JP2017017913A - 回転子及び永久磁石同期モータ - Google Patents

回転子及び永久磁石同期モータ Download PDF

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智仁 中野
Tomohito Nakano
智仁 中野
北村 正司
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正司 北村
一農 田子
Kazuatsu Tago
一農 田子
長谷川 学
Manabu Hasegawa
学 長谷川
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Abstract

【課題】本発明の目的は、段スキュー構造を有する永久磁石同期モータにおいて、各段間境界面付近で軸方向に漏れる磁束を防ぎ、漏れ磁束によるコギングトルクを低減することである。【解決手段】本発明の永久磁石モータに用いられる回転子は、軸方向に複数段に分割され、各段の間でスキューを施された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の周方向に配置された複数の永久磁石と、を備えた回転子であって、前記回転子鉄心は、周方向に隣接する複数の前記永久磁石の間に、径方向に突出する突起部が形成され、軸方向に分割された前記回転子鉄心の段間の境界面に対して一方側に配置される前記永久磁石の軸方向端面と当該境界面を挟んで対向するとともに、当該境界面に対して他方側に配置される前記突起部と対向する領域には、前記突起部よりも透磁率が低い低透磁率部が形成されることを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、回転子及び永久磁石同期モータに関する
段スキューを有するモータにおいて、漏れ磁束によるコギングトルクを低減する方法が特許文献1に記載されている。
特開平08−228447号公報
段スキュー構造を有する永久磁石同期モータにおいて、各段間境界面付近で軸方向に漏れる磁束を防ぎ、漏れ磁束によるコギングトルクを低減する。特許文献1の回転子では、段スキューされた磁石間で隙間を設けているが、通電時のトルクを維持するために軸長を長くする必要があるといった問題があった。
前記課題を解決するための本発明は、軸方向に複数段に分割され、各段の間でスキューを施された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の周方向に配置された複数の永久磁石と、を備えた回転子であって、前記回転子鉄心は、周方向に隣接する複数の前記永久磁石の間に、径方向に突出する突起部が形成され、軸方向に分割された前記回転子鉄心の段間の境界面に対して一方側に配置される前記永久磁石の軸方向端面と当該境界面を挟んで対向するとともに、当該境界面に対して他方側に配置される前記突起部と対向する領域には、前記突起部よりも透磁率が低い低透磁率部が形成されることを特徴とする。
本発明の回転子は、軸方向に漏れる磁束が発生しやすい、回転子各段の境界面付近の回転子鉄外周面において、透磁率が低い低透磁率部を形成することで、軸長を増やすことなく軸方向に漏れる磁束を低減し、軸方向に漏れる磁束によるコギングトルクを低減する。
回転子1の側面模式図である。 回転子1の平面図である。 コアプレート10Aの平面図である。 コアプレート10Bの平面図である。 別の実施形態に係る回転子の側面模式図である。 回転子鉄心10の外観斜視図である。 コアプレート10Bの別の構成例に係る平面図である。 永久磁石モータの斜視図である。
図1は、第1の実施形態に係る回転子の側視図である。図中の上下方向が回転軸方向である。本実施形態の回転子1は、軸方向に2段に分割された回転子鉄心10と、回転子鉄心の周方向に配置される複数の永久磁石20と、を備える。永久磁石20は、磁極の向きが互いに交互となるように周方向に配置される。回転子鉄心10は、境界面15を挟んで一方側と他方側とで分割され、周方向に所定の角度θだけスキューされている。
図2は、回転子1の回転軸方向に平行な方向から見た平面図である。永久磁石20は、回転子鉄心10の外周表面に配置される。本実施形態では、8極の永久磁石が配置される。永久磁石は残留磁束密度の高いものが好ましく、例えばネオジム磁石などが好ましい。
図3(a)は、図1のA−A断面における回転子鉄心10の断面図であり、図3(b)は、図1のB−B断面における回転子鉄心10の断面図である。
回転子鉄心10は、軸方向に複数のコアプレートを積層して構成される。図1のA−A断面においては図3(a)に示すコアプレート10Aが配置され、図1のB−B断面においては図3(b)に示すコアプレート10Bが配置される。このように、本実施形態の回転子鉄心は、2種類のコアプレート10A、10Bとを用いて構成される。コアプレート10A、10Bは、ケイ素鋼板により形成される。
コアプレート10Aは、径方向に突出する複数の突起部10aが複数形成される。隣接する突起部10aと突起部10aとの間には、永久磁石が配置される平坦部が形成されている。突起部10aは、永久磁石20の位置決め用の突起である。本実施形態では、永久磁石20の個数に合わせ、8個の突起部10aが形成される。一方、コアプレート10Bは、突起部10aが形成されない。
本実施形態における回転子10は、図1に示すように、境界面15から軸方向にコアプレート数枚分、例えば2〜3mmの領域において、突起部10aを持たないコアプレート10Bが積層される。そして、それ以外の領域には、突起部10aを有するコアプレート10Aが積層される。なお、本実施形態では、境界面を挟んで一方側の突起部10aと他方側の突起部10aは、軸方向に重ならないように配置されている。
このように、本実施形態の回転子は、境界面15に対して一方側に配置される永久磁石20の軸方向端面と境界面15を挟んで対向するとともに、境界面15に対して他方側に配置される突起部10aと対向する領域には、突起部10aが形成されていない領域が、コアプレート10Bによって形成されている。空気の透磁率は、突起部10aの透磁率よりも低いため、当該領域の低透磁率部10bが形成される。
低透磁率部10bが形成されていない場合、段スキューを設けているために、境界面15を挟んで永久磁石20の軸方向端面と突起部10aとが近接して対向する。この場合、永久磁石20から軸方向に漏れる磁束が発生しやすくなってしまう。
一方で本実施形態の回転子は、永久磁石20の軸方向端面と対向する領域には低透磁率部が形成されているため、従来構造に比べて軸方向の磁束漏洩を抑制することができる。また、永久磁石と永久磁石の間に隙間を設けることなく回転子を構成することができるため、回転子の軸長が大きくなることを抑制することができる。したがって、本実施形態の回転子を用いた永久磁石モータは、永久磁石の磁束方向に漏れる磁束によって生じるコギングトルクを低減することができる。
図4は、第2の実施形態に係る回転子の側視図である。本実施形態においては、境界面15を挟んで両側に低透磁率部10bが形成されている。図5は、本実施形態に係る回転子鉄心の外観斜視図である。
これにより、図1の構造に比べて、軸方向の磁束の漏れを更に低減することができ、コギングトルクを低減することができる。
上述した実施形態においては、突起部を持たないコアプレート10Bは、突起部を有するコアプレート10Aの突起部10aを切り欠いて形成される。これにより、コアプレートの共用化、製造工程の簡略化を図ることができる。ただし、コアプレート10Aとコアプレート10Bとを別々に形成する工程としてもよい。
また、低透磁率部10bを形成する方法としては、突起部10aを切り欠くことには限定されない。例えば、図6に示すように、突起部10aよりも透磁率の小さい材料によって突起部10aと略同一の形状の低透磁率部10bを形成してもよい。本実施形態における低透磁率部10bの材料は、透磁率が低く、かつ電気抵抗の大きい材料が好ましく、例えば樹脂やセラミクスなどを用いることができる。
図7は、上述の回転子を用いた永久磁石モータの要部斜視図である。本実施形態では、表面磁石型の永久磁石モータであり、8極12スロットモータとなっている。
1:回転子
2:固定子
10:回転子鉄心、
10A:突起部を持つコアプレート
10a:突起部
10B:突起部を持たないコアプレート
10b:低透磁率部
15:境界面
20:永久磁石

Claims (6)

  1. 軸方向に複数段に分割され、各段の間でスキューを施された回転子鉄心と、
    前記回転子鉄心の周方向に配置された複数の永久磁石と、を備えた回転子であって、
    前記回転子鉄心は、周方向に隣接する複数の前記永久磁石の間に、径方向に突出する突起部が形成され、
    軸方向に分割された前記回転子鉄心の段間の境界面に対して一方側に配置される前記永久磁石の軸方向端面と当該境界面を挟んで対向するとともに、当該境界面に対して他方側に配置される前記突起部と対向する領域には、前記突起部よりも透磁率が低い低透磁率部が形成されることを特徴とする回転子。
  2. 請求項1に記載の回転子であって、
    前記低透磁率部は、前記境界面を挟んだ両側に形成されることを特徴とする回転子。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の回転子であって、
    前記低透磁率部は、前記突起部を切り欠いて形成されることを特徴とする回転子。
  4. 請求項1又は2のいずれかに記載の回転子であって、
    前記低透磁率部は、前記回転子鉄心よりも透磁率が低い部材により形成されることを特徴とする回転子。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の回転子であって、
    前記突起部は、前記永久磁石の位置決めをすることを特徴とする回転子。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の回転子と、
    前記回転子と径方向に所定の間隔を介して配置される固定子と、を備える永久磁石モータ。
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