JP2021039344A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の輝度ムラおよび色ムラの少ない表示装置を提供する。【解決手段】本発明の表示装置は、画像光生成装置と、画像光生成装置から射出された画像光が入射する導光部材と、導光部材に設けられ、正のパワーを有し、画像光が入射する第1回折素子と、導光部材に設けられ、正のパワーを有し、画像光による射出瞳を形成する第2回折素子と、を備える。導光部材は、正のパワーを有する少なくとも一つの全反射面を有する。第2回折素子は、体積ホログラムで構成され、体積ホログラムの断面視において、第2回折素子の一端から他端に向けて干渉縞のピッチと傾きとが連続的に変化している。【選択図】図4

Description

本発明は、表示装置に関する。
複数の反射面を用いて画像光を反射させつつ観察者の眼に導く形態のヘッドマウントディスプレイが知られている。下記の特許文献1には、光源と、コリメーター光学系と、走査光学系と、導光板と、導光板の光入射領域に設けられた第1反射型体積ホログラムグレーティングと、導光板の光射出領域に設けられた第2反射型体積ホログラムグレーティングと、を備えた虚像表示装置が開示されている。この虚像表示装置において、2つの反射型体積ホログラムグレーティングが有する干渉縞のピッチはホログラム内で一定であり、干渉縞の傾きはホログラム内で連続的または段階的に変化している。
特開2006−350129号公報
ヘッドマウントディスプレイ等の表示装置において、画像の輝度ムラおよび色ムラを抑制するために、観察者の眼前に正のパワーを有する回折素子を備えた光学系が必要になる。ところが、この種の光学系に干渉縞のピッチが一定で傾きが変化する特許文献1の回折素子を用いたとしても、画像の輝度ムラおよび色ムラを抑制することが難しい、という問題がある。また、干渉縞の傾きが段階的に変化する回折素子を用いた場合、干渉縞の傾きが変化する領域の境界において画像に筋状のムラが視認される、という問題がある。
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様の表示装置は、画像光生成装置と、前記画像光生成装置から射出された画像光が入射する導光部材と、前記導光部材に設けられ、正のパワーを有し、前記画像光が入射する第1回折素子と、前記導光部材に設けられ、正のパワーを有し、前記画像光による射出瞳を形成する第2回折素子と、を備え、前記導光部材は、正のパワーを有する少なくとも一つの全反射面を有し、前記第2回折素子は、体積ホログラムで構成され、前記体積ホログラムの断面視において、前記第2回折素子の一端から他端に向けて干渉縞のピッチと傾きとが連続的に変化している。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記第2回折素子は、前記体積ホログラムの正面視において、前記第2回折素子の一端から他端に向けて干渉縞の曲率半径が連続的に変化していてもよい。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記第2回折素子は、第1波長帯の第1の光に対応する第1干渉縞と、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2の光に対応する第2干渉縞と、前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3の光に対応する第3干渉縞と、を有していてもよい。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記第2回折素子は、前記第1干渉縞を有する第1回折層と、前記第2干渉縞を有する第2回折層と、前記第3干渉縞を有する第3回折層と、が積層された構成を有していてもよい。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記第2回折素子は、前記第1干渉縞、前記第2干渉縞、および前記第3干渉縞のうち、少なくとも2つの干渉縞が一つの回折層内に重畳された構成を有していてもよい。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記干渉縞のピッチは、前記第1回折素子に近い側で相対的に大きく、前記第1回折素子から遠い側で相対的に小さくてもよい。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記第1回折素子は、断面視において、前記第1回折素子の一端から他端に向けて干渉縞のピッチと傾きとが連続的に変化していてもよい。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記導光部材においては、前記全反射面が設けられた領域の厚さは、前記第1回折素子および前記第2回折素子が設けられた領域の厚さよりも厚くてもよい。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記導光部材の各面のうち、前記第1回折素子および前記第2回折素子が設けられた領域を除く面は、自由曲面形状を有していてもよい。
本発明の一つの態様の表示装置は、前記画像光生成装置と前記導光部材との間における前記画像光の光路に設けられた、正のパワーを有する第1光学部と、前記第1回折素子を含む第2光学部と、前記全反射面を含む第3光学部と、前記第2回折素子を含む第4光学部と、を備えていてもよく、前記画像光の光路において、前記第1光学部と前記第3光学部との間に前記画像光の第1中間像が形成され、前記第2光学部と前記第4光学部の間に瞳が形成され、前記第3光学部と前記第4光学部との間に前記画像光の第2中間像が形成され、前記第4光学部の前記第3光学部とは反対側に射出瞳が形成されてもよい。
第1実施形態の表示装置の外観を示す斜視図である。 表示装置の光学系を示す概略構成図である。 光学系の作用を説明するための光線図である。 第2回折素子の断面図である。 第2回折素子の作用を説明するための光線図である。 第2回折素子の正面図である。 第2実施形態の第2回折素子の断面図である。 各色光に対する画角と干渉縞ピッチとの関係を示すグラフである。 第3実施形態の第2回折素子の断面図である。 第1変形例の第2回折素子の断面図である。 第4実施形態の光学系を示す概略構成図である。 第5実施形態の光学系を示す概略構成図である。 第2変形例の光学系を示す概略構成図である。 第6実施形態の光学系を示す概略構成図である。 第3変形例の光学系を示す概略構成図である。 第7実施形態の光学系を示す概略構成図である。 第4変形例の光学系を示す概略構成図である。 第8実施形態の光学系を示す概略構成図である。 第5変形例の光学系を示す概略構成図である。 第9実施形態の光学系を示す概略構成図である。 第6変形例の光学系を示す概略構成図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図6を用いて説明する。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1は、本実施形態の表示装置100の外観を示す斜視図である。図2は、図1に示す表示装置100の光学系10を示す概略構成図である。
図1および図2においては、表示装置を装着した観察者に対する前後方向をZ軸に沿う方向とし、前後方向の一方側として表示装置を装着した観察者の前方を前側Z1とし、前後方向の他方側として表示装置を装着した観察者の後方を後側Z2とする。また、表示装置を装着した観察者に対する左右方向をX軸に沿う方向とし、左右方向の一方側として表示装置を装着した観察者の右方を右側X1とし、左右方向の他方側として表示装置を装着した観察者の左方を左側X2とする。また、表示装置を装着した観察者に対する上下方向をY軸方向に沿う方向とし、上下方向の一方側として表示装置を装着した観察者の上方を上側Y1とし、上下方向の他方側として表示装置を装着した観察者の下方を下側Y2とする。
図1に示すように、表示装置100は、ヘッドマウントディスプレイであり、画像光L0aを右眼Eaに入射させる右眼用光学系10aと、画像光L0bを左眼Ebに入射させる左眼用光学系10bと、を有している。表示装置100は、例えば眼鏡のような形状に構成されている。具体的に、表示装置100は、右眼用光学系10aと左眼用光学系10bとを保持する筐体90をさらに備えている。表示装置100は、筐体90によって観察者の頭部に装着される。
表示装置100は、筐体90として、フレーム91と、フレーム91の右側に設けられ、観察者の右耳に係止されるテンプル92aと、フレーム91の左側に設けられ、観察者の左耳に係止されるテンプル92bと、を備えている。フレーム91は、両側部に収納空間91sを有しており、収納空間91s内に、後述する光学系10を構成する画像光投射装置等の各種部品が収容されている。テンプル92a,92bは、ヒンジ95によってフレーム91に対して折り畳み可能に連結されている。
右眼用光学系10aと左眼用光学系10bとは基本的な構成が同一である。したがって、以下の説明では、右眼用光学系10aと左眼用光学系10bとを区別せず、単に光学系10として説明する。
図2を参照して、表示装置100の光学系10の基本的な構成を説明する。
図2に示すように、表示装置100の光学系10は、画像光生成装置11と、投射光学系12と、導光部材13と、第1回折素子14と、第2回折素子15と、を備えている。
画像光生成装置11は、画像光L0を生成する。画像光生成装置11は、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子等の表示パネルを備えた構成を採用することができる。この構成によれば、小型で高画質な画像表示が可能な表示装置100を実現できる。また、画像光生成装置11は、照明光源(図示せず)と、照明光源から射出された照明光を変調する液晶表示素子等の表示パネルとを備えた構成を採用してもよい。この構成によれば、照明光源の選択が可能なため、画像光L0の波長特性の自由度が広がるという利点がある。
画像光生成装置11は、カラー表示が可能な1枚の表示パネルを有していてもよい。また、画像光生成装置11は、各色に対応する複数の表示パネルと、複数の表示パネルから出射された各色の画像光を合成する合成光学系と、を有する構成を採用してもよい。また、画像光生成装置11は、レーザー光をマイクロミラーデバイスで変調する構成を採用してもよい。
投射光学系12は、画像光生成装置11と導光部材13との間における画像光L0の光路に設けられ、正のパワーを有する。投射光学系12は、画像光生成装置11から射出された画像光L0を導光部材13に導く。投射光学系12は、正のパワーを有する投射レンズから構成されている。投射レンズは、球面レンズ、自由曲面レンズ等、種々のレンズから構成されていてもよい。なお、図2では、投射光学系12が1つの投射レンズを有する例を挙げたが、投射レンズの数はこれに限定されることはなく、投射光学系12が2つ以上のレンズを備えていてもよい。また、複数のレンズを貼り合わせて一体化し、一体化されたレンズによって投射光学系12を構成してもよい。なお、投射光学系12は、レンズ以外に例えばプリズム等の光学素子で構成されていてもよい。
導光部材13は、投射光学系12から射出された画像光L0を全反射させつつ導光させた後、観察者の眼Eに向けて射出させる。導光部材13は、板状の部材であって、観察者および画像光生成装置11に対向する第1面13aと、外界に対向する第2面13bと、を有する。
第1面13aのうち、画像光生成装置11に対向する領域は、画像光生成装置11から射出された画像光L0が入射する入射面131aとなっている。また、観察者の眼Eに対向する領域は、眼Eに向けて画像光L0を射出させる射出面131bとなっている。入射面131aと射出面131bとの間に、正のパワーを有する全反射面131cが設けられている。具体的には、全反射面131cは、入射面131aおよび射出面131bに対して観察者側に凸となるように湾曲した曲面で構成されている。
第2面13bのうち、入射面131aに対向する領域は、入射面131aと所定の角度をなすように傾いた傾斜面131dとなっており、傾斜面131dに第1回折素子14が設けられている。また、射出面131bに対向する領域は、射出面131bと略平行な平面131eとなっており、平面131eに第2回折素子15が設けられている。第1回折素子14および第2回折素子15のそれぞれは、反射型体積ホログラムから構成されている。第1回折素子14および第2回折素子15の構成については、後述する。
導光部材13において、全反射面131cが設けられた領域の厚さは、第1回折素子14および第2回折素子15が設けられた領域の厚さよりも厚い。この構成によれば、導光部材13における光路以外の部分を薄くすることができ、導光部材13の軽量化を図ることができる。
本実施形態の光学系10は、光学的には、画像光L0の光路に沿って順に配置された、正のパワーを有する第1光学部L10と、正のパワーを有する第2光学部L20と、正のパワーを有する第3光学部L30と、正のパワーを有する第4光学部L40と、を備えている。本実施形態の場合、第1光学部L10は、正のパワーを有する投射光学系12を含んでいる。第2光学部L20は、正のパワーを有する第1回折素子14を含んでいる。第3光学部L30は、正のパワーを有する全反射面131cを含んでいる。第4光学部L40は、正のパワーを有する第2回折素子15を含んでいる。
光学系10において、画像光L0の進行方向に着目すると、画像光生成装置11は、投射光学系12に向けて画像光L0を射出する。投射光学系12は、入射した画像光L0を第1回折素子14に向けて射出する。第1回折素子14は、導光部材13の入射面131aから入射した画像光L0を全反射面131cに向けて回折させる。全反射面131cは、入射した画像光L0を第2回折素子15に向けて反射する。第2回折素子15は、入射した画像光L0を導光部材13の射出面131bから観察者の眼Eに向けて射出する。
本実施形態の光学系10において、第1光学部L10と第3光学部L30との間に瞳が形成され、第2光学部L20と第4光学部L40との間に瞳が形成され、第3光学部L30と第4光学部L40との間に画像光L0の第2中間像が形成され、第4光学部L40によって射出瞳が形成される。
図3は、本実施形態の光学系10における光線図である。図3では、光軸に沿って配置された各光学部を太い矢印で示している。また、画像光生成装置11の1つの画素から射出された光線を実線Laで示し、画像光生成装置11の端部から射出される主光線を一点鎖線Lbで示し、第1回折素子14と共役関係となる位置を長い破線Lcで示している。ここで、「中間像」は、1画素から射出された光線(実線La)が集まる個所であり、「瞳」とは、各画角の主光線(一点鎖線Lb)が集まる個所である。また、図3は、画像光生成装置11から射出された光の進行を示す図である。図3においては、図面を簡略化するため、全ての光学部を透過型として図示している。
図3に示すように、本実施形態の光学系10では、画像光生成装置11から射出された画像光の光路に沿って、投射光学系12を備え、正のパワーを有する第1光学部L10と、第1回折素子14を備え、正のパワーを有する第2光学部L20と、全反射面131cを備え、正のパワーを有する第3光学部L30と、第2回折素子15を備え、正のパワーを有する第4光学部L40と、が設けられている。
第1光学部L10の焦点距離は、L/2である。第2光学部L20、第3光学部L30、および第4光学部L40の焦点距離は、いずれもLである。したがって、第2光学部L20から第3光学部L30までの光学距離と、第3光学部L30から第4光学部L40までの光学距離と、は等しい。
光学系10においては、第1光学部L10と第3光学部L30との間に画像光L0の第1中間像P1が形成され、第2光学部L20と第4光学部L40との間に瞳R1が形成され、第3光学部L30と第4光学部L40との間に画像光L0の第2中間像P2が形成され、第4光学部L40によって射出瞳R2が形成される。
このとき、第3光学部L30は、第2光学部L20から射出された画像光L0を発散光、または収束光、または平行光と自在に制御して第4光学部L40に入射させる。第2光学部L20は、第1光学部L10から射出された画像光L0を収束光として第3光学部L30に入射させる。光学系10において、瞳R1は、第2光学部L2と第4光学部L40との間のうち、第3光学部L30の近傍に形成される。第3光学部L30の近傍とは、第2光学部L20と第3光学部L30の間のうち、第2光学部L20よりも第3光学部L30に近い位置、または第3光学部L30と第4光学部L40の間のうち、第4光学部L40よりも第3光学部L30に近い位置を意味する。
第3光学部L30は、画像光生成装置11の1点からの画像光について、第1回折素子14により偏向されて、特定波長からずれた周辺波長の光を第2回折素子15の所定の範囲に入射させる。すなわち、第1回折素子14と第2回折素子15とは、共役または略共役の関係にある。ここで、第1回折素子14の第3光学部L30による第2回折素子15上の射影の倍率の絶対値は、0.5倍から10倍までの範囲である。倍率の絶対値は、1倍から5倍までの範囲であることが好ましい。
本実施形態の光学系10によれば、以下に示す4つの条件(条件1、2、3、4)を満たしている。
条件1:画像光生成装置11の1つの点から射出された光線は、網膜E0に1つの点として結像される。
条件2:光学系10の入射瞳と眼球の瞳とが共役である。
条件3:周辺波長を補償するように、第1回折素子14と第2回折素子15とが適正に配置されている。
条件4:第1回折素子14と第2回折素子15とが共役または略共役の関係にある。
より具体的には、図3に示す実線Laから分かるように、画像光生成装置11の1つの点から射出された光線は、網膜E0に1つの点として結像されるという条件1を満たすため、観察者は1つの画素を視認することができる。また、図3に示す実線Laから分かるように、光学系10の入射瞳と眼Eの瞳E1とが共役(瞳の共役)の関係にあるという条件2を満たすため、画像光生成装置11で生成された画像の全域を視認することができる。
また、周辺波長を補償するように第1回折素子14と第2回折素子15とが適正に配置されているという条件3を満たすため、波長補償を行うことによって第2回折素子15で発生する色収差をキャンセルすることができる。また、図3に示す長い破線Lcから分かるように、第1回折素子14と第2回折素子15とが共役または略共役関係にあるという条件4を満たすため、第1回折素子14と第2回折素子15とでは、光線を後述する干渉縞が同一の個所に入射させることができ、波長補償を適正に行うことができる。よって、画像光L0の解像度の劣化を抑えることができる。
以下、第2回折素子15の構成について説明する。
図4は、第2回折素子15の断面図である。図5は、第2回折素子15の作用を説明するための光線図である。図6は、第2回折素子15の正面図である。
図4に示すように、第2回折素子15は、反射型の体積ホログラムで構成された部分反射型の回折光学素子である。したがって、画像光L0に加えて、外光が第2回折素子15を介して眼Eに入射するため、観察者は、画像光生成装置11で形成した画像光L0と外光(背景)とが重畳した画像を認識することができる。
第2回折素子15は、特定波長に対応するピッチを有する干渉縞16を有している。干渉縞16は、互いに屈折率が異なる領域が縞状に形成されたものとしてホログラフィック感光層に記録されている。干渉縞16は、特定の入射角度に対応するように、導光部材13の第2面13bに対して一方向に傾いている。本実施形態の場合、干渉縞16は、図4の左下から右上に向かう方向に傾いている。これにより、第2回折素子15は、画像光L0を所定の方向に回折して偏向させ、観察者の眼Eに導くことができる。特定波長および特定の入射角度とは、画像光L0の波長と入射角度とに対応する。干渉縞16は、参照光および物体光を用いてホログラフィック感光層に干渉露光を行うことにより形成することができる。
第2回折素子15は、体積ホログラムの断面視において、第2回折素子15の一端から他端に向けて干渉縞16のピッチと傾きとが連続的に変化している。より具体的には、干渉縞16のピッチは、画像光L0の入射側、すなわち、第3光学部L30に近い側の第1端部15cで相対的に大きく、第3光学部L30から遠い側の第2端部15dで相対的に小さく、第1端部15cから第2端部15dに向かって順次小さくなっている。換言すると、干渉縞16の密度は、第1端部15cから第2端部15dに向けて粗→密に変化している。なお、体積ホログラムの断面視とは、図1におけるXZ平面、すなわち、観察者が表示装置を装着した状態における水平面に沿って体積ホログラムを切断したときの断面を見ていることを意味する。
また、第2面13bに対する干渉縞16の傾きは、第3光学部L30に近い側の第1端部15cで相対的に小さく、第3光学部L30から遠い側の第2端部15dで相対的に大きく、第1端部15cから第2端部15dに向かって順次大きくなっている。なお、ここで言う「傾き」は、干渉縞16と第2面13bとがなす角度として定義する。
図6に示すように、第2回折素子15においては、体積ホログラムの正面視において、干渉縞16は、第2回折素子15の外側に中心を有する略同心円状に形成されている。第2回折素子15の第1面15aに見える干渉縞16の模様は、円弧状となっている。また、第2回折素子15は、体積ホログラムの正面視において、第2回折素子15の一端から他端に向けて干渉縞16の曲率半径が連続的に変化している。より具体的には、干渉縞16の曲率半径は、第1端部15cから第2端部15dに向けて順次大きくなっている。このため、図2および図4の紙面に垂直な方向に拡がる画角を形成する光線についても、小さく絞られた射出瞳が形成され、画像の色ムラや輝度ムラが生じにくい構成となっている。なお、体積ホログラムの正面視とは、図1におけるZ軸に沿う方向、すなわち、観察者が表示装置を装着した状態における前後方向から体積ホログラムを見ていることを意味する。
本実施形態の場合、第1回折素子14は、第2回折素子15と同様の体積ホログラムから構成されている。すなわち、図2に示すように、第1回折素子14は、第1回折素子14の一端から他端に向けて干渉縞17のピッチと傾きとが連続的に変化している。干渉縞17のピッチは、入射面131aからの距離が短い側の第1端部14cで相対的に大きく、入射面131aからの距離が長い側の第2端部14dで相対的に小さく、第1端部14cから第2端部14dにかけて順次小さくなっている。換言すると、干渉縞17の密度は、第1端部14cから第2端部14dに向けて粗→密に変化している。
図2に示すように、第2回折素子15には、第3光学部L30から射出された光線が大きな入射角をもって斜めに入射する。そのため、第3光学部L30から遠い第2端部15d側の干渉縞16には、第3光学部L30に近い第1端部15c側の干渉縞16を透過した光線の一部が入射する。この場合、第2回折素子15が、干渉縞のピッチが一定の従来の回折素子で構成されていたとすると、第2回折素子15に入射した光線は、第1端部15c側で反射する光量が多く、第2端部15d側で反射する光量が少なくなる結果、画像の輝度ムラが発生しやすい。
これに対して、本実施形態の第2回折素子15においては、図3に示す作用を有する光学系で図2に示す全体構成の光学系を成り立たせようとすると、干渉縞16は、画角を形成する全ての光線に対して、できるだけブラッグの法則に則ることが望ましい。その結果、第2回折素子15は、干渉縞16のピッチと傾きの双方が一端から他端に向けて連続的に変化する構成となる。本実施形態の場合、干渉縞16のピッチが第1端部15cから第2端部15dに向かって順次小さくなっているため、従来の回折素子を用いた場合に比べて、第1端部15c側で反射する光量と第2端部15d側で反射する光量とが均等になりやすい。その結果、本実施形態の第2回折素子15によれば、画像の輝度ムラが発生しにくくなる。
また、本実施形態の干渉縞16の構成においては、従来の干渉縞に比べて、図5に示すように、射出瞳R2が小さくなり、狭い波長分布を有する光線L01が射出瞳R2を形成することになる。これにより、画像の色ムラを抑制することができる。このように、本実施形態によれば、画像の輝度ムラおよび色ムラの少ない表示装置100を実現することができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図7および図8を用いて説明する。
第2実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、第2回折素子の構成が第1実施形態と異なる。そのため、表示装置の全体構成の説明は省略する。
図7は、第2実施形態の第2回折素子の断面図である。
図7において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図7に示すように、第2回折素子19は、第1波長帯の第1の光に対応する第1干渉縞20Bと、第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2の光に対応する第2干渉縞20Gと、第1波長帯および第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3の光に対応する第3干渉縞20Rと、を有している。本実施形態の場合、第2回折素子19は、第1干渉縞20Bを有する第1回折層21Bと、第2干渉縞20Gを有する第2回折層21Gと、第3干渉縞20Rを有する第3回折層21Rと、が積層された構成を有している。
本実施形態では、画像光L0はカラー表示用の光であり、表示装置はフルカラーの画像を表示する。このため、第2回折素子19においては、特定波長に対応するピッチを中心として第1干渉縞20B、第2干渉縞20G、および第3干渉縞20Rの3つの干渉縞が形成されている。
例えば、第1干渉縞20Bは、青色光を回折させる干渉縞であり、青色域の400〜500nmの第1波長帯のうち、例えば波長460nmに対応するピッチを中心として形成されている。第2干渉縞20Gは、緑色光を回折させる干渉縞であり、緑色域の500〜580nmの第2波長帯のうち、例えば波長535nmに対応するピッチを中心として形成されている。第3干渉縞20Rは、赤色光を回折させる干渉縞であり、赤色域の580〜700nmの第3波長帯のうち、例えば波長615nmに対応するピッチを中心として形成されている。
図8は、青色光B、緑色光Gおよび赤色光Rのそれぞれに対する画角と干渉縞ピッチとの関係の一例を示すグラフである。
図8において、横軸は画角(度)であり、縦軸は干渉縞ピッチ(nm)である。
図8に示すように、光の波長が長い程、同じ画角の光に対する干渉縞ピッチは長くなり、画角に対する干渉縞ピッチの変化率(グラフの勾配)は大きくなる。したがって、このような関係に基づいて、第1干渉縞20B、第2干渉縞20G、および第3干渉縞20Rのそれぞれのピッチを設定すればよい。
本実施形態の場合、第1回折層21Bにおいて、第2回折素子19の一端から他端に向けて第1干渉縞20Bのピッチと傾きとが連続的に変化している。また、第2回折層21Gにおいて、第2回折素子19の一端から他端に向けて第2干渉縞20Gのピッチと傾きとが連続的に変化している。また、第3回折層21Rにおいて、第2回折素子19の一端から他端に向けて第3干渉縞20Rのピッチと傾きとが連続的に変化している。
表示装置のその他の構成は、第1実施形態の表示装置と同様である。
本実施形態においても、各干渉縞20B,20G,20Rのピッチと傾きとが連続的に変化しているため、画像の輝度ムラおよび色ムラが少なく、フルカラー表示に対応した表示装置を実現することができる。
また、本実施形態の場合、ピッチおよび傾きが互いに異なる第1干渉縞20B、第2干渉縞20G、および第3干渉縞20Rを順次形成できるため、各干渉縞を精度良く形成することができる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図9を用いて説明する。
第3実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、第2回折素子の構成が第1実施形態と異なる。そのため、表示装置の全体構成の説明は省略する。
図9は、第3実施形態の第2回折素子の断面図である。
図9において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図9に示すように、第2回折素子23は、第2実施形態と同様、第1干渉縞20Bと、第2干渉縞20Gと、第3干渉縞20Rと、を有している。本実施形態の場合、第2回折素子23は、第1干渉縞20Bを有する第1回折層21Bと、第2干渉縞20Gと第3干渉縞20Rとが一つの層内に重畳された第2回折層21GRと、が積層された構成を有している。
本実施形態の場合、第1回折層21Bにおいて、第2回折素子23の一端から他端に向けて第1干渉縞20Bのピッチと傾きとが連続的に変化している。また、第2回折層21GRにおいて、第2回折素子23の一端から他端に向けて、第2干渉縞20Gのピッチと傾きとが連続的に変化し、第3干渉縞20Rのピッチと傾きとが連続的に変化している。
表示装置のその他の構成は、第1実施形態の表示装置と同様である。
本実施形態においても、各干渉縞20B,20G,20Rのピッチと傾きとが連続的に変化しているため、画像の輝度ムラおよび色ムラが少なく、フルカラー表示に対応した表示装置を実現することができる。
また、本実施形態の場合、3つの干渉縞20B,20G,20Rが2つの回折層21B,21GR内に形成されているため、回折層の層数が減り、第2回折素子23の薄型化を図ることができる。
[第1変形例]
上記の第2回折素子23は、以下の構成を有していてもよい。
図10は、第1変形例の第2回折素子の断面図である。
図10において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図10に示すように、本変形例の第2回折素子25は、第2実施形態と同様、第1干渉縞20Bと、第2干渉縞20Gと、第3干渉縞20Rと、を有している。本変形例の場合、第2回折素子25は、第1干渉縞20Bと第2干渉縞20Gと第3干渉縞20Rとが一つの回折層26内に重畳された構成を有している。
本変形例においても、画像の輝度ムラおよび色ムラが少なく、フルカラー表示に対応した表示装置を実現できる、第2回折素子25の薄型化を図ることができる、といった第3実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第3実施形態および第1変形例の第2回折素子においては、1つの回折層内に2つ以上の干渉縞20B,20G,20Rが重畳されているため、例えば図10に示すように、重畳された2つ以上の干渉縞20B,20G,20Rをまとめて1つの干渉縞と見なしたとすると、第2回折素子の第1端部に近い側の領域であっても、局所的にはピッチが狭い個所がある。したがって、隣り合う全ての縞のピッチと傾きとが、必ずしも連続的に変化しているわけではない。ただし、各波長帯の光に対応した個別の干渉縞20B,20G,20Rについては、ピッチと傾きとが一端から他端に向けて連続的に変化している。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図11を用いて説明する。
第4実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、光学系の配置が第1実施形態と異なる。そのため、表示装置の全体構成の説明は省略する。
図11は、第4実施形態の光学系を示す概略構成図である。
図11において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の光学系28において、導光部材29は、板状の部材であって、観察者に対向する第1面29aと、外界および画像光生成装置11に対向する第2面29bと、を有する。すなわち、第1実施形態では、画像光生成装置11および観察者が第1面13aと対向していたのに対し、本実施形態では、観察者が第1面29aと対向し、画像光生成装置11が第2面29bと対向している。
第2面29bのうち、画像光生成装置11に対向する領域は、画像光生成装置11から射出された画像光L0が入射する入射面291aとなっている。また、第1面29aのうち、観察者の眼Eに対向する領域は、眼Eに向けて画像光L0を射出させる射出面291bとなっている。第1面29aにおける射出面291bと入射面291aに対向する平面291cとの間に、正のパワーを有する全反射面291dが設けられている。全反射面291dは、平面291cおよび射出面291bに対して観察者側に凸となるように湾曲した曲面で構成されている。
第2面29bにおいて、第1回折素子14は、入射面291a上に設けられている。また、射出面291bに対向する領域は、射出面291bと略平行な平面291eとなっており、平面291e上に第2回折素子15が設けられている。
光学系28のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、各干渉縞のピッチと傾きとが連続的に変化しているため、画像の輝度ムラおよび色ムラが少ない表示装置を実現できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態について、図12を用いて説明する。
第5実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、導光部材の構成が第1実施形態と異なる。そのため、表示装置の全体構成の説明は省略する。
図12は、第5実施形態の光学系を示す概略構成図である。
図12において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態の光学系31において、導光部材32は、板状の部材であって、画像光生成装置11および観察者に対向する第1面32aと、外界に対向する第2面32bと、を有する。
導光部材32の第1面32aのうち、画像光生成装置11に対向する領域は、画像光生成装置11から射出された画像光L0が入射する入射面321aとなっている。また、観察者の眼Eに対向する領域は、眼Eに向けて画像光L0を射出させる射出面321bとなっている。入射面321aと射出面321bとの間に、正のパワーを有する第1全反射面321cおよび第3全反射面321dが設けられている。第1全反射面321cおよび第3全反射面321dのそれぞれは、入射面321aおよび射出面321bに対して観察者側に凸となるように湾曲した曲面で構成されている。
第2面32bのうち、入射面321aに対向する領域は、入射面321aと所定の角度をなすように傾いた傾斜面321eとなっており、傾斜面321eに第1回折素子14が設けられている。また、射出面321bに対向する領域は、射出面321bと略平行な平面321fとなっており、平面321fに第2回折素子15が設けられている。第1回折素子14と第2回折素子15との間であって、導光部材32の長手方向における第1全反射面321cと第3全反射面321dとの間に位置する領域には、正のパワーを有する第2全反射面321gが設けられている。第2全反射面321gは、外界側に凸となるように湾曲した曲面で構成されている。
このように、本実施形態の導光部材32には、第1全反射面321c、第2全反射面321g、および第3全反射面321dの3つの全反射面が設けられている。画像光L0は、第1全反射面321cで反射した後、第2全反射面321gで反射し、さらに第3全反射面321dで反射する。したがって、本実施形態では、第1全反射面321c、第2全反射面321g、および第3全反射面321dは、第3光学部L30を構成する。全反射面の数は必ずしも3つに限ることはないが、第1回折素子14および第2回折素子15を第2面32bに配置し、かつ、導光部材32に複数の全反射面を設ける場合、全反射面の数は奇数とする必要がある。
光学系31のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、各干渉縞のピッチと傾きとが連続的に変化しているため、画像の輝度ムラおよび色ムラが少ない表示装置を実現できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態においては、第3光学部L30における複数回の反射によって画像光L0を第2回折素子15に導く構成であるため、導光部材32の厚さを第1実施形態に比べて薄くすることができる。
[第2変形例]
上記の光学系31は、以下の構成を有していてもよい。
図13は、第2変形例の光学系を示す概略構成図である。
図13において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図13に示すように、本変形例の光学系34において、導光部材35は、観察者に対向する第1面35aと、外界および画像光生成装置11に対向する第2面35bと、を有する。すなわち、第5実施形態では、画像光生成装置11および観察者が第1面29aと対向していたのに対し、本変形例では、観察者が第1面35aと対向し、画像光生成装置11が第2面35bと対向している。
光学系34のその他の構成は、第5実施形態と同様である。
[第6実施形態]
以下、本発明の第6実施形態について、図14を用いて説明する。
第6実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、導光部材の構成が第1実施形態と異なる。そのため、表示装置の全体構成の説明は省略する。
図14は、第6実施形態の光学系を示す概略構成図である。
図14において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図14に示すように、本実施形態の光学系37において、導光部材38は、画像光生成装置11および観察者に対向する第1面38aと、外界に対向する第2面38bと、を有する。
導光部材38の第1面38aのうち、画像光生成装置11に対向する領域は、画像光生成装置11から射出された画像光L0が入射する入射面381aとなっている。また、観察者の眼Eに対向する領域は、眼Eに向けて画像光L0を射出させる射出面381bとなっている。第1面38aの射出面381b上には、第2回折素子15が設けられている。入射面381aと射出面381bとの間であって第1回折素子14に近い領域に、正のパワーを有する第1全反射面381cが設けられている。第1全反射面381cは、入射面381aおよび射出面381bに対して観察者側に凸となるように湾曲した曲面で構成されている。
第2面38bのうち、入射面381aに対向する領域は、入射面381aと所定の角度をなすように傾いた傾斜面381dであり、傾斜面381dに第1回折素子14が設けられている。導光部材38の長手方向における第1全反射面381cと第2回折素子15との間に位置する領域には、正のパワーを有する第2全反射面381eが設けられている。第2全反射面381eは、外界側に凸となるように湾曲した曲面で構成されている。
このように、本実施形態の導光部材38には、第1全反射面381c、および第2全反射面381eの2つの全反射面が設けられている。画像光L0は、第1全反射面381cで反射した後、第2全反射面381eで反射する。また、第2全反射面381eで反射した画像光L0は、第2回折素子15の第1面15a、すなわち眼Eに対向する側の面で一旦反射した後、干渉縞で反射して眼Eに向かって回折される。したがって、本実施形態では、第1全反射面381c、および第2全反射面381eは、第3光学部L30を構成する。全反射面の数は必ずしも2つに限ることはないが、第1回折素子14を第2面に配置し、第2回折素子15を第1面に配置し、かつ、導光部材に複数の全反射面を設ける場合、全反射面の数は偶数とする必要がある。
光学系37のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、第2回折素子15の干渉縞のピッチと傾きとが連続的に変化しているため、画像の輝度ムラおよび色ムラが少ない表示装置を実現できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態の導光部材38においては、第3光学部L30における複数回、本実施形態では2回の反射によって画像光L0を第2回折素子15に導くため、導光部材38の厚さを第1実施形態に比べて薄くすることができ、画像光L0の反射回数を第5実施形態に比べて少なくすることができる。
[第3変形例]
上記の光学系37は、以下の構成を有していてもよい。
図15は、第3変形例の光学系を示す概略構成図である。
図15において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図15に示すように、本変形例の光学系40において、導光部材41は、観察者に対向する第1面41aと、外界および画像光生成装置11に対向する第2面41bと、を有する。すなわち、第6実施形態では、画像光生成装置11および観察者が第1面38aと対向していたのに対し、第2変形例では、観察者が第1面41aと対向し、画像光生成装置11が第2面41bと対向している。
光学系40のその他の構成は、第6実施形態と同様である。
[第7実施形態]
以下、本発明の第7実施形態について、図16を用いて説明する。
第7実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、導光部材の構成が第1実施形態と異なる。そのため、表示装置の全体構成の説明は省略する。
図16は、第7実施形態の光学系を示す概略構成図である。
図16において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図16に示すように、本実施形態の光学系43において、導光部材44は、画像光生成装置11および観察者に対向する第1面44aと、外界に対向する第2面44bと、を有する。
導光部材44の第1面44aのうち、画像光生成装置11に対向する領域は、画像光L0の主光線Lcに対して斜めに傾いており、画像光L0が入射する入射面441aとなっている。また、観察者の眼Eに対向する領域は、射出面441bとなっている。第1面44aの入射面441a上には、第1回折素子14が設けられている。第1面44aの射出面441b上には、第2回折素子15が設けられている。すなわち、本実施形態の光学系43においては、第1回折素子14および第2回折素子15の双方が第1面44aに設けられている。
導光部材44の第2面44bのうち、導光部材44の長手方向における第1回折素子14と第2回折素子15との間に位置する領域には、正のパワーを有する全反射面441cが設けられている。全反射面441cは、外界側に凸となるように湾曲した曲面で構成されている。
光学系43のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、第2回折素子15の干渉縞のピッチと傾きとが連続的に変化しているため、画像の輝度ムラおよび色ムラが少ない表示装置を実現できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態の導光部材44においては、第1面44aに全反射面を設ける必要がないため、導光部材44を観察者の顔に向けて張り出した形状とする必要がない。そのため、本実施形態の光学系43を適用することにより、顔に近付けて装着しやすい表示装置を提供することができる。
[第4変形例]
光学系は、以下の構成を有していてもよい。
図17は、第4変形例の光学系を示す概略構成図である。
図17において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図17に示すように、本変形例の光学系46において、導光部材47は、観察者に対向する第1面47aと、外界および画像光生成装置11に対向する第2面47bと、を有する。すなわち、第7実施形態では、画像光生成装置11および観察者が第1面44aと対向していたのに対し、第2変形例では、観察者が第1面47aと対向し、画像光生成装置11が第2面47bと対向している。また、本変形例の場合、第7実施形態と異なり、導光部材47の第1面47aのうち、第1回折素子14が設けられる面が入射面441aと平行な面となっている。
光学系46のその他の構成は、第7実施形態と同様である。
[第8実施形態]
以下、本発明の第8実施形態について、図18を用いて説明する。
第8実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、導光部材の構成が第1実施形態と異なる。そのため、表示装置の全体構成の説明は省略する。
図18は、第8実施形態の光学系を示す概略構成図である。
図18において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図18に示すように、本変形例の光学系49において、導光部材50は、画像光生成装置11および観察者に対向する第1面50aと、外界に対向する第2面50bと、を有する。
本実施形態の導光部材50、第1回折素子14および第2回折素子15の配置等は、第7実施形態と略同様である。ただし、本実施形態の導光部材50においては、導光部材50の第2面50b側の部分のうち、第1面50aの入射面441aに対向する部分を斜めに切り欠いた形状としている点で、第7実施形態と異なる。導光部材50として残す部分は、画像光L0が通過する最小限の領域としている。
光学系49のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、第2回折素子15の干渉縞のピッチと傾きとが連続的に変化しているため、画像の輝度ムラおよび色ムラが少ない表示装置を実現できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。また、顔に近付けて装着しやすい表示装置を提供できる、といった第7実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態の導光部材50においては、入射面441aに対向する部分を斜めに切り欠いているため、第7実施形態と比べて、導光部材50の軽量化を図ることができる。
[第5変形例]
上記の光学系49は、以下の構成を有していてもよい。
図19は、第5変形例の光学系を示す概略構成図である。
図19において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図19に示すように、本変形例の光学系52において、導光部材53は、観察者に対向する第1面53aと、外界および画像光生成装置11に対向する第2面53bと、を有する。すなわち、第8実施形態では、画像光生成装置11および観察者が第1面50aと対向していたのに対し、第2変形例では、観察者が第1面53aと対向し、画像光生成装置11が第2面53bと対向している。また、本変形例の場合、第8実施形態と異なり、導光部材53の第1面53aのうち、第1回折素子14が設けられる面441eが入射面441aと平行な面となっている。ただし、本変形例においても、入射面441a側の導光部材53として残す部分は、画像光L0が通過する最小限の領域としている。
光学系52のその他の構成は、第8実施形態と略同様である。
[第9実施形態]
以下、本発明の第9実施形態について、図20を用いて説明する。
第9実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、導光部材の構成が第1実施形態と異なる。そのため、表示装置の全体構成の説明は省略する。
図20は、第9実施形態の光学系を示す概略構成図である。
図20において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図20に示すように、本実施形態の光学系55において、導光部材56は、画像光生成装置11および観察者に対向する第1面56aと、外界に対向する第2面56bと、を有する。
導光部材56の第1面56aのうち、画像光生成装置11に対向する領域は、画像光L0の主光線Lcに対して斜めに傾いており、画像光L0が入射する入射面561aとなっている。また、観察者の眼Eに対向する領域は、射出面561bとなっている。第1面56aの入射面561a上には、第1回折素子14が設けられている。第1面56aの射出面561b上には、第2回折素子15が設けられている。すなわち、本実施形態の光学系55においては、第1回折素子14および第2回折素子15の双方が第1面56a上に設けられている。第1面56aのうち、入射面561aと射出面561bとの間の領域は、自由曲面で構成されている。
導光部材56の第2面56bのうち、射出面561bと対向する領域は、射出面561bと平行な平面561fで構成されている。第2面56bのうち、第1回折素子14と第2回折素子15との間に位置する領域には、正のパワーを有する全反射面561cが設けられている。また、第2面のうち、全反射面561cは、自由曲面で構成されている。このように、導光部材56の各面のうち、第1回折素子14および第2回折素子15が設けられた領域を除く面、すなわち、入射面561a、射出面561bおよび平面561fを除く面は、自由曲面形状を有している。したがって、本実施形態では、導光部材56の全体が概ね自由曲面に沿って湾曲した形状を有している。
光学系55のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、第2回折素子15の干渉縞のピッチと傾きとが連続的に変化しているため、画像の輝度ムラおよび色ムラが少ない表示装置を実現できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態の導光部材56は全体的に湾曲した形状を有しているため、導光部材56を観察者の顔に沿って配置することができる。これにより、コンパクトでスタイリッシュな表示装置を提供することができる。
[第6変形例]
上記の光学系は、以下の構成を有していてもよい。
図21は、第6変形例の光学系を示す概略構成図である。
図21において、上記実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図21に示すように、本変形例の光学系58において、導光部材59は、観察者に対向する第1面59aと、外界および画像光生成装置11に対向する第2面59bと、を有する。すなわち、第9実施形態では、画像光生成装置11および観察者が第1面56aと対向していたのに対し、第2変形例では、観察者が第1面59aと対向し、画像光生成装置11が第2面59bと対向している。また、本変形例の場合、第9実施形態と異なり、導光部材59の第2面59bのうち、画像光生成装置11に対向する領域が画像光L0の主光線Lcに平行な入射面591aとなっている。
光学系58のその他の構成は、第9実施形態と同様である。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記の実施形態については、個々の光学系において許容される範囲内で、画像光を導光部材内で複数回反射させる構成とすることができる。したがって、正のパワーを有する反射面は、1個所以上、全ての反射個所の数以下であればよい。また、正のパワーの大きさは、反射する場所により適宜異なっていてもよい。ただし、画角を形成する光線のそれぞれにおいて、導光部材内の反射回数を同一とする必要がある。
上記実施形態の表示装置は、干渉縞のピッチと傾きとが一端から他端に向けて連続的に変化した第1回折素子を備えているが、第1回折素子については、干渉縞のピッチと傾きとが必ずしも連続的に変化していなくてもよい。その他、上記実施形態で例示した表示装置の各構成要素の数、配置、形状等の具体的構成は、適宜変更が可能である。
また、上記実施形態で説明した表示装置の例として、ヘッドマウントディスプレイの他、ヘッドアップディスプレイ等を挙げることができる。
11…画像光生成装置、13,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59…導光部材、14…第1回折素子、14c…第1端部、14d…第2端部、15,19,23,25…第2回折素子、16,17…干渉縞、20B…第1干渉縞、20G…第2干渉縞、20R…第3干渉縞、21B…第1回折層、21G…第2回折層、21R…第3回折層、26…回折層、131c,291d,441c,561c…全反射面、321c,381c…第1全反射面、321g,381e…第2全反射面、321d…第3全反射面、L0,L0a,L0b…画像光、L10…第1光学部、L20…第2光学部、L30…第3光学部、L40…第4光学部、P1…第1中間像、P2…第2中間像、R1…瞳、R2…射出瞳。

Claims (10)

  1. 画像光生成装置と、
    前記画像光生成装置から射出された画像光が入射する導光部材と、
    前記導光部材に設けられ、正のパワーを有し、前記画像光が入射する第1回折素子と、
    前記導光部材に設けられ、正のパワーを有し、前記画像光による射出瞳を形成する第2回折素子と、
    を備え、
    前記導光部材は、正のパワーを有する少なくとも一つの全反射面を有し、
    前記第2回折素子は、体積ホログラムで構成され、前記体積ホログラムの断面視において、前記第2回折素子の一端から他端に向けて干渉縞のピッチと傾きとが連続的に変化している、表示装置。
  2. 前記第2回折素子は、前記体積ホログラムの正面視において、前記第2回折素子の一端から他端に向けて干渉縞の曲率半径が連続的に変化している、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記第2回折素子は、第1波長帯の第1の光に対応する第1干渉縞と、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2の光に対応する第2干渉縞と、前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3の光に対応する第3干渉縞と、を有する、請求項1または請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記第2回折素子は、前記第1干渉縞を有する第1回折層と、前記第2干渉縞を有する第2回折層と、前記第3干渉縞を有する第3回折層と、が積層された構成を有する、請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記第2回折素子は、前記第1干渉縞、前記第2干渉縞、および前記第3干渉縞のうち、少なくとも2つの干渉縞が一つの回折層内に重畳された構成を有する、請求項3に記載の表示装置。
  6. 前記干渉縞のピッチは、前記第1回折素子に近い側で相対的に大きく、前記第1回折素子から遠い側で相対的に小さい、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の表示装置。
  7. 前記第1回折素子は、断面視において、前記第1回折素子の一端から他端に向けて干渉縞のピッチと傾きとが連続的に変化している、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の表示装置。
  8. 前記導光部材において、前記全反射面が設けられた領域の厚さは、前記第1回折素子および前記第2回折素子が設けられた領域の厚さよりも厚い、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の表示装置。
  9. 前記導光部材の各面のうち、前記第1回折素子および前記第2回折素子が設けられた領域を除く面は、自由曲面形状を有する、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の表示装置。
  10. 前記画像光生成装置と前記導光部材との間における前記画像光の光路に設けられた、正のパワーを有する第1光学部と、
    前記第1回折素子を含む第2光学部と、
    前記全反射面を含む第3光学部と、
    前記第2回折素子を含む第4光学部と、
    を備え、
    前記画像光の光路において、前記第1光学部と前記第3光学部との間に前記画像光の第1中間像が形成され、
    前記第2光学部と前記第4光学部の間に瞳が形成され、
    前記第3光学部と前記第4光学部との間に前記画像光の第2中間像が形成され、
    前記第4光学部の前記第3光学部とは反対側に射出瞳が形成される、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024024678A1 (en) * 2022-07-26 2024-02-01 Sony Group Corporation Light guide plate unit and image display device

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