JP2018074833A - 電動アクチュエータ用回転駆動源および電動アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 電動アクチュエータ用回転駆動源、さらには電動アクチュエータの小型化を達成する。
【解決手段】 電動アクチュエータ用回転駆動源1は、ステータ51およびロータ52を有する中空のモータ部5と、モータ部5の内径側に配置され、ロータ52の回転を出力する駆動源出力軸6と、モータ部5のロータ52よりもトルク伝達経路の下流側に配置されたトルクリミッタ7とを有する。トルクリミッタ7は、ロータ52の内周面と、これに対向する駆動源出力軸6の外周面との間の空間に配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】 電動アクチュエータ用回転駆動源1は、ステータ51およびロータ52を有する中空のモータ部5と、モータ部5の内径側に配置され、ロータ52の回転を出力する駆動源出力軸6と、モータ部5のロータ52よりもトルク伝達経路の下流側に配置されたトルクリミッタ7とを有する。トルクリミッタ7は、ロータ52の内周面と、これに対向する駆動源出力軸6の外周面との間の空間に配置する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電動アクチュエータ用回転駆動源および電動アクチュエータに関する。
モータの出力を、トルクリミッタを介して減速機に伝達する回転運動型の電動アクチュエータとして、特開2004−115002号公報(特許文献1)に記載の電動モータが知られている。この電動モータは、モータ本体の出力軸とウォーム軸とを同軸に配置し、トルクリミッタを構成する一方のクラッチ板を出力軸に連結すると共に、他方のクラッチ板をウォーム軸に連結したものである。
特許文献1に記載の駆動装置では、モータ部とトルクリミッタを軸方向隣接位置に配置しているため、装置全体の軸方向寸法が大きくなる問題点がある。
また、電動アクチュエータとしては、特許文献1に記載のように、回転運動を出力する回転運動タイプの他に、モータで出力された回転運動を、減速機を介してボールねじに伝達することにより直線運動に変換する直線運動型も存在する。特許文献1の駆動装置をベースとして直線運動型の電動アクチュエータを製作しようとすると、ボールねじ軸はモータ軸と偏心させて配置せざるを得ず、電動アクチュエータが大型化する問題がある。
本発明は、コンパクトな電動アクチュエータ用回転駆動源並びに電動アクチュエータを提供することを目的とする。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、ステータおよびロータを有するモータ部と、前記ロータの内径側に配置され、ロータの回転を出力する駆動源出力軸と、トルクリミッタとを有する電動アクチュエータ用回転駆動源において、前記トルクリミッタを、ロータの内周面と、これに対向する駆動源出力軸の外周面との間に配置したことを特徴とする。
本発明では、トルクリミッタをローラの内周面と、これに対向する駆動源出力軸の外周面との間に配置し、これによりトルクリミッタを、モータ部のロータおよび駆動源出力軸と半径方向で重畳させている。かかる構成から、トルクリミッタ付き電動アクチュエータの軸方向寸法を小型化することができる。
電動アクチュエータの軸方向寸法を小型化するため、ケーシングに固定した一対の軸受でロータの回転を支持し、一対の軸受の間にトルクリミッタを配置するのが好ましい。
トルクリミッタとしては、摩擦クラッチの一種で、ロータに固定された摩擦板と、駆動源出力軸に固定された摩擦板とを有する多板クラッチを使用するのが好ましい。
駆動源出力軸を中空にすれば、駆動源出力軸の内径側に、運動変換機構の直線運動する部材、例えばボールねじ軸を配置することができる。これにより、当該部材の直線運動に際して当該部材がトルクリミッタやモータ部と干渉することを防止でき、運動変換機構をモータ部やトルクリミッタと同軸に配置することが可能となる。従って、直線運動型電動アクチュエータを小型化することができる。また、回転運動型電動アクチュエータと直線運動型電動アクチュエータで回転駆動源を共用化できるため、回転運動型電動アクチュエータと直線運動型電動アクチュエータの低コスト化を図ることができる。
回転運動型電動アクチュエータは、以上に述べた回転駆動源の駆動源出力軸に減速機を接続し、減速機の出力側に最終出力軸を接続することで構成することができる。
また、直線運動型電動アクチュエータは、以上に述べた回転駆動源の駆動源出力軸に減速機を接続し、減速機の出力側に運動変換機構を接続することで構成することができる。
本発明によれば、電動アクチュエータ用回転駆動源、さらには電動アクチュエータの小型化を図ることができる。
本発明にかかる、電動アクチュエータ用回転駆動源および当該回転駆動源を備える電動アクチュエータの実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1は、電動アクチュエータの第一実施形態として、回転運動型の電動アクチュエータを示す縦断面図である。図2は、図1中のB−B線断面図であり、図3は図1中のC−C線断面図である。この回転運動型の電動アクチュエータは、例えばロボットアームの駆動や、自動車等の車両におけるミッション、ステアリング、ブレーキ等の操作自動化や補助等に使用することができる。
図1に示すように、本発明にかかる電動アクチュエータは、回転駆動源1と、回転駆動源1の軸方向一方側に配置され、かつ回転駆動源1の出力側に接続された減速機2と、減速機2の出力側に接続された最終出力軸3とを主要な構成要素とする。以上の各構成要素のうち、先ず回転駆動源1の構造を説明する。
回転駆動源1は、モータ部5と、駆動源出力軸6と、トルクリミッタ7とを具備する。このうち、モータ部5は、図1および図2に示すように、ケーシング8に固定されたステータ51と、ステータ51の半径方向内側に隙間をもって対向するように配置されたロータ52とを備える電動モータで構成される。本実施形態では、電動モータの一例として、ラジアルギャップ型を例示している。
ステータ51は、軸方向に積層した複数の電磁鋼板で形成されたステータコア51aと、ステータコア51aに装着された絶縁材料からなるボビン51bと、ボビン51bに巻回されたステータコイル51cとを有する。
ロータ52は、環状のロータコア52aと、ロータコア52aの外周に取り付けられた複数のマグネット52bと、ロータコア52aの内周に固定された環状のロータインナ52cとで構成される。ロータコア52aは、例えば軸方向に積層した複数の電磁鋼板で形成される。ロータインナ52cの軸方向長さはロータコア52aの軸方向長さよりも長く、ロータコア52aの軸方向両側にロータインナ52cが突出している。ロータインナ52cの軸方向両端部の外周面には、ロータコア52aの軸方向両側に配置した軸受53,54が固定されており、この軸受53,54によってロータインナ52cがケーシング8に対して回転自在に支持されている。軸受53,54としては、ラジアル荷重とスラスト荷重の双方を支持できる転がり軸受、例えば深溝玉軸受を使用することができる。
ロータインナ52cの内周面には、内径寸法を他所よりも大きくした環状凹部521が形成される。この環状凹部521は、図1に示すように、例えばロータインナ52cの軸方向他方側(減速機2側とは反対側)の端部に形成される。環状凹部521の内周面には、軸方向に延びる雌セレーション522が形成されている。
図1に示すように、駆動源出力軸6は、両端を開口した中空の円筒状に形成される。このように駆動源出力軸6を中空にすることで、回転駆動源1は中空モータとしての構造を有することになる。駆動源出力軸6の外周面は、ロータインナ52cの内周面(環状凹部521を除く)に対して隙間嵌めで嵌合されている。そのため、駆動源出力軸6は、ロータインナ52cから独立して回転することができる。駆動源出力軸6の軸方向他方側の端部の外周面には、軸方向に延びる雄セレーション6aが形成されている。
ロータインナ52cの環状凹部521の内周面と、これに対向する駆動源出力軸6の外周面との間に、環状隙間が形成される。本実施形態では、この環状隙間にトルクリミッタ7が配置されている。
トルクリミッタ7は、モータ部5から出力された回転動力を駆動源出力軸6に伝達する一方で、過負荷が作用した時にトルク伝達を遮断し、モータ部5と駆動源出力軸6との相対回転を許容するものである。この機能を有する限り任意の構成のトルクリミッタ7を使用することができる。本実施形態では、トルクリミッタ7の一例として、摩擦式クラッチの一種である多板クラッチを使用した場合を例示している。
図4は、図1中の領域Xを拡大して示す断面図である。図4に示すように、多板クラッチ7は、軸方向に離間させた一対の受圧板71と、一対の受圧板71の間に軸方向に離間して配置された第一摩擦板72および第二摩擦板73と、第一摩擦板72と第二摩擦板73を圧接させる波形ばね等の弾性部材74とを有する。第一摩擦板72と第二摩擦板7の数は任意であり、それぞれ一枚もしくは複数枚とすることができる。第一摩擦板72は、雌セレーション522とセレーション嵌合させることでロータインナ52cに取り付けられ、第二摩擦板73は、雄セレーション6aとセレーション嵌合させることで駆動源出力軸6に取り付けられる。この多板式クラッチ7は、軸方向一方側の受圧板71をロータインナ52cの肩面に当接させると共に、軸方向他方側の受圧板71を、ロータインナ52cの内周面に係合させた止め輪75等の係止部材で係止することにより、軸方向で位置決めされる。
モータ部5と駆動源出力軸6の間のトルクが摩擦板72,73間に作用する摩擦力以下である時は、両摩擦板72,73が一体に回転するため、モータ部5の駆動力が両摩擦板72,73を介して駆動源出力軸6に伝達される。モータ部5と駆動源出力軸6との間に作用するトルクが摩擦板72,73間に作用する摩擦力を上回ると、一方の摩擦板が他方の摩擦板に対して滑るため、モータ部5から駆動源出力軸6へのトルク伝達が遮断される。これにより、駆動源出力軸6とロータインナ52cの相対回転を許容する事が可能となる。
ケーシング8は、組み立ての都合上、軸方向の一箇所もしくは複数箇所で分割される。本実施形態では、ケーシング8を、有底円筒状の底部81と、両端を開口した筒部82と、蓋部83とに分割している。筒部82の軸方向一方側に蓋部83が配置され、筒部82の軸方向他方側に底部81が配置される。底部81、筒部82、および蓋部83は、ボルト等の締結手段を用いて一体化される。ロータインナ52cを支持する軸受53,54のうち、軸方向一方側の軸受53は筒部82の内周面に固定され、軸方向他方側の軸受54は底部81の内周面に固定される。
次に、電動アクチュエータの主要構成要素である減速機2の構成を説明する。本実施形態では、減速機2として、トラクションドライブ式の遊星減速機を使用している。この遊星減速機2は、太陽ローラ21と、外側リング22と、複数の遊星ローラ23と、キャリア24とを具備している。太陽ローラ21として、本実施形態では、原動機出力軸6の軸方向一方側の端部を使用している。また、遊星ローラ23として、転がり軸受25(例えば深溝玉軸受)の外輪を使用している。各転がり軸受25の内輪は中空軸26に圧入固定され、各中空軸25はキャリア24によって自転可能に支持されている。キャリア24は、その外周面に固定した転がり軸受27(例えば深溝玉軸受)により、ケーシング8の蓋部83に対して回転自在に支持されている。
図5は、図1中の領域Yを拡大して示す断面図である。図5に示すように、外側リング22は、断面U字状の本体部22aと、本体部22aの軸方向両側に突出するフランジ部22bとを一体に有する。ケーシング8の筒部82と蓋部83を結合する前の状態では、図中に実線で示すように、筒部82の内周に収容された外側リング22は、軸方向一方側のフランジ部22bを筒部82の端面よりも突出させている。その後、蓋部83を筒部82の端面に当接するまで押し込んでボルト等を用いて両者を結合すると、蓋部83に押圧された外側リング22が二点鎖線で示すように弾性変形し、本体部22aが内径側に膨らむ(図4は、弾性変形の程度を誇張して描いている)。この外側リング22の弾性変形により、外側リング22と遊星ローラ23の接触部、さらには遊星ローラ23と太陽ローラ21の接触部にトラクション(予圧)が付与される。
外側リング22のうち、軸方向他方側のフランジ部22bと筒部82の間には、リング状の調整部材28が配置される。蓋部83の組み付け前の状態で、筒部82の端面からの外側リング22のフランジ部22bの突出量tが規定範囲内となる適正厚さの調整部材28を選択して使用することで(マッチング)、外側リング22の変形程度を均一化して、減速機2の内部に付与するトラクションを均一化することができる。
減速機2の出力側となるキャリア24の内周面には、最終出力軸3が圧入等の手段で固定される。最終出力軸3の軸方向他方側の端部は、転がり軸受31により駆動源出力軸6に対して回転自在に支持される。
以上に説明した第一実施形態の電動アクチュエータでは、モータ部5と駆動源出力軸6との間のトルク伝達経路中にトルクリミッタ7が配置されている。通常時は、モータ部5で生じたトルクがトルクリミッタ7、駆動源出力軸6、および減速機2を介して最終出力軸3に伝達される。これにより、最終出力軸3に接続された駆動対象が回転駆動される。これに対し、例えば駆動対象が障害物と衝突等して、最終出力軸3の回転がロックされた場合でも、ロータインナ52cと駆動源出力軸6との間に滑りが生じてトルク伝達経路が遮断されるため、モータ部5が慣性によりそのまま回り続けようとしている状況下でも減速機2に過大な負荷が作用することを防止することができる。従って、減速機2の破損を防止することができる。これとは逆に、何らかの理由でモータ側の回転トルクが極端に大きくなった場合にも、減速機2等への過大負荷の作用を防止することができる。
また、本発明では、トルクリミッタ7がロータ52の内周面(ロータインナ52cの内周面)と、これに対向する駆動源出力軸6の外周面との間に配置されている。そのため、モータ部5の軸方向隣接位置にトルクリミッタ7を配置する場合に比べ、回転駆動源1、さらには電動アクチュエータの軸方向寸法を小さくすることができる。以上の効果を効果的に得るため、トルクリミッタ7(止め輪75も含む)は、ロータインナ52cを支持する二つの軸受53,54の間に配置するのが好ましい。より詳細には、両軸受53,54の各外端面P(相手側の軸受の端面と対向しない端面)の間にトルクリミッタ7を配置するのが好ましい。
図6に、本発明の第二実施形態として、直線運動型の電動アクチュエータの断面図を示す。この直線運動型の電動アクチュエータは、例えば自動車等の車両に装備される電動ブレーキ等に使用することができる。この第二実施形態の電動アクチュエータでは、モータ部5から減速機2に至るまでの構成は、第一実施形態と共通する。第二実施形態は、最終出力軸3に代えて運動変換機構9を使用した点が第一実施形態と異なる。
運動変換機構9は、例えばボールねじ91で構成される。ボールねじ91は、ボールねじナット92、ボールねじ軸93、多数のボール94、および循環部材としてのこま(図示省略)を主な構成要素とする。ボールねじナット92の内周面に螺旋状溝が形成され、ボールねじ軸93の外周面に螺旋状溝が形成されている。両螺旋状溝の間にボール94が装填される。ボールねじナット92の外周面には、減速機2の出力側となるキャリア24が圧入等の手段で固定されている。
中空をなす駆動源出力軸6の内径側には、ケーシング8の底部81に固定された中空筒状のガイド部材95が配置される。ガイド部材95の内周には、軸方向に延びる図示しないガイド溝が形成されている。詳細な図示は省略するが、ボールねじ軸93の軸方向他端部に設けた孔93aにピンを圧入する等してボールねじ軸93に半径方向に突出する突起を設け、この突起をガイド部材95のガイド溝に嵌合させることにより、ボールねじ軸93の回り止めを行うことができる。
第二実施形態に於けるケーシング8は、底部81,筒部82,蓋部83,および加圧部84で構成される。底部81および筒部82の構成や機能は、第一実施形態で説明した底部81および筒部82と共通している。加圧部84は、筒部82と蓋部83の間に挟まれている。第一実施形態と同様に、底部81、筒部82,蓋部83,および加圧部84をボルト部材86で一体に結合することで、加圧部84の端面が筒部82の端面に圧接し、加圧部84に押圧された外側リング22が内径側に弾性変形する。そのため、トラクションドライブ式の遊星減速機2にトラクションが付与される。
ボールねじナット92は、その外周面に固定した複列の転がり軸受96(例えば複列深溝玉軸受)により、ケーシング8の蓋部83に対して回転自在に支持される。この転がり軸受96により、ボールねじ軸81に作用するアキシャル荷重を支持することが可能となる。また、ボールねじナット92を両持ち構造にして、ボールねじナット92の傾きを防止することができる。
この第二実施形態では、モータ部4のトルクが、トルクリミッタ7、駆動源出力軸6、減速機2を介してボールねじナット92に伝達される。従って、モータ部4を正逆方向に駆動することで、ボールねじナット92を正逆方向に回転させて、ボールねじ軸93を軸方向に進退移動(直線運動)させることができる。
この第二実施形態でも第一実施形態と同様に、モータ部5よりも下流側のトルク伝達経路にトルクリミッタ7を配置しているため、ボールねじ軸93が障害物と当接する等してその伸長が規制されるような状況になっても、ロータインナ52cと駆動源出力軸6の間で滑りを生じさせてトルク伝達経路を遮断することができる。従って、減速機2やボールねじ91に過大な負荷が作用することを防止し、減速機2やボールねじ91の破損を防止することができる。
また、トルクリミッタ7が、モータ部5のロータ52(ロータインナ52c)の内周面と、これに対向する駆動源出力軸6の外周面との間の隙間に配置されているため、モータ部5の軸方向隣接位置にトルクリミッタ7を配置する場合に比べ、電動アクチュエータの軸方向寸法を小さくして電動アクチュエータの小型化を図ることができる。
特に第二実施形態のような直線運動型の電動アクチュエータでは、ボールねじ軸93が進退移動するスペースが必要となるため、モータ部5とトルクリミッタ7とを軸方向隣接位置に配置した場合には、進退移動するボールねじ軸93とトルクリミッタ7とが干渉するおそれがある。これを回避するには、ボールねじ軸93をモータ部5およびトルクリミッタ7の軸心に対して偏芯させて配置せざるを得ず、電動アクチュエータが大型化する。
これに対し、第二実施形態では、トルクリミッタ7を、ロータインナ52cと駆動源出力軸6に対して半径方向で重畳させる形で配置することに加えて、中空の駆動源出力軸6を用いて回転駆動源1を中空構造とし、駆動源出力軸6の内径側にボールねじ軸93を収容するスペースを設けている。従って、ボールねじ軸93をモータ部5、さらにはトルクリミッタ7と同軸に配置することができ、そのために直線運動型の電動アクチュエータを小型化することができる。
また、図1に示す第一実施形態(回転運動型)の電動アクチュエータと、図6に示す第二実施形態(直線運動型)の電動アクチュエータを対比すると、回転駆動源1および減速機2は実質的に共通した構成を有する。そのため、回転駆動源1および減速機2を両タイプの電動アクチュエータで共用化することができる。すなわち、第一実施形態の電動アクチュエータにおいて、最終出力軸3を使用せずに、ボールねじ91を使用して、ボールねじ軸93を駆動源出力軸6の内周に配置することにより、第二実施形態の電動アクチュエータを得ることができる。このように回転駆動源1および減速機2を共用化することで、電動アクチュエータの低コスト化を図ることができる。また、回転運動型と直線運動型の電動アクチュエータをシリーズ化し、商品展開力を強化することもできる。
以上の実施形態の説明では、減速機2としてトラクションドライブ式の遊星減速機を例示している。これはバックラッシが少なく、低騒音であることに鑑みて採用したものである。減速機2の構成は任意であり、上記の利点に対する必要性が乏しい場合には、減速機2として、ギヤを用いた遊星ギヤ減速機を使用することもできる。もちろん遊星減速機以外の構成を有する減速機も使用することができる。
また、トラクションドライブ式の遊星減速機2にトラクションを与える手法として、蓋部83の取り付け時に外側リング22を内径側に変形させる場合を説明したが、トラクションを付与する機構は任意に採用することができる。例えば外側リング22をケーシング82の内周面に所定の締め代で圧入することにより、外側リング22を内径側に縮径させて減速機2にトラクションを付与することもできる。
また、以上の実施形態では、ロータインナ52cの軸方向他方側の端部の内周面にトルクリミッタ7を配置する場合を説明したが、トルクリミッタ7の配設位置は特に限定されず、ロータインナ52cの内周面と駆動源出力軸6の外周面との間の隙間内で任意の位置に配置することができる。例えばロータインナ52cの軸方向一方側の端部の内周面にトルクリミッタ7を配置することもできる。
また、以上の説明では、モータ部5としてラジアルギャップ型の電動モータを例示したが、任意の構成のモータを採用することができる。例えば、ケーシングに固定されたステータと、ステータの軸方向内側に隙間をもって対向するように配置されたロータとを備えるアキシャルギャップ型の電動モータであってもよい。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 回転駆動源
2 減速機
3 最終出力軸
5 モータ部
6 駆動源出力軸
6a 雄セレーション
7 トルクリミッタ
8 ケーシング
51 ステータ
52 ロータ
52c ロータインナ
53 軸受
54 軸受
521 環状凹部
522 雌セレーション
2 減速機
3 最終出力軸
5 モータ部
6 駆動源出力軸
6a 雄セレーション
7 トルクリミッタ
8 ケーシング
51 ステータ
52 ロータ
52c ロータインナ
53 軸受
54 軸受
521 環状凹部
522 雌セレーション
Claims (6)
- ステータおよびロータを有するモータ部と、前記ロータの内径側に配置され、ロータの回転を出力する駆動源出力軸と、トルクリミッタとを有する電動アクチュエータ用回転駆動源において、
前記トルクリミッタを、ロータの内周面と、これに対向する駆動源出力軸の外周面との間に配置したことを特徴とする電動アクチュエータ用回転駆動源。 - ケーシングに固定した一対の軸受でロータの回転を支持し、一対の軸受の間にトルクリミッタを配置した請求項1に記載の電動アクチュエータ用回転駆動源。
- トルクリミッタとして、ロータに固定された摩擦板と、駆動源出力軸に固定された摩擦板とを有する多板クラッチを使用した請求項1または2に記載の電動アクチュエータ用回転駆動源。
- 駆動源出力軸を中空にした請求項1〜3何れか1項に記載の電動アクチュエータ用回転駆動源。
- 請求項1〜4何れか1項に記載した回転駆動源の駆動源出力軸に減速機を接続し、減速機の出力側に最終出力軸を接続した電動アクチュエータ。
- 請求項1〜4何れか1項に記載した回転駆動源の駆動源出力軸に減速機を接続し、減速機の出力側に運動変換機構を接続した電動アクチュエータ。
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