JP2018073786A - 接続部材、及び、コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない工程数で接続部材を編組線に接続すること。【解決手段】シールド電線10Aを挟み込む一対の金属製の半割体34を備え、半割体34は、底壁35と、底壁35から立ち上がっている2つの第1側壁36とを有し、各第1側壁36の底壁35とは逆側の縁部に、当該第1側壁36の壁面に垂直な方向から見て底壁35側に半円状に凹む凹部38が形成されており、一対の半割体34は、一方の半割体34の一方の凹部38と他方の半割体34の一方の凹部38とによってシールド電線10Aを挟み込むとともに、一方の半割体34の他方の凹部38と他方の半割体34の他方の凹部38とによってシールド電線10Aを挟み込むようにシールド電線10Aに取り付けられるものであり、複数の凹部38の少なくとも一つが半円状に凹む圧接刃38として形成されており、圧接刃38がシース20に食い込んで編組線に接触する。【選択図】図7
Description
本明細書で開示する技術は、接続部材、及び、コネクタに関する。
従来、被覆電線と、内側に被覆電線が挿通されている筒状の編組線と、編組線を被覆しているシースとを有するシールド電線において、シールド回路を確保するために接続部材を介して編組線をアース部材に電気的に接続する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1に記載の端子とシールド電線の接続構造では、端子(接続部材に相当)が一対のカシメ片を有しており、シースの前端部外周に、一対のカシメ片が包囲するようにカシメ付けられ、編組線におけるシースの前端からの露出部分が後方へ折り返されて一対のカシメ片に被せられ、編組線の折返し部分の外周に金属製のカシメリングがカシメ付けられることで、編組線が、一対のカシメ片とカシメリングとの間で径方向に挟み付けられた状態で、端子に導通可能に接続されている。そして、端子に設けられている接続部がボルト等によってアース部材に接続されることによってシールド回路が確保される。
しかしながら、特許文献1に記載の接続構造によると、端子を編組線に接続するための工程数が多くなってしまうという問題があった。具体的には、当該接続構造では少なくとも以下の4つの工程が必要であった。
(1)シースを剥いで編組線を露出させる工程
(2)一対のカシメ片を端子にカシメ付ける工程
(3)編組線の露出部分を後方へ折り返してカシメ片に被せる工程
(4)編組線の折返し部分の外周にカシメリングをカシメ付ける工程
(2)一対のカシメ片を端子にカシメ付ける工程
(3)編組線の露出部分を後方へ折り返してカシメ片に被せる工程
(4)編組線の折返し部分の外周にカシメリングをカシメ付ける工程
本明細書では、少ない工程数で接続部材を編組線に接続することができる技術を開示する。
本明細書で開示する接続部材は、被覆電線と、内側に前記被覆電線が挿通されている筒状の編組線と、前記編組線を被覆しているシースとを有するシールド電線に取り付けられて前記編組線をアース部材に電気的に接続する接続部材であって、前記シールド電線の延伸方向に直交する方向の両側から前記シールド電線を挟み込む一対の金属製の半割体を備え、前記半割体は、底壁と、前記底壁から立ち上がっている2つの側壁とを有し、各前記側壁の前記底壁とは逆側の縁部に、当該側壁の壁面に垂直な方向から見て前記底壁側に半円状に凹む凹部が形成されており、前記一対の半割体は、一方の前記半割体の一方の前記凹部と他方の前記半割体の一方の前記凹部とによって前記シールド電線を挟み込むとともに、一方の前記半割体の他方の前記凹部と他方の前記半割体の他方の前記凹部とによって前記シールド電線を挟み込むように前記シールド電線に取り付けられるものであり、複数の前記凹部の少なくとも一つが半円状に凹む圧接刃として形成されており、前記圧接刃が前記シースに食い込んで前記編組線に接触する。
上記の接続部材によると、2つの半割体によってシールド電線を挟み込むという一つの工程で接続部材を編組線に接続することができる。このため、従来のように4つの工程が必要な場合に比べ、少ない工程数で接続部材を編組線に接続することができる。
また、各前記半割体は突き当て部を有し、前記一対の半割体が前記シールド電線に取り付けられると一方の前記半割体の前記突き当て部と他方の前記半割体の前記突き当て部とが互いに突き当たってもよい。
仮に突き当て部が設けられていないとすると、例えば一方の半割体の側壁に対して他方の半割体の側壁がシールド電線の延伸方向にずれていた場合に、側壁同士が突き当たらないことにより、圧接刃がシールド電線に過剰に食い込んでしまう虞がある。これに対し、上記の接続部材によると、突き当て部同士が突き当たることにより、圧接刃が過剰に食い込んでしまうことを抑制することができる。
また、当該接続部材は筒状に形成されている前記アース部材の内側に挿入されて前記編組線と前記アース部材とを接続するものであり、各前記半割体に、前記アース部材の内周面に圧接する圧接部が設けられていてもよい。
上記の接続部材によると、接続部材をアース部材に圧入することにより、接続部材とアース部材との間をガタ詰めすることができる。
また、前記接続部材は複数のシールド電線に取り付けられるものであり、各前記側壁に前記シールド電線の数と同数の前記凹部が形成されており、同一の前記シールド電線を挟み込む複数の前記凹部の少なくとも一つが前記圧接刃として形成されていてもよい。
上記の接続部材によると、シールド電線が複数あっても接続部材は一つでよいので、シールド電線ごとに接続部材を設ける場合に比べて部品点数を少なくすることができる。
また、本明細書で開示するコネクタは、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の接続部材と、コネクタハウジングと、前記コネクタハウジングの内側に収容されている筒状のアース部材と、を備え、前記シールド電線に取り付けられている前記接続部材が前記アース部材の内側に挿入されて前記編組線と前記アース部材とが前記接続部材を介して電気的に接続されている。
上記のコネクタによると、従来のように4つの工程が必要な場合に比べ、少ない工程数で接続部材を編組線に接続することができる。
本明細書で開示する技術によれば、少ない工程数で接続部材を編組線に接続することができる。
<実施形態1>
実施形態1を図1ないし図8に基づいて説明する。以降の説明において前後方向、左右方向及び上下方向とは、図1に示す前後方向、左右方向及び上下方向を基準とする。前後方向は嵌合方向の一例である。
実施形態1を図1ないし図8に基づいて説明する。以降の説明において前後方向、左右方向及び上下方向とは、図1に示す前後方向、左右方向及び上下方向を基準とする。前後方向は嵌合方向の一例である。
(1)雌型コネクタの概略
先ず、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るコネクタとしての雌型コネクタ1の概略について説明する。雌型コネクタ1は車両に搭載されるものであり、前側から図示しない雄型コネクタが嵌合挿入されることによって車載機器同士を電気的に接続するものである。
先ず、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るコネクタとしての雌型コネクタ1の概略について説明する。雌型コネクタ1は車両に搭載されるものであり、前側から図示しない雄型コネクタが嵌合挿入されることによって車載機器同士を電気的に接続するものである。
(2)雌型コネクタの構成
図5及び図6に示すように、雌型コネクタ1は、2本の端子付き電線10、ハウジング11(コネクタハウジングの一例)、嵌合検知部12、シールドシェル13(アース部材の一例)、接続部材14、第1シール部材15、第2シール部材16、リテーナ17などを備えている。
図5及び図6に示すように、雌型コネクタ1は、2本の端子付き電線10、ハウジング11(コネクタハウジングの一例)、嵌合検知部12、シールドシェル13(アース部材の一例)、接続部材14、第1シール部材15、第2シール部材16、リテーナ17などを備えている。
図6に示すように、端子付き電線10はシールド電線10Aと金属製の雌端子10Bとを有している。図8に示すように、シールド電線10Aは複数の芯線18Aを合成樹脂製のコア18Bによって被覆した被覆電線18、被覆電線18が内側に挿入されている筒状の編組線19、及び、編組線19を被覆しているシース20を有している。図5に示すように、シールド電線10Aは先端部(図5において右側の端部)が皮剥ぎされて芯線18Aが露出しており、その露出している芯線18Aに雌端子10Bが圧着により取り付けられている。
雌端子10Bは銅や銅合金などの金属製の板材を曲げ加工することによって形成されたものであり、前端部に前後方向に開口する角筒状の接触部21が形成されている。図6に示すように、角筒状の接触部21の下壁には内側に折り返された弾性接触片22が設けられているとともに、後述するランス25が嵌る開口23が形成されている。
図3及び図4に示すように、ハウジング11は前後方向から見て左右方向に長い長方形状をなしている。図5及び図6に示すように、ハウジング11は雌端子10Bが収容される端子収容部11A、端子収容部11Aを囲む前側フード部11B、及び、端子収容部11Aの後側に設けられている後側フード部11Cを備えている。
図5に示すように、端子収容部11Aには前後方向に貫通する貫通穴24が左右に並んで二つ形成されている。各貫通穴24は断面が矩形に形成されており、内側に雌端子10Bが挿入されている。図6に示すように、貫通穴24の内壁面には内側に張り出すランス25が設けられており、雌端子10Bに形成されている開口23にランス25が嵌ることによって雌端子10Bが後側に抜けてしまうことが防止されている。
また、図5及び図6に示すように、端子収容部11Aは後側から前側に向かって基端部26、中間部27、前端部28の3つの部分を有しており、この順で左右方向及び上下方向の幅が段階的に小さくなっている。
また、図5及び図6に示すように、端子収容部11Aは後側から前側に向かって基端部26、中間部27、前端部28の3つの部分を有しており、この順で左右方向及び上下方向の幅が段階的に小さくなっている。
図6に示すように、前側フード部11Bは前側に向かって開口している。前側フード部11Bは図示しない雄型コネクタが備える角筒状のフード部が内側に嵌合挿入されるものである。雄型コネクタのフード部が前側フード部11Bに挿入されると雄型コネクタが備える平板状の雄端子が雌端子10Bの角筒状の接触部21の内側に挿入され、弾性接触片22が雄端子に弾性接触して雌端子10Bと雄端子とが電気的に接続される。
図4に示すように、後側フード部11Cは前側フード部11Bより小さく形成されている。図6に示すように後側フード部11Cは後側に向かって開口しており、端子付き電線10が挿通されている。
図1に示すように、嵌合検知部12はハウジング11の上側に設けられている。嵌合検知部12は雌型コネクタ1と雄型コネクタとの嵌合を検知するためのものである。嵌合検知部12についての詳細な説明は省略する。
図1に示すように、嵌合検知部12はハウジング11の上側に設けられている。嵌合検知部12は雌型コネクタ1と雄型コネクタとの嵌合を検知するためのものである。嵌合検知部12についての詳細な説明は省略する。
図6に示すように、シールドシェル13は後側フード部11Cの内側に収容されている。シールドシェル13は後述するシールド回路を確保するためのものであり、銅や銅合金などの金属製の板材を後側フード部11Cの内周形状に合わせて略角筒状に曲げ加工することによって形成されている。
また、シールドシェル13の上壁及び下壁の後端部には内側に折り返された弾性接触片29が設けられている。図4に示すように、弾性接触片29はシールドシェル13の上壁及び下壁のそれぞれに左右方向に並んで3つずつ設けられている。
また、シールドシェル13の上壁及び下壁の後端部には内側に折り返された弾性接触片29が設けられている。図4に示すように、弾性接触片29はシールドシェル13の上壁及び下壁のそれぞれに左右方向に並んで3つずつ設けられている。
また、図5に示すように、シールドシェル13の左壁及び右壁にはそれぞれ前側に延びる延出部30が一体に形成されている。そして、端子収容部11Aにおいて基端部26と中間部27との段差には前後方向に貫通する貫通穴が形成されており、延出部30はその貫通穴に挿通されて中間部27の前端近傍まで延びている。延出部30は前側部分が内側に折り返されており、その折り返されている部分が中間部27の外面に接触している。
また、延出部30の外面には叩き出しによってボス31が形成されている。図示しない雄型コネクタにはシールド金具が収容されており、雌型コネクタ1の内側に雄型コネクタが嵌合挿入されると雄型コネクタのシールド金具がボス31に接触する。雄型コネクタのシールド金具は接地されており(あるいは嵌合後に接地されるものであり)、シールドシェル13はボス31がシールド金具に接触することによって雄型コネクタを介して接地される。
図5及び図6に示すように、第1シール部材15は略角筒状に形成されており、端子収容部11Aの基端部26の外周面に嵌着されている。第1シール部材15は合成ゴム製の部材であり、図示しない雄型コネクタのフード部が前側フード部11Bに嵌合挿入されると雄型コネクタのフード部と前側フード部11Bとの間が第1シール部材15によってガタ詰めされる。
第2シール部材16は合成ゴム製の部材であり、外周形状が後側フード部11Cの内周形状より少し大きい形状に形成されている。図5に示すように、第2シール部材16は前後方向にある程度の厚みを有しており、前後方向に貫通する貫通穴32が左右に並んで2つ形成されている。第2シール部材16はこれらの貫通穴32にシールド電線10Aが挿通された状態で後側フード部11Cに後側から圧入されることにより、ハウジング11内に後側から水が浸入することを防止する。
リテーナ17は後側フード部11Cに取り付けられて第2シール部材16やシールドシェル13の脱落を防止するものである。リテーナ17はカップ状に形成されており、シールド電線10Aが挿通される開口33が左右方向に並んで2つ形成されている。
(2)接続部材
図6に示すように、接続部材14はシールド電線10Aに取り付けられて編組線19とシールドシェル13とを電気的に接続するためのものである。
図7に示すように、接続部材14はシールド電線10Aの延伸方向(ここでは前後方向)に直交する方向(ここでは上下方向)の両側からシールド電線10Aを挟み込む一対の半割体34を備えている。
図6に示すように、接続部材14はシールド電線10Aに取り付けられて編組線19とシールドシェル13とを電気的に接続するためのものである。
図7に示すように、接続部材14はシールド電線10Aの延伸方向(ここでは前後方向)に直交する方向(ここでは上下方向)の両側からシールド電線10Aを挟み込む一対の半割体34を備えている。
半割体34は銅や銅合金などの金属製の板材を打ち抜いた所定形状の金属板を曲げ加工することによって形成されたものであり、長方形状の底壁35、底壁35の短手方向(ここでは前後方向)の両側の縁部に沿って底壁35から立ち上がっている互いに平行な2つの第1側壁36(側壁の一例)、及び、底壁35の長手方向(ここでは左右方向)の両側の縁部に沿って底壁35から立ち上がっている互いに平行な2つの第2側壁37を有している。なお、2つの第1側壁36は必ずしも平行でなくてもよい。
各第1側壁36には、底壁35とは逆側の縁部に、第1側壁36の壁面に垂直な方向(ここでは前後方向)から見て底壁35側に半円状に凹む凹部38が左右に並んで二つ設けられている。各凹部38はそれぞれ半円状に凹む圧接刃として形成されている。以降の説明では凹部38のことを圧接刃38という。
第2側壁37には、底壁35とは逆側の端部に、底壁35とは逆側に張り出した部分を内側に略90度曲げることによって突き当て部39が形成されている。また、第2側壁37の外壁面には前後方向に延びるボス40が叩き出しによって形成されている。ボス40はシールドシェル13の内周面に圧接して半割体34のガタつきを抑制するためのものである。
第2側壁37には、底壁35とは逆側の端部に、底壁35とは逆側に張り出した部分を内側に略90度曲げることによって突き当て部39が形成されている。また、第2側壁37の外壁面には前後方向に延びるボス40が叩き出しによって形成されている。ボス40はシールドシェル13の内周面に圧接して半割体34のガタつきを抑制するためのものである。
(3)接続部材の組み付け
図6に示すように、一対の半割体34は一方の半割体34の一方の圧接刃38と他方の半割体34の一方の圧接刃38とによってシールド電線10Aを挟み込むとともに、一方の半割体34の他方の圧接刃38と他方の半割体34の他方の圧接刃38とによってシールド電線10Aを挟み込むようにシールド電線10Aに取り付けられる。より具体的には、上側の半割体34の前側の圧接刃38と下側の半割体34の前側の圧接刃38とによってシールド電線10Aを挟み込むとともに、上側の半割体34の後側の圧接刃38と下側の半割体34の後側の圧接刃38とによってシールド電線10Aを挟み込むようにシールド電線10Aに取り付けられる。
図6に示すように、一対の半割体34は一方の半割体34の一方の圧接刃38と他方の半割体34の一方の圧接刃38とによってシールド電線10Aを挟み込むとともに、一方の半割体34の他方の圧接刃38と他方の半割体34の他方の圧接刃38とによってシールド電線10Aを挟み込むようにシールド電線10Aに取り付けられる。より具体的には、上側の半割体34の前側の圧接刃38と下側の半割体34の前側の圧接刃38とによってシールド電線10Aを挟み込むとともに、上側の半割体34の後側の圧接刃38と下側の半割体34の後側の圧接刃38とによってシールド電線10Aを挟み込むようにシールド電線10Aに取り付けられる。
上述した取り付けにおいて、各半割体34はそれぞれシールド電線10Aに向けて押圧される。これにより、図8に示すように圧接刃38がシース20に食い込んで編組線19に接触する。そして、圧接刃38が編組線19にある程度接触する位置まで各半割体34がそれぞれ押圧されると一方の半割体34の突き当て部39と他方の半割体34の突き当て部39とが互いに突き当たることによってそれ以上の食い込みが規制される。
そして、図6に示すように、接続部材14が取り付けられたシールド電線10Aが後側から雌コネクタ1に挿入されることにより、接続部材14がシールドシェル13の内側に挿入される。接続部材14がシールドシェル13の内側に挿入されると、図4に示すようにボス40がシールドシェル13の内周面に圧接するとともに、図6に示すようにシールドシェル13の弾性接触片29が各半割体34の底壁35に圧接する。これにより編組線19が接続部材14を介してシールドシェル13に電気的に接続され、シールド回路が確保される。
(4)実施形態の効果
以上説明した接続部材14によると、一対の半割体34によってシールド電線10Aを挟み込むという一つの工程で接続部材14を編組線19に接続することができる。このため、従来のように4つの工程が必要な場合に比べ、少ない工程数で接続部材14を編組線19に接続することができる。
以上説明した接続部材14によると、一対の半割体34によってシールド電線10Aを挟み込むという一つの工程で接続部材14を編組線19に接続することができる。このため、従来のように4つの工程が必要な場合に比べ、少ない工程数で接続部材14を編組線19に接続することができる。
また、接続部材14によると、経時変化によってシース20が細くなってしまったとしても接続部材14がシールド電線10Aに対してシールド電線10Aの延伸方向に移動してしまうことを規制することができる。以下、具体的に説明する。
シース20は経時変化によって細くなってしまうことが懸念される。前述した特許文献1(特開2009−117286号公報)に記載の技術ではシースが細くなるとカシメリングやカシメ片の固定が緩くなり、カシメリングやカシメ片がシールド電線の延伸方向に移動してしまうことが懸念される。これに対し、接続部材14によると、圧接刃38が編組線19に接触する位置まで食い込むので、シース20が細くなってしまっても圧接刃38がシース20に食い込んだ状態が維持される。このため、接続部材14がシールド電線10Aの延伸方向に移動してしまうことを規制することができる。
また、接続部材14によると、前後の2か所でシールド電線10Aに圧接するので、1か所だけで圧接する場合に比べて車両振動によるシールド電線10Aの振動を抑制することができる。これにより雌端子10Bや雄端子の摩耗を抑制することができる。
更に、接続部材14によると、一方の半割体34の突き当て部39と他方の半割体34の突き当て部39とが互いに突き当たる。仮に突き当て部39が設けられていないとすると、一方の半割体34の第1側壁36に対して他方の半割体34の第1側壁36がシールド電線10Aの延伸方向にずれていた場合に、第1側壁36同士が突き当たらないことにより、圧接刃38がシールド電線10Aに過剰に食い込んでしまう虞がある。これに対し、接続部材14によると、突き当て部39同士が突き当たることにより、圧接刃38が過剰に食い込んでしまうことを抑制することができる。
更に、接続部材14によると、接続部材14の第2側壁37の外周面にボス40が形成されているので、接続部材14とシールドシェル13との間をガタ詰めすることができる。これにより、車両振動によるシールド電線10Aの振動をより抑制することができる。このため雌端子10Bや雄端子の摩耗をより抑制することができる。
更に、接続部材14によると、接続部材14は2本のシールド電線10Aに取り付けられるものであり、各第1側壁36にシールド電線10Aの数と同数(ここでは2つ)の凹部38が形成されており、同一のシールド電線10Aを挟み込む複数の凹部38の少なくとも一つが圧接刃38として形成されている。このようにするとシールド電線10Aが2本あっても接続部材14は一つでよいので、シールド電線10Aごとに接続部材14を設ける場合に比べて部品点数を少なくすることができる。
また、雌型コネクタ1によると、従来のように4つの工程が必要な場合に比べ、少ない工程数で接続部材14を編組線19に接続することができる。
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術的範囲に含まれる。
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では全ての凹部38が圧接刃として形成されている場合を例に説明したが、同一のシールド電線10Aを挟み込む複数の凹部38の少なくとも一つが圧接刃として形成されていれば、必ずしも全ての凹部38が圧接刃として形成されていなくてもよい。
(2)上記実施形態では各半割体34が底壁35、第1側壁36、及び、第2側壁37を備えている場合を例に説明したが、第2側壁37は必ずしも設けられていなくてもよい。その場合は第1側壁36に弾性接触片29と同様の弾性接触片を圧接部として設けることによって接続部材14をシールドシェル13の内周面に圧接させてもよい。
(3)上記実施形態では第2側壁37に突き当て部39が一体に設けられている場合を例に説明したが、突き当て部39は設けられていなくてもよい。あるいは、突き当て部39は第1側壁36に設けられていてもよい。
(4)上記実施形態では第2側壁37の外壁面に圧接部としてボス40が設けられている場合を例に説明したが、例えば第2側壁37に弾性接触する弾性接触片がシールドシェル13に設けられている場合は圧接部を設けなくてもよい。また、上記実施形態では圧接部として叩き出しによって形成されたボス40を例に説明したが、圧接部は弾性接触片29と同様の弾性接触片であってもよい。
(5)上記実施形態では一つの第1側壁36に圧接刃38が2つ形成されている場合を例に説明したが、第1側壁36に形成される圧接刃38の数はシールド電線10Aの数に応じて適宜に決定することができる。また、上記実施形態では複数のシールド電線10Aに対して接続部材14が1つであるが、シールド電線10Aごとに接続部材14を個別に設けてもよい。その場合は各第1側壁36には圧接刃38が一つだけ形成されることになる。
(6)上記実施形態ではコネクタとして雌型コネクタ1を例に説明したが、コネクタは雄型コネクタであってもよい。
1…雌型コネクタ(コネクタの一例)、10A…シールド電線、11…ハウジング、13…シールドシェル(アース部材の一例)、14…接続部材、18…被覆電線、19…編組線、20…シース、34…半割体、35…底壁、36…第1側壁(側壁の一例)、38…凹部(圧接刃)、39…突き当て部、40…ボス(圧接部の一例)
Claims (5)
- 被覆電線と、内側に前記被覆電線が挿通されている筒状の編組線と、前記編組線を被覆しているシースとを有するシールド電線に取り付けられて前記編組線をアース部材に電気的に接続する接続部材であって、
前記シールド電線の延伸方向に直交する方向の両側から前記シールド電線を挟み込む一対の金属製の半割体を備え、
前記半割体は、底壁と、前記底壁から立ち上がっている2つの側壁とを有し、各前記側壁の前記底壁とは逆側の縁部に、当該側壁の壁面に垂直な方向から見て前記底壁側に半円状に凹む凹部が形成されており、
前記一対の半割体は、一方の前記半割体の一方の前記凹部と他方の前記半割体の一方の前記凹部とによって前記シールド電線を挟み込むとともに、一方の前記半割体の他方の前記凹部と他方の前記半割体の他方の前記凹部とによって前記シールド電線を挟み込むように前記シールド電線に取り付けられるものであり、
複数の前記凹部の少なくとも一つが半円状に凹む圧接刃として形成されており、前記圧接刃が前記シースに食い込んで前記編組線に接触する、接続部材。 - 各前記半割体は突き当て部を有し、前記一対の半割体が前記シールド電線に取り付けられると一方の前記半割体の前記突き当て部と他方の前記半割体の前記突き当て部とが互いに突き当たる、請求項1に記載の接続部材。
- 当該接続部材は筒状に形成されている前記アース部材の内側に挿入されて前記編組線と前記アース部材とを接続するものであり、各前記半割体に、前記アース部材の内周面に圧接する圧接部が設けられている、請求項1又は請求項2に記載の接続部材。
- 前記接続部材は複数のシールド電線に取り付けられるものであり、
各前記側壁に前記シールド電線の数と同数の前記凹部が形成されており、
同一の前記シールド電線を挟み込む複数の前記凹部の少なくとも一つが前記圧接刃として形成されている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の接続部材。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の接続部材と、
コネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングの内側に収容されている筒状のアース部材と、
を備え、前記シールド電線に取り付けられている前記接続部材が前記アース部材の内側に挿入されて前記編組線と前記アース部材とが前記接続部材を介して電気的に接続されている、コネクタ。
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JP2016216434A JP2018073786A (ja) | 2016-11-04 | 2016-11-04 | 接続部材、及び、コネクタ |
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- 2016-11-04 JP JP2016216434A patent/JP2018073786A/ja active Pending
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