JP2018065191A - 鋼材の製造方法及び鋳片の冷却方法 - Google Patents
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[鋼材の製造]
図11は、連続鋳造設備30により鋼材を製造する過程を概略的に示したものである。設備の上流である鋳型31により冷却された溶鋼は、ロール32に支持・案内されて、二次冷却帯33で冷却を続けながら鋳片34となり、設備の下流に送られる。その後、鋳片34は水平帯35へ送られ、切断機36により所定の長さに切断、及び三次冷却帯37でさらに冷却をされ、パレットに積載される等により次の設備に運搬される。
図1は、本発明の一実施形態に係る鋼材の製造方法における鋳片冷却工程の一部を概略的に示したものである。連続鋳造機によって鋳造される鋳片1がロール4によって搬送され、この搬送と同時に鋳片1の冷却面に向けてノズルチップ2からミスト3を噴射することにより、鋳片1の冷却面を均一に冷却する。冷却面を均一に冷却すること、及び冷却面を所定の時間内に所定の温度まで低下させることは、鋳片1の品質維持のために非常に重要な要素である。このため、連続鋳造設備においては多数のノズルチップが必要となる。
本発明の一実施形態に係る鋳片の冷却に使用されるノズルチップ2は、広範囲の領域を冷却できるものであるので、鋳片の広範囲の領域に対してミスト3を噴射する必要がある箇所に好適に用いられる。具体的には、連続鋳造設備において、下流側のロール間ピッチが500mm以上2000mm以下と広い箇所、若しくはロール4が存在しない箇所に当該ノズルチップが好適に用いられる。
上記先端部材21には、上記流路15に連続して上記ミスト充填室14が形成されている。このミスト充填室14は、平面視において長軸を有する形状であり、上記ミスト充填室14の長軸が上記噴射スリット13と平面視交差(直交)するよう配されている。具体的には、ミスト充填室14は、平面視略方形状であって、一対の短辺が中央にかけて外側に膨出した円弧から構成された形状をなしている。このミスト充填室14の長軸の長さ(一対の短辺の最も離間している部分の間隔)は、流路15(先端部材21における流路15)の幅と略等しく、短軸の長さ(一対の長辺間の間隔)は、流路15の幅よりも小さい。また、ミスト充填室14は、図6〜図8に示すように、上記平面視形状と同一断面形状の後端側部分14aと、この後端側部分から連続すると共に内径が先端につれて狭まる先端側部分14bを有し、この先端側部分14bにおいて図5及び図6に示すように上記噴射スリット13に連通している。この先端側部分14bの天面14cは、長軸方向(スリット直交方向Y)及び短軸方向(スリット長手方向X)に湾曲する三次元曲面となっている。
当該ノズルチップは、図6〜図8に示すように、上記流路15(先端部材21の流路15)に内嵌されるリング部23と、このリング部23の後端に架け渡されるよう固着された板状の上記遮蔽部16とを備える遮蔽部材24を有する。なお、この遮蔽部材24、上記筒部材20及び上記先端部材21は、素材を特に限定するものではないが、金属から形成されている。
上記6条の噴射スリット13は、上記筒部材20の蓋部21aに上記ミスト充填室14まで貫通する溝から構成されている。図4に示すように、6条の噴射スリット13のうち、中央の噴射スリット13より外側の噴射スリット13の方が平面視の長さが小さい。具体的には、平面視において、中央の一対の噴射スリット13が最も長く、外側の噴射スリット13に従って順次平面視の長さが小さくなる。
当該ノズルチッブの先端面11は、中央部11bを除いて、三次元曲面であり、具体的には球面の一部の曲面である。なお、先端面11の三次元曲面の曲率半径は、上記流路15の内径より大きい。上記中央部11bは平坦面である。
当該ノズルチップは、6条の噴射スリット13を有するので、スリット直交方向Yにおいてミストを幅広い範囲で噴射することができ、この6条の噴射スリット13は、スリット直交方向Yの縦断面において放射状に配されているので、スリット直交方向Yにミストをより広範囲に噴射することができる。また、噴射スリット13のスリット長手方向Xの端部がそれぞれ内部から先端側に従って外側に傾斜しているので、スリット長手方向Xにもミストを広範囲に噴射することができる。
[式1]
H=r・Q・Cv・V
但し、Hは、衝突力[N]である。rは、水の比重量[kg/m3]である。Qは、流量[m3/s]である。Cvは、大気中の流速減退係数である。Vは、ノズルから出た直後の流速[m/s]である。
ロール4は、鋳片1を設備の上流から下流へ搬送するため、連続鋳造設備全体に配置される。ロール4が配置される箇所、及び鋳片1によってロール4に掛かる荷重等により、適宜最適な材質、形状等が採用される。例えば、ロール4の径としては、300mm以上500mm以下のものが広く使用されている。当該鋳片の冷却工程及び冷却方法においては、ノズルチップ2が広範囲にミスト3を噴射することができる、つまり、広角にミスト3を噴射することができることにより、鋳片1とロール4との接地点近くまでミスト3が行き届くため、ミスト3が当たらない領域(非冷却領域W)を最小にすることができ、鋳片1の冷却効率に優れたものとすることができる。
実施例1,2及び比較例1のノズルチップそれぞれの供給口に、表1に示す噴射条件でミストを供給し、搬送速度0.07m/secで搬送される鋳片に向け、噴射スリットからミストを噴射した。使用した鋳片の幅・厚み・長さは、いずれも300×400×12000mmのものである。試験結果は冷却率[%]によって、従来の冷却方法(比較例1)と比較した。なお、冷却率とは、ロール間において、噴射されるミストが当たる鋳片の表面面積(冷却領域)と、ロールの陰になるため噴射されるミストが行き届かない鋳片の表面面積(非冷却領域)に上記冷却領域を加えた面積との比であり、下記式2により算出される。
[式2]
R=V/V+W
但し、Rは、冷却率[%]である。Vは、冷却領域[mm2]である。Wは、非冷却領域[mm2]である。(図1)
図3〜図8に示すように三次元曲面を有する先端面に6条の噴出スリットが形成され、流路に遮蔽部を有するノズルチップであって、ノズルサイズが29×34mm、供給口の内径が19mmであり、平面視における中央、中間及び外側の噴出スリットの長手方向長さがそれぞれ24mm、19mm及び16mmであり、各噴出スリットの幅(スリット直交方向の長さ)1.5mmであるものを実施例1のノズルチップとして用意した。ノズルピッチは600mm、対抗距離(冷却面とノズルチップ先端面との距離)を200mmとした。
図9に示すように先端面が略半球状で10条の噴出スリットが形成され、流路に遮蔽部を有するノズルチップであって、ノズルサイズが34×34mm、供給口の内径が19mmであり、平面視における中央から外側の噴出スリットの長手方向長さが、27mm〜17mmであり、各噴出スリットの幅(スリット直交方向の長さ)が1mmであるものを実施例2のノズルチップとして用意した。ノズルピッチは1200mm、対抗距離を300mmとした。
図10示すように、噴出スリット13が2条で平面視形状が同一である点を除き、実施例1と同一の構成を有するものを比較例1のノズルチップとして用意した。なお、各噴出スリット13の長手方向の長さは24mm、幅(スリット直交方向の長さ)は2.7mm、ノズルピッチは200mm、対抗距離は200mmである。
上記試験結果を表1の冷却率[%]の欄に示す。実施例1ではノズルピッチが従来の3倍、実施例2ではノズルピッチが従来の6倍としているにもかかわらず、従来の冷却率より良好な冷却率を得ることができた。
2 ノズルチップ
3 ミスト
4 ロール
5 ノズルチップ(従来ノズル)
10 供給口
11 先端面
11a 縁部
11b 平坦面
13 噴射スリット
14 ミスト充填室
14a ミスト充填室の後端側
14b ミスト充填室の先端側
14c ミスト充填室の天面
15 流路
16 遮蔽部
20 筒部材
21 先端部材
21a 蓋部
23 リング部
24 遮蔽部材
30 連続鋳造設備
31 鋳型
32 ロール
33 二次冷却帯
34 鋳片
35 水平帯
36 切断機
37 三次冷却帯
D 対抗距離
L ロールピッチ
V 冷却領域
W 非冷却領域
X スリット長手方向
Y スリット直交方向
Claims (6)
- 連続的に搬送される鋳片の表面又は裏面の冷却面に対して、搬送方向に所定間隔をもって配置される複数のノズルチップの先端面からミストを噴射することで、上記鋳片を冷却する冷却工程を有する鋼材の製造方法であって、
上記ノズルチップが、
上記ミストが供給される供給口、
先端面に平面視同一方向に沿って形成される少なくとも3条の噴射スリット、
上記噴射スリットと連通するミスト充填室、
上記供給口から上記ミスト充填室にミストを供給する流路、及び
上記供給口と上記ミスト充填室との間に配され、上記流路の一部を閉塞する遮蔽部を備え、
上記噴射スリット長手方向と直交方向の縦断面において上記少なくとも3条の噴射スリットが放射状に配され、
上記少なくとも3条の噴射スリットのうち、中央の噴射スリットより外側の噴射スリットの方が平面視の長さが小さく、
上記先端面の上記外側の噴射スリットの形成される箇所が、中央側から外縁側に従って後端側に傾斜しており、
上記噴射スリットの形成方向が上記鋳片の搬送方向と直交するよう複数の上記ノズルチップが配置され、
搬送方向に隣接する上記ノズルチップの間隔が500mm以上1300mm以下であることを特徴とする鋼材の製造方法。 - 上記ノズルチップの先端面と、上記冷却面との対向距離が、100mm以上400mm以下である請求項1に記載の鋼材の製造方法。
- 上記冷却工程が、上記冷却面に接触する複数の上記鋳片を搬送するロールが500mm以上2000mm以内のピッチで配される冷却帯で鋳片を冷却する工程を含み、この冷却帯において搬送方向に隣接する上記ロール間に配設される上記ノズルチップの平均数が3個以内である請求項1又は請求項2に記載の鋼材の製造方法。
- 一つのノズルチップの上記冷却領域が、鋳片の搬送方向に500mm以上かつ搬送方向と直交方向に300mm以上の方形領域を含む請求項1、請求項2又は請求項3に記載の鋼材の製造方法。
- 上記ノズルチップの冷却領域を鋳片の搬送方向に5つに区分した区画における水量分布が、水量の最大の区画を100%とした場合において他の4つの区画が80%以上であり、各区画に対する衝突圧力が、1.0×10−4MPa以上である請求項4に記載の鋼材の製造方法。
- 連続的に搬送される鋳片の表面又は裏面の冷却面に対して、搬送方向に所定間隔をもって配置される複数のノズルチップの先端面からミストを噴射することで、上記鋳片を冷却する鋳片の冷却方法であって、
上記ノズルチップが、
上記ミストが供給される供給口、
先端面に平面視同一方向に沿って形成される少なくとも3条の噴射スリット、
上記噴射スリットと連通するミスト充填室、
上記供給口から上記ミスト充填室にミストを供給する流路、及び
上記供給口と上記ミスト充填室との間に配され、上記流路の一部を閉塞する遮蔽部を備え、
上記噴射スリット長手方向と直交方向の縦断面において上記少なくとも3条の噴射スリットが放射状に配され、
上記少なくとも3条の噴射スリットのうち、中央の噴射スリットより外側の噴射スリットの方が平面視の長さが小さく、
上記先端面の上記外側の噴射スリットの形成される箇所が、中央側から外縁側に従って後端側に傾斜しており、
上記噴射スリットの形成方向が上記鋳片の搬送方向と直交するよう複数の上記ノズルチップが配置され、
搬送方向に隣接する上記ノズルチップの間隔が500mm以上1300mm以下であることを特徴とする鋳片の冷却方法。
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CN110369686A (zh) * | 2019-07-03 | 2019-10-25 | 西安理工大学 | 一种铸铁水平连铸三次喷冷装置 |
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2016
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