JP2018062756A - 床面式表示器 - Google Patents

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【課題】注意喚起効果が高く、設置作業時間を大幅に短縮すると同時に、安価に設置することが可能な床面式表示器を提供する。【解決手段】既存のプラットホームの上に直接載置する平面状の載置部2と、この載置部2の一方端部から下方に延在する円筒状の埋設部3と、埋設部3の上部にあって載置部2の凹部2cに固定する発光部4とから構成されている。発光部4の表面には、凹部2cの他方の端部側に発光する発光本体部4aが設けられている。この発光本体部4aは、複数のLED素子を凹部2cの短辺に沿ってライン状に配置したものであり、発光方向を水平方向としている。発光部4からの水平上の光を凹部2cの白色シート層及び光反射層により、上方の導光板部2fから面発光を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、駅のプラットホームや道路上に配置し、上方に向けて面発光を行う床面式表示器に関するものである。
駅のプラットホームには、転落防止の注意喚起を行う装置として、点滅を行うスレッドラインが例えばプラットホームの長手方向に沿って埋設されている。
特許文献1には、LED発光体を埋設したプラットホーム用タイルが開示されており、このタイルの一方の端部から他方の端部を横切るLED発光体は、所定間隔で配置した複数のLED発光体から構成されている。特許文献1のタイルを、既存のプラットホームに配置されているタイルと交換作業を行うことで、プラットホームにスレッドラインを新設することができる。
特開2010−254046号公報
しかし、特許文献1のプラットホーム用タイルを使用する際には、既存のタイルと、新設する特許文献1のタイルとのタイルサイズが同じである必要がある。従って、プラットホームのタイルサイズや形状が複数種存在する場合には、タイルサイズや形状に応じて、プラットホーム用タイルを製造する必要があり、手間を要する。更に、タイルごと交換するため材料費等が嵩み、スレッドラインの設置が高額になるという問題もある。
また、既存のプラットホームの長手方向に沿ってタイルに長溝を穿設し、この長溝にLED発光体を埋設することで、スレッドラインを新設する施工方法もあるが、長溝の穿設作業等に時間を必要とする。従って、昼間は列車運行を行い、夜間作業だけでスレッドラインを設置するような条件の場合では、上記施工方法によるスレッドラインの新設はなかなか困難である。
本発明の目的は、上述の課題を解消し、注意喚起効果が高く、設置作業時間を大幅に短縮すると同時に、安価にスレッドラインを新設することが可能な床面式表示器を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る床面式表示器は、平面状であって凹部を備える載置部と、前記凹部から下方に延在する埋設部と、該埋設部の上部にあって前記凹部に固定する発光部とから成る床面式表示器であって、前記凹部の底面に上方へ光を反射する光反射層が配置され、該光反射層の直上に透明の樹脂から成る導光板部が面状に配置され、前記発光部は前記凹部内の前記導光板部に対して略水平方向に発光することを特徴とする。
本発明の床面式表示器によれば、スレッドラインの新設工事においてタイルごと交換したり、スレッドラインに沿って既存のタイルに長溝を設ける従来のスレッドラインの施工方法に比べて、設置作業時間を大幅に短縮することが可能である。また、無駄にタイルを交換することがないので、安価にスレッドラインを新設することができる。
また、従来の点発光するスレッドラインに比べて、本発明の面発光する床面式表示器は注意喚起効果が高く、発光部から入射する略水平方向の光を上方に反射して発光することで、設置時の床面式表示器の厚みを極力、薄くすることが可能である。
また、本発明に係る床面式表示器は、上方からの押圧力に対して強固であることから、多数のプラットホームの利用者が長期に渡って踏み続けても破損する虞が少ない。更に、床面式表示器は平坦状であり、かつ周囲がスロープ状であるので、利用者がつまずくこともない。
実施例の床面式表示器の斜視図である。 平面図である。 図2のA−A’線に沿った断面図である。 図2のB−B’線に沿った断面図である。 床面式表示器をプラットホームに設置した状態の説明図である。 床面式表示器の面発光の説明図である。
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は床面式表示器1の斜視図、図2は平面図、図3は図2のA−A’線に沿った断面図、図4は図2のB−B’線に沿った断面図である。なお、図4は床面式表示器1の中央部は省略している。
床面式表示器1は、既存のプラットホームの上に直接載置する平面状の載置部2と、この載置部2の一方端部から下方に延在する円筒状の埋設部3と、埋設部3の上部にあって載置部2の凹部に固定する発光部4とから構成されている。
載置部2は上方から見て長方形状であり、周囲は緩やかな傾斜によりスロープ形状の傾斜部2a、2bが設けられている。載置部2の大きさは、例えば横1m、縦15cm、頂部の高さ1cm程度であり、これらの横、縦の長さは既設のタイルの大きさ等に応じて、適宜のサイズを採用することが可能である。
載置部2は、両長辺に沿う傾斜部2a、両短辺に沿う傾斜部2bと、これらの傾斜部2a、2bに囲まれた凹部2cとから構成されている。傾斜部2a、2b及び凹部2cは強度の大きな金属素材、例えば5mmの厚みのステンレス板、アルミニウム板等から形成され、傾斜部2a、2bには図示は省略しているが、適当な間隔で後述するプラットホームの床板Fに固定するための貫通孔が穿設されている。
凹部2c内には底面側から、白く着色又は白色シート材から成る白色シート層2d、光反射層2eの順で積層され、更にこの光反射層2eの直上に導光板部2fが積層されている。凹部2cの内側面には、白色シート層2dのみが設けられており、この白色シート層2dは光を多く反射する鏡面状のシート体であってもよい。
光反射層2eは例えばポリカーボネート、アクリル等の合成樹脂シートから構成される。この光反射層2eの表面には多数の山形溝形状が形成されており、発光部4から離れるにつれて、光反射率が高くなるようにされている。つまり、発光部4の近傍では、溝ピッチが広く、例えば0.3mm程度で山形の角度も緩やかに形成されており、発光部4から離れた位置では、溝ピッチが狭く、例えば0.1mm程度で山形の角度も鋭く形成されている。
導光板部2fは例えばポリカーボネート、アクリル等の透明な合成樹脂から成り、凹部2c内に嵌合されている。導光板部2fの表面は、傾斜部2a、2bの頂部と段差なく連続している。導光板部2fは透明な平面体であって、上方からの押圧力に対して強度を有するものであれば、ポリカーボネート以外の適宜の材料を採用することも可能である。
また、導光板部2fの厚みは、凹部2cの側面の高さと略一致している。このため導光板部2fは上方からの押圧力に対して破損し難い構造となっている。製造する場合は、予め発光部4の凸形状を考慮したポリカーボネート等の板材の導光板部2fを用意し、凹部2cに嵌め込んで固定するようにしてもよい。或いは、白色シート層2d及び光反射層2eを凹部2c内に積層した状態で、溶解したポリカーボネートを凹部2c内に充填して製造することもできる。
凹部2cの一方の端部の底面には、埋設部3がその中心軸を上下方向に向けて連結されている。この埋設部3は例えば直径10cm、高さ10cm、肉厚3mm程度の円筒形をしており、ステンレス等の金属や、金属以外に耐腐蝕性を有する合成樹脂等を採用することができる。
埋設部3が連結する凹部2cの片側には、凹部2cの短辺に沿って長さが凹部2cの短辺と略一致する長方形状の孔部2gが設けられている。埋設部3の上端には、孔部2gに挿通し一部を凹部2cから上方へ突出した状態で、凹部2cに発光部4が固定されている。
発光部4は孔部2gを塞ぐように、ねじ止め等により凹部2cに固定されており、孔部2gを介して突出した発光部4の表面には、凹部2cの他方の端部側に発光する発光本体部4aが設けられている。この発光本体部4aは、複数のLED素子を凹部2cの短辺に沿ってライン状に配列したものであり、略水平方向に向けて発光されるようになっている。
このライン状の発光本体部4aは、注意喚起に適した例えば赤色の高輝度LED素子を用いることが好ましい。また、赤色の高輝度LED素子以外に、青色、緑色の高輝度LED素子も赤色の高輝度LED素子と併せて配置することもできる。
また、埋設部3及び発光部4を凹部2cの中央に配置し、略水平方向に向けて発光する発光本体部4aを発光部4の両面に配置するようにしてもよい。このように配置することで、遠端までの距離が短くなるので同じ高輝度LED素子を使用した場合よりも明るく面発光させることができる。
また、発光部4の表面の一部に照度センサを設け、照度センサからの照度に応じて発光本体部4aから照射される光の強弱を調整するようにしてもよい。なお、この場合には、発光部4に照度センサと接続する制御回路も併せて必要となる。
発光部4の下方には、外部からの電力ケーブル線4bを接続する接続部が設けられている。そして、埋設部3の底部から電力ケーブル線4bを引き入れて接続して、発光本体部4aを発光させる。なお、赤色、青色、緑色の高輝度LED素子を配置する場合には、各色に対応した電力ケーブル線4bを接続部に接続することになる。
また、本実施例では電力ケーブル線4bのみで後述するコントローラ部4cと接続しているが、電力ケーブル線4bを電源装置と接続し、コントローラ部4cからの信号線を接続部に接続するようにしてもよい。このように接続した場合には、各発光部4にアドレスを割り振ることで、コントローラ部4cからの信号線を介する発光指令に対して、各床面式表示器1は発光色を含めた様々な点灯制御を行うことが可能である。
図5は床面式表示器1をプラットホームに設置した際の説明図である。床面式表示器1を設置する際には、先ずプラットホームの長手方向の縁部から数10cm離れた個所の既存のプラットホームの床板Fに、埋設部3の直径よりも若干大きい径の円形孔をドリル等を用いて穿孔する。
そして、この円形孔に埋設部3を挿入すると同時に、プラットホームの長手方向の縁部と載置部2とが平行になるように床面式表示器1を床板F上に載置する。
続いて、外部に設置した図5に示すコントローラ部4cからの電力ケーブル線4bを床板Fの下の空洞から這わせて、埋設部3を介して発光部4に接続する。埋設部3により、破損し易い電子機器である発光部4の発光本体部4aや接続部のコネクタ部品が保護されることになる。
最後に、床面式表示器1の床板F上の最終的な位置合わせをした後に、前述の傾斜部2a、2bに設けた貫通孔にアンカボルトを挿入して、床面式表示器1を床板Fに固定して設置作業は完了する。
このような設置作業を繰り返して、床面式表示器1はプラットホームの長手方向の全長に渡って所定間隔をおいて設置されることになる。そして、図5に示すように隣接して設置した床面式表示器1’の発光部4に対しても、コントローラ部4cから分岐した電力ケーブル線4bを介して接続されることになる。
また、プラットホームの上り方向、下り方向のそれぞれに複数の床面式表示器1から成るスレッドラインを配置し、上り下りの1組のスレッドラインの床面式表示器1を1つのコントローラ部4cに接続して制御するようにすることができる。
複数の床面式表示器1から成るスレッドラインの点灯制御は、コントローラ部4cからの例えばDC24Vの電力ケーブル線4bの電源供給のオンオフ制御により行う。この電源供給のオンオフ制御は、例えば100ms周期の点滅制御とされている。
スレッドラインを構成する複数の床面式表示器1は、同期して点滅するようにしてもよく、また隣接する床面式表示器1’に対してずらしながら点滅させることで、点灯した発光部4からの光が列車の進入する方向に移動するように順に点滅制御させることも可能である。
このようなずらしながら点滅するディレー点灯制御は、例えば第1〜第4の床面式表示器1を設置した場合に、第1の床面式表示器1は0秒の発光タイミングで、第2の床面式表示器1は0.25秒の発光タイミングで、第3の床面式表示器1は0.5秒の発光タイミングで、第4の床面式表示器1は0.75秒の発光タイミングで、200ms程度点灯するように、コントローラ部4cから点灯制御を行う。
これを所定周期、例えば1秒周期で繰り返すことで、第1〜第4の床面式表示器1の発光部4からの光が順に移動するように点灯させることが可能である。なお、第1〜第4の床面式表示器1の複数組を隣接して設置することで、プラットホームの長手方向の全長に渡って光が移動するように点灯させることもできる。
スレッドライン全体を同期して点滅させる場合は、コントローラ部4cとスレッドラインの各床面式表示器1の入力部とは並列接続を行う。隣接する床面式表示器1’をずらして点灯制御する場合には、同じタイミングで床面式表示器1の発光部とコントローラ部4cとを並列接続することになり、複数のタイミングの床面式表示器1は別々にコントローラ部4cに入力することになる。
また、コントローラ部4cに図示しない列車連動装置を接続することで、列車接近信号がコントローラ部4cに入力する条件に伴い、所定時間だけ床面式表示器1を点滅制御させることも可能である。
発光本体部4aに赤色、青色、緑色の高輝度LED素子を配置した場合には、コントローラ部4cからの共通のコモン線と各色に対応した電力ケーブル線4bを発光部4の接続部に接続し、コントローラ部4cからのオンオフ制御に基づき、又は前述の信号線を接続する場合には、コントローラ部4cからの発光指令信号に基づいて、任意の色を面発光させることが可能である。
例えば、プラットホームを通過する列車が接近した場合と、プラットホームに停車する列車が接近した場合とでは、色を異ならせて床面式表示器1を点滅させることも可能である。
図6は床面式表示器1の面発光を説明した説明図であり、床面式表示器1はプラットホーム、道路等の設置面に対して垂直に面発光を行う。発光本体部4aから発光した略水平方向の光Lは、発光部4から離れるにつれて光反射率が高くなるようにされているので、発射した光Lは略水平方向に導光板部2f内を全反射を繰り返しながら進み、光反射層2eの山形溝形状の斜面に入射すると上方に反射して、導光板部2fから上方に出射する。なお、光反射層2eの山形溝形状の斜面に入射した光Lの一部は、光反射層2eを透過して光反射層2e下の白色シート層2dによって反射されることになる。
光反射層2eは発光本体部4aの近くの強い光L1は、あまり反射することはないが発光本体部4aから離れて弱くなった光L2は反射が大きくなる。従って、床面式表示器1は全体で均一の面発光がなされることになる。
床面式表示器1の導光板部2fにひび割れ等が発生したり、傾斜部2a、2bが破損した場合には、床面式表示器1を固定しているアンカボルトを外し、床面式表示器1を取り外した後に、新しい床面式表示器1を上述の施工方法で設置することで、簡便に故障状態から復旧することができる。
また、床面式表示器1の発光部4の発光本体部4aの一部又は全部が点灯しなくなるような不具合が発生した場合には、上述のように床面式表示器1の交換による復旧以外に、床面式表示器1を取り外した後に、開放している埋設部3の底部から故障している発光部4等の部品を取り外し、新しい部品と交換を行うことで復旧するようにしてもよい。
このように、本実施例の床面式表示器1によれば、スレッドラインの新設工事の作業時間を、従来のタイルごと交換したり、スレッドラインに沿って既存のタイルに長溝を設けるスレッドラインの施工方法に比べて、大幅に短縮することが可能である。また、無駄にタイルを交換することがないので、安価にスレッドラインを新設することが可能である。
また、発光部4からの水平上の光を導光板部2f内に照射し、白色シート層2d及び光反射層2eにより、上方の導光板部2fから発射して面発光させるので、載置部2の厚みを薄くすることができる。同時に従来のスレッドラインのように、所定間隔で点発光するよりも面発光する方が注意喚起効果が生ずる。
また、床面式表示器1は上方からの押圧力に対して強固であることから、同時に多数のプラットホームの利用者が長期に渡って踏んだとしても、破損することはない。更に、床面式表示器1は平面状であり、周囲がスロープ状とされているので利用者がつまずく虞もない。
また、本実施例では床面式表示器1をプラットホームに設置することを例として説明しているが、道路等の適宜の場所において注意喚起用の発光装置として使用することも可能である。また、電力ケーブル線4bを敷設できないような場所であっても、ポリカーボネート板の下に太陽光パネルを配置した金属板から成る傾斜部2aを用い、埋設部3に太陽光パネルと接続した蓄電池を配置することで電力自給式の床面式表示器1として運用することも可能である。
或いは、数年に渡って点滅可能な長時間対応バッテリを埋設部3に内蔵させて運用することも可能であり、中央装置からの点灯制御信号を発光部4に設けた無線通信部によって受信し、点滅制御を行うようにすることも可能である。
1、1’ 床面式表示器
2 載置部
2a、2b 傾斜部
2c 凹部
2d 白色シート層
2e 光反射層
2f 導光板部
2g 孔部
3 埋設部
4 発光部
4a 発光本体部
4b 電力ケーブル線
4c コントローラ部

Claims (7)

  1. 平面状であって凹部を備える載置部と、前記凹部から下方に延在する埋設部と、該埋設部の上部にあって前記凹部に固定する発光部とから成る床面式表示器であって、
    前記凹部の底面に上方へ光を反射する光反射層が配置され、該光反射層の直上に透明の樹脂から成る導光板部が面状に配置され、
    前記発光部は前記凹部内の前記導光板部に対して略水平方向に発光することを特徴とする床面式表示器。
  2. 前記埋設部は前記凹部の一方の端部から下方に延在し、前記発光部は前記凹部の他方の端部に向けて発光することを特徴とする請求項1に記載の床面式表示器。
  3. 前記凹部は両長辺及び両短辺に沿うスロープ状の傾斜部に囲まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の床面式表示器。
  4. 前記導光板部の厚みは、前記凹部の側面の高さと略一致することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の床面式表示器。
  5. 前記凹部の前記光反射層の下層には白色シート層が敷設されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の床面式表示器。
  6. 前記光反射層は前記発光部からの距離が大きくなるにつれ反射率が大きくなるようにされていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の床面式表示器。
  7. プラットホームの長手方向に沿って所定間隔をおいて配置されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の床面式表示器。
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