JP2018065712A - 除去部材、及びガラス物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送ロールの清浄性を高めることで、ガラス成形体の不良を好適に抑えることのできる除去部材、及びガラス物品の製造方法を提供する。【解決手段】除去部材20は、ガラス成形体(ガラスリボンG2)を搬送する搬送ロール14の軸方向に沿った長さ方向D1を有する。除去部材20は、搬送ロール14の外周面に摺接させて搬送ロール14の外周面の付着物を除去する用途に用いられる。除去部材20は、搬送ロール14の外周面に摺接される凸部22を備える。除去部材20の凸部22は、搬送ロール14の外周面に摺接されるエッジ部22aを有する。エッジ部22aは、ガラス成形体の搬送方向CDに沿った除去部材20の幅方向D2に対して交差する方向、かつ除去部材20の長さ方向D1に対して交差する方向に延在する。ガラス物品の製造方法においてガラス成形体を搬送する工程では、除去部材20のエッジ部22aを搬送ロール14に摺接させる。【選択図】図2
Description
本発明は、ガラス成形体を搬送する搬送ロールの外周面の付着物を除去する用途に用いられる除去部材、及びガラス物品の製造方法に関する。
例えば、フロート法でガラス板等のガラス物品を製造する装置は、ガラスリボン等のガラス成形体をフロートバスから引き上げて搬送する搬送ロール(所謂、リフトアウトロール)を備えている。このような搬送ロールの外周面には、異物が付着する場合がある。搬送ロールの外周面における付着物は、例えば、搬送中のガラス成形体を傷付けるおそれがあるため、搬送ロールの使用中に除去することが好ましい。搬送ロールの外周面に付着した付着物は、搬送ロールの外周面に摺接される部分を有する除去部材を用いて除去することができる(特許文献1,2参照)。
上記のようにガラス成形体の外面における品質は、搬送ロールの影響を受けるため、ガラス物品の品質要求が高まるにつれて上述した搬送ロールの外周面の清浄性をより高く保つことが重要となっている。そして、従来の技術には改良の余地が残されていた。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送ロールの清浄性を高めることで、ガラス成形体の不良を好適に抑えることのできる除去部材、及びガラス物品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する除去部材は、ガラス成形体を搬送する搬送ロールの軸方向に沿った長さ方向を有し、前記搬送ロールの外周面に摺接させて前記搬送ロールの外周面の付着物を除去する用途に用いられる除去部材であって、前記搬送ロールの外周面に摺接される凸部を備え、前記凸部は、前記搬送ロールの外周面に摺接されるエッジ部を有し、前記エッジ部は、前記ガラス成形体の搬送方向に沿った前記除去部材の幅方向に対して交差する方向、かつ前記長さ方向に対して交差する方向に延在する。
この構成によれば、除去部材の長さ方向(搬送ロールの軸方向)に沿って延在するエッジ部よりも、除去部材の単位長さ当たりのエッジ部の長さをより長く設定することができる。これにより、搬送ロールの外周面の付着物を削り取る作用を高めることが可能となる。
上記除去部材において、前記凸部は、互いに平行となるように延在する複数の凸部を含み、各凸部の幅寸法は、各凸部間に位置する溝部の幅寸法よりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、除去部材における凸部の強度が増すため、除去部材の寿命を延ばすことができる。
この構成によれば、除去部材における凸部の強度が増すため、除去部材の寿命を延ばすことができる。
上記除去部材において、前記凸部は、互いに平行となるように延在する複数の凸部を含み、各凸部間に位置する溝部の幅寸法は、各凸部の幅寸法よりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、例えば、除去部材の溝部が異物で満たされるまでの期間を延長したり、溝部に侵入した異物の排出を促進したりすることができる。これにより、搬送ロールの外周面の付着物を削り取るエッジ部の作用が継続して発揮され易い。
この構成によれば、例えば、除去部材の溝部が異物で満たされるまでの期間を延長したり、溝部に侵入した異物の排出を促進したりすることができる。これにより、搬送ロールの外周面の付着物を削り取るエッジ部の作用が継続して発揮され易い。
上記除去部材において、前記エッジ部は、異なる方向に延在する複数のエッジ部を含んでいてもよい。
例えば、除去部材のエッジ部を上記のように構成することもできる。
例えば、除去部材のエッジ部を上記のように構成することもできる。
上記除去部材において、前記凸部は、互いに離間する複数の凸部を含み、各凸部間に位置する溝部は、前記除去部材の幅方向の両端において開口することが好ましい。
この構成によれば、除去部材の溝部に侵入した異物を除去部材の両端の開口から排出させることが可能となる。これにより、除去部材の溝部における異物の堆積が抑えられるため、搬送ロールの付着物を除去する除去部材の能力が維持され易くなる。
この構成によれば、除去部材の溝部に侵入した異物を除去部材の両端の開口から排出させることが可能となる。これにより、除去部材の溝部における異物の堆積が抑えられるため、搬送ロールの付着物を除去する除去部材の能力が維持され易くなる。
上記除去部材において、前記除去部材は、前記搬送ロールの鉛直下方から前記搬送ロールに当接して用いられ、前記溝部は、前記開口に向かうにつれて下方に傾斜する内底面を有することが好ましい。
この構成によれば、除去部材の溝部における内底面上の異物が下方に導かれることで、溝部の開口から異物が排出され易くなる。これにより、除去部材の溝部における異物の堆積が抑えられるため、搬送ロールの付着物を除去する除去部材の能力が維持され易くなる。
上記除去部材において、前記凸部は、前記搬送ロールに前記除去部材が摺接する有効範囲内において、前記除去部材の長さ方向に連なるように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、搬送ロールの外周面のうち、除去部材の有効範囲を通過する外周面の全体が、除去部材の凸部に摺接される。すなわち、除去部材の有効範囲を通過する搬送ロールの外周面には、除去部材が接触しない部分の痕跡が残ることを抑制することができる。
この構成によれば、搬送ロールの外周面のうち、除去部材の有効範囲を通過する外周面の全体が、除去部材の凸部に摺接される。すなわち、除去部材の有効範囲を通過する搬送ロールの外周面には、除去部材が接触しない部分の痕跡が残ることを抑制することができる。
上記除去部材において、前記ガラス成形体は、フロート法により成形されるガラスリボンであることが好ましい。
フロート法により成形されるガラスリボンを搬送する搬送ロールは、フロートバス中の溶融金属を由来とした異物が付着し易い。こうした搬送ロールの付着物を除去する用途に除去部材を用いることが好適である。
フロート法により成形されるガラスリボンを搬送する搬送ロールは、フロートバス中の溶融金属を由来とした異物が付着し易い。こうした搬送ロールの付着物を除去する用途に除去部材を用いることが好適である。
上記課題を解決するガラス物品の製造方法は、ガラス成形体を搬送する搬送ロールを用いてガラス成形体を搬送する工程を備え、前記工程では、前記搬送ロールの軸方向に沿った長さ方向を有し、前記搬送ロールの外周面に摺接させて前記搬送ロールの外周面の付着物を除去する除去部材を用いるガラス物品の製造方法であって、前記除去部材は、前記搬送ロールの外周面に摺接される凸部を備え、前記凸部は、前記ガラス成形体の搬送方向に沿った前記除去部材の幅方向に対して交差する方向、かつ前記長さ方向に対して交差する方向に延在するエッジ部を有してなり、前記工程では、前記搬送ロールの外周面に前記エッジ部を摺接させる。
本発明によれば、搬送ロールの清浄性を高めることで、ガラス成形体の不良を好適に抑えることができる。
以下、除去部材、及びガラス物品の製造方法の実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、フロート法を用いたガラス板の製造に関する実施形態を一例として説明する。まず、ガラス板製造装置の概要について説明する。
図1に示すように、ガラス板製造装置10は、上流側のガラス溶融槽(図示略)から供給される溶融ガラスG1を成形するためのフロートバス11を備えている。フロートバス11には、溶融金属として溶融スズMが貯留されている。溶融ガラスG1は、フロートバス11の上流側から溶融スズMの液面上に流し込まれ、その液面上に浮遊させた状態で下流側に流動される。溶融スズMの液面上の溶融ガラスG1は、延伸されながら長手方向を有する板状のガラスリボンG2に成形される。
ガラス板製造装置10は、フロートバス11からガラスリボンG2を引き上げて下流側に搬送するリフトアウト室(ドロスボックス)12と、リフトアウト室12を通じたガラスリボンG2を徐冷する徐冷室13とをさらに備えている。
ガラス板製造装置10のリフトアウト室12は、ガラスリボンG2を搬送する搬送ロール(リフトアウトロール)14〜16を備えている。搬送ロール14〜16の形状は、円柱状であり、搬送ロール14〜16軸方向の長さ寸法は、ガラスリボンG2の幅寸法よりも大きい。搬送ロール14〜16の外周面の最上点は、フロートバス11の溶融スズMの液面より上方に位置している。搬送ロール14〜16の少なくとも外周面は、金属やセラミックス等の耐熱材料で形成されている。搬送ロール14〜16には、図示を省略した駆動装置が連結されることで、各搬送ロール14〜16は回転駆動される。
ガラス板製造装置10の徐冷室13は、リフトアウト室12から搬入されたガラスリボンG2を搬送ロール17によって搬送しながら所定の温度まで徐冷する。なお、徐冷室13内の搬送ロール17についても、上記リフトアウト室12内の搬送ロール14〜16と同様に構成されている。
ガラス板製造装置10は、搬送ロール14〜17に付着した付着物を除去するロールクリーニング装置18を備えている。ロールクリーニング装置18は、各搬送ロール14〜17に対応して設置され、各ロールクリーニング装置18は、上方に開口するベース部材19と、ベース部材19に上下動可能に設けられる除去部材20と、除去部材20を上方に向けて付勢する付勢部材21とを備えている。除去部材20の一部及び付勢部材21は、ベース部材19に収容されている。除去部材20は、付勢部材21により鉛直上方に向けて付勢されることで、搬送ロール14〜17に押し付けられている。付勢部材21としては、例えば、圧縮ばね等の弾性体や流体圧シリンダを用いることができる。
次に、ロールクリーニング装置18の除去部材20の詳細について説明する。なお、各搬送ロール14〜17に対応して配置される各除去部材20及びその周辺構造は共通するため、以下ではリフトアウト室12の最上流側の搬送ロール14に対応して配置される除去部材20及びその周辺構造を代表して説明する。
図2及び図3に示すように、除去部材20は、ガラスリボンG2を搬送する搬送ロール14の軸方向に沿った長さ方向D1を有し、搬送ロール14の外周面に摺接させて搬送ロール14の外周面の付着物を除去する用途に用いられる。除去部材20は、搬送ロール14の鉛直下方から搬送ロール14に当接して用いられる。除去部材20の全体形状は、搬送ロール14の軸方向に沿って延在する直方体状であり、除去部材20の長さ寸法は、搬送ロール14によって搬送されるガラスリボンG2の幅寸法よりも大きいことが好ましい。
除去部材20は、搬送ロール14の外周面に摺接される複数の凸部22を備えている。除去部材20における複数の凸部22は、搬送ロール14の外周面に摺接されるエッジ部22aを有している。エッジ部22aは、ガラスリボンG2の搬送方向CDに沿った除去部材20の幅方向D2に対して交差する方向、かつ除去部材20の長さ方向D1に対して交差する方向に延在している。
図3に示す除去部材20の平面視において除去部材20の幅方向D2に対して10°〜90°の角度で傾斜していることが好ましい。
本実施形態の除去部材20における複数の凸部22は、互いに平行となるように延在している。図3に示すように、各凸部22の幅寸法L1は、各凸部22間に位置する溝部23の幅寸法L2よりも大きい。
本実施形態の除去部材20における複数の凸部22は、互いに平行となるように延在している。図3に示すように、各凸部22の幅寸法L1は、各凸部22間に位置する溝部23の幅寸法L2よりも大きい。
除去部材20は、搬送ロール14に押し付けられることで搬送ロール14の外周面に追従するように僅かに変形する。詳述すると、図3に示すように、除去部材20において搬送ロール14に摺接する有効範囲Rは、除去部材20の長さ方向D1に延在するとともに、除去部材20の幅方向D2における中央から幅方向D2の両側に拡がる範囲となる。除去部材20の有効範囲Rでは、各凸部22のエッジ部22aが各凸部22の先端面とともに搬送ロール14に摺接される。
除去部材20の凸部22は、搬送ロール14の外周面に溝部23の痕跡が残ることを抑制するように配列されていることが好ましい。すなわち、除去部材20の凸部22は、搬送ロール14に除去部材20が摺接する有効範囲R内において、除去部材20の長さ方向D1に連なるように配置されていることが好ましい。換言すると、除去部材20は、図3に示す平面視において、除去部材20の幅方向D2に沿った仮想線VLが、除去部材20の有効範囲R内の任意の位置で凸部22と重なるように構成されている。例えば、除去部材20の上記有効範囲Rの幅寸法が10.9mmとなる場合、凸部22の幅寸法L1が4mm、溝部23の幅寸法L2が2mm、除去部材20の平面視において除去部材20の幅方向D2に対する凸部22及び溝部23の傾斜角度は11.86°に設定される。これにより、除去部材20の有効範囲Rを通過する搬送ロール14の外周面の全体が除去部材20の凸部22に摺接されるため、搬送ロール14の外周面に溝部23の痕跡が残ることを抑制することができる。なお、除去部材20を搬送ロール14の軸方向(除去部材20の長さ方向D1)に沿って往復動させることで、搬送ロール14の外周面に溝部23の痕跡が残ることを抑制することも可能である。
図4に示すように、除去部材20の溝部23は、除去部材20の幅方向D2の両端において開口するとともに、その開口に向かうにつれて下方に傾斜する内底面24を有している。詳述すると、除去部材20の溝部23は、幅方向D2において対向する第1開口部25及び第2開口部26を有している。除去部材20の内底面24は、除去部材20の溝部23における第1開口部25に向かうにつれて下方に傾斜する第1内底面24aと、除去部材20の溝部23における第2開口部26に向かうにつれて下方に傾斜する第2内底面24bとから構成されている。
以上詳述した除去部材20は、耐熱性を有し、搬送ロール14の外周面よりも軟質な基材(例えば、カーボン系材料)から構成される。除去部材20は、基材を切断及び研削して形成してもよいし、部品を接合して形成してもよい。
次に、ロールクリーニング装置18の除去部材20の主な作用について説明する。
上記ガラス板製造装置10を用いたガラス板の製造では、フロートバス11から引き上げられたガラスリボンG2が搬送ロール14〜17により搬送される。ここで、フロートバス11中の溶融スズMが固化した固化物やスズ酸化物等がガラスリボンG2に異物として付着した後に、例えば、搬送ロール14の外周面に付着する場合がある。本実施形態の除去部材20における凸部22は、搬送ロール14の外周面に摺接されるエッジ部22aを有している。エッジ部22aは、ガラスリボンG2の搬送方向CDに沿った除去部材20の幅方向D2に対して交差する方向であり、かつ除去部材20の長さ方向D1に対して交差する方向に延在している。
上記ガラス板製造装置10を用いたガラス板の製造では、フロートバス11から引き上げられたガラスリボンG2が搬送ロール14〜17により搬送される。ここで、フロートバス11中の溶融スズMが固化した固化物やスズ酸化物等がガラスリボンG2に異物として付着した後に、例えば、搬送ロール14の外周面に付着する場合がある。本実施形態の除去部材20における凸部22は、搬送ロール14の外周面に摺接されるエッジ部22aを有している。エッジ部22aは、ガラスリボンG2の搬送方向CDに沿った除去部材20の幅方向D2に対して交差する方向であり、かつ除去部材20の長さ方向D1に対して交差する方向に延在している。
この構成によれば、除去部材20の長さ方向D1(搬送ロール14の軸方向)に沿って延在するエッジ部よりも、除去部材20の単位長さ当たりのエッジ部の長さをより長く設定することができる。これにより、搬送ロール14の外周面の付着物を削り取る作用を高めることが可能となる。
次に、ガラス板の製造方法について説明する。
ガラス板の製造方法は、ガラスリボンG2を搬送する搬送ロール14〜17を用いてガラスリボンG2を搬送する工程を備えている。ガラスリボンG2を搬送する工程では、搬送ロール14〜17の外周面に摺接させて搬送ロール14〜17の外周面の付着物を除去する除去部材20を用いる。ガラスリボンG2を搬送する工程では、搬送ロール14〜17の外周面に上述した除去部材20の凸部22におけるエッジ部22aを摺接させる。
ガラス板の製造方法は、ガラスリボンG2を搬送する搬送ロール14〜17を用いてガラスリボンG2を搬送する工程を備えている。ガラスリボンG2を搬送する工程では、搬送ロール14〜17の外周面に摺接させて搬送ロール14〜17の外周面の付着物を除去する除去部材20を用いる。ガラスリボンG2を搬送する工程では、搬送ロール14〜17の外周面に上述した除去部材20の凸部22におけるエッジ部22aを摺接させる。
ガラスリボンG2を搬送する工程では、フロートバス11からガラスリボンG2を引き上げたり、ガラスリボンG2を徐冷したりすることができる。なお、ガラス板の製造方法は、搬送ロール14〜17により搬送されたガラスリボンG2を切断する工程を備えている。ガラス板の製造方法では、必要に応じて研磨等の処理を行う工程等を行うことができる。
以上詳述した実施形態によれば、次のような作用効果が発揮される。
(1)除去部材20は、搬送ロール14の外周面に摺接される凸部22を備えている。除去部材20における凸部22は、搬送ロール14の外周面に摺接されるエッジ部22aを有している。エッジ部22aは、ガラスリボンG2の搬送方向CDに沿った除去部材20の幅方向D2に対して交差する方向、かつ除去部材20の長さ方向D1に対して交差する方向に延在している。
(1)除去部材20は、搬送ロール14の外周面に摺接される凸部22を備えている。除去部材20における凸部22は、搬送ロール14の外周面に摺接されるエッジ部22aを有している。エッジ部22aは、ガラスリボンG2の搬送方向CDに沿った除去部材20の幅方向D2に対して交差する方向、かつ除去部材20の長さ方向D1に対して交差する方向に延在している。
この構成によれば、上述した作用が得られるため、搬送ロール14の清浄性を高めることで、ガラスリボンG2の不良を好適に抑えることができる。
(2)除去部材20における複数の凸部22は、互いに平行となるように延在する並列部分を有し、並列部分の各凸部22の幅寸法L1は、各凸部22間に位置する溝部23の幅寸法L2よりも大きい。この場合、除去部材20における凸部22の強度が増すため、除去部材20の寿命を延ばすことができる。
(2)除去部材20における複数の凸部22は、互いに平行となるように延在する並列部分を有し、並列部分の各凸部22の幅寸法L1は、各凸部22間に位置する溝部23の幅寸法L2よりも大きい。この場合、除去部材20における凸部22の強度が増すため、除去部材20の寿命を延ばすことができる。
(3)本実施形態の除去部材20の凸部22は、互いに離間する複数の凸部22から構成されているため、複数の凸部22の有するエッジ部22aにより搬送ロール14の付着物を除去する能力が高まる。ここで、除去部材20のエッジ部22aによって削り取られた付着物が、各凸部22間に位置する溝部23に異物として堆積すると、その異物によりエッジ部22aと搬送ロール14との接触が阻害されて搬送ロール14の付着物を除去する能力が低下するおそれがある。
上記除去部材20では、各凸部22間に位置する溝部23は、除去部材20の幅方向D2の両端において開口している。この場合、除去部材20の溝部23に侵入した異物を除去部材20の両端の開口から排出させることが可能となる。これにより、除去部材20の溝部23における異物の堆積が抑えられるため、搬送ロール14の付着物を除去する除去部材20の能力が維持され易くなる。従って、搬送ロール14の清浄性をより高めることでガラスリボンG2の不良をより好適に抑えることができる。
(4)除去部材20は、搬送ロール14の鉛直下方から搬送ロール14に当接して用いられている。除去部材20において、各凸部22間に位置する溝部23は、溝部23の開口(第1開口部25及び第2開口部26)に向かうにつれて下方に傾斜する内底面24を有している。この場合、除去部材20の溝部23における内底面24上の異物が下方に導かれることで、溝部23の開口から異物が排出され易くなる。これにより、上記(3)欄で述べた作用効果を高めることができる。
(5)除去部材20の凸部22は、搬送ロール14に除去部材20が摺接する有効範囲R内において、除去部材20の長さ方向D1に連なるように配置されている。
この場合、搬送ロール14の外周面のうち、除去部材20の有効範囲Rを通過する外周面の全体が、除去部材20の凸部22に摺接される。すなわち、除去部材20の有効範囲Rを通過する搬送ロール14の外周面には、除去部材20が接触しない部分の痕跡(溝部23の痕跡)が残ることを抑制することができる。
この場合、搬送ロール14の外周面のうち、除去部材20の有効範囲Rを通過する外周面の全体が、除去部材20の凸部22に摺接される。すなわち、除去部材20の有効範囲Rを通過する搬送ロール14の外周面には、除去部材20が接触しない部分の痕跡(溝部23の痕跡)が残ることを抑制することができる。
(6)フロート法により成形されるガラスリボンG2を搬送する搬送ロール14は、フロートバス11中の溶融金属(溶融スズM)を由来とした異物が付着し易い。こうした搬送ロール14の付着物を除去する用途に除去部材20を用いることが好適である。
(変更例)
上記実施形態を次のように変更して構成してもよい。なお、上記実施形態及び以下の変更例の中から選ばれる構成要素を組み合わせて除去部材20を構成してもよい。
上記実施形態を次のように変更して構成してもよい。なお、上記実施形態及び以下の変更例の中から選ばれる構成要素を組み合わせて除去部材20を構成してもよい。
・除去部材20の溝部23における内底面24は、第1内底面24aと第2内底面24bとから構成されているが、溝部23の第1開口部25及び第2開口部26のいずれか一方のみに向かうにつれて下方に傾斜するように構成してもよい。また、第1内底面24a及び第2内底面24bのいずれか一方を平坦面に変更してもよい。
・除去部材20の溝部23における内底面24の全体を平坦面に変更してもよい。
・図5(a)に示すように、除去部材20における凸部22は、上記エッジ部22aに加えて、除去部材20の長さ方向D1(搬送ロール14の軸方向)に沿って延在するエッジ部22bを有していてもよい。
・図5(a)に示すように、除去部材20における凸部22は、上記エッジ部22aに加えて、除去部材20の長さ方向D1(搬送ロール14の軸方向)に沿って延在するエッジ部22bを有していてもよい。
・図5(b)に示すように、除去部材20において、各凸部22間に位置する溝部23の幅寸法L2を各凸部22の幅寸法L1よりも大きくすることもできる。この場合、例えば、除去部材20の溝部23が異物で満たされるまでの期間を延長したり、溝部23に侵入した異物の排出を促進したりすることができる。これにより、搬送ロール14の外周面の付着物を削り取るエッジ部22aの作用が継続して発揮され易い。従って、搬送ロール14の清浄性を高めることで、ガラスリボンG2の不良を好適に抑えることができる。
・図5(c)及び図5(d)に示すように、除去部材20の凸部22は、上記幅方向D2及び長さ方向D1に対して交差する方向に延在し、かつ互いに異なる方向に延在する複数のエッジ部22a,22aを有していてもよい。
・除去部材20の凸部22は、所定の方向に延在する形状(平面視平行四辺形状や平面視長四角状)に限定されず、例えば、図5(a)及び図5(d)に示すように、菱形状であってもよいし、図5(c)に示すように、多角形状であってもよい。
・除去部材20の凸部22の数は、複数に限定されず、例えば、図5(c)に示すように、除去部材20を一つの凸部22と一つの凹部27とを備える構成に変更することもできる。
・除去部材20は、搬送ロール14の鉛直下方から搬送ロール14に当接して用いられているが、例えば、搬送ロール14の斜め下方や搬送ロール14の側方から当接して用いることもできる。
・ロールクリーニング装置18(除去部材20)を搬送ロール14〜17の全てに対応して配置せずに、搬送ロール14〜17の少なくとも一つに対応して配置することもできる。
・除去部材20は、ガラスリボンG2以外のガラス成形体(例えば、ガラスチョップドストランド等)を搬送する搬送ロールに対しても適用することもできる。なお、ガラスリボンG2は、フロート法により成形されたものに限らず、スロットダウンドロー法、オーバーフローダウンドロー法、リドロー法、ロールアウト法等により成形されたものであってもよい。
14〜17…搬送ロール、20…除去部材、22…凸部、22a…エッジ部、23…溝部、24…内底面、CD…搬送方向、D1…長さ方向、D2…幅方向、G2…ガラスリボン(ガラス成形体)、L1…幅寸法(凸部),L2…幅寸法(溝部)、R…有効範囲。
Claims (9)
- ガラス成形体を搬送する搬送ロールの軸方向に沿った長さ方向を有し、前記搬送ロールの外周面に摺接させて前記搬送ロールの外周面の付着物を除去する用途に用いられる除去部材であって、
前記搬送ロールの外周面に摺接される凸部を備え、
前記凸部は、前記搬送ロールの外周面に摺接されるエッジ部を有し、
前記エッジ部は、前記ガラス成形体の搬送方向に沿った前記除去部材の幅方向に対して交差する方向、かつ前記長さ方向に対して交差する方向に延在することを特徴とする除去部材。 - 前記凸部は、互いに平行となるように延在する複数の凸部を含み、
各凸部の幅寸法は、各凸部間に位置する溝部の幅寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の除去部材。 - 前記凸部は、互いに平行となるように延在する複数の凸部を含み、
各凸部間に位置する溝部の幅寸法は、各凸部の幅寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の除去部材。 - 前記エッジ部は、異なる方向に延在する複数のエッジ部を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の除去部材。
- 前記凸部は、互いに離間する複数の凸部を含み、
各凸部間に位置する溝部は、前記除去部材の幅方向の両端において開口することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の除去部材。 - 前記除去部材は、前記搬送ロールの鉛直下方から前記搬送ロールに当接して用いられ、
前記溝部は、前記開口に向かうにつれて下方に傾斜する内底面を有することを特徴とする請求項5に記載の除去部材。 - 前記凸部は、前記搬送ロールに前記除去部材が摺接する有効範囲内において、前記除去部材の長さ方向に連なるように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の除去部材。
- 前記ガラス成形体は、フロート法により成形されるガラスリボンであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の除去部材。
- ガラス成形体を搬送する搬送ロールを用いてガラス成形体を搬送する工程を備え、前記工程では、前記搬送ロールの軸方向に沿った長さ方向を有し、前記搬送ロールの外周面に摺接させて前記搬送ロールの外周面の付着物を除去する除去部材を用いるガラス物品の製造方法であって、
前記除去部材は、前記搬送ロールの外周面に摺接される凸部を備え、前記凸部は、前記ガラス成形体の搬送方向に沿った前記除去部材の幅方向に対して交差する方向、かつ前記長さ方向に対して交差する方向に延在するエッジ部を有してなり、
前記工程では、前記搬送ロールの外周面に前記エッジ部を摺接させることを特徴とするガラス物品の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2016204296A JP2018065712A (ja) | 2016-10-18 | 2016-10-18 | 除去部材、及びガラス物品の製造方法 |
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JP2016204296A Pending JP2018065712A (ja) | 2016-10-18 | 2016-10-18 | 除去部材、及びガラス物品の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112620242A (zh) * | 2020-12-30 | 2021-04-09 | 衡阳市衡锋玻璃有限公司 | 一种生产玻璃用清洗装置及其使用方法 |
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2016
- 2016-10-18 JP JP2016204296A patent/JP2018065712A/ja active Pending
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