリであっても良いし、外部電源からの電力を各部に供給する電源回路であっても良い。
第1の実施形態に係る照明環境計測システムは、飛行体1と制御装置2とが無線で通信することにより、飛行体1が制御装置2からの指示に従って指定された計測位置へ飛行し、計測位置における照明環境を示す情報を計測する。
図5は、第1の実施形態に係る制御装置2の動作例を説明するためのフローチャートである。
制御装置2のプロセッサ21は、競技場全体の座標情報を取得する(ST11)。例えば、制御装置2は、3次元空間の位置情報を取得するシステムであるトータルシステムステーションなどを利用して競技場の座標情報を取得する。競技場全体の座標情報は、通信部24又は図示しないインターフェースを介して外部機器から取得しても良いし、オペレータが操作部26を操作することにより手入力する情報として入力するようにしても良い。また、制御装置2は、通信部24以外のインターフェースを介して座標情報を取得するようにしても良いし、利用者が提示する記録媒体から座標情報を読み取るようにしても良い。
図6は、第1の実施形態に係る飛行体1の動作例を説明するためのフローチャートである。
飛行体1のプロセッサ11は、通信部14を介して制御装置2と通信し、制御装置2から送信される計測位置を示す情報を取得する(ST21)。計測位置を示す情報を取得すると、プロセッサ11は、取得した計測位置を示す情報を記憶する。計測位置を記憶すると、プロセッサ11は、制御装置2からの指示に従って計測を開始する。
また、第1の実施形態に係る照明環境計測システムにおいて、飛行体は、3次元座標(x,y,z)で指定された計測位置に移動した後、z方向に移動して複数の高さにおける照度を計測するようにしても良い。これにより、複数の高さにおける照明環境を示す情報を簡単に計測することもできる。
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る照明システムは、図1に示すような飛行体1´及び制御装置2´を有し、各大型照明装置3´などに搭載される複数の投光器(照明機器)30を含むシステムである。例えば、第2の実施形態に係る照明システムの大型照明装置3´は、複数の投光器30が配置され、競技場内に向けた発光面を形成する。大型照明装置3´は、複数の投光器30が並べて取り付けられる架台と架台を支持する支持柱を有する。大型照明装置3´において、各投光器30は、それぞれ設置角度等が調整された状態で架台に取り付けられる。
第2の実施形態に係る飛行体1´は、例えば、第1の実施形態で説明した図3に示す構成を有するもので実現できる。ただし、第2の実施形態において、飛行体1´は、後述する動作制御および演算処理を行うためのプログラムが制御用メモリ22又はデータメモリ23に記憶され、通信部14が投光器30と通信する機能を有するものとする。また、第2の実施形態に係る飛行体1´は、投光器30の調光率を算出する演算処理において、輝度データの計測値が不要であれば、図3に示す構成から輝度カメラ19を省略しても良い。
図7は、第2の実施形態に係る投光器30の構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、投光器30は、プロセッサ31、メモリ32、通信部34、点灯制御部35、光源36、および、電源部37などを有する。
プロセッサ31は、例えばCPUであり、プログラムを実行することにより種々の処理機能を実現する。メモリ32は、プログラムを記憶する不揮発性のメモリ(ROM等)、及び作業用のデータを一時的に記憶する揮発性メモリ(RAM等)を含む。また、メモリ32は、書き換え可能な不揮発性のメモリを含むものであっても良い。プロセッサ31は、メモリ32に記憶されたプログラムを実行することにより、通信制御および調光制御などの処理機能を実現する。通信部34は、無線通信を行うための通信インターフェースである。プロセッサ31は、通信部34を用いた無線通信により飛行体1´と通信する。
電源部37は、各部に電力を供給する。電源部37は、バッテリであっても良いし、外部電源からの電力を各部に供給する電源回路であっても良い。
第2の実施形態に係る照明システムは、飛行体1´が計測位置へ移動し、計測位置における照度を実測し、実測する照度に基づいて投光器30が放射する光の調光率を算出し、算出した調光率を投光器30へ指示する。
図7は、第2の実施形態に係る飛行体1´の動作例を説明するためのフローチャートである。
飛行体1´のプロセッサ11は、通信部14を介して制御装置2´が指定する計測位置を示す情報を取得する(ST51)。例えば、制御装置2´では、第1の実施形態で説明したように、オペレータが計測位置を指定するようにしても良い。具体例としては、競技領域(グランド)の中央における複数の高さ(例えば、10m、20m、30m、40m、50m)の各位置を計測位置として指定することが考えられる。
上述した演算処理において投光器に設定する調光率を算出するための基準値は、過剰な照度となることなく、当該照明システムが照明する競技場で実施される競技がしやすい照度が設定される。このような基準値は、競技場が実施される競技内容に応じた実験等により決定される。ここで、競技場で実施される競技が野球である場合の基準値を決定するために実施した被験者実験の例について説明する。この被験者実験は、ボールの視認に必要なボール面の照度を複数の被験者による主観的な評価によって求めるための実験であり、ボールの見えやすさとボール面の照度の関係を求めることを目的とした実験である。
図9に示す実験環境は、照明からの光が照射される夜間のグランドにおいてボールを被験者が視認する環境を再現したものである。図9に示す実験環境において、照明は被験者の周辺のみとし、眼前照度を1000lx程度となるよう点灯した。また、被験者の視線の延長上に黒のスチレンボードを配置し、NDフィルターを装着したプロジェクタで、黒のスチレンボード面を照射した。黒のスチレンボード面が視対象としてのボールを見る領域となるものとしている。また、実施した実験において、被験者は、22〜47歳の視力が1.0以上の20名とした。ボール面の照度は、10、20、40、80、150 lxの5条件とした。照度は、黒のスチレンボードに投影したプロジェクタの出力を調整することで実現した。
実験に使用したボールの大きさは、図10に示すように、直径10、15、20、30 mmの4条件とした。被験者から見たボールの大きさは、図10に示すように、野球のボールの飛距離に相当するように設定されている。直径10mmのボールによる実験は、競技者が50m先にある野球のボールを見る状態に相当する。例えば、ドーム球場は、高さが50m程度であることが多いことから、ドーム球場内でのフライボールの最高到達点が50mであると想定できる。また、直径15mmのボールによる実験は、競技者が35m先にある野球のボールを見る状態に相当する。例えば、一般的な照明柱の高さが35m程度であることが多いため、照明柱の高さに上がったフライボールをみる場合が想定される。また、直径20mmのボールは、競技者が25m先にある野球のボールを見る状態に相当し、直径30mmのボールは、競技者が25m先にある野球のボールを見る状態に相当する。なお、ボールは野球を想定しているため、反射率が89.3%の白いボールとした。
実験手順としては、実験者が、図11に示す照射面を背景としてボールを自由落下させ、被験者が図11に示す照射面の固視点を固視してボールを観察し、被験者が主観評価を行うものとする。主観評価は、ボール面の照度が上述の5つの条件である場合とボールの直径が上述の4つの条件である場合とで計20の条件で繰り返し実施した。なお、照度条件は、カウンターバランスを取り、被験者ごとに異なる順序とした。また、主観評価は、ボールが見えるか見えないかの2択で評価するものと、ボールの見えやすさを7段階で評価するものとの2種類とした。
図12に示す主観評価によれば、40lxで直径10mmのボールが見えなかった被験者が1名いただけで、それ以外は全てのボールを全員が見えている。つまり、40lxであれば、ほとんどの人物が50mまでの距離で野球のボールが見えるという実験結果が得られた。この結果から想定すると、基準値(照度の目標値)は40lxとすることが妥当であると考えられる。
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態に係る照明システムは、図1に示すような飛行体1´´及び制御装置2´´を有し、各大型照明装置3などに搭載される複数の投光器(照明機器)30´を含むシステムである。例えば、第3の実施形態に係る照明システムにおいて、大型照明装置3には、複数の投光器30´が配置され、競技場内に向けた発光面を形成する。
第3の実施形態に係る飛行体1´´は、例えば、第1の実施形態で説明した図3に示す構成を有するもので実現できる。ただし、第3の実施形態において、飛行体1´´は、後述する動作制御および演算処理を行うためのプログラムが制御用メモリ22又はデータメモリ23に記憶され、通信部14が投光器30´と通信する機能を有するものとする。また、第3の実施形態に係る飛行体1´´は、投光器30´が光を照射する方向(角度)を算出する演算処理において、輝度データの計測値が不要であれば、図3に示す構成から輝度カメラ19を省略しても良い。
図14は、第3の実施形態に係る投光器30´の構成例を示すブロック図である。
図14に示すように、投光器30´は、プロセッサ31、メモリ32、通信部34、点灯制御部35、光源36、電源部37および角度調整部38などを有する。
プロセッサ31は、例えばCPUであり、プログラムを実行することにより種々の処理機能を実現する。メモリ32は、プログラムを記憶する不揮発性のメモリ(ROM等)、及び作業用のデータを一時的に記憶する揮発性メモリ(RAM等)を含む。また、メモリ32は、書き換え可能な不揮発性のメモリを含むものであっても良い。プロセッサ31は、メモリ32に記憶されたプログラムを実行することにより、通信制御および照射角度制御などの処理機能を実現する。
点灯制御部35は、光源36が放射する光を制御する。点灯制御部35は、光の点灯を制御する。点灯制御部35は、放射する光を調光する調光機能を有するものであっても良い。光源36は、点灯制御部35によって点灯が制御される。光源36は、例えば、調光が可能なLED或はハロゲンランプなどである。
電源部37は、各部に電力を供給する。電源部37は、バッテリであっても良いし、外部電源からの電力を各部に供給する電源回路であっても良い。
第3の実施形態に係る照明システムは、飛行体1´´が計測位置へ移動し、計測位置における照度を実測し、実測する照度に基づいて投光器30´が照射すべき光の角度を算出し、算出した角度を示す情報を投光器30´へ指示する。
図15は、第3の実施形態に係る飛行体1´´の動作例を説明するためのフローチャートである。
飛行体1´´のプロセッサ11は、通信部14を介して制御装置2´´が指定する計測位置を示す情報を取得する(ST61)。例えば、制御装置2では、第1又は第2の実施形態で説明したように、3次元の計測位置を指定する。
Claims (3)
- 3次元の空間を移動する機体を有する移動体と前記移動体との無線通信が可能な制御装置とを有する照明環境計測システムであって、
前記移動体は、
前記制御装置から送信される計測位置を示す3次元の位置情報を受信する受信部と、
前記機体に搭載された照明環境を計測するセンサと、
前記機体を前記計測位置へ移動させた後に前記計測位置で待機させる推進部と、
前記計測位置において照明環境を計測する方向を確認し、確認した方向を基準に前記センサを用いて照明環境を計測する制御部と、を有する、
照明環境計測システム。 - 3次元の空間を移動する機体を有する移動体と前記移動体との無線通信が可能な投光器とを有する照明システムであって、
前記移動体は、
前記機体を3次元の位置情報で示される計測位置へ移動させる推進部と、
前記機体に搭載され、前記計測位置において照明環境を計測するセンサと、
前記センサが前記計測位置において計測した照明環境を示す情報に基づいて前記投光器が設定すべき調光率を演算する演算部と、
前記演算部が算出する調光率を示す情報を前記投光器へ送信する送信部と、を有し、
前記投光器は、
光を放射する光源と、
前記移動体が計測した照明環境を示す情報に基づいて演算された前記調光率を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記調光率に基づいて、前記光源が放射する光に対する調光率を制御する調光制御部と、を有する、
照明システム。 - 3次元の空間を移動する機体を有する移動体と前記移動体との無線通信が可能な投光器とを有する照明システムであって、
前記移動体は、
前記機体を3次元の位置情報で示される計測位置へ移動させる推進部と、
前記機体に搭載され、前記計測位置において照明環境を計測するセンサと、
前記センサが前記計測位置において計測した照明環境を示す情報に基づいて前記投光器が設定すべき照射角度を演算する演算部と、
前記演算部が算出する照射角度を示す情報を前記投光器へ送信する送信部と、を有し、
前記投光器は、
光を放射する光源と、
前記移動体が計測した照明環境を示す情報に基づいて演算された前記照射角度を示す情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記照射角度を示す情報に基づいて前記光源が光を照射する方向を制御する角度調整部と、を有する、
照明システム。
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