JP2018069350A - 磨き器具 - Google Patents

磨き器具 Download PDF

Info

Publication number
JP2018069350A
JP2018069350A JP2016208549A JP2016208549A JP2018069350A JP 2018069350 A JP2018069350 A JP 2018069350A JP 2016208549 A JP2016208549 A JP 2016208549A JP 2016208549 A JP2016208549 A JP 2016208549A JP 2018069350 A JP2018069350 A JP 2018069350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screw
polishing
screw portion
tool
polishing tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016208549A
Other languages
English (en)
Inventor
渉 菅野
Wataru Sugano
渉 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakata Co Ltd
Original Assignee
Sakata Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakata Co Ltd filed Critical Sakata Co Ltd
Priority to JP2016208549A priority Critical patent/JP2018069350A/ja
Publication of JP2018069350A publication Critical patent/JP2018069350A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)
  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

【課題】磨き部材を挟持する器具本体および固定部材の外径寸法の増大を招くことなく、器具本体と固定部材との締結を緩みにくくすることができる磨き器具を実現すること。【解決手段】被処理物を磨く磨き器具100において、一対のネジ体110aおよび120aを含む第1のネジ部101aを有する第1の部材(器具本体)101と、一対のネジ体110aおよび120aとかみ合う第2のネジ部140aを有する第2の部材(固定部材)140と、第1の部材101と第2の部材140との間に挟持される磨き部材150と、第1のネジ部101aが第2のネジ部140aにかみ合った状態で、一対のネジ体110aおよび120aの距離を変更することにより、第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの嵌合力を調整する嵌合力調整手段102とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、磨き器具に関し、特に、消耗品であるブラシ部材やヤスリ部材などの磨き部材を交換可能な磨き器具に関するものである。
従来から機械や建築などの分野では、被処理物に対する研磨や研削などの磨き作業を効率よく行うために、例えば、回転ブラシや回転ヤスリなどの磨き器具を電動工具に取り付け、磨き器具を電動工具の回転力により回転させることが行われている。
ところで、回転ブラシや回転ヤスリなどの磨き器具では、ブラシ部分やヤスリ部分が消耗すると、磨き器具の交換が必要となるが、消耗品が消耗しただけで磨き器具の全体を交換するのは不経済である。
そこで、従来から、磨き器具には消耗品だけを交換可能なものがある。
図15は、このような磨き器具の一例としてブラシ部分だけを交換可能に構成した磨き器具を示す。
図15に示す磨き器具10では、キャップ部材12の内部にブラシ部材10aを収容した状態で、キャップ部材12の雌ネジ部12aに器具本体11の雄ネジ部11aを締め付けることにより、器具本体11およびキャップ部材12がブラシ部材10aを挟むようにキャップ部材12が器具本体11に締結される。なお、図中、11bは、電動工具のチャック(図示せず)に固定される固定軸部材である。
この磨き器具10では、ブラシ部材10aが消耗した場合のブラシ部材10aの交換は以下の手順で行う。
まず、器具本体11からキャップ部材12を外し、キャップ部材12に収容されているブラシ部材10aを新しいものと交換する。その後、ブラシ部材10aがキャップ部材12と器具本体11とで挟まれるようにキャップ部材12を器具本体11に締め付ける。これにより、磨き器具10の消耗したブラシ部材10aを新しいものと交換することができる。
このように器具本体11およびキャップ部材12などの2部材の締結によりブラシ部材10aを固定する構成の磨き器具10は、例えば、特許文献1に開示されている。
上述した磨き器具10では、ブラシ部材10aとして内巻ブラシを用いてボルトなどの棒状ネジ体を磨く場合、棒状ネジ体に対して磨き器具10を移動させる方向に応じて磨き器具10の回転方向が切り替られる。この切り替えは、磨き作業をし易くするためである。すなわち、内巻ブラシの毛先は棒状ネジ体のネジ溝に入り込み、磨き器具10の回転方向に応じて磨き器具10が棒状ネジ体に対して前進する方向の力、あるいは後退する方向の力を受けることから、磨き器具10の回転方向を、磨き器具10を移動させる方向に応じた回転方向とするためである。
また、上述した磨き器具10では、ブラシ部材10aを挟み込む2部品、すなわち、器具本体11とキャップ部材12とは、それぞれに加工された雄ネジ部11aと雌ネジ部12aとの締付により締結されている。従って、器具本体11の雄ネジ部11aをキャップ部材12の雌ネジ部12aにねじ込むときのこれらの部材の相対的な回転の中心は、磨き器具10の回転中心と一致している。そのため、磨き器具10に加えられる回転力が器具本体11とキャップ部材12との締結が緩む方向に働いた場合には、両者の締結が緩んでしまう可能性があるといった問題があった。
図16は、図15に示す磨き器具とは別の従来の磨き器具20を示す。
図16に示す磨き器具20は、器具本体21とキャップ部材22とを磨き器具20の回転中心から離れた周縁部でボルト21cにより締結するようにしたものであり、従って、この磨き器具20では、器具本体21の先端部21aおよびキャップ部材22の内周面22aにネジ部は形成されていないが、器具本体21の周縁部にはボルト21cを装着するためのボルト装着孔が形成され、キャップ部材22の周壁22bにはボルト21cをねじ込むためのネジ穴22cが形成されている。このように、図16に示す磨き器具20は、図15に示す磨き器具10とは、器具本体21とキャップ部材22とを締結する方法が異なっている。なお、図中、21bは、電動工具のチャック(図示せず)に装着される固定軸部材である。
この磨き器具20でのブラシ部材20aの交換は以下のように行われる。
まず、ボルト21cを緩めて器具本体21からキャップ部材22を外し、キャップ部材22の内部のブラシ部材20aを新しいものと交換する。その後、ブラシ部材20aがキャップ部材22と器具本体21とで挟まれるように、ボルト21cでキャップ部材22を器具本体21に締め付ける。これにより、磨き器具20の消耗したブラシ部材20aを新しいものと交換することができる。
この磨き器具20では、器具本体21に対してキャップ部材22をねじ込んで器具本体21とキャップ部材22とを締結しているのではなく、器具本体21とキャップ部材22とは、ボルト21cによって磨き器具20の回転軸から離れた位置で締結されている。このため、この磨き器具20では、回転キャップ部材21とキャップ部材22との締結は、図15に示す磨き器具10での器具本体11とキャップ部材12との締結に比べて緩みにくい。
しかし、この磨き器具20のように、磨き器具20の周縁部で器具本体21とキャップ部材22とをボルト21cで固定するものでは、器具本体21の周縁部にボルト装着孔を形成したりキャップ部材22の周壁にネジ穴22cを形成する必要があるために、器具本体21の外径やキャップ部材22の外径を大きくする必要があり、磨き器具20により磨かれる被処理体の周りのスペースが狭い場合には対応できないという問題がある。
このような問題は、例えば、航空機等で使用されている小径のボルトを、その取付の状態のままで磨く場合に生ずる。ボルト固定において、耐震性、破断強度向上のため、小径のボルトが2本以上並べて配置されていることが多い。このように2本以上の小径のボルトが並んで配置されている場合、隣接する2本の小径のボルトの間隔は、ボルトが占有する領域をできるだけ少なくするために可能な限り近づけて配置されているが、その配置のために、ボルトの周りのスペースが狭くなっている。また、ボルトに特殊なものが用いられていることが多く、ボルトを使い捨てにできず、ボルトはメンテナンスを行って再利用される。ところが、ボルトのメンテナンスは、以下のように、ボルトが取り付けられている状態でボルトに対する磨き作業を行わなければならない場合がある。
例えば、メンテナンスのためにボルトを一旦取り外す場合で、ボルトの取り外しを容易にするために、ボルトを取り外す前に、装着されているボルトのナットから突き出た先端部分のサビ取りを行う場合である。また、その他の場合として、ボルトが規格に合った締付強度で取り付けられており、防錆剤や塗料の塗布などのボルトのメンテナンスを行うために、ボルトを取り外せない場合である。
このように、磨き器具により磨かれる被処理体の周りのスペースが狭い場合は、図16に示す構造の磨き器具20では、上述のように器具本体21の外径やキャップ部材22の外径が大きいために、狭いスペースに器具本体21やキャップ部材22が入らず、磨き器具20により被処理体を適切に磨けないことがある。
特開昭52−123332号公報
本発明は、磨き部材を挟持する器具本体および固定部材の外径寸法の増大を招くことなく、器具本体と固定部材との締結を緩みにくくすることができる磨き器具を得ることを目的とする。
本発明に係る磨き器具は、被処理物を磨くための磨き器具であって、一対のネジ体を含む第1のネジ部を有する第1の部材と、該一対のネジ体とかみ合う第2のネジ部を有する第2の部材と、該第1の部材と該第2の部材との間に挟持される磨き部材と、該第1のネジ部が該第2のネジ部にかみ合った状態で、該一対のネジ体の距離を変更することにより、該第1のネジ部と該第2のネジ部との嵌合力を調整する嵌合力調整手段とを備えたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の1つの実施形態では、前記嵌合力調整手段は、前記第1のネジ部が前記第2のネジ部にかみ合った状態で、前記一対のネジ体が相互に離れるように該一対のネジ体を付勢することにより、該第1のネジ部と該第2のネジ部との相対的な回転を規制する回転規制手段を含む。
本発明の1つの実施形態では、前記第1の部材は、前記磨き器具の回転力を発生する電動工具に固定される器具本体であり、該器具本体は、前記磨き部材が取り付けられる部材取付体と、該部材取付体と摺動可能に係合する係合部材と、該部材取付体に連結された連結部材とを備え、該部材取付体は、前記一対のネジ体の一方を有し、該係合部材は、該一対のネジ体の他方を有し、前記嵌合力調整手段は、該一対のネジ体が相互に離れるように該連結部材に対して該係合部材を締め付けるネジ部材を有する。
本発明の1つの実施形態では、前記係合部材は、該係合部材を貫通するように形成された貫通孔を有し、前記部材取付体は、該係合部材の貫通孔に摺動可能に挿入されるシャフト部を有し、前記連結部材は、該シャフト部に連結されている。
本発明の1つの実施形態では、前記第1のネジ部は、雄ネジ部であり、前記第2の部材は、前記第1の部材に前記磨き部材を固定するための固定部材であり、前記第2のネジ部は、該雄ネジ部とかみ合う雌ネジ部である。
本発明の1つの実施形態では、前記磨き部材は、前記被処理物のサビ取りを行うための内巻ブラシである。
本発明によれば、磨き部材を挟持する器具本体および固定部材の外径寸法の増大を招くことなく、器具本体と固定部材との締結を緩みにくくすることができる磨き器具を実現することができる。
図1は、本発明の実施形態1による磨き器具100を説明するための図であり、図1(a)は、電動工具1に磨き器具100を取り付けた状態を示す側面図、図1(b)は、電動工具1のチャック1bに取り付けられた磨き器具100を示す斜視図である。 図2は、図1に示す磨き器具100の構造を説明するための斜視図であり、図2(a)は、図1(b)に示す磨き器具100を拡大して示し、図2(b)は、図2(a)に示す磨き器具100を分解して各部品を示し、図2(c)は、磨き部材150の具体的な構造を示す。 図3は、本発明に係る磨き器具の特徴を説明するための図であり、図3(a)は、雄ネジ部101aが一体となっている状態の器具本体101を示す斜視図、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線断面図、図3(c)は、雄ネジ部101aが分離している状態の器具本体101を示す斜視図、図3(d)は、図3(c)のIIId−IIId線断面図である。 図4は、本発明に係る磨き器具の特徴を説明するための図であり、図4(a)は、図3(b)に示す器具本体101に固定部材140を締め付けた状態を示し、図4(b)は、図4(a)に示す器具本体101において雄ネジ部101aの一対のネジ体110aおよび120aを相互に引き離す力を発生させた状態を示し、図4(c)は、図4(a)のYc部分を拡大して示し、図4(d)は、図4(b)のYd部分を拡大して示す。 図5は、図3(a)に示す器具本体101の六面図であり、図5(a)〜図5(f)は、器具本体101を図3(a)のA方向〜F方向から見た構造を示す。 図6は、図3(c)に示す器具本体101の六面図であり、図6(a)〜図6(f)は、器具本体101を図3(c)のA方向〜F方向から見た構造を示す。 図7は、図2(a)に示す磨き器具100の六面図および断面図であり、図7(a)〜図7(f)はそれぞれ、図2(a)に示す磨き器具100をA方向〜F方向から見た構造を示し、図7(g)は、図7(f)のVIIg−VIIg線断面の構造を示す。 図8は、図2(b)に示す部材取付体110の六面図および断面図であり、図8(a)〜図8(f)はそれぞれ、図2(b)に示す部材取付体110をA方向〜F方向から見た構造を示し、図8(g)は、図8(f)のVIIIg−VIIIg線断面の構造を示し、図8(h)は、図8(a)のVIIIh−VIIIh線断面の構造を示す。 図9は、図2(b)に示す係合部材120の六面図および断面図であり、図9(a)〜図9(f)はそれぞれ、図2(b)に示す係合部材120をA方向〜F方向から見た構造を示し、図9(g)は、図9(f)のIXg−IXg線断面の構造を示す。 図10は、図2(b)に示す連結部材130の六面図および断面図であり、図10(a)〜図10(f)はそれぞれ、図2(b)に示す連結部材130をA方向〜F方向から見た構造を示し、図10(g)は、図10(f)のXg−Xg線断面の構造を示す。 図11は、図2(b)に示す固定部材140の平面図および断面図であり、図11(a)〜図11(f)はそれぞれ、図2(b)に示す固定部材140をA方向〜F方向から見た構造を示し、図11(g)は、図11(f)のXIg−XIg線断面の構造を示す。 図12は、図2(a)に示す磨き器具100を組み立てる作業を説明するための図であり、図12(a)は、部材取付体110に対する係合部材120の取付作業を示し、図12(b)は、部材取付体110に対する回転軸部160の取付作業を示し、図12(c)は、部材取付体110に対する連結部材130の取付作業を示す。 図13は、図2(a)に示す磨き器具100を組み立てる作業を説明するための図であり、図13(a)は、連結部材130に対する固定ビス135aおよび締付ビス130aの装着作業を示し、図13(b)は、固定部材140により器具本体101に対して磨き部材150を固定する作業を示す。 図14は、図2(a)に示す磨き器具100を用いた磨き作業を説明するための図であり、図14(a)〜図14(c)は、作業中に磨き器具100に被処理物Bt1が挿入される深さが変化する様子を示す。 図15は、従来の磨き器具10を説明するための斜視図であり、図15(a)は、従来の磨き器具10の外観を示し、図15(b)は、図15(a)に示す磨き器具10を分解して各部品を示す。 図16は、従来の他の磨き器具20を説明するための斜視図であり、図16(a)は、従来の他の磨き器具20の外観を示し、図16(b)は、図16(a)に示す磨き器具20を分解して各部品を示す。
本発明に係る磨き器具を図1〜図3を用いて説明する。
本発明は、図1に示すように、磨き器具100に関するものであり、磨き器具100は、磨き器具100を回転させる電動工具(一般に電動ドリル)1に取り付けて被処理物Bt1、Bt2に対する研磨や研削などの磨き作業を行うためのものである。
磨き器具100は、図2に示すように、第1のネジ部101aを有する第1の部材101と、第2のネジ部140aを有する第2の部材140と、第1の部材101と第2の部材140との間に挟持される磨き部材150とを有する。
本発明は、このような構成を有する磨き器具100において、第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの着脱の際には第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの相対的な回転をし易くし、かつ、第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとが締結された状態では第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの締結を緩みにくくするために、図3に示すように、第1のネジ部101aを第2のネジ部140aとかみ合う一対のネジ体110a、120aを含む構造とし、第1のネジ部101aが第2のネジ部140aにかみ合った状態で、一対のネジ体110a、120aの距離を変更することにより第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの嵌合力を調整する嵌合力調整手段102を備えたものである。
ここで、第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの嵌合力は、第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの締付の強さであって、第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとが接触する接触面での摩擦力に依存するものである。従って、この嵌合力が大きいほど第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとが相対的に回転しにくくなって第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの締付が緩みにくくなり、この嵌合力を弱めることにより第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとが相対的に回転しやすくなる。
ここで、第1の部材101は、一対のネジ体110aおよび120aを含む第1のネジ部101aを有するものであればどのようなものでもよい。第2の部材140は、一対のネジ体110aおよび120aにかみ合う第2のネジ部140aを有するものであればどのようなものでもよい。嵌合力調整手段102は、第1のネジ部101aが第2のネジ部140aにかみ合った状態で、一対のネジ体110aおよび120aの距離を変更することにより、第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの嵌合力を調整するものであればどのようなものでもよい。
ただし、以下の実施形態の説明では、第1の部材101は、電動工具1に取り付けられる磨き器具100の器具本体101とし、第2の部材140は、器具本体101に磨き部材150を取り付けるための固定部材140とし、第1の部材101のネジ部101aは、器具本体101に設けられた雄ネジ部101aとし、第2の部材140のネジ部140aは、器具本体101に締結される固定部材140に設けられた雌ネジ部140aとし、さらに、嵌合力調整手段102は、第1のネジ部101aが第2のネジ部140aにかみ合った状態で、一対のネジ体110aおよび120aが相互に離れるように一対のネジ体110aおよび120aを付勢することにより、第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの相対的な回転を規制する回転規制手段102とする。
以下、本発明の実施形態による磨き器具100を図面を参照しながら詳しく説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による磨き器具100を説明するための図であり、図1(a)は、電動工具1に磨き器具100を取り付けた状態を示す側面図、図1(b)は、電動工具1のチャック1bに取り付けられた磨き器具100を示す斜視図である。
ここで、磨き器具100は、例えば、サビ取りを行うための磨き器具である。この磨き器具100は、図1(a)および図1(b)に示すように、例えば、電動ドリルなどの電動工具1に取り付けて用いられるネジ磨きソケットである。電動工具1は、モータやスイッチを備えた工具本体1aと、工具本体1aに対して回転するチャック1bとを有する。チャック1bには磨き器具100が着脱可能に取り付けられる。なお、被処理物は、例えば、航空機に用いられているボルトBt1、Bt2である。ここでは、ボルトBt1、Bt2は、図1(a)、図1(b)に示すように、航空機における部材P1と部材P2とを固定するためのボルトであり、部材P1および部材P2を貫通し、それぞれナットNt1、Nt2が装着されている。航空機では、固定される部材P1および部材P2の一方に対する他方の回転を阻止するために、1か所に2つのボルトBt1およびBt2が並べて配置されることがある。ここで、ボルトBt1およびBt2のうちの磨き器具100により磨かれる部分は、ナットNt1およびNt2より上側に位置する先端部分Bt1aおよびBt2aである。また、ボルトBt1およびBt2の径は、例えば、10mm以下である。なお、1か所に配置されるボルトの数は2つに限定されるものではなく、1つでも3つ以上でもよい。
また、被処理物は、航空機に用いられるボルトに限定されるものではなく、ネジ部材であって、狭いスペースに配置されるものであれば、本発明の磨き器具100による磨き作業の対象となる。被処理物は、例えば、構造物の入り組んだ場所に設けられているネジ部材や複数のネジ部材が狭いピッチで配列されている場所のネジ部材などである。
図2は、図1に示す磨き器具100の構造を説明するための斜視図であり、図2(a)は、図1(b)に示す磨き器具100を拡大して示し、図2(b)は、図2(a)に示す磨き器具100を分解して各部品を示し、図2(c)は、磨き部材150の具体的な構造を示す。
この実施形態1の磨き器具100では、第1の部材101は、第1のネジ部101aである雄ネジ部を有する器具本体101である。第2の部材140は、器具本体101に磨き部材150を固定するための固定部材140である。固定部材140は、第2のネジ部140aである雌ネジ部を有し、固定部材140の雌ネジ部140aが器具本体101の雄ネジ部101aに含まれる一対のネジ体110aおよび120aとかみ合うように構成されている。
磨き部材150は、図2(c)に示すように、被処理物Btのサビ取りを行うための内巻ブラシ150である。内巻ブラシ150は、鉄やステンレスなどの金属製の円形ブラシホルダ152にワイヤ(ブラシの毛を形成する複数の線状鋼材)151の一端が円形ブラシホルダ152の中心を向くようにワイヤの他端を固着してなる構造を有している。内巻ブラシ150では、円形ブラシホルダ152の中心を向くワイヤ151の先端が被処理物Bt1、Bt2を磨く内面を形成している。ここで、円形ブラシホルダ152は金属製のものに限定されるものではなく、プラスチックなどの樹脂やセラミックで構成されていてもよい。また、磨き部材150は、図2(c)に示す内巻ブラシに限定されるものではなく、被処理物Bt1、Bt2の外面を磨く内面を有し、磨き部材150を回転させることによりその内面で被処理物を磨くための部材であればどのようなものでもよい。
次に、本発明に係る磨き器具の特徴を説明する。
図3〜図6は、本発明に係る磨き器具の特徴を説明するための図である。
図3(a)は、雄ネジ部101aが一体となっている状態の器具本体101を示す斜視図、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線断面図、図3(c)は、雄ネジ部101aが分離している状態の器具本体101を示す斜視図、図3(d)は、図3(c)のIIId−IIId線断面図である。図4(a)は、図3(b)に示す器具本体101に固定部材140を締め付けた状態を示し、図4(b)は、図4(a)に示す器具本体101において雄ネジ部101aの一対のネジ体110aおよび120aを引き離す力を発生させた状態を示し、図4(c)は、図4(a)のYc部分を拡大して示し、図4(d)は、図4(b)のYd部分を拡大して示す。
なお、図5は、図3(a)に示す器具本体101の六面図であり、図5(a)〜図5(f)は、器具本体101を図3(a)のA方向〜F方向から見た構造を示し、図6は、図3(c)に示す器具本体101の六面図であり、図6(a)〜図6(f)は、器具本体101を図3(c)のA方向〜F方向から見た構造を示す。
図3(a)、図3(b)、図5(a)〜図5(f)に示すように、器具本体101の雄ネジ部101aの一対のネジ体110aおよび120aに固定部材140の雌ネジ部140aが装着されていない状態で、回転規制手段102により一対のネジ体110aおよび120aに対してこれらが相互に離れるように力をかけると、図3(c)、図3(d)、図6(a)〜図6(f)に示すように、一方のネジ体110aから他方のネジ体120aが遠ざかるように移動することとなり、両者の間には移動距離に応じた隙間Sが空く。
一方、図4(a)および図4(c)に示すように、器具本体101の雄ネジ部101aの一対のネジ体110aおよび120aに固定部材140の雌ネジ部140aが締め付けられた状態では、回転規制手段102により一対のネジ体110aおよび120aが相互に離れるようにこれら両ネジ体110aおよび120aを付勢しても、図4(b)および図4(d)に示すように、一対のネジ体の一方のネジ体110aと他方のネジ体120aとの離間は、固定部材140の変形に相当する程度の距離Saしか広がらない。例えば、器具本体101の雄ネジ部101aが金属材料で構成され、固定部材140が樹脂で構成されている場合、離間距離Saは、せいぜい、雄ネジ部101aのネジ山(雌ネジ部140aのネジ溝)の半ピッチ程度である。従って、ネジ山のピッチが2mmである場合は、離間距離Saは、せいぜい1mm程度である。
このように雄ネジ部101aの一対のネジ体110aおよび120aと雌ネジ部140aとが締め付けられた状態では、回転規制手段102による一対のネジ体110aおよび120aに対する付勢により、雄ネジ部101aを構成する一対のネジ体110aおよび120aの間で雄ネジ部101aのピッチが広がった状態となり、雄ネジ部101aにかみ合った状態の雌ネジ部140aは雄ネジ部101aに対して回転しにくくなる。
その結果、磨き器具100の回転により、器具本体101の雄ネジ部101aと固定部材140の雌ネジ部140aとの締付が緩むような力が発生しても、これらの締結が緩むのを抑制することができる。
次に、磨き器具100の構造を詳しく説明する。
図7は、図2(a)に示す磨き器具100の六面図および断面図であり、図7(a)〜図7(f)はそれぞれ、図2(a)に示す磨き器具100をA方向〜F方向から見た構造を示し、図7(g)は、図7(f)のVIIg−VIIg線断面の構造を示す。
磨き器具100を構成する器具本体101は、磨き部材150が取り付けられる部材取付体110と、部材取付体110と係合する係合部材120と、部材取付体110に連結される連結部材130とを有する。
以下、磨き器具100を構成する個々の部品を具体的に説明する。
〔部材取付体110〕
図8は、図2(b)に示す部材取付体110の六面図および断面図であり、図8(a)〜図8(f)はそれぞれ、図2(b)に示す部材取付体110をA方向〜F方向から見た構造を示し、図8(g)は、図8(f)のVIIIg−VIIIg線断面の構造を示し、図8(h)のVIIIh−VIIIh線断面の構造を示す。
部材取付体110は、磨き器具100であるネジ磨きソケットの本体(ソケット本体)であり、例えば、鉄やステンレスなどの金属製の円柱体を加工することにより作製したものである。ただし、部材取付体110の作製方法は、上記のように円柱体を加工するものに限定されない。部材取付体110は、大径の取付体ネジ部110aと小径の取付体シャフト部110bとを有する。取付体ネジ部110aは、雄ネジ部101aを構成する一対のネジ体の一方であり、取付体ネジ部110aの外周にはネジ山111aが形成されている。取付体シャフト部110bの先端部には、回転軸部160を挿入するための軸部挿通孔112が円柱体の中心軸に沿って形成され、さらに、取付体シャフト部110bの先端部の側面から軸部挿通孔112に達するように、直径の異なるビス固定ネジ孔113および114が形成されている。取付体ネジ部110aから取付体シャフト部110bの中央部分に跨るように円柱体の中心軸に沿って部材挿通孔111が形成されている。
ここでは、ビス固定ネジ孔113の先端とビス固定ネジ孔114の先端とが干渉しないように、ビス固定ネジ孔114の直径はビス固定ネジ孔113の直径より小さくしている。例えば、軸部挿通孔112の直径が4.5mmである場合、ビス固定ネジ孔113の直径は4mm、ビス固定ネジ孔114の直径は3mmとする。ただし、軸部挿通孔112の直径が大きく、ビス固定ネジ孔113の先端とビス固定ネジ孔114の先端とが干渉するおそれがない場合は、ビス固定ネジ孔113の直径とビス固定ネジ孔114の直径とは同じでよい。
〔係合部材120〕
図9は、図2(b)に示す係合部材120の六面図および断面図であり、図9(a)〜図9(f)はそれぞれ、図2(b)に示す係合部材120をA方向〜F方向から見た構造を示し、図9(g)は、図9(f)のIXg−IXg線断面の構造を示す。
係合部材120は、器具本体101に締め付けた固定部材140が緩まないようにロックするためのロック部材であり、例えば、鉄やステンレスなどの金属製の円柱体を加工することにより作製したものである。ただし、係合部材120の作製方法は、上記のように円柱体を加工するものに限定されない。係合部材120は、円筒状のロックネジ部120aと円板状のロック基部120bとを有する。ロックネジ部120aは、雄ネジ部101aを構成する一対のネジ体の他方であり、ロックネジ部120aの外周にはネジ山121aが形成されている。ロックネジ部120aのネジ山121aの高さおよびピッチは、取付体ネジ部110aのネジ山111aの高さおよびピッチと一致している。ロックネジ部120aおよびロック基部120bには、部材取付体110の取付体シャフト部110bを挿入するための部材挿入孔121が形成されている。円板状のロック基部120bの周縁部には円周方向に等間隔で4つのビス固定ネジ孔122が形成されている。
〔連結部材130〕
図10は、図2(b)に示す連結部材130の六面図および断面図であり、図10(a)〜図10(f)はそれぞれ、図2(b)に示す連結部材130をA方向〜F方向から見た構造を示し、図10(g)は、図10(f)のXg−Xg線断面の構造を示す。
連結部材130は、部材取付体110の取付体シャフト部110bを押さえる押さえリングであり、樹脂製の円柱体を加工することにより作製したものである。連結部材130の樹脂材料としては、エンジニアリングプラスチックと呼ばれる耐熱性の高い合成樹脂などが用いられる。連結部材130の中心部には、部材取付体110の取付体シャフト部110bを固定するためのシャフト固定穴131が連結部材130の一端面側から他端面側に向けて形成されており、連結部材130の他端面側にはシャフト固定穴131に繋がるように軸部挿入口133が形成されている。さらに、連結部材130の他端面側には、ロック部材120のビス固定ネジ孔122にねじ込まれる締付ビス130aを挿入するためのビス装着穴132が形成されている。さらに、連結部材130の外周面には、押さえ固定ビス134a、135aを挿入するためのビス挿入穴134、135が形成されている。
なお、押さえ固定ビス134aおよび押さえ固定ビス135aとしては同径のものが用いられる。これらの固定ビス134aおよび135aは、連結部材130の中心軸の周りに90°の角度を隔てて連結部材130に装着されたとき、図7(d)、(e)、(g)から分かるように、それぞれの固定ビス134aおよび135aの先端が干渉するおそれはないからである。また、それぞれの固定ビス134aおよび135aの先端が干渉するおそれがないのは、これらの固定ビス134aおよび135aの先端が当接する部位が、これらの固定ビスの径より十分大きな直径を有する取付体シャフト部110bであり、固定ビス134aおよび135aの先端が取付体シャフト部110bに当接した状態で、固定ビス134aの先端と固定ビス135aの先端とが十分離れているからである。
ただし、場合によっては、固定ビス134aと固定ビス135aとで径の異なるものを用いてもよい。
ここで、連結部材130には、ロック部材120のビス固定ネジ孔122にねじ込まれる締付ビス130aが装着される。連結部材130および締付ビス130aは、取付体ネジ部110aと係合ネジ部120aとが離れるように部材取付体110および係合部材120を付勢することにより器具本体101に対する固定部材140の回転を規制する回転規制手段102を形成している。つまり、締付ビス130aにより連結部材130に対して係合部材120を締め付けることにより、取付体ネジ部110aと係合ネジ部120aとがこれらが離れる方向に付勢され、器具本体101に対する固定部材140の回転が規制されることとなる。
〔固定部材140〕
図11は、図2(b)に示す固定部材140の平面図および断面図であり、図11(a)〜図11(f)はそれぞれ、図2(b)に示す固定部材140をA方向〜F方向から見た構造を示し、図11(g)は、図11(f)のXIg−XIg線断面の構造を示す。なお、図11(a)、図11(d)〜図11(f)は、同じ図を示している。なぜなら、固定部材140の側面の形状は円柱の外周面の形状であり、固定部材140を図2(b)のA方向、D方向〜F方向から見た構造は同じ構造に見えるからである。
磨き器具100を構成する固定部材140は、固定部材140の雌ネジ部140aを器具本体101の雄ネジ部101aにねじ込んで締め付けることにより磨き部材150を器具本体101との間で挟持するものである。ここで、固定部材140は、円筒部141および円筒部141の一端に形成された底面部142を有するキャップ部材140であり、例えば、樹脂製の円柱体を加工することにより作製したものである。固定部材140の樹脂材料としては、エンジニアリングプラスチックなどが用いられる。固定部材140の円筒部141の内周面には、円筒部141の他端からその一端の近傍までネジ溝143が形成されることにより、取付体ネジ部110aおよびロックネジ部120aとかみ合う雌ネジ部140aが形成されている。なお、円筒部141の内周面のうちの雌ネジ部140aと底面部142との間の部分はネジ溝が形成されていない不完全ネジ部140bとなっている。
なお、上記説明では、磨き器具100を構成する部材取付体110および係合部材120が金属材料で構成され、磨き器具100を構成する連結部材130および固定部材140が樹脂材料で構成されている場合を挙げたが、部材取付体110および係合部材120が樹脂材料で構成され、連結部材130および固定部材140が金属材料で構成されていてもよく、部材取付体110、係合部材120、連結部材130、および固定部材140がすべて金属材料で構成されていても、あるいはすべて樹脂材料で構成されていてもよい。ただし、部材取付体110は、磨き器具100が電動工具1に取り付けられたときに磨き器具100の全体を支える支柱となる部分であり、剛性の高い材料であることが望ましい。さらには、磨き器具100の構成部品の材料としては、上述した金属材料や樹脂材料に限定されず、セラミック材料や硬質ゴムなどを用いることも可能である。
〔磨き器具100の組み立て手順〕
次に、磨き器具100を組み立てる手順を説明する。ただし、磨き器具100を組み立てる手順は以下に説明するものに限定されるものではない。
図12および図13は、図2に示す磨き器具100を組み立てる手順を説明するための図である。なお、図12(a)〜図12(c)、図13(a)、図13(b)では、組み合わせの対象となる部品を明確にし、かつ組立後の部品の組合せ状態を明確にするために、組み合わせの対象となる部品を外観図で示し、組み合わせた後の部品の状態を断面図で示している。
まず、図12(a)に示すように、部材取付体110の取付体シャフト部110bが係合部材120の部材挿入孔121に挿入されるように部材取付体110に係合部材120を取り付ける。
次に、図12(b)に示すように、部材取付体110の取付体シャフト部110bの軸部挿通孔112に回転軸部160を挿入し、ネジ径の異なるビス固定ネジ穴113、ビス固定ネジ穴114にネジ径の異なる固定ビス113a、固定ビス114aを装着することにより、回転軸部160を部材取付体110に固定する。固定ビス113aは、例えば、ネジ形が4mmのイモネジ(M4)、固定ビス114aは、例えば、ネジ径が3mmのイモネジ(M3)である。
次に、図12(c)に示すように、部材取付体110の取付体シャフト部110bの先端が連結部材130のシャフト固定穴131に挿入されるように取付体シャフト部110bに連結部材130を取り付ける。
次に、図13(a)に示すように、連結部材130のビス装着穴132に締付ビス130aを装着し、さらに、締付ビス130aを係合部材120のビス固定ネジ孔122にねじ込むことにより、係合部材120に連結部材130を連結する。その後、連結部材130のビス固定ネジ穴134(図7(d)参照)およびビス固定ネジ穴135にそれぞれ固定ビス134a(図7(d)参照)および固定ビス135aを装着することにより、部材取付体110の取付体シャフト部110bに連結部材130を固定する。このように部材取付体110の取付体シャフト部110bに、係合部材120に連結された連結部材130を固定する際には、部材取付体110の取付体ネジ部110aのネジ山と係合部材120のロックネジ部120aのネジ山とがつながるように、取付体ネジ部110aに対するロックネジ部120aの軸周りの相対位置を例えば目視で合わせる。
次に、図13(b)に示すように、固定部材140の内部に内巻ブラシ150を収容し、さらに、固定部材140の雌ネジ部140aに、器具本体101の雄ネジ部101aを構成する取付体ネジ部110aおよびロックネジ部120aをかみ合わせ、内巻ブラシ150が部材取付体110と固定部材140との間に挟持されるように固定部材140を器具本体101に締め付ける。その後、締付ビス130aを締め付けることにより、図4(d)に示すように、雄ネジ部101aを構成する一対のネジ体110aおよび120aの間で雄ネジ部101aのピッチが広がった状態となり、雄ネジ部101aにかみ合った状態の雌ネジ部140aは雄ネジ部101aに対して回転しにくくなる。このように、器具本体101の雄ネジ部101aと固定部材140の雌ネジ部140aとの相対的な回転が規制されることで、器具本体101と固定部材140との締付が緩みにくくなる。これにより磨き器具100の組み立てが完了する。
〔磨き器具100の使用方法〕
次に、このような磨き器具100の使用方法を説明する。
図14は、図2(a)に示す磨き器具100を用いた磨き作業を説明するための図であり、図14(a)〜図14(c)は、作業中に磨き器具100に被処理物が挿入される深さが変化する様子を示す。
図13(b)に示すように、器具本体101と固定部材140との間に磨き部材150が挟持されるように器具本体101に固定部材140を取り付け、締付ビス130aの締付により器具本体101の雄ネジ部101aと固定部材140の雌ネジ部140aとの締付が緩みにくい状態とした後、図1に示すように、磨き器具100を電動工具1のチャック1bに固定する。その後、電動工具1を駆動すると、図14(a)に示すように、電動工具1のチャック1bが回転することにより、チャック1bに取り付けられた磨き器具100が回転する。
図14(a)に示すように、磨き器具100を用いて、航空機などで用いられる近接配置された2つのボルトBt1およびBt2のうちの一方(例えば、ボルトBt1)のサビ取りを行う場合、まず、電動工具1のチャック1bを正回転させる。正回転は、ネジを絞める方向の回転であり、逆回転は、ネジを外す方向の回転である。この場合、図14(b)に示すように、磨き器具100の固定部材140の部材挿入口142aにボルトBt1の先端を差し込むと、内巻ブラシ150の毛先がボルトBt1の表面を擦りながらボルトBt1のネジ溝に沿って進むこととなり、ボルトBt1は磨き器具100の内部に引き込まれていく。その後、磨き器具100の先端がナットNt1に達するときを見計らって、電動工具1のチャック1bを逆回転させると、図14(c)に示すように、内巻ブラシ150の毛先がボルトBt1の表面を擦りながらボルトBt1のネジ溝に沿って後退することとなり、ボルトBt1は磨き器具100の内部から出て行く。これにより、内巻ブラシ150の毛先がボルトBt1の表面を擦りながらボルトBt1の軸方向に往復移動することとなり、ボルトBt1の先端部分Bt1aのサビ取が行われる。このようにして、近接する2つのボルトBt1、Bt2の一方のボルトBt1に対するサビ取作業が終わると、他方のボルトBr2に対するサビ取作業を一方のボルトBt1と同様に行う。
このように、ボルトBt1、Bt2のうちのナットNt1、Nt2の上側に突出した先端部分Bt1a、Bt2aのサビ取りを行うことにより、ナットNt1、Nt2の取り外しやボルトBt1、Bt2の先端の塗装を良好に行うことができる。
このように本実施形態1によれば、電動工具1に取り付けられる磨き器具100において、器具本体101の雄ネジ部101aと固定部材140の雌ネジ部140aとがかみ合った状態で、器具本体101の雄ネジ部101aと固定部材140の雌ネジ部140aとの相対的な回転を規制する回転規制手段102を備えているので、磨き作業中に器具本体101の雄ネジ部101aと固定部材140の雌ネジ部140aとの締付が緩む方向の力が発生しても、器具本体101と固定部材140との締付が緩むのを抑制することができる。
また、回転規制手段102は、器具本体101の雄ネジ部101aに含まれる一対のネジ体110aおよび120aが固定部材140の雌ネジ部140aにかみ合った状態で、一対のネジ体110aおよび120aが相互に離れるように一対のネジ体110aおよび120aを付勢することにより、器具本体101の雄ネジ部101aと固定部材140の雌ネジ部140aとの相対的な回転を規制するので、器具本体101と固定部材140とを締結する機構としては、器具本体101の雄ネジ部101aを固定部材140の雌ネジ部140aにねじ込む構造を用いることができる。このため、器具本体101と固定部材140とを締結するための構成を、器具本体101および固定部材140以外に別途設ける必要はない。従って、固定部材140や器具本体101に、固定部材140を器具本体101に締結するためのネジ穴やボルト挿入孔を設けるスペースを確保する必要がなく、器具本体101および固定部材140の外径寸法の拡張を招く恐れがない。
その結果、本実施形態1によれば、磨き部材150を挟持する器具本体101および固定部材140の外径寸法の増大を招くことなく、器具本体101と固定部材140との締結を緩みにくくすることができる磨き器具100を実現することができる。
このような磨き器具100は小さい外径寸法を有するので、この磨き器具100を用いることにより、構造物の入り組んだ場所であっても、あるいは、複数のボルトが狭いピッチで配列されている場所でも、これらの場所に取り付けられているボルトのサビ取り作業を効率よく行うことができる効果が得られる。
なお、上記実施形態では、回転規制手段102として、第1のネジ部101aが第2のネジ部140aにかみ合った状態で、一対のネジ体110aおよび120aが相互に離れるように締付ビス130aにより一対のネジ体110aおよび120aを付勢することにより、第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの相対的な回転を規制する構成のものを示したが、回転規制手段102は、この構成のものに限定されない。例えば、回転規制手段102は、一対のネジ体110aおよび120aに対する付勢をばねの力を用いて行うものでもよく、さらには、一対のネジ体110aおよび120aに対する付勢を永久磁石や電磁石などの磁力を用いて行うものでもよい。
さらには、これらの回転規制手段は、第1のネジ部101aが第2のネジ部140aにかみ合った状態で、一対のネジ体110a、120aの距離を変更することにより第1のネジ部101aと第2のネジ部140aとの嵌合力を調整する嵌合力調整手段の一例であり、嵌合力調整手段は、これらの回転規制手段に限定されるものではない。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、磨き器具の分野において、磨き部材を挟持する器具本体および固定部材の外径寸法の増大を招くことなく、器具本体と固定部材との締結を緩みにくくすることができる磨き器具を実現することができるものとして有用である。
100 磨き器具(ネジ磨きソケット)
101 器具本体
101a 第1のネジ部(雄ネジ部)
102 回転規制手段
110 部材取付体(ソケット本体)
110a 一方のネジ体(取付体ネジ部)
110b 取付体シャフト部
111 部材挿通孔
112 軸部挿通孔
113、114 ビス固定ネジ孔
120 係合部材(ロック部材)
120a 他方のネジ体(ロックネジ部)
120b 係合基部(ロック基部)
121 部材挿入孔
122 ビス固定ネジ孔
130 連結部材(押さえリング)
130a 締付ビス
131 シャフト固定穴
132 ビス装着穴
133 軸部挿入口
134、135 ビス固定ネジ穴
134a、135a 固定ビス
140 固定部材(キャップ部材)
140a 第2のネジ部(雌ネジ部)
140b 不完全ネジ部
141 円筒部
142 底面部
142a 部材挿入口
143 ネジ溝
150 磨き部材(内巻ブラシ)
160 回転軸部
Bt1、Bt2 被処理物(ボルト)
Bt1a、Bt2a 先端部分
Nt1、Nt2 ナット
P1、P2 部材

Claims (6)

  1. 被処理物を磨くための磨き器具であって、
    一対のネジ体を含む第1のネジ部を有する第1の部材と、
    該一対のネジ体の各々とかみ合う第2のネジ部を有する第2の部材と、
    該第1の部材と該第2の部材との間に挟持される磨き部材と、
    該第1のネジ部が該第2のネジ部にかみ合った状態で、該一対のネジ体の距離を変更することにより、該第1のネジ部と該第2のネジ部との嵌合力を調整する嵌合力調整手段と
    を備えた、磨き器具。
  2. 前記嵌合力調整手段は、
    前記第1のネジ部が前記第2のネジ部にかみ合った状態で、前記一対のネジ体が相互に離れるように該一対のネジ体を付勢することにより、該第1のネジ部と該第2のネジ部との相対的な回転を規制する回転規制手段を含む、請求項1に記載の磨き器具。
  3. 前記第1の部材は、前記磨き器具の回転力を発生する電動工具に固定される器具本体であり、
    該器具本体は、前記磨き部材が取り付けられる部材取付体と、該部材取付体と摺動可能に係合する係合部材と、該部材取付体に連結された連結部材とを備え、
    該部材取付体は、前記一対のネジ体の一方を有し、
    該係合部材は、該一対のネジ体の他方を有し、
    前記嵌合力調整手段は、該一対のネジ体が相互に離れるように該連結部材に対して該係合部材を締め付けるネジ部材を有する、請求項1または2に記載の磨き器具。
  4. 前記係合部材は、該係合部材を貫通するように形成された貫通孔を有し、
    前記部材取付体は、該係合部材の貫通孔に摺動可能に挿入されるシャフト部を有し、
    前記連結部材は、該シャフト部に連結されている、請求項3に記載の磨き器具。
  5. 前記第1のネジ部は、雄ネジ部であり、
    前記第2の部材は、前記第1の部材に前記磨き部材を固定するための固定部材であり、
    前記第2のネジ部は、該雄ネジ部とかみ合う雌ネジ部である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の磨き器具。
  6. 前記磨き部材は、前記被処理物のサビ取りを行うための内巻ブラシである、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の磨き器具。
JP2016208549A 2016-10-25 2016-10-25 磨き器具 Pending JP2018069350A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016208549A JP2018069350A (ja) 2016-10-25 2016-10-25 磨き器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016208549A JP2018069350A (ja) 2016-10-25 2016-10-25 磨き器具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018069350A true JP2018069350A (ja) 2018-05-10

Family

ID=62113455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016208549A Pending JP2018069350A (ja) 2016-10-25 2016-10-25 磨き器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018069350A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200306919A1 (en) * 2019-03-25 2020-10-01 Infinite Concepts & Manufacturing Lug and hub cleaning attachment

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200306919A1 (en) * 2019-03-25 2020-10-01 Infinite Concepts & Manufacturing Lug and hub cleaning attachment

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101535217B1 (ko) 그라인더용 연마공구의 탈, 부착장치
US20140224084A1 (en) Dutchman fastener removal tool
JP6723017B2 (ja) 異物除去装置
JP4861984B2 (ja) 工具ホルダアセンブリ
US20140323021A1 (en) Leather head finishing system
US10322488B2 (en) Rotating tool, and polishing tool
JP2007237107A (ja) 清掃具
KR20140021162A (ko) 파이프 연마장치
JP4972492B2 (ja) 研磨機用ブラシ
JP2009078055A (ja) 加工用ブラシ
JP2018504288A (ja) 切削工具ホルダーおよびそのための切削インサートを備えた切削工具
JP2018069350A (ja) 磨き器具
US2359594A (en) Collet and rod grinder
US20200324392A1 (en) Tool with tool elements
CN209698811U (zh) 一种砂轮夹柄微动夹紧装置
WO2017068753A1 (ja) 磨き器具
KR20090038698A (ko) 볼트 및 나사 제거장치
JP4942424B2 (ja) 回転工具の着脱装置
JP2010012590A (ja) ドリルチャック及びドリル研磨機
KR101487544B1 (ko) 연마 가공을 위한 소재 고정지그
JP7009131B2 (ja) 装着治具
KR101912009B1 (ko) 다이아몬드 버니싱공구
JPWO2018207570A1 (ja) チャック機構
TWI583489B (zh) Can directly view and locate the tool with the tool fixture
JP5442898B1 (ja) 被締結材の位置決め締結装置