JP2018066270A - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン運転状態の変化に応じた吸入空気量の先取り制御を実行した際に、スロットルボディや各種センサなどの経年劣化や個体差に起因する実空気量のばらつきを補正する。【解決手段】主にエンジン1の定常運転時に実吸入空気流量と大気圧と吸気管内圧と吸気温の情報から抽出した学習用スロットル開度と実スロットル開度の偏差に基づいて算出されるスロットル学習値をエンジン1の運転条件ごとに適宜記憶し、目標吸気管内圧を用いた目標吸気量制御の補正処理に記憶したスロットル学習値を適用する。【選択図】図2

Description

この発明は内燃機関制御装置に関し、詳しくは、目標吸入空気流量が得られるようにスロットル開度を制御するようにした内燃機関制御装置に関するものである。
近年、運転者や車両側からの駆動力の要求値として、車両の制御に直接作用する物理量である内燃機関(エンジンとも言う)の出力軸トルクを用い、この出力軸トルクをエンジン出力目標値として、エンジン制御量である空気量、燃料量および点火時期を決定することにより良好な走行性能を得る内燃機関制御装置が提案されている。
また、エンジン制御量のうち、エンジン出力軸トルクに最も影響の大きい制御量が空気量であることは一般に知られており、空気量を高精度に制御するために、例えば特開2009−281187号公報(特許文献1)には、目標吸入空気流量と大気圧と吸気管内圧と吸気温とに基づいて吸気流路の目標有効開口面積を算出し、有効開口面積とスロットル開度との関係を予め記憶した対応マップより目標開度情報を抽出し、更にスロットルボディや各種センサの経年劣化や個体差に起因する実空気量のばらつきを補正してスロットル開度を制御する内燃機関制御装置が開示されている。なお、図9は特許文献1におけるスロットル開度制御のフローを示しており、スロットル開度の補正値であるスロットル開度学習値(リアルタイム学習値とロングタイム学習値)の算出には吸気管内圧情報を用いている。
特開2009−281187号公報
特許文献1に開示された内燃機関制御装置では、吸気流路の有効開口面積を目標空気量と吸気管内圧とその他の情報を用いて算出しているが、エンジンの運転状態が比較的大きく変化した場合では、先ず目標空気量を変更してスロットル開度を制御した結果として吸気管内圧が変化するため、変化した吸気管内圧に応じたスロットル開度制御を続けて行う必要がある。これにより空気量制御には遅れが発生する。
この遅れを解消する手段として目標空気量に応じた目標吸気管内圧を用いたスロットル開度の先読み制御が考えられる。ただし、この先読み制御においてもスロットルボディや各種センサの経年劣化や個体差に起因する実空気量のばらつきが存在するため、制御においては補正処理が必要となる。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、エンジン運転状態の変化に応じた吸入空気量の先取り制御を実行した際に、スロットルボディや各種センサなどの経年劣化や個体差に起因する実空気量のばらつきを補正する手段を備えた内燃機関制御装置の提供を目的とするものである。
この発明に係る内燃機関制御装置は、内燃機関の吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を制御することにより吸気経路のスロットル有効開口面積を変化させて、内燃機関への吸気量を制御するスロットル開度制御手段と、前記内燃機関への吸気量を検出する吸気量検出手段と、前記スロットル弁の上流側の圧力を検出するスロットル上流圧力検出手段
と、大気圧を検出する大気圧検出手段と、前記スロットル弁から前記内燃機関への吸気管内の圧力を検出する吸気管内圧検出手段と、前記スロットル弁の上流側の吸気温を検出する吸気温検出手段と、を含み、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記内燃機関の運転状態に合わせた目標吸気量を算出する目標吸気量算出手段と、
前記内燃機関の運転状態に合わせた目標吸気管内圧を算出する目標吸気管内圧算出手段と、
前記目標吸気量、前記スロットル弁の上流側の圧力、前記目標吸気管内圧、及び前記スロットル弁の上流側の吸気温を、絞り式流量算出式に適応して目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、
あらかじめ適合されたスロットル有効開口面積とスロットル開度との対応マップを用いて、前記目標有効開口面積から目標開度を算出する目標開度算出手段と、
前記吸気量、前記スロットル弁の上流側の圧力、前記目標吸気管内圧、及び前記スロットル弁の上流側の吸気温を、前記絞り式流量算出式に適応して学習用有効開口面積を算出する学習用有効開口面積算出手段と、前記対応マップを用いて前記学習用有効開口面積から学習用開度を算出する学習用開度算出手段と、スロットル開度と前記学習用開度との差より学習基本値を算出する学習基本値算出手段と、前記学習基本値から瞬時的なばらつきを除去してスロットル学習値を算出する学習用補正後積分処理手段と、を含むスロットル学習値算出手段と、
前記吸気量、前記スロットル弁の上流側の圧力、前記目標吸気管内圧、及び前記スロットル弁の上流側の吸気温を、前記絞り式流量算出式に適応して、フィードバック用有効開口面積を算出するフィードバック用有効開口面積算出手段と、前記対応マップを用いて、前記フィードバック用有効開口面積からフィードバック用開度を算出するフィードバック用開度算出手段と、前記スロットル開度と前記フィードバック用開度との差よりフィードバック基本値を算出するフィードバック基本値算出手段と、前記フィードバック基本値を積分処理してスロットルフィードバック値を算出する補正後積分処理手段と、を含むスロットルフィードバック制御手段と、
前記目標開度算出手段と、目標スロットル学習値を算出する目標スロットル学習値算出手段と、前記スロットルフィードバック制御手段と、を含む補正後目標開度算出手段と、
前記補正後目標開度算出手段と、前記目標スロットル学習値算出手段と、前記スロットルフィードバック値と前記目標スロットル学習値との和であるスロットル学習補正値を前記補正後目標開度算出手段に入力するスロットル開度補正値算出手段と、前記目標開度算出手段と、を含み、前記対応マップの前記目標有効開口面積に対応する前記目標開度の値、前記目標スロットル学習値、及び前記スロットルフィードバック値の和が、前記目標有効開口面積に対応する実際のスロットル開度に近づくように、前記スロットル学習値と前記スロットルフィードバック値を更新し記憶する最終目標開度算出手段と、を備えたものである。
この発明に係る内燃機関制御装置によれば、スロットルボディおよび各種センサばらつきに対するスロットル開度補正をスロットル学習で行い、更に、目標吸気管内圧を用いてスロットルを制御することにより発生する変換係数などの設定値のずれに起因したスロットル開度の誤差に対するスロットル開度補正をスロットルフィードバックで行うので、目標吸気量に対し、高応答で高精度の吸気量が得られるスロットル開度制御を実現する内燃機関制御装置が提供できる。
この発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置を概略的に示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるエンジン制御部の概略構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるスロットル開度制御手段の一部を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるスロットル開度学習値の算出処理部を概略的に示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるスロットル学習値の算出処理部を概略的に示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるスロットルフィードバック値の算出処理部を概略的に示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置における最終目標開度の算出処理部を概略的に示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置のスロットル開度制御の全体フロー図である。 特許文献1に開示された内燃機関制御装置のスロットル開度制御のフロー図である。
以下、この発明に係る内燃機関制御装置の好適な実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置を概略的に示す構成図であり、図2は、実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるエンジン制御部の概略構成を示すブロック図である。
図1において、エンジン1の吸気系を構成する吸気通路の上流側には、エンジン1への吸入空気流量(以下、吸気量と言う)Qaを測定するエアフロセンサ2と、吸入空気温度(以下、吸気温と言う)Toを測定する吸気温検出手段としての吸気温センサ3が設けられている。
なお、吸気量Qaを直接計測するエアフロセンサ2に代えて、他のセンサ情報から吸気量Qaを推定演算する手段を用いてもよい。また、吸気温センサ3は、エアフロセンサ2と一体に構成されてもよく、エアフロセンサ2とは別体に構成されてもよい。さらに、吸気温Toを直接測定する吸気温センサ3に代えて、他のセンサ情報から吸気温Toを推定演算する手段を用いてもよい。
エンジン1の吸気系において、エアフロセンサ2の下流には、電子的に吸気経路の開口面積を調整できるスロットル弁4aを備えたスロットルボディー4(以下、スロットルと言う)が設けられている。スロットル4には、スロットル弁4aの開度、即ちスロットル開度TPを測定するスロットルポジションセンサ5が設けられている。
また、スロットル4は、吸気管内の圧力を均一化するサージタンク6に接続され、サージタンク6には内部の圧力を吸気管内圧Peとして測定する吸気管内圧検出手段としての吸気管内圧センサ7が設けられている。さらに、サージタンク6には、エンジン1の排気管と連通したEGR管を開閉するEGRバルブ8が接続されている。なお、吸気管内圧Peを直接測定する吸気管内圧センサ7に代えて、他のセンサ情報から吸気管内圧Peを推定演算する手段を用いてもよい。
エアフロセンサ2からの吸気量Qa、吸気温センサ3からの吸気温To(スロットル4の大気側の温度)、スロットルポジションセンサ5からのスロットル開度TP、および吸気管内圧センサ7からの吸気管内圧Peは、図示しない他のセンサからの検出信号とともに、エンジン1の運転状態を示す情報として、電子制御ユニット(以下、ECUと言う)9に入力される。
ECU9は、運転状態に基づく演算結果に応じて、スロットル4のスロットル開度TPを制御して吸気量Qaを調整するとともに、エンジン1の燃料噴射装置および点火装置(いずれも図示せず)を所要タイミングで駆動制御し、エンジン1の燃焼状態を改善する。
図2において、ECU9には各種センサ10が接続されており、各種センサ10には、エアフロセンサ2、吸気温センサ3、スロットルポジションセンサ5、吸気管内圧センサ7とともに、大気圧Poを計測する大気圧検出手段としての大気圧センサ11、またはスロットル4の上流の圧力、即ちスロットル上流圧P1を計測するスロットル上流圧力検出手段としてのスロットル上流圧センサ12など、スロットル4の大気側の圧力を検出するセンサなどが含まれている。
ECU9は、入力インタフェース(以下、入力I/Fと言う)9aと、演算処理部9bと、出力インタフェース(以下、出力I/Fと言う)9cを備えている。なお、大気圧Poは、直接計測する大気圧センサ11およびスロットル上流圧センサ12を用いず、他のセンサ情報から推定演算する手段を用いて計測してもよい。また、スロットル上流圧P1を直接計測するスロットル上流圧センサ12についても、他のセンサ情報からスロットル上流圧P1を推定演算する手段を用いて計測してもよい。
入力I/F9aは、エアフロセンサ2、吸気温センサ3、スロットルポジションセンサ5、吸気管内圧センサ7からの検出情報と、大気圧センサ11で測定された大気圧Po、またはスロットル上流圧センサ12で測定されたスロットル上流圧P1と、各種センサ10に含まれる他のセンサからの検出信号を取り込み、演算処理部9bに送出する。
演算処理部9bは、スロットル開度制御手段を含み、スロットル弁4aの開度であるスロットル開度TPを制御することにより、吸気通路の有効開口面積を変化させてエンジン1への吸気量Qaを制御する。このため、まず、演算処理部9bでは、入力された運転状態を示す情報に基づいてエンジン1の目標トルクを算出し、目標トルクを達成するための目標吸気量Qa*を算出する。
続いて、演算処理部9bにおいては、目標吸気量Qa*を達成するための目標有効開口面積CAt*を算出するとともに、目標有効開口面積CAt*を達成するための目標開度TP*を算出する。さらに、EGRバルブ8に対する制御指令値の算出や、各種アクチュエータ13に含まれる他のアクチュエータ(エンジン1の燃焼室に設けられた燃料噴射装置のインジェクタおよび点火装置の点火コイルなど)に対する制御指令値を算出する。
最後に、ECU9の出力I/F9cでは、ECU9の演算結果に基づく駆動制御信号を、スロットル4およびEGRバルブ8を含む各種アクチュエータ13に出力する。これにより、スロットル開度TPが目標開度TP*と一致するように制御される。
次に、図3の機能ブロック図を参照しながら、スロットル開度制御手段を含むECU9の演算処理部9bにより実行される演算処理、すなわち目標吸気量Qa*を達成するための目標開度TP*の算出処理について説明する。
図3において、ECU9の演算処理部9bは、目標吸気量算出手段30と、目標有効開口面積算出手段31と、音速算出手段32と、圧力比算出手段33と、無次元流量算出手段34と、目標開度算出手段35を備えている。
目標吸気量算出手段30は、エンジン1の運転状態に応じた目標トルクを達成するための目標吸気量Qa*を算出し、目標吸気量Qa*の算出値を目標有効開口面積算出手段31に入力する。音速算出手段32は、吸気温Toに基づき大気中の音速aを算出して目標有効開口面積算出手段31に入力する。また、圧力比算出手段33は、目標吸気管内圧PeTGTと大気圧Poまたはスロットル上流圧P1との圧力比PeTGT/Po(P1)を算出する除算器からなり、圧力比PeTGT/Po(P1)の算出値を無次元流量算出手段34に入力する。無次元流量算出手段34は、圧力比PeTGT/Po(P1)に基づき無次元流量σを算出して目標有効開口面積算出手段31に入力する。
目標有効開口面積算出手段31は、目標吸気量Qa*、大気中の音速aおよび無次元流量σを入力情報として、スロットル4の目標有効開口面積CAt*を算出して目標開度算出手段35に入力する。目標開度算出手段35は、あらかじめ適合された有効開口面積CAtとスロットル開度TPとの対応マップ(CAt−TPマップ)を用いて、目標有効開口面積CAt*に対応した目標開度TP*を算出する。
次に、目標有効開口面積算出手段31、音速算出手段32、圧力比算出手段33、無次元流量算出手段34、および目標開度算出手段35の具体的な算出処理機能について説明する。
一般に、絞り式流量計の体積流量算出式は、吸気量Qa(体積流量)と、大気中の音速aと、流量係数Cと、スロットル4の開口面積Atと、吸気管内圧Peと、大気圧Poと、比熱比κを用いて以下の式(1)で表される。
Figure 2018066270
ここで、無次元流量算出手段34により算出される無次元流量σを、以下の式(2)のように定義する。
Figure 2018066270
式(2)を式(1)に代入すると、吸気量Qaは、以下の式(3)のように表すことができる。
Figure 2018066270
なお、大気中の音速aは、ガス定数Rおよび吸気温Toを用いると、以下の式(4)で表される。
Figure 2018066270
また、式(3)を変形すると、流量係数Cとスロットル4の開口面積Atとの積で表される有効開口面積CAtは、目標トルクを達成するために必要な目標吸気量Qa*と、大気中の音速aと、無次元流量σが与えられた場合に、以下の式(5)により算出することができる。
Figure 2018066270
よって、ECU9の目標有効開口面積算出手段31は、目標吸気量Qa*、大気中の音速aおよび無次元流量σに基づき、式(5)を用いて目標吸気量Qa*を達成するための目標有効開口面積CAt*を算出する。
このように、式(1)で表される絞り式流量計の体積流量算出式に基づいて、目標有効開口面積CAt*を算出することにより、環境条件の変化やEGR導入(EGRバルブ8の開放)などに起因して、エンジン1の運転状態が変化した場合においても、良好に目標吸気量Qa*を達成するための目標有効開口面積CAt*を算出することができる。
ところで、目標有効開口面積CAt*の算出に必要な大気中の音速aは、ECU9で式(4)を用いて演算させる。しかし、演算負荷が膨大となるので実用的ではない。
そこで、ECU9での演算負荷を抑えるために、音速算出手段32は、あらかじめ大気中の音速aの理論値を算出して吸気温Toに対するマップデータとして記憶しておき、目標有効開口面積算出手段31での演算処理前に、吸気温Toを用いて大気中の音速aを算出するようにする。
同様に、目標有効開口面積CAt*の演算に必要な無次元流量σを、ECU9で式(2)を用いて演算することも演算負荷が膨大となるので実用的ではない。
そこで、ECU9での演算負荷を抑えるために、無次元流量算出手段34は、あらかじめ無次元流量σの理論値を算出して吸気管内圧Peと大気圧Poとの圧力比に対するマップデータとして記憶しておき、目標有効開口面積算出手段31での演算処理前に、目標吸
気管内圧算出手段である圧力比算出手段33で算出された目標吸気管内圧PeTGTと大気圧Poとの圧力比PeTGT/Poを用いて無次元流量σを算出している。
ところで、圧力比PeTGT/Poが大きくなると、エアフロセンサ2および吸気管内圧センサ7は吸入空気脈動の影響を受けるので、吸気量Qaの測定値が実際の吸気量に対して誤差を生じさせる可能性があるうえ、無次元流量σの算出でも、吸入空気脈動による吸気管内圧Peの測定誤差の影響を大きく受ける可能性がある。
そこで、圧力比算出手段33の圧力比固定手段(図示せず)は、圧力比PeTGT/Poが所定値A以上の場合には、圧力比PeTGT/Poを所定値Aとして扱うことにより、吸入空気脈動の影響を抑制し、スロットル4の制御性を確保するようになっている。
なお、圧力比算出手段33において圧力比PeTGT/Poを所定値Aに固定設定する代わりに、無次元流量算出手段34における圧力比PeTGT/Poに対する無次元流量σのマップ値を、圧力比PeTGT/Poが所定値A以上の領域では、所定値Aの場合と同一値に設定してもよい。
以下、目標開度算出手段35は、目標有効開口面積算出手段31で算出された目標有効開口面積CAt*を用いて、目標開度TP*を算出する。
このとき、目標開度算出手段35は、スロットル開度TPの測定値と吸気量Qaの測定値から式(5)により算出した有効開口面積CAtとの関係をあらかじめ求め、スロットル開度TPと有効開口面積CAtとが1対1で対応する2次元マップとして記憶しておき、この2次元マップを用いることにより、目標有効開口面積CAt*に対応した目標開度TP*を算出する。
次に、演算処理部9bのスロットル開度制御手段では、目標開度算出手段35で算出された目標開度TP*が達成されるようにスロットル4を制御する際に、スロットル4および各種センサ10のばらつきや各種推定誤差などに起因した目標吸気量Qa*と実際の吸気量Qaとの誤差が減少するように、スロットル学習値を算出する。
次に、図4、図5、図6および図7を参照しながら、実施の形態1に係るスロットル学習補正値TPFBiの算出処理について詳細に説明する。
図4は、スロットル開度TPと有効開口面積CAtの関係より、スロットル学習およびスロットルフィードバック処理の概要を示したものである。
図4に示すように、符号aで示すあらかじめ適合したスロットル開度TPと有効開口面積CAtとの対応マップ関係(以下、CAt−TPマップと言う)から算出したスロットル開度TPと、スロットルポジションセンサ5より検出されるスロットル開度TPの差分を学習基本値ΔTPrとしてCAt−TPマップaに学習基本値ΔTPrの一部を加算した符号bで示す学習補正後CAt−TPマップを形成する。さらに、学習値を反映して補正されたCAt−TPマップbとスロットル開度TPの差分よりフィードバック基本値ΔTPfbを算出し、その一部をスロットル学習補正値TPFBiに反映して符号cで示すスロットルフィードバック処理後CAt−TPマップを形成する。
図5はスロットル学習値算出手段50を示すブロック図で、図6はスロットルフィードバック制御手段60を示すブロック図である。また、図7は最終目標開度算出手段70を示すブロック図である。
まず、図5を参照しながらスロットル学習値算出手段50について説明する。
図5において、学習用有効開口面積算出手段51は、目標開度TP*に制御したときの実際の吸気量Qaに基づいて、スロットル開度制御手段によるスロットル4の学習用有効開口面積CAtrを算出する。
このとき、学習用有効開口面積算出手段51は、吸気量Qa、大気圧Po、吸気管内圧Peおよび吸気温Toを、いわゆる絞り式流量計の流量算出式に適用し、前述の式(5)のように、スロットル開度制御手段の学習用有効開口面積CAtrを算出して学習用開度算出手段52に入力する。
学習用開度算出手段52は、CAt−TPマップを用いて、学習用有効開口面積CAtrから算出された学習用開度TPirを算出して学習基本値算出手段53に入力する。この時、上記のCAt−TPマップは、あらかじめ適合したマップ関係に対し、以前に算出されているスロットル開度学習値TPLRNiを加算したものを学習用開度TPirとして学習基本値算出手段53に入力しても問題はない。
学習基本値算出手段53は、スロットルポジションセンサ5より検出されるスロットル開度TPと学習用開度TPirとの偏差ΔTPr(=TP−TPir)を学習基本値として算出して学習用補正後積分処理手段54に入力する。ここで、スロットル開度TPは、学習用開度TPirを算出したタイミングと同じものを使うこととする。また、スロットル開度TPの代わりに目標開度TP*を用いてもよい。
学習用補正後積分処理手段54は、学習基本値ΔTPrに補正係数Kc1(0≦Kc1≦1)を乗算した値を順次積分して、または学習基本値ΔTPrにフィルタ処理を施して、学習基本値ΔTPrから瞬時的なばらつきを除去した値を出力する。
単調増加処理手段55は、CAt−TPマップと、スロットル学習値TPLRNを加算して補正した後の実際のCAt−TP関係(スロットル開度制御手段の有効開口面積CAtとスロットル開度TPとの関係)とが、単調増加になるようにスロットル学習値TPLRNを制限する。
スロットル学習値記憶手段(バックアップメモリ)56は、単調増加処理手段55を介したスロットル開度学習値TPLRNiをECU9に記憶する。
従って、目標吸気量Qa*を得るためのスロットル開度TPを算出する際に、スロットル4および各種センサ10などのばらつきや、各種推定演算における誤差に対して、良好に目標吸気量Qa*が達成できるように有効開口面積CAtとスロットル開度TPとの関係を学習補正することができる。なお、スロットル開度制御手段のスロットル学習値は、バックアップメモリとして機能する。すなわち、エンジン1の停止中または内燃機関制御装置の電源オフ時においては、スロットル学習値TPLRNがスロットル学習値記憶手段56に保持される。
以上のようにして、スロットル学習値TPLRNの算出が行われるとともに、スロットル開度学習値TPLRNに基づくスロットル開度学習値TPLRNiの算出および記憶が行われるが、このような学習処理は全運転領域で行うことはできないので、学習禁止処理が必要となる。
学習更新禁止条件57は、後述する所定の更新禁止条件が成立した場合に、前回のスロットル学習値TPLRN(n−1)を入力し、スロットル学習値TPLRNの更新を禁止する。
以下、実施の形態1による学習更新禁止条件57について具体的に説明する。
スロットル学習値TPLRNの更新禁止条件が不成立の場合に、学習用補正後積分処理手段54で算出されたスロットル学習値TPLRNを、CAt−TPマップのCAt軸ポイントに応じた学習領域の最終的なスロットル学習値とする。
過渡運転時などにおいて目標開度TP*が急変した場合には、スロットル開度変化によるエアフロセンサ2の近傍の流速が変化するまでの応答遅れや、エアフロセンサ2そのものの応答遅れなどにより、吸気量Qaが応答するまでに或る程度の時間が必要となる。
従って、学習更新禁止条件57は、目標開度TP*とスロットル開度TPの偏差が所定値B以上となった場合には、スロットル学習値TPLRNの更新を禁止する。これにより、吸気量Qaの応答遅れ等によるスロットル学習値TPLRNの誤学習を防止することができる。
また、エアフロセンサ2は、吸気管内圧Peと大気圧Poとの圧力比Pe/Poが或る程度大きくなると、吸入空気脈動の影響を受けるので、実際の吸気量と測定した吸気量との間に誤差が発生する場合があり、このような運転領域においては、スロットル学習値TPLRNを正確に算出することができない。
従って、学習更新禁止条件57は、圧力比Pe/Poが前述の所定値B以上を示す場合には、スロットル学習値TPLRN(n−1)を選択し、スロットル学習値TPLRNの更新を禁止する。これにより、吸入空気脈動の影響によるスロットル開度TPの誤学習を防止することができる。
また、学習更新禁止条件57は、目標スロットル通過空気流量とスロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量と所定値Cの積未満となる場合、スロットル学習値の更新を禁止してもよい。
また、学習更新禁止条件57は、目標スロットル通過空気流量とスロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量と所定値Cの積を超えた場合と、前記目標スロットル通過空気流量と所定時間前の前記目標スロットル通過空気流量との差の絶対値が、前記目標スロットル通過空気流量と所定値Dの積を超えた場合の何れか一つ以上の場合でスロットル学習値の更新を禁止してもよい。
また、学習更新禁止条件57は、リンプホーム状態となった場合、内燃機関への吸気量を検出する手段として用いるセンサに異常が生じた場合、あるいは、吸気管内圧を検出する手段として用いるセンサに異常が生じた場合の何れか一つ以上の場合でスロットル学習値の更新を禁止してもよい。
なお、学習用開度TPirとスロットル開度TPまたは目標開度TP*の偏差が所定値E以下になった場合、もしくは目標吸気量Qa*と吸気量Qaの偏差率が所定値F以下になった場合、目標有効開口面積CAt*と学習用有効開口面積CAtrの偏差が所定値G以下になった場合のいずれが1つ以上で、スロットル学習値TPLRNの更新を禁止することで、スロットル学習の不感帯として機能する。
これにより、スロットル学習値が収束した場合のスロットル開度学習値が変動、すなわちスロットル開度の変動を防止することができる。
次に、図6を参照しながらスロットル開度TPを補正するスロットルフィードバック制御手段60について説明する。
スロットルフィードバック制御手段60は、目標吸気管内圧PeTGTを用いたフィードバック用有効開口面積算出手段61と、フィードバック用開度算出手段62と、スロットルポジションセンサ5の出力が入力されるフィードバック基本値算出手段63と、フィードバック基本値ΔTPfbを積分処理する補正後積分処理手段(F/B)64と、フィードバック更新禁止条件65を備えている。なお、目標開度算出手段35の前段構成については、前述(図5参照)と同様なので省略されている。
フィードバック用有効開口面積算出手段61は、目標開度TP*に制御したときの実際の吸気量Qaに基づいて、スロットル開度制御手段によるスロットル4のフィードバック用有効開口面積CAtfbを算出する。
このとき、フィードバック用有効開口面積算出手段61は、吸気量Qa、大気圧Po、目標吸気管内圧PeTGTおよび吸気温Toを、いわゆる絞り式流量計の流量算出式に適用し、前述の式(5)のように、スロットル開度制御手段のフィードバック用有効開口面積CAtfbを算出してフィードバック用開度算出手段62に入力する。
フィードバック用開度算出手段62は、CAt−TPマップを用いてフィードバック用有効開口面積CAtfbから算出されたフィードバック用スロットル開度TPifbを算出し、フィードバック基本値算出手段63に入力する。なお、上記CAt−TPマップは、あらかじめ適合したマップ関係に対し、以前に算出されているスロットル開度学習値TPLRNiを加算したものをTPifbとしてフィードバック基本値算出手段63に入力しても問題はない。
フィードバック基本値算出手段63は、スロットルポジションセンサ5により検出されるスロットル開度TPとフィードバック用スロットル開度TPifbとの差分ΔTPfb(=TP−TPifb)を、フィードバック基本値として算出し、補正後積分処理手段(F/B)64に入力する。ここで、スロットル開度TPは、フィードバック用スロットル開度TPifbを算出したタイミングと同じものを使うこととする。また、スロットル開度TPの代わりに目標開度TP*を用いてもよい。
補正後積分処理手段(F/B)64は、フィードバック基本値ΔTPfbに補正係数Kcfb(0≦Kcfb≦1)を乗算した値を順次積分し(または、フィードバック基本値ΔTPfbにフィルタ処理を施し)て、フィードバック基本値ΔTPfbから瞬時的なばらつきを除去したスロットルフィードバック値TPFBを、フィードバック更新禁止条件65を介して後述のスロットル開度補正値算出手段72に入力する。
また、フィードバック更新禁止条件65における更新禁止条件の具体例として、目標開度とスロットル開度の偏差が所定値B以上となった場合、スロットルフィードバック値TPFBの更新を禁止してもよい。
フィードバック更新禁止条件65は、所定の更新禁止条件(後述する)が成立した場合に、前回のスロットルフィードバック値TPFB(n−1)を入力し、スロットルフィードバック値TPFBの更新を禁止する。また、吸気管内圧Peと大気圧Poとの圧力比Pe/Poが所定値A以上を示す場合には、スロットルフィードバック値TPFBの更新が禁止されるようにしてもよい。
また、フィードバック更新禁止条件65は、目標スロットル通過空気流量と学習用スロットル通過空気流量の差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量と所定値Hの積未満となる場合には、スロットルフィードバック値の更新を禁止してもよい。
フィードバック更新禁止条件65は、目標スロットル通過空気流量と学習用スロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量と所定値Hの積を超えた場合と、目標スロットル通過空気流量と所定時間前の目標スロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量と所定値Iの積を超えた場合の何れか一つ以上の場合でスロットルフィードバック値TPFBの更新を禁止してもよい。
フィードバック更新禁止条件65は、目標スロットル通過空気流量とスロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量と所定値Jの積未満となる場合、スロットルフィードバック値TPFBを保持してもよい。
フィードバック更新禁止条件65は、リンプホーム状態となった場合、内燃機関への吸気量を検出する手段として用いるセンサに異常が生じた場合、あるいは吸気管内圧を検出する手段として用いるセンサに異常が生じた場合の何れか一つ以上の場合でスロットルフィードバック値の更新を禁止してもよい。
加えて、フィードバック用開度TPifbとスロットル開度TPまたは目標開度TP*の偏差が所定値E以下になった場合、もしくは目標吸気量Qa*と吸気量Qaの偏差率が所定値F以下になった場合、目標有効開口面積CAt*と学習用有効開口面積CAtrと偏差が所定値G以下になった場合の何れか1つ以上で、スロットルフィードバック値TPFBの更新が禁止されるようにしてもよい。
次に、図7を参照しながら、最終目標開度算出手段70について説明する。
最終目標開度算出手段70は、目標スロットル学習値算出手段71と、スロットル開度補正値算出手段72と、補正後目標開度算出手段73と、目標開度算出手段35を備えており、フィードバック更新禁止条件65を介して出力されたスロットルフィードバック値TPFBと、目標スロットル学習値算出手段71より算出された目標スロットル学習値TPLRNTGTの和であるスロットル学習補正値TPFBiを補正後目標開度算出手段73に入力する。補正後目標開度算出手段73は、目標開度算出手段35より入力された目標開度TP*とスロットル学習補正値TPFBiの和である補正後目標開度TPTGT*を出力する。
目標スロットル学習値算出手段71は、スロットル学習値記憶手段56にてECU9に記憶されているスロットル開度学習値TPLRNiと、あらかじめ適合したスロットル開度TPと有効開口面積CAtとの対応マップ関係を示すCAt−TPマップを用いて、目標有効開口面積CAt*から算出された目標スロットル学習値TPLRNTGTを算出する。この時、上記CAt−TPマップは、あらかじめ適合したマップ関係に対して以前に算出されているスロットル開度学習値TPLRNiが加算されている関係でも問題はない。
スロットル開度補正値算出手段72は、スロットルフィードバック値TPFBと目標スロットル学習値TPLRNTGTとを加算する加算手段からなり、加算結果をスロットル学習補正値TPFBiとして補正後目標開度算出手段73に入力する。
補正後目標開度算出手段73は、スロットル開度補正値算出手段72から算出されたスロットル学習補正値TPFBiと目標開度算出手段35から算出された目標開度TP*との加算手段からなり、加算結果を補正後目標開度TPTGT*として出力する。
このように、最終目標開度算出手段70は、フィードバック基本値ΔTPfb(スロットル開度TPと学習用開度TPifbとの偏差)に基づいてスロットル開度学習値TPFBを算出し、目標開度TP*をスロットル学習補正値TPFBiで補正した補正後目標開度TPTGT*を用いて、スロットル開度TPを制御することにより目標吸気量Qa*と吸気量Qaとの誤差を減少させる。
以上において、実施の形態1に係る内燃機関制御装置について詳述したが、図8はそのスロットル開度制御の全体を示すフロー図で、この内燃機関制御装置によれば、スロットルボディおよび各種センサばらつきに対するスロットル開度補正をスロットル学習で行い
、更に、目標吸気管内圧を用いてスロットルを制御することにより発生する変換係数などの設定値のずれに起因したスロットル開度の誤差に対するスロットル開度補正をスロットルフィードバックで行うので、目標吸気量に対し、高応答で高精度の吸気量が得られるスロットル開度制御を実現する内燃機関制御装置を得ることができる。
1 エンジン、2 エアフロセンサ、3 吸気温センサ、4 スロットルボディー(スロットル)、4a スロットル弁、5 スロットルポジションセンサ、6 サージタンク、7 吸気管内圧センサ、8 EGRバルブ、9 電子制御ユニット(ECU)、9a 入力インタフェース(入力I/F)、9b 演算処理部、9c 出力インタフェース(出力I/F)、10 各種センサ、11 大気圧センサ、12 スロットル上流圧センサ、13 各種アクチュエータ、30 目標吸気量算出手段、31 目標有効開口面積算出手段、32 音速算出手段、33 圧力比算出手段、34 無次元流量算出手段、35 目標開度算出手段、50 スロットル学習値算出手段、51 学習用有効開口面積算出手段、52 学習用開度算出手段、53 学習基本値算出手段、54 学習用補正後積分処理手段、55 単調増加処理手段、56 スロットル学習値記憶手段、57 学習更新禁止条件、60 スロットルフィードバック制御手段、61 フィードバック用有効開口面積算出手段、62 フィードバック用開度算出手段、63 フィードバック基本値算出手段、64 補正後積分処理手段(F/B)、65 フィードバック更新禁止条件、70 最終目標開度算出手段、71 目標スロットル学習値算出手段、72 スロットル開度補正値算出手段、73 補正後目標開度算出手段、a 大気中の音速、CAt 有効開口面積、CAtr 学習用有効開口面積、実有効開口面積、CAt* 目標有効開口面積)、Po 大気圧、P1 スロットル上流圧、Pe 吸気管内圧、Qa 吸入空気流量(吸気量)、Qa* 目標吸気量、To 吸入空気温度(吸気温)、TP スロットル開度、TP* 目標開度、TPLRN スロットル学習値、TPTGT* 補正後目標開度、σ 無次元流量、ΔTPr 学習基本値、TPLRNi スロットル開度学習値、TPFB スロットルフィードバック値、TPFBi スロットル学習補正値、ΔTPfb フィードバック基本値、TPir 学習用開度
この発明に係る内燃機関制御装置は、内燃機関の吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を制御することにより吸気経路のスロットル有効開口面積を変化させて、内燃機関への吸気量を制御するスロットル開度制御手段と、前記内燃機関への吸気量を検出する吸気量検出手段と、前記スロットル弁の上流側の圧力を検出するスロットル上流圧力検出手段と、大気圧を検出する大気圧検出手段と、前記スロットル弁から前記内燃機関への吸気管内の圧力を検出する吸気管内圧検出手段と、前記スロットル弁の上流側の吸気温を検出する吸気温検出手段と、を含み、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記内燃機関の運転状態に合わせた目標吸気量を算出する目標吸気量算出手段と、
前記内燃機関の運転状態に合わせた目標吸気管内圧を算出する目標吸気管内圧算出手段と、
前記目標吸気量、前記スロットル弁の上流側の圧力、前記目標吸気管内圧、及び前記スロットル弁の上流側の吸気温を、絞り式流量算出式に適応して目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、
あらかじめ適合されたスロットル有効開口面積とスロットル開度との対応マップを用いて、前記目標有効開口面積から目標開度を算出する目標開度算出手段と、
前記吸気量、前記スロットル弁の上流側の圧力、前記目標吸気管内圧、及び前記スロットル弁の上流側の吸気温を、前記絞り式流量算出式に適応して学習用有効開口面積を算出する学習用有効開口面積算出手段と、前記対応マップを用いて前記学習用有効開口面積から学習用開度を算出する学習用開度算出手段と、スロットル開度と前記学習用開度との差より学習基本値を算出する学習基本値算出手段と、前記学習基本値から瞬時的なばらつきを除去してスロットル学習値を算出する学習用補正後積分処理手段と、を含むスロットル学習値算出手段と、
前記吸気量、前記スロットル弁の上流側の圧力、前記目標吸気管内圧、及び前記スロットル弁の上流側の吸気温を、前記絞り式流量算出式に適応して、フィードバック用有効開口面積を算出するフィードバック用有効開口面積算出手段と、前記対応マップを用いて、前記フィードバック用有効開口面積からフィードバック用開度を算出するフィードバック用開度算出手段と、前記スロットル開度と前記フィードバック用開度との差よりフィードバック基本値を算出するフィードバック基本値算出手段と、前記フィードバック基本値を積分処理してスロットルフィードバック値を算出する補正後積分処理手段と、を含むスロットルフィードバック制御手段と、
前記目標開度算出手段と、目標スロットル学習値を算出する目標スロットル学習値算出手段と、前記スロットルフィードバック制御手段と、を含む補正後目標開度算出手段と、
前記補正後目標開度算出手段と、前記目標スロットル学習値算出手段と、前記スロットルフィードバック値と前記目標スロットル学習値との和であるスロットル学習補正値を前記補正後目標開度算出手段に入力するスロットル開度補正値算出手段と、前記目標開度算出手段と、を含み、前記対応マップの前記目標有効開口面積に対応する前記目標開度の値、前記目標スロットル学習値、及び前記スロットルフィードバック値の和が、前記目標有効開口面積に対応する実際のスロットル開度に近づくように、前記スロットル学習値と前記スロットルフィードバック値を更新し記憶する最終目標開度算出手段と、を備え
前記スロットルフィードバック値の更新が禁止されている場合、前記スロットル学習値の更新を禁止するものである。
以上のようにして、スロットル学習値TPLRNの算出が行われるとともに、スロットル学習値TPLRNに基づくスロットル開度学習値TPLRNiの算出および記憶が行われるが、このような学習処理は全運転領域で行うことはできないので、学習禁止処理が必要となる。
このように、最終目標開度算出手段70は、フィードバック基本値ΔTPfb(スロットル開度TPとフィードバック用スロットル開度TPifbとの偏差)に基づいてスロットルフィードバック値TPFBを算出し、目標開度TP*をスロットル学習補正値TPFBiで補正した補正後目標開度TPTGT*を用いて、スロットル開度TPを制御することにより目標吸気量Qa*と吸気量Qaとの誤差を減少させる。

Claims (14)

  1. 内燃機関の吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を制御することにより吸気経路のスロットル有効開口面積を変化させて、内燃機関への吸気量を制御するスロットル開度制御手段と、前記内燃機関への吸気量を検出する吸気量検出手段と、前記スロットル弁の上流側の圧力を検出するスロットル上流圧力検出手段と、大気圧を検出する大気圧検出手段と、前記スロットル弁から前記内燃機関への吸気管内の圧力を検出する吸気管内圧検出手段と、前記スロットル弁の上流側の吸気温を検出する吸気温検出手段と、を含み、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記内燃機関の運転状態に合わせた目標吸気量を算出する目標吸気量算出手段と、
    前記内燃機関の運転状態に合わせた目標吸気管内圧を算出する目標吸気管内圧算出手段と、
    前記目標吸気量、前記スロットル弁の上流側の圧力、前記目標吸気管内圧、及び前記スロットル弁の上流側の吸気温を、絞り式流量算出式に適応して目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、
    あらかじめ適合されたスロットル有効開口面積とスロットル開度との対応マップを用いて、前記目標有効開口面積から目標開度を算出する目標開度算出手段と、
    前記吸気量、前記スロットル弁の上流側の圧力、前記目標吸気管内圧、及び前記スロットル弁の上流側の吸気温を、前記絞り式流量算出式に適応して学習用有効開口面積を算出する学習用有効開口面積算出手段と、前記対応マップを用いて前記学習用有効開口面積から学習用開度を算出する学習用開度算出手段と、スロットル開度と前記学習用開度との差より学習基本値を算出する学習基本値算出手段と、前記学習基本値から瞬時的なばらつきを除去してスロットル学習値を算出する学習用補正後積分処理手段と、を含むスロットル学習値算出手段と、
    前記吸気量、前記スロットル弁の上流側の圧力、前記目標吸気管内圧、及び前記スロットル弁の上流側の吸気温を、前記絞り式流量算出式に適応して、フィードバック用有効開口面積を算出するフィードバック用有効開口面積算出手段と、前記対応マップを用いて、前記フィードバック用有効開口面積からフィードバック用開度を算出するフィードバック用開度算出手段と、前記スロットル開度と前記フィードバック用開度との差よりフィードバック基本値を算出するフィードバック基本値算出手段と、前記フィードバック基本値を積分処理してスロットルフィードバック値を算出する補正後積分処理手段と、を含むスロットルフィードバック制御手段と、
    前記目標開度算出手段と、目標スロットル学習値を算出する目標スロットル学習値算出手段と、前記スロットルフィードバック制御手段と、を含む補正後目標開度算出手段と、
    前記補正後目標開度算出手段と、前記目標スロットル学習値算出手段と、前記スロットルフィードバック値と前記目標スロットル学習値との和であるスロットル学習補正値を前記補正後目標開度算出手段に入力するスロットル開度補正値算出手段と、前記目標開度算出手段と、を含み、前記対応マップの前記目標有効開口面積に対応する前記目標開度の値、前記目標スロットル学習値、及び前記スロットルフィードバック値の和が、前記目標有効開口面積に対応する実際のスロットル開度に近づくように、前記スロットル学習値と前記スロットルフィードバック値を更新し記憶する最終目標開度算出手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関制御装置
  2. 前記スロットルフィードバック値の更新が禁止されている場合、前記スロットル学習値の更新を禁止することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  3. 前記学習用有効開口面積を挟む前記対応マップの2つの有効開口面積軸ポイントの内、上側の軸ポイントに対応するスロットル学習値を更新する場合は、前記上側の軸ポイントで示されるスロットル開度と前記スロットル学習値の和が、前記スロットル開度を超えないようにし、
    下側の軸ポイントに対応するスロットル学習値を更新する場合は、前記下側の軸ポイントで示されるスロットル開度と前記スロットル学習値の和が、前記スロットル開度を下回らないようにすることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関制御装置。
  4. 前記目標開度と前記スロットル開度の偏差が以上となった場合、前記スロットルフィードバック値の更新を禁止することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
  5. 前記対応マップと前記スロットル学習値の和が前記学習用有効開口面積に対し、単調増加になるように前記スロットル学習値を制限することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
  6. 前記吸気管内の圧力と前記目標吸気管内圧に対する前記スロットル弁の上流側の圧力または前記大気圧との圧力比の少なくとも何れかが所定値以上を示す場合には、前記スロットルフィードバック値および前記スロットル学習値の更新が禁止されることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
  7. 前記学習用有効開口面積と前記目標有効開口面積の少なくともどちらか一方の面積が、前記対応マップの所定値の範囲を超えた値を示す場合には、前記スロットルフィードバック値の更新を禁止することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
  8. エンジン回転数が第1の所定値以下、あるいは前記第1の所定値より大きい第2の所定値を超える場合には、前記スロットルフィードバック値の更新を禁止することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
  9. 目標スロットル通過空気流量とスロットル通過空気流量との差の絶対値が、前記目標スロットル通過空気流量と第3の所定値の積未満の値を示す場合、前記スロットルフィードバック値の更新を禁止することを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
  10. 目標スロットル通過空気流量と学習用スロットル通過空気流量との差の絶対値が、前記目標スロットル通過空気流量と第4の所定値の積を超えた値を示す場合、前記スロットルフィードバック値の更新を禁止する手段と、
    目標スロットル通過空気流量と第1の所定時間前の前記目標スロットル通過空気流量との差の絶対値が、前記目標スロットル通過空気流量と第5の所定値の積を超えた値を示す場合、前記スロットルフィードバック値の更新を禁止する手段と、
    の何れか一方、もしくは両方を備えたことを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
  11. 目標スロットル通過空気流量とスロットル通過空気流量との差の絶対値が、前記目標スロットル通過空気流量と第6の所定値の積未満の値を示す場合、前記スロットル学習値の更新を禁止することを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
  12. 目標スロットル通過空気流量とスロットル通過空気流量との差の絶対値が、前記目標スロットル通過空気流量と第6の所定値の積を超えた値を示す場合、スロットル学習値の更新を禁止する手段と、
    前記目標スロットル通過空気流量と第2の所定時間前の前記目標スロットル通過空気流量との差の絶対値が、前記目標スロットル通過空気流量と第7の所定値の積を超えた値を
    示す場合、スロットル学習値の更新を禁止する手段と、
    の何れか一方、もしくは両方を備えたことを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
  13. リンプホーム状態時は前記スロットルフィードバック値および前記スロットル学習値の更新を禁止する手段と、
    前記内燃機関への吸気量を検出する手段として用いるセンサに異常が生じた場合、前記スロットルフィードバック値および前記スロットル学習値の更新を禁止する手段と、
    前記吸気管内の圧力を検出する手段として用いるセンサに異常が生じた場合、前記スロットルフィードバック値および前記スロットル学習値の更新を禁止する手段と、
    の何れか一方、もしくは両方を備えたことを特徴とする請求項1から12の何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
  14. 前記スロットル開度が第8の所定値を上回った値を示す場合、前記スロットルフィードバック値の更新を禁止することを特徴とする請求項1から13の何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
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