JP2018083316A - ノズルプレートの製造方法およびインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

ノズルプレートの製造方法およびインクジェットヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズルのテーパー部およびストレート部の位置精度およびストレート部の加工精度を両方とも向上させる。【解決手段】ノズルプレートの製造方法は、ノズル形成用基板の一方の表面上に、第1の開口部を有する第1のマスクパターンを形成する工程(S100)と、第1の開口部の内側に第2の開口部が位置するように、第2の開口部を有する第2のマスクパターンを形成する工程(S200)と、第2の開口部を介して、ノズル形成用基板をドライエッチングすることにより、逆テーパー形状のテーパー部を形成する工程(S18)と、第2のマスクパターンを除去する工程(S19)と、第1のマスクパターンの第1の開口部を介して、ノズル形成用基板を厚さ方向にストレートにドライエッチングすることにより、テーパー部と連通するストレート部を形成する工程(S20)とを含む。【選択図】図7

Description

本発明は、ノズルプレートの製造方法と、その製造方法を用いたインクジェットヘッドの製造方法とに関するものである。
従来、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドの吐出精度を向上させるため、テーパー形状のノズルの出口付近のみをストレートに加工するノズルプレートが提案されている。ノズルにストレート部を形成することにより、ノズルの加工時における孔径の寸法精度が安定するため、各ノズルにおけるインク吐出量を一定に保つ効果が期待できる。
このようなノズルプレートの製造方法は、例えば特許文献1および2に開示されている。特許文献1の製造方法では、図16に示すように、まず、シリコン基板101の一方の面の表層部に高濃度の硼素を注入して硼素層102を形成する。続いて、シリコン基板101に対して硼素層102が形成されていない面にマスク層103を形成してパターニングを行い、パターニングされたマスク層103側からウェットエッチングを行うことにより、シリコン基板101にテーパー部104aを形成する。このとき、硼素層102はエッチングストッパー層として機能し、エッチングされない。テーパー部104aのエッチングが完了し、マスク層103を除去した後、高濃度の硼素層102上にマスク層105を形成してパターニングを行う。そして、硼素層102に対してマスク層105側から、つまり、ウェットエッチングを行った側(テーパー部104aの形成側)とは反対側からドライエッチングを行うことにより、硼素層102にストレート部104bを形成する。最後に、マスク層105を除去することにより、テーパー部104aとストレート部104bとが連通したノズル104を有するノズルプレート100が完成する。
一方、特許文献2の製造方法では、図17に示すように、まず、シリコン基板201の一方の面にエッチングストッパー層(例えばシリコン酸化物層)202を形成する。続いて、シリコン基板201の他方の面にマスク層203を形成してパターニングを行い、パターニングされたマスク層203側からシリコン基板201に対してドライエッチングを行うことにより、シリコン基板201にテーパー部204aを形成する。その後、同じマスク層203を使用し、マスク層203側からエッチングストッパー層202に対してドライエッチングを行うことにより、エッチングストッパー層202にストレート部204bを形成する。最後に、マスク層203を剥離することにより、テーパー部204aとストレート部204bとが連通したノズル204を有するノズルプレート200が完成する。
特許第3269618号公報(請求項10、段落〔0033〕〜〔0039〕、図3等参照) 特許第4706850号公報(請求項1、段落〔0024〕〜〔0030〕、図1等参照)
ところが、特許文献1の製造方法では、ノズル104のテーパー部104aとストレート部104bとは、シリコン基板101に対して互いに反対側からのエッチングによって形成されるため、テーパー部104aとストレート部104bとで孔の中心位置がずれやすくなり、これらを良好な位置精度で形成することができない。テーパー部104aおよびストレート部104bの位置ずれはインクの吐出特性に影響し、上記位置ずれが大きいと、インクの吐出方向が曲がるため、吐出特性が低下する。
これに対して、特許文献2の製造方法では、シリコン基板201に対して同じ面側(マスク層203側)からの加工によってシリコン基板201にテーパー部204aおよびストレート部204bを形成するため、テーパー部204aおよびストレート部204bの位置ずれは抑えられる。しかし、テーパー部204aの加工時とストレート部204bの加工時とで同じマスク層203を使用しているため、ストレート部204bの加工精度の悪化が新たな問題として生じる。
すなわち、テーパー部204aの加工時には、パターニングされたマスク層203のエッジ部203aも多少はエッチングされて、エッジ部203aが後退する。このため、次工程でマスク層203を使用してストレート部204bを形成する際に、ストレート部204bを所望の形状で形成することが困難となる。また、一般的に、マスク層を用いた加工対象の加工において、加工精度を高めるためには、マスク層を加工対象に密着させる必要がある。しかし、特許文献2の製造方法では、パターニングされたマスク層203は、ストレート部204bの加工対象であるエッチングストッパー層202と、シリコン基板201の厚み分だけ距離が離れており、密着していない。このため、エッチングストッパー層202に対する加工精度が悪化し、ストレート部204bを精度よく加工することが困難となる。ストレート部204bの加工精度が悪化すると、各ノズル204間でのストレート部204bの孔径のばらつきが大きくなり、各ノズル204間でインクの吐出量がばらつくことになる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、ノズルのテーパー部およびストレート部の位置精度およびストレート部の加工精度を両方とも向上させることができるノズルプレートの製造方法と、その製造方法を含むインクジェットヘッドの製造方法とを提供することにある。
本発明の一側面に係るノズルプレートの製造方法は、ノズル形成用基板の一方の表面上に、第1の開口部を有する第1のマスクパターンを形成する第1パターン形成工程と、前記第1のマスクパターンの前記第1の開口部よりも開口径の小さい第2の開口部を有し、前記第1の開口部の内側に前記第2の開口部が位置するように、前記第1のマスクパターンのマスク材を覆う第2のマスクパターンを形成する第2パターン形成工程と、前記第2のマスクパターンの前記第2の開口部を介して、前記ノズル形成用基板を前記一方の表面側からドライエッチングすることにより、前記一方の表面側から前記ノズル形成用基板の厚さ方向に進むにつれて開口幅が広がる逆テーパー形状のテーパー部を前記ノズル形成用基板に形成するテーパー部形成工程と、前記テーパー部の形成後、前記第2のマスクパターンを除去して、前記第1のマスクパターンを露出させる第2パターン除去工程と、露出した前記第1のマスクパターンの前記第1の開口部を介して、前記ノズル形成用基板を前記一方の表面側から前記ノズル形成用基板の厚さ方向にストレートにドライエッチングすることにより、前記テーパー部と連通するストレート部を前記ノズル形成用基板に形成するストレート部形成工程とを含む。
前記テーパー部形成工程では、前記第2の開口部の内側を介して露出する前記ノズル形成用基板の面を覆うように保護膜を形成する工程(a)と、前記保護膜を、前記ノズル形成用基板の厚さ方向への異方性エッチングによって選択的に除去する工程(b)と、前記保護膜の選択的な除去によって露出する前記ノズル形成用基板を等方性エッチングする工程(c)とを繰り返して行うとともに、前記工程(a)から前記工程(c)の繰り返しごとに、前記工程(c)のエッチング条件を変更することにより、前記テーパー部を前記ノズル形成用基板に形成してもよい。
前記テーパー部形成工程では、前記工程(a)から前記工程(c)の繰り返しごとに、前記工程(c)でのエッチング時間を長くすることにより、前記テーパー部を前記ノズル形成用基板に形成してもよい。
前記第1パターン形成工程は、前記ノズル形成用基板の前記一方の表面全体に、前記マスク材を形成する工程と、前記マスク材上に、前記第1の開口部に対応する開口部を有するレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクとして、前記マスク材をパターニングすることにより、前記第1の開口部を有する前記第1のマスクパターンを形成する工程とを含んでいてもよい。
前記第1のマスク材は、酸化シリコン膜であってもよい。
前記第1のマスクパターンの前記マスク材を、第1のマスク材としたとき、前記第2パターン形成工程は、前記第1のマスクパターンにおける前記第1の開口部の内側および前記第1のマスク材上に、前記第1のマスク材とは材質の異なる第2のマスク材を塗布する工程と、前記第1の開口部の内側に塗布された前記第2のマスク材の一部を除去することにより、前記第1の開口部の内側に前記第2の開口部を有する前記第2のマスクパターンを、前記第1のマスク材を覆うように形成する工程とを含んでいてもよい。
前記ノズル形成用基板の厚み方向に垂直な面内で、前記第1の開口部の開口中心と前記第2の開口部の開口中心とは一致していることが望ましい。
前記第2のマスク材は、感光性樹脂であってもよい。
前記第1パターン形成工程は、前記ノズル形成用基板の他方の表面上に、エッチングストッパー層を形成する工程を含んでいてもよい。
前記ノズル形成用基板は、酸化膜を介して2枚のシリコン基板を接合したSOI基板であり、前記テーパー部形成工程では、前記ノズル形成基板の一方のシリコン基板に前記テーパー部を形成し、前記ストレート部形成工程では、前記ノズル形成基板の前記一方のシリコン基板に前記ストレート部を形成し、該製造方法は、前記ストレート部形成工程の後、前記他方のシリコン基板および前記酸化膜を、前記一方のシリコン基板とは反対側からドライエッチングすることにより、前記テーパー部と連通する連通路部を前記ノズル形成用基板に形成する連通路部形成工程をさらに含んでいてもよい。
前記ストレート部形成工程の後、前記第1のマスクパターンを除去する第1パターン除去工程をさらに含んでいてもよい。
前記ノズル形成用基板の厚さ方向に沿った前記ストレート部の長さは、10μm以下であることが望ましい。
前記ノズル形成用基板の厚さ方向に沿った前記テーパー部の長さは、10μm以上であることが望ましい。
本発明の他の側面に係るインクジェットヘッドの製造方法は、上述したノズルプレートの製造方法を用いてインクジェットヘッドを製造するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記テーパー部および前記ストレート部を前記ノズル形成用基板に形成して構成されるノズルプレートと、圧電素子を支持するとともに圧力室が形成された基板とを、前記圧力室と前記テーパー部とが連通するように接合する工程を含む。
上記の製造方法によれば、ノズルのテーパー部およびストレート部の位置精度およびストレート部の加工精度を両方とも向上させることができる。
本発明の実施の一形態に係るインクジェットプリンタの概略の構成を示す説明図である。 上記インクジェットプリンタが備えるインクジェットヘッドのアクチュエータの概略の構成を示す平面図である。 図2AにおけるA−A’線矢視断面図である。 上記インクジェットヘッドの断面図である。 上記インクジェットヘッドの製造時の処理の流れを示すフローチャートである。 上記インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。 上記インクジェットヘッドに適用されるノズルプレートを拡大して示す断面図である。 上記ノズルプレートの製造時の流れを示すフローチャートである。 上記ノズルプレートの製造工程を示す断面図である。 上記ノズルプレートの製造工程を示す断面図である。 上記ノズルプレートの製造に用いるノズル形成用基板の平面図である。 上記ノズルプレートの製造工程に含まれるテーパー部形成工程の詳細を示す断面図である。 上記テーパー部形成工程の詳細を示す断面図である。 上記テーパー部形成工程の詳細を示す断面図である。 上記ノズルプレートの他の構成を示す断面図である。 図14のノズルプレートの製造時の流れを示すフローチャートである。 特許文献1のノズルプレートの製造工程を示す断面図である。 特許文献2のノズルプレートの製造工程を示す断面図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をA〜Bと表記した場合、その数値範囲に下限Aおよび上限Bの値は含まれるものとする。
〔インクジェットプリンタの構成〕
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略の構成を示す説明図である。インクジェットプリンタ1は、インクジェットヘッド部2において、インクジェットヘッド21が記録媒体の幅方向にライン状に設けられた、いわゆるラインヘッド方式のインクジェット記録装置である。
インクジェットプリンタ1は、上記のインクジェットヘッド部2と、繰り出しロール3と、巻き取りロール4と、2つのバックロール5・5と、中間タンク6と、送液ポンプ7と、貯留タンク8と、定着機構9とを備えている。
インクジェットヘッド部2は、インクジェットヘッド21から記録媒体Pに向けてインクを吐出させ、画像データに基づく画像形成(描画)を行うものであり、一方のバックロール5の近傍に配置されている。なお、インクジェットヘッド21の詳細については後述する。
繰り出しロール3、巻き取りロール4および各バックロール5は、軸回りに回転可能な円柱形状からなる部材である。繰り出しロール3は、周面に幾重にも亘って巻回された長尺状の記録媒体Pを、インクジェットヘッド部2との対向位置に向けて繰り出すロールである。この繰り出しロール3は、モータ等の図示しない駆動手段によって回転することで、記録媒体Pを図1のX方向へ繰り出して搬送する。
巻き取りロール4は、繰り出しロール3より繰り出されて、インクジェットヘッド部2によってインクが吐出された記録媒体Pを周面に巻き取る。
各バックロール5は、繰り出しロール3と巻き取りロール4との間に配設されている。記録媒体Pの搬送方向上流側に位置する一方のバックロール5は、繰り出しロール3によって繰り出された記録媒体Pを、周面の一部に巻き付けて支持しながら、インクジェットヘッド部2との対向位置に向けて搬送する。他方のバックロール5は、インクジェットヘッド部2との対向位置から巻き取りロール4に向けて、記録媒体Pを周面の一部に巻き付けて支持しながら搬送する。
中間タンク6は、貯留タンク8より供給されるインクを一時的に貯留する。また、中間タンク6は、複数のインクチューブ10と接続され、各インクジェットヘッド21におけるインクの背圧を調整して、各インクジェットヘッド21にインクを供給する。
送液ポンプ7は、貯留タンク8に貯留されたインクを中間タンク6に供給するものであり、供給管11の途中に配設されている。貯留タンク8に貯留されたインクは、送液ポンプ7によって汲み上げられ、供給管11を介して中間タンク6に供給される。
定着機構9は、インクジェットヘッド部2によって記録媒体Pに吐出されたインクを当該記録媒体Pに定着させる。この定着機構9は、吐出されたインクを記録媒体Pに加熱定着するためのヒータや、吐出されたインクにUV(紫外線)を照射することによりインクを硬化させるためのUVランプ等で構成されている。
上記の構成において、繰り出しロール3から繰り出される記録媒体Pは、バックロール5により、インクジェットヘッド部2との対向位置に搬送され、インクジェットヘッド部2から記録媒体Pに対してインクが吐出される。その後、記録媒体Pに吐出されたインクは定着機構9によって定着され、インク定着後の記録媒体Pが巻き取りロール4によって巻き取られる。このようにラインヘッド方式のインクジェットプリンタ1では、インクジェットヘッド部2を静止させた状態で、記録媒体Pを搬送しながらインクが吐出され、記録媒体Pに画像が形成される。
なお、インクジェットプリンタ1は、シリアルヘッド方式で記録媒体に画像を形成する構成であってもよい。シリアルヘッド方式とは、記録媒体を搬送しながら、その搬送方向と直交する方向にインクジェットヘッドを移動させてインクを吐出し、画像を形成する方式である。また、記録媒体としては、長尺状のもの以外にも、予め所定の大きさ(形状)に裁断されたシート状のものを用いてもよい。
〔インクジェットヘッドの構成〕
次に、上記したインクジェットヘッド21の構成について説明する。図2Aは、インクジェットヘッド21のアクチュエータ21a(圧電アクチュエータ)の概略の構成を示す平面図であり、図2Bは、図2AにおけるA−A’線矢視断面図である。インクジェットヘッド21は、基板22上に、熱酸化膜23、下部電極24、圧電薄膜25、上部電極26をこの順で有している。
基板22は、厚さが例えば50〜300μm程度の単結晶Si(シリコン)単体からなる半導体基板またはSOI基板で構成されている。なお、図2Bでは、基板22をSOI基板で構成した場合を示している。基板22は、例えば厚さ750μm程度のSi基板またはSOI基板を研磨処理することによって、上記の厚さに調整されている。なお、基板22の厚さは、適用するデバイスに応じて適宜調整されればよい。基板22には、複数の圧力室22a(開口部)が形成されており、中間タンク6(図1参照)より供給されるインクが、図示しないインク供給路を介して圧力室22aに供給され、そこに収容される。
SOI基板は、酸化膜を介して2枚のSi基板を接合したものである。基板22における圧力室22aの上壁(圧力室22aよりも圧電薄膜25側に位置する壁)は、従動膜となる振動板22bを構成しており、圧電薄膜25の駆動(伸縮)に伴って変位(振動)し、圧力室22a内のインクに圧力を付与する。なお、圧力室22aが形成される上記の基板22は、後述する圧電素子27を支持する支持基板でもある。
熱酸化膜23は、例えば厚さが0.1μm程度のSiO2(酸化シリコン)からなり、基板22の保護および絶縁の目的で形成されている。
下部電極24は、複数の圧力室22aに共通して設けられるコモン電極であり、Ti(チタン)層とPt(白金)層とを積層して構成されている。Ti層は、熱酸化膜23とPt層との密着性を向上させるために形成されている。Ti層の厚さは例えば0.02μm程度であり、Pt層の厚さは例えば0.1μm程度である。なお、Ti層の代わりにTiOx(酸化チタン)からなる層を用いてもよい。
圧電薄膜25は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの、ペロブスカイト型構造を有する強誘電体薄膜で構成されており、各圧力室22aに対応して設けられている。圧電薄膜25の膜厚は、例えば1μm以上10μm以下とすることができるが、インクジェットヘッド用の圧電アクチュエータとしては、2μm以上6μm以下であることが、薄膜の構成でインクの吐出を確実に行える観点から望ましい。また、インクジェットヘッドにおいては、圧電薄膜25を構成する圧電材料として、鉛(Pb)を有するもの、つまり、鉛系のペロブスカイト型構造を有する圧電材料が、良好な圧電特性が得られる点で望ましいが、鉛を含まない、いわゆる非鉛の圧電材料(例えばニオブ酸カリウムナトリウム(KNN))で圧電薄膜25が構成されていてもよい。
上部電極26は、各圧力室22aに対応して設けられる個別電極であり、Ti層とPt層とを積層して構成されている。Ti層は、圧電薄膜25とPt層との密着性を向上させるために形成されている。Ti層の厚さは例えば0.02μm程度であり、Pt層の厚さは例えば0.1〜0.2μm程度である。上部電極26は、下部電極24との間で圧電薄膜25を膜厚方向から挟むように設けられている。なお、Pt層の代わりに、金(Au)からなる層を形成してもよい。なお、上部電極26は、上部電極引出部と接続されて、圧力室22aの外側の基板22の上方に引き出されているが、上部電極引出部は、本実施形態において本質的なものではないため、図面を簡略化すべく、図2Aおよび図2Bではその図示を省略している。
下部電極24、圧電薄膜25および上部電極26は、圧力室22a内のインクを外部に吐出させるための圧電素子27を構成している。この圧電素子27は、駆動回路28から下部電極24および上部電極26に印加される電圧(駆動信号)に基づいて駆動される。インクジェットヘッド21は、圧電素子27および圧力室22aを縦横に並べることにより形成される。
図3は、図2のアクチュエータ21aを備えたインクジェットヘッド21の断面図である。アクチュエータ21aの、圧力室22aが形成された基板22に対して、圧電薄膜25の形成側とは反対側には、ノズルプレート31が接合されている。ノズルプレート31には、圧力室22aに収容されるインクを外部に吐出するためのノズル32が、各圧力室22aに対応して複数形成されている。なお、ノズル32の詳細については後述する。ノズル32は、基板22の圧力室22aと連通している。
上記の構成において、駆動回路28から下部電極24および上部電極26に電圧を印加すると、圧電薄膜25が、下部電極24と上部電極26との電位差に応じて、厚さ方向に垂直な方向(基板22の面に平行な方向)に伸縮する。そして、圧電薄膜25と振動板22bとの長さの違いにより、振動板22bに曲率が生じ、振動板22bが厚さ方向に変位(湾曲、振動)する。このような振動板22bの変位により、圧力室22a内のインクに圧力波が伝搬され、圧力室22a内のインクがノズル32からインク滴Dとして外部に吐出される。
〔インクジェットヘッドの製造方法〕
次に、本実施形態のインクジェットヘッド21の製造方法について以下に説明する。図4は、インクジェットヘッド21の製造時の処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、基板準備工程(S1)、熱酸化膜成膜工程(S2)、下部電極形成工程(S3)、圧電薄膜成膜工程(S4)、上部電極形成工程(S5)、圧力室形成工程(S6)、ノズルプレート接合工程(S7)が順に行われることで、インクジェットヘッド21が作製される。以下、各工程の詳細について説明する。図5は、インクジェットヘッド21の製造工程を示す断面図である。
(S1;基板準備工程)
まず、基板22を用意する。基板22としては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)に多く利用されている結晶シリコン(Si)を用いることができ、ここでは、酸化膜22eを介して2枚のSi基板22c・22dが接合されたSOI構造のものを用いている。
(S2;熱酸化膜成膜工程)
基板22を加熱炉に入れ、1500℃程度に所定時間保持して、Si基板22c・22dの表面にSiO2からなる熱酸化膜23a・23bをそれぞれ形成する。
(S3;下部電極形成工程)
次に、一方の熱酸化膜23a上に、TiおよびPtの各層をスパッタ法で順に成膜し、下部電極24を形成する。これにより、基板22、熱酸化膜23aおよび下部電極24からなる下地層が形成される。つまり、下部電極24は、上記の下地層において、基板22とは反対側の最表層に位置している。
(S4;圧電薄膜成膜工程)
続いて、下部電極24上に、PZTなどのペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜25を成膜する。より具体的には、基板22を600℃程度に再加熱し、変位膜となるPZTの層25aをスパッタ法で成膜する。次に、層25a上に感光性樹脂35をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、エッチングすることによって感光性樹脂35の不要な部分を除去し、形成する圧電薄膜25の形状を転写する。その後、感光性樹脂35をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて層25aの形状を加工し、圧電薄膜25とする。
(S5;上部電極形成工程)
次に、圧電薄膜25を覆うように、下部電極24上に、TiおよびPtの各層をスパッタ法で順に成膜し、層26aを形成する。続いて、層26a上に感光性樹脂36をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、エッチングすることによって感光性樹脂36の不要な部分を除去し、形成する上部電極26の形状を転写する。その後、感光性樹脂36をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて層26aの形状を加工し、上部電極26を形成する。
(S6;圧力室形成工程)
次に、基板22の裏面(熱酸化膜23b側)に感光性樹脂37をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、エッチングすることによって、感光性樹脂37の不要な部分を除去し、形成しようとする圧力室22aの形状を転写する。そして、感光性樹脂37をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて基板22の除去加工を行い、圧力室22aを形成してアクチュエータ21aとする。
(S7;ノズルプレート接合工程)
その後、アクチュエータ21aの基板22と、ノズル32を有するノズルプレート31とを、基板22に形成された圧力室22aと、ノズルプレート31のノズル32とが連通するように、接着剤等を用いて接合する。これにより、インクジェットヘッド21が完成する。なお、図5では、基板22の裏面の熱酸化膜23bを残したまま、基板22とノズルプレート31とを熱酸化膜23bを介して接合しているが、熱酸化膜23bを除去した後、基板22とノズルプレート31とを接着剤等で直接接合してもよい。
また、ノズル32に対応する位置に貫通孔を有する中間ガラスを用い、熱酸化膜23bを除去して、基板22と中間ガラス、および中間ガラスとノズルプレート31とをそれぞれ陽極接合するようにしてもよい。この場合は、接着剤を用いずに3者(基板22、中間ガラス、ノズルプレート31)を接合することができる。
〔ノズルの詳細〕
次に、上述したノズルプレート31のノズル32の詳細について説明する。図6は、ノズルプレート31を拡大して示す断面図である。ノズルプレート31のノズル32は、テーパー部32aおよびストレート部32bを有している。テーパー部32aおよびストレート部32bは互いに連通しており、基板22の圧力室22a(図3参照)から供給されるインクを外部に吐出するための吐出孔を構成している。
テーパー部32aは、基板22の圧力室22aと連通しており、ノズルプレート31の厚さ方向に垂直な方向の開口幅Wが圧力室22a側からインク吐出側(ストレート部32b側)に向かうにつれて狭くなるテーパー形状を有している。このように、ノズル32がテーパー部32aを有していることにより、圧力室22aからのインクがテーパー部32aを介してノズル32内部にスムーズに流れ込むため、ノズル32から外部へのインクの吐出を安定させることができる。
このとき、ノズルプレート31の厚さ方向におけるテーパー部32aの長さをL1(μm)とすると、長さL1は10μm以上であることが望ましい。テーパー部32aの長さL1が10μm以上であれば、テーパー部32aを所定の角度で形成したときに、つまり、ノズルプレート31の厚さ方向に垂直な面に対するテーパー部32aの側面の傾斜角が最適な角度となるようにテーパー部32aを形成したときに、テーパー部32aの圧力室22aとの連通側における開口幅を十分に確保できる。これにより、圧力室22aからノズル32内部にインクを確実にかつスムーズに供給でき、インクを安定して吐出させる上述の効果を高めることが可能となる。
ストレート部32bは、テーパー部32aの最小の開口幅と同じ開口幅W0で、ノズルプレート31の厚さ方向にストレートに形成されている。テーパー部32aと連通してストレート部32bを設けることにより、各ノズル32における開口径のばらつきを抑えることができる。つまり、ノズル32をテーパー部32aだけで構成すると、テーパー部32aの先端(最も開口幅の狭い部分)を精度よく加工することが困難であるため、複数のノズル32間で開口径にばらつきが生じやすくなる。ストレート部32bはドライエッチングなどで一定の開口幅で形成することが容易であるため、開口径のばらつきを抑えたノズル32の形成が可能となる。その結果、各ノズル32からのインクの吐出量のばらつきを抑えることが可能となる。
ノズルプレート31の厚さ方向におけるストレート部32bの長さをL2(μm)としたとき、長さL2は、(0μmよりも大きく)10μm以下であることが望ましい。この場合、ストレート部32bの加工(エッチング)を容易にしながら、ストレート部32bの形成によって開口径のばらつきを抑える上述の効果を得ることができる。特に、ストレート部32bの長さL2が5μm以下であることが、ストレート部32bの加工をより容易にする観点から望ましい。また、ストレート部32bの開口幅W0は、例えば15〜30μmに設定されるが、この範囲に限定されるわけではない。
〔ノズルプレートの製造方法〕
次に、上記したノズルプレート31の製造方法について説明する。図7は、ノズルプレート31の製造時の流れを示すフローチャートである。同図のように、本実施形態では、第1のマスク材形成工程(S11)、エッチングストッパー層形成工程(S12)、レジストパターン形成工程(S13)、第1のマスクパターン形成工程(S14)、レジストパターン除去工程(S15)、第2のマスク材形成工程(S16)、第2のマスクパターン形成工程(S17)、テーパー部形成工程(S18)、第2のマスクパターン除去工程(S19)、ストレート部形成工程(S20)、第1のマスクパターン除去工程(S21)、エッチングストッパー層除去工程(S22)が行われることで、ノズルプレート31が作製される。以下、図8および図9も参照しながら、各工程の詳細について説明する。図8および図9は、ノズルプレート31の製造工程を示す断面図である。
(S11;第1のマスク材形成工程)
(S12;エッチングストッパー層形成工程)
まず、シリコンウェハをノズル形成用基板31aとして用意し、このノズル形成用基板31aを熱酸化炉にセットし、酸素ガス、または水蒸気雰囲気中で加熱することにより、ノズル形成用基板31aの両面に熱酸化膜を形成する。ここでは、一方の熱酸化膜を、後述するテーパー部32aの形成の際のマスクとして用いるため、第1のマスク材41aと称する。また、他方の熱酸化膜を、テーパー部32aのエッチングの進行を止めるエッチングストッパーとして用いるため、エッチングストッパー層42と称する。したがって、ノズル形成用基板31aの両面に熱酸化膜を形成する工程は、ノズル形成用基板31aの一方の表面全体に、第1のマスク材41aを形成する工程(S11)と、ノズル形成用基板31aの他方の表面上に、エッチングストッパー層42を形成する工程(S12)とを含むと言うことができる。このとき、第1のマスク材41aおよびエッチングストッパー層42は、シリコンウェハの熱酸化によって形成されるため、酸化シリコン膜(SiO2膜)で構成される。
なお、酸素ガスを使う方式をドライ酸化と呼び、水蒸気を使う方式をウェット酸化と呼ぶが、上記の熱酸化として、どちらの方式を採用しても構わない。加熱温度は、ドライ酸化の場合で900〜1200℃程度であり、ウェット酸化の場合で800〜1100℃程度である。例えば、ウェット酸化を用いた場合、1000℃、4時間程度の加熱によって、ノズル形成用基板31aの両面に、厚さ1μmの熱酸化膜(第1のマスク材41a、エッチングストッパー層42)を形成することができる。
なお、熱酸化ではなく、蒸着やスパッタなどの手法を用いて、第1のマスク材41aおよびエッチングストッパー層42を形成してもよい。この場合、第1のマスク材41aおよびエッチングストッパー層42を、SiO2膜のほか、SiO2膜以外の膜(例えばクロム(Cr)などの金属膜)で構成することも可能となる。
なお、用いるノズル形成用基板31aの厚みは、ノズル形成用基板31aにテーパー部32aおよびストレート部32bを所望の長さで形成できる厚みであればよく、基板の研磨等によって適宜調整されればよい。
(S13;レジストパターン形成工程)
次に、ウェハの表面を疎水性にするため、HMDS処理を行う。HDMS処理とは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS;hexamethyldisilazane)を用いて基板表面を疎水化する処理である。このHMDS処理は、第1のマスク材41a上に、例えば東京応化製の「OAP」を、スピンコーターを用いて例えば2500rpm、15secの条件で塗布して行うことができる。
続いて、第1のマスク材41a上に、ポジ型レジスト(東京応化工業製 OFPR−800LB)を、スピンコーターを用いて例えば3000rpm、30secの条件で塗布する。その後、110℃、90secのプリベークを行い、コンタクトアライナーで約50mJ/cm2の光量で上記レジストを露光する。そして、ウェハを25℃の現像液(東京応化製 NMD−3)に60〜90秒浸漬させて上記レジストの感光部を除去することにより、第1のマスク材41a上に、開口部43aを有するレジストパターン43を形成する。開口部43aは、次工程で第1のマスク材41aに形成する開口部41a1に対応する大きさで形成される。例えば、開口部43aの開口径は、15〜30μmである。
(S14;第1のマスクパターン形成工程)
次に、レジストパターン43をマスクとして、第1のマスク材41aをパターニングすることにより、開口部43aと同形状の開口部41a1(第1の開口部)を有する第1のマスクパターン41(第1パターンとも称する)を形成する。このときの第1のマスク材41aのパターニングは、CHF3(トリフルオロメタン)ガスまたはCH4(メタン)ガスを用いたドライエッチングによって行うことができる。例えば、サムコ製RIE−100Cを使用し、CHF3ガス流量;80sccm、圧力;3Pa、RFパワー;90W、エッチング時間;1時間程度、のドライエッチング条件で第1のマスク材41aをパターニングすることにより、開口部41a1を有する第1のマスクパターン41を形成することができる。開口部41a1の開口径は、開口部43aの開口径と同じ(例えば15〜30μm)である。
上記したS11〜S14の工程は、ノズル形成用基板31aの一方の表面上に、開口部41a1を有する第1のマスクパターン41を形成する第1パターン形成工程(S100)に対応する。
(S15;レジストパターン除去工程)
続いて、S14で用いたレジストパターン43を除去する。例えばアセトンやアルカリ溶液などを用いたウェットプロセスや、酸素プラズマなどを用いたドライプロセスにより、レジストパターン43を除去することができる。
(S16;第2のマスク材形成工程)
次に、ウェハの表面を疎水性にするため、S13と同様のHMDS処理を行う。その後、第1のマスクパターン41における開口部41a1の内側および第1のマスク材41a上に、感光性樹脂であるポジ型レジスト(東京応化工業製 OFPR−800LB)を、スピンコーターを用いて例えば3000rpm、30secの条件で塗布し、上記感光性樹脂からなる第2のマスク材44aを形成する。
(S17;第2のマスクパターン形成工程)
続いて、110℃、90secのプリベークを行い、コンタクトアライナーで約50mJ/cm2の光量で第2のマスク材44aを露光する。そして、ウェハを25℃の現像液(東京応化製 NMD−3)に60〜90秒浸漬させて第2のマスク材44aの感光部を除去する。より詳しくは、第2のマスク材44aの露光および現像により、第1のマスクパターン41の開口部41a1の内側に形成された第2のマスク材44aの一部を除去する。これにより、開口部41a1の内側に開口部44a1(第2の開口部)を有する第2のマスクパターン44(第2パターンとも称する)を、第1のマスク材41aを覆うように形成する。
ここで、図10は、第1のマスクパターン41および第2のマスクパターン44が形成されたノズル形成用基板31aの平面図である。ノズル形成用基板31aの厚み方向に垂直な面内で、第1のマスクパターン41の開口部41a1の開口中心O1と、第2のマスクパターン44の開口部44a1の開口中心O2とが一致するように、上記の露光、現像を行って、上記第2のマスクパターン44を形成する。なお、上記の「一致」には、完全一致のほか、位置ズレを許容できる範囲の略一致も含まれる。第2のマスクパターン44の開口部44a1の開口径は例えば10μmであり、第1のマスクパターン41の開口部41a1の開口径よりも小さい。
上記したS16〜S17の工程は、第1のマスクパターン41の開口部41a1よりも開口径の小さい開口部44a1を有し、開口部41a1の内側に開口部44a1が位置するように、第1のマスクパターン41の第1のマスク材41aを覆う第2のマスクパターン44を形成する第2パターン形成工程(S200)に対応する。
(S18;テーパー部形成工程)
次に、第2のマスクパターン44の開口部44a1を介して、ノズル形成用基板31aを一方の表面側(第2のマスクパターン44側)からドライエッチングすることにより、ノズル形成用基板31aにテーパー部32aを形成する。このテーパー部32aの形状は、ノズル形成用基板31aの一方の表面側からその厚さ方向に進むにつれて(エッチングストッパー層42に向かうにつれて)、開口幅が広がる逆テーパー形状である。逆テーパーの加工は、RIE(Reactive Ion Etching)装置や、放電形式に誘導結合方式(Inductively Coupled Plasma)を採用したドライエッチング装置であるICP−RIEエッチング装置等のドライエッチング装置を用いて行うことができる。また、プロセスガスには、SF6(六フッ化硫黄)ガスやC48(オクタフルオロシクロブタン)ガスなどを用いることができる。エッチングストッパー層42までエッチングが進むと、そこでエッチングが停止される。このようなエッチングにより、ノズル形成用基板31aの厚さ方向に沿ったテーパー部32aの長さとして、10μm以上が確保される。なお、逆テーパー形状のテーパー部32aの形成方法の詳細については後述する。
(S19;第2のマスクパターン除去工程)
続いて、S18で用いた第2のマスクパターン44を除去する。これにより、第2のマスクパターン44の下地の第1のマスクパターン41が露出する。例えば、S15と同様に、アセトンやアルカリ溶液などを用いたウェットプロセスや、酸素プラズマなどを用いたドライプロセスにより、第2のマスクパターン44を除去することができる。なお、S19の工程は、ノズル形成用基板31aにテーパー部32aを形成した後、第2のマスクパターン44を除去して、第1のマスクパターン41を露出させる第2パターン除去工程に対応する。
(S20;ストレート部形成工程)
次に、露出した第1のマスクパターン41の開口部41a1を介して、ノズル形成用基板31aを一方の表面側からノズル形成用基板31aの厚さ方向にストレートにドライエッチングする。これにより、テーパー部32aと連通するストレート部32bをノズル形成用基板31aに形成する。このときのストレート部32bの加工は、例えばICP装置を用いたボッシュプロセスによって行うことができる。なお、ボッシュプロセスとは、厚さ方向のエッチングと、保護膜による側壁の保護とを繰り返しながらエッチングを行う手法である。例えばSF6ガスを用いたエッチングと、C48ガスなどを用いた側壁の保護とを繰り返すことにより、細くて深い穴を掘ることができる。ストレート部32bの開口径は、開口部41a1の開口径と同じ(例えば15〜30μm)である。また、ストレート部32bは、ノズル形成用基板31aの厚さ方向に沿った長さが10μm以下となるように形成される。このようにして、テーパー部32aおよびストレート部32bからなるノズル32が得られる。
(S21;第1のマスクパターン除去工程)
(S22;エッチングストッパー層除去工程)
最後に、ノズル形成用基板31aの両面の熱酸化膜、すなわち、第1のマスクパターン41およびエッチングストッパー層42を除去する(S21、S22)。これにより、ノズルプレート31が完成する。熱酸化膜の除去方法としては、HF(フッ酸)などの薬品を使ったウェットプロセスや、CF4(四フッ化炭素)ガスまたはCHF3ガスを使ったドライプロセスを採用することができる。
なお、第1のマスクパターン41を除去する工程(S21)は、S20のストレート部形成工程の後、第1のマスクパターン41を除去する第1パターン除去工程に対応する。また、エッチングストッパー層32を除去する工程(S22)は、ストレート部32bの形成後、エッチングストッパー層42を除去するエッチングストッパー層除去工程に対応する。
S22の後、得られたノズルプレート31におけるエッチングストッパー層42が除去された面側を、ノズル32と圧力室22a(図3参照)とが連通するように基板22に接合することにより、インクジェットヘッド21を得ることができる(図4のS7のノズルプレート接合工程)。
以上のように、本実施形態のノズルプレート31の製造方法は、上記した第1パターン形成工程(S100)と、第2パターン形成工程(S200)と、テーパー部形成工程(S18)と、第2のマスクパターン除去工程(S19)と、ストレート部形成工程(S20)とを含む。S18およびS20では、ノズル32のテーパー部32aおよびストレート部32bは、S200で形成された第2のマスクパターン44およびS100で形成された第1のマスクパターン41をそれぞれ用いて、ノズル形成用基板31aに対して同じ側(ノズル形成用基板31aの一方の表面側(エッチングストッパー層42とは反対側))からのドライエッチングによって形成される。つまり、第2のマスクパターン44および第1のマスクパターン41は、ノズル形成用基板31aに対して同じ側にある。これにより、第2のマスクパターン44および第1のマスクパターン41を加工するときの機械精度を良好に確保することが容易となり、第2のマスクパターン44および第1のマスクパターン41のそれぞれの開口部44a1・41a1を、フォトリソグラフィ技術を用いて精度よく(中心位置のズレを抑えながら)形成することが容易となる。
したがって、このような第2のマスクパターン44および第1のマスクパターン41を用いて、テーパー部32aおよびストレート部32bを形成することにより、テーパー部32aとストレート部32bとの位置ズレ(孔の中心位置のずれ)を抑えることができ、これらの位置精度を向上させることができる。
また、テーパー部32aの形成時とストレート部32bの形成時とで、異なるマスク(第2のマスクパターン44、第1のマスクパターン41)を使用しており、同じマスクを再利用しない。したがって、たとえテーパー部32aの形成時に第2のマスクパターン44のエッジ部がエッチングによって後退したとしても、ストレート部32bの形成時には、その第2のマスクパターン44は除去されて使用されないため、ストレート部32bの形成には何ら影響しない。しかも、ストレート部32bの形成時に用いる第1のマスクパターン41は、ストレート部32bの加工対象であるノズル形成用基板31aと密着しているため、ノズル形成用基板31aに対するストレート部32bの加工ずれは生じにくくなる。よって、ストレート部32bの加工精度を向上させて、ストレート部32bの孔径のばらつきを低減することができる。その結果、インクジェットヘッド21において、各ノズル32のストレート部32bからのインク吐出量のばらつきを低減することが可能となる。
また、第1パターン形成工程(S100)は、第1のマスク材形成工程(S11)と、レジストパターン形成工程(S13)と、第1のマスクパターン形成工程(S14)とを含む。第1のマスク材41a上に、開口部41a1に対応する開口部43aを有するレジストパターン43を形成し、そのレジストパターン43をマスクとして、第1のマスク材41aをパターニングすることにより、開口部41a1を有する第1のマスクパターン41を確実に形成することができる。
また、第1のマスク材41aは、酸化シリコン膜(SiO2膜)で形成されている。第1のマスク材41aは金属膜(例えばCr膜)でも形成可能であるが、酸化シリコン膜は、ドライエッチングによるパターニングが容易であるため、第1のマスク材41aとして非常に有効である。また、ノズル形成用基板31aが本実施形態のようにシリコン基板である場合には、シリコン基板の熱酸化によってSiO2膜を容易に形成でき、SiO2膜からなる第1のマスク材41aを容易に実現できるメリットもある。
また、第1パターン形成工程(S100)は、エッチングストッパー層形成工程(S12)を含む。ノズル形成用基板31aの他方の表面上(第1のマスク材41aの形成側とは反対側の表面上)に、エッチングストッパー層42を形成しておくことにより、S18にてテーパー部32aを形成すべく、基板を厚さ方向にエッチングする際に、そのエッチングを所望の位置(エッチングストッパー層42の形成位置)で止めることが可能となる。
また、第2パターン形成工程(S200)は、第2のマスク材形成工程(S16)と、第2のマスクパターン形成工程(S17)とを含む。第1のマスクパターン41における第1の開口部41a1の内側および第1のマスク材41a上に、第1のマスク材41aとは材質の異なる第2のマスク材44aを塗布し、第1の開口部41a1の内側に塗布された第2のマスク材44aの一部を除去することにより、上述した第2のマスクパターン44を確実に形成することができる。つまり、第1の開口部41a1の内側に第2の開口部44a1を有する第2のマスクパターン44を、第1のマスク材41aを覆うように確実に形成することができる。
また、ノズル形成用基板31aの厚み方向に垂直な面内で、第1のマスクパターン41の開口部41a1の開口中心O1と、開口部41a1の内側に形成される第2のマスクパターン44の開口部44a1の開口中心O2とは一致している。これにより、開口部44a1を介してノズル形成用基板31aをドライエッチングすることによって形成されるテーパー部32aと、開口部41a1を介してノズル形成用基板31aをドライエッチングすることによって形成されるストレート部32bとの位置ズレを確実に無くすことができ、テーパー部32aおよびストレート部32bの位置精度を確実に向上させることができる。
また、第2のマスク材44aは、感光性樹脂であるため、フォトリソグラフィ技術を用いて第2のマスク材44aをパターニングして、第2のマスクパターン44を容易に形成することが可能となる。
また、本実施形態のノズルプレート31の製造方法は、第1パターン除去工程としての第1のマスクパターン除去工程(S21)を含む。S20のストレート部形成工程の後、第1のマスクパターン41を除去することにより、ノズルプレート31を得ることができる。
また、本実施形態のインクジェットヘッド21の製造方法は、上記したノズルプレート31の製造方法を用いたインクジェットヘッド21の製造方法であって、テーパー部32aおよびストレート部32bをノズル形成用基板31aに形成して構成されるノズルプレート31と、圧電素子27を支持するとともに圧力室22aが形成された基板22とを、圧力室22aとテーパー部32aとが連通するように接合する工程(S7)を含む。
上述したノズルプレート31の製造方法によれば、テーパー部32aとストレート部32bとの位置ズレを抑えて位置精度を向上させることができるとともに、ストレート部32bの加工精度を向上させて、ストレート部32bの孔径のばらつきを低減することができる。したがって、このようなノズルプレート31を用いてインクジェットヘッド21を構成することにより、ノズル32から吐出されるインクの吐出方向が曲がるのを抑えて、インクの吐出特性を向上させることができるとともに、各ノズル32から吐出されるインクの吐出量のばらつきを低減することができる。
〔テーパー部形成工程の詳細〕
次に、S18のテーパー部形成工程の詳細について説明する。上述したように、逆テーパー形状のテーパー部32aの加工は、ICPを用いたRIE(反応性イオンエッチング)プロセスによって行うことができる。ここでは、加工精度を向上させるため、後にテーパー部32aとなる凹部32c(図11参照)の側壁を保護する保護膜形成ステップ、凹部32cの底面の保護膜を選択的に除去する異方性エッチングステップ、シリコン(ノズル形成用基板31a)を等方的にエッチングする等方性エッチングステップ、の3つのステップを繰り返すことにより、シリコンの深堀り加工を行うボッシュプロセスを利用した。また、ICP装置としては、サムコ製エッチング装置(RIE−800iPB)を使用した。以下、より具体的に説明する。
図11〜図13は、テーパー部形成工程の詳細を示す断面図である。まず、第2のマスクパターン44の開口部44a1の内側を介して露出するノズル形成用基板31aの面31bを覆うように、ノズル形成用基板31a上および第2のマスク材44a上に保護膜45を形成する(工程(a))。保護膜45は、例えばフロロカーボン膜(ポリフッ化ビニリデン)からなり、例えばC48ガスを用いて形成される。このときの保護膜45の形成条件の一例としては、ICPパワー;3000W、圧力;10Pa、C48流量;200sccm、O2流量;10sccmである。
次に、保護膜45を、ノズル形成用基板31aの厚さ方向への異方性エッチングによって選択的に除去する(工程(b))。すなわち、工程(b)では、保護膜45のうち、面31bを覆う保護膜45の一部が上記厚さ方向の異方性エッチングによって除去され、開口部44a1の側壁上および第2のマスク材44a上の保護膜45は残る。上記の異方性エッチングは、選択的に底面の保護膜45を除去するために、SF6ガスから発生させたイオンを、低圧の状況で、ノズル形成用基板31aに負のバイアス電圧を印加してノズル形成用基板31aへ加速させながら行われる。このときの異方性エッチングの条件の一例としては、ICPパワー;750W、バイアス;350W、圧力;2Pa、SF6流量;200sccm、O2流量;10sccmである。
続いて、工程(b)での保護膜45の選択的な除去によって露出するノズル形成用基板31aを等方性エッチングする(工程(c))。等方性エッチングは、SF6ガスから発生させたラジカルにより、等方的にノズル形成用基板31aのシリコンをエッチングすることによって行われる。等方性エッチングの条件の一例としては、ICPパワー;3000W、圧力;30Pa、SF6流量;600sccm、O2流量;10sccmである。この等方性エッチングにより、ノズル形成用基板31aの厚さ方向および厚さ方向に垂直な方向にシリコンがエッチングされ、凹部32cが形成される。
以降では、上述した工程(a)から工程(c)を1サイクルとして、これらの工程を繰り返して行う(図12、図13参照)。なお、2サイクル目以降では、工程(a)における「第2のマスクパターン44の開口部44a1の内側を介して露出するノズル形成用基板31aの面31b」には、凹部32cの内面、すなわち、底面32c1および側面32c2が含まれる。また、工程(b)では、保護膜45が厚さ方向に異方性エッチングされるため、2サイクル目以降では、保護膜45のうち、凹部32cの底面32c1上の保護膜45の一部が選択的に除去され、側面32c2上の保護膜45は除去されずに残る。
本実施形態では、工程(a)から工程(c)の繰り返しごとに、工程(c)のエッチング条件を変更することにより、テーパー部32aをノズル形成用基板31aに形成する。例えば、1サイクル目よりも2サイクル目において、工程(c)のエッチング時間を長くすることにより、1サイクル目で形成される凹部32cよりも2サイクル目で形成される凹部32cのほうが、深さおよび幅(開口径)がともに増大する。したがって、このようにエッチング条件を変更しながら工程(a)から工程(c)を繰り返して行うことにより、エッチングが厚さ方向に進行するにつれて凹部32cの深さおよび幅を徐々に大きくすることができ、最終的に逆テーパー形状のテーパー部32aを得ることができる。また、工程(c)でのエッチングの時間を制御することにより、テーパー部32aの側壁を所望の角度で形成できるとともに、制御の複雑化を招くことなく、逆テーパー形状のテーパー部32aを形成することができる。
逆テーパー形状に加工されたテーパー部32aの側壁には、図13に示すように、スキャロップ32a1と呼ばれる表面の凹凸が残っている。このスキャロップ32a1は、等方性エッチングの時間を長くすればするほど顕著に出現する。スキャロップ32a1は、局所的に電荷が溜まりやすいため、除去されることが望ましい。そこで、例えば逆テーパー形状のテーパー部32aをノズル形成用基板31aに形成した後、ノズル形成用基板31aにバイアス電圧を印加して異方性エッチングを所定の時間行う。これにより、上記のスキャロップ32a1が選択的に除去されたテーパー部32aを得ることができる。
〔ノズルプレートの他の構成〕
図14は、本実施形態のノズルプレート31の他の構成を示す断面図である。ノズルプレート31のノズル形成用基板31aは、SOI基板50であってもよい。SOI基板50は、酸化膜53を介して2枚のシリコン基板51・52を接合した基板である。一方のシリコン基板51は、厚みが10〜30μm程度の活性層である。他方のシリコン基板52は、厚みが50〜500μm程度(好ましくは100〜200μm程度)の支持層である。酸化膜53は、厚みが0.2〜1μmのSiO2膜からなるBOX(Buried Oxide)層である。テーパー部32aおよびストレート部32bからなるノズル32は、例えば活性層(シリコン基板51)に形成される。
SOI基板50において、ノズル32が形成されていない層、すなわち、シリコン基板52および酸化膜53には、ノズル32(特にテーパー部32a)と連通する連通路部54が形成されている。連通路部54は、基板22の圧力室とノズルプレート31のノズル32とを連通する部分である。連通路部54において、基板厚み方向に垂直な方向の幅は、例えば100〜200μmであり、ノズル32よりも広幅となっている。
図15は、SOI基板50を用いた図14のノズルプレート31の製造時の流れを示すフローチャートである。図14のノズルプレート31は、図7で示したエッチングストッパー層形成工程(S12)およびエッチングストッパー層除去工程(S22)を省き、連通路部形成工程(S23)を新たに加えることによって製造することができる。
すなわち、第1パターン形成工程(S100)および第2パターン形成工程(S200)において、シリコン基板51に対して酸化膜53とは反対側の面に第1のマスクパターン41および第2のマスクパターン44(図8、図9参照)を形成する。そして、S18のテーパー部形成工程において、第2のマスクパターン44を用い、開口部44a1を介してシリコン基板51をドライエッチングすることにより、シリコン基板51にテーパー部32aを形成する。その後、S19の第2のマスクパターン除去工程において、第2のマスクパターン44を除去して第1のマスクパターン41を露出させる。そして、S20のストレート部形成工程において、露出した第1のマスクパターン41を用い、開口部41a1を介してシリコン基板51をドライエッチングすることにより、シリコン基板51にストレート部32bを形成する。ストレート部32bの形成後は、S21の第1パターン除去工程にて、第1のマスクパターン41を除去する。
S23の連通路部形成工程では、シリコン基板52および酸化膜53をシリコン基板51とは反対側からドライエッチングすることにより、テーパー部32aと連通する連通路部54を形成する。連通路部54の加工は、ストレート部32bの加工と同様に、例えばICP装置を用いたボッシュプロセスによって行うことができる。なお、S23の連通路部形成工程は、S20のストレート部形成工程の後であればよく、S21の第1のマスクパターン除去工程の前に行われてもよい。連通路部54を形成し、第1のマスクパターン41を除去した後は、連通路部54が圧力室22aと連通するように、基板22とノズルプレート31aとを接合することにより、ノズルプレート31を得ることができる。
このように、SOI基板50を用いる場合でも、テーパー部32aおよびストレート部32bを基板に対して同じ側からの加工によって形成する本実施形態の手法をそのまま利用して、ノズルプレート31を得ることができる。
また、ノズル32から吐出されるインクの吐出特性(特にインク吐出方向の曲がり)は、幅(径)がある程度狭められているテーパー部32aとストレート部32bとの位置精度に依存して決まり、幅の広い連通路部54と幅の狭いノズル32との位置精度とはほとんど関係しない。したがって、所望のインク吐出特性を確保するにあたって、連通路部54とノズル32との位置ズレは、ある程度許容されるため、連通路部54をSOI基板50のノズル32とは反対側からの加工によって形成することが可能となる。
また、SOI基板53の酸化膜53は、連通路部54をエッチングする際のエッチングストッパー層として機能するため、図8のように、ノズル形成用基板31aに、別途のエッチングストッパー層42を形成したり、そのエッチングストッパー層42を最後に除去するなどの工程が不要になる。
本発明のノズルプレートの製造方法は、テーパー部およびストレート部をノズルとして有するノズルプレートの製造に利用可能である。
21 インクジェットヘッド
22 基板(支持基板)
22a 圧力室
27 圧電素子
31 ノズルプレート
31a ノズル形成用基板
32 ノズル
32a テーパー部
32b ストレート部
41 第1のマスクパターン
41a 第1のマスク材
41a1 開口部(第1の開口部)
42 エッチングストッパー層
43 レジストパターン
44 第2のマスクパターン
44a 第2のマスク材
44a1 開口部(第2の開口部)
45 保護膜
50 SOI基板(ノズル形成用基板)
51 シリコン基板
52 シリコン基板
53 酸化膜
54 連通路部
1 開口中心
2 開口中心

Claims (14)

  1. ノズル形成用基板の一方の表面上に、第1の開口部を有する第1のマスクパターンを形成する第1パターン形成工程と、
    前記第1のマスクパターンの前記第1の開口部よりも開口径の小さい第2の開口部を有し、前記第1の開口部の内側に前記第2の開口部が位置するように、前記第1のマスクパターンのマスク材を覆う第2のマスクパターンを形成する第2パターン形成工程と、
    前記第2のマスクパターンの前記第2の開口部を介して、前記ノズル形成用基板を前記一方の表面側からドライエッチングすることにより、前記一方の表面側から前記ノズル形成用基板の厚さ方向に進むにつれて開口幅が広がる逆テーパー形状のテーパー部を前記ノズル形成用基板に形成するテーパー部形成工程と、
    前記テーパー部の形成後、前記第2のマスクパターンを除去して、前記第1のマスクパターンを露出させる第2パターン除去工程と、
    露出した前記第1のマスクパターンの前記第1の開口部を介して、前記ノズル形成用基板を前記一方の表面側から前記ノズル形成用基板の厚さ方向にストレートにドライエッチングすることにより、前記テーパー部と連通するストレート部を前記ノズル形成用基板に形成するストレート部形成工程とを含むことを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  2. 前記テーパー部形成工程では、前記第2の開口部の内側を介して露出する前記ノズル形成用基板の面を覆うように保護膜を形成する工程(a)と、前記保護膜を、前記ノズル形成用基板の厚さ方向への異方性エッチングによって選択的に除去する工程(b)と、前記保護膜の選択的な除去によって露出する前記ノズル形成用基板を等方性エッチングする工程(c)とを繰り返して行うとともに、前記工程(a)から前記工程(c)の繰り返しごとに、前記工程(c)のエッチング条件を変更することにより、前記テーパー部を前記ノズル形成用基板に形成することを特徴とする請求項1に記載のノズルプレートの製造方法。
  3. 前記テーパー部形成工程では、前記工程(a)から前記工程(c)の繰り返しごとに、前記工程(c)でのエッチング時間を長くすることにより、前記テーパー部を前記ノズル形成用基板に形成することを特徴とする請求項2に記載のノズルプレートの製造方法。
  4. 前記第1パターン形成工程は、
    前記ノズル形成用基板の前記一方の表面全体に、前記マスク材を形成する工程と、
    前記マスク材上に、前記第1の開口部に対応する開口部を有するレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして、前記マスク材をパターニングすることにより、前記第1の開口部を有する前記第1のマスクパターンを形成する工程とを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  5. 前記マスク材は、酸化シリコン膜であることを特徴とする請求項4に記載のノズルプレートの製造方法。
  6. 前記第1のマスクパターンの前記マスク材を、第1のマスク材としたとき、
    前記第2パターン形成工程は、
    前記第1のマスクパターンにおける前記第1の開口部の内側および前記第1のマスク材上に、前記第1のマスク材とは材質の異なる第2のマスク材を塗布する工程と、
    前記第1の開口部の内側に塗布された前記第2のマスク材の一部を除去することにより、前記第1の開口部の内側に前記第2の開口部を有する前記第2のマスクパターンを、前記第1のマスク材を覆うように形成する工程とを含むことを特徴とする請求項4または5に記載のノズルプレートの製造方法。
  7. 前記ノズル形成用基板の厚み方向に垂直な面内で、前記第1の開口部の開口中心と前記第2の開口部の開口中心とは一致していることを特徴とする請求項6に記載のノズルプレートの製造方法。
  8. 前記第2のマスク材は、感光性樹脂であることを特徴とする請求項6または7に記載のノズルプレートの製造方法。
  9. 前記第1パターン形成工程は、
    前記ノズル形成用基板の他方の表面上に、エッチングストッパー層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項4から8のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  10. 前記ノズル形成用基板は、酸化膜を介して2枚のシリコン基板を接合したSOI基板であり、
    前記テーパー部形成工程では、前記ノズル形成基板の一方のシリコン基板に前記テーパー部を形成し、
    前記ストレート部形成工程では、前記ノズル形成基板の前記一方のシリコン基板に前記ストレート部を形成し、
    該製造方法は、前記ストレート部形成工程の後、前記他方のシリコン基板および前記酸化膜を、前記一方のシリコン基板とは反対側からドライエッチングすることにより、前記テーパー部と連通する連通路部を前記ノズル形成用基板に形成する連通路部形成工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  11. 前記ストレート部形成工程の後、前記第1のマスクパターンを除去する第1パターン除去工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  12. 前記ノズル形成用基板の厚さ方向に沿った前記ストレート部の長さは、10μm以下であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  13. 前記ノズル形成用基板の厚さ方向に沿った前記テーパー部の長さは、10μm以上であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法を用いてインクジェットヘッドを製造するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記テーパー部および前記ストレート部を前記ノズル形成用基板に形成して構成されるノズルプレートと、圧電素子を支持するとともに圧力室が形成された支持基板とを、前記圧力室と前記テーパー部とが連通するように接合する工程を含むことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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