JP2018070123A - 乳母車 - Google Patents

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内 健 寺
崎 雅 志 谷
Masashi Tanizaki
崎 雅 志 谷
野 順 一 浅
Junichi Asano
野 順 一 浅
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Abstract

【課題】ハンドルが第1位置と第2位置とを揺動可能となっている乳母車を、ハンドルが第1位置及び第2位置のいずれに位置する場合にも、折り畳むことができるようにする。【解決手段】乳母車10は、本体フレーム12と、揺動可能なハンドル50と、を有する。本体フレームは、折り畳み動作が規制されるようになる規制位置と、折り畳み動作が可能となる解除位置と、の間を移動可能な状態維持部材45を有する。ハンドル50は、ハンドル本体51に動作可能に支持された操作部材60と、を有する。操作部材は、第1位置及び第2位置に位置するハンドルのハンドル本体に対して動作することによって状態維持部材を規制位置から解除位置に移動させる。【選択図】図14

Description

本発明は、ハンドルを揺動可能な折り畳み式乳母車に関する。
例えば特許文献1に開示されているように、乳幼児を連れ出す際に用いる乳母車が利用に供されている。多くの乳母車が、保管時や携帯時に利便性を考慮して、折り畳み可能となっている。また、第1の位置と第2の位置との間でハンドルを揺動可能にした乳母車も広く普及している。
特許文献1に開示された乳母車では、ハンドルが、背面押し位置と対面押し位置との間で揺動可能となっている。背面押し位置において、ハンドルは乳幼児の背面側に位置し、保護者は、乳幼児の背面側から乳母車を押し進める。一方、対面押し位置において、ハンドルは乳幼児に対面して位置し、保護者は、乳幼児に対面する側から乳母車を押し進める。
CN102248961A
ところで、特許文献1に開示された乳母車を折り畳むには、予めハンドルを背面押し位置に戻しておく必要がある。また、折り畳み状態から展開した乳母車において、ハンドルは、常に、背面押し位置に位置することになる。したがって、乳幼児を対面しながら乳母車を押し進めるには、更に、ハンドルを対面押し位置に揺動させる必要がある。その一方で、一般的に月齢の低い乳児に対して乳母車を用いる場合、乳児に対面する側から乳母車を押すことが多くなる。このとき、乳母車を折り畳む度、また乳母車を展開する度、ハンドルの揺動位置を切り替える必要が生じる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、ハンドルが第1位置と第2位置とを揺動可能となっている乳母車を、ハンドルが第1位置及び第2位置のいずれに位置する場合にも、折り畳むことができるようにすることを目的とする。
本発明による第1の乳母車は、
展開状態から折り畳み状態へ折り畳み可能な乳母車であって、
前記展開状態から前記折り畳み状態へ変形可能な本体フレームと、
第1位置と第2位置との間を揺動可能に前記本体フレームに接続されたハンドルと、を備え、
前記本体フレームは、前記乳母車の折り畳み動作が規制されるようになる規制位置と、前記乳母車の折り畳み動作が可能となる解除位置と、の間を移動可能な状態維持部材を有し、
前記ハンドルは、前記本体フレームに接続したハンドル本体と、前記ハンドル本体に動作可能に支持された操作部材と、を有し、
前記操作部材は、前記第1位置に位置する前記ハンドルの前記ハンドル本体に対して動作することによって前記状態維持部材を押圧して前記規制位置から前記解除位置に移動させ、且つ、前記第2位置に位置する前記ハンドルの前記ハンドル本体に対して動作することによって前記状態維持部材を押圧して前記規制位置から前記解除位置に移動させる。
本発明による第1の乳母車において、
前記本体フレームは、
前脚および後脚と、
前記前脚および前記後脚と回動可能に接続されたアームレストと、
前記アームレストと回動可能に接続された第1リンクと、を有し、
前記状態維持部材は、前記第1リンクに支持されていてもよい。
本発明による第1の乳母車において、
前記操作部材は、操作位置と非操作位置との間を移動可能であり、且つ、前記操作位置の側から前記非操作位置に向けて付勢されており、
前記状態維持部材は、前記非操作位置から前記操作位置へ移動する前記操作部材に押圧されて、前記規制位置から前記解除位置へと移動するようにしてもよい。
本発明による第1の乳母車において、前記非操作位置に位置する前記操作部材は、前記状態維持部材から離間していてもよい。
本発明による第1の乳母車において、
前記操作部材は、操作位置と非操作位置との間を移動可能であり、
前記操作部材は、前記ハンドルが前記第1位置に位置している場合に前記状態維持部材に接触可能な第1接触面と、前記ハンドルが前記第2位置に位置している場合に前記状態維持部材に接触可能な第2接触面と、を含むようにしてもよい。
本発明による第1の乳母車において、前記操作部材は、前記ハンドルに対して摺動可能な操作基部と、前記ハンドルのうちの前記操作基部が設けられている部分の長手方向に対して交差する方向に突出し且つ前記第1接触面および前記第2接触面を含む操作突出部と、を有するようにしてもよい。
本発明による第1の乳母車において、
前記操作部材は、前記非操作位置と前記操作位置との間を前記ハンドル本体のうちの前記操作部材が設けられている部分の長手方向に沿って移動可能であり、
前記第2接触面は、前記非操作位置から前記操作位置へ向けた前記操作部材の移動方向に対して傾斜し且つ前記非操作位置から前記操作位置へ向けた前記操作部材の移動方向における前側から後側に向けて前記ハンドル本体から離間していく傾斜面を含むようにしてもよい。
本発明による第1の乳母車において、
前記操作部材は、前記第1接触面及び前記第2接触面の間に位置する膨出面を、更に有し、
前記ハンドルの前記本体フレーム対する揺動軸線から前記膨出面までの距離は、当該揺動軸線から前記第1接触面のうちの前記膨出面に隣接する部分までの距離よりも長く且つ当該揺動軸線から前記第2接触面のうちの前記膨出面に隣接する部分までの距離よりも長くなっていてもよい。
本発明による第2の乳母車は、
展開状態から折り畳み状態へ折り畳み可能な乳母車であって、
前記展開状態から前記折り畳み状態へ変形可能な本体フレームと、
第1位置と第2位置との間を揺動可能に前記本体フレームに接続されたハンドルと、を備え、
前記ハンドルは、前記本体フレームに接続したハンドル本体と、前記ハンドル本体に対して移動可能に当該ハンドル本体に支持された保持体と、前記保持体を付勢する付勢部材と、を有し、
前記本体フレームは、前記保持体と係合して前記ハンドルを前記第1位置に保持する第1位置保持部材と、前記保持体と係合して前記ハンドルを前記第2位置に保持する第2位置保持部材と、有し、
前記付勢部材は、前記保持体を前記第1位置保持部材または前記第2位置保持部材に向けて押圧して前記保持体と前記第1位置保持部材または前記第2位置保持部材との係合状態を維持するよう、前記保持体に作用し、
前記保持体が前記第1位置保持部材と係合した状態で、前記本体フレームを変形させて乳母車の折り畳み動作を開始することができ、且つ、前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で、前記本体フレームを変形させて乳母車の折り畳み動作を開始することができ、
前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、前記保持体は、前記付勢部材からの付勢力によって前記第2位置保持部材との係合を維持しながら、前記付勢部材からの付勢力に抗して前記ハンドル本体に対して動作する。
本発明による第2の乳母車において、
前記ハンドルは、前記ハンドル本体上に設けられ当該ハンドル本体との間に前記付勢部材を収容する収容空間を形成するカバープレートを、更に有し、
前記カバープレートは、ハンドル本体の長手方向に延び且つ前記収容空間に通じる溝を形成されており、
前記保持体は、前記溝を通過して前記収容空間内に延び入った突出部を有するようにしてもよい。
本発明による第3の乳母車は、
展開状態から折り畳み状態へ折り畳み可能な乳母車であって、
前記展開状態から前記折り畳み状態へ変形可能な本体フレームと、
第1位置と第2位置との間を揺動可能に前記本体フレームに接続されたハンドルと、を備え、
前記ハンドルは、前記本体フレームに接続したハンドル本体と、前記ハンドル本体に対して移動可能に当該ハンドル本体に支持された保持体と、を有し、
前記本体フレームは、前記保持体と係合して前記ハンドルの前記第1位置からの揺動を規制する第1位置保持部材と、前記保持体と係合して前記ハンドルの前記第2位置からの揺動を規制する第2位置保持部材と、有し、
前記第2位置保持部材は、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向に沿って前記保持体に対して相対移動可能に前記保持体と係合する。
本発明による第3の乳母車において、前記保持体が前記第1位置保持部材と係合した状態で、前記本体フレームを変形させて乳母車の折り畳み動作を開始することができ、且つ、前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で、前記本体フレームを変形させて乳母車の折り畳み動作を開始することができるようにしてもよい。
本発明による第3の乳母車において、前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、前記第2位置保持部材は、折り畳み動作中に、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向に沿って前記保持体に対して相対移動するようにしてもよい。
本発明による第3の乳母車において、前記第2位置保持部材が前記保持体に対して相対移動している間、前記保持体は、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向において一定の位置に位置するようにしてもよい。
本発明による第3の乳母車において、前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、前記第2位置保持部材は、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向に沿って前記保持体に対して相対移動した後、前記保持体とともに前記ハンドル本体に対して移動するようにしてもよい。
本発明による第3の乳母車において、前記第2位置保持部材の前記保持体に対する相対移動の向きは、前記保持体の前記ハンドル本体に対する相対移動の向きに沿っていてもよい。
本発明による第3の乳母車において、前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、前記保持体は、前記展開状態から前記前記折り畳み状態までの間、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向において一定の位置に位置するようにしてもよい。
本発明による第3の乳母車において、前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、前記第2位置保持部材は、前記展開状態から前記前記折り畳み状態までの間、前記保持体に対する相対移動を継続するようにしてもよい。
本発明による第3の乳母車において、
前記保持体は、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向に沿って前記ハンドル本体に対して移動可能であり、
前記保持体は、前記ハンドル本体に対して移動することで、前記第2位置保持部材と係合し、
前記保持体は、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向に延び且つ前記第2位置保持部材と係合可能な係合部を有し、
前記第2位置保持部材は、前記係合部と係合した状態で、前記係合部の長手方向に沿って前記係合部に対して相対移動可能であるようにしてもよい。
本発明による第3の乳母車において、前記係合部は、前記第2位置保持部材と係合する際における前記保持体の移動方向前側となる端部において、当該移動方向の前方に開口した溝であってもよい。
本発明による第3の乳母車において、前記ハンドルは、前記第2位置保持部材に向けて前記保持体を付勢する付勢部材を、さらに有するようにしてもよい。
本発明によれば、ハンドルが第1位置及び第2位置のいずれに位置する場合にでも、乳母車を折り畳むことが可能となる。
本発明の一実施の形態における乳母車の全体構成を説明するための斜視図。 ハンドルが第2位置(対面押し位置)に配置された状態で乳母車を示す側面図。 ハンドルが第1位置(背面押し位置)に配置された状態で折り畳まれた乳母車を示す側面図。 ハンドルが第2位置(対面押し位置)に配置された状態で折り畳まれた乳母車を示す側面図。 図2のV−V線に沿った断面図。 図5のVI−VI線に沿った断面図。 保持体を下方から示す斜視図。 カバープレートを内側から示す斜視図。 状態維持部材の動作を説明するための図であって、ハンドルが第1位置(背面押し位置)に配置された乳母車の要部を示す部分斜視図。 状態維持部材の動作を説明するための図であって、ハンドルが第1位置(背面押し位置)に配置された乳母車の要部を示す部分斜視図。 操作部材の動作を説明するための図であって、ハンドルが第1位置(背面押し位置)に配置された乳母車の要部を示す部分側面図。 操作部材の動作を説明するための図であって、ハンドルが第1位置(背面押し位置)に配置された乳母車の要部を示す部分側面図。 操作部材の動作を説明するための図であって、ハンドルが第2位置(対面押し位置)に配置された乳母車の要部を示す部分側面図。 操作部材の動作を説明するための図であって、ハンドルが第2位置(対面押し位置)に配置された乳母車の要部を示す部分側面図。 操作部材を示す幅方向外方から示す斜視図。 操作部材を示す幅方向内方から示す平面図。 図5に対応する図であって、保持体およびその支持構造の一変形例を説明するための図。 図5に対応する図であって、保持体およびその支持構造の他の変形例を説明するための図。 保持体の更に他の変形例を示す斜視図。 図19の保持体を図19とは異なる方向から示す斜視図。 図19の保持体を下方から示す平面図。 図2に対応する側面図であって、図19の保持体を有する乳母車を示す図。 図4に対応する側面図であって、図19の保持体を有する乳母車を示す図。 図22のXXIV−XXIV線に沿った断面図。 図23のXXV−XXV線に沿った断面図。 図2に対応する側面図であって、保持体の更に他の変形例を説明するための図。 図4に対応する側面図であって、図26の乳母車を折り畳み状態を示す図。 図26のXXVIII−XXVIII線に沿った断面図。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1〜図16は本発明による乳母車の一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1〜図4には、乳母車の全体構成が示されている。図1〜図4に示すように、本実施の形態における乳母車10は、脚14,16を有した折り畳み可能な乳母車本体11と、脚14,16に取り付けられた車輪保持ユニット70と、を有している。乳母車本体11は、前脚14及び後脚16を有する本体フレーム12と、本体フレーム12に対して揺動可能となるように本体フレーム12に接続されたハンドル50と、を有している。また、図示は省略するが、乳母車本体11には、クッション性の座席材が取り外し可能に装着される。乳幼児は、この座席材上に着座する。
本実施の形態において、乳母車10は、広く普及しているように、折り畳み可能に構成されている。また、本実施の形態の乳母車10においては、ハンドル50を本体フレーム12に対して揺動させることにより、操作者(保護者)が乳幼児の背面側からハンドル50を把持して乳母車10を操縦し、乳幼児が進行方向の前方を向くようにして乳母車10を走行させること、並びに、操作者が乳幼児に対面する前脚側の位置からハンドル50を把持して乳母車10を操縦し、乳母車10の後脚側が進行方向の前方となるようにして乳母車10を走行させること、の両方が可能となっている。
ところで、本明細書中において、乳母車およびその構成要素に対する「前」、「後」、「上」、「下」、「前後方向」、および「上下方向」の用語は、特に指示がない場合、展開状態にある乳母車およびその構成要素に乗車する乳幼児を基準とした「前」、「後」、「上」、「下」、「前後方向」、および「上下方向」を意味する。さらに詳しくは、「前後方向」とは、図1における紙面の左下と右上とを結ぶ方向であって、図2における紙面の左右の方向に相当する。そして、特に指示がない限り、「前」とは、乗車した乳幼児が向く側であり、図1における紙面の左下側並びに図2における紙面の左側が前側となる。一方、「上下方向」とは前後方向に直交するとともに接地面に直交する方向である。したがって、接地面が水平面である場合、「上下方向」とは垂直方向をさす。また、「横方向」とは幅方向であって、「前後方向」および「上下方向」のいずれにも直交する方向である。
まず、乳母車の全体構成として、乳母車本体11について説明する。図1に示すように、本実施の形態における乳母車10は、全体的に、前後方向に沿った横方向中心面を中心として概ね対称な構成となっている。上述したように、乳母車本体11は、本体フレーム12及びハンドル50を有している。このうち本体フレーム12は、図1に示すように、それぞれ左右に配置された一対の前脚14と、それぞれ左右に配置された一対の後脚16と、それぞれ左右に配置された一対のアームレスト19と、それぞれ左右に配置された一対の第1リンク20と、を有している。
図1及び図2に示すように、前脚14の上端部分は、対応する側(左側または右側)に配置されたアームレスト19の前方部分に回動可能(揺動可能)に接続されている。同様に、後脚16の上端部分は、対応する側(左側または右側)に配置されたアームレスト19の前方部分に回動可能(揺動可能)に接続されている。また、第1リンク20の上方部分が、対応する側(左側または右側)に配置されたアームレスト19の後方部分に回動可能(揺動可能)に接続されている。図2に示されているように、図示された例において、第1リンク20は、主リンク材21と、主リンク材21の上端に固定された上接続材22と、を有している。主リンク材21は、例えば金属製パイプからなる。上接続材22は、例えば、樹脂成形物からなる。第1リンク20は、上接続材22において、アームレスト19の後端部分に回動可能(揺動可能)に接続されている。
図1及び図2に示すように、本体フレーム12は、前脚14と回動可能(揺動可能)に接続された第2リンク25と、後脚16と回動可能(揺動可能)に接続された第3リンク30と、を有している。第2リンク25は、第1リンク20及び第3リンク30の少なくとも一方と回動可能(揺動可能)に接続される。第3リンク30は、第1リンク20及び第2リンク25の少なくとも一方と回動可能(揺動可能)に接続される。
図1に示すように、図示された例において、第2リンク25をなす部材として、フレーム材26と、フレーム材26に固定された前接続材27及び後接続材28とが設けられている。フレーム材26は、例えば、曲げ加工した金属製パイプからなる。前接続材27及び後接続材28は、例えば樹脂成形物からなる。フレーム材26は、前後方向に延びる一対の側部26aと、一対の側部26a間を前方にて連結する連結部26bと、を有してU字状をなしている。前接続材27は、一端部分を前脚14と回動可能に接続され、他端部分を側部26aの前方部分に固定されている。後接続材28は、側部26aの後端部分に固定されている。この例において、右側に位置するフレーム材26の側部26aと、この右側の側部26aに固定された右側の前接続材27及び後接続材28とによって、右側の第2リンク25が形成されている。同様に、左側に位置するフレーム材26の側部26aと、この左側の側部26aに固定された左側の前接続材27及び後接続材28とによって、左側の第2リンク25が形成されている。
図1に示すように、図示された例において、第3リンク30は、後脚16に回動可能に接続された主軸材31と、主軸材31の上端部分に固定された端部材32と、を有している。主軸材31は、例えば金属製パイプからなる。端部材32は、例えば樹脂成形物からなる。主軸材31は、下端部分において後脚16と回動可能に接続されている。端部材32は、第1リンク20及び第2リンク25と接続されている。
ここで、図9及び図10は、第1リンク20の周囲を幅方向内側から示す斜視図である。図9及び図10に示すように、図示された例において、第1リンク20、第2リンク25及び第3リンク30は、同一の軸部材34を用いて、互いに回動可能に接続されている。この軸部材34は、第1リンク20の主リンク材21、第3リンク30の端部材32、及び、第2リンク25をなす後接続材28を貫通している。この構成により、第1リンク20、第2リンク25及び第3リンク30は、軸部材34によって画成される同一の軸線を中心として、互いに回動可能となっている。
また、図示された例において、図1及び図2に示すように、本体フレーム12は、ベースフレーム41及び上方フレーム42と、ベースフレーム41と上方フレーム42とを連結する連結フレーム43と、をさらに、有している。フレーム材26およびベースフレーム41には、ベース布材(図示せず)が張設される。ベース布材は、フレーム材26、ベースフレーム41、上方フレーム42及び連結フレーム43とともに、クッション性の座席材(図示せず)を支持する。ベースフレーム41及び上方フレーム42は、共にU字状に形成されている。
図9及び図10に示すように、ベースフレーム41は、その両端部において、軸部材34に貫通されている。そして、ベースフレーム41は、フレーム材26やその他の構成要素に対して回動可能(揺動可能)となっている。上方フレーム42は、その両端部において、アームレスト19の後端部分と回動可能(揺動可能)に接続されている。上方フレーム42のアームレスト19に対する回動軸線は、第1リンク20のアームレスト19に対する回動軸線と同一線上に位置している。ベースフレーム41及び上方フレーム42の間には、横方向に離間して一対の連結フレーム43が設けられている。連結フレーム43は、その両端において、ベースフレーム41及び上方フレーム42と回動可能に接続されている。
図1に示すように、本体フレーム12は、横方向に延びる構成要素として、一対の前脚14間を連結する前方連結材15と、一対の後脚16間を連結する後方連結材17と、を有している。前方連結材15は、フットレストとして機能する。また、一対の後接続材28間には、中央連結材29が設けられている。前方連結材15、後方連結材17及び中央連結材29によって、乳母車10の横方向への変形を抑制することができる。さらに、一対のアームレスト19間に可撓性を有したガード部材38が取り外し可能に設けられている。
以上の構成からなる本体フレーム12は、後述するように、構成要素を動作させることにより、折り畳むことができる。その一方で、本体フレーム12には、構成要素間の相対動作を規制するための機構が設けられている。この機構を設けることにより、意図しない折り畳み動作を効果的に防止することができる。
具体的には、図9及び図10に示すように、展開状態から折り畳み状態への乳母車10の折り畳み動作を規制する状態維持部材45が、本体フレーム12に設けられている。状態維持部材45は、乳母車10の折り畳み動作が規制されるようになる規制位置と、乳母車10の折り畳み動作が可能となる解除位置と、の間を移動可能となっている。図示された例において、状態維持部材45は、第1リンク20の主リンク材21に支持されている。規制位置と解除位置との間での状態維持部材45の移動は、主リンク材21の長手方向に沿った移動となっている。
図10によく示されているように、状態維持部材45は、主リンク材21に装着された本体部46と、本体部46から突出した規制係合突起47及び受け板48と、を有している。規制係合突起47は、本体部46から横方向内側に突出している。一方、第3リンク30の端部材32には、規制係合突起47と係合可能な規制係合凹部33が形成されている。図9に示すように、状態維持部材45が、第1リンク20に対して下方に摺動した場合、状態維持部材45の規制係合突起47が、第3リンク30の規制係合凹部33内に収容される。図9に示された状態においては、状態維持部材45を支持する第1リンク20と、状態維持部材45と係合した第3リンク30は、相対回動することができない。したがって、状態維持部材45の規制係合突起47と、第3リンク30の規制係合凹部33が係合している場合、乳母車10は展開した状態に維持され、乳母車10を折り畳むことはできない。すなわち、図9に示された状態維持部材45の位置が、状態維持部材45の規制位置である。
一方、図10に示すように、状態維持部材45が、第1リンク20に対して上方に摺動すると、規制係合突起47は、第3リンク30の規制係合凹部33から抜け出す。そして、規制係合突起47と規制係合凹部33の係合が解除されると、第1リンク20及び第3リンク30は相対回動可能となり、乳母車10を折り畳むことが可能となる。すなわち、図10に示された状態維持部材45の位置が、状態維持部材45の規制位置である。
なお、状態維持部材45の本体部46は、図9に示すように、第1付勢部材49により、解除位置(図10参照)から規制位置(図9参照)に向けて付勢されている。このよう第1付勢部材49からの付勢力を用いることにより、積極的に外力を加えていない限り、乳母車10の折り畳み動作がより確実に規制されるようになる。すなわち、第1付勢部材49を用いることで、誤動作によって意図せず乳母車10の折り畳み動作が開始することを効果的に防止することができる。
以上に説明した本体フレーム12に対し、ハンドル50が揺動可能に連結されている。図示された例において、ハンドル50は、本体フレーム12に揺動可能に取り付けられたハンドル本体51と、ハンドル本体51に設けられた遠隔操作装置52、保持体55及び操作部材60と、を有している。
図1に示すように、ハンドル本体51は、互いに略平行に延びる一対の軸部51aと、一対の軸部51a間を連結する中間部51bと、を含んでいる。ハンドル本体51は、全体として略U字状の形状を有している。ハンドル50は、U字の両端部において、本体フレーム12と回動可能(揺動可能)に接続されている。図9及び図10に示されているように、ハンドル本体51は、軸部材34を用いて、本体フレーム12と回動可能に接続されている。したがって、第1リンク20、第2リンク25、第3リンク30、ベースフレーム41及びハンドル50は、軸部材34によって画成される同一の軸線を中心として、互いに対して回動可能となっている。
この乳母車本体11において、ハンドル50は、側面視において垂直軸よりも後方に傾斜する第1位置(背面押し位置)と、垂直軸よりも前方に傾斜する第2位置(対面押し位置)と、の間を揺動可能となっている。図1において、ハンドル50は、第1位置に配置されている。図2において、ハンドル50は、第2位置に配置されている。ここで、本体フレーム12には、ハンドル50に設けられた保持体55と係合可能な位置保持部材35,36が設けられている。保持体55が、第1位置保持部材35と係合することにより、ハンドル50が、第1位置に保持される。保持体55が、第2位置保持部材36と係合することにより、ハンドル50が、第2位置に保持される。
図示された例において、一対の第1位置保持部材35が、図2に示すように、各第1リンク20の上方にそれぞれ固定されている。また、一対の第2位置保持部材36が、図1に示すように、各アームレスト19の前方に固定されている。第1位置保持部材35及び第2位置保持部材36は、同様に構成され得る。図18にも示されているように、各位置保持部材35,36は、先端に拡径部分を有した突起として、幅方向外側に突出している。
図示された例において、一対の保持体55が、ハンドル本体51の各軸部51aに支持されている。保持体55は、ハンドル本体51のうちの当該保持体55が設けられている部分の長手方向に沿って、ハンドル本体51に対して移動可能となっている。図2に示すように、ハンドル本体51の各軸部51aには、当該軸部51aの長手方向に離間して一対のストッパ51cが設けられている。ストッパ51cは、軸部51aよりも拡径した部分として形成されている。一対のストッパ51cは、保持体55の移動可能な範囲を規定している。保持体55は、一対のストッパ51cの間となる領域を、軸部51aの長手方向に沿って移動することができる。
図6及び図7に示すように、保持体55は、軸部51aが通過する筒状本体部56と、筒状本体部56に支持された誘導部57及び係合部58と、を有している。図7に示すように、係合部58は、下方に開口した受け部58aを有している。図5に示すように、係合部58が位置保持部材35,36に上方から覆い被さることで、軸部51aの長手方向に直交する方向への保持体55と位置保持部材35,36との相対移動が規制され、ハンドル50が第1位置または第2位置に保持される。図6に示すように、各保持体55は、係合部58の両側に位置する一対の誘導部57を有している。図2に示すように、筒状本体部56は、前後方向に離間した一対の誘導部57の間に位置している。ハンドルが第1位置と第2位置との間を揺動する際、係合部58よりも先に、当該係合部58に隣接して設けられた誘導部57が、位置保持部材35,36に接触する。誘導部57は、位置保持部材35,36と接触する誘導面57aを有している。誘導面57aは傾斜面となっている。誘導面57aが位置保持部材35,36に接触することにより、保持体55は、軸部51aの長手方向に沿って位置保持部材35,36から離間して上側に移動する。
ここで、ハンドル50は、保持体55を付勢する第2付勢部材54を、さらに有している。この第2付勢部材54は、軸部51aの長手方向に沿って位置保持部材35,36に接近する向きに保持体55を付勢する。すなわち、第2付勢部材54は、保持体55と位置保持部材35,36との係合が維持されるよう、保持体55に作用する。
第2付勢部材54は、例えば、材質または形状に起因して弾性力を発生する部材から形成される。図示された例において、第2付勢部材54は圧縮バネから形成されている。また、図示された例において、ハンドル50は、ハンドル本体51上に設けられたカバープレート53をさらに有している。図5及び図6に示すように、カバープレート53は、ハンドル本体51との間に収容空間rsを形成する。第2付勢部材54は、この収容空間rs内に配置されている。図8に示すように、カバープレート53には、溝53aが形成されている。図5に示すように、溝53aは、ハンドル本体51の軸部51aの長手方向に延びている。収容空間rsは、溝53aを通じて外部に通じている。一方、図5〜図7に示すように、保持体55は、溝53aを通過して、収容空間rs内に延び入った突出部56aを有している。図7に示すように、突出部56aは、筒状本体部56から当該筒状本体部56によって画成される内部空間に向けて延び出している。図5に示すように、突出部56aは、第2付勢部材54をなす圧縮ばねの下端を支持している。したがって、突出部56aは、第2付勢部材54によって下方に押圧される。なお、図示された例において、下側のストッパ51cは、カバープレート53の一部分として形成されている。
次に、操作部材60について説明する。図9及び図10に示すように、操作部材60は、ハンドル本体51に動作可能に設けられている。図9及び図10に示すように、操作部材60は、動作することによって、状態維持部材45を動作させる。すなわち、操作部材60は、状態維持部材45の設置にともなって、設けられている。
操作部材60は、図9に示された非操作位置と図10に示された操作位置との間を、ハンドル本体51の軸部51aのうちの操作部材60が設けられている部分の長手方向に沿って、移動可能となっている。操作部材60は、ハンドル50の軸部51aに収容された第3付勢部材64(図9参照)により、操作位置の側から非操作位置へと付勢されている。すなわち、操作部材60は、外力を加えられていない場合、第3付勢部材64からの付勢力によって、操作位置よりも下方に位置する非操作位置に位置するようになる。一例として、操作部材60は、図示しない操作伝達具によって、ハンドル50の中間部51bに設けられた遠隔操作装置52(図1参照)と連結されている。そして、遠隔操作装置52を操作することによって、操作部材60を操作位置から非操作位置へと移動させることができる。
図15及び図16に示すように、操作部材60は、操作基部61と、操作基部61から突出した操作突出部62と、を有している。ここで図15は、操作部材60を幅方向外側から示す斜視図であり、図16は、操作部材60を幅方向内側から示す平面図である。図9に示すように、操作基部61は、ハンドル本体51の軸部51aに装着されている。図9及び図10の比較から理解され得るように、操作基部61は、ハンドル本体51の軸部51aの長手方向に沿って当該軸部51aに対して摺動可能となっている。また、操作突出部62は、ハンドル本体51の軸部51aのうちの操作基部61が設けられている部分の長手方向に対して直交する方向、より具体的には幅方向における内側に向けて、操作基部61から延び出している。一方、図9に示すように、状態維持部材45の受け板48は、本体部46から幅方向における外側に延び出している。
そして、操作部材60が非操作位置から操作位置へと移動すると、操作突出部62は、状態維持部材45の受け板48に下方から当接し、状態維持部材45を規制位置から解除位置に向けて押圧する。すなわち、ハンドル50が第1位置に配置されている場合、操作部材60を非操作位置から操作位置へと移動させることによって、状態維持部材45を規制位置から解除位置へと移動させることができる。これにより、第1リンク20の第3リンク30に対する相対回動が可能となる。
とりわけ、図11〜図14に示すように、操作部材60は、第1位置に位置するハンドル50のハンドル本体51に対して動作することによって状態維持部材45を押圧して規制位置から解除位置に移動させることができるとともに、第2位置に位置するハンドル50のハンドル本体51に対して動作することによって状態維持部材45を押圧して規制位置から解除位置に移動させることもできる。ここで図11〜図14は、第1リンク20の設置位置周辺を示す側面図である。ただし、理解の便宜を図り、図11及び図12では、第1リンク20の下方部分及び状態維持部材45を点線にて示し、ハンドル本体51及び操作部材60を露出させて実線で示している。
図16によく示されているように、操作部材60の操作突出部62は、第1接触面62a及び第2接触面62bを有している。まず、第1接触面62aは、ハンドル本体51の揺動軸線saに対して軸部51aの長手方向に沿ってずれた位置に配置されている。図11及び図12に示すように、ハンドル50が第1位置に配置された場合、ハンドル50の軸部51aは、第1リンク20の主リンク材21と略平行に延びる。したがって、操作部材60が、非操作位置から操作位置へと移動すると、すなわち、操作部材60が、第1位置に位置するハンドル50の軸部51aに沿って上方に移動すると、操作部材60の第1接触面62aが、状態維持部材45の受け板48に下方から当接し、受け板48を第1リンク20に沿って上方に押圧することができる。
一方、第2接触面62bは、非操作位置(図13参照)から操作位置(図14参照)へ向けた操作部材60の移動方向に対して傾斜し且つ非操作位置から操作位置へ向けた前記操作部材の移動方向における前側から後側に向けてハンドル本体51から離間していく傾斜面となっている。言い換えると、図16によく示されているように、第2接触面62bは、揺動軸線saから軸部51aの長手方向ldに対し、下側に向けて後方に傾斜している。したがって、図13及び図14に示すように、ハンドル50が前方に揺動して第2位置に配置された場合、第2接触面62bが、第1リンク20の主リンク材21の長手方向に沿った下側から、状態維持部材45の受け板48に対面するようになる。とりわけ、図13及び図14に示すように、ハンドル50が第2位置に配置された場合、すなわち、ハンドル本体51の軸部51aが、上方に向けて前方側に傾斜すると、第2接触面62bは、概ね前後方向に延びるようになる。操作部材60が、非操作位置から操作位置へと移動すると、操作部材60の第2接触面62bが、状態維持部材45の受け板48に下方から当接し、受け板48を上方に押圧することができる。
図示された例において、非操作位置に位置する操作部材60は、状態維持部材45から離間している。すなわち、ハンドル50が第1位置に位置し且つ保持体55が非操作位置に位置する場合、すなわち、図11に示された状態において、操作部材60は、保持体55から離間している。また、ハンドル50が第2位置に位置し且つ保持体55が非操作位置に位置する場合、すなわち、図13に示された状態において、操作部材60は、保持体55から離間している。その一方で、図16に示すように、操作部材60の操作突出部62は、第1接触面62a及び第2接触面62bの間に位置する膨出面62cを、更に有している。ハンドル50の本体フレーム12対する揺動軸線saから膨出面62cまでの距離dxは、当該揺動軸線saから第1接触面62aのうちの膨出面62cに隣接する部分62a1までの距離dyよりも長く且つ当該揺動軸線saから第2接触面62bのうちの膨出面62cに隣接する部分62b1までの距離dzよりも長くなっている。すなわち、膨出面62cは、隣接する第1接触面62a及び第2接触面62bよりも膨出している。
次に、乳母車本体11の脚14,16に固定された車輪保持ユニット70について説明する。前脚14に固定された車輪保持ユニット70は、車輪を回転可能に保持し且つ車輪を旋回可能にも保持している。すなわち、前脚14に固定された車輪保持ユニット70は、いわゆるキャスターを構成している。後脚16に固定された車輪保持ユニット70は、車輪を回転可能の保持しており、さらには、前脚14に固定された車輪保持ユニット70と同様に車輪を旋回可能に保持していてもよい。前脚14に固定された車輪保持ユニット70及び後脚16に固定された車輪保持ユニット70が、共に、キャスターとして構成されている場合、ハンドル50の揺動位置に応じて、乳母車10の進行方向での前側に位置する車輪保持ユニット70における車輪の旋回が許容され、乳母車10の進行方向での後側に位置する車輪保持ユニット70における車輪の旋回が規制されるようにしてもよい。車輪の旋回の許容及び規制の切り替えは、手動で行うようにしてもよいし、或いは、例えばJP2002−284015Aに開示されているように、ハンドル50の揺動にともなって自動的に行われるようにしてもよい。
以上のような構成からなる乳母車10の動作について説明する。上述してきた乳母車10は、図1に示された第1位置及び図2に示された第2位置のいずれかに一方にハンドル50を固定して、使用することができる。ハンドル50が第1位置に保持されている場合、操作者(保護者)は、乳幼児の背面側となる乳母車10の後脚側の位置からハンドル50を把持し、乳幼児が進行方向の前方を向くようにして乳母車10を押し進ませることができる。このとき、乳母車10の前脚側が、進行方向前方となる。一方、ハンドル50が第2位置に保持されている場合、操作者は、乳幼児に対面する乳母車10の前脚側の位置からハンドル50を把持し、乳母車10を押し進めることができる。このとき、乳母車10の後脚側が、進行方向前方となる。
ハンドル50の位置を第1位置及び第2位置の間で変化させる場合、まず、ハンドル50の保持体55を操作することになる。ハンドル50を第1位置(背面押し位置)から第2位置(対面押し位置)へ移動させる場合、ハンドル本体51の軸部51aの長手方向に沿って保持体55を上方に引き上げる。この操作は、第2付勢部材54の付勢力に抗する外力を、保持体55に付与することで実施される。保持体55がハンドル本体51に対して移動すると、保持体55の受け部58aに収容されていた第1位置保持部材35が受け部58aから露出する。これにより、ハンドル50と本体フレーム12との係合が解除され、ハンドル50が本体フレーム12に対して揺動可能となる。
ハンドル50を第2位置の近傍まで到達すると、第2位置保持部材36が保持体55の誘導面57aに接触を開始する。第2位置保持部材36が誘導面57aに当接することで、軸部51aの長手方向に沿って保持体55を上方に押し上げる。ハンドル50が第2位置まで到達すると、第2位置保持部材36は、誘導面57aとの接触を解除され、軸部51aの長手方向に沿って保持体55が下方に移動することが可能となる。この結果、第2付勢部材54からの付勢力により、保持体55が自動的に下方に移動し、保持体55の受け部58aが、第2位置保持部材36に覆い被さる。これにより、ハンドル50と本体フレーム12との相対揺動が規制され、ハンドル50が第2位置に保持されるようになる。
なお、保持体55の押し上げ動作は、第2位置保持部材36と誘導面57aとの接触を利用し、第2付勢部材54の付勢力に抗して実施される。操作者(保護者)は、第2位置保持部材36が保持体55を押し上げたことを感知することで、ハンドル50が目標位置である第2位置に接近していることを感知することができる。したがって、操作者は、ハンドル50の揺動を次第に減速して終了させることができる。このため、本体フレーム12に対して大きな衝撃を与えることなく、ハンドル50の揺動位置を変更することができる。
ハンドル50を第2位置から第1位置へ揺動させる場合には、上述した第1位置から第2位置へハンドル50を揺動させる場合とほぼ同様の操作を実施することになる。すなわち、まず、ハンドル50の保持体55を上方に引き上げ、次に、ハンドル50を第2位置から第1位置に移動させるだけでよい。
ところで、ハンドル50を第1位置と第2位置との間で揺動する際、操作部材60も、ハンドル本体51とともに、揺動軸線saを中心として本体フレーム12に対して回動する。したがって、第1接触面62a、膨出面62c及び第2接触面62bが、この順番で又はこれとは逆の順番で、主リンク材21の長手方向に沿って状態維持部材45の受け板48に対面する位置に到達する。そして、第1接触面62a及び膨出面62cよりも揺動軸線saから離間している膨出面62cは、主リンク材21の長手方向に沿って受け板48に対面する位置において、受け板48に当接し受け板48を上方に押圧する。ここで、受け板48を含む状態維持部材45は、第1付勢部材49によって下方に付勢されている。したがって、操作者は、ハンドルを第1位置と第2位置との間で揺動させる場合、操作部材60が状態維持部材45を押し上げたことを感知することで揺動操作が順調であることを把握することができる。また、第1付勢部材49からの付勢力により、第1位置及び第2位置の中間位置にあるハンドル50を、第1位置または第2位置に誘導することができる。なお、ハンドル50の揺動にともなって引き起こされる状態維持部材45の移動量は僅かであり、規制係合突起47が第3リンク30の規制係合凹部33から抜け出さない程度である。言い換えると、ハンドル50の揺動にともなって引き起こされる移動により、状態維持部材45は解除位置までは到達しない。
次に、以上のような構成からなる乳母車10を展開した状態から折り畳む際の動作について説明する。上述した本体フレーム12は、各構成部材を相対回動させることにより、折り畳むことができる。具体的には、ハンドル50を用いて第1リンク20をいったん後上方に引き上げ、その後、下げることによって、第3リンク30を後脚16に対し図2において時計回り方向に回動させる。この操作にともなって、アームレスト19および第2リンク25は第1リンク20に対し図2において時計回り方向に回動する。このような操作により、側面視において第1リンク20と前脚14とが略平行に配置されるとともに、ハンドル50の本体フレーム12に対する揺動軸線saの位置が下がる。以上のようにして、乳母車10を折り畳むことができる。
とりわけ図示された例において、ハンドル50は、一方で、ハンドル本体51の下端部分において本体フレーム12に接続され、他方で、保持体55を介して本体フレーム12に接続されている。そして、保持体55は、ハンドル本体51に対して移動可能に当該ハンドル本体51に支持されている。したがって、図3及び図4に示すように、ハンドル50が第1位置及び第2位置のいずれに保持されている場合にも、本体フレーム12を折り畳むことができる。また、ハンドル50が第1位置及び第2位置のいずれに保持されている場合にも、ハンドル50の本体フレーム12に対する揺動軸線saは、本体フレーム12を折り畳んだ状態で展開した状態よりも下方に位置する。すなわち、ハンドル50を含んだ乳母車本体11及び乳母車10においても、折り畳まれた状態で、展開した状態よりも寸法を小型化することができる。
なお、ハンドル50の本体フレーム12に対する一方の接続位置であるハンドル本体51の下端部分は、軸部材34を用いることで、第1リンク20と第2リンク25との接続位置にて、本体フレーム12に接続している。ハンドル50が第1位置に保持された状態において、保持体55は第1位置保持部材35と係合することで、本体フレーム12に接続している。そして、第1位置保持部材35は、第1リンク20に固定されている。すなわち、ハンドル50が第1位置に保持された状態において、ハンドル50は、第1リンク20に二箇所で接続している。ハンドル50が第1位置に保持された状態で、乳母車10の折り畳み動作を開始した場合、ハンドル50は、第1リンク20に対して相対動作することはない。したがって、保持体55が第1位置保持部材35と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、保持体55は、ハンドル本体51に対して移動することはない。この乳母車10の折り畳み動作中、第2付勢部材54は、保持体55と第1位置保持部材35との係合状態が維持されるよう、保持体55に作用し続ける。
一方、ハンドル50が第2位置に保持された状態において、保持体55は第2位置保持部材36と係合することで、本体フレーム12に接続している。そして、第2位置保持部材36は、第1リンク20及び第2リンク25のいずれでもない、アームレスト19に固定されている。すなわち、ハンドル50が第2位置に保持された状態において、ハンドル50は、本体フレーム12の折り畳み動作時に相対動作する異なる部材に接続している。具体的には、ハンドル50が第2位置に保持された状態において、ハンドル50は、一方で、第1リンク20及び第2リンク25の接続位置と接続し、他方で、アームレスト19と接続している。そして、図2及び図4の比較から理解され得るように、本体フレーム12を折り畳むことで、ハンドル50の本体フレーム12への二つの接続箇所は、互いから離間していくようになる。したがって、保持体55が第2位置保持部材36と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、保持体55は、ハンドル本体51に対して動作する。より具体的には、保持体55は、ハンドル本体51の軸部51aに沿って、揺動軸線saから離間する側へ、すなわち上側へ、移動する。この保持体55のハンドル本体51に対する動作は、第2付勢部材54からの付勢力に抗して実施される。したがって、この折り畳み動作中、第2付勢部材54は、保持体55を第2位置保持部材36に向けて付勢する。すなわち、第2付勢部材54は、この折り畳み動作中、保持体55と第2位置保持部材36との係合状態が維持されるよう、保持体55に作用し続ける。
ところで、乳母車10の折り畳み動作に先立ち、状態維持部材45を規制位置から非規制位置へ移動させる必要がある。上述したように、ハンドル50に設けられた操作部材60は、ハンドル50が第1位置及び第2位置のいずれに位置するかに依らず、ハンドル本体51に対して動作することによって、状態維持部材45を押圧して規制位置から解除位置に移動させることができる。
具体的に説明すると、まず、ハンドル50が第1位置に位置する場合、図11に示すように、操作部材60の第1接触面62aが、主リンク材21の長手方向に沿った下側から状態維持部材45の受け板48に対面する。そして、図12に示すように、操作部材60が、軸部51aに沿って上側に移動すると、状態維持部材45は、操作部材60の第1接触面62aに押圧されて、主リンク材21の長手方向に沿って上方に移動する。この結果、操作部材60が、図11に示された非操作位置から図12に示された操作位置に移動することにより、状態維持部材45は、図11の規制位置から図12の解除位置に移動する。ハンドル50が第2位置に位置する場合、図13に示すように、操作部材60の第2接触面62bが、主リンク材21の長手方向に沿った下側から状態維持部材45の受け板48に対面する。そして、図14に示すように、操作部材60が、軸部51aに沿って上側に移動すると、状態維持部材45は、操作部材60の第2接触面62bに押圧されて、主リンク材21の長手方向に沿って上方に移動する。この結果、操作部材60が、図13に示された非操作位置から図14に示された操作位置に移動することにより、状態維持部材45は、図13の規制位置から図14の解除位置に移動する。すなわち、ハンドル50が第1位置および第2位置のいずれに位置するかに依らず、遠隔操作装置52を同様に操作することで、操作部材60を操作して、状態維持部材45を規制位置から解除位置に移動させることができる。
以上に説明してきたように、本実施の形態において、乳母車10は、展開状態から折り畳み状態へ変形可能な本体フレーム12と、第1位置と第2位置との間を揺動可能に本体フレーム12に接続されたハンドル50と、を有している。本体フレーム12は、乳母車10の折り畳み動作が規制されるようになる規制位置と、乳母車10の折り畳み動作が可能となる解除位置と、の間を移動可能な状態維持部材45を有している。ハンドル50は、本体フレーム12に接続したハンドル本体51と、ハンドル本体51に動作可能に支持された操作部材60と、を有している。操作部材60は、第1位置に位置するハンドル50のハンドル本体51に対して動作することによって状態維持部材45を押圧して規制位置から解除位置に移動させ、且つ、第2位置に位置するハンドル50のハンドル本体51に対して動作することによって状態維持部材45を押圧して規制位置から解除位置に移動させる。このような本実施の形態によれば、ハンドル50が第1位置及び第2位置のいずれに位置している場合においても、操作部材60が、状態維持部材45と係合して、状態維持部材45を規制位置から解除位置へ移動させることができる。したがって、ハンドル50が第1位置及び第2位置のいずれに位置するかに依存することなく、操作部材60を動作させることによって、折り畳み操作を開始することができる。例えば、乳幼児の月齢が低い場合には、乳幼児に対面する側にハンドル50を配置して、乳母車10を利用することが多くなるが、そのような時期には、ハンドル50を第2位置に配置したまま、折り畳むことができる。また、折り畳まれた乳母車10を展開した際、ハンドル50は、第2位置に配置されたままとなる。したがって、ハンドル50の位置を調整する手間が省け、乳母車10の利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態において、操作部材60は、操作位置と非操作位置との間を移動可能であり、且つ、操作位置の側から非操作位置に向けて付勢されている。状態維持部材45は、非操作位置から操作位置へ移動する操作部材60に押圧されて、規制位置から解除位置へと移動する。図示された例では、操作部材60は、下方に位置する非操作位置に向けて付勢されるとともに、状態維持部材45を下方から押圧するようになる。これにより、ハンドル50が第1位置及び第2位置に配置されている場合、付勢力に抗して操作位置に向けて操作される操作部材60によって、状態維持部材45を動作させるようになる。したがって、状態維持部材45が意図せず動作することを効果的に防止することができる。これにより、乳母車10を展開した状態に安定して維持することができる。
さらに、本実施の形態において、非操作位置に位置する操作部材60は、状態維持部材45から離間している。したがって、ハンドル50が第1位置または第2位置に配置された状態において乳母車10を折り畳み状態から展開した際に、状態維持部材45と操作部材60との間に隙間が形成されるようになる。このため、乳母車10を展開した際に、状態維持部材45と操作部材60との間に衣服等が挟まれることを効果的に防止することができる。
さらに、本実施の形態において、操作部材60は、操作位置と非操作位置との間を移動可能となっている。操作部材60は、ハンドル50が第1位置に位置している場合に状態維持部材45に接触可能な第1接触面62aと、ハンドル50が第2位置に位置している場合に状態維持部材45に接触可能な第2接触面62bと、を含んでいる。このような操作部材60によれば、簡易な構成により、ハンドル50の揺動位置に依存することなく、操作部材60と状態維持部材45との係合を安定して確保することができる。
さらに、本実施の形態において、操作部材60は、ハンドル50に対して摺動可能な操作基部61と、ハンドル50のうちの操作基部61が設けられている部分の長手方向に対して交差する方向に突出した操作突出部62と、を有する。操作突出部62は、第1接触面62aおよび第2接触面62bを含んでいる。このような操作部材60によれば、簡易な構成により、ハンドル50の揺動位置に依存することなく、操作部材60と状態維持部材45との係合を安定して確保することができる。
さらに、本実施の形態において、操作部材60は、非操作位置と操作位置との間をハンドル本体51のうちの操作部材60が設けられている部分の長手方向に沿って移動可能となっている。第2接触面62bは、非操作位置から操作位置へ向けた操作部材60の移動方向に対して傾斜した傾斜面を含んでいる。傾斜面は、非操作位置から操作位置へ向けた操作部材の移動方向における前側から後側に向けてハンドル本体51から離間していく。このような操作部材60によれば、簡易な構成により、ハンドル50が第1位置及び第2位置の両方の位置に位置する場合に、操作部材60と状態維持部材45との係合を安定して確保することができる。
さらに、本実施の形態において、操作部材60は、第1接触面62a及び第2接触面62bの間に位置する膨出面62cを、さらに有する。ハンドル50の本体フレーム12対する揺動軸線saから膨出面62cまでの距離dxは、当該揺動軸線saから第1接触面62aのうちの膨出面62cに隣接する部分62a1までの距離dyよりも長く且つ揺動軸線saから第2接触面62bのうちの膨出面62cに隣接する部分62b1までの距離dzよりも長い。この構成によれば、ハンドル50が第1位置及び第2位置の一方から他方へ揺動する際、操作部材60の膨出面62cが状態維持部材45と接触するようにすることができる。この場合、ハンドル50を操作する操作者(保護者)は、操作部材60と状態維持部材45との接触を感知することにより、操作が順調に進んでいることを把握することができる。また、状態維持部材45が操作部材60の側に向けて付勢されている場合には、操作部材60及び状態維持部材45との係合によって、第1位置及び第2位置のいずれかにハンドル50を案内することができる。
さらに、本実施の形態において、乳母車10は、展開状態から折り畳み状態へ変形可能な本体フレーム12と、第1位置と第2位置との間を揺動可能に本体フレーム12に接続されたハンドル50と、を有している。ハンドル50は、本体フレーム12に接続したハンドル本体51と、ハンドル本体51に対して移動可能に当該ハンドル本体51に支持された保持体55と、保持体55を付勢する第2付勢部材54と、を有している。本体フレーム12は、保持体55と係合してハンドル50を第1位置に保持する第1位置保持部材35と、保持体55と係合してハンドル50を第2位置に保持する第2位置保持部材36と、有している。保持体55が第1位置保持部材35と係合した状態で、本体フレーム12を変形させて乳母車10の折り畳み動作を開始することができ、且つ、保持体55が第2位置保持部材36と係合した状態で、本体フレーム12を変形させて乳母車10の折り畳み動作を開始することができる。第2付勢部材54は、保持体55を第1位置保持部材35または第2位置保持部材36に向けて押圧して保持体55と第1位置保持部材35または第2位置保持部材36との係合状態を維持するよう、保持体55に作用する。保持体55が第2位置保持部材36と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、保持体55は、第2付勢部材54からの付勢力によって第2位置保持部材36との係合を維持しながら、第2付勢部材54からの付勢力に抗してハンドル本体51に対して動作する。すなわち、本実施の形態によれば、ハンドル50が第1位置及び第2位置のいずれに位置している場合においても、乳母車10を折り畳むことができる。とりわけハンドル50を第2位置に配置した状態で折り畳み操作を開始する場合、ハンドル50を本体フレーム12に対して第2位置に保持するための保持体55及び第2位置保持部材36が、ハンドル本体51に対して移動する。このとき、保持体55は、第2付勢部材54からの付勢力に抗してハンドル本体51に対して動作し、第2付勢部材54からの付勢力によって第2位置保持部材36との係合を維持される。したがって、ハンドル50と本体フレーム12との係合が維持されるので、操作者(保護者)は、ハンドル50を把持しながら、乳母車10の折り畳み操作を安定して実施することができる。また、ハンドル50を第1位置及び第2位置に維持するために使用される第2付勢部材54を、ハンドル50が第2位置に保持された状態からの折り畳み時に保持体55と第2位置保持部材36との係合を維持するための付勢部材としても用いることができる。したがって、利便性の高い乳母車を簡易に構成することができる。
さらに、本実施の形態において、ハンドル50は、ハンドル本体51上に設けられ当該ハンドル本体51との間に第2付勢部材54を収容する収容空間rsを形成するカバープレート53を、更に有している。カバープレート53は、ハンドル本体51の長手方向に延び且つ収容空間rsに通じる溝53aを形成されている。保持体55は、溝53aを介して収容空間rs内に延び入った突出部56aを有している。このような構成によれば、利便性の高い乳母車10を簡易に構成することができる。また、従来の乳母車に対し、保持体55を交換するとともに、カバープレート53及び第2付勢部材54を追加することで、ハンドル50が第1位置及び第2位置のいずれに位置している場合においても乳母車10の折り畳みを可能にすることができる。
なお、上述した一実施の形態に関し、本発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
以下、図面を参照しながら、変更の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
上述した一実施の形態で説明した保持体55及び第2付勢部材54は例示に過ぎない。例えば、第2付勢部材54は、圧縮ばね以外の構成を有するようにしてもよい。第2付勢部材54として、図17に示すように、引っ張りばねを用いるようにしてもよい。図18示すように、糸状部材54aの一端を保持体55の突出部56aに取り付け、この糸状部材54aを巻き取る装置54bを、ハンドル50に設置するようにしてもよい。また、上述した一実施の形態において、ハンドル本体51にカバープレート53を設置して、ハンドル本体51とカバープレート53との間に収容空間rsを形成する例を示したが、これに限られない。図17に示すように、ハンドル本体51の内部に、区画部材153を設け、区画部材153とハンドル本体51との間に収容空間rsを形成するようにしてもよい。さらに、図18に示すように、ハンドル本体51の内部空間が、収容空間rsを形成するようにしてもよい。なお、図17及び図18に示された例において、ハンドル本体51に、ハンドル本体51の長手方向に延びる長溝51dが形成されている。保持体55の係合部58は、長溝51dを通過して、収容空間rsに延び入っている。
また、上述した一実施の形態において、第1位置保持部材35が、第1リンク20の主リンク材21に固定されている例を示したがこの例に限られず、例えば第1リンク20の上接続材22、アームレスト19、後脚16等に第1位置保持部材35が固定されていてもよい。また、上述した一実施の形態において、第2位置保持部材36が、アームレスト19に固定されている例を示したがこの例に限られず、例えば前脚14や後脚16に第2位置保持部材36が固定されていてもよい。さらに、ハンドル50の本体フレーム12に対する揺動軸線saから第1位置保持部材35までの距離と、揺動軸線saから第2位置保持部材36までの距離とが、異なるようにしてもよい。揺動軸線saから第1位置保持部材35までの距離と、揺動軸線saから第2位置保持部材36までの距離とが、異なる場合、ハンドル50が第1位置に位置する場合のハンドル本体51上における保持体55の位置と、ハンドル50が第2位置に位置する場合のハンドル本体51上における保持体55の位置とが異なるようになる。
さらに、上述した一実施の形態において、第1位置保持部材35及び第2位置保持部材36は、保持体55と係合した状態において、保持体55に対して相対移動しない例を示した。しかしながら、図19〜図28に示された複数の例のように、位置保持部材35,36が、保持体が設けられた部分でのハンドル本体51の長手方向に沿って保持体55に対して相対移動可能に保持体と係合してもよい。
保持体と第2位置保持部材36が相対移動可能に係合する第1の例として、図19〜図21に保持体255が示され、図22及び図23には乳母車10が示され、図24及び図25には保持体255の動作が示されている。また、保持体と第2位置保持部材36が相対移動可能に係合する第2の例として、図26及び図27には乳母車10が示され、図28には保持体355の動作が示されている。図19〜図25に示された第1の例の保持体255および図26〜図28に示された第2の例の保持体355は、上述した一実施の形態における保持体55と同様に、保持体255,355が設けられた部分でのハンドル本体51の長手方向に沿ってハンドル本体51に対して移動可能となっている。保持体255,355は、ハンドル本体51に対して移動することで、図示された例では、ハンドル本体51上を下方に移動することで、第1位置保持部材35及び第2位置保持部材36と係合する。その一方で、図19〜図25に示された第1の例の保持体255および図26〜図28に示された第2の例の保持体355は、上述した一実施の形態における保持体55と異なり、ハンドル本体51の軸部51aの長手方向に沿ってより長くなっている。まず、このような保持体255,355は、操作者(保護者)の手元近くに位置することになるので、操作しやすいといった利点を有する。また、ハンドル50の軸部51aの長手方向に沿ったハンドル本体51に対する保持体255,355の相対移動が安定するといった利点も有する。以下、上述した一実施の形態との相違点を中心として、第1の例および第2の例について説明する。
まず、第1の例において、保持体255は、上述した一実施の形態における保持体55と同様に、軸部51aに保持される筒状本体部56と、位置保持部材35,36と係合可能な係合部58と、係合部58の両側に配置された誘導部57と、を有している。このうち、誘導部57は、上述した一実施の形態と同様に構成される。
一方、筒状本体部56は、上述した一実施の形態と比較して、より長くなっている。図24及び図25に示すように、筒状本体部56の内面には、軸部51aの長手方向に沿って延びる空間としての収容溝部56cが形成されている。収容溝部56cの上端は、開放されているが、収容溝部56cの下端は、受け底部56dによって閉鎖されている。また、筒状本体部56が取り付けられるハンドル50の軸部51aには、径方向外方に突出する保持突起51eが設けられている。保持突起51eの軸部51aからの突出量は、収容溝部56cの深さ未満となっている。保持突起51eが収容溝部56c内に位置することで、保持突起51eは、保持体255のハンドル本体51上での移動を阻害しない。収容溝部56c内には、第2付勢部材54が収容される。つまり、収容溝部56cは、第2付勢部材54の収容空間rsを形成している。第2付勢部材54は、保持突起51e及び受け底部56dの間に配置されている。第2付勢部材54は、例えば圧縮ばねからなり、保持体255を位置保持部材35,36に向けて付勢する。また、筒状本体部56には、その外表面の上方端に、拡径したつば部56bが設けられている。操作者(保護者)は、このつば部56bを把持して、保持体255を操作することができる。
次に、係合部58は、図23〜図25に示すように、保持体255が設けられた部分でのハンドル本体51の長手方向に延びている。係合部58は、第1位置保持部材35及び第2位置保持部材36と係合可能となっている。第2位置保持部材36は、保持体255の係合部58と係合した状態で、係合部58の長手方向に沿って、すなわちハンドル本体51の軸部51aの長手方向に沿って、係合部58に対して相対移動可能となっている。具体的な構成として、図20に示すように、保持体255の係合部58は、係合部58の長手方向に沿って、すなわちハンドル本体51の軸部51aの長手方向に沿って延びる溝58bとして、形成されている。図20及び図21に示すように、溝58bは、第2位置保持部材36と係合する際における保持体255の移動方向前側となる端部において、当該移動方向の前方に開口している。すなわち、溝58bは、ハンドル50が第1位置または第2位置に位置する場合に、位置保持部材35,36に向けて開口している。図示された例において、溝58bは、下方に開口している。したがって、保持体255が、ハンドル本体51上を下方に移動して、位置保持部材35,36に接近することで、保持体255の係合部58が位置保持部材35,36を収容する。このとき、位置保持部材35,36は、溝58bとの係合により、溝58bの長手方向と非平行な方向への溝58bに対する相対移動を規制される。一方、溝58bは、その長手方向に沿った各位置において一定の断面形状を有している。したがって、位置保持部材35,36は、溝58b内を溝58bの長手方向に移動することができる。すなわち、位置保持部材35,36は、保持体255と係合してハンドル50の揺動を規制した状態において、溝58bの長手方向に沿った相対移動を許容される。
なお、位置保持部材35,36は、溝58bに位置し得る先端部に、拡径部分を有している。一方、保持体255,355の係合部58は、拡径部分の溝58bからの抜けだしを規制する、規制つば58cを有している。したがって、図示された例において、位置保持部材35,36は、開口部58baのみから溝58b内に出入りすることができる。そして、位置保持部材35,36が溝58b内に位置した状態において、位置保持部材35,36は、保持体255,355に対して保持体255,355の長手方向(軸部51aの長手方向)にのみ相対移動可能であり、言い換えると、保持体255,355の長手方向(軸部51aの長手方向)と非平行な方向への相対移動を規制される。
図23及び図24に示された乳母車10についても、保持体255が第1位置保持部材35と係合した状態で、本体フレーム12を変形させ、折り畳み動作を開始することができる。既に上述したように、ハンドル50が第1位置に保持された状態において、本体フレーム12は、ハンドル50の揺動軸線sa上の位置と、第1位置保持部材35と、の二箇所で、ハンドル50に接続している。そして、第1位置保持部材35は、揺動軸線saを画成する第1リンク20上に固定されている。したがって、折り畳み動作中に本体フレーム12が変形したとしても、揺動軸線saから第1位置保持部材35までの距離は変化しない。すなわち、保持体255が第1位置保持部材35と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、第1位置保持部材35は、ハンドル本体51上の保持体255に対して移動することはない。また、保持体255は、折り畳み動作中、第2付勢部材54からの付勢力によって、ハンドル本体51に対して相対移動しない。
一方、ハンドル50が第2位置に保持された状態において、保持体55は第2位置保持部材36と係合することで、本体フレーム12に接続している。そして、第2位置保持部材36は、第1リンク20及び第2リンク25のいずれでもない、アームレスト19に固定されている。図22及び図23の比較から明らかなように、折り畳み動作中、折り畳み動作中の本体フレーム12の変形にともなって、揺動軸線saから第2位置保持部材36までの距離は次第に長くなっていく。したがって、保持体255が第2位置保持部材36と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、第2位置保持部材36は、折り畳み動作中に、保持体255が設けられた部分でのハンドル本体51の長手方向に沿って保持体255に対して相対移動する。このとき、保持体255は、第2付勢部材54からの付勢力によって、ハンドル本体51に対して相対移動しない。第2位置保持部材36は、ハンドル本体51に沿って揺動軸線saから離間する向きに、保持体255に対して移動する。具体的には、図24に示すように、保持体255の溝58b内を下方に位置する開口部58baの側から、上方に位置する最奥部58bbに向けて移動する。
図示された例において、第2位置保持部材36は、図24に二点鎖線で示すように溝58b内の最奥部58bbに到達した後、さらに、ハンドル本体51に沿って揺動軸線saから離間する向きに移動する。このとき、図25に示すように、第2位置保持部材36は、保持体255とともにハンドル本体51に対して移動することになる。このときの保持体255のハンドル本体51に対する動作は、第2付勢部材54からの付勢力に抗して実施される。したがって、この折り畳み動作中、第2付勢部材54は、保持体55を第2位置保持部材36に向けて付勢する。すなわち、第2付勢部材54は、この折り畳み動作中、保持体55と第2位置保持部材36との係合状態が維持されるよう、保持体55に作用し続ける。なお、第2位置保持部材36の保持体255に対する相対移動の向きは、保持体255のハンドル本体51に対する相対移動の向きに沿っている。したがって、第2位置保持部材36が保持体255に対して相対移動する動作から、第2位置保持部材36及び保持体255がハンドル本体51に対して相対移動する動作に円滑に切り替わることができる。
次に、第2位置保持部材36が保持体と相対移動可能に係合するようにした第2の例について、図26〜図28を参照して説明する。図26及び図28に示された第2の例では、保持体355の長さ及び係合部58の長さを、図19〜図25に示された第1の例よりも更に長くした点において異なっており、その他については同一の構成を採用し得る。
図26〜図28に示された例においては、前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で乳母車の折り畳み動作を開始し、本体フレーム12が折り畳み状態まで変形した際に初めて、第2位置保持部材36が、溝58b内を最奥部58bbに到達する、或いは、前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で乳母車の折り畳み動作を開始し、本体フレーム12が折り畳み状態まで変形しても、第2位置保持部材36が、溝58b内の最奥部58bbまで到達しない。したがって、保持体355が第1位置保持部材35と係合した状態で、乳母車10の折り畳み動作を開始した場合、及び、保持体355が第2位置保持部材36と係合した状態で、乳母車10の折り畳み動作を開始した場合のいずれにおいても、保持体355は位置保持部材35,36から押圧されることがなく、したがって、第2付勢部材54からの付勢力によって保持体355はハンドル本体51に対して動作しない。
図19〜図28を参照して説明した例では、展開状態から折り畳み状態へ折り畳み可能な乳母車10が、展開状態から折り畳み状態へ変形可能な本体フレーム12と、第1位置と第2位置との間を揺動可能に本体フレーム12に接続されたハンドル50と、を有している。ハンドル50は、本体フレーム12に接続したハンドル本体51と、ハンドル本体51に対して移動可能に当該ハンドル本体51に支持された保持体255,355と、を有している。本体フレーム12は、保持体255,355と係合してハンドル50の第1位置からの揺動を規制する第1位置保持部材35と、保持体55と係合してハンドル50の第2位置からの揺動を規制する第2位置保持部材36と、有している。そして、第2位置保持部材36は、保持体255,355が設けられた部分でのハンドル本体51の長手方向に沿って保持体255,355に対して相対移動可能に保持体255,355と係合する。一方、展開状態と折り畳み状態との間において、本体フレーム12が変形し、本体フレーム12とハンドル50との相対位置は変化する。このとき、本体フレーム12とハンドル50との接合位置となる保持体255,355及び第2位置保持部材36が、相対移動し、展開動作または折り畳み動作中における本体フレーム12の変形に対応することができる。したがって、第2位置保持部材36からハンドル50の揺動軸線saまでの距離が、展開状態と折り畳み状態との間において変化する場合にも、保持体255,355及び第2位置保持部材36との係合によって本体フレーム12に対するハンドル50の自由な揺動を規制しながら、乳母車10を折り畳むことが可能となる。つまり、ハンドル50が第1位置及び第2位置のいずれに位置するかに依存することなく、折り畳み操作を開始することができる。例えば、乳幼児の月齢が低い場合には、乳幼児に対面する側にハンドル50を配置して、乳母車10を利用することが多くなるが、そのような時期には、ハンドル50を第2位置に配置したまま、折り畳むことができる。また、折り畳まれた乳母車10を展開した際、ハンドル50は、第2位置に配置されたままとなる。したがって、ハンドル50の位置を調整する手間が省け、乳母車10の利便性を向上させることができる。また、第2位置保持部材36の設置位置に関する制約が少なく、乳母車10の設計の自由度が増し、乳母車10の小型軽量化を図ることもできる。さらに、保持体255,355と第2位置保持部材36との係合が、折り畳み動作中に、より深い係合となるようにすることができる。したがって、折り畳み動作中においても、保持体55と第2位置保持部材36を係合した状態に安定して維持することができる。
また、図19〜図28に示された例では、保持体255,355が第2位置保持部材36と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、第2位置保持部材36は、折り畳み動作中に、保持体255,355が設けられた部分でのハンドル本体51の長手方向に沿って保持体255,355に対して相対移動する。したがって、第2位置保持部材36からハンドル50の揺動軸線saまでの距離が、展開状態と折り畳み状態との間において変化する場合にも、本体フレーム12とハンドル50との接合位置となる保持体55及び第2位置保持部材36が、展開動作または折り畳み動作中における本体フレーム12の変形に追従して、より円滑に相対移動することが可能となる。これにより、保持体55が第2位置保持部材36と係合した状態で乳母車10の折り畳み動作を開始した際に、安定して円滑に折り畳みを行うことができる。
さらに、図19〜図28に示された例では、第2位置保持部材36が保持体255,355に対して相対移動している間、保持体255,355は、保持体255,355が設けられた部分でのハンドル本体51の長手方向において一定の位置に位置する、言い換えると、保持体255,355は、保持体255,355が設けられた部分でのハンドル本体51の長手方向にハンドル本体51上で移動しない。したがって、保持体55及び第2位置保持部材36の相対移動が安定して且つ円滑に実現される。これにより、保持体55が第2位置保持部材36と係合した状態で乳母車10の折り畳み動作を開始した際に、安定して円滑に折り畳みを行うことができる。
また、図19〜図25に示された例では、保持体255が第2位置保持部材36と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、第2位置保持部材36は、保持体255が設けられた部分でのハンドル本体51の長手方向に沿って保持体255に対して相対移動した後、第2位置保持部材36は、保持体255に対する相対移動を停止し、保持体255とともにハンドル本体51に対して移動する。このような例によれば、保持体255の長さを短くしながら、同時に、保持体255のハンドル本体51に対する移動量を少なくすることができる。これにより、保持体255が第2位置保持部材36と係合した状態で乳母車10の折り畳み動作を開始した際に、安定して円滑に折り畳みを行うことができ、同時に、乳母車10の小型軽量化を図ることができる。
とりわけ図19〜図25に示された例では、第2位置保持部材36の保持体255に対する相対移動の向きが、保持体255のハンドル本体51に対する相対移動の向きに沿っている。したがって、より効果的に、保持体255の長さを短くしながら、同時に、保持体255のハンドル本体51に対する移動量を少なくすることができる。これにより、保持体255が第2位置保持部材36と係合した状態で乳母車10の折り畳み動作を開始した際に、安定して円滑に折り畳みを行うことができ、同時に、乳母車10の小型軽量化を図ることができる。
図26〜図28に示された例によれば、保持体355が第2位置保持部材36と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、保持体355は、展開状態から折り畳み状態までの間、保持体355が設けられた部分でのハンドル本体51の長手方向において一定の位置に位置する、言い換えると、保持体355が設けられた部分でのハンドル本体51の長手方向にハンドル本体51上で移動しない。その一方で、保持体355が第2位置保持部材36と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、第2位置保持部材36は、展開状態から折り畳み状態までの間、保持体355に対する相対移動を継続する。すなわち、このような例によれば、折り畳み動作中に、第2位置保持部材36が保持体355に対して相対移動するだけで、保持体355をハンドル本体51に対して静止したままに維持することができる。したがって、保持体355が第2位置保持部材36と係合した状態で乳母車10の折り畳み動作を開始した際に、安定して円滑に折り畳みを行うことができる。また、保持体355のハンドル本体51に対する移動量は、専ら第1位置保持部材35及び第2位置保持部材36との係合および離脱に必要な量とすることができる。これにより、乳母車10の小型軽量化を効果的に図ることができる。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
sa 揺動軸線
rs 収容空間
ld 長手方向
10 乳母車
11 乳母車本体
12 本体フレーム
14 前脚
15 前方連結材
16 後脚
17 後方連結材
19 アームレスト
20 第1リンク
21 主リンク材
22 上接続材
25 第2リンク
26 フレーム材
26a 側部
26b 連結部
27 前接続材
28 後接続材
29 中央連結材
30 第3リンク
31 主軸材
32 端部材
33 規制係合凹部
34 軸部材
35 第1位置保持部材
36 第2位置保持部材
38 ガード部材
41 ベースフレーム
42 上方フレーム
43 連結フレーム
45 状態維持部材
46 本体部
47 規制係合突起
48 受け板
49 第1付勢部材
50 ハンドル
51 ハンドル本体
51a 軸部
51b 中間部
51c ストッパ
51d 長溝
52 遠隔操作装置
53 カバープレート
53a 溝
54 第2付勢部材
55 保持体
56 筒状本体部
56a 突出部
57 誘導部
57a 誘導面
58 係合部
58a 受け部
58b 溝
58c 規制つば
60 操作部材
61 操作基部
62 操作突出部
62a 第1接触面
62b 第2接触面
62c 膨出面
64 第3付勢部材
70 車輪保持ユニット
153 区画部材

Claims (21)

  1. 展開状態から折り畳み状態へ折り畳み可能な乳母車であって、
    前記展開状態から前記折り畳み状態へ変形可能な本体フレームと、
    第1位置と第2位置との間を揺動可能に前記本体フレームに接続されたハンドルと、を備え、
    前記本体フレームは、前記乳母車の折り畳み動作が規制されるようになる規制位置と、前記乳母車の折り畳み動作が可能となる解除位置と、の間を移動可能な状態維持部材を有し、
    前記ハンドルは、前記本体フレームに接続したハンドル本体と、前記ハンドル本体に動作可能に支持された操作部材と、を有し、
    前記操作部材は、前記第1位置に位置する前記ハンドルの前記ハンドル本体に対して動作することによって前記状態維持部材を押圧して前記規制位置から前記解除位置に移動させ、且つ、前記第2位置に位置する前記ハンドルの前記ハンドル本体に対して動作することによって前記状態維持部材を押圧して前記規制位置から前記解除位置に移動させる、乳母車。
  2. 前記本体フレームは、
    前脚および後脚と、
    前記前脚および前記後脚と回動可能に接続されたアームレストと、
    前記アームレストと回動可能に接続された第1リンクと、を有し、
    前記状態維持部材は、前記第1リンクに支持されている、請求項1に記載の乳母車。
  3. 前記操作部材は、操作位置と非操作位置との間を移動可能であり、且つ、前記操作位置の側から前記非操作位置に向けて付勢されており、
    前記状態維持部材は、前記非操作位置から前記操作位置へ移動する前記操作部材に押圧されて、前記規制位置から前記解除位置へと移動する、請求項1または2に記載の乳母車。
  4. 前記非操作位置に位置する前記操作部材は、前記状態維持部材から離間している、請求項3に記載の乳母車。
  5. 前記操作部材は、操作位置と非操作位置との間を移動可能であり、
    前記操作部材は、前記ハンドルが前記第1位置に位置している場合に前記状態維持部材に接触可能な第1接触面と、前記ハンドルが前記第2位置に位置している場合に前記状態維持部材に接触可能な第2接触面と、を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の乳母車。
  6. 前記操作部材は、前記ハンドルに対して摺動可能な操作基部と、前記ハンドルのうちの前記操作基部が設けられている部分の長手方向に対して交差する方向に突出し且つ前記第1接触面および前記第2接触面を含む操作突出部と、を有する、請求項5に記載の乳母車。
  7. 前記操作部材は、前記非操作位置と前記操作位置との間を前記ハンドル本体のうちの前記操作部材が設けられている部分の長手方向に沿って移動可能であり、
    前記第2接触面は、前記非操作位置から前記操作位置へ向けた前記操作部材の移動方向に対して傾斜し且つ前記非操作位置から前記操作位置へ向けた前記操作部材の移動方向における前側から後側に向けて前記ハンドル本体から離間していく傾斜面を含む、請求項5または6に記載の乳母車。
  8. 前記操作部材は、前記第1接触面及び前記第2接触面の間に位置する膨出面を、更に有し、
    前記ハンドルの前記本体フレームに対する揺動軸線から前記膨出面までの距離は、当該揺動軸線から前記第1接触面のうちの前記膨出面に隣接する部分までの距離よりも長く且つ当該揺動軸線から前記第2接触面のうちの前記膨出面に隣接する部分までの距離よりも長い、請求項5〜7のいずれか一項に記載の乳母車。
  9. 展開状態から折り畳み状態へ折り畳み可能な乳母車であって、
    前記展開状態から前記折り畳み状態へ変形可能な本体フレームと、
    第1位置と第2位置との間を揺動可能に前記本体フレームに接続されたハンドルと、を備え、
    前記ハンドルは、前記本体フレームに接続したハンドル本体と、前記ハンドル本体に対して移動可能に当該ハンドル本体に支持された保持体と、前記保持体を付勢する付勢部材と、を有し、
    前記本体フレームは、前記保持体と係合して前記ハンドルの前記第1位置からの揺動を規制する第1位置保持部材と、前記保持体と係合して前記ハンドルの前記第2位置からの揺動を規制する第2位置保持部材と、有し、
    前記付勢部材は、前記保持体を前記第1位置保持部材または前記第2位置保持部材に向けて押圧して前記保持体と前記第1位置保持部材または前記第2位置保持部材との係合状態を維持するよう、前記保持体に作用し、
    前記保持体が前記第1位置保持部材と係合した状態で、前記本体フレームを変形させて乳母車の折り畳み動作を開始することができ、且つ、前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で、前記本体フレームを変形させて乳母車の折り畳み動作を開始することができ、
    前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、前記保持体は、前記付勢部材からの付勢力によって前記第2位置保持部材との係合を維持しながら、前記付勢部材からの付勢力に抗して前記ハンドル本体に対して動作する、乳母車。
  10. 前記ハンドルは、前記ハンドル本体上に設けられ当該ハンドル本体との間に前記付勢部材を収容する収容空間を形成するカバープレートを、更に有し、
    前記カバープレートは、ハンドル本体の長手方向に延び且つ前記収容空間に通じる溝を形成されており、
    前記保持体は、前記溝を通過して前記収容空間内に延び入った突出部を有する、請求項9に記載の乳母車。
  11. 展開状態から折り畳み状態へ折り畳み可能な乳母車であって、
    前記展開状態から前記折り畳み状態へ変形可能な本体フレームと、
    第1位置と第2位置との間を揺動可能に前記本体フレームに接続されたハンドルと、を備え、
    前記ハンドルは、前記本体フレームに接続したハンドル本体と、前記ハンドル本体に対して移動可能に当該ハンドル本体に支持された保持体と、を有し、
    前記本体フレームは、前記保持体と係合して前記ハンドルの前記第1位置からの揺動を規制する第1位置保持部材と、前記保持体と係合して前記ハンドルの前記第2位置からの揺動を規制する第2位置保持部材と、有し、
    前記第2位置保持部材は、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向に沿って前記保持体に対して相対移動可能に前記保持体と係合する、乳母車。
  12. 前記保持体が前記第1位置保持部材と係合した状態で、前記本体フレームを変形させて乳母車の折り畳み動作を開始することができ、且つ、前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で、前記本体フレームを変形させて乳母車の折り畳み動作を開始することができる、請求項11に記載の乳母車。
  13. 前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、前記第2位置保持部材は、折り畳み動作中に、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向に沿って前記保持体に対して相対移動する、請求項11又は12に記載の乳母車。
  14. 前記第2位置保持部材が前記保持体に対して相対移動している間、前記保持体は、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向において一定の位置に位置する、請求項13に記載の乳母車。
  15. 前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、前記第2位置保持部材は、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向に沿って前記保持体に対して相対移動した後、前記保持体とともに前記ハンドル本体に対して移動する、請求項13又は14に記載の乳母車。
  16. 前記第2位置保持部材の前記保持体に対する相対移動の向きは、前記保持体の前記ハンドル本体に対する相対移動の向きに沿っている、請求項15に記載の乳母車。
  17. 前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、前記保持体は、前記展開状態から前記前記折り畳み状態までの間、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向において一定の位置に位置する、請求項13又は14に記載の乳母車。
  18. 前記保持体が前記第2位置保持部材と係合した状態で折り畳み動作を開始した場合、前記第2位置保持部材は、前記展開状態から前記前記折り畳み状態までの間、前記保持体に対する相対移動を継続する、請求項13,14又は17に記載の乳母車。
  19. 前記保持体は、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向に沿って前記ハンドル本体に対して移動可能であり、
    前記保持体は、前記ハンドル本体に対して移動することで、前記第2位置保持部材と係合し、
    前記保持体は、前記保持体が設けられた部分での前記ハンドル本体の長手方向に延び且つ前記第2位置保持部材と係合可能な係合部を有し、
    前記第2位置保持部材は、前記係合部と係合した状態で、前記係合部の長手方向に沿って前記係合部に対して相対移動可能である、請求項18に記載の乳母車。
  20. 前記係合部は、前記第2位置保持部材と係合する際における前記保持体の移動方向前側となる端部において、当該移動方向の前方に開口した溝である、請求項19に記載の乳母車。
  21. 前記ハンドルは、前記第2位置保持部材に向けて前記保持体を付勢する付勢部材を、さらに有する、請求項19又は20に記載の乳母車。
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