WO2017138360A1 - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

使い捨ておむつは、第１外装部（１２Ｆ）と、第２外装部（１２Ｒ）と、立体ギャザー（２１）を有する吸収性本体（１６）とを備える。第１外装部（１２Ｆ）と第２外装部（１２Ｒ）とは胴周り部（１０Ｗ）を形成する。第１外装部（１２Ｆ）と第２外装部（１２Ｒ）のうちの少なくとも一方は、上部領域（１２Ｕ）と、上部領域（１２Ｕ）の下側において上部領域（１２Ｕ）に隣接する下部領域（１２Ｄ）とを備える。上部領域（１２Ｕ）は、上部伸縮部材（１５Ｕ）を備え、下部領域（１２Ｄ）は、下部伸縮部材（１５Ｄ）を備え、上部伸縮部材（１５Ｕ）は、吸収性本体（１６）に対して胴周り部（１０Ｗ）の内側に配置されており、下部伸縮部材（１５Ｄ）は、吸収性本体（１６）に対して胴周り部（１０Ｗ）の外側に配置されており、立体ギャザー（２１）の前後方向における端部の位置が胴周り部（１０Ｗ）の下端より上側の領域にある。

Description

使い捨ておむつ

　本発明は、伸縮部材を備える外装部を有する使い捨ておむつに関する。

　特許文献１に示すように、使い捨ておむつは、前身頃を構成する第１外装部と、後身頃を構成する第２外装部と、第１外装部に接合された前端部と第２外装部に接合された後端部とを有する吸収性本体と、から構成されている。吸収性本体が２つに折曲され、第１外装部の胴周り方向の両端部が、第２外装部の胴周り方向の両端部にそれぞれ接合されている。第１外装部と第２外装部とは胴周り部を形成し、第１及び第２外装部とそれら外装部に接合された吸収性本体とが脚周り開口部を形成する。胴周り部に胴周り方向に沿って糸ゴムなどの伸縮部材が配置されている。また、吸収性本体は、肌と接触する内面の両側縁端部に配置されて前後方向に延びる立体ギャザーを備えている。立体ギャザーは、装着時において、脚周り開口部に位置する。

特開２００６－２６３３０６号公報

　特許文献１の使い捨ておむつでは、外装部の伸縮部材が吸収性本体に対して外側、すなわち肌とは反対側に位置している。この場合、外装部が伸縮部材によって胴周り方向に収縮することに合わせて、吸収性本体も、外装部と重なる部分や当該部分と近い部分において、同方向に細かいひだ状の折り目を付けるように収縮し、吸収性本体と肌との間に隙間を生じてしまう。この隙間は、排泄物が腹部から漏れる腹漏れや背部から漏れる背漏れの原因となる。

　使い捨ておむつには、上述の例とは逆に、伸縮部材が、吸収性本体に対して内側、すなわち肌に向き合う側に位置したものも知られている。この場合、胴周り部においては、上述した隙間が生じにくく、肌と外装部との密着性が向上し、腹漏れや背漏れを抑制することができる。しかしながら、伸縮部材が吸収性本体に対して内側に位置しているため、使用時、吸収性本体は、肌とは反対の外側に向かって凸状に湾曲する。そのため、吸収性本体の内面において立体ギャザーは、肌から離れて肌に密着しにくくなり、脚周りに隙間を生じてしまう。この隙間は、排泄物が脚周りから漏れる漏れの原因となる。

　本発明は、胴周りからの漏れを抑制しつつ、脚回りからの漏れを抑制することを可能とした使い捨ておむつを提供することを目的とする。

　上記課題を解決するための使い捨ておむつは、前身頃を構成する第１外装部と、後身頃を構成する第２外装部と、股下部を構成する吸収性本体であって、前記第１外装部及び前記第２外装部と重なり且つ接着される前後方向における両端部を有するとともに、肌と接触する内面の両側縁部において、前記前後方向に延びる立体ギャザーを備えた前記吸収性本体とを備え、前記第１外装部と前記第２外装部とは胴周り部を形成し、前記第１外装部の胴周り方向の両端部が前記第２外装部の両端部にそれぞれ接続されており、前記第１外装部と前記第２外装部のうちの少なくとも一方は、上部領域と、前記上部領域の下側において前記上部領域に隣接する下部領域とを備え、前記上部領域は、前記胴周り方向に伸縮する上部伸縮部材を備え、前記下部領域は、前記胴周り方向に伸縮する下部伸縮部材を備え、前記上部伸縮部材は、前記吸収性本体に対して前記胴周り部の内側に配置されており、前記下部伸縮部材は、前記吸収性本体に対して前記胴周り部の外側に配置されており、前記立体ギャザーの前後方向における端部の位置が前記胴周り部の下端より上側の領域にある。

本発明の使い捨ておむつを具体化した第１実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの斜視図。 （ａ）は、第１実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、（ｂ）は、（ａ）の２Ｂ－２Ｂ断面図、（ｃ）は、上部領域の接着領域を（ａ）に対応して示す平面図、（ｄ）は、下部領域の接着領域を（ａ）に対応して示す平面図。 （ａ）は、第２実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、（ｂ）は、（ａ）の３Ｂ－３Ｂ断面図、（ｃ）は、上部領域の接着領域を（ａ）に対応して示す平面図、（ｄ）は、下部領域の接着領域を（ａ）に対応して示す平面図。 （ａ）は、第３実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、（ｂ）は、（ａ）の４Ｂ－４Ｂ断面図、（ｃ）は、上部領域の接着領域を（ａ）に対応して示す平面図、（ｄ）は、下部領域の接着領域を（ａ）に対応して示す平面図。 （ａ）は、第４実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、（ｂ）は、（ａ）の５Ｂ－５Ｂ断面図、（ｃ）は、上部領域の接着領域を（ａ）に対応して示す平面図、（ｄ）は、外側に位置する外装シートの接着領域を（ａ）に対応して示す平面図。 （ａ）は、第５実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、（ｂ）は、（ａ）の６Ｂ－６Ｂ断面図、（ｃ）は、上部領域における吸収性本体と上部外装体との関係を（ａ）に対応して示す平面図、（ｄ）は、外側に位置する外装シートの接着領域を（ａ）に対応して示す平面図。 （ａ）は、第６実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、（ｂ）は、（ａ）の７Ｂ－７Ｂ断面図、（ｃ）は、上部領域の接着領域を（ａ）に対応して示す平面図、（ｄ）は、外側に位置する外装シートの接着領域を（ａ）に対応して示す平面図。

　〔第１実施形態〕
　図１～図２（ｄ）を参照して本発明における使い捨ておむつを具体化した一実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつについて説明する。

　図１に示すように、パンツ型使い捨ておむつ１０（以下、単に「おむつ１０」という。）は、人体の腹部形状に追従する形状を有する前身頃１０Ｆと、人体の背部形状に追従する形状を有する後身頃１０Ｒと、前身頃１０Ｆおよび後身頃１０Ｒを繋ぐ股下部１０Ｃとを備える。

　前身頃１０Ｆと後身頃１０Ｒとは、人体の胴周りの部分を取り囲む胴周り部１０Ｗを構成し、胴周り部１０Ｗは、上下方向において股下部１０Ｃと反対側に位置しており、上端に胴周り開口部１０Ａを備えている。また、前身頃１０Ｆにおける左右両側部分、後身頃１０Ｒにおける左右両側部分、および、股下部１０Ｃにおける左右両端部は、人体の太股部分を取り囲む形状を有した左右一対の脚周り開口部１０Ｌを形成している。また、胴周り方向において前身頃１０Ｆの両端部と後身頃１０Ｒの両端部とは、接合部１１を形成するように互いに接合されている。

　図２（ａ）は、パンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、図２（ｂ）は、図２（ａ）の２Ｂ－２Ｂ断面図である。図２（ｂ）において、右側がおむつ装着者の肌に向き合う側となる。前身頃１０Ｆは、第１外装部としての第１外装体１２Ｆで構成され、後身頃１０Ｒは、第２外装部としての第２外装体１２Ｒで構成されている。以下、第１外装体１２Ｆ及び第２外装体１２Ｒをそれぞれ単に外装体１２と称する場合がある。

　外装体１２は、胴周り方向を長手方向とした矩形形状を有しており、上部外装体１２Ｕと下部外装体１２Ｄとを備える。上部外装体１２Ｕ及び下部外装体１２Ｄの各々は、外装シート１３と、外装シート１４と、外装シート１３と外装シート１４との間に挟まれた伸縮部材１５（１５Ｕ，１５Ｄ）と、を備える。図２（ｂ）に示すように、上部外装体１２Ｕは、一連である外装シート１３と外装シート１４とを有する。詳細には、外装シート１３及び外装シート１４は、２つ折りにされた１枚のシートである。下部外装体１２Ｄは、互いに別体である外装シート１３と外装シート１４とを有する。上部外装体１２Ｕ及び下部外装体１２Ｄの各々において、外装シート１３と外装シート１４とは、一連の単一のシートであっても別体であってもよい。

　外装シート１３と外装シート１４とは、良好な手触りを得るために薄い不織布が用いられている。外装シート１３は、内側、すなわち着用者の肌に向き合う側に位置し、外装シート１４は、外側に位置する。一例として、不織布としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維からなる不織布を挙げることができる。外装シート１３と外装シート１４とは、液不透過性であってもよいし、液透過性であってもよい。

　伸縮部材１５は、天然ゴム、合成ゴム、ウレタンなどから選ばれる１つ以上の材料により形成された弾性体であり、糸状、紐状、ネット状、平型形状に形成されている。伸縮部材１５は、複数本が互いに平行に、胴周り方向に沿って延びている。

　第１外装体１２Ｆと第２外装体１２Ｒとは、股下部１０Ｃを構成する吸収性本体１６で連結される。吸収性本体１６は、前後方向を長手方向とした矩形形状を有している。吸収性本体１６は、液不透過性を有したバックシート１７と、吸収体１８と、液透過性を有したトップシート１９とを備える。おむつ１０において、トップシート１９は、着用者の肌と接するように内側に配置され、バックシート１７は、外側に配置される。そして、おむつ１０において、外側から、バックシート１７、吸収体１８、トップシート１９の順に重なっている。さらに、バックシート１７の外側には、手触り感を向上させるために、不織布を配置してもよい。

　バックシート１７を形成する材料は、例えば、液不透過性を有したポリエチレン樹脂製のフィルムである。バックシート１７は、通気性を確保するため、微細孔が多数形成されている。トップシート１９を形成する材料は、例えば、織布、不織布、多孔性フィルムなどから選ばれる１以上の材料である。また、トップシート１９は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維であって親水化処理が施された繊維から構成される液透過性を有した不織布などが用いられる。

　吸収体１８は、前身頃１０Ｆ、股下部１０Ｃ、および、後身頃１０Ｒに跨るように細長い帯形状を有している。吸収体１８を形成する材料は、例えば、フラップパルプ、高吸収性ポリマー、親水性シートなどの吸収性材料である。そして、吸収体１８は、コアラップによって包まれ、バックシート１７とトップシート１９との間に配置され接合される。

　吸収性本体１６には、トップシート１９の両側縁端部に配置されて前後方向に延びる立体ギャザー２１を備えている。立体ギャザー２１は、サイドシート２１Ｓと、サイドシート２１Ｓに沿って配置された伸縮部材２１Ｅと、を備えている。具体的に、サイドシート２１Ｓは、液不透過性を有した不織布などを含んだ前後方向に延びる長尺のシート体である。サイドシート２１Ｓは、第１外装体１２Ｆと重なる前端部と、第２外装体１２Ｒと重なる後端部と、を有する。サイドシート２１Ｓは、伸縮部材２１Ｅが収縮した際に、トップシート１９から着用者の肌に向かって立ち上がり、脚回り開口部１０Ｌの周囲に位置する。

　図２（ｂ）に示すように、第１外装体１２Ｆおよび第２外装体１２Ｒの各々は、上部領域における上部外装体１２Ｕと下部領域における下部外装体１２Ｄとに分割されている。上部外装体１２Ｕは、吸収性本体１６に対して内側、すなわちトップシート１９に向き合う側に配置される。下部外装体１２Ｄは、吸収性本体１６に対して外側、すなわちバックシート１７に向き合う側に配置される。立体ギャザー２１は、下部外装体１２Ｄ及び上部外装体１２Ｕのうち少なくとも下部外装体１２Ｄと重なるように延在されている。図２（ａ）に示すように、立体ギャザー２１は、下部外装体１２Ｄと上部外装体１２Ｕとの境界部分にまで延在される。したがって、立体ギャザー２１は、肌に密着するように、下部外装体１２Ｄによって押さえられる。立体ギャザー２１のサイドシート２１Ｓは、伸縮部材２１Ｅを挟み込むように折り返され、折り返されたサイドシート２１Ｓの前端部と後端部とがそれぞれシール部２３でシールされる。

　また、上部外装体１２Ｕにおける上部伸縮部材１５Ｕは、外装シート１３，１４の間において、胴周り方向における外装シート１３，１４の長さ全体に亘って延びており、上部外装体１２Ｕと肌との密着性を高めている。外装シート１３，１４の長手方向は、胴周り方向に一致している。これに対して、下部外装体１２Ｄにおける下部伸縮部材１５Ｄは、吸収性本体１６（特に吸収体１８）と下部外装体１２Ｄとが重ならない領域である非重なり領域にのみ配置され、吸収性本体１６（特に吸収体１８）と下部外装体１２Ｄとが重なる領域である重なり領域には配置されていない。或いは、下部伸縮部材１５Ｄは、重なり領域において、伸長していない状態で存在していてもよい。言い換えると、下部伸縮部材１５Ｄは、重なり領域において、弛んだ状態（すなわち収縮した状態）で配置されていてもよい。これは、外装シート１３，１４の間において伸長された状態で配置された下部伸縮部材１５Ｄを外装体１２に貼り付けた後、当該下部伸縮部材１５Ｄを、重なり領域において切断することで実現することができる。これにより、重なり領域およびその周辺領域において、吸収性本体１６が下部伸縮部材１５Ｄの収縮に合わせて細かいひだ状の折り目を付けるように収縮して吸収性本体１６と肌との間に隙間を生じることを抑制できる。

　上部伸縮部材１５Ｕは、胴周り部１０Ｗの胴周り開口部１０Ａに近い部分ではウェストギャザーを構成し、下部伸縮部材１５Ｄは、シャーリングギャザーを構成する。胴周り方向と直交する高さ方向における幅の寸法は、上部外装体１２Ｕの方が下部外装体１２Ｄより広い。詳しくは、上部外装体１２Ｕの胴周り方向と直交する高さ方向の寸法は、外装体１２の全体の寸法の半分より若干大きくなるように設定される。おむつ１０は、下部外装体１２Ｄより締まりの強い上部外装体１２Ｕの寸法を大きくすることで、腹漏れや背漏れを発生しにくくしている。

　図２（ｃ）に示すように、上部外装体１２Ｕは、吸収性本体１６に対してホットメルト接着剤２２により上部接着領域２２Ｕにおいて接着される。上部接着領域２２Ｕは、吸収性本体１６が上部外装体１２Ｕと重なる全領域である。図２（ｄ）に示すように、下部外装体１２Ｄは、吸収性本体１６に対してホットメルト接着剤２２により下部接着領域２２Ｄにおいて接着される。下部接着領域２２Ｄは、吸収性本体１６が下部外装体１２Ｄと重なる全領域である。そして、上部外装体１２Ｕと下部外装体１２Ｄとは、上部外装体１２Ｕの下端部と下部外装体１２Ｄの上端部とが胴回り方向と直交する前後方向から見て同じ位置に揃うよう、吸収性本体１６の２つの面にそれぞれ配置される。これによって、上部外装体１２Ｕと下部外装体１２Ｄとの間に隙間が生じない。

　以上、上記第１実施形態によれば以下に列挙する効果を得ることができる。
　（１）外装体１２の上部領域において、すなわち、上部外装体１２Ｕにおいて、上部伸縮部材１５Ｕは、吸収性本体１６に対して内側に位置しているので、胴周り部１０Ｗにおいて、上部外装体１２Ｕと肌との密着性を向上させることができる。これにより、腹漏れや背漏れを抑制することができる。

　（２）外装体１２の下部領域において、すなわち、下部外装体１２Ｄにおいて、下部伸縮部材１５Ｄは、吸収性本体１６に対して外側に位置している。そして、下部領域において、吸収性本体１６の肌と接触する内面側に位置する立体ギャザー２１は、下部伸縮部材１５Ｄによって、着用者の肌に向かって押さえつけられ、隙間が吸収性本体１６と脚との間に生じにくくなり、脚回り開口部１０Ｌからの漏れを抑制することができる。

　（３）下部伸縮部材１５Ｄは、吸収性本体１６と下部外装体１２Ｄとが重なる重なり領域において配置されない。これにより、吸収性本体１６は、重なり領域およびその周辺領域において、下部伸縮部材１５Ｄの収縮に合わせて吸収性本体１６が収縮して、吸収性本体１６と肌との間に隙間を生じることを抑制でき、腹漏れや背漏れを抑制することができる。

　（４）以上のように、おむつ１０は、新たに漏れを抑制するための立体ギャザーやポケットを設けるまでもなく、伸縮部材１５の配置を、上部領域と下部領域とで変えるだけで、腹漏れや背漏れ、さらに脚周りからの漏れを抑制することができる。

　〔第２実施形態〕
　図３（ａ）は、第２実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、図３（ｂ）は、図３（ａ）の３Ｂ－３Ｂ断面図、図３（ｃ）は、上部領域の接着領域を図３（ａ）に対応して示す平面図、図３（ｄ）は、下部領域の接着領域を図３（ａ）に対応して示す平面図である。図３（ｂ）において、右側がおむつ装着者の肌に向き合う側である。

　図３（ｃ）に示すように、上部外装体１２Ｕと吸収性本体１６との接着領域である上部接着領域は、接着部３１と非接着部３２とを含む。具体的に、上部接着領域は、吸収性本体１６の前端部または後端部のＵ字形状の周辺部である接着部３１と、接着部３１に囲まれた領域である非接着部３２と、を含む。また、非接着部３２は、上部接着領域のうち、吸収性本体１６の前後方向における中央部を向く側に開口端３３を形成している。言い換えれば、上部外装体１２Ｕの下端のうち、非接着部３２と対応する箇所は開口端３３を形成している。これにより、非接着部３２において、上部外装体１２Ｕは、吸収性本体１６と遊離しポケット３４を形成する。

　なお、下部伸縮部材１５Ｄは、吸収性本体１６と下部外装体１２Ｄとが重なる重なり領域において、配置されない。
　以上、上記第２実施形態によれば以下に列挙する効果を得ることができる。

　（５）胴周り部１０Ｗにおいて、上部伸縮部材１５Ｕが吸収性本体１６に対して内側に位置していることで、吸収性本体１６は、胴周りに沿うように湾曲する。この湾曲によって、吸収性本体１６に対して分離している上部外装体１２Ｕは、吸収性本体１６に対して離間しやすくなり、ポケット３４が開きやすくなる。したがって、排泄物は、ポケット３４に収容されやすくなり、腹漏れや背漏れを抑制することができる。

　〔第３実施形態〕
　図４（ａ）は、第３実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、図４（ｂ）は、図４（ａ）の４Ｂ－４Ｂ断面図、図４（ｃ）は、上部領域の接着領域を図４（ａ）に対応して示す平面図、図４（ｄ）は、下部領域の接着領域を図４（ａ）に対応して示す平面図である。図４（ｂ）において、右側がおむつ装着者の肌に向き合う側である。

　図４（ａ）に示すように、下部伸縮部材１５Ｄは、吸収性本体１６と下部外装体１２Ｄとが重ならない非重なり領域だけでなく、吸収性本体１６と下部外装体１２Ｄとが重なる重なり領域にも配置されるように延びている。製造に際して、下部伸縮部材１５Ｄは伸長された状態で、外装体１２に貼り付けられる。また、上部外装体１２Ｕは、非接着部３２において、トップシート１９と遊離しポケット３４を形成している。

　以上、上記第３実施形態によれば以下に列挙する効果を得ることができる。
　（６）下部領域において、下部伸縮部材１５Ｄは、吸収性本体１６に対して外側に位置している。また、下部伸縮部材１５Ｄは、吸収性本体１６と下部外装体１２Ｄとが重なる重なり領域にも配置されるように延びている。したがって、吸収性本体１６は、胴周りに対して反対方向に湾曲しやすく、この点で、吸収性本体１６と肌との間に隙間が生じやすくなる。第３実施形態では、上部領域に、ポケット３４が形成されている。したがって、下部領域において形成された隙間から漏れが発生したとしても、排泄物をポケット３４で収容し、腹漏れや背漏れを抑制することができる。

　（７）第１実施形態や第２実施形態のように、吸収性本体１６と下部外装体１２Ｄとが重なる重なり領域において、下部伸縮部材１５Ｄが配置されないようにしたり、下部伸縮部材１５Ｄを切断したりすることも不要となる。この点で、製造工程を簡素化し、生産効率の向上を実現することもできる。

　〔第４実施形態〕
　図５（ａ）は、第４実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、図５（ｂ）は、図５（ａ）の５Ｂ－５Ｂ断面図、図５（ｃ）は、上部領域の接着領域を図５（ａ）に対応して示す平面図、図５（ｄ）は、外側に位置する外装シートの接着領域を図５（ａ）に対応して示す平面図である。図５（ｂ）において、右側がおむつ装着者の肌に向き合う側である。

　図５（ｂ）に示すように、上部外装体１２Ｕの最も肌に近い内側に位置する外装シート１３と最も外側に位置する外装シート１４とは、一連の単一のシートである。そして、最も外側に位置する外装シート１４は、ホットメルト接着剤２２によって、下部領域と上部領域とに亘って吸収性本体１６に対して接着される。この場合、外装体１２は、上部外装体１２Ｕと下部外装体１２Ｄとに分割されず、上部外装体１２Ｕと下部外装体１２Ｄとは、一体である。

　以上、上記第４実施形態によれば以下に列挙する効果を得ることができる。
　（８）上部外装体１２Ｕと下部外装体１２Ｄとが一体で、左右両側の接合部１１の近傍における境界部分に、外装体１２を上部外装体１２Ｕと下部外装体１２Ｄとに分割したときに形成される隙間が生じない。したがって、パンツ型使い捨ておむつ５０を履く際にも、脚が上部外装体１２Ｕと下部外装体１２Ｄとの間の隙間に進入してしまうことがなくなり、パンツ型使い捨ておむつ５０が履きにくくなることを抑制することができる。

　（９）パンツ型使い捨ておむつ５０を脱がせる際には、接合部１１を破ることになる。接合部１１においても、外装体１２が、上部外装体１２Ｕと下部外装体１２Ｄとに分離されていないので、１回の作業で、接合部１１を破ることができる。

　〔第５実施形態〕
　図６（ａ）は、第５実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、図６（ｂ）は、図６（ａ）の６Ｂ－６Ｂ断面図、図６（ｃ）は、上部領域における吸収性本体と上部外装体との関係を図６（ａ）に対応して示す平面図、図６（ｄ）は、外側に位置する外装シートの接着領域を図６（ａ）に対応して示す平面図である。図６（ｂ）において、右側がおむつ装着者の肌に向き合う側である。

　図６（ｂ）に示すように、第４実施形態と同様に、上部外装体１２Ｕの最も肌に近い内側に位置する外装シート１３と最も外側に位置する外装シート１４とは、一連の単一のシートである。そして、最も外側に位置する外装シート１４は、ホットメルト接着剤２２によって、下部領域と上部領域とに亘って吸収性本体１６に対して接着されている。この場合、下部外装体１２Ｄは、上部外装体１２Ｕと一体である。

　図６（ｂ）および（ｃ）に示すように、上部外装体１２Ｕは、吸収性本体１６の内面と接着されていない。すなわち、上部外装体１２Ｕと吸収性本体１６の内面との間には、上部接着領域２２Ｕは形成されない。

　以上、上記第５実施形態によれば、上記（８）および（９）の効果に加えて、以下に列挙する効果を得ることができる。
　（１０）吸収性本体１６の内側に位置する上部外装体１２Ｕは、吸収性本体１６と直接接着される部分を有さない。したがって、上部伸縮部材１５Ｕは、自由に伸縮することができ、上部外装体１２Ｕと肌との密着性が向上する。したがって、着用者の動きに対する上部外装体１２Ｕの追従性が悪くなることを抑制することができる。

　（１１）上部外装体１２Ｕの最も肌に近い内側に位置する外装シート１３と最も外側に位置する外装シート１４とは、一連の単一のシートである。したがって、排泄物が吸収性本体１６と上部外装体１２Ｕの間から外部へ漏れることも抑制できる。

　〔第６実施形態〕
　図７（ａ）は、第６実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、図７（ｂ）は、図７（ａ）の７Ｂ－７Ｂ断面図、図７（ｃ）は、上部領域の接着領域を図７（ａ）に対応して示す平面図、図７（ｄ）は、外側に位置する外装シートの接着領域を（ａ）に対応して示す平面図である。図７（ｂ）において、右側がおむつ装着者の肌に向き合う側である。

　図７（ａ）および（ｂ）に示すように、最も外側に位置する外装シート１４が第１外装体１２Ｆ、吸収性本体１６、および、第２外装体１２Ｒに亘って配置される。そして、この外装シート１４は、前後方向における中央部に、脚周り開口部１０Ｌを形成する半円弧状の形状を有した一対の切欠端部６１を有する。この場合、上部外装体１２Ｕおよび下部外装体１２Ｄにおける外装シート１４と吸収性本体１６との接着領域２２Ａは、下部領域だけでなく上部領域、さらには吸収性本体１６の股下部１０Ｃ上にまで亘って設けられる。以上のように構成されたパンツ型使い捨ておむつ７０においても、上述したパンツ型使い捨ておむつと同様な作用効果を達成することができる。

　なお、上記第１～第６実施形態は以下のように適宜変更して実施することもできる。
　・前身頃１０Ｆ及び後身頃１０Ｒの一方のみにおいて、下部伸縮部材１５Ｄが、吸収性本体１６と下部外装体１２Ｄとが重なる重なり領域において、配置されないようにしてもよい。

　・前身頃１０Ｆ及び後身頃１０Ｒの一方のみが、ポケット３４を有していてもよい。
　・立体ギャザー２１は、吸収性本体１６上において、下部外装体１２Ｄと少なくとも重なるように延在されていればよい。例えば、立体ギャザー２１は、上部領域の上部外装体１２Ｕとも重なっていてもよいし、胴周り部１０Ｗの胴周り開口部１０Ａの近傍にまで延在していてもよい。さらに、立体ギャザー２１の前端部と後端部は、胴周り開口部１０Ａの上側にはみ出していてもよい。

　・吸収性本体１６に対して内側に位置する上部外装体１２Ｕの下側端部と外側に位置する下部外装体１２Ｄの上側端部とは、境界部分において、同じ位置に位置していてもよいし、重なっていてもよい。

　・上部伸縮部材１５Ｕが吸収性本体１６に対して内側に位置していればよく、下部伸縮部材１５Ｄが吸収性本体１６に対して外側に位置していればよい。例えば、吸収性本体１６の前端部や後端部の接着領域に対して、外装シートで吸収性本体１６を外側と内側から挟み込むようにしてもよい。この際に用いられる各外装シートは、上部領域と下部領域とで分割されていない１枚のシートである。そして、上部伸縮部材１５Ｕを吸収性本体１６の内側に位置する外装シートの上部領域に固着し、下部伸縮部材１５Ｄを吸収性本体１６の外側に位置する外装シートの下部領域に固着しておけばよい。

　・外装体１２を構成する外装シート１３，１４は、液不透過性であってもよいし、液透過性であってもよい。
　・使い捨ておむつとしては、前身頃と後身頃とを面テープなどで接続するテープ型のおむつであってもよい。

　・上述した使い捨ておむつは、乳幼児用又は介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用の使い捨ておむつであってもよい。

Claims (5)

1. 　前身頃を構成する第１外装部と、
   　後身頃を構成する第２外装部と、
   　股下部を構成する吸収性本体であって、前記第１外装部及び前記第２外装部と重なり且つ接着される前後方向における両端部を有するとともに、肌と接触する内面の両側縁部において、前記前後方向に延びる立体ギャザーを備えた前記吸収性本体とを備え、
   　前記第１外装部と前記第２外装部とは胴周り部を形成し、前記第１外装部の胴周り方向の両端部が前記第２外装部の両端部にそれぞれ接続されており、
   　前記第１外装部と前記第２外装部のうちの少なくとも一方は、上部領域と、前記上部領域の下側において前記上部領域に隣接する下部領域とを備え、
   　前記上部領域は、前記胴周り方向に伸縮する上部伸縮部材を備え、
   　前記下部領域は、前記胴周り方向に伸縮する下部伸縮部材を備え、
   　前記上部伸縮部材は、前記吸収性本体に対して前記胴周り部の内側に配置されており、
   　前記下部伸縮部材は、前記吸収性本体に対して前記胴周り部の外側に配置されており、
   　前記立体ギャザーの前後方向における端部の位置が前記胴周り部の下端より上側の領域にある
   　使い捨ておむつ。
2. 　前記下部領域は、前記吸収性本体に重なる下部接着領域を有し、
   　前記下部接着領域では、前記下部伸縮部材が配置されていない
   　請求項１に記載の使い捨ておむつ。
3. 　前記上部領域は、前記吸収性本体に重なる上部接着領域を有し、
   　前記上部接着領域は、接着部と非接着部とを備え、
   　前記非接着部は、前記上部接着領域のうち、前記吸収性本体の前後方向における中央部を向く側に開口端を形成するとともに、その開口端を除き前記接着部で囲まれて、ポケットを形成している
   　請求項１に記載の使い捨ておむつ。
4. 　前記下部領域は、前記吸収性本体に重なる下部接着領域を有し、
   　前記下部接着領域では、前記下部伸縮部材が配置されている
   　請求項３に記載の使い捨ておむつ。
5. 　前記下部領域と前記上部領域とは、一連の単一の部材で構成されている
   　請求項１ないし４のうち何れか１項に記載の使い捨ておむつ。

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