(本開示の基礎となった知見)
背景技術に記載したように、競技場用照明システムにおいては、例えば、均斉度を用いた照明設計が行われる。均斉度は、競技エリア内の平均照度に対する最小照度の比として定義され、競技エリア全体の平均的な照度値の不均一性を表す。均斉度が小さいほど、競技エリア全体として照度値の変動が小さいことを示す。しかし、均斉度は、特定の照度計算点における値に依存しないため、均斉度のみでは競技エリア内において照度値が極端に高い、あるいは低い箇所を特定することができない。
そこで、照明設計にUG(Uniformity Gradient:均斉度勾配)値を取り入れることが提案されている。UG値は、競技エリア内における、隣り合う照度計算点間の照度差を比率等で示したもので、局所的に極端な照度変化がないかを調べるのに有効な指標である。UG値が低いほど、隣接する照度値の変動が小さいことを示す。例えば、CV(Coefficient of Variation:変動係数)値が低くなるような照明設計が行われた照明システムであっても、UG値が高い場合、競技エリア内に明暗差が見える場合がある。また、競技エリアを複数のエリアに分割した場合、隣接するエリア間の照度が劇的に変化すると、競技者がボールなどの視対象物のスピードを見誤ることがあると言われており、視対象物が速く動くスポーツなどに用いられる照明システムの照明設計においてUG値は特に重要である。
上記のように、照明設計においてUG値は重要であり、可能な限り低くするとよい。しかしながら、競技施設の照明設計において、人が明暗差を感じる度合い及びスピードを見誤る度合いと、UG値との関係は、明らかにされていない。そこで、本願発明者らは、人が明暗差を感じる度合い及びスピードを見誤る度合と、UG値との関係を明らかにすることで、さらに均一性が向上された照明システムを実現する。また、本願発明者らは、競技プレーを肉眼で見る場合と、撮影装置(例えば、カメラ)で撮影された映像を見る場合とで、適切なUG値が異なることを見出した。以下に詳細を説明する。
以下、実施の形態に係る競技場用照明システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置、接続形態、ステップ、及び、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
また、本明細書において、等しいなどの要素間の関係性を示す用語、および、矩形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値、および、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
(実施の形態)
以下、本実施の形態に係る照明システムについて、図1A~12Bを参照しながら説明する。
[1.照明システムの構成]
まず、本実施の形態に係る照明システム10の構成について、図1A~図3を参照しながら説明する。図1Aは、本実施の形態に係る照明システム10及び競技場40を示す平面図である。図1Bは、本実施の形態に係る照明システム10及び競技場40を示す側面図である。図2は、本実施の形態に係る照明システム10の機能構成を示す図である。図3は、本実施の形態に係る照明器具20の外観を示す図である。
本実施の形態に係る照明システム10は、競技施設に設置される照明システムである。図1A及び図1Bでは、照明システム10は、屋外の競技場40(例えば、ラグビー場などのスポーツ施設)に設置される例について示しているが、屋内に設置されてもよい。つまり、本明細書における競技場とは、競技(例えば、スポーツ競技)が行われる施設を意味しており、ラグビー場などの屋外の施設、及び、体育館などの屋内で競技が行われる施設を含む。また、競技場40で行われる競技は、特に限定されない。競技は、屋外であれば、ラグビー、サッカー、野球、及び、陸上競技が例示され、屋内であれば、バスケットボール、卓球及びフェンシングなどが例示される。なお、照明システム10は、競技場用照明システムの一例である。
図1A~図2に示すように、照明システム10は、複数の照明器具20a~20fと、照明制御装置30とを備える。なお、以下において、照明器具20a~20fを識別しないときは、照明器具20と記載する。
照明器具20は、競技場40に設置され、照明光Lを出射することで競技場40内の競技エリア41を照明する。照明器具20は、調光機能を有しており、照明光Lによる競技エリア41における照度、及び、照射範囲を可変できる。図1A及び図1Bに示すように、例えば、照明器具20a~20fが照射する照明光Lの照射範囲は、少なくとも一部が重なっている。なお、競技場40に配置されるとは、競技場40の競技エリア41を照明するために配置されることを意味する。照明器具20は、例えば、競技場40に立設される支柱の上部、又は、競技場40の屋根などに設置される。
照明光Lは、例えば、競技場40に用いられるのに適した光である。照明光Lは、白色である。照明光Lの相関色温度は、5000K以上6000K以下であり、かつ平均演色評価数Raが80以上である。さらに、照明光Lは、特殊演色評価数R9が80以上であるとよい。また、照明光Lが照射される競技エリア41における平均水平面照度は、1000lx以上4000lx以下であり、競技エリア41における鉛直面照度は、1000lx以上であり、かつ競技エリア41におけるGR(Glare Rating)値は50以下である。
このような照明光Lを出射する照明器具20は、一般的に競技場40を照明するのに適している。照明器具20は、スポーツ施設用の照明器具である。
また、さらに、競技エリア41におけるUG値は、計算間隔5mあたり50%以下である。詳細は後述するが、照明システム10は、競技エリア41におけるUG値が計算間隔5mあたり50%以下となるように照明光Lを出射する点に特徴を有する。なお、計算間隔は、競技エリア41内において、照度を計測する間隔であり、UG値を計算可能な間隔である。
複数の照明器具20a~20fは、対向して配置されてもよい。複数の照明器具20a~20fは、例えば、競技エリア41を挟むように対向配置される。図1Aでは、照明器具20a及び20cが対向配置され、照明器具20b及び20dが対向配置され、照明器具20e及び20fが対向配置されている例を示している。なお、複数の照明器具20a~20fのうち、少なくとも1対が対向配置されていればよい。
また、競技エリア41は、競技エリア41内における照度の均一性を向上させる観点から、照明光Lが4方向以上から照射されるとよい。図1Aでは、4方向から照明光Lが照射されている例を示している。例えば、照明光Lを4方向以上から照射することができるように、照明システム10が備える照明器具20の数、及び、設置位置が決定されるとよい。
図3に示すように、照明器具20は、発光部21~24を有する。発光部21~24のそれぞれは、光源と、当該光源を覆うカバー部とを有する。光源は、複数の発光素子を有する。発光素子は、LEDチップであるが、半導体レーザ等の半導体発光素子、又は、有機EL(Electro Luminescence)もしくは無機EL等のEL素子等の他の種類の固体発光素子であってもよい。カバー部は、透光性を有し、光源からの光を競技エリア41に向けて出射する。カバー部は、例えば、透光性を有する樹脂材料から形成される。カバー部は、光源からの光を拡散する機能を有していてもよい。例えば、カバー部は、シリカの光拡散材(微粒子)を含んでいてもよい。なお、照明器具20が有する発光部の数は特に限定されず、1つでもよいし、5つ以上でもよい。
発光部21~24はそれぞれ、出射する光の方向を変更可能に構成されている。発光部21~24のそれぞれは、例えば、発光部21~24の姿勢を変更可能な可動部(図示しない)を有しており、当該可動部により発光部21~24の向きを変えることで、光の出射方向が変更されてもよい。
照明システム10が備える照明器具20の数は、2以上であれば特に限定されない。2以上の照明器具20は、同一種類の照明器具であってもよいし、異なる種類の照明器具であってもよい。同一種類の照明器具とは、例えば、照明光Lの明るさが等しいこと、色が等しいこと、又は、ビーム角(例えば、1/10ビーム角)が等しいことを意味する。
照明制御装置30は、照明システム10が備える複数の照明器具20(例えば、照明器具20a~20f)と通信可能に接続されており、複数の照明器具20の各種制御を行う制御装置である。照明制御装置30は、複数の照明器具20の照明制御を行う照明制御部31を有する。照明制御は、照明器具20の点灯状態に係る制御であり、例えば、点灯、消灯、及び、調光の制御を含む。また、照明器具20が調色機能を有する場合、照明制御には調光の制御が含まれる。また、さらに、照明制御は、照明器具20の向きの制御を含む。具体的には、照明器具20の向きは、発光部21~24それぞれの向きを独立して制御することを含む。これにより、照明器具20から出射される照明光Lの照射範囲又は、ビーム角などを変更することができる。
照明制御部31は、以下で示す所定のUG値を満たすように複数の照明器具20を照明制御する。照明制御部31は、図示しない記憶部に予め記憶された、所定のUG値を満たすための複数の照明器具20それぞれの照明条件を読み出し、読み出した照明条件で複数の照明器具20を制御する。照明条件は、例えば、照明光の輝度(具体的には、発光素子に供給する電力)、照明光Lの出射方向、及び、照明光Lのビーム角の少なくとも1つを含む。
照明制御装置30は、例えばコンピュータであり、プロセッサ(図示せず)と、ソフトウェアプログラムが格納されたメモリ(図示せず)とを備える。プロセッサがソフトウェアプログラムを実行することによって、照明制御装置30は、照明制御する照明制御部31としての機能を実現する。また、照明制御装置30は、専用の電子回路(図示せず)で構成されてもよい。この場合、照明制御部31としての複数の機能は、別々の電子回路で実現されてもよいし、集積された1つの電子回路で実現されてもよい。
なお、照明システム10は、照明制御部31を備えていなくてもよい。照明システム10は、例えば、所定のUG値を満たすように予め照明光の輝度、照明光Lの出射方向、及び、照明光Lのビーム角などが調整された複数の照明器具20を備えていてもよい。
[2.UG値の算出]
次に、UG値の算出について、図4を参照しながら説明する。図4は、UG値の計算方法を説明するための図である。
図4に示すように、競技エリア41内にUG値を算出する計算点Aが複数設定される。計算点Aは、例えば、2次元状に等間隔(例えば、計算間隔dstep)ごとに設定される。計算間隔dstepは、例えばスポーツの種目により適宜決定される。複数の照明器具20が競技エリア41を照明しているときに、計算点Aに対応する競技エリア41の位置の照度が計測されることで、複数の計算点Aそれぞれの照度値が取得される。複数の計算点Aのうち、座標(X、Y)に位置する計算点A1におけるUG値は、計算点A1での照度値と、計算点A1と隣接する8個の計算点A2(例えば、計算点A1を囲む8個の計算点A2)の照度値とに基づいて算出される。なお、計算点A2より外側の計算点A3の照度値は、計算点A1のUG値の算出には用いられない。
UG値は、計算点A1と計算点A2との距離を距離dとし、UG値を算出する計算点(例えば、計算点A1)の照度をE
x,y、当該計算点に隣接する計算点(例えば、8個の計算点A2)の照度をX
x+i,y+jとすると、
で算出される。つまり、計算点A1におけるUG値は、計算点A1の照度値と、隣り合う計算点A2の照度値との差分の比率で算出される。計算点A1におけるUG値は、計算点A2の数だけ算出される。そこで、計算点A1におけるUG値は、複数のUG値の中の最大値と定義される。なお、式1において、i=j≠0である。また、本明細書中のUG値は、計算間隔d
stepが5mである場合の値を示している。
[3.実験方法]
次に、人が明暗差を感じる度合い及びスピードを見誤る度合いと、UG値との関係を評価するための実験方法について、図5~10Bを参照しながら説明する。実験は、肉眼評価及び映像評価の2種類を行っている。肉眼評価は、スタンド42で競技を観戦している観戦者を想定した評価である。また、映像評価は、テレビなどで競技を観戦している視聴者を想定した評価である。
まずは、肉眼評価について、説明する。図5は、本実施の形態に係る肉眼評価実験を説明するための平面図である。図6は、本実施の形態に係る肉眼評価実験を説明するための写真である。図5は、実験を行う空間を平面視した図であり、図6は、被験者h1及びh2の位置から見た肉眼評価実験の様子を示す写真である。
図5に示すように、肉眼評価実験は、例えば、外光の影響を抑制するために暗幕80で囲まれた空間で行う。なお、ここでの外光は、照明器具60から出射される光以外の光を意味する。5つの照明器具60が等間隔(例えば、1m間隔)に設置されており、5つの照明器具60によって照明エリアR3が照明されている。ここでの照明エリアR3は、競技場における競技エリアに対応する領域である。また、照明器具60は、例えば、ダウンライトなどである。なお、実験は、屋内で実施している。
被験者h1及びh2は、長尺状の照明エリアR3の一方側(図5では、紙面上の左側)に位置し、照明エリアR3の他方側(図5では、紙面上の右側)から一方側に向けて移動するボール50(視対象物の一例)を肉眼で確認することで、ボール50がどの程度明暗して見えるか、及び、ボール50のスピードにどの程度の違和感があるかを評価する。これを照明器具60の照明条件を変えて、つまり照明エリアR3内のUG値を変えて評価する。なお、図5中の矢印は、ボール50の進行方向を示す。
また、空間内には、後述する映像評価実験に用いる映像を撮影するための撮影装置70(例えば、カメラ)が設置される。撮影装置70は、被験者h1及びh2が確認しているボール50を撮影する。また、UG値を算出する計算点は、5つの照明器具60直下の位置P1、及び、平面視において隣り合う照明器具60の中間の位置P2である。言い換えると、UG値の計算間隔dstepは、50cmである。なお、撮影装置70は、60fps(frame per second)及び180fpsの2種類のフレームレートで撮影を行っている。60fpsは、例えば、標準的なフレームレートの一例であり、180fpsは、例えば、スーパースローに対応したフレームレートの一例である。
図6に示すように、5つの照明器具60が照明エリアR3を照明している状態で、照明エリアR3内にあるレール90上をボール50が図6の奥側(図5の紙面上の右側に対応)から手前側(図5の紙面上の左側に対応)に移動する。被験者h1は、この様子を肉眼で確認する。レール90の長さは、4mである。
図6は、UG値が120%のときの写真であり、レール90上に明るい部分と暗い部分とがあることがわかる。このような条件においては、レール90上を移動するボール50は、明暗差などを感じやすい。
被験者は、29名であり、2名ずつ実験が行われる。実験の手順は、(1)被験者h1及びh2に最もUG値が低い条件(例えば、移動するボール50に明暗が生じにくい条件)と最もUG値が高い条件(例えば、移動するボール50に明暗が生じやすい条件)とを呈示し、その様子を確認してもらう。なお、この時点では、ボール50はレール90上に置かれていない。
そして、(2)所定の位置にボール50が落とされる。例えば、図5に示す照明器具60のうち、被験者h1及びh2から最も遠い位置の照明器具60の直下の位置にボール50が落とされる。落とされたボール50は、レール90上を被験者h1及びh2に向けて移動する。
そして、(3)被験者h1及びh2は、各計算点間を移動するボール50を見てボール50の明暗度合い、及び、ボール50が進むスピードに対する違和感を判断する。被験者h1及びh2は、明暗度合いの評価(ムラ評価)においては、明暗が「わからない」、「わかるが気にならない」、「気になるが邪魔にならない」、「邪魔になる」、及び、「ひどく邪魔になる」の5段階で主観評価する。また、スピードに対する違和感の評価は、「とてもある」、「ややある」、「どちらともいえない」、「ほとんどない」、及び、「全くない」の5段階で主観評価する。
上記(2)及び(3)がUG値を変え、繰り返し行われる。なお、1つのUG値において、ボール50は2回落とされる。
次に、映像評価について、説明する。図7は、本実施の形態に係る映像評価実験を説明するための図である。
図7に示すように、映像評価実験は、例えば、外光の影響を抑制するために暗幕80で囲まれた空間で行う。なお、ここでの外光は、表示装置100から出射される光以外の光を意味する。映像評価実験は、例えば、屋内の暗室で行われる。被験者h3及びh4は表示装置100に表示されているボール50が移動する映像を見て、ボール50の明暗度合い、及び、ボール50が進むスピードに対する違和感を判断する。表示装置100に表示される映像は、肉眼評価において手順(1)~(3)で肉眼評価を行っているときに撮影された映像である。つまり、表示装置100に表示される映像は、撮影装置70が撮影した映像である。
表示装置100の大きさは、2名の被験者h3及びh4が同時に映像を確認することができる程度の大きさであり、一例として、横幅が930mmであり、高さが523mmである。被験者h3及びh4と、表示装置100との距離は、例えば、表示装置100の高さ又は横幅の定数倍である。本実験では、被験者h3及びh4と、表示装置100との距離は、表示装置100の高さの3倍(つまり、1569mm)で行っている。
被験者h3及びh4は、表示装置100に対して並んで位置する。被験者h3及びh4は、例えば、空間の平面視において、表示装置100の表示面に直交する方向(図7中の直線の矢印を参照)を中心に15°傾いた直線(図7中の破線を参照)で挟まれる領域に位置する。
また、例えば、表示装置100への映り込みを防止するためのスクリーン110が被験者h3及びh4の後方に設置される。
被験者は、21名であり、2名ずつ実験が行われる。実験の手順は、(4)実験で使用するUG値の異なる映像の例をランダムに複数回再生する。その期間を暗順応時間とし、これは、通常空間(例えば、照明されている空間)から暗室に来た被験者h3及びh4の目を、暗室に慣らすために行われる。これにより、被験者h3及びh4は、ボール50の明暗度合い、及び、ボール50が進むスピードに対する違和感をより正確に判断することができる。
そして、(5)表示装置100に実験用の映像を表示する。肉眼評価のときに撮影された映像がランダムに表示される。なお、映像は、2回ずつ表示される。また、実験用の映像は、60fps及び180fpsのフレームレートで撮影された映像を含む。
そして、(6)被験者h3及びh4は、各計算点間を移動するボール50の映像を見て、ボール50の明暗度合い、及び、ボール50が進むスピードに対する違和感を判断する。映像評価においても、暗度合いの評価、及び、スピードに対する違和感の評価は、それぞれ5段階で行われる。
ここで、肉眼評価及び映像評価の実験におけるUG値の条件などについて説明する。図8は、本実施の形態に係るUG値評価実験における条件を示す図である。
図8に示すように、UG値は、20%~200%までの10条件で実験を行っている。また、撮影装置70は、10条件のUG値のそれぞれにおいて、60fps及び180fpsで撮影を行っている。
次に、UG値の違いにおけるボール50の見え方について説明する。図9Aは、UG値が高い場合における照明器具60直下の位置P1でのボール50の見え方を示す模式図である。図9Bは、UG値が高い場合における照明器具60間の位置P2でのボール50の見え方を示す模式図である。図10Aは、UG値が低い場合における照明器具60直下の位置P1でのボール50の見え方を示す模式図である。図10Bは、UG値が低い場合における照明器具60間の位置P2でのボール50の見え方を示す模式図である。図9B及び図10Bでは、ボール50の明るさをドットハッチで示している。ドットハッチの密度が濃いほど、ボール50が暗く見えることを示している。
図9A及び図10Aに示すように、照明器具60直下の位置P1(図5参照)において、ボール50は明るく見える。図9Bに示すようにUG値が高い場合(例えば、80%)、位置P2においては、ボール50が暗く見える。UG値が高いと、位置P2における照度値と位置P1における照度値との差が大きい。本実験では、位置P2における照度値は、位置P1における照度値より低い。そのため、位置P2においてボール50は暗く見える。
図10Bに示すようにUG値が低い場合(例えば、40%)、位置P2において、ボール50はUG値が高い場合より明るく見える。UG値が低いと、位置P2における照度値と位置P1における照度値との差が小さい。本実験では、位置P2における照度値は、UG値が高い場合より位置P1における照度値に近い。そのため、位置P2においてボール50は明るく見える。
図9A及び図9Bに示すように、UG値が高い場合、位置に応じてボール50の明暗の差が大きく、人は、ボール50が移動するときに当該ボール50の明暗差(光ムラ)を感じる。例えば、レール90上をボール50が移動するときに、当該ボール50が明暗を繰り返すように見える。また、ボール50の明暗差が大きいので、人はボール50のスピードに違和感を感じる場合がある。
図10A及び図10Bに示すように、UG値が低い場合、位置が変わってもボール50の明暗の差が小さく、人は、ボール50が移動するときに当該ボール50の明暗差を感じにくい。例えば、レール90上をボール50が移動するときに、ボール50が一定の明るさで移動しているように見える。また、明暗差が小さいので、人はボール50のスピードに違和感を感じにくい。ただし、図9A~図10Bに示す位置P1及びP2でのボール50の見え方は一例であり、位置P1及びP2でのボール50の見え方は必ずしも図9A~図10Bに示すようになるとは限らない。
[4.実験結果]
次に、上記の実験方法で行われたUG値評価実験の実験結果を、図11A~図12Bを参照しながら説明する。図11Aは、ボール50の明暗差の度合とUG値との関係を示す図である。図11Bは、ボール50のスピードに対する違和感の度合とUG値との関係を示す図である。
図11A及び図11Bの横軸はUG値を示しており、縦軸は5段階評価の結果を示している。具体的には、図11Aでは、「わからない」を1、「わかるが気にならない」を2、「気になるが邪魔にならない」を3、「邪魔になる」を4、及び、「ひどく邪魔になる」を5としたときの被験者それぞれの値の平均値を示している。また、図11Bにおいても、同様である。
図11A及び図11Bに示すように、UG値が高いほど、人はボール50の明暗差(光ムラ)及びボール50が進むスピードに対する違和感を感じやすいことがわかる。また、肉眼評価と映像評価とを比較すると、人は映像評価の方がボール50の明暗差(光ムラ)及びボール50が進むスピードに対する違和感を感じやすいことがわかる。つまり、競技場などの実空間で競技を観戦するよりも、テレビなどで中継映像を見る人の方が、ボール50の明暗差及びスピードに対する違和感を感じやすい傾向がある。また、映像評価において、フレームレートが60fpsと180fpsとを比較すると、180fps(スーパースロー映像)の方がボール50の明暗差(光ムラ)及びボール50が進むスピードに対する違和感を感じにくいことがわかる。
図12Aは、ボール50の明暗差が気にならない割合とUG値との関係を示す図である。図12Bは、ボール50のスピードに違和感がないと感じる割合とUG値との関係を示す図である。図12A及び図12Bの横軸はUG値を示しており、縦軸は明暗差が気にならない及びスピードに対する違和感がない人の割合を示している。具体的には、図12Aでは、全被験者に対する、ボール50の明暗差の評価結果が「わからない」、及び、「わかるが気にならない」であった人の割合を示している。また、図12Bでは、全被験者に対する、ボール50の進むスピードに対する違和感の評価結果が「全くない」、及び、「ほとんどない」であった人の割合を示している。
なお、観戦者及び視聴者の大半が、ボール50の明暗差及びボール50のスピードに違和感を感じないことが望まれる。そこで、本実験では、ボール50の明暗差及びボール50のスピードに違和感を感じない人が75%以上となるUG値を、それぞれの評価において必要とされるUG値であると見なす。
図12Aに示すように、肉眼評価において、ボール50の明暗差(光ムラ)が気にならないと評価した人の割合が75%となるときのUG値は、およそ50%である。また、映像評価(60fps)において、ボール50の明暗差(光ムラ)が気にならないと評価した人の割合が75%となるときのUG値は、およそ30%である。また、映像評価(180fps)において、ボール50の明暗差(光ムラ)が気にならないと評価した人の割合が75%となるときのUG値は、およそ55%である。
図12Bに示すように、肉眼評価において、ボール50のスピードに対する違和感がないと評価した人の割合が75%となるときのUG値は、およそ50%である。UG値が50%以下である場合、競技者がボール50などの視対象物のスピードを見誤りにくいので、照明システム10により円滑なプレーを可能にする競技空間を得ることができる。また、映像評価(60fps)において、ボール50のスピードに対する違和感がないと評価した人の割合が75%となるときのUG値は、およそ35%である。また、映像評価(180fps)において、ボール50のスピードに対する違和感がないと評価した人の割合が75%となるときのUG値は、およそ50%である。
以上のことから、肉眼において、ボール50の明暗差が気にならず、かつボール50のスピードに対する違和感がないためには、UG値は50%以下であるとよい。また、映像(60fps)において、ボール50の明暗差が気にならず、かつボール50のスピードに対する違和感がないためには、UG値は30%以下であるとよい。また、映像(180fps)において、ボール50の明暗差が気にならず、かつボール50のスピードに対する違和感がないためには、UG値は50%以下であるとよい。例えば、観戦者がいて、かつカメラ中継がない場合は、UG値を50%以下とし、少なくともカメラ中継がある場合は、UG値を30%以下としてもよい。
例えば、照明制御部31は、観戦者がいて、かつカメラ中継がないときの通常モードと、少なくともカメラ中継があるときの撮影モードとで、UG値の値を切り替えるように複数の照明器具60を照明制御してもよい。照明制御部31は、上記の結果から通常モードでのUG値(第二UG値の一例)を撮影モードのUG値(第一UG値の一例)より高くなるように照明制御してもよい。例えば、撮影モードのUG値は、30%以下であり、通常モードのUG値は、50%以下である。
[5.効果など]
以上説明したように、照明システム10は、競技場40に配置される複数の照明器具20を備える照明システムであって、複数の照明器具20それぞれが出射する照明光Lは、相関色温度が5000K以上6000K以下であり、平均演色評価数が80以上であり、照明光Lが照射される競技エリア41における平均水平面照度が1000lx以上4000lx以下であり、競技エリア41における鉛直面照度が1000lx以上であり、競技エリア41におけるGR値が50以下であり、競技エリア41におけるUG(Uniformity Gradient)値が計算間隔5mあたり50%以下である。
これにより、観戦者がボール50などの視対象物の明暗差(光ムラ)などを気にならない照明環境が実現される。よって、本実施の形態に係る照明システム10によれば、均斉度が向上された競技場用照明システムを実現することができる。
また、複数の照明器具20の照明制御を行う照明制御部31を、さらに備える。照明制御部31は、UG値が計算間隔5mあたり30%以下となるように複数の照明器具20を制御する撮影モードと、UG値が計算間隔5mあたり50%以下となるように複数の照明器具20を制御する通常モードとを変更可能であり、撮影モードにおけるUG値は、通常モードにおけるUG値より低い。
これにより、競技が撮影された映像を視聴する視聴者がボール50などの視対象物の明暗差(光ムラ)などを気にならない照明環境が実現される。よって、本実施の形態に係る照明システム10によれば、さらに均斉度が向上された競技場用照明システムを実現することができる。
また、複数の照明器具20は、競技エリア41を挟むように対向配置され、競技エリア41に対して4方向以上から照明光Lを照射する。
これにより、競技エリア41をより均一な照度値で照らしやすくなる。
また、照明光Lは、特殊演色評価数R9が80以上である。
これにより、現在のハイビジョン放送より鮮やかな色まで再現できる超高精細テレビ放送(4K、8Kなど)に適した映像が撮影可能となる。例えば、照明光Lの特殊演色評価数R9が80以上であることで、超高精細テレビ映像における色再現性を向上させることができる。
また、複数の照明器具20は、屋外に設置される。
これにより、屋外の競技施設を照らす照明システムにおいても、均斉度が向上された照明システムを実現することができる。
(実施の形態の変形例1)
以下、本変形例に係る照明システムについて、図13を参照しながら説明する。図13は、本変形例に係るUG値制御の一例を示す図である。なお、本変形例では、実施の形態との相違点を中心に説明し、実施の形態と同様の構成などについては、説明を省略する場合がある。本変形例では、照明制御部31の照明制御の方法に特徴を有するので、その点を中心に説明する。
図13に示すように、競技エリア41は、例えば、中心エリアR4と、境界エリアR5と、外側エリアR6とを有する。
中心エリアR4は、競技エリア41内において競技プレーに関連するエリアであり、例えば、競技エリア41内において競技に用いられる視対象物(例えば、ボール50など)が存在する位置を含むエリアである。中心エリアR4は、例えば、視対象物が存在する位置からの距離が所定距離未満のエリアである。中心エリアR4は、例えば、視対象物の位置を中心とし、半径が所定距離である円形状のエリアであってもよい。また、中心エリアR4は、競技者の密度が高いエリアであってもよい。なお、所定距離は、競技の種類などに応じて決定される。例えば、競技に用いられる視対象物の移動速度が速い場合、競技に用いられる視対象物の移動速度が遅い場合に比べて所定距離は長く設定されてもよい。所定距離は、例えば、5mであってもよいし、20mであってもよい。なお、中心エリアR4は、第一エリアの一例である。
外側エリアR6は、競技エリア41内において中心エリアR4に比べ競技プレーへの関連が低いエリアであり、例えば、競技エリアな41内において視対象物が存在する位置から所定距離以上離れたエリアである。外側エリアR6は、中心エリアR4を囲むエリアであってもよい。また、外側エリアR6は、競技者の密度が低いエリアであってもよい。
境界エリアR5は、中心エリアR4と外側エリアR6との間に位置し、中心エリアR4を囲むエリアである。境界エリアR5は、中心エリアR4と外側エリアR6との境界を含むエリアであってもよいし、当該境界であってもよい。なお、境界エリアR5は、第二エリアの一例である。
本変形例では、照明制御部31は、少なくとも中心エリアR4のUG値を制御するように複数の照明器具20を制御すればよい。つまり、照明制御部31は、境界エリアR5及び外側エリアR6の少なくとも一方のUG値が50%以下となるように複数の照明器具20を制御しなくてもよい。
また、照明制御部31は、演出効果を高めるため、さらに競技エリア41内において競技プレーに関連する中心エリアR4の照度を、競技プレーへの関連が低い外側エリアR6の照度より高くなるように照明制御してもよい。そのため、中心エリアR4と外側エリアR6との境界における照度差が大きくなる。つまり、境界エリアR5のUG値は、例えば、中心エリアR4のUG値より高くなってもよい。境界エリアR5のUG値は、例えば、中心エリアR4及び外側エリアR6のUG値より高くてもよい。照明制御部31は、例えば、照度が高い中心エリアR4及び照度が低い外側エリアR6のUG値を30%以下にし、かつ境界エリアR5のUG値を30%以上となるように、複数の照明器具20を制御してもよい。この場合、競技エリア41内に、明るく、かつ照度の均一性が高い中心エリアR4と、中心エリアR4より暗く、かつ照度の均一性が高い外側エリアR6とが形成される。なお、照度が低いとは、水平面照度及び垂直面照度の少なくとも一方が低いことを意味する。
また、照明制御部31は、演出効果を高めるために、さらに境界エリアR5及び外側エリアR6の少なくとも一方のUG値が50%より高くなるように複数の照明器具20を制御してもよい。つまり、照明制御部31は、中心エリアR4以外のエリアに意図的に照度ムラを発生させてもよい。照明制御部31は、例えば、境界エリアR5のUG値を中心エリアR4のUG値より高く、かつ外側エリアR6のUG値を境界エリアR5のUG値より高くなるように、複数の照明器具20を制御してもよい。
また、照明システムは、プロジェクションマッピング等に使用される投影装置(図示しない)を備えていてもよい。照明制御部31は、当該投影装置と接続されており、例えば外側エリアR6に所定の映像を投影してもよい。
照明制御部31は、通常モードで動作している場合、少なくとも中心エリアR4のUG値を50%以下になるように複数の照明器具20を制御してもよい。
照明制御部31は、撮影モードで動作している場合、少なくとも中心エリアR4のUG値を30%以下になるように複数の照明器具20を制御してもよい。なお、照明制御部31は、撮影モードで動作している場合、さらに、外側エリアR6の照度を中心エリアR4より低くし、かつ外側エリアR6のUG値を30%以下にするように複数の照明器具20を制御してもよい。
中心エリアR4、及び、外側エリアR6の形状及び位置は、競技プレーの状況により時々刻々と変化する。照明制御部31は、競技の状況に応じて時々刻々と複数の照明器具20の照明制御を行う。
なお、照明制御部31は、中心エリアR4の照度を、外側エリアR6の照度より高くなるように制御することに限定されない。照明制御部31は、撮影モードで動作している場合、少なくとも中心エリアR4のUG値を30%以下にするように複数の照明器具20を制御すればよい。
以上のように、競技エリア41は、競技プレーに関連する中心エリアR4(第一エリアの一例)及び当該中心エリアR4を囲む境界エリアR5(第二エリアの一例)を有する。そして、照明制御部31は、中心エリアR4及び境界エリアR5のうち、少なくとも中心エリアR4のUG値を複数の照明器具20により制御する。照明制御部31は、さらに中心エリアR4のUG値を計算間隔5mあたり30%以下となるように複数の照明器具20を制御する。
これにより、観戦者及び視聴者が注目して見たい中心エリアR4のUG値を低くすることができるので、ボール50の明暗差(光ムラ)、及び、ボール50のスピードに対する違和感を効果的に低減することができる。また、中心エリアR4以外のエリア(例えば、外側エリアR6)を中心エリアR4より暗くする又はプロジェクションマッピング技術を用いて映像を投影することで、競技における演出効果を高めつつ、競技に支障なくプレーできる環境を提供することができる。
(実施の形態の変形例2)
以下、本変形例に係る照明システム10aについて、図14A及び図14Bを参照しながら説明する。図14Aは、本変形例に係る照明器具20の照明光L1のビーム角B1が狭い場合の照明エリアを示す図である。図14Bは、本変形例に係る照明器具20の照明光L2のビーム角B2が広い場合の照明エリアを示す図である。なお、本変形例では、実施の形態との相違点を中心に説明し、実施の形態と同様の構成などについては、説明を省略する場合がある。本変形例では、複数の照明器具20それぞれの器具設置位置から照明光の照明エリアまでの距離(以降において、照明距離とも記載する)をビーム角に応じて変更するので、その点を中心に説明する。
以下では、ビーム角が1/10ビーム角である例について説明するが、ビーム角は1/10ビーム角に限定されない。ビーム角は、1/2ビーム角であってもよいし、その他のビーム角であってもよい。また、1/10ビーム角とは、照明器具20の発光面から出射する光の最大光度の1/10の光度となる方向を定め、その方向と当該照明器具20の光軸とがなす角度として定義される。
図14A及び図14Bに示すように、照明システム10aは、照明器具20g及び20hを含む複数の照明器具を備える。照明器具20g及び20hは、出射する照明光のビーム角を変更することができる。具体的には、照明器具20g及び20hは、ビーム角B1の照明光L1及びビーム角B1より広いビーム角B2の照明光L2を出射可能である。ビーム角B1は、第一ビーム角の一例であり、ビーム角B2は第二ビーム角の一例である。照明光L1は第一照明光の一例であり、照明光L2は第二照明光の一例である。また、図示しないが、照明システム10aは、上記の照明器具20を照明制御する照明制御部31を備えており、照明制御部31により照明器具20g及び20hの照明光のビーム角が制御されてもよい。
照明器具20g及び20hは、ビーム角が広いときより狭いときの方が、遠方を照らすように制御される。具体的には、照明器具20gは、ビーム角B2であるときは照明エリアR7を照らし、ビーム角B1であるときは照明エリアR7より遠方のエリアである照明エリアR8を照らす。また、照明器具20hは、ビーム角B2であるときは照明エリアR8を照らし、ビーム角B1であるときは照明エリアR8より遠方のエリアである照明エリアR7を照らす。照明制御部31は、例えば、照明器具20g及び20hからの照明光の出射方向を変更することにより、照明距離を変更する。
照明器具20g及び20hのビーム角が変更されても照明距離が等しいと、照明器具20g及び20hからの照明光L1による照明エリアの面積及び照度値と、照明器具20g及び20hからの照明光L2による照明エリアの面積及び照度値とが異なる。しかしながら、競技エリア41における照度の均一性を容易に向上させる観点から、照明器具20g及び20hからの照明光による照明エリアの面積及び照度値は等しいとよい。
そこで、本変形例では、ビーム角が狭いときの照明器具20g及び20hは、ビーム角が広いときの照明器具20g及び20hよりも器具設置位置から遠方を照明する。言い換えると、照明光L1は、照明光L2よりも器具設置位置から遠方を照らす光である。
なお、図14A及び図14Bでは、対向して配置されている照明器具20(例えば、照明器具20g及び20h)のビーム角が等しい例について説明したが、ビーム角が等しい照明器具20が対向して配置されていることに限定されない。
以上のように、照明システム10aは、複数の照明器具20(例えば、照明器具20g及び20h)を備える。照明器具20は、ビーム角B1(第一ビーム角の一例)の照明光L1(第一照明光の一例)、及び、ビーム角B1より広いビーム角B2(第二ビーム角の一例)の照明光L2(第二照明光の一例)を出射可能である。そして、照明光L1は、照明光L2よりも器具設置位置から遠方を照らす。
これにより、照明器具20g及び20hのビーム角が変更された場合であっても、競技エリア41に対して照射される照明光L1及びL2の照明エリアの面積及び照度値を近づけることができる。よって、ビーム角を変更することができる複数の照明器具20を用いた場合であっても、容易にUG値の低い照明環境をつくることができる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、複数の照明器具と照明制御部とは別体である例について説明したが、照明制御部は、複数の照明器具の少なくとも一つに内蔵されていてもよい。
また、上記実施の形態では、UG値は、式1に示すように照度値の差分の比率で算出する例について説明したが、照度値の比率で算出されてもよい。例えば、UG値は、
で算出されてもよい。なお、i=j≠0である。
また、上記実施の形態では、計算間隔は、5mである例について説明したが、これに限定されない。計算間隔は、2mであってもよいし、それ以外であってもよい。計算間隔は、例えば、競技の種類などにより適宜決定されてもよい。
また、上記実施の形態では、ボールの明暗差及びボールのスピードに違和感を感じない人が75%以上となるUG値を、それぞれの評価において必要とされるUG値であると見なしたが、これに限定されない。割合は、50%以上であればよく、例えば、90%以上であってもよい。
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間では、無線通信が行われてもよいし、有線通信が行われてもよい。また、装置間では、無線通信および有線通信が組み合わされてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。