JP2018063655A - 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
IFRS9(IFRS第9号)「金融商品」は、金融機関に影響が大きい金融商品会計についての基準であり、2014年7月に確定し、2018年発効となる。そのIFRS9において、減損の判定を購入時点ごとに個別に評価しなければならないことが定められている。
しかし、管理方法が異なると売買業務の運用が複雑となることから、IFRS9においても日本基準との比較管理上、日本基準の管理方法である移動平均法を採用したいというニーズがある。
本発明は、IFRS9に則って、移動平均法における金融商品の管理を可能とすることを目的とする。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
本実施形態では、情報処理装置100が、金融商品の購入取引単位の明細データを管理し、管理している購入取引単位の明細データから、購入取引単位の管理係数(例えば、予想信用損失織り込み後の償却原価、償却原価、予想信用損失等)を計算し、計算した管理係数を銘柄ごとに合計することで、移動平均法による管理に利用される管理係数を取得し、取得した管理係数をユーザに提示する処理を説明する。管理係数とは、金融商品の管理に用いられる指標となる係数であり、予想信用損失織り込み後の償却原価、償却原価、予想信用損失等がある。本実施形態では、明細データが管理される金融商品は、償却原価で評価される債券や証券化商品等の有価証券等(以下では、債券等)である。移動平均法とは、同一銘柄で追加購入が発生する度に平均の単価を計算し、それを次の払出し単価とする方法である。以下では、購入された債券等の明細データを、購入明細データとする。以下では、金融商品の移動平均法による管理に利用される指標を、移動平均管理指標とする。金融商品の移動平均法による管理に利用される指標とは、例えば、予想信用損失織り込み後の償却原価、償却原価、予想信用損失等の金融商品のIFRS9における価値や信用を示す指標等である。
図1は、情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
情報処理装置100は、金融商品について、購入取引単位に明細データを管理し、管理している購入取引単位の明細データに基づいて計算した管理係数を、移動平均管理指標として取得するパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット装置、サーバ装置等の情報処理装置である。
情報処理装置100は、CPU101、主記憶装置102、補助記憶装置103、入出力I/F104、ネットワークI/F105、入力装置106、表示部107を含む。CPU101、主記憶装置102、補助記憶装置103、入出力I/F104、ネットワークI/F105、入力装置106、表示部107は、システムバス108を介して、相互に接続されている。
入出力I/F104は、外付けメモリ等との間での情報の入出力に利用されるインターフェースである。ネットワークI/F105は、LANやインターネット等のネットワークを介した外部の装置との間の通信に利用されるインターフェースである。入力装置106は、情報処理装置100への入力に利用されるマウス、キーボード、タッチパネル等の入力装置である。表示部107は、液晶ディスプレイ等の表示部である。
CPU101が、補助記憶装置103等に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって、図2で後述する情報処理装置100の機能及び図7、8で後述するフローチャートの処理等が実現される。
情報処理装置100は、制御部200、実効金利計算部201、債券信用判定部202、購入単位簿価計算部203、移動平均簿価計算部204、売却原価計算部205、売却損益計算部206、売却後購入単位額面計算部207を含む。
制御部200は、情報処理装置100の各機能構成部を制御したり、情報処理装置100への情報の入出力を制御したり、購入ごとの購入明細データを管理したりする。
実効金利計算部201は、ある銘柄の債券等の購入が発生した場合、購入した債券等の購入簿価と、購入した債券等の額面について展開された将来のキャッシュフロー(以下では、CFとする)と、に基づいて、その銘柄の債券等の実効金利を計算する。簿価とは、資産又は負債について、適正な会計処理の結果として帳簿に記入される数値の純額である。CFとは、現金の流れを意味し、一定期間に現金がどれだけ流入、又は流出するかを示す。
購入単位簿価計算部203は、実効金利計算部201により計算された実効金利、債券信用判定部202による判定結果に応じて決定した計算方法、等に基づいて、債券等の償却原価、引当金、予想信用損失織り込み後の償却原価(引当金控除後の償却原価)等を計算する。
同じ銘柄の債券等の追加購入が発生した場合、実効金利計算部201は、購入した債券等の実効金利を計算する。評価時点である基準日が到来した場合、債券信用判定部202は、管理係数の計算方法を決定する。そして、購入単位簿価計算部203は、債券等の償却原価、引当金、予想信用損失織り込み後の償却原価を計算する。
売却原価計算部205は、購入済みの債券等の移動平均の額面と、売却した債券等の額面と、に基づいて、売却の際の売却原価を計算する。
売却損益計算部206は、債券等の売却額と売却原価計算部205により計算された売却原価とに基づいて、売却損益を計算する。
売却後購入単位額面計算部207は、売却された債券等の額面を、同一銘柄の購入済みの債券等の購入単位の額面の割合に基づいて、按分し、按分した値に基づいて、購入単位の額面をそれぞれ減額する。
図3(a)の表は、購入明細別、IRR、当初格付、額面の項目を含む。図3(a)の表は、各列に、購入単位の、債券等の購入明細データを記憶する。購入明細別の項目は、各列のデータが、どの購入に対応するデータであるかを示す項目(約定番号、銘柄、IFRS分類等のキー項目)である。IRRの項目は、購入された債券等の実効金利を示す項目であり、実効金利計算部201により計算された実効金利の値が記憶される。当初格付の項目は、購入当初のその債券等の信用情報の一例である格付を示す項目である。額面の項目は、購入された債券等の額面を示す項目である。債券等の額面は、同一銘柄で売却取引等が発生すると減額する必要がある。そこで、制御部200は、購入明細データの額面が更新されるごとに、更新された最新の日付で額面を管理する。また、制御部200は、更新された日付ごとに複数の額面を管理することとしてもよい。
本実施形態では、情報処理装置100は、簿価の評価を行う日として設定された基準日になると、購入明細データに基づいて、簿価管理表を更新又は生成する。そして、情報処理装置100は、更新又は生成した簿価管理表を表示部107に表示する等して、ユーザに提示する。
図3(b)の簿価管理表は、基準日、額面、簿価、償却原価、格付、引当金、引当金合計の項目を含む。基準日の項目は、簿価の評価を行う日として設定された基準日を示す項目であり、簿価管理表のデータがこの項目が示す日に対応するデータであることを示す。額面の項目は、ある銘柄の債券等について額面の合計を示す項目である。簿価の項目は、ある銘柄の債券等についての移動平均法における基準日における簿価を示す項目である。償却原価の項目は、ある銘柄の債券等についての基準日における償却原価を示す項目である。格付の項目は、ある銘柄の債券等の基準日における格付を示す項目である。引当金の項目は、引当金を示す項目であり、債券信用判定部202による格付判定の結果であるステージごとの引当金の項目がある。引当金合計の項目は、引当金の合計を示す項目である。
債券等の購入が行われた場合、制御部200は、債券等の購入日(債券等の異動日付)、購入した債券等の額面(異動額面)、購入に要した金額(約定金額)、購入の際の債券等の格付の情報を取得する。例えば、制御部200は、外部の債券等の売買を制御するシステムや装置からネットワークI/F105を介して、ネットワーク経由でこれらの情報を取得することとしてもよい。また、例えば、制御部200は、債券等の購入が行われた場合、入力装置106を介したユーザの操作に基づいて、これらの情報の入力を受け付けることで取得することとしてもよい。また、例えば、制御部200は、これらの情報を記憶する外付けの記憶装置等から、入出力I/Fを介して、これらの情報を取得することとしてもよい。
図4の例では、制御部200は、ネットワークを介して外部の装置から表401の情報を取得することとする。そして、制御部200は、取得した表401の情報から、購入日(異動日付)、購入した債券等の額面(異動額面)、約定金額、格付の情報を取得する。
また、制御部200は、簿価管理表402の簿価の項目に、購入した債券等の約定金額を加算する。図4の例では、銘柄Aの債券等についての初めての購入なので、元々の簿価管理表402の簿価の項目は、0である。そのため、制御部200は、簿価管理表402の簿価の項目である0に、購入した債券等の約定金額である10100を加算し、10100とする。
ここで、実効金利計算部201による実効金利の計算処理について説明する。本実施形態では、実効金利計算部201は、以下の参考文献1に記載されている方法を用いて、実効金利を計算する。
参考文献1:特開2013−088930号公報
まず、実効金利計算部201は、計算対象の購入された債券等について、約定金利、手数料・費用、利払間隔、及び満期までの期間である満期期間の情報を補助記憶装置103から読み出す。本実施形態では、約定金利、手数料・費用、利払間隔、及び満期までの期間である満期期間の情報は、予め、補助記憶装置103に記憶されているとする。また、実効金利計算部201は、外部の装置からこれらの情報を取得することとしてもよい。
利息CF=元本×約定金利×期間年率
上述の利息CFの計算式は、期限前償還等将来の見積りを考慮していないケースであり、将来の見積りを勘案した場合、上述の契約の内容に将来の見積りを加味する。例えば、下記の式により計算される。
将来見積勘案後利息CF=元本×約定金利×期間年率×見積掛目
ここで、期間年率の計算では、利払間隔の実日数が用いられ、実効金利計算部201は、期間年率を下記の式により計算し、計算対象の約定明細に対応付けて補助記憶装置103に格納する。このとき、実効金利計算部201は、利払間隔の情報をもとに利息CF発生時における前回の利払日(又は債券等の購入日)からの経過日数を計算する。
期間年率=前回の利払日(又は債券等の購入日)からの経過日数/1年の日数相当数(1年の日数相当数が約定の内容により異なるが、以下では便宜上365日と見なす。)
ここでは、1年の日数相当数を365日としているがこれは一例であり、本実施形態においては1年の日数相当数について約定の内容に従った全てのケースを適用範囲として想定している。また、1年の日数相当数も適宜の方法及びタイミングで情報処理装置100に入力され、補助記憶装置103に格納される。
なお、前記手数料・費用は、一般的にCFインの場合もCFアウトの場合もある。
より具体的には、実効金利計算部201は、下記の式(1)においてf(x)=0となるxを求める。
制御部200は、実効金利計算部201により計算された実効金利の値と、購入された債券等の額面(異動額面)と、購入の際の債券等の格付と、を、購入単位の明細情報である購入明細データとして、補助記憶装置103に記憶する。制御部200による購入明細データの記憶処理は、購入明細データを保持手段に記憶する記憶制御処理の一例である。表403は、記憶された購入明細データの一例である。
図4の例では、簿価の評価が行われる基準日は、2014年4月30日であるとする。表405は、2014年4月30日時点での、購入された債券等の購入明細データである。売却等されていないため、2014年4月30日時点における額面も、購入当初と変わらず、10000となっている。
購入単位簿価計算部203は、表405におけるIRR(実効金利)と額面とに基づいて、基準日における購入された債券等の償却原価を計算する。
参考文献2:特開2013−088939号公報
まず、購入単位簿価計算部203は、基準日以降の将来CFを展開する。なお、購入単位簿価計算部203は、上述の実効金利計算部201と同様に、基準日以降の将来CF(各利息CF「元本×約定金利×期間年率」等)を計算し、計算対象の約定明細に対応付けて補助記憶装置103に格納する。将来CFを展開する計算は、基準日時点の最新の契約内容に基づいて行われる。
続いて、購入単位簿価計算部203は、基準日直前の利払日の割引現在価値を求める。より具体的には、購入単位簿価計算部203は、補助記憶装置103から約定金利、利払間隔、満期期間の情報を読み出し、読み出した情報や元本の情報や基準日の情報に基づいて、元本のCF、各利息CF、期間年率を取得する。また、購入単位簿価計算部203は、補助記憶装置103から、実効金利を読み出す。そして、購入単位簿価計算部203は、元本のCF、各利息CF、期間年率、実効金利に基づいて、利払日の割引現在価値を下記の式(2)により計算する。購入単位簿価計算部203は、計算した割引現在価値を計算対象の約定明細に対応付けて補助記憶装置103に格納する。
続いて、購入単位簿価計算部203は、基準日の償却原価を求める。より具体的には、購入単位簿価計算部203は、補助記憶装置103から読み出した基準日直前の利払日の割引現在価値を用いて、基準日の償却原価SN Nを下記の式(3)により計算し、計算対象の約定明細に対応付けて主記憶装置102に格納する。なお、SN Nは、基準日N時点で計算したN時点の償却原価を意味している。
以上の処理により、購入単位簿価計算部203は、購入された債券等の基準日における償却原価を計算する。表406は、購入された債券等の基準日における償却原価を示す表である。
本実施形態では、債券信用判定部202は、基準日の格付から当初格付を引いた差分が設定された第1の閾値(例えば、3、4等)以下である場合、信用が相対的に変わらないこと又は改善したことを示すステージ1と判定する。債券信用判定部202は、基準日の格付から当初格付を引いた差分が第1の閾値より大きく、設定された第2の閾値(例えば、7、8等)以下である場合、ステージ1よりも信用が悪化する方向への変化が大きいことを示すステージ2と判定する。債券信用判定部202は、基準日の格付から当初格付を引いた差分が第2の閾値よりも大きい場合、ステージ2よりも信用が低いことを示すステージ3と判定する。なお、債券信用判定部202は、債務不履行等の減損の客観的証拠がある場合、信用の変化値に関わらず、ステージ3と判定する。債券信用判定部202は、例えば、外部の装置からステージ3であることを示す情報(債務不履行等の減損の客観的証拠を示す情報)を取得した場合、ステージ判定の対象の債券等をステージ3と判定する。
購入単位簿価計算部203は、以下の式(4)を用いて、信用リスク考慮後のCF(信用リスク考慮後CF)を計算する。
購入単位簿価計算部203は、計算した信用リスク考慮後CFに基づいて、以下の式(5)、式(6)を用いて、購入明細データに対応する債券等についての簿価として、基準日の予想信用損失織り込み後の償却原価を計算する。より具体的には、購入単位簿価計算部203は、計算した信用リスク考慮後CFと式(2)で計算したDFirrとに基づいて、式(5)を用いて、前回利払日における予想信用損失織り込み後の償却原価を計算する。そして、購入単位簿価計算部203は、計算した前回利払日における予想信用損失織り込み後の償却原価と、実効金利計算部201により計算された実効金利と、期間年率と、約定金利と、購入明細データの額面である元本と、次回の利払日におけるデフォルト値であるPD次回利払日と、に基づいて、式(6)を用いて、基準日における予想信用損失織り込み後の償却原価を計算する。
また、購入単位簿価計算部203は、購入単位に計算した銘柄Aの債券等の償却原価と予想信用損失織り込み後の償却原価とに基づいて、以下の式を用いて、購入単位の銘柄Aの債券等の引当金を計算する。
予想信用損失(引当金)=償却原価−予想信用損失織り込み後の償却原価
そして、移動平均簿価計算部204は、購入単位簿価計算部203により計算された引当金を、銘柄Aについて、合計し、合計した引当金の値を、ユーザにより参照される簿価管理表に出力する。
表404は、移動平均簿価計算部204により、簿価、償却原価、引当金が出力された簿価管理表の一例である。
図5の例では、制御部200は、ネットワークを介して外部の装置から表501の情報を取得することとする。そして、制御部200は、取得した表501の情報から、購入日(異動日付)、購入した債券等の額面(異動額面)、約定金額、格付の情報を取得する。
制御部200は、銘柄Aについての移動平均法による簿価管理に利用される簿価管理表502の額面の項目に、購入した債券等の額面を加算する。図5の例では、元々の簿価管理表502の額面の項目は、図4の購入が行われた後なので、10000である。そのため、制御部200は、簿価管理表502の額面の項目である10000に、購入した債券等の額面である20000を加算し、30000とする。
また、制御部200は、簿価管理表502の簿価の項目に、購入した債券等の約定金額を加算する。図5の例では、図4の簿価計算処理の後なので、元々の簿価管理表502の簿価の項目は、9996である。そのため、制御部200は、簿価管理表502の簿価の項目である9996に、購入した債券等の約定金額である19600を加算し、29596とする。
図5の例では、簿価の評価が行われる基準日は、2014年5月31日であるとする。表505は、2014年5月31日時点での、購入された債券等の購入明細データである。売却等されていないため、2014年5月31日時点における額面も、購入当初と変わらない。
購入単位簿価計算部203は、表505におけるIRRと額面とに基づいて、購入ごとに、基準日における購入された債券等の償却原価を計算する。償却原価の計算処理は、図4と同様である。表506は、計算された償却原価を示す表である。
購入単位簿価計算部203は、債券信用判定部202により判定され債券等のステージに基づいて、購入ごとに、予想信用損失織り込み後の償却原価を計算する。予想信用損失織り込み後の償却原価の計算処理は、図4と同様である。表507は、計算された予想信用損失織り込み後の償却原価を示す表である。
また、移動平均簿価計算部204は、購入単位簿価計算部203により計算された償却原価を、銘柄Aについて、合計し、計算した簿価の値を、ユーザにより参照される簿価管理表に出力する。
また、移動平均簿価計算部204は、購入単位簿価計算部203により計算された予想信用損失(引当金)を、ステージごとに、銘柄Aについて、合計し、計算したステージごとの引当金の値を、ユーザにより参照される簿価管理表に出力する。
表504は、移動平均簿価計算部204により、簿価、償却原価、引当金が出力された簿価管理表の一例である。
図6の例では、制御部200は、ネットワークを介して外部の装置から表601の情報を取得することとする。そして、制御部200は、取得した表601の情報から、売却日(異動日付)、売却した債券等の額面(異動額面)、約定金額の情報を取得する。
制御部200は、売却した債券等の額面(異動額面)を、売却原価計算部205に送信し、売却原価の計算を指示する。
そして、制御部200は、売却された債券等の約定金額を、売却損益計算部206に送信し、売却損益の計算を指示する。
売却損益計算部206は、制御部200から送信された売却された債券等の約定金額から、売却原価計算部205により計算された売却原価を引いて、売却損益を計算する。そして、売却損益計算部206は、計算した売却損益を売却異動明細表603に出力する。制御部200は、売却損益が出力された売却異動明細表603を表示部107に表示することで、ユーザに提示することができる。また、制御部200は、計算された売却損益を補助記憶装置103等に記憶することで、出力することとしてもよい。
S701において、制御部200は、入力装置106を介したユーザによる操作に基づいて、評価日を決定し、決定した評価日になると、以下の処理を行う。また、制御部200は、複数の評価日を決定した場合、評価日ごとに、以下の処理を行うことになる。また、制御部200は、決定した評価日から、設定された間隔で周期的に、以下の処理を繰り返すこととしてもよい。
S702において、制御部200は、同一銘柄の債券等の購入明細データを全て、補助記憶装置103から取得する。
S703において、制御部200は、S702で取得した購入明細データから1つ選択する。
S704において、購入単位簿価計算部203は、S703で選択された購入明細データに含まれる額面、実効金利に基づいて、S703で選択された購入明細データに対応する債券等の償却原価を計算する。償却原価の計算方法は、図4で説明した方法と同様である。
S706において、購入単位簿価計算部203は、S704で計算した償却原価から、S705で計算した予想信用損失織り込み後の償却原価を差し引くことで、S703で選択された購入明細データに対応する債券等の予想信用損失(引当金)を計算する。予想信用損失(引当金)の計算方法は、図4で説明した方法と同様である。
S704〜S706で計算された償却原価、予想信用損失織り込み後の償却原価、引当金は、購入取引単位の金融商品の管理情報である購入単位管理情報の一例である。
S707において、制御部200は、S702で取得した購入明細データの全てをS703で選択したか否かを判定する。制御部200は、S702で取得した購入明細データの全てをS703で選択したと判定した場合、S708の処理に進む。また、制御部200は、S702で取得した購入明細データの中にS703で選択していないものがあると判定した場合、S703の処理に進む。
また、移動平均簿価計算部204は、S704で計算された償却原価を合計することで、ユーザの所有する全ての銘柄の債券等の移動平均法における償却原価を取得する。
また、移動平均簿価計算部204は、S706で計算された予想信用損失を合計することで、ユーザの所有する全ての銘柄の債券等の予想信用損失(引当金)を取得する。
S709において、移動平均簿価計算部204は、S708で取得された簿価、償却原価、予想信用損失(引当金)を、ユーザにより参照される簿価管理表に出力する。そして、制御部200は、簿価管理表を、表示部107に表示することで、出力し、ユーザに提示する。また、制御部200は、S708で取得した情報を、補助記憶装置103に記憶することで出力することとしてもよい。
S801において、制御部200は、ネットワークを介して外部の装置から、ユーザにより売却された債券等の額面を取得する。
S802において、制御部200は、S801で取得した額面に対応する債券等の銘柄と同一の銘柄の債券等についての購入明細データを全て、補助記憶装置103から取得する。
S803において、売却後購入単位額面計算部207は、S802で取得された購入明細データ全ての額面を合計し、合計額面として取得する。
S804において、制御部200は、S802で取得した購入明細データから1つ選択する。
S806において、売却後購入単位額面計算部207は、S801で取得された額面にS805で取得した割合を掛けた値を、S804で選択された購入明細データの額面から差し引き、差し引いた値で、補助記憶装置103に記憶されているS804で選択された購入明細データの額面を更新する。S806の処理は、売却された額面を購入明細データの額面から差し引く差引処理の一例である。
S807において、制御部200は、S802で取得した購入明細データの全てをS804で選択したか否かを判定する。制御部200は、S802で取得した購入明細データの全てをS804で選択したと判定した場合、図8の処理を終了する。また、制御部200は、S802で取得した購入明細データの中にS804で選択していないものがあると判定した場合、S804の処理に進む。
本実施形態では、情報処理装置100は、銘柄という管理単位ごとに、債券等の購入明細データを保持し、銘柄ごとに、債券等の移動平均管理指標を取得することとした。管理単位とは、金融商品の管理の単位を示す。しかし、情報処理装置100は、銘柄に加えてIFRS分類及び、他の管理項目ごとに、債券等の購入明細データを保持し、その管理単位ごとに、債券等の移動平均管理指標を取得することとしてもよい。他の管理単位には、例えば、金融機関における部門等がある。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した情報処理装置100の機能構成の一部又は全てをハードウェアとして情報処理装置100に実装してもよい。
また、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
101 CPU
Claims (15)
- 金融商品の購入取引単位に、購入された金融商品の実効金利と購入された金融商品の額面と購入された金融商品の購入当初の信用情報とを含む購入明細データを保持する保持手段と、
前記保持手段により保持される購入明細データに含まれる実効金利と額面と購入当初の信用情報とに基づいて、基準日における金融商品の移動平均法による管理の指標である移動平均管理指標を設定された管理単位ごとに取得する第1の取得手段と、
を有する情報処理装置。 - 前記保持手段は、更に、移動平均法による金融商品の管理に利用されるデータである移動平均管理データを保持し、
前記第1の取得手段により取得された前記移動平均管理指標に基づいて、前記保持手段により保持される前記移動平均管理データを更新する更新手段を更に有する請求項1記載の情報処理装置。 - 前記第1の取得手段は、前記保持手段により保持される購入明細データに含まれる実効金利と額面と購入当初の信用情報とに基づいて、前記移動平均管理指標を前記設定された管理単位ごとに計算することで取得する請求項1又は2記載の情報処理装置。
- 前記第1の取得手段は、前記保持手段により保持される購入明細データごとに、購入明細データに含まれる実効金利と額面と格付とに基づいて、前記基準日における金融商品の管理係数を計算し、計算した管理係数を前記設定された管理単位ごとに合計することで、前記移動平均管理指標を前記設定された管理単位ごとに取得する請求項1乃至3何れか1項記載の情報処理装置。
- 前記第1の取得手段は、前記保持手段により保持される購入明細データに含まれる実効金利と額面と購入当初の信用情報とに基づいて、前記基準日における金融商品の予想信用損失織り込み後の償却原価を、前記移動平均管理指標として前記設定された管理単位ごとに取得する請求項1乃至4何れか1項記載の情報処理装置。
- 前記第1の取得手段は、前記保持手段により保持される購入明細データごとに、前記保持手段により保持される購入明細データに含まれる額面と購入当初の信用情報とに基づいて、信用リスク考慮後のキャッシュフローであるCFを取得し、取得したCFと、キャッシュフローや価額等の将来価値を現在価値等に割り引くために乗ずる係数であるDFirrと、に基づいて、式(1)を用いて、前回利払日における予想信用損失織り込み後の償却原価を計算し、計算した前回利払日における予想信用損失織り込み後の償却原価と、前記保持手段により保持される購入明細データに含まれる実効金利と額面(元本)と、約定金利と、前回利払日から前記基準日までの期間の1年の日数に対する割合である期間年率と、次回の利払日の時点におけるデフォルト値であるPD次回利払日と、に基づいて、式(2)を用いて、前記基準日における金融商品の予想信用損失織り込み後の償却原価を計算し、計算した購入明細データごとの前記基準日における金融商品の予想信用損失織り込み後の償却原価を、前記設定された管理単位ごとに合計することで、前記移動平均管理指標を前記設定された管理単位ごとに取得する請求項5記載の情報処理装置。
- 前記第1の取得手段は、前記保持手段により保持される購入明細データに含まれる実効金利と額面と購入当初の信用情報とに基づいて、前記基準日における金融商品の予想信用損失を、前記移動平均管理指標として前記設定された管理単位ごとに取得する請求項1乃至6何れか1項記載の情報処理装置。
- 前記第1の取得手段は、前記保持手段により保持される購入明細データに含まれる信用情報と、前記基準日における金融商品の信用情報と、を比較し、比較した結果に応じた取得方法を用いて、購入明細データに含まれる実効金利と額面とに基づいて、前記移動平均管理指標を前記設定された管理単位ごとに取得する請求項5乃至7何れか1項記載の情報処理装置。
- 前記第1の取得手段は、前記保持手段により保持される購入明細データに含まれる実効金利と額面と購入当初の信用情報とに基づいて、前記基準日における金融商品の償却原価を、前記移動平均管理指標として前記設定された管理単位ごとに取得する請求項1乃至8何れか1項記載の情報処理装置。
- 金融商品の売却取引が発生した際に、前記売却取引で売却された金融商品の額面を、前記保持手段により保持される前記売却取引で売却された金融商品の銘柄と同一の銘柄の金融商品の購入明細データごとに、購入明細データに含まれる額面に応じて按分し、按分した値を、前記保持手段により保持される前記売却取引で売却された金融商品の銘柄と同一の銘柄の金融商品の各購入明細データに含まれる額面から、差し引く差引手段を更に有する請求項1乃至9何れか1項記載の情報処理装置。
- 前記売却取引が発生した際に、前記売却取引で売却された金融商品の約定金額と、前記売却取引で売却された金融商品の移動平均による売却原価と、に基づいて、売却損益を取得する第2の取得手段を更に有する請求項10記載の情報処理装置。
- 金融商品の購入取引が発生した際に、前記購入取引で購入された金融商品の額面と、前記購入取引で購入された金融商品の約定金額と、に基づいて、前記購入取引で購入された金融商品の実効金利を取得し、取得した実効金利と前記購入取引で購入された金融商品の額面と前記購入取引で購入された金融商品の購入の時点における格付とを含む購入明細データを生成し、生成した購入明細データを前記保持手段に記憶する記憶制御手段を更に有する請求項1乃至11何れか1項記載の情報処理装置。
- 前記第1の取得手段により取得された前記移動平均管理指標を出力する出力手段を更に有する請求項1乃至12何れか1項記載の情報処理装置。
- 金融商品の購入取引単位に、購入された金融商品の実効金利と購入された金融商品の額面と購入された金融商品の購入当初の信用情報とを含む購入明細データを保持する保持手段を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記保持手段により保持される購入明細データに含まれる実効金利と額面と購入当初の信用情報とに基づいて、基準日における金融商品の移動平均法による管理の指標である移動平均管理指標を設定された管理単位ごとに取得する情報処理方法。 - 金融商品の購入取引単位に、購入された金融商品の実効金利と購入された金融商品の額面と購入された金融商品の購入当初の信用情報とを含む購入明細データを保持する保持手段を有するコンピュータに、
前記保持手段により保持される購入明細データに含まれる実効金利と額面と購入当初の信用情報とに基づいて、基準日における金融商品の移動平均法による管理の指標である移動平均管理指標を設定された管理単位ごとに取得する取得ステップを実行させるためのプログラム。
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