JP2018071006A - 男性用下着 - Google Patents

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敏彰 家高
Toshiaki Ietaka
敏彰 家高
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Abstract

【課題】陰茎の保持構造が不要な簡素な構造で、男性局部を含む股間周辺の蒸れを従来よりも低減可能な男性用下着を提供する。【解決手段】男性局部に臨むボクサーパンツ1の内面において、男性局部を挟むように左右二箇所にボタン12が縫着されており、伸縮性に富むメッシュ状の環状帯11がボタン12へ着脱可能に係止されている。ボクサーパンツ1を着用する際は、環状帯11内に陰嚢を収容し、パンツ本体10と環状帯11との間に陰茎を下向きに収容する。【選択図】図1

Description

本発明は、男性局部を含む股間周辺の蒸れを低減可能な男性用下着に関する。
男性用下着としては、ブリーフ、トランクス、ボクサーパンツの3タイプに大別される。中でも近年では、成人男性においてはボクサーパンツが主流になりつつある。ボクサーパンツは伸縮性のある生地から成り、着用者の身体にピッタリとフィットするものであって、陰茎は基本的に上向きに保持収容される。したがって、陰茎や陰嚢は伸縮性のある生地によって常時圧迫されており、且つ陰嚢と大腿部とも直接接触し得る。しかも、大腿部周辺に通気可能な隙間も無いため、陰茎や陰嚢を含む男性局部(陰部)や股間の蒸れによる不快感が問題となっていた。
一方、トランクスやブリーフは、ボクサーパンツのように圧迫されることはないため、基本的に陰茎と陰嚢は自然状態で共に自由下垂しており、ボクサーパンツと比べて開放感はある。しかし、陰茎と陰嚢、及び陰嚢と大腿部が直接接触するため、やはり局部を含む股間周辺の蒸れは避けられない。
そこで、このような蒸れによる不快感を低減ないし回避するための男性用下着として、例えば下記特許文献1や特許文献2が提案されている。特許文献1では、そけい部に囲まれた下腹部に密着する下着で、下腹部を覆う外側あて布の内側に、両そけい部上の二点で連繋された内側あて布を備え、陰茎保持部を形成している。内側あて布の下方縁の両端は外側あて布下縁上か、少なくとも一方が延長されてより下方で連繋し、陰茎導入部としている。下縁の一端と延長された先端連繋部、そけい部上の連携部の間は開口してサイド開口部として、横から陰茎の出し入れが可能となっている。また、陰茎保持部に連続した下方の股にあたる部位に外周を本体生地に連繋して、着用者の陰嚢の上部を覆うサポート部と、伸縮性を持つネットで陰嚢ポケット部を設けている。これにより、陰茎を上向きに保持しながら陰嚢が放熱可能となり、蒸れによる不快感を低減している。
特許文献2では、下着の内側に2枚のあて布を設け、これらのあて布によって陰嚢両側と太腿を隔離している。陰嚢と太腿間の発汗による湿気を常に吸収、乾燥し、下着が陰茎と陰嚢に接触する2枚のあて布の間の部分には、軟質で通気性に優れた綿、あるいはアセテート繊維製の生地を使用している。陰茎や陰嚢が圧迫を受けることなく自由に動くので、常に乾燥した快適な環境を保ち、さらに、股下を10センチメートル以上延長し、発汗時や運動時でも両太腿の内側が直接触れない構造として、両太腿の擦れを防止している。
特開2015−81393号 実用新案登録第3132922号公報
しかしながら、特許文献1ではあくまで陰茎を上向きに保持収容することを前提としている。したがって、陰茎を保持するために複雑な構造となっているが、陰茎の位置ズレが確実に防止される訳ではない。これでは、複雑な構造とすることによる製造コストの増大に対して、保持効果や着用者の不快感低減効果には限界があり、費用対効果が悪く実用的ではない。
これに対し先行文献2は、陰茎を自然状態の下向きに収容するため、陰茎の保持構造は不要であり、比較的簡素な構造である。しかし、蒸れ防止用のあて布の内部に陰茎と陰嚢の双方を収容するため、陰茎と陰嚢とが直接接触することによる蒸れに対しては対応できていない。
そこで本発明は、上記課題を解決するものであって、陰茎の保持構造が不要な簡素な構造で、男性局部を含む股間周辺の蒸れを従来と比べてより低減可能な男性用下着を提供することを目的とする。
そのための手段として、本発明の男性用下着は、男性局部に臨む下着本体内面に、環状帯が、男性局部を挟むように少なくとも左右二箇所において固定されている。そして、環状帯の内部に陰嚢を収容可能な一方、環状帯が固定された左右二箇所の間において、下着本体と環状帯との間に陰茎を下向きに収容可能となっていることを特徴とする。なお、男性局部(陰部)とは、陰茎と陰嚢を含む部位である。
環状帯の固定方法としては、下着本体に固定可能である限りどのような方法でもよく、例えば直接縫着したり面ファスナー(ベルベットファスナー)等を使用することもできるが、男性局部を挟むように少なくとも左右二箇所にボタンを縫い付けることが好ましい。また、環状帯は下着本体に対して常設(非脱着)することもできるが、ボタンに対して着脱可能とすることが好ましい。
環状帯としては、一般的な織布を使用することもできるし、ある程度の通気性を有するメッシュ生地を使用することもできるが、中でも伸縮自在な環状ネットであることが好ましい。
本発明は、従来から公知の全ての男性用下着に対して適用可能であり、例えば下着本体としてブリーフやトランクスにも適用可能であるが、中でもボクサーパンツに対して適用することが好ましい。
本発明の男性用下着によれば、環状帯の内部に陰嚢を収容することで、陰茎の全周が環状帯に包まれた状態となる。これにより、陰嚢と大腿部とが直接接触することが避けられるため、股間の蒸れを低減することができる。同時に、陰茎は環状帯の外に存在しているので、陰茎と陰嚢とも直接接触することがない。これにより、局部における蒸れも低減することができる。また、環状帯であれば、陰嚢の下面は覆われておらず開放されていることによる蒸れ低減効果も得られる。さらに、股間周辺に生じた汗は環状帯に吸収される。而して、局部も含む股間周辺の蒸れを、従来よりも低減することができる。
なお、陰茎は自然状態で下向きに収容されているので、陰茎をわざわざ上向きに保持するための機構は不要である。したがって、簡素な構造となり、製造コストを抑えることができる。また、陰茎が過度の圧迫を受けることもないため、履き心地も良好となる。その一方で、陰茎は環状帯が固定された左右二箇所の間において下着本体と環状帯との間に挟まれているので、完全な自由下垂状態ではなく、適度なフィット感が得られることで、収まり良く着用することができる。
固定手段として縫い付けボタンを使用すれば、既存の下着に対しても容易に後付けすることができる。そのうえで、環状帯を着脱可能としていれば、例えば蒸れ易い夏季に環状帯を使用し、蒸れ難い冬季には環状帯を使用しないなど、季節・天候・その日の気分等に応じて使い分けることができる。また、環状帯のみの交換や洗濯等も容易に行うことができる。環状帯を縫着した場合は、環状帯を着脱することはできなくなる。面ファスナーを用いた場合は着脱可能であるが、面ファスナーは生地に比べて剛性が高いため、柔軟性が損なわれて履き心地が悪くなるおそれがある。
環状帯としては、伸縮自在なネット状であることが好ましい。一般的な織布を用いた場合は、通気性、陰嚢サイズへの追従性、フィット性に劣る。メッシュ生地を使用すれば織布と比べれば通気性は良いが、環状ネットと比べると通気性及び伸縮性が劣る。これに対し、環状ネットであれば、通気性及び伸縮性に富むため、蒸れ低減効果、陰嚢サイズへの追従性やフィット性にも優れる。
このように、伸縮性に富む環状ネットを使用すれば、左右二箇所のボタンへ係止する幅寸法を異ならせることで、環状帯で囲まれる陰嚢収容空間の根本的サイズを容易に変更可能となり、汎用性が高くなる。
本発明は、ブリーフやトランクスに適用しても十分な蒸れ低減効果を得られるが、特に蒸れ易いボクサーパンツに適用すれば、本発明の作用効果を最大限発揮させることができる。
男性用下着の一部破断分解斜視図である。 男性用下着の斜視図である。 男性用下着の正面図である。 男性用下着の要部拡大平断面図である。 図4における使用状態図である。 図5におけるA−A線断面図である。 変形例の正面図である。
以下、本発明の代表的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図4に示すように、本発明の下着1は、男性用の下着であって、下着本体10の内面に、男性の陰嚢S(図5,6参照)を収容するための環状帯11が設けられている。
下着本体10としては、従来から公知の全ての下着をそのまま(特別な構造を採用することなく)使用することができる。具体的には、ブリーフ、トランクス、ボクサーパンツが挙げられる。中でも、着用者の身体B(図6参照)にフィットし、局部を含めて股間周辺が蒸れ易いボクサーパンツであることが好ましい。図1〜図6には、ボクサーパンツを例に挙げて図示している。
環状帯11は、下着本体10のうち、男性局部に臨む部位の内面の左右二箇所において男性局部(特に陰茎)を挟むように固定されている。詳しくは、前身頃の内面へ、係止手段としてボタン12が男性局部を挟むように左右二箇所に縫着されており、この2つのボタン12へ環状帯11が係止されている。
ボタン12としては、雄ボタン(ゲンコ)と雌ボタン(バネ)とからなるスナップボタンや打ち付けタイプのリベットボタン(鋲)等を使用することもできるが、一般的な(手芸用の)ボタンであることが好ましい。下着本体10への設置が容易であると共に、厚みが小さくて着用した際の違和感が小さいからである。
環状帯11には、伸縮自在な環状ネットが好適に使用できる。例えば、医療用ネットと同様のものを使用することが好ましい。環状帯11として織布やメッシュ生地を使用することもできるが、この場合はこれらの生地にボタン12へ係止するための係止孔を設ける必要がある。一方、環状ネットであれば伸縮性に富むため、いずれかの開口へボタン12を係止するだけでよく、わざわざボタン12へ係止するための係止孔を設ける必要はない。また、環状帯11は、ボタン12に対して着脱自在である。環状帯11の素材としては、綿100%でも良いし、化学繊維100%や化学繊維と綿との混合生地とすることもできる。綿100%であれば、吸水性(吸汗性)に富む。化学繊維100%や化学繊維と綿との混合生地とする場合は、吸水速乾性に優れる機能性素材を使用ことが好ましい。具体的には、ポリエステル繊維、アセテート系繊維、セルロース系繊維、EVOH繊維、ナイロン繊維からなる生地や、これらの化学繊維の複数種ないし綿繊維との複合生地が好ましい。吸水速乾性に優れる機能性素材であれば、「吸汗・乾燥により蒸れを防ぐとともに陰嚢に熱がこもらず生体機能のためにも優れる。
環状帯11を下着本体10へ固定する際は、上述のように環状帯11のいずれかの開口へボタン12を挿通して係止すればよい。このとき、環状帯11を適宜伸張して、左右二箇所のボタン12へ係止する環状帯11の寸法を変更することで、陰嚢Sの収容空間サイズを任意に変更することができる。ボタン12は、環状帯11の上部に係止することが好ましい。陰嚢Sを環状帯11内へ下垂収容するからである。また、上下方向中央部等に係止することで、環状帯11の高さ位置や陰嚢Sの収容深さを調節することもできる。
下着1を着用する際は、通常の下着と同様に履いたうえで、図5,6に示すように、環状帯11で囲まれた収容空間へ、陰嚢Sのみを収容する。これにより陰嚢Sの全周が環状帯11で覆われ、陰茎Pと陰嚢S、及び大腿部Fと陰嚢Sが、環状帯11の存在により直接接触することは無い。これにより、男性局部を含めて股間周辺の蒸れが低減される。また、これらの部位に生じた汗は環状帯11へ吸収されるので、この点においても蒸れが低減される。さらに、陰嚢Sの下面は解放されているので、熱が籠もることも避けられる。
一方、陰茎Pは、左右二箇所のボタン12の間において、下着本体10と環状帯11との間へ下垂収容すればよい。これにより、陰茎Pを上向きに保持するための特殊な構造は不要で、陰茎Pを自然状態で無理なく収容することができる。また、下着本体10と環状帯11とによって適度なフィット感が得られるため、必要以上にぶら付くことは無く、収まりもよい。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、これに限られることは無く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、変更が可能である。例えば、環状帯11が局部(特に陰茎)を挟むように左右二箇所で固定されている限り、図7に示すように、ボタン12を二列並べて、1列当たり複数個のボタン12を設けることもできる。1列当たりのボタン12の数は、図7に示す3個のほか、2個ないし4個以上でも構わない。この場合、全てのボタン12に環状帯11を係止してもよいし、1列の中に複数個存在するボタン12のうち、一部のみに係止することもできる。また、係止するボタン12を異ならせることで、環状帯11の高さ位置を変更することもできる。
1 男性用下着
10 下着本体
11 環状帯
12 ボタン
B 身体
F 大腿部
P 陰茎
S 陰嚢

Claims (4)

  1. 男性局部に臨む下着本体内面に、環状帯が男性局部を挟むように少なくとも左右二箇所で固定されており、
    前記環状帯の内部に陰嚢を収容可能な一方、前記環状帯が固定された左右二箇所の間において、前記下着本体と前記環状帯との間に陰茎を下向きに収容可能な、男性用下着。
  2. 男性局部を挟んだ少なくとも前記左右二箇所に、それぞれボタンが縫い付けてあり、
    前記環状帯は、前記ボタンに対して着脱可能に係止されている、請求項1に記載の男性用下着。
  3. 前記環状帯が伸縮自在なネット状である、請求項1または請求項2に記載の男性用下着。
  4. 下着本体がボクサーパンツである、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の男性用下着。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022059548A (ja) * 2020-10-01 2022-04-13 智是 金子 かゆくなりにくい下着(パンツ)

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