本発明は、ユーザが調理工程を実行するのにかけられる時間が制限される場合であっても、料理の品質が低下することを抑制する情報処理方法等を提供する。
なお、ユーザが完成させた料理の品質が低い場合、料理が廃棄され、新たな料理を完成させる必要が生ずることもある。この場合、廃棄した料理に要した食材、物品及び電力などの資源が無駄になるという問題が生ずる。本発明は、ユーザが調理工程を実行するのにかけられる時間が制限される場合であっても、料理の品質が低下することを抑制するものであるので、同時に、上記資源の無駄の問題を解決し得る。
本発明の一態様に係る情報処理方法は、プロセッサを用いて、複数の調理工程を経て調理される料理の前記複数の調理工程それぞれに要する所要時間を含む料理データを取得し、前記複数の調理工程を下準備工程と仕上げ工程とに区切るための要求情報であって、ユーザが前記下準備工程にかける時間と、前記ユーザが前記仕上げ工程にかける時間との少なくとも一方についての要求を示す要求情報を受け付け、前記料理データに含まれる前記所要時間に基づいて、前記要求情報を満たす、前記複数の調理工程を前記下準備工程と前記仕上げ工程とに区切る区切り位置を決定し、決定した前記区切り位置を示す情報を出力装置に出力させる。
上記態様によれば、ユーザの調理工程(つまり、下準備工程又は仕上げ工程)についての時間的な要求を受け付け、受け付けた要求を満たすように区切り位置を決定する。よって、本発明の一態様に係る情報処理方法によれば、ユーザが調理工程を実行するのにかけられる時間が制限される場合であっても、料理の品質が低下することを抑制することができる。また、同時に、仮に完成させた料理の品質が低かった場合に発生し得る資源の無駄の問題を解決し得る。
例えば、前記要求情報は、ユーザが前記下準備工程にかける時間の上限を示す第一上限時間と、前記ユーザが前記仕上げ工程にかける時間の上限を示す第二上限時間との少なくとも一方を示し、前記区切り位置を決定することは、前記要求情報が前記第一上限時間を示している場合には、前記下準備工程に要する時間が前記第一上限時間を超えない前記区切り位置を決定し、前記要求情報が前記第二上限時間を示している場合には、前記仕上げ工程に要する時間が前記第二上限時間を超えない前記区切り位置を決定することを含む。
上記態様によれば、ユーザの調理工程についての時間的な要求として、具体的に、下準備工程又は仕上げ工程にかける上限時間を受け付ける。そして、受け付けた上限時間を超えないように区切り位置を決定する。このようにして、料理の品質が低下することを抑制することができる。
例えば、前記料理データを取得することは、複数の前記料理それぞれの前記料理データを取得することを含み、前記要求情報を受け付けることは、前記複数の前記料理すべての下準備工程をユーザがまとめて行うのにかける時間の上限を示す前記第一上限時間と、前記複数の前記料理それぞれの仕上げ工程をユーザが個別に行うのにかける時間の上限を示す前記第二上限時間との少なくとも一方を示す前記要求情報を受け付けることを含み、前記区切り位置を決定することは、前記複数の前記料理それぞれについての前記区切り位置を決定することを含む。
上記態様によれば、複数の料理の下準備工程をまとめて行うとともに、各料理の仕上げ工程を個別に行うように、複数の料理の調理工程を分類することで、区切り位置を決定する。これにより、例えば休日に下準備をまとめて行い、平日に仕上げ工程を個別に行うというスケジュールを立てることができる。
例えば、前記情報処理方法では、さらに、前記区切り位置を決定した場合に、前記調理工程において作成される中間食材を保存状態から復帰させる復帰工程を、前記複数の調理工程に追加し、前記区切り位置を示す情報を出力させることは、追加した前記復帰工程を示す情報をさらに出力させることを含む。
上記態様によれば、区切り位置を示す情報と合わせて、復帰工程を示す情報が出力される。ユーザは、復帰工程を示す情報を視認することで、中間食材を保存状態から復帰させる工程が必要であることを直観的に理解することができる。
例えば、前記区切り位置を決定することは、前記要求情報を満たす前記区切り位置が存在しない場合に、前記区切り位置が存在しないことを示す情報を生成することを含み、前記情報処理方法では、さらに、前記区切り位置が存在しないことを示す情報を出力させる。
上記態様によれば、ユーザの要求を満たせないことをユーザに認識させることができる。これにより、要求を変更する、料理についての条件を変更する等、ユーザの次の行動を取りやすくすることができる。
例えば、前記区切り位置を決定することは、前記要求情報を満たす前記区切り位置が存在しない場合に、要求情報を所定時間だけ超過した超過要求情報を生成し、前記料理データに示される前記所要時間に基づいて、前記超過要求情報を満たす、前記複数の調理工程を前記下準備工程と前記仕上げ工程とに区切る新たな区切り位置を決定し、前記区切り位置を示す情報を出力させることは、決定した前記新たな区切り位置を示す情報を出力させることを含む。
上記態様によれば、ユーザの要求を満たせない場合であっても、比較的短い所定時間を加算することでユーザの要求を満たせる場合には、この所定時間を加えた要求時間を満たすように区切り位置を決定する。これにより、ユーザの要求をより柔軟に捉えて区切り位置を決定することで、料理の品質が低下することを抑制することができる。
例えば、決定した前記新たな区切り位置を示す情報を出力させることは、さらに、前記所定時間を出力させることを含む。
上記態様によれば、ユーザの要求を満たせないことから所定時間を加算して区切り位置を決定した場合に、加算した所定時間をユーザに知らせることができる。これにより、ユーザは、自身の要求からどれだけ差があるかを認識することができる。
例えば、前記区切り位置を決定することは、前記超過要求情報を満たすように前記新たな区切り位置を決定するか否かを示す情報を、ユーザから受け付け、前記新たな区切りを決定することを示す情報を受け付けた場合に限り、前記超過要求情報を生成し、前記新たな区切りを決定することを含み、前記区切り位置を示す情報を出力させることは、決定した前記新たな区切り位置を示す情報を出力させることを含む。
上記態様によれば、ユーザの要求を満たせないことから所定時間を加算して区切り位置を決定する場合に、そのような決定をするか否かについての指示を予めユーザから受け付ける。よって、ユーザが、所定時間を加算して区切り位置を決定することを望む場合に限り、そのような区切り位置をユーザに提示することができる。
例えば、前記料理データは、さらに、前記複数の調理工程それぞれで作成された中間食材の保存可能期間を含み、前記情報処理方法では、さらに、ユーザの要求に基づいて算出される保存要求期間を取得し、前記区切り位置を決定することは、前記保存要求期間が前記保存可能期間を超えない前記区切り位置を決定することを含む。
上記態様によれば、中間食材を保存することが求められる期間(保存要求期間)が、保存可能期間を超えないような区切り位置が決定される。複数の調理工程のどこに区切り位置を設定するかによって、中間食材の種別及び保存可能期間が変動し得る。そこで、区切り位置を決定する際に、中間食材の保存要求期間が保存可能期間を超えないように区切り位置を設定することで、中間食材をより適切に保存することができ、料理の品質が低下することを抑制することができる。
例えば、前記保存可能期間は、複数の保存方法それぞれにより前記中間食材を保存することができる期間を含む。
上記態様によれば、複数の保存方法で保存する場合の保存可能期間を考慮して、適切な保存方法を選択することも含めて、中間食材の保存要求期間が保存可能期間を超えないように区切り位置を設定することができる。
例えば、前記保存要求期間を取得することは、前記複数の料理すべての下準備工程をユーザがまとめて行う時点を示す第一時点と、前記複数の料理それぞれの仕上げ工程をユーザが個別に行う時点を示す、前記複数の料理それぞれについての第二時点とを取得し、前記第一時点から前記複数の料理それぞれについての前記第二時点までの時間長を有する期間を、前記複数の料理それぞれについての前記保存要求期間として取得することを含み、前記区切り位置を決定することは、前記複数の料理についての前記第二時点を相互に入れ替え、前記保存要求期間が前記保存可能期間を超えない前記区切り位置を決定することを含む。
上記態様によれば、ユーザが仕上げ工程を行う日として指定した日の中で料理を入れ替えて、ユーザの要求情報を満たす区切り位置を決定することができる。これにより、料理の入れ替えをしなければユーザの要求情報を満たせない場合に、料理の入れ替えを行うことで料理の品質が低下することを抑制することができる。
例えば、前記情報処理方法では、さらに、前記複数の料理についての前記第二時点を相互に入れ替えたことを示す情報を生成し、前記第二時点を相互に入れ替えたことを示す情報を出力装置に出力させる。
上記態様によれば、料理の入れ替えを行ったことをユーザに認識させることができる。
また、本発明の一態様に係る情報処理システムは、複数の調理工程を経て調理される料理の前記複数の調理工程それぞれに要する所要時間を含む料理データを取得する取得部と、前記複数の調理工程を下準備工程と仕上げ工程とに区切るための要求情報であって、ユーザが前記下準備工程にかける時間と、前記ユーザが前記仕上げ工程にかける時間との少なくとも一方についての要求を示す要求情報を受け付ける受付部と、前記料理データに含まれる前記所要時間に基づいて、前記要求情報を満たす、前記複数の調理工程を前記下準備工程と前記仕上げ工程とに区切る区切り位置を決定する決定部と、決定した前記区切り位置を示す情報を出力装置に出力させる出力部とを備える。
上記態様によれば、上記情報処理方法と同様の効果を奏する。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
本実施の形態において、ユーザが調理工程を実行するのにかけられる時間が制限される場合であっても、料理の品質が低下することを抑制する情報処理方法及び情報処理システムなどについて説明する。なお、料理の品質が高いとは、料理の味のしみこみ具合が良いこと、料理の食感が良いこと、又は、料理が衛生的であることなどの概念を含む概念である。
図1は、本実施の形態における情報処理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
図1に示されるように、情報処理システム1は、サーバ10と、端末20とを備える。サーバ10と端末20とは、ネットワークNにより通信可能に接続されている。
サーバ10は、ユーザからの料理に関する要求の入力を端末20から取得し、取得した料理に関する要求に基づいて、料理の調理工程に関する情報を生成し出力するサーバ装置である。サーバ10は、ネットワークNに通信可能に接続されていれば、物理的にどこにあってもよい。サーバ10は、ネットワークを介して利用され得るサーバ、例えばいわゆるクラウドサーバにより実現され得る。
端末20は、料理の調理工程に関する入力をユーザから受け付けてサーバ10に送信し、また、サーバ10による処理結果に基づいてユーザに情報を提示する端末装置である。端末20は、例えばパーソナルコンピュータ、又は、タブレット端末若しくはスマートフォン等の携帯端末により実現され得る。なお、一の端末20だけを図示しているが、端末20は、複数存在してもよい。この場合、ユーザそれぞれが一の端末20を使用することが想定されるが、これに限定されない。
次に、情報処理システム1の機能構成について説明する。図2は、本実施の形態における情報処理システム1の機能構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、情報処理システム1は、記憶部11と、取得部12と、受付部13と、決定部14と、出力部15とを備える。
記憶部11は、1以上の料理それぞれについての料理データ18を記憶している記憶装置である。記憶部11が記憶している料理データ18は、取得部12により読みとられる。料理データ18は、複数の調理工程を経て調理される料理について、複数の調理工程それぞれについて、当該調理工程に要する所要時間と、当該調理工程で生成された中間食材の保存可能期間とを示すデータである。
取得部12は、ユーザが調理しようとする料理に係る料理データ18を記憶部11から取得する処理部である。
受付部13は、料理の調理工程に関する要求情報をユーザから受け付ける処理部である。受付部13は、具体的には、複数の調理工程を下準備工程と仕上げ工程とに区切るための要求情報であって、ユーザが下準備工程にかける時間と、ユーザが仕上げ工程にかける時間との少なくとも一方についての要求を示す要求情報を受け付ける。受付部13が受け付ける要求情報は、例えば、「下準備工程の上限時間=30分」又は「仕上げ工程の上限時間=10分」というようなものである。なお、受付部13は、上記要求情報の他にも、料理の検索に関する情報等もユーザから受け付ける。
決定部14は、料理の複数の調理工程を下準備工程と仕上げ工程とに区切る区切り位置を決定する処理部である。決定部14は、具体的には、料理データ18に示される所要時間に基づいて、上記要求情報を満たすように、複数の調理工程を下準備工程と仕上げ工程とに区切る区切り位置を決定する。なお、決定部14は、受付部13が受け付けた料理の検索に関する情報に基づいて、料理の検索などの処理を行う。
要求情報は、ユーザが下準備工程にかける時間の上限を示す上限時間(「下準備工程の上限時間」又は「第一上限時間」ともいう)と、ユーザが仕上げ工程にかける時間の上限を示す仕上げ上限時間(「仕上げ工程の上限時間」又は「第二上限時間」ともいう)との少なくとも一方を示している。そして、決定部14が区切り位置を決定する際には、要求情報が下準備工程の上限時間を示している場合には、決定部14は下準備工程に要する時間が下準備工程の上限時間を超えないように区切り位置を決定する。また、要求情報が仕上げ工程の上限時間を示している場合には、決定部14は仕上げ工程に要する時間が仕上げ工程の上限時間を超えないように区切り位置を決定する。
なお、下準備工程の上限時間は、複数の料理すべての下準備工程をユーザがまとめて行うのにかける時間の上限である。また、仕上げ工程の上限時間は、複数の料理それぞれの下準備工程をユーザが個別に行うのにかける時間の上限である。
出力部15は、決定部14が決定した区切り位置を示す情報、及び、ユーザに対する通知等を出力する処理部である。区切り位置を示す情報とは、例えば、料理の複数の調理工程を、下準備工程と仕上げ工程とに分離したレシピである。出力部15は、画像を表示する表示装置、又は、音を出力するスピーカであってもよいし、上記画像又は上記音を示す情報を他の装置に送信する通信インタフェースであってもよい。ここでは、出力部15が画像を表示する表示装置である場合を例として説明する。
なお、ここでは、図2に示されるように、サーバ10が、記憶部11と、取得部12と、決定部14とを備え、端末20が、受付部13と、出力部15とを備える場合を例として説明する。この場合、受付部13及び出力部15と、決定部14との情報のやりとりは、ネットワークN上の通信を介してなされる。ただし、サーバ10と端末20との機能の分担は上記に限られない。
次に、サーバ10及び端末20のハードウェア構成の一例を説明する。
図3は、本実施の形態におけるサーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示されるように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、メインメモリ33と、ストレージ34と、通信IF(インタフェース)35とを備える。
CPU31は、ROM32又はストレージ34等に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。
ROM32は、制御プログラム等を保持する読み出し専用記憶領域である。
メインメモリ33は、CPU31が制御プログラムを実行するときに使用するワークエリアとして用いられる揮発性の記憶領域である。
ストレージ34は、制御プログラム、及び、コンテンツなどを保持する不揮発性の記憶領域である。
通信IF35は、通信データを送受信する通信インタフェースである。通信IF35は、例えば、IEEE802.3規格等に適合する有線通信インタフェース、又は、IEEE802.11a、b、g、n規格等に適合する無線通信インタフェースである。通信IF35は、通信信号の生成回路、及び、アンテナ又はコネクタ等を備える。また、通信IF35は、LTE(Long Term Evolution)など規格に準じたセルラ通信を介して通信を行ってもよい。
例えば、図2における記憶部11は、ストレージ34により実現され得る。取得部12、決定部14及び出力部15は、CPU31がメインメモリ33等を用いてプログラムを実行することで実現され得る。出力部15の実現には、通信IF35も用いられ得る。
図4は、本実施の形態における端末20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4に示されるように、端末20は、CPU41と、ROM42と、メインメモリ43と、ストレージ44と、通信IF45と、表示装置46と、入力装置47とを備える。
CPU41と、ROM42と、メインメモリ43と、ストレージ44と、通信IF45とは、サーバ10における同名の構成要素と同様である。
表示装置46は、情報を画像として表示する表示装置である。表示装置46は、例えば、液晶ディスプレイ、又は、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどである。
入力装置47は、ユーザによる入力操作を受け付ける入力装置である。入力装置47は、例えば、タッチパネル、キーボード又はマウスなどである。
なお、表示装置46と入力装置47とは、タッチパネル式ディスプレイにより実現され得る。
例えば、図2における受付部13及び出力部15は、CPU41がメインメモリ43及び通信IF45等を用いてプログラムを実行することで実現され得る。また、受付部13の実現には入力装置47が、出力部15の実現には表示装置46が、それぞれさらに用いられ得る。
なお、サーバ10及び端末20のハードウェア構成は、上記の例に限定されず、上記構成の一部又は全部が専用ハードウェアによって構成されてもよい。
次に、料理データ18について具体的に説明する。図5及び図6は、本実施の形態における料理データ18の第一例及び第二例(料理データ18A及び18B)を示す説明図である。図5に示される料理データ18Aは、料理A「ハンバーグ」に関する料理データであり、図6に示される料理データ18Bは、料理B「ポテトサラダ」に関する料理データである。なお、以降では、単に料理A、料理Bということもある。料理データ18A及び18Bは、調理内容51、調理時間52及び保存可能期間53の各情報を含む。
調理内容51は、当該調理工程での調理方法を示す情報である。例えば、料理Aの調理工程A1の調理内容は「玉ねぎをみじん切りにする」である。また、料理Bの調理工程B3の調理内容は「卵を茹でる」である。
調理時間52は、当該調理工程に要する所要時間を示す情報である。例えば、料理Aの調理工程A1の調理時間は2分であり、料理Bの調理工程B3の調理時間は14分である。
保存可能期間53は、当該調理工程で生成された中間食材を保存できる期間、言い換えれば時間長を示す情報である。例えば、料理Aの調理工程A1で生成された中間食材の保存可能期間は、冷蔵保存の場合で3日、冷凍保存の場合で2週間である。また、料理Bの調理工程B3で生成された中間食材の保存はできない。なお、図面では、中間食材の保存ができない、又は、推奨されないことを「−」で示している。
なお、保存可能期間53は、保存の方法により複数の保存可能期間の系列を有し得る。保存の方法は、上記の冷蔵(5度C程度)及び冷凍(−18度C程度)の他、パーシャル(半凍結・微凍結状態、−3度C程度)、及び、チルド(凍結寸前、0度C程度)などがある。そして、保存方法として、これらのうちの1以上の任意の個数の保存の方法が採用され得る。図5及び図6では、例として、保存の方法として冷蔵及び冷凍がある場合の保存可能期間55及び56が示されている。
図5及び図6において、保存可能期間53の欄に期間が記載されている調理工程は、当該調理工程で生成された中間食材の保存が可能である調理工程であり、下準備工程と仕上げ工程とを区切る区切り位置になり得る調理工程、言い換えれば、区切り位置の候補である。また、保存可能期間53の欄に期間が記載されていない調理工程は、当該調理工程で生成された中間食材の保存ができない、又は、推奨されない調理工程である。
次に、下準備工程と仕上げ工程とを区切る区切り位置について説明する。図7は、本実施の形態における区切り位置の説明図である。
図7には、下準備工程と仕上げ工程とに区切られた料理A及びBのレシピが示されている。図7には、区切り位置の候補が破線61として示されており、決定部14が決定した区切り位置が実線62として示されている。料理A及びBのそれぞれにおいて、区切り位置より上に記載されている調理工程A1及びA2、並びに、B1及びB2は下準備工程であり、区切り位置より下に記載されている調理工程A3〜A5、及び、B3〜B7は仕上げ工程である。
ユーザは、下準備工程と仕上げ工程とに区切られたレシピを参照して料理を完成させる。具体的には、ユーザは、下準備工程を行い、下準備工程で生成された中間食材を冷蔵等で保存する。そして、ユーザは、その数日後、保存された中間食材に対して仕上げ工程を行い料理を完成させる。このとき、ユーザは、図7にように示された料理A及びBのレシピを視認することで、下準備工程と仕上げ工程とのそれぞれを直観的に理解することができる。
以上のように構成された情報処理システム1の動作を説明する。
図8は、本実施の形態における情報処理方法を示すフロー図である。
ここでは、ユーザが指定した複数の料理について、1週間の平日の各日に仕上げ工程を行うこととし、その1週間分の料理の下準備工程を、その平日の直前の日曜日に行うことにする場合の情報処理システム1の動作を説明する。
ステップS101において、受付部13は、料理の検索指示を受け付ける。受付部13は、入力装置47により、料理名(例えばハンバーグ又はポテトサラダなど)、料理のジャンル(例えば、肉料理、魚料理、和風、洋風又は中華風など)、料理に使われる食材(牛肉又はイワシなど)、又は、調理方法(焼く、炒める、茹でる又は煮るなど)などを示す文字列を受け付ける。
ステップS102において、決定部14は、受付部13が受け付けた文字列に基づいて料理の検索を行う。具体的には、決定部14は、取得部12を通じて料理データ18にアクセスし、受付部13が受け付けた文字列に適合する料理を取得する。より具体的には、決定部14は、受付部13が受け付けた料理名等を、料理名、料理のジャンル、料理に使われる食材、又は、調理方法などの一部又は全部に含む料理を検索する。
ステップS103において、出力部15は、決定部14による検索の結果を表示する。検索の結果には、1以上の料理が含まれ得る。
ステップS104において、受付部13は、出力部15が表示した検索の結果に対する、ユーザによる選択を受け付ける。ユーザは、出力部15が表示した1以上の料理から、調理する料理を選択する。
ステップS105において、受付部13は、料理の選択を終了するか否かについてのユーザの選択を受け付ける。例えば、受付部13は、出力部15に「料理の選択を終了しますか?」というような質問を表示させ、この質問に対する回答として肯定回答(Yes)又は否定回答(No)を受け付けることで、上記選択を受け付ける。ステップS105で、料理の選択を終了するとの回答を受けた場合には、処理がステップS106に進み、終了しないとの回答を得た場合には、ステップS101が再び実行される。当該1週間分の複数の料理の選択が終了するまで、ステップS101からステップS105までの処理が繰り返される。なお、ステップS105において、1週間のうちの平日それぞれについて所定数の料理が選択されたと判定した場合に、料理の選択を終了したと判定されてもよい。
ステップS106において、情報処理システム1は、区切り位置の決定及び出力のための処理を行う。この処理について以降で詳細に説明する。
図9は、本実施の形態における情報処理システム1の区切り位置の決定及び出力のための処理を示すフロー図である。図9は、図8のステップS106の詳細な処理を示すフロー図である。
ステップS201において、取得部12は、ユーザが調理しようとする料理に係る料理データ18を取得する。より具体的には、取得部12は、ステップS104でユーザが選択した1以上の料理に係る料理データ18を取得する。
ステップS202において、受付部13は、料理の調理工程に関する要求情報をユーザから受け付ける。受付部13は、具体的には、複数の調理工程を下準備工程と仕上げ工程とに区切るための要求情報であって、ユーザが下準備工程にかける時間と、ユーザが仕上げ工程にかける時間との少なくとも一方についての要求を示す要求情報を受け付ける。
ステップS203において、決定部14は、ステップS202でユーザから受け付けた要求情報が、下準備工程の上限時間を含んでいるか否かを判定する。要求情報が下準備工程の上限時間を含んでいると決定部14が判定した場合(ステップS203でYes)には、処理がステップS204に進み、そうでない場合(ステップS203でNo)には、ステップS206に進む。
ステップS204において、決定部14は、ステップS202で取得した要求情報に含まれる上限時間内に下準備工程を収められる区切り位置の候補を決定する。ここで、決定部14は、ステップS202で取得した料理データ18のそれぞれの下準備をまとめてすべて行うのに要する時間が、要求情報に含まれる下準備工程の上限時間以下であるものを候補として決定する。
なお、ステップS204において、候補が得られない場合には、決定部14は、要求情報に含まれる上限時間に比較的短い所定時間を加算して、候補を決定してもよい。加算する所定時間は、要求情報に含まれる上限時間に比べて短い時間であればよく、固定の時間(例えば3分又は5分)であってもよいし、要求時間に含まれる上限時間を基準として定まる時間(例えば上限時間の10%〜20%)であってもよい。なお、上記所定時間は、超過要求情報により示される所定時間に相当する。
また、候補がないことを示す情報を生成して次の処理に進んでもよい。
ステップS205において、決定部14は、ステップS204で決定した区切り位置の候補から、区切り位置を決定する。区切り位置の決定は、任意の方法を取り得る。例えば、区切り位置の候補のうちから下準備工程に要する時間がなるべく長いものとしてもよい。また、同じ調理工程で生成された中間食材を複数の保存方法で保存する場合には、決定部14は、最終的に完成する料理の品質がより良くなる方の保存方法を選択してもよい。例えば、冷蔵でも冷凍でも保存が可能である場合には、原則、冷蔵で保存する方が料理の品質が良くなると考えられていることから、冷蔵で保存することが選択されてもよい。なお、この場合であっても特定の中間食材について冷凍で保存するほうが料理の品質が良くなる場合には、冷凍で保存することを選択されてもよい。なお、決定部14は、ステップS204で候補がないことを示す情報を生成した場合には、区切り位置を決定しない。
ステップS206において、決定部14は、ステップS202でユーザから受け付けた要求情報が、仕上げ工程の上限時間を含んでいるか否かを判定する。要求情報が仕上げ工程の上限時間を含んでいると決定部14が判定した場合(ステップS206でYes)には、処理がステップS207に進み、そうでない場合(ステップS206でNo)には、ステップS209に進む。
ステップS207において、決定部14は、ステップS202で取得した要求情報に含まれる上限時間内に仕上げ工程を収められる区切り位置の候補を決定する。ここで、決定部14は、ステップS202で取得した料理データ18のそれぞれの仕上げを行うのに要する時間が、要求情報に含まれる仕上げ工程の上限時間以下であるものを候補として決定する。なお、決定部14は、ステップS202で取得した料理データ18のそれぞれを、仕上げ工程を行う日でグループ化して、各グループに含まれる料理のそれぞれの仕上げ工程をすべて行うのに要する時間が、要求情報に含まれる仕上げ工程の上限時間以下であるものを候補として決定してもよい。
なお、ステップS207においても、ステップS204と同様、候補が得られない場合には、決定部14は、要求情報に含まれる上限時間に比較的短い時間を加算して候補を決定してもよいし、候補がないことを示す情報を生成して次の処理に進んでもよい。
ステップS208において、決定部14は、ステップS207で決定した区切り位置の候補から、区切り位置を決定する。区切り位置の決定は、任意の方法を取り得る。例えば、決定部14は、区切り位置の候補のうちから仕上げ工程に要する時間がなるべく長くなるものとしてもよい。なお、決定部14は、ステップS207で候補がないことを示す情報を生成した場合には、区切り位置を決定しない。
ステップS209において、出力部15は、ステップS205又はS208で決定部14が決定した区切り位置を示す情報を出力する。
なお、ステップS202で取得する要求情報が、受付部13は、下準備工程にかける時間と、仕上げ工程にかける時間との両方についての要求を示す要求情報を受け付けることもある。その場合、ステップS205で下準備工程の上限時間に基づいて決定した区切り位置と、ステップS208で仕上げ工程の上限時間に基づいて決定した区切り位置との両方が存在する。このような場合には、上記2つの区切り位置のうちの任意の一方(例えば、予め定められた一方)が採用されてもよい。
以上の一連の処理により、情報処理システム1は、ユーザが調理工程を実行するのにかけられる時間が制限される場合であっても、料理の品質が低下することを抑制することができる。
以降において、情報処理システム1の処理について具体的な数値を当てはめながら2つの例を説明する。
図10は、本実施の形態における区切り位置の決定処理の第一例を示す説明図である。
図10は、要求情報として「下準備工程の上限時間=30分」という条件を受け付けた場合に、決定部14がステップS204で決定する区切り位置の候補の一部である候補1及び候補2を示している。
例えば、候補1では、下準備工程として、料理Aの調理工程A1〜A2と、料理Bの調理工程B1〜B2とが含まれ、これらの所要時間が合計10分である。また、仕上げ工程として、料理Aの調理工程A3〜A5と、料理Bの調理工程B3〜B7とが含まれ、これらの所要時間が合計52分である。この場合の区切り位置は、料理Aについては調理工程A2であり、料理Bについては調理工程B2である。
また、候補2では、下準備工程として、料理Aの調理工程A1〜A5と、料理Bの調理工程B1〜B2とが含まれ、これらの所要時間が合計30分である。また、仕上げ工程として、料理Aのあたため及び盛り付けと、料理Bの調理工程B3〜B7とが含まれ、所要時間が合計33分である。この場合の区切り位置は、料理Aについては調理工程A5であり、料理Bについては調理工程B2である。
この場合、決定部14は、ステップS204で決定された区切り位置の候補のうちの任意の1つ、つまり、候補1又は候補2を区切り位置として決定する(ステップS205)。決定部14が、候補のうちから下準備工程に要する時間がなるべく長いものを区切り位置として決定する場合には、下準備工程に要する時間が30分である候補2を区切り位置として決定する。
なお、ここでは、複数の調理工程の所要時間は、その複数の調理工程の所要時間を単に足し合わせることで算出されている。ただし、複数の調理工程の所要時間の算出方法は、これに限られない。例えば、並行調理が可能な調理工程の所要時間は、単なる足し合わせにより算出された時間より短い時間になる。
図11は、本実施の形態における区切り位置の決定処理の第二例を示す説明図である。
図11は、要求情報条件として「仕上げ工程の上限時間=10分」という条件を受け付けた場合に、決定部14がステップS204で決定する区切り位置の候補の一部である候補1及び候補2を示している。
例えば、候補1では、下準備工程として、料理Aの調理工程A1〜A5と、料理Bの調理工程B1〜B7が含まれ、これらの所要時間が合計62分である。また、仕上げ工程として、料理A及びBのあたためと盛り付けを行う。この場合の区切り位置は、料理Aについては調理工程A5であり、料理Bについては調理工程B7である。
また、候補2では、下準備工程として、料理Aの調理工程A1〜A4と、料理Bの調理工程B1〜B7とが含まれ、これらの所要時間が合計53分である。また、仕上げ工程として、料理Aの調理工程A5が含まれ、所要時間が合計10分である。この場合の区切り位置は、料理Aについては調理工程A4であり、料理Bについては調理工程B7である。
この場合、決定部14は、ステップS207で決定された区切り位置の候補のうちの任意の1つ、つまり、候補1及び候補2のいずれかを区切り位置として決定する(ステップS208)。決定部14が、候補のうちから下準備工程に要する時間がなるべく長いものを区切り位置として決定する場合には、下準備工程に要する時間が10分である候補2を区切り位置として決定する。
なお、ここでは、料理のあたためと盛り付けとに要する時間をゼロとみなして仕上げ工程の所要時間を算出したが、料理のあたためと盛り付けとに要する時間をゼロでない時間(例えば、1分〜3分程度)として仕上げ工程の所要時間を算出してもよい。
以降において、情報処理システム1が提示する画像について説明する。
図12は、本実施の形態における情報処理システム1が提示する、調理工程を示す画像の第一例を示す説明図である。図12に示される画像は、受付部13が、ユーザからの料理の検索指示、及び、要求情報の受け付けなどを行うときに出力部15が表示する画像である。
出力部15が表示する画像には、欄101及び104と、ボタン102及び105と、ラジオボタン群103とが含まれる。
欄101は、ユーザから料理の検索指示を受け付けるための料理名等の入力欄であり、また、選択された料理の料理名を表示する表示欄である。
ボタン102は、ユーザから料理の検索指示を受け付けるためのボタンである。ユーザにより欄101に料理名等が入力された状態でボタン102が操作されると、決定部14は、その操作時点で欄101に入力されている料理名等に基づいて料理の検索を行う(ステップS102)。
ラジオボタン群103は、下準備工程又は仕上げ工程のうち、ユーザが調理時間を設定する一方を選択するためのボタンである。
欄104は、ユーザが所望する調理時間を入力する入力欄である。
ボタン105は、ユーザが所望する調理時間の要求を満たすような調理の手順の作成指示を受け付けるためのボタンである。ユーザによりラジオボタン群103が操作され、欄104に調理時間が入力された状態でボタン105が操作されると、受付部13は、ラジオボタン群103により選択された下準備工程又は仕上げ工程の一方に、欄104に入力された調理時間をユーザがかけることを受け付ける(ステップS202)。
図12は、ハンバーグとポテトサラダとを月曜日の料理に選択し、ジャーマンポテト等を火曜日の料理に選択した上で、下準備工程にかける時間を40分にするとのユーザの要求を入力した状態を示している。この状態でボタン105が操作されると、この操作を受付部13が受け付け、決定部14による区切り位置の決定を経て、出力部15が図13に示される画像を表示する。
図13及び図14は、本実施の形態における情報処理システム1が提示する、調理工程を示す画像の第二例及び第三例を示す説明図である。
図13に示される画像は、決定部14が決定した区切り位置を出力部15が表示している画像である。
図13に示される画像のうち、欄101及び104と、ボタン102と、ラジオボタン群103とは、図12に示される画像におけるものと同じであるので説明を省略する。以降の図でも同様とする。
図13に示される画像には、さらに、欄106及び107と、ボタン108とを含む。
欄106は、決定部14により決定された区切り位置により下準備工程に分類された調理工程を示す表示欄である。欄106には、ハンバーグの調理工程A1、並びに、ポテトサラダの調理工程B1及びB2が含まれている。また、欄106に含まれる下準備工程の所要時間の合計は40分であり、ユーザの「下準備工程の上限時間=40分」という要求情報を満たしている。
欄107は、決定部14により決定された区切り位置により仕上げ工程に分類された調理工程を示す表示欄である。欄107には、ハンバーグの調理工程A2〜A5、及び、ポテトサラダの調理工程B3〜B7が含まれている。また、欄107に含まれる下準備工程の所要時間の合計は58分である。
欄106及び107のそれぞれに含まれる調理工程、及び、その所要時間は、受付部13が受け付けた要求情報を満たすように決定部14が決定した区切り位置に基づいて決定されたものである。
ボタン108は、ユーザによる調理時間の要求を変更、つまり、調理の手順の変更の指示を受け付けるためのボタンである。ボタン108が操作されると、受付部13は、ボタン105(図12参照)が操作されたときと同じように、ラジオボタン群103により選択された下準備工程又は仕上げ工程の一方に、欄104に入力された調理時間をユーザがかけることを受け付ける(ステップS202)。
ここで、ユーザが、月曜日に行う調理工程が58分であることが長すぎると感じ、より短く15分にすることを望んだとする。
その場合、ユーザは、ラジオボタン群103により仕上げ工程を選択し、欄104に「15分」を入力し(図14参照)、ボタン108を操作する。この操作を受付部13が受け付けると、新たに「仕上げ工程の上限時間=15分」という要求情報に基づいて決定部14が区切り位置を決定し、出力部15が図15に示される画像を表示する。
図15は、本実施の形態における情報処理システム1が提示する、調理工程を示す画像の第四例を示す説明図である。
図15に示される欄106及び107は、図14でユーザから受け付けた新たな要求情報に基づいて決定部14により決定された下準備工程及び仕上げ工程を含んでいる。
欄106には、ハンバーグの調理工程A1、及び、ポテトサラダの調理工程B1〜B7が含まれている。また、欄106に含まれる下準備工程の所要時間の合計は73分である。
欄107には、ハンバーグの調理工程A2〜A5が含まれている。また、欄107に含まれる下準備工程の所要時間の合計は14分であり、ユーザの新たな「仕上げ工程の上限時間=15分」という要求情報を満たしている。
このようにして、ユーザの要求を示す要求情報に基づいて、下準備工程及び仕上げ工程を区切る区切り位置が適切に設定される。
なお、調理工程を表示する欄106及び107には、一連のレシピを下準備工程及び仕上げ工程に区切ったことによって新たな工程が追加されてもよい。
つまり、区切り位置を決定した場合に、中間食材を保存状態から復帰させる復帰工程を複数の調理工程に追加してもよい。この場合、出力部15は、区切り位置を示す情報を出力する際に、追加した復帰工程を示す情報をさらに出力する。
図16は、本実施の形態における情報処理システム1による工程の追加の処理を示す説明図である。図16には、ハンバーグだけを調理する場合に、調理工程A1〜A4を下準備工程として行い、調理工程A5を仕上げ工程として行う場合を示している。
この場合、欄106において、調理工程A1〜A4の後に、調理工程A4で生成された中間食材を保存することを示す「丸めたタネを冷凍」という工程が追加されている。また、欄107において、保存されていた中間食材を保存状態から復帰させることを示す「丸めたタネを冷凍庫から取り出し、解凍する」という工程が追加されている。これにより、ユーザは、中間食材である「丸めたタネ」を保存する工程、及び、保存状態から復帰させる工程が必要であることを直観的に理解することができる。
次に、情報処理システム1が提示する、ユーザへの通知を示す画像について説明する。
図17は、本実施の形態における情報処理システム1が提示する、ユーザへの通知を示す画像の第一例(画像110)を示す説明図である。画像110は、ユーザが指定した要求時間を満たすことができる区切り位置を決定部14が決定できないとき、つまり、決定部14が候補がないことを示す情報を生成したとき(ステップS204及びS207)に表示する画像の一例である。
すなわち、出力部15は、決定部14が区切り位置を決定する際に要求情報を満たす区切り位置が存在しない場合に、区切り位置が存在しないことを示す情報を出力してもよい。
なお、図17には、出力部15が料理の検索のために表示する画像(図12参照)に重畳して画像110を表示する状態を例として示しているが、画像110だけを表示してもよい。他の図でも同様である。
ユーザは、画像110を視認すると、要求情報を満たすことができる区切り位置が設定できないことを知り、要求情報を変更しなければならないことに気づくことができる。そして、ユーザは、変更した新たな要求情報の入力を行うことができる。
図18は、本実施の形態における情報処理システム1が提示する、ユーザへの通知を示す画像の第二例(画像112)を示す説明図である。画像112は、ユーザが指定した要求時間を満たすことができる区切り位置を決定部14が決定できないが、ユーザが指定した要求時間に5分を加算すれば、要求情報を満たすことができる区切り位置を決定できることを示す画像の一例である。なお、上記の5分は、超過要求情報により示される所定時間に相当する。
ユーザは、画像112を視認すると、要求情報を満たすことができる区切り位置が設定できないが、5分を加算すれば要求情報を満たすことができる区切り位置を決定できることを知る。そして、ユーザは、5分を追加した新たな要求情報で区切り位置を決定することを望む場合には、画像112の「はい」ボタンを操作することで新たな要求情報に基づく区切り位置の決定をさせることができる。「はい」ボタンが操作された場合には、上限時間に5分を加算した時間を新たな上限時間として用いて区切り位置の決定処理(ステップS202〜S209)が行われる。
このように、情報処理システム1は、超過要求情報を満たすように新たな区切り位置を決定するか否かを示す情報をユーザから受け付けた場合に限り、超過要求情報を生成し、新たな区切り位置を決定し、決定した新たな区切り位置を示す情報を出力するようにしてもよい。
なお、新たな要求情報に基づく区切り位置の決定を行わない場合には「いいえ」ボタンを操作することで、元の状態(例えば図12)に戻すことができる。
図19は、本実施の形態における情報処理システム1が提示する、ユーザへの通知を示す画像の第三例を示す説明図である。図19に示される画像は、図18の状態でユーザが「はい」ボタンを操作した場合に、新たな要求情報に基づいて決定された区切り位置に基づく、下準備工程及び仕上げ工程を示している。図19に示される画像は、図13に示される画像と類似しているが、調理時間の欄において、加算した時間「5分」を示す画像114が付加されている。
すなわち、出力部15は、決定部14が超過要求情報を満たすように新たな区切り位置を決定した場合には、新たな区切り位置を示す情報を出力する。また、このとき、超過要求情報に示される所定時間が出力されてもよい。
このような表示を視認することで、ユーザは、単に「下準備工程の上限時間=40分」という要求情報を用いて下準備工程及び仕上げ工程を表示させたのではなく、「下準備工程の上限時間=35分」という要求情報を用いて検索を試みたが、望む結果が得られず、その後に「5分」を加算した要求時間で検索した結果であることを、より確実に認識することができる。
以上のように本実施の形態の情報処理によれば、ユーザの調理工程(つまり、下準備工程又は仕上げ工程)についての時間的な要求を受け付け、受け付けた要求を満たすように区切り位置を決定する。よって、本発明の一態様に係る情報処理方法によれば、ユーザが調理工程を実行するのにかけられる時間が制限される場合であっても、料理の品質が低下することを抑制することができる。また、同時に、仮に完成させた料理の品質が低かった場合に発生し得る資源の無駄の問題を解決し得る。
また、ユーザの調理工程についての時間的な要求として、具体的に、下準備工程又は仕上げ工程にかける上限時間を受け付ける。そして、受け付けた上限時間を超えないように区切り位置を決定する。このようにして、料理の品質が低下することを抑制することができる。
また、複数の料理の下準備工程をまとめて行うとともに、各料理の仕上げ工程を個別に行うように、複数の料理の調理工程を分類することで、区切り位置を決定する。これにより、例えば休日に下準備をまとめて行い、平日に仕上げ工程を個別に行うというスケジュールを立てることができる。
また、区切り位置を示す情報と合わせて、復帰工程を示す情報が出力される。ユーザは、復帰工程を示す情報を視認することで、中間食材を保存状態から復帰させる工程が必要であることを直観的に理解することができる。
また、ユーザの要求を満たせないことをユーザに認識させることができる。これにより、要求を変更する、料理についての条件を変更する等、ユーザの次の行動を取りやすくすることができる。
また、ユーザの要求を満たせない場合であっても、比較的短い所定時間を加算することでユーザの要求を満たせる場合には、この所定時間を加えた要求時間を満たすように区切り位置を決定する。これにより、ユーザの要求をより柔軟に捉えて区切り位置を決定することで、料理の品質が低下することを抑制することができる。
また、ユーザの要求を満たせないことから所定時間を加算して区切り位置を決定した場合に、加算した所定時間をユーザに知らせることができる。これにより、ユーザは、自身の要求からどれだけ差があるかを認識することができる。
また、ユーザの要求を満たせないことから所定時間を加算して区切り位置を決定する場合に、そのような決定をするか否かについての指示を予めユーザから受け付ける。よって、ユーザが、所定時間を加算して区切り位置を決定することを望む場合に限り、そのような区切り位置をユーザに提示することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態において、ユーザが調理工程を実行するのにかけられる時間が制限される場合であっても、料理の品質が低下することを抑制する情報処理方法及び情報処理システムなどについて説明する。特に、仕上げ工程を行う日についてのユーザの希望を満たすという制約の中で、料理の品質が低下することを抑制する情報処理方法などについて説明する。
本実施の形態の情報処理システムの構成は、実施の形態1における構成(図1〜図4参照)と同様である。以降では、実施の形態1における構成と異なる点を主に説明する。
受付部13は、実施の形態1の受付部13と同様、料理の調理工程に関する要求情報をユーザから受け付ける。また、受付部13は、ユーザが調理しようとする料理について、料理の仕上げ工程を行う日の指定を受け付ける。例えば、受付部13は、ユーザが調理しようとする料理「ハンバーグ」について、その仕上げ工程を行う日を月曜日にするとの指定を受け付け、料理「ポテトサラダ」について、その仕上げ工程を行う日を木曜日にするとの指定を受け付ける。下準備工程を行う日を第一時点ともいい、仕上げ工程を行う日を第二時点ともいう。
決定部14は、実施の形態1の決定部14と同様、料理の複数の調理工程を下準備工程と仕上げ工程とに区切る区切り位置を決定する。このとき、決定部14は、受付部13が受け付けた、料理の仕上げ工程を行う日を考慮して区切り位置を決定する。このとき、下準備工程を行う日から仕上げ工程を行う日までの間に中間食材を保存しておく必要があるが、中間食材の内容、及び、保存方法によって、その保存可能期間が異なる。このように、保存可能期間は、複数の保存方法それぞれにより中間食材を保存することができる期間を含む。
そこで、決定部14が区切り位置を決定する際には、下準備工程を行う日から仕上げ工程を行う日までの期間が保存可能期間を超えないように区切り位置を決定する。なお、下準備工程を行う日から仕上げ工程を行う日までの期間を、保存要求期間ともいう。
図20は、本実施の形態における決定部14による区切り位置の決定処理を示す説明図である。
図20は、要求情報として「下準備工程の上限時間=40分」という条件を受け付けた場合に、決定部14がステップS204で決定する区切り位置の候補の決定処理を示している。
ケース1では、日曜日に行う下準備工程として、料理Aの調理工程A1〜A5と、料理Bの調理工程B1〜B2とが含まれ、これらの所要時間が合計29分である。また、月曜日に行う仕上げ工程として、料理Bの調理工程B3〜B7が含まれ、この所要時間は、33分である。また、木曜日に行う仕上げ工程として、料理Aのあたため及び盛り付けが含まれている。
この場合の区切り位置は、料理Aについては調理工程A5であり、料理Bについては調理工程B2である。また、中間食材の保存方法は、料理Aについては、調理工程A5で生成された「焼いたタネ」の冷蔵保存であり、料理Bについては、調理工程B2までに生成された千切りにしたきゅうり及びハムである。
ここで、調理工程A5で生成された中間食材「焼いたタネ」の冷蔵保存の保存可能期間は3日である一方、この中間食材を保存しなければならない期間は4日であるので、保存条件を満たさない。よって、決定部14は、ケース1を候補としない。
ケース2では、日曜日に行う下準備工程として、料理Aの調理工程A1と、料理Bの調理工程B1〜B7とが含まれ、これらの所要時間が合計40分である。また、月曜日に行う仕上げ工程として、料理Bのあたため及び盛り付けが含まれている。また、木曜日に行う仕上げ工程として、料理Aの調理工程A2〜A5が含まれ、この所要時間が22分である。
この場合の区切り位置は、料理Aについては調理工程A1であり、料理Bについては調理工程B7である。また、中間食材の保存方法は、料理Aについては、調理工程A1で生成された「千切りにしたきゅうり」の冷蔵保存又は冷凍保存であり、料理Bについては、調理工程B7で生成されたポテトサラダの完成品である。
ここで、調理工程A1で生成された中間食材「千切りにしたきゅうり」の保存可能期間は冷蔵保存の場合で3日、冷凍保存の場合で2週間である。また、調理工程B7で生成されたポテトサラダの完成品の保存期間は3日間であり、いずれも保存条件を満たす。よって、決定部14は、ケース2を候補として決定する。
決定部14は、このようにして、ユーザの要求に基づいて算出される保存要求期間を取得し、区切り位置を決定する際には、保存要求期間が保存可能期間を超えないように区切り位置を決定する。
なお、決定部14は、ユーザが希望する仕上げ工程を行う日の中で料理を入れ替えて候補を増やすことも可能である。この方法について説明する。
図21は、本実施の形態における決定部14による区切り位置の第二の決定方法を示す説明図である。
図21は、要求情報として「下準備工程の上限時間=40分」という条件を受け付けた場合に、決定部14がステップS204で決定する区切り位置の候補の決定処理を示している。
ケース3では、日曜日に行う下準備工程として、料理Aの調理工程A1と、料理Bの調理工程B1〜B7とが含まれ、これらの所要時間が合計40分である。また、月曜日に行う仕上げ工程として、料理Aの調理工程A2〜A5が含まれ、この所要時間は22分である。また、木曜日に行う仕上げ工程として、料理Bのあたため及び盛り付けが含まれている。
この場合の区切り位置は、料理Aについては調理工程A1であり、料理Bについては調理工程B7である。また、中間食材の保存方法は、料理Aについては、調理工程A1で生成された中間食材「みじん切りにした玉ねぎ」の冷蔵保存であり、料理Bについては、調理工程B7で生成されたポテトサラダの完成品である。
ここで、調理工程B7で生成されたポテトサラダの完成品の冷蔵保存の保存可能期間は3日である一方、この中間食材を保存しなければならない期間は4日であるので、保存条件を満たさない。よって、決定部14は、ケース3を候補としない。
この場合、決定部14は、ケース3の仕上げ工程の日を入れ替えることで、ケース4を生成する。ケース4では、調理工程B7で生成されたポテトサラダの完成品の冷蔵保存の保存可能期間が3日であり、調理工程A1で生成された「みじん切りにした玉ねぎ」の冷凍保存の保存可能期間が2週間であるので、保存条件を満たす。よって、決定部14は、ケース4を候補として決定する。
決定部14は、このようにして、保存可能期間を考慮した上で、仕上げ工程を行う日を入れ替えることで候補を増加させ、柔軟に区切り位置の決定を行うことができる。
すなわち、保存要求期間を取得する際には、複数の料理すべての下準備工程をユーザがまとめて行う時点を示す第一時点と、複数の料理それぞれの仕上げ工程をユーザが個別に行う時点を示す、複数の料理それぞれについての第二時点とが取得されてもよい。そして、第一時点から複数の料理それぞれについての第二時点までの時間長を有する期間が、複数の料理それぞれについての保存要求期間として取得される。そして、区切り位置を決定する際には、決定部14は、複数の料理についての第二時点を相互に入れ替え、保存要求期間が保存可能期間を超えないように区切り位置を決定する。
なお、第二時点を相互に入れ替えた場合には、第二時点を相互に入れ替えたことを示す情報が出力されてもよい。
次に、情報処理システム1が提示する、ユーザへの通知を示す画像について説明する。
図22は、本実施の形態における情報処理システム1が提示する、ユーザへの通知を示す画像の例(画像116)を示す説明図である。画像116は、ユーザが指定した要求時間を満たすことができる区切り位置を決定部14が決定できないときに表示する画像の一例である。また、画像116は、情報処理システム1が次に実行する処理についての指示を受けるためのボタン118、120及び122を含む。
ボタン118は、料理の仕上げ工程を行う日を入れ替える処理の指示を受けるためのボタンである。ボタン118が操作されると、決定部14は、上記のように仕上げ工程の日を入れ替えて区切り位置の候補を生成する。
ボタン120は、調理する料理を変更する処理の指示を受けるためのボタンである。ボタン120が操作されると、決定部14は、料理の検索指示(ステップS101等)等を実行することで、ユーザから料理の指定を受ける。
ボタン122は、調理時間の変更、つまり要求情報の変更を受けるためのボタンである。ボタン122が操作されると、決定部14は、要求情報の受け付け(ステップS202等)を実行することで、ユーザから要求時間を受け付ける。
以上のように本実施の形態の情報処理方法によれば、中間食材を保存することが求められる期間(保存要求期間)が、保存可能期間を超えないような区切り位置が決定される。複数の調理工程のどこに区切り位置を設定するかによって、中間食材の種別及び保存可能期間が変動し得る。そこで、区切り位置を決定する際に、中間食材の保存要求期間が保存可能期間を超えないように区切り位置を設定することで、中間食材をより適切に保存することができ、料理の品質が低下することを抑制することができる。
また、複数の保存方法で保存する場合の保存可能期間を考慮して、適切な保存方法を選択することも含めて、中間食材の保存要求期間が保存可能期間を超えないように区切り位置を設定することができる。
また、ユーザが仕上げ工程を行う日として指定した日の中で料理を入れ替えて、ユーザの要求情報を満たす区切り位置を決定することができる。これにより、料理の入れ替えをしなければユーザの要求情報を満たせない場合に、料理の入れ替えを行うことで料理の品質が低下することを抑制することができる。
また、料理の入れ替えを行ったことをユーザに認識させることができる。
(各実施の形態の変形例)
本変形例において、上記実施の形態及び各変形例におけるサーバ10及び端末20の機能の分担の変形例を説明する。
図23は、本変形例における、情報処理システム1Aの機能構成を示すブロック図である。
図23に示されるように、情報処理システム1Aは、サーバ10Aと端末20Aとを備える。サーバ10Aと端末20Aとは、ネットワークNにより通信可能に接続されている。サーバ10Aは、記憶部11と備える。端末20Aは、取得部12と、受付部13と、決定部14と、出力部15とを備える。サーバ10A及び端末20Aが備える各機能ブロックは、上記実施の形態におけるものと同じである。この場合、記憶部11と、取得部12との情報のやりとりは、ネットワークN上の通信を介してなされる。
上記各実施の形態及び各変形例の構成と比較して、この構成により、サーバ10Aの処理の負荷を低減させることができる利点がある。決定部14の処理等を端末20Aに分担させることができるからである。多数のユーザにより利用されるための多数の端末20Aが存在する場合、サーバ10Aの処理負荷の低減効果はさらに大きくなる。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の情報処理システムなどを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、プロセッサを用いて、複数の調理工程を経て調理される料理の前記複数の調理工程それぞれに要する所要時間を含む料理データを取得し、前記複数の調理工程を下準備工程と仕上げ工程とに区切るための要求情報であって、ユーザが前記下準備工程にかける時間と、前記ユーザが前記仕上げ工程にかける時間との少なくとも一方についての要求を示す要求情報を受け付け、前記料理データに含まれる前記所要時間に基づいて、前記要求情報を満たす、前記複数の調理工程を前記下準備工程と前記仕上げ工程とに区切る区切り位置を決定し、決定した前記区切り位置を示す情報を出力装置に出力させる情報処理方法を実行させる。
以上、一つまたは複数の態様に係る情報処理システムなどについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。