JP2019036457A - 食品材料の連続加熱処理設備 - Google Patents

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【課題】加熱により糊化する流動性食品材料につき、調理のための加熱と殺菌のための加熱を、別の通電加熱装置によって行う連続加熱処理設備として、後段の通電加熱装置で、加熱不足が生じたり逆に過度に加熱されたりすることがないようにする。【解決手段】調理のための第1通電加熱装置と、第1通電加熱装置からの食品材料を強制撹拌する撹拌装置と、撹拌装置から排出された食品材料を、殺菌温度域に加熱する第2の通電加熱装置と、第2の通電加熱装置からの食品材料の温度を保持するための保持部とを有し、第1通電加熱装置は、円筒形状の外側電極と、棒状の内側電極と備え、内側電極に冷却流路が形成され、食品流路を流れる食品材料に流れ方向を横切る方向に通電し、内側電極を冷却しながら食品材料を通電加熱する構成とされ、撹拌装置は、外部から与えられる撹拌駆動力によって流路内で食品材料を強制撹拌する構成とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、流動性を有する食品材料、特にカスタードクリームやフラワーペーストなど、加熱によって糊化する食品材料について、加熱調理し、引き続き加熱殺菌するための連続加熱処理設備に関するものである。
最近に至り、各種の流動性を有する食品材料や飲料を殺菌したり調理したりするために加熱する連続加熱装置として、パイプ内の流路に流動性食品材料や飲料を連続的に搬送しながら食品材料や飲料に通電してジュール熱により加熱する装置が、例えばジュール加熱装置あるいは通電加熱装置などの名称で開発されている(例えば特許文献1、特許文献2等)。
この種の連続加熱装置には、リング電極形、内外電極型および平板型がある。特許文献1には、リング電極型と内外電極型の連続通電加熱装置が記載されており、特許文献2には、リング電極型のジュール加熱装置が記載されている。さらに、特許文献3には、平板型の交流高電界殺菌装置が記載されている。
リング電極型は、複数の環状電極と絶縁材料からなる複数の円筒スペーサとにより形成される加熱パイプを有し、食品材料を加熱パイプ内の食品流路に流しながら、軸方向に隣り合う環状電極の間で軸方向に電流を流してジュール熱により食品材料を通電加熱する。リング電極型においては、樹脂製の円筒スペーサは食品流路を形成している。内外電極型は円筒形状の外側電極と、外側電極の内部に外側電極と同軸に配置される棒状の内側電極とにより形成される加熱パイプを有し、外側電極と内側電極との間の形成される管状の食品流路に食品材料を流しながら、外側電極と内側電極との間で径方向つまり横方向に電流を流してジュール熱により食品材料を通電加熱する。また、平板型は樹脂製の板状スペーサの両面に電極板を配置し、両方の電極板と板状スペーサとにより形成される食品流路に食品材料を流しながら、対向する電極の間で電流を流して食品材料を通電加熱する。この平板型においても、樹脂製の板状スペーサは食品流路を形成している。
このように食品流路に食品材料を流しながら、ジュール熱により食品材料を加熱する装置は、温水や蒸気により間接的に食品材料を加熱する場合に比して、食品材料を食品流路内に流しながら、短時間で効率的に食品材料を加熱することができるという利点がある。
特開2001−169734号公報 特開2015−156349号公報 特開2009−5583号公報
食品のうち、例えば、カスタードクリームは、卵、砂糖および牛乳等を混ぜ合わせた食品材料を加熱することにより製造される。また、フラワーペーストは小麦粉、ココアおよび卵や油脂を混ぜ合わせた食品材料を加熱することにより製造される。このような食品は、調理温度まで加熱することにより量産される。調理温度にまで加熱された後の食品材料を、殺菌温度まで加熱する場合には、食品材料は調理温度よりも高い温度にまで加熱される。
カスタードクリームやフラワーペーストは、澱粉が含まれているので、60℃〜100℃程度の調理温度まで加熱すると、澱粉が糊化することになる。糊化する温度は、食品材料に含まれる澱粉の含有量等により相違する。糊化すると粘度が糊化前よりも高くなる。
このため、カスタードクリーム等のように澱粉を多く含み、加熱すると糊化して粘度が高くなる食品材料を、リング型電極の加熱パイプを使用して通電加熱すると、加熱パイプの内周面の管壁付近は中心付近に比べて食品材料が管壁との摩擦抵抗の影響を受けて流速が遅くなる。そのため、管壁付近の食品材料の加熱時間は、中心付近に比べて長くなり、管壁付近の食品材料は高い温度になる。その結果、管壁付近の食品材料が先に糊化して、中抜け現象が起こる。中抜け現象が起こると、管壁付近の食品材料は押し出されなくなり管壁に付着して焦げが発生し、最終的には加熱パイプ内でスパークが起こる。リング型は熱伝導率が低い樹脂製の円筒スペーサが食品流路を構成しており、円筒スペーサを冷却することはできない。
特許文献2に記載されるジュール加熱装置においては、加熱パイプの内部に撹拌軸を設け、撹拌軸に設けられた撹拌羽根により食品材料を撹拌する。撹拌羽根により加熱パイプの管壁面は掻き取られるため食品材料は管壁付近で停留することなく加熱される。しかし、撹拌羽根や撹拌軸付近は、食品材料の高粘度化に伴って撹拌羽根や撹拌軸と供回りして流速が遅くなるため、撹拌羽根や撹拌軸に食品材料が付着して焦げが発生する。
平板型は、食品流路の幅が狭く低粘度の液状食品を乱流になるように供給するため、加熱すると粘度が高くなる食品材料の加熱には適用できない。しかも、樹脂製の板状スペーサを冷却構造として食品材料を冷却することはできない。
一方、円筒形状の外側電極と棒状の内側電極とを備えた内外電極型のジュール加熱装置においては、内側電極と外側電極との間に径方向、つまり食品材料が流れる方向を横切る方向に電流が流される。棒状の内側電極の外周面は、内側電極が外側電極の内部に配置されるので、円筒形状の外側電極の内周面よりも食品材料が接触する接触面積は小さくなる。このため、内側電極付近の電流密度が外側電極付近に比べ高くなる。また、内側電極と外側電極とに接触する食品材料の流は、摩擦抵抗により遅くなる。その結果、内側付近の食品材料は、外側電極付近の食品材料に比べて、電流密度と流速の影響により焦げやスパークが発生する。
上述のように、加熱パイプに食品材料の焦げやスパークが発生したのでは、糊化する食品材料を安定的に加熱することができず、効率的に食品材料を調理加熱したり、殺菌加熱したりすることはできない。
そこで本発明者等は、既に特願2016−202392号として、上記の問題を解決し得るジュール加熱装置及びジュール加熱方法を提案している。以下、上記の特願2016−202392号の提案を、先行提案と称する。
先行提案のジュール加熱装置は、基本的には、加熱すると糊化する食品材料を食品流路内に搬送させながら通電加熱するジュール加熱装置であって、円筒形状の外側電極と、前記外側電極の内部に配置され、前記外側電極との間で食品材料が流れる食品流路を形成する棒状の内側電極と、前記外側電極と前記内側電極に電力を供給し、前記食品流路を流れる食品材料に流れ方向を横切る方向に通電する通電ユニットと、前記内側電極に内側冷却流路を形成し、当該内側冷却流路に冷却液を供給する配管とを有し、内側電極を冷却しながら食品材料を通電加熱する構成としたものである。
また先行提案のジュール加熱方法は、円筒形状の外側電極と、前記外側電極の内部に配置される棒状の内側電極との間で形成される食品流路に、加熱すると糊化する食品材料を搬送させながら通電加熱するジュール加熱方法であって、前記外側電極と前記内側電極に電力を供給して前記食品流路を流れる食品材料に流れ方向を横切る方向に通電し、前記内側電極に形成された内側冷却流路に冷却液を供給し、前記内側電極の付近の食品材料を前記食品流路の中央付近の食品材料よりも低い温度に保持するようにした。
このような先行提案のジュール加熱装置、ジュール加熱方法によれば、次のような効果が得られる。
ジュール加熱装置は、円筒形状の外側電極と外側電極の内部に配置される内側電極とを備え、外側電極と内側電極との間に食品流路が形成される内外電極型である。外側電極の内周面と内側電極の外周面とが対向しており、内側電極の通電面積は外側電極の通電面積よりも小さく、食品材料のうち内側電極側の領域は、外側電極側の領域よりも電流密度が高くなる。電流密度が高いと、食品材料が加熱される温度は電流密度が低い領域よりも高くなるが、内側電極に内側冷却流路を形成し、その中に冷却液を供給することにより、内側電極の付近を流れる食品材料を食品流路の中央付近の食品材料よりも低い温度に保持する。これにより、食品流路の横断面における中央付近の食品材料が先に糊化を完了する温度なり、内側電極は糊化しない食品材料により覆われる。糊化されない食品材料は内側電極との摩擦抵抗が小さくなり、中央部で糊化した食品材料を所定の速度で搬送することができ、食品材料を安定して効率的に加熱することができる。
ところで、カスタードクリームやフラワーペースト等の流動食品材料を加熱処理するにあたっては、前述のように先ず調理のために70〜100℃程度の温度域に加熱して糊化を進行させ、その後に100〜140℃程度の温度域に加熱して殺菌するという2段階加熱を行うことがある。
この場合、前段の調理のための加熱装置、及び後段の殺菌のための加熱装置の両方に連続方式の通電加熱装置(ジュール加熱装置)を用いることが考えられる。そして特に前段の通電加熱装置としては、加熱によって糊化する食品材料を対象として、その糊化温度域で加熱することから、前記先行提案のジュール加熱装置を用いることが有利と考えられる。一方、後段の通電加熱装置は、既に糊化温度域を通過した食品材料をより高温の温度域で加熱殺菌することから、従来の一般的な連続通電加熱装置、例えばリング電極方式の通電加熱装置を用いることが、コスト面等から有利となる。
そこで本発明者等が、実際にカスタードクリームの加熱処理設備として、前段に前記先行提案のジュール加熱装置を用い、後段にリング電極方式の通電加熱装置を用いることを試みた。
しかしながら、実際に先行提案のジュール加熱装置を、前段の加熱装置に使用した場合、次のような問題があることを認識した。
すなわち、先行提案のジュール加熱装置によれば、加熱によって糊化するカスタードクリームやフラワーペースト等の流動性食品材料を効果的に加熱することは可能であるが、その出口から排出される加熱済みの食品材料の温度のばらつきが大きく、完全に糊化が終了して高粘度となっている部分と、完全には硬化が終了しない低粘度の部分とが混在し、粘度のばらつきが大きくなることが知見されている。このように温度のばらつきが大きく、粘度のばらつきが大きい食品材料が、後段のリング電極方式の通電加熱装置に導かれれば、その通電加熱装置内での通電加熱による到達温度がばらつき、部分的に十分な高温とならずに殺菌が不完全となったり、逆に過度に高温に加熱されて電極表面に食品材料の焦げ付きが生じたり電極間でスパークが発生したり、あるいは食品材料の品質の劣化が生じたりする問題があることが判明した。
本発明は以上の事情を背景としてなされたもので、加熱によって糊化する流動性食品材料について、調理するための加熱を前段の通電加熱装置(第1の通電加熱装置)によって行い、引き続いて殺菌のための加熱を後段の通電加熱装置(第2の通電加熱装置)によって行うようにした連続加熱処理設備として、前段の第1の通電加熱装置としては、前記先行提案のジュール加熱装置と同様なものを用いて、加熱によって糊化するカスタードクリームやフラワーペースト等の流動性食品材料を効果的に加熱し得るようにし、しかも後段の第2の通電加熱装置では、加熱不足が生じたり逆に過度に加熱されたりすることがないようにして、確実に殺菌を行い得ると同時に、焦げ付きやスパークの発生、品質の劣化が生じないようにした連続加熱処理設備を提供することを課題としている。
上述の課題を解決するために、本発明では、次の第1〜第7の態様の食品材料の連続加熱処理設備を提供する。
具体的には、本発明の基本的な態様(第1の態様)の食品材料の連続加熱処理設備は、
流動性を有し且つ加熱によって糊化する食品材料を、連続する流路内で、調理のために通電加熱によって加熱し、さらに殺菌のために通電加熱によって加熱する食品材料の連続加熱処理設備において、
前記食品材料を流路内で調理のために連続的に加熱する第1の通電加熱装置と、
第1の通電加熱装置から排出された食品材料を流路内で連続的に強制撹拌する撹拌装置と、
撹拌装置から排出された食品材料を、殺菌のために流路内で連続的に加熱する第2の通電加熱装置と、
第2の通電加熱装置から排出された食品材料を連続的に流しながら食品材料の温度を保持するための保持部と
を有し、
前記第1の通電加熱装置は、
円筒形状の外側電極と、前記外側電極の内部に配置されて前記外側電極との間で食品材料が流れる食品流路を形成する棒状の内側電極と備え、かつ前記内側電極に内側冷却流路が形成されており、前記外側電極と前記内側電極に電力を供給して前記食品流路を流れる食品材料に流れ方向を横切る方向に通電し、前記内側電極を冷却しながら食品材料を通電加熱する構成とされ、
前記撹拌装置は、外部から与えられる撹拌駆動力によって流路内で食品材料を強制撹拌する構成とされていることを特徴とするものである。
また本発明の第2の態様の食品材料の連続加熱処理設備は、前記第1の態様の食品材料の連続加熱処理設備において、前記第1の通電加熱装置における前記外側電極に外側冷却流路が形成されていることを特徴とするものである。
さらに本発明の第3の態様の食品材料の連続加熱処理設備は、前記第1もしくは第2の態様の食品材料の連続加熱処理設備において、
前記撹拌装置が撹拌羽根を有していて、その撹拌羽根を外部の駆動源によって回転させることにより、流動性食品材料を撹拌する構成とされたことを特徴とするものである。
さらに本発明の第4の態様の食品材料の連続加熱処理設備は、前記第3の態様の食品材料の連続加熱処理設備において、
前記撹拌装置が、流路内の食品材料を強制的に前進させるポンプ機能を備えていることを特徴とするものである。
さらに本発明の第5の態様の食品材料の連続加熱処理設備は、前記第4の態様の食品材料の連続加熱処理設備において、
前記撹拌装置が、回転容積式一軸偏心ねじポンプからなることを特徴とするものである。
さらに本発明の第6の態様の食品材料の連続加熱処理設備は、前記第1〜第5のいずれかの態様の食品材料の連続加熱処理設備において、
前記第2の通電加熱装置が、リング状電極を用いて、食品材料の流れの方向に沿って電流を流す構成とされていることを特徴とするものである。
さらに本発明の第7の態様の食品材料の連続加熱処理設備は、前記第1〜第6のいずれかの態様の食品材料の連続加熱処理設備において、
前記食品材料が、カスタードクリームもしくはフラワーペーストであることを特徴とする。
本発明の食品材料の連続加熱処理設備によれば、加熱によって糊化して粘度が高くなるカスタードクリームやフラワーペースト等の流動性食品材料について、糊化するための加熱を前段の通電加熱装置(第1の通電加熱装置)によって行い、引き続いて殺菌のための加熱を後段の通電加熱装置(第2の通電加熱装置)によって行うようにした連続加熱処理設備として、前段の第1の通電加熱装置としては、前記先行提案のジュール加熱装置と同様な通電加熱装置を用いて、加熱によって糊化する流動性食品材料を効果的に加熱し得るようにし、しかも後段の第2の通電加熱装置には、温度および粘度のばらつきが解消された状態で食品材料が流入するようにし、これにより第2の通電加熱装置で、加熱不足が生じて殺菌を確実に行い得ないような事態が生じることを防止でき、逆に第2の通電加熱装置において過度に加熱されて焦げ付きやスパークの発生を防止することが出来るとともに、食品材料に品質劣化が生じることがない、等の効果を奏することが出来る。
本発明の第1の実施形態の食品材料の連続加熱処理設備の全体構成を示す略解図である。 第1の実施形態の連続加熱処理設備に使用される第1の通電加熱装置を示す縦断面図である。 図2におけるIII−III線拡大横断面図である。 図2に示される第1の通電加熱装置の外側電極の拡大縦断面図である。 図2に示される第1の通電加熱装置の内側電極の一部省略拡大縦断面図である。 図2におけるVI部の拡大断面図であり、冷却液と食品材料が示されている。 図6の横断面図である。 第1の通電加熱装置の内側電極と外側電極との間に食品材料における電流密度を概念的に示し、図7と同様の部分を示す断面図である。 第1の実施形態の連続加熱処理設備に使用される撹拌装置の縦断面図である。 図9のX−X線における縦断面図である。 第1の実施形態の連続加熱処理設備に使用される第2の通電加熱装置を構成する一つの通電加熱ユニットを示す略解的な断面図である。 第2の実施形態の連続加熱処理設備において撹拌装置として用いる回転容積式一軸偏心ねじポンプの一例を示す略解的な断面図である。 図12におけるXIII−XIII線での縦断面図である。
以下に、本発明の各実施形態の食品材料の連続加熱処理設備について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1には、本発明の第1の実施形態の食品材料の連続加熱処理設備の全体構成を概略的に示す。
この実施形態の澱粉質を含有して加熱によって糊化する流動性食品材料Wを、その糊化(調理)のために連続的に通電加熱(ジュール加熱)するための内外電極タイプの第1の通電加熱装置100と、その第1の通電加熱装置100により加熱された食品材料が連続的に送りこまれて流路内で食品材料を強制撹拌すると、その撹拌装置102によって撹拌された状態の食品材料が連続的に送り込まれて、殺菌可能な温度域まで連続的に通電加熱するリング状電極タイプの第2の通電加熱装置104と、第2の通電加熱装置104から排出された食品材料の温度を保持して殺菌を進行させる保持部106と、さらにその保持部から排出された食品材料を冷却するための冷却部108とからなる。冷却部108の出側には、冷却された糊化・殺菌済み食品材料を回収する回収部として、例えば回収容器110が配設されている。
なお本実施形態では、第1の通電加熱装置100から冷却部108まで、連続する流路によって結ばれている。また本実施形態では、第2の通電加熱装置104は、2基の通電加熱ユニット104A,104Bを直列接続した構成としているが、第2の通電加熱装置104を構成する通電加熱ユニットの数は2基に限らず、場合によっては1基の通電加熱ユニットによって第2の通電加熱装置104を構成してもよい。
本実施形態の連続加熱処理設備においては、カスタードクリームやフラワーペースト等の流動性食品材料Wは、先ず内外電極タイプの第1の通電加熱装置100によって70〜100℃程度の糊化温度域に連続的に通電加熱され、糊化が進行する。ここで、内外電極タイプの第1の通電加熱装置100では、効果的に糊化を進行させることが出来るが、その反面、第1の通電加熱装置100から吐出される際の食品材料は、温度のばらつき、粘度のばらつきが大きい。そしてこのように温度のばらつき、粘度のばらつきが大きい状態で撹拌装置102に導入された食品材料は、強制撹拌によって温度、粘度が均一化され、その状態でリング状電極タイプの第2の通電加熱装置104に送り込まれ、100〜140℃程度の殺菌温度域に通電加熱される。そして、100〜140℃程度に加熱された食品材料は、保持部106に送り込まれてその温度域に保持され、殺菌が進行する。その後、冷却部108によって例えば40℃程度以下まで冷却され、回収容器110に回収される。
ここで、第1の通電加熱装置100の前段には、流動性食品材料Wが第1の通電加熱装置100に流入する前に、流動性食品材料Wを予熱するための図示しない予熱装置を設けておいてもよい。この場合、その予熱装置の流路も、上記の第1の通電加熱装置100から冷却部108までの連続流路に連続する構成とすることが望ましい。予熱温度は特に限定しないが、一般には40〜60℃程度の温度域まで予熱する構成とすることが望ましい。
なお予熱装置の具体的構成は特に限定しないが、例えばプレートタイプや2重管タイプなどの温水や高温蒸気等の温度媒体と熱交換して流動性食品材料を加熱する方式の予熱装置を用いればよい。
なお、第1の通電加熱装置100に供給する食品材料となるべき複数の素材を混合、混練した状態で、例えば50〜55℃程度となることもあり、そのような場合は、予熱せずに、混練したままの状態で食品材料を第1の通電加熱装置100に供給することが出来る。
第1の実施形態における第1の通電加熱装置100について、図2〜図8を参照して詳細に説明する。
図2に示される第1の連続通電加熱装置100は、チタン等の導電性材料からなる円筒形状の外側電極11を有している。この外側電極11は、本実施形態では、その中心軸線が垂直方向に沿うように配設されている。なお外側電極11は、後に図3、図4を参照して説明するように、2重筒構造とされてその内部に外側冷却通路41が形成されているが、図2では外側冷却通路41は省略している。
外側電極11の両端面(図2の上下両端面)にはシールパッキン12を介して樹脂等の絶縁材料からなるスペーサ13a,13bが突き当てられている。スペーサ13aには絶縁材料からなる入口側の蓋部材14aがシールパッキン15aを介して突き当てられており、スペーサ13bには絶縁材料からなる出口側の蓋部材14bがシールパッキン15bを介して突き当てられている。円筒形状の外側電極11の両端側に配置されるスペーサ13a,13bと蓋部材14a,14bとにより、食品材料を案内する加熱パイプ16が組み立てられ、加熱パイプ16の両端部は蓋部材14a,14bにより閉塞される。
入口側の蓋部材14aは締結ブラケット17aに固定され、出口側の蓋部材14bは締結ブラケット17bに固定されており、両方の締結ブラケット17a,17bは同様の形状である。両方の締結ブラケット17a、17bは、4本の締結ロッド18により締結される。締結ロッド18の下端部は締結ブラケット17aの四隅を貫通しており、締結ロッド18の上端部は締結ブラケット17bを貫通している。それぞれの締結ロッド18の下端部にはナット19aがねじ結合され、上端部にはナット19bがねじ結合される。締結ロッド18の上端部にはナット19bが突き当てられる締結板21が配置され、締結板21と締結ブラケット17bの間には、ばね部材22が装着されている。ナット19bの締結量を調整することにより、ばね部材22による加熱パイプ16の締結力が調整される。
外側電極11の内部には、チタン等の導電性材料からなる略棒状の内側電極23が外側電極11と同軸となって配置されている。内側電極23の下端部は蓋部材14aを貫通し、締結ブラケット17aよりも軸方向外方(図2の下方)に突出している。蓋部材14aには内側電極23と蓋部材14aとの間をシールする図示しないシール部材が装着されている。内側電極23の下端側突出部には、内側電極23を締結ブラケット17aを固定するためのナット24aがねじ結合される。内側電極23の上端は、加熱パイプ16の上部において自由端とされている。したがって内側電極23は、その下端側だけで支持されていることになる。なおこの内側電極23の内部には内側冷却通路43が形成されているが、この点は、後に改めて図3、図5を参照して説明する。
加熱パイプ16と内側電極23との間には、食品材料が流れる食品流路25が垂直方向に沿って形成されている。したがって内側電極23と外側電極11との間も食品流路25となっている。下端側の蓋部材14aには、流入側のジョイント26が設けられており、ジョイント26の内部流路は食品流路25に連通している。蓋部材14bには、流出側のジョイント27が設けられており、ジョイント27の内部流路は食品流路25に連通している。
第1の通電加熱装置100の外部には、食品材料Wを収容する図示しない容器が配置されて、図示しないポンプにより容器内の食品材料Wが、ジョイント26を介して食品流路25に連続的に搬送供給される。ジョイント27には吐出配管32が接続されており、食品流路25を通過した食品材料は、吐出配管32により、第1の通電加熱装置の外部に吐出され、撹拌装置102に導かれる(図1参照)。食品材料の食品流路25における流れは、図2において矢印で示されている。なお図示しない予熱装置を第1の通電加熱装置100の前段に配設する場合は、その予熱装置から食品材料Wが、ジョイント26を介して食品流路25に連続的に搬送供給される。
外側電極11の流入側端部と流出側端部には給電プラグ33a,33bが取り付けられる。一方、内側電極23の流入側の突出端部には、給電プラグ34aが取り付けられる。外側電極11の給電プラグ33a,33bには給電ケーブル35aが接続され、内側電極23の給電プラグ34aには給電ケーブル35bが接続され、それぞれの給電ケーブル35a,35bは第1通電加熱用電源装置36に接続される。第1通電加熱用電源装置36からそれぞれの給電プラグに、例えば20kHの高周波電流が給電される。外側電極11にはそれぞれ2つの給電プラグ33a,33bが取り付けられているが、いずれか一方のみでも良い。
食品流路25に食品材料Wを供給した状態のもとで、外側電極11と内側電極23とに第1通電加熱用電源装置36から電力を供給すると、食品流路25を流れる食品材料には、流れの方向を横切る方向に電流が流れる。これにより、食品材料は外側電極11と内側電極23との間を流れる間に通電加熱される。
さらに外側電極11の詳細について、図3及び図4を参照して説明する。
外側電極11は、外側チューブ37と、その外側チューブ37の内径よりも小さい外径の内側チューブ38とが同心状に組み合わされた2重管構造とされている。外側チューブ37と内側チューブ38の上下両端部は連結リング39a、39bによって結合されて、外側電極11の内部、すなわち外側チューブ37の内周面と内側チューブ38の外周面との間に、軸方向(垂直方向)に沿う外側冷却流路41が形成されている。外側電極11の図4における下端部には、流入側の冷却液継手42aが設けられ、冷却液継手42aの内部流路は外側冷却流路41に連通している。外側電極11の図4における上端部には、流出側の冷却液継手42bが設けられ、冷却液継手42bの内部流路は外側冷却流路41に連通している。冷却液継手42bには、図示しない冷却液タンクなどから水等の冷却液が供給されるようになっている。
したがって、冷却液継手42aから冷却液継手42aに向けて外側冷却流路41を軸方向に流れる冷却液により外側電極11は冷却される。
また内側電極23の詳細について、図3及び図5を参照して説明する。
内側電極23は、外側管23Aと、その外側管23Aの内径よりも小さい外径の内側管23Bとが同心状に組み合わされた2重管構造とされている。そして内側電極23の内部、すなわち外側管23Aの内周面と内側管23Bとの間に、軸方向(垂直方向)に沿う内側冷却流路43が形成されている。内側管23Bの下端部は、外側管23Aの下端より下方に突出しており、その部分に外部の図示しない冷却液タンクなどから水などの冷却液を導入する導入口23Baが形成されている。内側管23Bの上端は外側管23A内の上部において開放されて吐出口23Bbが形成されている。一方、外側管23Aの下端部には、外部へ冷却液を排出する排出口23Aaが形成されている。したがって、冷却液は、導入口23Baから内側管23Bの管内を通って吐出口23Bbから外側管23A内に吐出され、内側冷却流路43を流れて、排出口23Aaに向かう冷却液により内側電極23が冷却される。
さらに内側電極23の外側管23Aは、外側電極11に径方向に対向する通電部51と、外側電極11の下端よりも軸方向外方(下方)に突出する突出部52aを有している。突出部52aは、通電部51よりも小径となっており、非通電部となっている。通電部51の下端部には、突出部52aに向けて漸次小径となったテーパ部53aが形成されており、したがって通電部51の下端部は、その外面と外側電極11の内面との間の距離が下方に向かって次第に拡大することになる。また通電部51の上端部も、上方に向かって漸次小径となったテーパ部53bとされ、したがって通電部51の上端部の外面と外側電極11の内面との間の距離も、上方に向かって次第に拡大することになる。
上記のような本実施形態における第1の通電加熱装置100の作用について、主に図6〜図8を参照して次に説明する。
図6は、図2におけるVI部の拡大断面図であり、図7は図6の横断面図である。図6および図7においては、冷却液Lと食品材料Wが示されている。
外側電極11と内側電極23との間の食品流路25においては、流動性を有する食品材料Wが、下方から上方に向かって連続的に移送される。一方、内側電極23の内部に形成された内側冷却流路43と、外側電極11の内部に形成された外側冷却流路41には、冷却液Lが流れる。
図8は内側電極23と外側電極11との間の食品材料Wにおける電流密度を概念的に示す断面図であり、図6と同様の部分を示す。
第1の通電加熱装置100は、円筒形状の外側電極11と、この内部に配置される棒状の内側電極23とを有しており、内外に電極が対向する内外電極型とされている。このタイプの通電加熱装置100においては、内側電極23の外周面の通電面積は、外側電極11の内周面の通電面積に比較して小さい。このため、食品流路25内を流れる食品材料Wに、その流れ方向を横切る方向に電流が流れれば、内側電極23に近い領域の食品材料Wの部分の電流密度は、外側電極11に近い外側領域の食品材料Wの部分よりも高くなる。このように電流密度が高い領域の部分は、低い領域の部分よりも食品材料Wの通電加熱温度が高くなる。
したがって、カスタードプリン等のように澱粉を多く含み、加熱すると糊化して粘度が高くなる食品材料を、内外電極型の通電加熱装置100を用いて、内側電極23を冷却することなく通電加熱すれば、食品材料と内側電極23との摩擦抵抗により内側電極23の近傍(すなわち内側の部分)の流速は、それよりも径方向外側の部分(外側電極11と内側電極23との間の中央付近)の食品材料よりも遅くなる。このため、内側電極23付近の食品材料は、電流密度と流速の影響により焦げやスパークが発生しやすくなる。
これに対し、本実施形態の第1の通電加熱装置100では、内側電極23の内部の内側冷却流路43に冷却液を流して、内側電極の付近の食品材料を冷却することとしており、そのため食品材料を食品流路25の中央付近の食品材料よりも低い温度に保持することができ、内側電極23付近でのスパークや焦げ付きの発生を回避しながらも、中央付近の食品材料を充分に加熱して、糊化させることができる。
上述した第1の通電加熱装置100による食品材料の加熱は以下のように実行される。カスタードプリン等のように澱粉を多く含み、調理温度まで加熱すると、澱粉が糊化して粘度が糊化前よりも高くなる食品材料は、図示しないポンプにより加熱パイプ16内の食品流路25に供給され、第1通電加熱用電源36から内側電極23と外側電極11に供給される電力が食品材料を径方向に流れる。食品材料は、食品流路25の流入口から流出口に向かう間に、内側電極23と外側電極11との間において通電加熱される。
電極に電力が供給されると、図8に示されるように、食品材料のうち内側電極23の付近の内側領域(食品流路25の内周面側の領域)の食品材料Wの電流密度は、外側電極11に近い外側領域(食品流路25の外周面側の領域)の食品材料Wの電流密度よりも高くなる。しかしながら、内側電極23と外側電極11は冷却液Lにより冷却されるから、図6および図7に示されるように、内側の食品材料Wiと外側の食品材料Woは、これらの間の中央付近(中央領域)の食品材料Wa〜Wcよりも低い温度に保持される。中央付近の食品材料は、径方向内側の部分が最も高くなり、径方向外側に向けて漸次低くなる。図6および図7に示されるように、中央付近の領域をWa〜Wcとして便宜的に3つの領域に分けて示すと、これらの領域においては、径方向内側の部分Waから径方向外側の部分Wcに向けて加熱温度は低くなる。
したがって、食品流路25を流れる食品材料は、内側の食品材料Wiと外側の食品材料Woが糊化されない状態のもとで、中央付近の食品材料Wa〜Wcが先に糊化される。これにより、内側電極23の外周面と外側電極11の内周面は、糊化されない食品材料Wi,Woにより覆われた状態となって食品流路25を流れる。これにより、食品材料Wは電極に付着することがなく、焦げやスパークを発生させることなく、安定的に食品材料を加熱することができる。
糊化された食品材料は、流出側のジョイント27から、図1に示した撹拌装置102の流入側に送給される。
次に第1の実施形態の連続加熱処理設備における撹拌装置102について、図9、図10を参照して説明する。
撹拌装置102は、第1の通電加熱装置100によって70〜100℃程度の糊化温度域付近に加熱された食品材料を、外部から与えられる撹拌駆動力によって、流路内で食品材料を連続的に強制撹拌する構成とされている。
本実施形態では、図9、図10に示すように、食品材料の流路71を形成する中空管体72内に撹拌羽根73を挿入して、その撹拌羽根73を、外部の電動モータ等の回転駆動源77によって強制回転させる構成とされている。
すなわち中空管体72の一端(図9の左端)には、第1の通電加熱装置100の流出側のジョイント27から食品材料が導かれる流入部材72aが高けられ、中空管体72の他端(図9の右端)の近傍には、撹拌澄みの食品材料を吐出させる吐出部材72bが設けられている。この吐出部材72bは、第2の通電加熱装置104における第1の通電加熱ユニット104Aの流入側に導かれる。
中空管体72には、その軸線に沿って軸棒74が挿入されており、その軸棒74には、外周方向に突出する1枚以上(図2では2枚)の板状の撹拌羽根73が固定されている。そして撹拌羽根73には、その厚み方向に貫通する複数の貫通孔75が形成されている。軸棒74の一端は、中空管体72の外部に延長されて回転駆動源77の駆動側に連結されている。
このような撹拌装置102では、第1の通電加熱装置100から導かれた食品材料(すなわち第1の通電加熱装置100により糊化温度域付近に加熱された食品材料)Wが中空管体72内を流れる。その間、撹拌羽根73を回転させることによって、食品材料が強制撹拌される。これによって食品材料の温度が均一化されるとともに、その粘度も均一化される。
ここで、前述の第1の通電加熱装置100によれば、図6〜図8を参照して説明したように、食品流路25における内側の食品材料Wiと外側の食品材料Woは、これらの間の中央付近(中央領域)の食品材料Wa〜Wcよりも低い温度に保持される結果、内側の食品材料Wiと外側の食品材料Woが糊化されない状態のもとで、中央付近の食品材料Wa〜Wcが先に糊化される。これにより、内側電極23の外周面と外側電極11の内周面は、糊化されない食品材料Wi,Woにより覆われた状態となって食品流路25を流れる。これは、食品材料が、温度のばらつき、粘度のばらつきを有したまま、第1の通電加熱装置100から後段に排出されることを意味する。言い換えれば、撹拌装置102には、温度および粘度のばらつきが大きい状態で、食品材料が導入されることになる。
しかるに、本実施形態では、上記のように撹拌装置102を食品材料が通過する間に、食品材料は強制撹拌され、これによって食品材料の温度が均一化されるとともに、その粘度も均一化される。
したがって次の第2の通電加熱装置104における通電加熱ユニット104Aには、温度が均一化されかつ粘度が均一化された状態で食品材料が導かれることになる。
さらに第1の実施形態の通電加熱処理設備に使用される第2の通電加熱装置104の一例について図11を参照して説明する。なお図11では、第2の通電加熱装置104を構成している二つの通電加熱ユニット104A、104Bのうち、前段の通電加熱ユニット104Aのみを示しているが、後段の通電加熱ユニット104Bも前段の通電加熱ユニット104Aと実質的に同様であり、そこで、ここでは前段の通電加熱ユニット104Aのみを示している。
図11において、通電加熱ユニット104Aは、食品流路81内を移送される食品材料に電圧を印加するための電極80A〜80Gを、リング状電極(環状電極)によって構成した例として示している。
すなわち食品流路81が、全体として円筒状(チューブ状)をなす中空管体82によって形成されており、この中空管体82の一端には入り口部材83が設けられ、他端には出口部材84が設けられている。
そして中空管体82は、流路81の長さ方向(流れの方向)に所定間隔を置いて配設された複数(本実施形態では7個)のリング状電極80A〜80Gと、これらのリング状電極80A〜80Gの相互の間に介在する絶縁管体からなる中間絶縁管(スペーサ管体)85B〜85Gと、リング状電極80A、80Gと入り口部材83、出口部材84のそれぞれの間に介在する端部側絶縁管85A、85Hとによって構成されている。
そして、第2通電加熱用電源装置86の一方の出力端子86Aが、一つ置きのリング状電極、すなわちリング状電極80A、80C、80E、80Gに接続され、それらの間のリング状電極80B、80D、80Fには、第2通電加熱用電源装置86の他方の出力端子86Bが接続されている。ここで、リング状電極80A〜80Gに給電する交流波形としては、正弦波、あるいはパルス波(矩形波)などが使用される。
以上のような通電加熱ユニット104Aにおいて、入り口部材83から中空管体82内に流入した食品材料は、出口部材84に至るまでの間において、リング状電極2A〜2Gの相互の間の流路を通過し、その間、食品材料に通電され、その食品材料の電気抵抗によって発熱(ジュール発熱)して食品材料の温度が上昇する。
そして、図1に示したように、前段の通電加熱ユニット104Aから流出した食品材料は、その通電加熱ユニット10Aと同様な構成の後段側の通電ユニット104Bに導かれ、上記と同様にしてさらに加熱され、殺菌が可能な温度域、例えば100〜140℃程度の温度に達する。そして後段側の通電ユニット104Bから吐出された食品材料は、図1に示しているように、直ちに保持部106に送り込まれる。
なお図11では、第2の通電加熱装置104の内の一つの通電加熱ユニットについて、7個のリング状電極を用いた構成としているが、7個に限定されるものではなく、基本的には2個以上のリング状電極を用いればよい。但し、中空管体82の両端のリング状電極80A、80Gは電気的に同相とすることが望ましく、その意味からは、リング状電極の数は3以上の奇数とすることが望ましい。
また本実施形態では、前段、後段の二つの通電加熱ユニット104A、104Bを直列接続して、第2の通電加熱装置104を構成しているが、温度条件等によっては1基の通電加熱ユニットのみによって第2の通電加熱装置104を構成してもよく、さらには3以上の通電加熱ユニットによって第2の通電加熱装置104を構成してもよい。
第2の通電加熱装置104から吐出された食品材料は、図1に示したように、保持部106に導かれる。この保持部106は、第2の通電加熱装置104によって殺菌可能な温度域まで加熱された食品材料の温度を保持して、殺菌を充分に進行させるための部位である。保持部106の具体的構成は特に限定しないが、例えば食品材料が連続的に流れる中空管の外周を断熱材で覆った構成とすればよい。
保持部106から吐出された食品材料は、通常は、図1に示すように冷却部108に導かれる。この冷却部108は、例えば2重管によって構成して、内外に二つの流路を有する構成とし、内側の流路に冷却液を流し、外側の流路に食品材料を流す構成とすればよい。また場合によってはプレートタイプの冷却装置としてもよい。さらには、連続的に食品材料を流す構成とはせずに、冷却槽によって構成してもよい。
以上のような本実施形態によれば、内外電極タイプの第1の通電加熱装置100によって糊化温度域まで加熱はされたが、温度および粘度のばらつきが大きい状態の食品材料が、撹拌装置102によって強制撹拌されて、そのばらつきが解消された状態で第2の通電加熱装置104に導入されるため、第2の通電加熱装置では、均一に食品材料を加熱することが出来、そのため過度に加熱されてリング状電極に焼き付きやスパークが発生したり、あるいは食品材料の過加熱によって食品材料が変質あるいは劣化したりすることを防止できる。また逆に第2の通電加熱装置104において局部的に加熱不足が生じて殺菌に適した温度まで確実に昇温されずに、殺菌不良が生じたりすることを防止することが出来る。
<第2の実施形態>
本発明の連続加熱処理設備における撹拌装置としては、流路内の食品材料を強制的に撹拌するだけではなく、流路内において食品材料を強制的に移送(前進)させるポンプ機能(圧送機能)を備えているものを用いることが好ましい。
このような撹拌装置の代表的なものとしては回転容積式一軸偏心ねじポンプがある。回転容積式一軸偏心ねじポンプとは、単に一軸偏心ねじポンプと称されたり、あるいは一軸スクリューポンプ、スネークポンプなどと称されるものでり、市販のものとしては、兵神装備株式会社製のヘイシンモーノポンプ(登録商標)などがある。
そこで撹拌装置として回転容積式一軸偏心ねじポンプを用いた連続加熱処理設備を、第2の実施形態とし、その第2の実施形態について以下に説明する。
図12、図13に、回転容積式一軸偏心ねじポンプ(以下単に偏心ねじポンプと称する)90によって構成した撹拌装置102を示す。なお第2の実施形態における撹拌装置102以外の構成は、図1に示した第1の実施形態と同様である。
図11、図12において、偏心ねじポンプ90は、基本的には、雌ネジに相当するステーター91と、雄ネジに相当するローター92と、ローター92を偏心回転させるための電動モータなどの駆動源93とを有する構成とされている。
具体的には、中空筒状のケーシング94の一端側(図11の左端側)流入口95が形成され、他端側に流出口96が形成されている。ステーター91は、ゴムなどの弾性変形可能な材料によって雌ネジ形状に作られたものであって、ケーシング94内に嵌め込まれている。ローター92は、金属や硬質樹脂などの高剛性材料によって雄ネジ形状に作られたものであって、ステーター91の内側に挿入されている。そしてローター92は、駆動源93の回転駆動力がコネクティングロッド97を介してローター92に与えられて、ローター92が偏心回転するように構成されている。
このような偏心ねじポンプ90では、流入口95から流入する食品材料を収容した収容空間98が、ローター92の偏心回転に伴って前進移動して、収容空間98内の食品材料を強制的に移送させ、流出口96から流出させることが出来る。このとき、収容空間98内の食品材料には、移送方向への大きな駆動力が作用し(すなわちポンプ機能が働き)、同時に食品材料が撹拌される。したがって、撹拌すると同時に、ポンプ機能によって高粘度の食品材料(例えば糊化によって高粘度となったカスタードクリームやフラワーペースト)でも円滑に移送することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、前述の実施形態は、あくまで本発明の要旨の範囲内の一つの例に過ぎず、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。すなわち本発明は、前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲内で適宜変更可能であることはもちろんである。
11 外側電極
23 内側電極
25 食品流路
41 外側冷却流路
43 内側冷却流路
73 撹拌羽根
90 回転容積式一軸偏心ねじポンプ
100 第1の通電加熱装置
102 撹拌装置
104 第2の通電加熱装置
104A、104B 通電加熱ユニット
106 保持装置

Claims (7)

  1. 流動性を有し且つ加熱によって糊化する食品材料を、連続する流路内で、調理のために通電加熱によって加熱し、さらに殺菌のために通電加熱によって加熱する食品材料の連続加熱処理設備において、
    前記食品材料を流路内で調理のために連続的に加熱する第1の通電加熱装置と、
    第1の通電加熱装置から排出された食品材料を流路内で連続的に強制撹拌する撹拌装置と、
    撹拌装置から排出された食品材料を、殺菌のための温度域まで流路内で連続的に加熱する第2の通電加熱装置と、
    第2の通電加熱装置から排出された食品材料を連続的に流しながら食品材料の温度を保持するための保持部と
    を有し、
    前記第1の通電加熱装置は、
    円筒形状の外側電極と、前記外側電極の内部に配置され、前記外側電極との間で食品材料が流れる食品流路を形成する棒状の内側電極と備え、かつ前記内側電極に内側冷却流路が形成されており、前記外側電極と前記内側電極に電力を供給して前記食品流路を流れる食品材料に流れ方向を横切る方向に通電し、前記内側電極を冷却しながら食品材料を通電加熱する構成とされ、
    前記撹拌装置は、外部から与えられる撹拌駆動力によって流路内で食品材料を強制撹拌する構成とされていることを特徴とする食品材料の連続加熱処理設備。
  2. 前記第1の通電加熱装置における前記外側電極に外側冷却流路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の食品材料の連続加熱処理設備。
  3. 前記撹拌装置が撹拌羽根を有していて、その撹拌羽根を外部の駆動源によって回転させることにより、流動性食品材料を撹拌する構成とされたことを特徴とする請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載の食品材料の連続加熱処理設備。
  4. 前記撹拌装置が、流路内の食品材料を強制的に前進させるポンプ機能を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の食品材料の連続加熱処理設備。
  5. 前記撹拌装置が、回転容積式一軸偏心ねじポンプからなることを特徴とする請求項4に記載の食品材料の連続加熱処理設備。
  6. 前記第2の通電加熱装置が、リング状電極を用いて、食品材料の流れの方向に沿って電流を流す構成とされていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかの請求項に記載の食品材料の連続加熱処理設備。
  7. 前記食品材料が、カスタードクリームもしくはフラワーペーストであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかの請求項に記載の食品材料の連続加熱処理設備。
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