JP2018064168A - 音響装置、及び音響処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】左右チャンネル間の音の打ち消しを抑制する。【解決手段】音響装置10は、一対のスピーカーユニット34A、34Bと、右チャンネルと左チャンネルの音声信号SL、SRを入力し、左右チャンネルの音声信号SL、SRの合成処理と差分処理とを独立して行う信号処理部32と、を有している。合成処理で得た左右チャンネルの合成信号SAは、対の一方のスピーカーユニット34Aに入力し、差分処理で得た左右チャンネルの差分信号SBは、対の他方のスピーカーユニット34Bに入力する。【選択図】図1

Description

本発明は、音響装置、及び音響処理方法に関する。
サブウーファーから出力された低域信号と他のスピーカーから出力された低域信号が互いに打ち消しあうことを防止することを目的とした音響再生装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1には、各チャンネルのオーディオ信号を再生する各スピーカーにテストノイズ信号を供給してから聴取位置に配置したマイクロフォンで前記テストノイズ信号を受信するまでの時間をもとに、各スピーカーと聴取位置との間の距離の差に基づき、各スピーカーの再生音が同時に聴取位置に到達するように前記各チャンネルの再生経路に挿入した遅延器の遅延時間を調整する制御部と、全チャンネルから再生される前記テストサイン波を受信した前記マイクロフォンの出力をもとに再生信号のレベルを測定する振幅測定部とを備え、前記振幅測定部で測定する再生信号のレベルが最大となるように、前記サブウーファチャンネル再生経路に挿入した遅延器の遅延時間を調整することが開示されている。
また、スピーカーシステム装置には、Lチャンネル信号からRチャンネル信号を減算した信号を再生するスピーカーユニットと、Rチャンネル信号からLチャンネル信号を減算した信号を再生するスピーカーユニットと、Lチャンネル信号とRチャンネル信号を加算した信号を再生する再生するセンタースピーカーユニットとを備えることによって、スピーカーの間隔が狭くても充分広い音場空間を再現できるようにしたものが開示されている(例えば、特許文献2)。
特開2006−279247号公報 特開2003−37898号公報
しかし、特許文献1の技術は、サブウーファーと他のスピーカーとの間の低域成分が互いに打ち消しあうことを防止するものであり、サブウーファー等の特定のスピーカーから左右チャンネルの音を出力しようとしたときに、左右チャンネルの音の打ち消しを抑制するものではない。
また、特許文献2の技術は、左右のスピーカーから左右チャンネルの差分の音声を出力する構成であり、左右のスピーカー間での音の打ち消しを抑制するものではない。また、特許文献2の上記技術は、マルチチャンネルのフロントに対応するスピーカーユニットに適用する技術であり、サブウーファーに適用する技術ではない。
そこで、本発明は、左右チャンネル間の音の打ち消しを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の音響装置は、一対又は複数対のスピーカーユニットと、右チャンネルと左チャンネルの音声信号を入力し、左右チャンネルの音声信号の合成処理と差分処理とを独立して行う信号処理部と、を有し、前記合成処理で得た前記左右チャンネルの合成信号は、対の一方の前記スピーカーユニットに入力し、前記差分処理で得た前記左右チャンネルの差分信号は、対の他方の前記スピーカーユニットに入力することを特徴とする。
上記構成において、前記対のスピーカーユニットの背面同士を対向させてもよい。また、上記構成において、前記対のスピーカーユニットは、共通のエンクロージャーに配置され、前記エンクロージャーは密閉型であってもよい。
また、上記構成において、前記対のスピーカーユニット同士を同軸上に配置してもよい。
また、上記構成において、前記対のスピーカーユニットに入力する信号の帯域を制限するローパスフィルターを有してもよい。
また、本発明は、一対又は複数対のスピーカーユニットに音声信号を出力する音響処理方法において、右チャンネルと左チャンネルの音声信号の合成処理と差分処理とを独立して行い、前記合成処理で得た前記左右チャンネルの合成信号を、対の一方の前記スピーカーユニットに入力させ、前記差分処理で得た前記左右チャンネルの差分信号を、対の他方の前記スピーカーユニットに入力させることを特徴とする。
本発明では、合成処理で得た左右チャンネルの合成信号は、対の一方のスピーカーユニットに入力し、差分処理で得た左右チャンネルの差分信号は、対の他方のスピーカーユニットに入力するので、左右チャンネル間の音の打ち消しを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る音響装置の構成を示すブロック図である。 音響装置の音源部がモノラル音声を出力する場合を示した図である。 音響装置の音源部がステレオ音声を出力する場合を示した図である。 図4(A)は音源部がMONO音源の場合の他の音響装置100Aを示し、図4(B)は音源部がSTEREO音源の場合の他の音響装置100Bを示した図である。 音響装置100Aの音響特性と音響装置100Bの音響特性とを示す特性曲線図である。 図6(A)は音源部がMONO音源の場合の他の音響装置100Cを示し、図6(B)は音源部がSTEREO音源の場合の他の音響装置100Dを示した図である。 音響装置100Cの音響特性と音響装置100Dの音響特性とを示した特性曲線図である。 図8(A)は音源部がMONO音源の場合の他の音響装置100Eを示し、図8(B)は音源部がSTEREO音源の場合の他の音響装置100Fを示した図である。 音響装置100Eの音響特性と音響装置100Fの音響特性とを示した特性曲線図である。 音源部がSTEREO音源の場合の本実施形態の音響装置を示す図である。 本実施形態の音響装置の音響特性を音響装置100Eの音響特性と共に示した特性曲線図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る音響装置の構成を示すブロック図である。
この音響装置10は、自動車などの車両に搭載される車載用音響装置であり、音源部21と、サブウーファー(スーパーウーファーとも称する)31とを備える。
音源部21は、ステレオ音声を出力するSTEREO音源、又はモノラル音声を出力するMONO音源として機能する。ステレオ音声は、左から到達する音を示す左チャンネルの音声信号と、右から到達する音を示す右チャンネルの音声信号とであり、2チャンネルの音声信号とも言う。各音声信号は、例えば、2つのマイクを使用するステレオ録音によって各マイクから得られる音声信号である。また、モノラル音声は、単一の音声信号であり、例えば単一のマイクを使用するモノラル録音によって得られる音声信号である。
本実施形態では、音源部21は、CD又はラジオ等の音源ソースから得た音声信号を出力する。これによって、音源部21は、音源ソースに応じたステレオ音声又はモノラル音声を出力する。また、音源部21は、ステレオ音声をモノラル音声に変換して出力する機能を有してもよい。
なお、音源ソースは、ステレオ音声又はモノラル音声の音源ソースに限定する必要はなく、2チャンネルよりも多いマルチチャンネルの音声信号を含む音源ソースであってもよい。この場合、音源部21は、マルチチャンネルの音声信号をステレオ音声又はモノラル音声に変換して出力する機能を有してもよい。
音源部21は、サブウーファー31に音声信号を出力する音声出力端子として、2つの音声出力端子21L、21Rを有している。2つの音声出力端子21L、21Rは、ステレオ音声を構成する2チャンネルの音声信号SL、SRをそれぞれ独立して出力する端子である。音声出力端子21Rは、右チャンネルの音声信号SLを出力する端子である。また、音声出力端子21Lは、左チャンネルの音声信号SLを出力する端子である。
但し、音源部21がモノラル音声を出力する場合、音声出力端子21L、21Rは、音声信号SL、SRとして同一の音声信号(モノラル音声信号SM)を出力する。以下の説明では、音声信号SL、SRがモノラル音声であることを特に区別して表記する必要がある場合にモノラル音声信号SMと表記する。
この音源部21は、例えば、音声再生機能を有する車載装置の一部又は全体を構成する。この音響装置10は、音源ソースに応じて所定の音声処理を実行することにより、音源ソースに応じた音声信号を再生し、サブウーファー31及び車両に設置されたスピーカーのそれぞれから音声信号に対応する音声を放音させる装置である。なお、音源部21及びサブウーファー31は、車両に予め据え付けられた据付型でもよいし、車両から容易に持ち運び自在な構成でもよい。
サブウーファー31は、人の可聴域のうちの低域の音(低音)を独立して再生する低音用スピーカーである。このサブウーファー31は、信号処理部32と、ローパスフィルター(以下、LPF)33と、ウーファーボックス(スピーカーボックスとも称する)34とを備えている。
信号処理部32は、音声信号SL、SRを入力し、これら音声信号SL、SRの合成処理と差分処理とを独立して行う。詳述すると、信号処理部32は、音声信号SL、SRの合成処理を行う合成処理部32Aと、これら音声信号SL、SRの差分処理を行う差分処理部32Bとを備えている。合成処理部32Aは、音声信号SL、SRを加算し、加算結果を合成信号SAとして出力する。差分処理部32Bは、音声信号SL、SRの一方から他方を減算し、減算結果を差分信号SBとして出力する。本構成では、音声信号SLから音声信号SRを減算した信号を差分信号SBとして出力している。
信号処理部32は、上記の合成処理と差分処理とを並列的に実行することで、合成信号SAと差分信号SBとを同時に出力する。なお、合成処理部32A及び差分処理部32Bはアナログ回路で構成してもよいし、また、デジタル処理回路(例えばDSP)で構成してもよい。信号処理部32には公知の合成処理及び差分処理を適用可能である。
LPF33は、信号処理部32とウーファーボックス34との間に配置され、ウーファーボックス34に入力する信号の帯域を、サブウーファー31の再生周波数帯域である低域に制限する帯域制限フィルターとして機能する。LPF33は例えば200Hz以下の低域に制限する。
このようにして、合成信号SA及び差分信号SBの各々の低域成分が、ウーファーボックス34に入力する。LPF33についても、アナログ回路、又はデジタル処理回路(例えばDSP)等の公知の構成を適用可能である。
ウーファーボックス34は、一対のスピーカーユニット34A、34Bと、これらスピーカーユニット34A、34Bのエンクロージャーとして機能する単一の筐体35とを備えている。一対のスピーカーユニット34A、34Bは、サブウーファーの再生周波数帯域に対応する帯域を再生するスピーカーユニットであり、スピーカー特性を揃えるべく同一のユニットで構成されている。
なお、スピーカーユニット34A、34Bは不図示のアンプを備え、このアンプにより、各ユニット34A、34Bに入力された音声信号に対応する音声をそれぞれ放音する。
筐体35は、一対のスピーカーユニット34A、34Bの背面同士を対向させ、且つ、これらスピーカーユニット34A、34Bを同軸上に支持する。より具体的には、この筐体35は、対向する一対の壁35A、35Bを有する中空の箱形状に形成される。そして、対向する一対の壁35A、35Bの各々にスピーカーユニット34A、34Bが前面を筐体35外側に向けて取り付けられ、且つ、各スピーカーユニット34A、34Bの中心軸線が同一の軸線L1(図1参照)上に揃えられる。
本構成では、一対のスピーカーユニット34A、34Bを、1つの筐体35に背面を対向させて配置し、つまり、各ユニット34A、34Bを互いに逆向きに配置している。これにより、スピーカーユニット34A、34Bの一方の前面から発せられた音(空気の振動)が他方のスピーカーユニット34B、34Aの前面に回り込み難い。従って、スピーカーユニット34A、34B間での空間的な音の打ち消しを抑えることができ、各スピーカーユニット34A、34Bの音圧を確保し易くなる等のメリットが得られる。
さらに、一対のスピーカーユニット34A、34Bを共通の筐体35に配置するので、各スピーカーユニット34A、34Bを別々の筐体に配置する場合と比べてウーファーボックス34をコンパクト化し易くなる。
なお、筐体35内における各スピーカーユニット34A、34Bの背面間には、例えば吸音材が充填される。吸音材によって、各スピーカーユニット34A、34Bの背面からの音を適宜に吸収したり、減衰したりすることができる。
また、筐体35は、筐体35外の空間に連通する開口がない密閉型に形成されている。密閉型にすることで、各スピーカーユニット34A、34Bの背面から発せられた逆位相の音が各スピーカーユニット34A、34Bの前面に回り込むことを回避できる。これによっても、スピーカーユニット34A、34B間での空間的な音の打ち消しを抑え、各スピーカーユニット34A、34Bの音圧を確保し易くなる。
さらに、筐体35の容量を可変することで筐体35の共振周波数を調整可能である。例えば、各スピーカーユニット34A、34Bの特性と、放音する空間の特性(例えば車両の室内容積、室内の共振周波数)とに応じて、筐体35の共振周波数を調整することで、所望の音声出力特性を得やすくなる。
なお、信号処理部32及びLPF33は、サブウーファー31以外の装置が備えるようにしてもよい。例えば、信号処理部32及びLPF33を、音源部21が備えるように構成してもよいし、又は音源部21を有する車載装置が備えるように構成してもよい。
図2は音源部21がモノラル音声(モノラル音声信号SM)を出力する場合を示した図である。音源部21がモノラル音声を出力する場合、音声出力端子21L、21Rからは同一のモノラル音声信号SMが出力されるので、差分信号SBは零(零レベルの信号)となる。これによって、差分信号SBに含まれる低音を再生するスピーカーユニット34Bからは音声が出力されない。
スピーカーユニット34Aには、モノラル音声信号SM同士の和を示す合成信号SAがLPF33を介して入力される。これによって、スピーカーユニット34Aは、合成信号SAに含まれる低音を放音する。この合成信号SAは同一のモノラル音声信号SMの和なので、合成処理の際に、以下に説明する「電気的な音の打ち消し」は生じない。従って、音源部21が出力するモノラル音声の全ての低域成分に対応する音をスピーカーユニット34Aから放音させることができる。
図3は音源部21がステレオ音声(音声信号SL、SR)を出力する場合を示した図である。
音源部21がステレオ音声を出力する場合、一方のスピーカーユニット34Aは、音声信号SL、SRの和を示す合成信号SAに含まれる低音を放音する。また、他方のスピーカーユニット34Bは、ステレオ音声を構成する音声信号SL、SRの差分を示す差分信号SBに含まれる低音を放音する。
異なる音声信号SL、SRの和を求める合成処理の際に、音声信号SL、SRの一部の成分が打ち消し合ってエネルギー的に減ってしまい、十分な低域再生ができない状態が生じるおそれがある。
この状態を「電気的な音の打ち消し」と言う。この「電気的な音の打ち消し」は、音声信号SL、SRが互いに異なることに起因して生じ、例えば、音声信号SL、SR間で異なる周波数の音、又は、同じ周波数であっても大きさが異なる音等の箇所で生じる。
本実施形態の音響装置10では、この「電気的な音の打ち消し」によって打ち消される音を、音声信号SL、SRの差分を示す差分信号SBで補う。仮に、この差分信号SBを単純に合成信号SAに加えた場合には、音の打ち消し(音声信号SL、SRの一方の信号の消失)が生じてしまう。これに対し、本構成では、合成信号SAと差分信号SBとをそれぞれ異なるスピーカーユニット34A、34Bに入力させ、各スピーカーユニット34A、34Bから独立して放音させるので、信号SB、SAの一部が消失することはない。
さらに、本実施形態の音響装置10では、上記したように、スピーカーユニット34A、34Bを背面同士を対向させて配置しているので、スピーカーユニット34A、34B間での空間的な音の打ち消しを抑制可能である。しかも、信号SA、SB間で逆相の関係となる信号成分により、スピーカーユニット34A、34Bが逆相の関係で駆動した際に、各ユニット34A、34Bの振動板が同方向に振動することとなり、低音の増強効果を得やすくなる。
次に、本実施形態の音響装置10と異なる他の音響装置100A〜100Fについて説明する。なお、上記の音響装置10に対応する部分は同一の符号を付して示し、重複説明は省略する。
まず、1つのスピーカーユニット34Sを使用する他の音響装置100A、100Bについて説明する。
図4(A)は音源部21がMONO音源の場合の他の音響装置100Aを示し、図4(B)は音源部21がSTEREO音源の場合の他の音響装置100Bを示している。スピーカーユニット34Sは1つのウーファーボックス135に取り付けられる。また、スピーカーユニット34Sの正面には、音響特性を測定するための集音マイク137が配置されている。
なお、図4(A)、図4(B)及び後述する各図では音響装置100A、100B、10の構成を簡易的に示し、例えばLPF33は省略して示している。
図4(A)に示すように、スピーカーユニット34Sが1つの場合、2つのスピーカーユニット34A、34Bを使用する場合と比べて、スピーカーユニット34A、34B間での音の回り込みによる打ち消しを対策する必要がない。これによって、シンプルな構成にでき、且つ、モノラル音声については適切な再生が可能である。
しかしながら、多くの音楽用音源はSTEREO音源である。また、ウッドベースやエレキベース等の既存楽器よりも、サンプリングやシンセベース等の電子音によるベース(電子楽器)が使用されるケースが増え、様々なエフェクターによりステレオ化されている実情がある。従って、低音であってもSTEREO音源を再生することが望まれる。
図4(A)に示す音響装置100Aにおいて、STEREO音源を再生しようとした場合、ステレオ音声(音声信号SL、SR)の一方の音声だけをスピーカーユニット34Sから出力させる方法がある。しかし、他方の音声に、低音を出力する楽器の音声が含まれると、その低音が出力されない。
図4(B)に示す音響装置100Bでは、音声信号SL、SRを合成した合成信号SAを生成する合成処理部32Aを備え、合成信号SAに対応する音声を1つのスピーカーユニット34Sから再生させる。この構成にすることで、音声信号SL、SRのいずれか一方だけに含まれる音声についても出力することが可能になる。
図5は音響装置100Aの音響特性f1と音響装置100Bの音響特性f2とを示した特性曲線図である。なお、図5中、横軸は周波数(Hz)を示し、縦軸は音の大きさ(dB)を示す。
この音響特性f1、f2は、同じ音響空間にて、音響装置100A、100Bの再生音を集音マイク137で集音することによって得られた特性である。より具体的には、音響特性f1は、音響装置100Aに所定のピンクノイズのモノラル音声(音声信号SM)を再生させた場合の特性である。また、音響特性f2は、音響装置100Bに所定のピンクノイズのステレオ音声(音声信号SL、SR)を再生させた場合の特性である。
音響装置100Bは、音声信号SL、SRを合成する合成処理を行うので、この合成処理の際に、音声信号SL、SR間で電気的な音の打ち消しが生じる。この電気的な音の打ち消しにより、低域全ての周波数を一律に増幅することができなくなる。このため、図5に符号αで示すように、音響装置100Bの音響特性f2には音のディップが発生する。
なお、電気的な音の打ち消しは音響装置100Aには生じないので、図5に示す音響特性f1、f2の違いが生じている箇所が、電気的な音の打ち消しが生じた箇所に相当する。
次に2つのスピーカーユニット34A、34Bを異なる筐体(エンクロージャー)235に配置した他の音響装置100C、100Dについて説明する。
図6(A)は音源部21がMONO音源の場合の他の音響装置100Cを示し、図6(B)は音源部21がSTEREO音源の場合の他の音響装置100Dを示している。なお、上記した各構成と対応する部分は同一の符号を付して示し、重複説明は省略する。
図7は音響装置100Cの音響特性f3と音響装置100Dの音響特性f4とを示した特性曲線図である。なお、音響測定は、上記と同様に、所定のピンクノイズのモノラル音声(音声信号SM)とステレオ音声(音声信号SL、SR)とを用いて同じ音響空間で行っている。
これら音響装置100C、100Dは、音声信号SL、SRを異なるスピーカーユニット34A、34Bで別々に再生するので、音声信号SL、SR間での電気的な音の打ち消しは生じない。一方、スピーカーユニット34A、34B間での空間的な音の打ち消しは生じることがある。
具体的には、音響装置100Cの場合、MONO音源であり、スピーカーユニット34A、34Bが同じ向きで離間して配置され、且つ、同一の信号で同相駆動されるので、空間的な音の打ち消しを抑え易くなる。一方、音響装置100Dの場合、異なる一対の信号で各スピーカーユニット34A、34Bが駆動されるので、一対の信号が互いに打ち消しあうような信号成分を含む場合には、空間的な音の打ち消しが生じる。従って、音響装置100Dの音響特性f4には、図7に符号βで示すように、打ち消された箇所、つまり、音のディップが生じる。
次いで、2つのスピーカーユニット34A、34Bで筐体(エンクロージャー)35を共用した他の音響装置100E、100Fについて説明する。
図8(A)は音源部21がMONO音源の場合の他の音響装置100Eを示し、図8(B)は音源部21がSTEREO音源の場合の他の音響装置100Fを示している。これら音響装置100E、100Fは、合成処理部32A及び差分処理部32Bを備えない点が本実施形態の音響装置10と異なる。また、音響装置100E、100Fのスピーカー配置は音響装置10と同様である。
図9は音響装置100Eの音響特性f5と音響装置100Fの音響特性f6とを示した特性曲線図である。なお、音響測定は、上記と同様に、所定のピンクノイズのモノラル音声(音声信号SM)とステレオ音声(音声信号SL、SR)とを用いて同じ音響空間で行っている。
これら音響装置100E、100Fは、音声信号SL、SRが異なるスピーカーユニット34A、34Bに入力するので、音声信号SL、SR間での電気的な音の打ち消しは生じない。また、スピーカーユニット34A、34Bを背面同士を対向させて配置するので、スピーカーユニット34A、34B間での音の回り込みによる空間的な音の打ち消しを抑制することもできる。
ところで、音響装置100Fの場合、異なる音声信号SL、SRに対応する音が各スピーカーユニット34A、34Bから出力されるので、音声信号SL、SR間に互いに打ち消しあうような信号成分が含まれると、空間的な音の打ち消しが生じる。従って、音響装置100Dの音響特性f6には、図9に符号γで示すように、打ち消された箇所に音のディップが生じる。
続いて、本実施形態の音響装置10について説明する。
図10は音源部21がSTEREO音源の場合の音響装置10を示している。
また、図11は音響装置10の音響特性f7を、上記音響装置100Eの音響特性f5と共に示した特性曲線図である。
音響特性f7は、音響特性f5を測定した音響空間と同じ音響空間にて、所定のピンクノイズのステレオ音声(音声信号SL、SR)を再生した場合の測定結果である。なお、音響特性f5は、上記したように、モノラル音声を所定の構成で再生することで、電気的及び空間的な音の打ち消しが殆ど生じない場合を示している。
図11に示すように、本実施形態の音響装置10の音響特性f7は、音響装置100Eの音響特性f5とほぼ同じ特性である。つまり、本実施形態の音響装置10は、ステレオ音声(音声信号SL、SR)を再生しているにも拘わらず、音の打ち消しが殆ど生じない特性が得られている。
この図11に示す結果から、本実施形態では、左右チャンネルの音声信号SL、SRの合成処理によって生じる「電気的な音の打ち消し」を、音声信号SL、SRの差分を示す差分信号SBで補うことができ、且つ、スピーカーユニット34A、34B間の空間的な音の打ち消しを防ぐことができることが明らかである。
よって、この音響装置10は、ステレオ音声及びモノラル音声のいずれであっても、電気的及び空間的な音の打ち消しを抑制できる。これにより、再生周波数帯の全ての周波数成分において、あますことなくサブウーファー31から再生することができる。従って、昨今増えている低音のSTEREO音源を高精度に再生することが可能になり、多用な音楽に柔軟に対応することができる。
以上説明したように、この音響装置10は、一対のスピーカーユニット34A、34Bと、右チャンネルと左チャンネルの音声信号SL、SRを入力し、左右チャンネルの音声信号SL、SRの合成処理と差分処理とを独立して行う信号処理部32と、を有している。そして、合成処理で得た左右チャンネルの合成信号SAは、対の一方のスピーカーユニット34Aに入力し、差分処理で得た左右チャンネルの差分信号SBは、対の他方のスピーカーユニット34Bに入力する。
この構成及び音響処理方法によれば、左右チャンネルの音声信号SL、SRの合成処理によって生じる「電気的な音の打ち消し」を差分信号SBで補い、左右チャンネル間の音の打ち消しを抑制することができる。
また、この音響装置10は、対のスピーカーユニット34A、34Bの背面同士を対向させているので、空間的な音の打ち消しを抑制し易くなる。しかも、スピーカーユニット34A、34Bが信号SA、SBにより逆相の関係で駆動した際に、各ユニット34A、34Bの振動板が同方向に振動し、低音の増強効果を得やすくなる。
また、対のスピーカーユニット34A、34Bは、共通のエンクロージャーとして機能する筐体35に配置され、筐体35は密閉型に形成されている。これにより、各スピーカーユニット34A、34Bの背面から出た逆位相の音が各スピーカーユニット34A、34Bの前面に回り込むことを回避でき、空間的な音の打ち消しを抑制することができる。さらに、共通のエンクロージャーであるので、全体の小型化に有利であり、且つ、このエンクロージャーの容量を調整して共振周波数を調整し、所望の音声出力特性に調整し易くなる。
さらに、対のスピーカーユニット34A、34B同士を同軸上に配置しているので、上記の低音の増強効果を得やすくなり、且つ、全体の小型化に有利である。
また、対のスピーカーユニット34A、34Bに入力する信号の帯域を制限するLPF33を有しているので、制限された帯域の音声を各スピーカーユニット34A、34Bから放音できる。
ここで、本構成の音響装置10は、左右チャンネルの合成信号SAと差分信号SBとに基づいて音声を再生するので、右の音と左の音とが実際に各方向から到来するようには再生されない。本構成の音響装置10は、人の聴覚では音の発生源の方向を捕らえにくい低音をステレオ音声で再生するので、左右の音が実際に各方向から到来しなくても、違和感を与えずにステレオ音声を再生可能である。
上記した実施形態は、あくまでも本発明の一実施の態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、対のスピーカーユニット34A、34Bの配置等は上記実施形態のものに限定されない。
例えば、対のスピーカーユニット34A、34B同士を同軸上に配置する場合を説明したが、同軸上に限定されず、音の打ち消しを十分に抑えられる範囲で配置変更してもよい。また、対のスピーカーユニット34A、34Bを共通の筐体35に配置する場合を説明したが、別々の筐体に配置して各スピーカーユニット34A、34Bの背面同士を対向させて配置してもよい。また、対のスピーカーユニット34A、34Bの背面同士を対向させる場合を説明したが、空間的な音の打ち消しが問題にならない場合等に背面同士を対向させて配置しなくてもよい。
さらに、上記の実施形態では、一対のスピーカーユニット34A、34Bを有する場合を説明したが、複数対のスピーカーユニット34A、34Bを有するようにしてもよい。この場合、複数対のスピーカーユニット34A、34Bを1つの筐体35に配置してもよいし、対のスピーカーユニット34A、34B毎に別々の筐体35に配置する等、適宜に配置変更してもよい。
また、上記の実施形態では、本発明を、サブウーファー31を有する音響装置10に適用する場合を説明したが、サブウーファー31以外のスピーカーユニットを有する音響装置に適用してもよい。
10、100 音響装置
21 音源部
21L、21R 音声出力端子
31 サブウーファー
32 信号処理部
33 ローパスフィルター
34 ウーファーボックス
34A、34B スピーカーユニット
35 筐体(エンクロージャー)
SL、SR 音声信号
SM モノラル音声信号
L1 軸線

Claims (6)

  1. 一対又は複数対のスピーカーユニットと、
    右チャンネルと左チャンネルの音声信号を入力し、左右チャンネルの音声信号の合成処理と差分処理とを独立して行う信号処理部と、を有し、
    前記合成処理で得た前記左右チャンネルの合成信号は、対の一方の前記スピーカーユニットに入力し、前記差分処理で得た前記左右チャンネルの差分信号は、対の他方の前記スピーカーユニットに入力することを特徴とする音響装置。
  2. 前記対のスピーカーユニットの背面同士を対向させていることを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  3. 前記対のスピーカーユニットは、共通のエンクロージャーに配置され、前記エンクロージャーは密閉型であることを特徴とする請求項2に記載の音響装置。
  4. 前記対のスピーカーユニット同士を同軸上に配置していることを特徴とする請求項2又は3に記載の音響装置。
  5. 前記対のスピーカーユニットに入力する信号の帯域を制限するローパスフィルターを有していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の音響装置。
  6. 一対又は複数対のスピーカーユニットに音声信号を出力する音響処理方法において、
    右チャンネルと左チャンネルの音声信号の合成処理と差分処理とを独立して行い、
    前記合成処理で得た前記左右チャンネルの合成信号を、対の一方の前記スピーカーユニットに入力させ、前記差分処理で得た前記左右チャンネルの差分信号を、対の他方の前記スピーカーユニットに入力させることを特徴とする音響処理方法。
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