JP2018080703A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 消費電力を小さくしつつ一回の通電における燃料噴射を分割可能な燃料噴射装置を提供する。【解決手段】 燃料噴射装置が備える電流制御部は、一回の通電においてコイルを流れる電流の大きさを制御する。時刻t11に電流制御部に入力される信号がオンになると、電流Ip1が流れる。これにより、時刻t12においてリフト量が増加する可動コアとニードルとが当接した後、ニードルが弁座から離間しプレ噴射が行われる。プレ噴射の後、時刻t13においてニードル及び可動コアのリフト量がニードルと弁座とが当接しているときのリフト量D1となって一旦閉弁する。時刻t13の後の時刻t14において電流Ip1より大きい電流Ix1、Im1をコイルに流すことによってニードル及び可動コアのリフト量をリフト量D1より大きいリフト量D2としメイン噴射を行う。これにより、二回の燃料噴射を一回の通電において行うことができる。【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関(以下、「エンジン」という)の燃焼室に燃料を噴射供給する燃料噴射装置に関する。
従来、ハウジングが有する噴孔をニードルの往復移動によって開閉しハウジング内の燃料を噴射する燃料噴射装置が知られている。例えば、特許文献1には、噴孔の周囲に形成されている弁座からニードルを離間させるためにコイルに電流を流す本通電と、本通電の前に可動コアと固定コアとの距離を一定に保つためにコイルに電流を流す予備通電とを行う電流制御手段を備える燃料噴射装置が記載されている。
特許4637931号明細書
特許文献1に記載の燃料噴射装置では、予備通電と本通電とが連続した通電において行われるため、当該一回の連続した通電において、燃料噴射は一回のみ行われる。一方、高精度なエンジン制御を実現するため、複数回の燃料噴射を行う分割噴射が燃料噴射装置の機能として求められている。特許文献1に記載の燃料噴射装置において複数回の燃料噴射を行う場合、予備通電と本通電とが含まれる連続した通電を燃料噴射の回数分行う必要があり、複数回の連続した通電によって消費されるエネルギーが増大する。
本発明の目的は、消費電力を小さくしつつ一回の通電における燃料噴射を分割可能な燃料噴射装置を提供することにある。
本発明は、燃料を噴射することで内燃機関の燃焼室に燃料を供給する燃料噴射装置であって、ハウジング、ニードル部材、鍔部、可動コア、固定コア、コイル、付勢手段、及び、電流制御手段を備える。
ニードル部材は、ハウジング内に往復移動可能に設けられ、一方の端部が前記弁座に当接すると閉弁し前記弁座から離間すると開弁することで噴孔を開閉する。
鍔部は、ニードル部材と一体に往復移動可能なよう前記ニードル部材の他方の端部の径方向外側に設けられる。
電流制御手段は、コイルを流れる電流を制御する。
本発明の燃料噴射装置は、ニードル部材と弁座とが当接しているとき、鍔部と可動コアとの間には隙間が形成されることを特徴とする。また、本発明の燃料噴射装置は、一回の通電において燃料の噴射が複数回行われるよう電流制御手段がコイルを流れる電流の大きさを調整可能であることを特徴とする。
本発明の燃料噴射装置では、ニードル部材と弁座とが当接しているとき、鍔部と可動コアとの間には隙間が形成される。開弁するとき、コイルに電流が流れると、可動コアは、当該隙間を利用して開弁方向に加速しつつ移動し鍔部に当接する。これにより、比較的大きな開弁方向の力をニードルに作用させることができる。
また、本発明の燃料噴射装置では、電流制御手段は、一回の通電においてコイルを流れる電流の大きさを調整可能に設けられている。ここで、「一回の通電」とは、コイルに電流が流れ始めてから連続して0より大きい電流が流れた後電流が0となるまでの通電を指す。これにより、ハウジング内でのニードル部材及び可動コアの移動を制御し、一回の通電において複数回の燃料噴射を行うことができる。したがって、本発明の燃料噴射装置は、例えば、特許文献1に記載の燃料噴射装置のように、複数回の燃料噴射のために予備通電と本通電とが含まれる連続した通電を燃料噴射の回数分行う燃料噴射装置に比べ、燃料噴射に必要なエネルギーを低減しつつ、燃料噴射を分割することができる。
本発明の第一実施形態による燃料噴射装置の断面図である。 図1のII部拡大図である。 本発明の第一実施形態による燃料噴射装置における燃料噴射に関するタイムチャートである。 図1のII部拡大図であって、図2とは異なる作用を説明する拡大図である。 図1のII部拡大図であって、図2、4とは異なる作用を説明する拡大図である。 本発明の第一実施形態による燃料噴射装置における電流の大きさと燃料噴射量との関係を示す特性図である。 本発明の第二実施形態による燃料噴射装置における燃料噴射に関するタイムチャートである。 本発明の第三実施形態による燃料噴射装置における燃料噴射に関するタイムチャートである。 本発明の第四実施形態による燃料噴射装置における燃料噴射に関するタイムチャートである。 本発明の第五実施形態による燃料噴射装置における燃料噴射に関するタイムチャートである。 本発明のその他の実施形態による燃料噴射装置における燃料噴射に関するタイムチャートである。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による燃料噴射装置1を図1〜6に示す。なお、図1、2、4、5には、ニードル40が弁座255から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座255に当接する方向である閉弁方向を図示する。
燃料噴射装置1は、例えば、図示しない直噴式ガソリンエンジンに用いられる。燃料噴射装置1は、燃料としてのガソリンを高圧でエンジンに噴射供給する。燃料噴射装置1は、ハウジング20、ニードル40、可動コア50、固定コア30、有底筒状部材60、コイル35、「付勢手段」としてのスプリング31、「電流制御手段」としての電流制御部38などを備える。
ハウジング20は、第一筒部材21、第二筒部材22、第三筒部材23及び噴射ノズル25から構成されている。第一筒部材21、第二筒部材22及び第三筒部材23は、いずれも円筒状に形成され、第一筒部材21、第二筒部材22、第三筒部材23の順に同軸となるよう配置され、互いに接続している。
第一筒部材21及び第三筒部材23は、例えばフェライト系ステンレスなどの磁性材料により形成され、磁気安定化処理が施されている。第一筒部材21及び第三筒部材23は、硬度が比較的低い。一方、第二筒部材22は、例えばオーステナイト系ステンレスなどの非磁性材料により形成されている。第二筒部材22の硬度は、第一筒部材21及び第三筒部材23の硬度よりも高い。
噴射ノズル25は、第一筒部材21の第二筒部材22とは反対側の端部に設けられている。噴射ノズル25は、例えばマルテンサイト系ステンレスなどの金属により有底筒状に形成されており、第一筒部材21に溶接されている。噴射ノズル25は、所定の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。噴射ノズル25は、噴射部251及び筒部252から形成されている。
噴射部251は、燃料噴射装置1の中心軸と同軸のハウジング20の中心軸CA20を対称軸として線対称に形成されている。噴射部251の外壁253は、噴射ノズル25の内部から中心軸CA20の方向に突出するよう形成されている。噴射部251は、ハウジング20の内側と外側とを連通する噴孔26を複数有している。噴射部251の内壁254には、噴孔26の周囲に形成される弁座255が設けられている。
筒部252は、噴射部251の径方向外側を囲み、噴射部251の外壁253が突出する方向とは反対の方向に延びるように設けられている。筒部252は、一方の端部が噴射部251に接続し、他方の端部が第一筒部材21に接続している。
ニードル40は、例えばマルテンサイト系ステンレスなどの金属により形成されている。ニードル40は、噴射ノズル25の硬度と同程度の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。
ニードル40は、ハウジング20の内部に往復移動可能に収容されている。ニードル40は、軸部41、「ニードル部材の一方の端部」としてのシール部42、鍔部43、規制部45などから形成されている。軸部41、シール部42、鍔部43及び規制部45は、一体となって往復移動可能なよう形成されている。軸部41及びシール部42は、特許請求の範囲に記載の「ニードル部材」に相当する。
軸部41は、固定コア30側の端部が筒状に形成されている棒状の部位である。軸部41の固定コア30側の端部の内部には、燃料が流通可能な流路400が形成されている。流路400は、流路400の弁座255側において軸部41が有する孔411と連通している。すなわち、孔411は、流路400と軸部41の外側とを連通する。
また、軸部41は、後述する隙間430と流路400とを連通する連通路410を有する。連通路410は、隙間430の燃料が流れる。
シール部42は、軸部41の弁座255側の端部に弁座255に当接可能に設けられている。ニードル40は、シール部42が弁座255から離間すると開弁し、弁座255に当接すると閉弁することで噴孔26を開閉する。
軸部41とシール部42との間には摺接部44が形成されている。摺接部44は、円筒状に形成され、外壁441の一部が面取りされている。摺接部44は、外壁441の面取りされていない部分が噴射ノズル25の内壁と摺接可能である。これにより、ニードル40は、弁座255側の端部での往復移動が案内される。
鍔部43は、略円環状に形成され、軸部41の固定コア30側の端部の径方向外側に設けられている。鍔部43は、その外径が軸部41の外径より大きくなるよう形成されている。
規制部45は、略円環状に形成され、鍔部43の弁座255側であって鍔部43から所定の距離離れた位置の軸部41の径方向外側に設けられている。規制部45は、その外径が軸部41の外径より大きくなるよう形成されている。規制部45の固定コア30側の規制部第一端面451と鍔部43の弁座255側の鍔部端面431との間には、可動コア50が往復移動可能に設けられている。
可動コア50は、例えばフェライト系ステンレスなどの磁性材料により筒状に形成されている。可動コア50は、ニードル40に対して相対移動可能に設けられている。
可動コア50は、軸部41が挿通される可動コア貫通孔500を有している。可動コア50の固定コア30側の可動コア第一端面501は、鍔部端面431と当接可能に形成されている。可動コア50の弁座255側の可動コア第二端面502は、規制部第一端面451と当接可能に形成されている。規制部第一端面451と可動コア第二端面502とが当接しているとき、鍔部端面431と可動コア第一端面501との間には隙間430が形成されている。
固定コア30は、ハウジング20の第三筒部材23に溶接され、ハウジング20の内側に固定されるよう設けられている。固定コア30は、固定コア本体部301及び固定コア当接部302を有している。
固定コア本体部301は、例えばフェライト系ステンレスなどの磁性材料から筒状に形成されている。固定コア本体部301は、磁気安定化処理が施され、後述するコイル35が形成する磁界内に設けられている。
固定コア当接部302は、固定コア本体部301の弁座255側の内側に設けられている筒状部材である。固定コア当接部302は、可動コア50の硬度と同程度の硬度を有している。固定コア当接部302は、弁座255側の端面303が固定コア本体部301の弁座255側の端面304より弁座255側に位置している。これにより、可動コア50が開弁方向に移動すると、可動コア50の可動コア第一端面501と端面303とが当接し、可動コア50の開弁方向への移動が規制される。
有底筒状部材60は、可動コア50の弁座255とは反対側であって、固定コア当接部302の内側に固定コア30に対して往復移動可能に設けられている。有底筒状部材60は、円板部61、及び、筒部62から構成されている。円板部61と筒部62とは、一体に形成されている。
円板部61は、鍔部43の弁座255とは反対側に位置する。円板部61は、中心軸CA20に垂直な断面形状が円形状となるよう形成されている。円板部61の弁座255側の端面611は、軸部41の弁座255とは反対側の端面412、及び、鍔部43の弁座255とは反対側の端面432と当接可能に形成されている。
円板部61には、有底筒状部材60の内側と外側とを連通する連通路612が形成されている。連通路612は、後述する燃料通路18を構成するとともに、鍔部43の移動によって有底筒状部材60の内側の燃料を有底筒状部材60の外側に排出する。
筒部62は、円板部61の径方向外側から弁座255の方向に延びるよう形成されている筒状の部位である。筒部62の内壁621は、鍔部43の径方向外側の外壁433と摺動可能に形成されている。内壁621の硬度は、外壁433と同じ硬度である。また、筒部62の外壁622は、固定コア当接部302の内壁305と摺動可能に設けられている。外壁622の硬度は、内壁305と同じ硬度である。
筒部62の一方の端部は、円板部61に固定されている。筒部62の他方の端部は、可動コア50に当接可能に設けられている。筒部62は、鍔部43が有底筒状部材60の内側を往復移動可能な程度の長さを有している。
コイル35は、筒状に形成され、主に第二筒部材22及び第三筒部材23の径方向外側を囲むよう設けられている。コイル35は、電流が流れると周囲に磁界を形成する。磁界が形成されると、固定コア30、可動コア50、第一筒部材21及び第三筒部材23に磁気回路が形成される。
スプリング31は、一端が円板部61の弁座255とは反対側の端面613に当接するよう設けられている。スプリング31の他端は、固定コア30の内側に圧入固定されたアジャスティングパイプ11の弁座255側の端面111に当接している。スプリング31は、有底筒状部材60を介してニードル40及び可動コア50を弁座255の方向、すなわち、閉弁方向に付勢している。
第三筒部材23の第二筒部材22側とは反対の端部には、筒状の燃料導入パイプ12が圧入及び溶接されている。燃料導入パイプ12の内側には、フィルタ13が設けられている。フィルタ13は、燃料導入パイプ12の導入口14から流入した燃料に含まれる異物を捕集する。
燃料導入パイプ12及び第三筒部材23の径方向外側は、樹脂によりモールドされている。当該モールド部分にはコネクタ15が形成されている。コネクタ15には、コイル35に電力を供給するための端子16がインサート成形されている。端子16には電流制御部38が電気的に接続されている。また、コイル35の径方向外側には、コイル35を覆うよう筒状のホルダ17が設けられている。
電流制御部38は、図示しない外部の電源及びエンジンを搭載する車両の電子制御ユニット(以下、「ECU」という)と電気的に接続している。電流制御部38は、車両に取り付けられた各種センサからの信号などに基づきECUが出力する指令に応じてコイル35を流れる電流の大きさや電流が流れる時間などを制御する。
燃料導入パイプ12の導入口14から流入する燃料は、固定コア30の内側、アジャスティングパイプ11の内側、流路400、孔411、第一筒部材21と軸部41との間を流れ、噴射ノズル25の内部に導かれる。すなわち、燃料導入パイプ12の導入口14から第一筒部材21とニードル40の軸部41との間までが噴射ノズル25の内部に燃料を導入する燃料通路18となる。
次に、燃料噴射装置1の作用について図2〜6に基づいて説明する。図2、4、5は、燃料噴射装置1における要部拡大図であって、燃料噴射の前後における可動コア50、ニードル40及び固定コア30の位置関係を示している。図3は、燃料噴射装置1における燃料噴射のタイムチャートである。図3(a)には、ECUから電流制御部38に出力される信号のオンオフを示している。図3(b)には、コイル35を流れる電流の大きさを示している。図3(c)には、ニードル40のリフト量(図3(c)の実線L14)、及び、可動コア50のリフト量(図3(c)の二点鎖線L15)を示している。ここで、ある時刻におけるニードル40のリフト量とは、図2の状態における可動コア第一端面501の位置からある時刻における鍔部端面431の位置までの距離である。また、ある時刻における可動コア50のリフト量とは、図2の状態における可動コア第一端面501の位置からある時刻における可動コア第一端面501の位置までの距離である。図6は、燃料噴射装置1におけるコイル35を流れる電流の大きさと燃料噴射量との関係を示す特性図である。なお、図4、5には、説明をわかりやすくするために、図2における可動コア50の位置を点線で示す。
コイル35に電力が供給されていないとき、すなわち、図3の時刻t10から時刻t11までの間において、ECUが電流制御部38に出力する信号はオフになっている。このとき、コイル35には電流が供給されておらず、ニードル40、可動コア50及び固定コア30は、図2に示す位置関係となっている。具体的には、ニードル40及び可動コア50にはスプリング31の付勢力が作用しているため、規制部第一端面451と可動コア第二端面502とが当接している。このとき、可動コア第一端面501と鍔部端面431との間には隙間430が形成されている。また、固定コア30と可動コア50との間には磁気吸引力は発生していないため、固定コア当接部302の端面303と可動コア第一端面501との間には隙間が形成されている。
時刻t11にECUが電流制御部38に出力する信号がオンになると、時刻t110においてコイル35に「第一電流」としての電流Ip1が流れる。これにより、固定コア30と可動コア50との間に磁気吸引力が発生し、二点鎖線L15に示すように、可動コア50のリフト量が増加する。このとき、可動コア50は、隙間430の中心軸CA20方向の長さに相当する距離を加速しつつ開弁方向に移動するため、図4に示すように可動コア第一端面501と鍔部端面431とが当接するとき、開弁方向の比較的大きな力がニードル40に作用する(図3の時刻t12)。このときの可動コア50のリフト量は、図4に示すようにリフト量D1となる。
可動コア第一端面501と鍔部端面431とが当接した後、ニードル40及び可動コア50は、可動コア50の慣性力によってスプリング31の付勢力に抗しつつ一体となって開弁方向に移動する。これにより、ニードル40と弁座255とが離間し、噴孔26が開く。噴孔26が開くと、噴射ノズル25内の燃料が噴孔26を通って噴射される。ここでは、コイル35に電流Ip1を流したときに行われる燃料噴射をプレ噴射という。
時刻t12以降、ニードル40及び可動コア50は、可動コア50の慣性力によって開弁方向にある程度移動するが、当該慣性力がスプリング31の付勢力より小さくなると、ニードル40及び可動コア50は、閉弁方向に移動し、時刻t13においてニードル40と弁座255とが当接し、噴孔26は閉じられる。
第一実施形態による燃料噴射装置1のプレ噴射では、ニードル40及び可動コア50は、軸部41の端面412及び鍔部43の端面432と円板部61の端面611とが当接しない程度までリフトする。具体的には、軸部41の端面412及び鍔部43の端面432と円板部61の端面611とが当接するときのニードル40のリフト量を「最大リフト量」としてのリフト量D2(図5参照)とすると、時刻t12から時刻t13までの間におけるニードル40のリフト量は、リフト量D2より小さいリフト量D3となる。リフト量D3は、特許請求の範囲の記載の「最大リフト量より小さいリフト量」に相当する。
燃料噴射装置1では、電流制御部38は、車両の運転状況に応じて電流Ip1の大きさを変更することによってニードル40のリフト量を変更可能である。これにより、プレ噴射における燃料噴射量を変更可能である。具体的には、図6に示すように、電流Ip1を電流Ip0以上において大きくすると、電流Ip1を大きくするに従ってプレ噴射における燃料の噴射量も多くなる。
時刻t11にECUが出力する信号がオンになると、コイル35には電流Ip1が流れる(図3の時刻t110以降)。これにより、燃料噴射装置1では、時刻t13において噴孔26が閉じられた後、時刻t13から次に電流の大きさを変更する時刻t14までの間において可動コア50とニードル40とは当接した状態を維持している。電流制御部38は、車両の運転状況に応じてコイル35に電流Ip1を流す時間、すなわち、時刻t110から時刻t14までの時間を調整可能である。
時刻t14において、電流制御部38は、コイル35に流す電流を電流Ip1より大きくする。より詳細には、電流制御部38は、最初に「第二電流」としての比較的大きな電流Ix1を流した後、電流Ix1より小さくかつ電流Ip1より大きい電流Im1をコイル35に流す(図3の時刻t15)。これにより、ニードル40及び可動コア50は、開弁方向に移動し噴孔26が再び開く。噴孔26が開くと噴射ノズル25内の燃料が噴孔26を通って噴射される。ここでは、コイル35に電流Im1を流したときに行われる燃料噴射をメイン噴射という。メイン噴射におけるニードル40のリフト量は、燃料噴射装置1におけるニードル40の最大リフト量であるリフト量D2となる(図5参照)。
時刻t16において、ECUが電流制御部38に出力する信号をオフにすると、コイル35を流れる電流は0となる。ニードル40及び可動コア50は、スプリング31の付勢力によって閉弁方向に移動する。ニードル40と弁座255とが当接することで噴孔26は閉じられ、ニードル40は停止する(図3の時刻t17)。時刻t17の後、さらに閉弁方向に移動する可動コア50は、規制部45に当接することで停止する(図3の時刻t18)。
このようにして、第一実施形態による燃料噴射装置1は、一回の通電においてプレ噴射を行った後にメイン噴射を行うよう制御する小大二回噴射制御を行う。ECUが電流制御部38に出力する信号をオフにした後、エンジンの燃焼室に噴射供給された燃料は、点火プラグによって点火され、燃焼する。
(a)第一実施形態による燃料噴射装置1では、規制部第一端面451と可動コア第二端面502とが当接しているとき、鍔部端面431と可動コア第一端面501との間に隙間430が形成されている。燃料噴射装置1では、可動コア50は、コイル35に電流が流れると隙間430の中心軸CA20方向の長さに相当する距離を加速しつつニードル40に当接する。これにより、燃料噴射装置1では、比較的大きな開弁方向の力をニードル40に作用させることができる。
(b)また、燃料噴射装置が所望の燃焼に適した混合気を燃焼室に形成するために複数回の燃料噴射を行う場合、例えば、特許文献1に記載の燃料噴射装置では、一回の通電において一回の燃料噴射しかできないため、燃料噴射の回数と同じ回数の開弁を行うためにコイルに供給される電気エネルギーを燃料噴射の回数と同じ回数チャージする必要がある。このため、消費される電気エネルギーが増大する。
第一実施形態による燃料噴射装置1では、電流制御部38は、コイル35に電流が流れ始める時刻t11から連続して0より大きい電流が流れた後電流が0となる時刻t16までの「一回の通電」において、ニードル40のリフト量がリフト量D3となるよう電流Ip1を流した後、ニードル40のリフト量がリフト量D2となるよう電流Ip1より多い電流Im1をコイル35に流す小大二回噴射制御を行う。これにより、燃料噴射装置1では、一回の通電において、比較的少量の燃料を噴射するプレ噴射と比較的大量の燃料を噴射するメイン噴射とを行うことができる。したがって、複数回の燃料噴射のために電気エネルギーを複数回チャージする必要がある燃料噴射装置に比べ、燃料噴射に必要なエネルギーを低減することができる。
(c)また、複数回の燃料噴射のために電気エネルギーを燃料噴射の回数分チャージする燃料噴射装置では、複数回の燃料噴射のそれぞれに対して電気エネルギーをチャージする時間が必要となる。しかしながら、複数回の燃料噴射において、一回の燃料噴射の後に次回の燃料噴射に必要な電気エネルギーをチャージするための十分な時間を確保することが難しい。一方、燃料噴射装置1では、一回の通電において、電流の大きさを制御することによって複数の燃料噴射を連続的に行うことができるため、複数回の燃料噴射のための電気エネルギーのチャージに必要な時間は、一回の通電の開始前だけとなる。これにより、例えば、プレ噴射の直後にメイン噴射を行うなど複数回の燃料噴射における時間の制限を少なくすることができる。
(d)また、燃料噴射装置1では、プレ噴射における電流Ip1の大きさや電流Ip1が流れる時間を車両の運転状況に応じて調整することができる。これにより、所望の燃焼に適した混合気を燃焼室に形成することができる。
(e)また、燃料噴射装置1では、複数回の燃料噴射を行うことによって、所望の燃焼に適した混合気を燃焼室に形成しつつ、燃料の噴霧長を短くすることができる。これにより、噴射された燃料が燃焼室を形成するピストンの外壁やシリンダブロックの内壁などに衝突し、冷損が大きくなることを防止することができる。また、粒子状物質の生成量を低減することができる。
(f)第一実施形態による燃料噴射装置1では、プレ噴射とメイン噴射との間の期間においてニードル40と可動コア50とが当接した状態を維持している。これにより、メイン噴射においてニードル40及び可動コア50が緩やかに開弁方向に移動するため、可動コア50が固定コア30に当接した後ニードル40がさらに開弁方向に移動しても有底筒状部材60に対して比較的高速で衝突することを防止する。したがって、ニードル40が有底筒状部材60に衝突した後閉弁方向に移動する跳ね返りを防止できる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による燃料噴射装置を図7に基づいて説明する。第二実施形態は、第一電流を流す期間と第二電流を流す期間との間に中間電流を流す点が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第二実施形態による燃料噴射装置における燃料噴射のタイムチャートを図7に示す。図7(a)には、ECUから電流制御部38に出力される信号のオンオフを示している。図7(b)には、コイル35を流れる電流の大きさを示している。図7(c)には、ニードル40のリフト量(図7(c)の実線L24)、及び、可動コア50のリフト量(図7(c)の二点鎖線L25)を示している。
第二実施形態による燃料噴射装置では、時刻t21においてECUが電流制御部38に出力する信号をオンにすると、コイル35に電流Ip1が流れる。これにより、二点鎖線L25に示すように、可動コア50のリフト量が増加する。このとき、可動コア50は、隙間430の中心軸CA20方向の長さに相当する距離を加速しつつ開弁方向に移動するため、開弁方向の比較的大きな力がニードル40に作用する。開弁方向の比較的大きな力がニードル40に作用すると、ニードル40と弁座255とが離間し、噴孔26が開く(図7の時刻t22)。噴孔26が開くと、プレ噴射として燃料が噴射される。
時刻t23においてニードル40のリフト量がリフト量D3となった後、スプリング31の付勢力によってニードル40及び可動コア50は閉弁方向に移動する。このとき、電流制御部38は、コイル35に流す電流を電流Ip1より小さい「中間電流」としての電流Ipm1とする(図7の時刻t24)。これにより、閉弁方向に移動するニードル40と弁座255とが当接しニードル40が停止した後、可動コア50はさらに閉弁方向に移動し、規制部45に当接する。すなわち、可動コア50のリフト量は、図7(c)に示すように、時刻t24の後の時刻t25以降において0となる。
時刻t26において、電流制御部38がコイル35に流す電流を電流Ipm1から電流Ix1となるよう大きくすると、可動コア50は、隙間430を加速しつつ開弁方向に移動し、鍔部43に当接する。これにより、開弁方向の比較的大きな力が作用するニードル40と弁座255とは離間し、噴孔26が開く(図7の時刻t27)。噴孔26が開くと、メイン噴射として燃料が噴射される。その後、電流制御部38は、コイル35に流す電流を電流Ix1から電流Im1に変更する。このときのニードル40のリフト量はリフト量D2となる。
その後、時刻t28において、ECUが電流制御部38に出力する信号をオフにすると、ニードル40及び可動コア50は閉弁方向に移動する。ニードル40と弁座255とが当接することで噴孔26は閉じられ、ニードル40は停止する。さらに閉弁方向に移動する可動コア50は、規制部45に当接することで停止する(図7の時刻t29)。
第二実施形態による燃料噴射装置では、プレ噴射だけでなくメイン噴射においても開弁方向の比較的大きな力をニードル40に作用させることができる。これにより、第二実施形態は、第一実施形態の効果(a)〜(e)を奏するとともに、ハウジング20内の燃料の圧力が比較的高い場合でも開弁可能なプレ噴射とメイン噴射との組み合わせを一回の通電において行うことができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による燃料噴射装置を図8に基づいて説明する。第三実施形態は、一次電流の前に前電流を流す点が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第三実施形態による燃料噴射装置における燃料噴射のタイムチャートを図8に示す。図8(a)には、ECUから電流制御部38に出力される信号のオンオフを示している。図8(b)には、コイル35を流れる電流の大きさを示している。図8(c)には、ニードル40のリフト量(図8(c)の実線L34)、及び、可動コア50のリフト量(図8(c)の二点鎖線L35)を示している。また、図8には、第三実施形態との比較対象として第一実施形態の燃料噴射におけるタイムチャートを点線Ta1、Tb1、Tc1で示してある。
第三実施形態による燃料噴射装置では、第一実施形態の時刻t11より早い時刻t31にECUが電流制御部38に出力する信号をオンにすると、コイル35に電流Ip1より小さい「前電流」としての電流Ipfが流れる(図8の時刻t32以降)。さらに、第一実施形態の時刻t11と同時刻の時刻t33において、コイル35に流れる電流を電流Ipfから電流Ip1に変更すると、図8(c)の二点鎖線L35に示すように、可動コア50は、隙間430の中心軸CA20方向の長さに相当する距離を加速しつつ開弁方向に移動する。このとき、時刻t33から時刻t34までの間の電流の増加速度は、第一実施形態における電流が0から電流Ip1までの間の電流の増加速度(図8(b)の点線Tb1)より速い。これにより、第三実施形態による燃料噴射装置では、可動コア50は、第一実施形態に比べ速い速度で鍔部43に当接する。
時刻t34において噴孔26が開き、噴射ノズル25内の燃料がプレ噴射として噴射される。時刻t35において、ニードル40のリフト量がリフト量D3となった後、スプリング31の付勢力によってニードル40及び可動コア50は閉弁方向に移動し、時刻t36においてニードル40と弁座255とが当接し、噴孔26は閉じられる(図8(c)の時刻t36)。
時刻t36において噴孔26が閉じられた後、コイル35には電流Ip1が流れるため、可動コア50とニードル40とは当接した状態を維持している。
時刻t37において、電流制御部38は、コイル35に流す電流を電流Ip1より大きい電流Ix1とした後、電流Im1とする。これにより、可動コア50及びニードル40は、開弁方向に移動し噴孔26が再び開く。噴孔26が開くと噴射ノズル25内の燃料がメイン噴射として噴射される。
その後、時刻t38において、ECUが電流制御部38に出力する信号をオフにすると、ニードル40及び可動コア50は閉弁方向に移動する。ニードル40と弁座255とが当接することで噴孔26は閉じられ、ニードル40は停止する。さらに閉弁方向に移動する可動コア50は、規制部45に当接することで停止する(図8の時刻t39)。
第三実施形態による燃料噴射装置では、電流Ip1を流す前に電流Ip1より小さい電流Ipfを流すことによって、図8(c)に示すように、プレ噴射におけるニードル40及び可動コア50のリフト速度を図8(c)の点線Tc1に示す第一実施形態に比べ速くすることができる。これにより、第三実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、プレ噴射の開始時刻を早くすることができる。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態による燃料噴射装置を図9に基づいて説明する。第四実施形態は、電流制御部が一回の通電において可動コアを加速させつつニードルに当接させて開弁する燃料噴射のみを行うよう電流を制御することが可能である点が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第四実施形態による燃料噴射装置では、電流制御部38は、ECUからの指令に応じて、一回の通電において複数回の燃料噴射を行う分割噴射制御と、一回の通電において隙間430を利用して開弁する燃料噴射のみを行う一回噴射制御とを行う。
第四実施形態による燃料噴射装置における燃料噴射のタイムチャートを図9に示す。図9には、電流制御部38による一回噴射制御における燃料噴射のタイムチャートを示しており、電流制御部38による分割噴射制御における燃料噴射のタイムチャートは、第一実施形態のタイムチャートと同じである。
図9(a)には、ECUから電流制御部38に出力される信号のオンオフを示している。図9(b)には、コイル35を流れる電流の大きさを示している。図9(c)には、ニードル40のリフト量(図9(c)の実線L44)、及び、可動コア50のリフト量(図9(c)の二点鎖線L45)を示している。
一回噴射制御では、時刻t41にECUが電流制御部38に出力する信号がオンになると、コイル35に最初に「第五電流」としての電流Ix2が流れた後、電流Im2が流れる。これにより、可動コア50は、二点鎖線L45に示すように、隙間430の中心軸CA20方向の長さに相当する距離を加速しつつ開弁方向に移動するため、開弁方向の比較的大きな力がニードル40に作用する。可動コア50と当接し一体となったニードル40は開弁方向に移動し、噴孔26が開く(図9の時刻t42)。噴孔26が開くと、噴射ノズル25内の燃料がメイン噴射として噴射される。このときのニードル40の最大リフト量は、リフト量D2となる(図9の時刻t43)。なお、電流Im2は、第一実施形態の電流Im1と同じ大きさであってもよい。
その後、時刻t44において、ECUが電流制御部38に出力する信号をオフにすると、ニードル40及び可動コア50は閉弁方向に移動する。ニードル40と弁座255とが当接することで噴孔26は閉じられ、ニードル40は停止する(図9(c)の時刻t45)。さらに閉弁方向に移動する可動コア50は、規制部45に当接することで停止する(図9の時刻t46)。
第四実施形態による燃料噴射装置では、電流制御部38は、ECUにおいて判定される車両の運転状況に応じて、小大二回噴射制御または一回噴射制御を切り替えて燃料噴射を行う。これにより、第四実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、燃焼にさらに適した混合気を燃焼室に形成することができる。
(第五実施形態)
次に、本発明の第五実施形態による燃料噴射装置を図10に基づいて説明する。第四実施形態は、電流制御部がメイン噴射の後にアフタ噴射を行うよう電流を制御する点が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第五実施形態による燃料噴射装置では、電流制御部38は、ECUからの指令に応じて、一回の通電においてメイン噴射の後にメイン噴射より燃料の噴射量が少ないアフタ噴射を行う大小二回噴射制御を行う。
第五実施形態による燃料噴射装置における燃料噴射のタイムチャートを図10に示す。図10(a)には、ECUから電流制御部38に出力される信号のオンオフを示している。図10(b)には、コイル35を流れる電流の大きさを示している。図10(c)には、ニードル40のリフト量(図10(c)の実線L54)、及び、可動コア50のリフト量(図10(c)の二点鎖線L55)を示している。
第五実施形態による燃料噴射装置では、時刻t51にECUが電流制御部38に出力する信号をオンにすると、コイル35に最初に「第三電流」としての電流Ix3が流れた後電流Im3が流れる。これにより、可動コア50は、二点鎖線L55に示すように、隙間430の中心軸CA20方向の長さに相当する距離を加速しつつ開弁方向に移動するため、開弁方向の比較的大きな力がニードル40に作用する。可動コア50と当接し一体となったニードル40は、開弁方向に移動し、噴孔26が開く(図10の時刻t52)。噴孔26が開くと、噴射ノズル25内の燃料がメイン噴射として噴射される。このときのニードル40のリフト量は、最大のリフト量D2となる(図10の時刻t53)。なお、電流Im3は、第一実施形態の電流Im1と同じ大きさであってもよい。
時刻t53の後の時刻t54において、電流制御部38は、コイル35を流れる電流を電流Im3から電流Ipm2に変更する。これにより、固定コア30と可動コア50との間の磁気吸引力が小さくなるため、ニードル40及び可動コア50は一体となったまま閉弁方向に移動する。ニードル40と弁座255とが当接することで噴孔26は閉じられ、ニードル40は停止する(図10の時刻t55)。さらに閉弁方向に移動する可動コア50は、規制部45に当接することで停止する(図10の時刻t56)。
時刻t56の後の時刻t57において、電流制御部38は、コイル35を流れる電流を「第四電流」としての電流Ip2に変更する。可動コア50は、隙間430の中心軸CA20方向の長さに相当する距離を加速しつつ開弁方向に移動し、ニードル40に当接する(図10の時刻t58)。これにより、噴孔26が開き、噴射ノズル25内の燃料が噴射される。ここでは、コイル35に電流Ip2を流したときの燃料噴射をアフタ噴射という。第五実施形態による燃料噴射装置では、電流制御部38は、車両の運転状況に応じて電流Ip2の大きさや電流Ip2を流す時間を調整することが可能である。
時刻t58において、ニードル40が弁座255から離間した後、リフト量D2より小さいリフト量D4でリフトしたニードル40及び可動コア50は、スプリング31の付勢力によって閉弁方向に移動し、ニードル40と弁座255とが当接する。
時刻t59において、ECUが電流制御部38に出力する信号をオフにすると、固定コア30と可動コア50との間の磁気吸引力がなくなるため、可動コア50は、閉弁方向二移動し、規制部45に当接する。
第五実施形態による燃料噴射装置では、電流制御部38は、ニードル40のリフト量が最大となるメイン噴射の後にアフタ噴射を行う大小二回噴射制御を行う。これにより、第五実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、燃焼にさらに適した混合気をメイン噴射後の燃焼室に形成することができる。
(その他の実施形態)
(ア)上述の実施形態では、燃料噴射装置はガソリンを噴射するとした。これに対し、本発明の他の実施形態では、燃料噴射装置が噴射する燃料は軽油であってもよい。
本発明の燃料噴射装置が軽油を燃料とするディーゼルエンジンに設けられる場合、従来、複数回の燃料噴射ごとに電気をチャージして開弁する燃料噴射装置に比べ、本発明の燃料噴射装置「一回の通電」において複数回の燃料噴射が可能となるため、電気をチャージする回数を少なくすることができる。これにより、燃料噴射に要するエネルギーを低減することができる。
(イ)上述の実施形態では、一回の通電において二回の燃料噴射が行われるとした。しかしながら、一回の通電における燃料噴射の回数はこれに限定されない。
第一実施形態の変形例としての燃料噴射装置における燃料噴射を図11に示すタイムチャートに沿って説明する。変形例としての燃料噴射装置が備える電流制御部は、時刻t13と時刻t14との間にコイルに流れる電流を電流Ip1から電流Ip1に比べて大きい電流Ipm3に変更する(図11の時刻t131から時刻t141までの間)。これにより、ニードルが弁座から離間し、一回目のプレ噴射(図11の時刻t12から時刻t13までの間の燃料噴射)に続いてリフト量D5となる二回目のプレ噴射を行うことができる。これにより、燃焼にさらに適した混合気を燃焼室に形成することができる。なお、リフト量D5は、第一実施形態のリフト量D3と同じあってもよい。
(ウ)第一〜三実施形態では、電流制御部は、小大二回噴射制御を行うとした。第四実施形態では、電流制御部は、ECUにおいて判定される車両の運転状況に応じて小大二回噴射制御または一回噴射制御を行うとした。第五実施形態では、電流制御部は、大小二回噴射制御を行うとした。しかしながら、電流制御部が行う噴射制御はこれに限定されない。ECUにおいて判定される車両の運転状況に応じて第一実施形態の大小二回噴射制御と第五実施形態の小大二回噴射制御とを切り替えて実行してもよい。また、ECUにおいて判定される車両の運転状況に応じて第一実施形態の大小二回噴射制御、第五実施形態の小大二回噴射制御、または、第四実施形態の一回噴射制御を切り替えて実行してもよい。
(エ)上述の実施形態では、プレ噴射における電流の大きさや電流が流れる時間を車両の運転状況に応じて調整するとした。これに対し、本発明の他の実施形態では、電流の大きさや電流が流れる時間を調整しなくてもよい。また、電流の大きさ及び電流が流れる時間の少なくとも一方のみを調整してもよい。
(オ)上述の実施形態では、ニードルがリフトしたときニードルのリフト量を規制する有底筒状部材を備えるとした。これに対し、本発明の他の実施形態では、有底筒状部材はなくてもよい。
(カ)上述の実施形態では、固定コアは、固定コア本体部及び固定コア当接部から構成されるとした。これに対し、本発明の他の実施形態では、固定コア当接部はなくてもよい。
(キ)上述の実施形態では、有底筒状部材は、筒部の内壁が鍔部の外壁と摺動し、筒部の外壁が固定コア当接部の内壁に摺動するとした。これに対し、本発明の他の実施形態では、筒部の内壁及び外壁はそれぞれ鍔部の外壁及び固定コア当接部の内壁に摺動しなくてもよい。
(ク)上述の実施形態では、鍔部及び規制部は、略円環状に形成されるとした。しかしながら、鍔部や規制部の形状はこれに限定されない。楕円筒状または多角筒状であってもよいし、軸部の周方向の一部に突起状に設けられてもよい。また、規制部はなくてもよい。
(ケ)上述の実施形態では、規制部は、軸部の径方向外側に設けられるとした。しかしながら、規制部は、ハウジングの内壁に設けられてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 ・・・燃料噴射装置、
20 ・・・ハウジング、
255 ・・・弁座、
26 ・・・噴孔
30 ・・・固定コア、
31 ・・・スプリング(付勢手段)、
35 ・・・コイル、
38 ・・・電流制御部(電流制御手段)、
41 ・・・軸部(ニードル部材)、
42 ・・・シール部(一方の端部)、
43 ・・・鍔部、
430 ・・・隙間、
45 ・・・規制部、
50 ・・・可動コア。

Claims (12)

  1. 燃料を噴射することで内燃機関の燃焼室に燃料を供給する燃料噴射装置(1)であって、
    中心軸(CA20)方向の一端に形成され燃料を噴射する噴孔(26)、及び、前記噴孔の周囲に形成される弁座(255)を有するハウジングと、
    前記ハウジング内に往復移動可能に設けられ、一方の端部(42)が前記弁座に当接すると閉弁し前記弁座から離間すると開弁することで前記噴孔を開閉するニードル部材(41)と、
    前記ニードル部材と一体に往復移動可能なよう前記ニードル部材の他方の端部側の径方向外側に設けられる鍔部(43)と、
    前記鍔部の前記弁座側において前記ニードル部材に対し相対移動可能に設けられる可動コア(50)と、
    前記可動コアの前記弁座とは反対側に設けられ前記ハウジングに固定される固定コア(30)と、
    電流が流れると前記可動コアが前記固定コアに吸引されるよう磁界を形成するコイル(35)と、
    前記ニードル部材を閉弁方向に付勢する付勢手段(31)と、
    前記コイルを流れる電流を制御する電流制御手段(38)と、
    を備え、
    前記ニードル部材と前記弁座とが当接しているとき、前記鍔部と前記可動コアとの間には隙間(430)が形成され、
    前記電流制御手段は、一回の通電において燃料の噴射が複数回行われるよう前記コイルを流れる電流の大きさを調整可能であることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記鍔部と前記中心軸方向において当接可能な円板部(61)、及び、前記鍔部の径方向外側の外壁(433)と摺動可能な筒部(62)を有する有底筒状部材(60)をさらに備え、
    前記隙間は、前記筒部の内壁(621)の前記中心軸方向の長さと、前記鍔部の前記中心軸方向の長さと、の違いによって形成される請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記電流制御手段は、一回の通電において、前記ニードル部材のリフト量が前記ニードル部材の最大リフト量(D2)より小さいリフト量(D3)となるよう第一電流(Ip1)を流した後、前記ニードル部材のリフト量が最大リフト量となるよう第二電流(Ix1)を流すことで燃料の噴射が二回行われる制御である小大二回噴射制御、または、
    一回の通電において、前記ニードル部材のリフト量が最大リフト量(D2)となるよう第三電流(Ix3)を流した後、前記ニードル部材のリフト量が前記ニードル部材の最大リフト量より小さいリフト量(D3)となるよう第四電流(Ip2)を流すことで燃料の噴射が二回行われる制御である大小二回噴射制御の少なくとも一方の制御を実行可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記電流制御手段は、前記小大二回噴射制御において、前記第一電流が流れる期間と前記第二電流が流れる期間との間に前記第一電流より小さい中間電流(Ipm1)を流すことを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記電流制御手段は、前記小大二回噴射制御において、前記第一電流の大きさを調整可能であることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料噴射装置。
  6. 前記電流制御手段は、前記小大二回噴射制御において、前記第一電流が流れる時間を調整可能であることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  7. 前記電流制御手段は、前記小大二回噴射制御において、前記内燃機関を搭載する車両の運転状況に応じて、前記第一電流の大きさ及び前記第一電流が流れる時間の少なくとも一方を調整することを特徴とする請求項5または6に記載の燃料噴射装置。
  8. 前記電流制御手段は、前記小大二回噴射制御において、前記第一電流を流す前に前記第一電流より小さい前電流(Ipf)を流すことを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  9. 前記電流制御手段は、前記大小二回噴射制御において、前記第四電流の大きさを調整可能であることを特徴とする請求項3から8のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  10. 前記電流制御手段は、前記大小二回噴射制御において、前記第四電流が流れる時間を調整可能であることを特徴とする請求項3から9のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  11. 前記電流制御手段は、一回の通電において、前記可動コアが前記隙間を利用して加速しつつ前記鍔部に当接可能な第五電流(Ix2)を流すことで燃料の噴射が一回行われる制御である一回噴射制御を実行可能であることを特徴とする請求項3から10のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  12. 前記電流制御手段は、前記内燃機関を搭載する車両の運転状況に応じて、前記小大二回噴射制御、前記一回噴射制御または前記大小二回噴射制御を切り替えて実行可能であることを特徴とする請求項11に記載の燃料噴射装置。
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