JP2018074878A - 電動機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】個体ばらつきや経年劣化に応じて、安定した電流応答性を確保可能な電動機制御装置を提供する。【解決手段】電動機制御装置10の電流フィードバック演算部43は、電流指令部41が決定した指令電流I*と、電流検出部70が検出した検出電流Isnsとの偏差ΔIfbに基づく電流フィードバック制御において、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを用いた比例積分演算により、駆動回路60への指令信号を演算する。推定電流算出部44は、指令電流I*に対する応答によって電動機80に流れる電流を推定し、推定電流Iestとして出力する。フィードバック定数生成部45は、設定された評価タイミングにおける評価電流差(=Iest−Isns)に基づき、検出電流Isnsを推定電流Iestに近づけるように修正した比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを生成する。これにより、個体毎の現在の電流応答性を狙いの特性に合わせることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、電動機の通電を制御する電動機制御装置に関する。
一般に制御のフィードバックゲインは、求められる応答性と制御対象の特性とにより、最適な値が変化する。制御対象が電動機の場合、巻線抵抗や巻線インダクタンス等が制御対象の特性となる。従来技術では、これらの特性の大きさと求められる応答性とからフィードバックゲインを決定し、演算の定数として使用してきた。
動作条件に応じてフィードバックゲインを変更する従来技術として、例えば特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置は、車両が直進状態であると判断された場合にフィードバック制御の応答性を下げるようにフィードバックゲインを変更する。
特許第5772137号公報
電動機制御においてフィードバックゲインを決定するための特性である巻線抵抗や巻線インダクタンスは、製造ばらつきや経年劣化等により変化する。そのため、全製品のフィードバックゲインを一律に設定すると、個体毎の応答性は必然的にばらつく。また、巻線抵抗や巻線インダクタンスは温度等の使用環境要因によっても変化するため、求められる応答性が満足できないおそれがある。一方、応答性を安定させるために製造ばらつきを抑えたり、経年劣化性能を上げた素材を使用したりすると、コストが上昇する。
特許文献1には、このような個体ばらつきや経年変化に応じてフィードバックゲインを変更することについて何ら言及されていない。
本発明は上述の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、個体ばらつきや経年劣化に応じて、安定した電流応答性を確保可能な電動機制御装置を提供することにある。
本発明の電動機制御装置は、電動機(80)を駆動する駆動回路(60)と、電流指令部(41)と、電流検出部(70)と、電流フィードバック演算部(43)と、推定電流算出部(44)と、フィードバック定数生成部(45)と、を備える。
電流指令部(41)は、電動機に通電する指令電流(I*)を決定する。
電流検出部(70)は、電動機に流れる電流を検出し、検出電流(Isns)としてフィードバックする。
電流フィードバック演算部(43)は、指令電流と検出電流との偏差に基づく電流フィードバック制御において、比例項ゲイン(kp)及び積分項ゲイン(ki)を用いた比例積分演算により、駆動回路への指令信号を演算する。
推定電流算出部(44)は、指令電流に対する応答によって電動機に流れる電流を推定し、推定電流(Iest)として出力する。
本発明の一態様において、フィードバック定数生成部(45)は、「設定された評価タイミングにおける推定電流から検出電流を減じた値」である評価電流差(ΔIev)に基づき、検出電流を推定電流に近づけるように修正した比例項ゲイン及び積分項ゲインを生成する。
本発明の電動機制御装置は、指令電流に基づいて推定した推定電流と検出電流とを比較し、検出電流を推定電流に近づけるように比例項ゲイン及び積分項ゲインを修正する。この処理を「応答性安定化処理」という。本発明の電動機制御装置は、応答性安定化処理により、個体毎の現在の電流応答性を狙いの特性に合わせることができる。よって、個体ばらつきや経年劣化に応じて、安定した電流応答性を確保することができる。
指令電流として、目標値(Itgt)が推定電流算出部にステップ入力されてもよい。この場合、推定電流算出部は、指令電流に対する所定の時定数の一次遅れ応答として評価タイミングにおける推定電流を都度算出してもよい。或いは、推定電流算出部は、予め記憶した情報を読み出して推定電流を都度算出してもよい。
また、指令電流として、連続的に変化する電流が推定電流算出部に入力されてもよい。
フィードバック定数生成部は、評価電流差が正の閾値(+α)より大きいとき、比例項ゲイン及び積分項ゲインを大きくする側に変更し、評価電流差が負の閾値(―α)より小さいとき、比例項ゲイン及び積分項ゲインを小さくする側に変更することが好ましい。
具体的に、フィードバック定数生成部は、比例項ゲイン及び積分項ゲインの前回値に対し、それぞれ、修正値を加減算又は乗算して、比例項ゲイン及び積分項ゲインの今回値を生成する。
また、本発明の他の態様では、「推定電流が基準電流値(Iref)に到達するまでの推定到達時間(test)から、検出電流が実際に基準電流値に到達するまでの計測到達時間(tmsr)を減じた値」が到達時間差(Δtrc)と定義される。フィードバック定数生成部(45)は、到達時間差に基づき、検出電流を推定電流に近づけるように修正した比例項ゲイン及び積分項ゲインを生成する。
この態様の電動機制御装置も、同様の応答性安定化処理を実行することにより、個体ばらつきや経年劣化に応じて、安定した電流応答性を確保することができる。
各実施形態の電動機制御装置の全体構成図。 各実施形態の電動機制御装置の制御ブロック図。 第1実施形態の応答性安定化処理のフローチャート。 第1実施形態の応答性安定化処理における推定電流と検出電流との比較を説明する図。 第2実施形態の応答性安定化処理のフローチャート。 第2実施形態の推定電流算出部が記憶している推定電流テーブルの例。 第3実施形態の応答性安定化処理のフローチャート。 第3実施形態の応答性安定化処理に用いられる変動量調整ゲインのマップ。 第4実施形態の応答性安定化処理のフローチャート。 第4実施形態の応答性安定化処理に用いられる倍率調整ゲインのマップ。 第5実施形態の応答性安定化処理のフローチャート。 第5実施形態の推定電流算出部による推定電流の算出を説明する図。 第6実施形態の応答性安定化処理のフローチャート。 第6実施形態の応答性安定化処理における推定電流と検出電流との比較を説明する図。
以下、電動機制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。この電動機制御装置は、例えば、電動パワーステアリング装置において操舵アシストモータを駆動する制御装置として用いられる。以下の第1〜第6実施形態は、装置を構成する要素自体は同一であり、具体的な処理の実行方法が異なる。
[電動機制御装置の構成]
最初に各実施形態に共通の電動機制御装置10の構成について、図1、図2を参照して説明する。
図1に、電動機制御装置10の全体構成を示す。電動機80は、U相巻線81、V相巻線82、W相巻線83からなる三相巻線を有する三相ブラシレスモータである。
電動機制御装置10は、インバータ60、電流検出部70及び制御部40等を備える。
「駆動回路」としてのインバータ60は、6個のスイッチング素子61−66の動作により、バッテリ11の直流電力を三相交流電力に変換して電動機80に通電する。インバータ60の入力部には、電源リレー12及び平滑コンデンサ13が設けられている。
スイッチング素子61−66は、例えばMOSFETで構成され、ブリッジ接続されている。スイッチング素子61、62、63は、それぞれU相、V相、W相の上アームのスイッチング素子であり、スイッチング素子64、65、66は、それぞれU相、V相、W相の下アームのスイッチング素子である。
電流検出部70は、電流検出素子71、72、73により、電動機80に流れる各相電流Iu、Iv、Iwを検出し、制御部40にフィードバックする。図1の例では、各相の低電位側スイッチング素子64、65、66とグランドとの間にシャント抵抗である電流検出素子71、72、73が設けられている。他の例では、インバータ60から巻線81、82、83への電流経路に電流検出素子71、72、73が設けられてもよい。以下、検出された相電流Iu、Iv、Iwを包括して「検出電流Isns」と記す。
回転角センサ85は、電動機80の電気角θを検出し、制御部40に通知する。
制御部40は、マイコン、プリドライバ等で構成される。電動パワーステアリング装置に適用される電動機制御装置10の場合、図示しない操舵トルクセンサからの操舵トルクtrqの情報が制御部40に入力される。制御部40は、操舵トルクtrq、検出電流Isns及び電気角θのフィードバック情報等に基づいてインバータ60のスイッチング素子61〜66を動作させ、電動機80の通電を制御する。
図2に、制御部40内の構成を含めた電動機制御装置10の制御ブロック図を示す。
制御部40は、一般的な電流フィードバック制御の構成として、電流指令部41、偏差算出部42及び電流フィードバック(図中「FB」)演算部43を備える。また、本実施形態の制御部40は、推定電流算出部44及びフィードバック定数生成部45を備える。
電流指令部41は、操舵トルクtrqに基づいて、電動機80に通電する指令電流I*を決定する。
偏差算出部42は、指令電流I*と検出電流Isnsとの偏差ΔIfbを算出する。なお、周知のベクトル制御による座標変換演算の説明は省略する。ベクトル制御では、検出電流Isnsは三相電流からdq軸電流に変換された後、dq軸毎に指令電流との偏差が算出される。
電流フィードバック演算部43は、電流偏差ΔIfbに基づく電流フィードバック制御において、フィードバック定数として比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを用いたPI演算により、インバータ60への指令信号を演算する。指令信号としては、PWM指令信号やパルスパターン信号が用いられる。
指令信号に従ってインバータ60がスイッチング動作することで、電動機80は所望のアシストトルクを出力するように駆動される。
ところで、電動機制御においてフィードバックゲインを決定するための特性である巻線抵抗や巻線インダクタンスは、製造ばらつきや経年劣化等により変化する。そのため、全製品のフィードバックゲインを一律に設定すると、個体毎の応答性は必然的にばらつく。また、巻線抵抗や巻線インダクタンスは温度等の使用環境要因によっても変化するため、求められる応答性が満足できないおそれがある。一方、応答性を安定させるために製造ばらつきを抑えたり、経年劣化性能を上げた素材を使用したりすると、コストが上昇する。
そこで、本実施形態の電動機制御装置10は、個体毎の特性ばらつきや経年劣化に対し安定した電流応答性を確保するための構成として、推定電流算出部44及びフィードバック定数生成部45を備える。
推定電流算出部44は、指令電流I*に対する応答によって電動機80に流れる電流を推定し、推定電流Iestとして出力する。
フィードバック定数生成部45は、推定電流算出部44から推定電流Iestを取得し、電流検出部70から検出電流Isnsを取得する。フィードバック定数生成部45は、任意の評価タイミングにおける推定電流Iestと検出電流Isnsとを比較し、推定電流Iestから検出電流Isnsを減じた値である評価電流差ΔIevを算出する。
そして、フィードバック定数生成部45は、評価電流差ΔIevに基づき、検出電流Isnsを推定電流Iestに近づけるように修正した比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを生成する。
ここで、推定電流算出部44による推定電流Iestの算出、及び、フィードバック定数生成部45による比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiの生成に関して、それぞれ複数のパターンが実施可能である。また、推定電流算出部44及びフィードバック定数生成部45の処理をまとめて、「応答性安定化処理」という。
以下、「応答性安定化処理」の複数のパターンについて、実施形態毎にフローチャート及び応答タイムチャート等を参照して説明する。以下のフローチャートの説明で記号Sは「ステップ」を表す。また、複数の実施形態のフローチャートにおける実質的に同一のステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。また、以下の第1〜第6実施形態を包括して「本実施形態」という。
(第1実施形態)
第1実施形態の応答性安定化処理について、図3のフローチャート、及び、図4を参照して説明する。第1実施形態では、指令電流I*として、目標値Itgtが推定電流算出部44にステップ入力される。以下、図4(a)に示すように、指令電流I*の目標値Itgtがステップ入力される時刻を「t=0」と定義する。図4(a)の横軸tは、ステップ入力からの経過時間を意味する。
第1実施形態の応答性安定化処理は、例えば電動機80の駆動開始時における初期検査で実行される。この場合、指令電流I*は、通常動作中に運転者の操舵トルクに応じて電動機80を駆動するためのものではなく、検査用に強制的に入力されるものである。この前提は、第5実施形態以外の第2、第3、第4、第6実施形態についても同様とする。
図3のS10、S11、S12のうち、都合上、S11の説明を後に回す。S10及びS12にて、「指令電流I*≒0」である期間、すなわち、計測誤差等を考慮して「指令電流I*が実質的に0である期間」に、指令電流I*の目標値Itgtが推定電流算出部44にステップ入力される。
本実施形態で「指令電流I*≒0」である期間にのみ応答性安定化処理を実行する意味合いは、インバータ60が中立状態であり、電動機80がアシストトルクを出力していないときに強制的に指令電流I*をステップ入力し、電流応答性を調整する点にある。したがって、S10の判断は、「インバータ60が中立状態」、具体的にはPWM制御での駆動DUTYが上下アームのスイッチング素子のいずれも50%であるとき、としてもよい。これにより、応答性安定化処理の実行による操舵への影響を回避することができる。
S13で、推定電流算出部44は、時間tの関数式(1)を用いて、目標値Itgtのステップ入力に対する時定数Tの一次遅れ応答として推定電流Iestを算出する。
Figure 2018074878
式(1)の時定数Tの理論値(以下「理論時定数」)Toは、電動機80の巻線抵抗R及び巻線インダクタンスLを用いて、式(2)で求められる。
To=L/R ・・・(2)
現実の設計では、巻線抵抗R及び巻線インダクタンスLの特性値として、例えば部品のカタログ値、その製品の製造ロットで抜き取り検査された代表値、製造検査での規格値等を用いることが考えられる。
ただし、製品毎に個体ばらつきは必ず存在する。また、製品出荷時の初期特性に対し、使用時の温度等の環境変化や経年劣化によっても特性値は変化する。したがって、実際に電動機80に流れる検出電流Isnsの応答性は、理論時定数Toに基づいて推定される推定電流Iestの応答性に対してばらつく。図4(a)に、検出電流Isnsの三通りのばらつきパターンを二点鎖線で示す。
なお、一次遅れ応答特性を決めるパラメータとして、時定数Tと相関のあるカットオフ周波数fcを用いてもよい。
フィードバック定数生成部45は、S14で、評価タイミングt(n)における推定電流Iestから検出電流Isnsを減じて、評価電流差ΔIevを算出する。なお、指令電流I*のステップ入力から評価タイミングt(n)までの時間tは、固定値として設定されてもよい。評価タイミングt(n)における推定電流Iestは、式(1)より一つの値に決まる。一方、評価タイミングt(n)における検出電流の値Isns(n)は、製品個体や検査時期により異なる。図4(a)では、丸印の検出電流Isns(n)_Mを例として、評価電流差ΔIevを図示する。
続いてフィードバック定数生成部45は、S15及びS16で、評価電流差ΔIevと閾値±αとを比較する。S15では、評価電流差ΔIevが正の閾値+αより大きいか否か、S16では、評価電流差ΔIevが負の閾値−αより小さいか否かが判断される。
「ΔIev>+α」のとき、S15でYESと判断され、S17に移行する。
「ΔIev<−α」のとき、S15でNO、S16でYESと判断され、S18に移行する。
「−α≦ΔIev≦+α」のとき、S15でNO、S16でNOと判断され、S19に移行する。
図4(a)において、評価タイミングt(n)における推定電流Iestを中心とする「Iest−α」から「Iest+α」までの範囲を「±α範囲」という。
上向三角印の検出電流Isns(n)_Lは±α範囲より下の領域にあり、評価電流差ΔIevは「ΔIev>+α」となる。
下向三角印の検出電流Isns(n)_Hは±α範囲より上の領域にあり、評価電流差ΔIevは「ΔIev<−α」となる。
丸印の検出電流Isns(n)_Mは±α範囲内にあり、評価電流差ΔIevは「−α≦ΔIev≦+α」となる。
S17〜S19では、比例項ゲインの前回値kp(n−1)及び積分項ゲインの前回値ki(n−1)に基づいて、比例項ゲインの今回値kp(n)及び積分項ゲインの今回値ki(n)が生成される。
第1実施形態では、正の値である比例項ゲインの基本変動量Δkp、及び、正の値である積分項ゲインの基本変動量Δkiが設定されている。
S17では、式(3.1)、(3.2)により、比例項ゲイン及び積分項ゲインの前回値kp(n−1)、ki(n−1)に、それぞれ基本変動量Δkp、Δkiが加算され、比例項ゲイン及び積分項ゲインの今回値kp(n)、ki(n)が生成される。
kp(n)=kp(n−1)+Δkp ・・・(3.1)
ki(n)=ki(n−1)+Δki ・・・(3.2)
こうしてフィードバック定数生成部45は、評価電流差ΔIevが正の閾値+αより大きいとき、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを大きくする側に変更する。
S18では、式(3.3)、(3.4)により、比例項ゲイン及び積分項ゲインの前回値kp(n−1)、ki(n−1)から、それぞれ基本変動量Δkp、Δkiが減算され、比例項ゲイン及び積分項ゲインの今回値kp(n)、ki(n)が生成される。
kp(n)=kp(n−1)−Δkp ・・・(3.3)
ki(n)=ki(n−1)−Δki ・・・(3.4)
こうしてフィードバック定数生成部45は、評価電流差ΔIevが負の閾値−αより小さいとき、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを小さくする側に変更する。
S19では、式(3.5)、(3.6)により、比例項ゲイン及び積分項ゲインの前回値kp(n−1)、ki(n−1)がそのまま維持され、比例項ゲイン及び積分項ゲインの今回値kp(n)、ki(n)が生成される。
kp(n)=kp(n−1) ・・・(3.5)
ki(n)=ki(n−1) ・・・(3.6)
S17又はS18が実行されると、S10の前に戻り、次回の処理に移る。
図4(b)に示すように、第1実施形態での「次回」とは、指令電流I*が目標値Itgtから一度0になった後、再び目標値Itgtがステップ入力された時の処理である。すなわち、目標値Itgtのステップ入力毎に、処理ループが繰り返される。
例えば現在がn回目の処理であるとする。S10で、指令電流I*が実質的に0であると判断されると、前回処理のS17又はS18で修正された比例項ゲインkp(n−1)及び積分項ゲインki(n−1)がS11で制御に反映される。つまり、電流フィードバック演算部43は、フィードバック制御の比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiの値を前回値kp(n−1)、ki(n−1)に更新する。
S12では、n回目の指令電流I*の目標値Itgtがステップ入力される。そして、n回目の処理で算出された評価電流差ΔIevがやはり±α範囲外にあり、S17又はS18が実行されると、比例項ゲイン及び積分項ゲインの今回値kp(n)、ki(n)は、(n+1)回目の処理のS11で反映される。
その後、評価電流差ΔIevが±α範囲内に入り、S19に移行するまで、処理ループが繰り返される。S19に移行すると、検出電流Isnsが推定電流Iestに一致して応答性が安定したとみなされ、応答性安定化処理のルーチンが終了する。
図4(b)に示す例では、(n−1)回目、n回目の目標値Itgtのステップ入力に対する検出電流Isnsが±α範囲よりも下の領域にあるため、ブロック矢印で示すように、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを大きくする側に変更する処理がなされる。そして、(n+1)回目の目標値Itgtのステップ入力において、検出電流Isnsが±α範囲内に入ったため、このときの比例項ゲインkp(n+1)及び積分項ゲインki(n+1)が以後の制御で用いられる。
(効果)
第1実施形態をはじめとする各実施形態の電動機制御装置10は、指令電流I*に基づいて推定した推定電流Iestと検出電流Isnsとを比較し、検出電流Isnsを推定電流Iestに近づけるように比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを修正する。
各実施形態の電動機制御装置10は、この応答性安定化処理により、個体毎の現在の電流応答性を狙いの特性に合わせることができる。よって、個体ばらつきや経年劣化に応じて、安定した電流応答性を確保することができる。
第1実施形態の推定電流算出部44は、一般式(1)を用いて、指令電流I*の目標値Itgtのステップ入力に対する一次遅れ応答として推定電流Iestを算出する。これにより、任意の目標値Itgtに対する任意の評価タイミングt(n)の推定電流Iestを単一のロジックで算出することができる。
第1実施形態のフィードバック定数生成部45は、一回の処理で比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを基本変動量Δkp、Δkiずつ増減させる処理を繰り返し、検出電流Isnsを推定電流Iestに少しずつ近づけるように修正する。これにより、急激なフィードバックゲイン変更によるオーバーシュートやアンダーシュートを防止しつつ、電流応答性を徐々に安定化させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の応答性安定化処理について、図5のフローチャート、及び、図6の推定電流テーブルを参照して説明する。
第2実施形態は、推定電流算出部44による推定電流Iestの算出方法が第1実施形態と異なる。推定電流算出部44は、指令電流I*の目標値Itgt及びステップ入力からの経過時間tについて、例えば「目標値Itgt=100A、時間t=0.1ms」というように、有限個の設定条件での推定電流Iestのデータを予めマップやテーブルに記憶している。
図6に、推定電流算出部44が記憶している推定電流テーブルの例を示す。例えば目標値Itgtが100[A]のとき、ステップ入力からの経過時間t=*[ms]での推定電流Iestは60[A]、t=**[ms]での推定電流Iestは80[A]と規定されている。応答性安定化処理を初期検査として実行する場合、数点の検査条件が固定値として設定されれば十分である。最も単純には、一点の条件のみが設定されてもよい。
この推定電流Iestのデータは、例えば上記の理論時定数Toを用いた式(1)により、ステップ入力に対する一次遅れ応答として予め算出されたものである。
図5のフローチャートは、図3に対しS23のみが異なり、その他は同じである。
S12で指令電流I*の目標値Itgtが入力されると、推定電流算出部44は、S23でマップやテーブルから対応する推定電流Iestのデータを読み出し、フィードバック定数生成部45に出力する。つまり、第2実施形態での推定電流Iestの「算出」とは、計算処理ではなく、記憶データの読み出し処理を意味する。
このように第2実施形態では、推定電流算出部44は、予め記憶された有限個のデータを読み出して推定電流Iestを算出するため、演算負荷を低減することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態の応答性安定化処理について、図7のフローチャート、及び、図8の変動量調整ゲインのマップを参照して説明する。
図7のS10〜S14は第1実施形態の図3と同様である。なお、S13に代えて、第2実施形態のS23を採用してもよい。S35では、フィードバック定数生成部45は、マップを参照し、評価電流差ΔIevに応じた変動量調整ゲインΔadjを算出する。
図8に、評価電流差ΔIevと変動量調整ゲインΔadjとの関係を規定したマップの例を示す。変動量調整ゲインΔadjは、評価電流差ΔIevの正負に対応して、0又は正負の値を取る。
評価電流差ΔIevが±α範囲内にあるとき、変動量調整ゲインΔadjは0で一定である。
評価電流差ΔIevが正の閾値+αより大きいとき、変動量調整ゲインΔadjは、評価電流差ΔIevが大きいほど0から正側に大きくなり、正のガード値+Δadj_gdに達すると一定値を取る。
評価電流差ΔIevが負の閾値−αより小さいとき、変動量調整ゲインΔadjは、評価電流差ΔIevが小さいほど0から小さく、すなわち負側に大きくなり、負のガード値−Δadj_gdに達すると一定値を取る。
S36では、式(4.1)、(4.2)により、比例項ゲイン及び積分項ゲインの前回値kp(n−1)、ki(n−1)に対し、比例項ゲインの基本変動量Δkpに変動量調整ゲインΔadjを乗じた値、及び、積分項ゲインの基本変動量Δkiに変動量調整ゲインΔadjを乗じた値がそれぞれ加算される。そして、比例項ゲイン及び積分項ゲインの今回値kp(n)、ki(n)が生成される。
kp(n)=kp(n−1)+Δkp×Δadj ・・・(4.1)
ki(n)=ki(n−1)+Δki×Δadj ・・・(4.2)
こうしてフィードバック定数生成部45は、評価電流差ΔIevが正の閾値+αより大きいとき、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを大きくする側に変更する。また、フィードバック定数生成部45は、評価電流差ΔIevが負の閾値−αより小さいとき、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを小さくする側に変更する。
S37では、変動量調整ゲインΔadjが0であるか否か判断される。
変動量調整ゲインΔadjが0のとき、S36では、比例項ゲイン及び積分項ゲインの前回値kp(n−1)、ki(n−1)がそのまま維持される。このとき、S37でYESと判断され、図3のS19と同様に応答性安定化処理のルーチンが終了する。
一方、変動量調整ゲインΔadjが0でないとき、S37でNOと判断され、S10の前に戻る。以後は、第1実施形態と同様である。
ここで、変動量調整ゲインΔadjは、一回の処理で検出電流Isnsを推定電流Iestに一致させ、評価電流差ΔIevを0にするように比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを修正することを狙って設定されてもよい。これにより、電流応答性を迅速に安定化させることができる。
或いは、制御誤差等によるオーバーシュートやアンダーシュートを回避する思想に基づき、一回の処理で評価電流差ΔIevを0にすることを狙った場合に想定される値に対して変動量調整ゲインΔadjを抑え目に設定してもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態の応答性安定化処理について、図9のフローチャート、及び、図10の倍率調整ゲインのマップを参照して説明する。
図9のS10〜S14は第1実施形態の図3と同様である。なお、S13に代えて、第2実施形態のS23を採用してもよい。S45では、フィードバック定数生成部45は、マップを参照し、評価電流差ΔIevに応じた倍率調整ゲインMadjを算出する。
図10に、評価電流差ΔIevと倍率調整ゲインMadjとの関係を規定したマップの例を示す。倍率調整ゲインMadjは、常に正の値を取る。
評価電流差ΔIevが±α範囲内にあるとき、倍率調整ゲインMadjは1で一定である。
評価電流差ΔIevが正の閾値+αより大きいとき、倍率調整ゲインMadjは、評価電流差ΔIevが大きいほど1から大きくなる。
評価電流差ΔIevが負の閾値−αより小さいとき、倍率調整ゲインMadjは、評価電流差ΔIevが小さいほど1から小さくなる。
S46では、式(5.1)、(5.2)により、比例項ゲイン及び積分項ゲインの前回値kp(n−1)、ki(n−1)に倍率調整ゲインMadjがそれぞれ乗算され、比例項ゲイン及び積分項ゲインの今回値kp(n)、ki(n)が生成される。
kp(n)=kp(n−1)×Madj ・・・(5.1)
ki(n)=ki(n−1)×Madj ・・・(5.2)
こうしてフィードバック定数生成部45は、評価電流差ΔIevが正の閾値+αより大きいとき、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを大きくする側に変更する。また、フィードバック定数生成部45は、評価電流差ΔIevが負の閾値−αより小さいとき、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを小さくする側に変更する。
S47では、倍率調整ゲインMadjが1であるか否か判断される。
倍率調整ゲインMadjが1のとき、S46では、比例項ゲイン及び積分項ゲインの前回値kp(n−1)、ki(n−1)がそのまま維持される。このとき、S47でYESと判断され、図3のS19と同様に応答性安定化処理のルーチンが終了する。
一方、倍率調整ゲインMadjが1でないとき、S47でNOと判断され、S10の前に戻る。以後は、第1実施形態と同様である。
第4実施形態による倍率調整ゲインMadjの設定の考え方は、第3実施形態と同様である。したがって、第4実施形態も第3実施形態と同様に、電流応答性を迅速に安定化させることができる。さらに、第3実施形態に対し、基本変動量Δkp、Δkiを設定する必要がなく、演算が乗算のみであるため、演算負荷を低減することができる。
ところで、第4実施形態の技術的思想は、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiをそれぞれ定数倍することにより、検出電流Isnsを推定電流Iestに一致させるというものである。ここで、この技術的思想に関する理論式について補足する。
ステップ入力に対する一次遅れ応答を出力するフィルタのモデルを想定し、その周波数応答のカットオフ周波数をfc、電圧出力ゲインをVgainと記す。PI制御の比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiは、電動機80の巻線インダクタンスL及び巻線抵抗Rを用いて、式(6.1)、(6.2)で表される。[ ]内に単位を示す。
Figure 2018074878
ここで、巻線インダクタンスL及び巻線抵抗Rを共に定数κ倍したとき、周波数応答のカットオフ周波数fcが理想の応答特性のカットオフ周波数fcに一致すると仮定する。そのカットオフ周波数fcは、式(7.1)、(7.2)で表される。
Figure 2018074878
ステップ入力の目標値Itgtを1としたとき、理想の時定数Tの一次遅れ応答による出力電流I1(t)は、式(8.1)で表される。
また、理想の応答に対し時定数がκ倍であるとき、すなわち時定数κTの一次遅れ応答による出力電流I2(t)は、式(8.2)で表される。
Figure 2018074878
式(8.1)、(8.2)から、出力電流の差分ΔI(t)は、式(9)で表される。
Figure 2018074878
式(9)の右辺第1項を左辺に移行し、両辺の自然対数を取って整理すると、定数κについての式(10)が得られる。例えば、図10の倍率調整ゲインMadjのマップは、式(10)に基づいて生成されてもよい。
Figure 2018074878
(第5実施形態)
第5実施形態の応答性安定化処理について、図11のフローチャート、及び、図12を参照して説明する。
上記実施形態の応答性安定化処理が初期検査を想定したものであるのに対し、第5実施形態の応答性安定化処理は、通常動作中に、指令電流I*として、連続的に変化する電流が推定電流算出部44に入力される状況を想定したものである。図11のフローチャートでは、図3のS10は無く、S12、S13に代えて、S52、S53が実行される。
S52では、指令電流I*が連続入力される。電動パワーステアリング装置では、運転者の操舵に伴い、必要なアシストトルクを電動機80に出力させるための指令電流I*が逐次入力される。
S53に先立ち、連続通電中のS11で、前回修正後の比例項ゲインkp(n−1)及び積分項ゲインki(n−1)が反映される。なお、演算周期と処理速度との関係によっては、前回値に限らず、前々回値またはそれ以前の過去値が遅れて反映されてもよい。
推定電流算出部44は、指令電流I*が入力されている間、検出電流Isnsを周期的に取得する。
S53では、推定電流算出部44は、検出電流の前回値Isns(n−1)、及び指令電流の今回値I*(n)に基づき、所定の時定数の一次遅れ応答として推定電流の今回値Iest(n)を算出する。
図12において、横軸のt1〜t4は、推定電流算出部44が検出電流Isnsを取得し、推定電流Iestを算出する処理タイミングを示す。Isns(1)、Isns(2)、Isns(3)は、それぞれ、処理タイミングt1、t2、t3での検出電流を示す。I*(2)、I*(3)、I*(4)及びIest(2)、Iest(3)、Iest(4)は、それぞれ、処理タイミングt2、t3、t4での指令電流及び推定電流を示す。
各タイミングの推定電流Iest(2)、Iest(3)、Iest(4)は、検出電流の前回値Isns(1)、Isns(2)、Isns(3)、及び、指令電流の今回値I*(2)、I*(3)、I*(4)に基づき、理論時定数Toの一次遅れ応答として算出される。
応答性安定化処理のS14以降は、第1実施形態と同様である。
このように第5実施形態では、通常動作中に、連続的に変化する指令電流I*に対し、常に電流応答性を合わせるようにフィードバックゲインを変更する。これにより、短周期の環境温度変化等に対しても、電流応答性を高精度に維持することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態の応答性安定化処理について、図13のフローチャート、及び、図14を参照して説明する。
第6実施形態は、ステップ入力された指令電流I*の目標値Itgtに対する推定電流Iestと検出電流Isnsとを比較する方法が第1実施形態と異なる。図13のフローチャートでは、図3のS14、S15、S16に代えて、S64、S65、S66が実行される。
S64では、基準電流値Irefまでの到達時間差Δtrcが算出される。
図14に示すように、基準電流値Irefは、例えば目標値Itgtに対し所定の割合に設定される。推定電流Iestが基準電流値Irefに到達するまでの推定到達時間testは、理論時定数Toに基づいて算出される。到達時間差Δtrcは、推定到達時間testから、検出電流Isnsが実際に基準電流値Irefに到達するまでの計測到達時間tmsrを減じた値である。
また、推定到達時間testを中心とする正負の閾値±βの範囲を定める。検出電流Isnsが相対的に小さい場合、相対的に大きい場合、中間の場合の計測到達時間tmsr_L、tmsr_H、tmsr_Mを、それぞれ上向三角印、下向三角印、丸印で示す。図14では、丸印の計測到達時間tmsr_Mを例として、到達時間差Δtrcを図示する。
S65では、計測到達時間tmsr_Lの例のように、到達時間差Δtrcが負の閾値−βより小さいとき、YESと判断され、S17に移行する。こうしてフィードバック定数生成部45は、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを大きくする側に変更する。
S66では、計測到達時間tmsr_Hの例のように、到達時間差Δtrcが正の閾値+βより大きいとき、YESと判断され、S18に移行する。こうしてフィードバック定数生成部45は、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiを小さくする側に変更する。
S17又はS18が実行された後、S10の前に戻り次回の処理に移る点は、第1実施形態と同様である。n回目の処理のS10で、指令電流I*が実質的に0であると判断されると、前回処理のS17又はS18で修正された比例項ゲインkp(n−1)及び積分項ゲインki(n−1)がS11で制御に反映される。
また、計測到達時間tmsr_Mの例のように、到達時間差Δtrcが正負の閾値±βの範囲内にあるとき、S65及びS66でNOと判断され、S19に移行する。そして、比例項ゲインkp及び積分項ゲインkiの前回値が維持され、応答性安定化処理は終了する。
第1実施形態と第6実施形態とは、推定電流Iestと検出電流Isnsとを、同一の評価タイミングにおける評価電流差ΔIevで比較するか、同一の基準電流値Irefまでの到達時間差Δtrcで比較するかの違いのみであり、同様の作用効果を奏する。
上記の第2、第3、第4実施形態についても、第6実施形態の電流比較方法と組み合わせ可能である。
(その他の実施形態)
(a)電動機制御装置の駆動対象である電動機は、上記実施形態に示す三相ブラシレスモータに限らず、四相以上の多相ブラシレスモータやDCモータ等、電流フィードバック制御により制御可能なその他の電動機であってもよい。また、駆動回路は多相インバータに限らず、DCDCコンバータ等の電力変換器であってもよい。
(b)電動機制御装置の駆動対象である電動機は、互いに磁気的に結合する複数の多相巻線を有する複数系統の電動機であってもよい。この構成では、各巻線の自己インダクタンスに加え、系統間の巻線の相互インダクタンスが応答性に影響するため、ばらつき要因がより多くなる。したがって、個体毎の応答性ばらつきを低減する効果がより有効に発揮される。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10・・・電動機制御装置、
41・・・電流指令部、
43・・・電流フィードバック演算部、
44・・・推定電流算出部、
45・・・フィードバック定数生成部、
60・・・インバータ(駆動回路)、
70・・・電流検出部、
80・・・電動機。

Claims (12)

  1. 電動機(80)を駆動する駆動回路(60)と、
    前記電動機に通電する指令電流(I*)を決定する電流指令部(41)と、
    前記電動機に流れる電流を検出し、検出電流(Isns)としてフィードバックする電流検出部(70)と、
    前記指令電流と前記検出電流との偏差に基づく電流フィードバック制御において、比例項ゲイン(kp)及び積分項ゲイン(ki)を用いた比例積分演算により、前記駆動回路への指令信号を演算する電流フィードバック演算部(43)と、
    前記指令電流に対する応答によって前記電動機に流れる電流を推定し、推定電流(Iest)として出力する推定電流算出部(44)と、
    設定された評価タイミングにおける前記推定電流から前記検出電流を減じた値である評価電流差(ΔIev)に基づき、前記検出電流を前記推定電流に近づけるように修正した前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインを生成するフィードバック定数生成部(45)と、
    を備える電動機制御装置。
  2. 前記指令電流として、目標値(Itgt)が前記推定電流算出部にステップ入力され、
    前記推定電流算出部は、
    前記指令電流に対する所定の時定数の一次遅れ応答として前記評価タイミングにおける前記推定電流を都度算出する請求項1に記載の電動機制御装置。
  3. 前記指令電流として、目標値(Itgt)が前記推定電流算出部にステップ入力され、
    前記推定電流算出部は、
    前記指令電流の目標値、及び、前記指令電流のステップ入力からの経過時間に対応する前記推定電流を所定の時定数の一次遅れ応答として規定したデータを予め記憶しており、当該データを読み出して前記推定電流を算出する請求項1に記載の電動機制御装置。
  4. 前記指令電流のステップ入力から前記評価タイミングまでの時間は、固定値として設定されている請求項2または3に記載の電動機制御装置。
  5. 前記電流フィードバック演算部は、前記フィードバック定数生成部が生成した修正後の前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインを、前記指令電流が実質的に0である期間に更新する請求項2〜4のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  6. 前記指令電流として、連続的に変化する電流が前記推定電流算出部に入力され、
    前記推定電流算出部は、
    前記指令電流が入力されている間、前記検出電流を周期的に取得し、
    前記検出電流の前回値、及び前記指令電流の今回値に基づき、所定の時定数の一次遅れ応答として前記推定電流の今回値を算出する請求項1記載の電動機制御装置。
  7. 前記フィードバック定数生成部は、
    前記評価電流差が正の閾値(+α)より大きいとき、前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインを大きくする側に変更し、
    前記評価電流差が負の閾値(−α)より小さいとき、前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインを小さくする側に変更する請求項1〜6のいずれか一項に電動機制御装置。
  8. 前記フィードバック定数生成部は、
    前記評価電流差が前記正の閾値より大きいとき、前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインの前回値に、正の値である前記比例項ゲインの基本変動量(Δkp)、及び、正の値である前記積分項ゲインの基本変動量(Δki)をそれぞれ加えて、前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインの今回値を生成し、
    前記評価電流差が前記負の閾値より小さいとき、前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインの前回値から、前記比例項ゲインの基本変動量、及び、前記積分項ゲインの基本変動量をそれぞれ減じて、前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインの今回値を生成する請求項7に記載の電動機制御装置。
  9. 前記フィードバック定数生成部は、
    前記評価電流差に応じて設定され、前記評価電流差が前記正の閾値より大きいとき正であり、前記評価電流差が前記負の閾値より小さいとき負である変動量調整ゲイン(Δadj)を用い、
    前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインの前回値に対し、正の値である前記比例項ゲインの基本変動量(Δkp)に前記変動量調整ゲインを乗じた値、及び、正の値である前記積分項ゲインの基本変動量(Δki)に前記変動量調整ゲインを乗じた値をそれぞれ加えて、前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインの今回値を生成する請求項7に記載の電動機制御装置。
  10. 前記フィードバック定数生成部は、
    前記評価電流差に応じて設定され、前記評価電流差が前記正の閾値より大きいとき1より大きく、前記評価電流差が前記負の閾値より小さいとき1より小さい正の値である倍率調整ゲイン(Madj)を用い、
    前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインの前回値に前記倍率調整ゲインをそれぞれ乗じて、前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインの今回値を生成する請求項7に記載の電動機制御装置。
  11. 電動機(80)を駆動する駆動回路(60)と、
    前記電動機に通電する指令電流(I*)を決定する電流指令部(41)と、
    前記電動機に流れる電流を検出し、検出電流(Isns)としてフィードバックする電流検出部(70)と、
    前記指令電流と前記検出電流との偏差に基づく電流フィードバック制御において、比例項ゲイン(kp)及び積分項ゲイン(ki)を用いた比例積分演算により、前記駆動回路への指令信号を演算する電流フィードバック演算部(43)と、
    ステップ入力された前記指令電流の目標値に対する一次遅れ応答によって前記電動機に流れる電流を推定し、推定電流(Iest)として出力する推定電流算出部(44)と、
    前記推定電流が基準電流値(Iref)に到達するまでの推定到達時間(test)から、前記検出電流が実際に前記基準電流値に到達するまでの計測到達時間(tmsr)を減じた値である到達時間差(Δtrc)に基づき、前記検出電流を前記推定電流に近づけるように修正した前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインを生成するフィードバック定数生成部(45)と、
    を備え、
    前記フィードバック定数生成部は、
    前記到達時間差が負の閾値(−β)より小さいとき、前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインを大きくする側に変更し、
    前記到達時間差が正の閾値(+β)より大きいとき、前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインを小さくする側に変更する電動機制御装置。
  12. 前記電流フィードバック演算部は、前記フィードバック定数生成部が生成した修正後の前記比例項ゲイン及び前記積分項ゲインを、前記指令電流が実質的に0である期間に更新する請求項11に記載の電動機制御装置。
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