次に、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
まず、図1乃至図4を参照して、本発明の第1実施形態による洗面台の全体構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態による洗面台全体の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の洗面台に備えられた水栓装置ユニットを拡大して示す斜視図である。図3は、水栓装置ユニットを斜め下方から見た斜視図である。図4は、本発明の第1実施形態による洗面台における吐水系統を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による洗面台1は、ボウル部2と、このボウル部2の上方に配置された水栓装置ユニット4と、ボウル部2の下方に設けられ、ボウル部2を支持する下部キャビネット6と、水栓装置ユニット4の上方に配置された上部キャビネット8と、を有する。
ボウル部2は、水栓装置ユニット4から吐出された水道水を受けるように配置された概ね矩形の洗面ボウルであり、その中央、奥側に排水口2aが設けられている。なお、本明細書において、「水道水」とは、水道事業者から提供される市水等ばかりでなく、洗面、手洗い等に使用する井戸水等を含むものとする。
水栓装置ユニット4は、ボウル部2の上方の壁面に取り付けられた直方体状のユニットであり、その下面に設けられた第1の吐水部4aからボウル部2へ向けて水道水を吐出する自動水栓が内蔵されている。水栓装置ユニット4の詳細な機能、構造については後述する。
下部キャビネット6は、ボウル部2の下方に配置され、ボウル部2を支持するキャビネットであり、2段の引き出しが設けられている。また、下部キャビネット6の内部には、水道水の吐水、停止を切り換える電磁弁等の機器が収納されている。下部キャビネット6に収納されている機器の詳細については後述する。
上部キャビネット8は、水栓装置ユニット4よりも上方の壁面に設けられた薄型のキャビネットであり、その前面には、鏡が取り付けられている。
次に、図2及び図3を参照して、水栓装置ユニット4の構成を説明する。
図2に示すように、水栓装置ユニット4には、第1の吐水部4aと、第2の吐水部4bと、流調・温調バルブ10と、操作スイッチ12と、タッチスイッチ14と、照明用LED16と、が備えられている。
第1の吐水部4aは、水栓装置ユニット4の下面中央に、斜め前方に向けて設けられた円筒状の部材からなり、洗面、手洗い等に使用する水道水を、ボウル部2に向けて吐出するように構成されている。また、第1の吐水部4aの前側側面には接近センサ18が設けられており、手指等の被検知物の、第1の吐水部4aへの接近を検知するように構成されている。本実施形態においては、接近センサ18は、赤外線式のセンサであり、第1の吐水部4aに接近した手指等により反射された赤外線を検出して、手指等の接近を検知するように構成されている。接近センサとしては、赤外線式の他、マイクロ波式等、任意の非接触タイプのセンサを使用することができる。なお、本実施形態においては、第1の吐水部4aはプルアウト式となっており、水栓装置ユニット4から引き出し可能に構成されている。
第2の吐水部4bは、第1の吐水部4aの側方、近傍に設けられた吐水部であり、所定のタイミングで除菌作用を有する機能水を、ボウル部2に向けて噴霧(吐出)するように構成されている。
流調・温調バルブ10は、供給された湯及び水を所定の割合で混合させると共に、混合された湯水の流出流量を調整することができる所謂「シングルレバー水栓」であり、水栓装置ユニット4の右側の端部に収納されている。この流調・温調バルブ10には操作レバー10aが取り付けられており、この操作レバー10aは、水栓装置ユニット4の下面から下方に向けて突出している。本実施形態においては、操作レバー10aを前後方向に操作することにより第1の吐水部4aから吐出される湯水の流量を調整し、左右方向に操作することにより湯水の温度を調整することができる。
操作スイッチ12は、水栓装置ユニット4の前面左側に設けられたスイッチである。この操作スイッチ12を操作することにより、照明用LED16のオン、オフの切り換え、及び第2の吐水部4bから機能水を吐出する機能のオン、オフを切り換えることができる。
タッチスイッチ14は、水栓装置ユニット4の前面右側に設けられたスイッチである。タッチスイッチ14を操作することにより、第1の吐水部4aからの吐水、停止を自動水栓として自動的に行うか否かを切り換えることができる。
照明用LED16は、水栓装置ユニット4の下面、奥側の2箇所に設けられたLEDであり、洗面台1を使用する使用者の手元を照明するように構成されている。
次に、図4を参照して、本発明の第1実施形態による洗面台1における給水・給湯系統を説明する。
図4に示すように、給水系統には、上流側から順に、水道水を供給する給水管20aと、水道水を遮断するための止水栓22aと、水道水中に混入した異物等を取り除くためのフィルタ24aと、水道水の、第1の吐水部4aからの吐出、停止を切り換える水道水用電磁弁である水用電磁弁28aと、が設けられている。同様に、給湯系統には、上流側から順に、湯沸かし器(図示せず)等からの湯を供給する給湯管20bと、湯を遮断するための止水栓22bと、混入した異物等を取り除くためのフィルタ24bと、湯の、第1の吐水部4aからの吐出、停止を切り換える水道水用電磁弁である湯用電磁弁28bと、が設けられている。
これらの給水系統及び給湯系統を通って夫々供給された水及び湯は、流調・温調バルブ10によって所定の割合で混合され、第1の吐水部4aから吐出される。
また、水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bは、制御部であるコントローラ40によって、開弁、閉弁が制御されるように構成されている。即ち、接近センサ18による検出信号はコントローラ40に送られる。コントローラ40は、手指等の被検知物が第1の吐水部4aに接近している間、水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bに信号を送り、これらを開弁させ、吐水部4aから湯水を吐出させる。また、コントローラ40は、接近センサ18が被検知物を検知して水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bを開弁させたときから、被検知物が検知されなくなり、これらを閉弁させるまでの時間を計測するタイマを内蔵している。なお、本実施形態においては、コントローラ40は、マイクロプロセッサ、メモリ、インターフェイス回路、電磁弁の駆動回路、及びこれらを作動させるソフトウェア等(以上、図示せず)により構成されている。また、コントローラ40は、AC電源42から供給される電力により作動される。
次に、第2の吐水部4bから吐出される機能水の生成、吐出系統について説明する。
図4に示すように、給水管20aから供給された水道水は、フィルタ24aの下流側で2つの管路に分岐され、一方は水用電磁弁28aに接続され、他方は機能水用電磁弁30に接続されている。以下に説明するように、この機能水用電磁弁30を通過した水道水から除菌作用を有する機能水が生成され、第2の吐水部4bから吐出される。コントローラ40は、制御信号により機能水用電磁弁30の開弁、閉弁を制御し、所定のタイミングで機能水用電磁弁30を開弁させて第2の吐水部4bから機能水を吐出させる。
機能水用電磁弁30の下流側には、上流側から順に、調圧弁32と、安全弁34と、逆止弁36と、電解槽38が接続されている。
調圧弁32は、機能水用電磁弁30から流入した水道水を圧力調整して流出させるように構成されている。機能水用電磁弁30から流入した水道水は、調圧弁32により、第2の吐水部4bから霧状にして噴霧するのに適した圧力に調整される。
安全弁34は、機能水供給用の管路内の圧力が所定圧力以上になったとき、管路内の水道水を水用電磁弁28aの下流側に逃がすように構成されている。例えば、第2の吐水部4bの吐水口が塞がれ、管路内の圧力が急上昇した場合には、安全弁34が開弁され、バイパス流路34aを介して管路内の水を水用電磁弁28aの下流側の管路に流出させる。バイパス流路34aを通った水道水は、流調・温調バルブ10を通って第1の吐水部4aから排出されるので、管路内の圧力が所定圧力以上に上昇するのを防止することができる。
逆止弁36は、安全弁34と電解槽38の間の管路に設けられ、電解槽38内の電解水が安全弁34側に逆流するのを防止するように構成されている。
電解槽38は、供給された水道水を電気分解して、機能水である電解水を生成するように構成されている。コントローラ40は、電解槽38への通電、停止を制御し、所定のタイミングで電解槽38内の電極(図示せず)間に電圧を付与して、電解水を生成する。本実施形態で用いる電解水としては、電気分解によって得られる除菌機能を有する水であれば何でもよい。電解水の代表的なものとして次亜塩素酸を含有する電解水が挙げられる。一般に上水又は中水は塩素イオンを含有するため、電気分解により遊離塩素が生成される。遊離塩素は、酸性では次亜塩素酸(HClO)として存在し、この形態ではアルカリ性での存在形態である次亜塩素酸イオン(ClO-)と比較して約10倍殺菌力が強い。また、中性でもその中間程度の強力な殺菌力が得られる。従って、連続式電気分解槽で電気分解された水は、強力な殺菌力を有する殺菌水となっている。
上述したように一般的に利用されている水道水(上水又は中水)は塩素イオンを含有しているが、塩素イオン濃度が低い地域で利用する場合や、強力な殺菌作用が必要な場合には、食塩などの塩化物を添加することで塩素イオンを補うことができる。
塩素発生に用いられる電極としては、導電性基材に塩素発生用触媒を担持したものか、塩素発生用触媒からなる導電性材料が利用される。塩素発生用触媒の種類により、例えば、フェライト等の鉄系電極、パラジウム系電極、ルテニウム系電極、イリジウム系電極、白金系電極、ルテニウム−スズ系電極、パラジウム−白金系電極、イリジウム−白金系電極、ルテニウム−白金系電極、イリジウム−白金−タンタル系電極等がある。導電性基材に塩素発生用触媒を担持したものは、構造を担う基材部を安価なチタン、ステンレス等の材料で構成できるので、製造コスト上有利である。
塩素以外に、ハロゲンイオンを含有する水を電気分解することによって得られる次亜ハロゲン酸であってもよい。
その他の電解水としては、電極として銀を利用することで得られる銀イオン水を挙げることができる。銀イオンは、細菌の細胞膜にある酵素に吸着し、酵素の作用を阻害するため、細菌が生命維持できなくなると言われている。接触する基材表面をコートする作用もあり、細菌が基材表面で繁殖しにくくなる。銀イオンは基材表面をコートして、細菌の付着を防ぐことができ、かつ殺菌力を有しているため、基材表面での細菌の増殖を効果的に抑制できる。その際、排水トラップの置換率を高める洗浄方法と組み合わせることで、長期間、排水口のぬめりや匂いを抑制することが可能となる。
その他、特に電気分解用の電極として二酸化鉛(β型)を用いることにより陽極側で酸素の発生と共に高濃度のオゾンを発生させるオゾン水など、様々な種類の電解水を好適に用いることが可能である。
更に、電解水以外の除菌水としては、各種の除菌成分を溶解させた水溶液が挙げられる。溶解される除菌成分としては、固体、液体、気体の何れを用いてもよい。液体の除菌成分を用いる場合には、例えば、エタノールや、イソプロパノールなどのアルコール類や、過酸化水素などを適用すればよい。また、気体の除菌成分を用いる場合には、例えば、オゾンを微細気泡として水中に溶解させることでオゾン水を作り出せばよい。また、固体の除菌成分を用いる場合には、例えば次亜塩素酸ナトリウムなどを適用すればよい。
以上述べたような種々の電解水、除菌水は、本発明における「機能水」に相当するものである。ここで、本明細書においては、「除菌」の文言は、菌を減らす意味だけでなく(この場合、菌を除去して減らす意味だけなく、菌を殺して減らす意味も含まれる)、菌を減らさないまでも菌の増殖を抑制する意味も含む広義の概念として用いている。本発明における「機能水」は、このような意味での除菌機能を、所定の処理によって通常の水に対して付加した水を意味するものとする。
なお、本実施形態においては、本発明における機能水として電解水を用いる例を挙げて説明するが、電解水の代わりに、電解水以外の上記したような除菌水を用いてもよいことは言うまでもない。
次に、図5乃至図8を参照して、本発明の第1実施形態による洗面台1の作用を説明する。
図5は、コントローラ40による機能水用電磁弁30の制御フローチャートである。図6は、コントローラ40による制御の一例を示すタイムチャートであり、上段から順に、接近センサ18による検知の有無、水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bの開閉、機能水用電磁弁30の開閉を夫々示している。図7及び図8は、コントローラ40による制御の他の例を示すタイムチャートである。
図5に示す制御フローチャートは、第2の吐水部4bによる電解水(機能水)の吐出が終了した状態(検知時間カウント=0)で、接近センサ18が被検知物を検知したとき起動されるフローチャートである。
まず、図6の時刻t1において、洗面台1の使用者が第1の吐水部4aの近傍に手指を近付けると、接近センサ18がこれを検知する。接近センサ18が被検知物を検知すると、コントローラ40は水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bに制御信号を送り、これらを開弁させる。水用電磁弁28aが開弁されると、給水管20aから供給された水道水は、止水栓22a、フィルタ24aを通って水用電磁弁28aに到達し、流調・温調バルブ10に流入する。一方、湯用電磁弁28bが開弁されると、給湯管20bから供給された湯は、止水栓22b、フィルタ24bを通って湯用電磁弁28bに到達し、流調・温調バルブ10に流入する。
流調・温調バルブ10に流入した水道水及び湯は、ここで混合され、第1の吐水部4aの吐水口からボウル部2に向けて吐出される。ここで、流調・温調バルブ10における湯と水の混合比は、操作レバー10aの左右方向の回転位置により設定される。また、流調・温調バルブ10から流出する湯水の流量は、操作レバー10aの前後方向の回転位置により設定される。流調・温調バルブ10から流出した湯水は、第1の吐水部4aから吐出される。接近センサ18が手指等を検知して水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bを開弁させ、第1の吐水部4aからの吐水が開始されると(図6の2段目、時刻t1〜)、コントローラ40は作業待ち工程を開始する。即ち、コントローラ40は、接近センサ18が手指等を検知していない非検知状態から、検知している検知状態に変化したとき、作業待ち工程を開始し、作業待ち工程は、手洗いや、洗面等、洗面台1における1回の作業時間であると想定される時間の経過を待つ工程である。
即ち、図6の時刻t1において、接近センサ18が被検知物を検知すると、図5に示すフローチャートが実行され、コントローラ40に内蔵されたタイマ(図示せず)により、作業待ち工程の経過時間の積算が開始される(図5のフローチャートのステップS1)。即ち、コントローラ40は、使用者が洗面台1における作業を開始したと判断して、使用者の洗面台1における1回の作業が終わると想定される時間が経過するまで作業待ち工程を実行し、この工程が終了するまで電解水の吐水は実行されない。
次に、図5のステップS2においては、積算されている作業待ち工程の経過時間が所定の作業相当時間τ1以上であるか否かが判断され、作業相当時間τ1未満である場合にはステップS2の処理が繰り返される。本件発明者の調査によれば、一般に洗面台1で行われる作業としては、歯磨き、洗顔、髭剃り、基礎化粧、化粧、整髪、洗髪、ヘアブロー、着替え等があり、これら個々の作業に要する平均的な時間は短いもので1分、長いもので7.5分程度である。朝や出掛け等には、これらの作業のうちの2〜4つ程度が1回の洗面台1の使用として行われ、1回の洗面台の使用時間は5分以上となることが多かった。このため、本実施形態においては、所定の作業相当時間τ1を5分に設定している。好ましくは、作業相当時間は、洗面台1の設置場所や、設置する住宅の家族構成等に応じて、5分乃至60分の時間に設定する。
図6の時刻t2において、使用者が手指を第1の吐水部4aから遠ざけると、接近センサ18は被検知物を検知しなくなるので、コントローラ40は水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bを閉弁させる。しかしながら、時刻t2においては、使用者による洗面台1における作業開始(時刻t1)から作業相当時間τ1が経過していないので、使用者による吐水が再開される可能性が高く、時刻t2において吐水が停止されても電解水の噴霧は実行されない。また、この作業待ち工程の間、図5のフローチャートではステップS2の処理が繰り返されている。
さらに、図6の時刻t3において、使用者が再び手指を第1の吐水部4aに近付けると、コントローラ40は水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bを開弁させる。ここで、時刻t3において第1の吐水部4aからの吐水が開始されているが、時刻t3における吐水は作業待ち工程中の吐水であるため、使用者の洗面台1における1回の作業のうちの吐水の「再開」であると見なされ、作業待ち時間の積算値がリセットされることはない。即ち、作業待ち工程中において、接近センサ18が非検知状態から再び検知状態に変化した場合であっても、作業待ち工程が再実行されることはなく、図6の時刻t1において開始された実行中の作業待ち工程が終了した後に、電解水の噴霧が実行される。
次に、図6の時刻t4において、積算時間が5分に到達すると、図5のフローチャートにおける処理は、ステップS2からステップS3に移行する。なお、時刻t4においては、作業相当時間τ1である5分は経過しているが、第1の吐水部4aからの吐水中であるため、使用者による洗面台1における1回の作業がまだ継続されていると見なして、電解水の噴霧は実行されない。
ステップS3においては、水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bが閉弁されているか否か、即ち、第1の吐水部4aから吐水が行われているか否かが判断される。吐水が行われていな場合にはステップS4に進み、吐水が行われている場合にはステップS3→S5→S3の処理が繰り返し実行される。なお、ステップS5における「待機時間リセット」については後述する。
次に、図6の時刻t5において、接近センサ18が被検知物を検知しなくなると、コントローラ40は水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bを閉弁させ、吐水が停止される。吐水が停止されると、図5のフローチャートにおける処理は、ステップS3からステップS4に移行する。
ステップS4においては、水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bが閉弁されたとき(時刻t5)から積算が開始される所定の待機時間T1が経過したか否かが判断される。待機時間T1が経過した場合にはステップS6に進み、経過していない場合にはステップS3に戻る。従って、時刻t5において吐水が停止された後、接近センサ18が被検知物を検知していない場合には、待機時間T1が経過するまで、ステップS4→S3→S4の処理が繰り返し実行される。なお、本実施形態においては、待機時間T1は5秒である。
図6の時刻t6において待機時間T1が経過すると、図5のフローチャートにおける処理は、ステップS4からステップS6に移行する。ステップS6以下の処理では、第2の吐水部4bからの電解水の噴霧が実行される。このように、作業相当時間τ1が経過し、直近の吐水である時刻t3〜t5間の吐水が終了した後、待機時間T1の経過を待って電解水の噴霧が実行される。なお、第1の吐水部4aからの吐水は時刻t5において停止されているが、吐水停止の直後は、吐水されていた水道水がボウル部2内に残っている可能性が高いため、その状態で電解水を噴霧しても、電解水が薄められてしまい十分な殺菌効果を得ることができない。そこで、時刻t5における吐水停止の後、待機時間T1の経過を待ってから電解水の噴霧が実行される。
ステップS6においては、コントローラ40は機能水用電磁弁30に信号を送り、これを開弁させる。次いで、ステップS7においては、コントローラ40は電解槽38の電極(図示せず)に電圧を付与する。機能水用電磁弁30が開弁されると、給水管20aから供給された水道水は、止水栓22a、フィルタ24aを通って機能水用電磁弁30に到達する。機能水用電磁弁30を通過した水道水は、調圧弁32、逆止弁36を通って電解槽38に流入する。電解槽38に流入した水道水は、コントローラ40によって付与された電圧(電流)により電気分解され、電解水が生成される。生成された電解水は、ミスト状にされて、第2の吐水部4bからボウル部2に噴霧される。噴霧された電解水により、ボウル部2表面や、排水口2aが殺菌され、雑菌の繁殖が抑制される。
次いで、図5のステップS8においては、機能水用電磁弁30が開弁された後(図6の時刻t6の後)、所定の機能水吐出時間T2が経過したか否かが判断される。機能水吐出時間T2が経過した場合にはステップS10に進み、経過していない場合にはステップS9に進む。ステップS9においては、水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bが閉弁されているか否か(吐水が行われているか否か)が判断され、吐水が行われていない場合にはステップS8に戻り、吐水が行われている場合にはステップS13に進む。従って、時刻t6において機能水用電磁弁30が開弁された後、接近センサ18が被検知物を検知していない場合には、機能水吐出時間T2が経過するまで、ステップS8→S9→S8の処理が繰り返し実行される。なお、本実施形態においては、機能水吐出時間T2は10秒である。
さらに、図6の時刻t7において機能水吐出時間T2が経過すると、図5のフローチャートにおける処理は、ステップS8からステップS10に移行する。ステップS10においては、コントローラ40は機能水用電磁弁30に信号を送り、これを閉弁させる。次いで、ステップS11においては、コントローラ40は電解槽38への通電を停止する。さらに、ステップS12においては、コントローラ40は、コントローラ40によって積算されていた作業待ち時間の積算時間をゼロにリセットし、図5に示すフローチャートの1回の処理を終了する。図5に示すフローチャートの処理終了後、第1の吐水部4aからの吐水が開始されると、再び図5のフローチャートの処理がステップS1から開始される。
次に、図5及び図7を参照して、コントローラ40による制御の他の例を説明する。
まず、図7の時刻t8において接近センサ18が被検知物を検知すると、図5に示すフローチャートの処理が開始され、第1の吐水部4aからの吐水開始と共に作業待ち時間の積算が開始される(図5のステップS1)。次いで、図7の時刻t9において作業待ち時間が所定の作業相当時間τ1を超えると、図5に示すフローチャートにおける処理がステップS2からS3に移行する。さらに、図7の時刻t10において、接近センサ18が被検知物を検知しなくなると、第1の吐水部4aからの吐水が停止される。これにより、図5のフローチャートにおける処理がステップS3からS4に進み、時刻t10から待機時間の積算が開始される。時刻t10から積算が開始された待機時間は、ステップS4→S3→S4の処理が繰り返されている間、積算される。
次に、図7の時刻t11において、所定の待機時間T1が経過する前に(積算している待機時間がT1に到達する前に)、接近センサ18が被検知物を検知すると、コントローラ40は水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bを開弁させ、吐水が開始される。これにより、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS4→S3→S4を繰り返していた処理は、ステップS3→S5→S3を繰り返すようになる。ここで、ステップS5においては、積算している待機時間がリセットされるので、ステップS3→S5→S3が繰り返されている間(吐水が行われている間)は、待機時間は積算されない(待機時間の積算値は増加しない)。
次に、図7の時刻t12において、接近センサ18が被検知物を検知しなくなると、コントローラ40は水用電磁弁28a及び湯用電磁弁28bを閉弁させ、吐水が停止される。これにより、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS3→S5→S3を繰り返していた処理は、ステップS4→S3→S4を繰り返すようになり、時刻t12からの待機時間の積算が開始される。さらに、待機時間の積算中に吐水が行われることなく、図7の時刻t13において所定の待機時間T1が経過すると、図5に示すフローチャートにおける処理がステップS4からS6に移行する。ステップS6以下の処理では、所定の機能水吐出時間T2(図7の時刻t13〜t14)に亘って第2の吐水部4bから電解水が噴霧され、図5に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
このように、使用者が洗面台1を使用し始めた後の作業待ち時間(積算時間)が所定の作業相当時間τ1以上となった後(図7の時刻t9の後)、所定の待機時間T1の経過を待っている間(時刻t10〜)に、再び吐水が行われる(時刻t11〜)と、待機時間の積算値はリセットされ、その吐水が停止された後(時刻t12の後)、再び待機時間の積算がゼロから開始される(時刻t12〜)。ここで、積算時間は作業相当時間τ1を既に超えているので、待機中に行われた吐水(時刻t11〜t12)は、使用者が時刻t8において開始した1回の洗面台1の使用における吐水とみなし、新たな作業待ち工程を行うことなく、所定の待機時間T1の経過後(時刻t13の後)、電解水の噴霧が実行される(時刻t13〜t14)。
次に、図5及び図8を参照して、コントローラ40による制御の他の例を説明する。
まず、図8の時刻t15において接近センサ18が被検知物を検知すると、図5に示すフローチャートの処理が開始され、コントローラ40によって作業待ち時間の積算が開始される(図5のステップS1)。次いで、図8の時刻t16において、第1の吐水部4aからの吐水が停止されているが、作業待ち時間が所定の作業相当時間τ1を超えていないので、吐水が再開される可能性が高いと判断して、作業待ち工程を継続する。この間、図5のフローチャートにおいては、ステップS2の処理が繰り返される。時刻t17において、所定の作業相当時間τ1が経過すると、フローチャートにおける処理がステップS2からS3に移行する。時刻t17においては吐水が停止されているので、図5のフローチャートにおける処理がステップS3からS4に進み、時刻t17から待機時間の積算が開始され、時刻t18において、所定の待機時間T1が経過する。
時刻t18において待機時間T1が経過すると、図5のフローチャートにおける処理がステップS4からS6に移行し、第2の吐水部4bからの電解水の噴霧が開始される。この電解水の噴霧が実行されている間は、フローチャートにおいては、ステップS8→S9→S8の処理が繰り返される。電解水の噴霧は、噴霧開始から所定の機能水吐出時間T2継続させるものであるが、図8に示す例では、時刻t18における噴霧開始から機能水吐出時間T2が経過する前に、接近センサ18により被検知物が検知されている(図8の時刻t19)。被検知物が検知されると、第1の吐水部4aからの吐水が開始されるため、フローチャートにおける処理はステップS9からS13に移行する。
ステップS13において、コントローラ40は機能水用電磁弁30に信号を送り、これを閉弁させると共に、電解槽38への通電を停止する。これにより、第2の吐水部4bからの電解水の噴霧が停止される。このように、電解水の噴霧中、機能水吐出時間T2が経過する前に、第1の吐水部4aからの吐水が開始されると、コントローラ40は、第2の吐水部4bからの電解水の噴霧を停止させる。即ち、第1の吐水部4aからの吐水が行われている状態では、電解水を噴霧しても洗い流されてしまい、電解水が無駄になる。
ステップS13の後、図5のフローチャートにおいては、第1の吐水部4aからの吐水が停止されるまで、ステップS3→S5→S3の処理が繰り返される。次いで、図8の時刻t20において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、フローチャートにおける処理はステップS4に移行し、以後、所定の待機時間T1が経過するまでステップS4→S3→S4の処理が繰り返される。
次に、図8の時刻t21において待機時間T1が経過すると、フローチャートにおける処理はステップS6に移行し、第2の吐水部4bからの電解水の噴霧が開始される。さらに、時刻t22において機能水吐出時間T2が経過すると、電解水の噴霧が停止されると共に、作業待ち時間の積算値がリセットされ、図5に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
本発明の第1実施形態の洗面台1によれば、第1の吐水部4aからの吐水開始後(図6の時刻t1〜)に、使用者による1回の洗面台1の使用時間として想定した所定の作業相当時間τ1である5分間に亘って作業待ち工程を実行した後、第2の吐水部4bからの吐水を実行する(図6の時刻t6〜)。この結果、使用者が洗面台1を使用している途中で、第2の吐水部4bから電解水が吐出されるという状況を減らすことができる。即ち、使用者が洗面台1を使用している途中で電解水が吐水されると、電解水の吐出の直後に再び第1の吐水部4aからの吐水が行われて、ボウル部2に再び雑菌が付着してしまう可能性が高く、吐水した電解水が無駄になってしまう。本実施形態によれば、このような電解水の浪費を回避することができ、節水を実現しながら、ボウル部2や排水口2aにおける雑菌の繁殖を効果的に抑制することができる。
さらに、本実施形態の洗面台1によれば、第1の吐水部4aからの吐水、停止時期を検出するための接近センサ18を使用して、作業待ち工程の開始時期を検出することができる。また、非検知状態から、検知状態に変化したとき作業待ち工程が開始され(図6の時刻t1〜)、作業待ち工程の終了(図6の時刻t4)を待った後、機能水の吐水が行われるので、例えば、手洗いの最初に手を水で濡らした直後や、歯磨きの最初に歯ブラシを水で濡らした直後に電解水が吐出されてしまい、電解水が無駄になるのを防止することができる。これにより、電解水の浪費を抑制しながら効果的に雑菌の繁殖を抑制することができる。
また、本実施形態の洗面台1によれば、非検知状態から、検知状態に変化(図6の時刻t1)した後、作業相当時間τ1として5分経過するのを待った後、電解水の吐水が実行されるので、使用者による1回の洗面台1の使用が終了した後、電解水を吐出することができる確率を高くすることができる。
さらに、本実施形態の洗面台1によれば、作業待ち工程の実行中(図6の時刻t1〜t4)において、非検知状態に移行し(図6の時刻t2)、その後、再び検知状態に変化した(図6の時刻t3)場合であっても、作業待ち工程を再実行することなく、実行中の作業待ち工程(図6の時刻t1〜t4)が終了した後、第2の吐水部4bからの吐水が実行される(図6の時刻t6)ので、作業待ち工程中に吐水や止水が行われることにより、作業待ち工程が何度も再実行され、機能水の吐水の頻度が著しく低下するのを防止することができる。これにより、機能水の浪費を回避しながら、効果的に雑菌の繁殖を抑制することができる。
次に、図9乃至図11を参照して、本発明の第2実施形態による洗面台を説明する。
本実施形態の洗面台は、コントローラ40による制御が上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の、第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。図9乃至図11は、コントローラ40による制御の一例を示すタイムチャートである。
上述した本発明の第1実施形態においては、前回実行した図5のフローチャートの処理が終了した(第2の吐水部4bからの電解水(機能水)の吐出が終了した)後、初めて接近センサ18が被検知物を検知したとき(図6の時刻t1に対応)、図5に示す制御フローチャートが新たに起動されていた。これに対し、本実施形態においては、コントローラ40は図5に示す制御フローチャートと同一のフローチャートで制御を実行するが、接近センサ18が検知状態から非検知状態に変化したとき(図6の時刻t2に対応)、図5の制御フローチャートが新たに起動される。従って、以下の説明では、図9乃至図11と共に図5を参照しながら、本発明の第2実施形態における制御を説明する。
即ち、図9に示すタイムチャートの時刻t31においては、前回の図5に示す制御フローチャートによる1回の処理が終了した後、初めて接近センサ18が被検知物を検知し、第1の吐水部4aからの吐水が開始されている。次いで、図9の時刻t32において、接近センサ18が非検知状態に変化すると、図5に示すフローチャートの処理が新たに開始される。これにより、図5のステップS1において、作業待ち時間のカウントが時刻t32から開始される。
さらに、ステップS2においては、時刻t32において作業待ち時間のカウントが開始された後、所定の作業相当時間τ1が経過したか否かが判断され、作業相当時間τ1が経過するまでステップS2の処理が繰り返される。次いで、時刻t33においては、所定の作業相当時間τ1が経過する前に、第1の吐水部4aからの吐水が再開されている。さらに、時刻t34において所定の作業相当時間τ1が経過すると、フローチャートの処理はステップS3に移行する。
ステップS3においては、第1の吐水部4aからの吐水が行われているか否かが判断される。図9のタイムチャートでは、時刻t34において吐水が行われているため、図5のフローチャートにおいては、ステップS3→S5→S3の処理が繰り返される。なお、ステップS5において待機時間がリセットされているため、ステップS3→S5→S3の処理を繰り返している間には、待機時間の積算は行われない。
次に、時刻t35において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、図5のフローチャートにおける処理はステップS4に移行する。ステップS4においては、所定の待機時間T1が経過したか否かが判断される。以降、所定の待機時間T1が経過するまで、ステップS4→S3→S4の処理が繰り返される。また、この待機時間T1の経過を待つ間に第1の吐水部4aから吐水が行われると、図5のフローチャートにおける処理はステップS3→S5→S3の処理が繰り返されるようになり、待機時間の積算もリセットされる。
次いで、図9の時刻t36において所定の待機時間T1が経過すると、図5のフローチャートにおける処理はステップS6に移行する。ステップS6以下の処理では、所定の機能水吐出時間T2に亘って電解水が吐出され(時刻t36〜t37)、図5のフローチャートの1回の処理を終了する。
次に、図10を参照して、本発明の第2実施形態による洗面台の他の動作例を説明する。
まず、図10の時刻t39において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、図5のフローチャートの処理が開始され、作業待ち時間の積算が開始される。図10に示す例においては、所定の作業相当時間τ1が経過する前の時刻t40において第1の吐水部4aからの吐水が再開されているので、時刻t41において所定の作業相当時間τ1が経過した後も待機時間は積算されず、吐水の終了が待機される(ステップS3→S5→S3の処理)。
さらに、時刻t42において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、作業待ち時間の積算を行うことなく、待機時間の積算が開始される(ステップS4→S3→S4の処理)。しかしながら、時刻t43において第1の吐水部4aからの吐水が再開されるので、待機時間の積算はリセットされ、吐水の終了が待機される(ステップS3→S5→S3の処理)。
次いで、時刻t44において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、再び待機時間の積算が開始され(ステップS4→S3→S4の処理)、時刻t45において所定の待機時間が経過すると、図5のフローチャートにおける処理はステップS6に移行する。ステップS6以下の処理では、所定の機能水吐出時間T2に亘って電解水が吐出され(時刻t45〜t46)、図5のフローチャートの1回の処理を終了する。
次に、図11を参照して、本発明の第2実施形態による洗面台の他の動作例を説明する。
まず、図11の時刻t48において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、図5のフローチャートの処理が開始され、作業待ち時間の積算が開始される。図11に示す例においては、所定の作業相当時間τ1が経過する前の時刻t49〜t50において第1の吐水部4aからの吐水が再開されているが、作業相当時間τ1が経過した時刻t51において第1の吐水部4aからの吐水は停止されているので、時刻t51から待機時間の積算が開始される(ステップS3→S4→S3の処理)。
さらに、時刻t52において所定の待機時間T1が経過すると図5のフローチャートにおける処理はステップS6以下に移行し、電解水の吐水が開始される(ステップS8→S9→S8の処理)。しかしながら、電解水の吐出が開始された時刻t52の後、所定の機能水吐出時間T2が経過する前の時刻t53において、第1の吐水部4aからの吐水が開始されたため、電解水の吐出が停止される(ステップS9→S13の処理)。
次いで、時刻t53において開始された第1の吐水部4aからの吐水が、時刻t54において停止されると、再び待機時間の積算が開始され(ステップS4→S3→S4の処理)、時刻t55において所定の待機時間が経過すると、図5のフローチャートにおける処理は再びステップS6に移行する。ステップS6以下の処理では、所定の機能水吐出時間T2に亘って電解水が吐出され(時刻t55〜t56)、図5のフローチャートの1回の処理を終了する。
このように、本発明の第2実施形態の洗面台においては、前回電解水の吐出が行われた後、初めて第1の吐水部4aからの吐水が開始され(図9のt31、図10のt38、図11のt47)、この吐水が停止されたとき(図9のt32、図10のt39、図11のt48)作業待ち時間の積算が開始される。この積算が開始された後、所定の作業相当時間τ1が経過した後は、作業待ち時間の積算は行わず、第1の吐水部4aからの吐水が行われていない状態において、所定の待機時間T1の経過を待ち、所定の機能水吐出時間T2に亘って電解水の吐出を行い、一連の処理を終了する。
本発明の第2実施形態の洗面台によれば、第1の吐水部4aが吐水状態から止水状態に変化したとき(図9のt32、図10のt39、図11のt48)作業待ち工程が開始され、作業待ち工程の終了を待った後、機能水の吐水が行われる(図9のt36、図10のt45、図11のt52、t55)ので、例えば、手洗いの最初に手を水で濡らした直後や、歯磨きの最初に歯ブラシを水で濡らした直後に機能水が吐出されてしまい、機能水が無駄になるのを防止することができる。
また、本実施形態の洗面台によれば、検知状態から、非検知状態に変化した後、作業相当時間として5分経過するのを待って(図5のステップS2)機能水の吐水が実行されるので、使用者による1回の洗面台の使用が終了した後、機能水を吐出することができる確率を高くすることができる。
さらに、本実施形態の洗面台によれば、作業待ち工程の実行中において、検知状態に移行し(図9のt33、図10のt40、図11のt49)、その後、再び非検知状態に変化(図9のt35、図10のt42、図11のt50)した場合であっても、作業待ち工程を再実行することなく第2の吐水部4bからの吐水が実行される。このため、作業待ち工程を比較的長い時間(例えば30分以上)に設定した場合であっても、作業待ち工程中に吐水や止水が行われることにより、作業待ち工程が何度も再実行され、機能水の吐水の頻度が著しく低下してしまうのを防止することができる。
また、本実施形態の洗面台によれば、作業待ち工程の終了時において、第1の吐水部4aが吐水状態である場合(図9のt34、図10のt41)には、第1の吐水部4aが止水状態となった(図9のt35、図10のt42)後、第2の吐水部4bからの吐水が実行される(図9のt36、図10のt45)ので、第1の吐水部4aからの水と機能水が同時に吐水され、機能水が無駄に消費されるのを防止することができる。
さらに、本実施形態の洗面台によれば、作業待ち工程の終了後に、第1の吐水部4aが止水状態となった場合(図9のt35、図10のt42、t44、図11のt51、t54)には、所定の待機時間T1の経過を待って第2の吐水部4bからの吐水が開始される(図9のt36、図10のt45、図11のt52、t55)ので、使用者が第1の吐水部4aからの吐水を停止させた後、すぐに吐水を再開させた場合等に、不要な機能水が吐水されてしまうのを防止することができる。
また、本実施形態の洗面台によれば、第2の吐水部4bからの吐水中に、第1の吐水部4aが吐水状態となった場合(図11のt53)には、第2の吐水部4bからの吐水が停止されるので、第1の吐水部4aからの水と機能水が同時に吐水され、機能水が無駄に消費されるのを防止することができる。また、第1の吐水部4aが止水された(図11のt54)後、再び第2の吐水部4bからの吐水が最初から開始される(図11のt55)ので、確実に機能水の吐水が実行され、雑菌の繁殖を抑制することができる。
次に、図12乃至図17を参照して、本発明の第3実施形態による洗面台を説明する。
本実施形態の洗面台は、コントローラ40による制御が上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の、第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。図12は、コントローラ40により実行される制御フローチャートである。図13乃至図17は、コントローラ40による制御の一例を示すタイムチャートである。
上述した本発明の第1、第2実施形態においては、第1の吐水部4aからの吐水が開始されたとき、又は吐水が停止されたとき作業待ち工程が開始され、一旦所定の作業相当時間τ1が経過した後は、第1の吐水部4aからの吐水があっても、作業待ち時間の積算を初めから再び行うことはなく、吐水の停止を待って電解水の吐出が行われていた。これに対し、本発明の第3実施形態においては、一旦所定の作業相当時間τ1が経過した後であっても、その後、第1の吐水部4aからの吐水が行われた場合には、もう一度初めから作業待ち時間の積算を行う点が、上述した第1、第2実施形態とは異なっている。
まず、図13に示すタイムチャートの時刻t61においては、前回実行した図12のフローチャートの処理が終了した(第2の吐水部4bからの電解水(機能水)の吐出が終了した)後、初めて接近センサ18が被検知物を検知し、第1の吐水部4aからの吐水が開始されている。これにより、図12に示すフローチャートの処理が新たに開始され、そのステップS21が実行される。ステップS21においては、作業待ち時間の積算が開始される。
次いで、図12のステップS22においては、第1の吐水部4aからの吐水が行われているか否かが判断され、吐水が停止されるまでステップS22の処理が繰り返される。
次いで、図13の時刻t62において、第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、図12に示すフローチャートの処理はステップS23以下に移行する。ステップS23においては、時刻t61において積算が開始された作業待ち時間が所定の作業相当時間τ1に到達したか否かが判断される。所定の作業相当時間τ1が経過していない場合には、ステップS24に進み、ステップS24においては第1の吐水部4aからの吐水が行われているか否かが判断される。
第1の吐水部4aからの吐水が行われていない場合には、処理がステップS23に戻る。従って、第1の吐水部4aからの吐水が行われない場合には、所定の作業相当時間τ1が経過するまでステップS23→S24→S23の処理が繰り返される。なお、本実施形態においては、所定の作業相当時間τ1は5分である。
図13に示すタイムチャートの例では、時刻t63において所定の作業相当時間τ1が経過している。所定の作業相当時間τ1が経過すると、待機時間の積算が開始され、フローチャートの処理はステップS26以下に移行する。ステップS26においては、時刻t63において積算が開始された待機時間が、所定の待機時間T1に到達したか否かが判断される。所定の待機時間T1が経過していない場合には、ステップS27に進み、ステップS27においては第1の吐水部4aからの吐水が行われているか否かが判断される。
第1の吐水部4aからの吐水が行われていない場合には、処理がステップS26に戻る。従って、第1の吐水部4aからの吐水が行われない場合には、所定の待機時間T1が経過するまでステップS26→S27→S26の処理が繰り返される。なお、本実施形態においては、待機時間T1は5秒である。
図13に示すタイムチャートの例では、時刻t64において所定の待機時間T1が経過している。所定の待機時間T1が経過すると、フローチャートの処理はステップS30以下に移行する。ステップS30においては機能水用電磁弁30が開弁され、次いで、ステップS31においては、電解槽38の電極(図示せず)に電圧が付与される。これにより、生成された電解水は、ミスト状にされて、第2の吐水部4bからボウル部2に噴霧される。
次いで、図12のステップS32においては、機能水用電磁弁30が開弁された後(図13の時刻t64の後)、所定の機能水吐出時間T2が経過したか否かが判断される。機能水吐出時間T2が経過した場合にはステップS34に進み、経過していない場合にはステップS33に進む。ステップS33においては、第1の吐水部4aからの吐水が行われているかが判断され、吐水が行われていない場合にはステップS32に戻り、吐水が行われている場合にはステップS39に進む。従って、時刻t64において機能水用電磁弁30が開弁された後、接近センサ18が被検知物を検知していない場合には、機能水吐出時間T2が経過するまで、ステップS32→S33→S32の処理が繰り返し実行される。なお、本実施形態においては、機能水吐出時間T2は10秒である。
図13に示すタイムチャートの例では、時刻t64において電解水の吐出が開始された後、第1の吐水部4aからの吐水が行われることなく所定の機能水吐出時間T2が経過している。時刻t65において機能水吐出時間T2が経過すると、図12のフローチャートにおける処理は、ステップS32からステップS34に移行する。ステップS34においては、機能水用電磁弁30が閉弁され、次いで、ステップS35においては電解槽38への通電が停止される。さらに、ステップS36においては積算されていた作業待ち時間の積算時間がゼロにリセットされ、ステップS37においては待機時間の積算時間がゼロにリセットされる。次いで、ステップS38においては機能水吐出時間の積算時間がゼロにリセットされ、図12に示すフローチャートの1回の処理を終了する。図12に示すフローチャートの処理終了後(1回の電解水の吐水が終了した後)、第1の吐水部4aからの吐水が開始されると、再び図12のフローチャートの処理がステップS21から開始される。
次に、図12及び図14を参照して、コントローラ40による制御の他の例を説明する。
図14に示す例では、時刻t66において第1の吐水部4aからの吐水が開始されると、図12に示すフローチャートの処理が開始され、そのステップS21において、作業待ち時間の積算が開始される。さらに、時刻t68において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、図12のフローチャートにおける処理がステップS22からステップS23に移行する。
テップS23においては、ステップS21において積算が開始された作業待ち時間が所定の作業相当時間τ1に到達したか否かが判断される。図14に示す例では、時刻t68において第1の吐水部4aからの吐水が停止されよりも前の、時刻t67において所定の作業相当時間τ1が既に経過しているので、図12のフローチャートにおける処理はステップS23からステップS26に移行する。
次いで、時刻t68の後、所定の待機時間T1が経過するまでステップS26→S27→S26の処理が繰り返される。さらに、時刻t69において所定の待機時間T1が経過すると、図12のステップS30以下において第2の吐水部4bからの電解水の吐出が実行される。時刻t70において所定の機能水吐出時間T2が経過すると、ステップS34〜S38の処理が実行され、図12に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
次に、図12及び図15を参照して、コントローラ40による制御の更に別の例を説明する。
図15に示す例では、時刻t71において第1の吐水部4aからの吐水が開始されると、図12に示すフローチャートの処理が開始され、そのステップS21において、作業待ち時間の積算が開始される。さらに、時刻t72において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、図12のフローチャートにおける処理がステップS22からステップS23に移行する。
時刻t72において吐水が停止された後は、図12のフローチャートにおけるステップS23→S24→S23の処理が繰り返される。次いで、時刻t71において積算が開始された作業待ち時間が所定の作業相当時間τ1に到達する前の、時刻t73において第1の吐水部4aからの吐水が再開されると、図12のフローチャートにおける処理は、ステップS24からステップS25に移行する。ステップS25においては、時刻t71において積算が開始された作業待ち時間がリセットされてゼロとなる。さらに、図12のフローチャートにおける処理はステップS21に戻り、ステップS21においては、時刻t73からの作業待ち時間の積算が、ゼロから開始される。
以降、第1の吐水部4aからの吐水が新たに開始されることなく、時刻t75において所定の作業相当時間τ1が経過すると、所定の待機時間T1(時刻t75〜t76)を経て、所定の機能水吐出時間T2(時刻t76〜t77)に亘って電解水を吐出して、図12に示すフローチャートの1回の処理を終了する。このように、本実施形態においては、所定の作業相当時間τ1の経過を待っている間に、第1の吐水部4aからの吐水が開始されると(時刻t73)、作業待ち時間の積算がゼロから新たに開始される。作業待ち時間の積算中に、第1の吐水部4aからの吐水が新たに開始されることなく、所定の作業相当時間τ1が経過すると、待機時間の積算以降の処理が実行される。
次に、図12及び図16を参照して、コントローラ40による制御の更に別の例を説明する。
図16に示す例では、時刻t78において第1の吐水部4aからの吐水が開始されると、図12に示すフローチャートの処理が開始され、そのステップS21において、作業待ち時間の積算が開始される。さらに、時刻t79において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、図12のフローチャートにおける処理がステップS22からステップS23に移行する。
続いて、時刻t80において、時刻t78から積算が開始された作業待ち時間が、所定の作業相当時間τ1に到達すると、図12のフローチャートにおける処理はステップS23からステップS26に移行する。これにより、時刻t80から待機時間の積算が開始され、図12のフローチャートにおいてはステップS26→S27→S26の処理が繰り返される。
さらに、図16に示す例では、時刻t80から積算が開始された待機時間が所定の待機時間T1に到達する前の、時刻t81において第1の吐水部4aからの吐水が再開されている。これにより、図12のフローチャートにおける処理は、ステップS27からステップS28に移行する。ステップS28においては作業待ち時間がゼロにリセットされ、続くステップS29においては待機時間がゼロにリセットされ、図12のフローチャートにおける処理がステップS21に戻る。これにより、作業待ち時間の積算が、時刻t81から、新たにゼロから開始される。
以降、時刻t83において所定の作業相当時間τ1が経過し、時刻t83から待機時間の積算が開始される。さらに、第1の吐水部4aからの吐水が開始されることなく、時刻t84において所定の待機時間T1が経過し、所定の機能水吐出時間T2(時刻t84〜t85)に亘って電解水を吐出して、図12に示すフローチャートの1回の処理を終了する。このように、本実施形態においては、所定の待機時間T1の経過を待っている間に、第1の吐水部4aからの吐水が開始されると(時刻t81)、作業待ち時間、及び待機時間がゼロにリセットされる。待機時間の積算中に、第1の吐水部4aからの吐水が新たに開始されることなく、所定の待機時間T1が経過すると、機能水吐出時間の積算以降の処理が実行される。
次に、図12及び図17を参照して、コントローラ40による制御の更に別の例を説明する。
図17に示す例では、時刻t86において第1の吐水部4aからの吐水が開始されると、図12に示すフローチャートの処理が開始され、そのステップS21において、作業待ち時間の積算が開始される。さらに、時刻t87において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、図12のフローチャートにおける処理がステップS22からステップS23に移行する。
続いて、時刻t88において、時刻t86から積算が開始された作業待ち時間が、所定の作業相当時間τ1に到達すると、図12のフローチャートにおける処理はステップS23からステップS26に移行する。これにより、時刻t88から待機時間の積算が開始され、図12のフローチャートにおいてはステップS26→S27→S26の処理が繰り返される。
さらに、図17に示す例では、時刻t88から積算が開始された待機時間が、時刻t89において所定の待機時間T1に到達すると、図12のフローチャートにおける処理はステップS26からステップS30に移行する。ステップS30においては機能水用電磁弁30が開弁され、次いで、ステップS31においては、電解槽38の電極(図示せず)に電圧が付与される。これにより、第2の吐水部4bからの機能水の吐水が開始されると共に、時刻t89から機能水吐出時間の積算が開始される。この際、図12のフローチャートにおいてはステップS32→S33→S32の処理が繰り返される。
次に、図17の例では、時刻t89から積算が開始された機能水吐出時間が所定の機能水吐出時間T2に到達する前の、時刻t90において第1の吐水部4aからの吐水が再開されている。これにより、図12のフローチャートにおける処理は、ステップS33からステップS39に移行する。ステップS39においては、機能水用電磁弁30が閉弁されると共に、電解槽38への通電が停止される。さらに、ステップS40においては作業待ち時間の積算時間がゼロにリセットされ、ステップS41においては待機時間の積算時間がゼロにリセットされる。加えて、ステップS41においては機能水吐出時間の積算時間もゼロにリセットされ、フローチャートにおける処理は、ステップS21に戻る。
以降、時刻t90から新たに積算が開始された作業待ち時間が、時刻t92において所定の作業相当時間τ1に到達し、時刻t92から待機時間の積算が開始される。さらに、第1の吐水部4aからの吐水が開始されることなく、時刻t93において所定の待機時間T1が経過し、所定の機能水吐出時間T2(時刻t93〜t94)に亘って電解水を吐出して、図12に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
このように、本実施形態においては、所定の機能水吐出時間T2に亘って電解水を吐出し終わる前に、第1の吐水部4aからの吐水が開始されると(時刻t90)、電解水の吐出が中止されると共に、作業待ち時間、待機時間、及び機能水吐出時間がゼロにリセットされる。このため、時刻t89〜t90の間には電解水の吐出が行われているものの、途中でそれが中止された場合には、改めて所定の機能水吐出時間T2に亘って電解水の吐出が実行される。
本発明の第3実施形態の洗面台によれば、作業待ち工程の実行中において、止水状態に移行し(図15のt72)、その後、再び吐水状態に変化(図15のt73)した場合には、作業待ち工程が再実行(図15のt73〜)される。このため、作業待ち工程を比較的短い時間(例えば、30分以下)に設定した場合であっても、使用者が1回の洗面台の使用を終了する前に機能水の吐水が実行されてしまい、機能水が浪費されるのを防止することができる。
また、本実施形態の洗面台によれば、作業待ち工程の終了時(図14のt67)において、第1の吐水部4aが吐水状態である場合には、第1の吐水部4aが止水状態となった(図14のt68)後、第2の吐水部4bからの吐水が実行される(図14のt69)ので、第1の吐水部4aからの水道水と機能水が同時に吐水され、機能水が無駄に消費されるのを防止することができる。
さらに、本実施形態の洗面台によれば、作業待ち工程の終了(図14のt67)後に、第1の吐水部4aが止水状態となった(図14のt68)場合には、所定の待機時間T1の経過を待って第2の吐水部4bからの吐水が開始される(図14のt69)ので、使用者が第1の吐水部4aからの吐水を停止させた後、すぐに吐水を再開させた場合等に、不要な機能水が吐水されてしまうのを防止することができる。
また、本実施形態の洗面台によれば、第2の吐水部4bからの吐水中に、第1の吐水部4aが吐水状態となった(図17のt90)場合には、第2の吐水部4bからの吐水が停止されるので、第1の吐水部4aからの水と機能水が同時に吐水され、機能水が無駄に消費されるのを防止することができる。また、第1の吐水部4aが止水された(図17のt91)後、再び第2の吐水部4bからの吐水が開始される(図17のt93)ので、確実に機能水の吐水が実行され、雑菌の繁殖を抑制することができる。
次に、図18乃至図22を参照して、本発明の第4実施形態による洗面台を説明する。
本実施形態の洗面台は、コントローラ40による制御が上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の、第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。図18は、コントローラ40により実行される制御フローチャートである。図19乃至図22は、コントローラ40による制御の一例を示すタイムチャートである。
また、上述した本発明の第3実施形態においては、第1の吐水部4aからの吐水が開始されたとき作業待ち工程が開始され、一旦所定の作業相当時間τ1が経過した後であっても、その後、第1の吐水部4aからの吐水が行われた場合には、もう一度初めから作業待ち時間の積算が行われていた。本実施形態においては、第1の吐水部4aからの吐水が停止されたとき、作業待ち工程が開始される点が、上述した第3実施形態とは異なっている。
まず、図19に示すタイムチャートの時刻t101においては、前回の電解水の吐出が終了した後、初めて接近センサ18が被検知物を検知し、第1の吐水部4aからの吐水が開始されている。さらに、時刻t102においてこの吐水が停止され、これにより、図18に示すフローチャートの処理が開始され、そのステップS51が実行される。ステップS51においては、作業待ち時間の積算が開始される。
次いで、図18のステップS52においては、時刻t102において積算が開始された作業待ち時間が所定の作業相当時間τ1に到達したか否かが判断される。所定の作業相当時間τ1が経過していない場合には、ステップS53に進み、ステップS53においては第1の吐水部4aからの吐水が行われているか否かが判断される。
第1の吐水部4aからの吐水が行われていない場合には、処理がステップS52に戻る。従って、第1の吐水部4aからの吐水が行われない場合には、所定の作業相当時間τ1が経過するまでステップS52→S53→S52の処理が繰り返される。なお、本実施形態においては、所定の作業相当時間τ1は5分である。
図19に示すタイムチャートの例では、時刻t103において所定の作業相当時間τ1が経過している。所定の作業相当時間τ1が経過すると、フローチャートの処理はステップS55以下に移行する。ステップS55においては機能水用電磁弁30が開弁され、次いで、ステップS56においては、電解槽38の電極(図示せず)に電圧が付与される。これにより、生成された電解水は、ミスト状にされて、第2の吐水部4bからボウル部2に噴霧される。
次いで、図18のステップS57においては、機能水用電磁弁30が開弁された後(図19の時刻t103の後)、所定の機能水吐出時間T2が経過したか否かが判断される。機能水吐出時間T2が経過した場合にはステップS59に進み、経過していない場合にはステップS58に進む。ステップS58においては、第1の吐水部4aからの吐水が行われているかが判断され、吐水が行われていない場合にはステップS57に戻り、吐水が行われている場合にはステップS63に進む。従って、時刻t103において機能水用電磁弁30が開弁された後、接近センサ18が被検知物を検知していない場合には、機能水吐出時間T2が経過するまで、ステップS57→S58→S57の処理が繰り返し実行される。なお、本実施形態においては、機能水吐出時間T2は10秒である。
図19に示すタイムチャートの例では、時刻t103において電解水の吐出が開始された後、第1の吐水部4aからの吐水が行われることなく所定の機能水吐出時間T2が経過している。時刻t104において機能水吐出時間T2が経過すると、図18のフローチャートにおける処理は、ステップS57からステップS59に移行する。ステップS59においては、電解槽38への通電が停止され、次いで、ステップS60においては機能水用電磁弁30が閉弁される。さらに、ステップS61においては積算されていた作業待ち時間の積算時間がゼロにリセットされ、ステップS62においては機能水吐出時間の積算時間がゼロにリセットされ、図18に示すフローチャートの1回の処理を終了する。図18に示すフローチャートの処理終了後(1回の電解水の吐水が終了した後)、第1の吐水部4aからの吐水が開始され、この吐水が停止されると、再び図18のフローチャートの処理がステップS51から開始される。
このように、本実施形態においては、所定の作業相当時間τ1が経過した時点(時刻t103)では、直近の過去に所定の作業相当時間τ1に亘って吐水が停止された状態が続いている(時刻t102〜t103)。このため、所定の作業相当時間τ1が経過すると、待機時間の経過を待たずに電解水の吐出が開始(時刻t103〜)される。
次に、図18及び図20を参照して、コントローラ40による制御の他の例を説明する。
図20に示す例では、時刻t106において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、図18に示すフローチャートの処理が開始され、そのステップS51において、作業待ち時間の積算が開始される。ステップS52においては、ステップS51において積算が開始された作業待ち時間が所定の作業相当時間τ1に到達したか否かが判断され、所定の作業相当時間τ1が経過するまでステップS52→S53→S52の処理が繰り返される。
図20に示す例では、所定の作業相当時間τ1が経過する前の時刻t107において第1の吐水部4aからの吐水が開始されたため、フローチャートにおける処理はステップS53からステップS54に移行する。ステップS54においては、時刻t106において積算が開始された作業待ち時間がゼロにリセットされ、図18に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
また、時刻t107において開始された第1の吐水部4aからの吐水が、時刻t109において停止されると、図18に示すフローチャートの処理が再び最初から開始される。時刻t109以降のフローチャートにおける処理は、図19の時刻t102以降の処理と同一であり、時刻t109から所定の作業相当時間τ1が経過した時刻t110から所定の機能水吐出時間T2に亘って電解水が吐出され、図18に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
次に、図18及び図21を参照して、コントローラ40による制御の更に別の例を説明する。
図21に示す例では、時刻t113において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、図18に示すフローチャートの処理が開始され、そのステップS51において、作業待ち時間の積算が開始される。これにより、所定の作業相当時間τ1が経過するまでステップS52→S53→S52の処理が繰り返される。
図21に示す例では、所定の作業相当時間τ1が経過する前の時刻t114において第1の吐水部4aからの吐水が開始されたため、フローチャートにおける処理はステップS53からステップS54に移行し、ステップS54においては、作業待ち時間がゼロにリセットされ、図18に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
また、時刻t114において開始された第1の吐水部4aからの吐水が、時刻t115において停止されると、図18に示すフローチャートの処理が再び最初から開始される。時刻t115以降のフローチャートにおける処理は、図19の時刻t102以降の処理と同一であり、時刻t115から所定の作業相当時間τ1が経過した時刻t116から所定の機能水吐出時間T2に亘って電解水が吐出され、図18に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
次に、図18及び図22を参照して、コントローラ40による制御のまた別の例を説明する。
図22に示す例では、時刻t119において第1の吐水部4aからの吐水が停止されると、図18に示すフローチャートの処理が開始され、そのステップS51において、作業待ち時間の積算が開始される。これにより、所定の作業相当時間τ1が経過するまでステップS52→S53→S52の処理が繰り返される。
図22に示す例では、時刻t120において所定の作業相当時間τ1が経過し、フローチャートにおける処理はステップS52からステップS55に移行する。ステップS55においては機能水用電磁弁30が開弁され、次いで、ステップS56においては、電解槽38の電極(図示せず)に電圧が付与される。これにより、生成された電解水は、ミスト状にされて、第2の吐水部4bからボウル部2に噴霧される。
次いで、図18のステップS57においては、機能水用電磁弁30が開弁された後(図22の時刻t120の後)、所定の機能水吐出時間T2が経過したか否かが判断される。以降、所定の機能水吐出時間T2が経過するまで、ステップS57→S58→S57の処理が繰り返し実行される。
図22に示す例では、所定の機能水吐出時間T2が経過する前の時刻t121において第1の吐水部4aからの吐水が開始されたため、フローチャートにおける処理はステップS58からステップS63に移行する。ステップS63においては、電解槽38への通電が停止され、次いで、ステップS64においては機能水用電磁弁30が閉弁される。さらに、ステップS65においては積算されていた作業待ち時間の積算時間がゼロにリセットされ、ステップS66においては機能水吐出時間の積算時間がゼロにリセットされ、図18に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
また、時刻t121において開始された第1の吐水部4aからの吐水が、時刻t123において停止されると、図18に示すフローチャートの処理が再び最初から開始される。時刻t123以降のフローチャートにおける処理は、図19の時刻t102以降の処理と同一であり、時刻t123から所定の作業相当時間τ1が経過した時刻t124から所定の機能水吐出時間T2に亘って電解水が吐出され、図18に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
なお、本実施形態において、時刻t121に開始された第1の吐水部4aからの吐水が、時刻t120から所定の機能水吐出時間T2後の時刻t122よりも前に停止された場合であっても、その時点(時刻t122よりも前の時点)から新たな作業待ち時間の積算が開始される。
本発明の第4実施形態の洗面台によれば、作業待ち工程の実行中において、吐水状態に移行し(図20のt107、図21のt114)、その後、再び止水状態に変化(図20のt109、図21のt115)した場合には、作業待ち工程が再実行される。このため、作業待ち工程を比較的短い時間(例えば30分以下)に設定した場合であっても、使用者が1回の洗面台の使用を終了する前に機能水の吐水が実行されてしまい、機能水が浪費されるのを防止することができる。
また、本実施形態の洗面台によれば、第2の吐水部4bからの吐水中に、第1の吐水部4aが吐水状態となった場合(図22のt121)には、第2の吐水部4bからの吐水が停止されるので、第1の吐水部4aからの水と機能水が同時に吐水され、機能水が無駄に消費されるのを防止することができる。また、第1の吐水部4aが止水された(図22のt123)後、再び第2の吐水部4bからの吐水が開始(図22のt124)されるので、確実に機能水の吐水が実行され、雑菌の繁殖を抑制することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した第1、第3実施形態においては、コントローラ40は、接近センサ18が被検知物の接近を検知していない非検知状態から、検知している検知状態に変化したとき、第1の吐水部4aが止水状態から吐水状態に変化したと判断している。また、第2、第4実施形態においては、コントローラ40は、接近センサ18が被検知物の接近を検知している検知状態から、検知していない非検知状態に変化したとき、第1の吐水部4aが吐水状態から止水状態に変化したと判断している。しかしながら、止水状態と吐水状態の間の変化を、他の情報に基づいて検知するように本発明を構成することもできる。例えば、水用電磁弁28a及び/又は湯用電磁弁28bの開閉に基づいて止水状態と吐水状態の間の変化を検知したり、第1の吐水部4aからの吐水、止水を検知するセンサを別に設けておき、このセンサの検出信号に基づいて止水状態と吐水状態の間の変化を検知したりすることもできる。
また、上述した実施形態においては、接近センサ18により被検知物が検出されると吐水する自動水栓を備えた洗面台に本発明が適用されていたが、変形例として、手動式の水栓装置を備えた洗面台に本発明を適用することもできる。
図23は、本変形例の洗面台における、水栓装置の操作部を示す図である。
本変形例においては、使用者が図23に示す操作部を手動で操作することにより、開閉弁(図示せず)が開閉され、吐水、止水を切り換えることができる。図23に示すように、本変形例における操作部50は、ベース部52と、このベース部52に回動可能に取り付けられた操作レバー54と、を有する。操作レバー54が実線に示す閉位置にあるとき、水栓装置は止水状態とされ、操作レバー54が想像線で示す開位置に回動されると、吐水が開始されるように構成されている。
また、操作レバー54には、マグネット54aが埋め込まれている。一方、ベース部52には、マグネット54aと対向する位置に、磁気センサであるホール素子52aが埋め込まれている。これにより、操作レバー54が閉位置にある状態では、ホール素子52aはマグネット54aの磁気を検出する。これに対して、操作レバー54が開位置に回動されると、マグネット54aはホール素子52aと対向しなくなり、ホール素子52aはマグネット54aの磁気を検出しなくなる。このため、ホール素子52aは吐水センサとして機能し、コントローラ40は、ホール素子52aによる検出信号に基づいて、吐水の開始又は終了を検知する。また、この情報に基づいてコントローラ40は、図5のステップS1、図12のステップS21、図18のステップS51における作業待ち時間のカウント開始、図5のステップS3、S9、図12のステップS24、S27,S33、図18のステップS53、S58における吐水の有無の判断を行うことができる。本変形例によれば、手動式の水栓装置を有する洗面台にも本発明を適用することができる。