JP2018079624A - インクジェット装置および染色システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のインクジェットヘッドが並んで配置されている場合にも、簡素な構成により適正に、インクジェットヘッドの吐出不良を検出することが可能なインクジェット装置を提供する。
【解決手段】インクジェット装置2は、布地を送る搬送部と、布地の送り方向に並んで配置されたインクジェットヘッド11〜14と、布地から輝度を取得するスキャナ15と、取得された輝度に基づいてインクジェットヘッド11〜14の吐出不良を検出する吐出検査部700とを備える。吐出検査部700は、布地の移動方向に交差する方向において輝度に基づく値の周期と各周期における前記値の最大値および最小値を取得し、周期と最大値および最小値に基づいて算出した指標値が、人の目により縞を視認可能な範囲として設定された範囲に含まれるか否かに基づいて、インクジェットヘッド11のインクの吐出不良を検出する。
【選択図】図5

Description

本発明は、被印刷面にインクを吐出してインクの液滴を着弾させるインクジェット装置およびそれを用いた染色システムに関する。
インクジェット装置は、インクジェットヘッドからインクを吐出することにより、被印刷面に印字や描画を行う装置である。インクジェットヘッドには、微細なノズルが列に並んで多数設けられている。被印刷面に対する描画のパターンに応じて、インクを吐出するノズルとインクの吐出量が設定される。
以下の特許文献1には、記録ヘッドに搭載されたイメージセンサによって、記録紙に印字されたドットの有無を読み取り、読み取り結果を印字データと比較することによって、唄射ノズルの噴射ミスを検出するインクジェットプリンタが記載されている。
特開昭63−260448号公報
布地等の大きな被印刷面にインクを吐出するインクジェット装置では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色を吐出する複数のインクジェットヘッドが、被印刷面の送り方向に並んで配置されるよう構成され得る。この構成の場合、上記特許文献1の方法では、それぞれのインクジェットヘッドに個別にイメージセンサを配置する必要があるため、構成の複雑化とコストの上昇を招いてしまう。
かかる課題に鑑み、本発明は、複数のインクジェットヘッドが並んで配置されている場合にも、簡素な構成により適正に、インクジェットヘッドの吐出不良を検出することが可能なインクジェット装置およびそれを用いた染色システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、被印刷面にインクを吐出して前記被印刷面に画像を印刷するためのインクジェット装置に関する。本態様に係るインクジェット装置は、前記被印刷面を移動させる搬送部と、前記被印刷面の移動方向に並んで配置され互いに異なる色のインクを吐出する複数のインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドによって前記インクが吐出された後の前記被印刷面から輝度を取得する信号取得部と、前記信号取得部により取得された前記輝度に基づいて、前記インクジェットヘッドの吐出不良を検出する吐出検査部と、を備える。ここで、前記吐出検査部は、前記被印刷面の移動方向に交差する方向において、前記輝度に基づく値の周期と各周期における前記値の最大値および最小値を取得し、前記周期と前記最大値および最小値に基づいて算出した指標値が、人の目により縞を視認可能な範囲として設定された所定の設定範囲に含まれるか否かに基づいて、前記インクジェットヘッドにおける前記インクの吐出不良を検出する。
本態様に係るインクジェット装置によれば、信号取得部により取得された輝度に基づいて各インクジェットヘッドにおけるインクの吐出不良が検出される。よって、複数のインクジェットヘッドが並んで配置されている場合も、下流側に共通の信号取得部を配置するのみで、各インクジェットヘッドの吐出不良を検出することができる。
なお、上記において「被印刷面を移動させる」とは、インクジェットヘッドの並び方向において、被印刷面をインクジェットヘッドに対し相対的に移動させることを意味するものであり、被印刷面を移送する形態の他、インクジェットヘッドを前記並び方向に移動させる形態も含むものである。
本発明の第2の態様は、染色システムに関する。第2の態様に係る染色システムは、第1の態様に係るインクジェット装置と、片面が前記被印刷面となる布地を前記搬送部に供給する布供給部と、前記複数のインクジェットヘッドにより染色された布地を乾燥させる乾燥部と、を備える。
本態様に係る染色システムによれば、第1の態様と同様の効果が奏され得る。
以上のとおり、本発明に係るインクジェット装置および染色システムによれば、複数のインクジェットヘッドが並んで配置されている場合にも、簡素な構成により適正に、インクジェットヘッドの吐出不良を検出することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1(a)は、実施の形態に係る染色システムの外観構成を模式的に示す平面図、図1(b)は、実施の形態に係る染色システムの外観構成を模式的に示す側面図である。 図2は、実施の形態に係るインクジェット装置の構成を模式的に示す斜視図である。 図3(a)は、実施の形態に係るヘッドブロックの構成を模式的に示す斜視図である。図3(b)は、実施の形態に係るヘッド部の下面の構成を模式的に示す平面図である。図3(c)は、実施の形態に係るヘッドブロックをZ軸負方向に見た場合のヘッドモジュールの配置構成を模式的に示す図である。 図4は、実施の形態に係るインクの吐出位置とスキャナの検出領域との関係を模式的に示す図である。 図5は、実施の形態に係るインクジェット装置の構成を示すブロック図である。 図6(a)は、実施の形態に係る布地に設定された検査領域の一例を示す図である。図6(b)は、実施の形態に係る輝度信号の取得方法を示す図である。図6(c)は、布地の幅方向における検査領域の輝度信号の変化の一例を示す図である。 図7(a)〜(i)は、それぞれ、実施の形態に検査領域の設定方法を示す図である。 図8(a)〜(c)は、それぞれ、吐出不良により検査領域に生じた縞と平均輝度の状態とを対比して示す図である。 図9(a)は、コントラストの算出手法を説明するための図である。図9(b)は、コントラストと空間周波数との関係を2軸の座標系により模式的に示す図である。図9(c)は、人の目により縞を視認可能なコントラスト感度および空間周波数の組み合わせの範囲を模式的に示す図である。 図10(a)、(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、縞とその他の領域との間の輝度差が小さい場合の検査領域の画像の一例、および、そのときの輝度信号の変化を示すグラフである。図10(c)は、図10(b)の波形の一部を拡大して示す図である。図10(d)は、図10(b)の波形から取得した空間周波数とコントラスト感度との組み合わせを2軸の座標系にプロットしたグラフである。 図11(a)〜(c)は、それぞれ、検査領域に生じた縞と輝度信号の状態とを対比して示す図である。図11(d)は、図11(a)〜(c)に示す検査領域中の縞の部分から取得された空間周波数とコントラスト感度との組み合わせを、2軸からなる座標系にプロットしたグラフである。 図12(a)は、実施の形態に係る吐出検査の基本フローを示すフローチャートである。図12(b)は、実施の形態に係る検査処理を示すフローチャートである。 図13(a)は、実施の形態における設定範囲を示す図である。図13(b)、(c)は、それぞれ、変更例における設定範囲を示す図である。
本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。便宜上、各図には互いに直交するX、Y、Z軸が付記されている。XY平面は水平面に平行であり、Z軸方向は鉛直方向に平行である。X軸正方向が布地の搬送方向であり、Y軸方向は布地の幅方向である。
図1(a)は、染色システム1の外観構成を模式的に示す平面図、図1(b)は、染色システム1の外観構成を模式的に示す側面図である。
染色システム1は、インクジェット装置2と、布供給部30と、乾燥部40とを備えている。インクジェット装置2は、第1のインクジェットヘッド11と、第2のインクジェットヘッド12と、第3のインクジェットヘッド13と、第4のインクジェットヘッド14と、スキャナ15と、搬送部20とを備えている。
第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14は、布地50の搬送方向(X軸正方向)に所定の間隔で配置されている。第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14は、互いに異なる色のインクを、布地50に向けて吐出する。たとえば、第1のインクジェットヘッド11、第2のインクジェットヘッド12、第3のインクジェットヘッド13および第4のインクジェットヘッド14は、それぞれ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを吐出する。
スキャナ15は、第4のインクジェットヘッド14から所定の間隔をおいて、第4のインクジェットヘッド14の下流側(X軸正側)に配置されている。スキャナ15は、光で布地50を幅方向(Y軸方向)にスキャンして、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14により布地50の上面に印刷された画像を読み取る光学式のカラースキャナである。スキャナ15は、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14に設けられた複数のノズル111a(図3(b)参照)にそれぞれ対応する検出位置において、布地50から赤、緑および青の信号を取得する信号取得部である。スキャナ15は、単一のユニットで構成されてもよく、布地50の幅方向(Y軸方向)に並ぶ複数のユニットを組み合わせて構成されてもよい。
搬送部20は、搬送ベルト21と、ローラ22、23とを備えている。布地50は搬送ベルト21の上面に貼り付いた状態で、搬送ベルト21によってX軸正方向に送られる。搬送部20の構成については、追って、図2を参照して説明する。
布供給部30は、支軸31aを備える設置ユニット31と、フレームに支持されたローラ32〜34とを備えている。一方向に巻き取られた布地50が、回転可能に設置ユニット31の支軸31aにセットされる。設置ユニット31にセットされた布地50の端部が引き出されて、ローラ32、33の上面に掛けられる。布地50の端部がローラ34の下面に掛けられて、搬送ベルト21へと導かれる。布地50の端部は、搬送ベルト21の上面に貼り付けられる。搬送ベルト21の移動に伴い、設置ユニット31から布地50が引き出されて、布地50がX軸正方向に移動する。
乾燥部40は、乾燥機41と、ローラ42、43とを備える。乾燥機41は、ローラ42を介して導入された布地50のインクを乾燥させる。ローラ42は、搬送ベルト21の上面から布地50を剥離させて乾燥機41へと導入させるためのものである。ローラ43は、乾燥機41から搬出された布地50を後方へと案内するためのものである。
図2は、インクジェット装置2の構成を模式的に示す斜視図である。
インクジェット装置2は、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14、スキャナ15、搬送ベルト21およびローラ22、23の他に、支柱61、62と、支持部63〜67と、を備える。インクジェット装置2は、布地50にインクを吐出して布地50を染色する。なお、図2では、便宜上、支持部66と第4のインクジェットヘッド14の外形が破線で示されており、第4のインクジェットヘッド14の内部が透視され、第4のインクジェットヘッド14の内部のヘッドブロック100が図示されている。
支柱61、62は、X軸方向に延びた枠部材であり、Y軸方向に互いに離れている。支柱61と支柱62の間には、X軸負側の位置にローラ22が設けられ、X軸正側の位置にローラ23が設けられている。ローラ22、23は、それぞれ、Y軸方向に延びた支軸22a、23aを備えている。支軸22a、23aは、回転可能となるよう支柱61、62に支持されている。また、支軸22a、23aは、図示しないモータによりY軸正方向に見て反時計回りに回転される。
搬送ベルト21は、Y軸方向に所定の幅を有し、ローラ22、23に掛け渡されている。搬送ベルト21の表面には、布地50が滑らないように、粘着剤樹脂が塗布されている。印写が終わると、粘着剤樹脂がベルトから剥離される。支軸22a、23aがモータにより回転されると、ローラ22、23が回転し、搬送ベルト21に設置された布地50がX軸正方向に搬送される。
支持部63〜67は、Y軸方向に延びた枠部材であり、支柱61と支柱62に掛け渡されている。第1のインクジェットヘッド11は、支持部63に設置されており、第2のインクジェットヘッド12は、支持部64に設置されており、第3のインクジェットヘッド13は、支持部65に設置されており、第4のインクジェットヘッド14は、支持部66に設置されている。また、スキャナ15が、支持部67に設置されている。
第1のインクジェットヘッド11と、第2のインクジェットヘッド12と、第3のインクジェットヘッド13と、第4のインクジェットヘッド14と、スキャナ15は、搬送ベルト21によって搬送される布地50に対して対向するように設置されている。第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14は、それぞれ、6つのヘッドブロック100を備える。
図3(a)は、ヘッドブロック100の構成を模式的に示す斜視図である。
図3(a)に示すように、ヘッドブロック100は、フレーム101と、6つのヘッドモジュール110と、を備える。ヘッドモジュール110は、フレーム101に形成された矩形の凹部(図示せず)に嵌まるようにフレーム101設置されている。フレーム101の凹部には、ヘッドブロック100からZ軸正方向にインクを吐出可能とするための開口が形成されている。ヘッドモジュール110は、X軸方向に並んだ4つのヘッド部111からなる。
図3(b)は、ヘッド部111の下面の構成を模式的に示す平面図である。
図3(b)に示すように、ヘッド部111の下面には、インクを吐出するための多数のノズル111aがY軸方向に並ぶように配置されている。ヘッド部111の下面には、ノズル111aの列が4つ配置されている。各列には、多数のノズル111aが一定間隔で設けられている。各列のノズル111aの位置は、Y軸方向に互いにずれている。すなわち、列L1のノズル111aに対して、列L2のノズル111aはY軸正方向に1/2ピッチずれている。また、列L1のノズル111aに対して、列L3のノズル111aはY軸正方向に1/4ピッチずれており、列L1のノズル111aに対して、列L4のノズル111aはY軸正方向に3/4ピッチずれている。後述するインク供給部400(図4参照)から供給されたインクは、ノズル111aから下方向(Z軸正方向)に吐出され、搬送ベルト21上の布地50に印写される。
図3(c)は、ヘッドブロック100をZ軸負方向に見た場合のヘッドモジュール110の配置構成を模式的に示す図である。
上述したように、ヘッド部111の下面には、ノズル111aがY軸方向に並んで配置されている。ヘッドモジュール110は、X軸方向に並んだ4つのヘッド部111からなる。したがって、図3(c)に示すように、1つのヘッドモジュール110を下面側から見ると、Y軸方向に並んだノズル111aの列がX軸方向に16列並ぶことになる。
また、図3(c)に示すように、6つのヘッドモジュール110は、Y軸方向の位置が重なるように並んでいる。すなわち、Y軸負側から1、3、5番目のヘッドモジュール110は、X軸正側に配置されており、Y軸負側から2、4、6番目のヘッドモジュール110は、X軸負側に配置されている。そして、X軸方向に隣り合う2つのヘッドモジュール110は、Y軸方向に所定の幅w1だけ重なるように配置されている。
上記のように、1つのヘッドモジュール110においては、Y軸方向に並んだノズル111aの列がX軸方向に16列並んでいる。ここで、16の列を、X軸負側から順に、列LB1〜列LB16とすると、X軸正側のヘッドモジュール110の列LBnのY軸負側の端のノズル111aとX軸負側のヘッドモジュール110の列LBnのY軸正側の端のノズル111aとの間のY軸方向の距離が、各列のノズル111aの間隔と同じになっている。
このように6つのヘッドモジュール110が配置されることにより、1つのヘッドブロック100内の列LBnのノズル111aは、Y軸方向において等間隔となるように、並ぶこととなる。これにより、1列のノズル数の6倍の幅で等間隔に、インクの液滴を布地50に吐出することができる。
図2に戻り、第1のインクジェットヘッド11には、6つのヘッドブロック100が配置されている。X軸正側に配置された3つのヘッドブロック100の間の隙間を埋めるようにX軸負側の3つのヘッドブロック100が配置されている。第1のインクジェットヘッド11に配置された合計144のヘッド部111は、これら144のヘッド部111によって布地50にインクを吐出した場合、布地50に印写されたインクがY軸方向に一列に並ぶように、吐出タイミングが制御される。この場合、144のヘッド部111によって布地50に印写されたインクは、Y軸方向に一定ピッチで並ぶ。
第2のインクジェットヘッド12、第3のインクジェットヘッド13および第4のインクジェットヘッド14も、それぞれ、同様に、吐出タイミングが制御される。第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14は、各インクジェットヘッドにおいてY軸正側からn番目に配置されたノズル111aが、互いに、X軸方向に並ぶように配置されている。第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14は、各インクジェットヘッドにおいてY軸正側からn番目に配置されたノズル111aから吐出されるインクが布地50上において互いに重なるように、吐出タイミングが制御される。
図4は、インクの吐出位置Pnとスキャナ15の検出領域Dmとの関係を模式的に示す図である。
図4に示すように、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14によるインクの吐出位置Pnは、上述のタイミング制御により、Y軸方向に一列に並ぶ。スキャナ15は、Y軸方向に布地50を走査して、各吐出位置Pnについて、赤、緑、青の輝度を検出する。スキャナ15は、検出領域Dmごとに、赤、緑、青の輝度を検出する。検出領域Dmは、スキャナ15の赤、緑、青の画素の組み合わせからなる画素領域に対応する。検出領域Dmは、Y軸方向に並んでいる。本実施の形態では、検出領域Dmの大きさが、各吐出位置Pnにおけるインクの印写領域よりも広くなるように、印写ドットの解像度が設定されている。すなわち、印写ドットの解像度は、スキャナ15の解像度よりも高い。したがって、1つの検出領域Dmに複数の印写領域(吐出位置Pn)が含まれる。1つの検出領域Dmに1つの印写領域(吐出位置Pn)が含まれる構成であってもよい。
図5は、インクジェット装置2の構成を示すブロック図である。
インクジェット装置2は、第1のインクジェットヘッド11と、第2のインクジェットヘッド12と、第3のインクジェットヘッド13と、第4のインクジェットヘッド14と、スキャナ15の他、制御部200と、搬送部300と、インク供給部400と、インターフェース500と、印刷データ生成部600と、吐出検査部700とを備える。
搬送部300は、ローラ22、23と、ローラ22、23を回転させるためのモータと、搬送ベルト21の他に、ローラ22の回転を検出するためのエンコーダを含んでいる。エンコーダは、ローラ22が一定角度回転するごとにパルスを1つ出力する。たとえば、エンコーダは、ローラ22が1回転する間に、10000個程度のパルスを出力する。エンコーダからの出力は、布地50を一定速度で搬送するための制御に用いられる
制御部200は、信号処理回路とメモリを備え、メモリに保持されたプログラムに従って、インクジェット装置2の各部を制御する。制御部200は、印刷データ生成部600から入力された印刷データに基づいて、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14と、インク供給部400と、搬送部300と、を制御し、元画像に基づく画像を布地50に印写する。また、制御部200は、インターフェース500から入力された元画像データと印刷データ生成部600から入力された印刷データを、吐出検査部700に出力する。
インク供給部400は、4つのインクジェットヘッドにそれぞれ対応する色のインクを供給するための構成を備える。インターフェース500は、布地50に印写すべき元画像データの入力を受け付け、入力された元画像データを印刷データ生成部600と制御部200に出力する。元画像データは、画素ごとに赤、緑、青の色および色調を示すデータを含んでいる。
印刷データ生成部600は、インターフェース500から入力された元画像データから、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの布地50上の分布およびインク量を示す印刷データを生成して、制御部200に出力する。
吐出検査部700は、スキャナ15を含み、スキャナ15で取得した赤、緑、青の信号と元画像データおよび印刷データとに基づいて、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14における吐出不良を検出する。後述のように、吐出検査部700は、検出領域Dmにおいてスキャナ15が取得した赤、緑、青の信号を積算するためのレジスタ701(図6(b)参照)を備えている。この他、吐出検査部700は、演算処理回路とメモリを備え、演算処理回路によりスキャナ15からの信号を処理して、吐出不良を検出する。
図6(a)〜図10(d)を参照して、吐出検査部700における吐出不良の検出方法について説明する。
図6(a)は、布地50に設定された検査領域R10の一例を示す図である。
吐出不良の検出動作において、吐出検査部700は、元画像データおよび印刷データに基づいて、吐出不良を検査するための検査領域R10を布地50上に設定する。吐出検査部700は、赤、緑、青の輝度がそれぞれ所定のレベルに維持される領域を検査領域R10として設定する。
図7(a)〜(j)は、検査領域R10の設定方法を示す図である。
図7(a)に示す元画像を布地50に印写する場合、元画像の印刷データは、図7(b)〜(e)にそれぞれ示すようにシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックが分布する印刷データから構成される。この場合、吐出検査部700は、まず、特定の色が同一輝度で分布する領域を特定する。たとえば、吐出検査部700は、図7(b)に示すシアンが同一輝度で分布する領域を特定する。
この場合、特定された領域は、図7(f)に示すように、シアン単色の領域と、シアンとブラックが所定の割合で重なる領域と、シアン、マゼンタおよびブラックが所定の割合で重なる領域と、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックが所定の割合で重なる領域とに区分される。吐出検査部700は、上記のように特定した領域を、単色の領域と、各色が所定の割合で重なる領域とに区分し、区分した各領域を検査領域として設定する。図7(f)の例では、図7(g)のように、検査領域R1〜R4が設定される。
次に、吐出検査部700は、既に領域の特定に用いた色とは異なる色により、次の領域を特定する。たとえば、吐出検査部700は、図7(c)に示すマゼンタが同一輝度で分布する領域を特定する。この領域の特定では、マゼンタが同一輝度で分布する図7(c)の領域から、既に特定がなされたシアンの領域が除かれる。
この場合、特定された領域は、図7(h)に示すように、マゼンタとブラックが所定の割合で重なる領域と、マゼンタ、イエローおよびブラックが所定の割合で重なる領域とに区分される。吐出検査部700は、上記のように特定した領域を、各色が所定の割合で重なる領域に区分し、区分した各領域を検査領域として設定する。図7(h)の例では、図7(i)のように、検査領域R5、R6が設定される。
吐出検査部700は、上記の処理を繰り返して、検査領域を設定する。そして、設定した各検査領域に対して、吐出不良の検出処理を実行する。図6(a)に示す検査領域R10は、こうして設定された検査領域の1つである。
図6(b)は、輝度信号の取得方法を示す図である。
吐出検査部700のレジスタ701は、スキャナ15が検査領域R10を走査する間、図4に示す検出領域Dmごとに、スキャナ15が検出した輝度を積算する。レジスタ701は、検出領域Dmにおいて検出された赤、緑、青の各色の輝度を合算した値を、検出領域Dmごとに積算する。検査領域R10に対する走査が終了すると、吐出検査部700は、レジスタ701から各検出領域Dmに対する積算値を取得し、取得した積算値の平均値を検出領域Dmごとに求める。さらに、吐出検査部700は、全ての検出領域Dmにおける平均値をさらに平均化して、検査領域R10におけるトータルの平均値を求める。
以下、検出領域Dmごとに取得された輝度の平均値のことを「平均輝度」といい、検査領域R10におけるトータルの輝度の平均値のことを「平均値」という。
図6(c)は、布地の幅方向における検査領域R10の輝度信号の変化の一例を示す図である。図6(c)において、縦軸は、各検出領域Dmにおける平均輝度であり、横軸は、Y軸方向における検出領域Dmの位置(検出位置)である。
上記のように、検査領域R10は、予め、輝度が一定となる領域として設定されている。このため、検出領域Dmに対応する吐出位置Pn(図4参照)において吐出不良がない場合、当該検出領域Dmについて取得された平均輝度は、平均値付近のレベルにある。これに対し、検出領域Dmに対応する吐出位置Pnにおいて吐出不良が生じた場合、当該検出領域Dmについて取得された平均輝度は、平均値から大きく乖離する。たとえば、図6(c)の例では、矢印を付した位置において、輝度平均値が平均値から大きく乖離している。したがって、この位置に対応する吐出位置において、吐出不良が生じていると判定できる。
吐出検査部700は、平均値を中心にバラツキの範囲を設定し、設定したバラツキの範囲と各検出位置の平均輝度とを比較する。そして、吐出検査部700は、バラツキの範囲を超える平均輝度がある場合に、当該平均輝度を求めた検出位置において、吐出不良が生じていると判定する。ここで、バラツキの範囲は、たとえば、平均値を中心に±3σ(σ:平均輝度の標準偏差)の範囲に設定される。バラツキの範囲は、他の方法(たとえば、±2σの範囲、等)に設定されてもよい。
図8(a)〜(c)は、それぞれ、吐出不良により検査領域R10に生じた縞と平均輝度の状態とを対比して示す図である。図8(a)〜(c)の上段に、検査領域R10を撮像した画像が示され、図8(a)〜(c)の下段に、これらの検査領域R10に対する平均輝度の状態が示されている。なお、図8(a)〜(c)の上段に示す検査領域R10は、互いに同じ大きさではない。また、各検査領域R10の画像は、便宜上、グレイスケールで示されている。
図8(a)〜(c)上段の画像には、吐出不良により縞が生じた個所に矢印が付されている。図8(a)、(b)の例では、縞とその他の領域との間の輝度差が大きいため、図8(a)、(b)の下段に示すように、縞の位置において、平均輝度がバラツキの範囲を超えている。このため、これらの場合は、上記にように、平均輝度とバラツキの範囲とを比較することにより、縞の位置において生じた吐出不良を検出できる。
これに対し、図8(c)の例では、縞とその他の領域との間の輝度差が小さいため、図8(c)の下段に示すように、縞の位置において、平均輝度がバラツキの範囲を超えない。このため、この場合は、平均輝度とバラツキの範囲とを比較する方法では、縞の位置において生じた吐出不良を検出できない。
そこで、本実施の形態は、このように、輝度差が小さいものの、人の目によって吐出不良によって生じた縞を視認できるような場合に、この吐出不良をも検出できるように構成されている。以下、この検出手法について説明する。
図9(a)は、コントラストの算出手法を説明するための図である。図9(a)の上段には、輝度が正弦波状に変化する縞パターンの画像が例示され、図9(a)の下段には、上段の画像における輝度の変化がグラフにより示されている。
図9(a)の下段において、A1は輝度波形の振幅、Lvは輝度の平均値、Lmaxは輝度の最大値、Lminは輝度の最小値である。輝度の平均値(平均輝度)Lvおよび振幅A1は、次式で求められる。
Lv=(Lmax+Lmin)/2 …(1)
A1=(Lmax−Lmin)/2 …(2)
したがって、コントラストM1は、次式で求められる。
M1=A1/Lv=(Lmax−Lmin)/(Lmax+Lmin) …(3)
正弦波の周波数が高いほど縞は細くなり、正弦波の周波数が低いほど縞は太くなる。ここで、視角1°あたりの正弦波の周期の数は、一般に、空間周波数と呼ばれる。
図9(b)は、コントラストと空間周波数との関係を2軸の座標系により模式的に示す図である。
図9(b)に示すように、空間周波数が高いほど、すなわち、正弦波の周期が短いほど、縞は細く且つピッチが短くなる。また、コントラストが低いほど、縞とその他の部分との間の輝度差が小さくなる。
図9(c)は、人の目により縞を視認可能なコントラスト感度および空間周波数の組み合わせの範囲を模式的に示す図である。ここで、コントラスト感度とは、コントラストの逆数として求められる値のことである。
一般に、人の目では、図9(c)に示された曲線の下側の領域にコントラスト感度と空間周波数とが含まれる場合に、縞を視認可能であると言われている。図9(c)の曲線は、空間周波数ごとに縞のコントラストを変化させた場合に、人の目で縞を視認可能な最小のコントラスト(コントラスト閾値)を示している。なお、この曲線は、一般に、空間周波数特性と呼ばれている。図9(c)に示すように、空間周波数特性は、空間周波数が2〜6(cycle/deg)あたりでコントラスト感度が最大となり、空間周波数がこの最大値をとる値に対して増加または減少しても、コントラスト感度は低下する傾向を示す。
本実施の形態では、このような空間周波数特性を利用して吐出不良を検出する。具体的には、検査領域R10について取得した平均輝度の波形から、当該波形の1周期ごとに、空間周波数とコントラスト感度を求め、求めた空間周波数とコントラスト感度の組が、空間周波数特性の下側に設定した設定範囲に含まれるか否かによって、各周期において、吐出不良が生じたか否かを判定する。
図10(a)、(b)は、それぞれ、縞とその他の領域との間の輝度差が小さい場合の検査領域の画像の一例、および、そのときの平均輝度の変化を示すグラフである。図10(a)、(b)は、図8(c)の画像とグラフと同じものである。
図10(c)は、図10(b)の波形の一部を拡大して示す図である。
吐出検査部700は、図10(b)に示す平均輝度の波形から、1周期の波形部分を順次切出す。ここで、1周期は、たとえば、波形の極小点から次の極小点までの期間とされる。波形の極大点から次の極大点までの期間を1周期としてもよい。
次に、吐出検査部700は、1周期の波形部分から平均輝度の最大値Lmaxおよび平均輝度の最小値Lminを取得し、取得した最大値Lmaxおよび最小値Lminを上記式(3)に代入して、当該波形部分のコントラストM1を求める。なお、図10(c)の例では、1周期の波形部分のうち右側の極小点の平均輝度が最小値Lminとされているが、1周期の波形部分のうち左側の極小点の平均輝度が最小値Lminとされてもよい。
さらに、吐出検査部700は、求めたコントラストM1の逆数からコントラスト感度を求める。なお、ここでは、説明の便宜上、一旦コントラストM1を算出した後、その逆数を演算してコントラスト感度を求めるようにしたが、最大値Lmaxおよび最小値Lminを、コントラストM1の逆数を示す演算式に代入して、直接、コントラスト感度を求めてもよい。また、吐出検査部700は、1周期の逆数から、当該波形部分の空間周波数を求める。
吐出検査部700は、1周期の各波形部分について、コントラスト感度と空間周波数との組み合わせを求める。そして、吐出検査部700は、コントラスト感度と空間周波数との組み合わせが、空間周波数特性(図9(c)の曲線)の下側に設定した設定範囲に含まれるか否かを判定する。
図10(d)は、図10(b)の波形から取得した空間周波数とコントラスト感度との組み合わせを2軸の座標系にプロットしたグラフである。グラフ上の菱形のプロットが、空間周波数とコントラスト感度との組を示している。また、図10(d)において、破線の矩形の領域が、設定範囲S10である。
本実施の形態では、印刷対象が布地50であるため、布地50に正しくインクが吐出された個所においても、布地50の起伏等によって、平均輝度に正弦波状の変化が生じ得る。このため、空間周波数特性を示す曲線の下側の全領域に設定範囲S10を設定すると、布地50に正しくインクが吐出された個所においても、空間周波数とコントラスト感度との組が設定範囲S10に含まれることが起こり得る。このような問題を避けるために、本実施の形態では、図10(d)に示すように、空間周波数特性を示す曲線から、コントラスト感度が低く、且つ、空間周波数が低い方向に離れるように、設定範囲S10が設定されている。
設定範囲S10は、布地50に正しくインクが吐出された個所から取得された空間周波数とコントラスト感度との組がなるべく設定範囲S10に含まれず、且つ、吐出不良が生じた個所において取得された空間周波数とコントラスト感度との組がより多く設定範囲S10に含まれるように設定されればよい。
図10(d)には、図10(a)、(b)に矢印を付した波形部分から取得された空間周波数とコントラスト感度の組のプロットに矢印が付されている。このプロットは、設定範囲S10に含まれており、吐出不良の検出対象となっている。したがって、本実施の形態では、平均輝度が平均値から±3σの範囲にあるために、平均輝度と平均値との対比からは検出できない吐出不良が、空間周波数とコントラスト感度との組み合わせと設定範囲S10との対比に基づいて、検出可能となっている。これにより、本実施の形態では、より精度よく、吐出不良を検出することができる。
図11(a)〜(c)は、それぞれ、検査領域R10に生じた縞と平均輝度の状態とを対比して示す図である。図11(d)は、図11(a)〜(c)に示す検査領域R10中の縞の部分から取得された空間周波数とコントラスト感度との組み合わせを、2軸からなる座標系にプロットしたグラフである。図11(a)〜(c)の画像の右側には、図10(d)のプロットに対応する形状のマークが付記されている。
図11(a)〜(c)の上段には、検査領域R10の画像が示され、図11(a)〜(c)の下段には、上段の画像に対する各検出位置の平均輝度の変化が模式的に示されている。また、図11(a)〜(c)の下段には、縞の部分の波形に対して、空間周波数とコントラスト感度の算出に必要な周期と平均輝度の最大値Lmaxおよび最小値Lminが付記されている。図11(d)では、設定範囲S10が、コントラスト感度における2つの閾値Ca、Cbと、空間周波数における2つの閾値Fa、Fbと、によって規定されている。
図11(a)、(b)の例では、縞の部分の波形のコントラストが高く且つ周期が中程度であるため、人の目に視認されやすい。この場合、コントラスト感度は低くなり、空間周波数は中程度となるため、コントラスト感度と空間周波数の組は、図11(d)の設定範囲S10に含まれる。図11(d)の三角形および四角形のプロットは、それぞれ、図11(a)、(b)の縞部分の波形から取得されたコントラスト感度と空間周波数の組を示している。
図11(c)の例では、縞の部分の波形のコントラストが低く且つ周期が長いため、人の目に視認されにくい。この場合、コントラスト感度は高くなり、空間周波数は小さくなるため、コントラスト感度と空間周波数の組は、図11(d)の設定範囲S10から外れる。図11(d)の円形のプロットは、図11(c)の波形から取得されたコントラスト感度と空間周波数の組を示している。
このように、本実施の形態では、コントラスト感度と空間周波数を求めることにより、人の目により視認され得る吐出不良を検出することができる。
図12(a)は、吐出検査部700における吐出検査の基本フローを示すフローチャートである。
まず、吐出検査部700は、制御部200から元画像データと印刷データを取得する(S11)。次に、吐出検査部700は、図7(a)〜(j)を参照して説明した処理により、布地50に印刷される印刷画像上に、検査領域R10を設定する(S12)。そして、吐出検査部700は、設定した検査領域R10からスキャナ15が取得した輝度信号に基づいて、図8(a)〜図10(d)を参照して説明した処理により、吐出不良の検査処理を実行する(S13)。この検査処理において吐出不良を検出すると(S14:YES)、吐出検査部700は、吐出異常を示す異常情報を制御部200に送信する(S15)。その後、吐出検査部700は、S11に戻って、同様の処理を繰り返す。
図12(b)は、図12(a)の検査処理(S13)を示すフローチャートである。
吐出検査部700は、図12(a)のステップS12で設定した検査領域R10について、検出領域Dmごとに、レジスタ701に輝度値を積算させる(S21)。次に、吐出検査部700は、検出領域Dmごとに輝度値を平均化して平均輝度Lvを算出する(S22)。さらに、吐出検査部700は、検出領域Dmごとに取得した全ての平均輝度Lvを平均化して、検査領域R10全体の平均輝度の平均値Laを算出し、さらに、標準偏差σを算出する(S22)。
こうして、平均輝度Lv、平均値Laおよび標準偏差σを算出した後、吐出検査部700は、検出領域Dmごとに取得した平均輝度Lv中に、平均値Laに対して±3σの範囲内にない平均輝度Lvが含まれているか否かを判定する(S23)。この判定処理は、図6(c)および図8(a)、(b)を参照して説明した吐出不良の判定処理に対応する。ステップS23の判定がYESであると、吐出検査部700は、吐出異常を示す第1異常情報を生成する(S24)。
ステップS24の処理において、吐出検査部700は、たとえば、平均値Laに対して±3σの範囲内にない平均輝度Lvを取得した検出領域Dmを特定する。そして、吐出検査部700は、特定した検出領域Dmに対応する吐出位置Pn(図4参照)を含むように、第1異常情報を生成する。
次に、吐出検査部700は、検出領域Dmごとに取得した平均輝度から、図10(c)を参照して説明した処理により、1周期の波形部分ごとに、コントラスト感度Cnと空間周波数Fnとを算出する(S25)。そして、吐出検査部700は、1周期の波形部分ごとに取得したコントラスト感度Cnと空間周波数Fnの組が設定範囲S10内に含まれているか否かを判定する(S26)。この判定処理は、図10(d)を参照して説明した吐出不良の判定処理に対応する。図11(d)に示すように閾値Ca、Cbおよび閾値Fa、Fbによって設定範囲S10が規定されている場合、吐出検査部700は、コントラスト感度Cnが閾値Ca、Cbの間にあり、且つ、空間周波数Fnが閾値Fa、Fbの間にある場合に、コントラスト感度Cnと空間周波数Fnの組が設定範囲S10内に含まれていると判定する。
ステップS26の判定がYESであると、吐出検査部700は、吐出異常を示す第2異常情報を生成する(S27)。
ステップS27の処理において、吐出検査部700は、たとえば、設定範囲S10に含まれるコントラスト感度Cnと空間周波数Fnの組を取得した波形部分を特定する。そして、吐出検査部700は、特定した波形部分に対応する吐出位置Pn(図4参照)を含むように、第2異常情報を生成する。
吐出検査部700は、こうして生成した第1異常情報および第2異常情報を、図12(a)のS15において、制御部200に送信する。これにより制御部200は、布地50に対する印刷動作を中断する。このとき、制御部200は、受信した異常情報に基づいて、図示しない表示部に、吐出不良のノズル位置を表示させる。これにより、ユーザは、吐出不良が生じていること、および、吐出不良を起こしたノズル位置を把握でき、復旧に向けた対応(ヘッド洗浄、等)を速やかに行うことができる。
<実施形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、以下の効果が奏される。
スキャナ15により取得された輝度に基づいて、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14におけるインクの吐出不良が検出される。具体的には、スキャナ15により取得された輝度に基づいて求めたコントラスト感度および空間周波数の組み合わせが設定範囲S10に含まれるか否かに基づいて、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14におけるインクの吐出不良が検出される。よって、複数のインクジェットヘッドが並んで配置されている場合にも、下流側に共通のスキャナ15を配置するのみで、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14における吐出不良を検出することができる。
また、吐出検査部700は、コントラスト感度および空間周波数に対して、それぞれ、複数の閾値Ca、Cb、Fa、Fbを設定し、設定した閾値Ca、Cb、Fa、Fbによって設定範囲S10を規定する。これにより、設定範囲S10を円滑に設定することができる。
また、吐出検査部700は、図7(a)〜(j)に示すように元画像の印刷データに基づいて、輝度が均一となる検査領域R10を布地50に設定し、設定した検査領域R10から周期と平均輝度の最大値Lmaxおよび最小値Lminを取得する。これにより、インクの吐出不良の検出処理を円滑に進めることができる。
また、吐出検査部700は、さらに、布地50の移動方向に交差する方向、すなわち、布地50の幅方向において平均輝度の平均値を求め、求めた平均値に対して3σの範囲よりも乖離する平均輝度が存在する場合に、インクの吐出不良が生じたと判定する。この判定処理をさらに実行することにより、吐出不良をより精度よく検出することができる。
<変更例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何らの制限を受けるものではない。
たとえば、上記実施の形態では、「輝度に基づく値」として、検出領域Dmごとに「平均輝度」を取得し、取得した「平均輝度」に基づいて、空間周波数とコントラスト感度を算出したが、「輝度に基づく値」として、検出領域Dmごとに「輝度の積算値」(レジスタ701から検出領域Dmごとに出力される積算値)を取得し、取得した「輝度の積算値」に基づいて空間周波数とコントラスト感度を算出してもよい。
また、上記実施の形態では、平均輝度に基づいて、「指標値」として、「空間周波数」と「コントラスト感度」を算出したが、平均輝度に基づいて、「指標値」として、「空間周波数」と「コントラスト」が取得されてもよい。この場合、人の目によって視認され得る閾値を示す曲線は、「空間周波数」と「コントラスト」を2軸とする場合の曲線に修正され、設定範囲S10も「空間周波数」と「コントラスト」を2軸とする場合の設定範囲に修正される。
また、上記実施の形態では、図13(a)に示すように、設定範囲S10が矩形に設定されたが、図13(b)、(c)に示すように、設定範囲S10が多段に設定されてもよい。
図13(b)の場合、コントラスト感度Cnが閾値Ca、Cbの間にあり、且つ、空間周波数Fnが閾値Fa、Fbの間にある場合、あるいは、コントラスト感度Cnが閾値Cc、Cbの間にあり、且つ、空間周波数Fnが閾値Fa、Fcの間にある場合に、コントラスト感度Cnと空間周波数Fnの組み合わせが設定範囲S10に含まれると判定される。
図13(c)の場合、コントラスト感度Cnが閾値Cd、Cbの間にあり、且つ、空間周波数Fnが閾値Fd、Fbの間にある場合、または、コントラスト感度Cnが閾値Ca、Cbの間にあり、且つ、空間周波数Fnが閾値Fa、Fdの間にある場合、あるいは、コントラスト感度Cnが閾値Cc、Cbの間にあり、且つ、空間周波数Fnが閾値Fa、Fcの間にある場合に、コントラスト感度Cnと空間周波数Fnの組み合わせが設定範囲S10に含まれると判定される。
このように、設定範囲S10を多段に設定することにより、設定範囲S10を、インクの吐出不良が視認される範囲に、より細かく調整することができる。よって、コントラスト感度Cnと空間周波数Fnとに基づいて、より精度よく、インクの吐出不良を検出できる。
また、上記実施の形態では、黒の印刷用にブラックのインクを吐出する第4のインクジェットヘッド14が配置されたが、第4のインクジェットヘッド14が省略されてもよい。この場合、第1のインクジェットヘッド11〜第3のインクジェットヘッド13から吐出されるインクによって、黒が表現される。
また、上記実施の形態では、スキャナ15を用いて、布地50から輝度を取得したが、他の光学機器を用いて布地50から輝度を取得してもよい。
なお、上記実施の形態には、布地50に画像を印刷する染色システム1を示したが、本発明は、染色システムに限らず、紙等の他の印刷面に画像を印刷する他の種類のインクジェット装置にも広く適用可能である。この場合、紙等の印刷面は、必ずしも、移送されなくてもよい。たとえば、紙等の印刷面は移送されずに、インクジェットヘッドの方が移動して、印刷面がインクジェットヘッドに対し相対的に移動する構成であってもよい。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 … 染色システム
2 … インクジェット装置
11 … 第1のインクジェットヘッド
12 … 第2のインクジェットヘッド
13 … 第3のインクジェットヘッド
14 … 第4のインクジェットヘッド
15 … スキャナ(信号取得部)
300 … 搬送部
700 … 吐出検査部

Claims (6)

  1. 被印刷面にインクを吐出して前記被印刷面に画像を印刷するためのインクジェット装置であって、
    前記被印刷面を移動させる搬送部と、
    前記被印刷面の移動方向に並んで配置され互いに異なる色のインクを吐出する複数のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドによって前記インクが吐出された後の前記被印刷面から輝度を取得する信号取得部と、
    前記信号取得部により取得された前記輝度に基づいて、前記インクジェットヘッドの吐出不良を検出する吐出検査部と、を備え、
    前記吐出検査部は、前記被印刷面の移動方向に交差する方向において、前記輝度に基づく値の周期と各周期における前記値の最大値および最小値を取得し、前記周期と前記最大値および最小値に基づいて算出した指標値が、人の目により縞を視認可能な範囲として設定された所定の設定範囲に含まれるか否かに基づいて、前記インクジェットヘッドにおける前記インクの吐出不良を検出する、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェット装置において、
    前記吐出検査部は、前記周期と前記最大値および最小値に基づいてコントラスト感度および空間周波数を前記指標値として算出し、算出した前記コントラスト感度および空間周波数の組み合わせが前記設定範囲に含まれるか否かに基づいて、前記インクジェットヘッドにおける前記インクの吐出不良を検出する、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  3. 請求項2に記載のインクジェット装置において、
    前記吐出検査部は、前記コントラスト感度および前記空間周波数に対して、それぞれ、複数の閾値を設定し、設定した閾値によって前記設定範囲を規定する、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか一項に記載のインクジェット装置において、
    前記吐出検査部は、元画像の印刷データに基づいて、輝度が均一となる検査領域を前記被印刷面に設定し、設定した前記検査領域から前記周期と前記最大値および最小値を取得する、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか一項に記載のインクジェット装置において、
    前記吐出検査部は、さらに、前記被印刷面の移動方向に交差する方向において前記輝度に基づく値の平均値を求め、求めた平均値に対して所定の範囲よりも乖離する輝度に基づく値が存在する場合に、前記インクの吐出不良が生じたと判定する、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  6. 請求項1ないし6の何れか一項に記載のインクジェット装置と、
    片面が前記被印刷面となる布地を前記搬送部に供給する布供給部と、
    前記複数のインクジェットヘッドにより染色された布地を乾燥させる乾燥部と、を備える、染色システム。
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