JP2018064417A - 着磁装置 - Google Patents

Abstract

【課題】着磁ヨークのコイルとコアとの間で絶縁破壊を抑制することができる着磁装置を提供する。【解決手段】着磁装置は、ロータコアが挿入される挿入孔を有するコア部１１と、コア部１１に形成され、ロータコアを着磁するための磁場を発生するコイル部１２と、コイル部１２の端部の位置を規定するモールド部１３と、コア部１１の位置を規定するコア押え部１４と、コイル部１２の端部の位置を規定するコイルエンド押え部１５とを有する着磁ヨーク１０を備え、コア押え部１４はモールド部１３と接する面に凹部１８を有し、モールド部１３の一部が凹部１８に入り込んで凸部１９を形成する。【選択図】図３

Description

本発明は着磁装置に関する。

モータに搭載されるロータコアを着磁する着磁装置が開発されている。特許文献１には、着磁装置が、ロータコアを着磁する着磁ヨークと、ロータコアの電磁鋼板の周縁部を電磁鋼板の積層方向から挟み込み、着磁するときの電磁鋼板の変形を抑制する挟み込み手段とを備えることが記載されている。

特開２０１５−２２２７４４号公報

上記したように、特許文献１記載の発明は、ロータコアを着磁するときの電磁鋼板の変形を抑制するものであるが、高性能磁石となるロータコアを着磁するときは発生させる磁界が大きくなり、着磁装置においても、着磁ヨークのコイルに大きな力が働き、当該コイルと着磁ヨークのコアとの間で絶縁破壊が生じることがわかった。

本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、着磁ヨークのコイルとコアとの間での絶縁破壊を抑制することができる着磁装置を提供することを目的とする。

本発明に係る着磁装置は、ロータコアが挿入される挿入孔を有するコア部と、コア部に形成され、ロータコアを着磁するための磁場を発生するコイル部と、コイル部の端部の位置を規定するモールド部と、コア部の位置を規定するコア押え部と、コイル部の端部の位置を規定するコイルエンド押え部とを有する着磁ヨークを備え、コア押え部はモールド部と接する面に凹部を有し、モールド部の一部が凹部に入り込んで凸部を形成するものである。

本発明により、着磁ヨークのコイルとコアとの間での絶縁破壊を抑制できる着磁装置を提供することができる。

比較例に係る着磁装置１０１の全体構成を説明するための図である。 比較例に係る着磁ヨーク１１０の構成を説明するための図である。 実施の形態に係る着磁ヨーク１０の構成を説明するための図である。 本実施の形態に係るモールド部１３の形成方法を説明するための図である。

以下、図面を参照して、着磁ヨークのコイルとコアとの間で絶縁破壊が生じることがある比較例に係る着磁装置と、当該絶縁破壊を抑制することができる本実施の形態に係る着磁装置とをこの順番で説明する。

（比較例）
図１は、比較例に係る着磁装置１０１の全体構成を説明するための図であり、着磁装置１０１を水平方向から観たときの構成を示している。着磁装置１０１は、ロータコア１０２を着磁するための着磁ヨーク１１０などを備えている。

図２は、比較例に係る着磁ヨーク１１０の構成を説明するための図である。図１の範囲Ａの部分を拡大した図であり、着磁ヨーク１１０の上部の構成を示している。

着磁ヨーク１１０は、ロータコア１０２が挿入される挿入孔（図示せず）が形成されたコア部１１１、コア部１１１に形成され、磁場を発生させるコイル部１１２、コイル部１１２の端部（以下、「コイルエンド」という。）の位置を規制するためのモールド部１１３、コア部１１１の位置を規制するためのコア押え部１１４、コイルエンドの位置を規制するためのコイルエンド押え部１１５、コイルエンド押え部１１５をコア押え部１１４に固定するためのボルト１１６、コア押え部１１４をコア部１１１に固定するためのボルト１１７などを備えている。

このような構成の着磁ヨーク１１０では、ロータコアを着磁するときに、大きな磁界を発生させる。このとき、高磁界によりコイル部１１２が丸くなろうとする拡張力（フープ力）１３１が軸方向に働く。そして、拡張力１３１によりコイル部１１２が動き、コア部１１１の端部（例えば、図２の範囲Ｂの部分）でのコイル擦れによって、コイル部１１２の絶縁皮膜が摩耗し、コア部１１１とコイル部１１２との間で絶縁破損が生じることがある。

つまり、拡張力１３１によりコイルエンド押え部１１５に荷重１３２がかかり、これにより、コイルエンド全体が動き、コイル部１１２が動き、コア部１１１の端部でコイル擦れが発生することがある。
また、モールド部１１３での力点１３５は、コイルエンド押え部１１５にかかる荷重１３２の位置にあって、ボルト１１６、１１７にかかる曲げモーメントも大きい。

（本実施の形態）
そこで、本実施の形態に係る着磁装置では、コイルエンド押え部にかかる荷重を分散させ、２本のボルトにかかる曲げモーメントを小さくするために、コア押え部とモールド部とが接する面において、コア押え部に凹部を設け、モールド部が当該凹部に入り込んで凸部を形成するようにして、コア押え部とモールド部とを噛み合わせ、コイルエンド押え部にかかる荷重をコア押え部にも負担させ、２本のボルトにかかる曲げモーメントも小さくなるようにしている。

図３は、本実施の形態に係る着磁ヨーク１０の構成を説明するための図である。本実施の形態に係る着磁装置の全体構成は、比較例に係る着磁装置１０１のものとほぼ同様であって、ここでは、図示及び説明を省略する。図３も、図１の範囲Ａに対応する部分を拡大した図であって、着磁ヨーク１０の上部の、コイルエンド側の構成を示している。

着磁ヨーク１０も、コア部１１、コイル部１２、モールド部１３、コア押え部１４、コイルエンド押え部１５、ボルト１６、１７などを備えているが、上述したように、コア押え部１４に外径方向に窪んだ凹部１８を設け、モールド部１３を形成するときに、モールドが凹部１８に入り込み、モールド部１３に凸部１９が形成されている。

このような構成によれば、着磁するときに、コイル拡張力３１が軸方向に働いたとしても、モールド部１３の凸部１９がコア押え部１４の凹部１８にひっかかって、コイル拡張力３１がコイルエンド押え部１５にかかる荷重３２と、コア押え部１４にかかる荷重３３とに分散される。このとき、凹部１８を大きくとることによって、コイルエンド押え部１５にかかる荷重３２をより小さくすることができる。

また、モールド部１３での力点３５も、ボルト１６、ボルト１７側に近づき、ボルト１６、ボルト１７にかかる曲げモーメントを小さくすることができる。
そして、コイルエンド全体の動き量、すなわち、コイル部１２の動きを低減することができ、コア部１１の端部でのコイル擦れによる絶縁性の悪化を抑制することができる。

なお、本実施の形態に係るコア押え部１４の凹部１８には、凹部１８を形成する底面又は側面にテーパ（傾斜部）２０が設けられ、モールド部１３を形成するために、樹脂を充填するときに、モールド部１３にボイドが残らないようにすることができる。

図４は、本実施の形態に係るモールド部１３の形成方法を説明するための図である。
モールド部１３を形成するときには、図４に示すように、製造途中の着磁ヨーク１０の天地を逆にして、つまり、コイルエンド側を下にして、図４の上側から樹脂充填穴（図示せず）を介して下側に向けて樹脂を注入する。このときに、仮に樹脂中にエア２１が含まれていたとしても、エア２１は凹部１８上側面のテーパ２０に沿って上方向に抜けるので、モールド部１３にエア２１が溜まることがなく、ボイドのない、充分な強度を有するモールド部１３を形成することができる。

以上、説明したように、本実施の形態に係る着磁装置は、ロータコアが挿入される挿入孔を有するコア部１１と、コア部１１に形成され、ロータコアを着磁するための磁場を発生するコイル部１２と、コイル部１２の端部の位置を規定するモールド部１３と、コア部１１の位置を規定するコア押え部１４と、コイル部１２の端部の位置を規定するコイルエンド押え部１５とを有する着磁ヨーク１０を備え、コア押え部１４はモールド部１３と接する面に凹部１８を有し、モールド部１３の一部が凹部１８に入り込んで凸部１９を形成するものである。

このような構成により、着磁ヨーク１０のコイル部１２とコア部１１との間での絶縁破壊を抑制することができる。

１０ 着磁ヨーク
１１ コア部
１２ コイル部
１３ モールド部
１４ コア押え部
１５ コイルエンド押え部
１６、１７ ボルト
１８ 凹部
１９ 凸部
２０ テーパ
２１ エア
３１ コイル拡張力
３２、３３ 荷重
３５ 力点

Claims (1)

1. ロータコアが挿入される挿入孔を有するコア部と、
   前記コア部に形成され、前記ロータコアを着磁するための磁場を発生するコイル部と、
   前記コイル部の端部の位置を規定するモールド部と、
   前記コア部の位置を規定するコア押え部と、
   前記コイル部の端部の位置を規定するコイルエンド押え部と
   を有する着磁ヨークを備え、
   前記コア押え部は前記モールド部と接する面に凹部を有し、前記モールド部の一部が前記凹部に入り込んで凸部を形成する
   着磁装置。

Images