JP2018063896A - ジュール加熱装置およびジュール加熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱すると糊化する食品材料を安定的かつ効率的に加熱する。
【解決手段】ジュール加熱装置10は、加熱すると糊化する食品材料を食品流路内に搬送させながら通電するジュール加熱装置であり、外側電極11と内側電極23とを有し、両方の電極の間には、食品材料が流れる食品流路25が形成される。通電ユニット36により食品流路25を流れる食品材料には、流れ方向を横切る方向に電力が供給される。内側電極23には内側冷却流路が形成され、内側冷却流路には配管46により冷却液が供給される。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱すると糊化する食品材料を搬送しながら通電加熱するためのジュール加熱技術に関する。
パイプ内の流路に流動性の食品材料を搬送しながら食品材料に通電してジュール熱により食品材料を調理加熱したり、殺菌加熱したりするために、特許文献1に記載される連続通電加熱装置、および特許文献2に記載されるジュール加熱装置が開発されている。食品材料の連続通電加熱装置には、リング電極型、内外電極型および平板型がある。特許文献1には、リング電極型と内外電極型の連続通電加熱装置が記載されており、特許文献2には、リング電極型のジュール加熱装置が記載されている。さらに、特許文献3には、平板型の交流高電界殺菌装置が記載されている。
リング電極型は、複数の環状電極と絶縁材料からなる複数の円筒スペーサとにより形成される加熱パイプを有し、食品材料を加熱パイプ内の食品流路に流しながら、軸方向に隣り合う環状電極の間で軸方向に電流を流してジュール熱により食品材料を通電加熱する。リング電極型においては、樹脂製の円筒スペーサは食品流路を形成している。内外電極型は円筒形状の外側電極と、外側電極の内部に外側電極と同軸に配置される棒状の内側電極とにより形成される加熱パイプを有し、外側電極と内側電極との間に形成される管状の食品流路に食品材料を流しながら、外側電極と内側電極との間で径方向つまり横方向に電流を流してジュール熱により食品材料を通電加熱する。また、平板型は樹脂製の板状スペーサの両面に電極板を配置し、両方の電極板と板状スペーサとにより形成される食品流路に食品材料を流しながら、対向する電極の間で電流を流して食品材料を通電加熱する。この平板型においても、樹脂製の板状スペーサは食品流路を形成している。
このように食品流路に食品材料を流しながら、ジュール熱により食品材料を加熱する装置は、温水や蒸気により間接的に食品材料を加熱する場合に比して、食品材料を食品流路内に流しながら、短時間で効率的に食品材料を加熱することができるという利点がある。
特開2001−169734号公報 特開2015−156349号公報 特開2009−5583号公報
食品のうち、例えば、カスタードクリームは、卵、砂糖および牛乳等を混ぜ合わせた食品材料を加熱することにより製造される。また、フラワーペーストは小麦粉、ココアおよび卵や油脂を混ぜ合わせた食品材料を加熱することにより製造される。このような食品は、調理温度まで加熱することにより量産される。調理温度にまで加熱された後の食品材料を、殺菌温度まで加熱する場合には、食品材料は調理温度よりも高い温度にまで加熱される。
カスタードクリームやフラワーペーストは、澱粉が含まれているので、60℃〜100℃程度の調理温度まで加熱すると、澱粉が糊化することになる。糊化する温度は、食品材料に含まれる澱粉の含有量等により相違する。糊化すると粘度が糊化前よりも高くなる。
このため、カスタードクリーム等のように澱粉を多く含み、加熱すると糊化して粘度が高くなる食品材料を、リング型電極の加熱パイプを使用して通電加熱すると、加熱パイプの内周面の管壁付近は中心付近に比べて食品材料が管壁との摩擦抵抗の影響を受けて流速が遅くなる。そのため、管壁付近の食品材料の加熱時間は、中心付近に比べて長くなり、管壁付近の食品材料は高い温度になる。その結果、管壁付近の食品材料が先に糊化して、中抜け現象が起こる。中抜け現象が起こると、管壁付近の食品材料は押し出されなくなり管壁に付着して焦げが発生し、最終的には加熱パイプ内でスパークが起こる。リング型は熱伝導率が低い樹脂製の円筒スペーサが食品流路を構成しており、円筒スペーサを冷却することはできない。
特許文献2に記載されるジュール加熱装置においては、加熱パイプの内部に撹拌軸を設け、撹拌軸に設けられた撹拌羽根により食品材料を撹拌する。撹拌羽根により加熱パイプの管壁面は掻き取られるため食品材料は管壁付近で停留することなく加熱される。しかし、撹拌羽根や撹拌軸付近は、食品材料の高粘度化に伴って撹拌羽根や撹拌軸と供回りして流速が遅くなるため、撹拌羽根や撹拌軸に食品材料が付着して焦げが発生する。
平板型は、食品流路の幅が狭く低粘度の液状食品を乱流になるように供給するため、加熱すると粘度が高くなる食品材料の加熱には適用できない。しかも、樹脂製の板状スペーサを冷却構造として食品材料を冷却することはできない。
一方、円筒形状の外側電極と棒状の内側電極とを備えた内外電極型のジュール加熱装置においては、内側電極と外側電極との間に径方向、つまり食品材料が流れる方向を横切る方向に電流が流される。棒状の内側電極の外周面は、内側電極が外側電極の内部に配置されるので、円筒形状の外側電極の内周面よりも食品材料が接触する接触面積は小さくなる。このため、内側電極付近の電流密度が外側電極付近に比べ高くなる。また、内側電極と外側電極とに接触する食品材料の流速は、摩擦抵抗により遅くなる。その結果、内側付近の食品材料は、外側電極付近の食品材料に比べて、電流密度と流速の影響により焦げやスパークが発生する。
上述のように、加熱パイプに食品材料の焦げやスパークが発生したのでは、糊化する食品材料を安定的に加熱することができず、効率的に食品材料を調理加熱したり、殺菌加熱したりすることはできない。
本発明の目的は、加熱すると糊化する食品材料を安定的かつ効率的に加熱することにある。
本発明のジュール加熱装置は、加熱すると糊化する食品材料を食品流路内に搬送させながら通電するジュール加熱装置であって、円筒形状の外側電極と、前記外側電極の内部に配置され、前記外側電極との間で食品材料が流れる食品流路を形成する棒状の内側電極と、前記外側電極と前記内側電極に電力を供給し、前記食品流路を流れる食品材料に流れ方向を横切る方向に通電する通電ユニットと、前記内側電極に内側冷却流路を形成し、当該内側冷却流路に冷却液を供給する配管と、を有し、前記内側電極を冷却しながら食品材料を加熱する。
本発明のジュール加熱方法は、円筒形状の外側電極と、前記外側電極の内部に配置される棒状の内側電極との間で形成される食品流路に、加熱すると糊化する食品材料を搬送させながら通電するジュール加熱方法であって、前記外側電極と前記内側電極に電力を供給して前記食品流路を流れる食品材料に流れ方向を横切る方向に通電し、前記内側電極に形成された内側冷却流路に冷却液を供給し、前記内側電極の付近の食品材料を前記食品流路の中央付近の食品材料よりも低い温度に冷却するようにした。
ジュール加熱装置は、円筒形状の外側電極と外側電極の内部に配置される内側電極とを備え、外側電極と内側電極との間に食品流路が形成される内外電極型である。外側電極の内周面と内側電極の外周面とが対向しており、内側電極の通電面積は外側電極の通電面積よりも小さく、食品材料のうち内側電極側の領域は、外側電極側の領域よりも電流密度が高くなる。電流密度が高いと、食品材料が加熱される温度は電流密度が低い領域よりも高くなるが、内側電極に内側冷却流路を形成し、その中に冷却液を供給することにより、内側電極の付近を流れる食品材料を食品流路の中央付近の食品材料よりも低い温度に冷却する。つまり、食品流路を流れる食品材料に通電して食品材料を加熱するとともに、内側電極の付近の食品材料を冷却する。これにより、食品流路の横断面における中央付近の食品材料が先に糊化を完了する温度なり、内側電極は糊化しない食品材料により覆われる。糊化されない食品材料は内側電極との摩擦抵抗が小さくなり、中央部で糊化した食品材料を所定の速度で搬送することができ、食品材料を安定して効率的に加熱することができる。
ジュール加熱装置を示す縦断面図である。 図1におけるA−A線拡大断面図である。 図1に示された外側電極の拡大断面図である。 図1に示された内側電極の一部省略拡大断面図である。 図1におけるB部の拡大断面図であり、冷却液と食品材料が示されている。 図5の横断面図である。 内側電極と外側電極との間の食品材料における電流密度を概念的に示し、図6と同様の部分を示す横断面図である。 内側電極と外側電極のうち、食品流路の入口部を示す拡大断面図である。 ジュール加熱装置の制御回路を示すブロック図である。 変形例であるジュール加熱装置を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示されるジュール加熱装置10は、フラワーペースト等のように澱粉を含み、加熱すると糊化する食品材料を常温から調理温度に通電して加熱するために使用することができる。このジュール加熱装置10は、円筒形状の外側電極11を有しており、外側電極11はチタン等の導電性材料により形成されている。この外側電極11の両端面にはシールパッキン12を介して樹脂等の絶縁材料からなるスペーサ13a,13bが突き当てられている。スペーサ13aには絶縁材料からなる入口側の蓋部材14aがシールパッキン15aを介して突き当てられており、スペーサ13bには絶縁材料からなる出口側の蓋部材14bがシールパッキン15bを介して突き当てられている。円筒形状の外側電極11の両端側に配置されるスペーサ13a,13bと蓋部材14a,14bとにより、食品材料を案内する加熱パイプ16が組み立てられ、加熱パイプ16の両端部は蓋部材14a,14bにより閉塞される。
入口側の蓋部材14aは締結ブラケット17aに固定され、出口側の蓋部材14bは締結ブラケット17bに固定されており、両方の締結ブラケット17a,17bは同様の形状である。両方の締結ブラケット17a、17bは、4本の締結ロッド18により締結される。図2に示されるように、締結ロッド18の下端部は締結ブラケット17aの四隅を貫通しており、締結ロッド18は締結ブラケット17bを貫通している。それぞれの締結ロッド18の図1における下端部にはナット19aがねじ結合され、上端部にはナット19bがねじ結合される。締結ロッド18の上端部にはナット19bが突き当てられる締結板21が配置され、締結板21と締結ブラケット17bの間には、ばね部材22が装着されている。ナット19bの締結量を調整することにより、ばね部材22による加熱パイプ16の締結力が調整される。
外側電極11の内部には、棒状の内側電極23が外側電極11と同軸となって配置されており、内側電極23はチタン等の導電性材料により形成されている。内側電極23は加熱パイプ16よりも長く、内側電極23の両端部は蓋部材14a,14bを貫通し、締結ブラケット17a,17bよりも軸方向外方に突出している。蓋部材14a,14bには内側電極23と蓋部材14a,14bとの間をシールする図示しないシール部材が装着されている。内側電極23の突出部には、内側電極23を締結ブラケット17a,17bを固定するためのナット24a,24bがねじ結合される。
加熱パイプ16と内側電極23との間には、食品材料が流れる食品流路25が形成され、食品流路25は管形状となっている。このように、加熱パイプ16は内側電極23との間で形成される管形状の食品流路25を有しており、内側電極23と外側電極11との間も食品流路25を形成している。蓋部材14aには、流入側のジョイント26が設けられており、ジョイント26の内部流路は食品流路25に連通している。蓋部材14bには、流出側のジョイント27が設けられており、ジョイント27の内部流路は食品流路25に連通している。流入側と流出側のジョイント26,27の内径は、食品流路25よりも小径となっており、蓋部材14a,14bの食品材料が流れる部分の横断面積は食品流路25の横断面積よりも小さくなっている。したがって、流入側のジョイント26から蓋部材14aを介して食品流路25に流入した食品材料の流速は遅くなり、蓋部材14bを介して流出側のジョイント27に流出する食品材料の流速は高くなる。
ジュール加熱装置10の外部には、食品材料を収容する容器28が配置され、容器28は供給配管29によりジョイント26に接続される。供給配管29には、ポンプ31が設けられ、ポンプ31により容器28内の食品材料は、ジョイント26を介して食品流路25に連続的に搬送供給される。ジョイント27には吐出配管32が接続されており、食品流路25を通過した食品材料は、吐出配管32によりジュール加熱装置10の外部に吐出される。食品材料の食品流路25における流れは、図1において矢印で示されている。
外側電極11の流入側端部と流出側端部には給電プラグ33a,33bが取り付けられる。一方、内側電極23の流入側の突出端部と流出側の突出端部には、給電プラグ34a,34bが取り付けられる。外側電極11の給電プラグ33a,33bには給電ケーブル35aが接続され、内側電極23の給電プラグ34a,34bには給電ケーブル35bが接続され、それぞれの給電ケーブル35a,35bは通電ユニット36に接続される。通電ユニット36からそれぞれの給電プラグは、例えば20kHの高周波電流が給電される。外側電極11にはそれぞれ2つの給電プラグ33a,33bが取り付けられているが、いずれか一方のみでも良い。同様に、内側電極23についても、2つの給電プラグ34a,34bが設けられているが、いずれか一方でも良い。
食品流路25に食品材料を供給した状態のもとで、外側電極11と内側電極23とに通電ユニット36から電力を供給すると、食品流路25を流れる食品材料には、流れる方向を横切る方向に電流が流れる。これにより、食品材料は外側電極11と内側電極23との間を流れるときに通電加熱される。
外側電極11は、図3に示されるように、外側チューブ37とこれよりも小径の内側チューブ38を有し、それぞれの両端部には連結リング39a、39bが設けられており、外側電極11の内部には軸方向に外側冷却流路41が形成されている。外側電極11の図3における下端部には、流入側の冷却液継手42aが設けられ、冷却液継手42aの内部流路は外側冷却流路41に連通している。外側電極11の図3における上端部には、流出側の冷却液継手42bが設けられ、冷却液継手42bの内部流路は外側冷却流路41に連通している。したがって、冷却液継手42aから冷却液継手42aに向けて外側冷却流路41を軸方向に流れる冷却液により外側電極11は冷却される。
内側電極23は、図4に示されるように、中空の段付きの棒材により形成されており、内部には内側冷却流路43が形成されている。内側電極23の図4における下端部は冷却液流入部44aとなっており、上端部は冷却液流出部44bとなっている。したがって、冷却液流入部44aから冷却液流出部44bに向けて流れる冷却液により内側電極23は冷却される。
外側冷却流路41と内側冷却流路43には、図1に示される冷却液タンク45からの冷却液が循環供給される。冷却液タンク45は配管46により内側電極23の冷却液流入部44aに接続され、内側冷却流路43には食品材料の流入側から冷却液が供給される。冷却液流出部44bは循環配管47により外側電極11の冷却液継手42aに接続され、内側冷却流路43を通過した冷却液が食品材料の流入側から外側冷却流路41に供給される。外側冷却流路41を通過した冷却液は、配管48により冷却液タンク45に戻される。このように、冷却液タンク45内の冷却液は、連続して形成された内側冷却流路43と外側冷却流路41とを循環する。冷却液タンク45には、図示しない熱交換器が組み込まれており、冷却液タンク45内の冷却液は所定の温度に保持され、配管46に設けられたポンプ49によりジュール加熱装置10に供給される。ただし、上述のように、冷却液タンク45内の冷却液を循環させることなく、所定の温度に保持された冷却液を内側冷却流路43と外側冷却流路41に供給し、外側冷却流路41から排出された冷却液を外部に廃棄するようにしても良い。
図1においては、食品流路25には食品材料が供給されておらず、冷却液も供給されていない状態を示す。図5は、図1におけるB部の拡大断面図であり、図6は図5の横断面図である。図5および図6においては、冷却液Lと食品材料Wが示されている。
外側電極11と内側電極23との間の食品流路25には、容器28内に収容された食品材料Wが搬送される。一方、内側電極23の内部に形成された内側冷却流路43と、外側電極11の内部に形成された外側冷却流路41には、冷却液Lが流れる。
図7は内側電極23と外側電極11との間の食品材料Wにおける電流密度を概念的に示す断面図であり、図6と同様の部分を示す。
図1に示されるように、ジュール加熱装置10は、円筒形状の外側電極11と、この内部に配置される棒状の内側電極23とを有しており、内外電極型である。このタイプのジュール加熱装置10においては、内側電極23の外周面の通電面積は、外側電極11の内周面の通電面積に比較して小さい。このため、食品流路25内を流れる食品材料Wに、その流れ方向を横切る方向に電流が流れると、内側電極23に近い領域の食品材料Wの部分の電流密度は、外側電極11に近い外側領域の食品材料Wの部分よりも高くなる。このように電流密度が高い領域の部分は、低い領域の部分よりも食品材料Wの加熱温度が高くなる。
したがって、カスタードクリーム等のように澱粉を多く含み、加熱すると糊化して粘度が高くなる食品材料を、内外電極型のジュール加熱装置10を用いて、内側電極23を冷却することなく、通電加熱すると、食品材料と内側電極23との摩擦抵抗により内側電極23の付近、つまり内周面側の部分の流速は、それよりも径方向外側の部分、つまり中央付近の食品材料よりも遅くなる。このため、内側電極23付近の食品材料は、電流密度と流速の影響により焦げやスパークが発生する。
これに対し、上述のように、内側電極23の内部の内側冷却流路43に冷却液を流して、内側電極の付近の食品材料を冷却すると、その食品材料を食品流路25の中央付近の食品材料よりも低い温度に冷却することができ、中央付近の食品材料を糊化させることができる。
内側電極23は、図4に示されるように、外側電極11に径方向に対向する通電部51と、外側電極11の両端面よりも軸方向外方に突出する突出部52a、52bとを有している。突出部52a,52bは、通電部51よりも小径となっており、非通電部となっている。通電部51の両端部には、突出部52a,52bに向けて漸次小径となったテーパ部53a,53bが設けられている。それぞれのテーパ部53a,53bの最小径の部分54a,54bは、外側電極11の端面の内方に近付けられている。このように、外側電極11の端面に、最小径の部分54a,54bを位置させると、外側電極11と内側電極23の通電部51との間の径方向の距離が他の部分よりも長くなる。これにより、最小径の部分54a,54bと外側電極11の端面エッジ55a,55bとの間の距離は、他の部分よりも最も長くなり、端面エッジ55a,55bと内側電極23との間を流れる電流値は他の部分よりも小さくなる。
図8は、外側電極11の食品流入側の端部を示す拡大断面図である。なお、図8においては、外側冷却流路41と内側冷却流路43は図示省略されている。
内側電極23と外側電極11との間を流れる電流は、外側電極11の端面エッジ55aの部分から多く流れるので、端面エッジ55aの近傍と内側電極23との間の電流密度は他の部分よりも高くなることが考えられる。これに対し、内側電極23のテーパ部53aを端面エッジ55aに径方向に対向させると、端面エッジ55aと内側電極23との間を流れる電流密度を他の部分よりも低下させることができる。これにより、内側電極23と外側電極11の軸方向における電流密度分布を、全体的により均一に近付けることができる。このことは、外側電極11の食品流出側の端部についても同様である。ただし、内側電極23の外径を全体的に同一としても良い。
上述したジュール加熱装置10による食品材料のジュール加熱方法は以下のように実行される。カスタードクリーム等のように澱粉を多く含み、調理温度まで加熱すると、澱粉が糊化して粘度が糊化前よりも高くなる食品材料が容器28内に収容されている。食品材料は、ポンプ31により加熱パイプ16内の食品流路25に供給され、通電ユニット36から内側電極23と外側電極11に供給される電力が食品材料を径方向に流れる。食品材料は、食品流路25の流入口から流出口に向かう間に、内側電極23と外側電極11との間において通電加熱される。
電極に電力が供給されると、図7に示されるように、食品材料のうち内側電極23の付近の内側領域、つまり食品流路25の内周面側の食品材料Wの電流密度は、外側電極11に近い外側領域、つまり食品流路25の外周面側の食品材料Wの電流密度よりも高くなる。しかし、内側電極23と外側電極11は冷却液Lにより冷却されるので、図5および図6に示されるように、内周面側の食品材料Wiと外周面側の食品材料Woは、これらの間の中央付近つまり中央領域の食品材料Wa〜Wcよりも低い温度に保持される。中央付近の食品材料は、径方向内側の部分が最も高くなり、径方向外側に向けて漸次低くなる。図5および図6に示されるように、中央付近の領域をWa〜Wcとして便宜的に3つの領域に分けて示すと、これらの領域においては、径方向内側の部分Waから径方向外側の部分Wcに向けて加熱温度は低くなる。
したがって、食品流路25を流れる食品材料は、食品材料Wiと食品材料Woが糊化されない状態のもとで、中央付近の食品材料Wa〜Wcが先に糊化される。これにより、内側電極23の外周面と外側電極11の内周面は、糊化されない食品材料Wi,Woにより覆われた状態となって食品流路25を流れる。これにより、食品材料Wは電極に付着することがなく、焦げやスパークを発生させることなく、安定的に食品材料を加熱することができる。
糊化された食品材料は、流出側のジョイント27から外部に排出される。図1に示されるように、ジョイント27の流出端には、螺旋形状に折り曲げられた撹拌羽根が組み込まれた撹拌部61が設けられており、ジョイント27から流出した食品材料は撹拌されて、吐出配管32によりホールド部(温度保持部)62に案内され、ホールド部62おいて所定時間、調理後の温度に保持される。ホールド部62において所定時間保持された食品材料は、冷却部63において冷却されて、図示しない回収容器に供給される。
なお、食品材料Wの加熱形態としては、上述のように、食品材料を糊化させる調理温度まで加熱する形態と、調理温度まで加熱した後にさらにこれよりも高い殺菌温度まで加熱する形態とがある。殺菌温度まで加熱する場合には、吐出配管32に殺菌加熱装置が接続され、殺菌加熱された食品材料は保持温度に所定時間保持された後に冷却部において冷却される。殺菌加熱装置としても、図1に示されるジュール加熱装置10を使用しても良い。
吐出配管32には、ジョイント27から吐出された食品材料の温度を検出するための温度センサ65が設けられており、温度センサ65の検出温度に応じて、通電ユニット36から出力される電圧が制御される。これにより、食品材料の調理温度つまり加熱温度が設定値に保持される。内側冷却流路43を通過した冷却液の温度を検出するための温度センサ66を循環配管47に設けると、冷却液の温度に応じて、ポンプ49からの冷却液の吐出流量を制御することができる。
図9は、ジュール加熱装置10の制御回路を示すブロック図であり、制御部67には、食品材料の温度を検出するための温度センサ65と、冷却液の温度を検出するための温度センサ66の検出信号が送られる。温度センサ65の検出信号に基づいて、通電ユニット36の出力電圧が調整される。また、温度センサ66の検出信号に基づいて、ポンプ49の吐出量が調整される。
図10は、変形例であるジュール加熱装置10を示す縦断面図であり、このジュール加熱装置10においては、外側冷却流路41に冷却液を供給する配管71と、内側冷却流路43に冷却液を供給する配管72とが別系統となっている。図10に示されるように、冷却液タンク45a内の冷却液は、配管71に設けられたポンプ49aより外側冷却流路41に供給される。一方、冷却液タンク45b内の冷却液は、配管72に設けられたポンプ49bより内側冷却流路43に供給される。このように、冷却液を供給する配管を別系統とすると、外側電極11と内側電極23の温度を別々に調整することができる。それぞれのポンプ49a,49bの吐出量は、冷却液の温度を温度センサ66a,66bにより検出された検出信号に基づいて制御部67により制御される。
上述したそれぞれのジュール加熱装置10は、外側電極11と内側電極23の両方に冷却流路を形成した形態であるが、食品材料の種類によっては、内側電極23のみに冷却流路を設け、外側電極11には冷却流路を設けないようにした形態とすることもできる。なお、図10においては、図1に示された容器28や通電ユニット36等は省略されている。
ジュール加熱装置10の冷却方式には、図10に示されるように、内側冷却流路43と外側冷却流路41とを別系統の配管により冷却液を供給する形態と、図1に示されるように、連続した1つの系統の配管により冷却液を供給する形態と、内側冷却流路43のみに冷却液を供給する形態とがある。食品材料の温度制御方式としては、上述のように、通電ユニット36の出力電圧を調整する形態と、冷却液の流速つまり流量を調整する形態と、両方を調整する形態とがある。それぞれの形態は、食品材料の種類により適宜選択することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。このジュール加熱装置は、温度により粘度が変化しない食品にも適用することも可能であるが、加熱すると糊化する食品材料の通電加熱に好適である。
10 ジュール加熱装置
11 外側電極
14a,14b 蓋部材
16 加熱パイプ
18 締結ロッド
23 内側電極
25 食品流路
28 容器
29 供給配管
32 吐出配管
33a,33b 給電プラグ
34a,34b 給電プラグ
35a,35b 給電ケーブル
36 通電ユニット
41 外側冷却流路
43 内側冷却流路
45,45a,45b 冷却液タンク
46 配管
47 循環配管
48 配管
49,49a,49b ポンプ
51 通電部
52a,52b 突出部
53a,53b テーパ部
55a,55a 端面エッジ

Claims (7)

  1. 加熱すると糊化する食品材料を食品流路内に搬送させながら通電するジュール加熱装置であって、
    円筒形状の外側電極と、
    前記外側電極の内部に配置され、前記外側電極との間で食品材料が流れる食品流路を形成する棒状の内側電極と、
    前記外側電極と前記内側電極に電力を供給し、前記食品流路を流れる食品材料に流れ方向を横切る方向に通電する通電ユニットと、
    前記内側電極に内側冷却流路を形成し、当該内側冷却流路に冷却液を供給する配管と、
    を有し、前記内側電極を冷却しながら食品材料を加熱する、ジュール加熱装置。
  2. 請求項1記載のジュール加熱装置において、前記外側電極に外側冷却流路を形成し、当該外側冷却流路に冷却液を供給する配管を有する、ジュール加熱装置。
  3. 請求項2記載のジュール加熱装置において、前記内側冷却流路から流出した冷却液を前記外側冷却流路に供給する循環配管を有し、前記内側冷却流路と前記外側冷却流路とを連続した流路とした、ジュール加熱装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のジュール加熱装置において、前記内側電極は前記外側電極に径方向に対向する通電部と、前記外側電極の両端面よりも軸方向外方に吐出し前記通電部よりも小径の突出部とを有し、前記通電部の少なくとも食品流路の入口側の端部に、前記突出部に向けて小径となったテーパ部を設けた、ジュール加熱装置。
  5. 請求項4記載のジュール加熱装置において、前記外側電極の食品流入側の端面を前記テーパ部に対向して位置させた、ジュール加熱装置。
  6. 円筒形状の外側電極と、前記外側電極の内部に配置される棒状の内側電極との間で形成される食品流路に、加熱すると糊化する食品材料を搬送させながら通電するジュール加熱方法であって、
    前記外側電極と前記内側電極に電力を供給して前記食品流路を流れる食品材料に流れ方向を横切る方向に通電し、
    前記内側電極に形成された内側冷却流路に冷却液を供給し、
    前記内側電極の付近の食品材料を前記食品流路の中央付近の食品材料よりも低い温度に冷却するようにした、ジュール加熱方法。
  7. 請求項6記載のジュール加熱方法において、前記外側電極に形成された外側冷却流路に冷却液を供給し、前記外側電極の付近の食品材料を前記食品流路の中央付近の食品材料よりも低い温度に冷却するようにした、ジュール加熱方法。
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