JP2018062724A - フィルム捺染法 - Google Patents

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Abstract

【課題】卓越した捺染性能を示すとともに、資材コストの削減、生産効率の向上等を図り得る、エコロジカルかつエコノミカルな捺染法の提供。【解決手段】水溶性合成系バインダー、天然系糊剤及び界面活性剤からなる混合糊を、フィルム表面に付与し、乾燥して得られる捺染用フィルム上に、又は乾燥してインク受容層を形成して得られる捺染フィルム上に、染料インクをプリントして捺染フィルムを得る工程、前記捺染フィルムを繊維材料又は皮革材料に密着し、加圧・加熱して貼り付けする工程、及び前記捺染フィルムを前記繊維材料又は皮革材料に貼り付けた状態で染料の固着処理を行い、その後捺染フィルムを除去する工程を有し、前記フィルムが、融点が100〜300℃、厚さが5〜120μm、酸素ガス透過度が10,000cc/m2、day、atm(20μm、25℃、50%RH)以下の合成樹脂フィルムである繊維材料又は皮革材料のフィルム捺染法。【選択図】なし

Description

本発明は、捺染フィルムを用いた繊維材料又は皮革材料の捺染法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、水溶性合成系バインダー、天然系糊剤、及び界面活性剤からなる混合糊を合成樹脂フィルムに付与してなる捺染用フィルムを用い、該捺染用フィルムに染料インクをプリントして得た捺染フィルムを繊維材料又は皮革材料に貼付けた状態で、(又は、インク受容層を繊維材料等に転写してフィルムを剥離した後)染料の固着処理(スチーミング等)を行うことを特徴とする繊維材料又は皮革材料の捺染法に関するものである。
なお、この捺染法は、捺染フィルムを繊維材料又は皮革材料に貼付けた状態で、(又はインク受容層を繊維材料等へ転写してフィルムを剥離した後)スチーミング処理等を行うことを特徴とする新規な加工法であり、「フィルム捺染法」と名付ける。又、本明細書及び請求の範囲で用いられている「捺染用フィルム」とは混合糊が付与されたフィルムを、「捺染フィルム」とは、更に染料インクが付与された捺染用フィルムを意味する。
布帛に染料で図柄を堅牢・精細に描く方法として、スクリーン捺染、ローラー捺染、ロータリースクリーン捺染、グラビア印刷又はこれらのプリント技法を用いた方法等の製版プリント方式による転写捺染法等が知られており、工業的に実施されている。しかし、これらの製版プリント方式では色数に制約がある。3原色色分解型枠によるプリントでは多色感を表現できるものの、3原色組成の色相・濃度を整える事が困難、多重層を形成する為プリント加工の再現性を欠きやすい、等の問題がある。加えて、小ロット生産では彫刻作製(製版)費用が高価となり、更にプリント加工時、色糊を加工に必要な量より余剰に調製する必要がある等、資材面での無駄や損失が大きいとの問題点が指摘されている。
これらの問題点を解決する新たな捺染法として、コンピュータで画像処理を行い、水性の染料インクを用いてインクジェットでプリント(インクジェットプリント方式)する無製版プリントが脚光を浴びている。この無製版プリントは、前処理した布帛への直接プリントに適用されている他、転写プリント分野へも適用されており、その進展も著しい。しかしながら、インクジェットプリンターによって生地(ダイレクト法)や転写用紙に水性染料インクを小ドットプリントした場合、ドット斑による均捺性を欠くとか、染料インクが滲み出し精細性を失う、前処理工程が煩雑である等の問題点が指摘されている。
熱で昇華する分散染料を用いたポリエステル繊維の昇華転写法(乾式転写捺染法)や、セルロース系繊維又は蛋白質系繊維からなる布帛を水で湿らせ、転写紙と合わせ強く圧着して染料を転写捺染する湿式転写法(特許第2925562号公報、特開06−287870号公報等で開示されている。)も知られているが、昇華転写法はポリエステル繊維に限定される上に堅牢度も低い。又、湿式転写法は図柄の繊細性と再現性に欠けると言う問題が生じやすい。
特許第5054673号公報又は特開平06−270596号公報には、離型紙の離型剤層上に、糊及び樹脂等からなる混合糊液を塗布、乾燥してインク受容層を形成し、該インク受容層に染料インクをプリントした後布帛へ乾式転写し、離型紙を剥離した後、布帛上へ乾式転写された染料をスチーミング等で固着処理する方法が開示されている。
しかし、この方法で用いられる離型紙は、その製造においてコストが高い離型剤塗布工程を要するので、一般的な原紙の数倍(5〜10倍)の製造原価になる。
又、この方法によると転写工場の湿度や、転写紙の保管条件又は乾式転写条件が不適切な場合、インク受容層を100%転写して離型紙のみを綺麗に剥離出来ない場合がある。その様な場合は不良品の発生をもたらす。更に、離型剤層(樹脂)が紙内部に浸透、接着している為、紙と離型剤(樹脂)が容易に分離出来ない為、再生紙等へのリサイクル使用が事実上困難である。
更に、離型剤の融点は一般的に低いので、混合糊液を塗工した後の乾燥温度を上げる事が出来ない。そのため乾燥時間が長くなり生産効率が非常に悪くなる。例えば、ポリエチレンラミネート離型剤の融点は約110℃である為、乾燥温度を110℃以上に上げる事はできず、生産能力(速度)を上げることは困難であった。
更に、特許第4778124号には紙を媒体に用いるペーパー捺染法が開示されている。この捺染法は前記した様々な捺染法の問題点を解決する優れた捺染法であるが、欠点として、染料の有効転写率が充分でない(印刷した転写捺染紙の印刷面に染料が残る量が多い、即ち、染料残存率が高い)事と、糊の塗工量が多く必要な事、グラビア印刷の場合は塗工面の平滑処理が必要な事等である。
更に、特許第5970588号には紙又はフィルムに糊剤を塗工した捺染用紙又は捺染用フィルムがグラビア印刷に使用できるとの記載がある。該特許の[0048]には捺染用紙、又は捺染用フィルムとして、特許第4778124号(前記引用文献)の紙を用いるペーパー捺染用紙、特許第5054673号の離型紙を用いた乾式転写法に用いる捺染用紙、並びに公知のインク受容層が形成されたフィルムに本発明(グラビア印刷)が適用できるとの記載がある。又、フィルムの種類として[0049]7〜9行目に記載がある。しかしながら、この文献には使用可能なフィルムの物性に関する具体的記載が無く、フィルムを用いた実施例の記載も無く、フィルムを用いる事の意味(効果)について何ら記載が無い。即ち、該特許文献はフィルムの使用可能性を予測したに過ぎない文献であって、紙に対するフィルムの優位性の認識は全く無い(フィルムの実用価値については何の言及もなく、実験的裏付けもない)。
本発明はこれらの問題点を解決すべく研究した成果である。
特許第2925562号公報 特開06−287870号公報 特許第5054673号公報 特開平06−270596号公報 特許第4778124号公報 特許第5970588号
本発明は、繊維材料又は皮革材料の捺染法であって、風合、繊細性、堅牢性、発色性等に優れた卓越した捺染性能を示すとともに、前記した公知方法の問題点を解決し、資材コストの削減、加工の再現性と品質の向上、排水負荷の更なる削減、生産効率の向上を図ることができる、エコロジカルかつエコノミカルな捺染法を提供することを課題とする。
本発明者は、グラビア印刷及びインクジェットプリント方式での布帛や皮革への捺染方法について鋭意研究を重ねた結果、
被膜形成性を有し、加熱・加圧により強力な接着力を生じる一方、スチーミング等による染料の固着処理を施すと接着力が容易に低下する水溶性合成系バインダー、この水溶性合成系バインダーとの相容性が良くかつ染料インクを均一に吸収保持する性質の優れる天然系糊剤、及び界面活性剤等の助剤からなるフィルムへの均一塗工性が良好な混合糊を、市販の一般的なフィルムに付与し、乾燥して捺染用フィルムを得て、
この捺染用フィルムに染料インクをプリントした捺染フィルムを、繊維材料等に貼付けて、(又は、インク受容層を繊維材料等に転写しフィルムを剥離した後)スチーミング等の染料固着処理を施すことにより、染料を固着・発色させるとともに、捺染フィルムと繊維材料等の間の接着力を低減させて捺染フィルムを剥離する方法によって、均染性、精細性及び発色性が良好で、且つ経済性とエコロジー性の優れた捺染法が構築できる事を見出し、実用化の目途を得て本発明を完成させた。即ち、前記の本発明の課題は、以下に示す構成からなるフィルム捺染法により解決される。
即ち、本発明は、
水溶性合成系バインダー、天然系糊剤及び界面活性剤からなる混合糊を、フィルムに付与し、乾燥して得られる捺染用フィルム上に、染料インクをプリントして捺染フィルムを得る工程、
前記捺染フィルムを繊維材料又は皮革材料に密着し、加圧・加熱して貼り付けする工程、及び
前記捺染フィルムを前記繊維材料又は皮革材料に貼り付けた状態で染料の固着処理を行い、その後捺染フィルムを除去する工程、(又は、捺染フィルムのインク受容層を繊維材料等に乾式転写してフィルムを剥離した後、染料の固着処理を行う工程)を有する事を特徴とする繊維材料又は皮革材料のフィルム捺染法である(請求項1〜2)。
本発明は、請求項3として合成樹脂フィルムが、融点が100〜300℃、厚さが5〜120μm、酸素ガス透過度(JIS K 7126)が10,000cc/m2、day、atm(20μm、25℃、50%RH)以下の合成樹脂フィルムであり、更に、フィルム表面がコーティング加工、ラミネート加工、物理的、又は化学的加工されていても良いフィルムである事を特徴とするフィルム捺染法である。
また、本発明は、請求項4として界面活性剤が、HLBが、0〜15である事を特徴とするフィルム捺染法である。
上記構成からなる本発明のフィルム捺染法は、公知方法の問題点、例えば前記した問題点、特に特許第4778124号並びに特許第5970588号等の問題点を解決する新規な捺染法である。即ち、公知方法に比べて優れている点は、一般的に市販されている薄手(柔軟な)で安価なフィルムを使用できる事、糊の塗工量を削減できる事、公知の転写捺染法における剥離不安定性が原因で発生する不良品の問題を解決出来る事、染料の有効転写率を向上できる事、排水負荷を一層軽減できる事、風合いを維持しながら高温での貼り付けと転写効率の良い高濃度で高精細な捺染を可能とする事、離型剤を使用しないので、混合糊液の乾燥温度を上げて塗工効率を向上できる事、フィルムのリサイクル使用は容易である事、等を特徴とする。さらに、本発明によれば、現在染色業界で多用されているローラ型或いは平板型の加圧・加熱設備を活用して、セルロース系繊維、蛋白質系繊維、合成繊維、皮革又は合成繊維の捺染を行う事ができる。
前記混合糊を構成する水溶性合成系バインダーとは、水溶性であり、加熱により樹脂化が進み高分子量となり、被膜形成性を有するものである。又、フィルム上に形成されたその被膜を加熱・加圧する事により、繊維や皮革とフィルム間を接着させる接着力を生じるものであり、一方、染料の固着処理(スチーミング、加湿、又は高温での乾熱処理)により接着力が低下する性質を有するものである。要は加熱・加圧した後の乾燥状態で接着力が強い被膜を形成でき、湿状態(場合により高温での乾熱処理後の状態)で接着力が弱くなるバインダーが使用できる。但し、フィルムは一般的に強度が強く、紙の場合の様に糊が内部へ浸み込まないので、圧着後、乾燥状態でもフィルムを剥離(インク受容層の乾式転写)できる。
この水溶性合成系バインダー(バインダーを樹脂と呼ぶ事がある)としては、主として石油化学で合成されたものを挙げることができる。又、染着阻害のないバインダーが望まれる。具体的には、水溶性ポリビニルアルコール系バインダー、水溶性アクリル系バインダー、水溶性ウレタン系バインダー、水溶性ウレタン変性エーテル系バインダー、水溶性ポリエチレンオキサイド系バインダー、水溶性ポリアミド系バインダー、水溶性フェノール系バインダー、水溶性酢酸ビニル系バインダー、水溶性スチレンアクリル酸系バインダー、水溶性スチレンマレイン酸系バインダー、水溶性スチレンアクリルマレイン酸系バインダー、水溶性ポリエステル系バインダー、水溶性ポリビニルアセタール系バインダー、水溶性ポリエステル・ウレタン系バインダー、水溶性ポリエーテル・ウレタン系バインダー、水溶性ホットメルト接着剤等を挙げることができ、これらから選ばれた1種又は2種以上の混合物が好ましく使用できる。
中でも、水溶性ポリビニルアルコール系バインダー、水溶性アクリル系バインダー、水溶性ポリエステル系バインダー、水溶性ポリエーテル・ウレタン系バインダー、水溶性ホットメルト接着剤が、水溶性、一時的接着性(加熱により接着するが、湿状態で接着力が低下する性質)に優れ、染着の阻害が小さいので好ましい。本発明は、請求項5として、水溶性合成系バインダーが、水溶性ポリビニルアルコール系バインダー、水溶性アクリル系バインダー、水溶性ポリエステル系バインダー、水溶性ポリエーテル・ウレタン系バインダー及び水溶性ホットメルト接着剤からなる群より選択された1種又は2種以上の混合物である事を特徴とする請求項1又は4に記載のフィルム捺染法を提供する。
前記混合糊を構成する天然系糊剤とは、天然に産出する糊剤の原料をそのまま又は物理的又は化学的に加工して得られるものである。天然系糊剤は、接着力を示すが、加熱しても、水溶性合成系バインダーのようにポリマー化が進み接着力が上昇することはない。一方、スチーミングや乾燥加熱処理により除去できるものであり、従って、親水性である事が好ましい。又、染料インクとの相溶性が高く、染料インクを均一に吸収保持する性質が求められる。
この天然系糊剤は、動物系糊料、植物系糊料、及び鉱物系糊料に分類される。動物系糊料としては、動物の皮膚や骨に含まれるコラーゲンから抽出されるゼラチン等が挙げられる。植物系糊料としては、澱粉やセルロースを出発原料として加工するカルボキシメチルセルロース、エーテル化澱粉、エステル化澱粉等が挙げられる。鉱物系糊料としては、粘土鉱物から採取されるクレイ、カオリン等が挙げられる。より具体的には、天然ガム糊(エーテル化タマリンドガム、エーテル化ローカストビーンガム、エーテル化グアガム、アカシアアラビア系ガム等)、繊維素誘導糊(カルボキシメチルセルロース、エーテル化カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、多糖類(澱粉、グリコーゲン、デキストリン、アミロース、ヒアルロン酸、葛、こんにゃく、片栗粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉等)、海藻類(アルギン酸ソーダ、寒天等)、鉱物性糊料(ベントナイト、陶土、珪酸アルミニウム及びその誘導体、シリカ、珪藻土、クレイ、カオリン、酸性白土等)、動物性糊料(カゼイン、ゼラチン、卵蛋白等)を挙げることができ、これらから選ばれた1種又は2種以上の混合物が好ましく使用できる。
中でも、天然ガム糊、カルボキシメチルセルロース等の、セルロース誘導体、エーテル化澱粉等の澱粉誘導体、アルギン酸ソーダ等の海藻類、酸化珪素、珪酸アルミニウム、クレイ等の鉱物性糊料、動物性糊料等が好ましい天然系糊剤である。本発明は、請求項6として、天然系糊剤が、天然ガム糊、セルロース誘導体、澱粉誘導体、海藻類、鉱物性糊料、動物性糊料からなる群より選択された1種又は2種以上の混合物である事を特徴とする請求項1又は請求項5に記載のフィルム捺染法を提供する。
本発明は、請求項7として、水溶性合成系バインダーと天然系糊剤との配合割合が、固形分換算で、水溶性合成系バインダー:天然系糊剤=95:5〜5:95(重量比)の範囲である事を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のフィルム捺染法を提供する。水溶性合成系バインダーと天然系糊剤との配合割合は、固形分換算で、水溶性合成系バインダー:天然系糊剤=95:5〜5:95(重量比)の範囲が好ましい。水溶性合成系バインダーの配合割合が、水溶性合成系バインダーと天然系糊剤の合計重量の5重量%未満の場合は、又は、水溶性合成系バインダーの配合割合が95重量%を超える場合、即ち、天然系糊剤が5重量%未満の場合は、染料固着後のフィルムはがれ性(捺染フィルムの剥離の容易さ)や染着性・均染性が悪くなる、フィルム−布間の接着力が低下する、精細性が低下する等の問題が生じる傾向がある。
本発明は、請求項8として記載された界面活性剤と助剤は、混合糊液の塗工性等の各種物性を向上する、染料の染着性を促進する等の為に加えられるものである。界面活性剤としてはHLBの値が0〜15の範囲にある表面張力調整剤、消泡剤、脱気剤等が好ましい。助剤としては、増粘剤、保湿剤、PH調整剤、アルカリ剤、濃染化剤、防腐剤、防黴剤、及び還元防止剤等を挙げることができる。本発明は、請求項8として、前記界面活性剤と助剤が、ここで例示された化合物から選択された1種又は2種以上を配合された事を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のフィルム捺染法を提供する。
界面活性剤として用いられる表面張力を調整する作用を有する薬剤は、糊剤へ配合する事によって糊剤の均一塗工性に寄与するので重要である。界面活性剤の具体例を挙げると、日信化学工業社製(濡れ剤、消泡剤)オルフィンEシリーズ、同D−10シリーズ、同PDシリーズ゛、同EXPシリーズ、同WEシリーズ、同AFシリーズ、シルフエイスSAG、GDシリーズ、サーフィノール104E等、ビックケミージャパン社製水系BYKシリーズ(BYK−020、−333、BYK−DYNWET800)等、DIC社製フッ素系界面活性剤メガファックスF−251、−253、−410、−477、−553、−556、−557、−563、R−94、DS−21等、エレメンティス社製ダプロシリーズ、W−77、U−99等、を一例として挙げる事が出来る。
これら界面活性剤の配合率は糊液に対して好ましくは0.01〜5.0%であり、より好ましくは0.02〜3.0%である。
本発明のフィルム捺染法で使用される前記混合糊は、水溶性合成系バインダー、天然系糊剤、界面活性剤及び助剤が配合された親水性混合物である。この混合糊(親水性混合物)又はその溶液(混合糊液)を合成樹脂フィルムに付与して乾燥することにより、本発明で使用する捺染用フィルムが得られる。
フィルムへの混合糊液を付与した後、乾燥する事によって、フィルム上に、混合糊からなる層が形成される。この層は、水溶性合成系バインダーと天然系糊剤の混合物を含み、更に各種助剤が配合された多成分系糊層である。そして、この層は、捺染用フィルム上にプリントされる染料インクを保持するインク受容層としての機能を有するとともに、捺染フィルムが布帛等に密着され加熱・加圧されたときには、一時的に、(捺染用フィルムと多成分系糊層からなる)捺染フィルムを布帛等の繊維に強く接着する接着剤層でもある。
前記のようにして製造された捺染用フィルム上には、染料インクが、捺染の図柄に基づいてプリントされ、その後乾燥することにより捺染フィルムが作製される。捺染用フィルムの一方の表面側に前記混合糊が付与されている場合は、該表面側に染料インクがプリントされる。
ここで用いられる染料インクとしては、具体的には、反応染料、酸性染料、金属錯塩型染料、直接染料、分散染料、カチオン染料等を染料として用いるインクを挙げることができる。染料インクとは、これらの染料を水等の染料溶解剤に溶解又は分散してなるものである。
本発明は、請求項9として、前記染料インクが含む染料が、反応染料、酸性染料、金属錯塩型染料、直接染料、分散染料及びカチオン染料よりなる群から選択された1種又は2種以上である事を特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のフィルム捺染法を提供する。
染料インクを転写用フィルム上にプリントする方法としては、水性染料インクを用い、インクジェットプリント、グラビア印刷又はフレキソ印刷する方法を好ましく挙げることができる。水性系染料インクとは、水又は水に溶解する溶剤を主成分として染料を溶解又は分散したインクである。本発明は、請求項10として、前記染料インクが水性系染料インクであり、前記プリントがインクジェットプリント、グラビア印刷又はフレキソ印刷により行われる事を特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のフィルム捺染法を提供する。
前記のようにして作製された捺染フィルムは、繊維材料や皮革材料に密着されて、加熱・加圧されるとともに、密着された状態で、又はフィルムを剥離した後、染料の固着処理が行われる。加熱・加圧の条件は、通常の転写捺染の場合と同様な条件を適用することができるが、圧力をやや高めに設定すると好ましい。この、加熱・加圧により、転写フィルムと繊維材料や皮革材料間が一時的に接着され転写される。
染料の固着処理としては、反応染料等を用いる捺染で通常行われているスチームによる加熱の他、加湿や水分の付与等を行った状態で加熱する方法等も挙げることができる。又、ポリエステル繊維や合成繊維の捺染の場合は、乾燥加熱する方法も採用できる。このスチームによる加熱や、加湿や水分の付与等を行った状態での加熱により、転写紙の剥離が可能になる。ポリエステル繊維や合成繊維の捺染の場合は、乾燥加熱する方法により転写紙の剥離が可能となる場合もあるが、乾燥加熱(固着)後、水分又は湿気を付与すると、より容易に剥離することができる。
染料の固着処理は、加熱・加圧がされた後行ってもよいし、前記の加熱・加圧と同時に行ってもよい。加熱・加圧及び染料の固着処理により、捺染用フィルム上にプリントされた染料インク中の染料の殆ど全部が繊維材料や皮革材料に吸収、染着される。紙を用いる公知の方法に比べて、フィルムを用いると染料の有効転写率が遥かに優れているのが本発明の進歩性の一つである。フィルムを用いると糊の塗工量を削減できる事も本発明の進歩性である。又、染料の固着処理により、繊維材料や皮革材料に染着された染料の固着が行われるとともに、捺染フィルムと繊維材料や皮革材料間の接着力が低下する。
前記のようにフィルム上に形成された混合糊の層は、前記の加熱・加圧により接着層としての機能を示すものであるが、一方、布帛等から転写フィルムの剥離が容易に行えるようにするため、スチーミング等による染料の固着処理工程により、その接着力が低下するものである。即ち、混合糊の層は、スチーミング等による染料の固着処理工程、又は捺染フィルムを剥離する工程で湿気が付与される事により、容易に接着力が低下する性質を有することが望まれる。
スチーミング等による処理工程により、繊維材料や皮革材料への染料の固着及び発色が行われ、かつ転写フィルムが剥離された後は、通常、水洗、ソーピング等の洗浄工程が行われる。混合糊は、この洗浄工程で容易に洗浄され除去できる性質を有することが好ましい。
このように混合糊は、インク受容層としての機能、一時的接着剤層としての機能、及びスチーミング等による染料の固着処理工程の最終段階で接着力が低下し、かつ容易に除去される性質が求められる。具体的には、次の条件が満たされる事が求められる。
1.染料インクとの相溶性が良好で、且つ繊維上での染料の染着を妨害しない。即ち、染料染着後の濃度・色相の優れた再現性を与える混合糊である。
2.加熱・加圧処理によって繊維(繊維材料、皮革材料)−フィルム間を一時的に強く接着出来る。即ち、加圧して熱を加えた後の乾燥状態では繊維−フィルム間を一時的に(固着処理工程の最終段階まで)強く接着する接着力を有する。
3.インク吸収性が良く、見掛け上のインク乾燥性が良好で、色柄の精細性にも優れている。即ち、インク受容力が大きい。
4.スチーミング等による染料の固着処理工程により容易に接着力が低下する性質を有する。即ち、水分又は湿気が付与されると容易に接着力を失い、転写フィルムを布帛や皮革から容易に剥離させることが出来る混合糊である。
5.染料固着後の水洗、ソーピング等において発色材料から除去できる。即ち、加熱後も水溶性の大きい混合糊である。
6.フィルムに対する均一塗工性の良い(レベリング性、スリップ性、ハジキ防止性の良い)糊液である。
これらの条件が満たされる水溶性合成系バインダーと天然系糊剤との混合糊であれば、本発明の目的を達成できる。
本発明は、前記のフィルム捺染法に加えて、この方法に用いられる捺染用フィルム及び捺染フィルムを提供する。即ち、
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載されたフィルム捺染法に用いられる捺染用フィルムであって、水溶性合成系バインダー、天然系糊剤及び助剤からなる混合糊を、フィルムに付与し、乾燥して得られることを特徴とする捺染用フィルム(請求項11)、及び
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載されたフィルム捺染法に用いられる捺染フィルムであって、水溶性合成系バインダー、天然系糊剤及び助剤からなる混合糊を、フィルムに付与し、乾燥して得られる捺染用フィルム上に、染料インクをプリントし、乾燥して得られることを特徴とする捺染フィルムである(請求項12)。
本発明は、更に、前記のフィルム捺染法より捺染されたことを特徴とする繊維材料又は皮革材料を提供する。即ち、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載されたフィルム捺染法により捺染されたことを特徴とする繊維材料又は皮革材料である(請求項13)。
以上述べたように、本発明のフィルム捺染法の特徴は、染着阻害のない水溶性合成系バインダーと天然系糊剤の多成分混合系に、更に表面張力調整剤を初めとする各種助剤が配合された混合糊により構成され、スチーミング等による染料の固着処理(湿気の付与、場合により加熱)により接着力が低下するインク受容層兼接着剤層を有する捺染用フィルムを用いる点にある。そしてこの捺染用フィルムに染料をプリントして捺染フィルムを作製し、その捺染フィルムを布帛や皮革に貼付けた状態で(又はフィルムを剥離して)、スチーミング等による染料の固着処理をし、捺染フィルムを剥離する事を特徴とする全く新規な捺染法である。これらの特徴により品質の優れた捺染製品を得る事ができる。
本発明のフィルム捺染法は特許第4778124号や特許第5054673号の様に紙や離型紙を使用する捺染法の問題点を改善する事を目的とする改良法であって、本発明方法によれば、
(1)染料の転写効率を上げる事が出来、染料の有効利用率が向上する。即ち、紙の場合は紙に浸み込んだ染料が多く、固着工程後の剥離紙に残存する染料量が多いが、フィルムを使用すると染料残存率(染料ロス率)を大幅に削減できる。その結果、染料インクのコストダウンにつながり、染料による排水汚染も削減できる。
(2)フィルムの場合は、フィルムの厚さを極限まで薄く柔軟にでき、コスト削減につながり、作業性が優れている。紙は湿潤強度が弱く、紙を薄くするには限界がある。薄い紙を使用した場合、糊液によって付与された水分で、紙の収縮膨張による皺が発生し、紙が変形する事によって糊の塗工量が不均一となるだけでなく、塗工工程中に紙の破断が起こるので、作業効率が悪くなる。
(3)フィルムは回収利用が容易なので環境にも優しい。厚みのあるフィルムの場合は、洗浄して再利用できるし、薄手のフィルムの場合は、例えばペットボトルに再生利用する事ができるので、紙や離型紙を使用する場合より廃棄物の発生が少ない。
(4)フィルムの場合は、糊液の浸透が無いので、有効なインク受容層がフィルム表面に留まり、糊の塗工量を減らす事が可能となりコストダウンとなる。
それに反して、紙の場合は糊液が紙の内部に浸透する為、表面に留まる有効なインク受容層が減少し、糊の塗工量を増やす必要がある。その結果、排水負荷も増える。
(5)厚手のフィルムではなく、安価な薄手の柔軟なフイルムを使用できるので、圧着条件をマイルドにでき、繊維の風合いや精細性の優れた繊維製品が得られる。
(6)公知の転写捺染法における剥離不安定院が原因で発生する不良品の問題を解決出来る。
(7)耐熱性のフィルムを使用する事によって、風合いを維持しながら高温での圧着と高濃度染着が可能になる。離型剤を使用しないので、混合糊液の乾燥温度を上げて塗工効率を向上できる。
(8)グラビア印刷法を採用する場合、表面の平滑性が求められるが、フィルムは平滑性が優れており、均一で平滑な塗工フィルムが得られる。紙の場合は、塗工紙の平滑性を向上する為、別途平滑処理が必要である。
等の優れた効果が得られる。その結果、精細な捺染図柄の表現を優れた経済性とエコロジー性の元に再現性良く提供できる。
以下、本発明をその実施の形態に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本発明のフィルム捺染法で使用される基材としての合成樹脂フィルムは、前記混合糊を付与することができ、かつ捺染フィルムとして使用できる厚さ、強度、寸法安定性、柔軟性、耐熱性及びガスバリア性等を有するフィルムであれば特に限定されない。従って、一般的に生産、使用されている安価なフィルム、市販の通常のフィルムをそのまま使用することができるが、前記混合糊のハジキ性が強い場合は、フィルム表面の濡れ性(親水性)を改善する為に表面加工したフィルムでも良い。この表面化工法には、水溶性樹脂等を塗工するコーティング法、ドライラミネート法、押出しラミネート法、蒸着法、サンドブラスト法、エンボス法、プラズマ加工法、コロナ放電処理法、オゾン処理法、紫外線処理法等がある。物理化学的方法の例としては、例えば、特許第5412072号公報、特許第514729号等に記載された表面処理法を挙げる事が出来る。
一般的に使用されている安価な市販のフイルムで、好ましくは厚さが、5μm〜120μm、より好ましくは10〜80μmの柔軟性のあるフィルムが望ましい。市販のコロナ放電処理されたポリエステルやナイロン等は一層好ましい。
120μm以上になると柔軟性が乏しくなり、作業性が悪くなり、コストアップとなるので好ましくない。また、フィルムの融点としては100〜300℃が好ましい。高温(150℃、30分)での収縮率はタテヨコ共、2%以下が好ましく、更に1%以下が好ましい。
フィルムを形成する高分子素材としては、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンメチルメタクリレート共重合系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等を挙げる事が出来る。これらの樹脂素材を公知の手段でフィルム化し、更に、片面又は両面に他の樹脂でコートした複層フィルムでも良い。これらの内、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ナイロン樹脂、及びこれらの樹脂の複数をブレンドした樹脂などが好ましい。単層でも多層でも良い。これらの樹脂を用いたフィルム成形法は、インフレーション成形法、Tダイ成形法などがある。
具体例を挙げると、東レ社製:ルミラー(ポリエステル系フィルム、厚さ11.5μm、23μm、38μm、50μm、75μm、100μm)等、帝人テトロンフィルム社製:メリネックス、テフレックス(厚さ16〜50μm)、テオネックス(厚さ12〜100μm)等、三井化学社製:二軸延伸ポリプロピレンフィルム、オピュランン等、ユニチカ社製:エンブレム(二軸延伸ナイロン系)、エンブレットDC(ポリエステルPVDCコート系)等、出光社製:ユニラックスP、N、RTグレード等、興人社製:ボニールHR、K(ナイロン系)等、三菱樹脂社製:エコロージュ(ポリ乳酸フィルム)、スパニール(ナイロン系)等、日本合成社製:ハイセロン、ボブロン等、クラレ社製:ポバールフィルム、エバール等、三菱ガス化学社製:ナイロンMXD6(延伸又は無延伸)、エチレン・ビニルアルコール共重合フィルム、アクリロニトリル共重合フィルム、ナイロン6(延伸)又はPVDCコートフィルム等、の内、柔軟性、強度、耐熱性、寸法安定性の優れた物が選ばれる。更に前記の表面加工されたフィルムが選ばれるが、これらはほんの一例に過ぎない。
このフィルムに付与される混合糊を構成する水溶性合成系バインダーとしては、前記例示されたもの(請求項5で列挙されたもの)が好ましく使用できるが、この内、水溶性ホットメルト接着剤としては、マレイン酸交互共重合体のアルカリ水可溶型ホットメルト接着剤、感水性ホットメルト接着剤、ポリビニルアルコール系ホットメルト接着剤等を挙げることができる。
混合糊を構成する表面張力低下剤については、混合糊液中の含有量として、0.01〜5.0重量%、その他助剤としては、転写紙の布帛等への接着力と染着力向上のために加えられる保湿剤(湿潤剤)、例えばポリエチレングリコール、グリセリン、チオジグリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコール類、尿素、チオ尿素、ジシアンジアミド等の場合は1〜15重量%、混合糊液の粘度を増加させて原紙への塗布を容易にする為の増粘剤であるアクリル酸系合成糊の場合は0〜3重量%、防腐剤、防黴剤、消泡剤、脱気剤、還元防止剤の場合は0.1〜5重量%、反応染料を用いる場合に加えられるソーダ灰、重炭酸ソーダ、硅酸ソーダ、酢酸ソーダ等のアルカリ剤の場合は1〜15重量%、分散染料や酸性染料を用いる場合に加えられる硫安や酒石酸等のPH調整剤の場合は0.1〜5重量%、を配合すると好ましい結果が得られる。本発明はフィルムへの塗工であるので、均一塗工にとって表面張力低下剤(均一塗工性向上剤)の配合が重要な意味を持つ。
水溶性合成系バインダー、天然系糊剤、及び界面活性剤等からなる混合糊(親水性混合物)又はその溶液(混合糊液)をフィルムに付与して乾燥することにより、本発明で使用する捺染用フィルムが得られる。フィルムへの付与の方法は、特に限定されないが、混合糊を構成する前記成分を水等の溶媒に溶解してなる混合糊液をフィルム上に、塗布する方法、噴霧する方法、又はフィルムを、混合糊液にパッドさせる方法等を挙げることができる。フィルムへの混合糊液を付与した後、乾燥する事によって、フィルム上に、混合糊からなる層(インク受容層)が形成され、捺染用フィルムが得られる。
フィルムに対する混合糊の付与量はドライ換算で2〜50g/mが好ましい。更に好ましくは3〜30g/m2である。混合糊の付与量は、捺染用フィルムのコストやバインダー類が布帛へ接着する際の強度及び発色性に関わってくる。目的に応じて所定量の糊を均一に塗布する工程管理が重要である。
また、混合糊液とフィルムの種類によっては、塗布時に均一塗布が困難な場合がある。これらの現象は、混合糊の種類と糊固形分、界面活性剤の種類(アニオン系、ノニオン系両性活性剤、アルコール類等)と添加量等を、フィルムの種類や処方条件等に応じて調整することにより改善が可能である。混合糊液の塗布装置の具体例を挙げると、コンマコーター、カーテンコーター、ロールコーター、スプレーコーター、グラビアコーター、リバースコーター、エアナイフコーター、ジェットコーター、サイズプレスコーター、等があるが、これらはほんの一例に過ぎない。
この様にして得られた捺染用フィルムに、染料インクをプリントし、乾燥して捺染フィルムを作製する。プリントの方法としては、インクジェットプリント又はグラビア印刷が好ましいが、その他の方法、例えば、フレキソ印刷、スクリーンプリント、ロータリープリント等の方法も挙げることができ、公知の捺染の場合と同様の方法、条件によりプリントすることができる。
本発明に於いてインクジェットプリントに使用する染料インクとしては、染料を染料溶解剤又は分散剤等により溶解又は分散させたものが使用される。染料溶解剤としては、例えば水、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、εカプロラクタムを挙げることができる。染料インクには、更に、必要に応じて乾燥防止剤、表面張力調整剤、粘度調整剤、PH調整剤、防腐剤、防黴剤、金属イオン封鎖剤、消泡剤、脱気剤等が添加される。これらの成分を混合して、微量の不溶物を1ミクロン以下のメンブレンフィルターでろ過・脱気した染料インクが使用される。
また、グラビア印刷で使用される染料インキは、特許第5970588号公報に記載された方法で粘度調整剤と、アルコール類を用いて作製する事が出来る。
なお、染料の種類は、布帛を構成する繊維の種類に応じて、反応染料、直接染料、酸性染料、金属錯塩型染料、分散染料、カチオン染料等から選択されるが、分散染料をインクジェット用にインク化する場合は、0.1〜0.3mmのジルコニュウムビーズを用いて染料の平均粒径を0.1μm程度に微粒化する事が望ましい。
前記のようにして作製された捺染フィルムを、捺染対象の布帛等と密着させ、加圧・加熱する。そして、捺染フィルムと布帛が接着された状態で(又は、インク受容層を布帛に乾式転写してフィルムを剥離した後)、スチーミング等による染料の固着処理を行う。この処理により、布帛又は皮革への染料の染着(発色又は染料の固着)が行われるとともに、インク受容層兼接着層の接着力が低下し、捺染フィルムの剥離、除去が容易になる。
捺染フィルムの剥離、除去がされた後は、布帛等を洗浄(水洗、ソーピング、水洗)する事によって、少量ながら布帛に付着している水溶性合成バインダーと天然系糊剤を水洗除去し、繊維の風合が良好で精細なプリント生地或いはプリント製品を得る。ポリエステルなど合成繊維の場合は洗浄工程を省略する事も可能である。
離型紙を用いる乾式転写捺染の場合や、ペーパー捺染法の場合は、それまでの公知方法に比べて環境負荷は削減されたとは言うものの、インク受容層(糊の塗工量)と染料インクを多く使用する為、固着されなかった余剰染料と糊剤による排水負荷が大きいと言う問題がある。しかし、本発明方法においては、糊の塗工量が少なく、染料の転写効率も優れているので、布帛洗浄時の排水負荷が公知方法に比べて大幅に軽減される。従って、この点においても、本発明はエコロジー対応の加工法と言える。
本発明のフィルム捺染法は、繊維材料からなる布帛や皮革材料の捺染に適用される。本発明が適用される繊維材料には、天然繊維材料及び合成繊維材料のいずれもが含まれる。天然繊維材料としては、綿、麻、リヨセル、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維材料、絹、羊毛、獣毛等の蛋白質系繊維材料を挙げることができる。合成繊維材料としては、ポリアミド繊維(ナイロン)やビニロン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリアクリル等と呼ばれる繊維を挙げることができる。
本発明が適用される皮革材料としては、動物性皮革、例えば、牛、水牛、豚、馬、羊、山羊、カンガルー、鹿、豹、ウサギ、狐、ラクダ等の天然皮革を公知の製革、なめし工程を経て乾燥したものを挙げることができる。本発明のフィルム捺染法は、これらの繊維材料の織物、編物、不織布、皮革等の単独、混紡、混繊又は交織品に適用される。更に複合系繊維でも良い。
必要に応じて、染料の染着に影響を及ぼす薬剤或いは染着促進に効果のある薬剤などで布帛等を前処理したのちフィルム捺染に用いても良い。例えば反応染料を捺染する場合は、布帛に、アルカリ剤として炭酸ソーダ、炭酸カリ、重炭酸ソーダ、珪酸ソーダ、酢酸ソーダ、セスキ炭酸ソーダ、トリクロル酢酸ソーダ等を3〜15重量%、転写時の黄変防止、転写性向上、染着向上等の目的で尿素を3〜25重量%、マイグレーション防止剤として親水性増粘物質、例えばアルギン酸ソーダの0.05〜1重量%を含む混合液をパッド乾燥しても良い。又、酸性染料をプリントする場合は、染着促進剤として弱酸性化合物、例えば硫酸アンモニウム、酒石酸、クエン酸等を0.5〜5重量%、マイグレーション防止剤として耐酸性の天然ガム類0.05〜0.5重量%を含む混合液をパッド・乾燥しても良い。しかし、通常これら生地の前処理の必要がないのが本発明の特徴である。
捺染フィルムを布帛等に密着させて(又は転写後、剥離して)行われるスチーミング等による染料の固着処理の条件としては、通常の直接捺染法で採用されている染料のスチーミングによる固着条件と同様な条件をそのまま採用できる。例えば、染料が反応染料の場合は、1相スチーム固着法による、100〜105℃、5〜20分間のスチーミング、アルカリを含まないインク受容層の場合は、2相法(例えばコールドフィックス法等)によるスチーミングと同様な条件が適用できる。染料が酸性染料の場合は、100〜105℃、10〜30分間のスチーミング処理を行うことができる。生地からフィルムをはがす際、スチーミング後の水分や湿気を付与された状態での剥離は容易である。染料が分散染料の場合は、160〜220℃、1〜15分間のHTスチーミング又は乾熱処理を行う。乾熱処理によりフィルムの剥離は可能になる場合もあるが、乾熱処理後に少量の湿気や水分を付与することにより剥離が容易になる。
スチーミング等による染料の固着処理後は、従来の転写捺染法における条件と同様な条件で洗浄(水洗、ソーピング、水洗。分散染料の場合は水洗、還元洗浄、水洗)で処理する事で、風合が良好で精細、濃厚な捺染物を得る事が出来る。分散染料の場合は洗浄を省略しても風合が良好で精細、濃厚な捺染物を得る事が出来る場合がある。
以下実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。なお、例中、%は重量%を意味する。
実施例1
インク受容層として、プラスコートZ−730(水溶性ポリエステル樹脂25%水溶液:互応化学工業社製)50kg、ゴーセノールGL−05(水溶性ポリビニルアルコール系樹脂15%水溶液:日本合成化学社製)6.67kg、FDアルギンBL(古川化学工業社製:アルギン酸ソーダ)2.0kg、ジシアンジアミド6.0kg、エンバテックスD−23(珪酸アルミニューム誘導体:共栄化学社製)6.0kg、尿素3.0kg、ソーダ灰7.0kg、水21kg、オルフィンE1004(界面活性剤、日信化学社製)2.0kg、MAC−100S(脱気剤、共栄化学社製)1.0kgの混合物を、高速デスパー型攪拌機(約5,000rpm)でよく攪拌した後、150meshの紗で濾過して高粘度のペーストを作った。このインク受容層兼接着層となる混合糊液を、塗工機(横山製作所社製コンマコーター)を使用して、フィルムとしては、厚さ23μmの表面をコロナ放電処理されたポリエステルフィルムを使用して塗布・乾燥した。混合糊液の塗工量(乾燥重量)は12g/mであった。この様にして反応染料用の捺染用フィルムを得た。
次いで反応染料インク液(C.I.Reactive Red 226 10%、ポ エチレングリコール5%、グリセリン5%、εカプロラクタム5%、イオン交換水75%)を、上記捺染用フィルム上にインクジェットプリンター(HYPERECO:武藤工業社製:オンデマンド型ピエゾインクジェットプリンター)によってプリントを行い、乾燥し、捺染フィルムを得た。
次いでこの反応染料の捺染フィルムと綿ブロード布を密着させ、加熱・加圧(190℃、30kg/cm、4m/min.2本ローラー圧着)ブロード布に捺染フィルムを貼り付けた。次いで捺染フィルムを貼りつけたまま綿ブロード布を100℃・10分間、HTスチーム処理を行った。その後、捺染フィルムの剥離を行ったが、容易に剥離することができた。捺染フィルムを除去した後、常法により、水洗・ソーピング・水洗・乾燥した。この様にして得られた捺染布は繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着しており、柔軟な風合を示す捺染布であった。
この実施例1に於いて、スチーム処理工程の前にフィルムを剥離した後(即ち、インク受容層を布帛へ乾式転写した後)、スチーム処理しても、得られた捺染布は繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着しており、柔軟な風合を示す捺染布であった。
比較例1
前記実施例1に於いて、厚さ23μmのポリエステルフィルムの代わりに、坪量80g/mの上質紙を用いて、糊の塗工量を20g/mとする以外は同様に処理したところ、得られた捺染布の発色性は実施例1に比較して劣るものであった。この比較例に於いて、糊の塗工量を実施例1と同じ量、12g/mにして前記上質紙に塗工したものを使用すると、発色性は明らかに不良であり、実用的価値は無いレベルであった。
実施例2
実施例1に於ける厚さ23μmのポリエステルフィルムの代わりに、厚さ18μmのナイロン6フィルム(コロナ放電処理済)を使用して、同様に処理した結果、実施例1と同様に繊細なデザインが精細・堅牢・濃厚に染着した柔軟な風合を示す捺染布が得られた。
実施例3
実施例1に於ける反応染料として、C.I.Reactive Yellow95を用い、布帛としてリヨセル(コートルズ社登録商標:テンセル)を用いる以外は同様に処理した結果、リヨセル布帛の捺染布は繊細なデザインを有し、繊維の風合は柔軟であり、耐光、洗濯、汗等の各種堅牢性も4級以上であった。
実施例4
インク受容層兼接着層として、エンバテックスD−23:5.0kg、硫酸アンモニューム:10kg、チオ尿素:20kg、尿素:10kg、MAC−100S:5kg、ポバールAP−17(水溶性ポリビニルアルコール系樹脂15%水溶液:日本酢ビ・ポバール社製)150kg、マイクロイドML389(酸化珪素:東洋化学社製)4.5kg、ペノンJE―66(加工澱粉、日澱化学社製)35kg、オルフィンE1004:5.0kg、NKバインダーAS−93HN(33%水溶液、新中村化学社製)50kg、ソルビトーゼC−5(エーテル化澱粉、AVEBE社製)2.5kg、ボンコートS−5(アクリル系樹脂60%水溶液、DIC社製)45kg、FDアルギンBL(古川化学工業社製:アルギン酸ソーダ)4.5kg、水53kgの混合物を、5,000rpmの高速デスパー型攪拌機でよく攪拌した後、150meshの紗で濾過し均一な高粘度のペーストを作った。このインク受容剤及び接着剤糊液を、コーティング機を使用して20μmのポリプロピレンフィルムに塗布・乾燥した。この糊液の乾燥付与量は6.5g/mであった。この様にして酸性染料用の捺染用紙を得た。
カルボキシメチルセルロース225g、ポリビニルアルコール225g、脱気剤75g、はじき防止剤75gを、精製水11500gとIPA5000gに加えて混合撹拌して、均一無色透明なペーストを得た。合計17100gの前記ペーストに、C.I.Acid Red 257原粉1300gを加えて撹拌混合し、溶解した。溶解後、150mesh紗を通してろ過し、ろ液をポリタンクに収容する。このようにして得られたろ液の合計18400部に、30%IPA水を加えて粘度を180mPasに調整し、水性染料系印刷インキ(グラビアインキ)を得た。
この酸性染料の水性グラビアインキを、前記酸性染料用捺染用フィルムと共にグラビア印刷試験機(クラボウ製、GP−10)にセットして、15m/min.25℃の条件で印刷、乾燥して、捺染フィルムを得た。
次いでこの酸性染料の捺染フィルムと目付35g/mのナイロンタフタを密着させ、加熱・加圧(140℃、30kg/cm、4m/min.ローラータイプ)してナイロン生地に捺染フィルムを貼り付けた。次いで捺染フィルムを貼りつけたままナイロン生地を100℃・25分間、スチーミングを行い、その後、捺染フィルムの剥離を行ったが、容易に剥離することができた。捺染フィルムを除去した後、常法により水洗・乾燥した。この様にして得られたナイロン捺染布は濃色に染まり、繊細なデザインを有し、繊維の風合は柔軟であり、各種堅牢性も4級以上であった。
比較例2
前記実施例4に於ける20μmのポリプロピレンフィルムの代わりに坪量70g/mの上質紙を用いて、糊の塗工量を6.5g/mにした以外は、全て同様に加工したところ、発色性が不良で、全く実用性の無い発色レベルであった。
この比較例に於いて発色性を実施例4と同じレベルにする為には、塗工量を20g/m以上にする必要がある事を確認した。
実施例5
前記実施例4の糊の配合成分に於いて、硫酸アンモニュームの代わりに酒石酸を10kg加え、チオ尿素と尿素を削除し、マイクロイドML389を9kgに増量する以外は同様にして混合糊液を作製して、厚さ25μmのポリアミドフィルムにエアナイフコーターでドライ換算、7g/m塗工して分散染料用捺染用フィルムを得た。
次いで分散染料グラビアインク液(C.I.Disperse Blue60、15%使用、実施例4と同様にしてインクを作製)を、前記分散染料用捺染用フィルムと共にグラビア印刷試験機(クラボウ製、GP−10)にセットして、10m/min.25℃の条件で印刷、乾燥して、捺染フィルムを得た。
次いでこの分散染料の捺染フィルムと目付30g/mポリエステルタフタ生地を密着させ、加熱・加圧(160℃、30kg/cm2、3m/min.ローラー型)してポリエステル生地に捺染フィルムを貼り付けた。次いで捺染フィルムを貼りつけたままポリエステル生地を180℃・8分間、HTスチーム処理を行い、その後、捺染フィルムの剥離を行ったが、容易に剥離することができた。捺染フィルムを除去した後、常法により水洗・還元洗浄・水洗・乾燥した。この様にして得られたポリエステル捺染布は繊細なデザインを有し、繊維の風合は柔軟であり、各種堅牢性も4級以上であった。この実施例に於いて180℃・8分間のスチーミング処理の代わりに、200℃で2分間、乾熱処理しても同様な結果が得られた。
実施例6
常法の一浴法クロムなめし法によって得た牛革に対して、実施例1で得た捺染フイルムを合わせて、ハシマ社製平板プレス機HSP−2210にセットし、その上に水で濡らして強く絞った綿生地をあて、120℃、0.9MPaで2分間加圧・加熱する事によって貼付と固着を同時に行った。次いで捺染フィルムを剥離したが、容易に剥離することができた。その後、水洗して乾燥した。その結果、高濃度で精細に染色された風合いの優れた牛革が得られた。耐光堅牢度は4〜5級、湿潤摩擦堅牢度は3〜4級であった。
産業上の利用性
本発明のフィルム捺染法は、全ての繊維材料と皮革材料を対象とし、従来困難視されていた超精細な捺染図柄の表現を公知方法より優れた経済性とエコロジー性の元に再現性良く提供できる転写捺染法である。そして本発明の方法によれば、少量多品種生産や大量生産にも敏速で効率的に対応できる生産システムを構築できる。従って、本発明のフィルム捺染法は、環境適合性と共に経済性と品質効果も優れた方法であり、捺染繊維製品及び皮革製品の付加価値向上と用途拡大に大きく寄与する新規な捺染法である。

Claims (13)

  1. 水溶性合成系バインダー、天然系糊剤及び界面活性剤からなる混合糊を、フィルム表面に付与し、乾燥して得られる捺染用フィルム上に、染料インクをプリントして捺染フィルムを得る工程、前記捺染フィルムを繊維材料又は皮革材料に密着し、加圧・加熱して貼り付けする工程、及び前記捺染フィルムを前記繊維材料又は皮革材料に貼り付けた状態で染料の固着処理を行い、その後捺染フィルムを除去する工程を有し、前記フィルムが、融点が100〜300℃、厚さが5〜120μm、酸素ガス透過度が10,000cc/m2、day、atm(20μm、25℃、50%RH)以下の合成樹脂フィルムである事を特徴とする繊維材料又は皮革材料のフィルム捺染法。
  2. 水溶性合成系バインダー、天然系糊剤及び界面活性剤からなる混合糊を、フィルム表面に付与し乾燥してインク受容層を形成して得られる捺染用フィルム上に、染料インクをプリントして捺染フィルムを得る工程、前記捺染フィルムを繊維材料又は皮革材料に密着し、加圧・加熱してインク受容層を繊維材料又は皮革材料に転写する工程、及び前記転写された繊維材料又は皮革材料の固着処理を行う工程を有し、前記フィルムが、融点が100〜300℃、厚さが5〜120μm、酸素ガス透過度が10,000cc/m2、day、atm(20μm、25℃、50%RH)以下の合成樹脂フィルムである事を特徴とする繊維材料又は皮革材料のフィルム捺染法。
  3. 合成樹脂フィルムが、融点が100〜300℃、厚さが5〜120μm、酸素ガス透過度が10,000cc/m2、day、atm(20μm、25℃、50%RH)以下の合成樹脂フィルムであり、更に、該フィルム表面がコーティング加工、ラミネート加工、物理的、又は化学的加工されていても良いフィルムである事を特徴とする請求項1乃至請求項2に記載のフィルム捺染法。
  4. 界面活性剤のHLBが、0〜15である事を特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のフィルム捺染法。
  5. 水溶性合成系バインダーが、水溶性ポリビニルアルコール系バインダー、水溶性アクリル系バインダー、水溶性ポリエステル系バインダー、水溶性ポリエーテル・ウレタン系バインダー及び水溶性ホットメルト接着剤からなる群より選択された1種又は2種以上の混合物である事を特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のフィルム捺染法。
  6. 天然系糊剤が、天然ガム糊、セルロース誘導体、澱粉誘導体、海藻類、鉱物性糊料、動物性糊料からなる群より選択された1種又は2種以上の混合物である事を特徴とする請求項1乃至請求項5に記載のフィルム捺染法。
  7. 水溶性合成系バインダーと天然系糊剤との配合割合が、固形分換算で、水溶性合成系バインダー:天然系糊剤=95:5〜5:95(重量比)の範囲である事を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のフィルム捺染法。
  8. 前記界面活性剤が糊液に対して0.01〜5%配合され、その他に、助剤として、増粘剤、保湿剤、PH調整剤、アルカリ剤、濃染化剤、防腐剤、防黴剤、及び還元防止剤から選択された1種又は2種以上が配合されている事を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のフィルム捺染法。
  9. 前記染料インクが含む染料が、反応染料、酸性染料、金属錯塩型染料、直接染料、分散染料及びカチオン染料よりなる群から選択された1種又は2種以上である事を特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のフィルム捺染法。
  10. 前記染料インクが水性系染料インクであり、前記プリントがインクジェットプリント、グラビア印刷、又はフレキソ印刷により行われる事を特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のフィルム捺染法。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載されたフィルム捺染法に用いられる捺染用フィルムであって、水溶性合成系バインダー、天然系糊剤、及び界面活性剤からなる混合糊を、フィルム表面に付与し、乾燥して得られることを特徴とする捺染用フィルム。
  12. 請求項1乃至請求項11いずれか1項に記載されたフィルム捺染法に用いられる捺染フィルムであって、水溶性合成系バインダー、天然系糊剤、及び界面活性剤からなる混合糊を、フィルムに付与し、乾燥して得られる捺染用フィルム上に、染料インクをプリントし、乾燥して得られることを特徴とする捺染フィルム。
  13. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載されたフィルム捺染法により捺染されたことを特徴とする繊維材料又は皮革材料。
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JP6465325B1 (ja) * 2018-02-09 2019-02-06 眩士 山本 転写捺染法
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