以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示す。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、動作の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素は、任意の構成要素として説明される。
また、以下の説明における第1および第2などの序数は、適宜、付け替えられてもよい。
(実施の形態)
本実施の形態は、発電設備の情報を推定する発電設備情報推定システムの構成、および、その動作を示す。まず、図1および図2を用いて、発電設備情報推定システムの構成および動作を説明する。
図1は、本実施の形態における発電設備情報推定システムの構成を示すブロック図である。図1に示された発電設備情報推定システム100は、実績量取得部101および推定部102を備える。発電設備情報推定システム100は、需要家の施設に設置された、あるいは、設置されるべき発電設備のパラメータの値を発電設備の設備情報として推定する。
実績量取得部101は、発電設備の発電量と需要家設備の電力消費量とのうち一方の実績量を取得する取得器である。実績量取得部101は、コンピュータでもよいし、汎用または専用の回路でもよいし、汎用または専用のプロセッサでもよい。発電設備は、需要家の施設に設置される太陽光発電設備または風力発電設備等である。需要家設備は、需要家の施設に設置される電気機器等である。
例えば、実績量取得部101は、発電設備から発電量の実績量を取得してもよいし、発電量を計測する計測器から発電量の実績量を取得してもよい。また、実績量取得部101は、需要家設備から電力消費量の実績量を取得してもよいし、電力消費量を計測する計測器から電力消費量の実績量を取得してもよい。ここで、実績量は、時間毎の実績量でもよい。時間毎の実績量は、実績量の時間推移を示し、実績推移とも表現され得る。
推定部102は、発電設備のパラメータの値を推定する推定器である。推定部102は、コンピュータでもよいし、汎用または専用の回路でもよいし、汎用または専用のプロセッサでもよい。発電設備のパラメータは、発電設備の設備情報または設備条件とも表現され、発電設備の設置場所、設備容量、設置方位角または設置傾斜角等でもよい。例えば、発電設備が太陽光発電設備である場合、発電設備の設置方位角および設置傾斜角は、太陽光パネルの設置方位角および設置傾斜角である。
推定部102によって推定される値は、需要家の施設に既に設置された発電設備のパラメータの実際の値でもよいし、将来、需要家の施設に設置される発電設備のパラメータの推奨値でもよい。
例えば、推定部102は、発電設備のパラメータの候補値に基づいて発電量を推定することにより発電量の推定量を取得する。ここで、推定量は、時間毎の推定量でもよい。時間毎の推定量は、発電量を時間毎に推定することにより取得される。また、時間毎の推定量は、推定量の時間推移を示し、推定推移とも表現され得る。推定部102は、候補値に基づいて取得された推定量(推定推移)と、実績量取得部101で取得された実績量(実績推移)とに基づいて、発電設備のパラメータの値を推定する。
具体的には、実績量取得部101によって発電量の実績量が取得されてもよい。そして、推定部102は、発電量の推定量と、発電量の実績量との類似度に基づいてパラメータの値を推定してもよい。その際、推定部102は、類似度が所定の基準よりも高い場合、パラメータの候補値をパラメータの値として推定してもよい。
また、例えば、推定部102は、パラメータの複数の候補値に基づいて発電量を推定することにより発電量の複数の推定量を取得してもよい。
そして、推定部102は、複数の推定量のうち発電量の実績量に対する類似度が最も高い推定量に対応する候補値を複数の候補値から選択し、選択された候補値をパラメータの値として推定してもよい。あるいは、推定部102は、複数の候補値と、複数の推定量および発電量の実績量の間における複数の類似度との関係に適合する近似関数(近似式)を導出し、導出された近似関数において類似度が最も高い候補値をパラメータの値として推定してもよい。
また、実績量取得部101によって電力消費量の実績量が取得されてもよい。そして、推定部102は、推定量のうち電力消費量の実績量を超える部分と、推定量のうち電力消費量の実績量を超えない部分とのうち少なくとも一方に基づいて、パラメータの値を推定してもよい。推定量のうち電力消費量の実績量を超える部分は、推定量のうち電力消費量の実績量を除く部分に相当する。推定量のうち電力消費量の実績量を超えない部分は、推定量のうち電力消費量の実績量に含まれる部分に相当する。また、推定部102は、推定量の評価値に基づいて、パラメータの値を推定してもよい。
ここで、推定量の評価値は、自家消費量またはその割合が大きいほど高くてもよい。例えば、推定量の評価値は、推定量のうち電力消費量の実績量を超えない部分が大きいほど高くてもよい。また、例えば、推定量の評価値は、推定量のうち電力消費量の実績量を超える部分が小さいほど高く、かつ、推定量のうち電力消費量の実績量を超えない部分が大きいほど高くてもよい。
あるいは、推定量の評価値は、逆潮流量またはその割合が大きいほど高くてもよい。例えば、推定量の評価値は、推定量のうち電力消費量の実績量を超える部分が大きいほど高くてもよい。また、例えば、推定量の評価値は、推定量のうち電力消費量の実績量を超える部分が大きいほど高く、かつ、推定量のうち電力消費量の実績量を超えない部分が小さいほど高くてもよい。
そして、推定部102は、パラメータの候補値に基づいて取得された推定量の評価値が所定の基準よりも高い場合、パラメータの候補値をパラメータの値として推定してもよい。
また、推定部102は、パラメータの複数の候補値に基づいて発電量を推定することにより複数の推定量を取得してもよい。そして、推定部102は、複数の推定量のうち評価値が最も高い推定量に対応する候補値を複数の候補値から選択し、選択された候補値をパラメータの値として推定してもよい。あるいは、推定部102は、複数の候補値と、複数の推定量の複数の評価値との関係に適合する近似関数を導出し、導出された近似関数において評価値が最も高い候補値をパラメータの値として推定してもよい。
また、推定部102は、発電量の推定に、気象情報を利用してもよいし、発電設備の他のパラメータの値を利用してもよい。また、推定部102は、発電設備のパラメータの推定値を出力してもよいし、発電設備のパラメータの推定値を用いて、発電設備の発電量を予測してもよい。
図2は、図1に示された発電設備情報推定システム100の動作を示すフローチャートである。まず、実績量取得部101は、発電設備の発電量と需要家設備の電力消費量とのうち一方の実績量を取得する(S101)。次に、推定部102は、発電設備のパラメータの候補値に基づいて発電量を推定することにより発電量の推定量を取得し、推定量と実績量とに基づいて発電設備のパラメータの値を推定する(S102)。
これにより、発電設備情報推定システム100は、発電設備のパラメータの候補値に基づく発電量の推定量と、実際の発電量または電力消費量の実績量との関係に基づいて、発電設備のパラメータの値を適切に推定することができる。具体的には、例えば、発電設備情報推定システム100は、発電設備のパラメータの実際の値、あるいは、自家消費量または逆潮流量を最大にする発電設備のパラメータの値を適切に推定することができる。
したがって、発電設備情報推定システム100は、発電設備の設備情報の確認、または、発電設備の設備情報に基づく発電設備の発電量の予測を支援することができる。例えば、発電設備情報推定システム100は、経済メリットを最大にする発電設備の設置方法の決定を支援することができる。
また、例えば、発電設備情報推定システム100は、発電設備の発電量を予測するための情報が発電量予測システム等に入力される際の入力時間および入力ミスを抑制することができる。
(第1具体例)
次に、図3〜図10を用いて、図1に示された発電設備情報推定システム100に関する第1具体例を説明する。なお、本具体例において推定に用いられる実績量は、発電設備の発電量の実績量である。
図3は、本具体例における発電量予測システムの構成を示すブロック図である。図3に示された発電量予測システム200は、図1に示された発電設備情報推定システム100を備える。発電量予測システム200は、さらに、気象情報配信装置201、気象情報取得部202、発電設備203、パラメータ取得部204、予測部205、入力装置206、および、出力装置207を備える。
なお、上記の複数の構成要素のうちの一部(特に、気象情報配信装置201、発電設備203、入力装置206および出力装置207等)は、発電量予測システム200に含まれなくてもよい。本具体例における発電設備情報推定システム100は、需要家の施設に既に設置された発電設備203のパラメータの実際の値を推定する。
気象情報配信装置201は、気象情報を配信する配信器である。例えば、気象情報配信装置201は、コンピュータであって、有線または無線のネットワークを介して、過去、現在および将来における各場所の気象情報を配信する。気象情報は、天気、気温、湿度、日照時間、雲量および風速等を含んでいてもよい。
気象情報取得部202は、気象情報を取得する取得器である。気象情報取得部202は、コンピュータでもよいし、汎用または専用の回路でもよいし、汎用または専用のプロセッサでもよい。例えば、気象情報取得部202は、気象情報配信装置201から有線または無線のネットワークを介して、発電設備203が設置された場所の、過去、現在および将来における気象情報を取得する。
発電設備203は、発電を行う発電機である。例えば、発電設備203は、需要家の施設に設置された太陽光発電設備または風力発電設備等であって、自然エネルギーを用いて発電を行う。
実績量取得部101は、図1に示された構成要素であり、本具体例において、発電設備203の発電量の実績量を取得する。実績量取得部101は、発電設備203から発電量の実績量を取得してもよいし、発電設備203の発電量を計測する計測器から発電量の実績量を取得してもよい。
推定部102は、図1に示された構成要素であり、発電設備203のパラメータの値を推定する。
具体的には、推定部102は、発電設備203のパラメータの候補値に基づいて、実績量取得部101で取得された実績量の発電が行われた期間(推定対象期間)における発電量を推定することにより、その期間における発電量の推定量を取得する。そして、推定部102は、発電設備203のパラメータの候補値に基づいて取得された推定量と、実績量取得部101で取得された実績量とに基づいて、発電設備203のパラメータの値を推定する。
例えば、推定部102は、発電量の推定量と、発電量の実績量との類似度に基づいてパラメータの値を推定してもよい。その際、推定部102は、類似度が所定の基準よりも高い場合、パラメータの候補値をパラメータの値として推定してもよい。
また、例えば、推定部102は、パラメータの複数の候補値に基づいて発電量を推定することにより発電量の複数の推定量を取得してもよい。
そして、推定部102は、複数の推定量のうち実績量に対する類似度が最も高い推定量に対応する候補値を複数の候補値から選択し、選択された候補値をパラメータの値として推定してもよい。あるいは、推定部102は、複数の候補値と、複数の推定量および実績量の間における複数の類似度との関係に適合する近似関数を導出し、導出された近似関数において類似度が最も高い候補値をパラメータの値として推定してもよい。
また、推定部102は、発電量の推定に、気象情報取得部202によって取得される気象情報を利用してもよい。例えば、推定部102は、気象情報取得部202を介して、推定対象期間の気象情報を取得し、取得された気象情報に基づいて発電量を推定してもよい。具体的には、発電設備203が太陽光発電装置であり、推定対象期間の天気が晴れであれば、推定部102は、比較的大きい発電量を推定対象期間の発電量として推定してもよい。
また、推定部102は、発電量の推定に、パラメータ取得部204によって取得される他のパラメータの値を利用してもよい。例えば、推定部102は、パラメータ取得部204を介して、発電設備203の他のパラメータの値を取得してもよい。そして、推定部102は、発電設備203のパラメータの候補値と、発電設備203の他のパラメータの値とに基づいて、発電量を推定してもよい。
パラメータ取得部204は、発電設備203のパラメータの値を取得する取得器である。パラメータ取得部204は、コンピュータでもよいし、汎用または専用の回路でもよいし、汎用または専用のプロセッサでもよい。例えば、パラメータ取得部204は、入力装置206から発電設備203のパラメータの値を取得する。パラメータ取得部204は、入力装置206からネットワークを介して発電設備203のパラメータの値を取得してもよい。
パラメータ取得部204によって値が取得されるパラメータは、推定部102によって値が推定されるパラメータとは異なる。パラメータ取得部204によって値が取得されるパラメータを他のパラメータと呼ぶ場合がある。また、パラメータ取得部204によって値が取得されるパラメータを第1パラメータと呼び、推定部102によって値が推定されるパラメータを第2パラメータと呼ぶ場合がある。
予測部205は、発電量を予測する予測器である。予測部205は、コンピュータでもよいし、汎用または専用の回路でもよいし、汎用または専用のプロセッサでもよい。例えば、予測部205は、推定部102から発電設備203のパラメータの推定値を取得し、発電設備203のパラメータの推定値に基づいて、将来における発電設備203の発電量を予測する。
また、予測部205は、発電量の予測に、気象情報取得部202によって取得される気象情報を利用してもよい。例えば、予測部205は、気象情報取得部202を介して、予測対象期間の気象情報を取得し、取得された気象情報に基づいて発電量を予測してもよい。具体的には、発電設備203が太陽光発電装置であり、予測対象期間の天気が晴れであれば、予測部205は、比較的大きい発電量を予測対象期間の発電量として予測してもよい。
また、予測部205は、発電量の予測に、パラメータ取得部204によって取得される他のパラメータの値を利用してもよい。例えば、予測部205は、パラメータ取得部204を介して、発電設備203の他のパラメータの値を取得してもよい。そして、予測部205は、発電設備203のパラメータの推定値と、発電設備203の他のパラメータの値とに基づいて、発電量を予測してもよい。
入力装置206は、ユーザーによって情報が入力される入力器である。具体的には、入力装置206は、キーボード、マウスまたはタッチパネル等の入力インターフェースでもよいし、入力インターフェースを含むコンピュータでもよい。例えば、入力装置206には、発電設備203の他のパラメータの値が入力される。そして、パラメータ取得部204は、入力装置206を介して、発電設備203の他のパラメータの値を取得する。
出力装置207は、情報を出力する出力器である。具体的には、出力装置207は、ディスプレイまたはタッチパネル等の出力インターフェースでもよいし、出力インターフェースを含むコンピュータでもよい。例えば、出力装置207は、推定部102における推定結果、および、予測部205における予測結果を表示することにより、推定結果および予測結果を出力する。
なお、出力装置207と入力装置206とは、一体化された入出力装置でもよい。このような入出力装置は、タッチパネルでもよいし、コンピュータでもよいし、携帯電話でもよいし、スマートフォンでもよい。
また、発電設備情報推定システム100は、発電量予測システム200が備える構成要素のうちの全部または一部を備えてもよい。特に、発電設備情報推定システム100は、さらに、気象情報取得部202を備えてもよいし、パラメータ取得部204を備えてもよい。また、発電設備情報推定システム100は、1つの筐体に含まれる1つの装置でもよいし、複数の装置で構成されてもよい。
例えば、実績量取得部101、推定部102、気象情報取得部202、パラメータ取得部204および予測部205が、1つの装置として発電設備情報推定システム100または発電量予測システム200を構成してもよい。
また、各構成要素は、それぞれ、メモリ等の記憶部を備えてもよい。そして、処理結果(取得結果、推定結果または予測結果等)が、記憶部に蓄積されてもよい。また、各構成要素は、他の構成要素と有線または無線で通信するための通信部を備えてもよい。
また、発電量の推定および予測に、気象情報が利用されなくてもよいし、他のパラメータの値が利用されなくてもよい。この場合、発電量予測システム200は、気象情報取得部202およびパラメータ取得部204等を備えなくてもよい。
図4は、図3に示された発電量予測システム200の動作を示すフローチャートである。まず、気象情報取得部202は、気象情報配信装置201から推定対象期間および予測対象期間における気象情報を取得する(S201)。そして、パラメータ取得部204は、入力装置206を介して、発電設備203の第1パラメータの値を取得する(S202)。そして、実績量取得部101は、推定対象期間における発電設備203の発電量の実績量を取得する(S203)。
次に、推定部102は、推定対象期間における気象情報と、発電設備203の第1パラメータの値と、発電設備203の第2パラメータの候補値とに基づいて、推定対象期間における発電設備203の発電量の推定量を取得する(S204)。推定部102は、推定対象期間における気象情報と、発電設備203の第1パラメータの値と、発電設備203の第2パラメータの複数の候補値とに基づいて、推定対象期間における発電設備203の発電量の複数の推定量を取得してもよい。
次に、推定部102は、推定対象期間における推定量と、推定対象期間における実績量との類似度に基づいて、発電設備203の第2パラメータの値を推定する(S205)。
例えば、推定部102は、第2パラメータの候補値に基づく推定量と、実績量との類似度が所定の基準よりも高い場合、第2パラメータの候補値を第2パラメータの値として推定してもよい。この所定の基準は、他の候補値に基づく推定量と、実績量との類似度で規定されてもよい。
また、例えば、推定部102は、第2パラメータの複数の候補値に基づく複数の推定量のうち実績量に対する類似度が最も高い推定量に対応する候補値を第2パラメータの値として推定してもよい。また、例えば、推定部102は、複数の候補値と複数の類似度との関係に適合する近似関数を導出し、その近似関数において類似度が最も高い候補値を第2パラメータの値として推定してもよい。ここで、複数の類似度は、複数の候補値に基づく複数の推定量と実績量との間における複数の類似度である。
次に、予測部205は、予測対象期間における気象情報と、発電設備203の第1パラメータの値と、発電設備203の第2パラメータの推定値とに基づいて、予測対象期間における発電設備203の発電量の予測量を取得する(S206)。最後に、出力装置207は、予測対象期間における発電設備203の発電量の予測量を表示する(S207)。
図5は、図3に示された発電設備情報推定システム100によって実行される推定処理のデータフローを示すデータフロー図である。この例では、複数の候補値が利用される。以下、図5に示されるデータフローに沿って、推定処理を説明する。
実績量取得部101は、発電量の実績量を取得する(S301)。一方、推定部102は、気象情報と、発電設備203の第1パラメータの値と、発電設備203の第2パラメータの複数の候補値とに基づいて発電量を推定することにより、発電量の複数の推定量を取得する(S302)。なお、推定部102は、発電量の推定に、気象情報を利用しなくてもよいし、第1パラメータの値を利用しなくてもよい。
次に、推定部102は、発電量の実績量と、発電量の複数の推定量のそれぞれとを比較して、発電量の実績量と、発電量の複数の推定量との間における複数の類似度を取得する(S303)。次に、推定部102は、発電設備203の第2パラメータの複数の候補値と、複数の候補値に基づく複数の類似度とに基づいて、発電設備203の第2パラメータの値を推定することにより、発電設備203の第2パラメータの推定値を取得する(S304)。
例えば、推定部102は、複数の候補値に基づく複数の類似度のうち最も高い類似度に対応する候補値を発電設備203の第2パラメータの値として推定してもよい。あるいは、推定部102は、複数の候補値と、複数の候補値に基づく複数の類似度との関係に適合する近似関数を導出し、近似関数において類似度が最も高い候補値を発電設備203の第2パラメータの値として推定してもよい。
図6は、図3に示された発電設備情報推定システム100によって取得される複数の推定量の第1例を摸式的に示すグラフである。
例えば、発電設備203が太陽光発電装置である場合、太陽光パネルの設置方位角および設置傾斜角の変化に伴って、発電量のピークの時間が変化する。したがって、推定部102は、発電設備203の方位パラメータまたは傾斜パラメータに関する複数の候補値に基づいて発電設備203の発電量を推定することにより、ピークの時間が異なる複数の推定量を取得することができる。そして、推定部102は、実績量に類似する推定量が得られる候補値を発電設備203の方位パラメータまたは傾斜パラメータの値として推定してもよい。
ここで、推定量と実績量との相関係数が大きいほど、推定量と実績量との類似度が高いと想定される。したがって、推定量と実績量との類似度は、推定量と実績量との相関係数に従って、規定されてもよい。
図7は、図3に示された発電設備情報推定システム100によって取得される複数の推定量の第2例を摸式的に示すグラフである。
例えば、発電設備203の設備容量は、発電設備203の発電可能量に相当し、発電量の大きさに影響する。したがって、推定部102は、発電設備203の容量パラメータに関する複数の候補値に基づいて発電設備203の発電量を推定することにより、発電量の大きさが異なる複数の推定量を取得することができる。そして、推定部102は、実績量に類似する推定量が得られる候補値を発電設備203の容量パラメータの値として推定してもよい。
また、推定量と実績量とのユークリッド距離(差)が小さいほど、推定量と実績量との類似度が高いと想定される。したがって、推定量と実績量との類似度は、推定量と実績量とのユークリッド距離に従って、規定されてもよい。
また、推定量と実績量との類似度は、推定量と実績量との相関係数と、推定量と実績量とのユークリッド距離との組み合わせによって規定されてもよい。つまり、推定量と実績量との類似度は、推定量と実績量との相関係数が大きいほど高く、かつ、推定量と実績量とのユークリッド距離が小さいほど高くてもよい。例えば、類似度は、正の定数C1、C2、C3、C4を用いて、以下の式によって表現されてもよい。
類似度=(C1×相関係数+C2)/(C3×ユークリッド距離+C4) ・・・(式1)
図8は、図3に示された発電設備情報推定システム100によって用いられる候補値と類似度との関係を摸式的に示すグラフである。
推定部102は、複数の候補値に基づいて複数の推定量を取得する。そして、推定部102は、複数の推定量のそれぞれと実績量との間の類似度を取得することにより、複数の類似度を取得する。これにより、推定部102は、複数の候補値に基づく複数の類似度を取得する。推定部102は、複数の類似度のうち最も高い類似度に対応する候補値をパラメータの推定値として取得してもよい。
あるいは、推定部102は、複数の候補値と複数の類似度との関係に適合する近似関数を導出し、近似関数において類似度が最も高い候補値をパラメータの推定値として取得してもよい。これにより、推定部102は、予め与えられた複数の候補値とは異なる新たな候補値をパラメータの推定値として取得することができる。
図9は、図3に示された発電量予測システム200によって時間毎に予測された発電量を示す摸式図である。この例では、設置傾斜角の情報である傾斜パラメータが未知である。
例えば、発電設備203の設置場所、設備容量および設置方位角の情報が入力装置206に入力される。つまり、場所パラメータの値、容量パラメータの値、および、方位パラメータの値が入力装置206に入力される。パラメータ取得部204は、場所パラメータの値、容量パラメータの値、および、方位パラメータの値を取得する。
推定部102は、気象情報、場所パラメータの値、容量パラメータの値、方位パラメータの値、および、傾斜パラメータの候補値に基づいて、発電量の推定量を取得する。そして、推定部102は、発電量の推定量と発電量の実績量との類似度に基づいて傾斜パラメータの推定値を取得する。
そして、予測部205は、気象情報、場所パラメータの値、容量パラメータの値、方位パラメータの値、および、傾斜パラメータの推定値に基づいて、発電量の予測量を取得する。この例では、予測部205は、時間毎の発電量の予測量を取得する。そして、出力装置207は、傾斜パラメータの値として推定値を表示し、発電量として時間毎の予測量を表示する。
図10は、図3に示された発電量予測システム200によって期間毎に予測された発電量を示す摸式図である。この例でも、設置傾斜角の情報である傾斜パラメータが未知である。そして、図9の例と同様に、推定部102は、傾斜パラメータの推定値を取得する。
そして、予測部205は、気象情報、場所パラメータの値、容量パラメータの値、方位パラメータの値、および、傾斜パラメータの推定値に基づいて、発電量の予測量を取得する。この例では、予測部205は、期間毎(月毎)の発電量の予測量を取得する。そして、出力装置207は、傾斜パラメータの値として推定値を表示し、発電量として期間毎の予測量を表示する。
上記の通り、第1具体例における発電設備情報推定システム100は、需要家の施設に既に設置された発電設備203のパラメータの値(実際の値)を推定する。そして、発電量予測システム200は、発電設備203のパラメータの推定値に基づいて、発電設備203の発電量を予測する。
(第2具体例)
次に、図11〜図20を用いて、図1に示された発電設備情報推定システム100に関する第2具体例を説明する。なお、以下において、第1具体例と同じ説明を省略する場合がある。なお、本具体例において推定に用いられる実績量は、需要家設備の電力消費量の実績量である。
図11は、本具体例における発電量予測システムの構成を示すブロック図である。図11に示された発電量予測システム300は、図1に示された発電設備情報推定システム100を備える。発電量予測システム300は、さらに、気象情報配信装置201、気象情報取得部202、需要家設備303、パラメータ取得部204、予測部205、入力装置206、および、出力装置207を備える。
すなわち、本具体例において、発電設備203の代わりに需要家設備303が示されている。なお、上記の複数の構成要素のうちの一部(特に、気象情報配信装置201、需要家設備303、入力装置206および出力装置207等)は、発電量予測システム300に含まれなくてもよい。本具体例における発電設備情報推定システム100は、新たに設置される予定の発電設備のパラメータの推奨値を推定する。
気象情報配信装置201、気象情報取得部202、パラメータ取得部204、入力装置206および出力装置207は、それぞれ、第1具体例に示された構成要素と同じである。
実績量取得部101は、図1に示された構成要素であり、本具体例において、需要家設備303の電力消費量の実績量を取得する。実績量取得部101は、需要家設備303から電力消費量の実績量を取得してもよいし、需要家設備303の電力消費量を計測する計測器から電力消費量の実績量を取得してもよい。
推定部102は、図1に示された構成要素であり、発電設備のパラメータの値を推定する。具体的には、推定部102は、発電設備のパラメータの候補値に基づいて、実績量取得部101で取得された実績量の電力消費が行われた期間(推定対象期間)における発電量を推定することにより、その期間における発電量の推定量を取得する。そして、推定部102は、発電設備のパラメータの候補値に基づいて取得された推定量と、実績量取得部101で取得された実績量とに基づいて、発電設備のパラメータの値を推定する。
なお、本具体例において、発電設備のパラメータの値は、発電設備のパラメータの実際の値ではなく、発電設備のパラメータの所望の値である。すなわち、推定部102は、発電設備のパラメータの値として望ましい値を推定する。
例えば、推定部102は、発電量の推定量のうち電力消費量の実績量を超える部分と、発電量の推定量のうち電力消費量の実績量を超えない部分とのうち少なくとも一方に基づいて、パラメータの値を推定してもよい。その際、推定部102は、推定量の評価値に基づいて、パラメータの値を推定してもよい。
ここで、推定量の評価値は、自家消費量またはその割合が大きいほど高くてもよい。例えば、推定量の評価値は、推定量のうち実績量を超えない部分が大きいほど高くてもよい。また、例えば、推定量の評価値は、推定量のうち実績量を超える部分が小さいほど高く、かつ、推定量のうち実績量を超えない部分が大きいほど高くてもよい。
あるいは、推定量の評価値は、逆潮流量またはその割合が大きいほど高くてもよい。例えば、推定量の評価値は、推定量のうち実績量を超える部分が大きいほど高くてもよい。また、例えば、推定量の評価値は、推定量のうち実績量を超える部分が大きいほど高く、かつ、推定量のうち実績量を超えない部分が小さいほど高くてもよい。
そして、推定部102は、パラメータの候補値に基づいて取得された推定量の評価値が所定の基準よりも高い場合、パラメータの候補値をパラメータの値として推定してもよい。また、推定部102は、パラメータの複数の候補値に基づいて発電量を推定することにより複数の推定量を取得してもよい。
そして、推定部102は、複数の推定量のうち評価値が最も高い推定量に対応する候補値を複数の候補値から選択し、選択された候補値をパラメータの値として推定してもよい。あるいは、推定部102は、複数の候補値と、複数の候補値に基づく複数の推定量の複数の評価値との関係に適合する近似関数を導出し、導出された近似関数において評価値が最も高い候補値をパラメータの値として推定してもよい。
また、推定部102は、第1具体例と同様に、発電量の推定に、気象情報を利用してもよいし、発電設備の他のパラメータの値を利用してもよい。例えば、発電設備の他のパラメータの値は、新たに設置される予定の発電設備に関して既に確定しているパラメータの値である。
予測部205は、第1具体例において示した通り、将来における発電設備の発電量を予測する予測器である。本具体例において、予測部205は、さらに、需要家設備303の電力消費量の実績量に基づいて、将来における需要家設備303の電力消費量を予測してもよい。予測部205は、さらに、需要家の施設における電力収支を予測してもよい。
図12は、図11に示された発電量予測システム300の動作を示すフローチャートである。まず、気象情報取得部202は、気象情報配信装置201から推定対象期間および予測対象期間における気象情報を取得する(S401)。そして、パラメータ取得部204は、入力装置206を介して、発電設備の第1パラメータの値を取得する(S402)。そして、実績量取得部101は、需要家設備303の電力消費量の実績量を取得する(S403)。
次に、推定部102は、推定対象期間における気象情報と、発電設備の第1パラメータの値と、発電設備の第2パラメータの候補値とに基づいて、推定対象期間における発電設備の発電量の推定量を取得する(S404)。推定部102は、推定対象期間における気象情報と、発電設備の第1パラメータの値と、発電設備の第2パラメータの複数の候補値とに基づいて、推定対象期間における発電設備の発電量の複数の推定量を取得してもよい。
次に、推定部102は、推定量のうち実績量を超える部分と、推定量のうち実績量を超えない部分とのうち少なくとも一方に基づいて、発電設備の第2パラメータの値を推定する(S405)。
例えば、推定部102は、第2パラメータの候補値に基づく推定量の評価値が所定の基準よりも高い場合、第2パラメータの候補値を第2パラメータの値として推定してもよい。この所定の基準は、他の候補値に基づく推定量の評価値で規定されてもよい。
また、例えば、推定部102は、第2パラメータの複数の候補値に基づく複数の推定量のうち評価値が最も高い推定量に対応する候補値を複数の候補値から選択し、選択された候補値を第2パラメータの値として推定してもよい。また、例えば、推定部102は、第2パラメータの複数の候補値と、複数の候補値に基づく複数の推定量の複数の評価値との関係に適合する近似関数を導出し、導出された近似関数において評価値が最も高い候補値を第2パラメータの値として推定してもよい。
次に、予測部205は、将来における気象情報と、発電設備の第1パラメータの値と、発電設備の第2パラメータの推定値とに基づいて、将来における発電設備の発電量の予測量を取得する(S406)。次に、予測部205は、過去における需要家設備303の電力消費量の実績量に基づいて、将来における需要家設備303の電力消費量の予測量を取得する(S407)。
次に、予測部205は、発電量の予測量と電力消費量の予測量とに基づいて、需要家の施設における電力収支を予測する(S408)。ここで、需要家の施設における電力収支は、需要家の施設へ電力が流入する量である順潮流量、および、需要家の施設から電力が流出する量である逆潮流量を示す。需要家の施設における電力収支は、さらに、発電設備の発電量を示してもよいし、需要家設備303の電力消費量を示してもよいし、発電設備で発電され需要家設備303で消費される電力の量である自家消費量を示してもよい。
最後に、出力装置207は、推定部102における推定結果、および、予測部205における予測結果を表示する(S409)。例えば、出力装置207は、発電設備の第2パラメータの推定値、および、発電設備の第2パラメータの推定値に基づいて予測された電力収支を表示する。
図13は、図11に示された発電設備情報推定システム100によって実行される推定処理のデータフローを示すデータフロー図である。この例では、複数の候補値が利用される。以下、図13に示されるデータフローに沿って、推定処理を説明する。
実績量取得部101は、電力消費量の実績量を取得する(S501)。一方、推定部102は、気象情報と、発電設備の第1パラメータの値と、発電設備の第2パラメータの複数の候補値とに基づいて発電量を推定することにより、発電量の複数の推定量を取得する(S502)。なお、推定部102は、発電量の推定に、気象情報を利用しなくてもよいし、第1パラメータの値を利用しなくてもよい。
次に、推定部102は、電力消費量の実績量と、発電量の複数の推定量のそれぞれとの関係に基づいて複数の推定量のそれぞれの評価値を取得することにより、複数の推定量の複数の評価値を取得する(S503)。例えば、推定量の評価値は、推定量のうち実績量を超えない部分が大きいほど高くてもよい。あるいは、推定量の評価値は、推定量のうち実績量を超える部分が大きいほど高くてもよい。
次に、推定部102は、発電設備の第2パラメータの複数の候補値と、複数の候補値に基づく複数の評価値とに基づいて、発電設備の第2パラメータの値を推定することにより、発電設備の第2パラメータの推定値を取得する(S504)。
例えば、推定部102は、複数の候補値に基づく複数の評価値のうち最も高い評価値に対応する候補値を発電設備の第2パラメータの値として推定してもよい。あるいは、推定部102は、複数の候補値と、複数の候補値に基づく複数の評価値との関係に適合する近似関数を導出し、近似関数において評価値が最も高い候補値を発電設備の第2パラメータの値として推定してもよい。
図14は、図11に示された発電設備情報推定システム100によって取得される推定量の第1例を摸式的に示すグラフである。図14において、発電量の推定量のうち、電力消費量の実績量を超える部分が、ドットの網掛けで示され、発電量の推定量のうち、電力消費量の実績量を超えない部分が、斜線の網掛けで示されている。発電量の推定量のうち、電力消費量の実績量を超える部分は、逆潮流量に相当する。発電量の推定量のうち、電力消費量の実績量を超えない部分は、自家消費量に相当する。
図14の例では、逆潮流量(電力流出量)が比較的小さく、自家消費量が比較的大きい。これにより、順潮流量(電力流入量)が減り、発電設備の発電電力が需要家の施設においてより多く利用される。
図15は、図11に示された発電設備情報推定システム100によって取得される推定量の第2例を摸式的に示すグラフである。図15において、図14と同様に、発電量の推定量のうち、電力消費量の実績量を超える部分が、ドットの網掛けで示され、発電量の推定量のうち、電力消費量の実績量を超えない部分が、斜線の網掛けで示されている。
図15の例では、逆潮流量(電力流出量)が比較的大きく、自家消費量が比較的小さい。これにより、逆潮流量(電力流出量)が増え、発電設備の発電電力が発電所または他の需要家の施設等においてより多く利用される。
図14の例では、発電設備の発電電力が需要家の施設においてより多く利用され、送電ロスが抑制される。一方、図15の例では、発電設備の発電電力が電力系統全体でより多く利用(共用)され、電力需給が全体として最適化される場合がある。図14の推定量が適切であるか図15の推定量が適切であるかは状況により異なる。
そのため、推定量の評価値は、自家消費量の割合が大きいほど高くてもよいし、逆潮流量の割合が大きいほど高くてもよい。推定量の評価値の特性は、電力の状況、または、ユーザーの指示によって、切り替えられてもよい。
より具体的には、電力の状況を示す指標として、売電単価と買電単価との関係が用いられてもよい。売電単価が買電単価よりも高い場合に、推定量の評価値は、逆潮流量の割合が大きいほど高くてもよい。そして、買電単価が売電単価よりも高い場合に、推定量の評価値は、自家消費量の割合が大きいほど高くてもよい。
自家消費量の割合が大きいほど高い評価値の例は、以下の式2または式3等によって表現される。
評価値=推定量のうち実績量を超えない部分(自家消費量)/推定量 ・・・(式2)
評価値=推定量のうち実績量を超えない部分(自家消費量)−推定量のうち実績量を超える部分(逆潮流量) ・・・(式3)
また、逆潮流量の割合が大きいほど高い評価値の例は、以下の式4または式5等によって表現される。
評価値=推定量のうち実績量を超える部分(逆潮流量)/推定量 ・・・(式4)
評価値=推定量のうち実績量を超える部分(逆潮流量)−推定量のうち実績量を超えない部分(自家消費量) ・・・(式5)
なお、上記では、自家消費量の割合、または、逆潮流量の割合が評価値に用いられているが、自家消費量の大きさ、または、逆潮流量の大きさが評価値に用いられてもよい。例えば、評価値は、以下の式6または式7等によって表現されてもよい。
評価値=推定量のうち実績量を超えない部分(自家消費量) ・・・(式6)
評価値=推定量のうち実績量を超える部分(逆潮流量) ・・・(式7)
つまり、式6または式7のように、推定量のうち実績量を超えない部分(自家消費量)と、推定量のうち実績量を超える部分(逆潮流量)とのうち一方のみに基づいて、推定量が評価されてもよい。そして、推定量の評価値に基づいて、パラメータの値が推定されてもよい。
図16は、図11に示された発電設備情報推定システム100によって用いられる候補値と評価値との関係を摸式的に示すグラフである。
推定部102は、複数の候補値に基づいて複数の推定量を取得する。そして、推定部102は、複数の推定量のそれぞれと実績量との関係に基づいて評価値を取得することにより、複数の評価値を取得する。これにより、推定部102は、複数の候補値に基づく複数の評価値を取得する。推定部102は、複数の評価値のうち最も高い評価値に対応する候補値をパラメータの推定値として取得してもよい。
あるいは、推定部102は、複数の候補値と複数の評価値との関係に適合する近似関数を導出し、近似関数において評価値が最も高い候補値をパラメータの推定値として取得してもよい。これにより、推定部102は、予め与えられた複数の候補値とは異なる新たな候補値をパラメータの推定値として取得することができる。
図17は、図11に示された発電量予測システム300によって時間毎に予測された発電量および電力消費量の第1例を示す摸式図である。この例では、設置方位角の情報である方位パラメータが未知である。
例えば、発電設備の設置場所、設備容量および設置傾斜角の情報が入力装置206に入力される。つまり、場所パラメータの値、容量パラメータの値、および、傾斜パラメータの値が入力装置206に入力される。パラメータ取得部204は、場所パラメータの値、容量パラメータの値、および、方位パラメータの値を取得する。
推定部102は、気象情報、場所パラメータの値、容量パラメータの値、傾斜パラメータの値、および、方位パラメータの候補値に基づいて、発電量の推定量を取得する。そして、推定部102は、発電量の推定量と電力消費量の実績量との関係に基づいて、方位パラメータの推定値を取得する。この例では、推定部102は、推定量のうち実績量を超えない部分が大きいほど高い評価値に基づいて、高い評価値に対応する候補値を方位パラメータの推定値として取得する。
そして、予測部205は、気象情報、場所パラメータの値、容量パラメータの値、傾斜パラメータの値、および、方位パラメータの推定値に基づいて、発電量の予測量を取得する。この例では、予測部205は、時間毎の発電量の予測量を取得する。また、予測部205は、時間毎の電力消費量の予測量を取得する。そして、出力装置207は、方位パラメータの値として推定値を表示し、発電量として時間毎の発電量の予測量を表示し、電力消費量として時間毎の電力消費量の予測量を表示する。
図17の例において、発電量のうち電力消費量を超える部分が小さく、発電量のうち電力消費量を超えない部分が大きい。つまり、この例において、発電設備情報推定システム100は、発電量のうち電力消費量を超える部分を小さくし、かつ、発電量のうち電力消費量を超えない部分を大きくするための方位パラメータの値を推定する。
図18は、図11に示された発電量予測システム300によって期間毎に予測された逆潮流量、自家消費量および順潮流量の第1例を示す摸式図である。この例でも、設置方位角の情報である方位パラメータが未知である。そして、図17の例と同様に、推定部102は、方位パラメータの推定値を取得する。
また、この例において、予測部205は、気象情報、場所パラメータの値、容量パラメータの値、傾斜パラメータの値、および、方位パラメータの推定値に基づいて、将来の発電量の予測量を取得する。また、予測部205は、電力消費量の実績量に基づいて、将来の電力消費量の予測量を取得する。そして、予測部205は、時間毎に、逆潮流量、自家消費量および順潮流量の予測量を取得する。
そして、予測部205は、期間毎(月毎)に、逆潮流量、自家消費量および順潮流量の予測量を集約する。そして、出力装置207は、方位パラメータの値として推定値を表示し、逆潮流量として期間毎の逆潮流量の予測量を表示し、自家消費量として期間毎の自家消費量の予測量を表示し、順潮流量として期間毎の順潮流量の予測量を表示する。
図18の例において、自家消費量が大きく、逆潮流量が小さい。つまり、この例において、発電設備情報推定システム100は、自家消費量を大きくし、かつ、逆潮流量を小さくするための方位パラメータの値を推定する。
図19は、図11に示された発電量予測システム300によって時間毎に予測された発電量および電力消費量の第2例を示す摸式図である。この例でも、設置方位角の情報である方位パラメータが未知である。
推定部102は、気象情報、場所パラメータの値、容量パラメータの値、傾斜パラメータの値、および、方位パラメータの候補値に基づいて、発電量の推定量を取得する。そして、推定部102は、発電量の推定量と電力消費量の実績量との関係に基づいて、方位パラメータの推定値を取得する。この例では、推定部102は、推定量のうち実績量を超える部分が大きいほど高い評価値に基づいて、高い評価値に対応する候補値を方位パラメータの推定値として取得する。
そして、予測部205は、気象情報、場所パラメータの値、容量パラメータの値、傾斜パラメータの値、および、方位パラメータの推定値に基づいて、時間毎の発電量の予測量を取得する。また、予測部205は、時間毎の電力消費量の予測量を取得する。そして、出力装置207は、方位パラメータの値として推定値を表示し、発電量として時間毎の発電量の予測量を表示し、電力消費量として時間毎の電力消費量の予測量を表示する。
図19の例において、発電量のうち電力消費量を超える部分が大きく、発電量のうち電力消費量を超えない部分が小さい。つまり、この例において、発電設備情報推定システム100は、発電量のうち電力消費量を超える部分を大きくし、かつ、発電量のうち電力消費量を超えない部分を小さくするための方位パラメータの値を推定する。
図20は、図11に示された発電量予測システム300によって期間毎に予測された逆潮流量、自家消費量および順潮流量の第2例を示す摸式図である。この例でも、設置方位角の情報である方位パラメータが未知である。そして、図19の例と同様に、推定部102は、方位パラメータの推定値を取得する。
そして、図18の例と同様に、予測部205は、気象情報、場所パラメータの値、容量パラメータの値、傾斜パラメータの値、および、方位パラメータの推定値に基づいて、将来の発電量の予測量を取得する。また、予測部205は、電力消費量の実績量に基づいて、将来の電力消費量の予測量を取得する。そして、予測部205は、時間毎に、逆潮流量、自家消費量および順潮流量の予測量を取得する。
そして、予測部205は、期間毎(月毎)に、逆潮流量、自家消費量および順潮流量の予測量を集約する。そして、出力装置207は、方位パラメータの値として推定値を表示し、逆潮流量として期間毎の逆潮流量の予測量を表示し、自家消費量として期間毎の自家消費量の予測量を表示し、順潮流量として期間毎の順潮流量の予測量を表示する。
図20の例において、自家消費量が小さく、逆潮流量が大きい。つまり、この例において、発電設備情報推定システム100は、自家消費量を小さくし、かつ、逆潮流量を大きくするための方位パラメータの値を推定する。
上記の通り、第2具体例における発電設備情報推定システム100は、需要家の施設に設置されるべき発電設備のパラメータの値(推奨値)を推定する。そして、発電量予測システム300は、発電設備のパラメータの推定値に基づいて、発電設備の発電量を予測する。
(補足)
上記の説明では、1つのパラメータの値が推定されているが、複数のパラメータの各値が推定されてもよい。これにより、複数のパラメータに関して複数の値の適切な組み合わせが推定される。そして、発電設備の発電量を予測するための複数のパラメータの各値が推定されることで、入力時間および入力ミスが削減される。
また、第1具体例において、発電設備のパラメータの値、および、発電設備の発電量の予測量等が、発電量管理サーバに送信され、集中管理されてもよい。
また、第1具体例における類似度が第2具体例における評価値のように利用されてもよい。すなわち、実績量に対する推定量の類似度が、推定量の評価値として利用されてもよい。この場合、実績量に対する推定量の類似度が高いほど、推定量の評価値は高い。このような評価値が利用されることで、第2具体例と同じ枠組みで、類似度が利用され得る。
また、第2具体例において、一部のパラメータの各値が、発電設備のイニシャルコストと、需要家の施設における電力収支のパフォーマンスとに基づいて、推定されてもよい。つまり、低いイニシャルコストで高いパフォーマンスが得られるように、パラメータの値が推定されてもよい。例えば、発電設備の容量パラメータの値は、発電設備のイニシャルコストに影響を与える。発電設備の容量パラメータの値は、発電設備のイニシャルコストと、電力収支のパフォーマンスとが釣り合うように、推定されてもよい。
以上、本発明に係る発電設備情報推定システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明に係る発電設備情報推定システムは、実施の形態に限定されない。実施の形態に対して当業者が思いつく変形を施して得られる形態、および、実施の形態における複数の構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に係る発電設備情報推定システムに含まれる。
例えば、特定の構成要素が実行する処理を別の構成要素が実行してもよい。また、処理を実行する順番が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
また、上記の説明における発電量、電力消費量、推定量、実績量、予測量、順潮流量、逆潮流量および自家消費量等は、それぞれ、電力の量に相当する。これらの大きさは、kWまたはkWh等の単位で表現される。また、これらは、それぞれ、時間毎の量でもよい。
時間毎の発電量、時間毎の電力消費量、時間毎の推定量、時間毎の実績量、および、時間毎の予測量は、それぞれ、発電推移、電力消費推移、推定推移、実績推移、予測推移とも表現され得る。同様に、時間毎の順潮流量、時間毎の逆潮流量、および、時間毎の自家消費量は、それぞれ、順潮流推移、逆潮流推移、および、自家消費推移と表現され得る。
また、本発明は、発電設備情報推定システムとして実現できるだけでなく、発電設備情報推定システムを構成する各構成要素が行うステップ(処理)を含む発電設備情報推定方法として実現できる。また、本発明は、発電設備情報推定方法をコンピュータ等に実行させるためのプログラムとして実現できる。このプログラムは、CD−ROM等の非一時的な記録媒体に記録されてもよい。
最後に、発電設備情報推定システム等の基本的な構成例、および、複数の変形例等を示す。これらは、適宜、組み合わされてもよい。
(1)例えば、本発明の一態様に係る発電設備情報推定システム100は、実績量取得部101と、推定部102とを備える。実績量取得部101は、発電設備の発電量と需要家設備の電力消費量とのうち一方の実績量を取得する。推定部102は、発電設備のパラメータの第1候補値に基づいて発電量を推定することにより発電量の第1推定量を取得し、第1推定量と実績量との関係に基づいて発電設備のパラメータの値を推定する。
これにより、発電設備情報推定システム100は、発電設備のパラメータの候補値に基づく発電量の推定量と、実際の発電量または電力消費量の実績量との関係に基づいて、発電設備のパラメータの値を適切に推定することができる。すなわち、発電設備情報推定システム100は、発電設備の設備情報を適切に推定することができる。したがって、発電設備情報推定システム100は、発電設備の設備情報の確認、または、発電設備の発電量の予測を支援することができる。
(2)例えば、実績量は、発電量の実績量でもよい。そして、推定部102は、第1推定量と実績量との類似度である第1類似度に基づいてパラメータの値を推定してもよい。これにより、発電設備情報推定システム100は、発電設備のパラメータの候補値により発電量として得られる推定量と、実際の発電量の実績量との類似度に基づいて、発電設備のパラメータの値を適切に推定することができる。
(3)例えば、推定部102は、第1類似度が所定の基準よりも高い場合、パラメータの第1候補値をパラメータの値として推定してもよい。これにより、発電設備情報推定システム100は、発電設備のパラメータの候補値により発電量として得られる推定量と、実際の発電量の実績量とが互いに類似する場合に、発電設備のパラメータの候補値を発電設備のパラメータの値として推定することができる。
(4)例えば、推定部102は、パラメータの第1候補値を含む複数の候補値に基づいて発電量を推定することにより第1推定量を含む複数の推定量を取得してもよい。そして、推定部102は、複数の推定量のうち実績量に対する類似度が最も高い推定量に対応する候補値を複数の候補値から選択してもよい。そして、推定部102は、選択された候補値をパラメータの値として推定してもよい。
これにより、発電設備情報推定システム100は、複数の候補値から、実際の発電量の実績量に類似する適切な推定量が得られる適切な候補値を選択し、選択された適切な候補値をパラメータの値として推定することができる。
(5)例えば、推定部102は、パラメータの第1候補値を含む複数の候補値に基づいて発電量を推定することにより第1推定量を含む複数の推定量を取得してもよい。そして、推定部102は、複数の候補値と、複数の推定量および実績量の間における複数の類似度との関係に適合する近似関数を導出してもよい。そして、推定部102は、近似関数において類似度が最も高い候補値をパラメータの値として推定してもよい。
これにより、発電設備情報推定システム100は、離散的な値でなく連続的な値に基づいて、より発電量の実績量に整合する値を発電設備のパラメータの値として推定することができる。
(6)例えば、実績量は、電力消費量の実績量でもよい。そして、推定部102は、第1推定量のうち実績量を超える部分と、第1推定量のうち実績量を超えない部分とのうち少なくとも一方に基づいて、パラメータの値を推定してもよい。これにより、発電設備情報推定システム100は、逆潮流量に相当する部分と、自家消費量に相当する部分とのうち少なくとも一方に基づいて、発電設備のパラメータの値を適切に推定することができる。
(7)例えば、推定部102は、第1推定量の評価値が所定の基準よりも高い場合、パラメータの第1候補値をパラメータの値として推定してもよい。ここで、第1推定量の評価値は、第1推定量のうち実績量を超えない部分が大きいほど高くてもよい。
これにより、発電設備情報推定システム100は、自家消費量を大きくするための候補値をパラメータの値として推定することができる。すなわち、発電設備情報推定システム100は、送電ロスを抑制するための候補値であって、発電設備の発電電力を需要家設備でより多く利用するための候補値をパラメータの値として推定することができる。
(8)例えば、推定部102は、パラメータの第1候補値を含む複数の候補値に基づいて発電量を推定することにより第1推定量を含む複数の推定量を取得してもよい。そして、推定部102は、複数の推定量のうち評価値が最も高い推定量に対応する候補値を複数の候補値から選択してもよい。そして、推定部102は、選択された候補値をパラメータの値として推定してもよい。
ここで、複数の推定量のそれぞれについて、推定量の評価値は、推定量のうち実績量を超えない部分が大きいほど高くてもよい。
これにより、発電設備情報推定システム100は、自家消費量を大きくするための適切な候補値を複数の候補値から選択して発電設備のパラメータの値として推定することができる。すなわち、発電設備情報推定システム100は、発電設備の発電電力を需要家設備でより多く利用するための適切な候補値を複数の候補値から選択して発電設備のパラメータの値として推定することができる。
(9)例えば、推定部102は、パラメータの第1候補値を含む複数の候補値に基づいて発電量を推定することにより第1推定量を含む複数の推定量を取得してもよい。そして、推定部102は、複数の候補値と複数の推定量の複数の評価値との関係に適合する近似関数を導出してもよい。そして、推定部102は、近似関数において評価値が最も高い候補値をパラメータの値として推定してもよい。
ここで、複数の推定量のそれぞれについて、推定量の評価値は、推定量のうち実績量を超えない部分が大きいほど高くてもよい。
これにより、発電設備情報推定システム100は、離散的な値でなく連続的な値に基づいて、発電設備の発電電力が需要家設備でより多く利用されるような、発電設備のパラメータの値を適切に推定することができる。
(10)例えば、推定部102は、第1推定量の評価値が所定の基準よりも高い場合、パラメータの第1候補値をパラメータの値として推定してもよい。ここで、第1推定量の評価値は、第1推定量のうち実績量を超える部分が大きいほど高くてもよい。
これにより、発電設備情報推定システム100は、逆潮流量を大きくするための候補値をパラメータの値として推定することができる。すなわち、発電設備情報推定システム100は、発電設備の発電電力を電力系統全体でより多く利用するための候補値をパラメータの値として推定することができる。
(11)例えば、推定部102は、パラメータの第1候補値を含む複数の候補値に基づいて発電量を推定することにより第1推定量を含む複数の推定量を取得してもよい。そして、推定部102は、複数の推定量のうち評価値が最も高い推定量に対応する候補値を複数の候補値から選択してもよい。そして、推定部102は、選択された候補値をパラメータの値として推定してもよい。
ここで、複数の推定量のそれぞれについて、推定量の評価値は、推定量のうち実績量を超える部分が大きいほど高くてもよい。
これにより、発電設備情報推定システム100は、逆潮流量を大きくするための適切な候補値を複数の候補値から選択して発電設備のパラメータの値として推定することができる。すなわち、発電設備情報推定システム100は、発電設備の発電電力を電力系統全体でより多く利用するための適切な候補値を複数の候補値から選択して発電設備のパラメータの値として推定することができる。
(12)例えば、推定部102は、パラメータの第1候補値を含む複数の候補値に基づいて発電量を推定することにより第1推定量を含む複数の推定量を取得してもよい。そして、推定部102は、複数の候補値と複数の推定量の複数の評価値との関係に適合する近似関数を導出してもよい。そして、推定部102は、近似関数において評価値が最も高い候補値をパラメータの値として推定してもよい。
ここで、複数の推定量のそれぞれについて、推定量の評価値は、推定量のうち実績量を超える部分が大きいほど高くてもよい。
これにより、発電設備情報推定システム100は、離散的な値でなく連続的な値に基づいて、発電設備の発電電力が電力系統全体でより多く利用されるような、発電設備のパラメータの値を適切に推定することができる。
(13)例えば、発電設備情報推定システム100は、さらに、気象情報を取得する気象情報取得部202を備えてもよい。そして、推定部102は、発電量の推定に気象情報を利用してもよい。
これにより、発電設備情報推定システム100は、気象情報に基づいて、より適切に発電量を推定することができる。特に、発電設備が自然エネルギーを用いて発電を行う場合、発電設備情報推定システム100は、気象情報に基づいて、より適切に発電量を推定することができる。そして、発電設備情報推定システム100は、発電量のより適切な推定量に基づいて、発電設備のパラメータの値をより適切に推定することができる。
(14)例えば、発電設備情報推定システム100は、さらに、発電設備の他のパラメータの値を取得するパラメータ取得部204を備えてもよい。そして、推定部102は、発電量の推定に他のパラメータの値を利用してもよい。これにより、発電設備情報推定システム100は、発電設備の他のパラメータの値に基づいて、より適切に発電量を推定することができる。したがって、発電設備情報推定システム100は、発電量のより適切な推定量に基づいて、発電設備のパラメータの値をより適切に推定することができる。
(15)例えば、本発明の一態様に係る発電設備情報推定方法は、取得ステップ(S101)と、推定ステップ(S102)とを含む。取得ステップ(S101)では、発電設備の発電量と需要家設備の電力消費量とのうち一方の実績量を取得する。推定ステップ(S102)では、発電設備のパラメータの第1候補値に基づいて発電量を推定することにより発電量の第1推定量を取得し、第1推定量と実績量との関係に基づいて発電設備のパラメータの値を推定する。
これにより、発電設備のパラメータの候補値に基づく発電量の推定量と、実際の発電量または電力消費量の実績量との関係に基づいて、発電設備のパラメータの値が適切に推定される。すなわち、発電設備の設備情報が適切に推定される。したがって、発電設備の設備情報の確認、または、発電設備の発電量の予測を適切に支援することが可能である。
(16)例えば、本発明の一態様に係るプログラムは、発電設備情報推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。これにより、発電設備情報推定方法がプログラムにより実現される。