JP2018071556A - デファレンシャルユニットのブリーザー構造 - Google Patents

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【課題】リングギヤの仕様やデファレンシャルハウジングの形状等毎にブリーザー装置からの潤滑油漏れの評価試験を行う必要性を軽減し、開発工数の増大を抑制するデファレンシャルユニットのブリーザー構造を提供する。【解決手段】エンジン2に備えられたオイルパン21の左右一方の側面に取り付けられたデファレンシャルハウジング81から車幅方向に延びる左右のドライブシャフト13、14の一方が前記オイルパン21に備えられた貫通穴21aに挿通され、前記オイルパン21の他方の側面に、前記貫通穴21aに連続し、前記一方のドライブシャフトが挿通される貫通穴82bを有するドライブシャフト支持ブラケット82に、前記デフハウジング81の内部空間Xをオイルパン21の貫通穴21aと、ドライブシャフト支持ブラケット82の貫通穴82bとでなる通路aを介して外部空間に連通させるためのブリーザー装置90を設ける。【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載されるデファレンシャルユニットのブリーザー構造に関し、該ブリーザーから外部へのオイル飛散防止の分野に属する。
車両に搭載されるデファレンシャルユニットは、周知のように左右の車輪の回転差を吸収するものであり、この回転差を吸収するためのピニオンシャフトと、ピニオンギヤと、サイドギヤとでなる差動歯車機構と、該差動歯車機構を収容するとともに動力源に連結されたドライブギヤに噛合するリングギヤが取り付けられたデファレンシャルギヤケースと、該デファレンシャルギヤケースを収容して回動可能に支持するデファレンシャルハウジングとを有する。そして通常、このデファレンシャルハウジングの内部空間下部には、リングギヤによる掻き上げによって前記ドライブギヤとリングギヤとの噛合部分等を潤滑するための潤滑油が貯留される。
このデファレンシャルハウジングの内部は、ギヤの回転に伴う潤滑油の温度上昇等によって圧力が上昇することがある。このように、デファレンシャルハウジングの内圧が高くなると、シール部分から潤滑油が漏洩する虞があり、そこで、デファレンシャルハウジングには内圧の上昇を防止するため、ブリーザー装置が設けられることがある。
特許文献1には、デファレンシャルユニットのブリーザー装置として、デファレンシャルハウジングに、空気と液状或いは泡状の潤滑油とを分離するためのブリーザー室と、該ブリーザー室の内圧が一定以上に高まると開いて空気を外部に逃がす弁としての機能を有するブリーザープラグ(特許文献1ではブリーザユニオン)とを設けたものが記載されている。
ところで、デファレンシャルハウジング内の潤滑油は、リングギヤ等の回転により掻き上げられて内部空間の上方等にまで飛散することがあり、その飛散状況によっては、一定限度を超えて前記ブリーザー室に浸入する場合がある。この場合、前記ブリーザープラグを介して潤滑油が外部に流出する等の不都合を生じることとなる。
そこで従来は、前記ブリーザー室や、該ブリーザー室とデファレンシャルハウジングの内部空間との連通部の位置や大きさは、前記デファレンシャルハウジング内で飛散する潤滑油が外部に漏出しないように配慮して設定されている。
具体的には、当該車両の加速度、減速度、旋回状態、路面勾配等の走行状態によってデファレンシャルハウジング内における潤滑油の液面状態が変化し、これに伴ってリングギヤによる掻き上げ状態ないしデファレンシャルハウジング内における潤滑油の飛散状態が異なるので、前記加速度等の条件毎にブリーザー装置からの潤滑油の流出状況を評価し、いずれの条件でも流出しないように、前記ブリーザー室や連通部の位置や大きさ等が設定されるのである。
特開2016−128706
ところで、上記のようなデファレンシャルハウジング内の潤滑油の飛散状況は、潤滑油を掻き上げるリングギヤの大きさや位置などによって異なる。換言すれば、同一のデファレンシャルユニットであっても、搭載される車両の種類や仕様の相違によってドライブギヤとリングギヤのギヤ比が異なると、リングギヤの大きさや位置、さらにはデファレンシャルハウジングの形状等が異なり、デファレンシャルハウジング内における潤滑油の掻き上げ状況ないし飛散状況が異なってくる。したがって、特許文献1に記載のデファレンシャルユニットのように、デファレンシャルハウジングに直接ブリーザー装置が設けられる場合には、リングギヤの仕様毎に前述の潤滑油漏れの評価試験が必要となり、このことは開発工数が増大するという課題を有している。
そこで、本発明は、例えばエンジン縦置き式の車両であって、エンジンの一方の側部にデファレンシャルハウジングが配置される車両において、リングギヤの仕様やデファレンシャルハウジングの形状等毎に前述の評価試験を行う必要性を軽減し、開発工数の増大を抑制するデファレンシャルユニットのブリーザー構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るデファレンシャルユニットのブリーザー構造は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明は、エンジンに備えられたオイルパンの左右一方の側面にデファレンシャルハウジングが取り付けられ、該デファレンシャルハウジングから車幅方向に延びる左右のドライブシャフトの一方が前記オイルパンに備えられた貫通穴に挿通されるデファレンシャルユニットのブリーザー構造であって、
前記オイルパンの他方の側面に、前記貫通穴に連続し、前記一方のドライブシャフトが挿通される貫通穴を有するドライブシャフト支持ブラケットが取り付けられ、
このドライブシャフト支持ブラケットに、前記デファレンシャルハウジングの内部を外部に連通させるためのブリーザー装置が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記左右のドライブシャフトは、デファレンシャルハウジング又はドライブシャフトブラケットから外部に突出した部位にそれぞれ自在継ぎ手を有し、
前記ドライブシャフト支持ブラケットは、左右のドライブシャフトの自在継ぎ手が車両の左右対称位置に配置されるように設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記ブリーザー装置は、前記ドライブシャフト支持ブラケットにおける反オイルパン側の端部に設けられていることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、エンジンに備えられたオイルパンの一方の側面に取り付けられたデファレンシャルハウジングから延びる一方のドライブシャフトがオイルパンの貫通穴とオイルパンの他方の側面に取り付けられたドライブシャフト支持ブラケットの貫通穴とに挿通され、そのドライブシャフト支持ブラケットにブリーザー装置が設けられており、すなわち、デファレンシャルハウジングとブリーザー装置とが離れた位置に備えられている。したがって、デファレンシャルハウジング内で飛散する潤滑油がドライブシャフト支持ブラケットに設けられたブリーザー装置にまで到達することが抑制されるため、潤滑油の漏出状態がリングギヤの仕様やデファレンシャルハウジングの形状等の影響を受けにくくなる。これにより、車両の走行状態(車速、旋回、勾配等)によってデファレンシャルハウジング内の潤滑油の飛散状態が変化することに対して、ブリーザー装置からの潤滑油の漏出状況が影響を受けにくく、リングギヤの仕様毎の評価試験の回数を限定することができ、開発工数の低減が可能となる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記ドライブシャフト支持ブラケットによって、左右のドライブシャフトの自在継ぎ手が車両の左右対称位置に配置されるように設けられており、左右のドライブシャフトを等長とすることができる。すなわち、左右のドライブシャフトの折れ角が同一となり、トルクの伝達効率が左右の車輪で均等化され、左右の車輪の回転差を抑制できる。また、ドライブシャフトの良好な支持性や車輪の回転差発生の抑制機能を備えたドライブシャフト支持ブラケットに、ブリーザーの機能が付加されることにより、前記ブリーザー装置をデファレンシャルハウジングから分離して設ける場合の部品点数の増加が抑制される。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、前記ブリーザー装置が、前記ドライブシャフト支持ブラケットにおける反オイルパン側の端部に設けられることで、前記ブリーザー装置の配置位置がデファレンシャルハウジングに対して最大限離して設けられることとなり、デファレンシャルハウジング内のリングギヤによる潤滑油の掻き上げ状態及び、車両の走行状態による潤滑油の飛散状態の影響をより一層受けにくいものとすることができる。これにより、請求項1と同様にデファレンシャルユニットの設計変更に伴う評価試験の回数を限定することができ、開発工数を削減することが可能となる。
本発明の実施形態に係る車両の概略平面図である。 本発明の実施形態に係るデファレンシャルユニットの斜視図である。 図2におけるデファレンシャル装置の断面拡大図である。 図2のA−A線の断面図である。 図4における要部の断面図である。
以下、本発明に係るデファレンシャルユニットにおけるブリーザー構造の実施形態について説明する。
まず、図1により実施形態に係るデファレンシャルユニットが適用された車両1の構成を説明する。この車両1は、エンジン2の軸方向を車両前後方向とした、いわゆるエンジン縦置き式であって、左右一対の前輪11L、11R及び後輪12L、12Rがそれぞれ駆動輪とされた4輪駆動車であり、エンジン2の後方に変速機3を配置し、該変速機3から出力されたトルクを前後輪11L、11R、12L、12Rに分配するトランスファ装置4が接続されている。
前記トランスファ装置4の後部に接続されて、車両後方へ延びる第1プロペラシャフト5の後端には、該プロペラシャフト5で入力されたトルクを左右の後輪12L、12Rに分配するリアデファレンシャル装置6が接続されている。また、上記トランスファ装置4の側部に接続されて、車体前方へ延びる第2プロペラシャフト7の前端には、該プロペラシャフト7に入力されたトルクを左側ドライブシャフト13及び右側ドライブシャフト14を介して左右一対の前輪11L、11Rにそれぞれ分配するフロントデファレンシャル装置8が接続されている。
前記フロントデファレンシャル装置8は、デファレンシャルハウジング(以下、「デフハウジング」という)81を有し、図2に示すように該デフハウジング81は、この実施形態の場合、エンジン2のオイルパン21の左側の側面にボルト81a…81aで取り付けられ、オイルパン21の反デフハウジング側の側面には、右側ドライブシャフト14の良好な支持性を得るためのドライブシャフト支持ブラケット82が、ボルト82a…82aで固定されている。
次に、図3を用いて、フロントデファレンシャル装置8について説明する。該デファレンシャル装置8は、前記デフハウジング81に収納され、内部に差動歯車機構83を収容するデファレンシャルギヤケース(以下、「デフケース」という)84と、該デフケース84に組み付けられたリングギヤ85とを有する。デフケース84は、該デフケース84の軸方向の両端に左右に延びる円筒状のボス部86、87が設けられ、これらのボス部86、87の内周に前記左側及び右側ドライブシャフト13、14がそれぞれ貫通、支持されている。なお、デフケース84は、前記ボス部86、87の外周に備えられたベアリング86a、87aを介してデフハウジング81に回転自在に支持されている。
また、デフケース84に収容された前記差動歯車機構83は、ピニオンシャフト83aと、ピニオンギヤ83bと、サイドギヤ83cとが備えられている。該ピニオンシャフト83aは、デフケース84の中央部にドライブシャフトの軸方向に直交させて備えられており、このピニオンシャフト83aの両端側には、一対のピニオンギヤ83b、83bが回転自在に嵌合されているとともに、これら一対のピニオンギヤ83b、83bに噛み合う一対のサイドギヤ83c、83cが備えられており、これらのサイドギヤ83c、83cに、前記デフケース84のボス部86、87に支持された左側及び右側ドライブシャフト13、14の端部がそれぞれスプライン嵌合されている。
そして、左側ドライブシャフト13の反デファレンシャル装置側の先端には、左側の前輪11Lが連結され、該左側ドライブシャフト13がデフハウジング81から外部に突出する部位は、オイルシール13aによってシールされている。
一方、右側ドライブシャフト14は、図4に示すように、前記エンジン2の下部のオイルパン21に設けられた貫通穴21aと、この貫通穴21aに連続するように前記ドライブシャフト支持ブラケット82に設けられた貫通穴82bとに挿通され、該右側ドライブシャフト14の反オイルパン側の先端には、右側の前輪11Rが連結されている。また、前記右側ドライブシャフト14は、ベアリング87bを介して前記ドライブシャフト支持ブラケット82に支持され、該ドライブシャフト支持ブラケット82から外部に突出する部位は、オイルシール14aによってシールされている。
ここで、前記右側ドライブシャフト14が貫通する貫通穴21a、82b等の構成を詳しく説明する。
図4に示すように、前記オイルパン21には、該オイルパン21の左右の側面間に亘って筒状部21bが設けられ、その内部がオイルパン21を左右に貫通する貫通穴21aとされている。また、ドライブシャフト支持ブラケット82も筒状とされ、その内部が車両左右方向に延びる貫通穴82bとされている。そして、これらオイルパン21の貫通穴21aとドライブシャフト支持ブラケット82の貫通穴82bとは直結されており、これらの貫通穴21a、82bに前記右側ドライブシャフト14が挿通されている。また、この貫通穴21a、82bの内径は右側ドライブシャフト14の外径よりも大きく設定されており、該右側ドライブシャフト14は、前記貫通穴21a、82bとの間に隙間を残して挿通されている。
さらに、前記ドライブシャフト支持ブラケット82の反オイルパン側の上面端部には、デフハウジング81の内圧上昇防止のためのブリーザー装置90が突設されている。
ここで図5を用いて、ブリーザー装置90について説明する。円筒状のブリーザープラグ91は、内部にドライブシャフト支持ブラケット82内と連通する連通路91aを有し、該ブリーザープラグ91の一端側が、ドライブシャフト支持ブラケット82の反オイルパン側の端部の上面に設けられたボス部82cに例えば圧入或いはねじ込まれている。該ボス部82cに取り付けられるブリーザープラグ91と、該ブリーザープラグ91の他端側に、連通路91aを塞ぐように配置される円盤状の弁体92と、該弁体92の上方に配置されるスプリング93と、該スプリング93を覆うように配置され、スプリング93の付勢を規制するキャップ94とを備えている。なお、キャップ94は、ブリーザープラグ91に圧入されており、その上面にはエア抜き用の穴部94aを備えている。
このように構成されたブリーザー装置90は、デフハウジング81の内圧が上昇すると、ドライブシャフト支持ブラケット82内の空気が、弁体92を押し上げ、ブリーザープラグ91の上端部と弁体92との間の隙間から、ブリーザープラグ91とキャップ94との間の隙間を通り、キャップ94の上面に設けられた穴部94aを通って外部へ抜けることで、デフハウジング81の内圧が調整されるようになっている。なお、キャップ94の上面に設けられたエア抜き用の穴部94aに代えて、ブリーザープラグ91の外周部とこれに対応するキャップ94の内周部との間に隙間を設け、この隙間からエアを抜くようにしても良い。
ところで、前記デフハウジング81の内部空間Xは、ベアリング87aと、オイルパン21の貫通穴21a及びドライブシャフト支持ブラケット82の貫通穴82bと右側ドライブシャフト14との間の隙間とを介して、ブリーザー装置90の取付部位まで連通しており、前記内部空間Xとブリーザー装置90の取付部までの通路aは、シール部材81b、82dによって外部空間に対してシールされている。また、図4に示すように、オイルパン21とデフハウジング81とは、シール部材81bを介してシールされており、ドライブシャフト支持ブラケット82とオイルパン21とは、シール部材82dを介してシールされている。
そして、この実施形態では、図3に示すように、シール部材81bに一体で取り付けられるガイド部材88が備えられている。このガイド部材88は、オイルパン21の側面に対向する外周部88aと、該外周部88aにおける右側ドライブシャフト14側の端部からデフケース84側に立ち上がる円錐面部88bを有し、該ガイド部材88は、右側ドライブシャフト14がドライブシャフト支持ブラケット82とオイルパン21とを通り抜け、サイドギヤ83cにスムーズに嵌合できるようにガイドしている。なお、このガイド部材88は、前記通路aを遮断しないように、円錐面部88bの先端と、デフケース84及び右側ドライブシャフト14との間には隙間Yが設けられている。
また、この実施形態に係るデファレンシャルユニット80は、前記デファレンシャル装置8と、前記デフハウジング81と、前記ドライブシャフト支持ブラケット82と、前記ブリーザー装置90と、前記左側及び右側ドライブシャフト13、14等で構成されている。
次に、デファレンシャルユニット80のブリーザー構造の作用を説明する。
以上の構成により、このデファレンシャルユニット80が適用された車両1では、まず、車両走行時、エンジン2から変速機3を介して出力される動力は、トランスファ装置4から、リアデファレンシャル装置6を介して後輪12L、12Rに伝達されるとともに、第2プロペラシャフト7に入力された動力は、ドライブギヤ(図示せず)、リングギヤ85、デフケース84、差動歯車機構83、左側及び右側ドライブシャフト13、14を介して前輪11L、11Rに伝達される。
そして、前記フロントデファレンシャル装置8においては、デフハウジング81の内部空間Xが、前記隙間Yと、オイルパン21の貫通穴21aと、ドライブシャフト支持ブラケット82の貫通穴82bと、右側ドライブシャフト14との間の隙間でなる通路aを介して、ドライブシャフト支持ブラケット82に設けられたブリーザー装置90に通じているので、潤滑油温の上昇等により前記内部空間X内の内圧が上昇したときに、その内圧によってブリーザー装置90の弁体92が開き、空気が外部に放出される。これにより、前記内部空間Xの内圧の上昇が抑制され、例えば、オイルシール13a、14aやシール部材81b、82dからの潤滑油の漏洩が防止される。
一方、前記デフハウジング81の内部空間X内は、リングギヤ85が回転し、内部空間Xの下部に貯留されている潤滑油が該内部空間Xの上部にまで掻き上げられ、周囲に飛散することとなる。その場合に、本実施形態によれば、ブリーザー装置90がデフハウジング81に設けられておらず、デフハウジング81とは離れた場所となるドライブシャフト支持ブラケット82の反オイルパン側の端部に備えられており、リングギヤ85で掻き上げられて飛散した潤滑油がブリーザー装置90に到達することが抑制されることとなる。このことは、潤滑油のブリーザー装置90からの流出を抑制できるとともに、特に走行状態(加速減速、旋回、路面勾配等)に応じたデフハウジング81内の液面の状態によって変化する飛散状況の影響を受けにくくなることとなる。
したがって、リングギヤ85の位置や大きさ等の仕様や、デフハウジング81の形状等の変化に伴い、走行状態(加速減速、旋回、路面勾配等)でのデフハウジング81内における潤滑油の飛散状況が変化する場合においても、ブリーザー装置90からの潤滑油の流出状況が変わらず、前記仕様等の変更毎に車両1の各走行状態に応じた潤滑油の流出状況の評価試験を行う必要がなく、これにより開発工数を削減することが可能となる。
さらにまた、前記ブリーザー装置90は、デファレンシャルハウジング81に対して最大限離れた位置となるドライブシャフト支持ブラケット82の反オイルパン側の端部に設けられているので、車両1の走行状態によるデファレンシャルハウジング81内の潤滑油の飛散状況や、リングギヤ85による潤滑油の掻き上げの影響をより一層受けにくいものとすることができる。
なお、この実施形態では、図1に示すように、左側及び右側ドライブシャフト13、14はそれぞれ車輪側ドライブシャフト13’、14’とデファレンシャル装置側ドライブシャフト13’’、14’’とを有し、左側及び右側ドライブシャフト13、14の車輪側ドライブシャフト13’、14’同士が等長となるように、左側及び右側の自在継ぎ手13b、14bが車両1の左右対称位置に設けられ、この右側の自在継ぎ手14bを効果的に支持するため、ドライブシャフト支持ブラケット82の反オイルパン側の端部位置が設定されている。
すなわち、左側及び右側ドライブシャフト13、14の折れ角が同一となり、トルクの伝達効率が左右の車輪11L、11Rで均等化され、左右の車輪11L、11Rの回転差を抑制できる。さらに、左側及び右側ドライブシャフト13、14の良好な支持性や左右の車輪11L、11Rの回転差発生の抑制機能を備えたドライブシャフト支持ブラケット82に、ブリーザーの機能が付加されることにより、ブリーザー装置90をデファレンシャルハウジング81から分離して設ける場合の部品点数の増加が抑制される。
本発明は、車両用のデファレンシャルユニットに備えられるブリーザー構造において好適に利用可能である。
1 車両
2 エンジン
8 フロントデファレンシャル装置(デファレンシャル装置)
13 左側ドライブシャフト
13b 自在継ぎ手
14 右側ドライブシャフト
14b 自在継ぎ手
21 オイルパン
21a 貫通穴
80 デファレンシャルユニット
81 デファレンシャルハウジング
82 ドライブシャフト支持ブラケット
82b 貫通穴
90 ブリーザー装置
91 ブリーザープラグ
91a 連通路
92 弁体
93 スプリング
94 キャップ
94a 穴部
a 通路
X 内部空間
Y 隙間

Claims (3)

  1. エンジンに備えられたオイルパンの左右一方の側面にデファレンシャルハウジングが取り付けられ、該デファレンシャルハウジングから車幅方向に延びる左右のドライブシャフトの一方が前記オイルパンに備えられた貫通穴に挿通されるデファレンシャルユニットのブリーザー構造であって、
    前記オイルパンの他方の側面に、前記貫通穴に連続し、前記一方のドライブシャフトが挿通される貫通穴を有するドライブシャフト支持ブラケットが取り付けられ、
    このドライブシャフト支持ブラケットに、前記デファレンシャルハウジングの内部を外部に連通させるためのブリーザー装置が設けられていることを特徴とするデファレンシャルユニットのブリーザー構造。
  2. 前記左右のドライブシャフトは、デファレンシャルハウジング又はドライブシャフトブラケットから外部に突出した部位にそれぞれ自在継ぎ手を有し、
    前記ドライブシャフト支持ブラケットは、左右のドライブシャフトの自在継ぎ手が車両の左右対称位置に配置されるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のデファレンシャルユニットのブリーザー構造。
  3. 前記ブリーザー装置は、前記ドライブシャフト支持ブラケットにおける反オイルパン側の端部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデファレンシャルユニットのブリーザー構造。
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