JP2018065324A - 液体カートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザーが液体カートリッジを倒立姿勢においた場合に、廃液が漏れ出す可能性を低減することができる液体カートリッジを提供する。
【解決手段】液体カートリッジ200は、液体を収容する液体収容部材274と、廃液を吸収して保持する廃液吸収部材280と、液体収容部材と廃液吸収部材とを収納するケースと、を備える。ケースは、下方ケース部材204と、下方ケース部材の上方で液体収容部材と廃液吸収部材とを覆う蓋部材203とを有する。蓋部材は、液体カートリッジの倒立姿勢において廃液を収容可能な液体受け部を有する。
【選択図】図12
【解決手段】液体カートリッジ200は、液体を収容する液体収容部材274と、廃液を吸収して保持する廃液吸収部材280と、液体収容部材と廃液吸収部材とを収納するケースと、を備える。ケースは、下方ケース部材204と、下方ケース部材の上方で液体収容部材と廃液吸収部材とを覆う蓋部材203とを有する。蓋部材は、液体カートリッジの倒立姿勢において廃液を収容可能な液体受け部を有する。
【選択図】図12
Description
本発明は、液体を収容する液体カートリッジに関する。
従来から、インクジェットプリンターなどの液体噴射装置に着脱可能に装着される液体カートリッジが広く利用されている。特許文献1には、この種の液体カートリッジとして、液体インクを収容するインクパックと、廃インクを吸収して保持する廃インク吸収材とを備える廃インク回収型インクカートリッジが開示されている。廃インク回収型インクカートリッジにおいては、廃インク吸収材を収納する収納室にフィルムを貼って密閉し、廃インクの漏れを防止する構造が一般的である。
しかし、フィルムを用いて廃インク吸収材の収納室を密閉する構造では、フィルムの溶着や接着のために構造が複雑になるので製造の難度が高くなり、また、高コストになってしまうという問題があった。
一方、廃インク吸収材を封止するためのフィルムを廃止すれば上述の問題は解消されるが、別の種々の問題が発生する。第1に、インクカートリッジを上下逆の倒立姿勢にすると廃インクが漏れ出す可能性がある。第2に、ユーザーが誤ってインクカートリッジを倒立姿勢で落下させた場合には、落下の衝撃によって廃インク吸収材の廃インクがカートリッジ外に漏れ出す可能性が高くなる。第3に、第1や第2の場合に廃インクが廃インク吸収材からインクパック側に回り込み、インクパックとケースの隙間から漏れ出して、床や机を汚してしまうという問題がある。
なお、上述の問題は、プリンター用のインクカートリッジに限らず、他の種類の液体を収容する液体カートリッジや、その液体カートリッジを用いる液体噴射装置にも共通する問題である。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、液体噴射装置のカートリッジホルダーに装着される液体カートリッジが提供される。この液体カートリッジは、液体を収容する液体収容部材と;前記液体噴射装置から前記液体カートリッジに供給された廃液を吸収して保持する廃液吸収部材と;前記液体収容部材と前記廃液吸収部材とを収納するケースと;を備える。前記ケースは、下方ケース部材と、前記下方ケース部材に係合して前記下方ケース部材の上方で前記液体収容部材と前記廃液吸収部材とを覆う蓋部材とを有する。前記液体カートリッジが前記カートリッジホルダーに装着される状態の姿勢を正立姿勢と呼び、前記正立姿勢から上下反転した姿勢を倒立姿勢と呼ぶとき、前記蓋部材は、前記倒立姿勢において前記廃液を収容可能な液体受け部を有する。
この液体カートリッジによれば、廃液吸収部材に廃液が保持された状態でユーザーが液体カートリッジを倒立姿勢においた場合でも、蓋部材の液体受け部が廃液を受け止めて保持するため、廃液が液体カートリッジから漏れ出す可能性を低減できる。また、ユーザーが誤って液体カートリッジを倒立姿勢で落下させた場合にも、落下の衝撃によって廃液吸収部材から染み出したり飛び散ったりする廃液を、蓋部材の液体受け部が受け止めて保持することができるため、床や机を汚す可能性を低減できる。
この液体カートリッジによれば、廃液吸収部材に廃液が保持された状態でユーザーが液体カートリッジを倒立姿勢においた場合でも、蓋部材の液体受け部が廃液を受け止めて保持するため、廃液が液体カートリッジから漏れ出す可能性を低減できる。また、ユーザーが誤って液体カートリッジを倒立姿勢で落下させた場合にも、落下の衝撃によって廃液吸収部材から染み出したり飛び散ったりする廃液を、蓋部材の液体受け部が受け止めて保持することができるため、床や机を汚す可能性を低減できる。
(2)上記液体カートリッジにおいて、前記正立姿勢において、前記蓋部材は、上壁部と、前記上壁部の側面の全周に沿って連続するとともに前記上壁部の側面から下方に延びる周壁部とを有し、前記倒立姿勢において、前記上壁部と前記周壁部とが前記液体受け部を構成するものとしてもよい。
この構成によれば、簡単な構造で廃液を受け止める液体受け部を構成できる。
この構成によれば、簡単な構造で廃液を受け止める液体受け部を構成できる。
(3)上記液体カートリッジにおいて、前記蓋部材は、前記倒立姿勢において前記上壁部の内面から前記廃液吸収部材を離間させるように前記上壁部の内面に設けられたリブを有するものとしてもよい。
この構成によれば、液体カートリッジを倒立姿勢にした場合にも、廃液吸収部材と蓋部材の上壁部の内面が直接接触しないので、蓋部材の上壁部の内面を伝って廃液が外に漏れ出す可能性を低減できる。
この構成によれば、液体カートリッジを倒立姿勢にした場合にも、廃液吸収部材と蓋部材の上壁部の内面が直接接触しないので、蓋部材の上壁部の内面を伝って廃液が外に漏れ出す可能性を低減できる。
(4)上記液体カートリッジにおいて、前記下方ケース部材は、前記下方ケース部材の内部を、前記液体収容部材を収納する第1収納室と、前記廃液吸収部材を収納する第2収納室とに区分する仕切り壁を有し、前記蓋部材は、前記蓋部材の内面の前記仕切り壁と対向する位置に、液体の移動を防止する流動防止壁を有するものとしてもよい。
この構成によれば、第1収納室と第2収納室が仕切り壁と流動防止壁で仕切られており、また、流動防止壁が蓋部材の内面に設けられているので、廃液吸収部材から飛び散った廃液は第2収納室から第1収納室に流入する可能性を低減できる。このため、一旦倒立姿勢とした液体カートリッジを正立姿勢に戻した場合でも、廃液が第1収納室を伝ってケースの隙間から流出する可能性を低減できる。
この構成によれば、第1収納室と第2収納室が仕切り壁と流動防止壁で仕切られており、また、流動防止壁が蓋部材の内面に設けられているので、廃液吸収部材から飛び散った廃液は第2収納室から第1収納室に流入する可能性を低減できる。このため、一旦倒立姿勢とした液体カートリッジを正立姿勢に戻した場合でも、廃液が第1収納室を伝ってケースの隙間から流出する可能性を低減できる。
本発明は、上述した液体カートリッジ以外の種々の形態で実現することが可能である。例えば、液体供給システムや、液体噴射装置等の形態で実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A. 液体噴射装置及び液体カートリッジの構成:
B. 蓋部材の液体受け部の構成:
C. 変形例:
A. 液体噴射装置及び液体カートリッジの構成:
B. 蓋部材の液体受け部の構成:
C. 変形例:
A. 液体噴射装置及び液体カートリッジの構成:
図1は、液体噴射装置としてのプリンター100の斜視図である。図1には、互いに直交する3つの軸であるXYZ軸が描かれている。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向は、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を示している。X軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を、それぞれ+X方向,+Y方向,+Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向と逆の方向が、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向である。X軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向を、それぞれ−X方向,−Y方向,−Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸に沿った方向で正負を問わないものを、それぞれX方向,Y方向,Z方向とよぶ。これ以降に示す図及び説明についても同様である。他の図に描かれたXYZ軸は、図1のXYZ軸と対応している。
図1は、液体噴射装置としてのプリンター100の斜視図である。図1には、互いに直交する3つの軸であるXYZ軸が描かれている。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向は、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を示している。X軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を、それぞれ+X方向,+Y方向,+Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向と逆の方向が、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向である。X軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向を、それぞれ−X方向,−Y方向,−Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸に沿った方向で正負を問わないものを、それぞれX方向,Y方向,Z方向とよぶ。これ以降に示す図及び説明についても同様である。他の図に描かれたXYZ軸は、図1のXYZ軸と対応している。
本実施形態では、プリンター100を水平面に設置した状態(正立状態)において、プリンター100の背面から正面に向かう方向を+X方向、プリンター100の底面から上面に向かう方向を+Z方向、プリンター100の正面から見て左側面から右側面に向かう方向を+Y方向とする。以下では、+Z方向側を「上側」、−Z方向側を「下側」とも呼ぶ。−Z方向は、重力方向でもある。本実施形態において、「側面」とは、+Z方向側を向く面(上面)と、−Z方向側を向く面(底面)とを除いた面である。
プリンター100は、インクをヘッドから吐出して印刷媒体に印刷を行うインクジェットプリンターである。プリンター100は、店舗等に設置され、レシート用のロール紙や単票紙に印刷を行う業務用のプリンターとして用いられる。プリンター100は、ロール紙が収納されるロール紙収納部110と、液体カートリッジが収納される液体カートリッジ収納部120と、単票紙が挿入される単票紙挿入部130と、印刷後のロール紙あるいは単票紙が排出される印刷媒体排出部140と、を備える。
図2は、プリンター100に液体カートリッジ200が装着された状態を示す斜視図である。液体カートリッジ収納部120は、プリンター100の正面側に開く蓋部121を備えている。蓋部121内には、液体カートリッジ200が着脱可能に装着されるカートリッジホルダー150が設けられている。液体カートリッジ200は、カートリッジホルダー150に−Z方向に挿入されて装着される。液体カートリッジ200が、カートリッジホルダー150に装着される−Z方向のことを、「装着方向」とも呼ぶ。また、液体カートリッジ200がプリンター100のカートリッジホルダー150に装着された状態のことを、単に「装着状態」とも呼ぶ。
液体カートリッジ200は、その上面から上方に延びる平板状の把手部201を備えている。ユーザは、把手部201を持って、液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150に装着することができる。また、ユーザは、把手部201を持って液体カートリッジ200を上方に引き上げることで、液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150から取り外すことができる。把手部201は、折りたたみ可能となっている。液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150に装着した後に、蓋部121を閉めると、把手部201が蓋部121の内面に接触しながら、プリンター100の背面側に向けて折りたたまれる。
図2に示されているように、カートリッジホルダー150には、液体カートリッジ200が一本だけ装着される。つまり、本実施形態のプリンター100は、単色プリンターである。また、本実施形態のプリンター100は、詳細な図示は省略するが、液体カートリッジ200と印刷ヘッドとが分離されており、チューブによって、液体カートリッジ200と印刷ヘッドとが接続されている。つまり、本実施形態のプリンター100は、カートリッジホルダー150が印刷ヘッド(キャリッジ)の動きとは連動しない、「オフキャリッジタイプ」と呼ばれるプリンターである。本実施形態では、印刷ヘッドは、カートリッジホルダー150の背面側に配置されており、Y方向に沿って往復移動しつつ、液体カートリッジ200からチューブを通って供給されたインクを印刷媒体へ吐出する。本実施形態のプリンター100は、液体カートリッジ200から供給されたが印刷に使用されなかったインクを、液体カートリッジ200に廃液として戻すためのポンプを内部に備えている。
図3及び図4は、液体カートリッジ200の斜視図であり、図5,図6,図7は、液体カートリッジ200の平面図、底面図、及び背面図である。液体カートリッジ200は、略直方体であり、Y方向に沿った寸法が最も大きく、X方向に沿った寸法が最も小さい。つまり、液体カートリッジ200の外形寸法は、Y方向に沿った寸法、Z方向に沿った寸法、X方向に沿った寸法、の順に小さい。
図3に示すように、液体カートリッジ200は箱状のケース202を備えている。ケース202は、下方ケース部材204と、下方ケース部材204に係合する蓋部材203とを有する。下方ケース部材204と蓋部材203は、例えば、合成樹脂で形成されている。蓋部材203は、下方ケース部材204の上方から下降させると下方ケース部材204にスナップフィットして係合する。
液体カートリッジ200は、第1壁部(底壁部)211と、第2壁部(上壁部)212と、第3壁部(背面壁部)213と、第4壁部(正面壁部)214と、第5壁部(第1側壁部)215と、第6壁部(第2側壁部)216と、第7壁部217と、第8壁部218と、を備えている。以下の説明において、2つの壁部が「交わる」あるいは「交差する」とは、2つの壁部が相互に繋がって交わる状態と、一方の壁部を延長した場合に他方の壁部に交わる状態と、それぞれの壁部を延長した場合に交わる状態と、のいずれかの状態であることを意味する。また、2つの壁部が「対向する」とは、2つの壁部の間に他の物が存在しない場合と存在する場合との両方を含む意味である。
各壁部211〜218の外表面は、概ね平面である。概ね平面とは、面全域が完全に平坦である場合と、面の一部に凹凸を有する場合を含む。つまり、概ね平面とは、面の一部に多少の凹凸があっても、液体カートリッジ200のケース202を構成する面や壁が把握できるような場合を含む。第1壁部211〜第8壁部218をそれぞれの法線に沿って観察した状態における外形は、いずれも略長方形である。
第1壁部211及び第2壁部212は、X軸及びY軸に平行な壁部である。第2壁部212は、第1壁部211に対向する。つまり、第1壁部211及び第2壁部212は、Z方向において互いに対向する。第1壁部211は−Z方向側に位置し、第2壁部212は+Z方向側に位置する。第1壁部211および第2壁部212は、第3壁部213、第4壁部214、第5壁部215、第6壁部216、第7壁部217および第8壁部218と交わる位置関係にある。本実施形態では、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150に装着された装着状態で、第1壁部211は液体カートリッジ200の底面を構成し、第2壁部212は液体カートリッジ200の上面を構成する。第1壁部211を「底壁部211」とも呼び、第2壁部212を「上壁部212」とも呼ぶ。
底壁部211(図4)は、下方ケース部材204の一部である。底壁部211は、プリンター100にインクを供給するための液体供給口230と、プリンター100から供給された廃液を導入する廃液導入口231とを有している。また、底壁部211は、カートリッジホルダー150に設けられた突起部(後述)と係合する位置決め穴232及び回転止め穴233を有している。底壁部211には、更に、液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150に装着したときに、カートリッジホルダー150の底面の接触突起(後述)と接触する接触突起630が設けられている。この例では、接触突起630は、底壁部211の4つのコーナーに近い位置に4つ設けられているが、接触突起630の個数は任意に設定可能である。
上壁部212(図3)は、蓋部材203の一部である。上壁部212には、把手部201が設けられている。蓋部材203は、上壁部212の側面の全周にわたって連続するとともに上壁部212の側面から下方に延びる周壁部340を有している。
第3壁部213及び第4壁部214は、Y軸及びZ軸に平行な壁部である。第3壁部213及び第4壁部214は、X方向において互いに対向する。第3壁部213は−X方向側に位置し、第4壁部214は+X方向側に位置する。第3壁部213は、第1壁部211および第2壁部212と交差し、第5壁部215および第6壁部216とも交差する。第4壁部214は、第1壁部211および第2壁部212と交差し第3壁部213と対向する。第4壁部214は、第7壁部217および第8壁部218とも交差する。本実施形態では、液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150に装着した状態において、第4壁部214はプリンター100の正面側を向き、第3壁部213はプリンター100の背面側を向く。
第3壁部213(図7)は、下方ケース部材204の一部である。この第3壁部213には、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150に誤装着されることを抑制するための誤装着抑制突起260が設けられている。誤装着抑制突起260は、装着方向に沿って液体カートリッジ200のケース202を見たときに、誤装着抑制突起260が設けられた側面(第3壁部213)の中心からずれた位置に配置されている。本実施形態では、誤装着抑制突起260は、第3壁部213の中心よりも第5壁部215側にずれた位置に配置されている。
第3壁部213には、更に、液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150に装着した状態においてカートリッジホルダー150の内壁面に接触可能な第1の側壁位置規制部510が設けられている。この側壁位置規制部510は、カートリッジホルダー150の内壁面に接触することによって液体カートリッジ200のX方向の位置を規制する部材である。この例では、側壁位置規制部510は、第3壁部213の表面から−X方向に突出したリブである。また、側壁位置規制部510は、Y方向の異なる位置に2つ設けられているが、その個数は1以上の任意の値に設定可能である。第3壁部213に側壁位置規制部510を複数設ける場合には、液体カートリッジ200のY方向に沿った中央位置を中心とする対称な位置に設けることが好ましい。本実施形態では、側壁位置規制部510の突出高さ(X方向の寸法)は、第3壁部213の表面を基準とした蓋部材203の周壁部340の高さとほぼ同じである。従って、周壁部340も、側壁位置規制部510とともに液体カートリッジ200のX方向の位置を規制する機能を有する。
第4壁部214(図4)は、蓋部材203の一部である。この第4壁部214には、液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150に装着した状態において、カートリッジホルダー150の内壁面に接触可能な第2の側壁位置規制部520が設けられている。この側壁位置規制部520は、カートリッジホルダー150の内壁面に接触することによって液体カートリッジ200のX方向の位置を規制する部材である。この例では、側壁位置規制部520は、第4壁部214の表面から+X方向に突出したリブである。また、側壁位置規制部520は、Y方向の異なる位置に2つ設けられているが、その個数は1以上の任意の値に設定可能である。第4壁部214に側壁位置規制部520を複数設ける場合には、液体カートリッジ200のY方向に沿った中央位置を中心とする対称な位置に設けることが好ましい。
第5壁部215及び第6壁部216は、X軸及びZ軸に平行な壁部である。第5壁部215及び第6壁部216は、Y方向において互いに対向する。第5壁部215は、第1壁部211、第2壁部212、第3壁部213および第7壁部217と交差する。第6壁部216は、第1壁部211、第2壁部212、第3壁部213および第8壁部218と交差し、第5壁部215と対向する。本実施形態では、液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150に装着した状態において、第5壁部215はプリンター100の右側面側を向き、第6壁部216はプリンター100の左側面側を向く。第5壁部215のことを、「第1側壁部215」ともいい、第6壁部216のことを「第2側壁部216」ともいう。
第5壁部215及び第6壁部216は、下方ケース部材204の一部である。第5壁部215及び第6壁部216には、液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150に装着した状態においてカートリッジホルダー150の内壁面に接触可能な第3の側壁位置規制部530が設けられている(図4)。この側壁位置規制部530は、カートリッジホルダー150の内壁面に接触することによって液体カートリッジ200のY方向の位置を規制する部材である。図4の例では、側壁位置規制部530は、第5壁部215の表面から+Y方向に突出したリブである。第6壁部216にも同様に、第6壁部216の表面から−Y方向に突出したリブ状の側壁位置規制部530が設けられている(図7)。側壁位置規制部530は、第5壁部215及び第6壁部216にそれぞれ1つ設けられているが、その個数は1以上の任意の値に設定可能である。図7から分かるように、本実施形態では、側壁位置規制部530の突出高さ(Y方向の寸法)は、第5壁部215及び第6壁部216の表面を基準とした蓋部材203の周壁部340の高さとほぼ同じである。従って、周壁部340も、側壁位置規制部530とともに液体カートリッジ200のY方向の位置を規制する機能を有する。
第5壁部215は、更に、係止部240を有する(図4)。係止部240は、装着状態においてカートリッジホルダー150に設けられた固定部材(後述)に係止される。図7に示すように、本実施形態では、装着状態において、係止部240のZ方向における位置は、底壁部211から上壁部212までの高さの1/2よりも低い位置(−Z方向側の位置)である。
第7壁部217(図4)は、Z軸に平行でX軸及びY軸から傾いた壁部である。第7壁部217は、ケース202の側面において、第5壁部215と第4壁部214とを繋ぐ壁部である。第7壁部217は、第1壁部211および第2壁部212と交差し、第5壁部215と第4壁部214とも交差する。第7壁部217は、第5壁部215と第4壁部214とが交差する角部が面取りされることによって構成されている。
第8壁部218(図6)も、第7壁部217と同様に、Z軸に平行でX軸及びY軸から傾いた壁部である。第8壁部218は、ケース202の側面において、第6壁部216と第4壁部214とを繋ぐ壁部である。第8壁部218は、第1壁部211および第2壁部212と交差し、第6壁部216と第4壁部214とも交差する。第8壁部218は、第6壁部216と第4壁部214とが交差する角部が面取りされることによって構成されている。なお、第7壁部217と第8壁部218とは、それぞれを液体カートリッジ200の正面側(+X方向側)に延長することによって互いに交差する関係にある。また、第7壁部217と第8壁部218とは、それぞれを液体カートリッジ200の背面側(−X方向側)に延長することによって、第3壁部213をY方向に延長した延長部分とも交差する。
底壁部211(図4)は、装着状態において、カートリッジホルダー150側とは反対側に向けて傾斜した傾斜部219を、+Y方向側の端部、すなわち、第5壁部215側の端部に備えている。傾斜部219は、第1壁部211と第5壁部215とを繋ぐ壁部とも言える。
傾斜部219は、装着状態において、カートリッジホルダー150に設けられた複数の電極(後述)に電気的に接触する複数の電極接触部250を有する。本実施形態では、これらの電極接触部250は、傾斜部219の外面に固定された基板251に形成されている。
基板251の裏面には液体カートリッジ200の各種情報を記憶する記憶装置が設けられている。この記憶装置には、例えば、インクの残量状態やインクの色を表す情報が記憶されている。カートリッジホルダー150に設けられた電極が電極接触部250に接触すると、プリンター100の制御回路が、基板251の記憶装置から各種の情報を読み込むことができる。
図8は、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150に装着される様子を示し、図9は、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150に装着された状態を示している。図8,図9には、カートリッジホルダー150はその一部のみが示されている。カートリッジホルダー150は、装着状態において液体カートリッジ200の底壁部211に対面する底面161を備えている。この底面161には、位置決め突起151と、回転止め突起152と、固定部材153と、複数の電極155と、液体導入針156と、廃液供給針157と、が設けられている。複数の電極155は、それぞれ、金属製の板バネによって形成されている。
位置決め突起151は、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150に装着される際に、液体カートリッジ200の底壁部211に設けられた位置決め穴232(図6)に挿入される突起である。この位置決め突起151と位置決め穴232の係合によって、液体カートリッジ200の底部におけるX方向及びY方向の位置決めが行われる。位置決め穴232の平面形状は、例えば、ほぼ真円に近い円形である。回転止め突起152は、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150に装着される際に、液体カートリッジ200の底壁部211に設けられた回転止め穴233に挿入される突起である。この回転止め突起152と回転止め穴233の係合によって、液体カートリッジ200の回転が規制される。回転止め突起152の平面形状は、例えば、Y方向に沿った長手方向を有する長円である。回転止め突起152と回転止め穴233の係合によって、液体カートリッジ200のX方向の位置が規制されるので、結果として液体カートリッジ200の回転が防止される。位置決め突起151および回転止め突起152は、底面161から+Z方向に向けて延びている。位置決め突起151および回転止め突起152は、カートリッジホルダー150内における液体カートリッジ200のX方向及びY方向の位置を規制する。また、位置決め突起151および回転止め突起152は、液体導入針156および廃液供給針157よりもZ方向に沿った寸法が長い。そのため、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150に装着される際には、液体導入針156および廃液供給針157がそれぞれ液体供給口230、廃液導入口231に挿入されるよりも早く、位置決め突起151及び回転止め突起152が、位置決め穴232及び回転止め穴233にそれぞれ挿入される。そのため、液体導入針156や廃液供給針157が液体カートリッジ200の底面に接触する可能性が低減し、液体導入針156や廃液供給針157が損傷する可能性が低減する。
固定部材153は、液体カートリッジ200を固定するための金属製の板バネ部材である。固定部材153は、装着状態において、第1側壁部215および係止部240に対向する。固定部材153は、底面161の+Y方向の端部から+Z方向に向けて延びている。図9に示すように、固定部材153は、+Z方向の先端部に、係止部240が+Y方向に向けて嵌まる凹部153aを備える。また、固定部材153は、凹部153aよりも+Z方向側に、+Z方向に向かうほど第1側壁部215からの距離が遠ざかる傾斜面153bを備えている。凹部153aおよび傾斜面153bは、板状の固定部材153に曲げ加工を施すことによって形成されている。
液体カートリッジ200を装着方向に向けてカートリッジホルダー150に挿入すると、位置決め突起151が位置決め穴232に挿入され、回転止め突起152が回転止め穴233に挿入される。そして、係止部240が固定部材153の傾斜面153bに当接して固定部材153を+Y方向に押し広げる。その状態でさらに液体カートリッジ200を装着方向に挿入すると、液体導入針156が液体供給口230に挿入され、廃液供給針157が廃液導入口231に挿入され、更に、液体カートリッジ200の傾斜部219に設けられた電極接触部250が、カートリッジホルダー150に設けられた電極155に接触する。そして、最終的に、係止部240が固定部材153の凹部153aに嵌まることにより、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150に装着され、固定される。なお、装着状態では、液体カートリッジ200は、板バネによって形成された電極155と、液体供給口230及び廃液導入口231内に設けられたバネから+Z方向に反力を受ける。そのため、液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150から+Z方向に引き抜く際には、把手部201を持って+Z方向に液体カートリッジ200を引き上げることで、液体供給口230及び廃液導入口231のバネからの反力により、容易に液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150から取り外すことができる。
カートリッジホルダー150の底面161(図8)には、更に、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150内に装着されたときに、液体カートリッジ200の底壁部211の接触突起630(図4)と接触して液体カートリッジ200を支持する接触突起730が設けられている。カートリッジホルダー150における液体カートリッジ200のZ方向の位置は、これらの接触突起630,730同士の接触面によって規定される。
図10は、カートリッジホルダー150の平面図であり、図11は、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150に装着された状態の平面図である。本実施形態では、液体カートリッジ200は、装着方向に沿って見た場合に、略六角形である。より具体的には、液体カートリッジ200は、上面形状、下面形状、および、装着方向に垂直な断面の形状が、いずれも、略六角形である。本実施形態では、カートリッジホルダー150の形状も、液体カートリッジ200の形状に適合するように、装着方向から見た場合に、略六角形状に形成されている。つまり、液体カートリッジ200およびカートリッジホルダー150の形状は、装着方向から見た場合に、ほぼ、相似形である。カートリッジホルダー150は、装着状態において、液体カートリッジ200の側面を構成する壁部213〜218に対応する内壁面163〜168を有する。つまり、カートリッジホルダー150は、第3壁部213に対向する内壁面163と、第4壁部214に対向する内壁面164と、第5壁部215に対向する内壁面165と、第6壁部216に対向する内壁面166と、第7壁部217に対向する内壁面167と、第8壁部218に対向する内壁面168と、を有する。これらの内壁面163〜168のうち、液体カートリッジ200の第3壁部213に対向する内壁面163には、Z方向に沿って延びる溝部160が形成されている。液体カートリッジ200をカートリッジホルダー150に装着する際には、液体カートリッジ200の第3壁部213に設けられた誤装着抑制突起260が、この溝部160に嵌まる。
図12は、液体カートリッジ200の分解斜視図であり、図13は、液体カートリッジ200の内部構造を示す図である。前述のように、液体カートリッジ200は、蓋部材203と下方ケース部材204とを備える。
蓋部材203は、主に、ケース202の上壁部212と、第4壁部214と、第7壁部217と、第8壁部218とを構成する。また、本実施形態において、蓋部材203は、上壁部212と、上壁部212の側面の全周に沿って連続するとともに上壁部212の側面から下方(−Z方向)に延びる周壁部340とを有する。すなわち、周壁部340は、上壁部212の側面の全周にわたって連続して形成されている。ケース202の第4壁部214と第7壁部217と第8壁部218は、周壁部340の一部を構成している。蓋部材203は、下方ケース部材204に係合すると、下方ケース部材204の上方で液体収容部材274と廃液吸収部材280を覆う状態となる。
下方ケース部材204は、主に、ケース202の第1壁部211と第3壁部213と第5壁部215と第6壁部216とを構成する。下方ケース部材204の正面には、更に、蓋部材203の第4壁部214と一部重なり合う壁部224が設けられている。この壁部224には、蓋部材203の内面に設けられた係合突起と係合する係合穴222が設けられている。下方ケース部材204の内部空間の略中央には、Y軸およびZ軸に平行な仕切り壁205が設けられている。この仕切り壁205は、液体カートリッジ200の内部を、第1収納室207と第2収納室208とに区画する。第1収納室207には、インクを収容する液体収容体270が収納される。第2収納室208には、プリンター100から供給された廃液を保持するための廃液吸収部材280が収納される。つまり、本実施形態では、液体カートリッジ200のケース202内には、液体収容体270と廃液吸収部材280とが、X方向に並べて配置されている。仕切り壁205は、全体が、底壁部211まで延びている。そのため、液体カートリッジ200の正立姿勢において、第2収納室208から第1収納室207に廃液が流れ込むことが抑制される。
廃液吸収部材280は、液体を内部に保持可能な直方体状の部材である。廃液吸収部材280としては、例えば、スポンジや不織布等の多孔質素材、あるいは、液体吸収性のある高分子ポリマーを採用することができる。本実施形態では、2つの廃液吸収部材280がX方向に隣り合うように配置されている。なお、本実施形態において、ケース202は、廃液吸収部材280をケース202内に密閉又は密封するフィルムを有しておらず、第2収納室208は密閉されない。また、廃液吸収部材280は、液不透過性の袋に入れられていない裸の状態で第2収納室208に収納される。
液体収容体270は、可撓性シートで形成された液体収容部材274と、液体収容部材274の一辺に接合された液体導出部材400とを有している。可撓性シートとしては、例えば、ポリエチレンフィルム等のプラスチック製のフィルムを利用可能である。液体収容部材274の下部には開口部271が設けられており、この開口部271に液体導出部材400が接合される。液体導出部材400の底部には、液体供給口230が設置される。液体供給口230は、例えば、バネや、弁体、シールゴム、吸収材等で構成されているが、その詳細な説明は省略する。液体導出部材400には、液体収容部材274に収容されたインクを液体供給口230に導くための流路が形成されている。液体導出部材400は、例えば合成樹脂で形成される。液体収容部材274と液体導出部材400とは、例えば熱融着や接着剤によって接合されている。
液体収容部材274の+Y方向の端部と−Y方向の端部とには、それぞれ、2枚のプラスチックフィルムを貼り合わせることによって形成された平面状の融着代275,276が形成されている。液体収容体270が第1収納室207内に収容されると、これらの融着代275,276は、図13に示すように、+X方向または−X方向に折り曲げられて第1収納室207内に収容される。
B. 蓋部材の液体受け部の構成:
図14は、倒立姿勢にあるケース202の蓋部材203を示す斜視図であり、図15は、その蓋部材203をXZ平面で切断した断面図である。また、図16は、図15と同じ断面位置における液体カートリッジ200の断面図である。本明細書において、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150に装着された状態の姿勢を「正立姿勢」と呼び、正立姿勢から上下反転した姿勢を「倒立姿勢」と呼ぶ。
図14は、倒立姿勢にあるケース202の蓋部材203を示す斜視図であり、図15は、その蓋部材203をXZ平面で切断した断面図である。また、図16は、図15と同じ断面位置における液体カートリッジ200の断面図である。本明細書において、液体カートリッジ200がカートリッジホルダー150に装着された状態の姿勢を「正立姿勢」と呼び、正立姿勢から上下反転した姿勢を「倒立姿勢」と呼ぶ。
前述したように、蓋部材203は、上壁部212と、上壁部212の側面の全周に沿った連続する周壁部340とを有する。周壁部340は、正立姿勢において、上壁部212の側面から下方(−Z方向)に延びている。図14では蓋部材203が倒立しているので、周壁部340は上壁部212から上方に延びている。周壁部340は、前述した壁部214,217,218の他に、3つの壁部341,342,343を含む。壁部341は、X方向において壁部214に対向する。壁部342,343は、Y方向において互いに対向する。壁部342は、壁部212,341,218と交差する。同様に、壁部343は、壁部212,341,217と交差する。
第4壁部214の内面には、下方ケース部材204の前面の壁部224(図12)に設けられた係合穴222と係合する係合突起352が設けられている。第4壁部214の内面には、更に、下方ケース部材204の前面の壁部224を挟み込むための挟持片354が設けられている。正立姿勢において、蓋部材203を下降させると、下方ケース部材204の前面の壁部224が、この挟持片354と第4壁部214との間に挟み込まれる。また、第4壁部214の係合突起352と下方ケース部材204の係合穴222とがスナップフィットにより係合すると、蓋部材203と下方ケース部材204のZ方向の位置が固定される。
図14の倒立姿勢において、上壁部212と周壁部340とは、液体を収容可能な液体受け部360を構成する。この液体受け部360は、周壁部340の高さに液面が達するまで液体を収容できるバスタブ型の形状を有している。従って、廃液吸収部材280(図16)に廃液が保持された状態でユーザーが液体カートリッジ200を倒立姿勢とした場合でも、蓋部材203の液体受け部360が廃液を受け止めて保持するため、廃液が液体カートリッジ200から漏れ出す可能性を低減できる。また、ユーザーが誤って液体カートリッジ200を倒立姿勢で落下させた場合にも、落下の衝撃によって廃液吸収部材280から染み出したり飛び散ったりする廃液を、蓋部材203の液体受け部360が受け止めて保持することができるため、床や机を汚す可能性を低減できる。本実施形態では、特に、液体受け部360が上壁部212と周壁部340とによって構成されているので、簡単な構造で廃液を受け止める液体受け部360を構成できる。
なお、周壁部340は、上壁部212の側面に沿って連続している必要は無く、一部が欠けていてもよい。この場合には、上壁部212の内面側に液体受け部360を形成するために、上壁部212の側面よりも内側の位置に、全周にわたって連続する別の壁部を設けるようにしてもよい。
蓋部材203の上壁部212の内面には、倒立姿勢において上壁部212の内面から廃液吸収部材280を離間させるリブ320が設けられている。このリブ320は、−Z方向に突出する突起部である。図14の例では、リブ320は2個設けられているが、リブ320の個数は1以上の任意の値に設定可能である。また、図14の例では、リブ320はX方向に延びているが、XY平面上の任意の方向に延びるようにリブ320を設けることが可能である。このようなリブ320を設けるようにすれば、液体カートリッジ200を倒立姿勢にした場合にも、蓋部材203の上壁部212の内面と廃液吸収部材280とが直接接触しないので、蓋部材203の上壁部212の内面を伝って廃液が外に漏れ出す可能性を低減できる。蓋部材203の上壁部212の内面には、更に、倒立姿勢において上壁部212の内面から液体収容部材270を離間させるリブ330が設けられている。なお、リブ320,330は省略可能である。
蓋部材203の上壁部212の内面には、更に、液体の移動を防止する流動防止壁310が設けられている。この流動防止壁310は、下方ケース部材204の仕切り壁205(図16)と対向する位置、すなわち、仕切り壁205を+Z方向に延長した位置に設けられている。流動防止壁310は、蓋部材203の上壁部212の内面から−Z方向に突出する突起部である。流動防止壁310は、Y方向に沿って延びており、Y方向に対向する壁部342,343の間にわたって連続して設けられている。図12で説明したように、仕切り壁205は、下方ケース部材204の内部を、液体収容部材274を収納する第1収納室207と、廃液吸収部材280を収納する第2収納室208とに区分する壁である。蓋部材203の上壁部212の内面に流動防止壁310を設けるようにすれば、仮に、倒立姿勢において廃液吸収部材280から廃液が下方に飛び散った場合にも、その廃液が第2収納室208から第1収納室207に流入する可能性を低減できる。このため、一旦倒立姿勢とした液体カートリッジ200を正立姿勢に戻した場合でも、廃液が第1収納室207を伝ってケース202の隙間から流出する可能性を低減できる。なお、図14の例では、流動防止壁310の高さ(Z方向のサイズ)がリブ320よりも低いが、流動防止壁310の高さをリブ320と等しい高さ以上に設定してもよい。また、流動防止壁310は省略可能である。
なお、プリンター100から供給された廃液を廃液吸収部材280ですばやく吸収するためには、廃液吸収部材280を収納する第2収納室208が、外気と連通していることが好ましい。この意味では、例えば、流動防止壁310と仕切り壁205との間を密封することなく両者の間に隙間を形成すると共に、液体収容体270を収納する第1収納室207に大気開放口を設けるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、廃液回収型の液体カートリッジ200において、蓋部材203がその倒立姿勢において廃液を収容可能な液体受け部360を有する構成を採用したので、廃液吸収部材280に廃液が保持された状態でユーザーが液体カートリッジ200を倒立姿勢においた場合でも、蓋部材203の液体受け部360が廃液を受け止めて保持するため、廃液が液体カートリッジ200から漏れ出す可能性を低減できる。また、ユーザーが誤って液体カートリッジ200を倒立姿勢で落下させた場合にも、落下の衝撃によって廃液吸収部材280から染み出したり飛び散ったりする廃液を、蓋部材203の液体受け部360が受け止めて保持することができるため、床や机を汚す可能性を低減できる。
C. 変形例:
本発明は上述した実施形態やその変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
本発明は上述した実施形態やその変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、壁部212〜218の外表面および内表面は、いずれも、平面状であるが、これらの壁部の少なくとも一方は、外表面および内表面の少なくとも一方が、曲面状であってもよい。曲面は、外側に向けて凸状でもよいし、内側に向けて凸状でもよい。
上記実施形態では、壁部212〜218の外表面および内表面は、いずれも、平面状であるが、これらの壁部の少なくとも一方は、外表面および内表面の少なくとも一方が、曲面状であってもよい。曲面は、外側に向けて凸状でもよいし、内側に向けて凸状でもよい。
<変形例2>
上記実施形態の液体カートリッジ200は、オフキャリッジタイプのプリンターに限らず、キャリッジにカートリッジホルダーが設けられ、キャリッジと共にカートリッジホルダーが移動する、いわゆる「オンキャリッジタイプ」と呼ばれるプリンターにも適用可能である。また、プリンター100は、複数の液体カートリッジ200が装着可能なプリンターであってもよい。また、プリンター100の用途も、業務用に限らず、家庭用であってもよい。
上記実施形態の液体カートリッジ200は、オフキャリッジタイプのプリンターに限らず、キャリッジにカートリッジホルダーが設けられ、キャリッジと共にカートリッジホルダーが移動する、いわゆる「オンキャリッジタイプ」と呼ばれるプリンターにも適用可能である。また、プリンター100は、複数の液体カートリッジ200が装着可能なプリンターであってもよい。また、プリンター100の用途も、業務用に限らず、家庭用であってもよい。
<変形例3>
本発明は、インクジェットプリンター及びその液体カートリッジに限らず、インク以外の他の液体を消費する任意の液体噴射装置及びその液体カートリッジにも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置及びその液体カートリッジに適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材を噴射する色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材を噴射する電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置
本発明は、インクジェットプリンター及びその液体カートリッジに限らず、インク以外の他の液体を消費する任意の液体噴射装置及びその液体カートリッジにも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置及びその液体カートリッジに適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材を噴射する色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材を噴射する電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置
なお、「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
100…プリンター、110…ロール紙収納部、120…液体カートリッジ収納部、121…蓋部、130…単票紙挿入部、140…印刷媒体排出部、150…カートリッジホルダー、151…位置決め突起、152…回転止め突起、153…固定部材、153a…凹部、153b…傾斜面、155…電極、156…液体導入針、157…廃液供給針、160…溝部、161…底面、163…内壁面、164…内壁面、165…内壁面、166…内壁面、167…内壁面、168…内壁面、200…液体カートリッジ、201…把手部、202…ケース、203…蓋部材、204…下方ケース部材、205…仕切り壁、207…第1収納室、208…第2収納室、211…第1壁部(底壁部)、212…第2壁部(上壁部)、213…第3壁部、214…第4壁部、215…第5壁部(第1側壁部)、216…第6壁部(第2側壁部)、217…第7壁部、218…第8壁部、219…傾斜部、222…係合穴、224…壁部、230…液体供給口、231…廃液導入口、232…位置決め穴、233…回転止め穴、240…係止部、250…電極接触部、251…基板、260…誤装着抑制突起、270…液体収容体、271…開口部、274…液体収容部材、275,276…融着代、280…廃液吸収部材、310…流動防止壁、320,330…リブ、340…周壁部、341…壁部、342…壁部、343…壁部、352…係合突起、354…挟持片、360…液体受け部、400…液体導出部材、510,520,530…側壁位置規制部、630…接触突起、730…接触突起
Claims (4)
- 液体噴射装置のカートリッジホルダーに装着される液体カートリッジであって、
液体を収容する液体収容部材と、
前記液体噴射装置から前記液体カートリッジに供給された廃液を吸収して保持する廃液吸収部材と、
前記液体収容部材と前記廃液吸収部材とを収納するケースと、
を備え、
前記ケースは、下方ケース部材と、前記下方ケース部材に係合して前記下方ケース部材の上方で前記液体収容部材と前記廃液吸収部材とを覆う蓋部材とを有し、
前記液体カートリッジが前記カートリッジホルダーに装着された状態の姿勢を正立姿勢と呼び、前記正立姿勢から上下反転した姿勢を倒立姿勢と呼ぶとき、
前記蓋部材は、前記倒立姿勢において前記廃液を収容可能な液体受け部を有する、液体カートリッジ。 - 請求項1に記載の液体カートリッジであって、
前記正立姿勢において、前記蓋部材は、上壁部と、前記上壁部の側面の全周に沿って連続するとともに前記上壁部の側面から下方に延びる周壁部とを有し、
前記倒立姿勢において、前記上壁部と前記周壁部とが前記液体受け部を構成する、液体カートリッジ。 - 請求項2に記載の液体カートリッジであって、
前記蓋部材は、前記倒立姿勢において前記上壁部の内面から前記廃液吸収部材を離間させるように前記上壁部の内面に設けられたリブを有する、液体カートリッジ。 - 請求項2又は3に記載の液体カートリッジであって、
前記下方ケース部材は、前記下方ケース部材の内部を、前記液体収容部材を収納する第1収納室と、前記廃液吸収部材を収納する第2収納室とに区分する仕切り壁を有し、
前記蓋部材は、前記蓋部材の内面の前記仕切り壁と対向する位置に、液体の移動を防止する流動防止壁を有する、液体カートリッジ。
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2016
- 2016-10-21 JP JP2016206432A patent/JP2018065324A/ja active Pending
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JP2021030567A (ja) * | 2019-08-23 | 2021-03-01 | セイコーエプソン株式会社 | 廃液収容体、液体噴射装置 |
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