JP2018070949A - 多成分系からなる合金 - Google Patents

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【課題】本発明は、高強度、高延性を有する多成分系からなる合金を提供することにある。【解決手段】本発明の多成分系からなる合金は、チタン、ジルコニウム、ニオブ、及びタンタルを含有する多成分系からなる合金であって、さらに、モリブデン、ハフニウム、タングステン、バナジウム、及びクロムからなる群から選択される少なくとも1種を含む多成分系からなる合金であり、かつ前記合金は、単相の固溶体、2相の固溶体、又は主相が固溶体相であることを特徴とする。また、本発明の多成分系からなる合金の好ましい実施態様において、前記合金は、チタン、ジルコニウム、ニオブ、及びタンタルを含有する多成分系からなる合金であって、さらに、モリブデンを含有することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、多成分系からなる合金、当該合金からなる生体適合性材料、及び当該合金の製造方法に関し、特に、高強度、高延性を有する多成分系からなる合金、当該合金からなる生体適合性材料、及び当該合金の製造方法に関する。
多種多様な用途に応えるために、これまで、金属材料の力学的高機能化を目指すため、既存合金ベースで改善を目指してきている。例えば、骨インプラントなど生体用金属材料から化学プラントなど耐久性が要求される金属材料まで、高強度の材料が開発されている。
一方で、従来型の合金は、単一元素を主要合金元素としたものが主流であるが、最近では、水素吸蔵合金などの多元系合金も開発されてきている。例えば、一般式TixVyMzNi1-x-y-z(Mは、Al、Mn、およびZnからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、0.2≦x≦0.4、0.3≦y<0.7、0.1≦z≦0.3、0.6≦x+y+z≦0.95)で示され、合金相の主成分が体心立方構造である水素吸蔵合金が知られている(特許文献1)。
特開平09-053136号公報
しかしながら、上述の合金を含め従来においては、多種多様な用途に応えるためには、合金特性に限界を生じていた。これは、通常合金設計において、単一の元素、又は2つの元素を主要元素として、それ以外は少量の元素を含む系からなる合金が比較的多く、そのため、既存の合金特性を劇的に改善するに至っていない等の問題点を有する。
例えば、超高齢化社会を迎えた我が国において、骨インプラントの重要性の高まりに付随して高機能を有する骨生体用金属材料の開発が求められている。現状では力学的信頼性と生体適合性の観点からチタンおよびチタン合金が生体用金属材料として使用されている。しかしながら、求められる力学的機能に加えて生体適合性に代表される生体内使用を想定した多くのハードルから、さらなる生体用金属材料の力学的高機能化を目指すには、もはや既存合金ベースでは大きく改善することは難しく、全く新しい設計思想からなる合金の開発が求められる局面に直面している。
また、化学プラントや油井、ガス井掘削設備などで使用される材料、部品等は、強い腐食性ガスにさらされる環境下で使用されるため、より高強度、耐食性が要求される。このようなことから、より高強度な新規合金の開発が望まれていた。
そこで、本発明は、高強度、高延性を有する多成分系からなる合金を提供することにある。
上記目的を達成するために、発明者らは、従来の合金では本来現れない配置のエントロピー効果を発現させるべく種々の組成について鋭意研究した結果、本発明の多成分系からなる合金を見出すに至った。
すなわち、本発明の多成分系からなる合金は、チタン、ジルコニウム、ニオブ、及びタンタルを含有する多成分系からなる合金であって、さらに、モリブデン、ハフニウム、タングステン、バナジウム、及びクロムからなる群から選択される少なくとも1種を含む多成分系からなる合金であり、かつ前記合金は、単相の固溶体、2相の固溶体、又は主相が固溶体相であることを特徴とする。
また、本発明の多成分系からなる合金の好ましい実施態様において、前記合金は、チタン、ジルコニウム、ニオブ、及びタンタルを含有する多成分系からなる合金であって、さらに、モリブデンを含有することを特徴とする。
また、本発明の多成分系からなる合金の好ましい実施態様において、前記合金は、一般式:
(TiZr)2−X(NbTaMo)
で示される(但し、0.1≦X≦1.9である。)ことを特徴とする。
また、本発明の多成分系からなる合金の好ましい実施態様において、前記合金は、一般式:
TiMo2−XNbTaZr
で示される(但し、0.1≦X≦1.9である。)ことを特徴とする。
また、本発明の生体適合性材料は、本発明の多成分系からなる合金からなることを特徴とする。
また、本発明の多成分系からなる合金の製造方法は、急冷凝固法、真空アーク溶解法、鋳造法、溶解法、三次元積層造形法、又は粉末冶金法から選択される方法によって、前記合金を溶解する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の多成分系からなる合金の製造方法の好ましい実施態様において、さらに、前記合金を焼なまし処理する工程を含むことを特徴とする。
本発明の多成分系からなる合金によれば、高強度、高延性を有する多成分系からなる合金を提供できるという有利な効果を奏する。また、別の態様によれば、本発明の多成分系からなる合金は、生体適合性にも優れるため、生体適合性材料としても使用できるという有利な効果を奏する。
図1は、TiNbTaZrMo合金(等モル組成)、及びTiNbTaZr(等モル組成)のX線回折パターンを示す図である。縦軸は回折強度、横軸は入射角(θ)(図では2θ)を示す。●は、bcc構造1を示し、■は、bcc構造2を示す。Annealed TiNbTaZrMo合金は、アニール処理(焼なまし処理)した合金を示し、as-Cast TiNbTaZrMo合金は、溶解したままの合金を示す。 図2は、TiNbTaZrMo合金の走査型電子顕微鏡によって撮影された組成像の写真を示す。図2(b1)と図2(b2)はTiNbTaZrMo合金の走査型電子顕微鏡によって撮影された組成像の写真を示す。図2(c1)から図2(c5)はas-cast TiNbTaZrMo合金におけるEMPA(Electron Probe Micro Analyzer、電子マイクロアナライザ)によって得られた元素マッピングを示す。図2(d1)と図2(d2)はas-cast TiNbTaZrMo合金におけるTEM明視野像と[011]方位からとった制限視野回折像を示す。 図3は、TiNbTaZrMo合金の溶解まま材(as-cast)と、熱処理材(annealed)の室温における、応力ひずみ曲線を示す。さらに図3は溶解ままTiNbTaZrMo材、熱処理TiNbTaZrMo材、TiNbTaZrHf HEA(ハイエントロピー合金)ならびにTi-6Al-4V合金の0.2%耐力の比較を示す。縦軸は公称応力(engineering stress) を、横軸は塑性ひずみ(plastic strain)を示す。図内の横軸は0.2%耐力(proof stress)を示す。 図4(a)はSUS316Lを、図4(b)は純Tiを、図4(c)は溶解まま(as-cast)のTiNbTaZrMo HEAを、図4(d)は熱処理(annealed)したTiNbTaZrMo HEAの細胞実験の結果を,それぞれ示す。図4の下図において、縦軸は細胞密度(cell density)を示す。 図5は、TiNbTaZrMo合金の溶解まま材(as-cast)と、熱処理材(annealed)における力学的特性を示す図である。左側の縦軸は耐力、右側の縦軸は破壊ひずみ(fracture strain)を示す。 図6(a)は、(TiZr)2-x(NbTaMo)x (0≦x≦2) HEA(ハイエントロピー)の合金設計における、配置のエントロピー(ΔSmix)、混合エンタルピー(ΔHmix)、原子半径比因子(δパラメータ)、価電子濃度(VECパラメータ)の関係を示す。図6(b)は、(TiZr)1.4(NbTaMo)0.6合金、及び(TiZr)0.6(NbTaMo)1.4合金のX線回折パターンを示す図である。 図7(a)は、TixMo2-xNbTaZr (0≦x≦2)(HEA(ハイエントロピー)の合金設計における、配置のエントロピー(ΔSmix)、混合エンタルピー(ΔHmix)、原子半径比因子(δパラメータ)、価電子濃度(VECパラメータ)の関係を示す。図7(b)は、Ti1.7Mo0.3NbTaZr合金(x=1.7)、及びTi1.5Mo0.5NbTaZr合金(x=1.5)のX線回折パターンを示す図である。 図8は、TiNbTaZrハイエントロピー合金(等モル組成)のX線回折パターンを示す図である。 図9は、TiNbTaZrVハイエントロピー合金(等モル組成)のX線回折パターンを示す図である。 図10は、TiNbTaZrWハイエントロピー合金(等モル組成)のX線回折パターンを示す図である。
本発明の多成分系からなる合金は、チタン、ジルコニウム、ニオブ、及びタンタルを含有する多成分系からなる合金であって、さらに、モリブデン、ハフニウム、タングステン、バナジウム、及びクロムからなる群から選択される少なくとも1種を含む多成分系からなる合金であり、かつ前記合金は、単相の固溶体、2相の固溶体、又は主相が固溶体相であることを特徴とする。
また、本発明の合金は、固溶体単相、又は主相が固溶体相である。すなわち、本発明の合金は、従来の合金では本来現れない配置のエントロピー効果を発現させた、いわゆるハイエントロピー合金(以下、HEAともいう)を意味する。本発明の合金は、好ましくは5元系、またはそれ以上の多成分系からなり、ΔSmixとΔHmixの効果という観点から、それぞれの構成元素の組成は、好ましくは、5〜35at%、より好ましくは、7〜25at%、さらに好ましくは、10〜22at%とすることができる。
本発明のハイエントロピー合金と他の多成分合金と異なる点は、ハイエントロピー合金は、単相の固溶体、2相の固溶体、又は主相が固溶体相であり、高い混合エントロピーを持つ点である。
本発明の合金は、従来の合金では本来現れない配置のエントロピー効果を最大限発現させることで、単純な結晶構造を有した固溶体であるにもかかわらず、高強度、高延性、低ヤング率、その他特殊物性を示すハイエントロピー合金(以下HEA)である。加えて、本発明においては、生体適合性を付与させることも可能である。また、本発明においては、HEAの存在する合金組成の探索において、配置のエントロピー(ΔSmix)、混合エンタルピー(ΔHmix)、原子半径比因子(δパラメータ)、価電子濃度(VECパラメータ)、また、必要に応じて、構成元素の生体毒性を各パラメータとして、生体用にも適用可能なHEA合金の系統的な合金開発手法を構築した点において革新性がある。本発明においては、ハイエントロピー合金中で異なる原子種を複雑に配置することで、一般的な合金とは異なるいくつかの有益な特徴を出現させることが可能となる。たとえば、特徴として、固溶体形成による延性の向上やひずみをうけた格子による高強度化を挙げることができる。
本発明の原理としては、以下のようである。HEAは構成する元素を増加させ、かつ、配置のエントロピー効果が最大限発現する組成を選択する必要がある。本発明のおいては、12 ≦ΔSmixの条件を最重重要視しつつ、-15≦Hmix、7≧δ、6≧ VECを満たす組成において、HEAが得られることが判明した。
また、本発明の多成分系からなる合金の好ましい実施態様において、前記合金は、チタン、ジルコニウム、ニオブ、及びタンタルを含有する多成分系からなる合金であって、さらに、モリブデンを含有することを特徴とする。また、本発明の多成分系からなる合金の好ましい実施態様において、前記合金は、一般式:
(TiZr)2−X(NbTaMo)
で示される(但し、0.1≦X≦1.9である。)ことを特徴とする。上記一般式において、−15≦ΔHmix、7≧δ、6≧VECを満たしている限り特に限定されないが、よりエントロピー効果を発現させるという観点から、xの範囲については、好ましくは、0.1≦X≦1.9、より好ましくは、0.5≦X≦1.5、さらに好ましくは、0.8≦X≦1.3の範囲とすることができる。
また、本発明の多成分系からなる合金の好ましい実施態様において、前記合金は、一般式:
TiMo2−XNbTaZr
で示される(但し、0.1≦X≦1.9である。)ことを特徴とする。上記一般式において、−15≦ΔHmix、7≧δ、6≧VECを満たしている限り特に限定されないが、よりエントロピー効果を発現させるという観点から、xの範囲については、好ましくは、0.1≦X≦1.9、より好ましくは、0.3≦X≦1.7、さらに好ましくは、0.6≦X≦1.4の範囲とすることができる。
また、本発明の生体適合性材料は、本発明の多成分系からなる合金からなることを特徴とする。本発明の多成分系からなる合金については、上述の説明をそのまま参照することができる。これは、Ti, Zr, Nb, Ta, Moは、ハイエントロピー合金を実現できたことに加えて、細胞毒性が低く、生体適合性材料として十分発揮し得るからである。
また、本発明の多成分系からなる合金の製造方法について、説明すれば以下の通りである。すなわち、本発明の多成分系からなる合金の製造方法は、均一な合金の作製という観点から、急冷凝固法、真空アーク溶解法、鋳造法、溶解法、三次元積層造形法、又は粉末冶金法から選択される方法によって、前記合金を溶解する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の多成分系からなる合金の製造方法の好ましい実施態様において、凝固組織の改質という観点から、さらに、前記合金を焼なまし処理する工程を含むことを特徴とする。焼なまし処理の温度としては、構成原子の拡散係数という観点から、好ましくは、100〜1500℃、より好ましくは、800〜1200℃、さらに好ましくは、950〜1050℃である。また、焼なまし処理の時間としては、平衡状態に達するまでの時間という観点から、好ましくは、5分〜1か月、より好ましくは、24時間〜10日間 、さらに好ましくは、6日〜8日間、熱処理することができる。
ここで、本発明の一実施例を説明するが、本発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であることは言うまでもない。
実施例1
まず、4元系TiNbTaZr合金と5元系TiNbTaZrMX(X=V,Cr,Mo,Ta,Fe)合金において固溶体が形成するか否かを調べた。Xに入る元素は純金属状態で室温にてbcc構造を示す元素を選択した。加えて形成される固溶体がfccであるのかbccであるのかについてはVECパラメータを用いて予測した。
次いで、提案した組成において、Ti, Zr, Nb, Ta, Moの5元素が等モル組成であるTiZrNbTaMo合金について、ハイエントロピー合金の作成を試みた。溶解法としては、真空アーク溶解法を用いた。
まず、Ti, Zr, Nb, Ta, Moの5元素合金インゴットを純金属原料から準備した。合金成分が十分混ざるように一回につき少なくとも5分以上溶かし、これを10回以上繰り返した。熱処理試料は1000度、168時間(1週間)熱処理した。合金インゴットと微細組織と相構成は光学顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡観察、EPMA、透過型電子顕微鏡観察、そしてX線回折実験によって調査した。
得られた合金の結晶構造をXRDならびに透過型電子顕微鏡にて観察したところ、HEAとして最大の特徴である単純な構造(本実施例にではbcc構造)の固溶体であることを確認した(図1)。図1は、TiNbTaZrMo合金(等モル組成)、及びTiNbTaZr(等モル組成)のX線回折パターンを示す図である。縦軸は回折強度、横軸は入射角(θ)(図では2θ)を示す。●は、bcc構造1を示し、■は、bcc構造2を示す。Annealed TiNbTaZrMo合金は、アニール処理(焼なまし処理)した合金を示し、as-Cast TiNbTaZrMo合金は、溶解したままの合金を示す。TiNbTaZr合金はシャープな回折ピークを示し、4本のピークはこの合金がbcc固溶体から構成されていることを示している。さらにピーク位置からこの合金を構成しているbcc固溶体の格子の一辺の長さは0.332nmと解析された。一方で溶解まま(as-cast)TiNbTaZrMo合金は白丸と黒丸で示すように、二つのbcc固溶体から構成されていることが分かった。
二つのbcc固溶体の、それぞれのbccの一辺の長さは0.333nm と0.325nmであった。このXRD測定の結果から2つのbcc固溶体以外の化合物等の他の相は確認されず、従って、溶解まま(as-cast)TiNbTaZrMo合金はハイエントロピー合金化したことが分かった。さらにTiNbTaZrMo合金は1000℃、1週間の熱処理を行っても、この2つのbcc固溶体は安定に存在しており、新たに化合物などは形成されなかった。ただし、X線回折ピークの位置とピーク高さが変化しており、白丸と黒丸のbcc固溶体の体積率は変化した。すなわちTiNbTaZrMo合金は安定したハイエントロピー合金であることが示唆された。なお、本合金は異なる一辺の長さを持つbcc相によって構成されることが分かった。
実施例2
次に、実施例1で得られた本発明のハイエントロピー合金についての組成像を調べた。図2(b1)と図2(b2)はTiNbTaZrMo合金の走査型電子顕微鏡によって撮影された組成像の写真である。溶解ままTiNbTaZrMo合金は等軸デンドライト組織が観察された。デンドライト組織の形成は凝固時に原子濃度が再分配されたことを示し、結果として、白いデンドライト組織(図2(b1)中に示す大文字A)と黒いコントラストのデンドライト間領域(図2(b1)中に示す大文字B)の二つが形成された。
この組織は図2(b2)に示すように、熱処理によってデンドライト組織(白いコントラストの場所)の領域が広がる傾向を示した。図2(c1)から図2(c5)は溶解まま(as-cast)TiNbTaZrMo合金におけるEMPAによって得られた元素マッピングである。Ta、Nb、MoはAの領域に(図2(b1)中の白いコントラストの箇所、Aの場所)濃化した。一方でTi、Zrはデンドライト間組織(Bの場所)に濃化した。具体的にはAの箇所におけるTi濃度は15.5%±0.7[at%], Nb濃度は22.4±0.6[at%], Ta濃度は30.8±1.0[at%], Zr濃度は8.4±0.6[at%]、Mo濃度は22.9[at%]であり、一方でBの箇所におけるTi濃度は24.7±0.7[at%], Nb濃度は13.6±0.6[at5]、Ta濃度は7.7±0.6[at%]、Zr濃度は40.9±2.9[at%]、Mo濃度は13.1±0.6[at%]であった。この傾向は熱処理したTiNbTaZrMo合金も同じ傾向を示した。この組成濃度分析の結果と、ベガード測を用いて、格子一辺の長さを測定したところ、0.328nmと0.338nmとなりXRD測定によって算出された値とよい一致を示した。なお、図2(d1)と図2(d2)は溶解まま(as-cast)TiNbTaZrMo合金におけるTEM明視野像と[011]方位からとった制限視野回折像である。
また、bcc固溶体で構成されたデンドライト組織の中に、他の相は見当たらず、制限視野回折からもbcc構造のみが検出された。従って、改めてTiNbTaZrMo合金が、bcc固溶体のみで構成されていることが確認された。ただ原子濃度の揺らぎが存在し、この濃度差の結果Nb、Ta、Moが濃化したデンドライト組織(Aの領域)とTi、Zrが濃化したデンドライト間組織(Bの領域)の2領域が形成された。この原子濃度の分配についてはΔHの観点から定性的に説明できる。凝固時において、高い融点を持つTa, Mo, Nbが濃化したデンドライト組織が形成される。このデンドライト中からTi, Zrは排除される。なぜならば、ΔHTa Ti、ΔHTa Zr、ΔHNb Ti,ΔHNbZrが正の値を示すからであり(正の値をとると結合しにくくなり、分離しようとするため)、結果としてTiとZr元素はデンドライト間組織に濃化したと考えられる。
このように、微細組織も従来報告されているハイエントロピー合金特有の等軸デンドライト組織が観察され(図2(a))、デンドライトとデンドライト軸間ではそれぞれ組成ならびに格子定数の異なる2つのbccが存在していた(図1)。
実施例3
次に、実施例1で得られた本発明の合金についての特性を調べた。圧縮試験用試験片は約2×2×5mmの大きさで、合金インゴットから切り出した。圧縮試験は室温にて1%/分のひずみ速度で試験した。
TiNbTaZrMo合金の溶解まま材(図中のas-cast)と、熱処理材(図中のannealed)の室温における、応力ひずみ曲線を図3に示す。さらに図3にはTiNbTaZrHf(等モル組成) HEAならびにTi-6Al-4V合金の結果も同様に示している。熱処理の有無にかかわらず、TiNbTaZrMo HEAは1000MPa以上の高い0.2%耐力を示した。この値は類似した組成をもつTiNbTaZrHfハイエントロピー合金や生体用金属材料としてよく使用されているTi-6Al-4V合金よりも高い値を示す。TiNbTaZrMo HEAは熱処理することによって延性が向上した。したがってTiNbTaZrMo HEAは高い強度と良好な延性を示すことが確認できた。
実施例4
次に、実施例1で得られた本発明の合金について、細胞への適合性試験を行った。生体適合性試験用試料は直径9mm、厚さ1mmの円盤状の形状である。この試料はSIC研磨紙No.4000まで研磨したのち、ダイヤモンドペーストで研磨した。細胞実験の前に、これらの試料は紫外線にて殺菌した。骨芽細胞の培養は、MEM-α血清培地を用いることを基本とし、37度5%CO2環境で24時間程度以上の培養とすることができる。骨芽細胞の中には、培養細胞においても石灰化部位に埋入され、活性の落ちた骨細胞となる細胞も存在する可能性がある。また、骨芽細胞の培養系を用いるので、破骨細胞は存在しないと考えられるが、初代培養では破骨細胞、骨細胞、線維芽細胞等の混入が100%ないとは言い切れず、破骨細胞、骨細胞、線維芽細胞等が混入されていてもよい。
6000セル/cm2の密度で細胞を播種し、そののち、5%CO2の環境雰囲気で24時間培養した。さらに培養後、メタノールにて細胞を固定した。細胞密度を光学顕微鏡による観察にて算出した。生体適合性の比較のため、SUS316Lと純チタンと今回作製したTiNbTaZrMo合金を比較した。図4(a)はSUS316Lを、図4(b)は純Tiを、図4(c)は溶解まま(as-cast)のTiNbTaZrMo HEAを、図4(d)は熱処理(annealed)したTiNbTaZrMo HEAの細胞実験の結果を示す。熱処理の有無にかかわらず、TiNbTaZrMo HEA上において純Tiと同様に骨芽細胞は一つ一つの細胞が広がって存在していた。一方、SUS316Lでは骨芽細胞は縮んでいた。この結果は、TiNbTaZrMo HEAは純Tiと同じく、骨の形成において非常に有用な材料であることを示している。
24時間培養実験後の細胞密度を解析したところ、TiNbTaZrMo HEAは熱処理の有無にかかわらず、SUS316Lよりも明らかに細胞数が増えていた。溶解ままの(as-cast) TiNbTaZrMo HEAは純Tiと同様の生体適合性を示した。熱処理したTiNbTaZrMo HEAは純Tiを超える良好な生体適合性を示した。このようなハイエントロピー合金の良好な生体適合性を今回はじめて示すことに成功した。この結果はおそらく白い領域の増大あるいは、デンドライト組織とデンドライト間組織(白い領域と黒い領域)における原子濃度の差異が影響していると考えられる。TiNbTaZrMo HEAが有する良好な生体適合性の原因については今後より詳細に調査していく予定である。以上の結果はハイエントロピー合金が新規金属バイオマテリアルとしての高い潜在的な能力を持つことを示している。
このように、本発明の合金は圧縮試験の結果、0.2%耐力が約1400MPaであり、現在最も生体用金属材料として使用されているTi-6Al-4V合金の降伏応力の約1.5倍以上にまで達することが見出された。さらにこの合金を1000℃、1週間(1273K, 168h)熱処理することで、固溶体構造(bcc構造)を維持したまま(図1)、延性に強く影響を与えるデンドライト組織を変化させることに成功し(図2(b))、この組織改善により1100MPa以上の0.2%耐力を維持したまま破断歪の向上に成功した(図5)。これら実施例合金にて骨芽細胞を播種し24時間培養した後、各試料上に培養された細胞をギムザ染色し、生体適合性について検討したところ、図4に示すようにSUS316Lよりも優位に生体適合性に優れるにとどまらず、実用生体用金属材料である純チタンと同等の値を示し、本研究で開発したHEAが高い生体適合性を有することを証明した。
実施例5
次に、合金組成が図6(a)に示すものであることを除き、上述の実施例と同様に、ハイエントロピー合金を作製した。図6(a)は、(TiZr)2-x(NbTaMo)x (0≦x≦2) HEA(ハイエントロピー)の合金設計における、配置のエントロピー(ΔSmix)、混合エンタルピー(ΔHmix)、原子半径比因子(δパラメータ)、価電子濃度(VECパラメータ)の関係を示す。図6(b)は、代表として、(TiZr)1.4(NbTaMo)0.6合金、及び(TiZr)0.6(NbTaMo)1.4合金のX線回折パターンを示す図である。いずれの組成においても、12 ≦ΔSmixの条件を最重重要視しつつ、-15≦Hmix、7≧δ、6≧ VECを満たし、実際に、bcc構造を有し、同様に、高強度、高延性を有するハイエントロピー合金を得ることができた。
実施例6
次に、合金組成が図7(a)に示すものであることを除き、上述の実施例と同様に、ハイエントロピー合金を作成した。図7(a)は、TixMo2-xNbTaZr (0≦x≦2)(HEA(ハイエントロピー)の合金設計における、配置のエントロピー(ΔSmix)、混合エンタルピー(ΔHmix)、原子半径比因子(δパラメータ)、価電子濃度(VECパラメータ)の関係を示す。図7(b)は、代表として、Ti1.7Mo0.3NbTaZr合金(x=1.7)、及びTi1.5Mo0.5NbTaZr合金(x=1.5)のX線回折パターンを示す図である。その結果、いずれの組成においても、12 ≦ΔSmixの条件を最重重要視しつつ、-15≦Hmix、7≧δ、6≧ VECを満たし、実際に、bcc構造を有し、同様に、高強度、高延性を有するハイエントロピー合金を得ることができた。
実施例7
上述した実施例と同様の製法によって、TiZrNbTa 合金(等モル組成)、TiZrNbTaV 合金(等モル組成)及びTiNbTaZrW合金(等モル組成)を作製した。図8は、TiZrNbTa 合金(等モル組成)のX線回折パターンを示す図である。図9は、TiZrNbTaV 合金(等モル組成)のX線回折パターンを示す図である。図10は、TiNbTaZrW合金(等モル組成)のX線回折パターンを示す図である。いずれの組成もbcc構造を有し、同様に、高強度、高延性を有するハイエントロピー合金を得ることができた。
本発明によりこれまでの合金では達成できない高強度、高延性、優れた生体適合性を有するHEA設計が可能となった。従来の絨毯爆撃的要素が強いHEAの存在する合金組成の探索とは一線を画し、系統的な設計指針に基づく生体用HEA設計の発明に至った。本発明では、特に構成元素の生体毒性を新たなHEA設計パラメータとして加えることで、高い生体適合性を有する(TiZr)2-x(NbTaMo)x (0.1≦x≦1.9) 等のHEAの開発にも成功した。
本発明によって得られるHEAはこれまで見出されていない高強度かつ高生体適合性であるため、生体用HEA合金を用いた新たな市場創製し、これにともない幅広い産業、製品群に対して、大きな波及効果がある。

Claims (7)

  1. チタン、ジルコニウム、ニオブ、及びタンタルを含有する多成分系からなる合金であって、さらに、モリブデン、ハフニウム、タングステン、バナジウム、及びクロムからなる群から選択される少なくとも1種を含む多成分系からなる合金であり、かつ前記合金は、単相の固溶体、2相の固溶体、又は主相が固溶体相であることを特徴とする、多成分系からなる合金。
  2. 前記合金は、チタン、ジルコニウム、ニオブ、及びタンタルを含有する多成分系からなる合金であって、さらに、モリブデンを含有することを特徴とする請求項1記載の合金。
  3. 前記合金は、一般式:
    (TiZr)2−X(NbTaMo)
    で示される(但し、0.1≦X≦1.9である。)ことを特徴とする請求項2記載の合金。
  4. 前記合金は、一般式:
    TiMo2−XNbTaZr
    で示される(但し、0.1≦X≦1.9である。)ことを特徴とする請求項2記載の合金。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の合金からなる生体適合性材料。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の多成分系からなる合金の製造方法であって、急冷凝固法、真空アーク溶解法、鋳造法、溶解法、三次元積層造形法、又は粉末冶金法から選択される方法によって、前記合金を溶解する工程を含むことを特徴とする多成分系からなる合金の製造方法。
  7. さらに、前記合金を焼なまし処理する工程を含む請求項6記載の方法。
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