JP2018066093A - 捺染用加熱装置及び捺染方法と捺染装置 - Google Patents

捺染用加熱装置及び捺染方法と捺染装置 Download PDF

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Abstract

【課題】捺染装置を構成する機器類と捺染方法において、専任オペレータではなく誰でもが扱える簡便性と安全性を兼ね備え、加えて全装置類を合わせた設置専有床面積がパーソナルプリンタ並みの小サイズである装置の具現化と、これを用いた扱いの簡便・容易な捺染方法。
【解決手段】布帛5を上面に載置した箱状カセット23を用い、外装で覆われた本体内に内蔵した加熱板20でもって挿入されたカセット23上の布帛5に対する加圧加熱と非接触加熱とを1台で切り替えて行う捺染用加熱装置17であり、さらに、布帛5をカセット23の平板上に載置し平板からはみ出した布帛をカセット23内に畳み込んで格納し、次いでこのカセット23を捺染用加熱装置17、捺染プリンタ、再度捺染用加熱装置17に順次挿入・脱着して処理を行う捺染方法であり、加えて捺染用加熱装置17と捺染プリンタとを上下に重ねて配置する捺染装置。
【選択図】図9

Description

本発明は、専任オペレータでなくとも誰でもが扱える使い易さと安全性を図った捺染用加熱装置及び捺染方法と捺染装置に関する。
綿布等の布帛に対して、捺染前処理としてヒートプレス機を用いて皺伸ばしを行い、インクジェットプリンタで印刷し、後処理として同じヒートプレス機を用いて印刷したインク(染料)の布帛への加熱定着を行う、このような捺染方式が実用化されている。あるいは他の布帛種の場合には捺染前処理として薬品処理しヒートプレス機で皺伸ばしを行い、次いで捺染印刷を行いその後処理としてそれぞれのインクに合った定着処理や洗浄処理を行う、というような方式もある。
以下、図1〜5により、代表的な例として従来の綿布(例えば綿素材のTシャツ)への捺染方法について説明する。先ず捺染前処理として用いられるヒートプレス機1での皴伸ばし工程を図1に示す。最初に布帛5をヒートプレス機の基台2の上に置き、記号Sで示すように布帛5の皺を大まかではあるが伸ばす。そして取っ手4を押し下げて熱圧板3を布帛5に押し付け、加圧と加熱で皺を伸ばし、毛羽立ちの押さえも行う。このヒートプレス機は完成度の高い加熱装置として、その他にも画像の布帛への熱転写やワッペンの貼り付け等として広く用いられている。例えば、特許文献1の図5参照。なお特許文献1では基台2に加熱板を入れ、上方の熱圧板を単なる加圧板としているが、一般的には図1の構成が多く見られる。
次は印刷工程であるが、図2に示すように皺伸ばしの終わった布帛5を皺にならないように注意しながら、ヒートプレス機から捺染プリンタ6Msのプラテン7の上に載置する。そして記号Aで示すように、布帛5のプラテン上の載置位置(上下左右)を所望の場所に歪みを起こさないように注意しながら整えていく。加えて記号Sで示すように布帛を置いたときに生じた皺をそっと伸ばす。次いで、図3に示すように一例であるが番号9で示す枠体を布帛5の上から押し込み、布帛をプラテンに押し付けてセットする。そしてプラテンからはみ出した布帛がプリンタ6Msへの出入りにおいてプリンタ機構と干渉しないように、記号Tで示すようにキャリッジ8の内側に畳み込む。続いてく印刷指示によりキャリッジ8が布帛5を載せたプラテン7をプリンタ6Msに送り込み、プリントし、終われば送り出す。図3の右下の図に示す。
続いて後処理の染料の布帛への加熱定着を行う。図4に示すように、プリンタ6Msから印刷の終わった布帛5を、矢印aで示すようにプリンタのプラテン7から注意深く取り外し、矢印bで示すようにヒートプレス機1に移し替える。次いで矢印cで示すように再び基台2の上に布帛5を載せる。そして図5の記号Sで示すように布帛5の皺を直してからヒートプレス機の取っ手4を押し下げ、加熱板3を布帛5に加圧加熱してインクの布帛5への加熱定着を図る。この図では印刷されていない場所の手のひらによる皺伸ばしを示したが、印刷面には触れてはならないので、布帛の両端部を持って伸ばす等の工夫が要る(図示は省略)。
特開1996-058060号公報 特開2016-113718号公報 特開2013-096017号公報 特開1993-056865号公報
インクジェット(IJ)方式の大型捺染装置が本格的な捺染の生産機として使われており、さらに小型化を目的とした製品も発売されている。被印刷布のサイズをA3サイズないしはそれに近いサイズ以下に限定したIJ方式プリンタである。プリンタの大きさは小さいもので例えば略1m掛け1mの床面積で重量は80Kgから110Kg程度である。これにヒートプレス機も加わり、扱いに習熟した専任オペレータにより取り扱われている。しかし現実的には、これでは小型装置とは言えない。価格も100万円を大きく上回っている。そこでこれを便宜的に「中型捺染装置」と呼称することにする。これまでの説明図において6Msと表記してきたものである。この中型捺染装置は、大型のプリントショップ店やネットプリントサービス拠点での使用としてはそれなりの価値があるのであろう。
大昔から人々に様々な楽しみを与えてくれる捺染という素晴らしい技術、ここで改めて想いを深めていくとき、街角の衣料店、文房具店、写真館、土産物屋などでの店頭捺染印刷サービスの潜在的なニーズは、きわめて大きいのではないかと思えてくるのである。あるいは幼稚園や学校、地域のサークル活動さらには老人ホームなどに供し得る捺染装置があれば、と、想像すると楽しくなるではないか。しかしこれまでこのようなことができる捺染装置や方法は皆無であった。上述の従来技術にたいして新たな想いを持って考究していくと、このような店頭や幼稚園における捺染装置と方法実現に対する課題が絞り出されてくる。それは(1)置き場所を取らない(設置専有床面積が小)パーソナルプリンタ並みの小型サイズであること、(2)従来のような専任オペレータによる作業ではなく、普通の誰でもが操作できる扱い易さが必須であること、(3)加えて当然のことであるが普通の人が扱っても全く問題ない安全性が担保できていること、これらの3点である。
上記課題の中で(1)に関しては、特許文献2:特開2016-113718号公報に解が提案されている。ここでは印刷装置の小型化の機構的な解を考案し、加えて印刷サイズ・布帛の種類・色を限定してでも小型化を具現化させる、という考え方である。ここで提案されている装置を「小型捺染装置」と呼称することにし、これから続く説明図では6Ssと表記する。さらに同特許文献は『特定の印刷サイズ・布帛の種類・色への限定をすることで実現できる小型捺染装置と、これでは出来ないその他の印刷サイズ・布帛の種類・色への捺染を賄う汎用捺染装置との組み合わせ方式で全需要に応える』という方式を考案している。本発明提案も印刷装置の小型化に関してはこの考え方を採用する。そのうえでさらに使用する全装置の設置床面積をパーソナルプリンタ並みの小ささにすることを目的とする。加えてこれまで手付かずであった課題すなわち上記課題の(2)と(3)に対する解決手段を提供する、これら3点が本発明提案の目的である。
先ず課題(2)の扱いやすさについて詳述する。段落3,4,5において図1〜5を用いて従来の中型捺染装置の捺染手順を説明した。ここでのポイントは、扱う対象が紙などとは異なり柔軟で形の定まらない布帛である、という点である。一連の捺染作業の中で何度もこの布帛に触ったり移動させたりセットしたりする。セットの度ごとに印刷面がシワにならないように、ゆがまないように注意しながら整えていかねばならない。特に印刷を終えた布帛には触れないように細心の注意を払わねばならない。印刷した画像が乱れたり触れたものが汚れたりするからである。ここに専任オペレータを必要とする理由の一つがある。
特許文献3の図7,8に吊り下げ部を有する布帛の巧妙な扱い方の事例が見られる。これを本発明の説明図6に示す。布帛を番号9枠要素で固定して布帛を取り扱うという工夫である。さらに番号10吊り下げ部があり、ここを持って布帛の場所移し替えを行う。図(F6−1)が特段の工夫のない扱い方を模した図であり、図(F6−2)が特許文献3の工夫である。これによって布帛の印刷面には触れないで済む。しかしながらそれでも、布帛の装置へのセットではその都度位置合わせを行い、枠要素9からはみ出した布11を折り畳んだりせねばならない。取り扱いの簡便さは不徹底である。
課題(3):ヒートプレス機の加熱板表面は綿布を扱う場合は約160度の高温である。やけどの危険があり絶対に触れてはならない。従来のヒートプレス機は熱板がむき出しであり危険である。このヒートプレス機に代わる安全で要求機能を満たす新規な加熱装置が求められるのである。順番が前後したが、課題(1)に関しては捺染プリンタの小型化だけでは不十分である。従来はプリンタとヒートプレス機の2つの装置が合わさって設置床面積となっていた。両者を一台に収めて自動的にプリントと前処理・後処理を行えば1台分の大きさで済むが、その大きさは巨大なものになってしまうので、ナンセンスであり、解とはならない。本発明は、このような従来の捺染方法が有していた3点の課題(1)と(2)と(3)を解決し、店頭に置ける捺染装置類の設置専有床面積の最小化に加えて、誰もが扱える簡便性と安全性を担保した捺染用加熱装置を主とした装置類と捺染方法を実現することを目的とするものである。
課題解決手段1は、カセットと、カセット上面に載置された布帛に対して加熱処理を行う加熱装置とからなる捺染用加熱装置であって、カセットは箱状容器とその上面に配置された平板から成り、捺染用加熱装置は加熱板を内蔵する全面を外装で覆われた本体と、本体に設けられたカセットを挿入・脱着するための挿入口と、挿入されたカセットの上面に載置された布帛に対する捺染前工程である加圧加熱処理と捺染後工程である非接触加熱処理を単一の加熱板で行う加熱板位置切り替え機構とを具備することを特徴とする捺染用加熱装置である。
課題解決手段2は、捺染プリンタと課題解決手段1記載のカセット及び捺染用加熱装置とを用いる捺染方法であって、先ず布帛をカセットの平板上に載置し平板からはみ出した布帛をカセット内に畳み込んで格納し、次いでこの布帛を載置したカセットを捺染用加熱装置に挿入し捺染前処理として加圧加熱処理を行い、次いで布帛を載置したカセットを捺染プリンタに装填し布帛に印刷を施し、さらに印刷を終えた布帛を載置したカセットを捺染用加熱装置に挿入し捺染後処理として非接触加熱処理を行うことを特徴とする捺染方法である。
課題解決手段3は、捺染の前処理工程と後処理工程を1台で担う課題解決手段1記載の捺染用加熱装置と、小型化された捺染プリンタとを、上下に重ねて配置することによって装置類の総設置専有床面積の最小化を図ることを特徴とする捺染装置である。
その他の課題解決手段(A)は、捺染前処理装置として課題解決手段1記載の捺染用加熱装置を用い、加熱板を100℃〜180℃の範囲のいずれかの設定温度とし、布帛への加圧力を600パスカルから30パスカルの範囲のいずれかとし、もって布帛への加圧加熱を行うことを特徴とする捺染前処理方法である。
さらにその他の課題解決手段(B)は、捺染後処理装置として課題解決手段1記載の捺染用加熱装置を用い、加熱板と布帛との近接距離を1〜5mmの範囲のいずれかの距離とし、加熱板表面温度を170℃〜200℃の範囲のいずれかの温度条件とし、もって布帛への非接触加熱を行うことを特徴とする捺染後処理方法である。
課題解決手段1による作用は次のとおりである。参考になる捺染用加熱装置はいわゆるトースターである。特許文献4の図1のコピーを本願の図7の番号12として載せた。その断面を模式的に示したのが図7の(F7−1)と(F7−2)である。番号13はトースターの筐体であり、ヒータ14はこの筐体13の中に納まっており、ユーザーが触れることは無い。ユーザーは図(F7−1)のようにトースターの扉15を開き、スライドして出てきた置き網16の上に食パンなどの被加熱物Bを乗せる。次いで図(F7−2)のように扉15を閉じ加熱する。
本発明の捺染用加熱装置17の横断面図を図8に示す。この捺染用加熱装置17の本体は全面外装で覆われており、使用者には内部に配置されている加熱板20には触れることができないようになっている。使用に際しては、カセット挿入口18を塞いでいる捺染用加熱装置の扉19を開き、後述する布帛5を上面に載置したカセット23を挿入する。図(F8−1)である。捺染用加熱装置の中には断熱基盤21に裏打ちされた加熱板20が上部の離れた位置に待機している。図(F8−2)はカセット23が挿入し終わり、加熱板が待機中の図である。
この状態をカセット挿入口側から見た正面断面図が図(F8−3)ある。カセットに近接した両側の挿入口側に一対の偏心カム22(本図ではその長径側が上方位置である22−2として示してある)が設けられている。同様の偏心カム対が反対の奥側にも設けられている。この偏心カムの働きを図9の横断面図にて説明する。偏心カムは、具体的には後述する加熱板の上下移動機構により、下降してきた断熱基盤21の端部を受け止めるような位置に置かれている。図9の(F9−1)は偏心カムの短径側が上方になるセット位置を示している。この偏心カム22−1の最高点は装填されているカセット23の上の布帛5の位置よりは低く設定されているので、加熱板は直接布帛を加圧する。圧力は加熱板と断熱基盤とこれらの外装の合わさった自重(必要なら重しを加えてもよい)で賄ってもよいし、積極的に加圧機構を設けて加圧してもよい。
この加圧加熱方式における具体的な設計条件として、その他の課題解決手段(A)を示した。これは、捺染前処理装置として課題解決手段1記載の捺染用加熱装置を用い、加熱板を100℃〜180℃の範囲のいずれかの設定温度とし、布帛への加圧力を600パスカルから30パスカルの範囲のいずれかとし、もって布帛への加圧加熱を行うというものである。最も弱い条件である100℃で30パスカルでは、布帛の厚さや皺の強さにもよるが、加熱時間は略60秒で皺伸ばしができた。強い条件である180℃600パスカルでは略10秒で皺伸ばしができた。
一方、図9の(F9−2)は偏心カムの中径側が上になるセット位置を示しており22−3で示している。その最高点は装填されているカセット23の上の布帛5の位置よりはわずかに高く設定されているので、加熱板は布帛表面から少し離れた高さで偏心カムにより下降を妨げられている。すなわち、布帛5への加熱は非接触加熱となるのである。図中Gでもってこの近接距離(ギャップ)を表現している。捺染の前処理の皺のばしには加熱と加圧が要るので(F9−1)の加圧加熱設定が選択される。捺染の後処理の加熱定着では同様の加圧加熱は効率が良いが次に述べる弱点があり、(F9−2)の非接触加熱を高さ位置切り替え機構を用いて選択する、これが本発明の工夫の一つである。
加熱定着における非接触加熱の目的と作用を説明する。印刷された布帛表面に加熱板20を加圧加熱すなわち接触させると印刷インクによる加熱板表面の汚れが発生することは避けられない。従来のヒートプレス機では熱圧板3はオープンであり、作業者は高温物体に触れることへの対処、例えば手袋をはめ厚い清掃布や特殊な清掃具を使う、などをして熱圧板3の表面を清掃することができる。普通の人にはそれでも危険なので許されないが、習熟した専任オペレータならば許されるであろう。しかし本発明の捺染用加熱装置17では普通の人が使えるように安全性確保が前提条件であり、そのために加熱板20は筐体内の奥まった上部に待機しており人は触れることができない構造としてある。止む無く自動清掃が必要である。これはかなり厄介な設計事項である。この加熱板表面汚れが加圧加熱によるインク定着方法の大きな弱点である。
インクの布帛へ染着(染料インクの定着)は綿布系では基本的には加熱法であるが、加圧加熱は加熱板20からの熱伝導を早めるために多用されている。ここで加熱は必須であるが加圧は必須ではない点に着目した。皺伸ばしと同じ捺染用加熱装置を使い非接触加熱定着方法を考案した。これにより加熱板20の使用者による清掃や自動清掃装置が不必要となったのである。
この非接触加熱方式における具体的な設計条件として、その他の課題解決手段(B)を示した。これは捺染後処理装置として課題解決手段1記載の捺染用加熱装置を用い、加熱板と布帛との近接距離を1〜5mmの範囲のいずれかの距離とし、加熱板表面温度を170℃〜200℃の範囲のいずれかの温度条件とし、もって布帛への非接触加熱を行う捺染後処理方法である。近接距離を小さく設定するならば必ずしも温度設定を高温にする要は無く、逆に5mm近くまで離すなら高温設定と加熱時間長時間化が必要である。加熱時間は近距離高温設定でも30秒以上は必要とし、例えば1.5mmの近接距離で175℃くらいの中心的な設定では2〜3分で定着が達成できる。この距離で200℃近い高温設定であれば、1分くらいの短時間での定着ができ、逆に5mmギャップ設定では200℃設定でも数分の時間を要する。
課題解決手段2による作用は次のとおりである。本発明のカセット23の原型である特許文献2で提案されているカセットを図10の(F10−1)に示す。24Fが磁性体プラテンであり、基本的には磁性体(例えばステンレス)基板とその上のクッション性断熱材層で構成されている。このkセットの原型の基本要素のみで構成したカセット23の断面図を(F10−2)に示す。プラテンは磁性体に限らず普遍的な材質とし剛性の保てる厚さの平板とする。改めてこの平板をプラテン24と呼称する。これがカセット23に設けられたプラテン支柱23Pによって支えられている。布帛の留め方もマグネット使用に限定しないとした。後述するいくつかの布帛留め方法の採用を前提にしており、結果カセットは特許文献2の原型モデルより少しだけ大きくなるが、プリンタの小型化を目する基本コンセプトから逸脱するほどのものではないと考えた。
図11にカセット23への布帛5の載置(セット)方法を示す。(F11−1)が上方にプラテン24を有するカセット23である。先ず(F11−2)で図示するようにプラテン24に布帛5を載せ、記号Aで示すように布帛5のプラテン上の載置位置(上下左右)を所望の場所に歪みを起こさないようの注意しながら整えていく。加えて記号Sで示すように布帛を置いたときに生じた皺をそっと伸ばす。次いで、磁性を使ったり枠体を使ったりして布帛をプラテンに押し付けてセットする。そして(F11−3)で示すようにプラテンからはみ出した布帛を記号Tで示すようにカセット23の内側に畳み込む。(F11−4)がカセットへの布帛セット完了図である。使用者の布帛の扱いはこの時の一回のみである。後はすべて剛体であるカセットの取り扱いとなる。
このカセットのプリンタ内での動きを説明する。図12の(F12−1)に小型インクジェット捺染プリンタ6Ssの横断面図を示す。26がプリンタ6Ssのカセット挿入口の扉である。番号27はカセット23を載せてこれをプリンタ内に出し入れするカセット台であり28はそのカセット搬送系である。プリンタ内の重要機能装置は番号29のプリントヘッドユニットと補充用インクタンク30である。廃インクタンク等は省略してある。(F12−2)は、カセット23がプリンタ6Ssの奥まで引き込まれこれからプリントを開始しようとしている図である。
このように扱う対象を“布”ではなく“剛体”とした“カセット”の作用を説明する。代表的な捺染用布種である綿布の場合、その前処理および後処理を担う課題解決手段1の捺染用加熱装置とカセットの組み合わされた装置は、従来に無い簡便性と安全性をもたらしてくれる。これを図13〜15に示す。先ず印刷前処理として、図13の“Heat Fixing”と記した捺染用加熱装置本体17の扉19を開き、カセット23をセットする(F13−1)。カセット23は捺染用加熱装置17に挿入され(F13−2)加圧加熱され皴のばしが行われ、終われば装置から脱着される(F13−3)。次いでカセット23を手に持ち、図14の“Printer”と記した捺染プリンタ6Ssに装填し(F14−1)、プリントを行う。プリンタから送出されたカセット23(F14−2)を取り出し、布帛ではなくカセットを手に持ち、図15に示すように再び捺染用加熱装置本体17に挿入する。後処理の加圧加熱定着であり、終わればカセットは装置外に脱着される。この最終工程までユーザーは一度も布帛には触れていない。また各装置へのセットにおいても、単にカセットを所定の場所に置き挿入し終われば脱着するだけである。従来のようにその都度布帛の位置を調整しゆがみを直し、何度も皺を伸ばすなどの布帛操作は一切不要である。
布帛取り扱いの概略所要時間を処理工程ごとに試算する。従来法では、図1の前処理のためのヒートプレス機1への布帛セッティングには、普通には約30秒かかるとする。図2、3のプリンタへの布帛セッティングには、普通には約60秒かかるとする。特許文献3のように他所でプラテン(キャリッジとも呼称されている文献もある)に載置し枠体で留め、はみ出し部をプラテン下部に畳み込む事前セッティング方式としてもその時間は同程度である。続く図4,5の後処理工程でも約60秒かかるとする。これの加熱板の清掃約30秒を加えるとする。合計180秒である。一方本発明のカセット使いまわし方式では、図11に示すようにカセットへの布帛のセッティングはプリンタとは別の場初で行うが、上記のプリンタのプラテンへのセッティング方式と同様な時間が先ず必要である。約60秒。その後は前処理工程(図13)もプリンタへの装填(図14)も後処理工程(図15)も布帛取り扱いには全く時間はかからない。ただし後処理工程の時間は加圧加熱の従来法に比し略60秒は余分に要る。これを加味して都合120秒である。さらに、本発明を構成する加熱板はヒートプレス機と異なり捺染用加熱装置本体に匿われており、オープンではない。そのため各加熱工程後の使用者が触れるまでの冷まし時間はオープンなヒートプレス機よりは長めである。約30秒が2回である。合わせて180秒であり、ヒートプレス機方式と同程度である。この時間比較は必ずしも精緻なものではない。分かりやすく説明するために例示したものであり実際は習熟度などで一概には言えない。しかし従来法に比しカセット法が有意に長くなるということは無いと考えられる。
課題解決手段3による作用は次のとおりである。先ず捺染用加熱装置17の大きさは、使用目的を皺伸ばしと染着に限定したことにより一般の多用途対応のヒートプレス機に比し機構が単純になり軽量小型となる。さらに扱う対象のサイズを限定したことにより小型化がさらに図られている。例えばA4サイズ(21cmx29.7cm)への加熱であれば、大きくとも幅35cm以下、奥行45cm以下に設計可能である。超小型ヒートプレス機の例えば40cmx50cmより小サイズである。加圧力も皺伸ばしだけであるので、従来の多目的に設計されたヒートプレス機よりも低く、そのために装置の重量は10Kg以下にできる。ヒートプレス機は極めて丈夫に作られており少なくとも20Kgは超える。このように捺染用加熱装置17は従来のヒートプレス機に比しきわめて小型軽量の装置とすることができた。
本案の小型捺染プリンタ6Ssの床面積は、先ず横幅であるが図14の(F14−1)にWとして示す。扱う対象のサイズをA4とすると、このWは、カセット23の幅をA4サイズの短辺幅21cm+両側に2cmづつ広く都合25cm、これにプリントヘッドのホームポジション(HP)幅(4色で1cmx4+保持枠幅2cm=)6cmと、HP反対側は(HP幅6cm‐2cm=)4cmを加え、さらに外装との間隔を2cmx2=4cmとすると、これらを加えて39cmである。ここで「HP反対側は(HP幅6cm‐2cm=)4cm」の意味は以下である。HP反対側のプリントヘッドの位置は印刷域さえ超えれば良いので、カセット幅の「高々片側2cm」のうちHP反対側は計算に入れなくてよい。(HP側はHP下の回復系(図示は省略)とカセットが干渉するのでオーバーラップさせてはならない)。次に捺染プリンタ6SsAの奥行は図14の(F14−1)のDであるが、カセット23の長さ(29.7cm+高々片側+2cm≒)34cmにプリントヘッドの奥行長略10cmと外装までの間隔2cmx2=4cmを加えて50cm以下である。他の付加的な機能を加えることがあっても高々60cmである。
従来の捺染装置では中型捺染プリンタ6Msと小さくはなくかつ重いヒートプレス機は並べて使うしかなかったのであるが、本案では小型捺染プリンタ6Ssだけでなく捺染用加熱装置17も小型軽量である点に着目し、両者を図20に示すように上下に配置したのである。この配置とした捺染装置は捺染プリンタ6Ssのサイズである幅略40cm、奥行略60cm程度である。これなら街の衣料店に設置することができる。この上下置き配置は可能となったのは、新規で極めて合目的な捺染用加熱装置が得られこれを組み合わせたからのことである。
一点目は、本案の捺染用加熱装置によって、布帛の前処理工程と後処理工程でむき出しの加熱板に使用者が触れることが無いという安全性が達成できたことである。これは布帛の前処理工程と後処理工程での効果だけではない。後処理工程を非接触加熱方式としたことによって熱板表面の汚れ発生が起こらずもって熱板表面の使用者による清掃工程が不要となったことも安全性達成に基本的な寄与をしているのである。二点目は、本案の捺染用加熱装置に布帛載置カセットを組み合わせることによって、すべての加熱工程において布帛には一切触れることが無くなり、取り扱いがきわめて容易な加熱装置が実現できたことである。
三点目は、本発明の布帛を上面の平板(プラテン)に載置したカセットとこれを活かし全工程で使いまわす捺染方法によって、最初にカセットに布帛をセットしてしまえば、後は「形の定まらない布帛」を直接取り扱うしかもさまざまな注意をしながら行うという難しさから解放され、「剛体であるカセット」を取り扱うことによって誰でもが容易に扱える簡便性と、簡便性がもたらす作業時間の短縮が図られた捺染方法が実現できたことである。
四点目は、捺染プリンタの小型化を基本とするも、これに加えて捺染用加熱装置の機能単純化により小型化と軽量化が図られ、これによって捺染プリンタと捺染用加熱装置とを上下に重ねて配置することができるようになり、もってかってない設置専有床面積の極小化が図れた効果である。
従来の捺染方法で使われているヒートプレス機での皺伸ばし工程 従来の捺染方法での布帛の捺染プリンタへの装着と位置合わせ・皺伸ばし工程 同上における布帛の固定とはみ出し部の処置および印刷工程 従来の捺染方法での布帛の捺染プリンタからヒートプレス機への移し替え工程 従来の捺染方法で使われているヒートプレス機での加熱定着工程 吊り下げ部を有する布帛の扱い方事例 特許文献4記載のトースター 捺染用加熱装置の横断面図 布帛の加圧加熱と非接触加熱の説明図 カセットの説明図 カセットへの布帛の載置手順 カセット適用のIJ捺染装置横断面図 捺染用加熱装置でのカセット取り扱いの説明図 小型捺染プリンタでのカセット取り扱いの説明図 捺染用加熱装置での後処理を終了の図 カセットの他の新規な構成1と布帛載置手順 カセットの他の新規な構成2と布帛載置手順 布帛の加圧加熱と非接触加熱切り替え機構の1例 捺染用加熱装置の他の実施例 上下に設置した捺染用プリンタと捺染用加熱装置
発明を実施するための基本的な装置と方法は、既述の課題解決手段の作用の項目で説明のために記したとおりである。すなわち捺染用加熱装置の基本構成要素を盛り込んだ実施形態は図8,9,10に示した。また本発明の捺染方法は図11〜15を用いて説明したとおりである。繰り返しではあるが、図10に示した特許文献3記載のカセットを普遍化したカセット23を採用する。そしてこれを、図13〜15に示したように捺染前処理、捺染工程、捺染後処理にわたり、各装置のカセットを受ける場所に置き、その工程が終われば取り上げ次の工程に進む、という布帛を扱っていることを全く意識させないシンプルな捺染方法である。特許文献2では、カセットの発明の主たる目的を、IJ方式捺染プリンタにおいて布帛送りのサイズ特に横幅を極小化し、補充用インクタンクの配置の工夫と相まって、プリンタの横幅を不用意に大きくしない、ということである。その結果扱いの簡便さも得られている。しかしこのカセットを捺染前処理と後処理にまで使いまわすことは特には示唆していない。本発明はこのカセットを捺染の全工程にわたり積極的に援用することで従来に無い格段の扱い簡便性を実現したものである。
本発明の最も代表的な捺染方法は、特許文献2の基本コンセプトに準拠し、印刷サイズをA4あるいはA3と限定し、布種を木綿・レーヨン・麻およびこれらを約50%以上含む混紡品と限定した。さらに色物はこれらの薄色地に限定し、黒や青やその他の色ものは”お預かりプリント”とし印刷データを預かり、バックヤードの汎用プリンタにての印刷に委ねる、としている。
捺染用加熱装置は図8と9に示すように、断熱基盤21の端部に偏心カム22の長径部と短径部と中径部が離接することにより加熱板の待機位置と加圧加熱位置と近接加熱位置を切り替えている。近接加熱の時の布帛5と加熱板20のギャップ距離をGで表している。偏心カムに代えて加熱板20の下降位置2か所(加圧加熱位置と近接加熱位置)を決めるストッパー機構を設け、工程内容に応じ選択的に出し入れして用いることも選択肢の一つである。
カセットに関し、特許文献2記載のカセットの基本的なコンセプトを基にした他の実施形態の説明を行う。1つ目は、特許文献2記載のカセットにおける布帛載置プラテンの磁性体基板とマグネットの関係を逆転させた構成を、カセット別タイプその1として図16の(F16−1)に示す。すなわち磁性体プラテン24Fに代えて普遍的な非磁性体プラテン24を用い、その布帛を留めたい場所に固定マグネット32を埋め込んだり貼り付けたりしておくのである。逆に布帛を押さえる特許文献2のマグネット25の代わりに磁性体製カセット側板33を使い、これが上記の固定マグネットに引かれて布帛を挟み込むのである。布帛を留めるのに磁性を使うという意味では特許文献2の範疇に属する構成といえる。そしてこの別タイプカセットその1の31の側板33は開閉構造としてある。加えてこの側板33には番号34で示す押し込みフィンが設けられている。
このプラテンに布帛5を載せる。図16の(F16−2)に示す。このとき布帛を、所望の位置に正しく歪まないようにまた大きな皺が生じないように注意しながら置かねばならない。本発明の捺染方法において、布帛の扱いに関して注意深くなさねばならない唯一の工程である。そして図16の(F16−3)に示すように、プラテンからはみ出し垂れ下がった布帛の端を開いた状態の磁性体製カセット側板33の内側に入れ込む。記号Tで示す。次いで記号Rで示すように磁性体製カセット側板33を起こす。このとき磁性体製カセット側板33に設けられている押し込みフィン34が垂れ下がった布帛をカセット内部に押し込む。そして磁性体製カセット側板33はプラテンに貼り付けられている固定マグネット32に引き付けられ布帛を挟持し固定する。図16の(F16−4)である。
別タイプカセットその2は、従来から多用されている枠による布帛のプラテンへの固定方法を援用したものであり、図17の(F17−1)の35である。このカセットのプラテン24に布帛を載せる(F17−2)。ここでの布帛載置には前項と同様な注意が要る。次いで、(F17−3)で示すように押さえ枠36をプラテン24の端部に布帛の上からはめ込み、布帛をプラテンに固定する。そして指先などでプラテン24からはみ出した布帛をカセット35の中に押し込む。記号Tで表した。(F17−4)がカセット35への布帛載置の出来上がり図である。
捺染用加熱装置の加熱板高さ位置切り替えの具体的な実施例を図18に示す。捺染用加熱装置の別タイプの扉19bの回転軸に連結ギヤ37を設ける。この扉を開いたときは図(F18−1)で示すように、偏心カムは連結ギヤの回転により長径側が上部に来るように設計しておく。番号22−2で示した。カムの直径を20mmとし、中心位置をカムの最下端から5mmの所とした。すなわち偏心カムの長径側に接し支えられている加熱板の下端位置はカム中心から15mmである。ここでカセット23上の布帛高さがカム中心位置から7.5mmとなるようにカム中心位置は設計してある。したがってこの時の加熱板下面と布帛とのギャップは(15−7.5=)7.5mmである。これが加熱板の待機位置高さである。次に矢印38で示すように扉19bを閉じると、この回転軸周りの回転により連結ギヤが回転し、図(F18−2)のようにカムを90度回転させ、カムの中径部が上方に来る。番号22−3で示した。この時カムの最高点はカム回転中心位置から10mmとなる。ここで支えられている加熱板20の下面位置も10mmとなり、布帛位置の7.5mmとは2.5mmのギャップとなる。記号Gでこのギャップを示した。ここが近接加熱の位置であり、近接距離Gである。
次に図(F18−3)の矢印39で示すように、扉19bを閉じ、開き、再度閉じる。こここで開くときは例えば扉取っ手に設けてあるノブ(図は省略)を引きながら行う。これにより扉の回転がギヤに伝わらないようにしておく。この回転軸周りの2度の回転により連結ギヤが大きく回転し、図(F18−3)のようにカムを180度回転させカムの短径側を上方に持ってくる(番号22−1)。このカム上方点はカム回転中心位置から5mmとなる。ここで支えられている加熱板20の下面位置も何もなければここまで下降してくるのであるが、途中の布帛位置がカムの回転中心から7.5mmなのでこれに遮られ、布帛に荷重を加えることになる。ここが加圧加熱の位置である。荷重は加熱板にプラスチックヒータを使えばA4サイズであればおおよそ1.7〜2Kgの重量で260〜300パスカルの加圧力となる。加圧加熱処理時間を短くしたければ重しを加えてもよい。鉄板ヒータであればこの2〜3倍であり、加圧力としては自重で十分であろう。
捺染用加熱装置の他の実施例を図19に示す。(F19−1)が正面から見た捺染用加熱装置17である。(F19−2)は横断面図である。ここで番号43を回転支点とする枠型レバー40が設けられている。(F19−1)に示す番号41は枠型レバーの梁であり、これに枠型レバー40の上下動を加熱板20に伝える上下動作用点42を備えている。(F19−2)は処理動作開始前の加熱板待機状態を図示している。(F19−3)は枠型レバー40を最下段まで押し下げたところであり、加熱板はカセット上面の布帛5に対して加圧加熱を行うところを示している。(F19−4)は枠型レバー40を加熱板が近接加熱処理高さとなる位置まで押し下げたところであり、加熱板とカセット上面の布帛5の距離は図中のGで表す所定のギャップを介して対峙している。これらの枠型レバーの高さ位置は図示していないそれぞれに対する選択されたストッパー位置でホールドされるようにしてある。加熱板の待機位置、加圧加熱位置、近接加熱位置および布帛に課す加圧力は設計事項であり、上記の機構に限らず他の方法や構成が採られるものである。
「誰でもが扱える使い易さと安全性」を具現化する実施例を示してきた。これに加え捺染装置の小型化を実現しさらに装置類の総設置面積を極小化させるのが本発明の他の目的である。その実施形態を図20に示す。机上小型捺染プリンタ6Ssと捺染用加熱装置25が上下に並べて置かれている。両者ともカセットより少し大きい程度のフットプリントであるが、これを横に並べるのでは無く、このように上下に並べてフットプリントの小ささを活かすのである。衣料店内は商品であふれており無駄な面積の専有は許されない。商品も天井近くまで縦に並べて置かれている。オフィスでのフラットローなデザインの美しさ希求よりも、背丈は高くてもよいから最小設置専有床面積実現のほうが重要なのである。図20では、横に出来上がったTシャツを大きさの参考として模式的に配してある。ここで、「横配置だから設置面積が広くなる、だから上下に重ねて置く」ということは誰もが想到することではあろうが、装置を構成する捺染用プリンタと相まって捺染用加熱装置の小型軽量化が図られて初めて可能となったであり、これらの前提条件と組み合わされた捺染装置である。
布帛をカセット化/剛体化して、このカセットを捺染工程・その前処理・後処理の工程間移動やセッティングに活用する、という本発明の捺染方法は、本発明の小型捺染機(A3サイズあるいはA4サイズ)に限定されるものではない。従来のA3サイズやA2サイズあるいはそれ以上のサイズの中型あるいは大型捺染機においても活用できる。また、説明は店頭や幼稚園でのニーズの多い綿布(麻やレーヨンも含む)への捺染で行ってきたが、他の布種においても必要とされる捺染装置・その前処理装置・後処理装置をカセット受容構成にすることにより、カセット方式の新規で特有の効果を享受できる。また加熱源を外装で覆い加熱板の高さを可変としカセットと組み合わせた捺染用加熱装置は、使用範囲は限定されてはいるが安全で扱いやすい装置として、綿布の捺染に限らず他の布帛種にも、さらには例えば布帛への飾りの接着や皺のばし装置としても使われるであろう。
1 ヒートプレス機
2 ヒートプレス機の基台
3 熱圧板
4 取っ手
5 布帛
6Ms 中型捺染プリンタ
6Ss 小型捺染プリンタ
7 プリンタのプラテン
8 キャリッジ
9 枠体(枠要素)
10 吊り下げ部
11 はみ出した布帛
12 特許文献4に見られるトースター
13 トースターの筐体
14 ヒーター
15 トースターの扉
16 置き網
17 捺染用加熱装置
18 挿入口
19 加熱装置の扉
19b 別タイプの扉
20 加熱板
21 断熱基盤
22−1 偏心カム:短径側が上位置
22−2 偏心カム:長径側が上位置
22−3 偏心カム:中径側が上位置
23 カセット
23P カセットのプラテン支柱
24 普遍的なプラテン
24F 磁性体プラテン
25 布帛押さえマグネット
26 プリンタの扉
27 カセット台
28 カセット搬送系
29 プリントヘッドユニット
30 補充用インクタンク
31 カセット別タイプその1
32 プラテン取り付けマグネット
33 磁性体カセット側板
34 カセット側板の押し込みフィン
35 カセット別タイプその2
36 押さえ枠
37 連結ギヤ
38 扉の1回閉じを示す矢印
39 扉の2回閉じを示す矢印
40 枠型レバー
41 枠型レバーの梁
42 上下動作用点
43 回転支点
A 左右上下位置と歪みを整える
B 被加熱物
G 加熱板と布帛のギャップ
R 側板の起こし動作
S 皺を伸ばす
T はみ出し布帛を基台の下部に畳み込む動作
a, b , c 布帛の移動動作
W 小型捺染プリンタの横幅
D 同上の奥行長
課題解決手段1は、カセット上面に載置された布帛に対して加熱処理を行う捺染用加熱装置であって、カセットは箱状容器とその上面に配置された平板から成り、捺染用加熱装置は少なくとも加熱板とこれを内蔵する全面を外装で覆われた本体と、本体に設けられたカセットを挿入・脱着するための挿入口と、挿入されたカセットの上面に載置された布帛に対する捺染前工程である加圧加熱処理と捺染後工程である非接触加熱処理を単一の加熱板で行う加熱板位置切り替え機構とを具備することを特徴とする捺染用加熱装置である。
課題解決手段2は、捺染プリンタと捺染用加熱装置と箱状容器とその上面に配置された平板から成る布帛載置用カセットを用いる捺染方法であって、先ず布帛をカセットの平板上に載置し平板からはみ出した布帛をカセット内に畳み込んで格納し、次いでこの布帛を載置したカセットを捺染用加熱装置に挿入し捺染前処理として加圧加熱処理を行い、次いで布帛を載置したカセットを捺染プリンタに装填し布帛に印刷を施し、さらに印刷を終えた布帛を載置したカセットを捺染用加熱装置に挿入し捺染後処理として非接触加熱処理を行うことを特徴とする捺染方法である。

Claims (3)

  1. カセットと、カセット上面に載置された布帛に対して加熱処理を行う加熱装置とからなる捺染用加熱装置であって、カセットは箱状容器とその上面に配置された平板から成り、捺染用加熱装置は加熱板を内蔵する全面を外装で覆われた本体と、本体に設けられたカセットを挿入・脱着するための挿入口と、挿入されたカセットの上面に載置された布帛に対する捺染前工程である加圧加熱処理と捺染後工程である非接触加熱処理を単一の加熱板で行う加熱板位置切り替え機構とを具備することを特徴とする捺染用加熱装置
  2. 捺染プリンタと請求項1記載の捺染用加熱装置とを用いる捺染方法であって、先ず布帛をカセットの平板上に載置し平板からはみ出した布帛をカセット内に畳み込んで格納し、次いでこの布帛を載置したカセットを捺染用加熱装置に挿入し捺染前処理として加圧加熱処理を行い、次いで布帛を載置したカセットを捺染プリンタに装填し布帛に印刷を施し、さらに印刷を終えた布帛を載置したカセットを捺染用加熱装置に挿入し捺染後処理として非接触加熱処理を行うことを特徴とする捺染方法
  3. 捺染の前処理工程と後処理工程を1台で担う請求項1記載の捺染用加熱装置と、捺染プリンタとを、上下に重ねて配置することによって装置類の総設置専有床面積の最小化を図ることを特徴とする捺染装置
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