(1)概要
本実施形態に係る年齢確認システムは、確認者による、対象者の年齢確認を支援するシステムである。ここでいう「年齢確認」は、例えば煙草及び酒類等のように法令等によって特定年齢未満の人への販売が規制されている物品を販売する場合等において、対象者(購入者等)の年齢が特定年齢以上であるか否かを確認者(販売者等)が確認することを意味する。言い換えれば、年齢確認では、対象者の年齢が特定年齢以上である、という条件を満たすか否かが確認される。年齢確認は、条件を満たす(対象者の年齢が特定年齢以上である)ときに「成功」となり、条件を満たさない(対象者の年齢が特定年齢未満である)ときに「失敗」となる。
本実施形態では、年齢確認システムが、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、百貨店、ドラッグストア、家電量販店、ホームセンター等の小売店の店舗に導入され、店員による顧客の年齢確認に用いられる場合を例として説明する。この場合において、店員(販売者)が確認者となり、顧客(購入者)が年齢確認の対象者となる。
この種の店舗において、例えばレジカウンタにセルフレジ(Self-checkout)が設置されているような場合、顧客が商品を購入する際には、顧客の近く(つまりレジカウンタ)に店員が居ない状況が起こり得る。このような状況下で、年齢確認を必要とする特定商品を顧客が購入するには、店員が年齢確認を行うためにレジカウンタに移動する必要があり、顧客においては店員の到着を待つ必要があるため、年齢確認に手間が掛かる。セルフレジのように店員の操作を必要とせずに商品の購入が可能なシステムは、本来、店員の手間の軽減、及びレジカウンタでの待ち行列に並ぶという顧客の手間の軽減が期待されるところ、年齢確認に人(店員及び顧客)の手間が掛かることは特に好ましくない。本実施形態に係る年齢確認システムは、このような状況下においても効率的な年齢確認を可能とする下記の構成を採用することで、人(店員及び顧客)の手間を軽減しつつ、年齢確認を実現する。
すなわち、本実施形態に係る年齢確認システム10は、図2に示すように、管理装置1と、少なくとも1台(図2の例では3台)の携帯端末2A,2B,2Cと、を備えている。以下、複数台の携帯端末2A,2B,2Cを特に区別しない場合には、複数台の携帯端末2A,2B,2Cの各々を「携帯端末2」ということもある。
携帯端末2は、管理装置1との間で双方向の通信が可能である。管理装置1は、年齢確認の対象となる対象者(本実施形態では顧客)を撮像した画像の画像データを含む要求信号を携帯端末2に送信する。携帯端末2は、受信した要求信号に含まれる画像データを用いて、対象者を撮像した画像を含む年齢確認画面を表示する。この状態において、対象者とは別の確認者(本実施形態では店員)は、携帯端末2に表示されている年齢確認画面を見て対象者の年齢確認を行う。携帯端末2は、このようにして確認者が行った年齢確認の結果を確認者の操作として受け付けると、年齢確認の結果を含む応答信号を管理装置1に送信する。
要するに、本実施形態に係る年齢確認システム10においては、対象者を撮像した画像の画像データが管理装置1から携帯端末2に送信されるので、確認者は、携帯端末2に表示される年齢確認画面にて対象者の画像を見て、対象者の年齢確認を行うことができる。しかも、携帯端末2側で行われた年齢確認の結果は、携帯端末2から、要求信号の送信元である管理装置1に返信されるので、年齢確認のための一連の処理は、管理装置1側で開始され管理装置1側で完了することになる。したがって、確認者は、携帯端末2を携帯していれば、対象者から離れた場所に居たとしても、その場に居ながらにして、つまりその場から移動することなく、対象者の年齢確認を行うことができる。また、対象者においては、年齢確認のために、離れた場所に居る確認者の到着を待つ必要がない。結果的に、年齢確認システム10によれば、人(店員及び顧客)の手間を軽減しつつ、年齢確認を実現することができる。
ところで、本実施形態に係る年齢確認システム10は、販売システム4(図2参照)と共に、小売店等の店舗において顧客の買物を支援するための買物支援システム100(図2参照)を構成する。言い換えれば、買物支援システム100は、年齢確認システム10と、販売システム4と、を備えている。
販売システム4は、管理装置1と通信可能であって、商品の販売処理を行うためのシステムである。ここでいう「販売処理」は、売主(店舗)から買主(顧客)に商品の所有権を移転し、これに対する対価(代金)を買主が売り主に支払う行為(売買)に必要な種々の処理を意味する。例えば、顧客が店内でピックアップした商品の商品情報を取得する取得処理、及び顧客から購入を希望する商品の指定を受け付ける注文処理等が、販売処理に含まれる。
買物支援システム100においては、販売システム4と年齢確認システム10とを連動させることにより、下記のような機能を実現する。
すなわち、管理装置1は、販売に際して対象者(本実施形態では顧客)の年齢確認を必要とする特定商品が販売システム4で販売される場合に、携帯端末2に対して要求信号を送信するように構成されている。また、管理装置1は、携帯端末2から年齢確認の成功を表す応答信号を受信すると、販売システム4に許諾信号を送信するように構成されている。
要するに、本実施形態に係る買物支援システム100においては、販売システム4で特定商品が販売されることをトリガにして、管理装置1が携帯端末2に要求信号を送信し、年齢確認システム10での年齢確認のための一連の処理が開始する。また、年齢確認が成功であれば管理装置1から販売システム4に許諾信号が送信されるので、年齢確認システム10で行われた年齢確認の結果を、販売システム4にて受け取ることができる。例えば、顧客が販売システム4を使用して煙草及び酒類等の特定商品を購入しようとした場合、年齢確認システム10での年齢確認が行われ、年齢確認の結果は販売システム4に送られることになる。したがって、本実施形態に係る買物支援システム100によれば、例えば、販売システム4にて販売処理の少なくとも一部について自動化(無人化)を図りながらも、酒類及び煙草等、販売に際して年齢確認を必要とする特定商品についての販売が可能となる。その結果、買物支援システム100によれば、顧客の買物に掛かる店員及び顧客の手間を軽減することができる。
また、このように年齢確認システム10が販売システム4と連動することにより、特定商品が販売されるとき、つまり年齢確認が必要なときにだけ、年齢確認システム10で年齢確認を実施することが可能となる。そのため、特定商品を購入しない顧客についてまで年齢確認が実施される場合に比べて、年齢確認システム10の稼働時間を短縮でき、確認者(本実施形態では店員)の手間を軽減できる。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る年齢確認システム10、及びそれを備えた買物支援システム100について詳しく説明する。本実施形態では、年齢確認システム10及び買物支援システム100が導入される店舗としてコンビニエンスストアを例に説明する。つまり、年齢確認の対象となる対象者はコンビニエンスストアの顧客91(図5参照)であり、確認者はコンビニエンスストアの店員92A,92B,92C(図5参照)である。以下、複数人の店員92A,92B,92Cを特に区別しない場合には、複数人の店員92A,92B,92Cの各々を「店員92」ということもある。
(2.1)全体構成
ここではまず、本実施形態に係る買物支援システム100の全体構成について説明する。買物支援システム100は、図1に示すように、管理装置1、携帯端末2、及び販売システム4に加えて、撮像装置3、買物かご5、荷詰装置61、供給ユニット62、表示装置63、入力装置64及び音声出力部65を備えている。ここで、年齢確認システム10は、複数台の携帯端末2A,2B,2C(図2参照)を備えているが、これら複数台の携帯端末2A,2B,2Cは共通の構成を有するので、図1では、1台の携帯端末2のみを図示し、他の携帯端末2の図示を省略している。
撮像装置3は、顧客91を撮像するカメラである。本実施形態では、撮像装置3は年齢確認システム10の構成要素に含まれることとして説明する。言い換えれば、年齢確認システム10は、管理装置1と、携帯端末2と、撮像装置3と、を備えている。すなわち、管理装置1は、撮像装置3で顧客91を撮像した画像の画像データを、顧客91(対象者)の年齢確認に使用する画像データとして、撮像装置3から取得するように構成されている。
買物かご5は、バッテリと、バッテリからの電力供給を受けて動作する種々の回路及びモジュールとを含む回路ブロックを内蔵している。ただし、操作釦及び表示器等、回路ブロックの一部は買物かご5の表面から露出する。この買物かご5は、単に商品90(図3参照)を収容するだけでなく、販売システム4との通信機能、及び商品90の商品情報を読み取る機能を有している。ここでいう「商品情報」は、商品90を識別するための情報(商品識別コード)であって、例えば日本国で用いられているJAN(Japanese Article Number)コード等である。買物かご5は、例えばバーコードリーダ又はイメージセンサ等を用いて、商品情報を読み取る。これにより、買物かご5は、顧客91が店内でピックアップした商品90を収容しつつ、商品情報を商品90から読み取って販売システム4に送信することができる。
販売システム4は、買物かご5から送信された商品情報を受信する。さらに、販売システム4は、精算処理を行う精算処理システム7と通信可能に構成されている。精算処理システム7は、例えばPOS(Point Of Sales)端末からなる。精算処理システム7では、販売システム4が買物かご5から受信した商品情報に基づいて、商品90についての精算処理を行うことができる。本実施形態では、精算処理システム7は買物支援システム100の構成要素に含まれないこととして説明するが、精算処理システム7は買物支援システム100の構成要素に含まれてもよい。
また、販売システム4は、年齢確認システム10の管理装置1と通信可能に構成されている。年齢確認システム10は、店員92(確認者)による顧客91(対象者)の年齢確認を支援するシステムである。年齢確認システム10においては、管理装置1と携帯端末2との間で双方向に通信が行われることにより、携帯端末2を携帯している店員92は、撮像装置3で撮像された顧客91の画像を見て顧客91の年齢確認を行うことができる。年齢確認の結果(応答信号)は携帯端末2から管理装置1に返信(送信)されるので、販売システム4は、管理装置1から年齢確認の結果を受け取ることができる。
年齢確認システム10については、「(2.2)年齢確認システム」の欄で更に詳しく説明する。販売システム4については、「(2.3)販売システム」の欄で更に詳しく説明する。
荷詰装置61、供給ユニット62、表示装置63、入力装置64及び音声出力部65は、いずれも販売システム4の周辺装置であって、販売システム4に接続されている。
荷詰装置61は、規定位置に置かれた買物かご5内に収容されている商品90を、買物かご5から容器に移すことで、商品90の荷詰めを行う装置である。ここでいう「荷詰め」は、商品90を詰め込むことだけでなく、商品90が入る何らかの容器(入れ物)に商品90を収容する(入れる)ことも含んでいる。買物かご5に複数の商品90が収容されている場合には、荷詰装置61は、これら複数の商品90を一括して容器に移すことも可能である。本実施形態では、容器がポリエチレン製の袋体、いわゆる買物袋(又はレジ袋)である場合を例とする。容器が袋体であるため、荷詰装置61にて行われる「荷詰め」は「袋詰め」の意味である。ただし、荷詰装置61は、容器に商品90を収容する構成であればよく、袋体に限らず、例えばエコバッグ、持ち帰り用のかご、又は箱等の容器に商品を収容(荷詰め)する構成であってもよい。
供給ユニット62は、特定の商品(本実施形態では煙草)を顧客に供給する装置である。表示装置63は、顧客91に向けて各種の表示を行う装置である。入力装置64は、例えばジェスチャ検出等により、顧客91の操作を受け付ける装置である。さらに、入力装置64は、マイクロホンを含み、マイクロホンに入力された音声信号に対して音声認識及び意味解析の処理を施す機能を有している。そのため、顧客91においては音声による操作(音声入力)も可能である。音声出力部65は、スピーカを含み、音声によって顧客91に向けて各種の情報を提示する装置である。
つまり、販売システム4は、表示装置63、入力装置64及び音声出力部65をユーザインタフェースとして用いることにより、表示又は音声によって各種の情報を顧客91に提示したり、顧客91の操作(音声入力を含む)を受け付けたりすることができる。ただし、販売システム4による情報の提示は、表示と音声との少なくとも一方で実現されればよく、表示と音声とのいずれか一方で実現されてもよいし、表示と音声との組み合わせで実現されてもよい。
一例として、販売システム4は、精算金額(支払金額)、及び精算処理の開始時や終了時に、「いらっしゃいませ」、「ありがとうございました」等のメッセージを顧客91に提示することができる。これにより、顧客91に対して、店員92が接客するのに近い親近感を与えることができる。また、顧客91は、例えば入力装置64を操作して支払方法を選択し、表示装置63に表示される精算金額を支払うことにより精算を行う。さらに、販売システム4は、表示装置63及び音声出力部65にて、販売システム4の操作手順を顧客に提示することも可能である。この場合に、表示装置63及び音声出力部65は、例えば買物かご5が規定位置に置かれると、次に煙草の購入の有無を確認するなど、順を追って、操作手順を説明することが好ましい。
ところで、買物支援システム100は、図3に示すように、携帯端末2及び買物かご5を除いて、精算処理システム7と共に、例えば店舗のレジカウンタに設置される1つのカウンタ台8周辺に設けられている。つまり、カウンタ台8周辺には、管理装置1、撮像装置3、販売システム4、精算処理システム7、荷詰装置61、供給ユニット62、表示装置63、入力装置64及び音声出力部65が設けられている。
図3の例では、管理装置1、販売システム4及び荷詰装置61はカウンタ台8に内蔵されている。荷詰装置61は、カウンタ台8を正面から見てカウンタ台8の略中央部となる位置に配置されている。精算処理システム7は、カウンタ台8を正面から見て荷詰装置61の右側に配置されている。管理装置1、販売システム4及び荷詰装置61等が設けられたカウンタ台8は、1つの店舗に対して複数設置されていてもよい。
カウンタ台8には、上面81の長手方向(左右方向)の略中央部に開口する凹所82が形成されている。凹所82は、買物かご5を置くためのスペースを形成する。図3の例では買物かご5は凹所82内に置かれているが、買物かご5は、顧客91が店内を移動する際に手に持って、又はカートに載せて使用するので、定位置には固定されない。凹所82は、カウンタ台8を正面から見て奥に向けて開放されている。凹所82の下方には荷詰装置61が設置されている。
ここで、買物かご5は、例えば底板がスライド可能に構成されている。これにより、買物かご5の底部が開閉可能となり、買物かご5内に収容された商品90を、買物かご5の底部から排出可能となる。そのため、商品90を収容した買物かご5が、規定位置(カウンタ台8の凹所82の底面上)に置かれた状態で、買物かご5の底部が開放されれば、買物かご5内の商品90が荷詰装置61上に排出される。このとき、荷詰装置61は、買物かご5の底部から排出された商品90の荷詰処理を自動的に行う。
供給ユニット62は、カウンタ台8の上方に位置するように、天井に吊り下げられている。
表示装置63は、供給ユニット62の下面に固定されており、例えばプロジェクションマッピング技術により、スクリーンに対して映像を投影するように構成されている。ここでは、表示装置63は、カウンタ台8の上面81のうち、カウンタ台8を正面から見て凹所82の右側の領域に映像を投影する。つまり、カウンタ台8の上面81のうち凹所82の右側の領域が、表示装置63のスクリーン631となる。図3の例では、スクリーン631に、煙草の銘柄を選択するための煙草メニュー画面が表示されている。ただし、表示装置63により映像が投影されるスクリーンは、平面(カウンタ台8の上面81)に限らず、立体形状を有する物体であってもよい。例えば、人の上半身を模したマネキンがスクリーンであれば、表示装置63は、プロジェクションマッピング技術により、マネキンを様々な人物のように見せることができる。
入力装置64は、カウンタ台8の上面81上であって、カウンタ台8を正面から見てスクリーン631の奥に設置されている。入力装置64には、音声出力部65が一体に設けられている。撮像装置3は、入力装置64の上方に設置されている。撮像装置3は、レンズがカウンタ台8を正面から見て手前(顧客91側)に向けられている。ここでは、撮像装置3は入力装置64と一体に設けられている。ただし、撮像装置3は、顧客91の顔を撮像可能な位置にあればよいので、上述した撮像装置3の位置は一例に過ぎず、例えば、供給ユニット62の下面に撮像装置3が固定されていてもよい。
精算処理システム7は、主構成となるコンピュータシステムと、現金の受け渡しを行う現金ユニット等の周辺機器とを含んでいる。精算処理システム7は、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサで実行することにより、販売システム4から受け取った商品情報に基づいて、精算金額の計算等の精算処理を行う。精算処理システム7は、カードリーダ、及びレシートを発行するプリンタを有している。カードリーダでは、例えば決済に用いられるクレジットカード、電子マネー決済用のカード、携帯電話端末、会員カード及びポイントカード等の読み取りが可能である。レシートには、例えば明細や精算金額、購入日時などの情報が記入される。
精算処理システム7は、店舗に設置された店舗サーバと通信可能に構成されている。店舗サーバは、インターネットなどのネットワークを介して、複数の店舗を管理する本部に設置されたセンタサーバと通信可能に構成されている。精算処理システム7は、店舗サーバ又はセンタサーバと通信を行うことにより、例えば商品90又は顧客91に関する情報を、店舗サーバ又はセンタサーバとの間で適宜受け渡しする。
このような買物支援システム100が導入された店舗では、顧客91は、商品90を店内でピックアップして買物かご5に収容し、精算を行った後、自動的に荷詰めされた商品90を受け取る、という一連の処理で、商品90の購入を済ませることができる。したがって、買物支援システム100によれば、店員92及び顧客91の手間を軽減しつつ、例えば精算処理の開始から、商品90が顧客91に渡るまでに掛かる時間を短縮でき、顧客91の買物に掛かる時間を短縮できる。
また、上述した買物支援システム100及び精算処理システム7の各部の位置関係及び形状等は、一例に過ぎず、適宜変更が可能である。例えば、供給ユニット62は、カウンタ台8の上方ではなく、カウンタ台8の側方に設置されていてもよい。荷詰装置61及び凹所82は、カウンタ台8の長手方向(左右方向)の一端部(左端部又は右端部)に配置されていてもよい。さらに、凹所82が、カウンタ台8を正面から見て奥に向けて開放されていることは、買物支援システム100に必須の構成ではない。そもそも、カウンタ台8に凹所82が形成されていることも買物支援システム100に必須の構成ではなく、例えばカウンタ台8の上面81に、買物かご5を置くためのスペースが設定されていてもよい。
(2.2)年齢確認システム
次に、年齢確認システム10について、更に詳しく説明する。
年齢確認システム10は、図1に示すように、管理装置1と、携帯端末2と、撮像装置3と、を備えている。以下ではまず、管理装置1について説明し、続いて携帯端末2について説明する。
管理装置1は、端末通信部11、取得部12、外部通信部13、制御部14、前置処理部15及び推定処理部16を有している。
端末通信部11は、携帯端末2との間で双方向に通信を行う通信モジュールである。端末通信部11は、例えばWi−Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の電波を媒体とする無線通信にて、携帯端末2との通信を行う。
取得部12は、撮像装置3に接続されており、撮像装置3から顧客91を撮像した画像の画像データを取得する。撮像装置3は、本実施形態では管理装置1に対して常時動画を出力しているが、管理装置(取得部12)からの要求があったときにだけ動画、又は静止画を管理装置1に出力する構成であってもよい。さらに、撮像装置3は、本実施形態ではカラーカメラであるが、モノクロカメラであってもよい。
外部通信部13は、販売システム4との間で双方向に通信を行う通信モジュールである。外部通信部13は、例えばLAN(Local Area Network)ケーブルにて販売システム4と接続されている。
制御部14は、コンピュータシステムを主構成とし、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサで実行することにより、端末通信部11等、管理装置1の各部の制御を行う。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネットなどの電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカードなどの記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部14は、取得部12にて撮像装置3から年齢確認の対象となる顧客91(対象者)を撮像した画像の画像データを取得する。さらに、制御部14は、店員92(確認者)に年齢確認を要求するための要求信号を端末通信部11にて携帯端末2に送信する、要求処理部141としての機能を有している。要求処理部141は、少なくとも取得部12が取得した画像の画像データを要求信号に含めて、携帯端末2に要求信号を送信する。詳しくは「(3.2)年齢確認動作」の欄で説明するが、本実施形態では、要求処理部141は、文字データを含む要求信号を送信するように構成されている。つまり、管理装置1から携帯端末2に送信される要求信号には、画像データだけでなく文字データも含まれている。さらに、要求処理部141は、店員92が行った年齢確認の結果を含む応答信号を、端末通信部11にて携帯端末2から受信する。
また、制御部14は、外部通信部13にて販売システム4からの開始信号の受信、及び外部通信部13にて販売システム4への許諾信号の送信を行う。ここでいう「開始信号」は、販売システム4にて例えば特定商品が販売されるときに発生する信号である。ここでいう「許諾信号」は、販売システム4に対して例えば特定商品の販売を許諾する信号である。詳しくは「(3.2)年齢確認動作」の欄で説明するが、制御部14は、販売システム4から開始信号を受信したときに、年齢確認システム10での年齢確認のための一連の処理を開始する。そして、制御部14は、応答信号に含まれる年齢確認の結果が「成功」であるとき、つまり年齢確認システム10での年齢確認が成功したときに、販売システム4に許諾信号を送信する。
前置処理部15は、取得部12及び制御部14に接続されており、取得部12が取得した画像データについて顔検出処理を実行する。つまり、前置処理部15は、撮像装置3から取得した画像データの画像解析を行い、顧客91(対象者)の顔を検出したときに、画像データを含む要求信号を要求処理部141(制御部14)に送信させるように構成されている。これにより、要求処理部141では、要求信号に含まれる画像データを、顧客91の顔が写った画像の画像データに限定することができる。
推定処理部16は、前置処理部15及び制御部14に接続されており、取得部12が取得した画像データに基づいて、顧客91(対象者)の年齢の推定処理を実行する。つまり、推定処理部16は、撮像装置3から取得した画像データの画像解析を行い、顧客91の年齢が特定年齢以上であるか否かを推定する。ここでいう「特定年齢」は、年齢確認システム10での年齢確認において、対象者の年齢と対比させるための基準となる年齢であって、例えば日本において、煙草の販売に係る年齢確認における特定年齢は20歳である。要するに、年齢確認に成功するか否かの見当が、推定処理部16にて自動判定されることになる。推定処理部16の推定結果は、要求処理部141(制御部14)に出力される。要求処理部141は、推定処理部16の推定結果を受けると、推定結果を含む要求信号を携帯端末2に送信するように構成されている。これにより、要求処理部141では、画像データに加え、推定処理部16の推定結果を含む要求信号を、携帯端末2に送信することができる。詳しくは「(3.3)推定処理」の欄で説明するが、推定処理部16の推定結果は、年齢確認システム10の年齢確認の成功/失敗を直ちに決定するのではなく、店員92(確認者)が携帯端末2にて行う年齢確認の補助に用いられる。つまり、推定処理部16の推定結果が、顧客91の年齢が特定年齢以上であることを表す場合に、推定結果を店員92が承諾して初めて年齢確認の成功となり、推定結果を店員92が拒否すれば年齢確認は失敗となる。
本実施形態では、前置処理部15と制御部14との間には、推定処理部16を通らない第1経路と、推定処理部16を通る第2経路とがある。第1経路と第2経路とは、制御部14にて択一的に選択可能である。すなわち、第1経路が選択されている状態では、推定処理部16の機能が無効になり、要求処理部141は、推定処理部16を通さずに前置処理部15から直接的に画像データを取得する。第2経路が選択されている状態では、推定処理部16の機能が有効になり、要求処理部141は、推定処理部16を通して前置処理部15から間接的に画像データを取得する。言い換えれば、管理装置1においては推定処理部16の有効/無効が切替可能である。
携帯端末2は、通信部21、表示部22、操作部23及び制御部24を有している。本実施形態では一例として、携帯端末2は汎用のスマートフォンである。この携帯端末2は、専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、通信部21、表示部22、操作部23及び制御部24として機能する。携帯端末2は店員92によって常時携帯されている。
通信部21は、管理装置1(端末通信部11)との間で双方向に通信を行う通信モジュールである。通信部21は、例えばWi−Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の電波を媒体とする無線通信にて、管理装置1との通信を行う。本実施形態では、携帯端末2は汎用のスマートフォンであるので、例えば管理装置1からの要求信号の受信等、何らかの着信があった場合には、例えば着信音、発光機能又はバイブレーション機能により、店員92に着信を知らせるための着信通知を行う。
表示部22は、通信部21で受信されたデータを用いて表示を行う。表示部22は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)を含んでいる。表示部22は、管理装置1からコンテンツとして配信(送信)されるデータを、映像として表示するブラウザとして機能する。詳しくは「(3.2)年齢確認動作」の欄で説明するが、表示部22は、少なくとも店員92による顧客91の年齢確認を可能とするための年齢確認画面220(図6参照)の表示を行う。すなわち、表示部22は、通信部21が管理装置1から要求信号を受信すると、この要求信号に含まれる画像データを用いて、顧客91(対象者)を撮像した画像を含む年齢確認画面220を表示する。
本実施形態においては、上述したように管理装置1から携帯端末2に送信される要求信号には、画像データだけでなく文字データも含まれている。そこで、表示部22は、要求信号に含まれる文字データを用いて、文字列を含む年齢確認画面220を表示するように構成されている。つまり、表示部22に表示される年齢確認画面220には、顧客91を撮像した画像だけでなく文字列も含まれることになる。
ここでいう「文字列」は、例えば店員92が実行すべき行動(作業)を示唆する情報(以下、「作業指示」ともいう)を含む。具体例として、販売システム4及びその周辺装置のエラーへの対処作業を店員92へ指示する場合には、販売システム4のエラーコード等、販売システム4のエラーを通知する文字列が年齢確認画面220に含まれる。また、いわゆるファストフードの販売、補充等の作業を店員92へ指示する場合には、例えば「肉まん2個の注文が入りました」等、顧客91が注文したファストフードの情報を表す文字列が年齢確認画面220に含まれる。
また、年齢確認画面220に含まれる文字列の他の例として、文字列は、年齢確認において、対象者の年齢と対比させるための基準となる特定年齢を表す情報を含んでいてもよい。具体例として、日本において煙草の販売に係る年齢確認においては、「20歳以上?」のように、特定年齢(この例では20歳)を表す文字列が年齢確認画面220に含まれる。
また、本実施形態では、携帯端末2は汎用のスマートフォンであるので、例えばタッチパネルディスプレイのように、表示部22と、店員92の操作を受け付ける操作部23とが一体化されている。タッチパネルディスプレイにおいては、携帯端末2は、表示部22に表示される各画面上でのボタン等のオブジェクトの操作(タップ、スワイプ、ドラッグ等)が操作部23で検出されることをもって、ボタン等のオブジェクトが操作されたことと判断する。つまり、表示部22及び操作部23は、各種の表示に加えて、店員92からの操作入力を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。
ここで、携帯端末2は、要求信号を受信すると直ちに年齢確認画面220を表示してもよいし、又はプッシュ通知のみを行って店員92による特定の操作(特定のオブジェクトの操作)があって初めて年齢確認画面220を表示してもよい。
制御部24は、コンピュータシステムを主構成とし、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサで実行することにより、通信部21等、携帯端末2の各部の制御を行う。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネットなどの電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカードなどの記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部24は、年齢確認の結果を含む応答信号を通信部21にて管理装置1に送信する、応答処理部241としての機能を有している。すなわち、携帯端末2を携帯している店員92(確認者)は、この携帯端末2の表示部22に表示される年齢確認画面220を見て、顧客91(対象者)の年齢確認を行うことができる。店員92が行った年齢確認の結果は、操作部23にて受け付けられる。このようにして携帯端末2にて年齢確認が行われると、応答処理部241は、少なくとも操作部23で受け付けた年齢確認の結果を応答信号に含めて、管理装置1に応答信号を送信する。制御部24は、応答信号を送信すると、表示部22での年齢確認画面220の表示を終了するように構成されている。
ところで、本実施形態に係る年齢確認システム10は、複数台の携帯端末2A,2B,2Cを備えているので、これら複数台の携帯端末2A,2B,2Cで年齢確認が重複して行われることを防止するために、以下の構成を採用している。
すなわち、管理装置1においては、要求処理部141は、複数台の携帯端末2A,2B,2Cに対して一斉に要求信号を送信するように構成されている。複数台の携帯端末2A,2B,2Cのうち1台の携帯端末2からなる第1携帯端末が応答信号を管理装置1に送信すると、複数台の携帯端末2A,2B,2Cのうち第1携帯端末とは異なる携帯端末2からなる第2携帯端末に対して通知信号が送信される。
一例として、複数台の携帯端末2A,2B,2Cのうち1台の携帯端末2Aが応答信号を管理装置1に送信する場合には、携帯端末2Aが第1携帯端末となり、携帯端末2B,2Cの各々は第2携帯端末となる。この場合、第1携帯端末である携帯端末2Aが応答信号を送信すると、第2携帯端末である携帯端末2B,2Cに対しては通知信号が送信されることになる。通知信号は、例えば第1携帯端末(上記例では携帯端末2A)からの応答信号を受けた管理装置1から、第2携帯端末(上記例では携帯端末2B,2C)に送信される。これにより、複数台の携帯端末2A,2B,2Cのうち1台の携帯端末2Aが応答信号を管理装置1に送信したことが、その他の携帯端末2B,2Cに通知されることになる。ここで、通知信号は、第1携帯端末を特定するための情報、つまり上記例では応答信号の送信元(第1携帯端末)が携帯端末2Aであることを表す情報を、含んでいてもよい。
携帯端末2は、通知信号を受信すると、表示部22での年齢確認画面220の表示を終了するように構成されている。つまり、複数台の携帯端末2A,2B,2Cのうち1台の第1携帯端末(上記例では携帯端末2A)で年齢確認が行われた場合、その他の第2携帯端末(上記例では携帯端末2B,2C)では通信信号を受けて年齢確認画面220の表示が自動的に終了する。これにより、複数台の携帯端末2A,2B,2Cで年齢確認が重複して行われることが防止される。
(2.3)販売システム
次に、販売システム4について、更に詳しく説明する。
販売システム4は、図1に示すように、第1通信部41、第2通信部42、第3通信部43、制御部44、記憶部45及びインタフェース46を有している。
第1通信部41は、年齢確認システム10の管理装置1(外部通信部13)との間で双方向に通信を行う通信モジュールである。第1通信部41は、例えばLANケーブルにて年齢確認システム10(管理装置1)と接続されている。
第2通信部42は、買物かご5との間で双方向の通信を行う通信モジュールである。第2通信部42は、少なくとも買物かご5から送信される商品情報を受信する。本実施形態では、第2通信部42は、赤外線又は可視光等の光を媒体とする光無線通信にて、買物かご5との通信を行う。そのため、第2通信部42は、カウンタ台8の凹所82の内周面であって、買物かご5が規定位置(カウンタ台8の凹所82の底面上)に置かれたときに買物かご5の送受信部と対向する位置に、外付けの送受光部を有している。
ここで、買物かご5に複数の商品90が収容されている場合には、販売システム4は、これら複数の商品90から買物かご5が読み取った複数の商品情報を、第2通信部42にて買物かご5から一括で取得することが可能である。また、第2通信部42は、複数の商品情報を一括して買物かご5から受信するだけでなく、商品情報を1つずつ買物かご5から受信することも可能である。
第3通信部43は、精算処理システム7との間で双方向に通信を行う通信モジュールである。第3通信部43は、例えばLANケーブルにて精算処理システム7と接続されている。販売システム4は、第3通信部43を介して精算処理システム7と常時同期可能な状態にある。さらに、精算処理システム7は店舗サーバ及びセンタサーバと通信可能であるから、販売システム4は、精算処理システム7を介して店舗サーバ及びセンタサーバとも通信可能である。
本実施形態では、商品情報に対応する価格データは精算処理システム7に記憶されている。また、商品情報に対応する広告、割引情報、生産者情報、及びレシピ情報などの情報、更には、顧客情報に対応する顧客の性別、年齢、嗜好、及び顧客の過去の購買履歴などについても、精算処理システム7、店舗サーバ又はセンタサーバに記憶されている。販売システム4に記憶されていないこれらの情報についても、販売システム4が精算処理システム7、店舗サーバ又はセンタサーバと通信することで、販売システム4にて利用可能である。
制御部44は、コンピュータシステムを主構成とし、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサで実行することにより、第1通信部41等、販売システム4の各部の制御を行う。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネットなどの電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカードなどの記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部44は、第2通信部42にて買物かご5から商品情報を取得する。さらに、制御部44は、商品情報に基づいて商品90の価格を表す価格データを、第3通信部43にて精算処理システム7から取得する。ここでいう「価格データ」は複数の商品90の価格(単価)を表す内容を含んでいればよく、価格以外の内容を含んでいてもよい。本実施形態では、価格データは、例えば商品名、個数、重量データ、消費税及び合計金額(精算金額)等のデータも含んでいる。価格データの取得先は、精算処理システム7に限らない。
また、制御部44は、取得した価格データを用いて購入リストを作成する。ここでいう「購入リスト」は、少なくとも価格データを含む商品90についての情報の一覧である。本実施形態では、購入リストは、商品名、価格(単価)、個数、消費税、合計金額(精算金額)等を含んでいる。作成された購入リストは、例えば表示装置63にて表示される。
また、制御部44は、年齢確認システム10(管理装置1)、又は買物かご5に対して、種々の表示データを送信することも可能である。年齢確認システム10に送信される表示データは、年齢確認システム10の携帯端末2に表示させるためのデータであって、第1通信部41から送信される。買物かご5に送信される表示データは、買物かご5の表示器に表示させるためのデータであって、第2通信部42から送信される。年齢確認システム10に送信される表示データとしては、例えば、販売システム4及びその周辺装置のエラーコード等、店員92が実行すべき行動を示唆する情報(作業指示)がある。買物かご5に送信される表示データとしては、例えば、広告、又は顧客91に適したリコメンド(recommend)情報等がある。表示データを送信する場合、レジカウンタから離れた位置にある買物かご5と通信できるように、第2通信部42は、例えばWi−Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の電波を媒体とする無線通信にて、買物かご5と通信を行うことが好ましい。
記憶部45は、例えば店員92が行った作業の記録となる作業ログを記憶する。年齢確認システム10は、店員92が携帯する携帯端末2と管理装置1との間の信号のやり取りを経て年齢確認を行うシステムであるので、例えば携帯端末2と管理装置1との間の通信記録を、店員92が年齢確認という作業を行った記録として残すことができる。そこで、販売システム4は、年齢確認システム10の管理装置1から携帯端末2との通信記録を取得し、店員92が行った作業(年齢確認)の記録(作業ログ)を店員92ごとに記憶部45に記憶する。また、年齢確認システム10において、携帯端末2が店員92への作業指示の伝達に用いられる場合には、販売システム4は、管理装置1が携帯端末2に送信した作業指示の記録を取得し、作業ログとして店員92ごとに記憶部45に記憶する。さらに、記憶部45は、店舗を利用した顧客91の性別、年齢、嗜好、及び顧客の過去の購買履歴等について、顧客91が店舗を最後に利用してから一定期間(例えば2週間)だけ記憶するように構成されていてもよい。
インタフェース46は、販売システム4の周辺装置と、販売システム4とを接続するためのインタフェースである。インタフェース46には、周辺装置である荷詰装置61、供給ユニット62、表示装置63、入力装置64及び音声出力部65が接続される。インタフェース46は、接続先によって種々の態様をとっており、荷詰装置61及び供給ユニット62に対しては、例えばEtherCAT(登録商標):「Ethernet(登録商標) for Control Automation Technology」にて接続される。
また、本実施形態では、販売システム4は、店舗に陳列されていない指定商品の販売処理を実行する。つまり、販売システム4は、買物かご5に収容された商品90の販売処理に加えて、指定商品の販売処理を行う。ここでいう「指定商品」は、例えば供給ユニット62にて供給される煙草、並びに、中華まん、から揚げ及びおでん等、カウンタ台8周辺に設置された什器にストックされている商品(いわゆるファストフード)である。具体的には、販売システム4は、表示装置63、入力装置64、音声出力部65等を用いて、顧客91からの指定商品の注文を受け付け、指定商品の販売処理を行う。さらに、販売システム4は、指定商品の販売履歴から指定商品の在庫数を監視する。
また、販売システム4は、顧客91に関する顧客情報を取得する機能を有している。ここでいう「顧客情報」は、個々の顧客に関する情報であって、少なくとも顧客を識別する顧客識別情報(顧客ID)を含んでいればよい。販売システム4は、例えば会員カード、ポイントカード又はクレジットカード等の各種カード等から、カードリーダにより顧客情報を取得してもよいし、顧客91の携帯情報端末との通信、又は生体認証(顔認証を含む)等によって顧客情報を取得してもよい。さらに、販売システム4は、顧客情報を直接的に取得する構成に限らず、例えば精算処理システム7が各種カード等から読み取った顧客情報を、精算処理システム7との通信により精算処理システム7から間接的に取得してもよい。又は、販売システム4は、例えば買物かご5が各種カード等から読み取った顧客情報を、買物かご5との通信により買物かご5から間接的に取得してもよい。
(3)動作
以下、本実施形態に係る買物支援システム100の動作について説明する。
(3.1)基本動作
まず、顧客91の来店から商品90の荷詰めが完了するまでの間における、買物支援システム100の基本動作について説明する。
来店した顧客91は、まず、かご置場から買物かご5を取る。その後、顧客91は、買物かご5を持ったまま店内を移動し、購入を希望する商品90を1つずつ、買物かご5に収容する。このとき、買物かご5は、例えば商品90のバーコードを光学的に読み取って、商品90についての商品情報を取得する。
その後、顧客91は、購入を希望する商品90を全て収容した買物かご5を、規定位置(カウンタ台8の凹所82の底面上)に置く。このとき、買物かご5が規定位置に置かれたことを、例えばカウンタ台8の凹所82の底面に設置されている検知部が検知する。販売システム4は、検知部の検知結果を受けて、買物かご5との通信を開始し、買物かご5から商品情報を取得する。
商品情報を取得すると、販売システム4は、商品情報を、第3通信部43から精算処理システム7に送信(転送)する。販売システム4は、商品情報に対する返信(応答)として精算処理システム7から送信される価格データを、第3通信部43にて取得する。さらに、販売システム4は、取得した価格データを用いて、商品90についての情報の一覧である購入リストを作成する。
このとき、販売システム4は、販売に際して年齢確認を必要とする特定商品が、購入リストに含まれているか否かを判断する。本実施形態では、酒類(酒類商品)を、このような特定商品の一例とする。つまり、販売システム4は、買物かご5に収容されている商品90の中に酒類が含まれているか否かを、購入リストを参照して判断する。そして、購入リストに酒類が有れば、販売システム4は、開始信号を、第1通信部41から年齢確認システム10に送信する。開始信号を受けた年齢確認システム10は、年齢確認のための一連の処理を開始する。年齢確認システム10の動作については、「(3.2)年齢確認動作」の欄にて詳しく説明する。
年齢確認システム10での年齢確認に成功した(つまり販売システム4が許諾信号を受信した)場合、又は購入リストに酒類が含まれていない場合、販売システム4は、特定商品である煙草の購入の有無を確認する煙草確認画面を、表示装置63に表示させる。この煙草確認画面において「煙草の購入有り」が選択されると、販売システム4は、開始信号を、第1通信部41から年齢確認システム10に送信する。年齢確認システム10での年齢確認に成功する(つまり販売システム4が許諾信号を受信する)と、販売システム4は、煙草の銘柄を選択するための煙草メニュー画面(図3参照)を、表示装置63に表示させる。ただし、購入リストに酒類が有って、既に年齢確認に成功している場合には、販売システム4は、煙草確認画面で「煙草の購入有り」が選択された後、直ちに煙草メニュー画面を表示装置63に表示させてもよい。
この煙草メニュー画面は、階層構造であって、例えば銘柄、価格帯、又はタール及びニコチン量などによって絞り込みが可能である。ここで、販売システム4が顧客91に関する顧客情報を取得している場合には、販売システム4は、顧客情報に基づいて銘柄等が絞り込まれた状態の煙草メニュー画面を、表示装置63に表示させてもよい。煙草メニュー画面において、特定の煙草が選択されると、販売システム4は、特定の煙草の商品情報を、供給ユニット62に送信する。供給ユニット62は、供給ユニット62にストックされている複数の煙草の中から、特定の煙草を選択して、排出口621(図3参照)に排出する。これにより、顧客91は、排出口621に排出された煙草を受け取ることができる。また、販売システム4は、精算処理システム7から煙草の価格データを取得し、購入リストに追加する。
供給ユニット62からの煙草の供給が完了するか、又は煙草確認画面で「煙草の購入無し」が選択されると、販売システム4は、精算処理に移行する。このとき、販売システム4は、購入リストを含む精算確認画面を、表示装置63に表示させる。この精算確認画面で精算開始が選択されると、販売システム4は、精算処理システム7に精算処理を開始させる。精算処理では、販売システム4は、単なるユーザインタフェースとして機能し、決済自体は精算処理システム7にて行われる。ここで、購入リストに酒類が含まれていると判断された時点から酒類に係る精算処理の完了までの、酒類の販売に関する一連の処理が、「酒類の販売処理」となる。同様に、煙草確認画面で「煙草の購入有り」が選択された時点から煙草に係る精算処理の完了までの、煙草の販売に関する一連の処理が、「煙草の販売処理」となる。
また、年齢確認システム10での年齢確認に失敗した場合、販売システム4は、特定商品(ここでは酒類及び煙草)の販売処理を中止する。詳しくは「(3.2)年齢確認動作」の欄で説明するが、年齢確認システム10が年齢確認に失敗した場合、年齢確認システム10から販売システム4に拒否信号が送信され、許諾信号は送信されない。つまり、販売システム4は、許諾信号を受信するか否かによって、年齢確認システム10での年齢確認の成功/失敗を判断できる。煙草の販売処理において年齢確認に失敗した場合には、販売システム4は、煙草の販売処理を中止して精算処理に移行する。酒類の販売処理において年齢確認に失敗した場合には、販売システム4は、煙草確認画面を表示せず、酒類の販売処理を中止して直ちに精算処理に移行する。
精算処理の開始後、販売システム4は、荷詰装置61に荷詰めを実行させる。つまり、販売システム4は、精算処理システム7に精算処理を開始させた後、荷詰装置61に対して、荷詰処理を開始させるための制御信号を送信する。これにより、荷詰装置61は、商品90についての精算処理中に、商品90を買物かご5から容器に移す。ただし、荷詰装置61での荷詰処理が完了して商品90が収容された容器を顧客91が受け取り可能となるのは、精算処理が完了した後であることが好ましい。
また、販売システム4は、例えば煙草の購入の有無の選択、及び煙草販売処理での煙草の選択等について、入力装置64により、顧客91の操作(ジェスチャ及び音声入力等)を受け付ける。
(3.2)年齢確認動作
次に、買物支援システム100における年齢確認動作について、図4〜図7を参照して詳しく説明する。ここでは、図5に示すように、1つの店舗において複数人(ここでは3人)の店員92A,92B,92Cの各々が携帯端末2を携帯している場合を想定する。この場合に、店員92Aが携帯端末2Aを、店員92Bが携帯端末2Bを、店員92Cが携帯端末2Cを、それぞれ携帯していることとする。「(3.2)年齢確認動作」の欄では、推定処理部16が無効である(つまり第1経路が選択されている)状態の買物支援システム100の動作について説明する。
図4は、買物支援システム100における年齢確認動作に係る処理、及び信号の送受信の一例を概略的に表したシーケンス図である。
図4に示すように、販売システム4にて、購入リストに酒類が含まれていると判断された場合、又は煙草確認画面で「煙草の購入有り」が選択された場合、管理装置1は販売システム4からの開始信号を受信する。つまり、販売に際して年齢確認を必要とする特定商品(酒類、煙草等)の購入を顧客91が希望した場合(S1)、年齢確認システム10(管理装置1)は販売システム4から開始信号を受信し(S2)、年齢確認のための一連の処理を開始する。
管理装置1は、開始信号を受信すると、まず取得部12にて、顧客91を撮像した画像の画像データを撮像装置3から取得する(S3)。このとき、管理装置1は、前置処理部15にて顔検出処理を実行し、顧客91(対象者)の顔を検出したときに、画像データを含む要求信号を要求処理部141にて送信する。つまり、管理装置1は、カウンタ台8の正面に立つ顧客91が顔を正面(カウンタ台8側)に向けている状態において、撮像装置3から画像データを取得し、要求信号を携帯端末2に送信する(S4)。
ここで、図5に示すように、店舗には複数台の携帯端末2A,2B,2Cがあるので、管理装置1は、これら複数台の携帯端末2A,2B,2Cに対して要求信号を無線通信により送信する。具体的には、管理装置1は、複数台の携帯端末2A,2B,2Cに対してマルチキャストにより一斉(同時)に要求信号を送信する。各携帯端末2は、要求信号を受信すると、例えば着信音、発光機能又はバイブレーション機能により着信通知を行い、図6に例示するような年齢確認画面220を表示部22にて表示する(図4のS5,S6,S7)。
このとき、携帯端末2に表示される年齢確認画面220は、図6に示すように画像221、OKボタン222、NGボタン223、文字領域224、第1カーソル225、第2カーソル226、通知ボタン227及び履歴ボタン228を含んでいる。画像221は、撮像装置3で撮像された顧客91(対象者)、つまりカウンタ台8の正面に立つ顧客91の画像であって、要求信号に含まれる画像データを用いて表示される。OKボタン222は、顧客91の年齢が特定年齢以上である(つまり年齢確認が「成功」)と店員92が判断したときに、店員92が操作(タップ)するオブジェクトである。NGボタン223は、顧客91の年齢が特定年齢未満である(つまり年齢確認が「失敗」)と店員92が判断したときに、店員92が操作(タップ)するオブジェクトである。文字領域224は、文字列を表示するための領域であって、要求信号に含まれる文字データを用いて表示される。図6の例では、文字領域224には、年齢確認において、対象者の年齢と対比させるための基準となる特定年齢を表す情報を含む文字列として、「20歳以上?」という文字列が表示されている。第1カーソル225及び第2カーソル226は、画像221を切り替える際に、店員92が操作(タップ)するオブジェクトである。通知ボタン227は、携帯端末2の表示を年齢確認画面220から通知画面へ切り替える際に、店員92が操作(タップ)するオブジェクトである。通知画面は、例えば販売システム4からの指示(開始信号)に従って、店員92が実行すべき行動(作業)を示唆する情報(作業指示)を表す画面である。作業指示の具体例については後述する。履歴ボタン228は、作業ログ等の履歴を携帯端末2で確認する際に、店員92が操作(タップ)するオブジェクトである。
これにより、携帯端末2を携帯する店員92においては、表示部22に表示された顧客91の画像221を見て、年齢確認を行うことができる。ここでは一例として、図5に示すように、棚卸作業中の店員92A、清掃中の店員92B、接客中の店員92Cのうち、店員92Aが年齢確認を行う場合を想定する。この場合、店員92Aは、自身が携帯する携帯端末2Aに表示された年齢確認画面220を見て、年齢確認を行う。このとき、画像221において顧客91の顔が下を向いている等により、画像221からの顧客91の年齢の判別が困難な場合には、店員92Aは、第1カーソル225又は第2カーソル226を操作して画像221を切り替えることができる。第1カーソル225が操作されると、画像221が時系列的に1つ手前の(古い)画像に切り替わる。第1カーソル225が操作されると、画像221が時系列的に1つ先の(新しい)画像に切り替わる。第1カーソル225又は第2カーソル226が操作されたときに画像221を切り替えるためには複数の画像データが必要である。これら複数の画像データは、要求信号に含めて管理装置1から携帯端末2にまとめて送信されてもよいし、第1カーソル225又は第2カーソル226が操作される度に1つずつ管理装置1から携帯端末2に送信されてもよい。
例えば、確認者である店員92Aは、カウンタ台8の正面に立つ対象者である顧客91の顔を、カウンタ台8から離れた位置、又はカウンタ台8の死角からでも、携帯端末2Aに表示される画像221によって確認することができる。このとき、店員92Aは、顧客91の年齢が特定年齢以上であると判断すると、OKボタン222を操作し、「承諾」の操作を行う。これにより、携帯端末2Aは、店員92Aから「承諾」の操作を受け付け(図4のS8)、年齢確認の結果(この場合は「成功」)を含む応答信号を、管理装置1に送信する(S9)。
携帯端末2Aから年齢確認の成功を表す応答信号を受信した管理装置1は、携帯端末2Aに対して確認応答(ACK)を送信する(S10)。携帯端末2Aは、管理装置1からの確認応答を受信するまでは、規定の再送回数を上限として応答信号を繰り返し送信する。携帯端末2Aは、管理装置1からの確認応答を受信したことをもって応答信号の送信を終了し、表示部22での年齢確認画面220の表示を終了する。
管理装置1は、確認応答を送信後、販売システム4に対して許諾信号を送信する(S11)。さらに、管理装置1は、応答信号の送信元である携帯端末2A(つまり第1携帯端末)以外の携帯端末2B,2C(つまり第2携帯端末)に対して、通知信号を送信する(S12)。ここでは、管理装置1は、携帯端末2B,2Cに対してマルチキャストにより一斉(同時)に通知信号を送信する。携帯端末2B,2Cは、通知信号を受信すると、表示部22での年齢確認画面220の表示を終了する。
許諾信号を受信した販売システム4は、年齢確認システム10での年齢確認に成功したと判断し、特定商品(酒類、煙草等)の販売処理を継続する(S13)。例えば酒類の販売に際しての年齢確認に成功した場合、販売システム4は、煙草確認画面を表示装置63に表示させる。例えば煙草の販売に際しての年齢確認に成功した場合、販売システム4は、煙草メニュー画面を表示装置63に表示させる。
図4では、上述したように年齢確認システム10での年齢確認に成功した場合の動作を例示しているが、年齢確認システム10での年齢確認に失敗した場合、買物支援システム100は以下のように動作する。
すなわち、顧客91の年齢が特定年齢未満であると店員92Aが判断すると、NGボタン223を操作し、「拒否」の操作を行うことになる。この場合、携帯端末2Aは、店員92Aから「拒否」の操作を受け付け、年齢確認の結果(この場合は「失敗」)を含む応答信号を、管理装置1に送信する。その後、管理装置1は確認応答を送信し、携帯端末2Aは年齢確認画面220の表示を終了する。
管理装置1は、確認応答を送信後、販売システム4に対して許否信号を送信する。さらに、管理装置1は、携帯端末2B,2Cに通知信号を送信し、携帯端末2B,2Cでの年齢確認画面220の表示を終了させる。拒否信号を受信した販売システム4は、年齢確認システム10での年齢確認に失敗したと判断し、特定商品(酒類、煙草等)の販売処理を中止する。例えば煙草の販売処理において年齢確認に失敗した場合、販売システム4は、煙草の販売処理を中止して精算処理に移行する。酒類の販売処理において年齢確認に失敗した場合、販売システム4は、酒類の販売処理を中止して直ちに精算処理に移行する。
また、販売システム4が開始信号を送信後、管理装置1から許諾信号及び拒否信号のいずれも受信しないまま、一定時間が経過(タイムアウト)した場合にも、年齢確認システム10での年齢確認は失敗となる。つまり、複数人の店員92A,92B,92Cのいずれも、一定時間内に年齢確認を行わなかった場合には、販売システム4は、年齢確認システム10での年齢確認は失敗と判断し、特定商品(酒類、煙草等)の販売処理を中止する。
すなわち、顧客91が特定商品(酒類、煙草等)を購入する場合、販売システム4は、年齢確認のために販売処理を一時的に中断し、年齢確認システム10から許諾信号を受信するまでは、販売処理を再開せず待機状態となる。販売システム4は、年齢確認システム10での年齢確認に失敗した場合、「年齢確認ができませんでした」等のメッセージを表示装置63に表示させることが好ましい。
ところで、特定商品によっては、年齢確認において、対象者の年齢と対比させるための基準となる特定年齢が他の特定商品と異なる場合がある。例えば日本において、酒類及び煙草等の販売に係る年齢確認の特定年齢は20歳であり、成人向け雑誌等の販売に係る年齢確認の特定年齢は18歳である。本実施形態では、年齢確認画面220の文字領域224に、「20歳以上?」のように特定年齢(この例では20歳)を表す文字列が表示されることにより、年齢確認を行う店員92に対して年齢確認の基準となる年齢(特定年齢)が通知される。つまり、特定年齢が18歳である特定商品(例えば成人向け雑誌等)の販売に際しては、年齢確認画面220の文字領域224には、例えば「18歳以上?」等の文字列が表示されることになる。
したがって、店員92は、携帯端末2に表示される年齢確認画面220を見ることで、特定商品に合わせた年齢確認が可能となる。ここにおいて、年齢確認画面220に表示される文字列は特定年齢を表していればよく、例えば「煙草の販売を許可?」等のように、年齢確認を必要としている特定商品(この例では煙草)を表すことにより、特定年齢を間接的に表す文字列であってもよい。
要求信号に含まれる文字データ、つまり年齢確認画面220に表示させる文字列の内容は、例えば販売システム4からの指示(開始信号)によって決定されることが好ましい。すなわち、販売システム4が年齢確認システム10(管理装置1)に開始信号を送信する際、開始信号には、特定年齢を表す情報(特定年齢自体、又は年齢確認を必要としている特定商品の情報)が含まれることが好ましい。
また、年齢確認画面220の文字領域224には、例えば販売システム4からの指示(開始信号)に従って、店員92が実行すべき行動(作業)を示唆する情報(作業指示)を表す文字列が表示されてもよい。具体例として、販売システム4のエラーコード等、販売システム4のエラーを通知する文字列、又は「肉まん2個の注文が入りました」等、顧客91が注文したファストフードの情報を表す文字列が、年齢確認画面220の文字領域224に表示される。ここで、例えばファストフードの販売等、顧客91の応対を要する作業指示があった場合には、店員92は、年齢確認画面220の画像221を見て、応対すべき顧客91を特定することが可能である。例えば「肉まん2個の注文が入りました」との文字列が文字領域224に表示された場合には、店員92は、年齢確認画面220の画像221に写っている顧客91に対して、「肉まん2個」を販売(提供)すべきことを年齢確認画面220から把握できる。
ところで、上述したような年齢確認動作は、携帯端末2に着目すると図7に示すような動作となる。図7は、携帯端末2の動作を示すフローチャートである。
すなわち、携帯端末2は、図7に示すように定常時においては管理装置1からの要求信号を待ち受ける受信待ち状態にある(S21)。受信待ち状態において要求信号を受信すると(S21:Yes)、携帯端末2は、店員92に着信を知らせるための着信通知を行う(S22)。その後、携帯端末2は、年齢確認画面220を表示部22にて表示し(S23)、操作部23による店員92の操作を待ち受ける操作待ち状態となる(S24)。
操作待ち状態において操作部23で操作を受け付けると(S24:Yes)、携帯端末2は、OKボタン222及びNGボタン223のどちらが操作されたかを判断する(S25)。
OKボタン222が操作されれば(S25:Yes)、携帯端末2は、年齢確認について成功と判断し(S26)、年齢確認の結果(この場合は「成功」)を含む応答信号を、管理装置1に送信する(S27)。その後、携帯端末2は、管理装置1からの確認応答を受信すると、応答信号の送信を終了して、表示部22での年齢確認画面220の表示を終了する(S28)。
一方、NGボタン223が操作されれば(S25:No)、携帯端末2は、年齢確認について失敗と判断し(S29)、年齢確認の結果(この場合は「失敗」)を含む応答信号を管理装置1に送信して(S27)、年齢確認画面220の表示を終了する(S28)。
また、操作待ち状態においては、携帯端末2は、定期的に通知信号を受信したか否かを判断しつつ(S30)、操作待ち状態を継続する。携帯端末2は、通知信号を受信すると(S30:Yes)、操作待ち状態を終了して、表示部22での年齢確認画面220の表示を終了する(S28)。また、操作待ち状態の開始後、通知信号を受信しないまま(S30:No)、一定時間が経過(タイムアウト)した場合にも、携帯端末2は、表示部22での年齢確認画面220の表示を終了する(S28)。
ところで、年齢確認システム10は、過去に行った年齢確認の記録(ログ)を利用して、上述したような年齢確認動作を省略してもよい。具体的には、顧客91ごとに、過去に行った年齢確認の記録を、顧客情報に対応付けて精算処理システム7、店舗サーバ又はセンタサーバに記憶しておくことで、既に年齢確認に「成功」している顧客91については年齢確認動作を省略可能となる。つまり、販売システム4又は年齢確認システム10は、顧客91に関する顧客情報に基づいて、この顧客91についての過去の年齢確認の記録を参照し、年齢確認の記録が「成功」であれば、過去の年齢確認の結果(成功)を援用し、新たな年齢確認を省略する。
さらに、過去に行った年齢確認の記録(ログ)を利用する場合において、過去に行った年齢確認の記録と、その際に使用した画像(以下「参照画像」という)の画像データとが、対応付けて記憶されていることが好ましい。この場合、年齢確認システム10は、撮像装置3から取得した顧客91の画像の「顔」が、この顧客91の顧客情報に対応する参照画像の「顔」と一致する場合にのみ、過去の年齢確認の結果を援用する。これにより、本人以外が会員カード等を使用する、いわゆる「なりすまし」によって、年齢確認が不正に省略されることを防止できる。
ここで、過去に行った年齢確認の記録及び参照画像の画像データ等を精算処理システム7等に記憶する期間は、過去の一定期間(例えば直近の2週間)に限定されていることが好ましい。
(3.3)推定処理
次に、推定処理部16が有効である(つまり第2経路が選択されている)状態の買物支援システム100の年齢確認動作について説明する。以下、「(3.2)年齢確認動作」の欄で説明した動作と実質的に同一の動作に対する重複説明を省略する場合がある。
管理装置1は、開始信号を受信すると、まず取得部12にて、顧客91を撮像した画像の画像データを撮像装置3から取得する。このとき、管理装置1は、推定処理部16にて顧客91(対象者)の年齢の推定処理を実行する。つまり、管理装置1は、撮像装置3から取得した画像データから、例えば目、鼻及び口等の特徴量(位置、濃淡又は皺の数等)を抽出し、これらの特徴量から顧客91の年齢を推定年齢として求めて、推定年齢が特定年齢以上であるか否かを判定する。管理装置1は、推定処理が完了すると、画像データに加えて推定処理部16の推定結果を含む要求信号を、要求処理部141にて送信する。つまり、管理装置1は、画像データ及び推定処理部16の推定結果を含む要求信号を携帯端末2に送信する。
この場合、携帯端末2に表示される年齢確認画面220は、図6の例と同様に、画像221、OKボタン222、NGボタン223及び文字領域224を含んでいる。ただし、文字領域224には、図6の例とは異なり、推定処理部16の推定結果を踏まえた内容の文字列が表示される。推定処理部16の推定結果が、推定年齢が特定年齢以上であることを表す場合、文字領域224には、例えば「20歳以上で間違いないですか?」という文字列が表示される。携帯端末2を携帯する店員92は、このような年齢確認画面220を見て、推定処理部16の推定結果を承諾/拒否のいずれかの判定を行う。
すなわち、店員92は、推定処理部16の推定結果を承諾する場合には、OKボタン222を操作し、「承諾」の操作を行う。これにより、携帯端末2は、店員92から「承諾」の操作を受け付け、年齢確認の結果(この場合は「成功」)を含む応答信号を、管理装置1に送信する。一方、推定処理部16の推定結果を拒否する場合には、店員92は、NGボタン223を操作し、「拒否」の操作を行うことになる。この場合、携帯端末2は、店員92から「拒否」の操作を受け付け、年齢確認の結果(この場合は「失敗」)を含む応答信号を、管理装置1に送信する。
また、推定処理部16の推定結果が、推定年齢が特定年齢未満であることを表す場合、文字領域224には、例えば「20歳未満です。間違いないですか?」という文字列が表示される。この場合においては、店員92がOKボタン222を操作し、推定結果について「承諾」の操作を行うと、携帯端末2は、年齢確認の結果(この場合は「失敗」)を含む応答信号を、管理装置1に送信する。一方、店員92がNGボタン223を操作し、推定結果について「拒否」の操作を行うと、携帯端末2は、年齢確認の結果(この場合は「成功」)を含む応答信号を、管理装置1に送信する。
以上説明したように、推定処理部16の推定結果が、顧客91の年齢が特定年齢以上であることを表す場合に、推定結果を店員92が承諾して初めて年齢確認の成功となり、推定結果を店員92が拒否すれば年齢確認は失敗となる。よって、推定処理部16の推定結果は、年齢確認システム10の年齢確認の成功/失敗を直ちに決定するのではなく、店員92が携帯端末2にて行う年齢確認の補助に用いられる。
(4)変形例
上記実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、上記実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(4.1)第1変形例
まず、上記実施形態の第1変形例に係る年齢確認システム10について説明する。
本変形例に係る年齢確認システム10は、携帯端末の構成が、上記実施形態に係る年齢確認システム10と相違する。すなわち、第1変形例では、図8A及び図8Bに示すように、携帯端末2Xは、上記実施形態のような汎用のスマートフォンではなく、名札型の専用端末である。図8Bは、図8Aの領域Z1の拡大図である。以下、上記実施形態と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する場合がある。
本変形例に係る携帯端末2Xは、図8Aに示すように、店員92(確認者)に直接的又は間接的に装着される。図8Aの例では、携帯端末2Xは、店員92の着衣921(図8Aの例ではシャツ)に装着されることで、店員92に間接的に装着されている。ここで、携帯端末2Xは、顧客91に対して店員92の識別情報を提示するための名札としての機能を有する。そのため、携帯端末2Xは、少なくとも表示部22(図8B参照)の表示面201(図8B参照)が店員92の正面から視認可能となる状態で、店員92に装着されている。図8Aの例では、店員92の着衣921の胸ポケットの位置に、表示面201を正面に向けた状態で装着されている。
より詳しく説明すると、携帯端末2Xは、図8Bに示すように、装着部20と、ボディ200と、を有している。装着部20は、確認者である店員92に携帯端末2Xを直接的又は間接的に装着する部材である。ボディ200は、携帯端末2Xの本体を構成しており、装着部20によって店員92に装着される。本変形例では、装着部20は、一例とし、クリップであって、着衣921の一部(胸ポケット)を挟むことで着衣921に対して着脱可能に取り付けられる。また、ボディ200は、一例として、横長のカード状に構成されている。ボディ200は、ボディ200の上端部が装着部20に保持された状態で、装着部20により着衣921に取り付けられる。ボディ200の下端部は特に固定されておらず、ボディ200は装着部20にて保持された上端部を支点に回転可能である。そのため、詳しくは後述するが、ボディ200は、その前面(表示面201)を前方に向ける状態と、上方に向ける状態とを切替可能である。
ボディ200には、上記実施形態の携帯端末2と同様に、通信部21、表示部22、操作部23及び制御部24等が設けられている(図9参照)。ここで、ボディ200の前面の略全域が、表示部22の表示面201を構成する。本変形例に係る携帯端末2Xでは、表示部22は、この表示面201、つまりボディ200の前面の略全域に、少なくとも名札画面230を表示可能に構成されている。名札画面230は、携帯端末2Xを名札として機能させるための画面であって、少なくとも識別情報を含んでいる。ここでいう「識別情報」は、携帯端末2Xを装着している確認者(店員92)を識別するための情報であって、例えば店員92の名前(氏名)、顔写真、似顔絵、ニックネーム、又は従業員コード等である。図8Bの例では、表示部22が表示する名札画面230は、名前領域231及び写真領域232を含んでいる。名前領域231は、店員92の名前を表す文字列を表示するための領域であって、図8Bの例では、名前領域231には、名前を表す文字列として、「ABC」という文字列が表示されている。ここで、名前領域231に表示される名前は、姓(Last name)と名(First name)との少なくとも一方であればよく、一般的には姓(名字)のみである。写真領域232は、店員92の顔写真を表示するための領域である。ただし、図8Bに示す名札画面230の画面構成は一例に過ぎず、例えば名札画面230は名前領域231と写真領域232との少なくとも一方を含まなくてもよい。
ここで、表示部22は、例えば電気泳動方式の電子ペーパ等の自己保持型ディスプレイである。すなわち、表示部22は、表示部22への通電により表示される画面の表示を、少なくとも上記通電の停止時点から所定時間が経過するまで維持する、自己保持型の表示器である。そのため、携帯端末2Xは、表示されている画面の更新時を除いて表示部22への通電を停止することができ、電池28(図9参照)の消耗を抑制できる。ここでは一例として、表示部22は、モノクロのディスプレイであることとするが、カラーディスプレイであってもよい。また、表示部22は、静止画を表示することとするが、動画(コマ送り動画を含む)を表示してもよい。
本変形例に係る携帯端末2Xは、図9に示すように、通信部21、表示部22、操作部23及び制御部24に加えて、情報記憶部25、呼出部26、向き検知部27、電池28及び電圧検出部29を有している。さらに、制御部24は、応答処理部241としての機能に加えて、表示制御部242としての機能を備えている。表示制御部242は、表示部22を制御する。
情報記憶部25は、例えば不揮発性メモリからなる。情報記憶部25は、ボディ200に内蔵されていてもよいし、例えばメモリカードのように、ボディ200から取出可能な外付けタイプであってもよい。情報記憶部25には、少なくとも名札画面230を表示するために必要な情報、すなわち識別情報が記憶されている。情報記憶部25に記憶されている識別情報は、適宜書き換えが可能である。また、情報記憶部25には、複数人の店員92についての複数の識別情報が記憶され、表示制御部242が、これら複数の識別情報の中から1つの識別情報を読み出して、名札画面230を表示部22に表示させてもよい。
呼出部26は、上記実施形態の携帯端末2(スマートフォン)と同様に、例えば管理装置1からの要求信号の受信等、何らかの着信があった場合には、店員92に着信を知らせるための着信通知を行う。具体的には、呼出部26は、例えば着信音、発光機能又はバイブレーション機能により、着信通知を行う。ここで、呼出部26は、着信内容によって、例えば着信音、発光機能又はバイブレーション機能等の動作パターンを変更してもよい。一例として、管理装置1からの要求信号の受信時と、その他の信号の着信時とでは、着信音のパターン、又はバイブレーション機能の振動パターンが変更される。これにより、店員92は、表示部22の表示を見るまでもなく、着信の緊急度又は優先度を認識することが可能である。
向き検知部27は、表示部22の向きを検出する機能を有する。具体的には、向き検知部27は、例えば加速度センサ、又はジャイロセンサ等のセンサを含み、表示部22の姿勢を検知して、検知結果を制御部24に出力する。これにより、制御部24では、例えば表示部22が前方(店員92から見た正面)を向いているか、上方(店員92の顔側)を向いているかの判定が可能となる。制御部24は、例えば表示面201の法線が水平方向に対して所定の許容範囲内にあるか否かで、表示部22が前方を向いているか否かを判定する。つまり、表示面201の法線が水平方向に対して許容範囲内にあれば、表示部22(の表示面201)が前方を向いていると判断される。許容範囲は、例えば±30度程度である。
ここにおいて、表示制御部242は、第1モードと、第2モードとを、表示部22の向きによって切り替えるように構成されている。第1モードは、表示部22に名札画面230を表示させる動作モードである。第2モードは、表示部22に名札画面230以外の画面、例えば年齢確認画面220を表示させる動作モードである。この場合において、表示制御部242は、表示部22(の表示面201)が前方を向いていれば、第1モードで動作し、表示部22(の表示面201)が上方を向いていれば、第2モードで動作することが好ましい。
この構成によれば、図10Aに示すように、表示面201が前方を向いた状態、つまり表示面201が店員92から見た正面に向けられた状態では、表示部22は名札画面230を表示する。そのため、例えば店員92の正面の顧客91に対しては、携帯端末2Xを名札として見せることができる。一方、図10Bに示すように、表示面201が上方を向いた状態、つまり表示面201が店員92の顔に向けられた状態では、表示部22は名札画面230以外の画面、ここでは年齢確認画面220を表示する。そのため、例えば店員92が着信通知に反応して、表示面201を上方に向けるように手でボディ200を回転させる(傾ける)だけで、携帯端末2Xに年齢確認画面220を表示させることができる。したがって、店員92は、表示部22に表示された年齢確認画面220を見て、年齢確認を行うことができる。
また、図10Bに示す状態では、表示部22は、ボディ200の上端部側(装着部20側)が、画面内では下方となるように、年齢確認画面220を表示する。このように、表示制御部242は、第1モードと第2モードとで、表示部22に表示する画面の上下を反転させることが好ましい。
電池28は、携帯端末2Xの各部の動作用電源となる。言い換えれば、携帯端末2Xは、電池28からの電力供給により動作するように構成されている。本変形例では、電池28は充電可能な二次電池である。電池28は、ボディ200に内蔵されていてもよいし、ボディ200から取出可能な態様であってもよい。電池28の充電は、携帯端末2Xの非使用時に、店舗のバックヤード等で行われる。
電圧検出部29は、電池28の出力電圧を検出し、検出結果を制御部24に出力する。これにより、制御部24は、電圧検出部29の検出結果に基づいて、電池28の残容量を推定可能となる。制御部24が推定した電池28の残容量は、表示制御部242にて表示部22に表示してもよい。
ここで、表示部22は、少なくとも電池28の残容量が閾値以下である場合に、名札画面230を表示するように構成されている。すなわち、制御部24は、電池28の残容量を推定結果が閾値以下になると、表示制御部242にて表示部22に名札画面230を強制的に表示させる。これにより、例えば電池28の残容量が表示部22の画面を書き換えるために最低限必要な値を下回る前に、表示部22の画面を名札画面230に強制的に書き換えることが可能である。この構成によれば、上述したように表示部22が自己保持型ディスプレイである場合、電池28の残容量が低下して携帯端末2Xの電源がオフになった以降も、表示部22は名札画面230の表示を維持することができる。したがって、携帯端末2Xは名札としての機能を維持できる。
また、携帯端末2Xの操作部23は、上記実施形態の携帯端末2(スマートフォン)と同様に、表示部22に重ねて配置されるタッチパネルであってもよいが、その他の入力装置で実現されてもよい。すなわち、操作部23は、例えばボディ200に内蔵されたシート状の圧力センサ(感圧センサ)、又はボディ200に搭載されたメカニカルスイッチ等であってもよい。操作部23がシート状の圧力センサであれば、店員92は表示面201を押し込むような操作により、操作部23を操作することができる。この場合、ボディ200の薄型化を図ることができる。
さらに、携帯端末2Xは、識別情報以外の情報を含む名札画面230を、表示部22にて表示してもよい。例えば、名札画面230は、広告、割引情報、リコメンド(recommend)情報等を含んでいてもよい。これにより、携帯端末2Xを、デジタルサイネージとして機能させることができる。
ところで、携帯端末は、上述した名札型以外の態様として、例えば腕、腰、肩、若しくは手首等の身体の一部に、着衣921の上から若しくは直接的に装着する態様、又は着衣921のポケットに収納し使用時にのみポケットから取り出す態様を採用し得る。ただし、前者の態様は、例えば接客業等において、店員92(確認者)が携帯端末を装着することで見映えが悪くなることもあり、好まれない可能性がある。また、携帯端末を手首に装着する態様、及び後者の態様は、例えば食料品を扱うような店舗において、衛生上好まれない可能性がある。さらに、後者の態様では、店員92が携帯端末を紛失するリスクも高くなる。これに対して、本変形例に係る名札型の携帯端末2Xは、見映えも良く、衛生上の問題もなく、かつ紛失のリスクも低減される。
また、本変形例に係る名札型の携帯端末2Xのように、携帯端末2Xは、極力小型、かつ軽量であることが好ましい。これにより、年齢確認システム10(携帯端末2X)を導入することによる店員92の通常業務への影響(負担)を低減することができる。
第1変形例において、表示部22が自己保持型ディスプレイであることは必須ではない。つまり、携帯端末2Xの表示部22は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等、通電の停止時に伴って画面の表示も終了するディスプレイであってもよい。
また、第1変形例において、表示部22が、電池28の残容量が閾値以下である場合に名札画面230を表示することは必須の構成ではない。すなわち、表示部22は、電池28の残容量が閾値以下である場合に、名札画面230以外の画面、例えば年齢確認画面220を表示してもよい。
また、第1変形例において、表示制御部242が、第1モードと、第2モードとを、表示部22の向きによって自動的に切り替える機能は必須の機能ではない。例えば、表示制御部242は、操作部23に対する操作に応じて、第1モードと第2モードとを切り替えてもよい。
また、第1変形例において、装着部20はクリップに限らず、例えばネックストラップ、安全ピン、又はスナップ(押しホック)等であってもよい。装着部20がネックストラップであれば、携帯端末2Xは、店員92の首から吊り下げられるように、店員92に直接的に装着される。さらに、装着部20は、着衣921に縫い付けられる等、着衣921と一体化されていてもよい。
また、第1変形例において、向き検知部27は、例えば加速度センサ、又はジャイロセンサ等のセンサに限らず、例えば水銀スイッチ等を用いて実現されてもよい。
また、第1変形例において、電池28は、二次電池に限らず、例えば一次電池又は太陽電池等であってもよい。電池28は、携帯端末2Xの構成要素に含まれなくてもよい。
また、第1変形例のように、名札型の携帯端末2Xにおいては、表示される年齢確認画面220が画像221を含むことは必須ではない。
(4.2)第2変形例
次に、上記実施形態の第2変形例に係る年齢確認システム10について説明する。
本変形例に係る年齢確認システム10は、携帯端末の構成が、第1変形例に係る年齢確認システム10と相違する。すなわち、第2変形例では、図11に示すように、携帯端末2Yは、開閉可能なボディ200Yを有する名札型の専用端末である。以下、第1変形例と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する場合がある。
本変形例に係る携帯端末2Yでは、図11に示すように、ボディ200Yは、ベース202と、カバー203と、を有している。ベース202は、一例として、ベース202の上端部が装着部20に保持された状態で、装着部20により着衣921に取り付けられる。カバー203は、ベース202の前面を覆うようにベース202に取り付けられている。カバー203の上端部は、一対のヒンジ部204によってベース202の上端部に連結されている。これにより、カバー203は、一対のヒンジ部204を支点にして、ベース202の前面を覆う閉位置と、ベース202の前面を開放する開位置との間で、回転可能となる。
ここで、第1変形例に係る携帯端末2Xのボディ200の機能は、本変形例ではカバー203に集約されている。すなわち、カバー203の前面が表示部22の表示面201を構成する。カバー203が閉位置にある状態では、表示部22(の表示面201)は前方を向くことになり、カバー203が開位置にある状態では、表示部22(の表示面201)は上方を向くことになる。
また、本変形例では向き検知部27(図9参照)は、一対の接点271と、導電板272と、で実現されている。一対の接点271は、カバー203の背面に設けられている。導電板272は、ベース202の前面において一対の接点271と対向する位置に設けられている。カバー203が閉位置にある状態では、一対の接点271間は導電板272を介して導通する。一方、カバー203が開位置にある状態では、一対の接点271間は非導通となる。そのため、向き検知部27は、一対の接点271間の導通状態により、ボディ200の開閉状態、つまり表示部22の向きを検知する。
本変形例の構成によれば、携帯端末2Yは、例えば加速度センサ、又はジャイロセンサ等のセンサを用いることなく、簡単な構成で表示部22の向きを検知可能である。
第2変形例において、向き検知部27が、一対の接点271と、導電板272と、を有することは必須ではない。つまり、携帯端末2Yは、例えば、ベース202の前面に設けられたリミットスイッチ、ベース202の前面に設けられた明るさセンサ、又はヒンジ部204に内蔵されたロータリスイッチ等により、ボディ200の開閉状態を検知してもよい。
(4.3)その他の変形例
以下、上記実施形態の第1変形例及び第2変形例以外の変形例を列挙する。
管理装置1の取得部12は、年齢確認システム10に必須の構成ではなく、取得部12は適宜省略されていてもよい。
また、管理装置1の外部通信部13は、年齢確認システム10に必須の構成ではなく、外部通信部13は適宜省略されていてもよい。
また、撮像装置3は、年齢確認システム10に必須の構成でなく、撮像装置3が年齢確認システム10の構成要素に含まれなくてもよいし、撮像装置3が省略されていてもよい。撮像装置3が省略される場合、例えば顧客91(対象者)が所有するスマートフォン等のカメラ、又は防犯システム等の年齢確認システム10とは別システムのカメラで顧客91を撮像した画像の画像データを、管理装置1が取得してもよい。
また、前置処理部15及び推定処理部16の各々は、年齢確認システム10に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。前置処理部15が省略される場合、推定処理部16は取得部12に接続され、取得部12が撮像装置3から取得した画像データが取得部12から推定処理部16に直接的に入力される。前置処理部15が省略された場合に、顧客91の顔が写っていない画像の画像データが携帯端末2に送信されたとしても、店員92は、第1カーソル225又は第2カーソル226を操作して画像221を切り替えて、顧客91の顔が写った画像221を確認できる。
また、推定処理部16の推定結果について店員92(確認者)の承諾を必要とせず、推定処理部16の推定結果が、年齢確認システム10の年齢確認の成功/失敗を直ちに決定してもよい。つまり、推定処理部16の推定結果が、顧客91の年齢が特定年齢以上であることを表す場合、推定結果を店員92が承諾するか否かにかかわらず、年齢確認の成功となる。この場合、年齢確認システム10での年齢確認は、携帯端末2を介することなく、管理装置1にて完結することになる。そのため、管理装置1からの呼び出しに、いずれの店員92も応答できないような状況であっても、年齢確認システム10での年齢確認が可能となる。よって、このような状況であっても、販売に際して年齢確認が必要となる特定商品の販売が可能となる。推定処理部16の推定結果について店員92の承諾を必要とするか否かは、例えば管理装置1の設定により切替可能であってもよい。又は、推定処理部16にて、顧客91の年齢が特定年齢以上である確率が求められる場合には、この確率により、推定処理部16の推定結果について店員92の承諾を必要とするか否かが自動的に切り替わってもよい。一例として、推定処理部16の推定結果が、顧客91の年齢が特定年齢以上である確率が所定値(例えば90%)以上であることを示す場合にのみ、店員92の承諾が不要とされ、それ以外の場合には店員92の承諾が必要とされてもよい。
また、上記実施形態では、前置処理部15は要求処理部141(制御部14)等を含む管理装置1の本体と一体に設けられているが、この構成に限らず、前置処理部15は管理装置1の本体とは別体であってもよい。例えば、前置処理部15は、管理装置1の本体とは別筐体に設けられてもよいし、撮像装置3と一体化されていてもよい。この場合、管理装置1の本体に設けられている取得部12は、前置処理部15で顔検出処理が施された後の画像データ、つまり顧客91(対象者)の顔が写った画像に限定された画像データを取得することになる。
また、上記実施形態では、推定処理部16は要求処理部141(制御部14)等を含む管理装置1の本体と一体に設けられているが、この構成に限らず、推定処理部16は管理装置1の本体とは別体であってもよい。例えば、推定処理部16は、管理装置1の本体とは別筐体に設けられてもよいし、撮像装置3と一体化されていてもよい。この場合、管理装置1の本体に設けられている取得部12は、推定処理部16の推定結果を、画像データと共に取得することになる。
また、上記実施形態では、年齢確認システム10が3台の携帯端末2A,2B,2Cを備える場合について説明したが、年齢確認システム10は少なくとも1台の携帯端末2を備えていればよい。例えば、年齢確認システム10は1台、2台、又は4台以上の携帯端末2を備えていてもよい。さらに、管理装置1は、要求信号をマルチキャストにより送信する構成に限らず、例えば複数台の携帯端末2A,2B,2Cに対しユニキャストで順次、要求信号を送信してもよいし、ブロードキャストにより要求信号を送信してもよい。
さらにまた、管理装置1は、複数台の携帯端末2A,2B,2Cの中から、要求信号の送信先から除外する携帯端末2を任意に選択可能に構成されていてもよい。この場合、例えば休憩中の店員92等、年齢確認を実施できない状態にある店員92が携帯する携帯端末2を、要求信号の送信先から一時的に除外することができる。また、複数台の携帯端末2A,2B,2C間で直接的に通信を行うことにより、複数人の店員92A,92B,92C間の連絡に複数台の携帯端末2A,2B,2Cが利用されてもよい。
また、携帯端末2は、スマートフォン等の汎用の装置に限らず、年齢確認システム専用の装置であってもよい。さらに、携帯端末2は、例えば、腕時計型、及び眼鏡型等のウェアラブル端末であってもよい。
また、第1携帯端末が応答信号を管理装置1に送信すると第2携帯端末に対して通知信号が送信される構成は、年齢確認システム10に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。さらに、携帯端末2が通知信号を受信すると年齢確認画面220の表示を終了する構成は、年齢確認システム10に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、要求処理部141が文字データを含む要求信号を送信する構成は、年齢確認システム10に必須の構成ではなく、年齢確認画面220は文字列を含まなくてもよい。さらに、年齢確認画面220が文字列を含む場合でも、この文字列は、確認者が実行すべき行動を示唆する情報(作業指示)、及び特定年齢を表す情報の少なくとも一方を含まなくてもよい。
また、販売システム4の第1通信部41、第2通信部42及び第3通信部43は、買物支援システム100に必須の構成ではなく、第1通信部41、第2通信部42及び第3通信部43の少なくとも1つは適宜省略されていてもよい。販売システム4が精算処理システム7と通信可能でない場合、例えば販売システム4自体に、商品情報に基づいて商品90についての精算処理を行う機能があってもよい。
また、販売システム4の記憶部45及びインタフェース46は、買物支援システム100に必須の構成ではなく、記憶部45及びインタフェース46の少なくとも1つは適宜省略されていてもよい。
また、荷詰装置61が、精算処理の完了後に商品90を買物かご5から容器に移す荷詰処理を完了することは、買物支援システム100に必須の構成ではなく、荷詰装置61は、精算処理の完了前に荷詰処理を完了してもよい。この場合、買物に掛かる時間をより一層短縮できる、という利点がある。
また、販売システム4が許諾信号を受信しなければ精算処理システム7に特定商品についての精算処理を開始させない構成は、買物支援システム100に必須の構成ではなく、適宜省略されていてもよい。
また、買物かご5は、顧客91が手に持つことができる構成に限らず、例えばカートと一体化された買物かご5を有していてもよい。
また、管理装置1と携帯端末2との間の通信方式は、電波を媒体とする無線通信に限らず、例えば、光を媒体とする光無線通信、又は管理装置1と有線接続される中継器(ルータ)等を介した通信等であってもよい。年齢確認システム10(管理装置1)と販売システム4との間の通信方式は、有線通信に限らず、例えば、電波を媒体とする無線通信、又は光を媒体とする光無線通信等であってもよい。販売システム4と買物かご5との間の通信方式は、光を媒体とする光無線通信に限らず、例えば、Wi−Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の電波を媒体とする無線通信、又は有線通信等であってもよい。販売システム4と精算処理システム7との間の通信方式は、有線通信に限らず、例えば、電波を媒体とする無線通信、又は光を媒体とする光無線通信等であってもよい。
また、通知信号は、第1携帯端末からの応答信号を受けた管理装置1から第2携帯端末に送信される構成に限らず、第1携帯端末から第2携帯端末に直接的に送信されてもよい。この場合、第1携帯端末は応答信号とは別に第2携帯端末に対して通知信号を送信してもよいし、例えば第1携帯端末が応答信号をブロードキャストにより送信することで、第2携帯端末において第1携帯端末からの応答信号を通知信号として受信してもよい。後者の場合、第1携帯端末からの応答信号が第2携帯端末では通知信号として兼用されることになる。さらに、通知信号が管理装置1から第2携帯端末に送信される場合には、管理装置1から第1携帯端末への確認応答(ACK)が、第2携帯端末では通知信号として兼用されてもよい。
さらに、上記実施形態では、携帯端末2が、要求信号を受信すると、着信通知を行い、直ちに年齢確認画面220を表示する場合について説明したが、この構成に限らず、携帯端末2は、年齢確認画面220を表示する前に前置画面を表示してもよい。前置画面は、携帯端末2を携帯する店員92が応答可能か否かを確認するための画面であって、例えば「年齢確認要求」等、店員92への作業指示を表す文字列、更に年齢確認画面220と同様のOKボタン及びNGボタンを含んでいる。この場合、前置画面上で店員92がOKボタンを操作して初めて、画像221を含む年齢確認画面220が携帯端末2に表示される。さらに、この場合、複数台の携帯端末2A,2B,2Cのうちの1台の携帯端末2において前置画面上でOKボタンが操作されたことをもって、他の携帯端末2に通知信号が送信されることが好ましい。
また、表示装置63は、プロジェクションマッピング技術により、対象物に対して映像を投影する構成に限らず、例えば、タッチパネルディスプレイであってもよい。さらに、入力装置64は表示装置63と別体であってもよく、例えば、メカニカルスイッチを有する入力装置64が、販売システム4に対する顧客91の入力手段の少なくとも一部に採用されてもよい。
表示装置63は、供給ユニット62の下面に固定されており、例えばプロジェクションマッピング技術により、スクリーンに対して映像を投影するように構成されている。ここでは、表示装置63は、カウンタ台8の上面81のうち、カウンタ台8を正面から見て凹所82の右側の領域に映像を投影する。つまり、カウンタ台8の上面81のうち凹所82の右側の領域が、表示装置63のスクリーン631となる。図3の例では、スクリーン631に、煙草の銘柄を選択するための煙草メニュー画面が表示されている。
また、煙草販売処理は、上記実施形態のように販売システム4での購入リスト作成後に限らず、購入リスト作成前に行われてもよい。
また、例えば管理装置1及び販売システム4が1つの筐体(カウンタ台8)内に集約されていることは買物支援システム100に必須の構成ではなく、買物支援システム100の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、管理装置1及び販売システム4の各々についても、1つの筐体内に集約されていることは買物支援システム100に必須の構成ではなく、管理装置1及び販売システム4の各々の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。
また、年齢確認システム10は、上記実施形態のように店員92の操作を必要とせずに商品90の購入が可能な販売システム4と併せて使用されなくてもよく、例えば、いわゆる有人レジのようにレジカウンタに店員92が居る状況で使用されてもよい。さらに、年齢確認システム10は、小売店の店舗等における商品90の販売用途に限らず、年齢確認が必要な各種の用途に適用可能である。例えば、飲食店でセルフオーダー端末を操作して酒類を注文する利用者、及び年齢制限のある遊戯施設の利用者等について年齢確認が必要になる場合において、上記実施形態に係る年齢確認システム10を適用可能である。
また、年齢確認システム10が販売システム4と併せて使用される場合でも、販売システム4が管理装置1から許諾信号を受信しなければ特定商品についての販売処理を中止する構成は、買物支援システム100に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
上述した種々の変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(5)まとめ
以上説明したように、本発明の第1の態様に係る年齢確認システム(10)は、管理装置(1)と、管理装置(1)との間で双方向の通信が可能な少なくとも1台の携帯端末(2,2X,2Y)と、を備える。管理装置(1)は、年齢確認の対象となる対象者(顧客91)を撮像した画像の画像データを含む要求信号を携帯端末(2,2X,2Y)に送信する要求処理部(141)を有する。携帯端末(2,2X,2Y)は、表示部(22)と、操作部(23)と、応答処理部(241)と、を有する。表示部(22)は、要求信号に含まれる画像データを用いて画像(221)を含む年齢確認画面(220)を表示する。操作部(23)は、対象者とは別の確認者(店員92)の操作を受け付ける。応答処理部(241)は、確認者が年齢確認画面(220)を見て行った年齢確認の結果を操作部(23)で受け付けると、年齢確認の結果を含む応答信号を管理装置(1)に送信する。
この構成によれば、対象者を撮像した画像の画像データが管理装置(1)から携帯端末(2,2X,2Y)に送信されるので、確認者は、携帯端末(2,2X,2Y)に表示される年齢確認画面(220)にて対象者の画像(221)を見て、対象者の年齢確認を行うことができる。しかも、携帯端末(2,2X,2Y)側で行われた年齢確認の結果は、携帯端末(2,2X,2Y)から、要求信号の送信元である管理装置(1)に返信されるので、年齢確認のための一連の処理は、管理装置(1)側で開始され管理装置(1)側で完了することになる。したがって、確認者は、携帯端末(2,2X,2Y)を携帯していれば、対象者から離れた場所に居たとしても、その場に居ながらにして、つまりその場から移動することなく、対象者の年齢確認を行うことができる。また、対象者においては、年齢確認のために、離れた場所に居る確認者の到着を待つ必要がない。結果的に、年齢確認システム10によれば、したがって、年齢確認システム(10)によれば、人の手間を軽減しつつ、年齢確認を実現できる、という利点がある。
本発明の第2の態様に係る年齢確認システム(10)は、第1の態様において、対象者を撮像する撮像装置(3)を更に備え、管理装置(1)は、撮像装置(3)から画像データを取得するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、年齢確認システム(10)は、撮像装置(3)にてリアルタイムに対象者を撮像した画像(221)を用いて、対象者の年齢確認を実施することができる。
本発明の第3の態様に係る年齢確認システム(10)は、第2の態様において、管理装置(1)は、前置処理部(15)を更に有することが好ましい。前置処理部(15)は、撮像装置(3)から取得した画像データの画像解析を行い、対象者の顔を検出したときに、画像データを含む要求信号を要求処理部(141)に送信させることが好ましい。
この構成によれば、年齢確認システム(10)は、対象者の年齢確認に用いられる画像(221)を、対象者の顔が写った画像(221)に限定することができる。したがって、確認者においては、画像(221)を見ながらの年齢確認が容易になる。
本発明の第4の態様に係る年齢確認システム(10)は、第2又は3の態様において、管理装置(1)は、推定処理部(16)を更に有することが好ましい。推定処理部(16)は、撮像装置(3)から取得した画像データの画像解析を行い、対象者の年齢が特定年齢以上であるか否かを推定する。要求処理部(141)は、推定処理部(16)の推定結果を含む要求信号を携帯端末(2,2X,2Y)に送信するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、確認者においては、推定処理部(16)の推定結果を参考にして年齢確認を行うことができるので、確認者による年齢確認の負担の軽減を図ることが可能である。
本発明の第5の態様に係る年齢確認システム(10)は、第1〜4のいずれかの態様において、携帯端末(2,2X,2Y)は複数台設けられており、要求処理部(141)は、複数台の携帯端末(2,2X,2Y)に対して一斉に要求信号を送信するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、複数人の店員(92)が居る店舗のように確認者が複数人居る場合に、管理装置(1)は、これら複数人の確認者に対して一斉に年齢確認の要求をだすことができる。
本発明の第6の態様に係る年齢確認システム(10)は、第5の態様において、第1携帯端末が応答信号を管理装置(1)に送信すると、第2携帯端末に対して通知信号が送信されることが好ましい。第1携帯端末は、複数台の携帯端末(2,2X,2Y)のうち1台の携帯端末である。第2携帯端末は、複数台の携帯端末(2,2X,2Y)のうち第1携帯端末とは異なる携帯端末である。
この構成によれば、複数台の携帯端末(2,2X,2Y)のいずれかにて年齢確認が行われた場合、他の携帯端末(2,2X,2Y)に対して、年齢確認が終了した旨を通知することができる。
本発明の第7の態様に係る年齢確認システム(10)は、第6の態様において、複数台の携帯端末(2,2X,2Y)の各々は、通知信号を受信すると、表示部(22)での年齢確認画面(220)の表示を終了するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、複数台の携帯端末(2,2X,2Y)のいずれかにて年齢確認が行われた場合には、他の携帯端末(2,2X,2Y)における表示部(22)での年齢確認画面(220)の表示を自動的に終了させることができる。
本発明の第8の態様に係る年齢確認システム(10)は、第1〜7のいずれかの態様において、要求処理部(141)は、文字データを含む要求信号を送信するように構成されていることが好ましい。表示部(22)は、文字データを用いて文字列を含む年齢確認画面(220)を表示するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、年齢確認画面(220)には画像(221)と併せて文字列も表示されるので、確認者においては、年齢確認画面(220)から様々な情報を知ることができる。
本発明の第9の態様に係る年齢確認システム(10)は、第8の態様において、文字列は、確認者が実行すべき行動を示唆する情報を含むことが好ましい。
この構成によれば、確認者は、年齢確認画面(220)を見て、自身が実行すべき行動を把握することができるので、年齢確認システム(10)を作業指示等の伝達に利用することができる。
本発明の第10の態様に係る年齢確認システム(10)は、第8又は9の態様において、文字列は、年齢確認において、対象者の年齢と対比させるための基準となる特定年齢を表す情報を含むことが好ましい。
この構成によれば、確認者は、年齢確認画面(220)を見て、年齢確認において、対象者の年齢と対比させるための基準となる特定年齢を知ることができる。したがって、例えば特定商品によって特定年齢が異なる場合でも、確認者は、携帯端末(2,2X,2Y)に表示される年齢確認画面(220)を見ることで、特定商品に合わせた年齢確認が可能となる。
本発明の第11の態様に係る年齢確認システム(10)は、第1〜10のいずれかの態様において、携帯端末(2X,2Y)は、確認者に携帯端末(2X,2Y)を直接的又は間接的に装着する装着部(20)を更に有することが好ましい。表示部(22)は、確認者を識別するための識別情報を含む名札画面(230)を表示可能に構成されていることが好ましい。
この構成によれば、携帯端末(2X,2Y)は、確認者を識別するための識別情報を表示する名札として機能することができる。
本発明の第12の態様に係る年齢確認システム(10)は、第11の態様において、表示部(22)は、表示部(22)への通電により表示される画面の表示を、少なくとも通電の停止時点から所定時間が経過するまで維持する自己保持型ディスプレイであることが好ましい。
この構成によれば、携帯端末(2X,2Y)は、表示されている画面の更新時を除いて表示部(22)への通電を停止することができ、表示部(22)での電力消費を抑制できる。
本発明の第13の態様に係る年齢確認システム(10)は、第12の態様において、携帯端末(2X,2Y)は、電池(28)からの電力供給により動作するように構成されていることが好ましい。表示部(22)は、少なくとも電池(28)の残容量が閾値以下である場合に、名札画面(230)を表示するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、電池(28)の残容量が低下して携帯端末(2X,2Y)の電源がオフになった以降も、表示部(22)は名札画面(230)の表示を維持することができ、携帯端末(2X,2Y)は名札としての機能を維持できる。
本発明の第14の態様に係る年齢確認システム(10)は、第11〜13のいずれかの態様において、携帯端末(2X,2Y)は、表示部(22)を制御する表示制御部(242)を更に有することが好ましい。表示制御部(242)は、表示部(22)に名札画面(230)を表示させる第1モードと、表示部(22)に名札画面(230)以外の画面を表示させる第2モードとを、表示部(22)の向きによって切り替えるように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、表示部(22)の向きによって表示部(22)に表示される画面が自動的に切り替わるので、画面を切り替えるための操作等を省略可能である。
本発明の第15の態様に係る買物支援システム(100)は、第1〜14のいずれかの態様に係る年齢確認システム(10)と、管理装置(1)と通信可能であって、商品(90)の販売処理を行う販売システム(4)と、を備える。管理装置(1)は、特定商品が販売システム(4)で販売される場合に、携帯端末(2,2X,2Y)に要求信号を送信し、携帯端末(2,2X,2Y)から年齢確認の成功を表す応答信号を受信すると、販売システム(4)に許諾信号を送信するように構成されている。特定商品は、販売に際して対象者の年齢確認を必要とする商品である。
この構成によれば、販売システム(4)で特定商品が販売されることをトリガにして、管理装置(1)が携帯端末(2,2X,2Y)に要求信号を送信し、年齢確認システム(10)での年齢確認のための一連の処理が開始する。また、年齢確認が成功であれば管理装置(1)から販売システム(4)に許諾信号が送信されるので、年齢確認システム(10)で行われた年齢確認の結果を、販売システム(4)にて受け取ることができる。例えば、顧客(91)が販売システム(4)を使用して煙草及び酒類等の特定商品を購入しようとした場合、年齢確認システム(10)での年齢確認が行われ、年齢確認の結果は販売システム(4)に送られることになる。したがって、買物支援システム(100)によれば、人の手間を軽減しつつ、年齢確認を実現できる、という利点がある。
本発明の第16の態様に係る買物支援システム(100)は、第15の態様において、販売システム(4)は、管理装置(1)から許諾信号を受信しなければ、特定商品についての販売処理を中止するように構成されていることが好ましい。販売システム(4)は、管理装置(1)から許諾信号を受信すると、特定商品についての販売処理を継続するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、年齢確認システム(10)での年齢確認に失敗した場合には、販売システム(4)にて、特定商品についての販売処理を自動的に中止することができる。