JP2023132022A - 光源ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、輝度ムラを抑制しつつ、ディスプレイの輝度向上と輝度安定性向上にも寄与する光源ユニットを提供することを課題とする。【解決手段】複数のLED発光素子が載置された基板、反射フィルム、及び色変換部材をこの順に有し、前記色変換部材が、入射光をより長波長の光に変換して発光し、前記反射フィルムが、フィルム面に垂直に入射した前記LED発光素子の光を透過し、かつフィルム面に垂直に入射された色変換部材の発光を反射し、かつ、前記基板と前記反射フィルムの間にヘイズ50%以上の部材を含まないことを特徴とする、光源ユニット。【選択図】なし

Description

本発明は輝度ムラを抑制しつつ、ディスプレイの輝度向上と輝度安定性向上にも寄与する光源ユニットに関する。
色変換部材を用いたマルチカラー化技術が、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、照明などへ応用されている。色変換とは、発光体からの発光をより長波長な光へと変換することであり、例えば発光体が発した青色光を緑色光や赤色光へと変換することを表す。
色変換部材を用いて青色光を緑色光や赤色光へ変換できれば、青色光源から青、緑、赤色の3原色を取り出すこと、すなわち白色光を取り出すことが可能となり、得られた白色光を光源としたバックライトユニットと、液晶駆動部分と、カラーフィルタとを組み合わせることで、フルカラー液晶ディスプレイの作製が可能になる。
液晶ディスプレイは、非点灯の黒表示時に画面が白くなる「白み」の改善が従来からの課題であるが、部分的に一部のLED発光素子を消灯させて高精細化を図るローカルディミング技術が普及するにつれて白みの改善要求はより高まってきた。対策として、例えば特許文献1では波長選択性の反射フィルムを用いることで、黒表示部と白表示部のコントラストに優れ、かつ正面輝度の高い光源ユニットが提案されている。
また、近年、ディスプレイの更なる高輝度、高精細化の要求により画面直下の基板の面内へ微小サイズのLED発光素子を複数配置してなる方式(ミニLED方式)が導入され、ディスプレイの薄型化と併せて盛んに検討されている。ミニLED方式のディスプレイでは、LED発光素子の直上部分と直上ではない部分との明暗差、すなわち輝度ムラがより強調されるため、画面から出射する光の輝度の均一性を高めることがより一層要求され、前記基板と前記色変換部材の間に光を拡散させる機能を有する拡散材を挿入した構成(例えば特許文献2)が一般的であった。
国際公開第2018/083953号パンフレット 特開2020-79920号公報
一方、更なる輝度の向上と輝度ムラ抑制のために特許文献1の波長選択性反射フィルムを前記ミニLED方式のディスプレイへ適用した場合、期待に反して輝度や輝度ムラに改善が見られなかったり、長時間使用により経時で輝度が低下したりする場合があった。また、特許文献2に記載の拡散材を基板と色変換部材の間に挿入した構成において特許文献1の波長選択性反射フィルムを組み合わせた場合も、輝度や輝度ムラに改善が見られなかったり、長時間使用により経時で輝度が低下したりする場合があった。
そこで本発明は、輝度ムラを抑制しつつ、輝度向上と輝度安定性向上にも優れた光源ユニットを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明は以下の構成をとる。すなわち、複数のLED発光素子が載置された基板、反射フィルム、及び色変換部材をこの順に有し、前記色変換部材が、入射光をより長波長の光に変換して発光し、前記反射フィルムが、フィルム面に垂直に入射した前記LED発光素子の光を透過し、かつフィルム面に垂直に入射された色変換部材の発光を反射し、かつ、前記基板と前記反射フィルムの間にヘイズ50%以上の部材を含まないことを特徴とする、光源ユニットである。
本発明によれば輝度ムラを抑制しつつ、輝度向上と輝度安定性向上にも優れた光源ユニットを得ることができ、当該光源ユニットは特にミニLED方式のディスプレイへも好適に用いることができる。
本発明の光源ユニットは、複数のLED発光素子が載置された基板、反射フィルム、及び色変換部材をこの順に有し、前記色変換部材が、入射光をより長波長の光に変換して発光し、前記反射フィルムが、フィルム面に垂直に入射した前記LED発光素子の光を透過し、かつフィルム面に垂直に入射された色変換部材の発光を反射し、かつ、前記基板と前記反射フィルムの間にヘイズ50%以上の部材を含まないことを特徴とする。以下、本発明の光源ユニットについて具体的に説明する。
<基板>
本発明の光源ユニットを構成する基板は、複数のLED発光素子が載置されている必要がある。LED発光素子が1つのみの場合、複数のLED発光素子から発出された光が互いに干渉して生じる輝度ムラが発生しないため、輝度ムラを抑制しつつ、輝度向上と輝度安定性向上にも優れるという本発明の効果が得られない場合がある。
基板とは、配線及び端子を有する導体パターン等を支持するものを表す。導体パターン同士を絶縁するために絶縁性を有する素材が基板の基材として好ましく用いられ、例えば、ガラス、セラミック、紙、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、LCP、PPS、表面を絶縁処理された金属などが挙げられる。これら素材は、例えばガラス布にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ樹脂のように複数成分からなる複合材料でもよい。
LED発光素子は、後述の色変換部材に含まれる発光物質が吸収可能な波長領域に発光を示すものであれば特に限定されない。たとえば、ディスプレイや照明用途では青色光を受けて緑色を発光させたり、紫外光をうけて青色光を発光させたりするが、前者の場合、青色光の色純度を高められる点で、400~500nmの範囲の発光帯域を有する青色LED発光素子がより好適である。後者の場合、青色発光効率を高めつつも紫外線による部材の劣化を抑制する観点から380~420nmの範囲の発光帯域を有する近紫外線LEDがより好適である。
発光素子は、1種類の発光ピークを持つものでもよく、2種類以上の発光ピークを持つものでもよいが、色純度を高めるためには1種類の発光ピークを持つものがより好ましい。また、発光ピークの種類の異なる複数の発光素子を任意に組み合わせて使用することも可能である。
発光素子の周囲には、通常、素子の劣化を抑制するために封止部材が配置される。封止部材の材料としては、例えば光硬化樹脂または熱硬化樹脂といった硬化樹脂が用いられる場合が多い。樹脂種は特に限定されないが、例えばエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系などが挙げられる。中でも、透明性や耐熱性を両立できる観点からシリコーン樹脂系が特に好ましい。熱硬化樹脂を用いた場合、封止部材は、例えば、硬化性樹脂組成物を含有する液状の封止部材を塗布して塗膜を形成した後、熱処理により塗膜を硬化させることにより形成される。封止方式には基板上に載置された複数のLED発光素子を一括で封止する全面封止の方式や、LED発光素子を個別に封止する部分封止の方式があるが、ディスプレイを薄型化しやすいという点で全面封止の方式がより好ましい。なお、本発明において、光源ユニットを構成する基板とは、前記の封止部材を含むものとする。
<色変換部材>
本発明の光源ユニットは、色変換部材を有する。色変換部材は、前記基板の発光素子側から入射された入射光をより長波長の光に変換して発光する部材である。ここで、「入射光をより長波長の光に変換する」とは以下のとおり定義されるものである。まず、基板上の発光素子の発光スペクトルを計測し、発光スペクトルの最大強度を示す波長を該発光素子の発光ピーク波長Pxとし、発光ピーク波長Pxにおける発光強度を100%とした場合に、発光ピーク波長Pxの前後で50%以上の発光強度を示す帯域をもって発光素子の発光帯域Bxとする。続いて、発光素子から色変換部材に対して垂直に入射した光の透過光のスペクトルを計測する。その際、前記発光素子の発光ピーク波長Pxをのぞく最大強度を示す波長を該色変換部材の発光ピーク波長Pyとし、色変換部材の発光ピーク波長Pyにおける発光強度を100%とした場合に、発光ピーク波長Pyの前後で50%以上の発光強度を示す帯域をもって色変換部材の発光帯域Byとする。色変換部材の発光帯域Byが発光素子の発光帯域Bxよりも長波長側にあることをもって、入射光をその入射光よりも長波長の光に変換すると定義し、さらに具体的には色変換部材の発光帯域Byの長波長端が発光素子の発光帯域Bxの長波長端よりも長波長側にあることとする。色変換部材からの発光ピークのうち、Pxを除くピークを複数備える場合は、色変換部材の発光帯域の一部で最大強度の50%未満となる場合もあるが、この場合も分断された色変換部材の発光帯域の中で最も長波長側に位置する帯域端が発光素子の発光帯域Bxよりも長波長側にあればよい。また、本願で用いる発光素子と色変換部材の組合せとしては、発光素子の発光帯域Bxの長波長端よりも、色変換部材の発光帯域Byの短波長端が長波長側にあることがより高精細なディスプレイを得る観点からより好ましい。
本発明の光源ユニットを構成する色変換部材は、前述のとおり特定の波長の光をより長波長の光に変換する部材であり、その一例として光波長を変換する機能を有する量子ドットや無機蛍光体、YAG蛍光体、有機蛍光体などの色変換材料を含有したフィルムまたはシート体が例示される。色変換材料を樹脂フィルムに含有したものでもよく、基材となるフィルム上に、色変換材料を含有した膜を積層したものでもよい。
量子ドットとしては、ZnSシェルを有するCdSeが例として挙げられる。また、CdSe/ZnS、InP/ZnS、PbSe/PbS、CdSe/CdS、CdTe/CdS、又はCdTe/ZnSを含むコア/シェル発光ナノ結晶を用いてもよい。
無機蛍光体は、最終的に所定の色を再現できるものであれば特に限定はなく、公知のものを用いることができる。例としては、YAG蛍光体、TAG蛍光体、シリケート蛍光体、ナイトライド蛍光体、オキシナイトライド蛍光体、窒化物、酸窒化物蛍光体、β型サイアロン蛍光体等が挙げられる。中でも、YAG蛍光体およびβ型サイアロン蛍光体がそれぞれ好ましく用いられる。
YAG蛍光体は、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦括されたイットリウム・ガドリニウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット酸化物蛍光体、及び、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・ガリウム・アルミニウム酸化物蛍光体などがあり、具体的には、Ln12:R(Lnは、Y、Gd、Laから選ばれる少なくとも1以上である。Mは、Al、Caの少なくともいずれか一方を含む。Rは、ランタノイド系である。)、(Y1-xGa(Al1-yGa12:R(Rは、Ce、Tb、Pr、Sm、Eu、Dy、Hoから選ばれる少なくとも1以上である。0<x<0.5、0<y<0.5である。)などがあげられる。
β型サイアロンとは、β型窒化ケイ素の固溶体であり、β型窒化ケイ素結晶のSi位置にAlが、N位置にOが置換固溶したものである。単位胞(単位格子)に2式量の原子があるので、一般式として、Si6-zAl8-zが用いられる。ここで、組成zは、0~4.2であり、固溶範囲は非常に広く、また(Si、Al)/(N、O)のモル比は、3/4を維持する必要がある。β型サイアロンの一般的な製法は、窒化ケイ素の他に、酸化ケイ素と窒化アルミニウムとを、あるいは酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとを加えて加熱する方法である。
β型サイアロンは、結晶構造内に希土類などの発光元素(Eu、Sr、Mn、Ceなど)を取り込むことで、紫外から青色の光で励起して520~550nmの緑色発光を示すβ型サイアロン蛍光体となる。これは白色LED等の発光装置の緑色発光成分として好ましく用いられる。特にユーロピウム(Eu2+)を含有させたEu2+付活β型サイアロン蛍光体は、発光スペクトルは非常にシャープであるため、青、緑、赤の狭帯域発光が要求される画像処理表示装置又は液晶ディスプレイパネルのバックライト光源に適した素材である。
有機蛍光体としては、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェニレン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、インデン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体;フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9-シラフルオレン、9,9’-スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピリジン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン等のヘテロアリール環を有する化合物やその誘導体;ボラン誘導体;1,4-ジスチリルベンゼン、4,4’-ビス(2-(4-ジフェニルアミノフェニル)エテニル)ビフェニル、4,4’-ビス(N-(スチルベン-4-イル)-N-フェニルアミノ)スチルベン等のスチルベン誘導体;芳香族アセチレン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、アルダジン誘導体、ピロメテン誘導体、ジケトピロロ[3,4-c]ピロール誘導体;クマリン6、クマリン7、クマリン153などのクマリン誘導体;イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体;インドシアニングリーン等のシアニン系化合物;フルオレセイン・エオシン・ローダミン等のキサンテン系化合物やチオキサンテン系化合物;ポリフェニレン系化合物、ナフタルイミド誘導体、フタロシアニン誘導体およびその金属錯体、ポルフィリン誘導体およびその金属錯体;ナイルレッドやナイルブルー等のオキサジン系化合物;ヘリセン系化合物;N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(3-メチルフェニル)-4,4’-ジフェニル-1,1’-ジアミン等の芳香族アミン誘導体;およびイリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、及びレニウム(Re)等の有機金属錯体化合物などがある。
色変換材料は、色変換部材の中に少なくとも1種含まれていればよく、2種以上含まれていてもよい。なお、色変換部材としては、前記の色変換機能を有する材料が単独でまたは他の材料に積層されることでフィルム形状を有しているものや、色変換機能を有する材料がガラスに代表される硬質部材上に印刷・塗布により固定化されたものを例示できる。なお、フィルムは二次元上の拡がりを有するが、その拡がりの大きさはフィルムの意味を左右しない。例えば、厚み(z軸方向)が10nmでxy面の面積が1μmであってもフィルムということができる。
<反射フィルム>
本発明の光源ユニットの構成要素である反射フィルムは、基板と色変換部材との間に存在し、フィルム面に垂直に入射された発光素子の光を透過し、かつフィルム面に垂直に入射された色変換部材から発光した光を反射する必要がある。
ここで、フィルム面に垂直に入射された発光素子の光を透過するとは、反射フィルムの入射角度0°での透過スペクトルにおいて上述の発光素子の発光帯域での平均透過率が70%以上98%以下であることを表す。反射フィルムが発光素子から入射された光を透過することで、発光素子から発出されて色変換部材に到達する光量が増大し、色変換部材での発光効率を高めることができる。より好ましくは、発光素子の発光帯域での平均透過率が80%以上であり、さらに好ましくは85%以上であり、特に好ましくは87%以上である。透過率が増加することで、より効率的に色変換部材での色変換効率を高めることができるため、光源ユニットに搭載したときに相対輝度を向上させることができる。このような反射フィルムを得るための達成手段としては、後述する多層フィルムの各層の層厚みを制御することで反射帯域を最適化する方法や、表面に低屈折率の樹脂や粒子を含む層を設けて表面反射を抑える方法などを挙げることができる。なお、本発明において平均透過率や平均反射率は、公知の分光光度計により測定することができ、その詳細は後述する。
本発明の光源ユニットの構成要素である反射フィルムは、フィルム面に垂直に入射された色変換部材から発光した光を反射する必要がある。フィルム面に垂直に入射された色変換部材から発光した光を反射するとは、反射フィルムの入射角度12°の反射スペクトルにおいて、上述の色変換部材の発光帯域内での最大反射率が30%以上であることを表す。基板と色変換部材と間に、基板上の発光素子から色変換部材に入射されて長波長の光に変換された光を反射する構成をおくことで、色変換部材からの光を色変換部材側に反射し返すことができ、基板付近のキャビティー内で生じる迷光による輝度低下を抑制することが容易となる。なお、好ましくは入射角度12°の反射スペクトルにおいて、上述の色変換部材の発光帯域内での平均反射率が30%以上であり、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上である。色変換部材の発光帯域における平均反射率が大きくなるに従い、色変換部材より基板側に出光された光を視認側へと光路転換する効果が高くなり、より輝度の高い光源ユニットが得られる。このような反射フィルムを得るための達成手段としては、例えば、層数を増やすことで反射率を高める方法等が挙げられる。
本発明の光源ユニットの構成要素である反射フィルムは、熱可塑性樹脂からなることが好ましい。ここで「熱可塑性樹脂からなる」とは、反射フィルムを構成する全成分の60質量%以上100質量%以下が熱可塑性樹脂であることをいい、以下「からなる」について同様に解釈することができる。熱可塑性樹脂は一般的に熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂と比べて安価であり、かつ公知の溶融押出により簡便かつ連続的にシート化することができることから、低コストで反射フィルムを得ることが可能となる。
また、反射フィルムは異なる複数の熱可塑性樹脂が交互に11層以上積層されてなることが好ましい。ここでいう熱可塑性樹脂が異なるとは、フィルムの面内で任意に選択される直交する2方向および該面に垂直な方向のいずれかにおいて各層の屈折率が0.01以上異なること、未配向状態での各熱可塑性樹脂の屈折率が0.01以上異なること、若しくは各熱可塑性樹脂が示差走査熱量測定(DSC)において異なる熱特性を示すことをいう。なお、上記要件のうち少なくとも一つを満たせば熱可塑性樹脂が異なると判断することができる。異なる熱特性を示すとは、具体的には、融点やガラス転移点温度が1℃以上異なっていることをいう。また、交互に積層されてなるとは、異なる熱可塑性樹脂層が厚み方向に規則的な配列で積層されていることをいい、具体例としては、熱可塑性樹脂A、Bからなる場合、各々の層をA層,B層と表現すれば、A(BA)n(nは自然数)のように積層されたものが挙げられる。なお、屈折率は公知のアッベ屈折率計により測定することができ、詳細は後述する。
このように光学的性質の異なる樹脂が交互に積層されることにより、各層の屈折率の差と層厚みとの関係より設計した波長の光を反射させる、干渉反射を発現させることが可能となる。積層する層数がそれぞれ10層以下の場合には、所望する帯域において高い反射率を得られない。
前述の干渉反射は、層数が増えるほどより広い波長帯域の光に対して高い反射率を達成できるようになり、所望する帯域の光を反射する反射フィルムが得られるようになる。上記観点から、好ましくは101層以上であり、より好ましくは201層以上である。また、層数に上限はないものの、層数が増えるに従い製造装置の大型化に伴う製造コストの増加や、フィルム厚みが厚くなることでのハンドリング性の悪化が生じるために、現実的には10001層程度が実用範囲となる。
また、反射フィルムは、反射フィルムを構成する熱可塑性樹脂の少なくともいずれかに紫外線吸収剤を含んでなることも好ましい。ここでいう紫外線吸収剤とは、波長300~410nmの光を吸収する、熱可塑性樹脂以外の成分をいう。反射フィルムが紫外線吸収剤を含むか否かは、波長300~410nmにおける{100-平均透過率-平均反射率(≒吸収率)}の値より判断することができ、具体的には当該値が10%以上であることにより反射フィルムが紫外線吸収剤を含むと判断する。反射フィルムが紫外線吸収剤を含むことで紫外線をカットすることが容易となる。
本発明の光源ユニットの構成要素である反射フィルムは、前記基板側の面の最大高さSRzが1500nm以上であることが好ましい。SRzを1500nm以上とすることで、基板表面にある封止部材と反射フィルムの間の摩擦抵抗を低減することができ、光源ユニットをLED発光素子が発光した発熱環境下で長時間保持した後に基材と反射フィルムがブロッキング密着するため、基材と反射フィルムの熱機械特性の差によってシワや浮きが発生することを抑制することができる。その結果、シワや浮きに起因する輝度変化が抑制され輝度安定性が向上する。上記観点から、SRzはより好ましくは3000nm以上、さらに好ましくは5000nm以上である。SRzの上限としては表面突起の脱落を防ぐ観点から50000nmが好ましい。
本発明の光源ユニットの構成要素である反射フィルムは、基板側の面の表面粗さSRaが100nm以上であることが好ましい。SRaを100nm以上とすることで、基板表面にある封止部材と反射フィルムの間の摩擦抵抗を低減することができ、光源ユニットをLED発光素子が発光した発熱環境下で長時間保持した後に基材と反射フィルムがブロッキング密着し、基材と反射フィルムの熱機械特性の差によってシワや浮きが発生することを抑制することができる。その結果、シワや浮きに起因する輝度変化が抑制され輝度安定性が向上する。上記観点から、SRaはより好ましくは300nm以上、さらに好ましくは500nm以上である。SRaの上限としては表面突起の脱落を防ぐ観点から5000nmが好ましい。なお、SRzやSRaは、JIS-B0601(1994年)に準拠して、触針法の高精細微細形状測定器(例えば、3次元微細形状測定器(型式ET-4000A)(株)小坂研究所製 等)により測定することができ、詳細は後述する。
SRzやSRaをそれぞれ前記範囲とするための達成方法は特に指定されないが、例えば、反射フィルムを作製する際に最表面に位置する熱可塑性樹脂層に粒子等の添加剤を添加する方法、ウェットあるいはドライのコーティングにより反射フィルムの表面に粒子等の添加剤を含む別の層を設ける方法、微細な金型に押し当てて反射フィルムの表面を熱成形する方法、反射フィルムの表面の一部を削り取る切削加工を施す方法などがあげられる。中でも、ウェットコーティング法において粒子を含む層を設ける方法が簡便で安価に実施でき、バインダーや粒子の種類を調整することで反射フィルムの光学特性や輝度安定性を制御しやすいことから好ましい。
ウェットコーティング法を用いる場合、コート層に含まれる粒子は特に規定されないが、体積平均粒子径が1μm以上75μm以下であることがSRzやSRaを前記の好ましい範囲とするために好ましい。体積平均粒子径の求め方については後述する。体積平均粒子径が1μm以上であると、光源ユニットをLED発光素子が発光した発熱環境下で長時間保持した後においても基材と反射フィルムのブロッキング密着が抑えられ、シワや浮きに起因する輝度変化による輝度安定性の低下が軽減される。また、体積平均粒子径が75μm以下であると、ウェットコーティングにおける塗布性の悪化を軽減できる。上記観点から、体積平均粒子径のより好ましい範囲は5μm以上50μm以下であり、さらに好ましくは5μm以上30μm以下である。また、体積平均粒子径の異なる複数種の粒子を混合して用いてもよい。
本発明の光源ユニットの構成要素である反射フィルムは、1nm間隔で測定した440~460nmの光の平均透過率が80%以上であることが好ましい。反射フィルムをこのようなフィルムとすることで、発光素子から発出された光が反射フィルムを通過する過程で散乱されたり吸収されたりすることで生じる光ロスを低減でき、より輝度の高い光源ユニットが得られる。上記観点から、反射フィルムの1nm間隔で測定した440~460nmの光の平均透過率は、より好ましくは90%以上である。当該平均透過率の上限は100%である。反射フィルムの前記平均透過率を達成するための方法としては、屈折率が1.65以下の粒子を用いることが好ましく、より好ましくは1.60以下である。
本発明の光源ユニットの構成要素である反射フィルムは、基板側の面の摩耗試験前後のSRaの変化率が10%以下であることが好ましい。このようなフィルムとすることで、光源ユニットとして使用される過程で自重などの厚み方向の力学的な負荷によって基板と反射フィルムが徐々にブロッキング密着し、基材と反射フィルムの熱機械特性の差によってシワや浮きが発生して輝度安定性が低下するのを抑制することができる。上記観点から、より好ましくは摩耗試験前後のSRaの変化率が5%以下であり、さらに好ましくは3%以下である。当該SRaの変化率は小さいほど好ましく、その下限は0%である。摩耗試験前後のSRaの変化率が10%以下となる反射フィルムを得るための達成手段としては、表面に設ける粒子等の添加剤を含む別の層の塗布厚みを厚くする方法が挙げられる。なお、摩耗試験の条件や手順は実施例に示す。
本発明の光源ユニットの構成要素である反射フィルムは、熱膨張係数が30ppm/℃以上であることが好ましい。反射フィルムの熱膨張係数をこのような範囲とすることで、基材と反射フィルムの熱機械特性の差によってシワや浮きが発生することを抑制することができ、その結果、シワや浮きに起因する輝度変化が抑制され輝度安定性が向上する。上記観点から反射フィルムの熱膨張係数は、より好ましくは40ppm/℃以上である。
反射フィルムの熱膨張係数の上限は150ppm/℃である。熱膨張係数は、公知の熱機械分析装置(例えば、セイコーインスツルメンツ社製“TMA/SS6000”等)により測定することができ、詳細は後述する。熱膨張係数をかかる範囲とするための達成方法としては、フィルムを製膜する工程において各延伸段階の延伸倍率や延伸速度を特定の範囲内に制御する方法などが挙げられ、詳細は後述する。
本発明の光源ユニットは、基板と反射フィルムの間にヘイズ50%以上の部材を含まないことが必要である。発明者らは、基板と反射フィルムの間にヘイズ50%以上の部材が含まれた場合に、基板上の発光素子から発出されて反射フィルムに入射する光の入射角度にバラツキが生じることによって、発光素子の光の一部が反射フィルムで反射されて迷光となったり、反射フィルムに光が到達する前に後方散乱して迷光となったりして光がロスされ、輝度が低下する場合があることを突きとめ、本発明の完成に至った。なお、ヘイズは公知のヘイズメーターにより測定することができ、詳細は後述する。
本発明の光源ユニットの構成要素である反射フィルムは、前記通りフィルム面に垂直に入射された発光素子の光を透過し、かつフィルム面に垂直に入射された色変換部材から発光した光を反射するという特徴を有し、輝度ムラの抑制と輝度向上に寄与しうるものであるが、基板と反射フィルムの間にヘイズ50%以上の部材が含まれる場合には、反射フィルムによる輝度ムラ抑制や輝度向上の効果が十分に発揮されない場合があった。特にミニLED方式のディスプレイでは、LED発光素子の直上部分と直上ではない部分との明暗差、すなわち輝度ムラがより強調されるために、その傾向はより顕著であった。上記観点から本発明の光源ユニットは、より好ましくは、基板と反射フィルムの間にヘイズ30%以上の部材を含まないことであり、さらに好ましくはヘイズ15%以上の部材を含まないことである。
なお、本発明においてミニLEDとは、発光素子のサイズや高さが微小であるLEDの総称である。発光素子の高さは300μm以下であることが本発明による輝度ムラ抑制や輝度向上、輝度安定性向上の効果を高めるために好ましい。より好ましくは200μm以下である。発光素子のサイズは基板面直方向からみたサイズが1mm以下であることが本発明による輝度ムラ抑制や輝度向上、輝度安定性向上の効果を高めるために好ましく、より好ましくは0.5mm以下である。
本発明の光源ユニットは、基板上に載置されたLED発光素子のピッチが30mm以下であることが、輝度ムラ抑制や輝度向上、輝度安定性向上の効果を高めるために好ましい。上記観点から、より好ましくは10mm以下である。ピッチとは、設計図面において均等間隔に物体を配置する際の配置間隔を表す言葉であり、本発明においては基材の面直上から見た場合の、各LED発光素子の中心位置同士の間隔を示す。
本発明の光源ユニットは、基板と反射フィルムが接することが好ましい。このような構成とすることにより、基板上に載置されたLED発光素子からの光がより垂直に近い形で反射フィルムへと入射することで光ロスによる輝度低下を抑制することができる。また、光源ユニット全体を薄型化できるという効果もある。
本発明の光源ユニットは、基板と反射フィルムの間に光学用透明粘着層が載置されてなることも好ましい。このような構成とすることにより、基板と反射フィルムの離間距離を調整したり、基板と反射フィルムの間での摩擦を抑制したりできるため、輝度ムラを低減させたり、長時間使用時の輝度安定性を高めたりすることが容易となる。なお、粘着層とは、JIS Z 0237:2009に記載の180°剥離試験で測定される剥離力が2N/25mm以上の層である。光学用透明粘着層を構成する材料としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤などが挙げられる。中でも、透明性、粘着性、耐候性、コスト、粘着剤の設計のしやすさの点より、アクリル系粘着剤が好ましい。
光学用透明粘着層の全光線透過率は、外観特性、透明性、光学特性の点より、85%以上が好ましく、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは92%以上である。全光線透過率は、例えば、ヘイズメーターを用い、JIS K 7361-1:1997に-準じて測定することができ、上記全光線透過率は、波長400~750nmの光(可視光)の透過率である。
光学用透明粘着層のヘイズは、外観特性、透明性、光学特性の点より、5%以下が好ましく、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。ヘイズは、例えば、ヘイズメーターを用い、JIS K 7361-1:1997に準じて測定することができる。
光学用透明粘着層は波長350nmの光の透過率が5%以下であることが好ましく、より好ましくは1%以下である。波長350nmの光の透過率を5%以下とすることで紫外線吸収性に優れたものとなり、反射フィルムの劣化を抑制することができる。波長350nmの光の透過率は、例えば、分光光度計を用いて測定することができる。分光光度計としては、例えば、「分光光度計 U-4100」(株式会社日立製作所製)などが挙げられる。
光学用透明粘着層の厚みは特に限定されないが、紫外線吸収性を確保しつつ、十分な接着信頼性を得る点より、5μm以上が好ましく、好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは15μm以上である。また、上記厚みは、光学特性および光学ユニットの薄型化の観点より、500μm以下が好ましく、より好ましくは300μm以下であり、さらに好ましくは200μm以下である。
本発明の光源ユニットでは、前記の色変換部材と前記の反射フィルムを含む積層部材として用いることも好ましい。ここで色変換部材と反射フィルムを含む積層部材とは、直接ないし接着層などを介して色変換部材と反射フィルムが固定されていることを指す。この場合、色変換部材と反射フィルムとの空間が無くなるため迷光による光のロスを抑制することと、色変換部材表面の空気との間の反
射をなくすことで、輝度向上の効果が顕著になる。
本発明の光源ユニットは、複数のLED発光素子が載置された基板、反射フィルム、色変換部材、拡散材をこの順に有することも好ましい。ディスプレイを視認する側に拡散板が位置することによって、ディスプレイの輝度を高めたり、輝度ムラを抑制したりすることができる。
<反射フィルムの製造方法>
次に、反射フィルムの好ましい製造方法を熱可塑性樹脂A、Bからなる反射フィルムを例にとり以下に説明する。もちろん本発明は係る例に限定して解釈されるものではない。また、この反射フィルムの積層構造は、特開2007-307893号公報の〔0053〕~〔0063〕段に記載の内容と同様の方法により実現できるものである。
熱可塑性樹脂をペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。また、反射フィルム中に紫外線吸収剤を含む場合には、あらかじめ熱可塑性樹脂中に紫外線吸収剤を混練したペレットを準備したり、熱可塑性樹脂と紫外線吸収剤とを押出機中にて混練したりする。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギアポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。これらの樹脂はダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させること
が好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させたりする方法も好ましい。
また、A層に用いられる熱可塑性樹脂とそれと異なる熱可塑性樹脂Bの複数の樹脂を2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出し、多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー等を用いることができるが、特に、本発明の構成を効率よく得るためには、11個以上の微細スリットを有するフィードブロックを用いることが好ましい。このようなフィードブロックを用いると、装置が極端に大型化することがないため、熱劣化による異物が少なく、積層数が極端に多い場合でも、高精度な積層が可能となる。また、幅方向の積層精度も従来技術に比較して格段に向上する。また、この装置では、各層の厚みをスリットの形状(長さ、幅)で調整できるため、任意の層厚みを達成することが容易となる。このようにして所望の層構成に形成した溶融多層積層体をダイへと導き、上述と同様にキャスティングフィルムが得られる。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、二軸延伸することが好ましい。ここで、二軸延伸とは、長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二方向に延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手方向および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。長手方向とはフィルムが走行する方向であり、幅方向とはフィルム面内で長手方向に直交する方向である。
まず逐次二軸延伸の場合について説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸をいい、通常は、ロールの周速差により施される。この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行ってもよい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2.0倍以上15倍未満が好ましく、反射フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレート共重合体を用いる場合には、2.0倍以上7.0倍未満が特に好ましく用いられる。反射フィルムの熱膨張係数を封止部材や粘着層に近似させて、シワや浮きを抑制し、輝度安定性を高めるために、長手方向の延伸倍率は後述する幅方向の延伸倍率よりも低くすることが好ましい。また、延伸温度としては反射フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度~ガラス転移温度+100℃が好ましい。延伸速度は、反射フィルムの熱膨張係数を封止部材や粘着層に近似させて、シワや浮きを抑制し、輝度安定性を高めるために20%/秒以上500%/秒以下とすることが好ましく、より好ましくは30%/秒以上150%/秒以下である。
このようにして得られた一軸延伸フィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
続いて幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸をいい、通常は、テンターを用いて、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2.0倍を超え15倍以下が好ましく、反射フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレート共重合体を用いた場合には、2.0倍を超え7.0倍以下が特に好ましく用いられる。特に本発明における反射フィルムでは、横延伸倍率は3.0倍以上とすることが好ましく、横延伸倍率を高めることで反射帯域の均一性、平均反射率の均一性を高めるのに有効である。また、延伸温度としては反射フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度~ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。熱処理を行うことにより、成形用フィルムの寸法安定性が向上する。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
次に同時二軸延伸の場合について説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6~50倍が好ましく、反射フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレート共重合体を用いた場合には、面積倍率として8~30倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては反射フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度~ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/または直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理する。
得られたフィルムは下記の通り表面にウェットコーティング加工にて塗布層を形成することが好ましい。塗布層を形成する方法としては、二軸延伸後の基材フィルムに塗液を塗布する方法(オフラインコーティング法)や、塗液の塗布後にフィルムを延伸して熱処理する方法(インラインコーティング法)などがあるが、塗布後の表面粗さを調整しやすいことからオフラインコーティング法が好ましい。
塗液は、有機ポリマー微粒子や無機微粒子をバインダーで分散固定して形成することが好ましい。前記有機ポリマー微粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、またはポリ弗化エチレン系樹脂、およびこれらの架橋物等を挙げることが出来る。中でも粒子のサイズや弾性、バインダーとの親和性をコントロールしやすいことからアクリル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂であることが好ましい。
無機微粒子としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、レニウム、バナジウム、オスミウム、コバルト、鉄、亜鉛、ルテニウム、プラセオジウム、クロム、ニッケル、アルミニウム、スズ、亜鉛、チタン、タンタル、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、イットリウム、ランタニウム、ケイ素などの金属、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セシウム、酸化アンチモン、酸化スズ、インジウム・スズ酸化物、酸化イットリウム、酸化ランタニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素などの金属酸化物、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、氷晶石などの金属フッ化物、リン酸カルシウムなどの金属リン酸塩、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化炭素などの窒化物、ワラストナイト、セピオライト、ゾノトライトなどのケイ酸塩、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウムなどのチタン酸塩などが挙げられる。これらの無機微粒子は、単独で用いても2種類以上を用いてもよい。
有機ポリマー微粒子や無機微粒子の体積平均粒径は光源ユニットの輝度安定性を高めるために1~75μmが好ましく、1~25μmがより好ましい。前記バインダーとしては、有機ポリマーバインダーが好ましく、該有機ポリマーバインダーとしては、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの少なくともいずれかをモノマーの一成分として含む、単独重合体又は共重合体が挙げられる。有機ポリマーバインダーと有機ポリマー微粒子とを適当な溶剤中に添加混合して調製した塗布液を、上記フィルム上に塗布し、乾燥することによって形成することが好ましい。
有機ポリマー微粒子や無機微粒子は、反射フィルムの透明性を高めて光源ユニットの輝度を高めるために、屈折率が1.65以下の粒子を用いることが好ましく、より好ましくは1.60以下である。
塗液の塗布方法としては、例えば、メイヤーバーコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターまたはこれら以外の塗布装置を使用することができる。塗布層は、フィルムの片面だけに形成してもよいし、両面に形成してもよい。片面にのみ形成した場合、その反対面には必要に応じて上記の塗布層と異なる塗布層を形成して他の特性を付与することもできる。なお、塗液のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。
以下、本発明の光源ユニットについて実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明の光源ユニットはこれらの例に限定されない。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
特性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
A.透過率、反射率
5cm×5cmサイズの測定試料を用意し、日立製作所製分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)に付属の12°正反射付属装置P/N134-0104を取り付け、入射角度φ=12°における波長250~2600nmの透過率及び反射率を測定した。測定条件として、スリットを2nm(可視)/自動制御(赤外)、ゲインを2、走査速度を600nm/分とし、出力データは、1nmステップ毎に採取した。次に、得られた透過率あるいは反射率のデータから、任意の波長範囲について平均値を算出し、該波長範囲における平均透過率とした。なお、可視光透過率は波長400~750nmの範囲における平均透過率と定めた。同様に可視光反射率は、波長400~750nmの範囲における平均反射率と定めた。
B.ヘイズ
温度23℃、相対湿度65%において、日本電色工業(株)製ヘイズメーターNDH-5000を用いて行った。3回測定した平均値をヘイズ値とした。
C.SRz、SRa
触針法の高精細微細形状測定器(3次元表面粗さ計)を用いてJIS-B0601(1994年)に準拠して、下記装置、条件にて表面形態を測定し、最大高さSRzと表面粗さSRaを算出した。
<測定装置及び条件>
測定装置 :3次元微細形状測定器(型式ET-4000A)(株)小坂研究所製
解析機器 :3次元表面粗さ解析システム(型式TDA-31)
触針 :先端半径0.5μmR、径2μm、ダイヤモンド製
針圧 :100μN
X測定長さ:1.0mm
X送り速さ:0.1mm/s(測定速度)
Y送りピッチ:5μm(測定間隔)
Yライン数:81本(測定本数)
Z倍率 :20倍(縦倍率)
低域カットオフ:0.20mm(うねりカットオフ値)
高域カットオフ:R+Wmm(粗さカットオフ値)
(R+Wとはカットオフしないことを意味する。)
フィルタ方式:ガウシアン空間型
レベリング:あり(傾斜補正)
基準面積 :1mm
なお、3次元微細形状測定器については、同等の規格に準拠したものであれば代替品を用いてもよい。また、他部材に貼合されて組み込まれた反射フィルムの表面形状を測定する場合には、粘着層のみ抽出除去可能な溶剤に浸漬して反射フィルムを他部材から引き離した後に測定を実施した。
D.摩耗試験
1/2インチ幅、長さ10cmの測定試料を用意し、(株)横浜システム研究所製のテープ走行性試験機(TBT-300型)を用いて以下の条件で走行させた。走行面について走行試験前後の表面粗さSRaを前記手法にて測定し、試験前をSRa、試験後をSRaとして、下記式の通り表面粗さ変化率を算出した。
<走行条件>
表面粗さ変化率(%)={(SRa-SRa)/SRa}×100
試料サイズ:幅1/2インチ、測定長10cm
測定環境:温度25℃、湿度65%RH
ガイドロール:SUS27(6mmφ,表面粗度0.2S)
巻き付け角度:90°
走行速度:3.3cm/s
初期荷重:50g
繰り返し走行回数:50回。
E.熱膨張係数
測定試料のフィルムを5°刻みで0~90°回転させながら5°刻みの19種類の方向について幅3mm、長さ15mmの短冊を切り出し、そのそれぞれについて、下記の装置、条件で測定を行った。得られた19個のデータの平均値でもって、該試料の熱膨張係数とした。
<測定装置、条件>
熱機械分析装置 :セイコーインスツルメンツ社製“TMA/SS6000”
短冊サイズ:幅3mm、長さ15mm
荷重条件:29.4mN一定
温度条件:10℃/minで25℃から150℃に昇温し、10分間保持。さらに10℃/minで150℃から25℃まで降温して20分保持。
熱膨張係数算出範囲:降温時の100℃から30℃まで。装置付帯フトウェアにて解析。
F.体積平均粒子径
粒子の体積平均粒子径は、細孔電気抵抗法を利用した粒度分布測定装置としてコールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター(株)製)を用い、粒子が細孔を通過する際の粒子体積に相当する電解液分の電気抵抗を測定することによって測定した。
G.樹脂の屈折率
70℃で48時間にわたって真空乾燥した樹脂ペレットを280℃で溶融後、プレス機を用いてプレスし、その後急冷することで、厚み500μmのシートを作製した。作製したシートをアタゴ社製アッベ屈折率計(NAR-4T)とNaD線ランプを用いて屈折率を測定した。
H.粒子の屈折率
JIS B 7071-2:2018に準拠し、島津製作所製KPR-3000を用いて測定した。
I.ガラス転移点温度、融点
樹脂ペレットを電子天秤で5mg計量し、アルミパンに挟み込みセイコーインスツルメント社(株)ロボットDSC-RDC220示差走査熱量計を用いて、JIS-K-7122:1987年に従い、25℃から300℃まで20℃/分で昇温して測定を行った。データ解析は同社製ディスクセッションSSC/5200を用いた。得られたDSCデータからガラス転移点温度(Tg)、融点(Tm)を求めた。
J.固有粘度
溶媒としてオルトクロロフェノールを用いて、温度100℃で20分溶解した後、温度25℃でオストワルド粘度計を用いて測定した溶液粘度から算出した。
K.相対輝度
後述の実施例にて作成した光源ユニットのLED発光素子を発光させ、同光源ユニットから90cm直上の地点よりCCDカメラ(SONY製DXC-390)で撮影し、画像解析装置(コニカミノルタ製CA-2000)で20mm×20mmの範囲の画像を取り込み、その輝度レベルを3万ステップに制御し自動検出させ、輝度を算出した。また、反射フィルムのみを除いた光源ユニットを作製し、同様にして輝度を測定した。反射フィルムを有する場合の輝度を、反射フィルムの無い場合の輝度で割り返し、相対輝度とした。同様の測定を、それぞれ中心位置が30mm以上離れた光源ユニット面内の任意の箇所5か所について実施し、得られた5つの相対輝度の値の平均値を該サンプルの相対輝度とし、得られた相対輝度を下記の基準で評価した。
<評価基準>
A:相対輝度が150%以上であった。
B:相対輝度が125%以上150%未満であった。
C:相対輝度が100%以上125%未満であった。
D:相対輝度が100%未満であった。
L.輝度ムラ
相対輝度の測定において任意の5箇所で測定した5つの相対輝度の値について、下記式にて輝度ムラ(%)を算出し、輝度ムラについて以下の基準で評価した。
輝度ムラ(%)={(5つの相対輝度の値のうちの最大値)-(5つの相対輝度の値のうちの最小値)/(5つの相対輝度の値の平均値)}×100
<評価基準>
A:輝度ムラが2.0%未満であった。
B:輝度ムラが2.0%以上5.0%未満であった。
C:輝度ムラが5.0%以上であった。
M.輝度安定性
前述した相対輝度の測定にて得られた相対輝度の値を初期輝度Liとした。次に光源ユニットを60℃、90%RHの湿熱条件下で250時間湿熱処理した後に再度同様の相対輝度測定を実施し、得られた相対輝度の値を処理後輝度Lとして下記式にて輝度変化率(%)を算出し、輝度安定性について以下の基準で評価した。
輝度変化率(%)={(Li-L)/Li}×100
<評価基準>
A:輝度変化率が2.0%未満であった。
B:輝度変化率が2.0%以上5.0%未満であった。
C:輝度変化率が5.0%以上10.0%未満であった。
D:輝度変化率が10.0%以上であった。
[色変換部材]
(合成例1)
緑色変換材料G-1の合成方法
3,5-ジブロモベンズアルデヒド(3.0g)、4-t-ブチルフェニルボロン酸(5.3g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.4g)、炭酸カリウム(2.0g)をフラスコに入れ、窒素置換した。ここに脱気したトルエン(30mL)および脱気した水(10mL)を加え、4時間還流した。反応溶液を室温まで冷却し、有機層を、分液した後に飽和食塩水で洗浄した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を留去した。得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、3,5-ビス(4-t-ブチルフェニル)ベンズアルデヒド(3.5g)を白色固体として得た。
上記白色固体として得た3,5-ビス(4-t-ブチルフェニル)ベンズアルデヒド(1.5g)と2,4-ジメチルピロール(0.7g)を反応溶液に入れ、脱水ジクロロメタン(200mL)およびトリフルオロ酢酸(1滴)を加えて、窒素雰囲気下、4時間撹拌した。2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(0.85g)の脱水ジクロロメタン溶液を加え、さらに1時間撹拌した。反応終了後、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体(7.0mL)およびジイソプロピルエチルアミン(7.0mL)を加えて、4時間撹拌した後、さらに水(100mL)を加えて撹拌し、有機層を分液した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を留去した。得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、緑色変換材料G-1を0.4g得た。
(合成例2)
赤色変換材料R-1の合成方法
4-(4-t-ブチルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)ピロール300mg、2-メトキシベンゾイルクロリド201mgとトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、120℃で6時間加熱した。室温に冷却後、エバポレートした。エタノール20mlで洗浄し、真空乾燥した後、2-(2-メトキシベンゾイル)-3-(4-t-ブチルフェニル)-5-(4-メトキシフェニル)ピロール260mgを得た。
次に、2-(2-メトキシベンゾイル)-3-(4-t-ブチルフェニル)-5-(4-メトキシフェニル)ピロール260mg、4-(4-t-ブチルフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)ピロール180mg、メタンスルホン酸無水物206mgと脱気したトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、125℃で7時間加熱した。室温に冷却後、水20mlを注入し、ジクロロメタン30mlで抽出した。有機層を水20mlで2回洗浄し、エバポレートした後、真空乾燥してピロメテン体を得た。
次に、得られたピロメテン体とトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、ジイソプロピルエチルアミン305mg、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体670mgを加え、室温で3時間攪拌した。水20mlを注入し、ジクロロメタン30mlで抽出した。有機層を水20mlで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートした。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、真空乾燥して0.27gの赤色変換材料R-1を得た。
(色変換部材の作製)
色変換部材は以下に示す方法にて得た。
バインダー樹脂としてアクリル樹脂1(SP値=9.5(cal/cm0.5)を用い、バインダー樹脂100重量部に対して、緑色変換材料G-1を0.25重量部、溶剤としてトルエンを400重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター”(登録商標)KK-400(クラボウ製)を用い、300rpmで20分間撹拌・脱泡して色変換組成物Gを得た。同様に、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂1(SP値=10.7(cal/cm0.5)を用い、バインダー樹脂100重量部に対して、赤色変換材料R-1を0.017重量部、溶剤としてトルエンを300重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター”(登録商標)KK-400”(クラボウ製)を用い、300rpmで20分間撹拌・脱泡して色変換組成物Rを得た。
次に、スリットダイコーターを用いて色変換組成物Gを、厚み50μmのPETフィルム上に塗布し、100℃で20分加熱、乾燥して平均膜厚16μmの層を形成した(ユニットA)。同様に、スリットダイコーターを用いて色変換組成物Rを、厚み50μmのPETフィルム上に塗布し、100℃で20分加熱、乾燥して平均膜厚48μmの層を形成した(ユニットB)。
次に、上記2つのユニットを、色変換組成物Gを塗布した面と色変換組成物Rを塗布した面とが直接積層するように加温ラミネートすることで、色変換部材を得た。
[反射フィルムや塗布層に用いた樹脂等]
樹脂1:固有粘度0.65のポリエチレンテレフタート、未配向状態での屈折率:1.58、Tg:78℃、Tm:254℃。
樹脂2:IV=0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分を酸成分全体に対して20mol%、スピログリコール成分をジオール成分全体に対して20mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)、屈折率1.55、Tg:76℃、Tm無し。
粒子1:ナイロン6樹脂粒子(屈折率:1.53、体積平均粒径:13μm)
粒子2:ナイロン12樹脂粒子(屈折率:1.53、体積平均粒径:10μm)
粒子3:ナイロン12樹脂粒子(屈折率:1.53、体積平均粒径:5μm)
粒子4:ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合粒子(株式会社日本触媒製“エポスター”(登録商標)L15、屈折率:1.66、体積平均粒径:9μm)。
[反射フィルム]
(参考例1)
熱可塑性樹脂Aとして樹脂1を、熱可塑性樹脂Bとして樹脂2を用いた。2台の単軸押出機(押出機A、押出機B)を用意し、熱可塑性樹脂Aを押出機A、熱可塑性樹脂Bを押出機Bへそれぞれに投入し、280℃で溶融させた。次いで、それぞれFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて計量しながら、スリット数301個で最表層厚みがフィルム厚みの5%となるように設計された積層装置にて合流させて、厚み方向に交互に301層積層された積層体とした。積層体とする方法は、特開2007-307893号公報〔0053〕~〔0056〕段の記載に従って行った。ここでは、スリット長さ、間隔は全て一定とした。得られた積層体は、熱可塑性樹脂Aが151層、熱可塑性樹脂Bが150層であり、厚み方向に交互に積層された積層構造を有していた。口金内部での拡幅比である口金リップのフィルム幅方向長さを口金の流入口部でのフィルム幅方向の長さで割った値を2.5となるようにした。
次に、得られたキャストシートを95℃に設定したロール群で加熱した後、その両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら延伸速度180%/秒にて長手方向に3.5倍延伸し、その後一旦冷却した。次に、この一軸延伸フィルムをテンターに導き、90℃の熱風で予熱後、110℃の温度で延伸速度30%/秒にて幅方向に3.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で220℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度にて幅方向に3%の弛緩処理を施した後、室温まで徐冷して巻き取った。得られた反射フィルムの厚みは75μmであった。
次に、“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV-G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):5.25g、酢酸エチル:3.85g、粒子1:0.3gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。前記で巻き取った厚み75μmの反射フィルムの片面に、メタバー#8を使用して前記塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて乾燥させて塗布層を設けた。これをフィルムAとした。組成、製膜条件、層構成、塗布設計、及び光学特性を表1に示す。
[LED発光素子が載置された基板]
厚み400μm、長辺(横方向)140mm、短辺(縦方向)76mmのガラスエポキシ樹脂(FR4)基材上に、発光部高さ100μm、縦横長さがいずれも300μmの直方体形の青色LED発光素子(発光ピーク波長:450nm)をピッチ2.5mmで並列に配置し、複数のLED発光素子が載置された基板を作製した。なお、ピッチは縦横ともに同一であり、LEDは面内を余すことなく敷き詰める形で設置した。次に、信越化学工業(株)製の熱硬化性シリコーン樹脂LPS-3419によって基板上に載置された発光素子群を一括で全面封止した。基材面を基準とした封止高さは1mmとなるように調整した。
(参考例2~12)
組成、製膜条件、層構成、塗布設計を表1のとおりとした以外は実施例1と同様にして反射フィルムを得た。得られた反射フィルムを順にフィルムB~Lとした。組成、製膜条件、層構成、塗布設計、及び光学特性を表1に示す。
[拡散材]
拡散材A:(株)ダイセルのアンチグレアフィルムPFG12527HNS(厚み125μm、ヘイズ17%)
拡散材B:恵和(株)の拡散フィルムPBS-630L(厚み115μm、ヘイズ30%)
拡散材C:恵和(株)の拡散フィルムPBS-680G(厚み110μm、ヘイズ53%)。
Figure 2023132022000001
(実施例1)
基板の上に、基板と同じサイズに切り出した反射フィルムと色変換部材を基板/反射フィルム/色変換部材の順に載置した。評価結果を表2に示す。なお、反射フィルムは表2に示す特性を示す面が基板側となる向きで載置した。
(実施例2~17、比較例1)
積層構成、反射フィルムの種類、拡散材の種類を表2および3のとおりとした以外は実施例1と同様に光源ユニットを得た。評価結果を表2、3に示す。
Figure 2023132022000002
Figure 2023132022000003
本発明により、本発明は、輝度ムラを抑制しつつ、ディスプレイの輝度向上と輝度安定性向上にも寄与する光源ユニットを提供することができる。本発明の光源ユニットは主にミニLED方式のディスプレイへ好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 複数のLED発光素子が載置された基板、反射フィルム、及び色変換部材をこの順に有し、前記色変換部材が、入射光をより長波長の光に変換して発光し、前記反射フィルムが、フィルム面に垂直に入射した前記LED発光素子の光を透過し、かつフィルム面に垂直に入射された色変換部材の発光を反射し、かつ、前記基板と前記反射フィルムの間にヘイズ50%以上の部材を含まないことを特徴とする、光源ユニット。
  2. 前記反射フィルムの前記基板側の面の最大高さSRzが1500nm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の光源ユニット。
  3. 前記反射フィルムの前記基板側の面の表面粗さSRaが100nm以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の光源ユニット。
  4. 前記反射フィルムの、1nm間隔で測定した440~460nmの光の平均透過率が80%以上であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の光源ユニット。
  5. 前記反射フィルムの前記基板側の面の摩耗試験前後のSRaの変化率が10%以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の光源ユニット。
  6. 前記反射フィルムの熱膨張係数が30ppm/℃以上であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の光源ユニット。
  7. 前記基板と前記反射フィルムが接することを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の光源ユニット。
  8. 前記基板と前記反射フィルムの間に光学用透明粘着層が載置されてなることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の光源ユニット。
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