JP2018072603A - 画像形成装置および寿命予測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも精度よく部品の寿命を予測できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、イオン導電性の導電部材帯電ローラ4Y、1次転写ローラ7Y等と、導電部材の寿命を予測するための制御部70とを備える。制御部は、導電部材の通電に関連する指標値を取得し、単位時間当たりの指標値に基づいて、導電部材の寿命を予測する。
【選択図】図10

Description

この開示は、画像形成装置に関し、より特定的には、イオン導電性部材を有する画像形成装置に関する。
近年、製品には環境への配慮が求められる。その一例として、製品を構成する部品の長寿命化、およびこれら部品の交換タイミングの予測精度の向上が求められている。このような技術は、画像形成装置にも強く求められている。
画像形成装置の部品寿命を予測する技術に関し、特開2004−009435号公報(特許文献1)は、印刷装置を構成する各部品の積算動作時間に基づいて、寿命を予測する技術を開示している。
特開2004−009435号公報
しかしながら、特許文献1に開示される印刷装置は、予測された部品の寿命と、実際の部品の寿命との間にある程度の乖離があるために、実際にはまだ使えるにも関わらず部品の交換を促すケースがあった。
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、従来よりも精度よく部品の寿命を予測できる画像形成装置を提供することである。他の局面における目的は、従来よりも精度よく部品の寿命を予測できる、寿命予測方法を提供することである。
ある局面に従う画像形成装置は、イオン導電性の導電部材と、導電部材の寿命を予測するための制御部とを備える。制御部は、導電部材の通電に関連する指標値を取得し、単位時間当たりの指標値に基づいて、導電部材の寿命を予測する。
好ましくは、導電部材は、トナー像を担持可能に構成される像担持体を帯電するための帯電ローラ、像担持体に形成されたトナー像を受け取って搬送するための中間転写ローラ、像担持体に形成されたトナー像を中間転写ローラに転写するための1次転写ローラ、および中間転写ローラに形成されたトナー像を記録媒体に転写するための2次転写ローラのうち少なくとも1つを含む。
好ましくは、指標値は、印字枚数、導電部材への電圧印加時間、導電部材の電圧印可距離、導電部材の走行時間、および導電部材の走行距離のうち少なくとも1つを含む。
好ましくは、制御部は、単位時間当たりの指標値が大きい場合は、導電部材の寿命が短いと予測し、単位時間当たりの指標値が小さい場合は、導電部材の寿命が長いと予測するように構成される。
好ましくは、指標値は、導電部材の休止時間を含む。
より好ましくは、制御部は、単位時間当たりの指標値が小さい場合は、導電部材の寿命が短いと予測し、単位時間当たりの指標値が大きい場合は、導電部材の寿命が長いと予測するように構成される。
好ましくは、導電部材の電気的特性値を取得するためのセンサをさらに備える。制御部は、センサによって取得された電気的特性値に基づいて、予測した導電部材の寿命を補正するように構成される。
好ましくは、外部装置と通信するための通信インターフェイスをさらに備える。制御部は、予測した寿命を通信インターフェイスを介して外部装置へ送信するように構成される。
より好ましくは、制御部は、単位時間当たりの指標値に基づいて、導電部材の寿命が尽きるまでの時間を算出するように構成される。
好ましくは、ディスプレイをさらに備える。制御部は、予測した寿命をディスプレイに表示するように構成される。
好ましくは、制御部は、単位時間当たりの指標値と、導電部材を構成する材料に応じた係数とに基づいて導電部材の寿命を予測するように構成される。
好ましくは、温度および湿度のうち少なくとも一方を取得するための環境センサをさらに備える。制御部は、環境センサが取得した値に応じて計上される指標値を補正するように構成される。
好ましくは、制御部は、導電部材に印加される電圧の大きさに基づいて、指標値を補正するように構成される。
好ましくは、制御部は、記録媒体の搬送速度に応じて計上される指標値を補正するように構成される。
好ましくは、画像形成装置は、記録媒体への両面印刷が可能に構成される。導電部材は、2次転写ローラである。制御部は、記録媒体への両面印刷によって計上される指標値を補正するように構成される。
好ましくは、導電部材は、2次転写ローラである。制御部は、記録媒体の種類に応じて計上される指標値を補正するように構成される。
他の局面に従う画像形成装置は、イオン導電性の導電部材と、導電部材の寿命を予測するための制御部とを備える。制御部は、導電部材の稼働時間と休止時間とに基づいて、導電部材の寿命を予測する。
さらに他の局面に従うイオン導電性の導電部材の寿命を予測するための方法は、導電部材の通電に関する指標値を取得するステップと、単位時間あたりの指標値に基づいて、導電部材の寿命を予測するステップとを備える。
ある実施形態に従う画像形成装置によれば、従来よりも精度よく部品の寿命を予測できる。そのため、当該画像形成装置のユーザは、部品を長く使うことができ、経済的負担を軽減できる。
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
ある実施形態に従う寿命予測方法の概略を説明する図である。 実施形態に従う画像形成装置200の構成例を説明する図である。 ある実施形態に従う制御部70について説明する図である。 ある実施形態に従う印字枚数テーブル372を説明する図である。 ある実施形態に従うイオン導電性部材の寿命と、単位時間当たりの印字枚数との関係を示す図である。 ある実施形態に従うイオン導電性部材の寿命と、単位時間当たりの印字枚数との関係を示す図である。 ある実施形態に従うイオン導電性部材の寿命と、単位時間当たりの印字枚数との関係を示す図である。 ある実施形態に従うイオン導電性部材の寿命を予測する制御の流れを説明するフローチャートである。 ある実施形態に従うイオン導電性部材の寿命と、単位時間当たりの通電に関する指標値との関係を示す図である。 ある実施形態に従う画像形成装置1000の構成の一部を説明する図である。 ある実施形態に従う画像形成装置1000の寿命補正制御について説明する図である。 ある実施形態に従う画像形成装置1000の寿命補正制御について説明する図である。 ある実施形態に従う画像形成装置1300の構成を説明する図である。 ある実施形態に従う温湿度テーブル1400を説明する図である。 ある実施形態に従う速度テーブル1500を説明する図である。 ある実施形態に従う用紙種類テーブル1600を説明する図である。 ある実施形態に従う印刷種類テーブル1700を説明する図である。 ある実施形態に従う、イオン導電性部材の種類に応じた、イオン導電性部材の寿命と、単位時間当たりの印字枚数との関係を示す図である。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[技術思想]
電子写真方式に従う画像形成装置は、帯電ローラ、1次転写ローラ、2次転写ローラなどの導電部材を有し得る。これらの導電部材の中には、電荷がイオンであるイオン導電材によって構成されるものがある。イオン導電材は、使用(電圧印加)に伴い内部のイオン分布が偏ることによって、抵抗が徐々に上昇していくことが知られている。
関連技術に従う画像形成装置は、上記の性質を利用して、イオン導電材によって構成される導電部材(以下、「イオン導電性部材」とも称する)の稼働時間が所定値に到達するまでの期間を寿命として予測する。より具体的には、関連技術に従う画像形成装置は、イオン導電材の抵抗値が所定値に到達すると予測されるまでの期間を、イオン導電性部材の寿命として算出する。ある局面において、「稼働時間」とは、イオン導電性部材に電圧が印加されている時間、当該部材が駆動している時間、当該部材を用いた印字時間(プリントジョブ実行時間)などを含む。
しかしながら、本願出願人は、イオン導電材におけるイオン分布の片寄り(すなわち、抵抗の上昇)が、電圧を印加されていない期間において徐々に解消されることを見出した。
図1は、ある実施形態に従う寿命予測方法の概略を説明する図である。図1において、横軸が時間を、左側の縦軸がイオン導電材の抵抗を、右側の縦軸が印字枚数をそれぞれ表す。図1において、時刻T0〜T1において、印字枚数が増加するに伴って、イオン導電材の抵抗値も増加する。これは、印字に伴ってイオン導電材に電界が発生してイオン分布が偏るためである。
時刻T1〜T2において、印字を停止している期間、換言すれば、イオン導電材に電圧を印加していない期間において、イオン導電材の抵抗値は減少している。時刻T2〜T3において、再び印字を開始すると、イオン導電材の抵抗値も増加し始めることが読み取れる。
図1に示されるように、イオン導電材の抵抗値は、時間の経過に従い単調増加するものではない。そのため、関連技術に従う画像形成装置のように、イオン導電性部材の稼働時間のみに基づいて当該部材の寿命を予測した場合、本来の寿命よりも短い寿命を予測することになる。これにより、関連技術に従う画像形成装置のユーザは、イオン導電性部材を短いサイクルで交換するため、経済的な負担が大きくなり得る。
ある実施形態に従う画像形成装置は、上記の問題を解決するために、イオン導電性部材が稼働している稼働時間に加え、稼働していない休止時間も考慮して、当該部材の寿命を予測する。これにより、この画像形成装置は、関連技術に従う画像形成装置よりも正確にイオン導電性部材の寿命を予測し得る。以下、この画像形成装置の具体的な構成および制御について説明する。
[実施形態1]
(画像形成装置200)
図2は、ある実施形態に従う画像形成装置200の構成例を説明する図である。ある実施形態において、画像形成装置200は、レーザプリンタやLEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置である。図2に示されるように、画像形成装置200は、内部のほぼ中央部にベルト部材として中間転写ローラ1を備えている。中間転写ローラ1の下部水平部の下には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色にそれぞれ対応する4つの作像ユニット2Y,2M,2C,2Kが中間転写ローラ1に沿って並んで配置される。これらの作像ユニット2Y,2M,2C,2Kは、トナー像を担持可能に構成される感光体3Y,3M,3C,3Kをそれぞれ有している。
像担持体である各感光体3Y,3M,3C,3Kの周囲には、その回転方向に沿って順に、対応する感光体を帯電するための帯電ローラ4Y,4M,4C,4Kと、プリントヘッド部5Y,5M,5C,5Kと、現像ローラ6Y,6M,6C,6Kと、中間転写ローラ1を挟んで各感光体3Y,3M,3C,3Kと対向する1次転写ローラ7Y,7M,7C,7Kがそれぞれ配置されている。
中間転写ローラ1の中間転写ベルト駆動ローラ8で支持された部分には、2次転写ローラ9が圧接されており、当該領域で2次転写が行なわれる。2次転写領域後方の搬送路R1の下流位置には、定着ローラ10と加圧ローラ11とを含む定着加熱部20が配置されている。
画像形成装置200の下部には、給紙カセット30が着脱可能に配置されている。給紙カセット30内に積載収容された用紙Pは、給紙ローラ31の回転によって最上部の用紙から1枚ずつ搬送路R1に送り出されることになる。
また、画像形成装置200の上部には、操作パネル80が配置されている。操作パネル80は、一例として、タッチパネルとディスプレイとが互いに重ね合わせられた画面と、物理ボタンとから構成される。
ある局面において、中間転写ローラ1と、帯電ローラ4Y,4M,4C,4Kと、1次転写ローラ7Y,7M,7C,7Kと、2次転写ローラ9とは、イオン導電性の導電部材として機能し得る。一例として、これらの導電部材は、ヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムなどを配合したイオン導電性ゴムを含み得る。これらの導電部材の各々は、要求される特性によって、適切なイオン導電性の材料を含み得る。
なお、上記の例において画像形成装置200は、タンデム式の中間転写方式を採用しているがこれに限定されるものではない。具体的には、イオン導電性の導電部材を含む画像形成装置であればよく、サイクル方式を採用する画像形成装置であってもよいし、現像装置から印刷媒体に直接トナーを転写する直接転写方式を採用する画像形成装置であってもよい。
(画像形成装置200の概略動作)
次に、以上の構成からなる画像形成装置200の概略動作について説明する。外部装置(たとえば、パソコン等)から画像形成装置200の制御部70に画像信号が入力されると、制御部70ではこの画像信号をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成し、入力されたデジタル信号に基づいて、各作像ユニット2Y,2M,2C,2Kの各プリントヘッド部5Y,5M,5C,5Kを発光させて露光を行なう。
これにより、各感光体3Y,3M,3C,3K上に形成された静電潜像は、各現像器6Y,6M,6C,6Kによりそれぞれ現像されて各色のトナー画像となる。各色のトナー画像は、各1次転写ローラ7Y,7M,7C,7Kの作用により、図1中の矢印A方向に移動する中間転写ローラ1上に順次重ね合わせて1次転写される。
このようにして中間転写ローラ1上に形成されたトナー画像は、2次転写ローラ9の作用により、用紙Pに一括して2次転写される。
用紙Pに2次転写されたトナー画像は、定着加熱部20に達する。トナー画像は、加熱された定着ローラ10、および加圧ローラ11の作用により用紙Pに定着される。トナー画像が定着された用紙Pは、排紙ローラ50を介して排紙トレイ60に排出される。
(制御部70)
図3は、ある実施形態に従う制御部70について説明する図である。制御部70は、その主要な制御要素として、CPU(Central Processing Unit)310と、RAM(Random Access Memory)320と、ROM(Read Only Memory)330と、インターフェイス(I/F)340とを備える。
CPU310は、ROM330または後述する記憶装置370に記憶された制御プログラムを読み出して実行することで、画像形成装置200の動作を制御する。
RAM320は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などであり、CPU310がプログラムを動作するために必要なデータや画像データを一時的に記憶し得る。したがって、RAM320は、いわゆるワーキングメモリとして機能し得る。
ROM330は、典型的には、フラッシュメモリなどであり、CPU310で実行されるプログラムや、画像形成装置200の動作に係る各種設定情報を記憶し得る。
CPU310は、インターフェイス340を介して、操作パネル80と、通信インターフェイス350と、タイマ360と、記憶装置370とにそれぞれ電気的に接続され、各種装置との信号のやり取りを行なう。
通信インターフェイス350は、一例として、無線LAN(Local Area Network)カードであるとする。画像形成装置200は、通信インターフェイス350を介してLANまたはWAN(Wide Area Network)に接続された外部装置(パソコン、スマートフォン、タブレット等)と通信可能に構成される。
タイマ360は、時間をカウントする。一例として、タイマ360は、水晶振動子によって構成される。
記憶装置370は、典型的にはハードディスクドライブによって構成される。記憶装置370は、印字枚数テーブル372と、関係式374とを保持可能に構成される。
図4は、ある実施形態に従う印字枚数テーブル372を説明する図である。図4を参照して、印字枚数テーブル372は、「部材」と「印字枚数」と「交換タイミング」とを互いに関連付けて保持する。ある局面において、印字枚数テーブル372は、イオン導電性部材である帯電ローラ4Y,4M,4C,4K、1次転写ローラ7Y,7M,7C,7K、中間転写ローラ1、2次転写ローラ9の印字枚数と交換タイミングとを保持する。「交換タイミング」は、「部材」を直近交換した時期を示す。「印字枚数」は、交換タイミングの後の、「部材」を用いた印字枚数を示す。図4に示される例において、帯電ローラ4Yが2016年5月24日12時01分に交換されたこと、交換後に帯電ローラ4Yを用いて30万枚(300k枚)印字したことが読み取れる。
CPU310は、操作パネル80または通信インターフェイス350を介した印字指示が入力されると、印字枚数テーブル372に格納される部材のうち、印字指示に従って稼働する部材の印字枚数をカウントアップする。一例として、モノクロ印刷の印字指示を受け付けた場合、CPU310は帯電ローラ4K、1次転写ローラ7K、中間転写ローラ1、および2次転写ローラ9の印字枚数をカウントアップする。
また、CPU310は、部材の交換操作の入力を受け付けると、タイマ360を参照して、印字枚数テーブル372の交換された部材の交換タイミングを、交換操作の入力を受け付けたタイミングに上書きするとともに、当該部材の印字枚数を”0”にリセットする。
上記で説明したように、イオン導電性部材の寿命は、この部材の稼働時間と休止時間を考慮することによって、より正確に算出され得る。印字枚数は、稼働時間に関連する。そのため、ある実施形態に従う画像形成装置200は、稼働時間と休止時間とを考慮された単位時間当たりの印字枚数に基づいてイオン導電性部材の寿命を予測し得る。
図5は、ある実施形態に従うイオン導電性部材の寿命と、単位時間当たりの印字枚数との関係を示す図である。図5の横軸は1カ月あたりの印字枚数を、縦軸は、イオン導電性部材を用いて印字できる寿命印字枚数を表す。ある実施形態において、図5は、帯電ローラ4Yの寿命を示すものとする。
図5に示されるように、帯電ローラ4Yの単位時間当たりの印字枚数が多いほど、帯電ローラ4Yの寿命印字枚数は少なくなる。ある局面において、記憶装置370には、図5に示されるような単位時間当たりの印字枚数と、寿命印字枚数との関係を示す関係式374を、各イオン導電性部材について格納され得る。
ある局面において、CPU310は、帯電ローラ4Yの寿命印字枚数を予測するにあたって、印字枚数テーブル372に保持される帯電ローラ4Yの印字枚数と交換タイミングとから、1カ月あたりの印字枚数を算出する。次に、CPU310は、算出した1カ月あたりの印字枚数と、帯電ローラ4Yについての関係式374とから、帯電ローラ4Yの寿命印字枚数を算出し得る。
ある局面において、CPU310は、算出した寿命印字枚数から印字枚数テーブル372に保持される現在の印字枚数を差し引いた、印字可能な残り枚数を算出し得る。
ある局面において、CPU310は、印字可能な残り枚数を、上記算出した単位時間当たりの印字枚数で除して、寿命が尽きるまでの残り時間を算出し得る。
なお、関係式374に示される単位時間当たりの印字枚数と寿命印字枚数との関係は、図5に示されるような比例関係に限定されるものではない。関係式374は、単位時間当たりの印字枚数から、寿命印字枚数を一意に定めることができるものであればよい。他の局面において、関係式374に示されるこれらの関係は、図6に示されるように、単位時間当たりの印字枚数がある範囲の場合に、寿命印字枚数が一意に定まる関係であってもよいし、図7に示されるように、多次曲線の関係であってもよい。
(寿命の予測フロー)
図8は、ある実施形態に従うイオン導電性部材の寿命を予測する制御の流れを説明するフローチャートである。図8に示される処理は、CPU310がROM320または記憶装置370に格納される制御プログラムを実行することにより実現され得る。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子その他のハードウェアによって実行されてもよい。
ステップS810において、CPU310は、各イオン導電性部材について、寿命を予測するための予め定められた条件を満たしたか否かを判断する。ある局面において、CPU310は、印字枚数テーブル372に保持される印字枚数が予め定められた枚数(例えば、10k枚ごと)に到達したときに、予め定められた条件を満たしたと判断し得る。他の局面において、CPU310は、操作パネル80または通信インターフェイス350を介して寿命予測指示の入力を受け付けたときに、予め定められた条件を満たしたと判断し得る。さらに他の局面において、CPU310は、画像形成装置200の電源投入時に、予め定められた条件を満たしたと判断し得る。
CPU310は、予め定められた条件を満たしたと判断した場合(ステップS810においてYES)、処理をステップS820に進める。一方、CPU310は、予め定められた条件を満たしていないと判断した場合(ステップS810においてNO)、処理をステップS810に戻し、条件を満たすまで待機する。
ステップS820において、CPU310は、記憶装置370に格納される印字枚数テーブル372を参照して、ステップS810において条件を満たしたイオン導電性部材の印字枚数を取得する。ステップS830において、CPU310は、印字枚数テーブル372に保持される交換タイミングの時点から現在(ステップS810の条件を満たした時点)までの期間と、取得した印字枚数とに基づいて、単位時間当たりの印字枚数を算出する。
ステップS840において、CPU310は、算出した単位時間当たりの印字枚数と、ステップS810において条件を満たしたイオン導電性部材についての関係式374とに基づいて、当該イオン導電性部材の寿命を算出する。
ステップS850において、CPU310は、算出した寿命を、通信インターフェイスを介して外部装置に送信する。
上記によれば、ある実施形態に従う画像形成装置200は、イオン導電性部材の寿命を、当該部材の稼働時間と休止時間とを考慮した単位時間当たりの印字枚数に基づいて算出するため、精度よく寿命を予測できる。予測された寿命と本来の寿命との差が小さくなることによって、イオン導電性部材の使用期間が長くなる。これにより、ユーザは、部品交換による経済的負担を軽減し得る。
また、ある実施形態に従う画像形成装置200は、予測した寿命(寿命印字枚数、残り使用期間、残り使用枚数など)を通信インターフェイスを介して画像形成装置200の保守メンテナンスを行なう管理会社のサーバに送信し得る。これにより、保守メンテナンスを行なうサービスマンは、効率的に客先を巡回し、部品を交換し得る。ある局面において、サービスマンは、寿命が近い画像形成装置から順番に点検を行い得る。ある局面において、サービスマンは、寿命が遠いと判断した画像形成装置の点検を、ユーザとの電話だけで済まし得る。また、保守メンテナンスを行なう管理会社は、複数の画像形成装置から送信される寿命データに基づいて、交換部品の在庫管理(発注管理)などを行い得る。
また、ある実施形態に従う画像形成装置200は、予測した寿命、印字枚数テーブル372に保持されるデータ、図示しない温湿度センサによって取得される環境データ、位置情報等を画像形成装置の製造会社に送信し得る。これにより、画像形成装置の製造会社は、複数の画像形成装置から送信されるデータに基づいて、各画像形成装置が設置される環境、各環境における寿命の推移の仕方などを地域別、季節別に算出し得る。画像形成装置の製造会社は、これら算出されるデータに基づいて、より精度の高い関係式374に適宜修正したり、次の画像形成装置の開発にフィードバックし得る。
なお、画像形成装置200は、上記の例において算出した寿命を外部装置に送信する構成(ステップS850)であったが、他の局面において、算出した寿命を操作パネル80に表示する構成であってもよい。寿命は、印字可能な残り枚数、使用可能な残り期間、および寿命印字枚数のうち少なくとも1つを含むものとする。
また、上記の例において、画像形成装置200は、寿命を算出するにあたって単位時間当たりの印字枚数を用いる構成であったが、単位時間あたりのパラメータは印字枚数に限定されない。ある実施形態に従う画像形成装置200は、単位時間当たりのイオン導電性部材の通電に関連する指標値を用いて、寿命を算出し得る。通電に関する指標値とは、印字枚数の他に、イオン導電性部材の走行距離、当該部材の走行時間、当該部材への電圧印可時間、当該部材の電圧印加距離(電圧を印加されている間の走行距離)などを含み得る。また、ある実施形態に従う画像形成装置200は、部材へ印加する電圧の大きさを考慮して部材の寿命を考慮し得る。より具体的には、この画像形成装置200は、部材へ印加される電圧が大きいほど、当該部材の寿命が短くなるように予測し得る。
図9は、ある実施形態に従うイオン導電性部材の寿命と、単位時間当たりの通電に関する指標値との関係を示す図である。分図(A)の横軸は、通電に関する指標値としてイオン導電性部材の走行時間または電圧印可時間を用いた場合の、イオン導電性部材の稼働率である。稼働率は、印字枚数テーブル372に保持される交換タイミングの時点から寿命を予測する時点までの時間に対する、イオン導電性部材の走行時間または電圧印可時間の割合を示す。分図(A)に示されるように、稼働率が高くなるにつれて、寿命印字枚数が増加する。
分図(B)の横軸は、通電に関する指標値としてイオン導電性部材の走行時間または電圧印可時間を用いた場合の、イオン導電性部材の休止率である。休止率は、印字枚数テーブル372に保持される交換タイミングの時点から寿命を予測する時点までの時間に対する、イオン導電性部材が走行していない時間または部材に電圧が印可されていない時間の割合を示す。分図(B)に示されるように、休止率が高くなるにつれて、寿命印字枚数が減少する。
ある実施形態に従う画像形成装置200は、関係式374として分図(A)、分図(B)に示されるような稼働率または休止率と、寿命印字枚数との関係を示す関係式374を保持し、寿命予測時点における稼働率または休止率と、関係式374とからイオン導電性部材の寿命を予測する構成であってもよい。
[実施形態2]
上記の例において、ある実施形態に従う画像形成装置200は、単位時間当たりの印字枚数に基づいてイオン導電性部材の寿命を予測する構成であった。上記で説明したように、ある局面において、イオン導電性部材の寿命は、当該部材の抵抗値が所定値に到達するまでの期間である。そして、この抵抗値は、画像形成装置200の使用環境、設置環境(温湿度)、イオン導電性部材の製造誤差(たとえば、複数種類のイオン導電材の配合比率等)に影響され得る。そのため、単位時間当たりの印字枚数にのみ基づいて寿命を予測した場合、本来の寿命と予測した寿命との間に若干の差異が生じ得る。そこで、下記に、この差異を補正し得る画像形成装置の構成および制御について説明する。
(画像形成装置1000の構成)
図10は、ある実施形態に従う画像形成装置1000の構成の一部を説明する図である。なお、画像形成装置1000の基本構成と、上記説明した画像形成装置200の基本構成とはほぼ同じであるため、相違する点についてのみ説明する。
図10を参照して、画像形成装置1000の帯電ローラ4Y,4M,4C,4Kには、電源装置14Y,14M,14C,14Kと、電圧計16Y,16M,16C,16Kとがそれぞれ電気的に接続される。電源装置14Y,14M,14C,14Kと、電圧計16Y,16M,16C,16Kとは、制御部70に電気的に接続される。
制御部70は、電源装置14Y,14M,14C,14Kを制御して帯電ローラ4Y,4M,4C,4Kに定電流を印加し、そのときの電圧計16Y,16M,16C,16Kのセンサ値を取得する。これにより、制御部70は、帯電ローラ4Y,4M,4C,4Kの抵抗値を間接的に取得し得る。
なお、他の局面において、画像形成装置1000は、帯電ローラ4Y,4M,4C,4Kに定電圧を印加し、そのときに流れる電流値を取得する構成や、その他のイオン導電部材の電気的特性を取得できる構成であればよい。
さらに他の局面において、電源装置14Y,14M,14C,14Kは共通する1つの電源装置であり得る。また、これらの電源装置は、感光体を帯電させるための帯電バイアスを印加する電源装置と同じ電源装置であってもよいし、異なる電源装置であってもよい。
上記は、イオン導電性部材である帯電ローラの電気的特性を取得するための構成について説明したが、画像形成装置1000は、他のイオン導電性部材(たとえば、1次転写ローラ7Y,7M,7C,7K、中間転写ローラ1、2次転写ローラ9等)の電気的特性を取得するための構成も有する。
(予測した寿命の補正方法)
図11は、ある実施形態に従う画像形成装置1000の寿命補正制御について説明する図である。一例として、図11は、帯電ローラ4Yの寿命補正に関するものとする。図11の横軸は交換後の帯電ローラ4Yを用いた累計印字枚数を表し、縦軸は定電流(たとえば、1A)を流したときに電圧計16Yによって取得される電圧値を表す。
ある局面において、画像形成装置1000のCPU310は、帯電ローラ4Yに1Aの定電流を流したときに得られる電圧値が1200Vに到達したときに、帯電ローラ4Yが寿命に到達したと判断し得る。
ある局面において、画像形成装置1000は、累計印字枚数が300k枚のタイミングで、上記説明した方法を用いて帯電ローラ4Yの寿命印字枚数が600k枚であると判断したとする(予測A)。換言すれば、CPU310は、現時点において帯電ローラ4Yの寿命の半分が経過したと判断する。この場合、現時点における1Aの定電流を流したときの帯電ローラ4Yの電圧値は、寿命と判断される電圧値1200Vの半分の600Vであり得る。
これに対して、累計印字枚数が300k枚のタイミングで電源装置14Yから1Aの定電流を帯電ローラ4Yに流したときに、電圧計16Yによって得られる電圧値が800Vであったとする(実測B)。この場合、CPU310は1200Vに到達するまでの寿命印字枚数が450k(=1200V÷800V×300k枚)であると予測し得る(予測C)。
上記によれば、単位時間当たりの印字枚数(または通電に関連する指標値)に基づいて予測した寿命印字枚数は、電気的特性値に基づいて予測した寿命印字枚数よりも150k枚多い。そのため、ある局面において、CPU310は、関係式374に示される単位時間当たりの印字枚数に対する寿命印字枚数を、図12に示されるように150k枚減らすように補正し得る。一例として、関係式374が、図12のようにy=ax+bの形式で示される場合について説明する。「y」は寿命印字枚数を示し、「a」は単位時間当たりの印字枚数の変化量に対する寿命印字枚数の変化量(すなわち傾き)を示し、「x」は単位時間あたりの印字枚数を示し、「b」は仮に単位時間あたりの印字枚数が0であるときに設定され得る寿命印字枚数の値を示す。この場合、CPU310は、「b」の値を150k減らすように補正し得る。
一例として、ある実施形態に従う画像形成装置1000のCPU310は、図8のステップS810で説明した予め定められた条件を満たしたとき(すなわち、イオン導電性部材の寿命を予測するとき)に、イオン導電性部材の電気的特性を取得するとともに、当該電気的特性に基づいて予測した寿命を補正し得る。
他の局面において、CPU310は、他の補正方法を採用し得る。一例として、CPU310は、「b」の値は変えず、現在の単位時間当たりの印字枚数(x)に対する電気的特性値に基づいて予測した寿命印字枚数(y)を通過するように、「a」の値を補正し得る。
また、上記の例において、単位時間当たりの印字枚数(または通電に関連する指標値)に基づいて予測した寿命印字枚数に対して、電気的特性値に基づいて予測した寿命印字枚数は、25%少ない。そこで、さらに他の局面において、CPU310は、現在の単位時間当たりの印字枚数(x)に対する電気的特性値に基づいて予測した寿命印字枚数(y)を通過しつつ、全体的に寿命印字枚数が25%少なくなるように「a」の値を補正し得る。なお、上記説明した補正方法の概念は、関係式374が多次関数である場合にも適用し得る。
上記によれば、ある実施形態に従う画像形成装置1000は、上記説明した画像形成装置200に比して、より正確にイオン導電性部材の寿命を予測することができる。
[実施形態3]
イオン導電性部材の抵抗値は、当該部材の稼働時(電圧印可時)の温湿度によって影響され得る。より具体的には、イオン導電性部材の稼働時(電圧印可時)における温度が低いほど、当該部材の抵抗値の上昇率は大きい。また、イオン導電性部材の稼働時における湿度が低いほど、当該部材の抵抗値の上昇率は大きい。そこで、ある実施形態に従う画像形成装置は、温湿度を考慮してイオン導電性部材の寿命を予測する。
図13は、ある実施形態に従う画像形成装置1300の構成を説明する図である。なお、図2の符号と同一符号を付している部分については同じであるため、その部分についての説明は繰り返さない。
図13を参照して、画像形成装置1300は、温度センサ1310と、湿度センサ1320とを有する点において、図2に示される画像形成装置200とは相違する。制御部70は、温度センサ1310と湿度センサ1320とにそれぞれ電気的に接続される。
図14は、ある実施形態に従う温湿度テーブル1400を説明する図である。温湿度テーブル1400は、記憶装置370に格納され得る。なお、説明を分かりやすくするために、図14では温湿度テーブル1400が2次元テーブルとして記載しているが、実際には、温度範囲と湿度範囲とに関連付けられて係数が保持される。より具体的には、温度が低いほど、または湿度が低いほど係数が大きくなるように設定されている。
ある実施形態に従う画像形成装置1300のCPU310は温度センサ1310、湿度センサ1320を用いて、印字実行時に温度および湿度(相対湿度)を測定する。CPU310は、温湿度テーブル1400を参照して、測定した温度および湿度に対応する係数を特定する。CPU310は、印字枚数テーブル372の印字枚数をカウントアップする際、印字枚数と特定した係数とを乗じた値をカウントアップする。
上述の通り、イオン導電性部材の抵抗値の上昇率は、温度が低いほど、または湿度が低いほど大きい。そのため、温湿度テーブル1400に保持される係数は、温度が低いほど大きく、湿度が低いほど大きい。
一例として、温度が12℃、湿度が50%のときに10枚のモノクロ印刷の印字指示を受け付けた場合、CPU310は、温湿度テーブル1400から係数が「1.5」であると特定する。次にCPU310は、印字枚数テーブル372に保持される帯電ローラ4K、1次転写ローラ7K、中間転写ローラ1、および2次転写ローラ9の印字枚数をそれぞれ「15」カウントアップする。
上記によれば、ある実施形態に従う画像形成装置1300は、温湿度を考慮してイオン導電性部材の寿命を算出するため、より正確に寿命を予測することができる。
なお、上記の例において画像形成装置1300は、温度および湿度を用いてイオン導電性部材の寿命を予測する構成であるが、温度および湿度のうち少なくとも一方を用いて寿命を予測する構成であってもよい。
[実施形態4]
(搬送速度)
イオン導電性部材の抵抗値は、印字される際に部材に印加される電圧が大きいほど、当該部材の抵抗値の上昇率が大きい。そこで、ある実施形態に従う画像形成装置は、印加電圧の大きさを考慮してイオン導電性部材の寿命を予測する。なお、この実施形態に従う画像形成装置の基本構成は、図2で説明した画像形成装置200と同じである。
図15は、ある実施形態に従う速度テーブル1500を説明する図である。一般的に、搬送経路における用紙の搬送速度(システム速度)が速いほど、イオン導電性部材に印加される電圧は大きくなる。
そのため、ある実施形態に従う画像形成装置200は、記憶装置370に速度テーブル1500を格納する。速度テーブル1500は、搬送経路R1における用紙Pの搬送速度vの範囲と、係数とを互いに関連付けて保持する。より具体的には、搬送速度vが大きくなるほど、係数が大きくなるように設定されている。
ある実施形態に従う画像形成装置200のCPU310は、印字枚数テーブル372の印字枚数をカウントアップする際、印字枚数と、印字時の搬送速度vに対応する係数とを乗じた値をカウントアップする。
一例として、搬送速度vが265mm/secのときに10枚のモノクロ印刷の印字指示を受け付けた場合、CPU310は、速度テーブル1500から係数が「0.5」であると特定する。次にCPU310は、印字枚数テーブル372に保持される帯電ローラ4K、1次転写ローラ7K、中間転写ローラ1、および2次転写ローラ9の印字枚数をそれぞれ「5」カウントアップする。
上記によれば、搬送速度vが大きくなるほどイオン導電性部材への印加電圧が大きくなる画像形成装置200は、搬送速度vに基づいて、換言すれば、印加電圧を考慮してイオン導電性部材の寿命を算出するため、より正確に寿命を予測することができる。
なお、上記の例において、速度テーブル1500には、搬送速度vの範囲と、係数とを互いに関連付けて保持されているが、当該テーブルは他の構成であってもよい。ある局面において、画像形成装置200は、複数の搬送速度vを切り替え可能に構成され得る。この場合、速度テーブル1500は、搬送速度vの範囲ではなく、具体的な搬送速度vと、係数とを互いに関連付けて保持し得る。
(用紙の種類)
一般的に、印字される用紙の坪量が多いほど、用紙に接する2次転写ローラ9に印加される電圧は大きくなる。そこで、ある実施形態に従う画像形成装置200は、用紙の種類に応じて印字枚数テーブル372の2次転写ローラ9に対応する印字枚数をカウントアップする。
図16は、ある実施形態に従う用紙種類テーブル1600を説明する図である。用紙種類テーブル1600は、用紙の種類と係数とを互いに関連付けて保持する。より具体的には、坪量が大きくなるほど係数が大きくなるように設定されている。
ある実施形態に従う画像形成装置200のCPU310は、2次転写ローラ9の印字枚数をカウントアップする際、印字枚数と、用紙の種類に対応する係数とを乗じた値をカウントアップする。
一例として、ユーザによる用紙設定が「厚紙」であって、10枚のモノクロ印刷の印字指示を受け付けた場合、CPU310は、用紙種類テーブル1600から係数が「2.0」であると特定する。次にCPU310は、印字枚数テーブル372に保持される2次転写ローラ9の印字枚数を「20」カウントアップする。
上記によれば、用紙の種類に応じて印加電圧を設定される画像形成装置200は、用紙の種類に基づいて、換言すれば、印加電圧を考慮して2次転写ローラの寿命を算出するため、より正確に寿命を予測することができる。
(両面印刷)
一般的に、両面印刷のときに、一度2次転写ローラ9を通過した用紙が再度同じ部材を通過するとき、2次転写ローラ9に印加される印加電圧は、初回通過時よりも大きい。そこで、ある実施形態に従う画像形成装置200は、印刷の種類(片面印刷か、両面印刷か)に応じて印字枚数テーブル372の2次転写ローラ9に対応する印字枚数をカウントアップする。
図17は、ある実施形態に従う印刷種類テーブル1700を説明する図である。印刷種類テーブル1700は、片面印刷である場合の係数と、両面印刷である場合の係数とを保持する。両面印刷である場合の係数は、片面印刷である場合の係数よりも大きい。
ある実施形態に従う画像形成装置200のCPU310は、印字枚数テーブル372の2次転写ローラ9に対応する印字枚数をカウントアップする際、印字枚数と、片面印刷または両面印刷に対応する係数とを乗じた値をカウントアップする。
一例として、両面印刷の10枚(原稿枚数は5枚)のモノクロ印刷の印字指示を受け付けた場合、CPU310は、印刷種類テーブル1700から係数が「1.5」であると特定する。次にCPU310は、印字枚数テーブル372に保持される2次転写ローラ9の印字枚数を「15」カウントアップする。
なお、他の局面において、画像形成装置200のCPU310は、両面印刷の2面目のみを、両面印刷に対応する係数に基づいてカウントアップする構成であってもよい。この構成の場合、上記の例では、CPU310は、印字枚数テーブル372の2次転写ローラ9も対応する印字枚数を「7.5」(5枚は片面印刷、5枚は両面印刷として計算される)カウントアップする。
上記によれば、両面印刷時に2次転写ローラへの印加電圧が大きくなる画像形成装置200は、印刷の種類に基づいて、換言すれば、印加電圧を考慮して2次転写ローラの寿命を算出するため、より正確に寿命を予測することができる。
[実施形態5]
イオン導電性部材の各々は、要求される特性によって、適切なイオン導電性の材料(ヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムなどを)を適切な配合比率で混合して構成される。そのため、イオン導電性部材の種類によって、単位枚数あたりの抵抗値の上昇率が異なる。そこで、ある実施形態に従う画像形成装置は、イオン導電性部材の種類に応じてイオン導電性部材の寿命を予測する。なお、この実施形態に従う画像形成装置の基本構成は、図2で説明した画像形成装置200と同じである。
図18は、ある実施形態に従う、イオン導電性部材の種類に応じた、イオン導電性部材の寿命と、単位時間当たりの印字枚数との関係を示す図である。一例として、導電率が高いイオン導電性部材ほど、単位時間当たりの印字枚数の変化量に対する寿命印字枚数の変化量が大きくなるように、関係式374を設定され得る。一例として、2次転写ローラ9は関数1810を、帯電ローラ4Y,4M,4C,4Kは関数1820を、1次転写ローラ7Y,7M,7C,7Kは関数1830を関係式374として設定され得る。
また、これらのイオン導電性部材(ローラ)の外周は異なる。外周が長いほど、イオン偏在は生じにくい(抵抗値の上昇率が低い)。そのため、他の局面において、関係式374は、対応するイオン導電性部材の外周長に応じて設定され得る。より具体的には、外周長が短いイオン導電性部材ほど、単位時間当たりの印字枚数の変化量に対する寿命印字枚数の変化量が大きくなるように、関係式374を設定され得る。
上記によれば、ある実施形態に従う画像形成装置200は、イオン導電性部材を形成する材料や、当該部材の構造を考慮してイオン導電性部材の寿命を算出するため、より正確に寿命を予測することができる。
なお、上記の説明において、各種機能は、1つのCPU310によって実現されるものとしてあるが、これに限られない。これらの各種機能は、少なくとも1つのプロセッサのような半導体集積回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのDSP(Digital Signal Processor)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、および/またはその他の演算機能を有する回路を含む回路によって実装され得る。
これらの回路は、有形の読取可能な少なくとも1つの媒体から、1以上の命令を読み出すことにより上記説明した各種機能を実現しうる。
このような媒体は、磁気媒体(たとえば、ハードディスク)、光学媒体(たとえば、コンパクトディスク(CD)、DVD)、揮発性メモリ、不揮発性メモリの任意のタイプのメモリなどの形態をとるが、これらの形態に限定されるものではない。
揮発性メモリはDRAM(Dynamic Random Access Memory)およびSRAM(Static Random Access Memory)を含み得る。不揮発性メモリは、ROM、NVRAMを含み得る。半導体メモリは、少なくとも1つのプロセッサとともに半導体回路の1部分であり得る。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、今回開示された複数の実施形態の各々は、適宜他の実施形態と組み合わせられるものである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 中間転写ローラ、2C,2K,2M,2Y 作像ユニット、3C,3K,3M,3Y 感光体、4C,4K,4M,4Y 帯電ローラ、5C,5K,5M,5Y プリントヘッド部、6C,6K,6M,6Y 現像器、6CR,6KR,6MR,6YR 現像ローラ、7C,7K,7M,7Y,9 次転写ローラ、8 中間転写ベルト駆動ローラ、10 定着ローラ、11 加圧ローラ、14C,14K,14M,14Y 電源装置、16C,16K,16M,16Y 電圧計、20 定着加熱部、30 給紙カセット、31 給紙ローラ、50 排紙ローラ、60 排紙トレイ、70 制御部、80 操作パネル、200,1000,1300 画像形成装置、310 CPU、320 ROM330 ROM、340 インターフェイス、350 通信インターフェイス、360 タイマ、370 記憶装置、372 印字枚数テーブル、374 関係式、1310 温度センサ、1320 湿度センサ、1400 温湿度テーブル、1500 速度テーブル、1600 用紙種類テーブル、1700 印刷種類テーブル。

Claims (18)

  1. イオン導電性の導電部材と、
    前記導電部材の寿命を予測するための制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記導電部材の通電に関連する指標値を取得し、
    単位時間当たりの前記指標値に基づいて、前記導電部材の寿命を予測する、画像形成装置。
  2. 前記導電部材は、
    トナー像を担持可能に構成される像担持体を帯電するための帯電ローラ、
    前記像担持体に形成されたトナー像を受け取って搬送するための中間転写ローラ、
    前記像担持体に形成されたトナー像を前記中間転写ローラに転写するための1次転写ローラ、および
    前記中間転写ローラに形成されたトナー像を記録媒体に転写するための2次転写ローラのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記指標値は、印字枚数、導電部材への電圧印加時間、導電部材の電圧印可距離、導電部材の走行時間、および導電部材の走行距離のうち少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、
    単位時間当たりの前記指標値が大きい場合は、前記導電部材の寿命が短いと予測し、
    単位時間当たりの前記指標値が小さい場合は、前記導電部材の寿命が長いと予測するように構成される、請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記指標値は、前記導電部材の休止時間を含む、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、
    単位時間当たりの前記指標値が小さい場合は、前記導電部材の寿命が短いと予測し、
    単位時間当たりの前記指標値が大きい場合は、前記導電部材の寿命が長いと予測するように構成される、請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記導電部材の電気的特性値を取得するためのセンサをさらに備え、
    前記制御部は、前記センサによって取得された電気的特性値に基づいて、前記予測した導電部材の寿命を補正するように構成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 外部装置と通信するための通信インターフェイスをさらに備え、
    前記制御部は、前記予測した寿命を前記通信インターフェイスを介して前記外部装置へ送信するように構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、単位時間当たりの前記指標値に基づいて、前記導電部材の寿命が尽きるまでの時間を算出するように構成される、請求項8に記載の画像形成装置。
  10. ディスプレイをさらに備え、
    前記制御部は、前記予測した寿命を前記ディスプレイに表示するように構成される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御部は、単位時間当たりの前記指標値と、前記導電部材を構成する材料に応じた係数とに基づいて前記導電部材の寿命を予測するように構成される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 温度および湿度のうち少なくとも一方を取得するための環境センサをさらに備え、
    前記制御部は、前記環境センサが取得した値に応じて計上される前記指標値を補正するように構成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御部は、前記導電部材に印加される電圧の大きさに基づいて、前記指標値を補正するように構成される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記制御部は、記録媒体の搬送速度に応じて計上される前記指標値を補正するように構成される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記画像形成装置は、記録媒体への両面印刷が可能に構成され、
    前記導電部材は、中間転写ローラに形成されたトナー像を記録媒体に転写するための2次転写ローラであって、
    前記制御部は、前記記録媒体への両面印刷によって計上される前記指標値を補正するように構成される、請求項2〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. 前記導電部材は、中間転写ローラに形成されたトナー像を記録媒体に転写するための2次転写ローラであって、
    前記制御部は、記録媒体の種類に応じて計上される前記指標値を補正するように構成される、請求項2〜15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  17. イオン導電性の導電部材と、
    前記導電部材の寿命を予測するための制御部とを備え、
    前記制御部は、前記導電部材の稼働時間と休止時間とに基づいて、前記導電部材の寿命を予測する、画像形成装置。
  18. イオン導電性の導電部材の寿命を予測するための方法であって、
    前記導電部材の通電に関する指標値を取得するステップと、
    単位時間あたりの前記指標値に基づいて、前記導電部材の寿命を予測するステップとを備える、寿命予測方法。
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