JP2018076588A - 銅合金板材およびその製造方法 - Google Patents
銅合金板材およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018076588A JP2018076588A JP2017202320A JP2017202320A JP2018076588A JP 2018076588 A JP2018076588 A JP 2018076588A JP 2017202320 A JP2017202320 A JP 2017202320A JP 2017202320 A JP2017202320 A JP 2017202320A JP 2018076588 A JP2018076588 A JP 2018076588A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- copper alloy
- mass
- alloy sheet
- mpa
- sheet according
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22F—CHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
- C22F1/00—Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
- C22F1/08—Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of copper or alloys based thereon
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C9/00—Alloys based on copper
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C9/00—Alloys based on copper
- C22C9/02—Alloys based on copper with tin as the next major constituent
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C9/00—Alloys based on copper
- C22C9/04—Alloys based on copper with zinc as the next major constituent
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C9/00—Alloys based on copper
- C22C9/06—Alloys based on copper with nickel or cobalt as the next major constituent
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22F—CHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
- C22F1/00—Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B1/00—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
- H01B1/02—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of metals or alloys
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B13/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B5/00—Non-insulated conductors or conductive bodies characterised by their form
- H01B5/02—Single bars, rods, wires, or strips
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01R—ELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
- H01R13/00—Details of coupling devices of the kinds covered by groups H01R12/70 or H01R24/00 - H01R33/00
- H01R13/02—Contact members
- H01R13/03—Contact members characterised by the material, e.g. plating, or coating materials
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B1/00—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
- H01B1/02—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of metals or alloys
- H01B1/026—Alloys based on copper
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
【課題】高強度を維持しながら、曲げ加工性に優れ、且つ耐応力腐食割れ性に優れた安価な銅合金板材およびその製造方法を提供する。【解決手段】17〜32質量%のZnと0.1〜4.5質量%のSnと0.01〜2.0質量%のSiと0.01〜5.0質量%のNiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造し、900℃〜400℃の温度域で熱間圧延を行った後に400℃〜300℃まで冷却速度1〜15℃/分で冷却し、次いで、冷間圧延を行った後に300〜800℃で再結晶焼鈍を行い、その後、300〜600℃で時効焼鈍を行うことにより、銅合金板材を製造する。【選択図】なし
Description
本発明は、銅合金板材およびその製造方法に関し、特に、コネクタ、リードフレーム、リレー、スイッチなどの電気電子部品に使用するCu−Zn−Sn系銅合金板材およびその製造方法に関する。
コネクタ、リードフレーム、リレー、スイッチなどの電気電子部品に使用される材料には、通電によるジュール熱の発生を抑制するために良好な導電性が要求されるとともに、電気電子機器の組立時や作動時に付与される応力に耐えることができる高い強度が要求されている。また、コネクタなどの電気電子部品は、一般に曲げ加工により成形されることから、優れた曲げ加工性も要求されている。さらに、コネクタなどの電気電子部品間の接触信頼性を確保するために、接触圧力が時間とともに低下する現象(応力緩和)に対する耐久性、すなわち、耐応力緩和特性に優れていることも要求されている。
近年、コネクタなどの電気電子部品は、高集積化、小型化および軽量化が進む傾向にあり、それに伴って、素材である銅や銅合金の板材には、薄肉化の要求が高まっている。そのため、素材に要求される強度レベルは一層厳しくなっている。また、コネクタなどの電気電子部品の小型化や形状の複雑化に対応するために、曲げ加工品の形状や寸法精度を向上させることが求められている。また、近年、環境負荷の低減や、省資源・省エネルギー化が進む傾向にあり、それに伴って、素材である銅や銅合金の板材では、原料コストや製造コストの低減や、製品のリサイクル性などの要求がますます高まっている。
しかし、板材の強度と導電性の間、強度と曲げ加工性の間、曲げ加工性と耐応力緩和特性の間には、それぞれトレードオフの関係があるので、従来、このようなコネクタなどの電気電子部品の板材として、用途に応じて、導電性、強度、曲げ加工性または耐応力緩和特性が良好で比較的コストの低い板材が適宜選択されて使用されている。
また、従来、コネクタなどの電気電子部品用の汎用材料として、黄銅やりん青銅などが使用されている。りん青銅は、強度、耐食性、耐応力腐食割れ性および耐応力緩和特性のバランスが比較的に優れているが、例えば、りん青銅2種(C5191)の場合、熱間加工することができず、高価なSnを約6%含有し、コスト的にも不利である。
一方、黄銅(Cu−Zn系銅合金)は、原料および製造コストが低く且つ製品のリサイクル性の優れた材料として、広範囲に使用されている。しかし、黄銅の強度は、りん青銅より低く、強度が最も高い黄銅の質別はEH(H06)であり、例えば、黄銅1種(C2600−SH)の板条製品では、一般に引張強さが550MPa程度であり、この引張強さはりん青銅2種の質別H(H04)の引張強さに相当する。また、黄銅1種(C2600−SH)の板条製品では、耐応力腐食割れ性も劣っている。
また、黄銅の強度を向上させるためには、仕上げ圧延率の増大(質別増大)が必要であり、それに伴って、圧延方向に対して垂直な方向の曲げ加工性(すなわち、曲げ軸が圧延方向に対して平行な方向である曲げ加工性)が著しく悪化してしまう。そのため、強度レベルが高い黄銅でも、コネクタなどの電気電子部品に加工できなくなる場合がある。例えば、黄銅1種の仕上げ圧延率を上げて引張強さを570MPaより高くすると、小型部品にプレス成形することが困難になる。
特に、CuとZnからなる単純な合金系の黄銅では、強度を維持しながら曲げ加工性を向上させることは容易ではない。そのため、黄銅に種々の元素を添加して強度レベルを引き上げる工夫がなされている。例えば、Sn、Si、Niなどの第3元素を添加したCu−Zn系銅合金が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、黄銅(Cu−Zn系銅合金)にSn、Si、Niなどを添加しても、曲げ加工性を十分に向上させることができない場合もある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、高強度を維持しながら、曲げ加工性に優れ、且つ耐応力腐食割れ性に優れた安価な銅合金板材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、17〜32質量%のZnと0.1〜4.5質量%のSnと0.01〜2.0質量%のSiと0.01〜5.0質量%のNiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造し、900℃〜400℃の温度域で熱間圧延を行った後に400℃〜300℃まで冷却速度1〜15℃/分で冷却し、次いで、冷間圧延を行った後に300〜800℃で再結晶焼鈍を行い、その後、300〜600℃で時効焼鈍を行うことにより、高強度を維持しながら、曲げ加工性に優れ、且つ耐応力腐食割れ性に優れた安価な銅合金板材を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による銅合金板材の製造方法は、17〜32質量%のZnと0.1〜4.5質量%のSnと0.01〜2.0質量%のSiと0.01〜5.0質量%のNiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造し、900℃〜400℃の温度域で熱間圧延を行った後に400℃〜300℃まで冷却速度1〜15℃/分で冷却し、次いで、冷間圧延を行った後に300〜800℃で再結晶焼鈍を行い、その後、300〜600℃で時効焼鈍を行うことにより、銅合金板材を製造することを特徴とする。
この銅合金板材の製造方法において、時効焼鈍を行った後に、仕上げ冷間圧延を行い、その後に450℃以下の温度で低温焼鈍を行うのが好ましい。あるいは、再結晶焼鈍を行った後、時効焼鈍を行う前に、冷間圧延を行ってもよい。また、銅合金の原料が、Fe、Co、Cr、Mg、Al、B、P、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計3質量%以下の範囲でさらに含む組成を有してもよい。
また、本発明による銅合金板材は、17〜32質量%のZnと0.1〜4.5質量%のSnと0.01〜2.0質量%のSiと0.01〜5.0質量%のNiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金板材において、0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加えた銅合金板材を、3%のアンモニア水を入れたデシケ−タ内に保持して、銅合金板材に割れが観察されるまでの時間が、黄銅1種(C2600−SH)の板材と比べて10倍以上であることを特徴とする。この銅合金板材において、表面の単位面積当たりの粒径1μm以上の粗大な析出物の数が15000個/mm2以下であるのが好ましい。
また、本発明による銅合金板材は、17〜32質量%のZnと0.1〜4.5質量%のSnと0.01〜2.0質量%のSiと0.01〜5.0質量%のNiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金板材において、表面の単位面積当たりの粒径1μm以上の粗大な析出物の数が15000個/mm2以下であることを特徴とする。
上記の銅合金板材において、引張強さが550MPa以上であるのが好ましく、0.2%耐力が500MPa以上であるのが好ましい。また、導電率が10%IACS以上であるのが好ましい。また、銅合金板材が、Fe、Co、Cr、Mg、Al、B、P、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計3質量%以下の範囲でさらに含む組成を有してもよい。また、銅合金板材の表面の平均結晶粒径が10μm以下であるのが好ましい。
さらに、本発明によるコネクタ端子は、上記の銅合金板材を材料として用いたことを特徴とする。
本発明によれば、高強度を維持しながら、曲げ加工性に優れ、且つ耐応力腐食割れ性に優れた安価な銅合金板材を製造することができる。
本発明による銅合金板材の製造方法の実施の形態は、17〜32質量%のZnと0.1〜4.5質量%のSnと0.01〜2.0質量%のSiと0.01〜5.0質量%のNiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造する溶解・鋳造工程と、この溶解・鋳造工程の後に900℃〜400℃の温度域で熱間圧延を行った後に400℃〜300℃まで冷却速度1〜15℃/分で冷却する熱間圧延工程と、この熱間圧延工程の後に冷間圧延を行う冷間圧延工程と、この冷間圧延工程の後に300〜800℃で再結晶焼鈍を行う再結晶焼鈍工程と、この再結晶焼鈍工程の後に300〜600℃で焼鈍を行う時効焼鈍工程と、必要に応じて、この時効焼鈍工程の後に、仕上げ冷間圧延を行う仕上げ冷間圧延工程と、この仕上げ冷間圧延工程の後に450℃以下の温度で低温焼鈍を行う低温焼鈍工程とを備えている。以下、これらの工程について詳細に説明する。なお、熱間圧延後には、必要に応じて面削を行い、各熱処理後には、必要に応じて酸洗、研磨、脱脂を行ってもよい。
(溶解・鋳造工程)
一般的な黄銅の溶製方法と同様の方法により、銅合金の原料を溶解した後、連続鋳造や半連続鋳造などにより鋳片を製造する。なお、原料を溶解する際の雰囲気は、大気雰囲気で十分である。
一般的な黄銅の溶製方法と同様の方法により、銅合金の原料を溶解した後、連続鋳造や半連続鋳造などにより鋳片を製造する。なお、原料を溶解する際の雰囲気は、大気雰囲気で十分である。
(熱間圧延工程)
通常、Cu−Zn系銅合金の熱間圧延は、650℃以上または700℃以上の高温域で圧延し、圧延中および圧延パス間の再結晶により、鋳造組織の破壊および材料の軟化のために行われる。しかし、900℃を超える高温で圧延を行うと、合金成分の偏析部分など、融点が低下している部分で割れを生じるおそれがあるので好ましくない。そのため、900℃〜400℃で熱間圧延を行った後に室温まで冷却する際に、400℃〜300℃までの平均冷却速度を1〜15℃/分とする。
通常、Cu−Zn系銅合金の熱間圧延は、650℃以上または700℃以上の高温域で圧延し、圧延中および圧延パス間の再結晶により、鋳造組織の破壊および材料の軟化のために行われる。しかし、900℃を超える高温で圧延を行うと、合金成分の偏析部分など、融点が低下している部分で割れを生じるおそれがあるので好ましくない。そのため、900℃〜400℃で熱間圧延を行った後に室温まで冷却する際に、400℃〜300℃までの平均冷却速度を1〜15℃/分とする。
(冷間圧延工程)
この冷間圧延工程では、加工率を50%以上にするのが好ましく、80%以上にするのがさらに好ましく、90%以上にするのが最も好ましい。なお、この冷間圧延は、300〜650℃で行う中間焼鈍を挟んで繰り返し行ってもよい。
この冷間圧延工程では、加工率を50%以上にするのが好ましく、80%以上にするのがさらに好ましく、90%以上にするのが最も好ましい。なお、この冷間圧延は、300〜650℃で行う中間焼鈍を挟んで繰り返し行ってもよい。
(再結晶焼鈍工程)
この再結晶焼鈍工程では、300〜800℃で焼鈍を行う。また、この中間焼鈍工程では、焼鈍後の平均結晶粒径が10μm以下(好ましくは9μm以下)になるように300〜800℃における保持時間および到達温度を設定して、熱処理を行うのが好ましい。なお、この焼鈍による再結晶粒の粒径は、焼鈍前の冷間圧延の加工率や化学組成によって変動するが、各々の合金について予め実験により焼鈍ヒートパターンと平均結晶粒径との関係を求めておけば、300〜800℃で保持時間および到達温度を設定することができる。具体的には、本発明による銅合金板材の化学組成では、300〜800℃(好ましくは450〜800℃、さらに好ましくは500〜800℃、最も好ましくは575〜800℃)で数秒〜数時間保持する加熱条件において適正な条件を設定することができる。
この再結晶焼鈍工程では、300〜800℃で焼鈍を行う。また、この中間焼鈍工程では、焼鈍後の平均結晶粒径が10μm以下(好ましくは9μm以下)になるように300〜800℃における保持時間および到達温度を設定して、熱処理を行うのが好ましい。なお、この焼鈍による再結晶粒の粒径は、焼鈍前の冷間圧延の加工率や化学組成によって変動するが、各々の合金について予め実験により焼鈍ヒートパターンと平均結晶粒径との関係を求めておけば、300〜800℃で保持時間および到達温度を設定することができる。具体的には、本発明による銅合金板材の化学組成では、300〜800℃(好ましくは450〜800℃、さらに好ましくは500〜800℃、最も好ましくは575〜800℃)で数秒〜数時間保持する加熱条件において適正な条件を設定することができる。
(時効焼鈍工程)
この時効焼鈍工程では、300〜600℃(好ましくは350〜550℃)で焼鈍を行う。この時効焼鈍温度は、再結晶焼鈍温度より低い温度であるのが好ましい。なお、再結晶焼鈍を行った後、時効焼鈍を行う前に、冷間圧延を行ってもよく、この場合、仕上げ冷間圧延と低温焼鈍を行わなくてもよい。
この時効焼鈍工程では、300〜600℃(好ましくは350〜550℃)で焼鈍を行う。この時効焼鈍温度は、再結晶焼鈍温度より低い温度であるのが好ましい。なお、再結晶焼鈍を行った後、時効焼鈍を行う前に、冷間圧延を行ってもよく、この場合、仕上げ冷間圧延と低温焼鈍を行わなくてもよい。
(仕上げ冷間圧延工程)
仕上げ冷間圧延は、強度レベルを向上させるために行われる。仕上げ冷間圧延の加工率が低過ぎると強度が低くなるが、仕上げ冷間圧延の加工率が高過ぎると、強度と曲げ加工性の両方を向上させた結晶配向を実現することができなくなる。そのため、この仕上げ冷間工程では、加工率を1〜40%にするのが好ましく、3〜35%にするのがさらに好ましい。
仕上げ冷間圧延は、強度レベルを向上させるために行われる。仕上げ冷間圧延の加工率が低過ぎると強度が低くなるが、仕上げ冷間圧延の加工率が高過ぎると、強度と曲げ加工性の両方を向上させた結晶配向を実現することができなくなる。そのため、この仕上げ冷間工程では、加工率を1〜40%にするのが好ましく、3〜35%にするのがさらに好ましい。
(低温焼鈍工程)
仕上げ冷間圧延後には、銅合金板材の残留応力の低減による耐応力腐食割れ特性や曲げ加工性を向上させ、空孔やすべり面上の転位の低減による耐応力緩和特性を向上させるために、低温焼鈍を行ってもよい。この低温焼鈍により、強度、耐応力腐食割れ特性、曲げ加工性および耐応力緩和特性を同時に向上させることができ、また、導電率を上昇させることができる。この加熱温度が高過ぎると、短時間で軟化し、バッチ式でも連続式でも特性のバラツキが生じ易くなる。そのため、この低温焼鈍工程では、450℃以下(好ましくは300〜450℃)の温度で焼鈍を行う。
仕上げ冷間圧延後には、銅合金板材の残留応力の低減による耐応力腐食割れ特性や曲げ加工性を向上させ、空孔やすべり面上の転位の低減による耐応力緩和特性を向上させるために、低温焼鈍を行ってもよい。この低温焼鈍により、強度、耐応力腐食割れ特性、曲げ加工性および耐応力緩和特性を同時に向上させることができ、また、導電率を上昇させることができる。この加熱温度が高過ぎると、短時間で軟化し、バッチ式でも連続式でも特性のバラツキが生じ易くなる。そのため、この低温焼鈍工程では、450℃以下(好ましくは300〜450℃)の温度で焼鈍を行う。
上述した銅合金板材の製造方法の実施の形態によって、本発明による銅合金板材の実施の形態を製造することができる。
本発明による銅合金板材の実施の形態は、17〜32質量%のZnと0.1〜4.5質量%のSnと0.01〜2.0質量%のSiと0.01〜5.0質量%のNiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金板材において、0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加えた銅合金板材を、3質量%のアンモニア水を入れたデシケ−タ内に25℃で保持して、銅合金板材に割れが観察されるまでの時間が、黄銅1種(C2600−SH)の板材と比べて10倍以上である。
本発明による銅合金板材の実施の形態は、CuとZnを含むCu−Zn系合金にSnとSiとNiが添加されたCu−Zn−Sn−Si−Ni合金からなる板材である。
Znは、銅合金板材の強度やばね性を向上させる効果を有する。ZnはCuより安価であるため、Znを多量に添加するのが好ましい。しかし、Zn含有量が32質量%を超えると、β相の生成により、銅合金板材の冷間加工性が著しく低下するとともに、耐応力腐食割れ性も低下し、また、湿気や加熱によるめっき性やはんだ付け性も低下する。一方、Zn含有量が17質量%より少ないと、銅合金板材の0.2%耐力や引張強さなどの強度やばね性が不足し、ヤング率が大きくなり、また、銅合金板材の溶解時の水素ガス吸蔵量が多くなり、インゴットのブロ−ホ−ルが発生し易くなり、さらに、安価なZnの量が少なくて経済的にも不利になる。したがって、Zn含有量は、17〜32質量%であるのが好ましく、18〜31質量%であるのがさらに好ましい。
Snは、銅合金板材の強度、耐応力緩和特性および耐応力腐食割れ特性を向上させる効果を有する。SnめっきなどのSnで表面処理した材料を再利用するためにも、銅合金板材がSnを含有するのが好ましい。しかし、Sn含有量が4.5質量%を超えると、銅合金板材の導電率が急激に低下し、また、Znとの共存下で粒界偏析が激しくなり、熱間加工性が著しく低下する。一方、Sn含有量が0.1質量%より少ないと、銅合金板材の機械的特性を向上させる効果が少なくなり、また、Snめっきなどを施したプレス屑などを原料として利用し難くなる。したがって、銅合金板材がSnを含有する場合には、Sn含有量は、0.1〜4.5質量%であるのが好ましく、0.2〜2.5質量%であるのがさらに好ましい。
Siは、少量でも銅合金板材の耐応力腐食割れ性を向上させる効果がある。この効果を十分に得るためには、Si含有量は、0.01質量%以上であるのが好ましい。しかし、Si含有量が2.0質量%を超えると、導電性が低下し易く、また、Siは酸化し易い元素であり、鋳造性を低下させ易いので、Si含有量は多過ぎない方がよい。したがって、銅合金板材がSiを含有する場合には、Si含有量は、0.01〜2.0質量%であるのが好ましく、0.1〜1.5質量%であるのがさらに好ましい。また、SiはNiと化合物を形成して分散析出することにより、銅合金板材の導電率、強度、ばね限界値、耐応力緩和特性を向上させる。
Niは、銅合金板材の固溶強化効果と耐応力緩和特性を向上させる効果を有し、特に、Niの亜鉛当量はマイナス値であり、β相の生成を抑制することにより、量産時の特性のバラツキを抑制する効果がある。これらの効果を十分に発揮させるためには、Ni含有量が0.01質量%以上であるのが好ましい。一方、Ni含有量が5.0質量%を超えると、導電率が著しく低下してしまう。したがって、銅合金板材がNiを含有する場合には、Ni含有量は、0.01〜5.0質量%であるのが好ましく、0.1〜4.5質量%であるのがさらに好ましい。
また、銅合金板材は、Fe、Co、Cr、Mg、Al、B、P、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計3質量%以下(好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下)の範囲でさらに含む組成を有してもよい。
銅合金板材の平均結晶粒径は、小さいほど曲げ加工性の向上に有利であるため、10μm以下であるのが好ましく、1〜9μm以下であるのがさらに好ましく、2〜8μmであるのがさらに好ましい。
銅合金板材の引張強さは、コネクタなどの電気電子部品を小型化および薄肉化するために、550MPa以上であるのが好ましく、600MPa以上であるのがさらに好ましく、640以上であるのが最も好ましい。また、銅合金板材の0.2%耐力は、500MPa以上であるのが好ましく、550MPa以上であるのがさらに好ましく、580MPa以上であるのが最も好ましい。
銅合金板材の導電率は、コネクタなどの電気電子部品の高集積化に伴って通電によるジュ−ル熱の発生を抑えるために、10%IACS以上であるのが好ましく、15%IACS以上であるのがさらに好ましい。
銅合金板材の耐応力腐食割れ性の評価として、銅合金板材から切り出した試験片に0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、この試験片を3質量%のアンモニア水を入れたデシケ−タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察したときに、割れが観察されるまでの時間が、50時間以上であるのが好ましく、60時間以上であるのがさらに好ましい。また、この時間が、市販の黄銅1種(C2600−SH)の板材と比べて、10倍以上であるのが好ましく、12倍以上であるのがさらに好ましい。
また、銅合金板材の曲げ加工性の評価として、銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように切り出した曲げ加工試験片を使用して、LD(圧延方向)を曲げ軸にして90°W曲げ試験を行った場合に、90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが、1.0以下であるのが好ましく、0.7以下であるのがさらに好ましく、0.6以下であるのが最も好ましい。
また、銅合金板材の表面の単位面積当たりの(粒径1μm以上の)粗大な析出物の数が15000個/mm2以下であるのが好ましく、12000個/mm2以下であるのがさらに好ましい。このようにNiやSiの粗大な析出物の形成を抑えて、NiやSiを微細に析出させれば、高強度を維持しながら、曲げ加工性に優れ、且つ耐応力腐食割れ性に優れた銅合金板材を製造することができる。
以下、本発明による銅合金板材およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1〜16、比較例1〜8]
19.7質量%のZnと0.77質量%のSnと1.05質量%のSiと3.85質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例1)、20.9質量%のZnと0.79質量%のSnと0.95質量%のSiと2.81質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例2)、20.5質量%のZnと0.71質量%のSnと0.98質量%のSiと1.24質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例3)、22.1質量%のZnと0.79質量%のSnと0.47質量%のSiと2.63質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例4)、19.9質量%のZnと0.76質量%のSnと0.46質量%のSiと1.67質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例5)、20.2質量%のZnと0.77質量%のSnと0.46質量%のSiと0.96質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例6)、19.8質量%のZnと0.75質量%のSnと0.49質量%のSiと0.45質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例7)、19.8質量%のZnと0.25質量%のSnと1.01質量%のSiと3.82質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例8)、21.1質量%のZnと2.08質量%のSnと0.50質量%のSiと1.89質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例9)、30.1質量%のZnと0.75質量%のSnと0.50質量%のSiと1.78質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例10)、20.0質量%のZnと0.77質量%のSnと1.00質量%のSiと3.75質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例11)、20.1質量%のZnと0.72質量%のSnと1.00質量%のSiと3.91質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例12)、22.0質量%のZnと0.77質量%のSnと0.49質量%のSiと2.00質量%のNiと0.15質量%のFeと0.08質量%のCoと0.07質量%のCrを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例13)、23.2質量%のZnと0.78質量%のSnと0.50質量%のSiと2.01質量%のNiと0.08質量%のMgと0.08質量%のAlと0.10質量%のZrと0.10のTiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例14)、22.5質量%のZnと0.80質量%のSnと0.49質量%のSiと1.90質量%のNiと0.05質量%のBと0.05質量%のPと0.08質量%のMnと0.10質量%のBeを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例15)、21.5質量%のZnと0.78質量%のSnと0.50質量%のSiと1.85質量%のNiと0.05質量%のAuと0.08質量%のAgと0.08質量%のPbと0.07質量%のCdを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例16)、24.5質量%のZnと0.77質量%のSnを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例1〜2)、24.5質量%のZnと0.77質量%のSnと0.50質量%のSiと1.99質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例3〜4)、24.5質量%のZnと0.77質量%のSnと1.89質量%のNiと0.02質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例5)、24.0質量%のZnと0.77質量%のSnと1.97質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例6)、19.8質量%のZnと0.75質量%のSnと0.49質量%のSiと0.45質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例7〜8)をそれぞれ溶解して鋳造することにより得られた鋳塊から、それぞれ40mm×40mm×20mmの鋳片を切り出した。
19.7質量%のZnと0.77質量%のSnと1.05質量%のSiと3.85質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例1)、20.9質量%のZnと0.79質量%のSnと0.95質量%のSiと2.81質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例2)、20.5質量%のZnと0.71質量%のSnと0.98質量%のSiと1.24質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例3)、22.1質量%のZnと0.79質量%のSnと0.47質量%のSiと2.63質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例4)、19.9質量%のZnと0.76質量%のSnと0.46質量%のSiと1.67質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例5)、20.2質量%のZnと0.77質量%のSnと0.46質量%のSiと0.96質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例6)、19.8質量%のZnと0.75質量%のSnと0.49質量%のSiと0.45質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例7)、19.8質量%のZnと0.25質量%のSnと1.01質量%のSiと3.82質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例8)、21.1質量%のZnと2.08質量%のSnと0.50質量%のSiと1.89質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例9)、30.1質量%のZnと0.75質量%のSnと0.50質量%のSiと1.78質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例10)、20.0質量%のZnと0.77質量%のSnと1.00質量%のSiと3.75質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例11)、20.1質量%のZnと0.72質量%のSnと1.00質量%のSiと3.91質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例12)、22.0質量%のZnと0.77質量%のSnと0.49質量%のSiと2.00質量%のNiと0.15質量%のFeと0.08質量%のCoと0.07質量%のCrを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例13)、23.2質量%のZnと0.78質量%のSnと0.50質量%のSiと2.01質量%のNiと0.08質量%のMgと0.08質量%のAlと0.10質量%のZrと0.10のTiを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例14)、22.5質量%のZnと0.80質量%のSnと0.49質量%のSiと1.90質量%のNiと0.05質量%のBと0.05質量%のPと0.08質量%のMnと0.10質量%のBeを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例15)、21.5質量%のZnと0.78質量%のSnと0.50質量%のSiと1.85質量%のNiと0.05質量%のAuと0.08質量%のAgと0.08質量%のPbと0.07質量%のCdを含み、残部がCuからなる銅合金(実施例16)、24.5質量%のZnと0.77質量%のSnを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例1〜2)、24.5質量%のZnと0.77質量%のSnと0.50質量%のSiと1.99質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例3〜4)、24.5質量%のZnと0.77質量%のSnと1.89質量%のNiと0.02質量%のPを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例5)、24.0質量%のZnと0.77質量%のSnと1.97質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例6)、19.8質量%のZnと0.75質量%のSnと0.49質量%のSiと0.45質量%のNiを含み、残部がCuからなる銅合金(比較例7〜8)をそれぞれ溶解して鋳造することにより得られた鋳塊から、それぞれ40mm×40mm×20mmの鋳片を切り出した。
それぞれの鋳片を800℃で30分間加熱した後、800℃〜400℃の温度域で熱間圧延を行って厚さ10mmにし(加工率50%)、その後、400℃から室温まで冷却した。この冷却のうち、400℃と300℃の間の冷却は、実施例1〜12では、それぞれ平均冷却速度5℃/分(実施例1、3、4、6、7、9〜13、15、16、比較例5〜6)、10℃/分(実施例2)、2℃/分(実施例5、8、14)、20℃/分(比較例4、8)で行い、比較例1〜3および7では、水により急冷することによって行った。
次に、それぞれ厚さ0.26mm(実施例1、2、9、比較例3)、0.28mm(実施例3〜5、8、10、13〜16、比較例4)、0.4mm(実施例6〜7、比較例7〜8)、0.38mm(実施例11、比較例1、2、5、6)、0.30mm(実施例12)まで冷間圧延を行った。なお、比較例1、5および6では、それぞれ550℃、625℃、550℃で1時間保持する中間焼鈍を挟んで2回の冷間圧延を行った。
次に、それぞれ800℃で10分間(実施例1、11、12)、750℃で10分間(実施例2〜5、10、13〜16、比較例3〜4)、600℃で10分間(実施例6〜7、比較例7〜8)、700℃で30分間(実施例8、9)、550℃で30分間(比較例1、6)、525℃で30分間(比較例2)、600℃で30分間(比較例5)保持する中間焼鈍(再結晶焼鈍)を行った。その後、実施例6〜7および比較例7〜8では、厚さ0.25mmまで冷間圧延を行った。
次に、実施例1〜16と比較例3〜4および7〜8では、それぞれ425℃で3時間(実施例1〜5、10〜11、13〜16、比較例3〜4)、450℃で30分間(実施例6〜7、比較例7〜8)、500℃で3時間(実施例8)、350℃で3時間(実施例9)、550℃で3時間(実施例12)保持する時効焼鈍を行った。
次に、実施例1〜5、8〜16および比較例1〜6では、それぞれ加工率5%(実施例1、2、9、比較例3)、11%(実施例3〜5、8、10、13〜16、比較例4)、33%(実施例11、比較例1〜2、5〜6)、16%(実施例12)で仕上げ冷間圧延を行った後、それぞれ350℃で30分間(実施例1〜5、8〜16、比較例3〜5)、300℃で30分間(比較例1〜2、6)保持する低温焼鈍を行った。
このようにして得られた実施例1〜16および比較例1〜8の銅合金板材から試料を採取し、結晶粒組織の平均結晶粒径、導電率、引張強さ、耐応力腐食割れ性、曲げ加工性を以下のように調べた。
結晶粒組織の平均結晶粒径は、銅合金板材の板面(圧延面)を研磨した後にエッチングし、その面を光学顕微鏡で観察して、JIS H0501の切断法により測定した。その結果、平均結晶粒径は、それぞれ5μm(実施例1、3〜5、7、12、比較例1〜2、7〜8)、4μm(実施例2、10、11、13〜16、比較例3〜6)、6μm(実施例6)、3μm(実施例8、9)であった。
銅合金板材の導電率は、JIS H0505の導電率測定方法に従って測定した。その結果、導電率は、それぞれ21.7%IACS(実施例1)、20.6%IACS(実施例2)、16.4%IACS(実施例3)、23.9%IACS(実施例4)、23.6%IACS(実施例5)、20.6%IACS(実施例6)、19.5%IACS(実施例7)、27.9%IACS(実施例8)、18.5%IACS(実施例9)、19.2%IACS(実施例10)、22.0%IACS(実施例11)、21.7%IACS(実施例12)、23.4%IACS(実施例13)、23.5%IACS(実施例14)、24.0%IACS(実施例15)、22.1%IACS(実施例16)、25.3%IACS(比較例1)、24.8%IACS(比較例2)、19.5%IACS(比較例3)、21.6%IACS(比較例4)、18.2%IACS(比較例5)、16.2%IACS(比較例6)、19.5%IACS(比較例7)、19.5%IACS(比較例8)であった。
銅合金板材の機械的特性としての引張強さとして、銅合金板材のLD(圧延方向)の引張試験用の試験片(JIS Z2201の5号試験片)をそれぞれ3個ずつ採取し、それぞれの試験片についてJIS Z2241に準拠した引張試験を行い、平均値によってLDの0.2%耐力と引張強さを求めた。その結果、LDの0.2%耐力と引張強さは、それぞれ589MPaと677MPa(実施例1)、554MPaと637MPa(実施例2)、587MPaと652MPa(実施例3)、587MPaと676MPa(実施例4)、601MPaと664MPa(実施例5)、633MPaと682MPa(実施例6)、630MPaと680MPa(実施例7)、590MPaと655MPa(実施例8)、590MPaと685MPa(実施例9)、585MPaと644MPa(実施例10)、660MPaと735MPa(実施例11)、583MPaと677MPa(実施例12)、601MPaと651MPa(実施例13)、598MPaと655MPa(実施例14)、600MPaと653MPa(実施例15)、595MPaと658MPa(実施例16)、593MPaと659MPa(比較例1)、589MPaと660MPa(比較例2)、583MPaと650MPa(比較例3)、583MPaと650MPa(比較例4)、596MPaと652MPa(比較例5)、584MPaと642MPa(比較例6)、625MPaと675MPa(比較例7)、623MPaと678MPa(比較例8)であった。
銅合金板材の耐応力腐食割れ性は、銅合金板材から採取した幅10mmの試験片を、その長手方向中央部の表面応力が0.2%耐力の80%の大きさになるようにアーチ状に曲げた状態で、3質量%のアンモニア水を入れたデシケ−タ内に25℃で保持し、1時間毎に取り出した幅10mmの試験片について、光学顕微鏡により100倍の倍率で割れを観察したところ、それぞれ75時間(実施例1)、76時間(実施例2)、89時間(実施例3)、64時間(実施例4)、67時間(実施例5)、80時間(実施例6)、75時間(実施例7)、75時間(実施例8)、128時間(実施例9)、87時間(実施例10)、65時間(実施例11)、66時間(実施例12)、75時間(実施例13)、74時間(実施例14)、72時間(実施例15)、75時間(実施例16)、24時間(比較例1)、25時間(比較例2)、39時間(比較例3)、37時間(比較例4)、30時間(比較例5)、25時間(比較例6)、30時間(比較例7)、24時間(比較例8)後に割れが観察され、市販の黄銅1種(C2600−SH)の板材と比べて、割れが観察されるまでの時間は、それぞれ15倍(実施例1)、15倍(実施例2)、18倍(実施例3)、13倍(実施例4)、13倍(実施例5)、16倍(実施例6)、15倍(実施例7)、15倍(実施例8)、26倍(実施例9)、17倍(実施例10)、13倍(実施例11)、13倍(実施例12)、15倍(実施例13)、15倍(実施例14)、14倍(実施例15)、15倍(実施例16)、5倍(比較例1)、5倍(比較例2)、8倍(比較例3)、7倍(比較例4)、6倍(比較例5)、5倍(比較例6)、6倍(比較例7)、5倍(比較例8)であった。
銅合金板材の曲げ加工性を評価するために、銅合金板材から長手方向がTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)になるように曲げ加工試験片(幅10mm)を切り出し、LD(圧延方向)を曲げ軸(BadWay曲げ(B.W.曲げ))にしてJIS H3110に準拠した90°W曲げ試験を行った。この試験後の試験片について、曲げ加工部の表面および断面を光学顕微鏡によって100倍の倍率で観察して、割れが発生しない最小曲げ半径Rを求め、この最小曲げ半径Rを銅合金板材の板厚tで除することによって、それぞれのR/t値を求めた。その結果、R/tは、それぞれ0.4(実施例1、2、6〜8)、0.6(実施例3〜5、9〜16)、0.8(比較例1〜8)であった。
また、実施例1〜16と比較例3〜4および7〜8の銅合金板材から試料を採取し、表面の(粒径(析出物を取り囲む最小円の直径)1μm以上の)粗大な析出物の(単位面積当たりの)数を調べた。この銅合金板材の表面の粗大な析出物の数は、銅合金板材から採取した試料をアノード、ステンレス板をカソードとして、20質量%のリン酸中において電圧15Vで30秒間通電して電解研磨を行った後、走査型電子顕微鏡を使用して、試料の表面の析出物の二次電子像を倍率3000倍で観察して、粗大な析出物を数えることによって求めた。その結果、銅合金板材の表面の粗大な析出物の数は、それぞれ7700個/mm2(実施例1)、5000個/mm2(実施例2)、2100個/mm2(実施例3)、7800個/mm2(実施例4)、8800個/mm2(実施例5)、600個/mm2(実施例6)、600個/mm2(実施例7)、7500個/mm2(実施例8)、7000個/mm2(実施例9)、7600個/mm2(実施例10)、7700個/mm2(実施例11)、11000個/mm2(実施例12)、7200個/mm2(実施例13)、6900個/mm2(実施例14)、8000個/mm2(実施例15)、7800個/mm2(実施例16)、20600個/mm2(比較例3)、21000個/mm2(比較例4)、16000個/mm2(比較例7)および17800個/mm2(比較例8)であった。
これらの実施例および比較例の製造条件および特性を表1〜表3に示す。
Claims (13)
- 17〜32質量%のZnと0.1〜4.5質量%のSnと0.01〜2.0質量%のSiと0.01〜5.0質量%のNiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造し、900℃〜400℃の温度域で熱間圧延を行った後に400℃〜300℃まで冷却速度1〜15℃/分で冷却し、次いで、冷間圧延を行った後に300〜800℃で再結晶焼鈍を行い、その後、300〜600℃で時効焼鈍を行うことにより、銅合金板材を製造することを特徴とする、銅合金板材の製造方法。
- 前記時効焼鈍を行った後に、仕上げ冷間圧延を行い、その後に450℃以下の温度で低温焼鈍を行うことを特徴とする、請求項1に記載の銅合金板材の製造方法。
- 前記再結晶焼鈍を行った後、前記時効焼鈍を行う前に、冷間圧延を行うことを特徴とする、請求項1に記載の銅合金板材の製造方法。
- 前記銅合金の原料が、Fe、Co、Cr、Mg、Al、B、P、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計3質量%以下の範囲でさらに含む組成を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
- 17〜32質量%のZnと0.1〜4.5質量%のSnと0.01〜2.0質量%のSiと0.01〜5.0質量%のNiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金板材において、0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加えた銅合金板材を、3質量%のアンモニア水を入れたデシケ−タ内に25℃で保持して、銅合金板材に割れが観察されるまでの時間が、黄銅1種(C2600−SH)の板材と比べて10倍以上であることを特徴とする、銅合金板材。
- 前記銅合金板材の表面の単位面積当たりの粒径1μm以上の粗大な析出物の数が15000個/mm2以下であることを特徴とする、請求項5に記載の銅合金板材。
- 17〜32質量%のZnと0.1〜4.5質量%のSnと0.01〜2.0質量%のSiと0.01〜5.0質量%のNiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金板材において、表面の単位面積当たりの粒径1μm以上の粗大な析出物の数が15000個/mm2以下であることを特徴とする、銅合金板材。
- 前記銅合金板材の引張強さが550MPa以上であることを特徴とする、請求項5乃至7のいずれかに記載の銅合金板材。
- 前記銅合金板材の0.2%耐力が500MPa以上であることを特徴とする、請求項5乃至8のいずれか6に記載の銅合金板材。
- 前記銅合金板材の導電率が10%IACS以上であることを特徴とする、請求項5乃至9のいずれかに記載の銅合金板材。
- 前記銅合金板材が、Fe、Co、Cr、Mg、Al、B、P、Zr、Ti、Mn、Au、Ag、Pb、CdおよびBeからなる群から選ばれる1種以上の元素を合計3質量%以下の範囲でさらに含む組成を有することを特徴とする、請求項5乃至10のいずれかに記載の銅合金板材。
- 前記銅合金板材の表面の平均結晶粒径が10μm以下であることを特徴とする、請求項5乃至11のいずれかに記載の銅合金板材。
- 請求項5乃至12のいずれかに記載の銅合金板材を材料として用いたことを特徴とする、コネクタ端子。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
KR1020197014859A KR102385211B1 (ko) | 2016-10-28 | 2017-10-24 | 구리 합금 판재 및 그 제조 방법 |
PCT/JP2017/038243 WO2018079507A1 (ja) | 2016-10-28 | 2017-10-24 | 銅合金板材およびその製造方法 |
DE112017004929.6T DE112017004929T8 (de) | 2016-10-28 | 2017-10-24 | Blechmaterial aus Kupferlegierung und Verfahren zur Herstellung desselben |
CN201780066755.3A CN109937267B (zh) | 2016-10-28 | 2017-10-24 | 铜合金板材及其制造方法 |
US16/345,298 US11293084B2 (en) | 2016-10-28 | 2017-10-24 | Sheet matertal of copper alloy and method for producing same |
TW106136743A TWI732964B (zh) | 2016-10-28 | 2017-10-25 | 銅合金板材及其製造方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016212103 | 2016-10-28 | ||
JP2016212103 | 2016-10-28 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018076588A true JP2018076588A (ja) | 2018-05-17 |
JP6927844B2 JP6927844B2 (ja) | 2021-09-01 |
Family
ID=62148863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017202320A Active JP6927844B2 (ja) | 2016-10-28 | 2017-10-19 | 銅合金板材およびその製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6927844B2 (ja) |
DE (1) | DE112017004929T8 (ja) |
TW (1) | TWI732964B (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110904357A (zh) * | 2019-12-17 | 2020-03-24 | 贵溪华泰铜业有限公司 | 一种异型铜管加工方法 |
WO2022124280A1 (ja) * | 2020-12-11 | 2022-06-16 | 国立大学法人豊橋技術科学大学 | 棒状または管状の高強度銅合金およびその製造方法 |
CN115233031A (zh) * | 2021-09-07 | 2022-10-25 | 大连理工大学 | 一种高性能铜合金及其制备方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015046421A1 (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-02 | 三菱伸銅株式会社 | 耐変色性銅合金および銅合金部材 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2014325066B2 (en) * | 2013-09-26 | 2016-07-14 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | Copper alloy |
-
2017
- 2017-10-19 JP JP2017202320A patent/JP6927844B2/ja active Active
- 2017-10-24 DE DE112017004929.6T patent/DE112017004929T8/de active Active
- 2017-10-25 TW TW106136743A patent/TWI732964B/zh active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015046421A1 (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-02 | 三菱伸銅株式会社 | 耐変色性銅合金および銅合金部材 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110904357A (zh) * | 2019-12-17 | 2020-03-24 | 贵溪华泰铜业有限公司 | 一种异型铜管加工方法 |
WO2022124280A1 (ja) * | 2020-12-11 | 2022-06-16 | 国立大学法人豊橋技術科学大学 | 棒状または管状の高強度銅合金およびその製造方法 |
CN115233031A (zh) * | 2021-09-07 | 2022-10-25 | 大连理工大学 | 一种高性能铜合金及其制备方法 |
CN115233031B (zh) * | 2021-09-07 | 2022-12-30 | 大连理工大学 | 一种高性能铜合金及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TWI732964B (zh) | 2021-07-11 |
DE112017004929T5 (de) | 2019-06-13 |
DE112017004929T8 (de) | 2019-07-18 |
JP6927844B2 (ja) | 2021-09-01 |
TW201819644A (zh) | 2018-06-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4255330B2 (ja) | 疲労特性に優れたCu−Ni−Si系合金部材 | |
WO2010126046A1 (ja) | 導電性と曲げ性を改善したCu-Ni-Si-Mg系合金 | |
KR102385211B1 (ko) | 구리 합금 판재 및 그 제조 방법 | |
JP5619389B2 (ja) | 銅合金材料 | |
JP5417366B2 (ja) | 曲げ加工性に優れたCu−Ni−Si系合金 | |
KR101338710B1 (ko) | Ni-Si-Co 계 구리 합금 및 그 제조 방법 | |
JP5189708B1 (ja) | 耐金型磨耗性及びせん断加工性が良好なCu−Ni−Si系銅合金板及びその製造方法 | |
JPWO2010016428A1 (ja) | 電気・電子部品用銅合金材 | |
JP5539932B2 (ja) | 曲げ加工性に優れたCu−Co−Si系合金 | |
JP6749121B2 (ja) | 強度及び導電性に優れる銅合金板 | |
JP6927844B2 (ja) | 銅合金板材およびその製造方法 | |
CN111868276B (zh) | 铜合金板材及其制造方法 | |
JP6858532B2 (ja) | 銅合金板材およびその製造方法 | |
JP6111028B2 (ja) | コルソン合金及びその製造方法 | |
JP2011252216A (ja) | Cu−Co−Si系合金板及びその製造方法 | |
JP2012255219A (ja) | 銅合金板材およびその製造方法 | |
JP5827530B2 (ja) | 優れたばね限界値及び耐応力緩和性を有するせん断加工性が良好なCu−Ni−Si系銅合金板 | |
JP2001131657A (ja) | 電気・電子部品用銅合金 | |
JP6713074B1 (ja) | 銅合金板材およびその製造方法 | |
JP7092524B2 (ja) | 銅合金板材およびその製造方法 | |
JP2004003036A (ja) | 電気・電子部品用銅合金 | |
JP2020143377A (ja) | 強度及び導電性に優れる銅合金板 | |
JP2020143376A (ja) | 強度及び導電性に優れる銅合金板 | |
JP5595961B2 (ja) | 電子材料用Cu−Ni−Si系銅合金及びその製造方法 | |
JP2013147687A (ja) | 曲げ加工性に優れたチタン銅 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200814 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210803 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210805 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6927844 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |