JP2018064539A - クレーン装置 - Google Patents

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繁光 尾崎
Shigemitsu Ozaki
繁光 尾崎
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Abstract

【課題】クレーン装置自体の重さは比較的軽量でありながらも、動滑車を利用した左右巻取りワイヤによって操作荷重を可及的に小さくしてクレーンのブームを昇降及び旋回操作をすることができ、しかも漁網等の引き揚げ対象物を容易に昇降定置可能としたクレーン装置を提供する。【解決手段】基台に立設した支柱に自在軸を介して上下左右に変位可能に構成したブーム10の基端部を連結し、ブーム10の中途部の各左右にそれぞれ左右第1動滑車11と左右第2動滑車12とを取付けると共に、動滑車の後方となる所定位置には左右定滑車14と左右ウインチ15とを配設し、左右ウインチ15から左右ワイヤをそれぞれ伸延し、一方の動滑車に至ると折返してそのまま定滑車に至りここで更に折返して伸延し、いずれか他方の動滑車に至って更に折返してそのまま伸延してワイヤ終端が支柱の左右方向に離隔した位置に固定するように左右ワイヤを各滑車に掛け回すこととした。【選択図】図1

Description

この発明は、例えば漁船の漁網等を船上に引き揚げる際に使用するクレーン装置に関する。
従来、漁労時に海中へ投網された漁網は、漁船の近傍まで揚網機(ネットホーラー)で手繰り寄せ、クレーン装置を介して漁船上に引き揚げられる。
その際にクレーン装置のブームには網捌機が備えられており、揚網機を介して海から引き上げられた漁網は、網捌機を経由して漁船上の網置場など所定の位置への配置作業が行われる。すなわち、ブームに懸架した網捌機に漁網を回し掛け、油圧シリンダ等によりブームの操作を行って、引き上げられ続ける漁網を船首−船尾方向や左舷−右舷方向に満遍なく均しながら回収作業を行うようにしている。
このような漁船に搭載されたクレーン装置は、ブームを左右方向へ旋回させる回動機構や上下方向へ変位させる起倒機構を介してその基端を船上支柱に連結し漁網の引き揚げ及び船上定置の作業が行われるように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
実開昭64−009987号公報
ところが、かかるクレーン装置は、強固なブーム構造と高い材料強度が要求され、その分駆動源の油圧シリンダの容量も大きく、また、重く複雑な回動機構を備えていることからクレーン全体の総重量は増加して漁船の搭載重量に影響して燃料費も上昇し漁獲コストに直接に影響するという欠点があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、クレーン装置自体の重さは比較的軽量でありながらも、動滑車を利用した左右巻取りワイヤによって操作荷重を可及的に小さくしてクレーンのブームを昇降及び旋回操作をすることができ、しかも漁網等の引き揚げ対象物を容易に昇降定置可能としたクレーン装置やクレーンシステムを提供する。
上記従来の課題を解決するために本発明に係るクレーン装置では、(1)基台に立設した支柱に自在軸を介して上下左右に変位可能に構成したブームの基端部を連結し、ブームの中途部の各左右にそれぞれ左右第1動滑車と左右第2動滑車とを取付けると共に、左右第1又は第2動滑車の後方となる所定位置には定滑車と左右ウインチとを配設し、左右ウインチから左右ワイヤをそれぞれ伸延し、左右第1又は第2のいずれか一方の動滑車に至ると折返してそのまま定滑車に至りここで更に折返して伸延し、左右第1又は第2のいずれか他方の動滑車に至って更に折返してそのまま伸延してワイヤ終端が支柱の左右方向に離隔した位置に固定するように左右ワイヤを各滑車に掛け回すこととした。
また、基台は漁船の甲板であると共に、ブームは漁網を連結吊下する漁網用ワイヤを支持するための漁網用クレーンブームであることにも特徴を有する。
また、左右第1動滑車と左右第2動滑車とを揺動自在に取り付けたことにも特徴を有する。
本発明によれば、基台に立設した支柱に自在軸を介して上下左右に変位可能に構成したブームの基端部を連結し、ブームの中途部の各左右にそれぞれ左右第1動滑車と左右第2動滑車とを取付けると共に、左右第1又は第2動滑車の後方となる所定位置には定滑車と左右ウインチとを配設し、左右ウインチから左右ワイヤをそれぞれ伸延し、左右第1又は第2のいずれか一方の動滑車に至ると折返してそのまま定滑車に至りここで更に折返して伸延し、左右第1又は第2のいずれか他方の動滑車に至って更に折返してそのまま伸延してワイヤ終端が支柱の左右方向に離隔した位置に固定するように左右ワイヤを各滑車に掛け回したことにより、動滑車を利用した左右巻取りワイヤによって操作荷重を可及的に小さくしてクレーンのブームを昇降及び旋回操作をすることができるようにし漁網等の引き揚げ対象物を容易に昇降定置可能としたクレーン装置を提供することができる。
また、ブームを支柱を中心にして多方向に変位できると共に、各動滑車の作用により各動滑車の取付けられたブームは左右巻取りワイヤを介して約4分の1の引張り荷重で作動することができるため作業効率を飛躍的に向上することができる。
更には、ワイヤの左右いずれかだけを引張操作すれば左右何れかの引張操作した側の横方向にブームは方向転換することができ、一方ワイヤを左右同時に引張操作すればブームは基部を中心に回動上昇し、反対に左右巻取りワイヤを左右同時に弛緩操作すればブームは基部を中心に回動降下する。ブームの左右に同じ動滑車が前後して配設し左右それぞれに左右ワイヤを懸架しても同様である。
すなわち、左右巻取りワイヤの左右何れかの引張弛緩操作によりブームの左右横方向の変位動作を行うことができると同時に、左右巻取りワイヤの左右同時の引張弛緩操作によりブームの昇降変位動作を行うことができることになる。
このように左右巻取りワイヤの左右何れか或いは両方同時の引張弛緩操作によりブームの基部を中心とした左右旋回と上下昇降の各操作が可能となり、簡便な構造にもかかわらず操作荷重を軽減しながらブームの自在な方向変位操作ができる効果がある。
このような動滑車の連結動作機を設けたブームを例えば多作業用クレーンや玩具や滑車機能の学習模型など各種の滑車機構分野に応用することができる効果がある。
請求項2の発明によれば、基台は漁船の甲板であると共に、ブームは漁網を連結吊下する漁網用ワイヤを支持するための漁網用クレーンブームとしたことにより、漁船における漁網の取扱いが容易となると共に、漁網用の操作クレーンの構造も簡単となり漁船積載物の重量を軽減し漁船の燃費削減にも貢献することができる効果がある。
請求項3の発明によれば、左右第1動滑車と左右第2動滑車とを揺動自在に取り付けたことにより、動滑車に左右巻取りワイヤを懸架し引張り弛緩操作を行う時にワイヤと滑車溝との嵌合状態が少々ずれてワイヤや滑車溝部分に偏奇荷重がかかりワイヤが滑車溝から離脱せんとしても、動滑車がブームに固定されず揺動自在に取付けられているためワイヤと滑車溝との嵌合のずれを揺動変位により吸収することができ常時ワイヤは滑車溝に確実に嵌合し左右巻取りワイヤを介したブームの作動操作が正確に行える効果がある。
本実施形態に係るクレーン装置を搭載した漁船を示す側面図である。 クレーン装置の構成を示した模式図である。 クレーン装置の作動状態を示す説明図である。 クレーン装置の作動状態を示す説明図である。 滑車の原理を模式的に示した説明図である。 動滑車を示す拡大図である。 第2実施例に係るセミクレーンシステムの構成を示した概念図である。 セミクレーン装置の構成を示した説明図である。 セミクレーン装置の構成を示した説明図である。 ブームの構成を示した説明図である。 セミクレーンシステムにおける油圧回路部の要部構成を示した油圧回路図である。 セミクレーンシステムにおける油圧回路部の要部構成を示した油圧回路図である。 セミクレーンシステムにおける油圧回路部の要部構成を示した油圧回路図である。 ブーム110の動きを示した説明図である。 セミクレーンシステムにおける油圧回路部の要部構成を示した油圧回路図である。 セミクレーンシステムにおける油圧回路部の要部構成を示した油圧回路図である。
本実施形態に係るクレーン装置の要旨は次の通りである。
すなわち、本実施形態に係るクレーン装置は、基台に立設した支柱に自在軸を介して上下左右に変位可能に構成したブームの基端部を連結し、ブームの中途部の各左右にそれぞれ左右第1動滑車と左右第2動滑車とを取付けると共に、左右第1又は第2動滑車の後方となる所定位置には定滑車と左右ウインチとを配設し、左右ウインチから左右ワイヤをそれぞれ伸延し、左右第1又は第2のいずれか一方の動滑車に至ると折返してそのまま定滑車に至りここで更に折返して伸延し、左右第1又は第2のいずれか他方の動滑車に至って更に折返してそのまま伸延してワイヤ終端が支柱の左右方向に離隔した位置に固定するように左右ワイヤを各滑車に掛け回したことを特徴とするものである。
また、基台は漁船の甲板とすると共に、ブームは漁網を連結吊下する漁網用ワイヤを支持するための漁網用クレーンブームとしている。
また、左右第1動滑車と左右第2動滑車とを揺動自在に取り付けている。
以下、この発明の具体的な実施例を図面に基づき詳細に説明する。
〔第1実施例〕
この実施例では、本実施形態に係るクレーン装置の一実施例として、漁船に搭載されたクレーン装置について説明する。従って、本実施例におけるブームは、漁網用クレーンブームとする。なお、本実施形態に係るクレーン装置は、従来のクレーン装置と構成を異にするため、ここではセミクレーン装置X1と称して説明する。
図1は、セミクレーン装置X1を搭載した漁船Sの側面図である。漁船Sの所定箇所には、基台としての甲板2上に柱状の支柱3が立設されている。
甲板2に立設した支柱3には、図2に示すように水平枢軸5bと垂直枢軸5cを介してブーム10の基端部10cを連結することにより、支柱3にブーム10を上下方向へ起倒自在、左右方向へ旋回自在に突設している。
水平枢軸5bと垂直枢軸5cは自在軸としてのジョイント部5を構成する枢軸5aであり、ブーム10はジョイント部5における枢軸5aの機能により上下左右に変位可能としている。
図1〜図4に示すように、ブーム10の先端部10aには漁網Nを掛け回すための網捌機17が懸架されており、ブーム10の中途部10bの各左右にそれぞれ左右第1動滑車11a,11bと左右第2動滑車12a,12bとを取付けると共に、左右第2動滑車12a,12bの後方となる所定位置、本実施例では支柱3の上部の各左右位置にそれぞれ左右補助定滑車13a,13bと左右主定滑車14a,14bとを配設し、支柱3左右には左右ワイヤ用ウインチ15a,15bを配設し、左右ワイヤ用ウインチ15a,15bから左右ワイヤ16a,16bを左右補助定滑車13a,13bからそれぞれ伸延し、左右第2動滑車12a,12bに至ると折返してそのまま左右主定滑車14a,14bに至り、ここで折返して左右第1動滑車11a,11bに至って更に折返しそのまま伸延してワイヤ16a,16b終端が支柱3の左右方向に離隔した位置の甲板2に固定するようにワイヤ16a,16bを各滑車に掛け回したことを特徴とするセミクレーン装置X1である。なお、本実施例では左右第1動滑車11a,11bと、左右第2動滑車12a,12bは、ブーム10上において前後して配置(左右第1動滑車11a,11bを先端部10a寄り、左右第2動滑車12a,12bを寄りに配置)しているが、各左右ワイヤ16a,16bが干渉しなければ、左右第1動滑車11a,11bと左右第2動滑車12a,12bとの前後関係を入れ替えてもよく、また略同じ位置に配置するようにしてもよい。図中符号10cはブーム10の基端部である。
また、図2に示すように、ブーム10の中途部10bの各左右にはそれぞれ左右第1動滑車11a,11bと左右第2動滑車12a,12bを揺動自在に取り付けている。
ブーム10の先端に吊設した網捌機17には、図3に示すように漁網Nが掛け回されており、揚網機6を介して引き上げられた漁網は甲板2の網置場2aに配置されている。符号18a,18bは甲板2に立設したワイヤ16a,16bの終端を固定する左右ワイヤ固定ポールである(図4参照)。
ブーム10には、図2〜図4に示すように以下の各種の滑車が取り付けられている。
すなわち、左右第1動滑車11a,11bと左右第2動滑車12a,12bと左右補助定滑車13a,13bと左右主定滑車14a,14b等の滑車がブーム10の左右に対称的に取付けられている。
左右第1動滑車11a,11bは、ブーム10の中途部10bで先端部10a寄りの位置で左右側方へ突設した支持バーに左右対称的に配設されており、特に図6に示すように滑車Cはブーム10の側面に環状コネクターDを介して揺動自在に取付けられている。図6に示すように滑車Cには断面コ字状の滑車枠C1に滑車軸C3を介してシーブC2を軸架しており、滑車Cの頂部には滑車軸C3と直交する状態でコネクトピンC4を遊嵌しており、従って、シーブC2を支持した滑車C、すなわちシーブC2自体はコネクトピンC4を中心に回動自在であり、シーブC2に懸架したワイヤ16a,16bの引張操作時に滑車溝C2aに偏奇荷重がかかってもシーブC2の向きは滑車Cの頂部のコネクトピンC4を介して回動することができ、そのためワイヤ16a,16bの引張操作時に滑車溝C2aにかかる偏奇荷重を吸収して常にワイヤ16a,16bの引張操作方向にシーブC2の向き姿勢を保持することができる。なお、環状コネクターDとブーム10側面とはブームの横方向に張り出した棒状の左右第1動滑車用連結体10a1,10a2や左右第2動滑車連結体10b1,10b2とネジ金具とで連結している。
かかるブーム10への左右第1動滑車11a,11bの取付構造は、全ての動滑車12a,12b、定滑車13a,13b.14a,14bの取付け構造に当てはまる。
また、左右第2動滑車12a,12bは、左右第1動滑車11a,11bと前後するブーム10の中途部10bで基端部10c寄りの位置で、左右側方へ突設した支持バーに左右対称的に配設されている。
また、左右第1動滑車11a,11bと左右第2動滑車12a,12bの後方には、図2に示すように甲板2に支柱3としての滑車支持ポールが設けられその上部には上記した環状コネクターDと滑車Cよりなる取付構造を介して左右補助定滑車13a,13bと左右主定滑車14a,14bが配設されている。なお、環状コネクターDと滑車支持ポール側面とはポールの横方向に張り出した棒状の左右補助定滑車用連結体3a1,3a2や左右主定滑車用連結体3b1,3b2とネジ金具とで連結している。
上記のようにブーム10に配設された各種の動滑車11a,11b,12a,12bにはワイヤ16a,16bがブーム両側面において自在に懸架されて滑車原理による荷重軽減を図っている(図6参照)。
すなわち、支柱3の滑車支持ポールの背面に取付けられた左右ワイヤ用ウインチ15a,15bにはワイヤ16a,16bの基端部分を連結しており、このように左右ワイヤ用ウインチ15a,15bから伸延したワイヤ16a,16bは左右補助定滑車13a,13bにおいて中継されて方向転換して更に伸延し、左右第2動滑車12a,12bに至ると滑車周面で折返してそのまま左右主定滑車14a,14bに至り、ここで中継されて滑車周面を折返し左右第1動滑車11a,11bに至り更に滑車周面を折返してそのまま伸延してワイヤ終端は支柱3の左右方向において離隔した位置に固定される。
このようにワイヤ16a,16bを各滑車11a,11b,・・,14a,14bに掛け回すことにより滑車原理を利用して動滑車11a,11b,12a,12bにかかる荷重を可及的に軽減した操作が可能となり、動滑車11a,11b,12a,12bにかかる荷重物としてのブーム10を上下左右に操行操作できるようにしており、このようにしてワイヤ操行操作荷重を可及的に軽減できる。
[ブームの作動]
以下にワイヤ16a,16bを各滑車11a,11b,・・,14a,14bに掛け回した状態におけるワイヤ操作及びそれに伴うブーム10の作動を詳細に説明する。
図4(a)に示すように、ブーム10の左右設けられた左右第1動滑車11a,11bと左右第2動滑車12a,12bにはそれぞれにワイヤ16a,16bが掛け回されているため、ワイヤ16a,16bの左右いずれか一方を引張操作し、他方を繰出操作すれば、ブーム10は左右何れかの横方向に方向転換される。たとえば、図4(b)では右ワイヤ用ウインチ15bを引張操作し、左ワイヤ用ウインチ15aを繰出操作しており、ブーム10は右方向(本実施例では左舷側)へ旋回変位することとなる。
一方、図3(b)に示すようにワイヤ16a,16bを左右ワイヤ用ウインチ15a,15bから左右同時に引張操作すれば、左右第1動滑車11a,11bと左右第2動滑車12a,12bが引張荷重を減少しながらブーム10を上方に持ち上げ基部のジョイント部5を介して起立方向へ変位する。
反対に、図3(a)に示すようにワイヤ16a,16bを左右同時に左右ワイヤ用ウインチ15a,15bから弛緩操作、すなわち繰出操作をすれば、左右第1動滑車11a,11bと左右第2動滑車12a,12bは降下してブーム10も基端のジョイント部5を中心に倒伏方向へ変位する。
すなわち、ワイヤ16a,16bの左右何れかの引張弛緩操作でブーム10の左右横方向の変位操作を行うことができる一方、ワイヤ16a,16bの左右同時の引張弛緩操作でブーム10の昇降変位操作を行うことができることになる。
このようにワイヤ16a,16bの左右何れか或いは両方同時の引張弛緩操作によりブームとしてのブーム10の左右旋回と上下昇降の各操作が可能となり、簡便な滑車ワイヤ構造にもかかわらずブーム10の上下左右変位操作の荷重負荷を軽減しながらブームとしてのブーム10の自在な方向変位操作ができる。
このようにブーム10先端の網捌機17に漁網Nを掛け回し、図示しない揚網機を介してたぐり寄せられた漁網Nを網捌機17を介して引き上げることにより、漁船S上における漁網Nの収容作業の労力を軽減し、効率の良い確実な漁網収容作業を行える効果がある。
また、このようなセミクレーン装置X1は漁船に限らず、このような動滑車の連結動作機構を設けたブームを、例えば多作業用クレーンや玩具や滑車機能の学習模型など各種の滑車機構分野に応用すれば、簡易な構造にもかかわらずブームの複雑な各種の動きを現出することができると共に荷重負荷を軽減しながら滑車の構造力学的な学習機能にも貢献することができる効果も期待できる。
なお、本実施例は上述の構成に限定されるものではなく、仕様等に応じて適宜変更しても良い。
〔第2実施例〕
次に、第2実施例では、セミクレーン装置X2を備えたセミクレーンシステムYについて説明する。本第2実施例におけるセミクレーンシステムYのセミクレーン装置X2は、セミクレーン装置X1と略同様の原理により動作するものであるが、ワイヤの各滑車への掛け回し順や、ブームの構成、操作機構の点で構成を異にしている。なお、以下において先の第1実施例と重複する説明については、一部省略する場合がある。
図7は、本第2実施例に係るセミクレーンシステムYの構成を示した概念図である。図7に示すように、セミクレーンシステムYは、操作部120と、油圧回路部122と、セミクレーン装置X2とで構成している。
操作部120は、作業者がセミクレーンシステムYの操作を行うための部位であり、セミクレーン装置X2の操向操作を行うための操作レバー121が設けられている。特に、本実施例において操作レバー121は、2軸操作用のジョイスティック型リモートコントロールバルブを用いており、ワン・レバーでブーム110の起倒旋回を可能とし、且つ、後述のブーム補助シリンダ130を連動させるよう構成している。
油圧回路部122は、操作レバー121からの入力に応じ、油圧によってセミクレーン装置X2を駆動させるための部位である。
油圧回路部122は、リモコン発信回路部123と、リモコン制御回路部124と、右ウインチ切替部125と、左ウインチ切替部126と、補助シリンダ回路部127とを備えており、セミクレーン装置X2の起倒、旋回、及びブーム補助シリンダ130の操作を可能としている。なお、油圧回路部122については、後に図面を参照しながら具体的に説明する。
セミクレーン装置X2は、前述のセミクレーン装置X1と同様にブーム110や左右ワイヤ用ウインチ115a,115bを備えており、油圧回路部122による制御に応じた油圧(作動油)の供給により、ブーム110の起倒、旋回等がなされる。
次に、セミクレーンシステムYについて、各部をより詳細に説明する。なお、説明の便宜上、以下ではまずセミクレーン装置X2の構成について言及し、その後油圧回路部122の構成について触れることとする。
図8は、甲板2上に立設した支柱103をベースとして構築したセミクレーン装置X2の構成を示す側面図であり、図9は、セミクレーン装置X2の構成を示す平面図である。
図8に示すように、セミクレーン装置X2は、漁船Sの甲板2上に立設した支柱103と、同支柱103に基端部が連結されたブーム110と、支柱103やブーム110に設けられた滑車111〜114やウインチ115に掛け回されたワイヤ116とで構成している。
支柱103は、漁船Sの甲板2を基台として立設したものであり、その上部には左右2つの主定滑車114(左主定滑車114a,右主定滑車114b)と、左右2つの補助定滑車113(左補助定滑車113a,右補助定滑車113b)を配設している(図9参照)。なお、本実施例では、支柱103の右舷側に左主定滑車114aと左補助定滑車113aを兼ねるダブル滑車を配置し、左舷側に右主定滑車114bと右補助定滑車113bを兼ねるダブル滑車を配置することで実現しているが、シングル滑車により実現しても良いのは勿論である。
主定滑車114及び補助定滑車113は、支柱103に固設された取付ブラケット103aに対して自在連結手段103bを介して取り付けており、ブーム110の動きに追従して補助定滑車113や主定滑車114の上下左右方向の動きを許容すべく構成している。なお、本実施例において自在連結手段103bは強固な金属製の3つのリングで構成しているが、これに限定されるものではない。
ブーム110は、基端部が支柱103に自在軸であるジョイント部105を介して連結されており、起倒(上下)・旋回(左右)変位可能としている。
また、ブーム110は、基端部が支柱103に連結されたメインブーム110aと、同メインブーム110aの先端に屈折軸110cを介して連結された屈折ブーム110bとで構成している。
メインブーム110aには、図9に示すように、ブーム110の中途部となる位置に左右第1動滑車111a,111bと、左右第2動滑車112a,112bとが自在連結手段103bを介して配設されている。
これら左右第1動滑車111a,111bや左右第2動滑車112a,112bは、各滑車111に掛け回されたワイヤ116が干渉しない位置に配置されている。
また、図8に示すように、メインブーム110aの下部には、格納ウインチ131及びバンパー132が配設されている。
格納ウインチ131は、屈折ブーム110bを折曲させて不使用状態とした際に、屈折ブーム110bの先端に吊下した後述の網捌機117を屈折ブーム110bに近接させて格納するためのウインチであり、バンパー132は、網捌機117の格納の際に緩衝しつつ当接させるための部位である。
また、メインブーム110aの基端部近傍下部には、支柱103との間にブーム補助シリンダ130が介設されている。このブーム補助シリンダ130は、ブーム110の起倒動作を積極的に行うものではなく、ブーム110のブレを緩衝するために補助的に設けられているものであり、起倒動作に使用する従来のクレーン装置における起倒シリンダに比して小型のものを採用している。すなわち、ブーム補助シリンダ130は、それ自身だけでは耐久性や敏捷性の観点から実用可能な程度にブーム110の起倒を行うことはできないが、ブーム110の上下方向への跳ね上がりは抑制可能な能力を有するシリンダを用いている。
また、ブーム補助シリンダ130は、自在軸であるジョイント部105を介して支柱103と連結されており、ブーム110の動きに追従しつつ、ブーム110に負荷や加速度が加わった際のブレを緩衝可能としている。
また、補助定滑車113の後方となる甲板2上には、ウインチ115が配設されている。このウインチ115は、図9に示すように、左ウインチ115aと右ウインチ115bとよりなり、ワイヤ116(左ワイヤ116a,右ワイヤ116b)の巻取や繰出を行うことでブーム110の起倒・旋回駆動させるためのものである。
また、図8に示すように、メインブーム110aの先端側には、屈折シリンダ133が配設されており、屈折軸110cを介してメインブーム110aの先端に配設された屈折ブーム110bを、作業者の操作に応じてブーム110の中途で伸延状態と屈曲状態との間で変位可能(屈伸可能)としている。
屈折ブーム110bは、外筒状の基部ブーム134と、内筒状の先端ブーム135と、基部ブーム134から先端ブーム135にかけてその内部に配設された伸縮シリンダ136とを備えており、伸縮シリンダ136の伸縮動作に応じて基部ブーム134から先端ブーム135が出没し、屈折ブーム110bを伸縮自在としている。
また、屈折ブーム110bの先端、すなわち、先端ブーム135の先端には網捌機117が揺動自在に吊下されており、同網捌機117を経由して甲板2上に漁網Nを収容可能としている。
また、図10に示すように、網捌機117には格納用ワイヤ117aが連結されており、屈折ブーム110bの折曲時に格納用ワイヤ117aを格納ウインチ131で巻き取ることにより、網捌機117はバンパー132に当接する状態で格納される。なお、図10においてワイヤ116や滑車111,112等は一部省略して図示している。
ワイヤ116は、図9に示すように、左ワイヤ116aと、右ワイヤ116bとで構成される。
左ワイヤ116aは、左ウインチ115aより伸延し、左補助定滑車113aを介して左第2動滑車112aに至ると折返してそのまま左主定滑車114aに至り、ここで更に折返して伸延し、左第1動滑車111aに至って更に折返してそのまま伸延してワイヤ終端が支柱103の左方向に離隔した所定位置(本実施例では支柱103の左側方の壁に設けたワイヤターミナル137a)に固定するように各滑車に掛け回されている。
一方、右ワイヤ116bは、右ウインチ115bより伸延し、右補助定滑車113bを介して右第2動滑車112bに至ると折返してそのまま右主定滑車114bに至り、ここで更に折返して伸延し、右第1動滑車111bに至って更に折返してそのまま伸延してワイヤ終端が支柱103の右方向に離隔した所定位置(本実施例では支柱103の右側方の壁に設けたワイヤターミナル137b)に固定するように各滑車に掛け回されている。
これら左右ワイヤ116a,116bは、左右ウインチ115a,115bを前述の油圧回路部122を介して駆動させ、巻取や繰出がなされることでブーム110の起倒動作や旋回動作がなされることとなる。なお、本実施例において左右ウインチ115a,115bは甲板2上に配置したが、例えば、メインブーム110aの基端部近傍に配置するようにしてもよい。このような構成の場合、補助定滑車113は不要となる。
また、油圧回路部122は、左右ウインチ115a,115bのみならず、ブーム補助シリンダ130や格納ウインチ131、屈折シリンダ133、伸縮シリンダ136にも接続されており、作業者の操作に応じて動作可能に構成している。
次に、油圧回路部122について具体的に説明するが、ここでは格納ウインチ131や屈折シリンダ133、伸縮シリンダ136を含め、その他船上の様々な箇所に配置されている油圧機構部材についての説明は省略し、操作レバー121により操作されるブーム110の操向操作系統やブーム110の緩衝機構に焦点を当てて説明する。なお、以下において作業者の手元操作に関し、セミクレーンシステムYの操作を行う作業者は、船尾方向に対面した状態で手元に配置された操作レバー121を操作し中立状態において船首側から船尾側へ伸延するブーム110を操作するものとして説明するが、ブーム110の伸延方向や操作レバー121の配置場所、作業者の立ち位置などに応じ、操作レバー121の倒す方向とブーム110の動作との関係を適宜変更してもよいのは言うまでもない。
図7において示したように、船上の様々な箇所の油圧機構部品を駆動させる油圧回路部122のうち、本実施例の要部に関連する構成として、リモコン発信回路部123や、リモコン制御回路部124、右ウインチ切替部125、左ウインチ切替部126、補助シリンダ回路部127が挙げられる。
図11は、ブーム110の操向操作系統やブーム110の緩衝機構に関連する油圧回路部122の構成を抜粋した油圧回路図である。
図11に示すように、リモコン発信回路部123は、操作レバー121からの入力を油圧による信号(以下、油圧信号ともいう。)に変換する回路部であり、圧力入口となるPポート、油圧帰還のためのTポート、起立出力のためのA1ポート、倒伏出力のためのB1ポート、左側への旋回出力(以下、左振出力ともいう。)のためのA2ポート、右側への旋回出力(以下、右振出力ともいう。)のためのB2ポートを備えている。
また、リモコン発信回路部123は、起立検出切替弁141と、倒伏検出切替弁142と、左振検出切替弁143と、右振検出切替弁144とを備えている。
起立検出切替弁141は、第1及び第2の入力ポートと、出力ポートとの3つのポートを備えた切替弁であり、本実施例では操作レバー121が操作されていない場合は第1の入力ポートと出力ポートとを連通させる一方、操作レバー121が作業者から見て引き倒し側に変位された際には第2の入力ポートと出力ポートとを連通させる構成としている。第1の入力ポートはTポートに、第2の入力ポートはPポートに、出力ポートはA1ポートに接続されている。
倒伏検出切替弁142も起立検出切替弁141と同様の切替弁であり、操作レバー121が作業者からみて押し倒し側に変位された際には、第2の入力ポートと出力ポートとを連通させる構成としている。第1の入力ポートはTポートに、第2の入力ポートはPポートに、出力ポートはB1ポートに接続されている。
左振検出切替弁143も起立検出切替弁141と同様の切替弁であり、操作レバー121が作業者からみて右側へ変位された際には、第2の入力ポートと出力ポートとを連通させる構成としている。第1の入力ポートはTポートに、第2の入力ポートはPポートに、出力ポートはA2ポートに接続されている。
右振検出切替弁144も起立検出切替弁141と同様の切替弁であり、操作レバー121が作業者からみて左側へ変位された際には、第2の入力ポートと出力ポートとを連通させる構成としている。第1の入力ポートはTポートに、第2の入力ポートはPポートに、出力ポートはB2ポートに接続されている。
なお、図11においてリモコン発信回路部123は、操作レバー121と別構成として記載しているが、各切替弁などリモコン発信回路部123の一部構成が操作レバー121の内部構成として組み込まれていても良いのは勿論である。
リモコン制御回路部124は、リモコン発信回路部123より発信された油圧信号を受け、左ウインチ切替部126や右ウインチ切替部125の制御を行う部位である。
リモコン制御回路部124は、4つの入力ポートと、4つの出力ポートを備えている。
入力ポートは、リモコン発信回路部123のA1ポートより出力された油圧信号の入力ポートであるA1ポートと、リモコン発信回路部123のB1ポートより出力された油圧信号の入力ポートであるB1ポートと、リモコン発信回路部123のA2ポートより出力された油圧信号の入力ポートであるA2ポートと、リモコン発信回路部123のB2ポートより出力された油圧信号の入力ポートであるB2ポートとを備えている。すなわち、リモコン制御回路部124の入力ポートであるA1ポート、B1ポート、A2ポート、B2ポートは、リモコン発信回路部123の出力ポートであるA1ポート、B1ポート、A2ポート、B2ポートにそれぞれ接続されている。
出力ポートは、左ウインチ切替部126の並行切替用出力ポートであるL1ポートと、左ウインチ切替部126のクロス切替用出力ポートであるR1ポートと、右ウインチ切替部125の並行切替用出力ポートであるL2ポートと、右ウインチ切替部125のクロス切替用出力ポートであるR2ポートとを備えている。
また、リモコン制御回路部124には、切替弁145と、4つのシャトル弁Sa1〜Sa4とが備えられている。
切替弁145は、第1〜第4ポートと、同第1〜第4ポートの連通状態を切り替えるための並行切替用入力ポート(図中、第5のポートとして示す。)及びクロス切替用入力ポート(図中、第6のポートとして示す。)とを備えており、並行切替用入力ポートに圧力信号が入力された場合には、第1ポートと第3ポートを連通状態とすると共に、第2ポートと第4ポートを連通状態とする。以下、このような連通状態を並行連通状態と称する。一方、クロス切替用入力ポートに圧力信号が入力された場合には、第1ポートと第4ポートを連通状態とすると共に、第2ポートと第3ポートとを連通状態とする。以下、このような連通状態をクロス連通状態と称する。第1ポートはシャトル弁Sa1の出力ポートに、第2ポートはシャトル弁Sa3の出力ポートに、第3ポートはL2ポートに、第4ポートはR2ポートに、並行切替用入力ポートはシャトル弁Sa2の出力ポートに、クロス切替用入力ポートはシャトル弁Sa4の出力ポートに接続されている。
シャトル弁Sa1は、第1及び第2の入力ポートと、出力ポートとの3つのポートを備えたシャトル弁であり、入力ポートのうちいずれか圧力の高い入力ポートと出力ポートとを連通させる。第1の入力ポートはA1ポートに、第2の入力ポートはA2ポートに、出力ポートはL1ポート及び切替弁145の第1ポートに接続されている。
シャトル弁Sa2もまた、シャトル弁Sa1と同様のシャトル弁であり、第1の入力ポートはA1ポートに、第2の入力ポートはB1ポートに、出力ポートは切替弁145の並行切替用入力ポートに接続されている。
シャトル弁Sa3もまた、シャトル弁Sa1と同様のシャトル弁であり、第1の入力ポートはB1ポートに、第2の入力ポートはB2ポートに、出力ポートはR1ポート及び切替弁145の第2ポートに接続されている。
シャトル弁Sa4もまた、シャトル弁Sa1と同様のシャトル弁であり、第1の入力ポートはA2ポートに、第2の入力ポートはB2ポートに、出力ポートは切替弁145のクロス切替用入力ポートに接続されている。
左ウインチ切替部126は、リモコン制御回路部124のL1ポート及びR1ポートから出力された油圧信号を受け、切替弁を切り替えて左ウインチ115aに配設されている左油圧モータ147aの回転方向の切り替えを行う部位である。
左ウインチ切替部126は、圧力入口となるPポート、油圧帰還のためのTポート、巻き上げ回転方向に左油圧モータ147aを回転させる油圧信号出力のためのAポート、繰出回転方向に左油圧モータ147aを回転させる油圧信号出力のためのBポート、リモコン制御回路部124のL1ポートより出力された油圧信号の入力ポートであるL1ポートと、リモコン制御回路部124のR1ポートより出力された油圧信号の入力ポートであるR1ポートとを備えている。すなわち、左ウインチ切替部126の入力ポートであるL1ポート、R1ポートは、リモコン制御回路部124の出力ポートであるL1ポート、R1ポートにそれぞれ接続されている。
また、左ウインチ切替部126は、手動切替弁148と操作シリンダ149とを備えており、手動切替弁148と操作シリンダ149のシリンダロッドとを連動連結することにより、手動切替弁148を手動及び操作シリンダ149の伸縮により切替可能に構成している。
手動切替弁148は、所謂3位置弁式の切替弁であり、第1〜第4ポートと、同第1〜第4ポートの連通状態を切り替えるための手動レバーとを備えている。
手動レバーが第1の位置に操作された場合には、第1ポートと第3ポートを連通状態とすると共に、第2ポートと第4ポートを連通状態とする。以下、このような連通状態を並行連通状態と称する。また、手動レバーが第2の位置、例えば中立位置に操作された場合には、第1ポートは閉塞し、第2ポート、第3ポート、第4ポートを連通状態とする。また、手動レバーが第3の位置に操作された場合には、第1ポートと第4ポートを連通状態とすると共に、第2ポートと第3ポートとを連通状態とする。以下、このような連通状態をクロス連通状態と称する。第1ポートはPポートに、第2ポートはTポートに、第3ポートはAポートに、第4ポートはBポートに接続されている。
操作シリンダ149は、中立復帰用弾性体を内蔵した油圧シリンダであり、シリンダロッドは、その動きが手動レバーに伝達されるよう構成している。
操作シリンダ149は、第1ポート及び第2ポートを備えており、第1ポートに圧力信号が入力されるとシリンダロッドを伸ばして手動切替弁148の手動レバーが第1の位置となるよう動作し、第2ポートに圧力信号が入力されるとシリンダロッドを縮めて手動レバーが第3の位置となるよう動作する。なお、第1及び第2ポートのいずれにも圧力信号が入力されていない場合は、操作レバーが中立の第2の位置となるよう動作するか、又は手動操作に従う。第1のポートはL1ポートに、第2のポートはR1ポートに接続されている。
右ウインチ切替部125は、リモコン制御回路部124のL2ポート及びR2ポートから出力された油圧信号を受け、切替弁を切り替えて右ウインチ115bに配設されている右油圧モータ147bの回転方向の切り替えを行う部位である。
右ウインチ切替部125は、圧力入口となるPポート、油圧帰還のためのTポート、巻き上げ回転方向に右油圧モータ147bを回転させる油圧信号出力のためのAポート、繰出回転方向に右油圧モータ147bを回転させる油圧信号出力のためのBポート、リモコン制御回路部124のL2ポートより出力された油圧信号の入力ポートであるL2ポートと、リモコン制御回路部124のR2ポートより出力された油圧信号の入力ポートであるR2ポートとを備えている。すなわち、右ウインチ切替部125の入力ポートであるL2ポート、R2ポートは、リモコン制御回路部124の出力ポートであるL2ポート、R2ポートにそれぞれ接続されている。
また、右ウインチ切替部125は、前述の左ウインチ切替部126と同様に、手動切替弁148と操作シリンダ149とを備えており、手動切替弁148と操作シリンダ149のシリンダロッドとを連動連結することにより、手動切替弁148を手動及び操作シリンダ149の伸縮により切替可能に構成している。なお、手動切替弁148や操作シリンダ149の詳細は、左ウインチ切替部126と略同様であるため説明は省略する。
左ウインチ115aは、ウインチドラム151と左油圧モータ147aとで構成しており、左油圧モータ147aのモータ軸をウインチドラム151の軸に連結することで回動可能に構成している。
左油圧モータ147aは、第1ポートと第2ポートとを備えており、第1ポートは左ウインチ切替部126のAポートに、第2ポートは左ウインチ切替部126のBポートに接続されている。以下、左油圧モータ147aの第1ポートと、左ウインチ切替部126のAポートとを結ぶ油圧ラインを左ウインチA1ライン165と称する。左ウインチA1ライン165は、後述する補助シリンダ回路部127のPポートに、同Pポートへ向かう流れを許容するチェック弁167を介して接続している。
左油圧モータ147aは、第1ポートに所定の圧力で作動油の供給がなされると、ウインチドラム151を巻き上げ方向に回動させる。また、第2ポートに作動油の供給がなされると、ウインチドラム151を繰出方向に回動させる。
右ウインチ115bは、ウインチドラム151と右油圧モータ147bとで構成しており、右油圧モータ147bのモータ軸をウインチドラム151の軸に連結することで回動可能に構成している。
右油圧モータ147bは、第1ポートと第2ポートとを備えており、第1ポートは右ウインチ切替部125のAポートに、第2ポートは右ウインチ切替部125のBポートに接続されている。以下、右油圧モータ147bの第1ポートと、右ウインチ切替部125のAポートとを結ぶ油圧ラインを右ウインチA1ライン166と称する。右ウインチA1ライン166は、後述する補助シリンダ回路部127のPポートに、同Pポートへ向かう流れを許容するチェック弁168を介して接続している。
右油圧モータ147bもまた左油圧モータ147aと同様に、第1ポートに所定の圧力で作動油の供給がなされると、ウインチドラム151を巻き上げ方向に回動させる。また、第2ポートに作動油の供給がなされると、ウインチドラム151を繰出方向に回動させる。
補助シリンダ回路部127は、ブーム補助シリンダ130を制御してブーム110のブレを防止するための油圧回路であり、油圧入力のためのPポートと、油圧帰還のためのTポートを備えている。
また、補助シリンダ回路部127は、ブーム補助シリンダ130と、第1リリーフ弁160と、第2リリーフ弁161と、チェック弁162と、油圧パイロット切替弁163とを備えている。
ブーム補助シリンダ130は、第1ポート及び第2ポートを備えている。シリンダロッドに引出方向の外力が加わると、第1ポートからブーム補助シリンダ130内に作動油の補給がなされる。また、シリンダロッドに押込方向の外力が加わると、第2ポートからブーム補助シリンダ130内に作動の補給がなされる。第1ポートはTポートに接続され、第2ポートは第1リリーフ弁160の第1ポートと、第2リリーフ弁161の第1ポートと、チェック弁162の第1ポートとに接続されている。なお、以下の説明において、ブーム補助シリンダ130の第2ポートと、第1リリーフ弁160の第1ポートと、第2リリーフ弁161の第1ポートと、チェック弁162の第1ポートとを結ぶ油圧ラインをシリンダ前室ライン164と称する。
第1リリーフ弁160は、第2リリーフ弁161が動作不良となって過剰な油圧が付与された場合に機能させるための非常用のリリーフ弁である。第1リリーフ弁160は第1ポートと第2ポートとを備えており、第1ポートはシリンダ前室ライン164に、第2ポートはTポートに接続されている。
第2リリーフ弁161は、ブーム補助シリンダ130の第2ポートから吐出される作動油の油圧が高まった際に、ブーム補助シリンダ130の第1ポート側へ作動油を流すための弁である。第2リリーフ弁161は、第1ポートと第2ポートとを備えており、第1ポートはシリンダ前室ライン164に、第2ポートはTポートに接続されている。
チェック弁162は、シリンダ前室ライン164への作動油の流入は許容する一方、シリンダ前室ライン164からの作動油の流出は阻止するチェック弁である。チェック弁162は、第1ポートと第2ポートとを備えており、第1ポートはシリンダ前室ライン164に、第2ポートはTポートに接続されている。
油圧パイロット切替弁163は、左ウインチA1ライン165や右ウインチA1ライン166から入力される油圧により流路を切り替えると共に、入力された油圧を補助シリンダ回路部127内に流してブーム補助シリンダ130の第1ポートへ供給するための弁である。油圧パイロット切替弁163は、第1〜第3ポートを備えており、第1ポートはPポートに、第2ポートはシリンダ前室ライン164に、第3ポートはTポートに接続されている。
ところで、一般的な荷役用に用いられるクレーン装置のブームは、起伏用のトッピングウインチと、左旋回させるための左バングウインチと、右旋回させるための右バングウインチとから伸延する3本のワイヤにより支持されるため、例えば船が波浪によりローリングしてもブームは保持されることとなる。
しかしながら、本実施形態に係るセミクレーン装置X1,X2では、トッピングとバングとを兼ねた2台のトッピング兼バングウインチ、すなわち、左ウインチ115aおよび右ウインチ115bから伸延する2本のワイヤで支持しているため、例えば船が右舷方向にローリングすると、ブーム110も右舷に重心が移ることとなる。
すると、左舷側に配置されている右ウインチ115bから伸延する右ワイヤ116bが長くなり、その長さの分だけブーム110の起立を許容することとなるため、ブーム110の跳ね上がり(ブレ)が起こるおそれがある。
そこで本実施形態に係るセミクレーンシステムY(セミクレーン装置X2)では、右ウインチ切替部125及び左ウインチ切替部126の動作に応じてブーム補助シリンダ130や補助シリンダ回路部127を協働させることにより、このブーム110のブレを防止している。
図11にて示す補助シリンダ回路部127は、操作レバー121の操作がなされていないときの状態を示しているが、この場合、ブーム補助シリンダ130の第2ポートはチェック弁162と第2リリーフ弁161の圧力設定内で閉弁しており、ブーム110に跳ね上がり方向の加速度等が加わった場合でも、ブーム補助シリンダ130のシリンダロッドの進出を抑制し、ブーム110のブレを防止可能としている。なお、操作レバー121の操作中におけるブーム補助シリンダ130及び補助シリンダ回路部127の動作については、各操作に対する動作説明において追ってそれぞれ説明する。
上述してきたセミクレーンシステムYによれば、次のように動作することとなる。
例えば、セミクレーン装置X2のブーム110が起立した状態において、操作レバー121が作業者から見て押し倒し方向に操作されると、図12に示すように、倒伏検出切替弁142の第2ポートと出力ポートとが連通状態となり、リモコン発信回路部123のPポートより供給された油圧は、B1ポートより油圧信号として出力されて、リモコン制御回路部124のB1ポートから入力される。
リモコン制御回路部124では、シャトル弁Sa2において第2ポートと出力ポートが連通され、切替弁145の第5ポート、すなわち並行切替用入力ポートに油圧が伝達されて切替弁145は第2ポートと第4ポートとが連通された並行連通状態となる。
また、B1ポートから入力された油圧は、シャトル弁Sa3において第1ポートと出力ポートが連通され、R1ポート及び切替弁145の第2ポートに至る。
切替弁145の第2ポートに至った油圧は、切替弁145が並行連通状態にあるため、第4ポートから出力され、R2ポートに至る。
R1ポートに至った油圧は、左ウインチ切替部126のR1ポートから入力され、操作シリンダ149の第2ポートに至り、手動切替弁148をクロス連通状態に切り替える。また、R2ポートに至った油圧は、右ウインチ切替部125のR2ポートから入力され、操作シリンダ149の第2ポートに至り、手動切替弁148をクロス連通状態に切り替える。
このような状態において、油圧主管から供給された油圧は、右ウインチ切替部125のPポートからBポートへ通じ、右油圧モータ147bの第2ポートから供給されることとなり、右ウインチ115b(ウインチドラム151)が繰出方向に回動する。
また、左ウインチ切替部126において油圧は、同左ウインチ切替部126のPポートからBポートへ通じ、左油圧モータ147aの第2ポートから供給されることとなり、左ウインチ115a(ウインチドラム151)が繰出方向に回動する。
このように、左右双方のウインチ115が繰出方向に回動することとなるため、ブーム110のメインブーム110aは、図14に示すように、起立状態にある(a)から、(b)や(c)を経て、(d)の倒伏方向へ変位することが可能となる。
また、この変位中に、屈折シリンダ133を操作して屈折ブーム110bを適宜屈曲させつつ変位させることにより、揚網機6によりたぐり寄せられた漁網Nを甲板2の所望の位置に容易に引上配置することができる。
また、(e)の位置まで倒伏しながら屈折ブーム110bを完全に折曲状態としつつ、格納ウインチ131を駆動して網捌機117をバンパー132に当接させることで、網捌機117の格納を行うことも可能である。
併せて、補助シリンダ回路部127においては、同補助シリンダ回路部127のPポートより油圧入力がないため、ブーム110の自重や網捌機117に掛け回された漁網N等の重量によりブーム補助シリンダ130の第1ポートから作動油が吐出される一方、チェック弁162を介してブーム補助シリンダ130の第2ポートから流入して補給され、シリンダロッドは縮むこととなる。なお、波浪等によってブーム110に跳ね上がり方向への加速度が付与された場合には、前述した操作レバー121の非操作時と同様、ブーム補助シリンダ130の第2ポートはチェック弁162と第2リリーフ弁161の圧力設定内で閉弁することとなり、跳ね上がり動作は抑制される。
次に、起立方向への動きについて説明すると、セミクレーン装置X2のブーム110が倒伏した状態において、操作レバー121が作業者から見て引き倒し方向に操作されると、図13に示すように、起立検出切替弁141の第2ポートと出力ポートとが連通状態となり、リモコン発信回路部123のPポートより供給された油圧は、A1ポートより油圧信号として出力されて、リモコン制御回路部124のA1ポートから入力される。
リモコン制御回路部124では、シャトル弁Sa2において第1ポートと出力ポートが連通され、切替弁145の第5ポート、すなわち並行切替用入力ポートに油圧が伝達されて切替弁145は第1ポートと第3ポートとが連通された並行連通状態となる。
また、A1ポートから入力された油圧は、シャトル弁Sa1において第1ポートと出力ポートが連通され、L1ポート及び切替弁145の第1ポートに至る。
切替弁145の第1ポートに至った油圧は、切替弁145が並行連通状態にあるため、第3ポートから出力され、L2ポートに至る。
L1ポートに至った油圧は、左ウインチ切替部126のL1ポートから入力され、操作シリンダ149の第1ポートに至り、手動切替弁148を並行連通状態に切り替える。また、リモコン制御回路部124のL2ポートに至った油圧は、右ウインチ切替部125のL2ポートから入力され、操作シリンダ149の第1ポートに至り、手動切替弁148を並行連通状態に切り替える。
このような状態において、油圧主管から供給された油圧は、右ウインチ切替部125のPポートからAポートへ通じ、右油圧モータ147bの第1ポートから供給されることとなり、右ウインチ115b(ウインチドラム151)が巻き上げ方向に回動する。
また、左ウインチ切替部126において油圧は、同左ウインチ切替部126のPポートからAポートへ通じ、左油圧モータ147aの第1ポートから供給されることとなり、左ウインチ115a(ウインチドラム151)が巻き上げ方向に回動する。
このように、左右双方のウインチ115が巻き上げ方向に回動することとなるため、ブーム110のメインブーム110aは、図14に示すように、倒伏状態にある(d)から、(c)や(b)を経て、(a)の起立方向へ変位することが可能となる。
また、補助シリンダ回路部127に着目すると、図13に示すように、左油圧モータ147a側からはチェック弁167を介し、また、右油圧モータ147b側からはチェック弁168を介して、補助シリンダ回路部127のPポートへ油圧供給がなされることとなる。
Pポートより供給された油圧は、油圧パイロット切替弁163に内蔵された弁の切り替えを行って第2ポートと第3ポートとを連通させると共に、パイロットラインを介して第3ポートより吐出され、ブーム補助シリンダ130の第1ポートに至る。また、ブーム110がウインチ115によって引き上げられることにより、ブーム補助シリンダ130の第2ポートから吐出される油圧が上昇し、第2リリーフ弁161をバイパスする。すなわち、Pポートからの入力により油圧パイロット切替弁163が連通状態に切り替えられているため、第2リリーフ弁161の設定圧力は低下しており、ウインチ115によるブーム110の引き上げは可能となっている。ただし、第2リリーフ弁161をバイパスする際に一定の流動抵抗が付与される。
従って、漁船Sの操業中などにおいてメインブーム110aの起立方向への変位時に、波浪等の関係でメインブーム110aに振動(加速度)が加わった場合であっても、メインブーム110aの跳ね上がり方向へのブレを可及的に防止することができる。
次に、旋回時の動きについて説明する。例えば、操作レバー121が作業者から見て右方向に操作されると、図15に示すように、右振検出切替弁144の第2ポートと出力ポートとが連通状態となり、リモコン発信回路部123のPポートより供給された油圧は、B2ポートより油圧信号として出力されて、リモコン制御回路部124のB2ポートから入力される。
リモコン制御回路部124では、シャトル弁Sa4において第2ポートと出力ポートが連通され、切替弁145の第6ポート、すなわちクロス切替用入力ポートに油圧が伝達されて切替弁145は第2ポートと第3ポートとが連通されたクロス連通状態となる。
また、B2ポートから入力された油圧は、シャトル弁Sa3において第2ポートと出力ポートが連通され、R1ポート及び切替弁145の第2ポートに至る。
切替弁145の第2ポートに至った油圧は、切替弁145がクロス行連通状態にあるため、第3ポートから出力され、L2ポートに至る。
R1ポートに至った油圧は、左ウインチ切替部126のR1ポートから入力され、操作シリンダ149の第2ポートに至り、手動切替弁148をクロス連通状態に切り替える。また、リモコン制御回路部124のL2ポートに至った油圧は、右ウインチ切替部125のL2ポートから入力され、操作シリンダ149の第1ポートに至り、手動切替弁148を並行連通状態に切り替える。
このような状態において、油圧主管から供給された油圧は、右ウインチ切替部125のPポートからAポートへ通じ、右油圧モータ147bの第1ポートから供給されることとなり、右ウインチ115b(ウインチドラム151)が巻き上げ方向に回動する。
また、左ウインチ切替部126において油圧は、同左ウインチ切替部126のPポートからBポートへ通じ、左油圧モータ147aの第2ポートから供給されることとなり、左ウインチ115a(ウインチドラム151)が繰出方向に回動する。
ここで実施の構成自体は若干異なるものの、先に示した図4を借りて説明すれば、このように、左ウインチ115aは巻き上げ方向に、右ウインチ115bは繰出方向に回動することとなるため、ブーム110のメインブーム110aは、図4に示すように、漁船Sの船尾方向へ指向した(a)の状態から、(b)に示す漁船Sの左舷方向、すなわちブーム110が右方向へ変位することとなる。
またこのとき、補助シリンダ回路部127においては、右油圧モータ147b側からチェック弁168を介して、補助シリンダ回路部127のPポートへ油圧供給がなされることとなるが、油圧パイロット切替弁163の切り替えは行われるものの、このPポートからの流入による作動油の流れは生じず、メインブーム110aの旋回動作は阻害することなく、メインブーム110aのブレを防止することができる。
同様に、操作レバー121が作業者から見て左方向に操作された場合について説明すると、図16に示すように、左振検出切替弁143の第2ポートと出力ポートとが連通状態となり、リモコン発信回路部123のPポートより供給された油圧は、A2ポートより油圧信号として出力されて、リモコン制御回路部124のA2ポートから入力される。
リモコン制御回路部124では、シャトル弁Sa4において第1ポートと出力ポートが連通され、切替弁145の第6ポート、すなわちクロス切替用入力ポートに油圧が伝達されて切替弁145は第1ポートと第4ポートとが連通されたクロス連通状態となる。
また、A2ポートから入力された油圧は、シャトル弁Sa2において第2ポートと出力ポートが連通され、L1ポート及び切替弁145の第1ポートに至る。
切替弁145の第1ポートに至った油圧は、切替弁145がクロス行連通状態にあるため、第4ポートから出力され、R2ポートに至る。
L1ポートに至った油圧は、左ウインチ切替部126のL1ポートから入力され、操作シリンダ149の第1ポートに至り、手動切替弁148を並行連通状態に切り替える。また、リモコン制御回路部124のR2ポートに至った油圧は、右ウインチ切替部125のR2ポートから入力され、操作シリンダ149の第2ポートに至り、手動切替弁148をクロス連通状態に切り替える。
このような状態において、油圧主管から供給された油圧は、右ウインチ切替部125のPポートからBポートへ通じ、右油圧モータ147bの第2ポートから供給されることとなり、右ウインチ115b(ウインチドラム151)が繰出方向に回動する。
また、左ウインチ切替部126において油圧は、同左ウインチ切替部126のPポートからAポートへ通じ、左油圧モータ147aの第1ポートから供給されることとなり、左ウインチ115a(ウインチドラム151)が巻き上げ方向に回動する。
このように、左ウインチ115aは繰出方向に、右ウインチ115bは巻き上げ方向に回動することとなるため、図示は省略するが、ブーム110のメインブーム110aは漁船Sの右舷方向、すなわちブーム110が左方向へ変位することとなる。
上述してきたように、本実施形態に係るクレーン装置によれば、基台に立設した支柱に自在軸を介して上下左右に変位可能に構成したブームの基端部を連結し、ブームの先端部と中途部の各左右側部にそれぞれ左右第1動滑車と左右第2動滑車とを取付けると共に、左右第2動滑車の後方となる所定位置には定滑車と左右ウインチとを配設し、左右ウインチから左右ワイヤをそれぞれ伸延し、左右第2動滑車に至ると折返してそのまま定滑車に至りここで更に折返して伸延し、左右第1動滑車に至って更に折返してそのまま伸延してワイヤ終端が支柱の左右方向に離隔した位置に固定するように左右ワイヤを各滑車に掛け回したため、クレーン装置自体の重さは比較的軽量でありながらも、動滑車を利用した左右巻取りワイヤによって操作荷重を可及的に小さくしてクレーンのブームを昇降及び旋回操作をすることができ、しかも漁網等の引き揚げ対象物を容易に昇降定置可能としたクレーン装置を提供することができる。
以上、上述した実施例を通して本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、上述した各種効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施例に記載されたものに限定されるものではない。
2 基台
3 支柱
3a1,3a2 左右補助定滑車用連結体
3b1,3b2 左右主定滑車用連結体
4 漁網用クレーン
4a 先端部
4b 基端部
5ジョイント部
5a 枢軸
5b 水平枢軸
5c 垂直枢軸
10 ブーム
10a 先端部
10a1.10a2 左右第1動滑車用連結体
10b1,10b2 左右第2動滑車連結体
10b 中途部
10c 基端部
11a,11b 左右第1動滑車
12a,12b 左右第2動滑車
13a,13b 左右補助定滑車
14a,14b 左右主定滑車
15a,15b 左右ワイヤ用ウインチ
16a,16b 左右巻取りワイヤ
17 漁網用滑車
18a,18b 左右ワイヤ固定ポール
20 駆動源
21 動力ウインチ
X セミクレーン装置
S 漁船
W 漁網用ワイヤ
C 滑車支持ケース
C1 ケース本体
C2 滑車
C2a 滑車溝
C3 車軸
C4 コネクトピン
D 環状コネクター
N 漁網

Claims (3)

  1. 基台に立設した支柱に自在軸を介して上下左右に変位可能に構成したブームの基端部を連結し、ブームの中途部の各左右にそれぞれ左右第1動滑車と左右第2動滑車とを取付けると共に、左右第1又は第2動滑車の後方となる所定位置には定滑車と左右ウインチとを配設し、左右ウインチから左右ワイヤをそれぞれ伸延し、左右第1又は第2のいずれか一方の動滑車に至ると折返してそのまま定滑車に至りここで更に折返して伸延し、左右第1又は第2のいずれか他方の動滑車に至って更に折返してそのまま伸延してワイヤ終端が支柱の左右方向に離隔した位置に固定するように左右ワイヤを各滑車に掛け回したことを特徴とするクレーン装置。
  2. 基台は漁船の甲板であると共に、ブームは漁網を連結吊下する漁網用ワイヤを支持するための漁網用クレーンブームであることを特徴とする請求項1に記載のクレーン装置。
  3. 左右第1動滑車と左右第2動滑車とを揺動自在に取り付けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクレーン装置。
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