JP2018077330A - 回折素子、および回折素子の製造方法 - Google Patents

回折素子、および回折素子の製造方法 Download PDF

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坂口 昌史
Masashi Sakaguchi
昌史 坂口
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Abstract

【課題】干渉縞が内部に形成された回折素子であって光学性能に優れた回折素子を提供す
る。
【解決手段】本発明の回折素子の一つの態様は、第1色の波長範囲の光を回折する第1干
渉縞と、第1色の波長範囲の光を回折する第2干渉縞と、第1色とは異なる第2色の波長
範囲の光を回折する第3干渉縞と、を含み、第1干渉縞に含まれる複数の縞のうち少なく
とも1つの縞は、第2干渉縞に含まれる縞と異なる位置に配置されていることを特徴とす
る。
【選択図】図5

Description

本発明は、回折素子、および回折素子の製造方法に関する。
コヒーレントな光を分離して得られた物体光と参照光とを記録媒体に照射し、物体光と
参照光とを干渉させて記録媒体を露光する体積ホログラムの製造方法が開示されている(
例えば、特許文献1)。
特開2004−45628号公報
ところで、上記のような体積ホログラムをヘッドマウントディスプレイ(HMD:He
ad Mounted Display)あるいはヘッドアップディスプレイ(HUD:
Head−Up Display)等の画像表示装置に利用する場合がある。この場合、
フルカラー等の複数の色光に対応させるため、複数の色光をそれぞれ物体光と参照光とに
分離して記録媒体に同時に照射して、各色光に対応した干渉縞が形成された体積ホログラ
ムを製造する場合がある。
ここで、記録媒体に照射する各色光の光量が異なると、製造される体積ホログラムの色
バランスが崩れる。そのため、各色光を射出する光源のうち最も光量が小さい光源に合わ
せて他の色光を射出する光源の光量を小さくして、記録媒体に照射される各色光の光量を
揃える。しかし、その場合、記録媒体に照射される光の光量が小さくなるため、記録媒体
を露光する時間が長くなる。露光時間が長くなると、物体光と参照光とが時間変動によっ
て揺らぐ、露光中に記録媒体がぶれる等によって、形成される干渉縞の位置がずれやすい
。そのため、製造される体積ホログラムの光学性能が低下する問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みて、干渉縞が内部に形成された回折素子であって光学性能
に優れた回折素子、および光学性能が低下することを抑制できる回折素子の製造方法を提
供することを目的の一つとする。
本発明の回折素子の一つの態様は、第1色の波長範囲の光を回折する第1干渉縞と、前
記第1色の波長範囲の光を回折する第2干渉縞と、前記第1色とは異なる第2色の波長範
囲の光を回折する第3干渉縞と、を含み、前記第1干渉縞に含まれる複数の縞のうち少な
くとも1つの縞は、前記第2干渉縞に含まれる縞と異なる位置に配置されていることを特
徴とする。
本発明の回折素子の一つの態様によれば、回折素子の製造方法として、第1色の波長範
囲の光を射出する複数の光源(第1光源および第2光源)を用いた製造方法を採用できる
。これにより、記録材料に照射される第1色の波長範囲の光の光量を大きくすることがで
きる。そのため、1つの光源から射出される第1色の波長範囲の光の光量が他の色の光を
射出する光源の光の光量よりも小さい場合であっても、他の色の光の光量を第1色の波長
範囲の光の光量に合わせて小さくすることなく、各色の光の光量を同じにすることができ
る。これにより、各色の光の光量を同じにしつつ比較的大きくすることができるため、回
折素子の色バランスを崩すことなく、記録材料に干渉縞を記録する際の露光時間を短くす
ることができる。したがって、干渉縞の位置がずれることを抑制でき、回折素子の光学性
能が低下することを抑制できる。その結果、本発明の回折素子の一つの態様によれば、光
学性能に優れた回折素子が得られる。
前記第1干渉縞は、前記第2干渉縞と互いに異なるピッチである構成としてもよい。
この構成によれば、第1色の波長範囲の光を射出する複数の光源における光の波長のず
れを許容できるため、第1色の波長範囲の光を射出する複数の光源の選択が容易である。
前記第1干渉縞は、前記第2干渉縞に含まれる複数の縞のうちの1つと一致する縞を含
む構成としてもよい。
この構成によれば、第1色の波長範囲の光を射出する複数の光源における光の波長のず
れを許容できるため、第1色の波長範囲の光を射出する複数の光源の選択が容易である。
前記第1干渉縞は、前記第2干渉縞と互いに同じピッチであり、かつ、互いに異なる位
相である構成としてもよい。
この構成によれば、所望する波長の光をより好適に回折することができ、より光学性能
に優れた回折素子が得られる。
前記第1色の波長範囲および前記第2色の波長範囲の両方の波長範囲と異なる第3色の
波長範囲の光を回折する第4干渉縞を含み、前記第1色は、赤色であり、前記第2色は、
緑色であり、前記第3色は、青色である構成としてもよい。
赤色の波長範囲の光を射出する光源は、緑色の波長範囲の光を射出する光源および青色
の波長範囲の光を射出する光源に比べて光量が小さくなりやすい。そのため、この構成の
ように、第1色が赤色である場合に、上述した光量を大きくする効果を特に有用に得られ
る。
本発明の回折素子の製造方法の一つの態様は、記録材料を露光することで複数の干渉縞
を形成して回折素子を製造する回折素子の製造方法であって、1つの光源から射出された
コヒーレントな光を物体光と参照光とに分離して、前記物体光と前記参照光とを干渉させ
た露光光を前記記録材料に対して照射する露光工程を含み、前記光源は、第1色の波長範
囲の光を射出する第1光源と、前記第1色の波長範囲の光を射出する第2光源と、前記第
1色とは異なる第2色の波長範囲の光を射出する第3光源と、を含み、前記露光工程にお
いては、前記第1光源および前記第2光源から射出された複数の前記第1色の波長範囲の
光ならびに前記第3光源から射出された前記第2色の波長範囲の光のそれぞれを前記物体
光と前記参照光とに分離して、前記各物体光と前記各参照光とをそれぞれ干渉させた露光
光を前記記録材料に対して同時に照射することで、前記記録材料の内部に複数の前記干渉
縞を形成することを特徴とする。
本発明の回折素子の製造方法の一つの態様によれば、上述したように干渉縞の位置がず
れることを抑制でき、回折素子の光学性能が低下することを抑制できる。
前記第1光源から射出される光と前記第2光源から射出される光とを足し合わせた光量
は、前記第3光源から射出される光の光量と同じである製造方法としてもよい。
この製造方法によれば、色バランスに優れた回折素子が得られる。
前記光源は、前記第1色の波長範囲および前記第2色の波長範囲の両方の波長範囲と異
なる第3色の波長範囲の光を射出する第4光源を含み、前記露光工程においては、前記複
数の第1光源および前記第2光源から射出された複数の前記第1色の波長範囲の光、前記
第3光源から射出された前記第2色の波長範囲の光、ならびに前記第4光源から射出され
た前記第3色の波長範囲の光のそれぞれを前記物体光と前記参照光とに分離して、前記各
物体光と前記各参照光とをそれぞれ干渉させた露光光を前記記録材料に対して同時に照射
し、前記第1色は、赤色であり、前記第2色は、緑色であり、前記第3色は、青色である
製造方法としてもよい。
上述したように、この製造方法のように第1色が赤色である場合に、上述した光量を大
きくする効果を特に有用に得られる。
本実施形態のヘッドマウントディスプレイの使用形態を示す斜視図である。 本実施形態のヘッドマウントディスプレイの構成を示す斜視図である。 本実施形態のヘッドマウントディスプレイが備える表示装置の構成を示す模式図である。 本実施形態の回折素子の断面の一部を模式的に示す図である。 本実施形態の回折素子の断面の一部を模式的に示す図である。 本実施形態の回折素子の断面の一部を模式的に示す図である。 本実施形態の回折素子の断面の一部を模式的に示す図である。 本実施形態の他の一例である回折素子の断面の一部を模式的に示す図である。 本実施形態の露光装置を示す概略構成図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る回折素子について説明する。本実
施形態の回折素子は、画像表示装置としてのヘッドマウントディスプレイに組み込まれた
ものを例として説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるもので
はなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面におい
ては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異な
らせる場合がある。
図1は、ヘッドマウントディスプレイ300の使用形態を示す斜視図である。図2は、
ヘッドマウントディスプレイ300の構成を示す斜視図である。図3は、ヘッドマウント
ディスプレイ300が備える表示装置100の構成を示す模式図である。
本実施形態のヘッドマウントディスプレイ300は、図1に示すように、使用者Mが眼
鏡を掛ける感覚で頭部に装着して使用するものである。ヘッドマウントディスプレイ30
0は、図2に示すように、眼鏡の形態を有する表示装置(ディスプレイグラス)100と
、使用者Mが手で持つことが可能な程度の大きさを有する制御装置(コントローラー)2
00とを備えている。
表示装置100と制御装置200とは、有線または無線で通信可能に接続される。本実
施形態では、表示装置100を構成する左眼用画像表示部110Aおよび右眼用画像表示
部110Bの各々と制御装置200とは、ケーブル150を介して有線で通信可能に接続
され、画像信号や制御信号などを通信する。
表示装置100は、眼鏡フレーム120と、左眼用画像表示部110Aと、右眼用画像
表示部110Bとを備えている。左眼用画像表示部110Aと右眼用画像表示部110B
とは、眼鏡フレーム120により支持されている。眼鏡フレーム120は、使用者Mが耳
に掛けるための一対のテンプル部122A,122Bを有している。
制御装置200は、表示部210と、操作部250とを備えている。表示部210は、
例えば使用者Mに与える各種の情報や指示等を表示する。操作部250は、各種の操作を
指示する釦等からなる。また、操作部250は、表示部210と一体化されたタッチパネ
ル等であってもよい。
本実施形態のヘッドマウントディスプレイ300は、図3に示すように、シースルー型
(透過型)であり、左眼用画像表示部110Aおよび右眼用画像表示部110Bで反射し
て表示される画像(図3中に実線で示す画像光LI)を視認すると同時に、左眼用画像表
示部110Aおよび右眼用画像表示部110Bを透過する外界の像(図3中に破線で示す
外光T)を視認できる。
左眼用画像表示部110Aは、使用者Mの左眼LEに対応する左眼用の回折素子2Lと
、左眼用の画像光生成部1Lとを備えている。同様に、右眼用画像表示部110Bは、使
用者Mの右眼REに対応する右眼用の回折素子2Rと、右眼用の画像光生成部1Rとを備
えている。
画像光生成部1Lは、画像光LIを回折素子2Lに向けて射出する。回折素子2Lは、
透過した外光Tを使用者Mの左眼LEに入射させると共に、画像光生成部1Lからの画像
光LIを反射して使用者Mの左眼LEに集光する。
同様に、画像光生成部1Rは、画像光LIを回折素子2Rに向けて射出する。回折素子
2Rは、透過した外光Tを使用者Mの右眼REに入射させると共に、画像光生成部1Rか
らの画像光LIを反射して使用者Mの右眼REに集光する。
したがって、使用者Mは、回折素子2Lおよび回折素子2Rを介して画像光生成部1L
および画像光生成部1Rにより表示される画像(画像光LI)を視認すると同時に、回折
素子2Lおよび回折素子2Rを介して透過する外界の像(外光T)を視認することができ
る。
また、相互に視差が付与された立体視画像(左眼用画像および右眼用画像)を画像光生
成部1Lおよび画像光生成部1Rに表示させることで、使用者Mに表示画像の立体感(3
D画像)を知覚(視認)させることも可能である。
なお、左眼用画像表示部110Aおよび右眼用画像表示部110Bは、右眼用および左
眼用の画像を表示するため、左右対象となる構造を有する以外は、同一の構造を有してい
る。したがって、以下の説明では、画像光生成部1Lおよび画像光生成部1Rを画像光生
成部1とし、回折素子2Lおよび回折素子2Rを回折素子2として、必要に応じてまとめ
て扱うものとする。
次に、本実施形態の回折素子2について詳細に説明する。図4Aから図5は、回折素子
2の断面の一部を模式的に示す図である。図4Aおよび図5においては、赤色(第1色)
の波長範囲の光である赤色光Rを回折する赤色干渉縞50Rを示している。図4Bにおい
ては、赤色とは異なる緑色(第2色)の波長範囲の光である緑色光Gを回折する緑色干渉
縞(第3干渉縞)50Gを示している。図4Cにおいては、赤色の波長範囲および緑色の
波長範囲の両方の波長範囲と異なる青色の波長範囲の光である青色光Bを回折する青色干
渉縞(第4干渉縞)50Bを示している。
回折素子2は、体積ホログラムである。図4Aから図4Cに示すように、回折素子2に
は、複数の干渉縞50が内部に形成されている。本実施形態において干渉縞50は、赤色
干渉縞50Rと、緑色干渉縞50Gと、青色干渉縞50Bと、を含む。図4Aに示すよう
に、赤色干渉縞50Rは、複数の縞50Raが並んで構成されている。図4Bに示すよう
に、緑色干渉縞50Gは、複数の縞50Gaが並んで構成されている。図4Cに示すよう
に、青色干渉縞50Bは、複数の縞50Baが並んで構成されている。
ここで、各干渉縞50の縞は、回折素子2における屈折率分布として表れているもので
ある。回折素子2における屈折率分布は、回折素子2に含まれる屈折率が互いに異なる物
質同士の分布に基づいて決まる。回折素子2において縞が形成された部分には相対的に屈
折率が高い物質が集まっており、回折素子2において縞が形成された部分の屈折率は、縞
が形成されていない部分の屈折率よりも高い。
赤色干渉縞50Rの縞50Raのピッチ(間隔)は、緑色干渉縞50Gの縞50Gaの
ピッチよりも大きい。緑色干渉縞50Gの縞50Gaのピッチは、青色干渉縞50Bの縞
50Baのピッチよりも大きい。各縞50Ra,50Ga,50BaのピッチをP、回折
素子2を製造する際にホログラム記録材料Hに照射する各色光の波長をλ、各色光を分離
して得られる物体光OBと参照光SBとを干渉させる際の交差角度をθとすると、各縞5
0Ra,50Ga,50BaのピッチPは、以下の式(1)のように表せる。
式(1) P=λ/2sin(θ/2)
式(1)に示すように、波長λが大きくなるほど、ピッチPは大きくなる。赤色干渉縞
50Rを形成するための赤色光Rの波長λは、例えば、620nm以上、750nm以下
程度である。緑色干渉縞50Gを形成するための緑色光Gの波長λは、例えば、495n
m以上、570nm以下程度である。青色干渉縞50Bを形成するための青色光Bの波長
λは、例えば、450nm以上、495nm以下程度である。各干渉縞50の縞は、これ
らの各色光の波長λに応じたピッチPで並んで形成される。
図4Aから図4Cでは、説明のためにそれぞれ各干渉縞50を分けて示しているが、回
折素子2には、図4Aから図4Cに示す赤色干渉縞50Rと緑色干渉縞50Gと青色干渉
縞50Bとが重ね合わされて形成されている。各縞が並ぶ方向、すなわち図4Aから図4
Cにおける左右方向は、例えば、回折素子2の厚み方向と平行な方向であってもよいし、
回折素子2の厚み方向に対して傾いた方向であってもよい。各縞が並ぶ方向は、回折素子
2を製造する際にホログラム記録材料Hに照射する物体光OBと参照光SBとの交差角度
θによって決まる。
図4Aにおいて赤色干渉縞50Rは1種類しか示していないが、回折素子2において赤
色干渉縞50Rは、複数種類の赤色干渉縞50Rを含む。図5に示すように、本実施形態
の赤色干渉縞50Rは、第1赤色干渉縞51と、第2赤色干渉縞52と、第3赤色干渉縞
53と、の3種類の赤色干渉縞50Rを含む。すなわち、本実施形態の回折素子2は、第
1赤色干渉縞51と、第2赤色干渉縞52と、第3赤色干渉縞53と、緑色干渉縞50G
と、青色干渉縞50Bと、を含む。本実施形態においては、例えば、第1赤色干渉縞51
が第1干渉縞に相当し、第2赤色干渉縞52が第2干渉縞に相当する。
第1赤色干渉縞51は、複数の縞51aがピッチP1で並んで構成されている。第2赤
色干渉縞52は、複数の縞52aがピッチP2で並んで構成されている。第3赤色干渉縞
53は、複数の縞53aがピッチP3で並んで構成されている。第1赤色干渉縞51は、
第2赤色干渉縞52および第3赤色干渉縞53と互いに異なるピッチPである。ピッチP
2は、ピッチP1よりも大きい。ピッチP3は、ピッチP2よりも大きい。すなわち、複
数種類の赤色干渉縞50Rは、縞50Raが設けられるピッチPが互いに異なる複数の赤
色干渉縞50Rとして第1赤色干渉縞51〜第3赤色干渉縞53の3種類の赤色干渉縞5
0Rを含む。各ピッチP1,P2,P3は互いに異なるものの、ピッチP1,P2,P3
同士の差は、極小さい。すなわち、各ピッチP1,P2,P3は、ほぼ同じである。なお
、本明細書においてピッチPとは、各縞同士の間隔の平均値である。
第1赤色干渉縞51〜第3赤色干渉縞53は、それぞれ互いに一致する縞を少なくとも
一つ有する。言い換えると、第1赤色干渉縞51は、第2赤色干渉縞52に含まれる複数
の縞のうちの1つと一致する縞、および第3赤色干渉縞53に含まれる複数の縞のうちの
1つと一致する縞を有する。図5では、第1赤色干渉縞51の縞51aのうち最も左側に
位置する縞51aと、第2赤色干渉縞52の縞52aのうち最も左側に位置する縞52a
と、第3赤色干渉縞53の縞53aのうち最も左側に位置する縞53aと、が一致してい
る。一致している縞51a,52a,53aは、視かけ上、1本の縞に視える。
第1赤色干渉縞51〜第3赤色干渉縞53は互いにピッチPが異なるため、互いに一致
する縞から離れた位置に配置される各縞ほど、互いにずれて配置される。図5では、最も
左側に位置する縞51a〜53aが一致するため、右側に位置する各縞51a〜53aほ
ど、互いの位置がずれていく。本実施形態では、ピッチP1とピッチP2とピッチP3と
は、この順で大きくなるため、ずれた各縞51a〜53aは、縞51a、縞52a、縞5
3aの順で並んで配置される。
縞51a〜53a同士のずれ量が縞51a〜53aの太さよりも小さい場合、縞51a
〜53a同士が一部で重なり合う。これにより、視かけ上、太い1本の縞に視える場合が
ある。例えば、図5における最も左側から2番目に配置された縞51a〜53a同士は、
わずかにずれつつも互いに重なり合って太い1本の縞に視えている。このように、互いに
一致する縞51a〜53aがある場合、互いに一致して1本に視える縞から離れた位置に
なるほど、視かけ上、徐々に太い縞となり、さらに離れた位置になると複数の縞に分かれ
て視える場合がある。
干渉縞50は、回折素子2を厚み方向に切断した切片を透過型電子顕微鏡(TEM:T
ransmission Electron Microscope)で観察することに
より観察することができる。このように確認された複数の縞を、例えば、フーリエ変換等
を用いて解析することで、回折素子に上述したような複数の干渉縞が形成されていること
を確認することができる。
なお、本実施形態の回折素子は、下記に示す構成を採用することもできる。
本実施形態の干渉縞50の構成は、第1干渉縞に相当する赤色干渉縞50R(例えば、
第1赤色干渉縞51)に含まれる複数の縞のうち少なくとも1つの縞が、第2干渉縞に相
当する赤色干渉縞50R(例えば、第2赤色干渉縞52)に含まれる縞と異なる位置に配
置されているならば、特に限定されない。
例えば、干渉縞50の構成は、図6に示すような回折素子2Aのような構成であっても
よい。図6は、本実施形態の他の一例である回折素子2Aの断面の一部を模式的に示す図
である。図6においては、赤色光Rに対応した赤色干渉縞50Rを示している。
図6に示すように、回折素子2Aにおいて、第1赤色干渉縞51の縞51aのピッチP
1aと、第2赤色干渉縞52の縞52aのピッチP2aと、第3赤色干渉縞53の縞53
aのピッチP3aとは、互いに同じである。第1赤色干渉縞51の位相と第2赤色干渉縞
52の位相と第3赤色干渉縞53の位相とは、互いに異なる。すなわち、回折素子2Aに
おいて、第1赤色干渉縞51は、第2赤色干渉縞52と互いに同じピッチPであり、かつ
、互いに異なる位相である。回折素子2Aにおいて、第1赤色干渉縞51は、第3赤色干
渉縞53と互いに同じピッチPであり、かつ、互いに異なる位相である。言い換えれば、
回折素子2Aにおいて、複数種類の赤色干渉縞50Rは、縞が設けられるピッチが同じで
赤色干渉縞50Rの位相が異なる複数の赤色干渉縞50Rを含む。図6では、各赤色干渉
縞50Rの縞は、縞51a、縞52a、縞53aの順で交互に、かつ、等間隔に配置され
ている。このように、回折素子2Aでは、複数の赤色干渉縞50Rの縞は、他の赤色干渉
縞50Rの縞と重なることなく配置されている。
また、複数種類の赤色干渉縞50Rは、互いにピッチPが同じ赤色干渉縞50Rと、互
いにピッチPが異なる赤色干渉縞50Rと、を含んでいてもよい。また、図5に示す回折
素子2において、互いに一致する縞が設けられていなくてもよい。また、図6に示す回折
素子2Aにおいて、各縞同士は不均等に並んでいてもよい。また、複数種類の赤色干渉縞
50Rは、複数の赤色干渉縞50Rにおいて互いに1つでも縞50Raがずれているなら
ば、縞50RaのピッチPが同じで、かつ、赤色干渉縞50Rの位相が同じ複数の赤色干
渉縞50Rからなる構成でもよい。
また、図6に示す回折素子2Aにおいて、第1赤色干渉縞51の縞51aと第2赤色干
渉縞52の縞52aと第3赤色干渉縞53の縞53aとが、一部で重なりあって並んで配
置され、視かけ上、太い縞50Raとして視えてもよい。この場合、視かけ上、緑色干渉
縞50Gの縞50Gaの太さおよび青色干渉縞50Bの縞50Baの太さよりも大きい太
さの縞50Raが、所定のピッチで並んだ1種類の赤色干渉縞50Rが形成されているよ
うに視える。また、この場合、各赤色干渉縞50Rの位相の差は、極小さい。
次に、上述した本実施形態の回折素子2,2Aの製造方法について説明する。本実施形
態の回折素子2,2Aの製造方法は、図7に示す露光装置10を用いる。図7は、本実施
形態の露光装置10を示す概略構成図である。露光装置10は、ホログラム記録材料(記
録材料)Hに光を照射することによって回折素子2,2Aを製造する。ホログラム記録材
料Hは、例えば、マトリックス樹脂中に高屈折率モノマーが分散したフォトポリマーから
なる。
露光装置10は、図7に示すように、光源装置11と、ビームスプリッター36と、第
1の露光光学系12と、第2の露光光学系13と、を備える。光源装置11は、光源と、
導光光学系14と、を備える。光源は、赤色光Rを射出する複数の赤色光源20Rと、緑
色光Gを射出する緑色光源(第3光源)20Gと、青色光Bを射出する青色光源(第4光
源)20Bと、を含む。
本実施形態において赤色光源20Rは、第1赤色光源21と、第2赤色光源22と、第
3赤色光源23と、の3つが設けられている。本実施形態においては、例えば、第1赤色
光源21が第1光源に相当し、第2赤色光源22が第2光源に相当する。第1赤色光源2
1と第2赤色光源22と第3赤色光源23とは、同じ向き(図7では右向き)に赤色光R
を射出する。緑色光源20Gは、赤色光源20Rが赤色光Rを射出する向きと直交する向
き(図7では上向き)に緑色光Gを射出する。青色光源20Bは、赤色光源20Rが赤色
光Rを射出する向きと直交する向き(図7では上向き)に青色光Bを射出する。緑色光源
20Gが緑色光Gを射出する向きと青色光源20Bが青色光Bを射出する向きとは同じで
ある。
本実施形態において赤色光源20R、緑色光源20Gおよび青色光源20Bは、例えば
、コヒーレントな光であるレーザー光を射出するレーザー光源である。すなわち、本実施
形態において赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bは、それぞれレーザー光である。本実施
形態において赤色光源20Rから射出される赤色光Rの光量は、緑色光源20Gから射出
される緑色光Gの光量および青色光源20Bから射出される青色光Bの光量よりも小さい
。緑色光源20Gから射出される緑色光Gの光量と青色光源20Bから射出される青色光
Bの光量とは、同じである。
本実施形態において、第1赤色光源21から射出される赤色光Rと第2赤色光源22か
ら射出される赤色光Rと第3赤色光源23から射出される赤色光Rとを足し合わせた光量
、すなわち複数の赤色光源20Rから射出される赤色光Rを足し合わせた光量は、緑色光
源20Gから射出される緑色光Gの光量および青色光源20Bから射出される青色光Bの
光量と同じである。
なお、本明細書において「光量が同じである」とは、2つの光の光量が厳密に同じ場合
に加えて、2つの光の光量がほぼ同じである場合も含む。2つの光の光量がほぼ同じであ
る場合とは、例えば、2つの光の光量の比が、0.9以上、1.1以下程度である場合を
含む。
導光光学系14は、反射ミラー30,33と、ハーフミラー31,32と、ダイクロイ
ックミラー34,35と、を備える。反射ミラー30には、第1赤色光源21から赤色光
Rが入射する。反射ミラー30は、入射する赤色光Rをハーフミラー31に向けて反射す
る。ハーフミラー31には、第2赤色光源22から赤色光Rが入射する。ハーフミラー3
1は、反射ミラー30から反射された赤色光Rを透過させてハーフミラー32に入射させ
ると共に、第2赤色光源22から入射した赤色光Rをハーフミラー32に向けて反射する
。これにより、第1赤色光源21の赤色光Rと第2赤色光源22の赤色光Rとが合成され
て、ハーフミラー32に入射する。
ハーフミラー32には、第3赤色光源23から赤色光Rが入射する。ハーフミラー32
は、ハーフミラー31から反射された赤色光Rを透過させてダイクロイックミラー35に
入射させると共に、第3赤色光源23から入射した赤色光Rをダイクロイックミラー35
に向けて反射する。これにより、第1赤色光源21の赤色光Rと第2赤色光源22の赤色
光Rと第3赤色光源23の赤色光Rとが合成されて、ダイクロイックミラー35に入射す
る。
反射ミラー33には、青色光源20Bから青色光Bが入射する。反射ミラー33は、入
射した青色光Bをダイクロイックミラー34に向けて反射する。ダイクロイックミラー3
4は、青色光Bを透過させると共に、緑色光Gを反射する性質を有する。反射ミラー33
からダイクロイックミラー34に入射した青色光Bは、ダイクロイックミラー34を透過
してダイクロイックミラー35に入射する。ダイクロイックミラー34には、緑色光源2
0Gから緑色光Gが入射する。ダイクロイックミラー34は、入射した緑色光Gをダイク
ロイックミラー35に向けて反射する。これにより、青色光Bと緑色光Gとが合成された
光がダイクロイックミラー35に入射する。
ダイクロイックミラー35は、青色光Bおよび緑色光Gを透過させると共に、赤色光R
を反射する性質を有する。ダイクロイックミラー34からダイクロイックミラー35に入
射した青色光Bおよび緑色光Gは、透過してビームスプリッター36に入射する。ダイク
ロイックミラー35は、ハーフミラー32から入射した赤色光Rをビームスプリッター3
6に向けて反射する。これにより、赤色光源20Rの赤色光Rと緑色光源20Gの緑色光
Gと青色光源20Bの青色光Bとが合成されて合成光Wとなる。合成光Wは、白色光であ
る。合成光Wに含まれる赤色光Rの光量と緑色光Gの光量と青色光Bの光量とは、互いに
同じである。これにより、光源装置11から合成光Wが射出される。光源装置11から射
出された合成光Wは、ビームスプリッター36に入射する。
ビームスプリッター36は、入射した合成光Wを物体光OBと参照光SBとに分離する
。ビームスプリッター36は、入射した合成光Wのうち、物体光OBを第1の露光光学系
12に向けて透過させる一方、参照光SBを第2の露光光学系13に向けて反射する。な
お、ビームスプリッター36の代わりに、偏光ビームスプリッターを用いることも可能で
ある。偏光ビームスプリッターを用いる場合は、1/2波長(λ)板と組み合わせて、例
えば参照光SBの強度比を調整することができる。
第1の露光光学系12は、物体光OBをホログラム記録材料Hの一面側から照射する。
第1の露光光学系12は、物体光OBを集光する第1の対物レンズ40と、集光された物
体光OBを平行光束とする第1のコリメーターレンズ41とを有している。第1の露光光
学系12は、例えば、物体光OBをホログラム記録材料Hの一面に対して略垂直に照射す
る。なお、図示は省略するが、第1の露光光学系12は、物体光OBの偏光方向を揃える
偏光素子を有していてもよい。
第2の露光光学系13は、参照光SBを反射して参照光SBの光路を曲げる反射ミラー
37,38と、参照光SBを集光する第2の対物レンズ42と、集光された参照光SBを
平行光束とする第2のコリメーターレンズ43とを有している。第2の露光光学系13は
、例えば、参照光SBをホログラム記録材料Hの他面に対して斜め方向から照射する。な
お、図示は省略するが、第2の露光光学系13は、参照光SBの偏光方向を揃える偏光素
子を有していてもよい。
以上のような構成を有する露光装置10を用いて、1つの光源から射出されたコヒーレ
ントな光を物体光OBと参照光SBとに分離して、物体光OBと参照光SBとを干渉させ
た露光光をホログラム記録材料Hに対して照射する露光工程を行う。本実施形態の露光工
程においては、第1赤色光源21、第2赤色光源22および第3赤色光源23から射出さ
れた複数の赤色光Rならびに緑色光源20Gから射出された緑色光Gおよび青色光源20
Bから射出された青色光Bのそれぞれを物体光OBと参照光SBとに分離して、各物体光
OBと各参照光SBとをそれぞれ干渉させた露光光をホログラム記録材料Hに対して同時
に照射する。
上述したように、光源装置11からは、各光源の光が合成された合成光Wが射出される
ため、合成光Wを物体光OBと参照光SBとに分離してホログラム記録材料Hに照射する
ことで、各光源の光を分離した各物体光OBと各参照光SBとをホログラム記録材料Hに
同時に照射することができる。
物体光OBと参照光SBとを干渉させた露光光には、干渉縞が発生する。この干渉縞を
ホログラム記録材料Hに記録することによって、上述した干渉縞50が内部に形成された
回折素子2,2Aを得ることができる。より詳細には、本実施形態の露光工程においてホ
ログラム記録材料Hに干渉縞が発生した露光光を照射すると、ホログラム記録材料H中の
モノマーが重合反応してポリマー化し、干渉縞が照射される部分に凝集する。これにより
、屈折率の違いとしてホログラム記録材料Hに干渉縞を記録することができ、ホログラム
記録材料Hの内部に複数の干渉縞50を形成することができる。赤色光Rの露光光によっ
て赤色干渉縞50Rが形成され、緑色光Gの露光光によって緑色干渉縞50Gが形成され
、青色光Bの露光光によって青色干渉縞50Bが形成される。
上述した回折素子の製造方法を用いて回折素子を製造する場合、3つの赤色光源20R
はそれぞれ異なる光源であるため、赤色光Rの波長λが同じ仕様の赤色光源20Rを選ん
でも、製造ばらつき等によって3つの赤色光源20Rから射出される赤色光Rの波長λは
、わずかに異なる場合がある。この場合、図5に示したような、ピッチPが異なる複数種
類の赤色干渉縞50Rが形成された回折素子2が製造される。
また、3つの赤色光源20Rから射出される赤色光Rの波長λが一致している場合であ
っても、別々の光源から射出される光の位相を揃えてホログラム記録材料Hに照射するこ
とは極めて困難である。そのため、3つの赤色光源20Rから射出される赤色光Rの波長
λが一致している場合であっても、各赤色光源20Rから射出される赤色光Rの位相がず
れ、図6に示したような、回折素子2Aが製造される。
以上のように、ホログラム記録材料Hに照射する光の光源として複数の赤色光源20R
を用いた場合、上述した回折素子2,2Aのような、赤色干渉縞50Rが少なくとも1つ
の縞50Raが互いに異なる位置に配置される複数種類の赤色干渉縞50Rを含んで構成
された回折素子が製造される。
本実施形態によれば、赤色光源20Rを複数用いることで、ホログラム記録材料Hに照
射される赤色光Rの光量を大きくすることができる。そのため、1つの赤色光源20Rか
ら射出される赤色光Rの光量が他の色光を射出する光源の色光の光量よりも小さい場合で
あっても、緑色光源20Gから射出される緑色光Gの光量および青色光源20Bから射出
される青色光Bの光量を赤色光Rの光量に合わせて小さくすることなく、各色光の光量を
同じにすることができる。これにより、各色光の光量を同じにしつつ比較的大きくするこ
とができるため、回折素子の色バランスを崩すことなく、ホログラム記録材料Hに干渉縞
を記録する際の露光時間を短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、干
渉縞50の位置がずれることを抑制でき、回折素子の光学性能が低下することを抑制でき
る。その結果、光学性能に優れた回折素子2,2Aが得られる。
また、上述した実施形態のように回折素子2,2Aをヘッドマウントディスプレイ30
0のような画像表示装置に搭載するような場合、回折素子2,2Aに画像光LIを入射す
る画像光生成部1に用いられる光源は、回折素子2,2Aを製造する際に用いた光源と同
様の光源であることが好ましい。これは、光源の波長λを揃えることができ、回折素子2
,2Aの像の再現が容易なためである。
ここで、例えばコスト等の観点から、画像光生成部1の光源として液晶あるいは有機エ
レクトロルミネッセンス等を用いる場合がある。このような場合、液晶あるいは有機エレ
クトロルミネッセンス等はコヒーレンスが低く回折素子2,2Aを製造する際の光源とし
ては不適なため、画像光生成部1に用いられる光源と回折素子2,2Aの製造に用いられ
る光源とが異なることとなる。このとき、例えば、回折素子2,2Aの製造に用いる光源
としてレーザー光源を選択した場合、レーザー光源の波長λが、広帯域の光を射出する液
晶あるいは有機エレクトロルミネッセンス等の中心波長と同じになるように、レーザー光
源を選択することが重要となる。
しかし、波長λが適切なレーザー光源を選択すると十分な光量が得られないような場合
があった。一方で、波長λが液晶あるいは有機エレクトロルミネッセンス等の中心波長か
らずれた光源を選択すると、画像光生成部1に用いられる光源から射出される光を適切に
回折素子2,2Aで回折させることができず、色バランスが崩れる問題があった。
この問題に対して、本実施形態によれば、特定の色光の光源を複数用いて特定の色光の
光量を大きくできるため、回折素子2,2Aを製造する際の光源として、広帯域の光を射
出する液晶あるいは有機エレクトロルミネッセンス等の中心波長と同じになる波長λの光
を射出する光源を選択しやすい。これにより、画像光生成部1に用いられる光源と回折素
子2の製造に用いられる光源とが異なる場合であっても、ヘッドマウントディスプレイ3
00等の画像表示装置に用いられる回折素子としての光学性能に優れた回折素子2,2A
が得られる。また、回折素子2,2Aを製造する際の光源の選択幅を広げられるため、画
像光生成部1に用いられる光源の選択の幅も広げられる。
なお、回折素子2,2Aにおいて複数種類の赤色干渉縞50Rは互いにずれて形成され
ているが、この場合であっても各赤色干渉縞50Rの縞50RaのピッチPに応じた光を
回折させることができる。そのため、各ピッチPが、回折させたい光の波長帯域内の波長
λに応じた値であれば、赤色干渉縞50Rがずれていることに起因する回折素子2,2A
の光学性能低下は生じない。
また、本実施形態によれば、図5に示す回折素子2には、縞50RaのピッチPが互い
に異なる複数の赤色干渉縞50Rが形成されている。このような場合、複数の赤色光源2
0Rにおける赤色光Rの波長λのずれを許容できるため、複数の赤色光源20Rの選択が
容易である。
また、本実施形態によれば、図6に示す回折素子2Aには、縞50RaのピッチPが同
じで位相が異なる複数の赤色干渉縞50Rが形成されている。そのため、所望する波長λ
の光をより好適に回折することができ、より光学性能に優れた回折素子2Aが得られる。
また、本実施形態によれば、回折素子2,2Aには、赤色光Rに対応した赤色干渉縞5
0Rが複数種類形成されている。すなわち、回折素子2,2Aの製造においては、複数の
赤色光源20Rを用いている。赤色光Rを射出するレーザー光源は、緑色光Gを射出する
レーザー光源および青色光Bを射出するレーザー光源に比べて光量が小さくなりやすい。
そのため、赤色光源20Rを複数用いる場合に、上述した光量を大きくする効果を特に有
用に得られる。
なお、上述した実施形態の回折素子および回折素子の製造方法では、第1色が赤色であ
り、第2色が緑色であり、第3色が青色であるものとしたが、これに限られず、第1色は
緑色であってもよいし、青色であってもよい。言い換えれば、上述した実施形態では赤色
光源20Rを複数用いるものとしたが、これに限られず、緑色光源20Gを複数用いても
よいし、青色光源20Bを複数用いてもよい。干渉縞50は、複数種類の緑色干渉縞50
Gを含んでもよいし、複数種類の青色干渉縞50Bを含んでもよい。
また、回折素子の製造方法において、赤色光源20Rと緑色光源20Gと青色光源20
Bとのうちの2つ以上の光源をそれぞれ複数用いてもよい。すなわち、干渉縞50は、赤
色干渉縞50Rと緑色干渉縞50Gと青色干渉縞50Bとのうちの2つ以上の干渉縞を複
数種類含んでいてもよい。また、複数用いる光源の数は、3つに限られず、2つであって
もよいし、4つ以上であってもよい。すなわち、複数種類形成される干渉縞の数は、2つ
であってもよいし、4つ以上であってもよい。
また、回折素子の製造方法に用いられる光源は、赤色光源20Rと緑色光源20Gと青
色光源20Bとのうちのいずれか2種類を含む構成であってもよい。この場合、回折素子
に形成される干渉縞は、赤色干渉縞50Rと緑色干渉縞50Gと青色干渉縞50Bとのう
ちのいずれか2種類を含む構成となる。
また、露光装置10における各光源の配置は、上述した実施形態に限られず、適宜変更
してもよい。具体的には、導光光学系14に用いるダイクロイックミラーの透過率および
反射率の特性に応じて、各光源の配置を変更してもよい。
また、上記実施形態では、回折素子2がヘッドマウントディスプレイ300に搭載され
る例について示したが、本実施形態の回折素子2,2Aの用途は特に限定されない。本実
施形態の回折素子2,2Aは、例えば、ヘッドアップディスプレイ等の他の画像表示装置
に搭載されてもよい。
なお、上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせるこ
とができる。
2,2A,2L,2R…回折素子、20B…青色光源(第4光源)、20G…緑色光源
(第3光源)、21…第1赤色光源(第1光源)、22…第2赤色光源(第2光源)、5
0…干渉縞、50B…青色干渉縞(第4干渉縞)、50G…緑色干渉縞(第3干渉縞)、
51…第1赤色干渉縞(第1干渉縞)、51a,52a,53a,50Ba,50Ga,
50Ra…縞、52…第2赤色干渉縞(第2干渉縞)、H…ホログラム記録材料(記録材
料)、OB…物体光、P,P1,P1a,P2,P2a,P3,P3a…ピッチ、SB…
参照光

Claims (8)

  1. 第1色の波長範囲の光を回折する第1干渉縞と、
    前記第1色の波長範囲の光を回折する第2干渉縞と、
    前記第1色とは異なる第2色の波長範囲の光を回折する第3干渉縞と、を含み、
    前記第1干渉縞に含まれる複数の縞のうち少なくとも1つの縞は、前記第2干渉縞に含
    まれる縞と異なる位置に配置されていることを特徴とする回折素子。
  2. 前記第1干渉縞は、前記第2干渉縞と互いに異なるピッチであることを特徴とする請求
    項1に記載の回折素子。
  3. 前記第1干渉縞は、前記第2干渉縞に含まれる複数の縞のうちの1つと一致する縞を含
    むことを特徴とする請求項2に記載の回折素子。
  4. 前記第1干渉縞は、前記第2干渉縞と互いに同じピッチであり、かつ、互いに異なる位
    相であることを特徴とする請求項1に記載の回折素子。
  5. 前記第1色の波長範囲および前記第2色の波長範囲の両方の波長範囲と異なる第3色の
    波長範囲の光を回折する第4干渉縞を含み、
    前記第1色は、赤色であり、
    前記第2色は、緑色であり、
    前記第3色は、青色であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の回
    折素子。
  6. 記録材料を露光することで複数の干渉縞を形成して回折素子を製造する回折素子の製造
    方法であって、
    1つの光源から射出されたコヒーレントな光を物体光と参照光とに分離して、前記物体
    光と前記参照光とを干渉させた露光光を前記記録材料に対して照射する露光工程を含み、
    前記光源は、第1色の波長範囲の光を射出する第1光源と、前記第1色の波長範囲の光
    を射出する第2光源と、前記第1色とは異なる第2色の波長範囲の光を射出する第3光源
    と、を含み、
    前記露光工程においては、前記第1光源および前記第2光源から射出された複数の前記
    第1色の波長範囲の光ならびに前記第3光源から射出された前記第2色の波長範囲の光の
    それぞれを前記物体光と前記参照光とに分離して、前記各物体光と前記各参照光とをそれ
    ぞれ干渉させた露光光を前記記録材料に対して同時に照射することで、前記記録材料の内
    部に複数の前記干渉縞を形成することを特徴とする回折素子の製造方法。
  7. 前記第1光源から射出される光と前記第2光源から射出される光とを足し合わせた光量
    は、前記第3光源から射出される光の光量と同じであることを特徴とする請求項6に記載
    の回折素子の製造方法。
  8. 前記光源は、前記第1色の波長範囲および前記第2色の波長範囲の両方の波長範囲と異
    なる第3色の波長範囲の光を射出する第4光源を含み、
    前記露光工程においては、前記複数の第1光源および前記第2光源から射出された複数
    の前記第1色の波長範囲の光、前記第3光源から射出された前記第2色の波長範囲の光、
    ならびに前記第4光源から射出された前記第3色の波長範囲の光のそれぞれを前記物体光
    と前記参照光とに分離して、前記各物体光と前記各参照光とをそれぞれ干渉させた露光光
    を前記記録材料に対して同時に照射し、
    前記第1色は、赤色であり、
    前記第2色は、緑色であり、
    前記第3色は、青色であることを特徴とする請求項6または7に記載の回折素子の製造
    方法。
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