JP2018064698A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】排泄物の漏れを抑制することを可能とした吸収性物品を提供する。
【解決手段】外装体12F,12Rの上部領域12FU,12RUは、上部弾性部材15FU,15RUを備えた内部弾性部27F,27Rを備え、下部領域12FD,12RDは、下部弾性部材15FD,15RDを備えた外部弾性部28F,28Rを備える。内部弾性部27F,27Rは、被接着部16Aに対して非接着であり、ポケット30F,30Rを構成する。吸収体18の腹側端部18Fは、腹側上部領域12FUの下端部より上側に位置し、背側端部18Rは、背側上部領域12RUの下端部において、最下段に位置する背側の上部弾性部材15RUより股下側に位置している。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
使い捨ておむつの中には、前身頃を構成する腹側外装部と、後身頃を構成する背側外装部と、前端部が腹側外装部に接合され後端部が背側外装部に接合される吸収性本体とを備えるものがある。そして、特許文献1に示すように、使い捨ておむつには、着用者の腹部と接する内面および背部と接する内面に、股下部側を開口端としたポケットが構成されている。ポケットは、開口端から進入した排泄物を収容することで、排泄物が腹部から漏れる腹漏れや背部から漏れる背漏れを抑制する。
特開2016−101322号公報
ところで、例えば乳幼児の体型は、腹部側は股間部分において窪み部を有しており、背部側は、臀部が出っ張っている。したがって、腹部側のポケットの開口端は、股間部分が窪んでいることで開いた状態になりやすく、排泄物もポケット内に進入しやすくなる。また、腹側のポケットは、尿などの液体が多く流入する傾向があり、小さ過ぎると腹漏れの原因となる。
一方で、背部側のポケットの開口端は、出っ張った臀部によって塞がりやすく、排泄物がポケット内に流入しにくく、背漏れの原因ともなる。このような体型の特徴は、成人にあっても、これと近い傾向がある。
本発明は、排泄物の漏れを抑制することを可能とした吸収性物品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための吸収性物品は、腹部を覆う腹側外装部と、背部を覆う背側外装部と、前記腹側外装部と前記背側外装部との間に延在する吸収体を備える吸収性本体であって、前後方向における前記吸収性本体の両端部に、前記腹側外装部および前記背側外装部と重なる被接着部を備えた前記吸収性本体とを備える。前記腹側外装部は、腹側上部領域と、前記腹側上部領域よりも股下側に位置する腹側下部領域とを備え、前記背側外装部は、背側上部領域と、前記背側上部領域よりも前記股下側に位置する背側下部領域とを備える。前記腹側上部領域および前記背側上部領域の各々は、内部弾性部を備え、前記内部弾性部は、上部弾性部材と、前記上部弾性部材を挟むシートとを含み、前記上部弾性部材は、前記吸収性本体よりも肌側となる内側に位置する。前記腹側下部領域および前記背側下部領域の各々は、外部弾性部を備え、前記外部弾性部は、下部弾性部材と、前記下部弾性部材を挟むシートとを含み、前記下部弾性部材は、前記吸収性本体よりも外側に位置する。前記各内部弾性部は、前記被接着部に対して非接着とされ、かつ、前記被接着部の周囲において前記吸収性本体より外側に位置する外部シート部に対して接着されることで、開口端が前記股下側を向くポケットを前記被接着部上に構成し、前記各外部弾性部は、前記被接着部に対して接着されている。前記吸収体の腹側端部は、前記腹側上部領域の下端部より上側に位置し、前記吸収体の背側端部は、前記背側上部領域の下端部において最下段に位置する背側の前記上部弾性部材より前記股下側に位置している。
上記構成によれば、吸収体の腹側端部は、腹側上部領域の下端部より上側に位置することで、腹側のポケットに進入した排泄物を吸収体で吸収することができる。このように、吸収体の吸収面を無駄なく利用することで、腹漏れの発生を抑制することができる。また、吸収体の背側端部は、最下段に位置する背側の上部弾性部材より股下側に位置することで、仰向けの状態で臀部により背側外装体が押圧されても、吸収体の背側端部の厚さの分、背側端部の近傍に空隙部を設けることができ、空隙部に、背側のポケットの開口端を位置させることができる。したがって、背側のポケットの開口端が臀部によって塞がれることを防ぐことができる。
上記吸収性物品において、前記腹側上部領域の上下方向の長さは、前記背側上部領域の上下方向の長さより長く形成されている構成としてもよい。
上記構成によれば、腹側のポケットを深く大きいものとすることができる。したがって、腹側のポケットは、尿などの排泄物を収容するための容積を十分確保でき、腹漏れの発生を抑制することができる。また、背側のポケットは、その開口端を、臀部の割れ目の上側に位置させることができる。したがって、背側のポケットには、割れ目を伝った尿などの排泄物が進入し易くなり、背漏れの発生を抑制することができる。
上記吸収性物品において、前記腹側端部は、前記腹側上部領域の下端部において、少なくとも最下段に位置する腹側の前記上部弾性部材と重なり、前記背側端部は、前記背側上部領域の下端部より前記股下側に位置する構成としてもよい。
上記構成によれば、吸収体の腹側端部は、腹側上部領域の下端部において、少なくとも最下段に位置する腹側の前記上部弾性部材と重なるように構成されることで、腹側のポケットに進入した排泄物を吸収体で吸収することができる。また、背側端部は、背側上部領域の下端部より股下側に位置することで、仰向けの状態で臀部により背側外装体が押圧されても、吸収体の背側端部の厚さの分、背側端部の近傍に空隙部を設けることができる。
上記吸収性物品において、前記背側端部と前記最下段に位置する背側の前記上部弾性部材との間隔は、前記背側端部の厚さの3倍以下としてもよい。
上記構成によれば、臀部と背側外装体との間に構成される空隙部を確実に形成することができる。
上記吸収性物品において、前記背側端部と前記最下段に位置する背側の前記上部弾性部材との間隔は、前記背側外装体の上下方向おける長さの20%以下としてもよい。
上記構成によれば、臀部と背側外装体との間に構成される空隙部を確実に形成することができる。
上記吸収性物品において、前記背側下部領域における前記下部弾性部材は、複数本で構成され、前記複数本の前記下部弾性部材のなかで前記吸収体と重なる一部の前記下部弾性部材は、伸長状態で配置されている構成としてもよい。
上記構成によれば、伸長状態の下部弾性部材によって、背側ポケットの開口端の近くの吸収体に、ひだを形成することができる。ひだが形成された部分では、ひだが形成されていない領域より厚みが増すことになる。これにより、着用者の臀部において、空隙部をより大きなものとすることができ、一層、背側のポケットの開口端が閉塞されにくくすることができる。
本発明によれば、排泄物の漏れを抑制することを可能とした。
本発明の吸収性本体を具体化した第1実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの斜視図。 (a)は、第1実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、(b)は、(a)のa−a断面図。 (a)は、上部領域の接着領域を図2(a)に対応して示す平面図、(b)は、下部領域の接着領域を図2(a)に対応して示す平面図。 おむつが装着された状態の要部断面図。 背側ポケットの近傍の要部断面図。 第2実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図。 第3実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図。 第4実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図。 第5実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図。 第6実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図。 第7実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図。 第8実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図。 第9実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの断面図。 (a)は、第10実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、(b)は、(a)のa−a断面図。
図1ないし図14を参照して本発明における吸収性物品を具体化した一実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつについて説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、パンツ型使い捨ておむつ10(以下、単に「おむつ10」という。)は、人体の腹部形状に追従する形状を有する前身頃10Fと、人体の背部形状に追従する形状を有する後身頃10Rと、前身頃10Fおよび後身頃10Rを繋ぐ股下部10Cとを備える。
前身頃10Fにおいて股下部10Cと反対側は、人体の胴周りの部分を取り囲む胴周り部10Wを構成し、上端に、胴周り開口部10Aを備えている。また、前身頃10Fにおける左右両端部、後身頃10Rにおける左右両端部、および、股下部10Cにおける左右両端部とは、人体の太股部分を取り囲む形状を有した左右一対の脚周り開口部10Lを構成している。また、前身頃10Fと後身頃10Rの胴周り方向の左右両端部は、接合部11となっている。
図2(a)は、パンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、(b)は、(a)のa−a断面図である。なお、図2(b)において、右側がおむつ装着者の肌側となる。
前身頃10Fにおける胴周り部10Wは、腹側外装部としての腹側外装体12Fで構成され、後身頃10Rにおける胴周り部10Wは、背側外装部としての背側外装体12Rで構成されている。
腹側外装体12Fおよび背側外装体12Rは、胴周り方向を長手方向とした矩形形状を有している。外装体を構成するシートは、一例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維からなる不織布であり、また、透液性シート、不透液性シートであってもよい。そして、腹側外装体12Fは、腹側外装体12Fを構成するシート間に腹側上部弾性部材15FUおよび腹側下部弾性部材15FDが挟まれて構成されている。背側外装体12Rもまた、背側外装体12Rを構成するシート間に背側上部弾性部材15RUおよび背側下部弾性部材15RDが挟まれて構成されている。これらの弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDは、天然ゴム、合成ゴム、ウレタンなどから選ばれる1つ以上の材料により形成された弾性体であり、糸状または紐状に形成されている。弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDは、複数本が互いに平行に、胴周り方向に沿って配置されている。
腹側外装体12Fと背側外装体12Rとは、股下部10Cを構成する吸収性本体16で連結される。吸収性本体16は、前後方向を長手方向とした矩形形状を有している。図2(b)に示すように、吸収性本体16は、液不透過性を有したバックシート17と、吸収体18と、液透過性を有したトップシート19とを備える。おむつ10において、トップシート19は、着用者の肌と接する内側に配置され、バックシート17は、外側に配置される。そして、おむつ10において、外側から、バックシート17、吸収体18、トップシート19の順に重なっている。さらに、バックシート17の外側には、手触り感を向上させるために、不織布を配置してもよい。
バックシート17を形成する材料は、例えば、液不透過性を有したポリエチレン樹脂製のフィルムである。バックシート17は、通気性を確保するため、微細孔が多数形成されている。トップシート19を形成する材料は、例えば、織布、不織布、多孔性フィルムなどから選ばれる1以上の材料である。また、トップシート19は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維であって親水化処理が施された繊維から構成される液透過性を有した不織布などが用いられる。
吸収体18は、前身頃10F、股下部10C、および、後身頃10Rに跨るように細長い帯形状を有している。吸収体18は、吸収性材料の成形体と、成形体を包むコアラップとで構成されている。吸収体18を形成する吸収性材料の成形体は、例えば、フラップパルプ、高吸収性ポリマー、親水性シートなどの吸収性材料を成形したものである。また、コアラップは、ティッシュや不織布で構成されている。そして、吸収体18は、バックシート17とトップシート19との間に配置され接合される。吸収体18は、腹側外装体12Fと背側外装体12Rとの間に延在され、腹側端部18Fと背側端部18Rとを備えている。なお、吸収体18において、コアラップは割愛されていてもよい。吸収性本体16は、吸収体18の周辺部18Aを備えている。周辺部18Aは、吸収体18が配置されていない領域であって、バックシート17とトップシート19とが重なった領域である。吸収性本体16の前後方向における外装体12F,12Rと重なる領域の内面と外面は、外装体を構成するシートが接着される被接着部16Aとなる。被接着部16Aは、吸収性本体16の前後方向の両端部であって、吸収体18の腹側端部18Fおよび背側端部18Rを含む領域である。
吸収性本体16には、前後方向に沿う両端部に立体ギャザー21が配置されている。立体ギャザー21は、トップシート19に前後方向に沿う両端部にサイドシート21Sを配置し、サイドシート21Sに弾性部材21Eを前後方向に沿って配置して構成されている。具体的に、サイドシート21Sは、液不透過性を有した不織布などを含んだ前後方向に延びる長尺のシート体である。サイドシート21Sは、前端部が腹側外装体12Fと重なり、後端部が背側外装体12Rと重なるように配置される。立体ギャザー21は、弾性部材21Eが収縮した際に、サイドシート21Sが着用者の肌当接方向に向かって立ち上がり、脚回り開口部10Lの周囲に位置する。
腹側外装体12Fは、腹側上部領域12FUと腹側下部領域12FDとを備えている。背側外装体12Rも、背側上部領域12RUと背側下部領域12RDとを備えている。
図2(b)に示すように、腹側上部領域12FUおよび背側上部領域12RUでは、腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部弾性部材15RUが吸収性本体16に対して内側、すなわちトップシート19側に配置されており、胴回り開口部10Aや胴周り部10Wの一部を構成している。腹側下部領域12FDおよび背側下部領域12RDは、腹側下部弾性部材15FDおよび背側下部弾性部材15RDが吸収性本体16に対して外側、すなわちバックシート17側に配置されており、胴周り部10Wの一部を構成している。
立体ギャザー21の前端部と後端部は、吸収性本体16上において、腹側下部領域12FDおよび背側下部領域12RDの股下部10C側の下端から腹側上部領域12FUおよび背側上部領域12RUの中程まで延在される。立体ギャザー21を構成するサイドシート21Sは、弾性部材21Eを挟み込むように折り返され、折り返しの前端部と後端部がシール部23でシールされる。
腹側上部領域12FUには、複数本の腹側上部弾性部材15FUが胴周り方向を長手方向としたシート間において、胴周り方向における左右両端部に亘って配置されている。背側上部領域12RUには、複数本の背側上部弾性部材15RUが胴周り方向を長手方向としたシート間において、胴周り方向における左右両端部に亘って配置されている。
また、腹側下部領域12FDには、複数本の腹側下部弾性部材15FDが胴周り方向を長手方向としたシート間において、胴周り方向における左右両端部に亘って配置されている。背側下部領域12RDには、複数本の背側下部弾性部材15RDが胴周り方向を長手方向としたシート間において、胴周り方向における左右両端部に亘って配置されている。これら弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDは、ウェストギャザーやタミーギャザーを構成し、腹漏れや背漏れの発生を抑制する。
図2(b)に示すように、腹側下部領域12FDおよび背側下部領域12RDは、吸収性本体16における被接着部16Aのバックシート17に直接接着されている。図2(a)に示すように、腹側下部弾性部材15FDは、被接着部16A上において、伸長していない状態、例えば切断された状態で配置されている。また、大半の背側下部弾性部材15RDは、被接着部16A上において、伸長していない状態、例えば切断された状態で配置されている。これにより、吸収性本体16は、腹側下部弾性部材15FDおよび背側下部弾性部材15RDの収縮に合わせて吸収性本体16が収縮しひだが形成されることを抑制することができる。これにより、吸収性本体16と肌との間に隙間を生じることを抑制でき、腹漏れや背漏れを抑制することができる。
複数本の背側下部弾性部材15RDのうちで背側上部領域12RUの近くにおいて背側上部領域12RUの下端部に沿って位置する複数本の背側下部弾性部材15RD1は、吸収体18の背側端部18R上において、伸長した状態、すなわち切断されていない状態で配置されている。したがって、背側下部弾性部材15RD1が配置された領域では、背側端部18Rにひだ16Bを形成することができる。ひだ16Bが形成された背側端部18Rでは、吸収体18の厚さをひだ16Bが形成されていない領域より厚くすることができる。
図2(b)に示すように、腹側上部領域12FUは、腹側上部弾性部材15FUをシートで挟み込んだ腹側内部弾性部27Fを備え、腹側下部領域12FDは、腹側下部弾性部材15FDをシートで挟み込んだ腹側外部弾性部28Fを備えている。さらに、腹側上部領域12FUおよび腹側下部領域12FDは、腹側上部領域12FUと腹側下部領域12FDとを一連に繋ぐ腹側外部シート部26Fとを備えている。
背側上部領域12RUも、背側上部弾性部材15RUをシートで挟み込んだ背側内部弾性部27Rを備え、背側下部領域12RDは、背側下部弾性部材15RDをシートで挟み込んだ背側外部弾性部28Rを備えている。さらに、背側上部領域12RUおよび背側下部領域12RDは、背側上部領域12RUと背側下部領域12RDとを一連に繋ぐ背側外部シート部26Rとを備えている。腹側外部シート部26Fおび背側外部シート部26Rは、肌とは反対側の最も外側に位置するとともに、胴回り開口部10Aの部分で内側に折り曲げられて最も肌側に位置するシートである。
腹側内部弾性部27Fおよび背側内部弾性部27Rでは、腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部弾性部材15RUが吸収性本体16の被接着部16Aに対して内側に位置する。そして、腹側内部弾性部27Fは、腹側外部シート部26Fと腹側シート27FAとで腹側上部弾性部材15FUを挟み込んで構成され、腹側上部領域12FUを構成している。背側内部弾性部27Rは、背側外部シート部26Rと背側シート27RAとで背側上部弾性部材15RUを挟み込んで構成され、背側上部領域12RUを構成している。腹側内部弾性部27Fおよび背側内部弾性部27Rにおいて、腹側シート27FAおよび背側シート27RAは、被接着部16Aのトップシート19に対して非接着とされる。腹側内部弾性部27Fにおいて、被接着部16Aの周囲の領域では、腹側シート27FAと腹側外部シート部26Fとが接着される。また、背側内部弾性部27Rにおいて、被接着部16Aの周囲の領域では、背側シート27RAと背側外部シート部26Rとが接着される。
腹側外部弾性部28Fおよび背側外部弾性部28Rでは、腹側下部弾性部材15FDおよび背側下部弾性部材15RDが吸収性本体16の被接着部16Aに対して外側に位置する。そして、腹側外部弾性部28Fは、腹側外部シート部26Fと腹側シート28FAとで腹側下部弾性部材15FDを挟み込んで構成され、腹側下部領域12FDを構成している。背側外部弾性部28Rは、背側外部シート部26Rと背側シート28RAとで背側下部弾性部材15RDを挟み込んで構成され、背側下部領域12RDを構成している。腹側外部弾性部28Fおよび背側外部弾性部28Rにおいて、腹側シート28FAおよび背側シート28RAは、被接着部16Aのバックシート17が接着剤25によって接着される。腹側シート28FAおよび背側シート28RAは、被接着部16Aのバックシート17の全面が接着剤25によって接着されていてもよいし、散点状やストライプ状に接着剤25が塗布されることによって接着されていてもよい。
ここで、図3(a)は、上部領域の接着領域を図2(a)に対応して示す平面図、図3(b)は、下部領域の接着領域を図2(a)に対応して示す平面図である。
図2(b)および図3(a)に示すように、腹側上部領域12FUにおいて、腹側外部シート部26Fにおける被接着部16Aのバックシート17が接着される領域が、第1接着領域22Aとなる。また、背側上部領域12RUにおいて、背側外部シート部26Rにおける被接着部16Aのバックシート17が接着される領域が、第1接着領域22Aとなる。
また、腹側上部領域12FUにおいて、腹側外部シート部26Fにおける第1接着領域22Aの周囲が、腹側シート27FAが接着される第2接着領域22Bとなる。また、背側上部領域12RUにおいて、背側外部シート部26Rにおける第1接着領域22Aの周囲が、背側シート27RAが接着される第2接着領域22Bとなる。第2接着領域22Bは、吸収性本体16の被接着部16Aが第1接着領域22Aに配置されることで、股下部10C側に向けて凹部形状となる。この凹部形状の内側部分において、腹側内部弾性部27Fは、被接着部16Aの肌側の内面に対して非接着部となる。これにより、腹側内部弾性部27Fの腹側シート27FAと吸収性本体16のトップシート19との間には、腹側ポケット30Fが構成される。また、背側内部弾性部27Rの背側シート27RAと吸収性本体16のトップシート19との間には、背側ポケット30Rが構成される。
これらポケット30F,30Rは、股下部10C側を開口端とし、腹や背の方向に移動する尿や便などの排泄物を収容できるように構成されている。また、第2接着領域22Bは、胴回り開口部10Aと被接着部16Aの前後方向の先端部との間に所定の幅を有する帯状領域34を備え、ポケット30F,30Rに収容された排泄物が胴回り開口部10Aの方へ漏れることを抑制している。
また、図3(b)に示すように、腹側下部領域12FDおよび背側下部領域12RDにおいて、腹側外部弾性部28Fおよび背側外部弾性部28Rは、吸収性本体16の被接着部16Aのバックシート17に対して接着される領域が第3接着領域22Cとなる。
図2(a)に示すように、一例として、腹側上部領域12FUの上下方向の長さL1は、背側上部領域12RUの上下方向の長さL3より長く形成されている。
一例として、腹側上部領域12FUの上下方向の長さL1は、腹側外装体12Fの上下方向の長さL2の1/2以上の長さを有している。そして、腹側上部領域12FUは、吸収体18の前後方向における腹側端部18Fと重なっている。つまり、腹側端部18Fは、腹側下部領域12FDに最も近い最下段の腹側上部弾性部材15FU(腹側上部領域12FUの下端)よりも胴回り開口部10A側に位置する。これにより、腹側ポケット30Fは、大きく深いものとなり、排泄物を収容するための容積を十分確保できる。また、腹側ポケット30Fに進入した尿などの排泄物は、腹側端部18Fを含む吸収体18で吸収することができる。
なお、腹側上部領域12FUの上下方向の長さL1の上限は、腹側ポケット30Fの開口端と尿を排出する陰部との位置が近くなり過ぎ、尿が腹側ポケット30Fに進入しにくくなることを防ぐためにも、腹側外装体12Fの上下方向の長さL2の4/5以下であることが好ましい。
また、背側上部領域12RUの上下方向の長さL3は、背側外装体12Rの上下方向の長さL4の1/2以下の長さを有している。これにより、背側ポケット30Rの開口端(背側上部領域12RU)の下端が臀部の割れ目の上側に位置するようにし、割れ目を伝った尿などの排泄物が背側ポケット30Rの開口端に進入しやすくする。なお、背側上部領域12RUの上下方向の長さL3の下限は、背側ポケット30Rとして機能させるための容量を確保するため、背側外装体12Rの上下方向の長さL4の1/5以上であることが好ましい。
また、背側上部領域12RUは、吸収体18の前後方向における背側端部18Rと重なっていない。つまり、背側端部18Rは、背側下部領域12RDに最も近い位置であって背側外部弾性部28Rの最下段に位置する背側上部弾性部材15RUと重ならない。そして、最下段の背側上部弾性部材15RU(背側上部領域12RUの下端)よりも股下部10C側に位置する。背側ポケット30Rの下側に位置する吸収性本体16の周辺部18Aより厚い吸収体18の背側端部18Rは、自身の厚さによって、背側端部18Rの近傍に段差を構成し、この段差によって空隙部35(図5参照)を形成する。この空隙部35は、背側ポケット30Rの開口端が臀部によって塞がれないようにする。
背側上部領域12RUの近くにおいて背側上部領域12RUの下端部に沿って位置する複数本の背側下部弾性部材15RD1は、吸収体18の背側端部18R上において、伸長した状態で配置され、背側端部18Rにひだ16Bを形成する。ひだ16Bは、上下方向に沿う溝形状を有し、吸収体18が膨潤したときでも、消えることのない程度のものである。そして、ひだ16Bが形成された背側端部18Rやその周辺部分では、ひだ16Bが形成されていない領域より厚みが増すことになる。これにより、空隙部35がより大きなものとなる。
以上、上記第1実施形態によれば以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)図4に示すように、乳幼児の体型は、腹部36側は股間部分において窪み部37を有しており、背部38側は、臀部39が出っ張っている。この点、腹側上部領域12FUの上下方向の長さL1は、腹側外装体12Fの上下方向の長さL2の1/2以上の長さを有している。換言すると、腹側上部領域12FUの上下方向の長さL1は、背側上部領域12RUの上下方向の長さL3より長く形成されている。したがって、腹側ポケット30Fは、大きく深いものとなり、排泄物を収容するための容積を十分確保でき、腹漏れの発生を抑制することができる。また、腹部36側の腹側ポケット30Fの開口端は、窪み部37の周辺に位置し、開きやすい状態となり、これに伴い、排泄物も腹側ポケット30F内に進入しやすくなる。
(2)腹側上部領域12FUの下端部は、吸収体18の前後方向における腹側端部18Fと重なっている。つまり、腹側端部18Fは、腹側上部領域12FUの下端部に存在し腹側下部領域12FDに最も近い最下段の腹側上部弾性部材15FUと重なり、当該腹側上部弾性部材15FUよりも胴回り開口部10A側に位置している。したがって、吸収体18の腹側端部18Fは、腹側ポケット30F内に位置する。このように、吸収体18の吸収面を無駄なく利用することで、腹側ポケット30F内に進入した尿などの排泄物を吸収体18で吸収することができる。この点でも、腹漏れの発生を抑制することができる。
(3)背部38側では、背側上部領域12RUの上下方向の長さL3は、背側外装体12Rの上下方向の長さL4の1/2以下の長さで短く、臀部の割れ目38aの上側に位置する。換言すると、背側上部領域12RUの上下方向の長さL3は、腹側上部領域12FUの上下方向の長さL1より短く形成されている。したがって、背側ポケット30Rには、割れ目38aを伝った尿などの排泄物が進入しやすくなり、背漏れの発生を抑制することができる。
(4)背部38側の背側ポケット30Rの開口端は、一般に、出っ張った臀部39によって押圧されることで塞がりやすく、排泄物が背側ポケット30R内に流入しにくくなる傾向にある。この点、図5に示すように、背側上部領域12RUの下端部は、吸収体18の背側端部18Rと重なっていない。つまり、背側端部18Rは、背側上部領域12RUの下側に存在し背側下部領域12RDに最も近い最下段の背側上部弾性部材15RUと重ならず、当該背側上部弾性部材15RUよりも股下部10C側に位置する。背側外装体12Rは、着用者が仰向けの姿勢でいるとき、出っ張った臀部39により押圧される。この点、背側ポケット30Rの下側に位置する吸収性本体16の周辺部18Aより厚い背側端部18Rは、自身の厚さによって、背側端部18Rの近傍に段差を構成し、この段差によって空隙部35を形成する。したがって、背部38側の背側ポケット30Rの開口端は、臀部39によって塞がれることなく、排泄物を背側ポケット30R内に案内することができ、背漏れの発生を抑制することができる。
(5)図5に示すように、背側端部18Rと最下段に位置する背側上部弾性部材15RUとの間隔Cは、背側端部の厚さTの3倍以下であることが好ましい。さらに、2倍以下であることが好ましい。これにより、空隙部35を確実に形成することができる。なお、空隙部35を形成するためには、背側上部弾性部材15RUとの間隔Cは、背側端部の厚さTの少なくとも0.5倍以上であることが好ましい。一例として、間隔Cは、15mm以下が好ましい。ここで言う背側端部18Rの厚さTは、自由状態(無負荷状態)の厚さであって、一例として、最も背側上部領域12RUに近い背側下部弾性部材15RD1の真上の厚さである。なお、背側下部弾性部材15RD1も他の背側下部弾性部材15RDと同様切断しているときには、ひだ16Bが形成されないことから、厚さTは、背側端部18Rの何れの位置の厚さでもよい。
(6)背側端部18Rと最下段に位置する背側上部弾性部材15RUとの間隔Cは、背側外装体12Rの上下方向おける長さL4の20%以下であることが好ましい。これにより、空隙部35を確実に形成することができる。なお、空隙部35を形成するためには、背側上部弾性部材15RUとの間隔Cは、背側外装体12Rの上下方向おける長さL4の少なくとも3%以上であることが好ましい。一例として、間隔Cは、15mm以下が好ましい。
(7)背側下部領域12RDにおける背側上部領域12RUに沿って位置する一部の1本または複数本の背側下部弾性部材15RD1は、伸長状態で配置されている。したがって、背側ポケット30Rの開口端の近くには、ひだ16Bを形成することができる。ひだ16Bが形成された背側端部18Rでは、ひだ16Bが形成されていないときよりも一層厚みが増す。これにより、一層空隙部35をより大きなものとすることができ、背側ポケット30Rの開口端が閉塞されにくくすることができる。
(8)腹側上部領域12FUおよび背側上部領域12RUでは、吸収性本体16の被接着部16Aに対して、腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rが接着される。すなわち、腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部弾性部材15RUやこれら弾性部材が貼着されたシートが直接被接着部16Aに接着されないので、腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部弾性部材15RUが自由に伸縮することができる。したがって、腹側上部領域12FUと背側上部領域12RUと肌との密着性が良くなり、また、着用者の動きに対する追従性を良くすることができる。この結果、腹漏れや背漏れの発生を抑制することができる。また、腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部弾性部材15RUの伸縮が制限されないことで、腹側上部領域12FUおよび背側上部領域12RUにおける肌触りを良くすることができる。
(9)腹側下部弾性部材15FDは、被接着部16A上において、伸長していない状態、例えば切断された状態で配置されている。また、大半の背側下部弾性部材15RDは、被接着部16A上において、伸長していない状態、例えば切断された状態で配置されている。これにより、吸収性本体16は、腹側下部弾性部材15FDおよび背側下部弾性部材15RDの収縮に合わせて吸収性本体16が収縮しひだが形成されることはない。したがって、吸収性本体16と肌との間に隙間を生じることを抑制でき、腹漏れや背漏れを抑制することができる。なお、背側ポケット30Rの開口端の近くには、背側下部弾性部材15RD1によってひだ16Bが形成されるが、形成されるひだ16Bの数は僅かである。したがって、ひだ16Bが腹漏れや背漏れを起こす原因となるものではない。
(10)腹側ポケット30Fおよび背側ポケット30Rの周囲において、腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rと腹側シート27FAおよび背側シート27RAとが直接接着され、第2接着領域22Bが大面積となる。したがって、接着領域から排泄物が漏れることを抑制することができる。また、第2接着領域22Bは、胴周り開口部10Aと腹側ポケット30Fおよび背側ポケット30Rとの間の帯状領域34も含む。したがって、腹側ポケット30Fおよび背側ポケット30Rの中に収容された排泄物が胴回り開口部10Aの方へ漏れることを抑制することができる。
(11)腹側ポケット30Fおよび背側ポケット30Rは、吸収性本体16の幅と同じ大きさとなる。すなわち、被接着部16Aの一部が接着領域として用いられることはない。したがって、腹側ポケット30Fおよび背側ポケット30Rが小さくなることを抑制することができる。
(12)腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rで吸収性本体16を覆うことができるので意匠を良くすることができる。
(13)腹側上部領域12FUおよび腹側下部領域12FDが腹側外部シート部26Fで一連に構成されている。また、背側上部領域12RUおよび背側下部領域12RDが背側外部シート部26Rで一連に構成されている。したがって、左右両側の接合部11の近傍における境界部分に、上部領域と下部領域とを2分割したときに形成される隙間が生じない。したがって、おむつ10を履く際にも、脚が上部領域と下部領域との間の隙間に進入してしまうことがなくなり、おむつ10が履きにくくなることを抑制することができる。
(14)おむつ10を脱がせる際には、接合部11を破ることになる。接合部11においても、上部領域と下部領域とに分離されていないので、1回の作業で、接合部11を破ることができる。
(15)腹側上部領域12FUおよび腹側下部領域12FDにおいて、一連の腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rが胴回り開口部10Aで折り返されて最も肌側の位置から最も外側の位置に跨って配設される。したがって、腹側ポケット30Fおよび背側ポケット30Rに収容された排泄物が胴回り開口部10Aから外部へ漏れることも抑制できる。
〔第2実施形態〕
図6に示すように、第2実施形態のおむつ40は、腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rが最も外側に位置し、腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部弾性部材15RUが一連の腹側シート27FAおよび背側シート27RAで挟み込まれた構成を有している。なお、図6において、右側がおむつ装着者の肌側となる。
以上のようなおむつ40にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(16)腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部弾性部材15RUを一連の腹側シート27FAおよび背側シート27RAで挟み込むので、部品点数の削減と生産効率の向上を実現できる。
〔第3実施形態〕
図7に示すように、第3実施形態のおむつ50は、腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部弾性部材15RUを別々の2枚の腹側シート27FAおよび背側シート27RAで挟み込み、さらに、当該2枚の腹側シート27FAおよび背側シート27RAは、ともに腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rとも別々になっている。なお、図7において、右側がおむつ装着者の肌側となる。
以上のようなおむつ50にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(17)腹側外部シート部26F、背側外部シート部26R、腹側シート27FA、および、背側シート27RAの各々を別々に使用しているので、腹側外部シート部26F、背側外部シート部26R、腹側シート27FA、および、背側シート27RAのそれぞれを有効に利用することができる。例えば、これらのシートに異なる材質のシートを使用することができる。この場合、一例として、肌と接する腹側シート27FA、および、背側シート27RAには、柔らかいシートを使用し、最外に位置する腹側外部シート部26F、および、背側外部シート部26Rには、耐水性や耐久性に富む硬めのシートを使用することができる。
〔第4実施形態〕
図8に示すように、第4実施形態のおむつ60は、最も外側に位置する腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rとが1枚のシートで構成されている。なお、図8において、右側がおむつ装着者の肌側となる。
以上のようなおむつ60にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(18)腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rとが1枚の外部シート26で構成されているので部品点数を削減することができる。
〔第5実施形態〕
図9に示すように、第5実施形態のおむつ70は、腹側外装体12Fにおいて、1枚の腹側外部シート部26Fが腹側上部弾性部材15FUおよび腹側下部弾性部材15FDを挟み込んでいる。また、背側外装体12Rにおいて、1枚の背側外部シート部26Rが背側上部弾性部材15RUおよび背側下部弾性部材15RDを挟み込んでいる。また、腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rは、肌とは反対側の最も外側に位置するとともに、胴回り開口部10Aで折り返されて最も肌側に位置している。外側では、腹側下部領域12FDおよび背側下部領域12RDから腹側上部領域12FUおよび背側上部領域12RUに亘って延在し、腹側外部弾性部28Fおよび背側外部弾性部28Rの股下部10C側の端部で内側に折り曲げられている。内側では、腹側内部弾性部27Fおよび背側内部弾性部27Rの股下部10C側の端部分で内側に折り曲げられている。なお、図9において、右側がおむつ装着者の肌側となる。
以上のようなおむつ70にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(19)腹側外装体12Fにおいて、1枚の腹側外部シート部26Fを使用するだけですみ、また、背側外装体12Rにおいて、1枚の背側外部シート部26Rを使用するだけですむので、部品点数を削減することができるとともに、製造工程を簡素化することができる。
〔第6実施形態〕
図10に示すように、第6実施形態のおむつ80は、第5実施形態のおむつ70では各々が1枚で構成された腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rの端部が内側に折り返されていたのに対して、腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rの端部が外側に折り返されている。なお、図10において、右側がおむつ装着者の肌側となる。以上のようなおむつ80にあっても、第5実施形態のおむつ70と同様な効果を得ることができる。
〔第7実施形態〕
図11に示すように、第7実施形態のおむつ90は、図6に示した第2実施形態のおむつ40の変形例であり、腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rが最も外側に位置し、腹側下部弾性部材15FDおよび背側下部弾性部材15RDを挟み込む構成を有している。また、腹側内部弾性部27Fおよび背側内部弾性部27Rは、1枚の腹側シート27FAおよび背側シート27RAによって挟まれる。なお、図12において、右側がおむつ装着者の肌側となる。
以上のようなおむつ90にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(20)1枚の腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rによって腹側外部弾性部28Fおよび背側外部弾性部28Rが構成されるので、腹側外部弾性部28Fおよび背側外部弾性部28Rの部品点数の削減と生産効率の向上を実現できる。
〔第8実施形態〕
図12に示すように、第8実施形態のおむつ91は、第7実施形態のおむつ90の腹側内部弾性部27Fと背側内部弾性部27Rの向きを上下逆にしたものであり、折曲された腹側シート27FAおよび背側シート27RAの折れ目を胴回り開口部10A側にし、折れ目と反対側の端部を股下部10C側にしたものである。なお、図12において、右側がおむつ装着者の肌側となる。このようなおむつ91によっても、第7実施形態のおむつ90と同様な効果を得ることができる。
〔第9実施形態〕
図13に示すように、第9実施形態のおむつ100は、胴回り開口部10Aが腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rと腹側内部シート部29Fおよび背側内部シート部29Rとによって二重シート構造となっている。おむつ100を着用者に着用させるとき、作業者は、腹側ポケット30Fおよび背側ポケット30Rの開口端に指を引っかけて、おむつ100を上側に上げる作業を行う。このため、胴回り開口部10Aの近傍のシートに引っ張り力が作用し、当該箇所が破け破損するおそれがある(図13中A部参照)。そこで、おむつ100は、胴回り開口部10Aのシート構造を二重構造として強度を高めるようにしている。なお、図13において、右側がおむつ装着者の肌側となる。おむつ100では、腹側外部シート部26Fと腹側内部シート部29Fとが接着剤25Aによって接着され、互いの位置がずれないようにしている。
以上のようなおむつ100にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(21)胴回り開口部10Aの周辺において、腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rと腹側内部シート部29Fおよび背側内部シート部29Rとによって二重シート構造となり、強度を高めることができる。したがって、おむつ100を履かせるとき、指を腹側ポケット30Fおよび背側ポケット30Rに引っかけておむつ100を引き上げても、引っ張り力によって、胴回り開口部10Aの周辺に穴などが開くなどして破損することを抑制することができる。
〔第10実施形態〕
以上説明した第1実施形態のおむつ10では、胴回り開口部10Aの周辺において、帯状領域34を設けている(図2(a),図3(a)参照)。図14(a)および(b)に示すように、第10実施形態のおむつ110では、被接着部16Aの前後方向の先端部を胴回り開口部10Aの開口端に沿う位置に配置する。これにより、腹側ポケット30Fおよび背側ポケット30Rを深く大きいものとすることができ、より多くの排泄物を受容することができる。このようなおむつは、上述したおむつ40,50,60,70,80,90,91,100にも適用可能である。
なお、上記実施形態は以下のように適宜変更して実施することもできる。
・背側下部弾性部材15RDは、被接着部16A上において、全て切断されていてもよい。これによれば、ひだ16Bが形成されず、背側外部弾性部28Rの肌に対する密着性を高めることができる。また、背側下部弾性部材15RDは、全て伸長した状態で配置されていてもよい。この場合、ひだ16Bが多く形成されることで、吸収体18の背側端部18Rを含む背側の被接着部16Aを厚くすることができる。したがって、空隙部35を確実に形成することができる。また、ひだ16Bは、案内溝となって、尿などの排泄物を背側ポケット30Rの開口端の方向に誘導することができる。
・空隙部35を確実に形成できるのであれば、背側端部18Rと最下段に位置する背側上部弾性部材15RUとの間隔Cは、背側外装体12Rの上下方向おける長さL4の20%以下でなくてもよい。
・空隙部35を確実に形成できるのであれば、背側端部18Rと最下段に位置する背側上部弾性部材15RUとの間隔Cは、背側端部の厚さTの3倍以下でなくてもよい。
・腹側上部領域12FUは、吸収体18の前後方向における腹側端部18Fと重なっていれば、腹側端部18Fは、腹側下部領域12FDに最も近い最下段の腹側上部弾性部材15FUと重なっていなくてもよい。
・背側上部領域12RUは、背側端部18Rが背側外部弾性部28Rの最下段に位置する背側上部弾性部材15RUと重ならないのであれば、背側端部18Rと重なってもよい。例えば、最下段に位置する背側上部弾性部材15RUより下側に、シートだけが重なったシート下端部が存在する場合、背側端部18Rは、臀部39が背側ポケット30Rの開口端を塞がない程度にシート下端部と重なっていてもよい。
・ポケット30F,30Rの形状は、股下部10C側に開口端を備えていれば、それ以外の形状は特に限定されるものではない。例えば、ポケット30F,30Rは、例えばポケット30F,30Rの開口端の幅が狭まった全体がΩ形状を有し、開口端が股下部10C側を向いていてもよい。これにより、ポケット30F,30Rに入った排泄物が逆戻りすることを抑制することができる。また、ポケット30F,30Rの開口端の幅が胴回り開口部10A側の辺より広くてもよい。これにより、ポケット30F,30Rに対して排泄物を入りやすくすることができる。
・腹側上部領域12FUと腹側下部領域12FDとは、腹側外部シート部26Fで繋がっていなくてもよい。また、背側上部領域12RUと背側下部領域12RDとは、背側外部シート部26Rで繋がっていなくてもよい。
・吸収性本体16に対して内側に位置する腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部領域12RUが配置された領域と外側に位置する腹側下部弾性部材15FDおよび背側下部弾性部材15RDが配置された領域とは、上下方向に同じ位置にあってもよいし、上下方向において重なっていてもよい。
・腹側外装体12Fおよび背側外装体12Rを構成するシートは、液不透過性であってもよいし、液透過性であってもよい。
・使い捨ておむつとしては、テープ型のおむつであってもよい。また、乳幼児用又は介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用の使い捨ておむつであってもよい。
10…おむつ、10A…胴周り開口部、10C…股下部、10F…前身頃、10L…脚周り開口部、10R…後身頃、10W…胴周り部、11…接合部、12F…腹側外装体、12FD…腹側下部領域、12FU…腹側上部領域、12R…背側外装体、12RD…背側下部領域、12RU…背側上部領域、15FD…腹側下部弾性部材、15FU…腹側上部弾性部材、15RD…背側下部弾性部材、15RD1…背側下部弾性部材、15RU…背側上部弾性部材、16…吸収性本体、16A…被接着部、17…バックシート、18…吸収体、18A…周辺部、18F…腹側端部、18R…背側端部、19…トップシート、21…立体ギャザー、21E…弾性部材、21S…サイドシート、22A…第1接着領域、22B…第2接着領域、22C…第3接着領域、23…シール部、25…接着剤、25A…接着剤、26…外部シート、26F…腹側外部シート部、26R…背側外部シート部、27F…腹側内部弾性部、27FA…腹側シート、27R…背側内部弾性部、27RA…背側シート、28F…腹側外部弾性部、28FA…腹側シート、28R…背側外部弾性部、28RA…背側シート、29F…腹側内部シート部、29R…背側内部シート部、30F…腹側ポケット、30R…背側ポケット、34…帯状領域、35…空隙部、36…腹部、37…窪み部、38…背部、38a…割れ目、39…臀部。

Claims (6)

  1. 腹部を覆う腹側外装部と、
    背部を覆う背側外装部と、
    前記腹側外装部と前記背側外装部との間に延在する吸収体を備える吸収性本体であって、前後方向における前記吸収性本体の両端部に、前記腹側外装部および前記背側外装部と重なる被接着部を備えた前記吸収性本体とを備え、
    前記腹側外装部は、腹側上部領域と、前記腹側上部領域よりも股下側に位置する腹側下部領域とを備え、
    前記背側外装部は、背側上部領域と、前記背側上部領域よりも前記股下側に位置する背側下部領域とを備え、
    前記腹側上部領域および前記背側上部領域の各々は、内部弾性部を備え、前記内部弾性部は、上部弾性部材と、前記上部弾性部材を挟むシートとを含み、前記上部弾性部材は、前記吸収性本体よりも肌側となる内側に位置し、
    前記腹側下部領域および前記背側下部領域の各々は、外部弾性部を備え、前記外部弾性部は、下部弾性部材と、前記下部弾性部材を挟むシートとを含み、前記下部弾性部材は、前記吸収性本体よりも外側に位置し、
    前記各内部弾性部は、前記被接着部に対して非接着とされ、かつ、前記被接着部の周囲において前記吸収性本体より外側に位置する外部シート部に対して接着されることで、開口端が前記股下側を向くポケットを前記被接着部上に構成し、前記各外部弾性部は、前記被接着部に対して接着されており、
    前記吸収体の腹側端部は、前記腹側上部領域の下端部より上側に位置し、
    前記吸収体の背側端部は、前記背側上部領域の下端部において、最下段に位置する背側の前記上部弾性部材より前記股下側に位置している吸収性物品。
  2. 前記腹側上部領域の上下方向の長さは、前記背側上部領域の上下方向の長さより長く形成されている
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記腹側端部は、前記腹側上部領域の下端部において、少なくとも最下段に位置する腹側の前記上部弾性部材と重なり、
    前記背側端部は、前記背側上部領域の下端部より前記股下側に位置する
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記背側端部と前記最下段に位置する背側の前記上部弾性部材との間隔は、前記背側端部の厚さの3倍以下である
    請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記背側端部と前記最下段に位置する背側の前記上部弾性部材との間隔は、前記背側外装部の上下方向おける長さの20%以下である
    請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記背側下部領域における前記下部弾性部材は、複数本で構成され、
    前記複数本の前記下部弾性部材のなかで前記吸収体と重なる一部の前記下部弾性部材は、伸長状態で配置されている
    請求項1ないし5のうち何れか1項に記載の吸収性物品。
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