JP2018063943A - 光源ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスプレイに実装時した際に、色ムラが発生することなく、望む色の画像表示が可能な光源ユニットを提供する。【解決手段】光源と、前記光源から入射された入射光を、その入射光よりも長波長の光に変換する色変換部材と、前記光源と色変換部材の間に挿入され、光源から入射された光を透過し、かつ色変換部材から出光された光を反射する反射フィルムを含む光源ユニットであって、かつ反射フィルムの長尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差、または、短尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差が40nm以下である光源ユニット。【選択図】 なし
Description
本発明は、例えば液晶ディスプレイ等に用いられる光源ユニットに関する。
色変換方式によるマルチカラー化技術を、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、照明などへの応用することが盛んに検討されている。色変換とは、発光体からの発光をより長波長な光へと変換することであり、たとえば青色発光を緑色や赤色発光へと変換することを表す。
この色変換機能を有する組成物をシート化し、例えば青色光源と組み合わせることにより、青色光源から、青、緑、赤色の3原色を取り出すこと、すなわち白色光を取り出すことが可能となる。このような青色光源と色変換機能を有するシートを組み合わせた白色光源をバックライトユニットとし、液晶駆動部分と、カラーフィルターと組み合わせることで、フルカラーディスプレイの作製が可能になる。また液晶駆動部分が無ければ、そのまま白色光源として用いることができ、たとえばLED照明などの白色光源として応用できる。
色変換方式を利用する液晶ディスプレイの課題として、色再現性の向上が挙げられる。色再現性の向上には、バックライトユニットの青、緑、赤の各発光スペクトルの半値幅を狭くし、青、緑、赤各色の色純度を高めることが有効である。これを解決する手段として無機半導体微粒子による量子ドットを色変換部材の成分として用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。量子ドットを用いる技術は、確かに緑、赤色の発光スペクトルの半値幅が狭く、色再現性は向上するが、反面、量子ドットは熱、空気中の水分や酸素に弱く、耐久性が十分でなかった。
量子ドットの代わりに有機・無機物の発光材料を色変換部材の成分として用いる技術も提案されている。有機発光材料を色変換部材の成分として用いる技術の例としては、クマリン誘導体を用いたもの(例えば、特許文献2参照)、ローダミン誘導体を用いたもの(例えば、特許文献3参照)、ピロメテン誘導体を用いたもの(例えば、特許文献4参照)が開示されている。
また、量子ドット技術や有機・無機物の発光材料からなる色変換部材を用いることで色再現性は向上するものの、その色特性や色変換部材の発光特性のために輝度が低下するという課題もある。その対策として、例えば、色変換部材から発光された光を反射する光波長選択性の反射フィルムを用いたものが開示されている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、特許文献5に開示される波長選択性の反射フィルムを含む光源ユニットを大面積の大型ディスプレイに実装した場合、反射フィルムのわずかな反射特性の違いのために画面内で白表示した際に色ムラが発生し、実際に画像を表示した際に望む色を表示できないという課題があった。
そこで、上記の課題を解決せんとするものであって、ディスプレイに実装時した際に、色ムラが発生することなく、望む色の画像表示が可能な光源ユニットを提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、光源と、前記光源から入射された入射光を、その入射光よりも長波長の光に変換する色変換部材と、前記光源と色変換部材の間に存在し、光源から入射された光を透過し、かつ色変換部材から出光された光を反射する反射フィルムを含む光源ユニットであって、かつ反射フィルムの長尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差、または、短尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差が40nm以下である光源ユニットである。
本発明によれば、輝度が高くかつ色ムラの少ない光源ユニットを得ることができる。本発明の光源ユニットをディスプレイに用いれば、色ムラの少ない表示性能に優れたディスプレイを得ることができる。
以下に本発明の実施の形態について詳細に述べるが、本発明は以下の実施例を含む実施の形態に限定して解釈されるものではなく、発明の目的を達成できて、かつ、発明の要旨を逸脱しない範囲内においての種々の変更は当然あり得る。
本発明の光源ユニットは、図1に示すとおり光源、色変換部材、反射フィルムを含んでなり、かつ光源と色変換部材の間に反射フィルムが存在している必要がある。以下、これらの構成について記載する。
<光源>
本発明の光源ユニットを構成する光源の種類は、後述の色変換部材に含まれる発光物質が吸収可能な波長領域に発光を示すものであればいずれの光源でも用いることができる。例えば、熱陰極管や冷陰極管、無機ELなどの蛍光性光源、有機エレクトロルミネッセンス素子光源、LED、白熱光源、あるいは太陽光などいずれの光源でも原理的には利用可能であるが、特にはLEDが好適な光源である。たとえば、ディスプレイや照明用途では、青色光を受けて緑色を発光させたり、紫外光をうけて青色光を発光させたりするが、前者の場合、青色光の色純度を高められる点で、400〜500nmの範囲の光源を持つ青色LEDがさらに好適な光源である。また、後者の場合、青色発光効率を高めつつも紫外線による内部材料の劣化を抑制する観点から380〜420nmの範囲の光源をもつ近紫外線LEDがさらに好適な光源である。
本発明の光源ユニットを構成する光源の種類は、後述の色変換部材に含まれる発光物質が吸収可能な波長領域に発光を示すものであればいずれの光源でも用いることができる。例えば、熱陰極管や冷陰極管、無機ELなどの蛍光性光源、有機エレクトロルミネッセンス素子光源、LED、白熱光源、あるいは太陽光などいずれの光源でも原理的には利用可能であるが、特にはLEDが好適な光源である。たとえば、ディスプレイや照明用途では、青色光を受けて緑色を発光させたり、紫外光をうけて青色光を発光させたりするが、前者の場合、青色光の色純度を高められる点で、400〜500nmの範囲の光源を持つ青色LEDがさらに好適な光源である。また、後者の場合、青色発光効率を高めつつも紫外線による内部材料の劣化を抑制する観点から380〜420nmの範囲の光源をもつ近紫外線LEDがさらに好適な光源である。
光源は1種類の発光ピークを持つものでもよく、2種類以上の発光ピークを持つものでもよいが、色純度を高めるためには1種類の発光ピークを持つものが好ましい。また、発光ピークの種類の異なる複数の光源源を任意に組み合わせて使用することも可能である。
<色変換部材>
本発明の光源ユニットには、前記の光源から入射された入射光を、すなわち色変換部材に入射する光源からの光を、その入射光よりも長波長の光に変換する色変換部材を含む構成とすることが必要である。ここでいう光源から入射された入射光をその入射光よりも長波長の光に変換するとは以下のとおり定義されるものである。まず、光源の発光スペクトルを計測し、発光スペクトルの最大強度を示す波長を光源の発光ピーク波長とし、光源の発光ピーク波長での発光強度の50%以上の強度を示す発光帯域をもって光源の発光帯域とする。つづいて、光源からの光を色変換部材を通して受光した際の発光スペクトルを計測する。その際の光源の発光ピーク波長をのぞく最大強度を示す波長を色変換部材の出光ピーク波長とし、色変換部材の出光ピーク波長での出光強度の50%以上の強度を示す帯域を色変換部材の出光帯域とする。この色変換部材の出光帯域が、光源の発光帯域よりも長波長にあることをもって光源から入射された入射光をその入射光よりも長波長の光に変換するとし、さらに具体的には色変換部材の出光帯域の長波長端が光源の発光帯域の長波長端よりも長波長側にあることとする。このような色変換部材を用いることで、色再現性の高い光源ユニットおよび液晶ディスプレイを得られるものである。また、色変換部材からの局所的な出光ピークを複数備える場合は、色変換部材の出光帯域の一部で最大強度の50%未満となる場合もあるが、この場合も分断された色変換部材の出光帯域の中で最も長波長の色変換部材の出光帯域の端となる波長が光源の発光帯域の長波長端よりも長波長側にあればよい。また、本願で用いる光源と色変換部材の組合せとしては、光源の発光波長の長波長端よりも色変換部材の出光帯域の低波長端(波長基準でみた帯域において最も小さい波長をいう。また、同帯域において最も大きい波長を長波長端という)が長波長側にあることがより好ましい。この場合、色変換部材が、光源とは異なる色の光を発光するため、より色再現性に優れたディスプレイが得られるようになる。
本発明の光源ユニットには、前記の光源から入射された入射光を、すなわち色変換部材に入射する光源からの光を、その入射光よりも長波長の光に変換する色変換部材を含む構成とすることが必要である。ここでいう光源から入射された入射光をその入射光よりも長波長の光に変換するとは以下のとおり定義されるものである。まず、光源の発光スペクトルを計測し、発光スペクトルの最大強度を示す波長を光源の発光ピーク波長とし、光源の発光ピーク波長での発光強度の50%以上の強度を示す発光帯域をもって光源の発光帯域とする。つづいて、光源からの光を色変換部材を通して受光した際の発光スペクトルを計測する。その際の光源の発光ピーク波長をのぞく最大強度を示す波長を色変換部材の出光ピーク波長とし、色変換部材の出光ピーク波長での出光強度の50%以上の強度を示す帯域を色変換部材の出光帯域とする。この色変換部材の出光帯域が、光源の発光帯域よりも長波長にあることをもって光源から入射された入射光をその入射光よりも長波長の光に変換するとし、さらに具体的には色変換部材の出光帯域の長波長端が光源の発光帯域の長波長端よりも長波長側にあることとする。このような色変換部材を用いることで、色再現性の高い光源ユニットおよび液晶ディスプレイを得られるものである。また、色変換部材からの局所的な出光ピークを複数備える場合は、色変換部材の出光帯域の一部で最大強度の50%未満となる場合もあるが、この場合も分断された色変換部材の出光帯域の中で最も長波長の色変換部材の出光帯域の端となる波長が光源の発光帯域の長波長端よりも長波長側にあればよい。また、本願で用いる光源と色変換部材の組合せとしては、光源の発光波長の長波長端よりも色変換部材の出光帯域の低波長端(波長基準でみた帯域において最も小さい波長をいう。また、同帯域において最も大きい波長を長波長端という)が長波長側にあることがより好ましい。この場合、色変換部材が、光源とは異なる色の光を発光するため、より色再現性に優れたディスプレイが得られるようになる。
本発明の光源ユニットを構成する色変換部材は、前述のとおり特定の波長の光を他の波長の光に変換する部材であり、その一例として光波長を変換する機能を有する量子ドットや蛍光体などの色変換材料を含有したフィルムまたはシート体が例示される。色変換材料を樹脂フィルムに含有したものでもよく、基材となるフィルム上に、色変換材料を含有した膜を積層したものでもよく(図2参照)、さらには基材となるフィルムとして後述の反射フィルムをもちいてもよい(図3参照)。また、別の例として、通常の赤・緑・青色の3色からなるカラーフィルターの代替として、色変換部材を用いることが例示される。青色光源を用いる場合には、赤・緑・青のそれぞれのカラーフィルターの代替として、赤色への色変換部材、緑色への色変換部材、青色を透過する透明部材を用いられる。
量子ドットとしては、ZnSシェルを有するCdSeが例として挙げられる。また、CdSe/ZnS、InP/ZnS、PbSe/PbS、CdSe/CdS、CdTe/CdS、又はCdTe/ZnSを含むコア/シェル発光ナノ結晶を用いてもよい。
無機蛍光体は、最終的に所定の色を再現できるものであれば特に限定はなく、公知のものを用いることができる。例としては、YAG蛍光体、TAG蛍光体、シリケート蛍光体、ナイトライド蛍光体、オキシナイトライド蛍光体、窒化物、酸窒化物蛍光体、β型サイアロン蛍光体等が挙げられる。中でも、YAG蛍光体およびβ型サイアロン蛍光体がそれぞれ好ましく用いられる。
YAG蛍光体は、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦括されたイットリウム・ガドリニウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット酸化物蛍光体、及び、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・ガリウム・アルミニウム酸化物蛍光体などがあり、具体的には、Ln3M5O12:R(Lnは、Y、Gd、Laから選ばれる少なくとも1以上である。Mは、Al、Caの少なくともいずれか一方を含む。Rは、ランタノイド系である。)、(Y1−xGax)3(Al1−yGay)5O12:R(Rは、Ce、Tb、Pr、Sm、Eu、Dy、Hoから選ばれる少なくとも1以上である。0<x<0.5、0<y<0.5である。)などがあげられる。
β型サイアロンは、β型窒化ケイ素の固溶体であり、β型窒化ケイ素結晶のSi位置にAlが、N位置にOが置換固溶したものである。単位胞(単位格子)に2式量の原子があるので、一般式として、Si6−zAlzOzN8−zが用いられる。ここで、組成zは、0〜4.2であり、固溶範囲は非常に広く、また(Si、Al)/(N、O)のモル比は、3/4を維持する必要がある。β型サイアロンの一般的な製法は、窒化ケイ素の他に、酸化ケイ素と窒化アルミニウムとを、あるいは酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとを加えて加熱する方法である。
β型サイアロンは、結晶構造内に希土類などの発光元素(Eu、Sr、Mn、Ceなど)を取り込むことで、紫外から青色の光で励起して520〜550nmの緑色発光を示すβ型サイアロン蛍光体となる。これは白色LED等の発光装置の緑色発光成分として好ましく用いられる。特にユーロピウム(Eu2+)を含有させたEu2+付活β型サイアロン蛍光体は、発光スペクトルは非常にシャープであるため、青、緑、赤の狭帯域発光が要求される画像処理表示装置又は液晶ディスプレイパネルのバックライト光源に適した素材である。
有機蛍光体としては、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェニレン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、インデン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体;
フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピリジン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン等のヘテロアリール環を有する化合物やその誘導体;
ボラン誘導体;
1,4−ジスチリルベンゼン、4,4’−ビス(2−(4−ジフェニルアミノフェニル)エテニル)ビフェニル、4,4’−ビス(N−(スチルベン−4−イル)−N−フェニルアミノ)スチルベン等のスチルベン誘導体;
芳香族アセチレン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、アルダジン誘導体、ピロメテン誘導体、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体;
クマリン6、クマリン7、クマリン153などのクマリン誘導体;
イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体;
インドシアニングリーン等のシアニン系化合物;
フルオレセイン・エオシン・ローダミン等のキサンテン系化合物やチオキサンテン系化合物;
ポリフェニレン系化合物、ナフタルイミド誘導体、フタロシアニン誘導体およびその金属錯体、ポルフィリン誘導体およびその金属錯体;
ナイルレッドやナイルブルー等のオキサジン系化合物;
ヘリセン系化合物;
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン等の芳香族アミン誘導体;および
イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、及びレニウム(Re)等の有機金属錯体化合物などがある。
フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピリジン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン等のヘテロアリール環を有する化合物やその誘導体;
ボラン誘導体;
1,4−ジスチリルベンゼン、4,4’−ビス(2−(4−ジフェニルアミノフェニル)エテニル)ビフェニル、4,4’−ビス(N−(スチルベン−4−イル)−N−フェニルアミノ)スチルベン等のスチルベン誘導体;
芳香族アセチレン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、アルダジン誘導体、ピロメテン誘導体、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体;
クマリン6、クマリン7、クマリン153などのクマリン誘導体;
イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体;
インドシアニングリーン等のシアニン系化合物;
フルオレセイン・エオシン・ローダミン等のキサンテン系化合物やチオキサンテン系化合物;
ポリフェニレン系化合物、ナフタルイミド誘導体、フタロシアニン誘導体およびその金属錯体、ポルフィリン誘導体およびその金属錯体;
ナイルレッドやナイルブルー等のオキサジン系化合物;
ヘリセン系化合物;
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン等の芳香族アミン誘導体;および
イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、及びレニウム(Re)等の有機金属錯体化合物などがある。
色変換材料は、色変換部材の中に少なくとも1種含まれていればよく、2種以上含まれていてもよい。
なおここで、色変換部材は、前記の色変換機能を有する材料が単独でまたは他の材料に積層されることでフィルム形状を有しているものや、色変換機能を有する材料がガラスに代表される硬質部材上に印刷・塗布により固定化されたものを例示として、色変換機能を有する物質を構成要素とする有体物である。なお、フィルムは二次元上の拡がりを有するが、その拡がりの大きさはフィルムの意味を左右しない。例えば、厚み(z軸方向)が10nmでxy面の面積が1μm2であってもフィルムということができる。
なおここで、色変換部材は、前記の色変換機能を有する材料が単独でまたは他の材料に積層されることでフィルム形状を有しているものや、色変換機能を有する材料がガラスに代表される硬質部材上に印刷・塗布により固定化されたものを例示として、色変換機能を有する物質を構成要素とする有体物である。なお、フィルムは二次元上の拡がりを有するが、その拡がりの大きさはフィルムの意味を左右しない。例えば、厚み(z軸方向)が10nmでxy面の面積が1μm2であってもフィルムということができる。
<反射フィルム>
本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムは、光源と色変換部材との間に存在し、光源から入射された光を透過する必要がある。ここでいう光源から入射された光を透過するとは、反射フィルムの入射角度0°での透過スペクトルにおいて上述の光源の発光帯域での平均透過率が80%以上であることをあらわす。反射フィルムが光源から入射された光を透過することで、光源から入射された光が色変換部材に到達する光量が増大し、色変換部材での発光を容易に高めることが可能となる。より好ましくは、光源から反射フィルムに入射される入射光の、入射角度0°における透過率が85%以上であり、さらに好ましくは、90%以上である。透過率が増加することで、より効率的に色変換部材での色変換効率を高めることが容易となる。このような反射フィルムを得るためには、フィルムの各層の層厚みを制御することによる反射帯域の最適化に加えて、表面への低屈折率の樹脂からなる層を設けることで表面反射を抑えることで達成できる。
本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムは、光源と色変換部材との間に存在し、光源から入射された光を透過する必要がある。ここでいう光源から入射された光を透過するとは、反射フィルムの入射角度0°での透過スペクトルにおいて上述の光源の発光帯域での平均透過率が80%以上であることをあらわす。反射フィルムが光源から入射された光を透過することで、光源から入射された光が色変換部材に到達する光量が増大し、色変換部材での発光を容易に高めることが可能となる。より好ましくは、光源から反射フィルムに入射される入射光の、入射角度0°における透過率が85%以上であり、さらに好ましくは、90%以上である。透過率が増加することで、より効率的に色変換部材での色変換効率を高めることが容易となる。このような反射フィルムを得るためには、フィルムの各層の層厚みを制御することによる反射帯域の最適化に加えて、表面への低屈折率の樹脂からなる層を設けることで表面反射を抑えることで達成できる。
本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムは、色変換部材から出光された光を反射する必要がある。ここでいう色変換部材から出光された光を反射するとは、反射フィルムの入射角度10°または60°での反射スペクトルにおいて、上述の色変換部材の出光帯域内での最大反射率が30%以上であることとする。色変換材料を含む色変換部材を用いた光源ユニットにおいて輝度が低下する原因の一つは、色変換部材からの光が等方的に発光することによって発生する迷光による光量のロスである。特に、色変換部材から光源側に出光された光が光源ユニット内で迷光することが光量のロスの主因となるが、本発明の通り光源と色変換部材と間に、光源から色変換部材に入射されて長波長の光に変換された光を反射する構成をおくことで、色変換部材からの光を色変換部材直下にて反射することができ、光源側でのキャビティー内での迷光による輝度低下を抑制することが容易になる。好ましくは、反射フィルムの入射角度10°および60°での反射スペクトルにおいて上述の光源の発光帯域内での最大反射率が30%以上であることである。色変換部材からの出光された光は等方的な発光であるため幅広い入射角度の光を反射することが好ましく、入射角度10°および60°で入射される光を高い反射率で反射できることで、輝度がさらに向上するのに有効なものとなる。また、好ましくは、入射角度10°または60°での反射フィルムの反射スペクトルにおいて、色変換部材の出光帯域における平均反射率が30%以上であることであり、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは90%以上である。色変換部材の出光帯域における平均反射率が大きくなるに従い、色変換部材より光源側に出光された光を視認側へと変換する効果が高くなり、より輝度の高い光源ユニットを得られるものである。
本発明の光源ユニットにおいては、反射フィルムの長尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差、または、短尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差が40nm以下であることが必要である。ここでいう長尺方向の両末端とは、図8に示すとおり、短尺辺の中間点にある長尺方向の両末端をあらわし、短尺方向の両末端とは、図8に示すとおり、長尺辺の中間点にある短尺方向の両末端をあらわす。また、ここでいう反射フィルムの反射帯域とは、後述する測定方法により求められる反射フィルムの入射角度10°における反射スペクトルにおいて、波長400〜1600nmにおける最大反射率をRmax(%)とした際に、RMax/2(%)となる波長の中で最も低波長でかつ400nm以上である波長を反射フィルムの反射帯域の低波長端、最も長波長でかつ1600nm以下である波長を反射フィルムの反射帯域の長波長端とし、前記低波長端と長波長端の間の区間を反射フィルムの反射帯域とする。また、反射フィルムの長尺方向とは、光源ユニットが略四角形である場合、四角形の長辺方向をもって長尺方向とし、短辺方向をもって短辺方向とする。光源ユニットが略四角形でない場合、重心をとおりかつ最も長くなる対角線がとれる方向をもって長尺方向、前記対角線に直交する方向をもって短尺方向とする。この場合、長尺方向の両末端とは、上記で定義される長尺方向の両末端をあらわし、短尺方向の両末端とは、上記で定義される短尺方向の両末端をあらわす。前述のとおりの光源から入射された光を透過し、かつ色変換部材から出光された光を反射するという条件を満足できる反射フィルムは、実質的に反射フィルムの反射帯域の低波長端が光源の発光帯域や色変換部材の出光帯域近傍にもうけられることとなるが、この帯域は色に非常に敏感な帯域となるため、反射フィルムの反射帯域の低波長端の位置がずれることで、光源ユニットおよびそれを用いたディスプレイとした際に、色目や輝度が変わる原因となる。そこで、反射フィルムの長尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差、または、短尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差が40nm以下であることにより、光源ユニットの色目や輝度が均一化し、ムラのない光源ユニットやディスプレイが得られるようになる。好ましくは、中央ならびに両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差が30nm以下であり、この差が小さくなればなるほど色目や輝度の均一度は優れたものとなる。このような反射フィルムを得る方法としては、反射フィルムを得る際の横延伸倍率を高めることや、反射フィルムが後述の積層フィルムからなる場合には最表層の厚みを反射フィルム厚みの3%以上とすることがあげられ、このような方法をとることでフィルム製造時の流れ方向に直交する幅方向での反射帯域の均一性が向上させることができる。
また、反射フィルムの長尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差、および、短尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差がいずれも40nm以下であることも好ましい。長尺方向、短尺方向ともに反射帯域の低波長端が揃うことで、光源ユニットおよびディスプレイとした際に色目、輝度が均一化し、面内全域でムラのないものとできるようになる。
さらに好ましくは、前記反射フィルムの長尺方向および短尺方向において10cm間隔で連続して存在する3点における反射帯域の低波長端の差が30nm以下であることである。前記反射フィルムを含む光源ユニットをディスプレイに実装した際、前記反射フィルムに反射帯域のシフトがあったとしても場所による反射帯域のシフトが緩やかに変化する場合には色が徐々に変わっていくために視認されがたい。一方、前記反射フィルムに場所よる反射帯域が急激にシフトする領域があると隣接する区間で輝度・色の変化が視認されやすくなる傾向がある。そこで、10cm間隔で連続する3点における反射帯域の低波長端の差が30nm以下であれば色の変化が小さくなり、ディスプレイに実装した際の輝度・色の変化が認識されがたくなる。さらに好ましくは長尺方向および短尺方向において10cm間隔で連続して存在する3点における反射帯域の低波長端の差が20nm以下であり、この場合、ディスプレイ実装時に色の変化をほとんど認識できない水準となる。
また、反射フィルムの長尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域内での平均反射率の最大値と最小値の差、および、短尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域内での平均反射率の最大値と最小値の差がいずれも10%以下であることも好ましい。ここでいう反射帯域内での平均反射率とは、前述のとおり決定した反射帯域における平均反射率とする。色目や輝度へ寄与する因子として、上述の反射フィルムの反射帯域の低波長端の位置以外にも、反射帯域内での反射率のムラがある。ここで、反射帯域内での平均反射率が均一であるに従い、光源ユニットやそれを用いたディスプレイとした際に、特に輝度ムラのない均一なものとすることが容易となる。好ましくは反射帯域内での平均反射率の最大値と最小値の差が5%以下であり、さらに好ましくは3%以下である。平均反射率の差が小さくなるに従い、色目、輝度の均一な光源ユニットやそれを用いたディスプレイが得られるようになる。このような反射フィルムを得る方法としては、反射フィルムを得る際の横延伸倍率を高めることや、反射フィルムが後述の積層フィルムからなる場合には最表層の厚みを反射フィルム厚みの3%以上とすることがあげられ、このような方法をとることでフィルム製造時の流れ方向に直交する幅方向での反射帯域の均一性が向上させることができる。また、反射帯域の平均反射率を高めることでも反射率のバラつきを抑制することが可能となる。
また、反射フィルム中央の波長400〜800nmの反射率と、長尺方向の両末端および短尺方向の両末端の4点における波長400〜800nmの反射率の相関係数の最小値が0.8以上であることも好ましい。ここでいう相関係数とは、フィルムの中央を波長400nm〜800nmにおいて1nm刻みで反射率を計測して得られる値と、フィルムの各末端にて波長400nm〜800nmにおいて1nm刻みで反射率を計測して得られる値との相関係数を表す。この相関係数の値が高いほど、反射率の分布が近しいことを表し、まったく同じ反射率を有する場合は、その値は1となる。そして、相関係数の最小値が0.8以上であるとは、フィルム中央の波長400nm〜800nmにおける反射率と、長尺方向の両末端および短尺方向の両末端の4点の波長400nm〜800nmにおける反射率から得られる4つの相関係数のうち、もっとも小さい相関係数が0.8以上となることをさす。上述では、反射フィルムの反射帯域の低波長端ならびに平均反射率で色目や輝度の均一化を議論したが、相関係数はいずれもの要素も含み、かつ反射波形の均一さを示す指標であることから、相関係数が0.8以上であることにより、色目、輝度ともに均一性の優れた反射フィルムとなり、それを用いた光源ユニットおよびディスプレイも色目、輝度ムラのないものとできる。好ましくは相関係数が0.9以上であり、さらに好ましくは0.95以上である。相関係数が0.95以上となれば、実装時に光源ユニットおよびディスプレイ内での色目・輝度のムラはほとんどわからないものとできる。このような反射フィルムを得る方法としては、反射フィルムを得る際の横延伸倍率を高めることや、反射フィルムが後述の積層フィルムからなる場合には最表層の厚みを反射フィルム厚みの3%以上とすることがあげられるが、特に最表層の厚みを反射フィルム厚みの5%以上とすることで相関係数を0.95以上とできるものである。
本発明の光源ユニットにおいては、反射フィルムの低波長端が、光源の発光波長より大きく、かつ色変換部材の出光波長よりも小さいことが好ましい。ここでいう反射フィルムの低波長端が光源の発光波長より大きいとは、反射フィルムの反射帯域の低波長端が光源の発光帯域の長波長端よりも長波長側にあることを示す。また、反射フィルムの低波長端が色変換部材の出光波長よりも小さいとは、反射フィルムの反射帯域の低波長端が色変換部材の出光帯域の低波長端よりも低波長側にあることを示す。たとえばモバイルディスプレイのように、光源ユニットの設計やそれを用いたディスプレイの使用方法によっては正面から見た際の輝度が重要となるが、その場合、反射フィルムの低波長端が、光源の発光波長より大きくかつ色変換部材の出光波長よりも小さいことでより、色変換部材から出光した光を反射フィルムで正面方向へ効率的に反射することが容易となり、優れた正面輝度の向上効果が得られるものである。
一方、本発明の光源ユニットにおいては、反射フィルムの低波長端が、色変換部材の出光帯域に含まれることも好ましい。ここでいう反射フィルムの低波長端が色変換部材の出光帯域に含まれるとは、反射フィルムの反射帯域の低波長端が色変換部材の出光帯域の低波長端よりも長波長側にあることを示す。特に展示会場のディスプレイなど、多様な視野角において均一に見えることが求められる場合、正面以外に斜め方向から見た際の色目・輝度が重要となる。ここで、反射フィルムの低波長端が、色変換部材の出光帯域に含まれることにより、斜めから見た際の反射フィルムの低波長シフトにより色変換部材の発光帯域をカバーできるようになり、色目、輝度に優れた光源ユニット、ディスプレイとすることが容易となる。より好ましくは、反射フィルムの低波長端が、色変換部材の出光帯域の低波長端よりも長波長側にあり、かつ色変換部材のいずれの出光ピーク波長よりも低波長側にあることである。この場合、正面での色目、輝度と斜めからみた場合の色目、輝度のバランスに優れた反射フィルムとでき、多様な設計の光源ユニットやディスプレイにも優れた性能を示すものとなる。
本発明の光源ユニットに用いられる反射フィルムは、下記式(1)を満足することも好ましい。下記式(1)は、光を反射する波長帯と透過する波長帯との間での反射率の変化が急峻であることを示しており、|λ1−λ2|が小さくなるにつれて、より急峻に反射する波長帯から透過する波長帯へと変化する。このように反射する波長帯から透過する波長帯、すなわち、光源の発光帯域から色変換部材の出光帯域への反射率の変化が急峻に行われることによって、光源からの光のみを選択的・効率的に透過しつつ、色変換部材から出光される光を効率的に反射することができ、反射フィルムの効果を最大限得やすくなるものである。より好ましくは|λ1−λ2|が30nm以下であり、|λ1−λ2|が小さくなるに従い、輝度向上効果や色目の均一度が向上する。
|λ1−λ2| ≦ 50 (ただし、λ1<λ2) (1)
λ1:反射フィルムの反射帯域の低波長端近傍で反射率が
最大反射率の1/4となる波長(nm)
λ2:反射フィルムの反射帯域の低波長端近傍で反射率が
最大反射率の3/4となる波長(nm)
本発明の光源ユニットにおいては、さらに色変換部材の光源側とは反対面側に第2の反射フィルムを含み、かつ第2の反射フィルムが前記光源から発光された光を30%以上80%以下反射し、色変換部材から出光した光を80%以上透過することも好ましい。その構成例を図4に示す。光源から発光された光は、色変換部材にて一部長波長の光に変換されるものの、残りは色変換部材を透過して直接視認側へと照射される。しかし、その色変換部材を透過した光源の光を再度反射し、色変換部材側へ戻すことにより、再度色変換部材で長波長の光に変換されるようになる。その結果、少量の色変換部材で効率的に光源の光を長波長の光へと変換できるようになり、高価な色変換材料の使用量を削減できることから色変換部材の製造コストを低コスト化できるものである。また、色変換部材から出光した光を80%以上透過することで、色変換部材から出光した光を視認側へ効率的に透過できることから、変換効率を高めつつも輝度を落とすもないため、非常に色目、輝度、コストの面で優位な光源ユニットが得られるものである。
λ1:反射フィルムの反射帯域の低波長端近傍で反射率が
最大反射率の1/4となる波長(nm)
λ2:反射フィルムの反射帯域の低波長端近傍で反射率が
最大反射率の3/4となる波長(nm)
本発明の光源ユニットにおいては、さらに色変換部材の光源側とは反対面側に第2の反射フィルムを含み、かつ第2の反射フィルムが前記光源から発光された光を30%以上80%以下反射し、色変換部材から出光した光を80%以上透過することも好ましい。その構成例を図4に示す。光源から発光された光は、色変換部材にて一部長波長の光に変換されるものの、残りは色変換部材を透過して直接視認側へと照射される。しかし、その色変換部材を透過した光源の光を再度反射し、色変換部材側へ戻すことにより、再度色変換部材で長波長の光に変換されるようになる。その結果、少量の色変換部材で効率的に光源の光を長波長の光へと変換できるようになり、高価な色変換材料の使用量を削減できることから色変換部材の製造コストを低コスト化できるものである。また、色変換部材から出光した光を80%以上透過することで、色変換部材から出光した光を視認側へ効率的に透過できることから、変換効率を高めつつも輝度を落とすもないため、非常に色目、輝度、コストの面で優位な光源ユニットが得られるものである。
本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムは、熱可塑性樹脂からなることが好ましい。熱可塑性樹脂は一般的に熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂と比べて安価であり、かつ公知の溶融押出により簡便かつ連続的にシート化することができることから、低コストで反射フィルムを得ることが可能となる。
本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムは、異なる複数の熱可塑性樹脂が交互に11層以上積層されてなることが好ましい。ここでいう熱可塑性樹脂が異なるとは、フィルムの面内で任意に選択される直交する2方向および該面に垂直な方向のいずれかにおいて、屈折率が0.01以上異なることを指す。また、ここでいう交互に積層されてなるとは、異なる熱可塑性樹脂からなる層が厚み方向に規則的な配列で積層されていることをいい、熱可塑性樹脂A、Bからなる場合、各々の層をA層,B層と表現すれば、A(BA)n(nは自然数)のように積層されたものである。このように光学的性質の異なる樹脂が交互に積層されることにより、各層の屈折率の差と層厚みとの関係より設計した波長の光を反射させることが出来る干渉反射を発現させることが可能となる。また、積層する層数がそれぞれ10層以下の場合には、所望する帯域において高い反射率を得られない。また、前述の干渉反射は、層数が増えるほどより広い波長帯域の光に対して高い反射率を達成できるようになり、所望する帯域の光を反射する反射フィルムが得られるようになる。好ましくは100層以上であり、より好ましくは200層以上。さらに好ましくは600層以上である。また、層数に上限はないものの、層数が増えるに従い製造装置の大型化に伴う製造コストの増加や、フィルム厚みが厚くなることでのハンドリング性の悪化が生じるために、現実的には10000層程度が実用範囲となる。
本発明では、光源から入射された入射光を、その入射光よりも長波長の光に変換する色変換部材と、光源から入射された光を透過し、かつ色変換部材から出光された光を反射する反射フィルムを含む積層部材として用いることも好ましい。ここで色変換部材と反射フィルムを含む積層部材とは、直接ないし接着層などを介して色変換部材と反射フィルムが固定されていることを指す。この場合、色変換部材と反射フィルムとの空間が無くなるため迷光による光のロスを抑制することと、色変換部材表面の空気との間の反射をなくすことで、輝度向上の効果が顕著になる。
さらに好ましい形態として、反射フィルム上に色変換材料からなる層を直接設けることで、反射フィルムを色変換部材の一部と為すことである。この場合、色変換部材を形成する際に用いられる基材を代替することができ、コストダウンとなることに加えて、さらに色変換部材中の色変換材料と反射フィルムとの空間が無くなるため迷光による光のロスを抑制する効果が顕著となる。
本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムまたは色変換部材は、その表面に凹凸形状を有することが好ましい。ここでの凹凸形状とはフィルム表面または界面の形状を測定した際の最大高さが1μm以上となるものを指す。このような凹凸の一例を図5、図6に示す。また、反射フィルムまたは色変換部材の表面に凹凸形状を有することによる効果を以下に示す。
第1の効果は易滑性である。表面に凹凸形状を有することにより易滑性が発現するため、反射フィルムならびに色変換部材を光源ユニットに組み込む際の傷の発生を抑制することが可能となる。
第2の効果は光の取り出しである。本発明者らは、色変換材料を含む色変換部材においては、光が色変換部材内にて反射することで光ファイバーのごとくシート内に閉じ込められる現象が発生し、結果として色変換材料そのものの発光効率は高いものの輝度が低下するという現象を見出したものである。その対策として、反射フィルムまたは色変換部材の表面に、凹凸形状を有することで、その凹凸界面から光が取り出されるため、色変換部材内に取り込まれる光を減少させ、輝度向上の効果を得られるものである。第2の効果を効率的に得るためには、好ましくは最大高さが10μm以上であることが好ましい。凹凸形状が大きくなる従い、光の取り出し効率も向上するとともに、光源のムラを抑制する効果も得られるようになる。この効果をより効率的に得るためには、反射フィルム上に色変換材料からなる層を直接設けることで、反射フィルムを色変換部材の一部と為し、かつ色反射フィルムの色変換材料からなる層側の表面に凹凸形状を有していることが好ましい。この場合、効率的に光を取り出すことができることに加えて、効率的に表示側へ光を反射できるため輝度向上の効果が顕著となる。
第3の効果は、光の光路の調整である。光源、特に発光ダイオードから光は表示側へと比較的高い指向性を持って進むのに対して、色変換部材からの光は等方的に発光するために、光源正面での輝度が低下する原因となる。反射フィルムまたは色変換部材の表面に、凹凸形状を有することで、凹凸界面にて光の方向を調整し、特に正面方向に集光することで輝度向上を達成することが容易になるほか、光源ユニット、ディスプレイを形成する際に他の光学部材を省くこともできるため低コスト化にも寄与する。
上記第2、第3の効果をより効率的に得るために、前記凹凸形状がレンズ形状、略三角形状または略半円形状であることが好ましい。マイクロレンズ形状とは略半球状の凹凸を、プリズム形状とは略三角状の凹凸を指す。このような形状を備える場合、光は表示側へ光路を集光されるため光源ユニットならびにディスプレイとした場合の正面輝度がより顕著に向上するようになる。
本発明の積層部材および光源ユニットは、図7に示すように積層部材および光源ユニットを構成する反射フィルムまたは色変換部材の表面に機能層を有しており、反射フィルムの屈折率をn1、色変換部材の屈折率をn2、機能層の屈折率をn3としたとき、機能層の屈折率n3がn1とn2の間であることが好ましい。ここでいう反射フィルムならびに色変換部材の屈折率とは、フィルムの最表層となる層の面内平均屈折率を指す。この場合、機能層の屈折率の効果により、従来屈折率の異なる反射フィルムと色変換部材との間での反射を抑制でき、光源からの光が効率的に透過するため輝度向上が容易となる。
本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリアセタールなどの鎖状ポリオレフィン、ノルボルネン類の開環メタセシス重合,付加重合,他のオレフィン類との付加共重合体である脂環族ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66などのポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグルコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボーネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。この中で、強度・耐熱性・透明性および汎用性の観点から、特にポリエステルを用いることがより好ましい。これらは、共重合体であっても、2種以上の樹脂の混合物であってもよい。
このポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ジフェニルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。中でも高い屈折率を発現するテレフタル酸と2,6ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムにおいては、熱可塑性樹脂が、例えば、上記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体などを用いることが好ましい。
本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムが熱可塑性樹脂AからなるA層と熱可塑性樹脂BからなるB層を交互に積層した構成である場合、熱可塑性樹脂AからなるA層と熱可塑性樹脂BからなるB層の面内平均屈折率の差が0.03以上であることが好ましい。より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.1以上である。面内平均屈折率の差が0.03より小さい場合には、十分な反射率が得られないために輝度向上性能が不足する場合がある。この達成方法としては、熱可塑性樹脂Aが結晶性樹脂であり、熱可塑性樹脂Bが非晶性樹脂を用いることが挙げられる。この場合、反射フィルムの製造における延伸、熱処理工程において容易に屈折率差を設けることが可能となる。
本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムにおいては、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの好ましい組み合わせとしては、各熱可塑性樹脂のSP値の差の絶対値が、1.0以下であることが第一に好ましい。SP値の差の絶対値が1.0以下であると層間剥離が生じにくくなる。より好ましくは、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bが同一の基本骨格を供えた組み合わせからなることが好ましい。ここでいう基本骨格とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことであり、たとえば、熱可塑性樹脂Aとしてポリエチレンテレフタレートを用いる場合は、熱可塑性樹脂Bは高精度な積層構造が実現しやすい観点から、ポリエチレンテレフタレートと同一の基本骨格であるエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bが同一の基本骨格を含む樹脂であると、積層精度が高く、さらに積層界面での層間剥離が生じにくくなるものである。 ここで、溶解パラメータ(SP値)は、一般的に用いられている、Poly.Eng.Sci.,vol.14,No.2,pp147−154(1974)などに記載のFedorsの推算法を用い、樹脂を構成するモノマーの種類と比率から算出される値である。複数種類の樹脂の混合物に関しても、同様の方法により算出できる。例えば、ポリメタクリル酸メチルのSP値は9.5(cal/cm3)0.5、ポリエチレンテレフタレート(PET)のSP値は10.7(cal/cm3)0.5、ビスフェノールA系エポキシ樹脂のSP値は10.9(cal/cm3)0.5と算出できる。
本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムにおいては、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの好ましい組み合わせとしては、各熱可塑性樹脂のガラス転移温度差が20℃以下である熱可塑性樹脂の組合せである。ガラス転移温度の差が20℃より大きい場合には反射フィルムを製膜する際の厚み均一性が不良となり、輝度・色目のムラとなったり、色変換部材と貼り合せる際に気泡やしわが生じたりする原因となる。また、熱可塑性樹脂Aが結晶性、熱可塑性樹脂Bが非晶性であり、熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度が熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度よりも低いこともまた好ましい。この場合、反射フィルムにおいて結晶性樹脂を配向・結晶化させるのに適当な延伸温度で延伸したときに、結晶性樹脂と比べて非晶性樹脂の配向を抑制することができ、容易に屈折率差を設けることが可能となる。なお、ここでいう結晶性樹脂とは、具体的には、JIS K7122(1999)に準じて示差走査熱量測定(以下、DSCと称することがある。)を行い、昇温速度20℃/分で樹脂を25℃から300℃の温度まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)し、その状態で5分間保持後、次いで25℃以下の温度となるように急冷し、再度25℃から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、融解ピークのピーク面積から求められる融解エンタルピー(ΔHm)が、15J/g以上である樹脂のことを指す。また、非晶性樹脂とは、上記と同じ条件で求められる融解エンタルピー(ΔHm)が、5J/g以下の樹脂のことを指す。
上記の条件を満たすための熱可塑性樹脂の組合せの一例として、本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムにおいては、熱可塑性樹脂Aがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、熱可塑性樹脂Bがスピログリコール由来のポリエステルを含んでなるポリエステルであることが好ましい。スピログリコール由来のポリエステルとは、スピログリコールをジオール成分として用いたポリエステルであって、他のエステル構造単位との共重合体、スピログリコールを単一のジオール成分として用いたポリエステル、またはそれらを他のポリエステル樹脂とブレンドし、好ましくスピログリコール残基がポリエステル樹脂中の全ジオール残基の半数以上を占めるポリエステルのことを言う。スピログリコール由来のポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、フィルム製膜時に過延伸になりにくく、かつ層間剥離もしにくいために好ましい。より好ましくは、熱可塑性樹脂Aがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、熱可塑性樹脂Bがスピログリコールとシクロヘキサンジカルボン酸とが用いられたポリエステルであることが好ましい。スピログリコールとシクロヘキサンジカルボン酸とを用いて得たポリエステルであると、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとの面内屈折率差が大きくなるため、高い反射率が得られやすくなる。また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さく、接着性にも優れるため、製膜時に過延伸になりにくく、かつ層間剥離もしにくい。
また、本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムにおいては、熱可塑性樹脂Aがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含んでなり、熱可塑性樹脂Bがシクロヘキサンジメタノール由来のポリエステルであることも好ましい。シクロヘキサンジメタノール由来のポリエステルとは、シクロヘキサンジメタノールをジオール成分として用いたポリエステルであって、他のエステル構造単位との共重合体、シクロヘキサンジメタノールを単一のジオール成分として用いたポリエステル、またはそれらを他のポリエステル樹脂とブレンドし、好ましくはシクロヘキサンジメタノール残基がポリエステル樹脂中の全ジオール残基の半数以上を占めるポリエステルのことを言う。シクロヘキサンジメタノール由来のポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になることがなりにくく、かつ層間剥離もしにくいために好ましい。より好ましくは、少なくともひとつの熱可塑性樹脂がシクロヘキサンジメタノールの共重合量が15mol%以上60mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体である。このようにすることにより、高い反射性能を有しながら、特に加熱や経時による光学的特性の変化が小さく、層間での剥離も生じにくくなる。シクロヘキサンジメタノールの共重合量が15mol%以上60mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体は、ポリエチレンテレフタレートと非常に強く接着する。また、そのシクロヘキサンジメタノール基は幾何異性体としてシス体あるいはトランス体があり、また配座異性体としてイス型あるいはボート型もあるので、ポリエチレンテレフタレートと共延伸しても配向結晶化しにくく、高反射率で、熱履歴による光学特性の変化もさらに少なく、製膜時のやぶれも生じにくいものである。
<反射フィルムの製造方法>
次に、本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムの好ましい製造方法を熱可塑性樹脂A,Bからなる反射フィルムを例にとり以下に説明する。もちろん本発明は係る例に限定して解釈されるものではない。また、本発明に用いる反射フィルムの積層構造は、特開2007−307893号公報の〔0053〕〜〔0063〕段に記載の内容と同様の方法により簡便に実現できるものである。
次に、本発明の光源ユニットを構成する反射フィルムの好ましい製造方法を熱可塑性樹脂A,Bからなる反射フィルムを例にとり以下に説明する。もちろん本発明は係る例に限定して解釈されるものではない。また、本発明に用いる反射フィルムの積層構造は、特開2007−307893号公報の〔0053〕〜〔0063〕段に記載の内容と同様の方法により簡便に実現できるものである。
熱可塑性樹脂をペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。また、反射フィルム中に紫外線吸収剤を含む場合には、あらかじめ熱可塑性樹脂中に紫外線吸収剤を混練したペレットを準備したり、熱可塑性樹脂と紫外線吸収剤とを押出機中にて混練する。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。これらの樹脂はダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させたりする方法も好ましい。
また、A層に用いられる熱可塑性樹脂とそれと異なる熱可塑性樹脂Bの複数の樹脂を2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出し、多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー等を用いることができるが、特に、本発明の構成を効率よく得るためには、11個以上の微細スリットを有するフィードブロックを用いることが好ましい。このようなフィードブロックを用いると、装置が極端に大型化することがないため、熱劣化による異物が少なく、積層数が極端に多い場合でも、高精度な積層が可能となる。また、幅方向の積層精度も従来技術に比較して格段に向上する。また、この装置では、各層の厚みをスリットの形状(長さ、幅)で調整できるため、任意の層厚みを達成することが可能となったものである。
このようにして所望の層構成に形成した溶融多層積層体をダイへと導き、上述と同様にキャスティングフィルムが得られる。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、二軸延伸することが好ましい。ここで、二軸延伸とは、長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二方向に延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手方向および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。
逐次二軸延伸の場合についてまず説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施され、この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、反射フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては反射フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましい。
ここで、フィルム長手方向の厚みムラを抑制するためには、延伸時のフィルムの配向を高めることが重要である。特に長尺方向および短尺方向において10cm間隔で連続して存在する3点における反射帯域の低波長端の差が30nm以下とするためには、長手方向への延伸温度を反射フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度+20℃以下とすることが好ましい方法として例示される。好ましくはガラス転移温度+10℃で延伸することである。また、フィルム長手方向への延伸倍率を高めることによっても達成されるが、倍率を高めすぎると続く幅方向での延伸時に帯域の均一性を損ねる場合があり、実質的に3.4〜4.0倍が好ましい範囲となる。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。特に、反射フィルムと色変換シートを含む積層部材を形成する際には、反射フィルムの最表層となる熱可塑性樹脂Aよりも低く、色変換部材の最表層となるフィルムの屈折率よりも高い屈折率となる樹脂をインラインコーティングすることが好ましい。
つづいて幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸をいい、通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、反射フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。特に本発明における反射フィルムでは、横延伸倍率は4倍以上とすることが好ましく、横延伸倍率を高めることで反射帯域の均一性、平均反射率の均一性、相関係数を高めるのに有効である。また、延伸温度としては反射フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。熱処理を行うことにより、成形用フィルムの寸法安定性が向上する。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、反射フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が特に好ましく用いられる。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては反射フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/または直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理する。
得られた反射フィルムを下記のとおり表面に凹凸形状を形成することも好ましい。凹凸形状を形成する方法としては、(a)金型を用いた金型転写方法、(b)基材表面を直接加工する方法、等が挙げられる。(a)金型転写方法についてさらに詳述すると、(a1)金型又は/及び上記基材を加熱した状態で金型を加圧、圧着させ賦形する方法、(a2)上記基材の表面に光又は熱硬化性樹脂を積層し、その表面に金型を押しあて、活性エネルギー線の照射、又は加熱により樹脂を硬化させて賦形する方法、(a3)予め金型の凹部に充填された樹脂を、基材上に転写する方法等が挙げられる。
また、(b)基材表面を直接加工する方法としては、(b1)機械的に切削冶具などを用いて所望形状に削る方法、(b2)サンドブラスト法により削る方法、(b3)レーザーにより削る方法、(b4)基材表面に光硬化性樹脂を積層し、該基材の表面をリソグラフィーや光干渉露光法などの手法を用いて所望形状に加工する方法、等が挙げられる。
これらのうちでは、生産性の観点から(a)金型転写方法がより好ましい製造方法であるが、これらのプロセスを組み合わせることも可能であり、適宜プロセスを選択することで、求める凹凸形状を備えた反射フィルムを得ることができる。
これらのうちでは、生産性の観点から(a)金型転写方法がより好ましい製造方法であるが、これらのプロセスを組み合わせることも可能であり、適宜プロセスを選択することで、求める凹凸形状を備えた反射フィルムを得ることができる。
<反射フィルムと色変換部材の貼り合せ>
本発明の反射フィルムと色変換部材を貼りあわせた積層部材においては、個別に作成した色変換部材と反射フィルムを接着層を介して貼り合せることも好ましい。
本発明の反射フィルムと色変換部材を貼りあわせた積層部材においては、個別に作成した色変換部材と反射フィルムを接着層を介して貼り合せることも好ましい。
本発明の光源ユニットは、このほかにも、反射フィルム、導光板、拡散板、拡散フィルム、集光フィルム、偏光反射性フィルムなどの光学フィルムが挿入されてなることが好ましい。
<光源ユニット>
本発明における光源ユニットは、少なくとも光源および色変換部材または色変換部材を含む構成である。色変換部材を含む場合は、光源と色変換部材の配置方法については特に限定されず、光源に色変換部材を直接塗布した構成を取っても良いし、光源とは離したフィルムやガラスなどに色変換部材を塗布した構成を取っても良い。色変換部材を含む場合は、光源と色変換部材の配置方法については特に限定されず、光源と色変換部材を密着させた構成を取っても良いし、光源と色変換部材を離したリモートフォスファー形式を取っても良い。また、色純度を高める目的で、さらにカラーフィルターを含む構成を取っても良い。
本発明における光源ユニットは、少なくとも光源および色変換部材または色変換部材を含む構成である。色変換部材を含む場合は、光源と色変換部材の配置方法については特に限定されず、光源に色変換部材を直接塗布した構成を取っても良いし、光源とは離したフィルムやガラスなどに色変換部材を塗布した構成を取っても良い。色変換部材を含む場合は、光源と色変換部材の配置方法については特に限定されず、光源と色変換部材を密着させた構成を取っても良いし、光源と色変換部材を離したリモートフォスファー形式を取っても良い。また、色純度を高める目的で、さらにカラーフィルターを含む構成を取っても良い。
本発明における光源ユニットは、ディスプレイ、照明、インテリア、標識、看板、などの用途に使用できるが、特にディスプレイや照明用途に特に好適に用いられる。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<光源の発光強度、発光帯域の測定>
浜松フォトニクス製ミニ分光光度器(C10083MMD)にNA0.22の光ファイバーを取り付け、光源の光を計測した。得られた発光スペクトルについて、最大強度を示す波長を光源の発光ピーク波長とし、光源の発光ピーク波長での発光強度の50%以上の強度を示す発光帯域をもって光源の発光帯域とした。
浜松フォトニクス製ミニ分光光度器(C10083MMD)にNA0.22の光ファイバーを取り付け、光源の光を計測した。得られた発光スペクトルについて、最大強度を示す波長を光源の発光ピーク波長とし、光源の発光ピーク波長での発光強度の50%以上の強度を示す発光帯域をもって光源の発光帯域とした。
<色変換部材の発光強度、出光帯域の測定>
浜松フォトニクス製ミニ分光光度器(C10083MMD)にNA0.22の光ファイバーを取り付け、光源の光を照射した色変換部材から出光する光を計測した。得られた発光スペクトルについて、光源の発光ピーク波長をのぞく最大強度を示す波長を色変換部材の出光ピーク波長とし、色変換部材の出光ピーク波長での出光強度の50%以上の強度を示す帯域を色変換部材の出光帯域とした。また、本願で用いた色変換部材は上記で定義される出光ピーク以外にも極大点を示すものであったため、第2の発光ピークとした。
浜松フォトニクス製ミニ分光光度器(C10083MMD)にNA0.22の光ファイバーを取り付け、光源の光を照射した色変換部材から出光する光を計測した。得られた発光スペクトルについて、光源の発光ピーク波長をのぞく最大強度を示す波長を色変換部材の出光ピーク波長とし、色変換部材の出光ピーク波長での出光強度の50%以上の強度を示す帯域を色変換部材の出光帯域とした。また、本願で用いた色変換部材は上記で定義される出光ピーク以外にも極大点を示すものであったため、第2の発光ピークとした。
<反射フィルムの反射率、反射帯域、透過率の測定>
日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変透過付属装置と付属のグランテーラ社製偏光子を取り付け、入射角度φ=10度および60度における波長250〜1600nmのP波反射率及びS波反射率ならびに入射角度φ=0度での波長250〜1600nmの透過率を測定した。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分とした。サンプルを65インチを想定して、フィルム長手方向から45cm間隔で、フィルム幅方向から70cm間隔で5cm×10cmで切り出し測定した。また、フィルム長手方向および幅方向の中央のサンプルを採取した箇所から、さらに10cm長手方向および幅方向に隣接する位置から同様にサンプルを採取した。
詳細のパラメーターは以下のとおり算出した。
<反射フィルムの低波長端・高波長端、λ1、λ2>
上記で得られた反射スペクトルについて、各波長ごとにP波とS波の平均値を用いた平均反射スペクトルを算出し、波長400〜1600nmにおける最大反射率をRmax(%)とした際に、RMax/2(%)となる波長の中で最も低波長でかつ400nm以上である波長を反射フィルムの反射帯域の低波長端、最も長波長でかつ1600nm以下である波長を反射フィルムの反射帯域の長波長端とした。同様に、低波長端近傍でRMax/4(%)となる波長をλ1、RMax×3/4となる波長をλ2とした。
<光源の発光帯域における平均透過率>
上記で得られた透過ペクトルについて、各波長ごとにP波とS波の平均値を用いた平均透過スペクトルを算出し、この平均透過スペクトルに対して上述のとおり算出された光源の発光帯域内での平均透過率を算出した。
<色変換部材の出光帯域における最大および平均反射率>
上記で得られた反射スペクトルについて、各波長ごとにP波とS波の平均値を用いた平均反射スペクトルを算出し、この平均反射スペクトルに対して上述のとおり算出された色変換部材の出光帯域内での最大ならびに平均反射率を算出した。
<相関係数>
上記で得られた反射スペクトルについて、各波長ごとにP波とS波の平均値を用いた平均反射スペクトルを算出し、フィルム幅方向および長手方向の末端のフィルムサンプルの各々について、フィルムサンプル中央との平均反射スペクトルの波長400〜800nmの区間での相関係数を算出し、4つの相関係数を得た。この中で、最小の値となった相関係数を相関係数の最小値とした。。
日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変透過付属装置と付属のグランテーラ社製偏光子を取り付け、入射角度φ=10度および60度における波長250〜1600nmのP波反射率及びS波反射率ならびに入射角度φ=0度での波長250〜1600nmの透過率を測定した。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分とした。サンプルを65インチを想定して、フィルム長手方向から45cm間隔で、フィルム幅方向から70cm間隔で5cm×10cmで切り出し測定した。また、フィルム長手方向および幅方向の中央のサンプルを採取した箇所から、さらに10cm長手方向および幅方向に隣接する位置から同様にサンプルを採取した。
詳細のパラメーターは以下のとおり算出した。
<反射フィルムの低波長端・高波長端、λ1、λ2>
上記で得られた反射スペクトルについて、各波長ごとにP波とS波の平均値を用いた平均反射スペクトルを算出し、波長400〜1600nmにおける最大反射率をRmax(%)とした際に、RMax/2(%)となる波長の中で最も低波長でかつ400nm以上である波長を反射フィルムの反射帯域の低波長端、最も長波長でかつ1600nm以下である波長を反射フィルムの反射帯域の長波長端とした。同様に、低波長端近傍でRMax/4(%)となる波長をλ1、RMax×3/4となる波長をλ2とした。
<光源の発光帯域における平均透過率>
上記で得られた透過ペクトルについて、各波長ごとにP波とS波の平均値を用いた平均透過スペクトルを算出し、この平均透過スペクトルに対して上述のとおり算出された光源の発光帯域内での平均透過率を算出した。
<色変換部材の出光帯域における最大および平均反射率>
上記で得られた反射スペクトルについて、各波長ごとにP波とS波の平均値を用いた平均反射スペクトルを算出し、この平均反射スペクトルに対して上述のとおり算出された色変換部材の出光帯域内での最大ならびに平均反射率を算出した。
<相関係数>
上記で得られた反射スペクトルについて、各波長ごとにP波とS波の平均値を用いた平均反射スペクトルを算出し、フィルム幅方向および長手方向の末端のフィルムサンプルの各々について、フィルムサンプル中央との平均反射スペクトルの波長400〜800nmの区間での相関係数を算出し、4つの相関係数を得た。この中で、最小の値となった相関係数を相関係数の最小値とした。。
<輝度・色目測定>
評価用の光源を含む光源ユニットとして、Sony製TVであるKD−65X9500Bの光源ユニットを用いた。本バックライトの発光帯域は440〜458nmである。この光源ユニットを用い、付属の拡散板、東レ製の白色反射フィルム、色変換部材(反射フィルムと色変換部材を含む積層部材の場合もある)、(第2の反射フィルムを含む場合がある)、付属のプリズムフィルム、付属の偏光反射フィルムを含む光源ユニットとした場合の輝度をCA−2000((株)コニカミノルタ)を用い、付属のCCDカメラをバックライト表面から90cmの地点に光源ユニット面に対して正面となるように設置しで測定した。比較例1における輝度を100としたときの相対的な輝度を表1に記載した。また、同時に計測されるx値、y値について、画面5箇所での最大値と最小値の差をΔx、Δyとした。
評価用の光源を含む光源ユニットとして、Sony製TVであるKD−65X9500Bの光源ユニットを用いた。本バックライトの発光帯域は440〜458nmである。この光源ユニットを用い、付属の拡散板、東レ製の白色反射フィルム、色変換部材(反射フィルムと色変換部材を含む積層部材の場合もある)、(第2の反射フィルムを含む場合がある)、付属のプリズムフィルム、付属の偏光反射フィルムを含む光源ユニットとした場合の輝度をCA−2000((株)コニカミノルタ)を用い、付属のCCDカメラをバックライト表面から90cmの地点に光源ユニット面に対して正面となるように設置しで測定した。比較例1における輝度を100としたときの相対的な輝度を表1に記載した。また、同時に計測されるx値、y値について、画面5箇所での最大値と最小値の差をΔx、Δyとした。
また、TVの横方向(長尺方向)、縦方向(短尺方向)の両末端から5cmの位置での輝度、色目のムラを計測し、比較例1との差を以下の指標にて比較し合否を判断した。
輝度ムラ
◎ : 面内5箇所での輝度の差がブランク対比1%以下
○ : 面内5箇所での輝度の差がブランク対比2%以下
× : 面内5箇所での輝度の差がブランク対比2%以上を超える
色目のムラ
◎ : 面内5箇所でのΔx、Δyがブランク対比0.01以下
○ : 面内5箇所でのΔx、Δyがブランク対比0.02以下
× : 面内5箇所でのΔx、Δyがブランク対比0.02を超える。
◎ : 面内5箇所での輝度の差がブランク対比1%以下
○ : 面内5箇所での輝度の差がブランク対比2%以下
× : 面内5箇所での輝度の差がブランク対比2%以上を超える
色目のムラ
◎ : 面内5箇所でのΔx、Δyがブランク対比0.01以下
○ : 面内5箇所でのΔx、Δyがブランク対比0.02以下
× : 面内5箇所でのΔx、Δyがブランク対比0.02を超える。
<ガラス転移温度>
セイコー電子工業製“ロボットDSC−RDC6220”を用いてJIS−K−7122(1987年)に従って、測定サンプルのDSC曲線を測定した。試験は、20℃/分の昇温速度でサンプルを25℃から300℃の温度まで加熱し、その状態で5分間保持後、次いで25℃以下の温度となるように急冷し田上で、再度25℃から20℃/分の昇温速度で300℃まで加熱して得られた示差走査熱量測定チャートからガラス転移温度を計測した。
セイコー電子工業製“ロボットDSC−RDC6220”を用いてJIS−K−7122(1987年)に従って、測定サンプルのDSC曲線を測定した。試験は、20℃/分の昇温速度でサンプルを25℃から300℃の温度まで加熱し、その状態で5分間保持後、次いで25℃以下の温度となるように急冷し田上で、再度25℃から20℃/分の昇温速度で300℃まで加熱して得られた示差走査熱量測定チャートからガラス転移温度を計測した。
(合成例1)
緑色変換材料G−1の合成方法
3,5−ジブロモベンズアルデヒド(3.0g)、4−t−ブチルフェニルボロン酸(5.3g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.4g)、炭酸カリウム(2.0g)をフラスコに入れ、窒素置換した。ここに脱気したトルエン(30mL)および脱気した水(10mL)を加え、4時間還流した。反応溶液を室温まで冷却し、有機層を、分液した後に飽和食塩水で洗浄した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を留去した。得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、3,5−ビス(4−t−ブチルフェニル)ベンズアルデヒド(3.5g)を白色固体として得た。
緑色変換材料G−1の合成方法
3,5−ジブロモベンズアルデヒド(3.0g)、4−t−ブチルフェニルボロン酸(5.3g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.4g)、炭酸カリウム(2.0g)をフラスコに入れ、窒素置換した。ここに脱気したトルエン(30mL)および脱気した水(10mL)を加え、4時間還流した。反応溶液を室温まで冷却し、有機層を、分液した後に飽和食塩水で洗浄した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を留去した。得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、3,5−ビス(4−t−ブチルフェニル)ベンズアルデヒド(3.5g)を白色固体として得た。
3,5−ビス(4−t−ブチルフェニル)ベンズアルデヒド(1.5g)と2,4−ジメチルピロール(0.7g)を反応溶液に入れ、脱水ジクロロメタン(200mL)およびトリフルオロ酢酸(1滴)を加えて、窒素雰囲気下、4時間撹拌した。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(0.85g)の脱水ジクロロメタン溶液を加え、さらに1時間撹拌した。反応終了後、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体(7.0mL)およびジイソプロピルエチルアミン(7.0mL)を加えて、4時間撹拌した後、さらに水(100mL)を加えて撹拌し、有機層を分液した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を留去した。得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、下記に示す化合物G−1を0.4g得た(収率18%)。
(合成例2)
赤色変換材料R−1の合成方法
4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ピロール300mg、2−メトキシベンゾイルクロリド201mgとトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、120℃で6時間加熱した。室温に冷却後、エバポレートした。エタノール20mlで洗浄し、真空乾燥した後、2−(2−メトキシベンゾイル)−3−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)ピロール260mgを得た。
赤色変換材料R−1の合成方法
4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ピロール300mg、2−メトキシベンゾイルクロリド201mgとトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、120℃で6時間加熱した。室温に冷却後、エバポレートした。エタノール20mlで洗浄し、真空乾燥した後、2−(2−メトキシベンゾイル)−3−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)ピロール260mgを得た。
次に、2−(2−メトキシベンゾイル)−3−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)ピロール260mg、4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ピロール180mg、メタンスルホン酸無水物206mgと脱気したトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、125℃で7時間加熱した。室温に冷却後、水20mlを注入し、ジクロロメタン30mlで抽出した。有機層を水20mlで2回洗浄し、エバポレートし、真空乾燥した。
次に、得られたピロメテン体とトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、ジイソプロピルエチルアミン305mg、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体670mgを加え、室温で3時間攪拌した。水20mlを注入し、ジクロロメタン30mlで抽出した。有機層を水20mlで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートした。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、真空乾燥した後、赤紫色粉末0.27gを得た。
(実施例1)
反射フィルムは以下に示す方法にて得た。
熱可塑性樹脂Aとして、ガラス転移温度124℃のポリエチレンナフタレート(PEN)を用いた。また熱可塑性樹脂Bとして融点を持たない非晶性樹脂であるシクロヘキサンジメタノールを共重合したガラス転移温度78℃のエチレンテレフタレート(PETG)を用いた。準備した結晶性ポリエステルと熱可塑性樹脂Bとをそれぞれ、2台の単軸押出機に投入し、280℃で溶融させて、混練した。次いで、それぞれFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて計量しながら、スリット数11個で最表層厚みがフィルム厚みの5%となるように設計された積層装置にて合流させて、厚み方向に交互に11層積層された積層体とした。積層体とする方法は、特開2007−307893号公報〔0053〕〜〔0056〕段の記載に従って行った。ここでは、スリット長さ、間隔は全て一定とした。得られた積層体は、熱可塑性樹脂Aが6層、熱可塑性樹脂Bが5層であり、厚み方向に交互に積層された積層構造を有していた。口金内部での拡幅比である口金リップのフィルム幅方向長さを口金の流入口部でのフィルム幅方向の長さで割った値を2.5となるようにした。
反射フィルムは以下に示す方法にて得た。
熱可塑性樹脂Aとして、ガラス転移温度124℃のポリエチレンナフタレート(PEN)を用いた。また熱可塑性樹脂Bとして融点を持たない非晶性樹脂であるシクロヘキサンジメタノールを共重合したガラス転移温度78℃のエチレンテレフタレート(PETG)を用いた。準備した結晶性ポリエステルと熱可塑性樹脂Bとをそれぞれ、2台の単軸押出機に投入し、280℃で溶融させて、混練した。次いで、それぞれFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて計量しながら、スリット数11個で最表層厚みがフィルム厚みの5%となるように設計された積層装置にて合流させて、厚み方向に交互に11層積層された積層体とした。積層体とする方法は、特開2007−307893号公報〔0053〕〜〔0056〕段の記載に従って行った。ここでは、スリット長さ、間隔は全て一定とした。得られた積層体は、熱可塑性樹脂Aが6層、熱可塑性樹脂Bが5層であり、厚み方向に交互に積層された積層構造を有していた。口金内部での拡幅比である口金リップのフィルム幅方向長さを口金の流入口部でのフィルム幅方向の長さで割った値を2.5となるようにした。
得られたキャストフィルムを、130℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、フィルム温度135℃でフィルム長手方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却した。つづいて、この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を55mN/mとし、その処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布し、透明・易滑・易接着層を形成した。該易接着層の屈折率は1.57であった。
この一軸延伸フィルムをテンターに導き、110℃の熱風で予熱後、130℃の温度でフィルム幅方向に4.5倍延伸した。ここでの延伸速度と温度は一定とした。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で240℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度条件で幅方向に2%の弛緩処理を、さらに100度まで急冷した後に幅方向に5%の弛緩処理を施し、その後、巻き取り反射フィルムを得た。
色変換部材は以下に示す方法にて得た。
バインダー樹脂としてアクリル樹脂1(SP値=9.5(cal/cm3)0.5)を用い、バインダー樹脂100重量部に対して、発光材料(a)として化合物G−1を0.25重量部、溶剤としてトルエンを400重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター(登録商標)”KK−400(クラボウ製)を用い、300rpmで20分間撹拌・脱泡して(A)層作製用の色変換組成物を得た。同様に、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂1(SP値=10.7(cal/cm3)0.5)を用い、バインダー樹脂100重量部に対して、発光材料(b)として化合物R−1を0.017重量部、溶剤としてトルエンを300重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター(登録商標)”KK−400(クラボウ製)を用い、300rpmで20分間撹拌・脱泡して(B)層作製用の色変換組成物を得た。
次に、スリットダイコーターを用いて(A)層作製用の色変換組成物を、厚み50μmのPETフィルム上に塗布し、100℃で20分加熱、乾燥して平均膜厚16μmの(A)層を形成した。同様に、スリットダイコーターを用いて(B)層作製用の色変換組成物を、基材層である光拡散フィルム “ケミカルマット”125PW((株)きもと製、厚さ138μm)のPET基材層側に塗布し、100℃で20分加熱、乾燥して平均膜厚48μmの(B)層を形成した。
次に、上記2つのユニットを、(A)層と(B)層が直接積層するように加温ラミネートすることで、色変換部材を得た。
次に、上記2つのユニットを、(A)層と(B)層が直接積層するように加温ラミネートすることで、色変換部材を得た。
得られた反射フィルム、色変換部材を含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、輝度も反射フィルムを用いない比較例1と比較すると輝度がわずかに向上した。一方、面内での色味や輝度の均一性が良好なものであった。
(実施例2)
熱可塑性樹脂Aとして、ガラス転移温度が78℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。また熱可塑性樹脂Bとして融点を持たないガラス転移温度78℃の非晶性樹脂であるスピログリコール25mol%、シクロヘキサンジカルボン酸30mol%共重合したエチレンテレフタレート(PE/SPG・T/CHDC)を用い、かつ熱可塑性樹脂AからなるA層の層数を51層、熱可塑性樹脂BからなるB層の層厚みを50層とした反射フィルムを用いて、実施例1と同様にキャストフィルムを得た。
熱可塑性樹脂Aとして、ガラス転移温度が78℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。また熱可塑性樹脂Bとして融点を持たないガラス転移温度78℃の非晶性樹脂であるスピログリコール25mol%、シクロヘキサンジカルボン酸30mol%共重合したエチレンテレフタレート(PE/SPG・T/CHDC)を用い、かつ熱可塑性樹脂AからなるA層の層数を51層、熱可塑性樹脂BからなるB層の層厚みを50層とした反射フィルムを用いて、実施例1と同様にキャストフィルムを得た。
得られたキャストフィルムを、72〜78℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、フィルム温度90℃でフィルム長手方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却した。つづいて、この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を55mN/mとし、その処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布し、透明・易滑・易接着層を形成した。該易接着層の屈折率は1.57であった。
この一軸延伸フィルムをテンターに導き、110℃の熱風で予熱後、130℃の温度でフィルム幅方向に4.5倍延伸した。ここでの延伸速度と温度は一定とした。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で240℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度条件で幅方向に2%の弛緩処理を、さらに100度まで急冷した後に幅方向に5%の弛緩処理を施し、その後、巻き取り反射フィルムを得た。
得られた反射フィルム、色変換部材ならびにそれを含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、層数の少ない実施例1と比較すると顕著な輝度の向上が見られ、面内での色味や輝度の均一性も改善が見られた。
(実施例3)
熱可塑性樹脂AからなるA層の層数を101層、熱可塑性樹脂BからなるB層の層厚みを100層とした以外は、実施例2と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
熱可塑性樹脂AからなるA層の層数を101層、熱可塑性樹脂BからなるB層の層厚みを100層とした以外は、実施例2と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
得られた反射フィルム、色変換部材ならびにそれを含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、層数の少ない実施例2と比較するとさらに輝度の向上が見られ、面内での色味や輝度の均一性もほとんどムラがわからないレベルの改善が見られた。
(実施例4)
熱可塑性樹脂AからなるA層の層数を301層、熱可塑性樹脂BからなるB層の層厚みを300層とした以外は、実施例2と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
熱可塑性樹脂AからなるA層の層数を301層、熱可塑性樹脂BからなるB層の層厚みを300層とした以外は、実施例2と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
得られた反射フィルム、色変換部材ならびにそれを含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、顕著な輝度の向上が見られ、かつ色味や輝度の均一性にも優れるものであった。
(実施例5)
反射フィルムの反射帯域を色変換部材の出光帯域内でかつピーク波長1よりも長波長となるように調整した以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
反射フィルムの反射帯域を色変換部材の出光帯域内でかつピーク波長1よりも長波長となるように調整した以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
得られた反射フィルム、色変換部材ならびにそれを含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、反射帯域が実施例4よりも長波長シフトを一部色変換部材の出光帯域をカバーできていないことを反映して、正面から測定する輝度測定において輝度のわずかな低下が見られた。一方、色味や輝度の均一性にも優れるもので、特に斜めから見た際にも輝度の変化が小さいという特徴のものであった。
(実施例6)
反射フィルムの反射帯域を色変換部材の出光帯域内でかつピーク波長1よりも低波長となるように調整した以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
反射フィルムの反射帯域を色変換部材の出光帯域内でかつピーク波長1よりも低波長となるように調整した以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
得られた反射フィルム、色変換部材ならびにそれを含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、実施例4と比較して正面から測定する輝度測定もほぼ同程度の値を示し、色味や輝度の均一性にも優れるもので、特に斜めから見た際にも輝度の変化が小さいという特徴のものであった。
(実施例7)
反射フィルムのフィルム幅方向への延伸倍率を3.5倍とした以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
反射フィルムのフィルム幅方向への延伸倍率を3.5倍とした以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
得られた反射フィルム、色変換部材ならびにそれを含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、実施例4と同等レベルの輝度向上の効果は見られる。一方、反射フィルムの低波長端や平均反射率、相関係数の低下を反映して、Δx、Δy、輝度ムラが実施例4よりもわずかに悪化する傾向が見られるものの、色目、輝度のムラは十分に使用可能なレベルであった。
(実施例8)
反射フィルムの表層の厚みをフィルム厚み比3%とした以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
反射フィルムの表層の厚みをフィルム厚み比3%とした以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
得られた反射フィルム、色変換部材ならびにそれを含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、実施例4と同等レベルの輝度向上の効果は見られる。一方、反射フィルムの低波長端や平均反射率、相関係数の低下を反映して、Δx、Δy、輝度ムラが実施例4よりもわずかに悪化する傾向が見られるものの、色目、輝度のムラは十分に使用可能なレベルであった。
(実施例9)
キャストフィルムをフィルム長手方向に延伸する際のフィルム温度を85℃とした以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
キャストフィルムをフィルム長手方向に延伸する際のフィルム温度を85℃とした以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
得られた反射フィルム、色変換部材ならびにそれを含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、実施例4と同等レベル以上の輝度向上の効果は見られ、かつΔx、Δy、輝度ムラが実施例4よりもわずかに改善する傾向が見られた。
(実施例10)
キャストフィルムをフィルム長手方向に延伸する倍率を3.5倍とした以外は、実施例9と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
キャストフィルムをフィルム長手方向に延伸する倍率を3.5倍とした以外は、実施例9と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
得られた反射フィルム、色変換部材ならびにそれを含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、実施例9と比較して同等レベルの輝度向上の効果は見られ、かつ低波長端のばらつきの改善を反映してΔx、Δy、輝度ムラがさらに改善していた。
(実施例11)
実施例4に加えて、反射帯域350〜460nm、光源の発光帯域における平均反射率40%、色変換部材から出光した光の出光帯域における平均透過率が90%の第2の反射フィルムを、図4のごとく色変換部材の視認側に設置した以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
実施例4に加えて、反射帯域350〜460nm、光源の発光帯域における平均反射率40%、色変換部材から出光した光の出光帯域における平均透過率が90%の第2の反射フィルムを、図4のごとく色変換部材の視認側に設置した以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
得られた反射フィルム、色変換部材を含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、実施例4と比較して、さらなる輝度向上効果を示しつつも、かつ色味や輝度の均一性にも優れるものであった。
(比較例1)
反射フィルムを用いない構成とした以外は実施例1と同様に色変換部材を用いて光源ユニットを形成した。
反射フィルムを用いない構成とした以外は実施例1と同様に色変換部材を用いて光源ユニットを形成した。
光源ユニットの評価結果を表1に示すが、実施例1〜9のいずれと比較しても低い輝度となっていた。
(比較例2)
反射フィルムの表層の厚みをフィルム厚み比0.5%とした以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
反射フィルムの表層の厚みをフィルム厚み比0.5%とした以外は、実施例4と同様にして反射フィルムならびに色変換部材を得た。
得られた反射フィルム、色変換部材ならびにそれを含む光源ユニットの評価結果を表1に示すが、反射帯域のフィルム幅方向、長手方向での反射波形の変化が大きく、結果として輝度は高いものの、Δx、Δy、輝度ムラが実施例4悪化し、ディスプレイとした際にも顕著にわかる程度のものとなっていた。
1 光源ユニット
2 光源
3 反射フィルム
4 色変換部材
5 積層部材
6 第2の反射フィルム
7 反射フィルムの長尺方向の両末端
8 反射フィルムの短尺方向の両末端
9 反射フィルムの中央
31 凹凸形状の例
32 凹凸形状の例
33 機能層
41 色変換部材の基材となるフィルム
42 色変換材料を含有する膜
2 光源
3 反射フィルム
4 色変換部材
5 積層部材
6 第2の反射フィルム
7 反射フィルムの長尺方向の両末端
8 反射フィルムの短尺方向の両末端
9 反射フィルムの中央
31 凹凸形状の例
32 凹凸形状の例
33 機能層
41 色変換部材の基材となるフィルム
42 色変換材料を含有する膜
Claims (9)
- 光源と、
前記光源から入射された入射光を、その入射光よりも長波長の光に変換する色変換部材と、
前記光源と色変換部材の間に存在し、光源から入射された光を透過し、かつ色変換部材から出光された光を反射する反射フィルムを含む光源ユニットであって、
かつ前記の反射フィルムの長尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差、または、短尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差が40nm以下である光源ユニット。 - 前記反射フィルムの長尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差、および、短尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域の低波長端の最大値と最小値の差がいずれも40nm以下である請求項1に記載の光源ユニット。
- 前記反射フィルムの長尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域内での平均反射率の最大値と最小値の差、および、短尺方向の中央と両末端の3点における反射帯域内での平均反射率の最大値と最小値の差がいずれも10%以下である請求項1に記載の光源ユニット。
- 前記反射フィルム中央の波長400〜800nmの反射率と、長尺方向の両末端および短尺方向の両末端の4点における波長400〜800nmの反射率の相関係数の最小値が0.8以上である請求項1に記載の光源ユニット。
- 前記反射フィルムの低波長端が、光源の発光波長より大きく、かつ色変換部材の出光波長よりも小さい請求項1に記載の光源ユニット。
- 前記反射フィルムの長尺方向および短尺方向において、10cm間隔で連続して存在する3点における反射帯域の低波長端の差が30nm以下である請求項1に記載の光源ユニット。
- 前記反射フィルムの低波長端が、色変換部材の出光帯域に含まれる請求項1に記載の光源ユニット。
- 前記反射フィルムが、異なる複数の熱可塑性樹脂が交互に11層以上積層されてなる積層フィルムである請求項1に記載の光源ユニット。
- 色変換部材の光源側とは反対面側に第2の反射フィルムを含み、かつ第2の反射フィルムが前記光源から発光された光を30%以上80%以下反射し、色変換部材から出光した光を80%以上透過する請求項1に記載の光源ユニット。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016198674 | 2016-10-07 | ||
JP2016198674 | 2016-10-07 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20210104054A (ko) | 2018-12-18 | 2021-08-24 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 다공질층의 제조 방법, 적층체, 비수 전해액 이차 전지용 세퍼레이터 및 비수 전해액 이차 전지 |
-
2017
- 2017-09-27 JP JP2017185729A patent/JP2018063943A/ja active Pending
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KR20210104054A (ko) | 2018-12-18 | 2021-08-24 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 다공질층의 제조 방법, 적층체, 비수 전해액 이차 전지용 세퍼레이터 및 비수 전해액 이차 전지 |
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