JP2018062799A - 防水シート施工用の携帯式電磁誘導加熱器 - Google Patents

防水シート施工用の携帯式電磁誘導加熱器 Download PDF

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Abstract

【課題】防水シートの施工を安楽な作業姿勢での便利良く行える携帯式の電磁誘導加熱器を提供する。
【解決手段】所要長さのケーブル(C2)を介して電磁誘導加熱装置(T)に接続使用され、防水施工面(M)に予じめ取り付け固定された導電性ディスク板(30)の表面接着剤層(29)を、これへの被覆状態に張設された防水シート(28)の上方から、電磁誘導加熱作用により溶融させて、その導電性ディスク板へ防水シートを接着一体化するための電磁誘導加熱器(A)であって、その電磁誘導加熱器の電磁誘導加熱コイルを内蔵した器体(10)から上向く設置状態にある給電スイッチ(12)の起動操作杆(22)を、その器体から作業者が立った姿勢のままで手先操作できる高さ(H2)まで背高く垂設した把手杆(25)へ、昇降自在に支持させて、作業者がその把手杆の上端部(25a)を握り持った片手の指先により、上記給電スイッチの起動操作杆を押し下げることができるように定めた。
【選択図】図10

Description

本発明は建物の陸屋根や勾配屋根、住宅のベランダやルーフバルコニーの床面、その他の防水工事として、その防水シートを防水施工面へ固定するために使う携帯式の電磁誘導加熱器に関する。
陸屋根などの屋上に防水シートを敷設する施工法として、表面に接着剤層が積層一体化されている導電性ディスク板を、コンクリートスラブの防水施工面へアンカーボルトなどにより、点在分布状態に多数取り付け固定して、その防水施工面の全体的な被覆状態に防水シートを張り、その防水シートを上方から電磁誘導加熱器によって上記ディスク板へ押し付け、その加熱器の電磁誘導作用によりディスク板を発熱させ、その発熱により上記接着剤層を溶かして、防水シートをディスク板へ接着固定する方法は、例えば特許文献1、2に記載されているとおり、従来から周知である。
特許第3787532号公報 特開2016−110825号公報
ところが、特許文献1、2に記載されている従来の電磁誘導加熱器(加熱ホルダー/携帯用誘導加熱溶着装置)は、電磁誘導加熱コイルを内蔵した円筒形であり、その円筒形器体の上面に跨がる把手を握り持って、防水シートを導電性ディスク板(導体片)へ押し付けると共に、その握り持った片手の指先によって、器体の上面(表面)又は把手の下面(裏面)にある給電スイッチ(加熱ボタン)の起動(オン)操作を行っているが、特許文献1、2の図面に記載されている作業者の姿勢状態から明白なように、作業者としては地面へひざまずきながら上記加熱操作を行わなければならない。
更に、上記加熱操作により防水シートとディスク板とを接着固定した後、別個な板やウエス、シリコンパッドなどを介在させて、上方から押し付け圧着する作業も、地面へひざまずきながら行う必要がある。
その場合、上記導電性ディスク板(導体片)は防水施工面への割付けとして、その多数の点在分布状態にあり、その1個づつについて上記押し付け加熱操作と引き続く圧着作業とを行わなければならないばかりでなく、特に屋上のコンクリートスラブは夏期の太陽熱を受けて著しく高温となり、その地面へひざまずいて作業することは、火傷を負う程過酷であるが、このような問題の解決に役立つ携帯式の電磁誘導加熱器は未だ開発されていない。
本発明は上記問題の抜本的な解決を目的としており、そのために請求項1では所要長さのケーブルを介して電磁誘導加熱装置に接続使用され、防水施工面に予じめ取り付け固定された導電性ディスク板の表面接着剤層を、これへの被覆状態に張設された防水シートの上方から、電磁誘導加熱作用により溶融させて、その導電性ディスク板へ防水シートを接着一体化するための電磁誘導加熱器であって、
その電磁誘導加熱器の電磁誘導加熱コイルを内蔵した器体から上向く設置状態にある給電スイッチの起動(オン)操作杆を、その器体から作業者が立った姿勢のままで手先操作できる高さまで背高く垂設した把手杆へ、昇降自在に支持させて、
作業者がその把手杆の上端部を握り持った片手の指先により、上記給電スイッチの起動操作杆を押し下げることができるように定めたことを特徴とする。
また、請求項2では把手杆の途中に少なくとも上下一対の起動操作杆用受け入れガイドバーを固定横架させると共に、その受け入れガイドバーへ給電スイッチの起動操作杆を昇降自在に通し込んだことを特徴とする。
更に、請求項3では器体から複数の把手杆用受け筒を一体的に垂設すると共に、その受け筒へ別個な把手杆を上方から抜き差し自在に差し込み固定したことを特徴とする。
請求項1の構成によれば、陸屋根における屋上コンクリートスラブなどの防水施工面に取り付け固定された多数の導電性ディスク板へ、その施工面全体の被覆状態に張設された防水シートを上方から電磁誘導加熱器により押し付け、その電磁誘導加熱作用により上記ディスク板の表面接着剤層を溶融させて、そのディスク板へ防水シートを接着一体化するという防水シートの施工に当り、上記電磁誘導加熱器の電磁誘導加熱コイルが内蔵された器体から、作業者が立った姿勢のままで手先操作できる高さまで背高く垂設された把手杆の上端部(握り部)を握り持って、その加熱器を防水シートの上方からディスク板へ押し付けることができ、しかもその把手杆の上端部(握り部)を握り持った片手の指先により、給電スイッチ(加熱ボタン)の起動(オン)操作杆を押し下げて、その給電スイッチを起動(オン)させることができるため、冒頭に述べた従来技術のように作業者が防水施工面へひざまずく必要なく、極めて安楽な作業姿勢のもとで、確実に給電スイッチの起動操作を行える効果がある。
その場合、請求項2の構成を採用するならば、電磁誘導加熱器の器体から背高く垂立する把手杆へ、給電スイッチの起動操作杆を確実に安定良く支持(軸受け)させることができ、その給電スイッチに対する起動操作杆の押し下げを円滑に行える効果がある。
更に、請求項3の構成を採用するならば、その背高く垂立する把手杆を器体側の把手杆用受け筒から抜き出して、小型コンパクトに分解・梱包することができ、便利でもある。
本発明に係る携帯式電磁誘導加熱器と電磁誘導加熱装置との接続状態を示す斜面図である。 その携帯式電磁誘導加熱器を抽出して示す斜面図である。 図2の正面図である。 図3の側面図である。 電磁誘導加熱器の器体側から把手杆を抜き出した状態の分解斜面図である。 図3の部分拡大平面図である。 図3の拡大正面図である。 図7の8−8線断面図である。 図8の9−9線断面図である。 電磁誘導加熱器の使用による防水シートの施工作業状況を示す側面図である。 ディスク板に防水シートを接着一体化した施工状態の部分拡大断面図である。 加熱操作後に使う圧着治具を抽出して示す正面図である。 その圧着治具によって防水シートをディスク板へ押し付けた状態の拡大断面図である。 図8に対応するベースプレートの変形実施形態を示す断面図である。 図1に対応する把手杆の変形実施形態を示す斜面図である。
以下、図面に基いて本発明の好適な実施形態を説明すると、その本発明に係る携帯式の電磁誘導加熱器(A)は図1に示す如く、高周波電磁誘導加熱装置(T)と比較的短かい所要長さの2次ケーブル(C2)を介して接続使用され、その加熱装置(T)によって給電・制御されるようになっている。
つまり、電磁誘導加熱器(A)は高さ(例えば約70mm)よりも大きな寸法の直径(例えば約105mm)を備えた円筒形の器体(10)に、図外の電磁誘導加熱コイルが内蔵されたものであり、その器体(10)の上面(上蓋)(11)から露出している給電スイッチ(加熱ボタン)(12)を押し下げ起動させれば、上記電磁誘導加熱装置(T)から電磁誘導加熱器(A)の加熱コイルに給電されることとなる。(13)は上記器体(10)の上面(上蓋)(11)に露出する加熱中の表示ランプ、(14)は器体(10)の下面(押圧面)に設置された耐熱性のシリコンゴムである。
上記電磁誘導加熱装置(T)は引き廻しや手提げ、肩掛け、背負いなどの方法により移動できるケーシング(15)を備え、その内部に電源回路や加熱制御回路などを組み込んだものであり、比較的長い所要長さの1次ケーブル(C1)を介して商用電源に接続されることは言うまでもない。尚、そのケーシング(15)の表面には電源ランプや加熱中の表示ランプ、電源スイッチ、出力切替えスイッチ、温度表示器などが並列設置されているが、これらは図示省略してある。
本発明では上記電磁誘導加熱器(A)の給電スイッチ(12)を作業者が立った姿勢状態のままで起動(スイッチオン)操作できるように、その加熱器(A)の器体(10)へ次の特殊な構成を後付けしている。
即ち、上記電磁誘導加熱器(A)の全体を示した図2〜5と、その部分を抽出拡大して示した図6〜9から明白なように、その加熱器(A)の円筒形をなす器体(10)の上面(上蓋)(11)には、比較的厚肉な金属(好ましくはアルミ)のべースプレート(16)が載置されており、これからは向かい合う一対の把手杆用受け筒(17)が、一定高さ(H1)(例えば約100mm)だけ一体的に垂設されている。把手杆用受け筒(17)はべースプレート(16)と同じ金属のパイプとして、そのべースプレート(16)に溶接されているのである。しかも、その各受け筒(17)内の底部にはナット(18)が回動不能に埋設一体化されている。
そして、上記器体(10)の内側(下側)から図9のように上面(上蓋)(11)を貫通して、ナット(18)へ螺合締結された固定ボルト(19)により、上記把手杆用受け筒(17)のべースプレート(16)が器体(10)の上面(上蓋)(11)に取り付け固定されている。そのべースプレート(16)は図示実施形態の場合、器体(10)における上面(上蓋)(11)の直径線上を横断しているだけでなく、その途中からU字形に張り出す一部のフランジ片(16a)が図6、8のように、上記給電スイッチ(12)を包囲する状態にある。但し、そのフランジ片(16a)は無くても良い。
上記把手杆用受け筒(17)の一対は平行状態に垂立しており、その上端部には給電スイッチ(12)の起動操作杆用受け入れガイドバー(20)が水平に固定横架されている。そのガイドバー(20)は上記把手杆用受け筒(17)と同じ金属のプレートとして、その両受け筒(17)の連結状態に溶接されたものであるが、上記べースプレート(16)とほぼ同じ平面輪郭形状をなし、その途中から上記べースプレート(16)のフランジ片(16a)と対応位置するよう同じU字形に張り出す一部のフランジ片(20a)には、給電スイッチ(12)の起動操作杆用受け入れ孔(21)が開口形成されている。その受け入れ孔(21)に給電スイッチ(12)の起動操作杆(22)が通し込まれることとなる。
(23)は上記把手杆用受け筒(17)の中途高さ位置に内側から各々溶接された向かい合う一対の固定ナットであり、その固定ナット(23)へ内側から進退操作自在に螺合締結される蝶ボルト(24)の先端部によって、把手杆(25)を抜け止め状態に押圧するが、その蝶ボルト(24)を螺退操作して、把手杆(25)をその受け筒(17)から上方へ抜き出すこともできる。
更に言えば、その把手杆(25)を抜き出した後に残る把手杆用受け筒(17)の水平な起動操作杆用受け入れガイドバー(20)を握り持って、電磁誘導加熱器(A)を後述する防水シートの上方からディスク板へ押し付け加熱することも可能である。
その場合、蝶ボルト(24)が採用されているため、特別の回動工具を用いることなく、片手で直かに便利良く回動操作することができ、またその蝶ボルト(24)と固定ナット(23)は上記把手杆用受け筒(17)の内側に設置されており、その受け筒(17)の外側に張り出さないため、万一電磁誘導加熱器(A)が転倒したとしても、後述の防水シートを破損するおそれがない。
上記把手杆(25)はその受け筒(17)と同じ金属のパイプから、図5のような一定の高さ(H2)(例えば約830mm)を有する細長い倒立U字形に屈曲形成されており、その切り離し両端下部が上記受け筒(17)の一対へ、上方から抜き差し自在に差し込まれた後、上記蝶ボルト(24)の押圧により抜け止め状態に固定されている。
上記倒立U字形の屈曲中途部をなす把手杆(25)の上端部は握り部(25a)として、その受け筒(17)に対する把手杆(25)の差し込み垂立された設置状態において、作業者が立った姿勢のままで安楽に握り持てる地上高さ(H3)(例えば約930mm)にある。
(26)はその把手杆(25)の握り部(25a)から一定距離(D)(例えば約100mm)だけ低く下がった中途高さ位置に固定横架された水平な起動操作杆用受け入れガイドバーであって、上記把手杆用受け筒(17)側の水平な起動操作杆用受け入れガイドバー(20)と同じ平面輪郭形状と同じ金属のプレートから成り、その途中からU字形に張り出す一部のフランジ片(26a)にも起動操作杆(22)の受け入れ孔(27)が開口されている。
そして、その把手杆(25)における起動操作杆用受け入れガイドバー(26)の受け入れ孔(27)と、上記把手杆用受け筒(17)における起動操作杆用受け入れガイドバー(20)の受け入れ孔(21)との上下一対に対して、上記把手杆(25)とほぼ同じ背丈(長さ)(H4)(先に例示した約830mm)の起動操作杆(22)が通し込み垂立されている。
つまり、給電スイッチ(12)の起動(オン)操作杆(22)は上記受け入れガイドバー(26)(20)の上下一対によって、安定良く昇降自在に支持されており、その下端部が給電スイッチ(12)の表面(上面)へ正確に接触し得ると共に、同じく起動操作杆(22)の上端部が把手杆(25)の握り部(25a)を握り持った片手の指先によって、押し下げ得る位置関係にある。
尚、上記起動操作杆用受け入れガイドバー(26)(20)の途中から張り出す一部のフランジ片(26a)(20a)は、何れも平面視のU字形を呈しているため、万一電磁誘導加熱器(A)が転倒したとしても、そのフランジ片(26a)(20a)によって防水シートを破損するおそれはない。
上記携帯式の電磁誘導加熱器(A)は例えば陸屋根における屋上のコンクリートスラブを防水施工面(M)として、その防水施工面(M)へ防水シート(28)を敷設するために使用されるものであり、その防水シート(28)の施工に当っては図10、11のように、熱可塑性樹脂から成るホットメルト接着剤層(29)が表面に積層一体化された導電性金属ディスク板(30)の多数を防水施工面(M)へ、所定に割付けられた点在分布状態として、アンカーボルト(31)などにより取り付け固定する。
他方、塩化ビニールシートなどの防水シート(28)を上記防水施工面(M)と対応する大きさ・平面輪郭形状に作成準備して、その防水施工面(M)の全体へ上記ディスク板(30)の被覆状態に張設し、その防水シート(28)の上方からディスク板(30)へ電磁誘導加熱器(A)を押し付けるのである。
その押し付け作業は点在分布する上記ディスク板(30)の1個づつについて行わなければならないが、その場合作業者としては防水施工面(M)へ立った安楽な姿勢のままで、その電磁誘導加熱器(A)の器体(10)から背高く垂立している把手杆(25)の握り部(25a)を片手で握り持ちながら、確実に押え付けることができ、しかもその握り持った片手の指先により給電スイッチ(12)の起動(オン)操作杆(22)を押し下げて、図外の電磁誘導加熱コイルへ給電することができるのであり、冒頭に述べた従来技術のように、地面へひざまずいて加熱作業を行う必要はない。
何れにしても、電磁誘導加熱器(A)の電磁誘導加熱コイルへ給電すれば、その加熱コイルは交番電流により励磁され、その発生磁界の電磁誘導作用により、上記ディスク板(30)に渦電流が流れる。その渦電流によってジュール熱が発生し、ディスク板(30)自身が発熱して、その溶融された接着剤層(29)により、防水シート(28)がディスク板(30)へ接着一体化されることになる。
上記給電スイッチ(12)の起動(オン)操作による電磁誘導加熱コイルの加熱作用中は、これを電磁誘導加熱器(A)における上記表示ランプ(13)の点灯によって知ることができ、その予じめ設定された加熱(給電)時間(例えば約1〜2秒)が経過して、その表示ランプ(13)が消灯したならば、防水シート(28)の接着し終った直後のディスク板(30)へ、別個な自立型の圧着治具(W)を載置させて、その言わば文鎮としての押し付け力により、そのディスク板(30)に対する防水シート(28)の接着状態を安定・強固に保つ。
上記圧着治具(W)は図12、13に示す如く、重錘(例えば約950g)となる質量の大きな金属円盤(32)と、その中心部から作業者が立った姿勢のままで持ち運びできる一定高さ(H5)(例えば約750mm)まで背高く垂立する支柱棒(33)とを備え、その支柱棒(33)の上端部を提げ手(34)として、片手での持ち運びを行えるようになっているため、上記電磁誘導加熱器(A)による押し付け加熱操作に引き続く圧着作業も、地面へひざまずくことなく立った姿勢状態での安楽に行うことができるのである。
その場合、図示実施形態の圧着治具(W)ではその支柱棒(33)が上下両端部に雄ネジを有する一定な長さ(背丈)の鉄棒として、その上端部に提げ手(34)となる金属製のアイナットが、着脱自在に螺合締結されている一方、同じく鉄棒の下端部が金属円盤(32)の中心部に溶接された固定ナット(35)へ、やはり着脱自在に螺合されており、安定良く自立した状態を保てるようになっている。その全体の重量は一例として約1.5Kgであるが、これを分解・梱包することもできる。
図1〜10に示した上記実施形態の携帯式電磁誘導加熱器(A)では、把手杆(25)を一定高さ(H2)の細長い倒立U字形に屈曲形成して、その切り離し両端下部を器体(10)側から垂立する対応的な一対の把手杆用受け筒(17)へ、抜き差し自在に差し込み固定するようになっており、これによれば電磁誘導加熱器(A)とその把手杆(25)とを分解・梱包できる利点があるが、その抜き差し不能な把手杆(25)として、上記器体(10)の上面(上蓋)(11)に取り付け固定されたべースプレート(16)から、上記一定の高さ(H2)まで一体的に背高く垂設しても良い。
その場合、上記把手杆用受け筒(17)側の起動操作杆用受け入れガイドバー(20)はこれを把手杆(25)側の下端部へ、その把手杆(25)における上記起動操作杆用受け入れガイドバー(26)との上下一対をなすように、取り付け固定して、その両起動操作杆用受け入れ孔(27)(21)へ起動操作杆(22)を通し込み垂立させれば良い。
また、上記把手杆(25)又は把手杆用受け筒(17)を垂設するベースとなるプレート(16)として、器体(10)側の給電スイッチ(12)を包囲す状態のU字形フランジ片(16a)が張り出された平面形状を説示したが、その図8と対応する図14の変形実施形態から明白なように、給電スイッチ(12)や表示ランプ(13)の逃し口(36)が切り欠かれた単純な平面形状を採用しても良い。
更に、図1と対応する図15の別な変形実施形態に示す如く、上記べースプレート(16)から1個の把手杆用受け筒(17)を垂設して、これに上方から1個の把手杆(25)を好ましくは抜き差し自在に差し込み垂立させ、その上端部の握り部(25a)を握り持った片手の指先によって、給電スイッチ(12)の起動(オン)操作杆(22)を押し下げ操作できるように定めても良く、その把手杆(25)の個数やこれによる起動操作杆(22)の支持(軸受け)構造は、図示以外のそれとして自由に設定することができる。
要するに、給電スイッチ(12)を備えた電磁誘導加熱器(A)の把手杆(25)が、作業者の立った姿勢のままで握り持てる一定の地上高さまで垂設されており、その把手杆(25)に支持された給電スイッチ用起動(オン)操作杆(22)を、上記把手杆(25)の握り部(25a)を握り持った片手の指先によって押し下げ操作し、給電スイッチ(12)を起動(オン)させ得る構成であれば、本発明の特許請求の範囲に記載された範疇に属する。
(10)・器体
(11)・上面(上蓋)
(12)・給電スイッチ
(13)・表示ランプ
(14)・シリコンゴム
(15)・ケーシング
(16)・べースプレート
(16a)(20a)(26a)・フランジ片
(17)・把手杆用受け筒
(18)・ナット
(19)・固定ボルト
(20)(26)・起動操作杆用受け入れガイドバー
(21)(27)・起動操作杆用受け入れ孔
(22)・起動操作杆
(23)・固定ナット
(24)・蝶ボルト
(25)・把手杆
(28)・防水シート
(29)・接着剤層
(30)・ディスク板
(31)・アンカーボルト
(32)・金属円盤
(33)・支持棒
(34)・提げ手
(35)・固定ナット
(36)・逃し口
(A)・電磁誘導加熱器
(C1)・1次ケーブル
(C2)・2次ケーブル
(M)・防水施工面
(T)・高周波電磁誘導加熱装置
(W)・圧着治具
本発明は建物の陸屋根や勾配屋根、住宅のベランダやルーフバルコニーの床面、その他の防水工事として、その防水シートを防水施工面へ固定するために使う携帯式の電磁誘導加熱器に関する。
陸屋根などの屋上に防水シートを敷設する施工法として、表面に接着剤層が積層一体化されている導電性ディスク板を、コンクリートスラブの防水施工面へアンカーボルトなどにより、点在分布状態に多数取り付け固定して、その防水施工面の全体的な被覆状態に防水シートを張り、その防水シートを上方から電磁誘導加熱器によって上記ディスク板へ押し付け、その加熱器の電磁誘導作用によりディスク板を発熱させ、その発熱により上記接着剤層を溶かして、防水シートをディスク板へ接着固定する方法は、例えば特許文献1、2に記載されているとおり、従来から周知である。
特許第3787532号公報 特開2016−110825号公報
ところが、特許文献1、2に記載されている従来の電磁誘導加熱器(加熱ホルダー/携帯用誘導加熱溶着装置)は、電磁誘導加熱コイルを内蔵した円筒形であり、その円筒形器体の上面に跨がる把手を握り持って、防水シートを導電性ディスク板(導体片)へ押し付けると共に、その握り持った片手の指先によって、器体の上面(表面)又は把手の下面(裏面)にある給電スイッチ(加熱ボタン)の起動(オン)操作を行っているが、特許文献1、2の図面に記載されている作業者の姿勢状態から明白なように、作業者としては地面へひざまずきながら上記加熱操作を行わなければならない。
更に、上記加熱操作により防水シートとディスク板とを接着固定した後、別個な板やウエス、シリコンパッドなどを介在させて、上方から押し付け圧着する作業も、地面へひざまずきながら行う必要がある。
その場合、上記導電性ディスク板(導体片)は防水施工面への割付けとして、その多数の点在分布状態にあり、その1個づつについて上記押し付け加熱操作と引き続く圧着作業とを行わなければならないばかりでなく、特に屋上のコンクリートスラブは夏期の太陽熱を受けて著しく高温となり、その地面へひざまずいて作業することは、火傷を負う程過酷であるが、このような問題の解決に役立つ携帯式の電磁誘導加熱器は未だ開発されていない。
本発明は上記問題の抜本的な解決を目的としており、そのために請求項1では所要長さのケーブルを介して電磁誘導加熱装置に接続使用され、防水施工面に予じめ取り付け固定された導電性ディスク板の表面接着剤層を、これへの被覆状態に張設された防水シートの上方から、電磁誘導加熱作用により溶融させて、その導電性ディスク板へ防水シートを接着一体化するための電磁誘導加熱器であって、
その電磁誘導加熱コイルを内蔵した円筒形の器体と、
その器体の上面から露出する給電スイッチと、
同じく上面の直径線上を横断する状態に取り付け固定されたベースプレートと、
そのベースプレートから一定高さだけ一体的に垂設された向かい合う一対の把手杆用受け筒と、
その両受け筒の上端部へ水平に固定横架された上記給電スイッチの起動操作杆用受け入れガイドバーと、
細長い倒立U字形に屈曲する金属パイプの切り離し両端下部が、向かい合う一対の上記受け筒へ上方から抜き差し自在に差し込み固定された把手杆と、
その把手杆における作業者が立った姿勢のままで手先操作できる地上高さにある屈曲握り部となる上端部から、一定距離だけ低く下がった中途高さ位置へ、水平に固定横架された上記給電スイッチの起動操作杆用受け入れガイドバーと、
その起動操作杆用受け入れガイドバーと上記起動操作杆用受け入れガイドバーとの上下一対へ、昇降自在に通し込み垂立された上記給電スイッチの起動操作杆とを備え、
作業者が電磁誘導加熱器を上記防水シートの上方から導電性ディスク板へ押し付けるために、その把手杆の屈曲握り部を握り持った片手の指先により、上記給電スイッチの起動操作杆を押し下げて加熱することができるように定めたことを特徴とする。
また、請求項2では上側の起動操作杆用受け入れガイドバーと下側の起動操作杆用受け入れガイドバーとから、互いに対応位置する平面視のU字形フランジ片を各々部分的に張り出すと共に、
その張り出したフランジ片に各々起動操作杆用受け入れ孔を開口形成して、その両受け入れ孔へ上方から通し込み垂立された起動操作杆の下端部を、給電スイッチの表面へ接触させるように定めたことを特徴とする。
更に、請求項3では両把手杆用受け筒の中途高さ位置へ、その向かい合う内側から固定ナットを各々溶接すると共に、
その固定ナットへ同じく内側から各々進退操作自在に螺合締結した蝶ボルトの先端部によって、把手杆をその受け筒からの抜け止め状態に押圧したことを特徴とする。
請求項1の構成によれば、陸屋根における屋上コンクリートスラブなどの防水施工面に取り付け固定された多数の導電性ディスク板へ、その施工面全体の被覆状態に張設された防水シートを上方から電磁誘導加熱器により押し付け、その電磁誘導加熱作用により上記ディスク板の表面接着剤層を溶融させて、そのディスク板へ防水シートを接着一体化するという防水シートの施工に当り、上記電磁誘導加熱器の電磁誘導加熱コイルが内蔵された器体から、作業者が立った姿勢のままで手先操作できる高さまで背高く垂設された把手杆の上端部(握り部)を握り持って、その加熱器を防水シートの上方からディスク板へ押し付けることができ、しかもその把手杆の上端部(握り部)を握り持った片手の指先により、給電スイッチ(加熱ボタン)の起動(オン)操作杆を押し下げて、その給電スイッチを起動(オン)させることができるため、冒頭に述べた従来技術のように作業者が防水施工面へひざまずく必要なく、極めて安楽な作業姿勢のもとで、確実に給電スイッチの起動操作を行える効果がある。
また、把手杆はその受け筒へ上方から抜き差し自在に差し込み固定されるようになっているため、作業者が立った姿勢のままで電磁誘導加熱器の押し付け加熱操作を行えない狭い作業空間であるような場合には、その背高く垂立する把手杆を器体側の把手杆用受け筒から抜き出して、残る把手杆用受け筒の水平な起動操作杆用受け入れガイドバーを握り持つことにより、その電磁誘導加熱器の押し付け加熱操作を行うことも可能となるほか、小型コンパクトに分解・梱包できる利便性も得られる。
その場合、請求項2の構成を採用するならば、電磁誘導加熱器の器体から背高く垂立する把手杆へ、給電スイッチの起動操作杆を確実に安定良く支持(軸受け)させることができ、その給電スイッチに対する起動操作杆の押し下げを円滑に行える効果がある。
しかも、上下一対の起動操作杆用受け入れガイドバーから部分的に張り出すフランジ片は、何れも平面視のU字形を呈しているため、万一電磁誘導加熱器が転倒したとしても、そのフランジ片によって防水シートを破損するおそれはない。
更に、請求項3の構成を採用するならば、蝶ボルトが採用されているため、特別の回動工具を用いることなく、その蝶ボルトを片手で直かに便利良く回動操作することができ、またその蝶ボルトと固定ナットは把手杆用受け筒の内側に設置されており、その受け筒の外側に張り出さないため、万一電磁誘導加熱器が転倒したとしても、防水シートを破損するおそれはない。
本発明に係る携帯式電磁誘導加熱器と電磁誘導加熱装置との接続状態を示す斜面図である。 その携帯式電磁誘導加熱器を抽出して示す斜面図である。 図2の正面図である。 図3の側面図である。 電磁誘導加熱器の器体側から把手杆を抜き出した状態の分解斜面図である。 図3の部分拡大平面図である。 63の拡大正面図である。 図7の8−8線断面図である。 図8の9−9線断面図である。 把手杆の抜き出し除去された別な使用状況を示す示す側面図である。 電磁誘導加熱器の使用による防水シートの施工作業状況を示す側面図である。 ディスク板に防水シートを接着一体化した施工状態の部分拡大断面図である。 加熱操作後に使う圧着治具を抽出して示す正面図である。 その圧着治具によって防水シートをディスク板へ押し付けた状態の拡大断面図である。
以下、図面に基いて本発明の好適な実施形態を説明すると、その本発明に係る携帯式の電磁誘導加熱器(A)は図1に示す如く、高周波電磁誘導加熱装置(T)と比較的短かい所要長さの2次ケーブル(C2)を介して接続使用され、その加熱装置(T)によって給電・制御されるようになっている。
つまり、電磁誘導加熱器(A)は高さ(例えば約70mm)よりも大きな寸法の直径(例えば約105mm)を備えた円筒形の器体(10)に、図外の電磁誘導加熱コイルが内蔵されたものであり、その器体(10)の上面(上蓋)(11)から露出している給電スイッチ(加熱ボタン)(12)を押し下げ起動させれば、上記電磁誘導加熱装置(T)から電磁誘導加熱器(A)の加熱コイルに給電されることとなる。(13)は上記器体(10)の上面(上蓋)(11)に露出する加熱中の表示ランプ、(14)は器体(10)の下面(押圧面)に設置された耐熱性のシリコンゴムである。
上記電磁誘導加熱装置(T)は引き廻しや手提げ、肩掛け、背負いなどの方法により移動できるケーシング(15)を備え、その内部に電源回路や加熱制御回路などを組み込んだものであり、比較的長い所要長さの1次ケーブル(C1)を介して商用電源に接続されることは言うまでもない。尚、そのケーシング(15)の表面には電源ランプや加熱中の表示ランプ、電源スイッチ、出力切替えスイッチ、温度表示器などが並列設置されているが、これらは図示省略してある。
本発明では上記電磁誘導加熱器(A)の給電スイッチ(12)を作業者が立った姿勢状態のままで起動(スイッチオン)操作できるように、その加熱器(A)の器体(10)へ次の特殊な構成を後付けしている。
即ち、上記電磁誘導加熱器(A)の全体を示した図2〜5と、その部分を抽出拡大して示した図6〜9から明白なように、その加熱器(A)の円筒形をなす器体(10)の上面(上蓋)(11)には、比較的厚肉な金属(好ましくはアルミ)のべースプレート(16)が載置されており、これからは向かい合う一対の把手杆用受け筒(17)が、一定高さ(H1)(例えば約100mm)だけ一体的に垂設されている。把手杆用受け筒(17)はべースプレート(16)と同じ金属のパイプとして、そのべースプレート(16)に溶接されているのである。しかも、その各受け筒(17)内の底部にはナット(18)が回動不能に埋設一体化されている。
そして、上記器体(10)の内側(下側)から図9のように上面(上蓋)(11)を貫通して、ナット(18)へ螺合締結された固定ボルト(19)により、上記把手杆用受け筒(17)のべースプレート(16)が器体(10)の上面(上蓋)(11)に取り付け固定されている。そのべースプレート(16)は図示実施形態の場合、器体(10)における上面(上蓋)(11)の直径線上を横断しているだけでなく、その途中からU字形に張り出す一部のフランジ片(16a)が図6、8のように、上記給電スイッチ(12)を包囲する状態にある。
上記把手杆用受け筒(17)の一対は平行状態に垂立しており、その上端部には給電スイッチ(12)の起動操作杆用受け入れガイドバー(20)が水平に固定横架されている。そのガイドバー(20)は上記把手杆用受け筒(17)と同じ金属のプレートとして、その両受け筒(17)の連結状態に溶接されたものであるが、上記べースプレート(16)とほぼ同じ平面輪郭形状をなし、その途中から上記べースプレート(16)のフランジ片(16a)と対応位置するよう同じU字形に張り出す一部のフランジ片(20a)には、給電スイッチ(12)の起動操作杆用受け入れ孔(21)が開口形成されている。その受け入れ孔(21)に給電スイッチ(12)の起動操作杆(22)が通し込まれることとなる。
(23)は上記把手杆用受け筒(17)の中途高さ位置に内側から各々溶接された向かい合う一対の固定ナットであり、その固定ナット(23)へ内側から進退操作自在に螺合締結される蝶ボルト(24)の先端部によって、把手杆(25)を抜け止め状態に押圧するが、その蝶ボルト(24)を螺退操作して、把手杆(25)をその受け筒(17)から上方へ抜き出すこともできる。
更に言えば、図10の別な使用状況から示唆されるように、その把手杆(25)を抜き出した後に残る把手杆用受け筒(17)の水平な起動操作杆用受け入れガイドバー(20)を握り持って、電磁誘導加熱器(A)を後述する防水シートの上方からディスク板へ押し付け加熱することも可能である。
その場合、蝶ボルト(24)が採用されているため、特別の回動工具を用いることなく、片手で直かに便利良く回動操作することができ、またその蝶ボルト(24)と固定ナット(23)は上記把手杆用受け筒(17)の内側に設置されており、その受け筒(17)の外側に張り出さないため、万一電磁誘導加熱器(A)が転倒したとしても、後述の防水シートを破損するおそれがない。
上記把手杆(25)はその受け筒(17)と同じ金属のパイプから、図5のような一定の高さ(H2)(例えば約830mm)を有する細長い倒立U字形に屈曲形成されており、その切り離し両端下部が上記受け筒(17)の一対へ、上方から抜き差し自在に差し込まれた後、上記蝶ボルト(24)の押圧により抜け止め状態に固定されている。
上記倒立U字形の屈曲中途部をなす把手杆(25)の上端部は握り部(25a)として、その受け筒(17)に対する把手杆(25)の差し込み垂立された設置状態において、作業者が立った姿勢のままで安楽に握り持てる地上高さ(H3)(例えば約930mm)にある。
(26)はその把手杆(25)の握り部(25a)から一定距離(D)(例えば約100mm)だけ低く下がった中途高さ位置に固定横架された水平な起動操作杆用受け入れガイドバーであって、上記把手杆用受け筒(17)側の水平な起動操作杆用受け入れガイドバー(20)と同じ平面輪郭形状と同じ金属のプレートから成り、その途中からU字形に張り出す一部のフランジ片(26a)にも起動操作杆(22)の受け入れ孔(27)が開口されている。
そして、その把手杆(25)における起動操作杆用受け入れガイドバー(26)の受け入れ孔(27)と、上記把手杆用受け筒(17)における起動操作杆用受け入れガイドバー(20)の受け入れ孔(21)との上下一対に対して、上記把手杆(25)とほぼ同じ背丈(長さ)(H4)(先に例示した約830mm)の起動操作杆(22)が通し込み垂立されている。
つまり、給電スイッチ(12)の起動(オン)操作杆(22)は上記受け入れガイドバー(26)(20)の上下一対によって、安定良く昇降自在に支持されており、その下端部が給電スイッチ(12)の表面(上面)へ正確に接触し得ると共に、同じく起動操作杆(22)の上端部が把手杆(25)の握り部(25a)を握り持った片手の指先によって、押し下げ得る位置関係にある。
尚、上記起動操作杆用受け入れガイドバー(26)(20)の途中から張り出す一部のフランジ片(26a)(20a)は、何れも平面視のU字形を呈しているため、万一電磁誘導加熱器(A)が転倒したとしても、そのフランジ片(26a)(20a)によって防水シートを破損するおそれはない。
上記携帯式の電磁誘導加熱器(A)は例えば陸屋根における屋上のコンクリートスラブを防水施工面(M)として、その防水施工面(M)へ防水シート(28)を敷設するために使用されるものであり、その防水シート(28)の施工に当っては図11、12のように、熱可塑性樹脂から成るホットメルト接着剤層(29)が表面に積層一体化された導電性金属ディスク板(30)の多数を防水施工面(M)へ、所定に割付けられた点在分布状態として、アンカーボルト(31)などにより取り付け固定する。
他方、塩化ビニールシートなどの防水シート(28)を上記防水施工面(M)と対応する大きさ・平面輪郭形状に作成準備して、その防水施工面(M)の全体へ上記ディスク板(30)の被覆状態に張設し、その防水シート(28)の上方からディスク板(30)へ電磁誘導加熱器(A)を押し付けるのである。
その押し付け作業は点在分布する上記ディスク板(30)の1個づつについて行わなければならないが、その場合作業者としては防水施工面(M)へ立った安楽な姿勢のままで、その電磁誘導加熱器(A)の器体(10)から背高く垂立している把手杆(25)の握り部(25a)を片手で握り持ちながら、確実に押え付けることができ、しかもその握り持った片手の指先により給電スイッチ(12)の起動(オン)操作杆(22)を押し下げて、図外の電磁誘導加熱コイルへ給電することができるのであり、冒頭に述べた従来技術のように、地面へひざまずいて加熱作業を行う必要はない。
何れにしても、電磁誘導加熱器(A)の電磁誘導加熱コイルへ給電すれば、その加熱コイルは交番電流により励磁され、その発生磁界の電磁誘導作用により、上記ディスク板(30)に渦電流が流れる。その渦電流によってジュール熱が発生し、ディスク板(30)自身が発熱して、その溶融された接着剤層(29)により、防水シート(28)がディスク板(30)へ接着一体化されることになる。
上記給電スイッチ(12)の起動(オン)操作による電磁誘導加熱コイルの加熱作用中は、これを電磁誘導加熱器(A)における上記表示ランプ(13)の点灯によって知ることができ、その予じめ設定された加熱(給電)時間(例えば約1〜2秒)が経過して、その表示ランプ(13)が消灯したならば、防水シート(28)の接着し終った直後のディスク板(30)へ、別個な自立型の圧着治具(W)を載置させて、その言わば文鎮としての押し付け力により、そのディスク板(30)に対する防水シート(28)の接着状態を安定・強固に保つ。
上記圧着治具(W)は図13、14に示す如く、重錘(例えば約950g)となる質量の大きな金属円盤(32)と、その中心部から作業者が立った姿勢のままで持ち運びできる一定高さ(H5)(例えば約750mm)まで背高く垂立する支柱棒(33)とを備え、その支柱棒(33)の上端部を提げ手(34)として、片手での持ち運びを行えるようになっているため、上記電磁誘導加熱器(A)による押し付け加熱操作に引き続く圧着作業も、地面へひざまずくことなく立った姿勢状態での安楽に行うことができるのである。
その場合、図示実施形態の圧着治具(W)ではその支柱棒(33)が上下両端部に雄ネジを有する一定な長さ(背丈)の鉄棒として、その上端部に提げ手(34)となる金属製のアイナットが、着脱自在に螺合締結されている一方、同じく鉄棒の下端部が金属円盤(32)の中心部に溶接された固定ナット(35)へ、やはり着脱自在に螺合されており、安定良く自立した状態を保てるようになっている。その全体の重量は一例として約1.5Kgであるが、これを分解・梱包することもできる。
(10)・器体
(11)・上面(上蓋)
(12)・給電スイッチ
(13)・表示ランプ
(14)・シリコンゴム
(15)・ケーシング
(16)・べースプレート
(16a)(20a)(26a)・フランジ片
(17)・把手杆用受け筒
(18)・ナット
(19)・固定ボルト
(20)(26)・起動操作杆用受け入れガイドバー
(21)(27)・起動操作杆用受け入れ孔
(22)・起動操作杆
(23)・固定ナット
(24)・蝶ボルト
(25)・把手杆
(28)・防水シート
(29)・接着剤層
(30)・ディスク板
(31)・アンカーボルト
(32)・金属円盤
(33)・支持棒
(34)・提げ手
(35)・固定ナット
(A)・電磁誘導加熱器
(C1)・1次ケーブル
(C2)・2次ケーブル
(M)・防水施工面
(T)・高周波電磁誘導加熱装置
(W)・圧着治具

Claims (3)

  1. 所要長さのケーブルを介して電磁誘導加熱装置に接続使用され、防水施工面に予じめ取り付け固定された導電性ディスク板の表面接着剤層を、これへの被覆状態に張設された防水シートの上方から、電磁誘導加熱作用により溶融させて、その導電性ディスク板へ防水シートを接着一体化するための電磁誘導加熱器であって、
    その電磁誘導加熱器の電磁誘導加熱コイルを内蔵した器体から上向く設置状態にある給電スイッチの起動操作杆を、その器体から作業者が立った姿勢のままで手先操作できる高さまで背高く垂設した把手杆へ、昇降自在に支持させて、
    作業者がその把手杆の上端部を握り持った片手の指先により、上記給電スイッチの起動操作杆を押し下げることができるように定めたことを特徴とする防水シート施工用の携帯式電磁誘導加熱器。
  2. 把手杆の途中に少なくとも上下一対の起動操作杆用受け入れガイドバーを固定横架させると共に、その受け入れガイドバーへ給電スイッチの起動操作杆を昇降自在に通し込んだことを特徴とする請求項1記載の防水シート施工用の携帯式電磁誘導加熱器。
  3. 器体から複数の把手杆用受け筒を一体的に垂設すると共に、その受け筒へ別個な把手杆を上方から抜き差し自在に差し込み固定したことを特徴とする請求項1記載の防水シート施工用の携帯式電磁誘導加熱器。
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