JP2018062493A - 化合物及び該化合物からなる光塩基発生剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】エポキシ樹脂の硬化反応を速やかに進行させることのできる光塩基発生剤として機能する新規な化合物の提供。【解決手段】式(I)で表される化合物。(R1〜R6は、各々独立に、H、C1〜C5の炭化水素基又はC1〜C5の炭化水素オキシ基;R7は、C1〜C6の炭化水素基又はC6〜C15の芳香環;R8〜R9は、各々独立に、H又はC1〜C15の炭化水素基;R8及びR9の少なくとも一方は前記炭化水素基を表し、R8とR9は、共同して環構造を形成していてもよい。)【選択図】なし
Description
本発明は、新規な化合物及び該化合物からなる光塩基発生剤に関する。
高密度プリント基板などの電子デバイス分野で利用するポリイミドまたはエポキシなどの樹脂の感光材料としては、光酸発生剤が多く用いられてきた。ポリイミドまたはエポキシなどの樹脂による絶縁処理においては、この光酸発生剤を添加することにより、紫外線照射による樹脂の硬化反応を利用して、接続部分および絶縁部分のパターンを形成させることができる。
この光酸発生剤を用いた感光材料からなるフォトレジスト材料としては、高感度・高解像性等を目指し、種々のものが提供されている。しかしながら、この光酸発生剤を、例えば光の作用により酸を発生させ、酸を触媒とするカチオン重合系の材料として用いた場合、硬化後も酸が残存するため、この強酸の存在を原因とする金属配線の腐食や樹脂の変性といった問題が生じ、製品に不具合を生じるという問題があった。今後、電子デバイスの配線がさらに微細化することを考慮すると、この問題はさらに顕在化することが予測されている。
このような背景から、解像度及び感度が高く、耐エッチング性の高いパターンを形成できるレジスト材料を得るために、また、活性エネルギー線を照射して液状物を瞬時に固化させる硬化技術をいっそう高性能化するために、上記のような問題を解決した新たな感光システムの開発が望まれていた。
上記問題を解決する方法として、塩基触媒による重合反応や化学反応を用いる方法、例えば、光の作用によって塩基を発生させ、これを触媒として樹脂を化学変性させる方法を用いて、光によって発生する塩基を触媒とする感光性樹脂組成物をフォトレジスト材料や光硬化材料等に応用する手段が多々検討されている。
たとえば特許文献1には、下記式(1)で表される化合物および該化合物からなる塩基発生剤が開示されている。
この化合物は、量子効率(光脱炭酸効率)が高く、紫外線等の照射により極めて高効率で塩基を遊離させることができ、この遊離した塩基は、極めて塩基性が高く、また、大気雰囲気下で安定に存在できるため、長時間に渡って高い塩基性が維持される。
しかしながら、エポキシ樹脂、硬化剤および光塩基発生剤を含む系において、光照射により塩基を発生させ、これを触媒としてエポキシ樹脂を実際に硬化させようとした場合に、硬化反応が実質的に進行しなかったり、極めて遅かったりするなど、硬化反応を必ずしも速やかに進行させられるとは限らないことがわかった。
本発明は、このような従来技術における問題点に鑑み、エポキシ樹脂、硬化剤および光塩基発生剤を含む系においてエポキシ樹脂の硬化反応を速やかに進行させることのできる光塩基発生剤として機能する新規な化合物、およびこれを用いた光塩基発生剤等を提供することを目的とする。
本発明、たとえば以下の[1]〜[9]に関する。
[1]
下記式(I)で表される化合物(1)。
[1]
下記式(I)で表される化合物(1)。
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R4とR5、又はR5とR6とは、それぞれ共同して飽和又は不飽和の環構造を形成していてもよく、
R7は、炭素数1〜6の炭化水素基又は炭素数6〜15の芳香環を表し、
R8〜R9は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜15の炭化水素基を表し、
R8およびR9の少なくとも一方は前記炭化水素基を表し、
R8とR9は、共同して環構造を形成していてもよい。)
[2]
前記式(I)において、R1〜R6が、水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を表す上記[1]に記載の化合物(1)。
前記式(I)において、R1〜R6が、水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を表す上記[1]に記載の化合物(1)。
[3]
前記式(I)において、R7が、炭素数1〜6の炭化水素基を表す上記[1]または[2]に記載の化合物(1)。
前記式(I)において、R7が、炭素数1〜6の炭化水素基を表す上記[1]または[2]に記載の化合物(1)。
[4]
下記式で表される化合物E1〜E7のいずれかである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物(1)。
下記式で表される化合物E1〜E7のいずれかである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物(1)。
[5]
上記[1]に記載の化合物(1)の製造方法であって、
下記式(II)で表される化合物(2)と、下記式(III)で表される化合物(3)とを反応させて、下記式(IV)で表される化合物(4)を得る工程と、
前記化合物(4)と、式NHR8R9(R8およびR9は、式(I)中のR8およびR9と同義である。)で表される化合物とを反応させて前記化合物(1)を得る工程と
を含む製造方法。
上記[1]に記載の化合物(1)の製造方法であって、
下記式(II)で表される化合物(2)と、下記式(III)で表される化合物(3)とを反応させて、下記式(IV)で表される化合物(4)を得る工程と、
前記化合物(4)と、式NHR8R9(R8およびR9は、式(I)中のR8およびR9と同義である。)で表される化合物とを反応させて前記化合物(1)を得る工程と
を含む製造方法。
Zは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリクロロメトキシ基又は1−イミダゾリル基であり、
R10は塩素原子、トリクロロメトキシ基、1−イミダゾリル基、フェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基又は4−シアノフェノキシ基である。)
[6]
上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物(1)からなる光塩基発生剤。
上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物(1)からなる光塩基発生剤。
[7]
エポキシ樹脂および硬化剤を含む系において用いられる上記[6]に記載の光塩基発生剤。
エポキシ樹脂および硬化剤を含む系において用いられる上記[6]に記載の光塩基発生剤。
[8]
エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤および上記[7]に記載の光塩基発生剤を含有する硬化性組成物。
エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤および上記[7]に記載の光塩基発生剤を含有する硬化性組成物。
本発明に係る化合物を、エポキシ樹脂および硬化剤を含む系において光塩基発生剤として用いると、エポキシ樹脂を速やかに硬化させることができる。
なお、特許文献1にも、本発明に係る化合物と類似する構造を含む化合物が開示されているが、特許文献1にはこの化合物がエポキシ樹脂の硬化に及ぼす影響についての示唆はない。
なお、特許文献1にも、本発明に係る化合物と類似する構造を含む化合物が開示されているが、特許文献1にはこの化合物がエポキシ樹脂の硬化に及ぼす影響についての示唆はない。
以下、本発明に係る化合物(1)等をさらに詳細に説明する。
[化合物(1)]
本発明に係る化合物(1)は下記式(I)で表される。
[化合物(1)]
本発明に係る化合物(1)は下記式(I)で表される。
前記炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜5であり、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。また、前記炭化水素オキシ基の炭素数は好ましくは1〜5であり、前記炭化水素オキシ基としては炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。なお、前記炭化水素基には、本発明の目的を損なわない範囲内で、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子等の炭素以外の原子が含まれていてよく、含まれていなくてもよい。
R1〜R6としての炭素数1〜5のアルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、s−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基及び1,2−ジメチルプロピル基が挙げられる。
R1〜R6としての炭素数1〜5のアルコキシ基としては、たとえばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、1−エチルプロピルオキシ基、s−ペンチルオキシ基、1−メチルブチルオキシ基、2−メチルブチルオキシ基及び1,2−ジメチルプロピルオキシ基が挙げられる。
R1〜R6としては、取り扱い及び入手容易などの観点からは、水素原子、メトキシ基、エトキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基およびt−ブチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
また、R1とR2、R2とR3、R3とR4、R4とR5、又はR5とR6は、それぞれ共同して、飽和又は不飽和の環構造を形成していてもよい。
飽和又は不飽和の環構造を形成するとは、具体的にR1とR2、R2とR3、R3とR4、R4とR5、又はR5とR6がそれぞれ共同して、飽和又は不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成することをいう。
飽和又は不飽和の環構造を形成するとは、具体的にR1とR2、R2とR3、R3とR4、R4とR5、又はR5とR6がそれぞれ共同して、飽和又は不飽和の5員環、6員環又は7員環を形成することをいう。
前記化合物(1)には、具体的には下記に示すような多環構造を有する化合物が含まれる。
R7としての炭素数1〜6のアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、s−アミル基、t−アミル基、2−メチルブチル基、ヘキシル基、1,1’−ジメチルブチル基、2,2’−ジメチルブチル基、3,3’−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル基および1,2,2’−トリメチルプロピル基が挙げられる。
R7としての前記炭素数6〜15の芳香環としては、フェニル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基、ナフチル基、アセナフテニル基又はアントラセニル基が挙げられる。前記芳香環は、本発明の目的を損なわない範囲内で、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子等の炭素以外の原子又は該原子を含む置換基を有していてもよい。
このうち、合成及び取り扱い容易などの点でメチル基、フェニル基又はナフチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記式(I)において、R8〜R9は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜15の炭化水素基を表し、R8およびR9の少なくとも一方は前記炭化水素基を表し、R8とR9は、共同して環構造を形成してもよい。
前記式(I)において、R8〜R9は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜15の炭化水素基を表し、R8およびR9の少なくとも一方は前記炭化水素基を表し、R8とR9は、共同して環構造を形成してもよい。
前記R8〜R9としての前記炭化水素基としては、たとえば炭素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基及び炭素数6〜15の芳香族基が挙げられる。
前記アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、s−アミル基、t−アミル基、2−メチルブチル基、ヘキシル基、1,1’−ジメチルブチル基、2,2’−ジメチルブチル基、3,3’−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル基、1,2,2’−トリメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基が挙げられる。
前記アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、s−アミル基、t−アミル基、2−メチルブチル基、ヘキシル基、1,1’−ジメチルブチル基、2,2’−ジメチルブチル基、3,3’−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル基、1,2,2’−トリメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基が挙げられる。
前記アルケニル基としては、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基が挙げられ、具体例としては、ビニル基およびアリル基が挙げられる。
前記芳香族基の具体例としては、フェニル基およびベンジル基が挙げられ、これらは置換基としてアルキル基を有していてもよい。
前記芳香族基の具体例としては、フェニル基およびベンジル基が挙げられ、これらは置換基としてアルキル基を有していてもよい。
前記炭化水素基には、本発明の目的を損なわない範囲内で、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子等の炭素以外の原子が含まれていてよく、含まれていなくてもよい。炭素以外の原子が含まれる炭化水素基としては、式:CnH2nOH (nは1〜6の整数である。)で表される基が挙げられ、その具体例としては、たとえば式:(CH2)2OH、(CH2)3OHまたはC(CH3)HCH2OHで表される基が挙げられる。
前記式(I)において、NR8R9で表される構造の具体例としては、
前記式(I)において、NR8R9で表される構造の具体例としては、
エポキシ樹脂の硬化は高温で行われることがあり、このような場合、エポキシ樹脂および硬化剤と併用される光塩基発生剤としては、沸点の高い、たとえば沸点が110℃以上の塩基性化合物を発生させられるものが望まれる。このような沸点の高い塩基性化合物(HNR8R9で表される化合物)を発生させるという観点からは、上記のNR8R9で表される構造としては、以下の構造が好ましい。
[化合物(1)の製造方法]
本発明に係る化合物(1)は、特に制限されるものではないが、例えば、
下記式(II)で表される化合物(2)と、下記式(III)で表される化合物(3)とを反応させて、下記式(IV)で表される化合物(4)を得る工程と、
前記化合物(4)と、式NHR8R9(R8およびR9は、式(I)中のR8およびR9と同義である。)で表される化合物(5)とを反応させて前記化合物(1)を得る工程と
を含む製造方法により製造することができる。
本発明に係る化合物(1)は、特に制限されるものではないが、例えば、
下記式(II)で表される化合物(2)と、下記式(III)で表される化合物(3)とを反応させて、下記式(IV)で表される化合物(4)を得る工程と、
前記化合物(4)と、式NHR8R9(R8およびR9は、式(I)中のR8およびR9と同義である。)で表される化合物(5)とを反応させて前記化合物(1)を得る工程と
を含む製造方法により製造することができる。
Zは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリクロロメトキシ基又は1−イミダゾリル基であり、
R10は塩素原子、トリクロロメトキシ基、1−イミダゾリル基、フェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基又は4−シアノフェノキシ基である。)
前記化合物(2)は、たとえば後述する製造例1の方法を参照して製造することができる。
前記化合物(3)としては、たとえば1,1´−カルボニルジイミダゾールが挙げられる。
前記化合物(3)の使用量は、特に制限されないが、たとえば前記化合物(2)の1〜3モル倍量である。
前記化合物(5)の使用量は、特に制限されないが、たとえば前記化合物(4)の1〜3モル倍量である。
前記化合物(3)としては、たとえば1,1´−カルボニルジイミダゾールが挙げられる。
前記化合物(3)の使用量は、特に制限されないが、たとえば前記化合物(2)の1〜3モル倍量である。
前記化合物(5)の使用量は、特に制限されないが、たとえば前記化合物(4)の1〜3モル倍量である。
反応温度は、いずれの工程においても特に制限はなく、たとえば−10〜120℃、好ましくは0〜80℃である。
反応圧力は、いずれの工程においても特に制限はなく、たとえば常圧〜0.1MPaGであり、好ましくは常圧である。
反応時間は、いずれの工程においても特に制限はなく、たとえば1〜24時間である。
反応圧力は、いずれの工程においても特に制限はなく、たとえば常圧〜0.1MPaGであり、好ましくは常圧である。
反応時間は、いずれの工程においても特に制限はなく、たとえば1〜24時間である。
反応溶媒としては、いずれの工程においても特に制限はなく、従来公知の溶媒を使用することができる。
中間生成物である前記化合物(4)および目的物である前記化合物(1)は、反応生成物の中からカラムクロマトグラフィー等の公知の精製手段を用いて回収することができる。
中間生成物である前記化合物(4)および目的物である前記化合物(1)は、反応生成物の中からカラムクロマトグラフィー等の公知の精製手段を用いて回収することができる。
[化合物(1)の用途]
上述したように、前記化合物(1)は光塩基発生剤として有用である。
前記化合物(1)に紫外線(波長:たとえば250〜350nm)等の活性エネルギー線を照射すると、下記式で表される反応により、高い量子収率で、式HNR8R9で表される塩基性化合物が生成する。
上述したように、前記化合物(1)は光塩基発生剤として有用である。
前記化合物(1)に紫外線(波長:たとえば250〜350nm)等の活性エネルギー線を照射すると、下記式で表される反応により、高い量子収率で、式HNR8R9で表される塩基性化合物が生成する。
化合物(1)に活性エネルギー線を照射すると、上記反応式で示される化合物の光化学的な遊離が容易に起こる。これは、化合物(1)の構造において、光水素引き抜きの活性点であるニトロ基の酸素原子と、引き抜かれるベンジル位水素原子が極めて接近しており、光水素移動によるビラジカル生成の効率が高いためと考えられる。活性エネルギー線の照射により生成するビラジカルから脱炭酸が効率的に起きる。
本発明に係る化合物(1)に紫外線を照射する際に、化合物(1)は溶液であってもよく、その溶媒としては、たとえばジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、メタノール、エタノール及びトルエン等の極性のある有機溶媒、および前記有機溶媒(たとえばアセトン)と水との混合溶媒が挙げられる。
さらに、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂用の硬化剤と光塩基発生剤としての前記化合物(1)とを含む系に紫外線を照射すると、エポキシ樹脂を速やかに硬化させることができる。化合物(1)への紫外線照射によって発生する塩基性化合物は、硬化剤からプロトンを引き抜いて硬化剤を活性化させる能力に優れる一方で、前記塩基性化合物自体のエポキシ樹脂との反応性は低く塩基量の減衰が抑制されているため、エポキシ樹脂と硬化剤との反応が速やかに進行するものと考えらえる。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等の従来公知のエポキシ樹脂をはじめ、様々なエポキシ樹脂を用いることができる。
また、前記硬化剤としても、メルカプト化合物、フェノール化合物、ジシアンジアミド等の従来公知の硬化剤をはじめ、様々な硬化剤を用いることができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
反応生成物の同定及び塩基性評価の方法は、以下に示す通りである。
反応生成物の同定及び塩基性評価の方法は、以下に示す通りである。
[1]反応生成物の同定
(1)核磁気共鳴法(1H−NMR及び13C−NMR)
装置:JNM−AL400 FT−NMR (日本電子(株)製)
測定条件
内部基準:テトラメチルシラン(TMS)
1H共鳴周波数:400MHz
(2)質量分析法
装置:JMS−T100CS(日本電子(株)製)
(1)核磁気共鳴法(1H−NMR及び13C−NMR)
装置:JNM−AL400 FT−NMR (日本電子(株)製)
測定条件
内部基準:テトラメチルシラン(TMS)
1H共鳴周波数:400MHz
(2)質量分析法
装置:JMS−T100CS(日本電子(株)製)
[2]塩基性評価
アセトン4.5mlおよび蒸留水0.5mlの混合溶液中に、実施例もしくは比較例で製造した化合物(光塩基発生剤)1mmolを加えて溶液を作製し、溶液のpHを測定した。
アセトン4.5mlおよび蒸留水0.5mlの混合溶液中に、実施例もしくは比較例で製造した化合物(光塩基発生剤)1mmolを加えて溶液を作製し、溶液のpHを測定した。
次いで、前記溶液をUV測定用の石英セルに入れ、遮光・大気雰囲気下において波長254nmの紫外線を照射した(光量:614μW/cm2)。照射開始から一定時間経過後の溶液のpHおよび着色を測定ないし観察した。
併せて、前記混合溶液中に、前記化合物から光照射によって発生するアミン化合物1mmolを加えて溶液を作製し、溶液のpH(以下「アミン化合物単独でのpH」ともいう。)を測定した。
pHの測定条件は以下のとおりであった。
温度:室温
装置:pH メーター(東亜ディーケーケー(株)製、製品名「PHM−103」)
測定方法:ガラス電極法
pHの測定条件は以下のとおりであった。
温度:室温
装置:pH メーター(東亜ディーケーケー(株)製、製品名「PHM−103」)
測定方法:ガラス電極法
[3]エポキシ樹脂硬化性能の評価
エポキシ樹脂(2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニルプロパン)1.0gと、硬化剤(商品名:カレンズMT(登録商標)PE1(昭和電工(株)製))0.7gとを混合し、そこへ光塩基発生剤として実施例又は比較例で製造した化合物1mmolを投入し、これらを溶解させずに懸濁状態のままマグネチックスターラーで攪拌し、そこへ波長254nmの紫外線を照射した(光量:614μW/cm2)。
照射開始から一定時間経過した際に、エポキシ樹脂の硬化状態を確認した。
エポキシ樹脂(2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニルプロパン)1.0gと、硬化剤(商品名:カレンズMT(登録商標)PE1(昭和電工(株)製))0.7gとを混合し、そこへ光塩基発生剤として実施例又は比較例で製造した化合物1mmolを投入し、これらを溶解させずに懸濁状態のままマグネチックスターラーで攪拌し、そこへ波長254nmの紫外線を照射した(光量:614μW/cm2)。
照射開始から一定時間経過した際に、エポキシ樹脂の硬化状態を確認した。
〔製造例1〕
8−ニトロ−α−ナフタレニルアルコールの合成
(第1工程 8−ニトロアセトナフトンの合成)
<反応>
200mlの4つ口フラスコに温度計、撹拌子をセットし濃硝酸を50ml投入し撹拌を開始した。氷水浴により内温を0℃付近まで冷却した。その中に市販品であるアセトナフトン(下式での「出発原料」)10gをゆっくりと投下し完全に溶解させた。フラスコを氷水浴に浸したまま1時間程度撹拌し、溶液を20℃付近まで昇温させさらに1時間程度撹拌して反応液を得た。反応が完結していたことを確認し、後処理へ移行した。
8−ニトロ−α−ナフタレニルアルコールの合成
(第1工程 8−ニトロアセトナフトンの合成)
<反応>
200mlの4つ口フラスコに温度計、撹拌子をセットし濃硝酸を50ml投入し撹拌を開始した。氷水浴により内温を0℃付近まで冷却した。その中に市販品であるアセトナフトン(下式での「出発原料」)10gをゆっくりと投下し完全に溶解させた。フラスコを氷水浴に浸したまま1時間程度撹拌し、溶液を20℃付近まで昇温させさらに1時間程度撹拌して反応液を得た。反応が完結していたことを確認し、後処理へ移行した。
<後処理>
前記反応液を氷水650mlに加え硝酸を失活させた。この処理液にクロロホルム300mlを加え目的物を抽出した。水層を廃棄して有機層を新しい水道水、飽和重曹水、飽和食塩水(各300ml)の順番で洗浄した。洗浄し終わった有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて30分ほど撹拌し、ろ過を行った。ろ液をクロロホルムが完全になくなるまで濃縮し中間体1の素体を得た。収量=7.7g。
前記反応液を氷水650mlに加え硝酸を失活させた。この処理液にクロロホルム300mlを加え目的物を抽出した。水層を廃棄して有機層を新しい水道水、飽和重曹水、飽和食塩水(各300ml)の順番で洗浄した。洗浄し終わった有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて30分ほど撹拌し、ろ過を行った。ろ液をクロロホルムが完全になくなるまで濃縮し中間体1の素体を得た。収量=7.7g。
<精製>
この素体を203gのシリカゲルとヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶媒とを用いてカラムクロマトグラフィーによる精製に供し、目的物スポットを単離して中間体-1(下式参照)を得た。カラム後収量7.68g。
この素体を203gのシリカゲルとヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶媒とを用いてカラムクロマトグラフィーによる精製に供し、目的物スポットを単離して中間体-1(下式参照)を得た。カラム後収量7.68g。
(第2工程 8−ニトロ−α−ナフタレニルアルコールの合成)
<反応>
200mlの4つ口フラスコに温度計、撹拌子をセットしTHFを40ml を投入し撹拌を開始した。第1工程で得られた、中間体-1を3.84gフラスコ内に投入し溶解させた。溶解後0度付近まで氷浴にて冷却した。その後、水素化ホウ素ナトリウム670mgゆっくりと投入し1時間撹拌した。氷浴からフラスコを外し室温まで昇温させ、さらに1時間程度撹拌し反応液を得た。原料が消失したことを確認し、後処理に移行した。
<反応>
200mlの4つ口フラスコに温度計、撹拌子をセットしTHFを40ml を投入し撹拌を開始した。第1工程で得られた、中間体-1を3.84gフラスコ内に投入し溶解させた。溶解後0度付近まで氷浴にて冷却した。その後、水素化ホウ素ナトリウム670mgゆっくりと投入し1時間撹拌した。氷浴からフラスコを外し室温まで昇温させ、さらに1時間程度撹拌し反応液を得た。原料が消失したことを確認し、後処理に移行した。
<後処理>
前記反応液を1N HCl水溶液70mlに投入し、未反応の水素化ホウ素ナトリウムを完全に反応させ、その後エバポレーターで濃縮した。濃縮後の残渣にジクロロメタン130mlを加え残渣を完全に溶解させた。得られた有機層を水道水、飽和重曹水、飽和食塩水(各130ml)で洗浄した後、有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて30分程度撹拌し、次いでろ過を行った。ろ液を濃縮し目的物粗体(下式の「原料-1」)(2.49g)を得た。同定はNMRにて行った。
前記反応液を1N HCl水溶液70mlに投入し、未反応の水素化ホウ素ナトリウムを完全に反応させ、その後エバポレーターで濃縮した。濃縮後の残渣にジクロロメタン130mlを加え残渣を完全に溶解させた。得られた有機層を水道水、飽和重曹水、飽和食塩水(各130ml)で洗浄した後、有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて30分程度撹拌し、次いでろ過を行った。ろ液を濃縮し目的物粗体(下式の「原料-1」)(2.49g)を得た。同定はNMRにて行った。
〔実施例1−7〕
<反応>
50mlの4つ口フラスコに温度計、撹拌子をセットし、室温でジクロロメタンを20ml を投入し撹拌を開始した。製造例1で合成した8−ニトロ−α−ナフタレニルアルコール(原料-1)2.17gをフラスコ内に投入し溶解させた。溶解後、トリエチルアミン1.4mlを加え5分程度撹拌後、1,1'-カルボニルジイミダゾールを1.98g投入し2時間程度撹拌した。原料が消失し中間体が生成したことを確認したらアミンを投入し、12時間程度撹拌し反応溶液を得た。各実施例で投入したアミンの種類および量は以下のとおりであった。
<反応>
50mlの4つ口フラスコに温度計、撹拌子をセットし、室温でジクロロメタンを20ml を投入し撹拌を開始した。製造例1で合成した8−ニトロ−α−ナフタレニルアルコール(原料-1)2.17gをフラスコ内に投入し溶解させた。溶解後、トリエチルアミン1.4mlを加え5分程度撹拌後、1,1'-カルボニルジイミダゾールを1.98g投入し2時間程度撹拌した。原料が消失し中間体が生成したことを確認したらアミンを投入し、12時間程度撹拌し反応溶液を得た。各実施例で投入したアミンの種類および量は以下のとおりであった。
<後処理>
前記反応溶液を溶媒が完全になくなるまで濃縮し、残渣に酢酸エチル50mlを投入して残渣を完全に溶解させた。得られた有機層を1N HCl水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水(各50ml)で洗浄した。有機層に無水硫酸ナトリウムを入れて30分程度撹拌した後、ろ過を行った。ろ液を濃縮し目的物粗体を得た。目的物粗体の収量は以下のとおりであった。
前記反応溶液を溶媒が完全になくなるまで濃縮し、残渣に酢酸エチル50mlを投入して残渣を完全に溶解させた。得られた有機層を1N HCl水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水(各50ml)で洗浄した。有機層に無水硫酸ナトリウムを入れて30分程度撹拌した後、ろ過を行った。ろ液を濃縮し目的物粗体を得た。目的物粗体の収量は以下のとおりであった。
<精製>
目的物粗体を、各粗体の30体積倍のシリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーによる精製に供し、目的物スポットを分離し、濃縮後乾燥させ、目的物を得た。得られた目的物の収量は以下のとおりであった。
目的物粗体を、各粗体の30体積倍のシリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーによる精製に供し、目的物スポットを分離し、濃縮後乾燥させ、目的物を得た。得られた目的物の収量は以下のとおりであった。
〔比較例1〕
α−メチル−2−ニトロフェニルオキシカルボニルヘキシルアミンの合成
(第1工程 α−メチル−2−ニトロベンジルアルコールの合成)
<反応>
500mlの4つ口フラスコに温度計、撹拌子をセットしてTHFを200ml投入し、撹拌を開始した。その中へ市販品である2−ニトロアセトフェノン(分子量:165.15)20g(166.4mmol)を加え、完全に溶解させた。フラスコを氷浴に浸し溶液を0度付近まで冷却した。冷却された溶液に水素化ホウ素ナトリウム(Sodium borohydride(SBH) 分子量:37.83)6.3gを加えた。冷却状態をさらに30分間程度維持した後、冷媒を取り去取り溶液を室温まで昇温させた。
室温まで戻った溶液をさらに1時間程度撹拌した後、反応が完結したことを確認した。
α−メチル−2−ニトロフェニルオキシカルボニルヘキシルアミンの合成
(第1工程 α−メチル−2−ニトロベンジルアルコールの合成)
<反応>
500mlの4つ口フラスコに温度計、撹拌子をセットしてTHFを200ml投入し、撹拌を開始した。その中へ市販品である2−ニトロアセトフェノン(分子量:165.15)20g(166.4mmol)を加え、完全に溶解させた。フラスコを氷浴に浸し溶液を0度付近まで冷却した。冷却された溶液に水素化ホウ素ナトリウム(Sodium borohydride(SBH) 分子量:37.83)6.3gを加えた。冷却状態をさらに30分間程度維持した後、冷媒を取り去取り溶液を室温まで昇温させた。
室温まで戻った溶液をさらに1時間程度撹拌した後、反応が完結したことを確認した。
<後処理>
反応液に1N HCl水溶液20mlを加え、未反応のSBHを分解させた。この処理液をエバポレータで濃縮した。濃縮物を、酢酸エチル100mlを加えて完全に溶解させた。得られた有機層を水道水、飽和重曹水、飽和食塩水(各100ml)の順番で洗浄した。洗浄後の有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて30分ほど撹拌し、ろ過を行った。ろ液を濃縮乾燥し化合物を得た。NMRにより同定を行い、この化合物がα−メチル−2−ニトロベンジルアルコールであることを確認した。
反応液に1N HCl水溶液20mlを加え、未反応のSBHを分解させた。この処理液をエバポレータで濃縮した。濃縮物を、酢酸エチル100mlを加えて完全に溶解させた。得られた有機層を水道水、飽和重曹水、飽和食塩水(各100ml)の順番で洗浄した。洗浄後の有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて30分ほど撹拌し、ろ過を行った。ろ液を濃縮乾燥し化合物を得た。NMRにより同定を行い、この化合物がα−メチル−2−ニトロベンジルアルコールであることを確認した。
(第2工程 α−メチル−2−ニトロフェニルオキシカルボニルヘキシルアミンの合成)
<反応>
500mlの4つ口フラスコに温度計、撹拌子をセットしてジクロロメタンを200m](ール(分子量:167.16)20g(119.64mmol)をフラスコ内に投入し、溶解させた。溶解後、トリエチルアミン(分子量:101.19)20mlを加え5分程度撹拌した後、さらに1,1´−カルボニルジイミダゾール(分子量:162.15)を20g投入し、2時間撹拌を行った。原料が消失して中間体が生成したことを確認し、シクロヘキシルアミン(分子量:99.17)14mlを投入し12時間程度撹拌し、中間体が消失したことを確認した。
<反応>
500mlの4つ口フラスコに温度計、撹拌子をセットしてジクロロメタンを200m](ール(分子量:167.16)20g(119.64mmol)をフラスコ内に投入し、溶解させた。溶解後、トリエチルアミン(分子量:101.19)20mlを加え5分程度撹拌した後、さらに1,1´−カルボニルジイミダゾール(分子量:162.15)を20g投入し、2時間撹拌を行った。原料が消失して中間体が生成したことを確認し、シクロヘキシルアミン(分子量:99.17)14mlを投入し12時間程度撹拌し、中間体が消失したことを確認した。
<後処理>
反応液を1N HCl水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水(各200ml)で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸ナトリウムを入れて30分程度撹拌した後、ろ過を行った。ろ液を濃縮し目的物粗体(17g)を得た。
反応液を1N HCl水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水(各200ml)で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸ナトリウムを入れて30分程度撹拌した後、ろ過を行った。ろ液を濃縮し目的物粗体(17g)を得た。
<精製>
目的物粗体を、ヘキサン:酢酸エチル=3:1の溶媒を用いてカラムクロマトグフィーに供し、目的物スポットを分離し濃縮後乾燥させ、下式で表される化合物(α−メチル−2−ニトロフェニルオキシカルボニルヘキシルアミン)(以下「化合物8」ともいう。)(収量:9.5g)が得られた。
目的物粗体を、ヘキサン:酢酸エチル=3:1の溶媒を用いてカラムクロマトグフィーに供し、目的物スポットを分離し濃縮後乾燥させ、下式で表される化合物(α−メチル−2−ニトロフェニルオキシカルボニルヘキシルアミン)(以下「化合物8」ともいう。)(収量:9.5g)が得られた。
[評価結果]
製造例1で製造した原料1、実施例1〜7で製造した化合物1〜7、比較例1の第1工程で製造した化合物、第2工程で製造した化合物の1H-NMR、13C-NMRおよび質量分析による分析結果を、それぞれ下表に記載した図に示す。
製造例1で製造した原料1、実施例1〜7で製造した化合物1〜7、比較例1の第1工程で製造した化合物、第2工程で製造した化合物の1H-NMR、13C-NMRおよび質量分析による分析結果を、それぞれ下表に記載した図に示す。
化合物1:MS(ESI+) m/z 387.1(100)
化合物3:MS(ESI+) m/z 373.1(100)
化合物4:MS(ESI+) m/z 365.1(100)
化合物5:MS(ESI+) m/z 339.1(100)
化合物6:MS(ESI+) m/z 323.0(100)
化合物7:MS(ESI+) m/z 339.1(100)
また、光塩基発生剤として化合物1〜8を用いての塩基性評価およびエポキシ樹脂硬化性能の評価の結果を、それぞれ表5および表6に示す。
Claims (8)
- 下記式(I)で表される化合物(1)。
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R4とR5、又はR5とR6とは、それぞれ共同して飽和又は不飽和の環構造を形成していてもよく、
R7は、炭素数1〜6の炭化水素基又は炭素数6〜15の芳香環を表し、
R8〜R9は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜15の炭化水素基を表し、
R8およびR9の少なくとも一方は前記炭化水素基を表し、
R8とR9は、共同して環構造を形成していてもよい。) - 前記式(I)において、R1〜R6が、水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を表す請求項1に記載の化合物(1)。
- 前記式(I)において、R7が、炭素数1〜6の炭化水素基を表す請求項1または2に記載の化合物(1)。
- 下記式で表される化合物E1〜E7のいずれかである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物(1)。
- 請求項1に記載の化合物(1)の製造方法であって、
下記式(II)で表される化合物(2)と、下記式(III)で表される化合物(3)とを反応させて、下記式(IV)で表される化合物(4)を得る工程と、
前記化合物(4)と、式NHR8R9(R8およびR9は、式(I)中のR8およびR9と同義である。)で表される化合物とを反応させて前記化合物(1)を得る工程と
を含む製造方法。
Zは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリクロロメトキシ基又は1−イミダゾリル基であり、
R10は塩素原子、トリクロロメトキシ基、1−イミダゾリル基、フェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基又は4−シアノフェノキシ基である。) - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物(1)からなる光塩基発生剤。
- エポキシ樹脂および硬化剤を含む系において用いられる請求項6に記載の光塩基発生剤。
- エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤および請求項7に記載の光塩基発生剤を含有する硬化性組成物。
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JP2016202688A JP2018062493A (ja) | 2016-10-14 | 2016-10-14 | 化合物及び該化合物からなる光塩基発生剤 |
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JP2021066075A (ja) * | 2019-10-23 | 2021-04-30 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インクジェット記録用前処理液、インクジェット記録装置及び画像形成方法 |
-
2016
- 2016-10-14 JP JP2016202688A patent/JP2018062493A/ja active Pending
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